(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010761
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】コイルユニットおよび電動弁並びにコイルユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 3/50 20060101AFI20240118BHJP
H02K 3/44 20060101ALI20240118BHJP
H02K 5/08 20060101ALI20240118BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20240118BHJP
H02K 15/04 20060101ALI20240118BHJP
H02K 15/12 20060101ALI20240118BHJP
H02K 15/14 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H02K3/50 A
H02K3/44 B
H02K5/08 A
H02K7/14 Z
H02K15/04 E
H02K15/12 D
H02K15/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112238
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】100100365
【弁理士】
【氏名又は名称】増子 尚道
(72)【発明者】
【氏名】浅野 哲平
(72)【発明者】
【氏名】荒井 良太
(72)【発明者】
【氏名】小城 力樹
(72)【発明者】
【氏名】延木 武徳
【テーマコード(参考)】
5H604
5H605
5H607
5H615
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB02
5H604BB10
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC19
5H604DA15
5H604DA25
5H604DB02
5H604QB03
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605CC06
5H605EC08
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB10
5H607BB14
5H607CC01
5H607CC05
5H607DD01
5H607DD10
5H607DD19
5H607FF01
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB08
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP15
5H615SS16
5H615SS44
(57)【要約】
【課題】電動弁に使用されるコイルユニットの部品点数や製造工程数を削減する。
【解決手段】コイル本体22と端子ピン26と給電用リード線30を備えたコイルユニットで、リード線に接続されたコンタクト部品と、コンタクト部品及び端子ピン26が挿入され当該挿入時にコンタクト部品及び端子ピンの一端部同士が外部で当接するように案内するハウジング41とを有し、コイル端子ピンとコンタクト部品の一端部同士がハウジングから突出した位置で抵抗溶接されている。ハウジングが、コンタクト部品の一端部以外が縦方向に挿入されると共に端子ピンの一端部が横方向に突き出すように貫通する挿入室45を有し且つコンタクト部品の一端部を外部に突出させた状態でコンタクト部品の一端部以外をハウジング内に挿入するためのスリット状開口42を有し、コンタクト部品が、端子ピンの一端部を突き当てることが可能な端子ストッパ35を一端部に有することがある。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻線を含むコイル本体と、
前記巻線に電気的に接続されたコイル端子ピンと、
コンタクト部品が接続され、当該コンタクト部品を介して前記コイル端子ピンと電気的に接続されたリード線と
を備えたコイルユニットであって、
前記コンタクト部品および前記コイル端子ピンが挿入または係合され、当該挿入または係合時に前記コンタクト部品および前記コイル端子ピンの一端部同士が外部で当接するように案内するハウジングを有し、
前記コイル端子ピンの一端部と前記コンタクト部品の一端部とが前記ハウジングから突出した位置で抵抗溶接されている
ことを特徴とするコイルユニット。
【請求項2】
前記ハウジングは、
前記コンタクト部品の一端部以外が縦方向に挿入されるとともに前記コイル端子ピンの一端部が横方向に突き出すように貫通する挿入室を有し、且つ
前記ハウジングにおける前記挿入室と前記外部とを仕切るように縦方向に延びる壁部に、前記コンタクト部品の一端部を外部に突出させた状態で前記コンタクト部品の一端部以外を前記ハウジング内に挿入するための一端が開放して縦方向に延びるスリット状開口を有し、
