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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107609
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/842 20230101AFI20240802BHJP
   H10K 59/38 20230101ALI20240802BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240802BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20240802BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240802BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20240802BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H10K50/842
H10K59/38
H10K59/35
H10K50/86
H10K59/10
G02B5/20 101
G09F9/30 365
G09F9/30 309
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011627
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】児玉 拓海
【テーマコード(参考)】
2H148
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
2H148BC72
2H148BD04
2H148BD08
2H148BD12
2H148BG06
2H148BH02
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC33
3K107EE22
3K107EE27
3K107EE42
3K107EE55
3K107FF15
3K107GG54
5C094AA03
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA07
5C094DA11
5C094ED03
(57)【要約】
【課題】第2基板の高低差を小さくすることができる表示装置を提供する。
【解決手段】第1基板は、第2基板と対向する側の面である基板面を有する支持基板と、前記支持基板の前記基板面側に設けられた複数の発光素子のうちの第1発光素子の前記第2基板側に設けられた第1カラーフィルターと、前記複数の発光素子のうちの第2発光素子の前記第2基板側に設けられた第2カラーフィルターと、前記支持基板の前記基板面側に設けられ、平面視で前記複数の発光素子を囲み、前記第1カラーフィルターと同じ材料からなる第1層、および前記第2カラーフィルターと同じ材料からなる第2層を有する遮光層と、前記遮光層の前記支持基板とは反対側に設けられ、平面視で前記複数の発光素子を囲む壁部と、を有し、平面視で前記壁部の内側に接着剤が設けられ、前記第2基板は、前記接着剤を介して、前記第1基板に接着されている、表示装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向配置された透光性の第2基板と、
を有し、
前記第1基板は、
前記第2基板と対向する側の面である基板面を有する支持基板と、
前記支持基板の前記基板面側に設けられた複数の発光素子と、
前記複数の発光素子のうちの第1発光素子の前記第2基板側に設けられた第1カラーフィルターと、
前記複数の発光素子のうちの第2発光素子の前記第2基板側に設けられ、前記第1カラーフィルターと異なる色の第2カラーフィルターと、
前記支持基板の前記基板面側に設けられ、平面視で前記複数の発光素子を囲み、前記第1カラーフィルターと同じ材料からなる第1層、および前記第2カラーフィルターと同じ材料からなる第2層を有する遮光層と、
前記遮光層の前記支持基板とは反対側に設けられ、平面視で前記複数の発光素子を囲む壁部と、
を有し、
平面視で前記壁部の内側に接着剤が設けられ、
前記第2基板は、前記接着剤を介して、前記第1基板に接着されている、表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2基板は、前記平面視で、前記壁部の内側に設けられている、表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記平面視で、前記第2基板の外縁は、第1辺を有し、
前記壁部の内縁は、前記第1辺と平行であって前記第1辺と対向する第2辺を有する、表示装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記壁部は、透光性を有する、表示装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記壁部は、遮光性を有する、表示装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1基板は、アライメントマークを有し、
前記壁部および前記遮光層は、前記平面視で、前記アライメントマークと重なっていない、表示装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記第1基板は、前記複数の発光素子のうちの第3発光素子の前記第2基板側に設けられ、前記第1カラーフィルターおよび前記第2カラーフィルターと異なる色の第3カラーフィルターを有し、
前記遮光層は、前記第3カラーフィルターと同じ材料からなる第3層を有する、表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載された表示装置を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electro Luminescence)素子などの発光素子を有する表示装置が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、有機EL層を含む画素がマトリックス状に形成された表示領域と端子部を含む素子基板に、接着剤を介して封止基板が表示領域を覆って配置された有機EL表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-99313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような有機EL装置では、封止基板に高低差がないように配置させることが好ましい。封止基板に高低差があると、光学ムラが発生する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置の一態様は、
