(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107637
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】配管閉塞治具
(51)【国際特許分類】
G01M 3/26 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
G01M3/26 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011664
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】390013516
【氏名又は名称】株式会社小島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 誠造
(72)【発明者】
【氏名】加古 洋三
(72)【発明者】
【氏名】小島 久典
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA11
2G067BB02
2G067BB03
2G067BB34
(57)【要約】
【課題】配管閉塞治具のボール状部材の製作を容易にすることである。
【解決手段】加圧配管240と、加圧配管240の先端に連結されて、気体の圧力で膨張するボール状部材230とを備えており、ボール状部材230を被検査配管14内に挿入し、その被検査配管14内の所定位置でボール状部材230を膨張させて被検査配管14を閉塞する配管閉塞治具であって、ボール状部材230は、最大直径部分で二分割された第1分割片233と第2分割片235とを気密状態で嵌め合わせることにより構成されており、第1分割片233は、変形不能な材料により構成されて、加圧配管240が連結される連結部233cを備えており、第2分割片235は、気体の圧力で膨張できる弾性体により構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性の加圧配管と、前記加圧配管の先端に連結されて、前記加圧配管により供給された気体の圧力で膨張するボール状部材とを備えており、前記ボール状部材を被検査配管内に挿入し、その被検査配管内の所定位置で前記ボール状部材を膨張させて前記被検査配管を閉塞する配管閉塞治具であって、
前記ボール状部材は、最大直径部分で二分割された第1分割片と第2分割片とを気密状態で嵌め合わせることにより構成されており、
前記第1分割片は、前記気体の圧力で変形不能な材料により構成されて、前記加圧配管が連結される連結部を備えており、
前記第2分割片は、前記気体の圧力で膨張できる弾性体により構成されている配管閉塞治具。
【請求項2】
請求項1に記載された配管閉塞治具であって、
前記第1分割片と第2分割片との嵌め合わせ部には、それぞれ内フランジ部と、その内フランジ部の軸方向内側で円周方向に延びる環状の嵌合溝とが形成されており、
前記第1分割片の内フランジ部が前記第2分割片の嵌合溝と嵌合し、前記第2分割片の内フランジ部が前記第1分割片の嵌合溝と嵌合するように構成されている配管閉塞治具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された配管閉塞治具であって、
前記第2分割片の表面には、膨張により前記被検査配管の内壁面に接触する部分にシリコンゴムが積層されている配管閉塞治具。
【請求項4】
請求項3に記載された配管閉塞治具であって、
前記第2分割片の表面には、前記第2分割片の円周方向に延びることで環状に形成されたリブが前記第2分割片の軸方向に複数本形成されている配管閉塞治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性の加圧配管と、前記加圧配管の先端に連結されて、前記加圧配管により供給された気体の圧力で膨張するボール状部材とを備えており、前記ボール状部材を被検査配管内に挿入し、その被検査配管内の所定位置で前記ボール状部材を膨張させて前記被検査配管を閉塞する配管閉塞治具に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した配管閉塞治具に関する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の配管閉塞治具110は、
