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特開2024-107581作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107581
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240802BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011584
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 拓海
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】圃場における作業を評価する評価値の精度を向上する。
【解決手段】作業管理方法は、作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置30により対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定することを含む。また、作業管理方法は、対象基準評価値と、対象圃場の面積とに基づき、対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定することを含む。対象基準評価値を推定することは、圃場500の形状に関連付けて、作業装置30により圃場500において過去に行われた作業の基準単位の基準評価値に基づき、対象圃場における対象基準評価値を決定することを含んでもよい。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置により前記対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定することと、
前記対象基準評価値と、前記対象圃場の面積とに基づき、前記対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定することと、
を含む作業管理方法。
【請求項2】
前記対象基準評価値を推定することは、
圃場の形状に関連付けて、作業装置により前記圃場において過去に行われた作業の前記基準単位の基準評価値に基づき、前記対象圃場における前記対象基準評価値を決定すること
を含む請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項3】
前記圃場において過去に行われた作業の前記基準単位の前記基準評価値は、複数の前記圃場における前記基準評価値の統計値を表す
請求項2に記載の作業管理方法。
【請求項4】
前記対象基準評価値を推定することは、
圃場の形状から、作業装置により前記圃場において行う作業の前記基準単位の基準評価値を決定するように学習された基準評価値決定モデルを用いて、前記対象圃場の形状から前記対象基準評価値を推定すること
を含む請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項5】
前記対象圃場の形状は、予め決められた複数の類型形状から選択された1つの類型形状を表す
請求項1から4のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項6】
前記対象基準評価値を推定することは、
前記対象圃場の前記形状と、前記対象圃場の面積とに基づき、前記対象基準評価値を推定すること
を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項7】
前記対象基準評価値を推定することは、
前記対象圃場の前記形状と、前記対象圃場において作業を行う作業装置の大きさとに基づき、前記対象基準評価値を推定すること
を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項8】
前記対象基準評価値を推定することは、
前記対象圃場の前記形状と、前記対象圃場において作業装置が作業をしながら直線移動する距離とに基づき、前記対象基準評価値を推定すること
を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項9】
前記対象圃場の輪郭を決定することと、
複数の類型形状のうち、前記対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を前記対象圃場の形状として決定することと、
を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の作業管理方法。
【請求項10】
作業装置により作業が行われる対象圃場の輪郭を決定することと、
複数の類型形状のうち、前記対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を決定することと、
前記第1類型形状を表す情報を出力することと、
を含む作業管理方法。
【請求項11】
作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置により前記対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定する基準評価値推定部と、
前記対象基準評価値と、前記対象圃場の面積とに基づき、前記対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定する評価値推定部と、
を備える作業管理システム。
【請求項12】
作業装置により作業が行われる対象圃場の輪郭を決定する輪郭決定部と、
複数の類型形状のうち、前記対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を決定する形状決定部と、
前記第1類型形状を表す情報を出力する出力部と、
を備える作業管理システム。
【請求項13】
作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置により前記対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定することと、
前記対象基準評価値と、前記対象圃場の面積とに基づき、前記対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定することと、
を演算装置に実行させる作業管理プログラム。
【請求項14】
作業装置により作業が行われる対象圃場の輪郭を決定することと、
複数の類型形状のうち、前記対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を決定することと、