前記コンタクト部品は、前記挿入室を貫通するように前記ハウジングと係合される前記コイル端子ピンの一端部を突き当てることが可能な端子ストッパを一端部に有する
請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項3】
前記コンタクト部品の一端部の、前記コイル端子ピンと当接する側の面に、プロジェクション溶接によって溶融させることが可能な突起を備えた
請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項4】
前記コンタクト部品の一端部に、前記コイル端子ピンの長さ方向に交差する方向への前記コイル端子ピンの位置ずれを規制する端子ガイドを備え、
当該端子ガイドは、間隔を隔てて互いに対向するように前記コンタクト部品の一端部の両縁部から起立する一対の壁板部からなり、
これら一対の壁板部の間に前記コイル端子ピンの一端部が挿通されるようにした
請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項5】
前記コイル本体、前記コイル端子ピン、前記コンタクト部品および前記ハウジングを覆うカバーをさらに備え、
当該カバーの内部に樹脂を充填することにより前記コイル本体、前記コイル端子ピン、前記コンタクト部品および前記ハウジングを封止した
請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項6】
弁室を内部に有するとともに、前記弁室に冷媒を流入させる流入口および前記弁室から前記冷媒を流出させる流出口を有し、前記流出口の弁室側の端部に形成した弁座を有する、弁本体と、
前記弁座に対して進退動することにより前記冷媒の流量を変更する弁体と、
前記弁体を駆動する電動機と
を備えた電動弁であって、
前記電動機が請求項1から5のいずれか一項に記載のコイルユニットを含む電動弁。
【請求項7】
巻線を含むコイル本体と、
前記巻線に電気的に接続されたコイル端子ピンと、
コンタクト部品が接続され、当該コンタクト部品を介して前記コイル端子ピンと電気的に接続されたリード線と、
前記コンタクト部品および前記コイル端子ピンが挿入または係合され、当該挿入または係合時に前記コンタクト部品および前記コイル端子ピンの一端部同士が外部で当接するように案内するハウジングと
を備え、
前記ハウジングは、
前記コンタクト部品の一端部以外が縦方向に挿入されるとともに前記コイル端子ピンの一端部が横方向に突き出すように貫通する挿入室を有し、且つ
前記ハウジングにおける前記挿入室と前記外部とを仕切るように縦方向に延びる壁部に、前記コンタクト部品の一端部を外部に突出させた状態で前記コンタクト部品の一端部以外を前記ハウジング内に挿入するための一端が開放して縦方向に延びるスリット状開口を有し、
前記コイル端子ピンの一端部と前記コンタクト部品の一端部とが前記ハウジングから突出した位置で抵抗溶接されることにより、前記コイル端子ピンと前記リード線とが電気的に接続され、
前記コイル本体、前記コイル端子ピン、前記コンタクト部品および前記ハウジングが樹脂で封止された
コイルユニットを製造する方法であって、
前記コンタクト部品は、前記挿入室を貫通するように前記ハウジングと係合される前記コイル端子ピンの一端部を突き当てることが可能な端子ストッパを一端部に有し、
前記方法は、
前記コンタクト部品の一端部を外部に突出させた状態で前記コンタクト部品の一端部以外を前記挿入室に挿入するコンタクト部品挿入工程と、
前記コンタクト部品挿入工程の後に、前記挿入室を貫通して前記コイル端子ピンの一端部が前記端子ストッパに突き当たるように前記コイル端子ピンを前記ハウジングに係合させるコイル端子ピン係合工程と、
前記コイル端子ピン係合工程の後に、前記コンタクト部品の一端部と前記コイル端子ピンの一端部とを抵抗溶接により接合する接合工程と、
前記接合工程の後に、前記コイル本体、前記コイル端子ピン、前記コンタクト部品および前記ハウジングをカバーの内部に配置する配置工程と、
前記配置工程の後に、前記カバーの内部に樹脂を充填することにより前記コイル本体、前記コイル端子ピン、前記コンタクト部品および前記ハウジングを封止する封止工程と
を含むことを特徴とするコイルユニットの製造方法。
【請求項8】
前記コンタクト部品は、当該コンタクト部品の一端部の、前記コイル端子ピンと当接する側の面に、プロジェクション溶接によって溶融させることが可能な突起を備えており、
前記接合工程では、プロジェクション溶接により前記突起を溶融させ、これにより前記コンタクト部品の一端部と前記コイル端子ピンの一端部とを接合する
請求項7に記載のコイルユニットの製造方法。
【請求項9】
前記コンタクト部品は、当該コンタクト部品の一端部に、前記コイル端子ピンの長さ方向に交差する方向への前記コイル端子ピンの位置ずれを規制する端子ガイドを備え、
当該端子ガイドは、間隔を隔てて互いに対向するように前記コンタクト部品の一端部の両縁部から起立する一対の壁板部からなり、
前記コイル端子ピン係合工程では、前記一対の壁板部の間に前記コイル端子ピンの一端部が挿通される