図16に示すように、排水設備100の漏れ試験を実施する際に使用される治具であり、排水管継手102の下側で排水立て管104を閉塞する。配管閉塞治具110は、
図17に示すように、可撓性の加圧配管113と、加圧配管113の先端に連結されて、その加圧配管113により供給された空気圧で膨張するボール状部材115とを備えている。ボール状部材115は、ゴム製で上下の蓋状部115hと、上下の蓋状部115hをつなぐ円筒部115eとから構成されている。ボール状部材115の円筒部115eには、円周方向に延びる円環状のリブ115rが軸方向に複数本形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した配管閉塞治具110のボール状部材115は、ゴム製で上下の蓋状部115hと円筒部115eとから構成されている。このため、ボール状部材115を製造する場合には、射出成形等により上下の蓋状部115hと円筒部115eとを個別に成形し、これらの部品を相互に接合する必要がある。ボール状部材115の内部には、高い圧力が掛かるため、蓋状部115hと円筒部115eとを高精度で強固に接合する必要があり、製造に手間が掛かる。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の技術的課題は、配管閉塞治具のボール状部材の製作を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題は、各発明によって解決される。第1の発明は、可撓性の加圧配管と、前記加圧配管の先端に連結されて、前記加圧配管により供給された気体の圧力で膨張するボール状部材とを備えており、前記ボール状部材を被検査配管内に挿入し、その被検査配管内の所定位置で前記ボール状部材を膨張させて前記被検査配管を閉塞する配管閉塞治具であって、前記ボール状部材は、最大直径部分で二分割された第1分割片と第2分割片とを気密状態で嵌め合わせることにより構成されており、前記第1分割片は、前記気体の圧力で変形不能な材料により構成されて、前記加圧配管が連結される連結部を備えており、前記第2分割片は、前記気体の圧力で膨張できる弾性体により構成されている。
【0007】
本発明によると、ボール状部材は、最大直径部分で二分割された第1分割片と第2分割片とを気密状態で嵌め合わせることにより構成されている。即ち、第1分割片と第2分割片とは、ボール状部材の最大直径部分の位置に開口部分を備えており、両者の開口部分が相互に嵌め合わされる構成である。このため、弾性体により構成された第2分割片を射出成形により一体で成形できる。即ち、従来のように、複数の弾性体の分割片を相互につなぎ合わせてボール状部材を形成する必要がなくなるため、ボール状部材の成形が容易になる。
【0008】
第2の発明によると、第1分割片と第2分割片との嵌め合わせ部には、それぞれ内フランジ部と、その内フランジ部の軸方向内側で円周方向に延びる環状の嵌合溝とが形成されており、前記第1分割片の内フランジ部が前記第2分割片の嵌合溝と嵌合し、前記第2分割片の内フランジ部が前記第1分割片の嵌合溝と嵌合するように構成されている。このため、第1分割片と第2分割片とを効率的に機密状態で嵌め合わせることができるようになる。
【0009】
第3の発明によると、第2分割片の表面には、膨張により被検査配管の内壁面に接触する部分にシリコンゴムが積層されている。このため、ボール状部材が被検査配管を閉塞しているときの第2分割片の表面と被検査配管の内壁面との密着性が高くなり、被検査配管の閉塞部分のシール性が高くなる。
【0010】
第4の発明によると、第2分割片の表面には、第2分割片の円周方向に延びることで環状に形成されたリブが前記第2分割片の軸方向に複数本形成されている。このため、リブの働きにより、被検査配管の閉塞部分のシール性がさらに高くなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、配管閉塞治具のボール状部材の製作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態1に係る配管閉塞治具のボール状部材の側面図である。
【
図3】前記ボール状部材を被検査配管内に挿入している状態を表す側面図である。
【
図4】前記ボール状部材が被検査配管を閉塞している状態を表す側面図である。
【
図5】前記ボール状部材の第2分割片を成形する金型の平面図である。
