(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107584
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】メンテナンス支援方法、メンテナンス支援システムおよびメンテナンス支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240802BHJP
G06Q 50/02 20240101ALI20240802BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/02
A01B69/00 303Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011589
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】古市 光洋
【テーマコード(参考)】
2B043
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2B043AA10
2B043AB19
2B043BA02
2B043EB04
2B043EB05
2B043EC12
2B043EC14
2B043EE01
5L049CC01
5L049CC15
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】圃場内で作業を行う作業装置のメンテナンスに係る判断を精度よく支援する。
【解決手段】メンテナンス支援方法は、作業装置(2)が圃場(9)内で作業を行いながら移動する軌跡(8)を表す軌跡情報を取得すること(S01)と、軌跡(8)のうち、作業装置(2)が直進した直進軌跡(81)の直進距離を算出すること(S02)と、軌跡(8)のうち、作業装置(2)が旋回した旋回軌跡(82)の旋回距離を算出すること(S02)と、直進距離と、旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、作業装置(2)のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出すること(S04)と、メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力すること(S05)と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置が圃場内で作業を行いながら移動する軌跡を表す軌跡情報を取得することと、
前記軌跡のうち、前記作業装置が直進した直進軌跡の直進距離を算出することと、
前記軌跡のうち、前記作業装置が旋回した旋回軌跡の旋回距離を算出することと、
前記直進距離と、前記旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、前記作業装置のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出することと、
前記メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力することと、
を含む
メンテナンス支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載のメンテナンス支援方法において、
前記圃場内で前記作業を行いながら移動した前記作業装置の、複数の測位時刻のそれぞれにおける位置を表す位置情報を取得すること
をさらに含み、
前記軌跡情報を取得することは、
前記位置情報に基づいて、前記軌跡情報を算出すること
を含む
メンテナンス支援方法。
【請求項3】
請求項1に記載のメンテナンス支援方法において、
前記作業装置が前記圃場内で前記作業を行いながら自律移動するための案内経路を表す案内経路情報を生成すること
をさらに含み、
前記軌跡情報を取得することは、
前記案内経路情報に基づいて、前記軌跡情報を算出すること
を含む
メンテナンス支援方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載のメンテナンス支援方法において、
前記係数は、
前記旋回軌跡の旋回半径が所定の閾値より小さいときに用いる第1係数と、
前記旋回半径が前記閾値より大きいときに用いる第2係数と
を含む
メンテナンス支援方法。
【請求項5】
請求項4に記載のメンテナンス支援方法において、
前記第1係数は、前記第2係数より大きい
メンテナンス支援方法。
【請求項6】
請求項1に記載のメンテナンス支援方法において、
前記メンテナンス指標は、
前記作業装置の部品の消耗度合いを表す消耗情報
を含む
メンテナンス支援方法。
【請求項7】
請求項6に記載のメンテナンス支援方法において、
前記メンテナンス指標は、
前記部品のメンテナンスにかかるコストを表すメンテナンスコスト情報
をさらに含む
メンテナンス支援方法。
【請求項8】
