(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107597
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】回路基板収容箱
(51)【国際特許分類】
H01R 13/405 20060101AFI20240802BHJP
H05K 5/00 20060101ALI20240802BHJP
G01P 15/08 20060101ALI20240802BHJP
H01R 43/24 20060101ALI20240802BHJP
G01D 11/24 20060101ALI20240802BHJP
H01R 12/58 20110101ALN20240802BHJP
【FI】
H01R13/405
H05K5/00 A
G01P15/08 102Z
H01R43/24
G01D11/24 A
H01R12/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011608
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】桜沢 将史
【テーマコード(参考)】
4E360
5E063
5E087
5E223
【Fターム(参考)】
4E360AB12
4E360BA01
4E360BA08
4E360BC20
4E360CA02
4E360EA03
4E360EA18
4E360EA24
4E360ED07
4E360EE03
4E360GA60
4E360GB99
4E360GC08
5E063JB01
5E063JB04
5E063XA01
5E063XA20
5E087FF05
5E087GG02
5E087RR25
5E223AC12
5E223BA07
5E223CB24
5E223CB25
5E223CD01
5E223CD15
5E223DA22
5E223DB09
5E223DB13
(57)【要約】
【課題】 製造時の誤組を防止する
【解決手段】 本開示の回路基板収容箱Sは、収容部21とコネクタ部22が一体成型された樹脂ケース2と、収容部21に収容された回路基板1と、樹脂ケース2にインサート成形され回路基板1と電気的に接続し一端部42が収容部21に収容され他端部43がコネクタ部22から露出する複数の端子4と、収容部21を覆うカバー3と、を備える。端子4は、屈曲部41と、回路基板1に接続する一端部42と、コネクタ22から露出する他端部43と、を有するL型の端子である。複数の端子4は、屈曲部41から一端部42までの長さL1A,L1Bが異なる第1端子4Aと第2端子4Bを有する。第1端子4Aおよび第2端子4Bは、屈曲部41A,41Bと他端部43A,43Bとの間に互いに異なる誤組防止用凸部44A,44Bを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部とコネクタ部が一体成型された樹脂ケースと、
前記収容部に収容された回路基板と、
前記樹脂ケースにインサート成形され、前記回路基板と電気的に接続し、一端部が前記収容部に収容され他端部がコネクタ部から露出する複数の端子と、
前記収容部を覆うカバーと、を備え、
前記端子は、屈曲部と、前記回路基板に接続する一端部と、前記コネクタから露出する他端部と、を有するL型の端子であり、
前記複数の端子は、前記屈曲部から前記一端部までの長さが異なる第1端子と第2端子を有し、
前記第1端子および前記第2端子は、前記屈曲部と前記他端部との間に互いに異なる誤組防止用凸部を有する、
回路基板収容箱。
【請求項2】
前記端子において、前記屈曲部から前記一端部に延びる軸を第1軸、前記第1軸と直交し前記屈曲部から前記他端部に延びる軸を第2軸、前記第1軸および前記第2軸と直交する軸を第3軸、と定義したとき、
前記誤組防止用凸部は、前記第3軸に沿う方向に突出する、
請求項1に記載の回路基板収容箱
【請求項3】
前記第1端子の前記屈曲部から前記誤組防止用凸部までの第1の長さと、前記第2端子の前記屈曲部から前記誤組防止用凸までの第2の長さが異なる、
請求項2に記載の回路基板収容箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路基板を収容する回路基板収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、回路基板を収容する樹脂製の回路基板収容箱を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような回路基板収容箱において、回路基板と電気的に接続するコネクタ端子を収容箱にインサート成形する場合がある。この場合、端子を金型に設置した後に樹脂を射出してインサート成形するが、端子が複数の異なる形状の物であった場合に金型に誤った端子を誤組してしまうおそれがあった。
【0005】
本開示は、上述した事情を考慮し、回路基板収容箱の製造時の誤組を防止するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の回路基板収容箱は、以下の構成を備える。
収容部とコネクタ部が一体成型された樹脂ケースと、
前記収容部に収容された回路基板と、
前記樹脂ケースにインサート成形され、前記回路基板と電気的に接続し、一端部が前記収容部に収容され他端部がコネクタ部から露出する複数の端子と、
前記収容部を覆うカバーと、を備え、
前記端子は、屈曲部と、前記回路基板に接続する一端部と、前記コネクタから露出する他端部と、を有するL型の端子であり、
前記複数の端子は、前記屈曲部から前記一端部までの長さが異なる第1端子と第2端子を有し、
