IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-印刷システム 図1
  • 特開-印刷システム 図2
  • 特開-印刷システム 図3
  • 特開-印刷システム 図4
  • 特開-印刷システム 図5
  • 特開-印刷システム 図6
  • 特開-印刷システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107610
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】印刷システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240802BHJP
   B65H 29/58 20060101ALI20240802BHJP
   B41J 3/42 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B65H29/58 B
B41J3/42
B41J29/38 206
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011628
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】島田 知明
【テーマコード(参考)】
2C061
3F053
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AR03
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HQ02
3F053BA03
3F053BA18
3F053LA01
3F053LB03
(57)【要約】
【課題】両面印刷された媒体毎にカールの状態が異なることにより、媒体間での整合性が悪化する虞がある。
【解決手段】印刷システム1は、媒体Pの表面に第1印刷部24からインクを吐出して印刷可能な第1印刷部24と、媒体Pの搬送方向において第1印刷部24の下流に設けられ、搬送される媒体Pの裏面にインクを吐出して印刷可能な第2印刷部54と、制御部90と、を備え、媒体Pの両面に印刷するとき、媒体Pの一方の面に印刷する印刷データおよび媒体Pの他方の面に印刷する印刷データそれぞれの印刷デューティーに基づいて、一方の面に印刷する印刷データおよび他方の面に印刷する印刷データの内どちらを、第1印刷部24で先に印刷し、第2印刷部54で後に印刷するかを、制御部90は決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に搬送される媒体の表面に第1印刷部から液体を吐出して印刷可能な第1印刷機と、
前記搬送方向において前記第1印刷機の下流に設けられ、前記第1印刷機から搬送される前記媒体の裏面に第2印刷部から液体を吐出して印刷可能な第2印刷機と、
制御部と、
を備え、
前記媒体の両面に印刷するとき、前記媒体の一方の面に印刷する印刷データおよび前記媒体の他方の面に印刷する印刷データそれぞれの印刷デューティーに基づいて、
前記一方の面に印刷する前記印刷データおよび前記他方の面に印刷する前記印刷データの内どちらを、前記第1印刷部で先に印刷し、前記第2印刷部で後に印刷するかを、前記制御部は決定する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記一方の面に印刷する前記印刷データおよび前記他方の面に印刷する前記印刷データの内、前記印刷デューティーが高い一方を前記第1印刷部に印刷させ、他方を前記第2印刷部に印刷させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記第1印刷機は、前記第1印刷部に搬送可能な前記媒体を収容する第1媒体収容部を有し、
前記第2印刷機は、前記第2印刷部に搬送可能な前記媒体を収容する第2媒体収容部を有し、
前記媒体の片面だけに印刷データを印刷するとき、
前記印刷データの印刷デューティーが設定値以上の場合、前記制御部は、前記第1媒体収容部から搬送される前記媒体に対して前記第1印刷部に前記印刷データを印刷させ、
前記印刷データの前記印刷デューティーが前記設定値を下回る場合、前記制御部は、前記第2媒体収容部から搬送される前記媒体に対して前記第2印刷部に前記印刷データを印刷させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記第1印刷機は、前記第1印刷部に搬送可能な前記媒体を収容する第1媒体収容部を有し、
前記第2印刷機は、前記第2印刷部に搬送可能な前記媒体を収容する第2媒体収容部を有し、
前記媒体の片面だけに印刷するとき、
前記制御部は、前記第2媒体収容部から搬送される前記媒体に対して前記第2印刷部に印刷させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記一方の面に印刷する前記印刷データおよび前記他方の面に印刷する前記印刷データの内、前記印刷デューティーが高い一方を前記第2印刷部に印刷させ、他方を前記第1印刷部に印刷させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記第1印刷機は、前記第1印刷部に搬送可能な前記媒体を収容する第1媒体収容部を有し、
前記第2印刷機は、前記第2印刷部に搬送可能な前記媒体を収容する第2媒体収容部を有し、
前記媒体の片面だけに印刷するとき、
前記制御部は、前記第2媒体収容部から搬送される前記媒体に対して前記第2印刷部に印刷させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記媒体の両面に印刷するとき、前記一方の面に印刷する前記印刷データおよび前記他方の面に印刷する前記印刷データの内どちらを前記第1印刷部で先に印刷するか選択可能な操作部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記第1印刷機は、前記媒体を反転可能な第1機内反転部を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうち何れか一項に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記第2印刷機は、前記媒体を反転可能な第2機内反転部を有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記搬送方向において前記第1印刷機と前記第2印刷機との間に設けられ、前記媒体を反転可能な第1反転装置を更に備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうち何れか一項に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記搬送方向において前記第2印刷機の下流に設けられ、前記媒体を反転可能な第2反転装置を更に備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、両面印刷時に、用紙の表面を第1の画像形成装置で印刷し、用紙の裏面を第2の画像形成装置で印刷する直列タンデム画像形成装置が開示されている。直列タンデム画像形成装置は印刷システムの一例である。用紙は媒体の一例である。また、第1の画像形成装置、および第2の画像形成装置は、用紙に対してインクヘッド部からインクを吐出することで印刷することが開示されている。インクヘッド部は吐出部の一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-199223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
用紙の両面に印刷するとき、用紙の一方の面に印刷する印刷データと他方の面に印刷する印刷データが異なると、一方の面と他方の面とで印刷デューティーが異なる。特許文献1の画像形成装置では、両面印刷を連続して行うと、印刷デューティーが高い方の印刷データが表面に印刷された用紙と、印刷デューティーが高い方の印刷データが裏面に印刷された用紙と、が混在する。このため、印刷デューティーが高い方の印刷の乾燥度合いが異なり、両面印刷された用紙毎にカールの状態が異なってしまう。そして、両面印刷された用紙毎にカールの状態が異なることにより、用紙間での整合性が悪化する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
印刷システムは、搬送方向に搬送される媒体の表面に第1印刷部から液体を吐出して印刷可能な第1印刷機と、前記搬送方向において前記第1印刷機の下流に設けられ、前記第1印刷機から搬送される前記媒体の裏面に第2印刷部から液体を吐出して印刷可能な第2印刷機と、制御部と、を備え、前記媒体の両面に印刷するとき、前記媒体の一方の面に印刷する印刷データおよび前記媒体の他方の面に印刷する印刷データそれぞれの印刷デューティーに基づいて、前記一方の面に印刷する前記印刷データおよび前記他方の面に印刷する前記印刷データの内どちらを、前記第1印刷部で先に印刷し、前記第2印刷部で後に印刷するかを、前記制御部は決定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】印刷システムを示す模式図。
図2】印刷システムにおける第1印刷機を示す模式図。
図3】印刷システムにおける第1反転装置を示す模式図。
図4】印刷システムにおける第2印刷機を示す模式図。
図5】印刷システムにおける第2反転装置を示す模式図。
図6】印刷システムにおける媒体収容装置を示す模式図。
図7】第1印刷機の他の実施形態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に基づいて本開示を説明する。各図において同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。尚、本明細書において、「同じ」、「同一」、「同時」とは、完全に同じであることのみを指さない。例えば、本明細書において、「同じ」、「同一」、「同時」とは、測定誤差を考慮して同じである場合を含むものとする。
【0008】
また、例えば、本明細書において、「同じ」、「同一」、「同時」とは、部材の製造ばらつきを考慮して同じである場合を含むものとする。また、例えば、本明細書において、「同じ」、「同一」、「同時」とは、機能を損なわない範囲で同じである場合を含むものとする。よって、例えば、「両者の寸法が同じである」とは、測定誤差、部材の製造ばらつきを考慮し、両者の寸法差が、一方の寸法の±5パーセント以内、特に好ましくは±3パーセント以内であることを指す。
【0009】
1.実施形態1
本実施形態において、印刷システム1は、印刷用紙などの枚葉の用紙の一例である媒体Pに液体の一例であるインクを吐出することで印刷を行うインクジェット式プリンターである。印刷システム1は、媒体収容装置230、第1印刷機100、第1反転装置110、第2印刷機200、および第2反転装置210により構成される。第1印刷機100、及び第2印刷機200は、媒体Pにインクを吐出することで印刷を行う。第1反転装置110、及び第2反転装置210は、搬送される媒体Pの表裏を反転する反転処理を行う。