作業装置が圃場内で作業を行いながら移動する軌跡を表す軌跡情報を取得する軌跡情報取得部と、
前記軌跡のうち、前記作業装置が直進した直進軌跡の直進距離と、前記作業装置が旋回した旋回軌跡の旋回距離とを算出する距離算出部と、
前記直進距離と、前記旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、前記作業装置のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出する指標算出部と、
前記メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力する出力部と、
を備える
メンテナンス支援システム。
【請求項9】
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するためのメンテナンス支援プログラムであって、
前記処理は、
作業装置が圃場内で作業を行いながら移動する軌跡を表す軌跡情報を取得することと、
前記軌跡のうち、前記作業装置が直進した直進軌跡の直進距離を算出することと、
前記軌跡のうち、前記作業装置が旋回した旋回軌跡の旋回距離を算出することと、
前記直進距離と、前記旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、前記作業装置のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出することと、
前記メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力することと、
を含む
メンテナンス支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメンテナンス支援方法、メンテナンス支援システムおよびメンテナンス支援プログラムに関し、例えば、圃場内で作業を行う作業装置のメンテナンスに係る判断の支援に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2022-21096号公報)には、作業機械の管理システムに係る技術が開示されている。特許文献1の管理システムでは、作業機械の稼働状況に関する稼働情報を管理サーバーが受信して管理する。稼働情報は、作業機械の総走行距離などの項目を含み、作業機械における異常などのイベントの発生の検出に用いられ、また、作業機械のメンテナンスに係る判断にも用いられる。
【0003】
特許文献1の技術では、作業機械の総走行距離に基づいてメンテナンスに係る判断を行うことができるが、作業機械が移動する経路のうち、走行部品への負荷が比較的低い直進経路と、該負荷が比較的高い旋回経路との区別がされていない。また、直進経路と旋回経路とにおける走行部品の消耗度合いの違いについての考慮もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記状況に鑑み、本開示は、圃場内で作業を行う作業装置のメンテナンスに係る判断を精度よく支援するためのメンテナンス支援方法、メンテナンス支援システムおよびメンテナンス支援プログラムを提供することを目的の1つとする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0007】
一実施の形態によれば、メンテナンス支援方法は、作業装置(2)が圃場(9)内で作業を行いながら移動する軌跡(8)を表す軌跡情報を取得すること(S01)を含む。メンテナンス支援方法は、さらに、軌跡(8)のうち、作業装置(2)が直進した直進軌跡(81)の直進距離を算出すること(S02)と、軌跡(8)のうち、作業装置(2)が旋回した旋回軌跡(82)の旋回距離を算出すること(S02)と、を含む。メンテナンス支援方法は、さらに、直進距離と、旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、作業装置(2)のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出すること(S04)と、メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力すること(S05)と、を含む。
【0008】
一実施の形態によれば、メンテナンス支援システム(1)は、軌跡情報取得部(521)と、距離算出部(522)と、指標算出部(524)と、出力部(525)と、を備える。軌跡情報取得部(521)は、作業装置(2)が圃場(9)内で作業を行いながら移動する軌跡(8)を表す軌跡情報を取得する。距離算出部(522)は、軌跡(8)のうち、作業装置(2)が直進した直進軌跡(81)の直進距離と、作業装置(2)が旋回した旋回軌跡(82)の旋回距離とを算出する。指標算出部(524)は、直進距離と、旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、作業装置(2)のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出する。出力部(525)は、メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力する。
