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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107633
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】オイル状態検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/00 20060101AFI20240802BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20240802BHJP
   G01N 27/72 20060101ALI20240802BHJP
   G01V 3/10 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G01N27/00 L
G01N27/22 B
G01N27/72
G01V3/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011659
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000229737
【氏名又は名称】株式会社PILLAR
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中津 彰
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】夏原 悠佑
【テーマコード(参考)】
2G053
2G060
2G105
【Fターム(参考)】
2G053AA13
2G053BA04
2G053BA05
2G053CA03
2G053CA19
2G060AA05
2G060AE30
2G060AF03
2G060AF10
2G060EA08
2G060HA02
2G060KA05
2G105AA01
2G105BB03
2G105DD02
2G105EE01
2G105HH05
(57)【要約】
【課題】オイル状態検出装置の構成を簡易にする。
【解決手段】オイル状態検出装置100は、コイル1およびコンデンサ2によって構成される発振回路と、発振回路の発振周波数を検出する発振器3およびPLL回路4で構成される検出装置を備える。コイル1およびコンデンサ2のいずれか一方は、オイルOLに浸漬されている。発振回路および検出装置は、同一の回路基板20上に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コイルおよび第1コンデンサによって構成される第1発振回路と、
前記第1発振回路の発振周波数を検出する第1検出装置とを備え、
前記第1コイルおよび前記第1コンデンサのいずれか一方は、オイルに浸漬されており、
前記第1発振回路および前記第1検出装置は、同一の回路基板に配置されている、オイル状態検出装置。
【請求項2】
前記回路基板を覆う第1筐体および第2筐体とをさらに備え、
前記第1筐体は、前記オイルが充填されたケースに先端部が挿入されており、
前記第2筐体は、前記第1筐体の基端部において、前記ケースと離間するように配置されており、
前記第1検出装置のうち、所定温度以下の耐熱性能である電気回路素子が、前記第2筐体内に配置されている、請求項1に記載のオイル状態検出装置。
【請求項3】
前記回路基板を覆う第1筐体と、
前記回路基板を前記第1筐体に固定する固定部とをさらに備える、請求項1に記載のオイル状態検出装置。
【請求項4】
前記回路基板には、前記第1コイルの中心部に対応する位置に貫通孔が形成されている、請求項1に記載のオイル状態検出装置。
【請求項5】
前記第1コイルと面積の異なる第2コイルおよび第2コンデンサによって構成される第2発振回路と、
前記第2発振回路の発振周波数を検出する第2検出装置とを備え、
前記第2コイルおよび前記第2コンデンサのいずれか一方は、前記オイルに浸漬されており、
前記第1発振回路、前記第1検出装置、前記第2発振回路および前記第2検出装置は、同一の前記回路基板上に配置されており、
前記第1コイルおよび前記第2コイルは、互いに面積が異なる、請求項1に記載のオイル状態検出装置。
【請求項6】
前記オイルに浸漬された第3コンデンサをさらに備え、
前記第1発振回路、前記第1検出装置および前記第3コンデンサは、同一の前記回路基板上に配置されている、請求項1に記載のオイル状態検出装置。
【請求項7】
前記オイルに浸漬された温度センサをさらに備え、
前記第1検出装置は、前記温度センサの検出温度に応じて、動作温度保証範囲内では動作し、動作保証範囲外では停止する、請求項1に記載のオイル状態検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オイルに含まれる劣化物質の物質量を検出するオイル状態検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両や建設機械などに潤滑油として用いられるオイルの劣化を判断する方法が存在する。
【0003】