【0010】
尚、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とする。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、矢印の反対方向を-方向として説明する。
【0011】
また、Z軸方向は、重力方向を示し、+Z方向は鉛直上向き、-Z方向は鉛直下向きを示す。また、X軸,Y軸を含む平面はX-Y面、X軸,Z軸を含む平面はX-Z面、Y軸,Z軸を含む平面はY-Z面として説明される。また、X-Y面は水平面となる。さらに、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。
【0012】
また、X軸方向は装置奥行方向であり、媒体幅方向である。X軸方向のうち+X方向は装置前面から装置背面に向かう方向であり、-X方向は装置背面から装置前面に向かう方向である。
【0013】
また、Y軸方向は、印刷システム1、媒体収容装置230、第1印刷機100、第1反転装置110、第2印刷機200、第2反転装置210の幅方向である。印刷システム1を正面から見て+Y方向が左側、-Y方向が右側となる。印刷システム1の正面とは、ユーザーが印刷システム1に対して指示を与えるために操作される操作部11が位置する側の面である。
【0014】
Z軸方向は、印刷システム1、媒体収容装置230、第1印刷機100、第1反転装置110、第2印刷機200、第2反転装置210が設置される設置面Gに対する法線方向である。よって、Z軸方向は、印刷システム1、媒体収容装置230、第1印刷機100、第1反転装置110、第2印刷機200、第2反転装置210の高さ方向となる。
【0015】
また、以下では、各図に矢印で示す媒体Pの搬送方向Tにおいて、媒体Pが送られていく方向を「下流」と言い、またその反対方向を「上流」と言う場合がある。また各図においては、搬送経路を二点鎖線で示している。印刷システム1において媒体Pは、二点鎖線で示す搬送経路を通って搬送される。
【0016】
図1に示すように、印刷システム1は、第1印刷機100に対して-Y方向側となる隣り合う位置に媒体収容装置230を備える。また、印刷システム1は、第1印刷機100に対して+Y方向側となる隣り合う位置に第1反転装置110を備える。また、印刷システム1は、第1反転装置110に対して+Y方向側となる隣り合う位置に第2印刷機200を備える。換言すると、第2印刷機200は、搬送方向Tにおいて第1印刷機100の下流に設けられる。また、換言すると、第1反転装置110は、搬送方向Tにおいて第1印刷機100と第2印刷機200との間に設けられる。また、印刷システム1は、第2印刷機200に対して+Y方向側となる隣り合う位置に第2反転装置210を備える。換言すると、第2反転装置210は、搬送方向Tにおいて第2印刷機200の下流に設けられる。
【0017】
媒体収容装置230は搬送経路317を有する。第1印刷機100は搬送経路17を有する。第1反転装置110は搬送経路18を有する。第2印刷機200は搬送経路19を有する。第2反転装置210は搬送経路20を有する。これにより、印刷システム1には、搬送経路317,17,18,19,20により、上流となる媒体収容装置230から第1印刷機100、第1反転装置110、及び第2印刷機200を経由して下流の第2反転装置210まで続く搬送経路が構成される。
【0018】
図1図2に示すように、第1印刷機100は、操作部11、搬送経路17、第1媒体収容部21、給送部22、搬送部23、第1印刷部24、第1機内反転部25、排出部37、制御部90を備える。
【0019】
操作部11は、第1印刷機100のうち筐体の正面側となる-X方向側の側面上方に設けられる。操作部11は、タッチパネルよりなる表示部11Aを有する。ユーザーは、表示部11Aをタッチ操作することで、印刷システム1に指示を与えることが可能である。例えば、媒体Pの両面に印刷データを印刷する場合、2つの印刷データの内どちらを先に印刷するかを、ユーザーは操作部11により選択可能である。また、例えば、媒体Pの両面に印刷を行うときの印刷モードを、ユーザーは操作部11により選択可能である。尚、操作部11は、操作ボタンを有する構成でもよい。
【0020】
搬送経路17は、供給経路17a,17dと、第1搬送経路17bと、第1接続経路17cとにより構成される。供給経路17aは、第1媒体収容部21と第1搬送経路17bとの間をつなぐ搬送経路である。供給経路17aから続く第1搬送経路17bの下流端は、第1反転装置110の搬送経路18を構成する反転前経路18aに接続される。
【0021】
供給経路17dは、供給経路17aの-Z方向側の端と、第1反転装置110の媒体収容部81及び第2印刷機200の第2媒体収容部51と、の間をつなぐ搬送経路である。供給経路17dは、第1反転装置110の供給経路18dを介して、供給経路17aの-Z方向側の端と、媒体収容部81と、の間をつなぐ。
【0022】
また、供給経路17dは、供給経路18d、及び第2印刷機200の供給経路19a,19dを介して、供給経路17aの-Z方向側の端と、第2媒体収容部51と、の間をつなぐ。よって、供給経路17a,17dは、第1搬送経路17bと第2媒体収容部51とをつなぐ。また、供給経路17a,17d,18d,19d,19aは、第1搬送経路17bの上流端と第2印刷機200における第2搬送経路19bの上流端との間をつなぐ。
【0023】
第1接続経路17cは、第1搬送経路17bの上流端と、媒体収容装置230の送出経路319と、の間をつなぐ。第1接続経路17cは、媒体収容装置230から送出される媒体Pを第1搬送経路17bに導入する搬送経路である。
【0024】
また、図2に示すように、搬送経路17には、反転経路34と、合流経路35と、排出経路36と、が設けられる。排出経路36は、第1搬送経路17bにおいて吐出部24hと第1搬送経路17bの下流端との間となる位置と、排出部37と、の間をつなぐ搬送経路である。反転経路34の一端は、第1搬送経路17bにおいて、排出経路36と第1搬送経路17bとの接続位置と、搬送ベルト31と、の間となる位置に接続される。合流経路35は、第1搬送経路17bにおいて吐出部24hの上流となる位置と、反転経路34と、の間をつなぐ搬送経路である。
【0025】
排出経路36は、第1印刷部24により印刷された媒体Pを排出部37に排出する場合に使用される。反転経路34は、第1印刷機100内において、媒体Pの表裏を反転させる反転処理を行う場合に使用される。反転処理では、反転経路34に導入される媒体Pを、合流経路35を経て反転経路34から第1搬送経路17bに戻す動作が行われる。合流経路35は、反転経路34に導入された媒体Pを第1搬送経路17bに戻す場合に使用される。
【0026】
図1図2に示すように、第1媒体収容部21は、媒体Pを積層状態で収容可能なカセット式の収容部である。第1印刷機100には、少なくとも1つ(図2では4つ)の第1媒体収容部21が第1印刷機100の-X方向側から着脱可能に設けられる。
【0027】
給送部22は、供給経路17aを介して、第1媒体収容部21に収容される媒体Pを第1搬送経路17bに給送する。また、給送部22は、供給経路17d,17aを介して、第2印刷機200の第2媒体収容部51、第1反転装置110の媒体収容部81から搬送される媒体Pを第1搬送経路17bに給送する。また、給送部22は、供給経路17a,17dを介して、第1媒体収容部21に収容される媒体Pを第2印刷機200の第2搬送経路19bに向けて搬送する。
【0028】
尚、給送部22は、第2印刷機200の第2媒体収容部51、第1反転装置110の媒体収容部81から搬送される媒体Pを第1媒体収容部21に搬送してもよい。これにより、第2印刷機200の第2媒体収容部51、第1反転装置110の媒体収容部81から搬送される媒体Pは、第1媒体収容部21を介して、第1搬送経路17bに給送される。この場合、図1図7に示すように、供給経路17dは、第1媒体収容部21と第1反転装置110の供給経路18dとの間をつなぐ。これにより、供給経路17a,17dは、第1搬送経路17bと、第2印刷機200の第2媒体収容部51と、をつなぐ。この場合、給送部22は、後述する案内フラップ28を備えなくてもよい。
【0029】
図1図2に示すように、給送部22は、ピックアップローラー26、分離ローラー対27、案内フラップ28、及び搬送ローラー対30を備える。ピックアップローラー26は、給送モーター26mの駆動に伴って回転する。これにより、ピックアップローラー26は、第1媒体収容部21に積層状態で配置される媒体Pのうち、最上位の媒体Pを下流に送り出す。分離ローラー対27は、ピックアップローラー26により送り出される媒体Pを、1枚ずつ分離する。
【0030】
案内フラップ28は、供給経路17aにおいて、分離ローラー対27の下流となる位置に設けられる。案内フラップ28は、ソレノイド(不図示)によって回動し、第1搬送経路17bに向かう方向あるいは供給経路17dに向かう方向に、媒体Pの搬送方向を案内する。搬送ローラー対30は、供給経路17a,17dに設けられる。搬送ローラー対30は、搬送モーター30mの駆動に伴って回転する。これにより、搬送ローラー対30は、第1搬送経路17bに向かう方向あるいは供給経路17dに向かう方向に、媒体Pを搬送する。
【0031】
搬送部23は、第1搬送経路17bを介して、給送部22により給送される媒体Pを第1印刷部24に向けて搬送し、印刷が完了した媒体Pを第1反転装置110に送り出す。搬送部23は、搬送ローラー対30を備える。搬送ローラー対30は、搬送モーター30mの駆動に伴って回転する。これにより、搬送ローラー対30は、搬送経路17に沿って媒体Pを搬送する。さらに、搬送部23は、第1搬送経路17b沿いの位置に、無端状の搬送ベルト31が掛け渡された駆動プーリー32と従動プーリー33とを備える。媒体Pは、搬送ベルト31の外周面である支持面に静電吸着された状態で搬送ベルト31の回転に伴って搬送される。
【0032】
第1印刷部24は、インクタンク(不図示)から供給されるインクを媒体Pに吐出することで印刷を行う吐出部24hを備える。吐出部24hは、搬送ベルト31の+Z方向側に位置し、Z軸方向において、第1搬送経路17bを挟んで搬送ベルト31と対向する位置に設けられる。第1印刷部24は、搬送ベルト31に支持されて搬送される媒体Pに、印刷データに基づいて吐出部24hからインクを吐出することにより、媒体Pにインクを付着させる。これにより、媒体Pに、印刷データに基づく画像の形成が行われる。
【0033】
本実施形態の第1印刷部24が有する吐出部24hは、X軸方向である媒体Pの幅方向に亘ってインクを同時に吐出可能な所謂ラインヘッドである。また、印刷データとは、媒体Pに印刷する画像データに基づき生成された、第1印刷部24に印刷を実行させるためのデータである。画像データには、テキストデータやイメージデータが含まれる。尚、以後の説明において、印刷システム1を搬送される媒体Pのうち、最初に印刷データが印刷される表面を第1面、第1面の裏面を第2面と称するものとする。