第1基板と、
前記第1基板に対向配置された透光性の第2基板と、
を有し、
前記第1基板は、
前記第2基板と対向する側の面である基板面を有する支持基板と、
前記支持基板の前記基板面側に設けられた複数の発光素子と、
前記複数の発光素子のうちの第1発光素子の前記第2基板側に設けられた第1カラーフィルターと、
前記複数の発光素子のうちの第2発光素子の前記第2基板側に設けられ、前記第1カラーフィルターと異なる色の第2カラーフィルターと、
前記支持基板の前記基板面側に設けられ、平面視で前記複数の発光素子を囲み、前記第1カラーフィルターと同じ材料からなる第1層、および前記第2カラーフィルターと同じ材料からなる第2層を有する遮光層と、
前記遮光層の前記支持基板とは反対側に設けられ、平面視で前記複数の発光素子を囲む壁部と、
を有し、
平面視で前記壁部の内側に接着剤が設けられ、
前記第2基板は、前記接着剤を介して、前記第1基板に接着されている。
【0007】
本発明に係る電子機器の一態様は、
前記表示装置の一態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図。
図2】本実施形態に係る表示装置の電気的な構成を示す等価回路図。
図3】本実施形態に係る表示装置のサブ画素を説明するための平面図。
図4】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図5】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図6】本実施形態の変形例に係る表示装置を模式的に示す平面図。
図7】本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイを模式的に示す斜視図。
図8】本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの像形成装置および導光装置を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
1. 表示装置
1.1. 全体の構成
まず、本実施形態に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置100を模式的に示す平面図である。なお、図1には、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。
【0011】
表示装置100は、図1に示すように、素子基板10と、対向基板110と、を有している。素子基板10および対向基板110は、互いに対向して配置されている。なお、便宜上、図1では、対向基板110を透視して図示している。
【0012】
素子基板10は、複数の画素Pがマトリックス状に配置された表示領域101と、表示領域101よりも外側の周辺領域である非表示領域102と、を有している。非表示領域102は、Z軸方向からみた平面視で(以下、単に「平面視で」ともいう)、表示領域101を囲んでいる。
【0013】
複数の画素Pは、例えば、X軸方向およびY軸方向にマトリックス状に配置されている。画素Pは、3つのサブ画素SPを有している。3つのサブ画素SPは、赤色光を出射する赤色サブ画素SPR、緑色光を出射する緑色サブ画素SPG、および青色光を出射する青色サブ画素SPBである。表示装置100では、サブ画素SPR,SPG,SPBを有する画素Pが表示単位となって、フルカラーの表示が提供される。
【0014】
素子基板10の面積は、平面視で、対向基板110の面積よりも大きい。図示の例では、素子基板10の形状は、長方形である。平面視で、素子基板10の対向基板110と重ならない領域には、複数の外部接続用端子103が設けられている。対向基板110は、外部接続用端子103が露出されるように配置されている。図示の例では、複数の外部接続用端子103は、X軸方向に配列されている。外部接続用端子103には、FPC(Flexible Printed Circuits)104が実装されている。FPC104は、表示領域101の表示のための制御信号や電源などを供給する外部駆動回路と、電気的に接続されている。
【0015】
非表示領域102には、データ線駆動回路105および走査線駆動回路106が設けられている。データ線駆動回路105は、表示領域101の-Y軸方向に設けられている。2つの走査線駆動回路106のうちの一方は、表示領域101の+X軸方向に設けられている。2つの走査線駆動回路106のうちの他方は、表示領域101の-X軸方向に設けられている。
【0016】
1.2. 電気的な構成
図2は、表示装置100の電気的な構成を示す等価回路図である。
【0017】
表示装置100は、図2に示すように、例えば、互いに交差する走査線11およびデータ線12と、電源線13と、を有している。走査線11は、走査線駆動回路106に電気的に接続されている。データ線12は、データ線駆動回路105に電気的に接続されている。走査線11とデータ線12とで区画された領域に、サブ画素SPが設けられている。
【0018】
サブ画素SPは、例えば、有機EL素子50と、有機EL素子50の駆動を制御する画素回路14と、を有している。
【0019】
有機EL素子50は、画素電極52と、発光機能層54と、対向電極56と、を有している。画素電極52は、発光機能層54に正孔を注入する陽極として機能する。対向電極56は、発光機能層54に電子を注入する陰極として機能する。発光機能層54では、注入された正孔と電子とにより、励起子(エキシトン)が形成され、励起子(エキシトン)が消滅する際にエネルギーの一部が蛍光や燐光となって放出される。
【0020】
画素回路14は、例えば、スイッチング用トランジスター15と、蓄積容量16と、駆動用トランジスター17と、有している。トランジスター15,17は、nチャネル型のトランジスターであってもよいし、pチャネル型のトランジスターであってもよい。
【0021】
スイッチング用トランジスター15のゲートは、走査線11に電気的に接続されている。スイッチング用トランジスター15のソースは、データ線12に電気的に接続されている。スイッチング用トランジスター15のドレインは、駆動用トランジスター17のゲートに電気的に接続されている。