請求項7または8に記載のコイルユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルユニットおよび電動弁並びにコイルユニットの製造方法に係り、特に、コイルに給電を行うリード線とコイル端子ピンとの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図16は、コイルユニットを備えた電動弁の一例を示すものである。この図に示すように従来のコイルユニット51はキャン15の外側に固定され、キャン15の内部に配置されたロータ(図示せず)とともに弁体を駆動するステッピングモータを構成する。コイルユニット51は、コイル本体22とカバー52を有し、コイル本体22は2相のコイル22a,22bを有する。各コイル22a,22bは、上下で対をなすヨーク25と、ヨーク25に装着されたボビン23と、ボビン23に巻装された巻線24を備えている。各コイル22a,22bは上下に積み重ねられ、それらの外周および内部の空隙部分に充填されたモールド樹脂により被覆され封止されている。
【0003】
この樹脂で封止されたコイル本体22の一側部には、コイル22a,22bのそれぞれに接続された所定本数(例えば計6本)のコイル端子ピン26が水平に並列に突出しており、これらのコイル端子ピン26は、配線基板53に差し込まれてはんだ付けされている(はんだ付け部を符号54で示す)。また配線基板53には、コイル22a,22bに給電を行う複数本(例えば6本)のリード線30がコネクタ55を介して同様にはんだ付けされており(はんだ付け部を符号54で示す)、コイル端子ピン26とリード線30は配線基板53に形成された導電パターンによって互いに電気的に接続されている。
【0004】
さらに、これらのコイル端子ピン26、配線基板53、コネクタ55およびリード線30は、カバー52によって覆われ、カバー52内にシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂(封止剤)56を充填することにより封止されている。
【0005】
また、このようなコイルユニットを開示する文献として下記特許文献がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記従来のコイルユニットは、配線基板53を介してコイル端子ピン26とリード線30を接続していることから、部品点数や組立工数(製造工程数)が多くなる面があった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、電動弁に使用されるコイルユニットの部品点数や製造工程数を削減する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係るコイルユニットは、巻線を含むコイル本体と、巻線に電気的に接続されたコイル端子ピンと、コンタクト部品が接続され当該コンタクト部品を介してコイル端子ピンと電気的に接続されたリード線とを備えたコイルユニットであって、コンタクト部品およびコイル端子ピンが挿入または係合され、当該挿入または係合時にコンタクト部品およびコイル端子ピンの一端部同士が外部で当接するように案内するハウジングを有し、コイル端子ピンの一端部とコンタクト部品の一端部とがハウジングから突出した位置で抵抗溶接されている。
【0010】
本発明のコイルユニットでは、配線基板を介在させずにコイル端子ピンとリード線(コンタクト部品)を抵抗溶接により直接接続するから、コイルとリード線の接続に配線基板が不要となり、電気的接続箇所を減らしてコイルユニットの信頼性や耐久性を向上させることが出来るとともに、部品点数や組立工数を削減して製造コストを低減することが可能となる。また、コイル端子ピンの一端部とコンタクト部品の一端部とをハウジングから突出した位置で接合するから、接合時に発生する熱のハウジングへの影響を抑えられる利点もある。
【0011】
上記抵抗溶接としては、例えばプロジェクション溶接やスポット溶接が挙げられる。
【0012】
さらに、上記本発明に係るコイルユニットでは、下記の第1から第4の各態様のいずれか1つまたは2以上を好ましく備えることが出来る。
【0013】
〔第1の態様〕
(1)第1の態様では、上記ハウジングが、コンタクト部品の一端部以外が縦方向に挿入されるとともにコイル端子ピンの一端部が横方向に突き出すように貫通する挿入室を有し、且つ、ハウジングにおける挿入室と外部とを仕切るように縦方向に延びる壁部に、コンタクト部品の一端部を外部に突出させた状態でコンタクト部品の一端部以外をハウジング内に挿入するための一端が開放して縦方向に延びるスリット状開口を有する。また当該第1の態様では、コンタクト部品が、挿入室を貫通するようにハウジングと係合されるコイル端子ピンの一端部を突き当てることが可能な端子ストッパを一端部に有する。
【0014】
なお、上記「縦方向」とは、コイル端子ピンが延びる方向(コイル端子ピンの長さ方向)に交差する(典型的には直交する)方向であり、上記「横方向」とは、コイル端子ピンが延びる方向(コイル端子ピンの長さ方向)を意味する(後述の製造方法に係る発明においても同様)。また別の表現をすれば、並列に並ぶように備えられた複数のコイル端子ピンを含む平面に交差する(典型的には直交する)方向が「縦方向」であり、当該平面(並列に並ぶように備えられた複数のコイル端子ピンを含む平面)に平行な方向が「横方向」である。