【0034】
第1機内反転部25は、媒体Pの表裏を反転可能に、第1印刷機100に設けられる。第1機内反転部25は、反転経路34、合流経路35、及びこれらの経路に含まれる搬送ローラー対38、案内フラップ39、搬送モーター38mによって構成される。第1機内反転部25は、第1印刷機100内において媒体Pの反転処理を行う場合に、制御部90により駆動制御される。
【0035】
搬送ローラー対38は、反転経路34、合流経路35、及び排出経路36の各所に設けられ、搬送モーター38mによって駆動される。案内フラップ39は、第1搬送経路17bと反転経路34との分岐点、第1搬送経路17bと排出経路36との分岐点、反転経路34と合流経路35との接続点に設けられる。案内フラップ39は、ソレノイド(不図示)によって回動し、搬送経路における各分岐点あるいは接続点に搬送される媒体Pの搬送方向を案内する。
【0036】
制御部90は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、記憶部等を備える。CPUは、記憶部に記憶された各種プログラムを実行することができ、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。記憶部には、例えば、媒体Pに印刷を行うときに、給送部22の駆動制御、搬送部23の駆動制御、第1印刷部24における吐出部24hの吐出制御等を行う各種プログラムが記憶されている。また、記憶部には、後述する設定値S1等の設定値、各種テーブル等が記憶されている。
【0037】
例えば、制御部90は、給送部22、搬送部23、第1印刷部24等の駆動制御を行うことで、媒体Pに印刷を行う。また、例えば、制御部90は、排出経路36に設けられる搬送ローラー対38、及び第1搬送経路17bに設けられる案内フラップ39を駆動制御することで、媒体Pを排出部37に送出する。また、例えば、制御部90は、第1機内反転部25を構成する搬送ローラー対38、及び案内フラップ39を駆動制御することで、第1印刷機100内において媒体Pの反転処理を行う。
【0038】
また、制御部90は、後述する制御部91,92,93,94との間で通信機能を有する。そして、制御部90は、制御部91,92,93,94と連係して、第1印刷機100、第1反転装置110、第2印刷機200、第2反転装置210、及び媒体収容装置230の制御を行う。これにより、例えば、制御部90は、搬送経路317,17,18,19,20内を搬送し、第1印刷機100、及び第2印刷機200により表裏に印刷した媒体Pを、載置部220に送出する。
【0039】
図1図3に示すように、第1反転装置110は、搬送経路18、第1装置内反転部42、搬送部49、第2カバー12、第1カバー13、媒体収容部81、給送部82、制御部91を備える。第1反転装置110は、媒体Pの第1面と第2面とを反転して搬送する搬送経路18を構成する。
【0040】
図3に示すように、搬送経路18は、反転前経路18a、反転経路18b、反転後経路18c、バイパス経路41、及び供給経路18dによって構成される。反転前経路18aの上流端は、第1印刷機100の搬送経路17と接続され、媒体Pが導入される。反転前経路18aの下流端は、分岐点Aにおいて、反転経路18bの上流端及びバイパス経路41の上流端と接続される。
【0041】
反転経路18bは、分岐経路43、反転経路端部44、合流経路45から構成される。分岐経路43は、分岐点Aから接続点Bまでの搬送経路である。合流経路45は、接続点Bから合流点Cまでの搬送経路である。
【0042】
反転後経路18cの上流端は、合流点Cにおいて、反転経路18bの下流端及びバイパス経路41の下流端と接続される。反転後経路18cには、反転経路18bで反転した媒体P、あるいはバイパス経路41から搬送される媒体Pが搬送される。反転後経路18cの下流端は、第2印刷機200の搬送経路19を構成する第2接続経路19cに接続される。換言すると、バイパス経路41は、反転経路18bを含む第1装置内反転部42を介さずに、第1印刷機100から搬送される媒体Pを第2印刷機200に向けて搬送可能な搬送経路である。
【0043】
供給経路18dは、媒体収容部81から-Y方向に延び、-Z方向に延びた後に分岐し、分岐位置から-Y方向及び+Y方向に延びる搬送経路である。分岐位置から-Y方向に延びる供給経路18dの端は、第1印刷機100の供給経路17dの+Y方向側の端と接続される。分岐位置から+Y方向に延びる供給経路18dの端は、第2印刷機200の供給経路19dの-Y方向側の端と接続される。
【0044】
搬送部49は、搬送ローラー対46、センサー48、分岐点Aに設けられる案内フラップ47によって構成される。搬送部49は、制御部91によって駆動制御され、搬送経路18に沿って媒体Pを搬送し、第2印刷機200に送り出す。
【0045】
搬送ローラー対46は、搬送経路18の各所に設けられ、搬送モーター46mによって駆動される。センサー48は、反転前経路18aに設けられ、反転前経路18aに搬送される媒体Pを検出する。案内フラップ47は、分岐点Aに設けられ、搬送される媒体Pの搬送方向を案内する。案内フラップ47は、ソレノイド(不図示)によって回動し、搬送経路の分岐箇所において媒体Pの搬送方向を案内する。
【0046】
第1装置内反転部42は、媒体Pの表裏を反転可能に、第1反転装置110に設けられる。第1装置内反転部42は、分岐経路43、反転経路端部44、合流経路45、及びこれらの経路に含まれる搬送ローラー対46、分岐点Bに設けられる案内フラップ47、センサー48によって構成される。センサー48は、反転経路端部44に設けられ、反転経路端部44に搬送される媒体Pあるいは反転経路端部44から合流経路45に送出される媒体Pを検出する。
【0047】
第2カバー12は、Y軸に沿う軸中心に回動可能に、第1反転装置110の筐体に設けられる。第2カバー12は、回動することで、図3に示す開位置と、不図示の閉位置と、の間を変位可能である。第2カバー12の開位置は、反転前経路18a、バイパス経路41、反転後経路18cにアクセス可能となる位置である。第2カバー12の閉位置は、反転前経路18a、バイパス経路41、反転後経路18cの-X方向側を覆う位置である。
【0048】
第1カバー13は、Z軸に沿う軸中心に回動可能に、第1反転装置110の筐体に設けられる。第1カバー13は、回動することで、図3に示す開位置と、不図示の閉位置と、の間を変位可能である。第1カバー13の開位置は、第1装置内反転部42、及び媒体収容部81にアクセス可能となる位置である。第1カバー13の閉位置は、第1装置内反転部42、及び媒体収容部81の-X方向側を覆う位置である。
【0049】
媒体収容部81は、媒体Pを積層状態で収容可能なカセット式の収容部である。第1反転装置110には、少なくとも1つ(図3では4つ)の媒体収容部81が第1反転装置110の-X方向側から着脱可能に設けられる。
【0050】
給送部82は、ピックアップローラー86、分離ローラー対87、案内フラップ88、及び搬送ローラー対46を備える。ピックアップローラー86は、給送モーター86mの駆動に伴って回転する。これにより、ピックアップローラー86は、媒体収容部81に積層状態で配置される媒体Pのうち、最上位の媒体Pを下流に送り出す。分離ローラー対87は、ピックアップローラー86に送り出される媒体Pを1枚ずつ分離する。
【0051】
案内フラップ88は、供給経路18dの分岐位置に設けられる。案内フラップ88は、ソレノイド(不図示)によって回動する。案内フラップ88は、回動することで、分岐位置から第1印刷機100の供給経路17dに向かう方向あるいは分岐位置から第2印刷機200の供給経路19dに向かう方向に、媒体Pの搬送方向を案内する。搬送ローラー対46は、供給経路18dに設けられる。搬送ローラー対46は、搬送モーター46mの駆動に伴って回転する。これにより、搬送ローラー対46は、供給経路17dに向かう方向あるいは供給経路19dに向かう方向に、媒体Pを搬送する。
【0052】
制御部91は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、記憶部等を備える。CPUは、記憶部に記憶された各種プログラムを実行することができ、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。記憶部には、例えば、媒体Pの反転処理を行うときに、第1装置内反転部42の駆動制御等を行う各種プログラムや、各種テーブル等が記憶されている。
【0053】
制御部91は、制御部90,92,93,94との間で通信機能を有する。制御部91は、制御部90,92,93,94と連係して、搬送ローラー対46、センサー48、案内フラップ47を駆動制御し、媒体Pの搬送、及び反転処理を行う。
【0054】
反転処理では、反転前経路18aに導入される媒体Pを、分岐経路43から反転経路端部44、合流経路45を経て、反転後経路18cに搬送する動作が行われる。尚、媒体Pの反転処理を行わない場合、制御部91は、反転前経路18aに導入される媒体Pを、分岐点Aと合流点Cとの間に設けられるバイパス経路41を経て反転後経路18cに搬送する。
【0055】
また、制御部91は、制御部90,92,93,94と連係して、給送部82を駆動制御することで、第1印刷機100の供給経路17dに向かう方向あるいは分岐位置から第2印刷機200の供給経路19dに向かう方向に、媒体収容部81の媒体Pを搬送する。
【0056】
図1図4に示すように、第2印刷機200は、搬送経路19、第2媒体収容部51、給送部52、搬送部53、第2印刷部54、第2機内反転部55、排出部67、制御部92を備える。
【0057】
搬送経路19は、供給経路19a,19dと、第2搬送経路19bと、第2接続経路19cと、により構成される。供給経路19aは、第2媒体収容部51と第2搬送経路19bとの間をつなぐ搬送経路である。供給経路19aから続く第2搬送経路19bの下流端は、第2反転装置210の搬送経路20を構成する反転前経路20aに接続される。
【0058】
供給経路19dは、供給経路19aの-Z方向側の端と、第1反転装置110の媒体収容部81及び第1印刷機100の第1媒体収容部21と、の間をつなぐ搬送経路である。よって、供給経路19a,19dは、第1印刷機100の第1搬送経路17bと第2媒体収容部51とをつなぐ。供給経路19dは、第1反転装置110の供給経路18dを介して、供給経路19aの-Z方向側の端と、媒体収容部81と、の間をつなぐ。
【0059】
また、供給経路19dは、供給経路18d、及び第1印刷機100の供給経路17d,17aを介して、供給経路19aの-Z方向側の端と、第1媒体収容部21と、の間をつなぐ。
【0060】
第2接続経路19cは、第2搬送経路19bの上流端と、第1反転装置110の反転後経路18cと、の間をつなぐ。第2接続経路19cは、第1反転装置110を介して、第1印刷機100の第1搬送経路17bを搬送された媒体Pを第2搬送経路19bに導入する搬送経路である。
【0061】