【0022】
駆動用トランジスター17のドレインは、有機EL素子50の画素電極52に電気的に接続されている。駆動用トランジスター17のソースは、電源線13に電気的に接続されている。駆動用トランジスター17のゲートと電源線13との間には、蓄積容量16が電気的に接続されている。
【0023】
走査線駆動回路106から供給される制御信号により走査線11が駆動されてスイッチング用トランジスター15がオン状態になると、データ線12から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター15を介して蓄積容量16に保持される。蓄積容量16の電位、すなわち駆動用トランジスター17のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター17のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用トランジスター17がオン状態になると、駆動用トランジスター17を介して、電源線13から有機EL素子50にゲート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子50は、発光機能層54に流れる電流量に応じた輝度で発光する。
【0024】
なお、画素回路14の構成は、2つのトランジスター15,17を有することに限定されない。画素回路14は、例えば、有機EL素子50に流れる電流を制御するためのトランジスターをさらに有していてもよい。
【0025】
1.3. サブ画素の配置
図3は、表示装置100のサブ画素SPR,SPG,SPBを説明するための平面図である。
【0026】
なお、以下、赤色サブ画素SPRの有機EL素子50を「有機EL素子50R」ともいう。緑色サブ画素SPGの有機EL素子50を「有機EL素子50G」ともいう。青色サブ画素SPBの有機EL素子50を「有機EL素子50B」ともいう。
【0027】
複数の画素Pは、図3に示すように、X軸方向およびY軸方向にマトリックス状に配置されている。図示の例では、1つの画素Pにおいて、赤色サブ画素SPRおよび青色サブ画素SPBは、Y軸方向において隣り合っている。緑色サブ画素SPGは、X軸方向において赤色サブ画素SPRおよび青色サブ画素SPBと隣り合っている。
【0028】
サブ画素SPR,SPG,SPBの発光領域の形状は、有機EL素子50の画素電極52と発光機能層54とが接する領域を規定する絶縁層によって決定される。発光領域は、平面視で、絶縁層に形成された開口部と重なる領域である。当該開口部として、赤色サブ画素SPRには、開口部62Rが形成されている。緑色サブ画素SPGには、開口部62Gが形成されている。青色サブ画素SPBには、開口部62Bが形成されている。
【0029】
開口部62R,62G,62Bの形状は、平面視で、例えば、長方形である。図示の例では、開口部62Gの面積は、開口部62Bの面積よりも大きい。開口部62Bの面積は、開口部62Rの面積よりも大きい。
【0030】
赤色サブ画素SPRは、赤色カラーフィルター80Rを有している。開口部62Rは、平面視で、赤色カラーフィルター80Rの外縁の内側に設けられている。
【0031】
緑色サブ画素SPGは、緑色カラーフィルター80Gを有している。開口部62Gは、平面視で、緑色カラーフィルター80Gの外縁の内側に設けられている。Y軸方向において隣り合う画素Pにおいて、一方の画素Pの緑色カラーフィルター80Gと、他方の画素Pの緑色カラーフィルター80Gとは、連続して一体に設けられている。そのため、緑色カラーフィルター80Gは、平面視で、ストライプ状に設けられている。
【0032】
青色サブ画素SPBは、青色カラーフィルター80Bを有している。開口部62Bは、平面視で、青色カラーフィルター80Bの外縁の内側に設けられている。
【0033】
サブ画素SPR,SPG,SPBから出射される色光の輝度は、開口部62R,62G,62Bの大きさと、開口部62R,62G,62Bの各々と重なるカラーフィルター80R,80G,80Bの透過率と、に依存する。
【0034】
1.4. サブ画素の断面構造
図4は、表示装置100を模式的に示す図3のIV-IV線断面図である。
【0035】
表示装置100は、図4に示すように、素子基板10と、対向基板110と、接着剤112と、を有している。
【0036】
素子基板10は、例えば、支持基板20と、反射層30と、透光層40と、有機EL素子50と、絶縁層60と、封止層70と、カラーフィルター80R,80G,80Bと、オーバーコート層90と、を有している。素子基板10は、サブ画素SPR,SPG,SPBを構成している。
【0037】
支持基板20は、例えば、シリコンなどの半導体基板である。図示の例では、支持基板20の上面、すなわち支持基板20の対向基板110側の面である基板面20Aの垂線は、Z軸と平行である。基板面20Aは、対向基板110と対向する側の面である。支持基板20には、上述した走査線11、データ線12、電源線13、画素回路14、データ線駆動回路105、および走査線駆動回路106が設けられている。なお、支持基板20は、半導体基板に限定されず、石英やガラスなどの基板であってもよい。
【0038】
反射層30は、支持基板20上に設けられている。反射層30は、支持基板20と透光層40との間に設けられている。反射層30は、サブ画素SPB,SPR,SPGにおいて連続している。反射層30の材質は、アルミニウム、銀、またはこれらの合金である。反射層30は、有機EL素子50から発した光を対向基板110側に反射させる。
【0039】
透光層40は、反射層30上に設けられている。透光層40は、反射層30と有機EL素子50との間に設けられている。透光層40は、有機EL素子50の発光機能層54で発生した光に対して、透光性を有する。透光層40は、例えば、酸化シリコン層などである。透光層40は、例えば、第1絶縁層42と、第2絶縁層44と、第3絶縁層46と、を有している。
【0040】
透光層40の第1絶縁層42は、反射層30上に設けられている。第1絶縁層42は、サブ画素SPB,SPR,SPGにおいて、連続している。第2絶縁層44は、第1絶縁層42上に設けられている。第2絶縁層44は、サブ画素SPR,SPGにおいて、連続している。第3絶縁層46は、第2絶縁層44上に設けられている。図示の例では、赤色サブ画素SPRの透光層40は、絶縁層42,44,46で構成されている。緑色サブ画素SPGの透光層40は、絶縁層42,44で構成されている。青色サブ画素SPBの透光層40は、第1絶縁層42で構成されている。赤色サブ画素SPRの透光層40の厚さは、緑色サブ画素SPGの透光層40の厚さよりも大きい。緑色サブ画素SPGの透光層40の厚さは、青色サブ画素SPBの透光層40の厚さよりも大きい。
