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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107615
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】冷却貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 19/02 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
F25D19/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011634
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 聖大
(57)【要約】
【課題】冷却器の取り外しが容易な冷却貯蔵庫を実現する。
【解決手段】冷却貯蔵庫10は、前面開口11Sを有する断熱箱体である貯蔵庫本体11と、貯蔵庫本体11内から吸い込まれた空気が流入され、内部を通過する空気を冷却する冷却器21と、を備え、貯蔵庫本体11の天井壁部41は、前方に引き出し可能なスライド部48を含み、冷却器21は、スライド部48と共に前方に引き出し可能である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開口を有する断熱箱体である貯蔵庫本体と、
前記貯蔵庫本体内から吸い込まれた空気が流入され、内部を通過する空気を冷却する冷却器と、を備え、
前記貯蔵庫本体の天井壁部は、前方に引き出し可能なスライド部を含み、
前記冷却器は、前記スライド部と共に前方に引き出し可能である冷却貯蔵庫。
【請求項2】
前記天井壁部は、天面開口を有し、
前記冷却器は、前記天面開口から前記貯蔵庫本体内に挿入され、
前記冷却器、及び前記天面開口を上方から覆い、前記スライド部と共に引き出し可能な断熱性の冷却器ボックスを備える請求項1に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項3】
前記冷却器は、前記冷却器ボックス内に取り付けられる請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項4】
前記冷却器ボックス上には、前記冷却器と冷媒管によって接続され冷凍サイクルを構成する機器が設けられる請求項2又は請求項3に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項5】
前記冷却器ボックスの断熱材は、ウレタン発泡材である請求項2又は請求項3に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項6】
前記スライド部の少なくとも一部を前方から覆い、着脱可能なパネルを備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項7】
前記前面開口を開閉するための扉と、
前記扉を施錠するためのロック装置と、を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷却貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、冷却貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却貯蔵庫では、断熱箱体である貯蔵庫本体の上部に、冷気を生成する冷却器(蒸発器)を配設することが知られており、その一例が特許文献1に開示されている。このような構成の冷却貯蔵庫では、冷却不良等の故障が発生した場合、保守管理者は貯蔵庫本体の天井壁部の一部を取り外し、冷却器を上方に引き上げて取り外し作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-193359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、冷却貯蔵庫の設置場所によっては、冷却器を上方に引き上げるためのスペースが不十分なことがある。特に、貯蔵庫本体の天井壁部の上に、冷却器と冷媒管で連結された機器類(圧縮機や凝縮器)が配置されている場合、冷媒管を接続したまま冷却器を取り外すには、これらをまとめて上方に引き上げるための十分なスペースが必要となる。逆に言うと、冷却貯蔵庫の設置場所は、このようなスペースを上方に確保できる場所に制約されてしまう実情がある。
【0005】
本技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、冷却器の取り外しが容易な冷却貯蔵庫を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に関わる冷却貯蔵庫は、前面開口を有する断熱箱体である貯蔵庫本体と、前記貯蔵庫本体内から吸い込まれた空気が流入され、内部を通過する空気を冷却する冷却器と、を備え、前記貯蔵庫本体の天井壁部は、前方に引き出し可能なスライド部を含み、前記冷却器は、前記スライド部と共に前方に引き出し可能である。