また、図4に示すように、搬送経路19には、反転経路64と、合流経路65と、排出経路66と、が設けられる。排出経路66は、第2搬送経路19bにおいて吐出部54hと第2搬送経路19bの下流端との間となる位置と、排出部67と、の間をつなぐ搬送経路である。反転経路64の一端は、第2搬送経路19bにおいて、排出経路66と第2搬送経路19bとの接続位置と、搬送ベルト61と、の間となる位置に接続される。合流経路65は、第2搬送経路19bにおいて吐出部54hの上流となる位置と、反転経路64と、の間をつなぐ搬送経路である。
【0062】
排出経路66は、第2印刷部54により印刷された媒体Pを排出部67に排出する場合に使用される。反転経路64は、第2印刷機200内において、媒体Pの表裏を反転させる反転処理を行う場合に使用される。反転処理では、反転経路64に導入される媒体Pを、合流経路65を経て、反転経路64から第2搬送経路19bに戻す動作が行われる。合流経路65は、反転経路64に導入された媒体Pを第2搬送経路19bに戻す場合に使用される。
【0063】
図1図4に示すように、第2媒体収容部51は、媒体Pを積層状態で収容可能なカセット式の収容部である。第2印刷機200には、少なくとも1つ(図4では4つ)の第2媒体収容部51が第2印刷機200の-X方向側から着脱可能に設けられる。
【0064】
給送部52は、供給経路19aを介して、第2媒体収容部51に収容される媒体Pを第2搬送経路19bに給送する。また、給送部52は、供給経路19d,19aを介して、第1印刷機100の第1媒体収容部21、第1反転装置110の媒体収容部81から搬送される媒体Pを第2搬送経路19bに給送する。また、給送部52は、供給経路19a,19dを介して、第2媒体収容部51に収容される媒体Pを第1印刷機100の第1搬送経路17bおよび供給経路17dのいずれかに向けて搬送する。
【0065】
図4に示すように、給送部52は、ピックアップローラー56、分離ローラー対57、案内フラップ58、及び搬送ローラー対60を備える。ピックアップローラー56は、給送モーター56mの駆動に伴って回転する。これにより、ピックアップローラー56は、第2媒体収容部51に積層状態で配置される媒体Pのうち、最上位の媒体Pを下流に送り出す。分離ローラー対57は、ピックアップローラー56により送り出される媒体Pを、1枚ずつ分離する。
【0066】
案内フラップ58は、供給経路19aにおいて、分離ローラー対57の下流となる位置に設けられる。案内フラップ58は、ソレノイド(不図示)によって回動し、第2搬送経路19bに向かう方向あるいは供給経路19dに向かう方向に、媒体Pの搬送方向を案内する。搬送ローラー対60は、供給経路19a,19dに設けられる。搬送ローラー対60は、搬送モーター60mの駆動に伴って回転する。これにより、搬送ローラー対60は、第2搬送経路19bに向かう方向あるいは供給経路19dに向かう方向に、媒体Pを搬送する。
【0067】
搬送部53は、第1反転装置110から第2接続経路19cに搬送される媒体P、あるいは給送部52により給送される媒体Pを、第2搬送経路19bを介して、第2印刷部54に向けて搬送する。そして、搬送部53は、第2搬送経路19bを介して、印刷が完了した媒体Pを第2反転装置210に送り出す。
【0068】
搬送部53は、搬送ローラー対60を備える。搬送ローラー対60は、搬送モーター60mの駆動に伴って回転する。これにより、搬送ローラー対60は、搬送経路19に沿って媒体Pを搬送する。さらに、搬送部53は、第2搬送経路19b沿いの位置に、無端状の搬送ベルト61が掛け渡された駆動プーリー62と従動プーリー63とを備える。媒体Pは、搬送ベルト61の外周面である支持面に静電吸着された状態で搬送ベルト61の回転に伴って搬送される。
【0069】
第2印刷部54は、インクタンク(不図示)から供給されるインクを媒体Pに吐出することで印刷を行う吐出部54hを備える。吐出部54hは、搬送ベルト61の+Z方向側に位置し、Z軸方向において、第2搬送経路19bを挟んで搬送ベルト61と対向する位置に設けられる。第2印刷部54は、搬送ベルト61に支持されて搬送される媒体Pに、印刷データに基づいて吐出部54hからインクを吐出することにより、媒体Pにインクを付着させる。これにより、媒体Pに、印刷データに基づく画像の形成が行われる。
【0070】
本実施形態の第2印刷部54が有する吐出部54hは、X軸方向である媒体Pの幅方向に亘ってインクを同時に吐出可能な所謂ラインヘッドである。尚、印刷データとは、媒体Pに印刷する画像データに基づき生成された、第2印刷部54に印刷を実行させるためのデータである。画像データには、テキストデータやイメージデータが含まれる。
【0071】
第2機内反転部55は、媒体Pの表裏を反転可能に、第2印刷機200に設けられる。第2機内反転部55は、反転経路64、合流経路65、及びこれらの経路に含まれる搬送ローラー対68、案内フラップ69、搬送モーター68mによって構成される。第2機内反転部55は、第2印刷機200内において媒体Pの反転処理を行う場合に、制御部92により駆動制御される。
【0072】
搬送ローラー対68は、反転経路64、合流経路65、及び排出経路66の各所に設けられ、搬送モーター68mによって駆動される。案内フラップ69は、第2搬送経路19bと反転経路64との分岐点、第2搬送経路19bと排出経路66との分岐点、反転経路64と合流経路65との接続点に設けられる。案内フラップ69は、ソレノイド(不図示)によって回動し、搬送経路における各分岐点あるいは接続点に搬送される媒体Pの搬送方向を案内する。
【0073】
制御部92は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、記憶部等を備える。CPUは、記憶部に記憶された各種プログラムを実行することができ、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。記憶部には、例えば、媒体Pに印刷を行うときに、給送部52の駆動制御、搬送部53の駆動制御、第2印刷部54における吐出部54hの吐出制御等を行う各種プログラムや、各種テーブル等が記憶されている。また、制御部92は、制御部90,91,93,94との間で通信機能を有する。そして、制御部92は、制御部90,91,93,94と連係して、給送部52、搬送部53、第2印刷部54等の駆動制御を行う。
【0074】
例えば、制御部92は、給送部52、搬送部53、第2印刷部54等の駆動制御を行うことで、媒体Pに印刷を行う。また、例えば、制御部92は、排出経路66に設けられる搬送ローラー対68、及び第2搬送経路19bに設けられる案内フラップ69を駆動制御することで、媒体Pを排出部67に送出する。また、例えば、制御部92は、第2機内反転部55を構成する搬送ローラー対68、及び案内フラップ69を駆動制御することで、第2印刷機200内において媒体Pの反転処理を行う。
【0075】
図1図5に示すように、第2反転装置210は、搬送経路20、第2装置内反転部72、搬送部79、第2カバー14、第1カバー15、載置部220、制御部93を備える。第2反転装置210は、媒体Pの第1面と第2面とを反転して搬送する搬送経路20を構成する。
【0076】
図5に示すように、搬送経路20は、反転前経路20a、反転経路20b、反転後経路20c、及びバイパス経路71によって構成される。反転前経路20aの上流端は、第2印刷機200の搬送経路19と接続され、媒体Pが導入される。反転前経路20aの下流端は、分岐点Dにおいて、反転経路20bの上流端及びバイパス経路71の上流端と接続される。反転経路20bは、分岐経路73、反転経路端部74、合流経路75から構成される。分岐経路73は、分岐点Dから接続点Eまでの搬送経路である。合流経路75は、接続点Eから合流点Fまでの搬送経路である。
【0077】
反転後経路20cの上流端は、合流点Fにおいて、反転経路20bの下流端及びバイパス経路71の下流端と接続される。反転後経路20cには、反転経路20bで反転した媒体P、あるいはバイパス経路71から搬送される媒体Pが搬送される。反転後経路20cの下流端は、第2反転装置210の+Y方向側側面に開口する。載置部220は、第2反転装置210の+Y方向側側面に対して+Y方向側となる位置に設けられる。これにより、載置部220には、反転後経路20cの下流端から送出される媒体Pが載置される。
【0078】
搬送部79は、搬送ローラー対76、センサー78、分岐点Dに設けられる案内フラップ77によって構成される。搬送部79は、制御部93によって駆動制御され、搬送経路20に沿って媒体Pを搬送し、載置部220に向けて送出する。
【0079】
搬送ローラー対76は、搬送経路20の各所に設けられ、搬送モーター76mによって駆動される。センサー78は、反転前経路20aに設けられ、反転前経路20aに搬送される媒体Pを検出する。案内フラップ77は、分岐点Dに設けられ、搬送される媒体Pの搬送方向を案内する。案内フラップ77は、ソレノイド(不図示)によって回動し、搬送経路の分岐箇所において媒体Pの搬送方向を案内する。
【0080】
第2装置内反転部72は、媒体Pの表裏を反転可能に、第2反転装置210に設けられる。第2装置内反転部72は、分岐経路73、反転経路端部74、合流経路75、及びこれらの経路に含まれる搬送ローラー対76、分岐点Eに設けられる案内フラップ77、センサー78によって構成される。センサー78は、反転経路端部74に設けられ、反転経路端部74に搬送される媒体Pあるいは反転経路端部74から合流経路75に送出される媒体Pを検出する。
【0081】
第2カバー14は、Y軸に沿う軸中心に回動可能に、第2反転装置210の筐体に設けられる。第2カバー14は、回動することで、図5に示す開位置と、不図示の閉位置と、の間を変位可能である。第2カバー14の開位置は、反転前経路20a、バイパス経路71、反転後経路20cにアクセス可能となる位置である。第2カバー14の閉位置は、反転前経路20a、バイパス経路71、反転後経路20cの-X方向側を覆う位置である。
【0082】
第1カバー15は、Z軸に沿う軸中心に回動可能に、第2反転装置210の筐体に設けられる。第1カバー15は、回動することで、図5に示す開位置と、不図示の閉位置と、の間を変位可能である。第1カバー15の開位置は、第2装置内反転部72にアクセス可能となる位置である。第1カバー15の閉位置は、第2装置内反転部72の-X方向側を覆う位置である。
【0083】
制御部93は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、記憶部等を備える。CPUは、記憶部に記憶された各種プログラムを実行することができ、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。記憶部には、例えば、媒体Pの反転処理を行うときに、第2装置内反転部72の駆動制御等を行う各種プログラムや、各種テーブル等が記憶されている。
【0084】
制御部93は、制御部90,91,92,94との間で通信機能を有する。制御部93は、制御部90,91,92,94と連係して、搬送ローラー対76、センサー78、案内フラップ77を駆動制御し、媒体Pの反転処理を行う。