【0009】
一実施の形態によれば、メンテナンス支援プログラムは、演算装置(52)に実行させることによって所定の処理を実現するためのメンテナンス支援プログラムである。該処理は、作業装置(2)が圃場(9)内で作業を行いながら移動する軌跡(8)を表す軌跡情報を取得すること(S01)を含む。該処理は、さらに、軌跡(8)のうち、作業装置(2)が直進した直進軌跡(81)の直進距離を算出すること(S02)と、軌跡(8)のうち、作業装置(2)が旋回した旋回軌跡(82)の旋回距離を算出すること(S02)と、を含む。該処理は、さらに、直進距離と、旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、作業装置(2)のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出すること(S04)と、メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力すること(S05)と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
一実施の形態によれば、圃場内で作業を行う作業装置のメンテナンスに係る判断を精度よく支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態によるメンテナンス支援システムの一構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態によるメンテナンス支援装置の一構成例を示すブロック回路図である。
【
図3】
図3は、一実施形態によるメンテナンス支援方法の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、一実施形態による直進軌跡および旋回軌跡について説明するための図である。
【
図5A】
図5Aは、一実施形態による旋回軌跡を抽出する手法の一例について説明するための図である。
【
図5B】
図5Bは、一実施形態による旋回軌跡を抽出する手法の一例について説明するための図である。
【
図5C】
図5Cは、一実施形態による旋回半径を算出する手法の一例について説明するための図である。
【
図6A】
図6Aは、一実施形態によるメンテナンス指標の出力表示の一例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、一実施形態によるメンテナンス指標の出力表示の一例を示す図である。
【
図6C】
図6Cは、一実施形態によるメンテナンス指標の出力表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本開示によるメンテナンス支援方法、メンテナンス支援システムおよびメンテナンス支援プログラムを実施するための形態を以下に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1に示すように、一実施形態によるメンテナンス支援システム1は、メンテナンス支援装置5を備える。メンテナンス支援システム1は、さらに、搭載端末3および/または外部端末6を含んでもよい。
【0014】
搭載端末3は、作業装置2に搭載される。作業装置2は、圃場9で地上を移動しながら農作業を行うトラクターやコンバイン、野菜収穫機、田植機、移植機、播種機、スプレーヤ、搬送台車、トラックなどの作業車両を含む。作業装置2は、さらに、圃場9の上方を飛行しながら農作業を行うドローンなどを含んでもよい。
【0015】
外部端末6は、通信機能および表示機能を有するスマートフォンやタブレット端末などを含んでもよい。
【0016】
メンテナンス支援装置5と、搭載端末3と、外部端末6とは、ネットワーク4を介した無線通信および/または有線通信によって各種情報の送受信を行う。一例として、搭載端末3は、作業装置2が圃場9内で移動しながら作業したときに通過した複数の地点の位置をGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)などで測定した位置情報を、ネットワーク4を介して、メンテナンス支援装置5へ送信する。メンテナンス支援装置5は、受信した位置情報を記録する。記録された位置情報は、作業装置2が圃場9の外側を移動したときに通過した複数の位置と、作業装置2が圃場9で作業を行いながら移動したときに通過した複数の位置と、作業装置2が現在存在する現在位置とのうち、一部またはすべてを含んでよい。外部端末6は、メンテナンス支援装置5が送信する情報を受信して、外部端末6を操作する使用者へ出力する。
【0017】
図2に示すように、一実施形態によるメンテナンス支援装置5は、いわゆるコンピュータとして構成されてもよい。