【0041】
有機EL素子50は、透光層40上に設けられている。有機EL素子50は、支持基板20の基板面20A側に設けられている。有機EL素子50は、透光層40と封止層70との間に設けられている。有機EL素子50は、透光層40および反射層30を介して、支持基板20に設けられている。有機EL素子50は、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode)である。有機EL素子50は、画素電極52と、発光機能層54と、対向電極56と、を有している。
【0042】
画素電極52は、透光層40上に設けられている。画素電極52は、透光層40と発光機能層54との間に設けられている。画素電極52は、サブ画素SPR,SPG,SPBごとに設けられている。画素電極52は、サブ画素SPR,SPG,SPBにおいて、連続していない。画素電極52は、発光機能層54で発生した光に対して、透光性を有する。画素電極52としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極を用いる。
【0043】
発光機能層54は、画素電極52上に設けられている。発光機能層54は、画素電極52と対向電極56との間に設けられている。発光機能層54は、サブ画素SPR,SPG,SPBにおいて、連続している。発光機能層54は、例えば、図1に示す表示領域101の全域を覆っている。発光機能層54は、例えば、Z軸方向において順に積層された、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、および電子輸送層などを有している。有機発光層は、例えば、青色から赤色までの波長範囲の光を発生する。有機発光層は、例えば、白色光を発生する。
【0044】
対向電極56は、図4に示すように、発光機能層54上に設けられている。対向電極56は、発光機能層54と封止層70との間に設けられている。対向電極56は、サブ画素SPR,SPG,SPBにおいて、連続している。対向電極56の材質は、例えば、マグネシウムと銀との合金などである。
【0045】
対向電極56、透光層40、および反射層30は、光共振構造を構成している。発光機能層54で発生した光は、反射層30と対向電極56との間で繰り返し反射され、反射層30と対向電極56との間の光学的な距離に対応する特定波長の光の強度が増幅される。そして、有機EL素子50R,50B,50Gは、特定波長の光を出射する。具体的には、有機EL素子50Rは、白色光から赤色光を取り出して出射する。有機EL素子50Gは、白色光から緑色光を取り出して出射する。有機EL素子50Bは、白色光から青色光を取り出して出射する。
【0046】
絶縁層60は、画素電極52上および透光層40上に設けられている。絶縁層60は、サブ画素SPR,SPG,SPBにおいて、連続している。上述のように、赤色サブ画素SPRの絶縁層60には、開口部62Rが形成されている。緑色サブ画素SPGの絶縁層60には、開口部62Gが形成されている。青色サブ画素SPBの絶縁層60には、開口部62Bが形成されている。開口部62R,62G,62Bは、絶縁層60を貫通している。有機EL素子50R,50G,50Bの発光領域は、平面視で、開口部62R,62G,62Bと重なる領域である。絶縁層60が設けられた領域では、画素電極52から発光機能層54への正孔の供給が抑制され、発光機能層54の発光が抑制される。
【0047】
封止層70は、対向電極56上に設けられている。封止層70は、対向電極56と、カラーフィルター80R,80G,80Bと、の間に設けられている。封止層70は、例えば、第1無機層72と、有機層74と、第2無機層76と、を有している。
【0048】
封止層70の第1無機層72は、対向電極56上に設けられている。第2無機層76は、有機層74上に設けられている。無機層72,76は、例えば、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、酸化アルミニウム層などである。無機層72,76は、水分や酸化が発光機能層54に侵入することを抑制する。
【0049】
封止層70の有機層74は、第1無機層72上に設けられている。有機層74は、第1無機層72と第2無機層76との間に設けられている。有機層74の材質は、熱または紫外線硬化型のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などである。有機層74の厚さは、無機層72,76の厚さよりも大きい。有機層74は、封止層70の上面の平坦性を向上させる。
【0050】
カラーフィルター80R,80G,80Bは、封止層70上に形成されている。カラーフィルター80R,80G,80Bは、封止層70と対向基板110との間に設けられている。
【0051】
赤色カラーフィルター80Rは、有機EL素子50Rの対向基板110側に設けられている。平面視で、赤色カラーフィルター80Rは、有機EL素子50Rと重なっている。赤色カラーフィルター80Rは、開口部62Rと重なっている。赤色カラーフィルター80Rは、赤色光を透過させる。赤色カラーフィルター80Rは、有機EL素子50Rから出射される赤色光の色純度を高める。赤色カラーフィルター80Rの材質は、赤色のカラーレジストである。
【0052】
緑色カラーフィルター80Gは、有機EL素子50Gの対向基板110側に設けられている。平面視で、緑色カラーフィルター80Gは、有機EL素子50Gと重なっている。緑色カラーフィルター80Gは、開口部62Gと重なっている。緑色カラーフィルター80Gは、緑色光を透過させる。緑色カラーフィルター80Gは、有機EL素子50Gから出射される緑色光の色純度を高める。緑色カラーフィルター80Gの材質は、緑色のカラーレジストである。
【0053】
青色カラーフィルター80Bは、有機EL素子50Bの対向基板110側に設けられている。平面視で、青色カラーフィルター80Bは、有機EL素子50Bと重なっている。青色カラーフィルター80Bは、開口部62Bと重なっている。青色カラーフィルター80Bは、青色光を透過させる。青色カラーフィルター80Bは、有機EL素子50Bから出射される青色光の色純度を高める。青色カラーフィルター80Bの材質は、青色のカラーレジストである。