【0085】
反転処理では、反転前経路20aに導入される媒体Pを、分岐経路73から反転経路端部74、合流経路75を経て、反転後経路20cに搬送する動作が行われる。尚、媒体Pの反転処理を行わない場合、制御部93は、反転前経路20aに導入される媒体Pを、分岐点Dと合流点Fとの間に設けられるバイパス経路71を経て反転後経路20cに搬送する。
【0086】
図1図6に示すように、媒体収容装置230は、搬送経路317、媒体収容部321、給送部322、搬送部323、制御部94を備える。
【0087】
搬送経路317は、供給経路318と、送出経路319とにより構成される。供給経路318は、媒体収容部321と送出経路319との間をつなぐ搬送経路である。供給経路318から続く送出経路319の下流端は、第1印刷機100の搬送経路17を構成する第1接続経路17cに接続される。
【0088】
媒体収容部321は、媒体Pを積層状態で収容可能なカセット式の収容部である。媒体収容装置230には、少なくとも1つ(図6では8つ)の媒体収容部321が媒体収容装置230の-X方向側から着脱可能に設けられる。本実施形態の媒体収容装置230は、第1印刷機100が備える第1媒体収容部21の数より多い数の媒体収容部321を備える。また、本実施形態の媒体収容装置230は、第1印刷機100が第1媒体収容部21に収容可能な媒体Pの枚数より多くの枚数の媒体Pを媒体収容部321に収容可能である。
【0089】
図6に示すように、給送部322は、供給経路318を介して、媒体収容部321に収容される媒体Pを送出経路319に給送する。給送部322は、ピックアップローラー326、分離ローラー対327、及び搬送ローラー対330を備える。
【0090】
ピックアップローラー326は、給送モーター326mの駆動に伴って回転する。これにより、ピックアップローラー326は、媒体収容部321に積層状態で配置される媒体Pのうち、最上位の媒体Pを下流に送り出す。分離ローラー対327は、ピックアップローラー326により送り出される媒体Pを、1枚ずつ分離する。搬送ローラー対330は、供給経路318に設けられ。搬送ローラー対330は、搬送モーター330mの駆動に伴って回転する。これにより、搬送ローラー対330は、送出経路319に向かう方向に、媒体Pを搬送する。
【0091】
搬送部323は、送出経路319を介して、給送部322により給送される媒体Pを第1印刷機100の第1接続経路17cに送り出す。搬送部323は、搬送ローラー対330を備える。搬送ローラー対330は、搬送モーター330mの駆動に伴って回転する。これにより、搬送ローラー対330は、送出経路319に沿って媒体Pを搬送する搬送ローラー対330を備える。
【0092】
制御部94は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、記憶部等を備える。CPUは、記憶部に記憶された各種プログラムを実行することができ、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。記憶部には、例えば、媒体Pを第1印刷機100の第1接続経路17cに送出するときに、給送部322の駆動制御、搬送部323の駆動制御等を行う各種プログラムや、各種テーブル等が記憶されている。
【0093】
また、制御部94は、制御部90,91,92,93との間で通信機能を有する。そして、制御部90,91,92,93と連係して媒体Pに印刷を行うときに、制御部94は、ピックアップローラー326、分離ローラー対327、及び搬送ローラー対330等の駆動制御を行うことで、媒体Pを、第1印刷機100の第1接続経路17cに送出する。
【0094】
次に、媒体Pに印刷を行うための印刷材料としてのインクについて説明する。本実施形態のインクは、インクの主溶媒が水である水性インク組成物である。水はイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水を用いることが、カビやバクテリアの発生を防止してインクの長期保存を可能にする点で好ましい。また、インクの粘度等の適正な物性値の確保、インクの安定性及び信頼性の確保という観点で、水はインク組成物中に10質量%~75質量%含まれることが好ましい。
【0095】
インクには、フルカラーの印刷に対応するインク、例えばシアン、マゼンタ、イエローなどのインクや、ブラックインク、白色インクなどがあり、それぞれに色材を含んでいる。色材としては、各色のインクにおいて、顔料、染料、金属酸化物などから選択される少なくとも1種を含有する。顔料としては、特に制限されないが、ブラック用の無機顔料や有機顔料、イエロー、マゼンタ、シアンなど各色の有機顔料がある。染料としては、イエロー、マゼンタ、シアンなど各色の染料として直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料などの各種染料などを使用することができる。
【0096】
また、インクは、所定のインク特性を得るために、色材の他に、水溶性有機溶剤、多価アルコール類、ベタイン類、糖類、尿素類、界面活性剤などを含んでも良い。所定のインク特性とは、インクの媒体Pへの濡れ性や浸透性、媒体Pに対するカール、コックリング適性、裏抜け適性、インク吐出における目詰まり適性、インクの温度による粘度特性の適性などである。なお、裏抜け適性とは、インクが媒体Pに過剰に浸透して裏抜けするのを抑制するのに適した性質を言う。
【0097】
具体的には、例えば、水溶性有機溶剤として、1,2-アルカンジオールやグリコールエーテル、ピロリドン誘導体などを、多価アルコール類として、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどを使用することができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤などを使用することができる。
【0098】
インクに顔料を含有させる際には、その他の成分として、顔料を分散させるための分散剤を添加してもよい。また、インクは、更にインクの特性を向上させるために、pH調整剤、錯化剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防カビ剤などを添加しても良い。
【0099】
媒体Pに、セルロースなどの水分を吸収する繊維を含む場合、インクに含まれる水により媒体Pが変形する場合がある。特に、水を50質量%以上含有する水系インクを用いた印刷の場合には、これが顕著に現れる場合がある。
【0100】
例えば、媒体Pの印刷面となる第1面にインクを付与すると、インクに含まれる水が第1面に浸透し、媒体Pの第1面側を構成する繊維が伸長する。これにより第1面側が膨潤することにより、第1面側に凸形状となるように媒体Pがカールする場合がある。媒体Pの搬送方向Tに対して凸形状にカールする方向は、媒体Pの構成仕様や媒体Pを印刷システム1にセットする方向によって異なる。このようなカールは、媒体Pの第1面が乾燥するにつれて伸長した繊維が収縮し、その度合いが小さくなる場合がある。また、乾燥によって繊維が更に収縮し、逆にカールする2次カールとなる場合もある。
【0101】
また、このようなカールの度合いである変形量は、様々な要因によって異なる。様々な要因とは、例えば、媒体Pの材質や厚み、媒体Pが複数の層で形成される場合には、その層の構成仕様である。また、様々な要因とは、例えば、印刷システム1の温湿度等の使用環境、印刷時間や印刷からの経過時間すなわち乾燥時間、印刷開始時点や乾燥開始時点の媒体Pの含水量である。また、様々な要因とは、例えば、インクの水の含有率、インク温度等のインク仕様、媒体Pに対するインク付与量、インク付与領域の形状や大きさである。これらの仕様や程度によって、カール量、2次カール量が異なってくる。
【0102】
媒体Pへの印刷データの印刷において、媒体Pにおける印刷データが印刷された面に付与されるインクの付与量は、印刷データの印刷デューティーに対応して変化する。印刷データの印刷デューティーが高くなると、媒体Pにおける印刷データが印刷された面に付与されるインクの付与量は多くなる。
【0103】
例えば、印刷システム1により媒体Pの両面に、異なる印刷データを連続して印刷するとする。この場合、印刷デューティーが高い方の印刷データが第1印刷部24により第1面に印刷された媒体Pと、印刷デューティーが低い方の印刷データが第1印刷部24により第1面に印刷された媒体Pと、が混在する。これにより、印刷デューティーが高い方の印刷の乾燥度合いが異なり、両面印刷された媒体P毎にカールの状態が異なってしまう。そして、両面印刷された媒体P毎にカールの状態が異なることにより、媒体P間での整合性が悪化する虞がある。
【0104】
例えば、本実施形態の印刷システム1において、媒体Pの両面に印刷データを印刷するとする。この場合、本実施形態では、媒体Pの一方の面に印刷する印刷データおよび媒体Pの他方の面に印刷する印刷データそれぞれの印刷デューティーに基づいて、制御部90は印刷処理の仕様を決定する。すなわち、媒体Pの一方の面に印刷する印刷データおよび媒体Pの他方の面に印刷する印刷データの内どちらを、第1印刷部24で先に印刷し、第2印刷部54で後に印刷するかを、制御部90は決定する。
【0105】
ここで、媒体Pの一方の面に印刷する印刷データおよび媒体Pの他方の面に印刷する印刷データの内、印刷デューティーが高い方を印刷データPD2とし、印刷デューティーが低い方を印刷データPD1とする。また、印刷データPD1は媒体Pの先のページとなる面に印刷される印刷データとする。また、印刷データPD2は媒体Pの後のページとなる面に印刷される印刷データとする。また、この印刷処理では、第2反転装置210の反転後経路20cから送出される媒体Pは、媒体Pの先のページとなる面が-Z方向側の面である下面となる向きで、載置部220に載置されるものとする。
【0106】
複数の媒体Pの両面に印刷する印刷処理において、印刷システム1は、印刷データPD2の印刷から媒体Pが載置部220に載置されるまでの時間を長く取ることで、媒体P間での整合性の悪化を抑制する。この場合、制御部90は、印刷データPD2を第1印刷機100の第1印刷部24に印刷させ、印刷データPD1を第2印刷機200の第2印刷部54に印刷させる。
【0107】
あるいは、印刷システム1は、印刷データPD2の印刷から媒体Pが載置部220に載置されるまでの時間の違いを媒体P間で少なくすることで、複数の媒体P間での整合性の悪化を抑制してもよい。この場合、制御部90は、印刷データPD1を第1印刷機100の第1印刷部24に印刷させ、印刷データPD2を第2印刷機200の第2印刷部54に印刷させる。
【0108】
まず、印刷データPD2を第1印刷機100の第1印刷部24に印刷させ、印刷データPD1を第2印刷機200の第2印刷部54に印刷させる場合の印刷処理の流れについて説明する。まず、制御部90は、給送部22を制御することで、供給経路17aを介して、第1媒体収容部21から第1搬送経路17bに向けて媒体Pを搬送する。そして、制御部90は、搬送部23および第1印刷部24を制御することで、媒体Pの第1面に吐出部24hからインクを吐出させて印刷データPD2を印刷する。そして、制御部90は、搬送部23を制御することで、第1面に印刷データPD2が印刷された媒体Pを第1反転装置110に向けて搬送する。