図2の例において、メンテナンス支援装置5は、バス51と、演算装置52と、記憶装置53と、通信装置54と、入出力装置55とを備える。バス51は、演算装置52、記憶装置53、通信装置54および入出力装置55の間の通信を実現するように構成されてもよい。
【0018】
演算装置52は、軌跡情報取得部521と、軌跡抽出部522と、距離算出部523と、指標算出部524と、出力部525とを備える。記憶装置53は、プログラム記憶部531と、データベース532とを備える。プログラム記憶部531は、メンテナンス支援プログラムを記憶する。
【0019】
演算装置52は、メンテナンス支援プログラムを実行することによって、軌跡情報取得部521、軌跡抽出部522、距離算出部523、指標算出部524および出力部525のそれぞれの機能を実現する。軌跡情報取得部521、軌跡抽出部522、距離算出部523、指標算出部524および出力部525のそれぞれは、演算装置52および記憶装置53が協働して実現する処理を実行する仮想的な機能ブロックである。軌跡情報取得部521は、搭載端末3から位置情報を受信するなどして、作業装置2が圃場9内で移動した軌跡を表す軌跡情報を取得する。軌跡抽出部522は、軌跡情報から、作業装置2が直進した直進軌跡を表す直進軌跡情報と、作業装置2が旋回した旋回軌跡を表す旋回軌跡情報とを抽出する。距離算出部523は、直進軌跡情報から直進軌跡の距離を算出し、旋回軌跡情報から旋回軌跡の距離を算出する。指標算出部524は、作業装置2のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出する。出力部525は、メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力する。これらの機能ブロックのより具体的な処理については、後述する。
【0020】
メンテナンス支援プログラムは、外部の記録媒体530から読み出されてプログラム記憶部531に格納されてもよい。記録媒体530は、非一時的で有形の媒体(non-transitory and tangible media)であってもよい。
【0021】
通信装置54は、ネットワーク4を介する無線通信および/または有線通信により、搭載端末3および/または外部端末6を含む外部の装置との通信を行う。
【0022】
入出力装置55は、使用者に情報を出力し、使用者が入力する操作を受け付ける。一例として、入出力装置55は、画像を出力する表示装置、入力を受け付けるキーボードおよび/またはマウスなどを含む。
【0023】
一例として、外部端末6も、演算装置と、記憶装置と、通信装置と、入出力装置とを備えてもよい。入出力装置は、画像を出力する表示装置と、タッチ操作による入力を受け付けるタッチパッドとを一体化したタッチパネルを備えてもよい。
【0024】
図3のフローチャートを参照して、一実施形態によるメンテナンス支援方法の処理の一例について説明する。メンテナンス支援方法の処理は、メンテナンス支援装置5が起動するときに開始してもよい。このとき、メンテナンス支援装置5の演算装置52がメンテナンス支援プログラムを実行することによって、メンテナンス支援方法の処理が実現される。
【0025】
図3のフローチャートが開始すると、ステップS01が実行される。ステップS01において、
図2の軌跡情報取得部521が、搭載端末3が送信する位置情報を取得することによって、軌跡情報を取得する。ここで、搭載端末3は、作業装置2が通過した複数の地点の位置をGNSSなどによって測定し、このようにして得られた位置情報をメンテナンス支援装置5へ送信してもよい。また、軌跡情報取得部521は、取得した位置情報を、記憶装置53に格納する。作業装置2の位置の測定が行われた地点を、測位点と呼ぶ。位置情報は、それぞれの測位点の位置を表す測位情報を、位置の測定が行われた測位時刻に対応付けて含んでもよい。測位情報は、測位点の緯度および経度を含んでもよいし、測位点の高度をさらに含んでもよい。
【0026】
図4の例に示すように、作業装置2が圃場9内で作業を行いながら移動した軌跡は、位置情報に記録された複数の測位点7を測位時刻の順番でつなげた軌跡8として取得される。
【0027】
図3のステップS01の後、ステップS02が実行される。ステップS02において、
図2の軌跡抽出部522が、作業装置2の軌跡8のうち、直進軌跡および旋回軌跡を抽出する。ここで、直進軌跡とは、作業装置2の軌跡8のうち、作業装置2が直進した部分である。また、旋回軌跡とは、作業装置2の軌跡8のうち、作業装置2が旋回した部分である。
【0028】
図4の例では、作業装置2の軌跡8は、直進軌跡81A、81B、81C、81D、81Eと、旋回軌跡82A、82B、82C、82Dに分けることができる。以降、直進軌跡81A、81B、81C、81D、81Eを区別しないとき、これらを直進軌跡81と総称する場合がある。また、旋回軌跡82A、82B、82C、82Dを区別しないとき、これらを旋回軌跡82と総称する場合がある。直進軌跡81は、圃場9のうち、主に、作業装置2が作業を行う作業領域に含まれる。また、旋回軌跡82は、圃場9のうち、主に、作業装置2が作業を行わずに進行方向を変更するときに移動する枕地に含まれる。