特許文献1のオイルチェックセンサは、検出用コイルヘッドと発振同調回路とを備える。検出用コイルヘッドは、エンジンオイル中の金属粉を吸着する。発振同調回路は、吸着された金属粉の量に応じて変化する検出用コイルヘッドのインダクタンス値に応じて振幅が変化する検出信号を発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-321248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、検出用コイルヘッドと発振同調回路とが別体で設けられているため、検出用コイルヘッドと発振同調回路とを別で製作し、電気的に接続する必要がある。このため、センサの構成が複雑となるとともに、組立工数の増加によるコストの増加が生じる。
【0006】
そこで、本開示は、構成を簡易にしたオイル状態検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本開示の一実施形態に係るオイル状態検出装置は、第1コイルおよび第1コンデンサによって構成される第1発振回路と、前記第1発振回路の発振周波数を検出する第1検出装置とを備え、前記第1コイルおよび前記第1コンデンサのいずれか一方は、オイルに浸漬されており、前記第1発振回路および前記第1検出装置は、同一の回路基板に配置されている。
【0008】
この構成によれば、第1発振回路および第1検出装置が同一の回路基板に配置されるため、発振回路および検出装置を別体で構成する必要がなくなり、オイル状態検出装置の構成を簡易にすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によると、オイル状態検出装置の構成を簡易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るオイル状態検出装置を示すブロック図。
図2】第1実施形態に係る、チューニング電圧と、オイルに含まれる磁性体の量との関係を示すグラフ。
図3】第1実施形態に係るオイル状態検出装置の構成を示す断面図。
図4】第2実施形態に係るオイル状態検出装置の構成を示す側面断面図。
図5】第2実施形態に係る検出装置の動作温度を示すグラフ。
図6】第2実施形態の変形例に係るオイル状態検出装置の構成を示す断面図。
図7】第3実施形態に係る回路基板の構成を示す図。
図8】第3実施形態の変形例1に係る回路基板の構成を示す図。
図9】第3実施形態の変形例2に係る回路基板の構成を示す図。
図10】第3実施形態の変形例3に係る回路基板の構成を示す図。
図11】第1実施形態の他の例に係るオイル状態検出装置の先端部付近の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0012】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係るオイル状態検出装置を示すブロック図である。図1に示すように、本オイル状態検出装置は、コイル1(第1コイル)と、コンデンサ2(第1コンデンサ)と、発振器(例えば、VCO;Voltage Controlled Oscillator)3と、PLL(Phase Locked Loop)回路4とを備える。なお、発振器3およびPLL回路4が第1検出装置に相当する。
【0013】
図1に示すように、コイル1は、オイルOL(潤滑油)が充填されたケース10内に配置される。ケース10は、例えば、オイルパンやオイルタンクなどであり、車両や建設機械内においてオイルOLが循環するものである。また、ギアボックスやトランスミッションケースなどであり、車両や建設機械内においてオイルOLが滞留するものである。コイル1は、ケース10内において、オイルOLに浸漬されている。このため、オイルOLに含まれる磁性体の量に応じて、コイル1のインダクタンスが変化する。
【0014】
ここで、コイル1のインダクタンスをL、コンデンサ2の容量をCとしたとき、コイル1およびコンデンサ2で構成された発振回路(第1発振回路に相当する。以下、コイル1およびコンデンサ2で構成された発振回路を、単に「発振回路」ということがある。)の発振周波数Fは、
【0015】
【数1】
【0016】
と表される。
【0017】
PLL回路4は、発振器3が出力する出力周波数が式(1)を満たすように、発振器3にチューニング電圧Vを入力する。
【0018】
図2はチューニング電圧Vと、オイルに含まれる磁性体の量との関係を示すグラフである。図2では、縦軸がチューニング電圧Vであり、横軸が磁性体の量を示している。
【0019】
図2に示すように、磁性体の量が増加するに従って、チューニング電圧Vの電圧値が高くなっている。これは、オイルOLに含まれる磁性体の量が増加すると、コイル1のインダクタンスLが変化(増加または減少)するためである。このため、PLL回路4は、発振回路の発振周波数に発振器3の出力周波数を追従させるため、発振器3の出力周波数を下げようとして、チューニング電圧Vを上昇させる(式(1)参照)。したがって、チューニング電圧Vの電圧値、すなわち、発振器3の出力周波数を検出することにより、オイルOLに含まれる磁性体の量(劣化物質の量)を検出することができる。
【0020】
また、図2に示すように、本オイル状態検出装置は、コイル1と、コンデンサ2と、発振器3と、PLL回路4とで構成されている。このため、例えば、発振回路(コイル1およびコンデンサ2)の発振周波数を上昇させることで、コイル1のインダクタンス値を低下させることができる。これにより、オイル状態検出装置の小型化を図ることができる。なお、発振器3は、通常、半導体素子で構成されるため、出力周波数の変動により、サイズが変動しない。
【0021】
図3は第1実施形態に係るオイル状態検出装置の構成を示す断面図である。具体的には、図3(a)はオイル状態検出装置100の側面断面図であり、図3(b)はオイル状態検出装置100の正面断面図である。なお、図3(a)では、ケース10の図面右側がケース10内部であり、ケース10の図面左側がケース10外部である。