【0015】
上記第1の態様では、ハウジングへのコンタクト部品(リード線)の装着は、コンタクト部品の一端部以外の部分をハウジングの挿入室に縦方向に挿入することにより行うが、挿入室と外部とを仕切る壁部に一端が開放されたスリット状の開口を形成してあるため、コンタクト部品の挿入室への挿入が外部に突出したコンタクト部品の一端部によって邪魔されることがなく、スリット状開口を通じて外部に突出したままの状態でコンタクト部品をハウジングに装着することが可能となる。
【0016】
コンタクト部品を装着した後には、挿入室を横方向に突き抜けるようにコイル端子ピンをハウジングに差し込む。このとき、コイル端子ピンの一端部は、挿入室の外部へ突出してコンタクト部品の一端部に当接する(コイル端子ピンとコンタクト部品の一端部同士が側面において接触する)こととなる。また、コイル端子ピンを進めていくと、コイル端子ピンの先端がコンタクト部品の端子ストッパに突き当たることにより停止される。これにより、コイル端子ピンが差し込まれ過ぎたり、差し込みが不十分となることを防ぐことができ、ハウジングに装着されたリード線(コンタクト部品)とコイル(コイル端子ピン)との間の相対的な位置決めを正確に行うことが出来る。
【0017】
前記特許文献1記載の発明では、ステータ本体の側面(コイルを覆う樹脂部分)に平板状の成形部を形成し、この成形部にハウジングの左右一対の側壁を当接させることでコイル端子ピンとコンタクト部品との相対的な位置決めを行っている。これに対し、本発明によれば、コイル端子ピンがコンタクト部品の端子ストッパに突き当たるまでコイル端子ピンをハウジングに差し込むだけで(即ちコイル側はコイル端子ピン自体で)リード線(コンタクト部品)とコイル(コイル端子ピン)との間の相対的な位置決めが可能であるから、特許文献1記載の発明のような平板状成形部をコイル側に備える必要がなく、このような平板状成形部を形成する工程を省くことが出来る。また本発明によれば、コイル(コイル端子ピン)にリード線(コンタクト部品)を装着するときに位置決めのため治具を使用する必要も無い。
【0018】
〔第2の態様〕
(2)第2の態様では、コンタクト部品の一端部の、コイル端子ピンと当接する側の面に、プロジェクション溶接によって溶融させることが可能な突起を備える。プロジェクション溶接によってコンタクト部品の一端部とコイル端子ピンの一端部とを良好に接合することを可能とするためである。
【0019】
〔第3の態様〕
(3)第3の態様では、コンタクト部品の一端部に、コイル端子ピンの長さ方向に交差する方向へのコイル端子ピンの位置ずれを規制する端子ガイドを備える。この端子ガイドは、間隔を隔てて互いに対向するようにコンタクト部品の一端部の両縁部から起立する一対の壁板部からなり、これら一対の壁板部の間にコイル端子ピンの一端部が挿通されるようにするものである。
【0020】
上記第3の態様によれば、コイル端子ピンのハウジングへの挿入時やコイル端子ピンとコンタクト部品との接合時(溶接時等)にコイル端子ピンとコンタクト部品が相対的に横ずれすることを防ぎ、コンタクト部品とコイル端子ピンの一端部同士をより確実に接触させて両者を接続することが可能となる。
【0021】
〔第4の態様〕
(4)第4の態様では、コイル本体、コイル端子ピン、コンタクト部品およびハウジングを覆うカバーをさらに備え、当該カバーの内部に樹脂を充填することによりコイル本体、コイル端子ピン、コンタクト部品およびハウジングを封止する。
【0022】
前記第1の態様によれば、端子ストッパに突き当たるまでコイル端子ピンをハウジングに差し込むだけでコイル端子ピンとリード線(コンタクト部品)の相対的な位置決めを行うことができ、特許文献1に記載の発明のようにコイルを覆う樹脂を、コイル端子ピンとリード線の接続部(コイル端子ピン、コンタクト部品及びハウジング)を覆う樹脂とは別に予め形成しておく必要はない。したがって、前記第1の態様に加えて上記第4の態様を適用すれば、1つの(単一の)カバーでコイル本体と、コイル端子ピンとリード線の接続部とを覆ってこれらを纏めて樹脂封止することにより、コイルユニットの製造工程数を削減することが出来る。
【0023】
また、本発明に係る電動弁は、弁室を内部に有するとともに、弁室に冷媒を流入させる流入口および弁室から冷媒を流出させる流出口を有し、流出口の弁室側の端部に形成した弁座を有する、弁本体と、弁座に対して進退動することにより冷媒の流量を変更する弁体と、弁体を駆動する電動機とを備えた電動弁であって、当該電動機が前記本発明または各態様のいずれかのコイルユニットを含む電動弁である。
【0024】
さらに、本発明に係るコイルユニットの製造方法は、前記本発明乃至各態様に係るコイルユニットと同様の特徴を有する。
【0025】
具体的には、当該コイルユニットの製造方法は、巻線を含むコイル本体と、巻線に電気的に接続されたコイル端子ピンと、コンタクト部品を介してコイル端子ピンと電気的に接続されたリード線と、コンタクト部品およびコイル端子ピンが挿入または係合され当該挿入または係合時にコンタクト部品およびコイル端子ピンの一端部同士が外部で当接するように案内するハウジングとを備えたコイルユニットを製造する方法である。