【0029】
軌跡抽出部522が直進軌跡81と旋回軌跡82とを区別する手法について説明する。一例として、軌跡抽出部522は、位置情報に含まれる複数の測位点7のうち、測位時刻が連続する3つの測位点7を結ぶ2本の線分の間の角度が180度に十分に近く、すなわち該角度と180度との差が所定の閾値角度以下であるとき、これら3つの測位点7の一部または全てが直進軌跡81に含まれると判定する。反対に、軌跡抽出部522は、位置情報に含まれる複数の測位点7のうち、測位時刻が連続する3つの測位点7を結ぶ2本の線分の間の角度が180度から十分に離れており、すなわち該角度と180度との差が所定の閾値角度より大きいとき、これら3つの測位点7の一部または全てが旋回軌跡81に含まれると判定する。閾値角度は、例えば、10度である。
【0030】
図3のステップS02の後、ステップS03が実行される。ステップS03において、
図2の距離算出部523が、作業装置2の軌跡8のうち、直進軌跡の直進距離と、旋回軌跡の旋回距離とを算出する。直進距離は、作業装置2の軌跡8に含まれる直進軌跡81の距離の総和である。旋回距離は、作業装置2の軌跡8に含まれる旋回軌跡82の距離の総和である。
【0031】
図5A、
図5Bを参照して、旋回距離を算出する方法について説明する。一例として、距離算出部523は、旋回軌跡82に含まれる曲線83を、複数の線分84の集合に近似して、該複数の線分84の長さの総和を、該曲線83の長さの近似値として算出してもよい。線分84は、測位時刻が連続する2つの測位点7を結ぶ線分84であってもよい。
【0032】
図3のステップS03の後、ステップS04が実行される。ステップS04において、
図2の指標算出部524が、作業装置2のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出する。メンテナンス指標は、作業装置2の部品の消耗度合いを表す消耗情報を含んでもよい。メンテナンス指標は、部品のメンテナンスにかかるコストを表すメンテナンスコスト情報をさらに含んでもよい。
【0033】
作業装置2は複数の部品を含んでおり、それぞれの部品は作業装置2が作業および/または移動を行うと消耗する。部品が消耗する度合いは部品ごとに異なり、作業装置2が行う作業および/または移動によって変化する。本実施形態によるメンテナンス支援システム1は、作業装置2の位置情報に基づいて、消耗した部品を交換するなどのメンテナンスを行うためのコストを、自動的に、かつ、精度よく推定することによって、作業装置2のメンテナンスを行う時期などの判断を支援する。
【0034】
本実施形態では、作業装置2の走行部品の、旋回走行による消耗度合いは、直進走行による消耗度合いより大きいと推定する。また、本実施形態では、作業装置2の走行部品の、旋回走行による消耗度合いは、旋回モードによって異なると推定する。ここで、旋回半径の範囲や、旋回方法などの組み合わせを、旋回モードと呼ぶ。それぞれの旋回モードには、対応する旋回係数を設定する。旋回係数は、対応する旋回モードで旋回した場合の消耗度合いを、同じ距離を直進した場合の消耗度合いで除した比率である。旋回係数は、実際の消耗度合いを事前に測定した上で適宜な近似値に設定してもよい。
【0035】
例えば、旋回半径の範囲として、旋回半径が所定の閾値半径より小さい小回り範囲と、旋回半径が閾値半径以上である大回り範囲との2種類を区別してもよい。一例として、閾値半径は、1.7m(メートル)である。作業装置2が履帯車両である場合、旋回半径が小さいほど、履帯の消耗は大きい。そこで、小回り範囲に対応する旋回係数を、大回り範囲に対応する旋回係数より大きく設定する。一例として、大回り範囲に対応する旋回係数を1と設定し、小回り範囲に対応する旋回係数を1.2と設定してもよい。
【0036】
例えば、旋回方法として、超信地旋回と、信地旋回と、その他の通常旋回とを区別してもよい。超信地旋回とは、作業装置2が有する左右の走行部品のうち、一方が前進するように動作し、他方が後退するように動作することによって、作業装置2がその場で回転する旋回方法である。また、信地旋回とは、左右の走行部品のうち、一方が前進または後退するように動作し、他方が動作しないことによって、作業装置2が、動作しない方の走行部品を中心に回転する旋回方法である。通常旋回とは、左右の走行部品の両方ともが前進または後退するように動作しながら回転する旋回方法である。超信地旋回および信地旋回では、通常旋回と比較して、走行部品の消耗は大きい。そこで、このような場合に対応する旋回係数を、通常旋回に対応する旋回係数より大きく設定する。一例として、通常旋回時の旋回係数を1と設定した場合、超信地旋回および信地旋回に対応する旋回係数を1.5と設定してもよい。なお、超信地旋回および信地旋回は、旋回半径が小回り範囲よりさらに小さい旋回方法であるとも言える。