【0022】
図3(a)に示すように、本オイル状態検出装置は、筐体11と、回路基板20とを備える。
【0023】
筐体11は、回路基板20等を覆うケースである。筐体11は、例えば、金属や樹脂等で構成されたケースである。筐体11は、コイル1と離間して配置されるため、コイル1の対向電極として機能する。筐体11は、内部に回路基板20が配置されている。また、筐体11は、ケース10に形成された貫通孔10aに挿入されており、先端部(図面右端部)がオイルOLに浸漬されている。
【0024】
回路基板20は、例えば、フッ素化合樹脂等で形成された回路基板である。回路基板20には、コイル1と、電子回路素子21とが配置されている。電子回路素子21は、コンデンサ2、発振器3およびPLL回路4などを含む。具体的には、回路基板20の先端部側(図面右側)に、コイル1が配置され、オイルOLに浸漬されている。また、回路基板20には、コイル1よりも基端側(図面左側)に電子回路素子21が形成されている。電子回路素子21は、エポキシ、ウレタン等で構成された封止樹脂22で覆われている。電子回路素子21は、ケーブル23を介して外部装置(図示省略)と接続されている。
【0025】
また、コイル1および回路基板20は、筐体11の長手方向に沿って平行に配置されている。すなわち、コイル1は、筐体11の長手方向に沿って配置される。このため、コイル1を筐体11の長手方向と垂直となるように配置した場合と比較すると、コイル1の面積を大きくすることができ、オイル状態検出装置の分解能を向上させることができる。
【0026】
図3(b)に示すように、筐体11は、略円筒状に形成されている。また、筐体11の先端部には、開口11aが形成されている。また、筐体11の先端部の左右両面には、切り欠き11bが形成されている。この開口11aおよび切り欠き11bから、筐体11の先端部に、オイルOLが流入することで、コイル1がオイルOLに浸漬される。なお、切り欠き11bは、筐体11の先端部の上下両面に形成されていてもよい。
【0027】
以上の構成により、本実施形態に係るオイル状態検出装置は、コイル1(第1コイル)およびコンデンサ2(第1コンデンサ)によって構成される発振回路(第1発振回路)と、発振回路の発振周波数を検出する発振器3およびPLL回路4で構成される検出装置(第1検出装置)とを備える。コイル1は、オイルOLに浸漬されている。発振回路および検出装置は、同一の回路基板20に配置されている。これにより、発振回路および検出装置が同一の回路基板20に配置されるため、発振回路および検出装置を別体で構成する必要がなくなり、オイル状態検出装置の構成を簡易にすることができる。
【0028】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態に係るオイル状態検出装置の構成を示す側面断面図である。第2実施形態では、第1実施形態と比較すると、電子回路素子21の配置が異なる。
【0029】
具体的には、第1実施形態では、筐体11の内部に電子回路素子21が配置されていたが、第2実施形態では、筐体11の基端部(図面左端部)に、筐体12が設けられている。この筐体12内に電子回路素子21が配置されている。
【0030】
筐体12(第2筐体)は、例えば、金属や樹脂等で構成されたケースである。筐体12は、ケース10の外部において、ケース10と離間するように配置されている。
【0031】
また、回路基板20の先端部側(図面右側)には、温度センサ24が配置されている。温度センサ24は、オイルOLに浸漬されており、オイルOLの温度を検出する。
【0032】
図5は第2実施形態に係る検出装置の動作温度を示すグラフである。図5に示すように、検出装置は、動作温度保証範囲内である-40℃~85℃で動作し、動作保証範囲外では停止する。なお、温度センサ24の検出温度に応じて、検出装置は動作/停止する。
【0033】
ここで、オイルOLは車両等の内部を循環する潤滑油であるため、車両等が駆動している際には、高温になりやすい。このため、検出装置を筐体11内に配置すると、ケース10内のオイルOLと検出装置との距離が近くなるため、検出装置がオイルOLの温度変化の影響を受けてしまい、動作温度保証範囲内で動作させることができなくなるおそれがある。
【0034】
そこで、本実施形態では、検出装置(電子回路素子21)をケース10の外部において、ケース10と離間するように配置された筐体12内に配置している。これにより、検出装置に対するオイルOLの温度変化の影響を抑えることができるため、検出装置を動作温度保証範囲内で動作させることができる。
【0035】
なお、電子回路素子21のうち、筐体11内に配置しても、動作温度保証範囲内で動作させることができる場合、当該電子回路素子を筐体11内に配置してもよい。すなわち、検出装置のうち、所定温度以下の耐熱性能である電気回路素子が、筐体12内に配置されていればよい。
【0036】
(変形例)
図6は第2実施形態の変形例に係るオイル状態検出装置の構成を示す断面図である。具体的には、具体的には、図6(a)はオイル状態検出装置100の側面断面図であり、図6(b)はオイル状態検出装置100の正面断面図である。
【0037】
図6(a),(b)に示すように、回路基板20は、筐体11の下部に載置されている。そして、回路基板20は、固定部25により、筐体11に固定される。固定部25は、例えば、ネジやビス、ボルトなどである。