【0109】
そして、制御部90は、第1反転装置110の搬送部49および第1装置内反転部42を制御することで、第1面に印刷された媒体Pの表裏を反転させる。そして、制御部90は、搬送部49を制御することで、第2面が+Z方向側の面である上面となる向きに反転された媒体Pを、第2印刷機200に向けて搬送する。
【0110】
そして、制御部90は、第2印刷機200の搬送部53を制御することで、第2接続経路19cを介して、第2搬送経路19bに向けて媒体Pを搬送する。そして、制御部90は、搬送部53および第2印刷部54を制御することで、媒体Pの第2面に吐出部54hからインクを吐出させて印刷データPD1を印刷する。そして、制御部90は、搬送部53を制御することで、第2面に印刷データPD1が印刷された媒体Pを第2反転装置210に向けて搬送する。
【0111】
第2反転装置210の反転前経路20aに搬送される媒体Pは、印刷データPD1が印刷された第2面が上面となっている。このため、制御部90は、第2反転装置210の搬送部79および第2装置内反転部72を制御することで、第2面に印刷データPD1が印刷された媒体Pを反転させる。そして、制御部90は、搬送部79を制御することで、印刷データPD1が印刷された第2面が下面となる向きに反転された媒体Pを、載置部220に向けて送出する。
【0112】
これにより、反転後経路20cから送出される媒体Pは、媒体Pの先のページとなる面が下面となる向きで、載置部220に載置される。また、これにより、複数の媒体Pに両面印刷を行う場合も、反転後経路20cから送出される複数の媒体Pは、媒体Pの先のページとなる面が下面となる向きで、載置部220に積層される。
【0113】
次に、印刷データPD1を第1印刷機100の第1印刷部24に印刷させ、印刷データPD2を第2印刷機200の第2印刷部54に印刷させる場合の印刷処理の流れについて説明する。まず、制御部90は、給送部22を制御することで、供給経路17aを介して、第1媒体収容部21から第1搬送経路17bに向けて媒体Pを搬送する。そして、制御部90は、搬送部23および第1印刷部24を制御することで、媒体Pの第1面に吐出部24hからインクを吐出させて印刷データPD1を印刷する。そして、制御部90は、搬送部23を制御することで、第1面に印刷データPD1が印刷された媒体Pを第1反転装置110に向けて搬送する。
【0114】
そして、制御部90は、第1反転装置110の搬送部49および第1装置内反転部42を制御することで、第1面に印刷された媒体Pを反転させる。そして、制御部90は、搬送部49を制御することで、第2面が上面となる向きに反転された媒体Pを、第2印刷機200に向けて搬送する。
【0115】
そして、制御部90は、第2印刷機200の搬送部53を制御することで、第2接続経路19cを介して、第2搬送経路19bに向けて媒体Pを搬送する。そして、制御部90は、搬送部53および第2印刷部54を制御することで、媒体Pの第2面に吐出部54hからインクを吐出させて印刷データPD2を印刷する。そして、制御部90は、搬送部53を制御することで、第2面に印刷データPD2が印刷された媒体Pを第2反転装置210に向けて搬送する。
【0116】
第2反転装置210の反転前経路20aに搬送される媒体Pは、印刷データPD2が印刷された第2面が上面となっている。このため、制御部90は、第2反転装置210の搬送部79を制御することで、反転前経路20a、バイパス経路71、反転後経路20cを介して、第2面が上面のままの媒体Pを、載置部220に向けて送出する。すなわち、制御部90は、第2印刷機200において第2面に印刷データPD2が印刷された媒体Pの表裏を反転させずに、載置部220に向けて送出する。
【0117】
これにより、反転後経路20cから送出される媒体Pは、媒体Pの先のページとなる面が下面となる向きで、載置部220に載置される。また、これにより、複数の媒体Pに両面印刷を行う場合も、反転後経路20cから送出される複数の媒体Pは、媒体Pの先のページとなる面が下面となる向きで、載置部220に積層される。
【0118】
また、媒体Pの両面に印刷データを印刷する場合、印刷データPD1,PD2の内どちらを、第1印刷部24で先に印刷し、第2印刷部54で後に印刷するかを、ユーザーが操作部11により選択しているとする。この場合、印刷データPD1,PD2の内どちらを、第1印刷部24で先に印刷し、第2印刷部54で後に印刷するかを、ユーザーの選択に基づいて、制御部90は決定する。
【0119】
また、本実施形態の印刷システム1では、操作部11を操作することで、媒体Pの両面に印刷を行うための印刷モードをユーザーが選択可能である。印刷モードは、高速モード及び低速モードを含む。印刷モードがユーザーにより選択されていない場合、上述のように、制御部90は、第2印刷機200に媒体Pを搬送する前に行う媒体Pの反転処理を、第1装置内反転部42に行わせる。高速モードがユーザーにより選択されている場合、上述の印刷処理と同様に、制御部90は、第2印刷機200に媒体Pを搬送する前に行う媒体Pの反転処理を、第1装置内反転部42に行わせる。また、第2面に印刷された媒体Pの表裏を反転させる場合、上述の印刷処理と同様に、制御部90は、第2反転装置210の第2装置内反転部72に第2面に印刷された媒体Pの表裏を反転させる。
【0120】
一方、低速モードがユーザーにより選択されている場合、制御部90は、第2印刷機200に媒体Pを搬送する前に行う媒体Pの反転処理を、第1印刷機100の第1機内反転部25に行わせる。この場合、制御部90は、搬送部23及び第1機内反転部25を制御することで、第1面に印刷された媒体Pの表裏を反転させる。そして、制御部90は、搬送部23を制御することで、第2面が上面となる向きに反転された媒体Pを第1反転装置110に向けて搬送する。
【0121】
そして、制御部90は、第1反転装置110の搬送部49を制御することで、反転前経路18a、バイパス経路41、反転後経路18cを介して、第2面が上面のままの媒体Pを、第2印刷機200に向けて搬送する。これにより、上述の印刷処理と同様に、第2印刷部54による媒体Pの第2面への印刷が行われる。そして、第2面に印刷された媒体Pの表裏を反転させる場合、制御部90は、第2印刷機200の搬送部53及び第2機内反転部55を制御することで、第2面に印刷された媒体Pの表裏を反転させる。そして、制御部90は、搬送部53を制御することで、第2機内反転部55により第1面が上面となる向きに反転された媒体Pを第2反転装置210に向けて搬送する。そして、制御部90は、第2反転装置210の搬送部79を制御することで、反転前経路20a、バイパス経路71、反転後経路20cを介して、第1面が上面のままの媒体Pを、載置部220に向けて送出する。
【0122】
また、本実施形態の印刷システム1では、第1反転装置110の第1装置内反転部42に異常が発生した状態で、低速モードと同じ印刷処理を行うことで、媒体Pの両面に印刷を行うことが可能である。この場合、制御部90は、バイパス経路41を介して第2印刷機200に媒体Pを搬送する前に行う媒体Pの反転処理を、第1印刷機100の第1機内反転部25に行わせる。また、第2面に印刷された媒体Pの表裏を反転させる場合、制御部90は、第2印刷機200の第2機内反転部55に媒体Pを反転させる。あるいは、この場合、制御部90は、第2印刷機200による媒体Pの第2面への印刷まで低速モードと同じ印刷処理を行う。そして、第2面に印刷された媒体Pの表裏を反転させる場合、制御部90は、第2反転装置210の第2装置内反転部72に媒体Pを反転させてもよい。
【0123】
次に、本実施形態の印刷システム1において、媒体Pの片面だけに印刷データを印刷する片面印刷について説明する。本実施形態では、片面印刷において、印刷データの印刷デューティーが設定値S1以上の場合、制御部90は、第1印刷機100において、第1媒体収容部21から搬送される媒体Pに対して第1印刷部24に印刷データを印刷させる。また、片面印刷において、印刷データの印刷デューティーが設定値S1を下回る場合、制御部90は、第2媒体収容部51から搬送される媒体Pに対して第2印刷部54に印刷データを印刷させる。設定値S1は、片面印刷されて載置部220に載置される媒体Pのカールの程度が許容範囲を超えるか否かを推定するための判断値である。例えば、印刷データの印刷デューティーが設定値S1以上の場合、載置部220に載置される媒体Pのカールの程度が許容範囲を超える虞がある。
【0124】
ここでは、印刷データの印刷デューティーが設定値S1以上の場合の片面印刷における印刷処理の流れについて説明する。まず、制御部90は、第1印刷機100の給送部22を制御することで、供給経路17aを介して、第1媒体収容部21から第1搬送経路17bに向けて媒体Pを搬送する。そして、制御部90は、搬送部23および第1印刷部24を制御することで、媒体Pの第1面に吐出部24hからインクを吐出させて印刷データを印刷する。そして、制御部90は、搬送部23を制御することで、第1面に印刷データが印刷された媒体Pを第1反転装置110に向けて搬送する。
【0125】
そして、制御部90は、第1反転装置110の搬送部49を制御することで、反転前経路18a、バイパス経路41、反転後経路18cを介して、第1面が上面のままの媒体Pを、第2印刷機200に向けて搬送する。すなわち、制御部90は、第1面に印刷された媒体Pの表裏を反転させずに、第2印刷機200に向けて媒体Pを搬送する。そして、制御部90は、第2印刷機200の搬送部53を制御することで、第2接続経路19c、第2搬送経路19bを介して、媒体Pを第2反転装置210に向けて搬送する。
【0126】
第2反転装置210の反転前経路20aに搬送される媒体Pは、印刷データが印刷された第1面が上面となっている。この印刷処理において、印刷データが印刷された面を下面にして載置部220に載置する場合、制御部90は、第2反転装置210の搬送部79および第2装置内反転部72を制御することで、媒体Pの表裏を反転させる。この印刷処理において、印刷データが印刷された面を上面にして載置部220に載置する場合、制御部90は、第2反転装置210において、媒体Pの表裏を反転させない。すなわち、制御部90は、搬送部79を制御することで、反転前経路20a、バイパス経路71、反転後経路20cを介して、第1面が上面のままの媒体Pを、載置部220に向けて送出する。
【0127】
これにより、反転後経路20cから送出される媒体Pは、印刷処理の仕様に対応する表裏の向きで、載置部220に載置される。また、これにより、複数の媒体Pの片面に印刷を行う場合も、反転後経路20cから送出される複数の媒体Pは、印刷処理の仕様に対応する表裏の向きで、載置部220に積層される。尚、本実施形態の印刷システム1では、第1反転装置110の第1装置内反転部42に異常が発生した状態においても、上述の片面印刷において行われる印刷処理を行うことが可能である。
【0128】