前記第1端子および前記第2端子は、前記屈曲部と前記他端部との間に互いに異なる誤組防止用凸部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、回路基板収容箱の製造時の誤組を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】カバーを取り外した状態におけるセンサユニットの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
センサユニット(回路基板収容箱)Sは、IMU(Inertial Measurement Unit)であり、鞍乗型車両の重心近傍に搭載される。このセンサユニットSは、搭載された鞍乗型車両の3軸の加速度と角加速度を計測し、鞍乗型車両の走行状態の推定に用いられる。
【0010】
(第1実施形態)
添付図面の
図1~
図4を参照して第1実施形態を説明する。
【0011】
センサユニットSは、回路基板1、ケース2、カバー3、を備える。回路基板1及び端子4は、ケース2とカバー3を組み合わせたハウジングに収容される。
【0012】
回路基板1は、3軸の加速度と角加速度を計測するセンサ素子(慣性センサ)が実装されている。
【0013】
ケース2は、プリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂などの樹脂製のケースである。
【0014】
ケース2は、回路基板2を収容する箱状の収容部21、回路基板2が外部の回路基板と電気的に接続するためのコネクタ部22、を備える。
【0015】
カバー3は、ケース2の収容部21を覆う蓋である。カバー3は、ケース2と同じ材質の樹脂製のカバーである。カバー3は、ケース2に溶着される。
【0016】
ケース2は、回路基板2が外部と電気的に接続するための端子をインサート成形により内包している。
【0017】
端子4は、屈曲部41で折れ曲がったL型のリード端子である。端子4の一端部42は、回路基板1に電気的に接続している。端子4の他端部43は、コネクタ部22から外部に露出している。
【0018】
端子4は、屈曲部41から一端部42までの長さが異なる2種類の第1端子4Aと第2端子4Bを備える。
【0019】
第1端子4Aの屈曲部41Aから一端部42Aまでの長さL1Aは、第2端子4Bの屈曲部41Bから一端部42Bまでの長さL1Bよりも短い。
【0020】
第1端子4Aの屈曲部41Aから他端部43Aまでの長さL2Aは、第2端子4Bの屈曲部41Bから他端部43Bまでの長さL2Bと同じ長さである。
【0021】
ここで、第1端子4Aと第2端子4Bをケース2にインサート成形する際に、金型に設置する第1端子4Aと第2端子4Bを取り違えて誤組してしまう虞があること、本願の発明者は認識した。
【0022】
上述した誤組を防止するために、後述する構造により、第1端子4Aと第2端子4Bが互いに誤って金型に組み付かないようにした。
【0023】
端子4において、屈曲部41から一端部42に延びる軸を第1軸AX1、第1軸AXと直交し屈曲部41から他端部43に延びる軸を第2軸AX2、第1軸AX1及び第2軸AX2と直交する軸を第3軸AX3と定義する。
【0024】
第1端子4Aは、屈曲部41Aから他端部43Aの間に、第3軸AX3に沿う方向に延びる誤組防止凸部44Aを備える。
【0025】
第2端子4Bは、屈曲部41Bから他端部43Bの間に、第3軸AX3に沿う方向に延びる誤組防止凸部44Bを備える。
【0026】
第1端子4Aの誤組防止凸部44Aと、第2端子4Bの誤組防止凸部44Bは、第2軸AX2に沿う方向において異なる位置に形成されている。言い換えると、第1端子4Aの誤組防止凸部44Aから屈曲部41Bまでの長さと、第2端子4Bの誤組防止凸部44Bから屈曲部41Bまでの長さは、異なる。
【0027】
以上の構成により、第1端子4Aと第2端子4Bは、異なる位置に凸な形状(誤組防止凸部44Aと誤組防止凸部44B)を有しているため、ケース2のインサート成形用の金型に第1端子4Aと第2端子4Bが互いに誤って組み付かない。
【0028】
以上が、センサユニットSの第1実施形態である。
【0029】
(変形例)
上述したセンサユニットSは、以下のように構成を変更しても、屈曲部41から一端部42までの長さが異なる端子4(第1端子4Aと第2端子4B)の誤組を防止できる。
【0030】
(変形例:第2実施形態)
また、
図5のように、第1端子4Aの誤組防止凸部45Aを第2軸AX2の+方向に延びる凸形状とし、第2端子4Bの誤組防止凸部45Bを第2軸AX2の-方向に延びる凸形状としてもよい。この場合、誤組防止のための凸形状の延びる方向が異なるため、誤組が防止できる。
【0031】
(変形例:第3実施形態)
さらに、
図6のように、第1端子4Aの誤組防止凸部46Aと第2端子4Bの誤組防止凸部46Bが、互いに包含関係にない形状同士とすることでも、誤組が防止できる。
【0032】
(変形例:第4実施形態)
第1端子4Aの誤組防止凸部45A及び第2端子4Bの誤組防止凸部45Bは、第1軸AX1に沿う方向に凸な形状であってもよい。
【符号の説明】
【0033】
S …センサユニット(回路基板収容箱)
1 …回路基板
2 …ケース
21 …収容部
22 …コネクタ部
3 …カバー
4 …端子
41 …屈曲部
42 …一端部
43 …他端部
4A …第1端子
41A …屈曲部
42A …一端部
43A …他端部
44A …誤組防止凸部
4B …第2端子
41B …屈曲部
42B …一端部
43B …他端部
44B …誤組防止凸部
AX1 …第1軸
AX2 …第2軸
AX3 …第3軸
L1A …第1の長さ
L2A …第2の長さ