【0007】
このようにすれば、冷却器は、天井壁部のスライド部と共に前方に引き出されることで、容易に取り外し可能となる。取り外す際に、冷却器を上方に引き上げる必要はなく、労力が軽減され、着脱作業の作業性を向上できる。また冷却器の取り外しのために、上方にスペースを確保する必要がなくなり、冷却貯蔵庫の設置場所が制約されてしまう事態を回避できる。
【0008】
また、前記天井壁部は、天面開口を有し、前記冷却器は、前記天面開口から前記貯蔵庫本体内に挿入され、前記冷却器、及び前記天面開口を上方から覆い、前記スライド部と共に引き出し可能な断熱性の冷却器ボックスを備えてもよい。このようにすれば、冷却器ボックスによって冷却器の断熱性を確保しつつ、前方に引き出し可能にできる。
【0009】
また、前記冷却器は、前記冷却器ボックス内に取り付けられてもよい。このようにすれば、冷却器を前方に引き出し可能にしつつ、安定的に取り付けられる。
【0010】
また、前記冷却器ボックス上には、前記冷却器と冷媒管によって接続され冷凍サイクルを構成する機器が設けられもよい。このようにすれば、冷凍サイクルを構成する機器(具体的には凝縮器や圧縮機)も冷却器ボックスと共に前方に引き出し可能となる。
【0011】
また、前記冷却器ボックスの断熱材は、ウレタン発泡材であってもよい。断熱材にウレタン発泡材を用いることで、発泡スチロールやウレタンボードを用いる場合に比べて、断熱性を向上できる。
【0012】
また、前記スライド部の少なくとも一部を前方から覆い、着脱可能なパネルを備えてもよい。このようにすれば、スライド部を前方に引き出す際には、パネルの取り外しが必要となり、通常使用時に誤って引き出されてしまう事態を抑制できる。
【0013】
また、前記前面開口を開閉するための扉と、前記扉を施錠するためのロック装置と、を備えてもよい。このようなロッカー式冷蔵庫は、縦長状であることが一般であり、冷却器を上方に取り外すことが難しい場合が多い。また、各収容スペースの間口が小さく貯蔵庫本体内から手を伸ばして冷却器を取り外すことも困難である。本技術によれば、ロッカー式冷蔵庫であっても冷却器を容易に取り外し可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本技術によれば、冷却器の取り外しが容易な冷却貯蔵庫を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態1に係るロッカー式冷蔵庫の斜視図
図2図1のロック装置付近を拡大した斜視図
図3】ロック装置の解錠バーの取付部材の斜視図
図4図1のI-I線断面図
図5図1のII-II線断面図
図6図1のIII-III線断面斜視図
図7図5の機械室のフロントパネルを取り外して最上段の扉を開き、機械室付近を拡大した断面図
図8図7からスライド部を引き出した状態を示す断面図
図9】機械室のフロントパネルを取り外して最上段の扉を開き、機械室付近を拡大した斜視図
図10図9からスライド部を引き出した状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
実施形態1に係るロッカー式冷蔵庫10(冷却貯蔵庫の一例)について図1から図10を参照して説明する。各図に示した符号F,B,L,R,U,Dはそれぞれ、ロッカー式冷蔵庫10の前後方向における前、後、正面から見たときの幅方向(左右方向)における左、右、鉛直方向(上下方向)の上、下を示している。
【0017】
ロッカー式冷蔵庫10は、図1に示すように、全体として縦長の略直方体状をなしており、食品(被貯蔵物の一例)を冷却しつつ、施錠状態で収容することができる。ロッカー式冷蔵庫10は、図1図4及び図5に示すように、おおまかには、前面開口11Sを有する貯蔵庫本体11と、前面開口11Sを開閉するための複数の扉70と、扉70を施錠するために扉70毎に設けられた複数のロック装置65と、貯蔵庫本体11の上方に配された機械室15と、貯蔵庫本体11内に形成される貯蔵室12を冷却するための冷却装置16と、を備える。
【0018】
ロック装置65は、図2に示すように、扉70の左部の後方に設けられている。ロック装置65は、電子錠であって、外部又は内蔵の操作端末からの信号に応じて扉70との係合状態が変化することで、施錠、解錠する。ロック装置65の後方には、上下方向に延びる棒状部材である解除バー66が設けられている。ロック装置65は、解除バー66の変位によっても機械的に解錠可能である。解除バー66は、上下方向に変位可能に取付部材67によって取り付けられている。なお、ロック装置65は、オートロック機能を備えていても構わず、電子錠でなくても構わず、種類は限定されない。なお、図1及び図2では、ロック装置65を明示するために、ロック装置65を覆うカバーパネルが外された状態を図示している。
【0019】
貯蔵庫本体11は、図4から図6に示すように断熱箱体であり、ステンレス等の金属板が箱状に組み立てられた外箱と内箱との間に、発泡樹脂(発泡ウレタン材等)製の断熱材が充填された構造を有する。貯蔵庫本体11は、天井壁部41と、底壁部42と、左側壁部43と、右側壁部44と、後壁部45と、前面開口縁部(前面枠)46と、を有する断熱壁から構成されている。また貯蔵庫本体11は、前面開口11Sに加えて、天井壁部41に天面開口41Sを有する。天面開口41Sには、冷却器(蒸発器)21が機械室15側から挿入され、冷却器21の右方には循環用ファン24が配設されている。冷却器21は、その内部を通過する空気を熱交換によって冷却することで、冷気を生成する。循環用ファン24は、貯蔵室12の空気を循環させつつ冷却器21内を通過させる。