【0054】
カラーフィルター80R,80G,80Bは、隣り合うカラーフィルター80R,80G,80Bにおいて、一部が重なり合うように形成さている。カラーフィルター80R,80G,80Bは、例えば、各色の色材を含む感光性樹脂材料を例えばスピンコート法により塗布して感光性樹脂層を形成した後、感光性樹脂層を、フォトリソグラフィ法を用いて露光および現像することにより形成される。図示の例では、カラーフィルター80G,80B,80Rの順で形成される。そのため、緑色カラーフィルター80GのX軸方向における縁部は、カラーフィルター80R,80Bの縁部によって覆われる。青色カラーフィルター80BのY軸方向における縁部は、赤色カラーフィルター80Rの縁部によって覆われる。
【0055】
カラーフィルター80R,80G,80Bの厚さは、互いに異なっている。図示の例では、赤色カラーフィルター80Rの厚さは、青色カラーフィルター80Bの厚さよりも大きい。青色カラーフィルター80Bの厚さは、緑色カラーフィルター80Gの厚さよりも大きい。
【0056】
オーバーコート層90は、Y軸方向に隣り合って繰り返し配置されたカラーフィルター80R,80B上に設けられている。さらに、オーバーコート層90は、緑色カラーフィルター80Gの縁部を、覆っている。オーバーコート層90は、緑色カラーフィルター80Gの縁部を除く他の部分は、覆っていない。オーバーコート層90によって、緑色カラーフィルター80Gが延在するY軸方向に沿って、溝92が形成されている。オーバーコート層90の上面は、例えば、平坦である。溝92の底面を規定する緑色カラーフィルター80Gの上面は、平坦である。オーバーコート層90は、例えば、透光性の感光性樹脂層である。
【0057】
対向基板110は、接着剤112を介して、素子基板10に接着されている。対向基板110は、素子基板10に対向配置されている。対向基板110は、有機EL素子50から出射される光に対して、透光性を有する。対向基板110は、例えば、石英基板、ガラス基板などである。対向基板110は、有機EL素子50が損傷しないように保護する機能を有する。表示装置100では、有機EL素子50から出射された光を対向基板110側から取り出すトップエミッション方式が採用されている。
【0058】
接着剤112は、素子基板10と対向基板110とを接着している。接着剤112は、有機EL素子50から出射される光に対して、透光性を有する。接着剤112の材質は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などである。
【0059】
接着剤112は、Y軸方向に延在する複数の溝92に沿って広がり、素子基板10と対向基板110と接着させる。溝92の底面には、段差がない。そのため、接着剤112には、気泡が生じ難い。さらに、オーバーコート層が設けられておらず、3色のカラーフィルターの厚さの違いによって段差が生じている場合に比べて、接着剤112の塗布ムラが生じ難い。
【0060】
表示装置100は、例えば、公知の半導体製造プロセスを用いて製造される。
【0061】
1.5. 遮光層および壁部
図5は、表示装置100を模式的に示す図1のV-V線断面図である。なお、便宜上、図5では、素子基板10を簡略化して図示している。
【0062】
表示装置100の素子基板10は、図5に示すように、遮光層120と、壁部130と、を有している。
【0063】
遮光層120は、支持基板20の基板面20A側に設けられている。遮光層120は、例えば、封止層70等を介して、支持基板20に設けられている。遮光層120は、例えば、封止層70上に設けられている。遮光層120は、例えば、第1層122Gと、第2層122Bと、第3層122Rと、を有している。
【0064】
遮光層120の第1層122Gは、緑色カラーフィルター80Gと同じ材料からなる。第1層122Gの厚さと、緑色カラーフィルター80Gの厚さとは、例えば、同じである。第1層122Gは、緑色カラーフィルター80Gを形成する工程において、形成される。
【0065】
遮光層120の第2層122Bは、第1層122G上に設けられている。第2層122Bは、第1層122Gと第3層122Rとの間に設けられている。第2層122Bは、青色カラーフィルター80Bと同じ材料からなる。第2層122Bの厚さと、青色カラーフィルター80Bの厚さとは、例えば、同じである。第2層122Bは、青色カラーフィルター80Bを形成する工程において、形成される。
【0066】
遮光層120の第3層122Rは、第2層122B上に設けられている。第3層122Rは、第2層122Bと壁部130との間に設けられている。第3層122Rは、赤色カラーフィルター80Rと同じ材料からなる。第3層122Rの厚さと、赤色カラーフィルター80Rの厚さとは、例えば、同じである。第3層122Rは、赤色カラーフィルター80Rを形成する工程において、形成される。
【0067】
なお、第1層122G、第2層122B、および第3層122Rの積層の順番は、特に限定されない。例えば、緑色カラーフィルター80G、青色カラーフィルター80B、赤色カラーフィルター80Rの順番で形成する場合、図5に示すように、第1層122G、第2層122B、および第3層122Rの順番で積層される。
【0068】
遮光層120は、図1に示すように、平面視で、複数の有機EL素子50を囲んでいる。遮光層120は、平面視で、表示領域101を囲んでいる。図1では、遮光層120の内縁を、2点鎖線で示している。遮光層120は、非表示領域102に設けられている。
【0069】
遮光層120は、有機EL素子50から出射された光が、他の部材で反射して、有機EL素子50に影響を及ぼすことを抑制する。さらに、遮光層120は、有機EL素子50から出射された光が、データ線駆動回路105や走査線駆動回路106に入射して、トランジスターなどの動作が不安定になることを抑制する。
【0070】
壁部130は、図5に示すように、遮光層120上に設けられている。壁部130は、遮光層120の支持基板20とは反対側に設けられている。壁部130は、第3層122R上に設けられている。図示の例では、壁部130の上面の位置は、接着剤112の上面の位置よりも、+Z軸方向に位置している。なお、図示はしないが、壁部130の上面の位置は、対向基板110の上面の位置よりも、+Z軸方向に位置していてもよい。
【0071】