【0038】
図6の構成により、回路基板20は、固定部25によって、筐体11に固定されるため、オイル状態検出装置100の機械的強度を向上させることができる。特に、オイル状態検出装置100に対して振動や衝撃が加わりやすい場合、図6の構成が有用である。
【0039】
(第3実施形態)
図7は第3実施形態に係る回路基板の構成を示す図である。具体的には、図7(a)は回路基板20においてコイル1が配置されている部分の拡大平面図であり、図7(b)は回路基板20においてコイル1が配置されている部分の断面図である。
【0040】
図7(a),(b)に示すように、回路基板20には、コイル1の中心部に対応する位置に貫通孔26が形成されている。このため、貫通孔26の内部にオイルOLが流れ込むこととなる。これにより、コイル1の中心部において磁界が強くなるため、貫通孔26の内部に流れ込むオイルOL内に含まれる微小金属の検出が可能となる。
【0041】
(変形例1)
図8は第3実施形態の変形例1に係る回路基板の構成を示す図である。具体的には、図8は回路基板20においてコイル1が配置されている部分の拡大平面図である。図8に示すように、コイル1の図面左右方向の幅を広げてもよい。
【0042】
(変形例2)
図9は第3実施形態の変形例2に係る回路基板の構成を示す図である。具体的には、図9は回路基板20においてコイル1,1aが配置されている部分の拡大平面図である。図9に示すように、コイル1は回路基板20の上面に配置されており、コイル1aは回路基板20の裏面に配置されている。なお、回路基板20には、コイル1aの中心部に対応する位置に貫通孔26aが形成されている。
【0043】
図9では、コイル1,1aは、オイルOLに浸漬されていることとなる。図示は省略するが、図9では、コイル1a(第2コイル)に対応するコンデンサ(第2コンデンサ)、発振器およびPLL回路(第2検出装置)が回路基板20に配置されている。また、コイル1aおよびコイル1aに対応するコンデンサが、第2発振回路に相当する。
【0044】
図9に示すように、コイル1の面積は、コイル1aの面積よりも狭い。すなわち、コイル1,1aは、互いに面積が異なる。これにより、オイル状態検出装置によって、周波数特性の異なる物質を検出することができる。
【0045】
(変形例3)
図10は第3実施形態の変形例3に係る回路基板の構成を示す図である。具体的には、図10(a),(b)は回路基板20においてコイル1およびコンデンサ2a(第3コンデンサ)が配置されている部分の拡大図であり、図10(a)は回路基板20の上面図であり、図10(b)は回路基板20の下面図である。図10(a),(b)に示すように、コイル1は回路基板20の上面に配置されており、コンデンサ2aは回路基板20の下面に配置されている。図10では、コイル1およびコンデンサ2aは、オイルOLに浸漬されていることとなる。
【0046】
図10に示すように、コンデンサ2aは2つの櫛形電極で形成されている。コンデンサ2aにより、オイルOLの抵抗、容量および共振周波数を検出することで、コイル1を含む発振回路の検出値を補正することができるため、より正確に、磁性体の量(劣化物質の量)を検出することができる。
【0047】
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態および変形例では、各発振回路の発振周波数を、発振器およびPLL回路により構成される検出装置(オイル状態検出装置)で検出していたが、検出装置の構成は、発振器およびPLL回路以外の構成でもよい。検出装置は、発振回路の発振周波数を検出できればどのような構成であってもよい。
【0048】
また、上記各実施形態および変形例では、検出装置がPLL回路を備える構成であったが、これに限られない。例えば、検出装置は、PLL回路4に代えて、入力された周波数を解析する演算回路や、入力された周波数を下げて周波数を解析する解析回路などを備えてもよい。
【0049】
また、上記各実施形態および変形例において、コイル1に代えて、コンデンサ2がオイルOLに浸漬されていてもよい。これにより、第1実施形態の各変形例において、対応する変形例の効果を得つつ、オイルOLに含まれる誘電体の量(劣化物質の量)を検出することができる。
【0050】
また、上記各実施形態および変形例において、図11に示すように、筐体11の開口11aを覆う蓋部11cを設け、この蓋部11cにスリット11dを形成し、スリット11dに回路基板20の先端を挿入してもよい。これにより、オイル状態検出装置の機械的強度を向上させることができる。なお、図11において、蓋部11cに貫通孔11eを設け、貫通孔11eを介して、オイルOLが筐体11内に流入する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本開示のオイル状態検出装置は、構成が簡易であるため、有用である。
【符号の説明】
【0052】
1 コイル(第1コイル、第1発振回路)
1a コイル(第2コイル、第2発振回路)
2 コンデンサ(第1コンデンサ、第1発振回路)
2a コンデンサ(第3コンデンサ)
3 発振器(第1検出装置)
4 PLL回路(第1検出装置)
10 ケース
11 筐体(第1筐体)
12 筐体(第2筐体)
20 回路基板
21 電子回路素子
24 温度センサ
25 固定部
26,26a 貫通孔
OL オイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11