【
図6】前記ボール状部材の第2分割片を成形する金型の縦断面図(
図5のVI-VI矢視断面図)である。
【
図7】排水設備の漏洩試験における配管閉塞治具の使用態様を表す側面図である。
【
図9】排水設備の漏洩試験における配管閉塞治具の使用態様を表す側面図である。
【
図10】変更例1に係るボール状部材の側面図である。
【
図11】変更例1に係るボール状部材を被検査配管内に挿入している状態を表す側面図である。
【
図12】変更例2に係るボール状部材の第2分割片の縦断面図である。
【
図13】変更例3に係るボール状部材の第2分割片の縦断面図である。
【
図14】変更例4に係るボール状部材の第2分割片の側面図である。
【
図15】変更例5に係るボール状部材の縦断面図である。
【
図16】従来の配管閉塞治具を排水設備の漏れ試験に使用している状態を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態1]
以下、
図1~
図15に基づいて本発明の実施形態1に係る配管閉塞治具の説明を行なう。本実施形態に係る配管閉塞治具220は、集合住宅やオフィスビル等の建物における排水設備10の漏洩試験をする際に使用される治具である。
【0014】
<排水設備10の概要について>
排水設備10は、
図7、
図8に示すように、集合住宅の上階と下階とを仕切る床スラブCSを貫通して各階に設置されている排水管継手12と、各階の排水管継手12を相互につなぐ排水立て管14と、各階の床上に配管されて各階の排水管継手12に接続される複数本の排水横枝管16とから構成されている。そして、各階の各々の排水横枝管16の末端が、
図9に示すように、浴室の排水トラップ17、便器18、及びシステムキッチン(図示省略)等の生活用機器に接続されている。このような排水設備10において排水管継手12と排水立て管14との接続箇所、及び排水管継手12と排水横枝管16との接続箇所、及びその他の接続箇所に漏れがないことを確認するため、漏洩試験が行われる。
【0015】
<漏洩試験装置20の概要について>
漏洩試験装置20は、
図8に示すように、排水設備10の漏洩試験対象となる試験対象排水流路Kの末端を塞ぐ閉鎖装置22と、閉鎖装置22によって末端が塞がれた試験対象排水流路Kに対して空気圧を加え、漏洩試験を行う試験機本体部30とから構成されている。閉鎖装置22は、
図8に示すように、排水管継手12の上部受け口12uを塞ぐ受け口閉止具24と、排水立て管14の途中位置を塞ぐ配管閉塞治具220と、排水横枝管16の末端を塞ぐキャップ28等を備えている。ここで、前記キャップ28の代わりに、
図9に示すように、排水横枝管16の末端を配管閉塞治具220により閉鎖することも可能である。
【0016】
<閉鎖装置22の受け口閉止具24について>
受け口閉止具24は、
図8に示すように、排水管継手12の上部受け口12uを塞ぐ治具である。受け口閉止具24には、中央部に貫通孔(図示省略)が形成されており、その貫通孔の位置に配管接続ポート(図示省略)が設けられている。そして、受け口閉止具24の配管接続ポートに試験機本体部30の空気ホース31が接続されている。これにより、試験機本体部30は、空気ホース31、受け口閉止具24の配管接続ポートを介して試験対象排水流路K内に加圧空気を供給できるようになる。
【0017】
<配管閉塞治具220の概要について>
配管閉塞治具220は、上記したように排水立て管14を塞ぐ治具であり、
図7等に示すように、空気圧により膨張して径方向に拡開するボール状部材230と、そのボール状部材230に対して加圧空気を供給する加圧配管240とから構成されている。
【0018】
<配管閉塞治具220のボール状部材230について>
ボール状部材230は、
図1、
図2に示すように、最大直径部分で二分割された第1分割片233と第2分割片235とが気密状態で嵌め合わされることにより構成されている。第1分割片233は、アルミ合金製であり、半球殻状に形成されている。そして、第1分割片233の外周面の中央には、半径方向外側に突出するように、加圧配管240のコネクタ241が接続される配管ポート233cが形成されている。
【0019】
第1分割片233の外周面には、
図3に示すように、配管ポート233cの横に吊り綱236がむすび接続されるブラケット233bが取付けられている。なお、ブラケット233bの形状は適宜変更可能である。また、第1分割片233には、