壁部130は、例えば、有機EL素子50で出射される光に対して、透光性を有する。壁部130の材質は、例えば、オーバーコート層90の材質と同じである。これにより、表示装置100を構成する材料の種類が増えることを抑制できる。その結果、例えば、低コスト化を図ることができる。壁部130は、オーバーコート層90を形成する工程で形成されてもよいし、オーバーコート層90とは別の工程で形成されてもよい。
【0072】
壁部130は、図1に示すように、平面視で、複数の有機EL素子50を囲んでいる。壁部130は、平面視で、表示領域101を囲んでいる。遮光層120は、平面視で、壁部130と重ならない領域を有している。接着剤112は、平面視で、壁部130の内側に設けられている。図5に示す例では、接着剤112は、遮光層120の上面および壁部130の側面に接している。壁部130は、平面視で、例えば、接着剤112と重なる領域および外部接続用端子103と重なる領域以外の領域の全面に設けられている。そのため、壁部130による段差を低減できる。
【0073】
壁部130は、平面視で、対向基板110を囲んでいる。対向基板110は、平面視で、壁部130の内側に設けられている。図1に示す例では、対向基板110の形状は、長方形である。平面視で、対向基板110の外縁2は、長辺2a,2bと、短辺2c,2dと、を有している。図示の例では、長辺2aは、+Y軸方向の辺である。長辺2bは、-Y軸方向の辺である。短辺2cは、+X軸方向の辺である。短辺2dは、-X軸方向の辺である。
【0074】
壁部130の内縁4は、長辺2a,2bと平行な辺4a,4bと、短辺2c,2dと平行な辺4c,4dと、を有している。図示の例では、辺4aは、+Y軸方向の辺である。辺4bは、-Y軸方向の辺である。辺4cは、+X軸方向の辺である。辺4dは、-X軸方向の4辺である。辺4aは、長辺2aと対向している。すなわち、辺4aを規定する壁部130の側面は、長辺2aを規定する対向基板110の側面と対向している。辺4bは、長辺2bと対向している。辺4cは、短辺2cと対向している。辺4dは、短辺2dと対向している。長辺2aと辺4aとの間の距離、長辺2bと辺4bとの間の距離、短辺2cと辺4cとの間の距離、および短辺2dと辺4dとの間の距離は、例えば、同じである。
【0075】
1.6. 作用効果
表示装置100では、第1基板としての素子基板10と、素子基板10に対向配置された透光性の第2基板としての対向基板110と、を有する。素子基板10は、対向基板110と対向する側の面である基板面20Aを有する支持基板20と、支持基板20の基板面20Aに設けられた複数の発光素子としての有機EL素子50と、を有する。さらに、素子基板10は、複数の有機EL素子50のうちの第1発光素子としての有機EL素子50Gの対向基板110側に設けられた第1カラーフィルターとしての緑色カラーフィルター80Gと、複数の有機EL素子50のうちの第2発光素子としての有機EL素子50Bの対向基板110側に設けられ、緑色カラーフィルター80Gと異なる色の第2カラーフィルターとしての青色カラーフィルター80Bと、を有する。さらに、素子基板10は、支持基板20の基板面20Aに設けられ、平面視で複数の有機EL素子50を囲み、緑色カラーフィルター80Gと同じ材料からなる第1層122G、および青色カラーフィルター80Bと同じ材料からなる第2層122Bを有する遮光層120と、遮光層120の支持基板20とは反対側に設けられ、平面視で複数の有機EL素子50を囲む壁部130と、を有する。平面視で壁部130の内側に接着剤112が設けられ、対向基板110は、接着剤112を介して、素子基板10に接着されている。
【0076】
そのため、表示装置100では、壁部130が遮光層120上に設けられていない場合に比べて、壁部130を高い位置に配置できる。図5に示す例では、壁部130を、より+Z軸方向に配置できる。これにより、対向基板110が押されても、接着剤112が壁部130からはみ出し難い。したがって、対向基板110の高低差を小さくすることができる。例えば、対向基板110の封止層70に対する高低差を小さくすることができる。その結果、光学ムラを低減できる。
【0077】
さらに、表示装置100では、遮光層120は、緑色カラーフィルター80Gと同じ材料からなる第1層122G、および青色カラーフィルター80Bと同じ材料からなる第2層122Bを有するため、上面の平坦性が高い。そのため、表示装置100では、壁部130を平坦な場所に配置できる。これにより、壁部130によって、より確実に接着剤112をせき止めることができる。
【0078】
表示装置100では、対向基板110は、平面視で、壁部130の内側に設けられている。そのため、表示装置100では、対向基板110の高低差を、より小さくすることができる。
【0079】
表示装置100では、平面視で、対向基板110の外縁2は、第1辺としての長辺2aを有し、壁部130の内縁4は、長辺2aと平行であって長辺2aと対向する第2辺としての辺4aを有する。そのため、表示装置100では、長辺2aとの辺4aとの間における接着剤112の量を、長辺2aの延在方向において、一定にできる。これにより、対向基板110の高低差を、より小さくすることができる。さらに、長辺2aと辺4aとの間の距離、長辺2bと辺4bとの間の距離、短辺2cと辺4cとの間の距離、および短辺2dと辺4dとの間の距離は、同じであるため、対向基板110の高低差を、より小さくすることができる。
【0080】
表示装置100では、壁部130は、透光性を有する。そのため、表示装置100では、有機EL素子50から出射された光であって壁部130に入射した光を、壁部130の外側に透過させることができる。これにより、有機EL素子50から出射された光が壁部130で反射して有機EL素子50などに影響を及ぼすことを抑制できる。
【0081】
なお、壁部130は、有機EL素子50から出射された光に対して、遮光性を有していてもよい。壁部130が遮光性を有する場合は、壁部130は、有機EL素子50から出射された光であって壁部130に入射した光を、壁部130において吸収できる。これにより、有機EL素子50から出射された光が壁部130で反射して有機EL素子50などに影響を及ぼすことを抑制できる。壁部130が遮光性を有する場合、壁部130は、ブラックマトリックスで構成されていてもよい。
【0082】
表示装置100では、素子基板10は、複数の有機EL素子50のうちの第3発光素子としての有機EL素子50Rの対向基板110側に設けられ、緑色カラーフィルター80Gおよび青色カラーフィルター80Bと異なる色の第3カラーフィルターとしての赤色カラーフィルター80Rを有し、遮光層120は、赤色カラーフィルター80Rと同じ材料からなる第3層122Rを有する。そのため、表示装置100では、壁部130を、より高い位置に配置できる。