【0026】
ここで、上記ハウジングは、コンタクト部品の一端部以外が縦方向に挿入されるとともにコイル端子ピンの一端部が横方向に突き出すように貫通する挿入室を有し、且つ、ハウジングにおける挿入室と外部とを仕切るように縦方向に延びる壁部にコンタクト部品の一端部を外部に突出させた状態でコンタクト部品の一端部以外をハウジング内に挿入するための一端が開放して縦方向に延びるスリット状開口を有する。また、コイル端子ピンの一端部とコンタクト部品の一端部とがハウジングから突出した位置で抵抗溶接されることにより、コイル端子ピンとリード線とが電気的に接続される。さらに、コイル本体、コイル端子ピン、コンタクト部品およびハウジングが樹脂で封止される。また、コンタクト部品は、挿入室を貫通するようにハウジングと係合されるコイル端子ピンの一端部を突き当てることが可能な端子ストッパを一端部に有する。
【0027】
そして、当該製造方法は、
(1)コンタクト部品の一端部を外部に突出させた状態でコンタクト部品の一端部以外を挿入室に挿入するコンタクト部品挿入工程と、
(2)前記コンタクト部品挿入工程を実施した後に、挿入室を貫通してコイル端子ピンの一端部が端子ストッパに突き当たるようにコイル端子ピンをハウジングに係合させるコイル端子ピン係合工程と、
(3)前記コイル端子ピン係合工程を実施した後に、コンタクト部品の一端部とコイル端子ピンの一端部とを接合する接合工程と、
(4)前記接合工程を実施した後に、コイル本体、コイル端子ピン、コンタクト部品およびハウジングをカバーの内部に配置する配置工程と、
(5)前記配置工程を実施した後に、カバーの内部に樹脂を充填することによりコイル本体、コイル端子ピン、コンタクト部品およびハウジングを封止する封止工程と
を含む。
【0028】
また、上記製造方法では、コンタクト部品が当該コンタクト部品の一端部のコイル端子ピンと当接する側の面にプロジェクション溶接によって溶融させることが可能な突起を備え、上記接合工程において、プロジェクション溶接により当該突起を溶融させ、これによりコンタクト部品の一端部とコイル端子ピンの一端部とを接合することがある。
【0029】
さらに、上記製造方法では、コンタクト部品が当該コンタクト部品の一端部にコイル端子ピンの長さ方向に交差する方向へのコイル端子ピンの位置ずれを規制する端子ガイドを備え、当該端子ガイドは、間隔を隔てて互いに対向するようにコンタクト部品の一端部の両縁部から起立する一対の壁板部からなり、上記コイル端子ピン係合工程において、一対の壁板部の間にコイル端子ピンの一端部を挿通するようにすることがある。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電動弁に使用されるコイルユニットの部品点数や製造工程数を削減することが出来る。
【0031】
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基いて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るコイルユニットを使用した電動弁を示す図(内部構造を示すためにコイルユニットのみ断面で示す)である。
【
図2】
図2は、前記実施形態に係るコイルユニット(上下反転させて斜め下から見た状態)を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、前記実施形態に係るコイルユニットのコイル端子とリード線の接続部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、前記実施形態に係るコイルユニットのハウジングにコンタクト部品を装着した状態を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、前記実施形態に係るコイルユニットのコンタクト部品(リード線に接続する前の状態)を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、前記実施形態に係るコイルユニットのコンタクト部品(リード線に接続した状態)を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、前記実施形態に係るコイルユニットのハウジング(上下反転させて後面側を見た状態)を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、前記実施形態に係るコイルユニットのハウジング(上下反転させて前面側を見た状態)を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、前記実施形態に係るコイルユニットにおけるリード線とコイル端子ピンの接続工程(リード線を接続したコンタクト部品をハウジングに挿入した状態)を示す断面図である。
【
図10】
図10は、前記実施形態に係るコイルユニットにおけるリード線とコイル端子ピンの接続工程(コイル端子ピンをハウジングに挿入し始めた状態)を示す断面図である。
【
図11】