【0020】
冷却器21の下方には、除霜水を受け止めるためのドレンパン23が張設されている。ドレンパン23の下方には、天井壁部41と平行な平坦面を有する上パネル51が設けられている。左側壁部43には、空気の流路となる左ダクト53が上下方向に沿って設けられ、左ダクト53の前方及び後方には、2つの左ステイ56が設けられている。各左ステイ56は、左ダクト53の取付部材であると共に、左ダクト53の前方又は後方の空間を埋める役割を担う。右側壁部44には、左側壁部43と左右対称に、右ダクト54、及び2つの右ステイ57が設けられている。
【0021】
上パネル51、左ダクト53、左ステイ56、右ダクト54、右ステイ57、及び底壁部42で囲まれた部分が、被貯蔵物を収容するための貯蔵室12となる。貯蔵室12は、貯蔵庫本体11の内部(庫内)の大部分を占めており、複数(具体的には5つ)の棚板12Aによって上下に複数(具体的には6つ)の収容スペースに分割されている。
【0022】
右ダクト54内は、貯蔵室12内の空気を吸い込んで冷却器21に向かって流すための流路となる。右ダクト54には、貯蔵室12内の空気を吸い込むための流入孔54Bが多数設けられ、右ダクト54の上部は右ダクト54内の空気が流出可能に開口している。一方、左ダクト53内は、冷却器21からの冷気を貯蔵室12に向かって流すための流路となる。左ダクト53の上部は、冷気が左ダクト53内に流入可能に開口し、左ダクト53には、冷気を貯蔵室12に吹き出すための流出孔53Bが多数設けられている。
【0023】
貯蔵庫本体11の前面には、図5に示すように、複数(具体的には5つ)の横フレーム49が設けられている。横フレーム49は、断熱材が充填された中実の角柱状部材であって、左側壁部43から右側壁部44に亘って左右方向に延在している。複数の横フレーム49は、天井壁部41と底壁部42との間に間隔を空けて上下に並んでいる。貯蔵庫本体11の前面開口11Sは、横フレーム49によって貯蔵室12の各収容スペースに対応する大きさに分割されている。
【0024】
横フレーム49には、結露防止用のコードヒーターが貼り付けられている。当該コードヒーター用の配線49Aは、図2に示すように、ロック装置65の解除バー66を跨いでロック装置65の後方に達した後、上方に折れ曲がって延び、機械室15内の制御装置と接続されている。取付部材67は、図3に示すように、配線49Aを支持する前方突出部67Aを有する。配線49Aは、前方突出部67A上に載置され、前方突出部67Aに形成された穴67A1と結束部材によって固定される。このように配線49Aをロック装置65と同じ左側壁部43の外面に設けることで、反対側の右側壁部44の外面に配線49Aを覆うためのカバーパネルが不要となる。また、配線49Aとロック装置65を共に左側壁部43側に配設した場合であっても、配線49Aが解除バー66を跨ぐ際に取付部材67の前方突出部67Aに取り付けられることで、配線49Aが解除バー66と接触して破損する事態を抑制できる。
【0025】
扉70は、図5に示すように、横フレーム49によって分割された各前面開口を開閉できるように複数(具体的には6つ)設けられている。各扉70は、揺動式の右開きの断熱扉であって、扉70の右側部分がヒンジ部材によって貯蔵庫本体11に取り付けられている。最上段に配置された扉70は、閉状態において貯蔵庫本体11の後述するスライド部48の下部(より詳しくは開口上縁部46A)を前方から覆っている。なお扉70は、左開き式であっても構わず、その場合にはロック装置65、解除バー66、取付部材67、及び配線49Aは右側壁部44側に設けられる。
【0026】
貯蔵庫本体11の天井壁部41のうち天面開口41Sより前側部分41A、及び前面開口縁部46のうち前面開口11Sより上側部分46A(以下、当該部分を開口上縁部46Aという)は、図7から図10に示すように、断面L字状に一体的に繋がっている。天井壁部41の前側部分41A、及び開口上縁部46Aの左右方向における中央部は、前方に引き出し可能な貯蔵庫本体11のスライド部48となる。スライド部48は前方に引っ張られると前方にスライド移動し、後方に押し戻されると後方にスライド移動する。なおスライド部48は、天井壁部41の前側部分41A、及び開口上縁部46Aの左右方向における中央部に限らず、天井壁部41の前側部分41A、及び開口上縁部46Aの一部、又は全部であっても構わない。またスライド部48は、断面L字状の一辺部を構成する開口上縁部46Aを含まず、天井壁部41の前側部分41Aから構成され、当該前側部分41Aの一部、又は全部であっても構わない。
【0027】