【0083】
2. 表示装置の変形例
次に、本実施形態の変形例に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の変形例に係る表示装置200を模式的に示す平面図である。以下、本実施形態の変形例に係る表示装置200において、上述した本実施形態に係る表示装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0084】
表示装置200では、図6に示すように、素子基板10は、アライメントマーク202を有する点において、上述した表示装置100と異なる。
【0085】
アライメントマーク202は、例えば、複数設けられている。図示の例では、アライメントマーク202は、6つ設けられている。平面視で、素子基板10の四隅の各々に、アライメントマーク202が設けられている。平面視で、表示領域101と、複数の外部接続用端子103と、の間に、2つのアライメントマークが設けられている。図示の例では、アライメントマーク202の形状は、正方形である。
【0086】
アライメントマーク202の材質は、例えば、金属である。アライメントマーク202の材質は、画素電極52と同じであってもよし、対向電極56と同じであってもよい。アライメントマーク202は、画素電極52を形成する工程において形成されてもよいし、対向電極56を形成する工程において形成されてもよい。アライメントマーク202は、例えば、シリコンウェハーから所定形状の素子基板10を切り出すためのスクライブ工程において、アライメントマークとして機能する。なお、アライメントマーク202は、スクライブ工程以外の工程において、アライメントマークとして機能してもよい。
【0087】
遮光層120は、平面視で、アライメントマーク202と重なっていない。壁部130は、平面視で、アライメントマーク202と重なっていない。遮光層120および壁部130は、アライメントマーク202を避けて設けられている。
【0088】
表示装置200では、素子基板10は、アライメントマーク202を有し、壁部130および遮光層120は、平面視で、アライメントマーク202と重なっていない。そのため、表示装置200では、表示装置200を製造するための工程において、例えば、図示せぬカメラを用いて、アライメントマーク202に基づいてアライメントを行う際に、壁部130や遮光層120によって光が反射したり吸収されたりすることを抑制できる。これにより、アライメント精度の低下を抑制できる。
【0089】
3. 電子機器
3.1. 全体の構成
次に、本実施形態に係る電子機器としてのヘッドマウントディスプレイについて、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ900を模式的に示す斜視図である。
【0090】
ヘッドマウントディスプレイ900は、図7に示すように、眼鏡のような外見を有する頭部装着型のディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者の頭部に装着される。観察者とは、ヘッドマウントディスプレイ900を使用する使用者のことである。ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者に対して虚像による映像光を視認させることができるとともに、外界像をシースルーで視認させることができる。
【0091】
ヘッドマウントディスプレイ900は、例えば、第1表示部910aと、第2表示部910bと、フレーム920と、第1テンプル930aと、第2テンプル930bと、を有している。
【0092】
第1表示部910aおよび第2表示部910bは、画像を表示する。具体的には、第1表示部910aは、観察者の右眼用の虚像を表示する。第2表示部910bは、観察者の左眼用の虚像を表示する。表示部910a,910b、例えば、像形成装置911と、導光装置915と、を有している。
【0093】
像形成装置911は、画像光を形成する。像形成装置911は、例えば、光源や投射装置などの光学系と、外部部材912と、を有している。外部部材912は、光源および投射装置を収容している。
【0094】
導光装置915は、観察者の眼前を覆う。導光装置915は、像形成装置911で形成された映像光を導光させるとともに、外界光と映像光とを重複して観察者に視認させる。なお、像形成装置911および導光装置915の詳細については、後述する。
【0095】
フレーム920は、第1表示部910aおよび第2表示部910bを支持している。フレーム920は、例えば、表示部910a,910bを囲んでいる。図示の例では、第1表示部910aの像形成装置911は、フレーム920の一方の端部に取り付けられている。第2表示部910bの像形成装置911は、フレーム920の他方の端部に取り付けられている。
【0096】
第1テンプル930aおよび第2テンプル930bは、フレーム920から延在している。図示の例では、第1テンプル930aは、フレーム920の一方の端部から延在している。第2テンプル930bは、フレーム920の他方の端部から延在している。
【0097】
第1テンプル930aおよび第2テンプル930bは、ヘッドマウントディスプレイ900が観察者に装着された場合に、観察者の耳に懸架される。テンプル930a,930b間に、観察者の頭部が位置する。
【0098】
3.2. 像形成装置および導光装置
図8は、ヘッドマウントディスプレイ900の第1表示部910aの像形成装置911および導光装置915を模式的に示す図である。なお、第1表示部910aと第2表示部910bとは、基本的に同じ構成を有している。したがって、以下の第1表示部910aの説明は、第2表示部910bに適用できる。
【0099】
像形成装置911は、図8に示すように、例えば、光源としての表示装置100と、結像用の投射装置914と、を有している。
【0100】
投射装置914は、表示装置100から出射された映像光を、導光装置915に向けて投射する。投射装置914は、例えば、投射レンズである。投射装置914を構成するレンズとして、軸対称面をレンズ面とするものを用いてもよい。
【0101】
導光装置915は、例えば、投射装置914の鏡筒にねじ止めされることにより、投射装置914に対して精度よく位置決めされている。導光装置915は、例えば、映像光を導光する映像光導光部材916と、透視用の透視部材918と、を有している。