図11は、前記実施形態に係るコイルユニットにおけるリード線とコイル端子ピンの接続工程(コイル端子ピンを進行させてコンタクト部品の端子ストッパに突き当てた状態)を示す断面図である。
【
図12】
図12は、前記実施形態に係るコイルユニットにおけるリード線とコイル端子ピンの接続工程(コイル端子ピンとコンタクト部品を溶接した状態)を示す断面図である。
【
図13】
図13は、前記実施形態に係るコイルユニットの製造工程(コイル本体をカバーの中に配置する前の状態)を示す断面図である。
【
図14】
図14は、前記実施形態に係るコイルユニットの製造工程(コイル本体をカバー内に配置して樹脂封止した状態)を示す断面図である。
【
図15】
図15は、前記実施形態に係るコイルユニットのハウジングに変形例に係るコンタクト部品を装着した状態を
図4と同様に示す斜視図である。
【
図16】
図16は、従来のコイルユニットを使用した電動弁を示す図(内部構造を示すためコイルユニットを断面で示す。キャンの一部を切り欠いて示すが、ロータは示していない)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の一実施形態に係るコイルユニットをその製造方法とともに説明する。
【0034】
図1から
図14に示すように、本発明の一実施形態に係るコイルユニット21は、電動弁11の弁体を駆動するステッピングモータを構成するもので、コイル本体22と、コイル本体22に給電を行うリード線30と、コイル端子ピン26との接続を行うためにリード線30の先端に備えたコンタクト部品31と、コンタクト部品31とコイル端子ピン26を保持するハウジング41と、これらコイル本体22、コイル端子ピン26、コンタクト部品31およびハウジング41を覆うカバー27とを備えている。
【0035】
なお、各図には前後方向、左右方向および上下方向を表す互いに直交する二次元座標または三次元座標を適宜表示し、以下の説明はこれらの方向に基いて行うが、本発明並びに本実施形態の電磁弁は様々な向きで使用することが可能であり、各方向は説明の便宜上のものであって本発明の各部構成について何ら限定を加えるものではない。また、
図2、
図5から
図12並びに
図14は図示対象物を上下反転させた状態で示している。
【0036】
コイル本体22は、前述した従来のコイルユニット51と同様に上下2段に重ねて配置した2相のコイル22a,22bを備え、コイル本体22の一側部には、2相のコイル22a,22bのそれぞれに接続された所定本数(本実施形態では上段のコイル22aに接続された3本と下段のコイル22bに接続された3本の合計6本)の角形の(正方形の横断面形状を有する)コイル端子ピン26が真横に並列に突出している。
【0037】
各コイル端子ピン26と、各コイル端子ピン26を外部(ステッピングモータの駆動回路)に接続するための所定本数(本実施形態では6本)のリード線30は、各リード線30の一端部に接続したコンタクト部品31を介して接続される。
【0038】
コンタクト部品31は、例えば、りん青銅等の導電性の高い銅合金製の薄板を素材として打ち抜きプレス成形等により作製することができ、上下方向に延在する細長板部31aと、細長板部31aの上部(
図5~
図6、
図9~
図12では紙面の下方/以下同様)に連なって前方へ延びるように湾曲した湾曲部31bと、湾曲部31bの前端から略水平に前方に延びる弾性当接板部31cとを有する。
【0039】
細長板部31aの下部(
図5~
図6、
図9~
図12では紙面の上方/以下同様)にはリード線30の被覆部30aを左右から抱持する被覆部かしめ部32を備えるとともに、被覆部かしめ部32の上側(図示の例では細長板部の略中央部分)に、リード線30の芯線30bとの接触面積を大きくしてそれを(左右から)堅固に圧着しつつ把持する芯線かしめ部33を有する。
【0040】
さらに、細長板部31aの芯線かしめ部33の上側には、後述するようにコンタクト部品31をハウジング41内で保持させるために用いられる、上端部以外が細長板部31aから切り離されて裏側に(斜め下後方へ)傾斜せしめられた矩形状の係止片部34を設けてある。
【0041】
また、弾性当接板部31cの先端(前端)には端子ストッパ35を形成する。この端子ストッパ35は、弾性当接板部31cの前端から上方へ立ち上がる板状部分で、コイル端子ピン26の先端を突き当てることが出来るものである。端子ストッパ35に先端を突き当てることで、コンタクト部品31(弾性当接板部31c)に対してコイル端子ピン26を前後方向について正確に位置決めすることが出来る。
【0042】
弾性当接板部31cの先端部の左右側部には端子ガイド36を形成してある。この端子ガイド36は、弾性当接板部31cの前端部の左右両側縁からそれぞれ上方へ立ち上がる一対の板状部分で、コイル端子ピン26はハウジング41への装着時に、端子ガイド36によって案内されて(端子ガイド36を構成する一対の板状部分の間を通過して)端子ストッパ35に先端が突き当たるまで前方へ進行する。なお、端子ガイド36は、弾性当接板部31cとコイル端子ピン26を溶接して接合するときにも両者が横ずれすることを防ぐ機能を果たす。
【0043】