【0037】
旋回半径および旋回方法の組み合わせと、旋回係数との対応関係は、例えば、
図2のデータベース532に予め格納されていてもよい。
【0038】
図5A、
図5Bおよび
図5Cを参照して、旋回半径を算出する手法の一例について説明する。旋回軌跡82の測位点7のうち、測位時刻が連続する3つの測位点7A、7B、7Cに注目する。線分84のうち、測位点7A、7Bを繋ぐ線分84Aの垂直二等分線85Aを算出する。同様に、線分84のうち、測位点7B、7Cを繋ぐ線分84Bの垂直二等分線85Bを算出する。このとき、2つの垂直二等分線85A、85Bの交点は、測位点7A、7B、7Cを含む円弧の中心71である。また、中心71から測位点7A、7Bまたは7Cまでの距離は、測位点7A、7B、7Cを含む円弧の半径である。同様に、測位時刻が連続する3つの測位点7の組み合わせごとに、旋回軌跡82の部分ごとの旋回半径を算出することができる。また、旋回軌跡82の部分ごとに、旋回半径に対応する旋回係数を算出することができる。
【0039】
なお、超信地旋回および信地旋回の場合は、搭載端末3のGNSSアンテナの、作業装置2に対する位置関係によっては、旋回半径を精度よく算出することが困難になり得る。そこで、算出した旋回半径が所定の閾値より小さい場合は、超信地旋回または信地旋回が行われたと判定してもよい。この判定に用いる閾値は、例えば、作業装置2の幅方向の寸法乃至その2倍などに設定してもよい。
【0040】
図2の指標算出部524は、旋回軌跡82の部分ごとに、旋回距離および旋回係数を乗じた仮想旋回距離を算出する。また、指標算出部524は、旋回軌跡82の全ての部分の仮想旋回距離の総和を、仮想総旋回距離として算出する。さらに、指標算出部524は、直進軌跡81の直進距離の総和と、仮想総旋回距離とを和した仮想総走行距離を算出する。ここで、仮想総走行距離は、作業装置2が直進軌跡81および旋回軌跡82を走行した結果として作業装置2の部品に発生する消耗度合いと同じ消耗度合いが、作業装置2が直進だけを行って発生する総走行距離の近似値である。
【0041】
図4の例において、直進軌跡81A、81B、81C、81D、81Eの直進距離がそれぞれ88mであり、旋回軌跡82A、82B、82C、82Dの旋回距離がそれぞれ3.1mであり、旋回軌跡82A、82B、82C、82Dの旋回係数がそれぞれ1.2であるとき、仮想総走行距離は以下のように約455mと算出される。
仮想総走行距離=88×5+3.1×4×1.2=454.88≒455
【0042】
図2の指標算出部524は、仮想総走行距離に基づいて、作業装置2のメンテナンス指標を算出する。上述のとおり、メンテナンス指標は、作業装置2の部品の消耗度合いを表す消耗情報や、部品のメンテナンスにかかるコストを表すメンテナンスコスト情報などを含む。一例として、消耗情報は、仮想総走行距離を含んでもよい。また、作業装置2の部品ごとのメンテナンスコストは、仮想総走行距離に、単位走行距離あたりのコスト係数を乗じることで算出してもよい。部品ごとのコスト係数は、
図2のデータベース532に格納されていてもよい。
【0043】
図3のステップS04の後、ステップS05が実行される。ステップS05において、
図2の出力部525が、メンテナンス指標を出力する。より詳細には、出力部525は、通信装置54を制御してメンテナンス指標情報を外部端末6へ、ネットワーク4を介して送信する。外部端末6は、通信機能によってメンテナンス指標情報を受信すると、メンテナンス指標情報が表すメンテナンス指標を、表示機能によって表示する。外部端末6は、さらに、メンテナンス指標に対応する作業装置2、圃場9、軌跡8などに係る情報を出力部525から受信して表示してもよい。
【0044】
図6A、
図6Bおよび
図6Cを参照して、外部端末6によるメンテナンス指標の出力表示の一例について説明する。
図6Aの例では、ウィンドウW1内に、経路に係る情報と、ボタンB1、B2とが表示される。経路に係る情報には、作業装置2の型式および機番と、圃場9の名称および面積と、作業装置2が圃場9内で移動した軌跡8の旋回モードを含む旋回設定および走行距離と、サブウィンドウW11が含まれる。サブウィンドウW11内には、作業装置2が圃場9内で移動した軌跡8の、上方から見た形状が、直進軌跡81および旋回軌跡82の集合として表示されている。
【0045】
図6AのボタンB1を操作すると、外部端末6の表示は
図6Bのように切り替わる。
図6Bの例では、ウィンドウW2内に、メンテナンスのコストに係る情報が表示される。コストに係る情報には、作業装置2の部品の名称と、それぞれの部品のメンテナンスにかかるコストの推定値と、コストの推定値の合計値とが含まれる。部品には、クローラ、転輪、部品A、などが含まれる。
【0046】
図6AのボタンB2を操作すると、外部端末6の表示は
図6Cのように切り替わる。