冷却器ボックス80は、下方が開放された直方体状の断熱箱体であり、天面開口41Sを上方から覆うように、天井壁部41上に設けられている。冷却器ボックス80内には冷却器21、及び循環用ファン24が配置されている。冷却器ボックス80は、冷却器21、及び循環用ファン24を内部に配置した状態で、貯蔵庫本体11のスライド部48と共に前方に引き出し可能に、スライド部48(より詳しくは天井壁部41の前側部分41A)に取り付けられている。冷却器21は、冷却器ボックス80に吊り下げ固定されている。冷却器ボックス80の断熱材は、ウレタン発泡材であることが好ましい。これにより、発泡スチロールやウレタンボードを用いる場合に比べて、断熱性を向上できる。
【0028】
機械室15は、貯蔵庫本体11の上方に配置されている。機械室15は、天井壁部41とパネル15Aによって囲まれた空間である。パネル15Aは、機械室15の上方、前方、後方、及び左右側方を覆っているが、少なくとも前方を覆っていればよい。パネル15Aは、図1及び図5に示すように機械室15だけでなく、貯蔵庫本体11のスライド部48の上部(より詳しくは天井壁部41の前側部分41A)を前方から覆う大きさを有する。パネル15Aのうち少なくとも前方を覆う部分(フロントパネル)は着脱可能に取り付けられている。貯蔵庫本体11のスライド部48は、図7から図10に示すように、パネル15Aが取り外され、最上段の扉70が開かれた状態において、前方に引き出し可能となる。
【0029】
機械室15には、冷却装置16を構成する圧縮機17、凝縮器18、及び凝縮器ファン19の他に、制御装置等が収容されている。冷却装置16は、圧縮機17、凝縮器18、膨張弁(キャピラリーチューブ)、及び冷却器21を備えており、これらがこの順に冷媒管20で繋がれて冷媒が循環されることで、既知の冷凍回路(冷凍サイクル)が形成されている。制御装置は、ロッカー式冷蔵庫10の運転を制御したり、電源を供給するための回路等を備える。圧縮機17、及び凝縮器18は、冷却器ボックス80の上に載置され、冷却器ボックス80に取り付けられている。圧縮機17、凝縮器18、及び凝縮器ファン19は、図7から図10に示すように、貯蔵庫本体11のスライド部48に固定された冷却器ボックス80と共に前方に引き出し可能である。
【0030】
冷却運転は、圧縮機17、凝縮器ファン19及び循環用ファン24が駆動されることで行われる。冷却運転において、貯蔵室12の空気は、右ダクト54内へ流入し、右ダクト54から循環用ファン24を通って、冷却器21に吸い込まれ、冷却器21を通過する過程で熱交換によって冷却されて冷気となる。冷却器21からの冷気は、左ダクト53内へ流入し、貯蔵室12へ吹き出される。このようにして貯蔵室12の空気が冷却される。
【0031】
次に、上記した構成のロッカー式冷蔵庫10の作用効果について説明する。ロッカー式冷蔵庫10は、図8及び図10に示すように、貯蔵庫本体11のスライド部48、及びこれに取り付けられる冷却器ボックス80を一括して前方に引き出し可能に構成されている。また、冷却器ボックス80内の冷却器21及び循環用ファン24、並びに冷却器ボックス80上の圧縮機17、凝縮器18、及び凝縮器ファン19は、スライド部48及び冷却器ボックス80と共に前方に引き出し可能である。これにより、冷却不良等の故障が発生した場合、保守管理者は冷却器21等の機器(以下、冷却ユニットという)をスライド部48と共に前方に引き出すことで、容易に取り外し可能となる。取り外す際に、冷却ユニットを上方に引き上げる必要はなく、労力が軽減され、着脱作業の作業性を向上できる。また上方にスペースを確保する必要がなくなり、ロッカー式冷蔵庫10の設置場所がスペースを上方に十分に確保できる場所に制約されてしまう事態を回避できる。
【0032】
ロッカー式冷蔵庫10は、縦長状であることが一般的であり、冷却ユニットを上方に取り外すことが難しい場合が多い。また、収容スペースが分割されていて、間口が人の肩幅程度と小さく、貯蔵庫本体11内から手を伸ばして冷却器21等を取り外すことも困難である。本技術によれば、このようなロッカー式冷蔵庫10であっても、冷却ユニットを容易に取り外し可能となる。
【0033】
また、冷却ユニットは、貯蔵庫本体11のスライド部48の一部を前方から覆うパネル15Aが取り外され、最上段の扉70が開かれた状態において、前方に引き出し可能となる。これにより、保守管理者以外の者(例えばロッカー冷蔵庫の使用者)が通常使用時に誤って引き出してしまう事態を抑制できる。
【0034】
<他の実施形態>
本技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本技術の技術的範囲に含まれる。
【0035】
(1)貯蔵庫本体11の構成は図示に限られない。例えば貯蔵室12の収容スペースは分割されておらず、扉70は1つだけ設けられていても構わない。
【0036】
(2)本技術は、ロック装置65を備えない、ロッカー式冷蔵庫10以外の冷蔵庫にも適用可能である。また、その冷却温度は、冷蔵保存温度に限られず、冷凍保存温度であっても構わない。
【符号の説明】
【0037】
10:ロッカー式冷蔵庫(冷却貯蔵庫)、11:貯蔵庫本体、11S:前面開口、15A:パネル、21:冷却器、41:天井壁部、41S:天面開口、48:スライド部、65:ロック装置、70:扉、80:冷却器ボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10