前記第1類型形状を表す情報を出力することと、
を演算装置に実行させる作業管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、栽培管理の分析に圃場における作業に関する情報を用いることが研究されている。
【0003】
特許文献1には、圃場で行う作業を計画するときに、対象の圃場において過去の作業実績を参考として表示するシステムが開示されている。また、このシステムは、設定された計画に応じて作業時間やコストを算出し表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-85149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、合筆や分筆により圃場の形状や大きさが変わる場合がある。この場合、過去の作業実績と直接比較できず、作業時間やコストなどの評価値を過去の作業実績から精度よく推定できない場合がある。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、推定される作業の評価値の精度を向上することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理方法は、作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置(30)により対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定することを含む。また、作業管理方法は、対象基準評価値と、対象圃場の面積とに基づき、対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理方法は、作業装置(30)により作業が行われる対象圃場の輪郭を決定することを含む。また、作業管理方法は、複数の類型形状のうち、対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を決定することを含む。作業管理方法は、第1類型形状を表す情報を出力することを含む。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理システム(1000)は、基準評価値推定部(170)と、評価値推定部(180)とを備える。基準評価値推定部(170)は、作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置(30)により対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定する。評価値推定部(180)は、対象基準評価値と、対象圃場の面積とに基づき、対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定する。
【0011】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理システム(1000)は、輪郭決定部(150)と、形状決定部(160)と、出力部(190)とを備える。輪郭決定部(150)は、作業装置(30)により作業が行われる対象圃場の輪郭を決定する。形状決定部(160)は、複数の類型形状のうち、対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を決定する。出力部(190)は、第1類型形状を表す情報を出力する。
【0012】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理プログラム(430)は、作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置(30)により対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定することを演算装置(120、220)に実行させる。また、作業管理プログラム(430)は、対象基準評価値と、対象圃場の面積とに基づき、対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定することを演算装置(120、220)に実行させる。
【0013】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理プログラム(430)は、作業装置(30)により作業が行われる対象圃場の輪郭を決定することを演算装置(120、220)に実行させる。また、作業管理プログラム(430)は、複数の類型形状のうち、対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を決定することを演算装置(120、220)に実行させる。作業管理プログラム(430)は、第1類型形状を表す情報を出力することを演算装置(120、220)に実行させる。
【発明の効果】
【0014】
上記の形態によれば、精度の高い評価値を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施の形態における作業管理システムの概略図である。
図2】一実施の形態における端末により表示される評価情報を表す図である。
図3】一実施の形態における作業管理装置の構成を表す図である。
図4】一実施の形態における圃場データの構成を表す図である。
図5】一実施の形態における基準データの構成を表す図である。
図6】一実施の形態における作業管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図7】一実施の形態における端末の構成を表す図である。
図8】一実施の形態において、作業装置から稼働情報を取得したときに作業管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
図9】一実施の形態において、端末に評価情報を表示するときに作業管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態による作業管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、図1に示すように、作業管理システム1000は、作業管理装置100と、端末200とを備える。作業管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、1つ以上の端末200と、作業装置30と通信可能に接続されている。
【0017】