図6Cの例では、ウィンドウW3内に、部品情報を入力するためのフォームが表示される。該フォームは、作業装置2の部品ごとに、仮想総走行距離の合計が達したときに交換が推奨される距離を表す交換走行距離と、交換にかかるコストを表す価格とを、作業装置2の管理者などが記入するための機能を有する。
【0047】
図3のステップS05の後、本実施形態によるメンテナンス支援方法の処理は終了する。
【0048】
上記に説明したように、本実施形態によるメンテナンス支援方法、メンテナンス支援システム1およびメンテナンス支援プログラムは、作業装置2が圃場9内で作業を行いながら移動する軌跡8を、作業装置2のそれぞれの部品の消耗度合いが異なる直進軌跡81および旋回軌跡82に分けて仮想総走行距離を算出し、仮想総走行距離に基づいてメンテナンス指標を算出することによって、メンテナンスに係る判断を精度よく支援することができる。
【0049】
(変形例)
上記の実施形態では、
図3のフローチャートのステップS01において、
図2の軌跡情報取得部521が、作業装置2が移動した軌跡8を表す位置情報を、軌跡情報として取得する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、軌跡情報取得部521は、作業装置2が移動する予定の軌跡8を表す案内軌跡情報を、軌跡情報として取得してもよい。案内軌跡情報は、例えば、自律動作する機能を有する作業装置2が圃場9内で作業を行いながら自律移動するための案内経路を表す。案内経路情報は、図示しない案内経路生成部などによって、作業装置2が圃場9内で作業を開始する前に生成される。案内経路情報は、例えば、作業装置2が圃場9内で作業を行いながら移動するときに通過する予定の複数の位置を表す位置情報を含む。軌跡情報取得部521は、案内経路情報を軌跡情報として取得してもよい。
【0050】
上記の実施形態では、
図3のフローチャートのステップS02において、
図2の軌跡抽出部522が、作業装置2が移動した軌跡8のうち、旋回軌跡82を、測位時刻が連続する3つの測位点7の角度に基づいて抽出する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、軌跡抽出部522は、旋回軌跡82を、ステアリング角に基づいて抽出してもよい。この場合、まず、
図3のステップS01において、
図2の軌跡情報取得部521が、搭載端末3から、位置情報とともに、複数の時刻における作業装置2のステアリング角を表すステアリング角情報を受信して取得する。次に、
図3のステップS02において、
図2の軌跡抽出部522が、ステアリング角が第1ステアリング閾値以上または第2ステアリング閾値以下である時刻において、作業装置2が旋回走行していたと判定する。
【0051】
上記の実施形態では、
図3のフローチャートのステップS04において、
図2の指標算出部524が、旋回半径および旋回方法の組み合わせに応じて、3種類の旋回係数を設定する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、指標算出部524は、より多い旋回係数またはより少ない旋回係数を設定してもよい。一例として、旋回半径が2m以上の通常旋回に対応する旋回係数を1と設定し、旋回半径が2m未満かつ1.5m以上の通常旋回に対応する旋回係数を1.2と設定し、旋回半径が1.5m未満の通常旋回に対応する旋回係数を1.6と設定し、超信地旋回および信地旋回に対応する旋回係数を2と設定してもよい。旋回半径の閾値や、旋回係数の値などは、作業装置2の車種ごとに部品の消耗度合いの実測値に基づいて適宜に設定してもよい。
【0052】
上記の実施形態では、
図3のフローチャートのステップS04において、
図2の指標算出部524が、1つの仮想旋回距離および/または1つの仮想総走行距離に基づいて作業装置2の部品のメンテナンス指標を算出する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、指標算出部524は、仮想旋回距離および/または仮想総走行距離を、作業装置2の左右の走行部品のそれぞれについて個別に算出してもよい。これは、旋回方法によっては、左右の走行部品の一方の旋回距離および消耗度合いと、他方の旋回距離および消耗度合いとが、有意に異なり得るからである。一例として、作業装置2が圃場9の周囲に沿って外側から内側に向けて螺旋状に移動しながら作業を行うとき、軌跡8が時計回りに回転する螺旋である場合は、旋回軌跡82において左側の走行部品の走行距離は右側の走行部品の走行距離より長くなる。同様に、反時計回りの場合は右側の走行部品の走行距離は左側の走行部品の走行距離より長くなる。指標算出部524は、左右の走行部品の仮想旋回距離および/または仮想総走行距離に基づいて、それぞれの走行部品のメンテナンス指標を算出してもよい。
【0053】
以上、発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、実施の形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