端子ガイド36(一対の板状部分)の間の弾性当接板部31cの上面にはプロジェクション溶接用の突起37(
図4,
図9等参照)を形成する。これらの突起37は、例えばプレス加工により形成することが出来る。
【0044】
一方、ハウジング41は、左右の側壁41c,41dと、前壁41aと、後壁41bとを有する。また、左右の側壁41c,41d間には、隔壁41eにより仕切られた断面矩形の6個の挿入室45を形成してある。各挿入室45には、リード線30が接続されたコンタクト部品31の一端部(弾性当接板部31cの先端側)以外が縦方向に挿入される。このとき、弾性当接板部31cの先端側は、挿入室45の左右中央部における前壁41aの下端から上端近くまで縦方向に延びるように形成したスリット状開口42から前方に突き出されている。
【0045】
また、各挿入室45におけるスリット状開口42の上端部は略半円形とし、後壁41bにおける前記略半円形の上端部に対応する位置には、コイル端子ピン26が横方向に(前方に向けて)挿入される円形開口44を形成してある。
【0046】
また、後壁41bの円形開口44より下側には、コンタクト部品31の係止片部34を係止する矩形開口43を形成してある。
【0047】
本実施形態における各コイル端子ピン26と各リード線30との接続は、次のようにして行う。
【0048】
まず、
図9に示すように、リード線30が接続されたコンタクト部品31の一端部(弾性当接板部31cの先端側)をスリット状開口42から前方に突出させた状態で、各挿入室45に、コンタクト部品31の一端部(弾性当接板部31cの先端側)以外の部分を縦方向に挿入する。
【0049】
このとき、コンタクト部品31の係止片部34は、矩形開口43の下端より上方に移動されるまでは、後壁41bに押されて細長板部31a内に閉じ込められているが、矩形開口43の下端より上方に移動させられると、それが持つ弾性で外側に傾斜し、矩形開口43に係止され得る状態となる。すなわち、コンタクト部品31の一端部(弾性当接板部31cの先端側)がスリット状開口42の上端まで移動されると、
図9に示すように係止片部34が矩形開口43の下端より上方に移動し、矩形開口43に斜めに差し込まれて先端が矩形開口43から後方に飛び出し、矩形開口43に係止され得る状態となる。
【0050】
次に、
図10に示すように、コンタクト部品31を挿入したハウジング41をコイル本体22に相対的に(側方から)近づけるようにして、各コイル端子ピン26をハウジング41の円形開口44から挿入室45の上部に真っ直ぐに挿入する。これにより、コイル端子ピン26の先端がコンタクト部品31の湾曲部31bの上面に当たってこれを撓曲させながら前進し、これに伴い、コンタクト部品31が下方に押し下げられて係止片部34が矩形開口43にしっかりと係止せしめられる。
【0051】
コイル端子ピン26をさらに前進させると、やがて、
図11に示すように、コイル端子ピン26の先端部が挿入室45を横方向に貫通して前壁41a(前壁41aのスリット状開口42の上端部)から前方に突き出して弾性当接板部31cの先端部に形成した溶接用突起37に接触するとともに、コイル端子ピン26の先端が端子ストッパ35に突き当たってコイル端子ピン26が停止される(コイル端子ピン26をこれ以上前進させることが出来なくなる)。またこのとき、一対の板状部分からなる端子ガイド36によってコイル端子ピン26の左右方向への位置ずれが規制される。またこの状態では、係止片部34が矩形開口43に係止されているから、弾性当接板部31cの先端部はコイル端子ピン26の先端部に弾性的に押し付けられて当接している状態となる。
【0052】
このように本実施形態では、挿入室45にコンタクト部品31とコイル端子ピン26を挿入したときにそれらの一端部(先端部)同士がハウジング41の外で弾性的に当接するように案内されるとともに、その当接状態が保持されるようになっている。
【0053】
そして、ハウジング41から突出した上記当接部(コイル端子ピン26の先端部と弾性当接板部31cの先端部)をプロジェクション溶接により溶接する。このとき、当該当接部には突起37を形成してあるから当該突起37に電流を集中させることができ、突起37を溶融させて
図12に示すように弾性当接板部31cとコイル端子ピン26とを接合することが出来る(溶接部を符号38で示す)。
【0054】
また上記溶接は、短時間で、然も複数本(本実施形態の場合6本)について同時に行うことが出来るから、加工効率が良く、各コイル端子ピン26と各リード線30とが確実に溶接された信頼性の高いコイルユニット21を低廉なコストで製造することが可能となる。また、溶接部38がハウジング41から離れているから、溶接で発生する熱がハウジング41に影響を及ぼすことを回避することも出来る。
【0055】
上述のように各コイル端子ピン26と各リード線30とを接続した後には、これらの接続部をコイル本体22とともに樹脂封止する。
【0056】
具体的には、
図13に示すようにコイル本体22とリード線30の接続部(各リード線30の一端に接続したコンタクト部品31及びハウジング41)を覆うカバー27と、中子1を用意する。次に