作業装置30は、圃場において移動しながら作業、例えば耕耘、植付、収穫を行う。作業装置30は、圃場で作業を行っているときに、各時刻における稼働状態を表す稼働情報を作業管理装置100に送信する。例えば、稼働情報は、作業装置30の位置情報を含む。作業装置30は、測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、作業装置30が移動した各時刻の位置を表す位置情報を取得する。稼働情報は、例えば作業装置30の各機械の状態、例えば各種クラッチのON/OFF状況などを表す情報を含んでもよい。また、作業装置30が作業機械を牽引する車両、例えばトラクターであるとき、稼働情報には、作業機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。
【0018】
作業管理装置100は、作業装置30から取得する稼働情報、例えば位置情報に基づき、作業装置30により作業が行われた圃場に関する情報、例えば形状、面積などを決定する。また、作業管理装置100は、圃場に関する情報、例えば圃場において栽培される作物の作型、作業を行う作業装置30の大きさなどを端末200から取得してもよい。例えば、端末200は、ユーザにより入力された圃場に関する情報を作業管理装置100に出力する。
【0019】
作業管理システム1000は、図2に示すように、圃場500において行われる作業、例えば収穫の評価値、例えば収穫に要する作業時間600を推定して、ユーザに報知する。例えば、作業管理装置100は、圃場500の形状に基づき、圃場500において行われる作業の基準単位の評価として、作業能力610、例えば単位時間当たりの作業面積を推定する。作業管理装置100は、推定された作業能力610と、圃場500の面積とに基づき、圃場500における作業の評価値、例えば作業時間600を推定する。
【0020】
このように、作業管理システム1000は、圃場500の形状に応じた評価値を推定する。圃場500における作業能力610は、同じ面積の圃場500であっても、形状が矩形である場合とその他の形状、例えば三角形である場合とで異なる場合が多い。例えば、作業能力610は、同じ面積であっても、台形である圃場500より、矩形である圃場500の方が高い場合がある。また、作業能力610は、同じ面積であっても、三角形である圃場500より、台形である圃場500の方が高い場合がある。これは、圃場500の形状により、圃場500の面積に対する枕地の面積の比率や、作業装置30の旋回回数などが異なるためである。このため、圃場500の合筆や分筆などにより、圃場500の形状が変化した場合においても、作業管理システム1000は、形状に応じた評価値を推定する。評価値の推定に圃場500の形状を用いることで、作業管理システム1000は、推定する評価値の精度を向上し得る。
【0021】
(作業管理システムの構成)
図1に示す作業管理システム1000に含まれる作業管理装置100の構成を説明する。作業管理装置100は、図3に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。作業管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0022】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。例えば、通信装置130は、作業装置30から取得する稼働情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0023】
記憶装置140は、圃場500における作業の評価を表す評価値を推定するための様々なデータ、例えば圃場データ410と、基準データ420と、作業管理プログラム430とを格納する。記憶装置140は、作業管理プログラム430を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。作業管理プログラム430は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0024】
圃場データ410は、作業装置30により作業が行われる圃場500に関する情報を格納する。例えば、圃場データ410は、図4に示すように、1つ以上の圃場500の位置、形状、面積を表す。また、圃場データ410は、圃場500において行われた作業の種類、例えば耕耘、植付、収穫などと、その作業時間とを表す情報を格納する。圃場500の形状は、予め決められた複数の類型形状、例えば矩形、台形、三角形などのうち、圃場500が類似する類型形状を表してもよい。
【0025】
例えば、図4に示す例において、「圃場A」の形状は「矩形」に類似することを表す。また、「圃場A」の作業種別は、「圃場A」において、「耕耘」、「植付」、「収穫」などの作業が行われたことを表す。「圃場A」の評価値は、例えば、「圃場A」において行われた各作業に要した時間を表す。なお、図4に示す「X」は、任意の文字、例えば数字を表し、各圃場における位置と、面積と、評価値とは異なる値を表す。
【0026】
「圃場B」の形状は「三角形」に類似することを表す。「圃場B」の作業種別は、「耕耘」と「植付」が行われたことを表す。「圃場B」の評価値は、例えば、「圃場B」において行われた「耕耘」と「植付」とに要した時間を表す。
【0027】
「圃場C」の形状は「台形」に類似することを表し、「圃場C」の作業種別は、「耕耘」などの作業が行われたことを表す。「圃場C」の評価値は、例えば、「圃場C」において行われた各作業に要した時間を表す。
【0028】
図3に示す基準データ420は、圃場500の形状に関連付けて、作業装置30により圃場500において行われる作業の基準単位の評価を表す基準評価値、例えば単位時間当たりに作業を行う作業面積を格納する。例えば、基準データ420は、圃場500の類型形状に関連付けて、作業装置30により圃場500において行われる作業の基準単位の評価を表す基準評価値を格納する。また、基準データ420は、圃場500の形状と、作業の種類とに応じて、基準評価値を格納してもよい。例えば、基準データ420に格納される基準評価値は、過去の作業実績、例えば圃場データ410の形状と、面積と、評価値とに基づき、決定されている。
【0029】
例えば、図5に示す例において、基準データ420は、類型形状が「矩形」である圃場500において、「耕耘」を行ったときの基準評価値を含む。また、基準データ420は、類型形状が「矩形」である圃場500において、「植付」を行ったときの基準評価値を含む。基準データ420は、類型形状が「三角形」である圃場500において、各作業、例えば「耕耘」、「植付」、「収穫」などを行ったときの基準評価値を含む。また、基準データ420は、類型形状が「台形」である圃場500において、各作業、例えば「耕耘」などを行ったときの基準評価値を含む。