次に、印刷データの印刷デューティーが設定値S1を下回る場合の片面印刷における印刷処理の流れについて説明する。まず、制御部90は、第2印刷機200の給送部52を制御することで、供給経路19aを介して、第2媒体収容部51から第2搬送経路19bに向けて媒体Pを搬送する。そして、制御部90は、搬送部53および第2印刷部54を制御することで、媒体Pの第1面に吐出部54hからインクを吐出させて印刷データを印刷する。そして、制御部90は、搬送部53を制御することで、第1面に印刷データが印刷された媒体Pを第2反転装置210に向けて搬送する。
【0129】
第2反転装置210の反転前経路20aに搬送される媒体Pは、印刷データが印刷された第1面が上面となっている。この印刷処理において、印刷データが印刷された面を下面にして載置部220に載置する場合、制御部90は、第2反転装置210の搬送部79および第2装置内反転部72を制御することで、媒体Pの表裏を反転させる。この印刷処理において、印刷データが印刷された面を上面にして載置部220に載置する場合、制御部90は、第2反転装置210において、媒体Pの表裏を反転させない。すなわち、制御部90は、搬送部79を制御することで、反転前経路20a、バイパス経路71、反転後経路20cを介して、第1面が上面のままの媒体Pを、載置部220に向けて送出する。
【0130】
これにより、反転後経路20cから送出される媒体Pは、印刷処理の仕様に対応する表裏の向きで、載置部220に載置される。また、これにより、複数の媒体Pの片面に印刷を行う場合も、反転後経路20cから送出される複数の媒体Pは、印刷処理の仕様に対応する表裏の向きで、載置部220に積層される。尚、第1反転装置110の第1装置内反転部42に異常が発生した状態においても、制御部90は、印刷データの印刷デューティーが設定値S1以上の場合の片面印刷において行う上述の印刷処理と同じ印刷処理を行う。また、第1装置内反転部42に異常が発生した状態においても、制御部90は、印刷データの印刷デューティーが設定値S1を下回る場合の片面印刷において行う上述の印刷処理と同じ印刷処理を行う。また、媒体Pの片面だけに印刷データを印刷するとき、制御部90は、印刷データの印刷デューティーに関わらず、第2媒体収容部51から搬送される媒体Pに対して第2印刷部54に印刷データを印刷させてもよい。
【0131】
尚、媒体Pにおける印刷データが印刷された面に付与されるインクの付与量は、印刷データの印刷デューティーに対応して変化する。このため、設定値S1は、印刷データの印刷デューティーと比較される判断値でなく、媒体Pにおける印刷データが印刷された面に付与されるインクの付与量と比較される判断値であってもよい。そして、この設定値S1に基づいて、片面印刷における印刷処理の仕様を、制御部90は決定してもよい。
【0132】
また、本実施形態の印刷システム1では、第1印刷機100において第1印刷部24が印刷する媒体Pを、媒体収容装置230の媒体収容部321から供給可能である。この場合、制御部90は、給送部322、搬送部323,23を制御することで、搬送経路317、第1接続経路17cを介して、媒体収容部321から第1搬送経路17bに向けて媒体Pを搬送する。
【0133】
また、本実施形態の印刷システム1では、第1印刷機100において第1印刷部24が印刷する媒体Pを、第2印刷機200の第2媒体収容部51から供給可能である。この場合、制御部90は、給送部52,82,22を制御することで、供給経路19a,19d,18d,17d,17aを介して、第2媒体収容部51から第1搬送経路17bに向けて媒体Pを搬送する。
【0134】
また、本実施形態の印刷システム1では、第1印刷機100において第1印刷部24が印刷する媒体Pを、第1反転装置110の媒体収容部81から供給可能である。この場合、制御部90は、給送部82,22を制御することで、供給経路18d,17d,17aを介して、媒体収容部81から第1搬送経路17bに向けて媒体Pを搬送する。
【0135】
また、本実施形態の印刷システム1では、第2印刷機200において第2印刷部54が印刷する媒体Pを、媒体収容装置230の媒体収容部321から供給可能である。この場合、制御部90は、給送部322、搬送部323,23,49,53を制御することで、搬送経路317,17,18、第2接続経路19cを介して、媒体収容部321から第2搬送経路19bに向けて媒体Pを搬送する。
【0136】
また、本実施形態の印刷システム1では、第2印刷機200において第2印刷部54が印刷する媒体Pを、第1印刷機100の第1媒体収容部21から供給可能である。この場合、制御部90は、給送部22,82,52を制御することで、供給経路17a,17d,18d,19d,19aを介して、第1媒体収容部21から第2搬送経路19bに向けて媒体Pを搬送する。
【0137】
また、本実施形態の印刷システム1では、第2印刷機200において第2印刷部54が印刷する媒体Pを、第1反転装置110の媒体収容部81から供給可能である。この場合、制御部90は、給送部82,52を制御することで、供給経路18d,19d,19aを介して、媒体収容部81から第2搬送経路19bに向けて媒体Pを搬送する。
【0138】
以上述べたように、実施形態1に係る印刷システム1によれば、以下の効果を得ることができる。
【0139】
印刷システム1は、搬送方向Tに搬送される媒体Pの表面に第1印刷部24からインクを吐出して印刷可能な第1印刷機100を備える。また、印刷システム1は、搬送方向Tにおいて第1印刷機100の下流に設けられ、第1印刷機100から搬送される媒体Pの裏面に第2印刷部54からインクを吐出して印刷可能な第2印刷機200を備える。また、印刷システム1は、制御部90を備える。そして、媒体Pの両面に印刷するとき、媒体Pの一方の面に印刷する印刷データおよび媒体Pの他方の面に印刷する印刷データそれぞれの印刷デューティーに基づいて、制御部90は印刷処理の仕様を決定する。すなわち、一方の面に印刷する印刷データおよび他方の面に印刷する印刷データの内どちらを、第1印刷部24で先に印刷し、第2印刷部54で後に印刷するかを、制御部90は決定する。これによれば、複数の媒体Pにおいて両面印刷する印刷データが異なる場合であっても、両面印刷のうち印刷デューティーが高い方の印刷の乾燥度合いの違いを小さくできる。よって、両面印刷された媒体P毎にカールの状態が異なることによる媒体P間での整合性の悪化を抑制できる。
【0140】
制御部90は、一方の面に印刷する印刷データおよび他方の面に印刷する印刷データの内、印刷デューティーが高い一方を第1印刷部24に印刷させ、他方を第2印刷部54に印刷させる。これによれば、両面印刷で印刷デューティーが高い方の印刷の乾燥時間を長く取ることができる。これにより、排出後の媒体Pのカールを抑制しつつ、排出後のカールの方向を揃える事ができる。よって、排出後の複数の媒体P間での整合性の悪化を抑制できる。
【0141】
制御部90は、一方の面に印刷する印刷データおよび他方の面に印刷する印刷データの内、印刷デューティーが高い一方を第1印刷部24に印刷させ、他方を第2印刷部54に印刷させる。さらに、第1印刷機100は、第1印刷部24に搬送可能な媒体Pを収容する第1媒体収容部21を有し、第2印刷機200は、第2印刷部54に搬送可能な媒体Pを収容する第2媒体収容部51を有する。そして、印刷システム1が媒体Pの片面だけに印刷データを印刷するとする。このとき、印刷データの印刷デューティーが設定値S1以上の場合、制御部90は、第1媒体収容部21から搬送される媒体Pに対して第1印刷部24に印刷データを印刷させる。また、このとき、印刷データの印刷デューティーが設定値S1を下回る場合、制御部90は、第2媒体収容部51から搬送される媒体Pに対して第2印刷部54に印刷データを印刷させる。これによれば、片面印刷する印刷データの印刷デューティーが高い場合に、片面印刷された媒体Pの乾燥時間を長く取ることができる。これにより、排出後の媒体Pのカールを抑制しつつ、排出後のカールの方向を揃える事ができる。よって、排出後の複数の媒体P間での整合性の悪化を抑制できる。
【0142】
制御部90は、一方の面に印刷する印刷データおよび他方の面に印刷する印刷データの内、印刷デューティーが高い一方を第1印刷部24に印刷させ、他方を第2印刷部54に印刷させる。さらに、第1印刷機100は、第1印刷部24に搬送可能な媒体Pを収容する第1媒体収容部21を有し、第2印刷機200は、第2印刷部54に搬送可能な媒体Pを収容する第2媒体収容部51を有する。そして、印刷システム1が媒体Pの片面だけに印刷するとき、制御部90は、第2媒体収容部51から搬送される媒体Pに対して第2印刷部54に印刷させる。これによれば、媒体Pが搬送される距離を短くできるため、スループットを向上させることができる。
【0143】
制御部90は、一方の面に印刷する印刷データおよび他方の面に印刷する印刷データの内、印刷デューティーが高い一方を第2印刷部54に印刷させ、他方を第1印刷部24に印刷させる。これによれば、複数の媒体Pにおいて両面印刷する印刷データが異なる場合であっても、両面印刷のうち印刷デューティーが高い方の印刷の乾燥度合いの違いを小さくできる。これにより、両面印刷された媒体P毎にカールの状態が異なることによる媒体P間での整合性の悪化を抑制できる。
【0144】
制御部90は、一方の面に印刷する印刷データおよび他方の面に印刷する印刷データの内、印刷デューティーが高い一方を第2印刷部54に印刷させ、他方を第1印刷部24に印刷させる。さらに、第1印刷機100は、第1印刷部24に搬送可能な媒体Pを収容する第1媒体収容部21を有し、第2印刷機200は、第2印刷部54に搬送可能な媒体Pを収容する第2媒体収容部51を有する。そして、媒体Pの片面だけに印刷するとき、制御部90は、第2媒体収容部51から搬送される媒体Pに対して第2印刷部54に印刷させる。これによれば、媒体Pが搬送される距離を短くできるため、スループットを向上させることができる。
【0145】
印刷システム1は、媒体Pの両面に印刷するとき、一方の面に印刷する印刷データおよび他方の面に印刷する印刷データの内どちらを第1印刷部24で先に印刷するか選択可能な操作部11をさらに備える。これによれば、ユーザーの都合に合わせて印刷順を決定することができる。
【0146】
第1印刷機100は、媒体Pを反転可能な第1機内反転部25を有する。これによれば、媒体Pを反転させて第2印刷機200に搬送することができる。
【0147】
第2印刷機200は、媒体Pを反転可能な第2機内反転部55を有する。これによれば、印刷された複数の媒体Pをページ順に合わせた向きに変更することができる。
【0148】
印刷システム1は、搬送方向Tにおいて第1印刷機100と第2印刷機200との間に設けられ、媒体Pを反転可能な第1反転装置110を更に備える。これによれば、媒体Pを反転させた状態で第2印刷機200に搬送することができる。
【0149】
印刷システム1は、搬送方向Tにおいて第2印刷機200の下流に設けられ、媒体Pを反転可能な第2反転装置210を更に備える。これによれば、印刷された複数の媒体Pをページ順に合わせた向きに変更することができる。
【0150】