【0054】
(付記)
各実施の形態で記載したメンテナンス支援方法、メンテナンス支援システムおよびメンテナンス支援プログラムは、以下のように言うことができる。
【0055】
第1の態様に係るメンテナンス支援方法は、
作業装置が圃場内で作業を行いながら移動する軌跡を表す軌跡情報を取得することと、
前記軌跡のうち、前記作業装置が直進した直進軌跡の直進距離を算出することと、
前記軌跡のうち、前記作業装置が旋回した旋回軌跡の旋回距離を算出することと、
前記直進距離と、前記旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、前記作業装置のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出することと、
前記メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力することと、
を含む。
【0056】
第2の態様に係るメンテナンス支援方法は、第1の態様に係るメンテナンス支援方法であって、
前記圃場内で前記作業を行いながら移動した前記作業装置の、複数の測位時刻のそれぞれにおける位置を表す位置情報を取得すること
をさらに含み、
前記軌跡情報を取得することは、
前記位置情報に基づいて、前記軌跡情報を算出すること
を含む。
【0057】
第3の態様に係るメンテナンス支援方法は、第1の態様に係るメンテナンス支援方法であって、
請求項1に記載のメンテナンス支援方法において、
前記作業装置が前記圃場内で前記作業を行いながら自律移動するための案内経路を表す案内経路情報を生成すること
をさらに含み、
前記軌跡情報を取得することは、
前記案内経路情報に基づいて、前記軌跡情報を算出すること
を含む。
【0058】
第4の態様に係るメンテナンス支援方法は、第2または第3の態様に係るメンテナンス支援方法であって、
前記係数は、
前記旋回軌跡の旋回半径が所定の閾値より小さいときに用いる第1係数と、
前記旋回半径が前記閾値より大きいときに用いる第2係数と
を含む。
【0059】
第5の態様に係るメンテナンス支援方法は、第4の態様に係るメンテナンス支援方法であって、
前記第1係数は、前記第2係数より大きい。
【0060】
第6の態様に係るメンテナンス支援方法は、第1~第5のいずれか1つの態様に係るメンテナンス支援方法であって、
前記メンテナンス指標は、
前記作業装置の部品の消耗度合いを表す消耗情報
を含む。
【0061】
第7の態様に係るメンテナンス支援方法は、第6の態様に係るメンテナンス支援方法であって、
前記メンテナンス指標は、
前記部品のメンテナンスにかかるコストを表すメンテナンスコスト情報
をさらに含む。
【0062】
第8の態様に係るメンテナンス支援システムは、
作業装置が圃場内で作業を行いながら移動する軌跡を表す軌跡情報を取得する軌跡情報取得部と、
前記軌跡のうち、前記作業装置が直進した直進軌跡の直進距離と、前記作業装置が旋回した旋回軌跡の旋回距離とを算出する距離算出部と、
前記直進距離と、前記旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、前記作業装置のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出する指標算出部と、
前記メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力する出力部と、
を備える。
【0063】
第9の態様に係るメンテナンス支援プログラムは、演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するためのメンテナンス支援プログラムであって、
前記処理は、
作業装置が圃場内で作業を行いながら移動する軌跡を表す軌跡情報を取得することと、
前記軌跡のうち、前記作業装置が直進した直進軌跡の直進距離を算出することと、
前記軌跡のうち、前記作業装置が旋回した旋回軌跡の旋回距離を算出することと、
前記直進距離と、前記旋回距離に所定の係数を乗じた仮想旋回距離との総和に基づいて、前記作業装置のメンテナンスの判断を支援するためのメンテナンス指標を算出することと、
前記メンテナンス指標を表すメンテナンス指標情報を外部に出力することと、
を含む。
【符号の説明】
【0064】
1 メンテナンス支援システム
2 作業装置
3 搭載端末
4 ネットワーク
5 メンテナンス支援装置
51 バス
52 演算装置
521 軌跡情報取得部
522 軌跡抽出部
523 距離算出部
524 指標算出部
525 出力部
53 記憶装置
530 記録媒体
531 プログラム記憶部
532 データベース
54 通信装置
55 入出力装置
6 外部端末
7、7A、7B、7C 測位点
71 中心
8 軌跡
81、81A、81B、81C、81D 直進軌跡
82、82A、82B、82C、82D 旋回軌跡
83 曲線
84、84A、84B 線分
85A、85B 垂直二等分線
9 圃場