【0030】
図3に示す演算装置120は、作業管理プログラム430を実行して、圃場500における評価値を推定するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0031】
演算装置120は、作業管理プログラム430を読み出し実行することで、図6に示すように、輪郭決定部150と、形状決定部160と、基準評価値推定部170と、評価値推定部180と、出力部190とを実現する。輪郭決定部150は、作業装置30の稼働情報、例えば位置情報に基づき、作業装置30により作業が行われた圃場500の輪郭を決定する。また、輪郭決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、作業装置30により圃場500において行われた作業の評価値を決定してもよい。形状決定部160は、圃場500の輪郭に基づき、作業装置30により作業が行われた圃場500の形状、例えば類型形状を決定する。基準評価値推定部170は、圃場500の形状と、面積とに基づき、基準データ420に格納する基準評価値を決定する。また、基準評価値推定部170は、作業を行う圃場500の形状に基づき、圃場500で作業が行われるときの基準評価値を表す対象基準評価値、例えば単位時間当たりの作業面積を推定する。評価値推定部180は、対象基準評価値と、圃場500の面積とに基づき、圃場500で作業が行われるときの評価値、例えば作業時間を推定する。出力部190は、評価値を表す評価情報を出力する。
【0032】
次に、端末200の構成を説明する。端末200は、図7に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0033】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。例えば、通信装置230は、作業管理装置100から取得する情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を作業管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0034】
記憶装置240は、作業管理装置100から取得する評価情報を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム440を格納する。記憶装置240は、表示プログラム440を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム440は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0035】
演算装置220は、表示プログラム440を実行して、作業管理装置100から取得する評価情報を表示するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置220は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0036】
演算装置220は、表示プログラム440を読み出し実行することで、入出力装置210と協働して、図6に示すように、表示部250を実現する。表示部250は、作業管理装置100から取得した評価情報を表示する。また、表示部250は、ユーザによる入力された圃場500に関する情報、例えば圃場500で栽培されている作物の作型、圃場500で作業を行う作業装置30の大きさなどを作業管理装置100に出力してもよい。
【0037】
(作業管理装置の動作)
最初に、作業管理装置100が、作業装置30の稼働情報に基づき、圃場データ410の情報と基準データ420の情報とを決定する動作を説明する。作業装置30は、圃場500で作業を行っているとき、作業管理装置100に稼働情報を出力する。作業管理装置100の演算装置120は、作業装置30から稼働情報を受信すると、作業管理プログラム430を読み出し実行する。作業管理プログラム430を実行することで、演算装置120は、作業管理方法の一部である図8に示す処理を実行する。
【0038】
ステップS110において、演算装置120により実現される輪郭決定部150は、作業装置30の稼働情報、例えば位置情報に基づき、作業装置30により作業が行われた圃場500の輪郭を決定する。例えば、輪郭決定部150は、作業装置30の位置情報に基づき、作業装置30により作業が行われた作業領域を決定し、決定された作業領域の輪郭を圃場500の輪郭として決定する。作業領域は、例えば、作業装置30の位置情報に表される位置に対する凸包で表されてもよく、凸包を作業装置30の作業幅だけ拡大した領域で表されてもよい。作業領域は、作業装置30の位置情報に表される位置を測定された時間の順番につないだ線により表される作業装置30の軌道に基づき決定されてもよい。例えば、作業領域は、作業装置30の軌道を、作業装置30の作業幅だけ広げた領域で表されてもよい。また、作業領域の輪郭は、任意の方法を用いて、一度決定された作業領域の輪郭の凹凸を滑らかに変更されてもよい。
【0039】
また、輪郭決定部150は、決定された作業領域に基づき、圃場500の位置と面積とを決定する。例えば、輪郭決定部150は、作業領域の位置、例えば幾何中心位置を圃場500の位置として決定する。また、輪郭決定部150は、作業領域の面積を圃場500の面積として決定する。
【0040】
また、輪郭決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、作業装置30により行われた作業の各情報を決定する。例えば、輪郭決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、作業装置30により行われた作業の種類を決定する。例えば、輪郭決定部150は、機械学習により得られた作業決定モデル、例えばニューラルネットワークを用いて、作業装置30の稼働情報に基づき作業の種類を決定する。この場合、作業決定モデルは、稼働情報から作業の種類を決定するように、学習されている。
【0041】