本開示の上記実施形態に係る印刷システム1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。また、上記実施形態及び以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
【0151】
上記実施形態において、印刷システム1は、制御部91,92,93,94を備えなくてもよい。この場合、制御部90は、印刷システム1の全体を制御する。
【0152】
上記実施形態において、印刷システム1は、搬送経路317,17,18,19,20に、不良媒体を検出可能な検出器を備えてもよい。不良媒体には、折れた媒体P、重送されて印刷がされていない媒体P、吐出部24h,54hの吐出不良により印刷が正常にされていない媒体P等を含む。そして、検出器が不良媒体を検出した場合、制御部90は、排出部37,67のいずれかに、不良媒体を排出する。これによれば、不良媒体が、正常に印刷が行われた媒体Pとともに載置部220に積層されることを抑制できる。
【0153】
上記実施形態において、例えば、第1印刷機100及び第2印刷機200を使用したタンデム印刷による先の印刷処理中に、別の印刷処理の指示があったとする。この場合、制御部90は、実行中の先の印刷処理を第2印刷機200単独による印刷処理に変更し、別の印刷処理を第1印刷機100で行う。そして、制御部90は、第1印刷機100で別の印刷処理を行った媒体Pを排出部37に排出する。そして、第1印刷機100による別の印刷処理が完了次第、先の印刷処理をタンデム印刷により継続する。
【0154】
上記実施形態において、媒体Pの片面に印刷する片面印刷を、制御部90は、第1印刷機100及び第2印刷機200の2機で同時に行ってもよい。
【0155】
上記実施形態において、印刷システム1は、制御部90の記憶部に、設定値S2を記憶していてもよい。設定値S2は、両面印刷されて載置部220に載置される媒体Pのカールの程度が許容範囲を超えるか否かを推定するための判断値である。例えば、印刷データの印刷デューティーが設定値S2以上の場合、載置部220に載置される媒体Pのカールの程度が許容範囲を超える虞がある。
【0156】
そして、媒体Pに両面印刷する印刷処理のうち、印刷データPD2の印刷から媒体Pが載置部220に載置されるまでの時間を長く取るための印刷処理を行うか否かを、制御部90は設定値S2に基づいて決定する。例えば、印刷データPD2の印刷デューティーが設定値S2以上であるとする。この場合、制御部90は、印刷データPD1および印刷データPD2の内、印刷デューティーが高い印刷データPD2を第1印刷部24に印刷させ、印刷データPD1を第2印刷部54に印刷させる上述の印刷処理を行う。
【0157】
また、この場合、制御部90は、印刷データPD2の印刷デューティーが設定値S2より低い場合と比較して、印刷データPD2の印刷から媒体Pが載置部220に載置されるまでの経過時間を長くしてもよい。例えば、制御部90は、第1反転装置110の反転経路端部44に媒体Pを保持する時間を長くすることで、経過時間を長くしてもよい。また、例えば、制御部90は、第1搬送経路17b及び搬送経路18,19,20のいずれかにおける媒体Pの搬送速度を遅くすることで、経過時間を長くしてもよい。
【0158】
一方、印刷データPD2の印刷デューティーが設定値S2より低い場合、制御部90は、上述の印刷デューティーに基づく印刷処理を行わない。すなわち、制御部90は、媒体Pの先のページとなる面に印刷される印刷データPD1を第1印刷部24に印刷させ、媒体Pの後のページとなる面に印刷される印刷データPD2を第2印刷部54に印刷させる。これによれば、印刷データPD2の印刷デューティーが設定値S2より低い場合に、第2反転装置210による媒体Pの反転処理を行うことによるスループットの低下を抑制できる。
【0159】
尚、媒体Pにおける印刷データが印刷された面に付与されるインクの付与量は、印刷データの印刷デューティーに対応して変化する。このため、前述の設定値S2は、印刷データの印刷デューティーと比較される判断値でなく、媒体Pにおける印刷データが印刷された面に付与されるインクの付与量と比較される判断値であってもよい。そして、この設定値S2に基づいて、上述の両面印刷における印刷処理の仕様を、制御部90は決定してもよい。
【0160】
上記実施形態において、印刷システム1は、制御部90の記憶部に、設定値S3を記憶していてもよい。設定値S3は、両面印刷されて載置部220に載置される媒体Pのカールの程度が許容範囲を超えるか否かを推定するための判断値である。例えば、印刷データPD1の印刷デューティーと印刷データPD2の印刷デューティーとの印刷デューティー差が設定値S3以上であるとする。この場合、載置部220に載置される媒体Pのカールの程度が許容範囲を超える虞がある。
【0161】
そして、媒体Pに両面印刷する印刷処理のうち、印刷データPD2の印刷から媒体Pが載置部220に載置されるまでの時間を長く取るための印刷処理を行うか否かを、制御部90は設定値S3に基づいて決定する。例えば、印刷データPD1の印刷デューティーと印刷データPD2の印刷デューティーとの印刷デューティー差が設定値S3以上であるとする。この場合、制御部90は、印刷データPD1および印刷データPD2の内、印刷デューティーが高い印刷データPD2を第1印刷部24に印刷させ、印刷データPD1を第2印刷部54に印刷させる上述の印刷処理を行う。
【0162】
一方、印刷データPD1の印刷デューティーと印刷データPD2の印刷デューティーとの印刷デューティー差が設定値S3より小さいとする。この場合、制御部90は、上述の印刷デューティーに基づく印刷処理を行わない。すなわち、制御部90は、媒体Pの先のページとなる面に印刷される印刷データPD1を第1印刷部24に印刷させ、媒体Pの後のページとなる面に印刷される印刷データPD2を第2印刷部54に印刷させる。これによれば、前述の印刷デューティー差が設定値S3より小さい場合に、第2反転装置210により媒体Pの反転処理を行うことによるスループットの低下を抑制できる。
【0163】
尚、前述の設定値S3は、前述の印刷デューティー差と比較される判断値でなくてもよい。この場合、設定値S3は、媒体Pにおける印刷データPD1が印刷された面に付与されるインクの量と印刷データPD2が印刷された面に付与されるインクの量とのインク付与量差と比較される判断値であってもよい。そして、この設定値S3に基づいて、上述の両面印刷における印刷処理の仕様を、制御部90は決定してもよい。
【0164】
上記実施形態において、印刷システム1は、制御部90の記憶部に、設定値S4を記憶していてもよい。設定値S4は、両面印刷される媒体Pの剛度の低下が許容範囲を超えるか否かを推定するための判断値である。例えば、印刷データPD1の印刷デューティーと印刷データPD2の印刷デューティーの総和が設定値S4以上である場合、第2搬送経路19b、搬送経路20における媒体Pの搬送が正常に行われない虞がある。この場合、制御部90は、第2搬送経路19b、搬送経路20における媒体Pの搬送速度を通常の搬送速度より遅くしてもよい。これによれば、第2搬送経路19b、搬送経路20における媒体Pの搬送不良を抑制することができる。
【0165】
尚、前述の設定値S4は、前述の印刷デューティーの総和でなくてもよい。この場合、設定値S4は、媒体Pにおける印刷データPD1が印刷された面に付与されるインクの量と印刷データPD2が印刷された面に付与されるインクの量の総和と比較される判断値であってもよい。そして、この設定値S4に基づいて、上述の両面印刷における印刷処理の仕様を、制御部90は決定してもよい。
【0166】
上記実施形態に記載される媒体Pに印刷する印刷データの印刷デューティーに基づく印刷処理を行うか否かを、印刷システム1の使用環境の内の湿度に基づいて決定してもよい。例えば、印刷システム1の雰囲気の湿度が高い場合、印刷開始時点の媒体Pの含水量が多くなる。この場合、印刷システム1の雰囲気の湿度が低い場合と比較して、媒体Pに印刷データを印刷した場合のカールの程度は小さくなる。このため、例えば、湿度が設定値S5以上である場合、制御部90は、媒体Pに印刷する印刷データの印刷デューティーに基づく印刷処理を行わない。一方、湿度が設定値S5より低い場合、制御部90は、媒体Pに印刷する印刷データの印刷デューティーに基づく印刷処理を行う。尚、設定値S5は、制御部90の記憶部に記憶されていてもよい。
【0167】
上記実施形態において、印刷システム1は、第1印刷機100の第1印刷部24が有する吐出部24hから処理液を媒体Pに吐出し、第2印刷機200の第2印刷部54が有する吐出部54hからインクを媒体Pに吐出してもよい。吐出部24hから吐出される処理液は、デカール処理液、コーティング処理液、インクが吐出される前の媒体Pの印刷面に塗布される前処理液等を含む。あるいは、印刷システム1は、第1印刷機100の第1印刷部24が有する吐出部24hからインクを媒体Pに吐出し、第2印刷機200の第2印刷部54が有する吐出部54hから処理液を媒体Pに吐出してもよい。吐出部54hから吐出される処理液は、デカール処理液、コーティングするコーティング処理液、インクが吐出された後の媒体Pの印刷面に塗布される後処理液等を含む。
【符号の説明】
【0168】
1…印刷システム、11…操作部、11A…表示部、12,14…第2カバー、13,15…第1カバー、17,18,19,20,317…搬送経路、17a,17d,18d,19a,19d,318…供給経路、17b…第1搬送経路、17c…第1接続経路、18a,20a…反転前経路、18b,20b…反転経路、18c,20c…反転後経路、19b…第2搬送経路、19c…第2接続経路、21…第1媒体収容部、22,52,82,322…給送部、23,49,53,79,323…搬送部、24…第1印刷部、24h,54h…吐出部、25…第1機内反転部、26,56,86,326…ピックアップローラー、26m,56m,86m,326m…給送モーター、27,57,87,327…分離ローラー対、28,39,47,58,69,77,88…案内フラップ、30,38,46,60,68,76,330…搬送ローラー対、30m,38m,46m,60m,68m,76m,330m…搬送モーター、31,61…搬送ベルト、32,62…駆動プーリー、33,63…従動プーリー、34,64…反転経路、35,45,65,75…合流経路、36,66…排出経路、37,67…排出部、41,71…バイパス経路、42…第1装置内反転部、43,73…分岐経路、44,74…反転経路端部、48,78…センサー、51…第2媒体収容部、54…第2印刷部、55…第2機内反転部、72…第2装置内反転部、81,321…媒体収容部、90,91,92,93,94…制御部、100…第1印刷機、110…第1反転装置、200…第2印刷機、210…第2反転装置、220…載置部、230…媒体収容装置、319…送出経路、P…媒体、PD1,PD2…印刷データ、S1,S2,S3,S4,S5…設定値、T…搬送方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7