図2に示すように、第2分割片235と嵌め合わされる開口部の周縁に内フランジ部233fが形成されている。さらに、第1分割片233には、内フランジ部233fの軸方向内側で円周方向に延びる環状の嵌合溝233mが形成されている。
【0020】
ボール状部材230の第2分割片235は、例えば、エチレンプロピレンゴム製(EPDMゴム)であり、
図4に示すように、加圧配管240により供給された加圧空気により膨張して排水立て管14を閉塞できるように構成されている。第2分割片235は、
図2に示すように、第1分割片233に嵌め合わされる開口部235xと、円筒部235eと、半球殻部235kとから構成されている。そして、第2分割片235の開口部235xには、先端周縁に内フランジ部235fが形成されている。また、第2分割片235の開口部235xには、内フランジ部235fの軸方向内側で円周方向に延びる環状の嵌合溝235mが形成されている。
【0021】
そして、
図2に示すように、第2分割片235の内フランジ部235fが第1分割片233の嵌合溝233mと嵌合し、第1分割片233の内フランジ部233fが第2分割片235の嵌合溝235mと嵌合する。これにより、第1分割片233と第2分割片235とが気密状態で嵌め合わされて、ボール状部材230が完成する。
【0022】
<ボール状部材230の第2分割片235の製作について>
ボール状部材230の第2分割片235は、射出成形法により形成される。即ち、第2分割片235は、
図5、
図6に示すように、金型40内にゴム素材を圧入することにより成形される。金型40は、第2分割片235の外側を成形する上型41、下型43と、第2分割片235の内側を成形する内部型45とから構成されている。前述のように、第2分割片235には、ボール状部材230の最大直径部分に開口部235xを備えているため、型開き時に第2分割片235から内部型45を簡単に引き抜くことができる。このため、第2分割片235の開口部235xと円筒部235eと半球殻部235kとを一体成形できる。
【0023】
<配管閉塞治具220の加圧配管240について>
配管閉塞治具220の加圧配管240は、上記したように、ボール状部材230に対して空気を供給する可撓性の配管であり、
図3、
図4に示すように、先端部にコネクタ241が接続されている。また、加圧配管240の基端部には、
図7に示すように、その加圧配管240を電動エアポンプ50、あるいは足踏み式のエアポンプ(図示省略)に接続するための逆止弁付きコネクタ244が接続されている。ここで、加圧配管240は、ボール状部材230を排水管継手12の上部受け口12uから複数階下の排水立て管14の所定位置まで下ろすロープとしての機能を有している。なお、ボール状部材230が配管途中で引っ掛かった場合の命綱として、
図3等に示すように、ボール状部材230に接続された吊り綱236が使用される。
【0024】
これにより、
図7に示すように、排水管継手12の上部受け口12uから排水立て管14内に縮径状態(元の形状)のボール状部材230(
図3参照)と加圧配管240とを予め決められた寸法だけ下ろすことができる。そして、ボール状部材230が排水立て管14の所定位置に到達した状態で、電動エアポンプ50等によりボール状部材230を拡開(膨張)させることで、
図4に示すように、排水立て管14の所定位置を閉塞できる。ここで、加圧配管240の逆止弁付きコネクタ244の働きにより、電動エアポンプ50等と加圧配管240との接続が解除されてもボール状部材230は拡開状態(膨張状態)に保持される。
【0025】
上記した配管閉塞治具220を使用して、
図9に示すように、排水横枝管16、及び便器18の排水流路等を閉塞することも可能である。なお、加圧配管240が短い場合でも、コネクタ241の外れを考慮して、吊り綱236は使用される。
【0026】
<本実施形態における用語と本発明の用語との対応>
本実施形態における排水立て管14、排水横枝管16等が本発明の被検査配管に相当する。また、第1分割片233を構成するアルミ合金等が本発明の気体の圧力で変形不能な材料に相当し、第1分割片233の配管ポート233cが本発明の連結部に相当する。さらに、第2分割片235を構成するEPDMゴムが本発明の弾性体に相当する。
【0027】
<本実施形態に係る配管閉塞治具220の長所について>