また、輪郭決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、作業装置30により行われた作業の評価値を決定する。例えば、輪郭決定部150は、作業装置30の位置情報に基づき、作業装置30により行われた作業の評価値、例えば作業時間を決定する。例えば、輪郭決定部150は、作業装置30の位置情報が最初に測定された時刻から最後に測定された時刻までの時間を作業時間として決定する。輪郭決定部150は、最初に測定された時刻から最後に測定された時刻までの時間から、作業装置30が停止している時間、例えば機械のメンテナンス、休憩を行っている時間を除いた時間を作業時間として決定してもよい。例えば、輪郭決定部150は、所定の期間以上連続して作業装置30が停止している時間、例えば速度が閾値より小さい時間を、作業を停止している時間として決定する。また、輪郭決定部150は、最初に測定された時刻から最後に測定された時刻までの時間から、エンジンが停止している時間を除いた時間を作業時間として決定してもよい。
【0042】
ステップS120において、形状決定部160は、圃場500の輪郭に基づき、圃場500の形状を決定する。例えば、形状決定部160は、複数の類型形状のうち、圃場500の輪郭の形状が最も類似する類型形状を圃場500の形状として決定する。ここで、形状決定部160は、圃場500の輪郭の形状を拡大または縮小した相似形状が類型形状と同じとき、圃場500の輪郭の形状が類型形状と一致すると判定する。例えば、形状決定部160は、機械学習により得られた形状決定モデルを用いて、圃場500の類型形状を決定する。この場合、形状決定モデルは、圃場500の輪郭の形状を表す情報から、圃場500の輪郭の形状に最も類似する類型形状を決定するように、学習されている。
【0043】
ステップS130において、基準評価値推定部170は、作業が行われた圃場500に関する情報と、圃場データ410とに基づき、圃場500の形状に応じた基準評価値を決定する。例えば、基準評価値推定部170は、図4に示す圃場データ410から、作業が行われた圃場500の形状と同じ形状を表す圃場500を抽出する。基準評価値推定部170は、圃場データ410から抽出された圃場500における基準評価値を決定する。例えば、基準評価値推定部170は、抽出された圃場500の各々について、面積と、作業装置30が行った作業の種類に対応する評価値とに基づき、基準評価値を決定する。例えば、基準評価値推定部170は、抽出された圃場500の各々について、面積を、作業装置30が行った作業の種類に対応する評価値、例えば作業時間で除算することで、基準評価値、例えば単位時間当たりの作業面積を決定する。また、基準評価値推定部170は、作業が行われた圃場500について、面積を、評価値で除算することで、圃場500で行われた作業の種類に対応する基準評価値を決定する。基準評価値推定部170は、決定された複数の圃場500における基準評価値の統計値、例えば平均値、中央値などを、圃場500の形状に応じた基準評価値として決定する。
【0044】
図8に示すステップS140において、出力部190は、決定された各情報を記憶装置140に出力し、圃場データ410と、基準データ420とに格納する。例えば、出力部190は、輪郭決定部150により決定された圃場500に関する情報、例えば圃場500の位置と面積と、圃場500において行われた作業の種類と評価値とを、図4に示す圃場データ410に格納する。また、出力部190は、形状決定部160により決定された圃場500の形状を、対応する圃場500に関する情報として圃場データ410に格納する。出力部190は、基準評価値推定部170により決定された基準評価値を、対応する圃場500の形状と、作業の種類とに関連付けて、図5に示す基準データ420に格納する。
【0045】
このように、作業管理装置100は、圃場500において作業を行った作業装置30の稼働情報に基づき、圃場データ410と、基準データ420とに各情報を格納する。これにより、過去に行われた作業に関する情報に基づき、圃場データ410と、基準データ420とは構築される。
【0046】
次に、作業管理装置100が圃場500の形状に応じた評価値を推定する動作を説明する。例えば、ユーザは、推定された評価値を確認するために、端末200の入出力装置210に評価値を表示する操作を入力する。入出力装置210に評価値を表示する操作が入力されると、端末200の演算装置220は、表示プログラム440を読み出し実行する。表示プログラム440を実行することで、演算装置220は、作業管理方法の一部である図9に示す処理を実行する。
【0047】
ステップS210において、演算装置220により実現される表示部250は、評価値を表示する圃場500を表す対象圃場の情報、例えば対象圃場と、対象圃場において行われる作業の種類とを受け付ける。例えば、ユーザは、入出力装置210に、対象圃場を指定する任意の操作、例えば表示された地図上で対象圃場を選択する操作を入力する。また、ユーザは、入出力装置210に、対象圃場で行う作業の種類を指定する操作を入力する。また、ユーザは、入出力装置210に、対象圃場で作業を行う作業装置30の大きさを指定する操作を入力してもよい。表示部250は、選択された対象圃場の評価値、例えば作業時間を要求する要求信号を作業管理装置100に出力する。要求信号は、ユーザにより入力された情報、例えば対象圃場、対象圃場で行う作業の種類、作業装置30の大きさなどを表す信号を含んでもよい。なお、対象圃場で作業を行う作業装置30は、基準データ420に格納される基準評価値を決定するときの作業を行った作業装置30と異なってもよい。
【0048】
ステップS220において、作業管理装置100の基準評価値推定部170は、圃場データ410と、基準データ420とに基づき、対象圃場における対象基準評価値、例えば単位面積当たりの作業時間を推定する。例えば、基準評価値推定部170は、圃場データ410から対象圃場の形状を取得する。基準評価値推定部170は、図5に示す基準データ420から、取得された形状と、対象圃場で行う作業の種類とに対応する基準評価値を取得する。基準評価値推定部170は、取得した基準評価値を、対象圃場における対象基準評価値として推定する。
【0049】
図9に示すステップS230において、評価値推定部180は、対象基準評価値と、対象圃場の面積とに基づき、対象圃場における作業の評価値を推定する。例えば、評価値推定部180は、対象圃場の面積を対象基準評価値、例えば単位時間当たりの作業面積で除算することで、作業の評価値、例えば作業時間を推定する。
【0050】
ステップS240において、出力部190は、推定された評価値を表す評価情報を端末200に出力する。例えば、評価情報は、図2に示すように、地図上に表された対象圃場に関連付けて、評価値、例えば作業時間600を表す画像を示してもよい。また、評価情報は、評価値の他に任意の情報、例えば対象基準評価値(例えば単位時間当たりの作業面積を表す作業能力610)、対象圃場に関する情報620などを含んでもよい。対象圃場に関する情報620は、例えば対象圃場の形状、面積、栽培されている作物の作型、作業を行う作業装置30の大きさを表す作業装置サイズなどを含む。