図14に示すように、上下反転させた状態でコイル本体22の内側に中子1(図示せず)を挿入しつつ、カバー27の内部にコンタクト部品31およびハウジング41を含むリード線30の接続部と一緒にコイル本体22を配置し、カバー27の中(コイル本体22の外周面とカバー27の内周面との間、及び、中子1の外周面とコイル本体22の内周面との間)に樹脂を流し込んで硬化させることによりコイル本体22とリード線30の接続部を封止する。なお、封止する樹脂としては、例えば、機械的強度が高く耐久性に優れる熱硬化性樹脂を好ましく使用することが出来る。
【0057】
電動弁11を組み立てるには、
図1に示すようにロータが収容されたキャン(密封容器)15に被せるように(コイル本体22の内側に下方からキャン15を差し込むように)コイルユニット21を装着すれば良い。キャン15は、ロータを回転可能に収容して弁本体12の上部に固定されている。弁本体12は内部に弁室を有し、弁室内に冷媒を流入させる流入管13と、弁室から冷媒を流出させる流出管14とが接続されている。また、流出管14の弁室側の端部には弁座が形成され、弁座に対して進退動可能に弁体が備えられている。
【0058】
弁体は、ロータの回転運動を直線運動に変換する伝達機構を介してロータに接続され、弁座に対して進退動することにより弁室から流出管14へ流れ出す冷媒の流出量を変更する。ロータは、コイルユニット21とステッピングモータを構成する。なお、電動弁11の具体的構造は特に問わず、様々なものであって良い。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。
【0060】
例えば、コイル本体の構成、コイル端子ピンの本数、配置態様、リード線の本数等は上記実施形態のものに限られない。
【0061】
前記実施形態では、6本のコイル端子ピン26のうち中央部の2本のコイル端子ピンが接地用の端子ピン(上段のコイル22a用と下段のコイル22b用)であるが、これらを共通の(1本の)リード線に纏めて接続する構造とすることも可能である。
【0062】
具体的には、
図15に示すようにハウジング41の中央部の2つの挿入室45a,45bのうちの一方の挿入室(これを「第1挿入室」と言う)45aに挿入されるコンタクト部品(これを「中央コンタクト部品」と称し、符号310で示す)が、当該中央部の2つの挿入室45a,45bのうちの他方の挿入室(これを「第2挿入室」と言う)45bに挿入されるべきコンタクト部品を兼ねるような構造、すなわち、第2挿入室45bに挿入されるべき(前記実施形態で第2挿入室45bに挿入された)コンタクト部品31の弾性当接板部31c(これを「隣接当接板部」と称し、符号312で示す)を備えた構造とする。なお、中央コンタクト部品310は、接地用のリード線30Aに接続されたコンタクト部品である。
【0063】
上記隣接当接板部312は、中央コンタクト部品310の弾性当接板部31cの先端部の縁から左右方向(図示の例では左方)に延びる架橋部311によって支持され、第2挿入室45bに通じる円形開口44bから第2挿入室45bに挿入されるコイル端子ピン(図示せず)を停止させる端子ストッパ35を備えている。また、架橋部311は、隣接当接板部312を機械的に支持するとともに、中央コンタクト部品310の弾性当接板部31cと隣接当接板部312とを電気的に接続する。
【0064】
そして、前記実施形態と同様に第1挿入室45aには当該挿入室45aに通じる円形開口44aから第1の接地用コイル端子ピン(これを「第1端子ピン」と言う)が挿入され、第2挿入室45bには当該挿入室45bに通じる円形開口44bから第2の接地用コイル端子ピン(これを「第2端子ピン」と言う)が挿入されると、第1端子ピンは中央コンタクト部品310の弾性当接板部31cに当接し、第2端子ピンは隣接当接板部312に当接する。
【0065】
したがって、このような構造によれば、中央コンタクト部品310に接地用の2本のコイル端子ピン(第1端子ピンと第2端子ピン)を溶接することができ、これら2本のコイル端子ピンを1本の接地用リード線30Aに接続することが可能となるから、2相のコイル22a,22bの接地リード線を共通化した5本リード線のステッピングモータに対応することが出来る。
【符号の説明】
【0066】
1 中子
11 電動弁
12 弁本体
13 流入管
14 流出管
15 キャン
21,51 コイルユニット
22 コイル本体
22a 上段コイル
22b 下段コイル
23 ボビン
24 巻線
25 ヨーク
26 コイル端子ピン
27,52 カバー
28,56 封止樹脂
30 リード線
30a リード線の被覆部
30b リード線の芯線
30A 接地用リード線
31 コンタクト部品
31a 細長板部
31b 湾曲部
31c 弾性当接板部
32 被覆部かしめ部
33 芯線かしめ部
34 係止片部
35 端子ストッパ
36 端子ガイド
37 突起(溶接用突起)
38 溶接部
41 ハウジング
41a 前壁
41b 後壁
41c,41d 側壁
41e 隔壁
42 スリット状開口
43 矩形開口
44,44a,44b 円形開口
45 挿入室
45a 第1挿入室
45b 第2挿入室
53 配線基板
54 はんだ付け部
55 コネクタ
310 中央コンタクト部品
311 架橋部
312 隣接当接板部