本実施形態に係る配管閉塞治具220によると、ボール状部材230は、最大直径部分で二分割された第1分割片233と第2分割片235とを気密状態で嵌め合わせることにより構成されている。即ち、第1分割片233と第2分割片235とは、ボール状部材230の最大直径部分の位置に開口部分を備えており、両者の開口部分が相互に嵌め合わされる構成である。このため、EPDMゴム(弾性体)により構成された第2分割片235を射出成形により一体で成形できる。即ち、従来のように、複数の弾性体の分割片を相互につなぎ合わせてボール状部材230を形成する必要がなくなるため、ボール状部材230の成形が容易になる。
【0028】
また、第1分割片233と第2分割片235との嵌め合わせ部には、それぞれ内フランジ部233f,235fと、嵌合溝233m,235mとが形成されており、第1分割片233の内フランジ部233fが第2分割片235の嵌合溝235mと嵌合し、第2分割片235の内フランジ部235fが第1分割片233の嵌合溝233mと嵌合する。このため、第1分割片233と第2分割片235とを効率的に機密状態で嵌め合わせることができるようになる。
【0029】
<変更例1>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、
図1、
図2に示すように、ボール状部材230の第1分割片233の外周面の中央に配管ポート233cを半径方向外側に突出するように形成し、加圧配管240のコネクタ241と接続させる例を示した。しかし、第1分割片233に配管ポート233cを形成する代わりに、
図10に示すように、第1分割片233に雌ねじを形成し、この雌ねじに配管コネクタ233zを螺合させて固定する構成でも可能である。また、加圧配管240を、
図11に示すように、エアチューブにより形成し、エアチューブの先端に第1分割片233の配管コネクタ233zと接続されるコネクタ241zを設けることも可能である。
【0030】
<変更例2~5>
また、本実施形態では、ボール状部材230の第2分割片235をEPDMゴムにより形成する例を示した。しかし、
図12に示すように、EPDMゴム製の第2分割片235が膨張したときに被検査配管である排水立て管14等の内壁面に接触する部分にシリコンゴム235tを積層することも可能である。これにより、ボール状部材230が排水立て管14等を閉塞しているときの第2分割片235の表面と排水立て管14等の内壁面との密着性が高くなり、排水立て管14等の閉塞部分のシール性が向上する。また、
図13に示すように、EPDMゴム製の第2分割片235の表面全体にシリコンゴム235tを積層することも可能である。さらに、
図14に示すように、第2分割片235の表面に円周方向に延びる環状のリブ235vを軸方向に複数本形成することで、排水立て管14等の閉塞部分のシール性がさらに向上する。
【0031】
また、本実施形態では、
図2等に示すように、ボール状部材230の第2分割片235の開口部235xをEPDMゴムのみにより形成する例を示した。しかし、
図15に示すように、第2分割片235の開口部235xの内フランジ部235fに円環状のワイヤー235wをインサートする構成でも可能である。これにより、ボール状部材230の内側に高い空気圧が加わった場合でも、ワイヤー235wの働きで第2分割片235の内フランジ部235fが第1分割片233の嵌合溝233mから外れ難くなる。
【0032】
さらに、本実施形態では、ボール状部材230の第1分割片233をアルミ合金により形成する例を示した。しかし、ボール状部材230の第1分割片233を、例えば、プラスチック等の樹脂により形成することも可能である。また、本実施形態では、被検査配管として排水立て管14、及び排水横枝管16等を例示した。しかし、空調用ドレン配管、給水配管、給湯用配管、あるいはガス管等を被検査配管として本発明に係る配管閉塞治具220を使用することも可能である。
【符号の説明】
【0033】
14・・・・排水立て管(被検査配管)
16・・・・排水横枝管(被検査配管)
220・・・配管閉塞治具
230・・・ボール状部材
233・・・第1分割片
233f・・内フランジ部
233c・・配管ポート(連結部)
233z・・配管コネクタ(連結部)
233m・・嵌合溝
235・・・第2分割片
235t・・シリコンゴム
235v・・リブ
235f・・内フランジ部
235m・・嵌合溝
240・・・加圧配管