【0051】
図9に示すステップS250において、端末200の表示部250は、作業管理装置100から取得した評価情報を入出力装置210に表示する。これにより、ユーザは、圃場500の形状に応じた評価値、例えば作業時間を確認することができる。このため、圃場500の形状が変化した場合においても、ユーザは、精度の高い評価値を確認することができる。
【0052】
また、表示部250は、評価情報を表示した画面において、対象圃場に関する情報620を変更する操作を受け付けてもよい。例えば、ユーザは、図2に示す対象圃場に関する情報620のうち、圃場500の形状を変更する操作を入出力装置210に入力する。例えば、ユーザは、圃場500の形状を矩形に変更する操作を入力する。この場合、表示部250は、変更された対象圃場に関する情報620を作業管理装置100に出力する。作業管理装置100は、変更された対象圃場に関する情報620に基づき、図9に示すステップS220からステップS240の処理を実行し、新たな評価情報を端末200に出力する。端末200の表示部250は、ステップS250の処理を実行し、新たな評価情報を表示する。このように、ユーザは、変更した対象圃場に関する情報620に基づく評価情報を確認することができる。このため、ユーザは、端末200に表示された対象圃場に関する情報620が実際と異なるとき、変更した対象圃場に関する情報620を設定することで、精度の高い評価値を確認することができる。
【0053】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、図5に示す基準データ420は、圃場500の形状と、圃場500において作業を行う作業装置30の大きさとに関連付けて、基準評価値を格納してもよい。作業装置30の大きさにより、作業の評価値が圃場500の形状から受ける影響が異なる場合がある。例えば、作業時間は、作業装置30の大きさが大きいほど、圃場500の形状の影響を受ける場合がある。このため、基準評価値は、作業装置30の大きさに関連付けられて格納されてもよい。ここで、作業装置30の大きさは、作業装置30の型式により表されてもよい。
【0054】
この場合、図8に示すステップS110において、輪郭決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、作業装置30の大きさ、例えば大、中、小などを決定する。例えば、作業装置30の稼働情報は作業装置30の型式を含み、輪郭決定部150は、作業装置30の型式に基づき、作業装置30の大きさを決定する。また、ステップS130において、基準評価値推定部170は、圃場データ410から抽出された圃場500の各々について、行われた作業の種類と作業を行った作業装置30の大きさとに対応する評価値と、圃場500の面積とに基づき、基準評価値を決定する。決定された基準評価値は、ステップS140において、圃場500の形状と、作業の種類と、作業装置30の大きさとに関連付けて基準データ420に格納される。また、図9に示すステップS220において、基準評価値推定部170は、対象圃場の形状と、対象圃場で行う作業の種類と、作業を行う作業装置30の大きさとに対応する基準評価値を、対象圃場における対象基準評価値として推定する。ステップS230以降は、実施の形態において説明した処理と同様に実行される。
【0055】
また、基準データ420は、圃場の形状と、圃場500の面積とに関連付けて、基準評価値を格納してもよい。圃場500の面積により、作業の評価値が圃場500の形状から受ける影響が異なる場合がある。例えば、作業時間は、圃場500の面積が小さいほど、圃場500の形状の影響を受ける場合がある。このため、基準評価値は、圃場500の面積に関連付けられて格納されてもよい。例えば、基準評価値は、圃場500の面積を1つ以上の閾値で分類された階級に関連付けられて格納されてもよい。例えば、階級は、閾値が第1閾値と第2閾値との2つがある場合、面積が第1閾値未満の圃場500を表す第1階級と、面積が第1閾値以上かつ第2閾値未満の圃場500を表す第2階級と、面積が第2閾値以上の圃場500を表す第3階級とを含む。例えば、第1閾値が30aであり、第2閾値が70aであるとき、第1階級は面積が30a未満の圃場500を表し、第2階級は面積が30a以上かつ70a未満の圃場500を表し、第3階級は面積が70a以上の圃場500を表す。
【0056】
この場合、図8に示すステップS130において、基準評価値推定部170は、圃場データ410から抽出された圃場500の各々について、行われた作業の種類と、作業が行われた圃場500の面積とに対応する評価値と、圃場500の面積とに基づき、基準評価値を決定する。決定された基準評価値は、ステップS140において、圃場500の形状と、作業の種類と、圃場500の面積とに関連付けて基準データ420に格納される。また、図9に示すステップS220において、基準評価値推定部170は、対象圃場の形状と、対象圃場で行う作業の種類と、対象圃場の面積とに対応する基準評価値を、対象圃場における対象基準評価値として推定する。ステップS230以降は、実施の形態において説明した処理と同様に実行される。
【0057】
また、基準データ420は、圃場の形状と、圃場500において作業を行う作業装置30の大きさと、圃場500の面積とに関連付けて、基準評価値を格納してもよい。
【0058】
さらに、基準データ420は、その他の圃場500に関する情報、例えば圃場500において栽培されている作物の作型(例えば春植、夏植などの栽培方式や品種の違い)に関連付けて、基準評価値を格納してもよい。例えば、サトウキビの収穫を行うとき、植え付けから収穫までの生育期間の違いから、単位面積当たりの収穫量が春植よりも夏植の方が多くなる場合がある。同じ面積の圃場500であっても、単位面積当たりの収穫量が多いほど収穫作業に時間を要する場合があるため、作業能力610は、春植より夏植の方が低い場合がある。また、圃場500に関する情報は、圃場500における畝の長さ、畝の数を含んでもよい。同じ面積の圃場500であっても、畝の長さが長いほど作業装置30が旋回する回数が減少する。旋回回数が多いほど旋回のための時間が増加するため、作業能力610は、畝の長さが長いほど、または、畝の数が少ないほど、高い場合がある。
【0059】