【0102】
映像光導光部材916には、投射装置914から出射された映像光が入射する。映像光導光部材916は、映像光を、観察者の眼に向けて導光するプリズムである。映像光導光部材916に入射した映像光は、映像光導光部材916の内面において反射を繰り返した後、反射層917で反射されて映像光導光部材916から出射される。映像光導光部材916から出射された映像光は、観察者の眼に至る。反射層917は、例えば、金属や、誘電体多層膜で構成されている。反射層917は、ハーフミラーであってもよい。
【0103】
透視部材918は、映像光導光部材916に隣接している。透視部材918は、映像光導光部材916に固定されている。透視部材918の外表面は、例えば、映像光導光部材916の外表面と連続している。透視部材918は、観察者に、外界光を透視させる。映像光導光部材916についても、映像光を導光する機能の他に、観察者に外界光を透視させる機能を有している。なお、ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者に、外界光を透視させない構成であってもよい。
【0104】
本実施形態に係る電子機器は、本実施形態に係る表示装置を有すれば、ヘッドマウントディスプレイに限定されない。本実施形態に係る電子機器は、EVF(Electronic View Finder)、プロジェクター、スマートウォッチなどのウェアラブルディスプレイ、車載用のヘッドアップディスプレイであってもよい。
【0105】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0106】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成できる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0107】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0108】
表示装置の一態様は、
第1基板と、
前記第1基板に対向配置された透光性の第2基板と、
を有し、
前記第1基板は、
前記第2基板と対向する側の面である基板面を有する支持基板と、
前記支持基板の前記基板面側に設けられた複数の発光素子と、
前記複数の発光素子のうちの第1発光素子の前記第2基板側に設けられた第1カラーフィルターと、
前記複数の発光素子のうちの第2発光素子の前記第2基板側に設けられ、前記第1カラーフィルターと異なる色の第2カラーフィルターと、
前記支持基板の前記基板面側に設けられて平面視で前記複数の発光素子を囲み、前記第1カラーフィルターと同じ材料からなる第1層、および前記第2カラーフィルターと同じ材料からなる第2層を有する遮光層と、
前記遮光層の前記支持基板とは反対側に設けられ、平面視で前記複数の発光素子を囲む壁部と、
を有し、
平面視で前記壁部の内側に接着剤が設けられ、
前記第2基板は、前記接着剤を介して、前記第1基板に接着されている。
【0109】
この表示装置によれば、接着剤が壁部からはみ出し難い。したがって、第2基板の高低差を小さくすることができる。
【0110】
表示装置の一態様において、
前記第2基板は、前記平面視で、前記壁部の内側に設けられていてもよい。
【0111】
この表示装置によれば、第2基板の高低差を、より小さくすることができる。
【0112】
表示装置の一態様において、
前記平面視で、前記第2基板の外縁は、第1辺を有し、
前記壁部の内縁は、前記第1辺と平行であって前記第1辺と対向する第2辺を有してもよい。
【0113】
この表示装置によれば、第2基板の高低差を、より小さくすることができる。
【0114】
表示装置の一態様において、
前記壁部は、透光性を有してもよい。
【0115】
この表示装置によれば、発光素子から出射された光であって壁部に入射した光を、壁部の外側に透過させることができる。
【0116】
表示装置の一態様において、
前記壁部は、遮光性を有してもよい。
【0117】
この表示装置によれば、発光素子から出射された光であって壁部に入射した光を、壁部において吸収できる。
【0118】
表示装置の一態様において、
前記第1基板は、アライメントマークを有し、
前記壁部および前記遮光層は、前記平面視で、前記アライメントマークと重なっていなくてもよい。
【0119】
この表示装置によれば、アライメント精度の低下を抑制できる。
【0120】
表示装置の一態様において、
前記第1基板は、前記複数の発光素子のうちの第3発光素子の前記第2基板側に設けられ、前記第1カラーフィルターおよび前記第2カラーフィルターと異なる色の第3カラーフィルターを有し、
前記遮光層は、前記第3カラーフィルターと同じ材料からなる第3層を有してもよい。
【0121】
この表示装置によれば、壁部をより高い位置に配置できる。
【0122】
電子機器の一態様は、
前記表示装置の一態様を有する。
【符号の説明】
【0123】
2…外縁、2a,2b…長辺、2c,2d…短辺、4…内縁、4a,4b,4c,4d…辺、10…素子基板、11…走査線、12…データ線、13…電源線、14…画素回路、15…スイッチング用トランジスター、16…蓄積容量、17…駆動用トランジスター、20…支持基板、20A…基板面、30…反射層、40…透光層、42…第1絶縁層、44…第2絶縁層、46…第3絶縁層、50,50R,50G,50B…有機EL素子、60…絶縁層、62R,62G,62B…開口部、70…封止層、72…第1無機層、74…有機層、76…第2無機層、80R…赤色カラーフィルター、80G…緑色カラーフィルター、80B…青色カラーフィルター、90…オーバーコート層、92…溝、100…表示装置、101…表示領域、102…非表示領域、103…外部接続用端子、104…FPC、105…データ線駆動回路、106…走査線駆動回路、110…対向基板、112…接着剤、120…遮光層、122G…第1層、122B…第2層、122R…第3層、130…壁部、200…表示装置、202…アライメントマーク、900…ヘッドマウントディスプレイ、910a…第1表示部、910b…第2表示部、911…像形成装置、912…外部部材、914…投射装置、915…導光装置、916…映像光導光部材、917…反射層、918…透視部材、920…フレーム、930a…第1テンプル、930b…第2テンプル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8