また、基準データ420は、圃場500において行われた作業に関する情報、例えば作業が行われたときの降水量、作業が行われた前日の降水量などに関連付けて、基準評価値を格納してもよい。圃場500において行われた作業に関する情報は、作業装置30が作業しながら直線移動する距離を含んでもよい。ここで、作業装置30が作業しながら直線移動する距離、例えば1つの畝を作業するために移動した距離は、圃場500において過去に作業を行った作業装置30の軌道に基づき決定されてもよく、圃場500の輪郭を構成する辺の長さに基づき決定されてもよい。直線移動する距離が長いほど、旋回回数が減少し得るため、作業能力610は高い場合がある。
【0060】
また、基準データ420は、作業装置30の基本性能、例えば駆動源の最大出力、最高速度、作業幅などに関連付けて、基準評価値を格納してもよい。
【0061】
また、基準データ420は、圃場500の形状に応じて、基準評価値に関連付ける情報が異なってもよい。例えば、圃場500の形状が三角形のとき基準評価値は作業の種類に関連付けられ、圃場500の形状が矩形のとき基準評価値は作業の種類と作業装置30が作業しながら直線移動する距離とに関連付けられてもよい。
【0062】
また、図9に示すステップS220において、基準評価値推定部170は、圃場500に関する情報や、圃場500において行われる作業に関する情報から対象基準評価値を決定するように学習された基準評価値決定モデルを用いて、対象基準評価値を推定してもよい。例えば、基準評価値決定モデルは、圃場500の形状と、圃場500において行われる作業の種類とから、対象基準評価値を決定するように学習されている。また、基準評価値決定モデルは、圃場500の形状と、作業の種類と、作型とから、対象基準評価値を決定するように学習されてもよい。
【0063】
また、基準評価値推定部170は、圃場500の形状に応じて異なる基準評価値決定モデルを用いて、対象基準評価値を推定してもよい。例えば、基準評価値決定モデルは、圃場500の形状に応じて、異なる情報から対象基準評価値を推定するように学習されている。例えば、圃場500の形状が三角形であるときの基準評価値決定モデルは、圃場500の面積に基づき対象基準評価値を推定するように学習され、圃場500の形状が矩形であるときの基準評価値決定モデルは、圃場500の面積と、作業装置30が作業しながら直線移動する距離とに基づき対象基準評価値を推定するように学習されてもよい。
【0064】
図8に示すステップS110において、作業管理装置100の輪郭決定部150は、任意の方法を用いて、圃場500の輪郭を決定してもよい。例えば、輪郭決定部150は、圃場500を含む地域の航空写真に基づき、圃場500の輪郭を決定してもよい。この場合、例えば、輪郭決定部150は、航空写真からエッジ検出処理により、圃場500の輪郭を抽出する。
【0065】
また、輪郭決定部150は、ユーザにより入力された圃場500の輪郭を用いてもよい。例えば、ユーザは、端末200の入出力装置210に表示された圃場500を含む地域の地図において、圃場500の領域を指定する操作を入出力装置210に入力する。端末200の表示部250は、指定された圃場500の領域を表す情報を作業管理装置100に出力する。作業管理装置100の輪郭決定部150は、取得した圃場500の領域を表す情報に基づき、圃場500の輪郭を決定する。
【0066】
また、図8に示すステップS110において、作業管理装置100の輪郭決定部150は、任意の方法を用いて、作業装置30により行われた作業の種類を決定してもよい。例えば、輪郭決定部150は、作業の種類を、作業装置30の機種に基づき決定してもよい。
【0067】
図8に示すステップS120において、形状決定部160は、任意の方法を用いて、圃場500の形状を決定してもよい。例えば、形状決定部160は、圃場500の輪郭の形状と、類型形状との類似度を決定し、最も類似度が高い類型形状を、圃場500の輪郭の形状として決定してもよい。
【0068】
図8に示すステップS120において、形状決定部160は、圃場500の形状として、評価値に影響を与える圃場500の形状を表す1つ以上の特徴量、例えば鋭角となる頂点の数などを決定してもよい。この場合、ステップS130において、基準評価値推定部170は、圃場500の形状を表す特徴量に応じた基準評価値を決定する。例えば、基準評価値推定部170は、圃場データ410から、作業が行われた圃場500の形状を表す特徴量と同じ特徴量を表す圃場500を抽出する。基準評価値推定部170は、抽出された圃場500の各々における基準評価値の統計量を、基準データ420に格納する基準評価値として決定する。また、ステップS220において、基準評価値推定部170は、基準データ420から対象圃場の形状を表す特徴量に対応する基準評価値を抽出し、抽出された基準評価値を対応圃場における対象基準評価値として推定する。
【0069】
図9に示すステップS210において、対象圃場で行う作業の種類は入力されず、作業管理装置100の基準評価値推定部170により、任意の方法を用いて、作業の種類を推定してもよい。例えば、基準評価値推定部170は、対象圃場で栽培されている作物の作型に基づき、作業の種類を推定してもよい。例えば、基準評価値推定部170は、対象圃場で栽培されている作物の作型と、対象圃場の情報を受け付けた時期とに基づき、作業の種類を推定する。例えば、基準評価値推定部170は、対象圃場で栽培されている作物の作型において、対象圃場の情報を受け付けた時期に行われる作業の種類を、対象圃場で行われる作業の種類として推定する。また、作業管理システム1000で扱う作業の種類は、1種類でもよい。
【0070】
評価値は、作業能力610のみに限らず、任意の作業の評価を表してもよい。例えば、評価値は、作業に要するコスト、収穫量などを表してもよい。評価値が作業に要するコストを表すとき、単位面積のその作業を行うときに要するコスト、例えば作業装置30の燃料費を表す。また、評価値が収穫量を表すとき、基準評価値は単位面積当たりの収穫量を表す。ここで、コストは、作業装置30による作業に関する費用を含めてもよく、例えば、作業者が作業を行うことにより生じる費用を含んでもよい。
【0071】
また、基準評価値は、評価値に対する基準単位の評価を表せば、任意に選択してもよい。例えば、評価値が作業時間であるとき、基準評価値は単位面積当たりの作業時間でもよい。評価値が作業に要するコストを表すとき、基準評価値は所定のコスト、例えば作業装置30の所定の燃料費でその作業を行う面積を表してもよい。評価値が収穫量を表すとき、基準評価値は所定の収穫量に対する圃場500の面積を表してもよい。
【0072】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、作業管理装置100の一部、または、すべての処理を端末200が実行してもよい。また、端末200の一部、または、すべての処理を作業管理装置100が実行してもよい。
【0073】
また、作業管理システム1000は、端末200を含まず、作業管理システム1000に含まれない外部端末に、評価情報を表示させてもよい。
【0074】
(付記)
各実施の形態で記載した作業管理方法と、作業管理システムと、作業管理プログラムとは以下のように言うことができる。
【0075】
第1の態様に係る作業管理方法は、
作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置により前記対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定することと、
前記対象基準評価値と、前記対象圃場の面積とに基づき、前記対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定することと、
を含む。
【0076】
第2の態様に係る作業管理方法は、第1の態様に係る作業管理方法であって、
前記対象基準評価値を推定することは、
圃場の形状に関連付けて、作業装置により前記圃場において過去に行われた作業の前記基準単位の基準評価値に基づき、前記対象圃場における前記対象基準評価値を決定すること
を含む。
【0077】
第3の態様に係る作業管理方法は、第2の態様に係る作業管理方法であって、
前記圃場において過去に行われた作業の前記基準単位の前記基準評価値は、複数の前記圃場における前記基準評価値の統計値を表す。
【0078】
第4の態様に係る作業管理方法は、第1の態様に係る作業管理方法であって、
前記対象基準評価値を推定することは、
圃場の形状から、作業装置により前記圃場において行う作業の前記基準単位の基準評価値を決定するように学習された基準評価値決定モデルを用いて、前記対象圃場の形状から前記対象基準評価値を推定すること
を含む。
【0079】
第5の態様に係る作業管理方法は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る作業管理方法であって、
前記対象圃場の形状は、予め決められた複数の類型形状から選択された1つの類型形状を表す。
【0080】
第6の態様に係る作業管理方法は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る作業管理方法であって、
前記対象基準評価値を推定することは、
前記対象圃場の前記形状と、前記対象圃場の面積とに基づき、前記対象基準評価値を推定すること
を含む。
【0081】
第7の態様に係る作業管理方法は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る作業管理方法であって、
前記対象基準評価値を推定することは、
前記対象圃場の前記形状と、前記対象圃場において作業を行う作業装置の大きさとに基づき、前記対象基準評価値を推定すること
を含む。
【0082】
第8の態様に係る作業管理方法は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る作業管理方法であって、
前記対象基準評価値を推定することは、
前記対象圃場の前記形状と、前記対象圃場において作業装置が作業をしながら直線移動する距離とに基づき、前記対象基準評価値を推定すること
を含む。
【0083】
第9の態様に係る作業管理方法は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る作業管理方法であって、
前記対象圃場の輪郭を決定することと、
複数の類型形状のうち、前記対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を前記対象圃場の形状として決定することと、
を含む。
【0084】
第10の態様に係る作業管理方法は、
作業装置により作業が行われる対象圃場の輪郭を決定することと、
複数の類型形状のうち、前記対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を決定することと、
前記第1類型形状を表す情報を出力することと、
を含む。
【0085】
第11の態様に係る作業管理システムは、
作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置により前記対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定する基準評価値推定部と、
前記対象基準評価値と、前記対象圃場の面積とに基づき、前記対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定する評価値推定部と、
を備える。
【0086】
第12の態様に係る作業管理システムは、
作業装置により作業が行われる対象圃場の輪郭を決定する輪郭決定部と、
複数の類型形状のうち、前記対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を決定する形状決定部と、
前記第1類型形状を表す情報を出力する出力部と、
を備える。
【0087】
第13の態様に係る作業管理プログラムは、
作業が行われる対象圃場の形状に基づき、作業装置により前記対象圃場において行われる作業の基準単位の評価を表す対象基準評価値を推定することと、
前記対象基準評価値と、前記対象圃場の面積とに基づき、前記対象圃場における作業の評価を表す評価値を推定することと、
を演算装置に実行させる。
【0088】
第14の態様に係る作業管理プログラムは、
作業装置により作業が行われる対象圃場の輪郭を決定することと、
複数の類型形状のうち、前記対象圃場の輪郭の形状が最も類似する第1類型形状を決定することと、
前記第1類型形状を表す情報を出力することと、
を演算装置に実行させる。
【符号の説明】
【0089】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
30 :作業装置
100 :作業管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :輪郭決定部
160 :形状決定部
170 :基準評価値推定部
180 :評価値推定部
190 :出力部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :表示部
410 :圃場データ
420 :基準データ
430 :作業管理プログラム
440 :表示プログラム
500 :圃場
600 :作業時間
610 :作業能力
620 :対象圃場に関する情報
1000 :作業管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9