(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107641
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】着脱装置
(51)【国際特許分類】
B64D 1/10 20060101AFI20240802BHJP
B64D 1/12 20060101ALI20240802BHJP
B64U 10/10 20230101ALI20240802BHJP
B64U 70/10 20230101ALI20240802BHJP
【FI】
B64D1/10
B64D1/12
B64U10/10
B64U70/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011669
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】村田 順一
(72)【発明者】
【氏名】中居 隼風
(57)【要約】
【課題】着脱用の永久磁石が設けられていない火災感知器本体を感知器ベースから着脱しやすくする。
【解決手段】着脱装置100は、火災感知器200を着脱するための着脱装置であって、火災感知器200を覆った状態で火災感知器200と係合する係合部152と、火災感知器200を取付面に固定するための感知器ベース250に結合する結合部142と、係合部152が火災感知器200と係合するとともに、結合部142が感知器ベース250に結合した状態で、係合部152を回転させる回転部151と、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災感知器を着脱するための着脱装置であって、
前記火災感知器を覆った状態で前記火災感知器と係合する係合部と、
火災感知器を取付面に固定するための感知器ベースに結合する結合部と、
前記係合部が前記火災感知器と係合するとともに、前記結合部が前記感知器ベースに結合した状態で、前記係合部を回転させる回転部と、
を有する着脱装置。
【請求項2】
前記結合部を前記感知器ベースに結合させた後に前記係合部を回転させるように前記回転部を制御する制御部をさらに有する、
請求項1に記載の着脱装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記結合部を前記取付面に接触させた後に、前記結合部を前記取付面に平行な方向に移動させる、
請求項2に記載の着脱装置。
【請求項4】
前記結合部は、
前記感知器ベースに接触する接触部材と、
前記接触部材が前記感知器ベースに接触した状態で前記接触部材における前記取付面の側になる位置に設けられた緩衝部材と、
を有する、
請求項1に記載の着脱装置。
【請求項5】
前記着脱装置を浮揚させるための揚力を発生する揚力発生部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の着脱装置。
【請求項6】
前記着脱装置の位置をユーザが移動させるための持ち手となる棒状部材をさらに有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の着脱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災感知器を着脱するための着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高い天井に取り付けられた火災感知器を着脱させる必要が生じる場合がある。特許文献1には、ドローンを用いて感知器ベースから火災感知器本体を取り外したり、火災感知器本体を感知器ベースに取り付けたりする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された火災感知器には永久磁石が設けられており、磁力により火災感知器を感知器ベースに吸着させることができるという構造を利用して、ドローンにより火災感知器本体を感知器ベースから取り外したり、火災感知器本体を感知器ベースに取り付けたりすることができるようにしている。従来の火災感知器は、取付面に取り付けられたベースに対して回転させることで、ベースへの嵌合固定と電気的接触を実現していた。その嵌合固定の着脱回転にはある程度のトルクを必要としていた。したがって、このような従来の火災感知器の場合、永久磁石方式ではないため、火災感知器本体を感知器ベースからから取り外したり、火災感知器本体を感知器ベースに取り付けたりすることができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、着脱用の永久磁石が設けられていない火災感知器本体を感知器ベースから着脱しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の着脱装置は、火災感知器を着脱するための着脱装置であって、前記火災感知器を覆った状態で前記火災感知器と係合する係合部と、火災感知器を取付面に固定するための感知器ベースに結合する結合部と、前記係合部が前記火災感知器と係合するとともに、前記結合部が前記感知器ベースに結合した状態で、前記係合部を回転させる回転部と、を有する。
【0007】
前記結合部を前記感知器ベースに結合させた後に前記係合部を回転させるように前記回転部を制御する制御部をさらに有してもよい。
【0008】
前記制御部は、前記結合部を前記取付面に接触させた後に、前記結合部を前記取付面に平行な方向に移動させてもよい。
【0009】
前記結合部は、前記感知器ベースに接触する接触部材と、前記接触部材が前記感知器ベースに接触した状態で前記接触部材における前記取付面の側になる位置に設けられた緩衝部材と、を有してもよい。
【0010】
前記着脱装置は、前記着脱装置を浮揚させるための揚力を発生する揚力発生部をさらに有してもよい。
【0011】
前記着脱装置は、前記着脱装置の位置をユーザが移動させるための持ち手となる棒状部材をさらに有してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、着脱用の永久磁石が設けられていない火災感知器本体を感知器ベースから着脱しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】着脱装置100の概要を説明するための図である。
【
図2】着脱装置100の概要を説明するための図である。
【
図3】着脱装置100の構成を模式的に示す図である。
【
図4】着脱機構部14に含まれる保持アームアクチュエータ140の構成を示す図である。
【
図5】結合部142と感知器ベース250との位置関係の例を示す図である。
【
図6】着脱機構部14に含まれるカップアクチュエータ150の構成を示す図である。
【
図7】着脱装置100の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】着脱装置100における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】着脱装置400の構成を模式的に示す図である。
【
図11】着脱装置400の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[着脱装置100の概要]
図1及び
図2は、着脱装置100の概要を説明するための図である。着脱装置100は、天井Cに設置された感知器ベース250に火災感知器200を取り付けたり、感知器ベース250に取り付けられた火災感知器200を取り外したりするための装置である。すなわち、着脱装置100は、火災感知器200を着脱するための装置である。
図1に示す着脱装置100は、飛行体であるドローンの形態をしているが、着脱装置100の形態は任意である。
図1に示す例において、天井Cが感知器ベース250が設置された取付面となっているが、取付面は天井Cではなく建物の壁面であってもよい。
【0015】
着脱装置100は、ユーザUが操作端末300を用いて操作することにより感知器ベース250の近くまで飛行し、火災感知器200を着脱するための動作を実行する。
図2に示すように、着脱装置100は火災感知器200を載置可能に構成されており、着脱装置100は、火災感知器200を載置した状態で感知器ベース250の位置まで飛行したり、感知器ベース250の位置から所定の位置(例えばユーザUの位置)まで飛行したりする。着脱装置100は、ユーザUの操作によらず、感知器ベース250の位置に向けて自律飛行して、感知器ベース250の位置に到達したことに応じて自動的に火災感知器200を着脱してもよい。
【0016】
[着脱装置100の構成]
図3は、着脱装置100の構成を模式的に示す図である。より具体的には、
図3(a)は、着脱装置100の上面図であり、
図3(b)は、着脱装置100の正面図である。
【0017】
着脱装置100は、筐体10、一以上の揚力発生部20、フレーム30、制御部40、電源部50、床面センサ60、及びランディングギア70を備える。筐体10には、状態検出部13(カメラ131、位置センサ132)と、着脱機構部14と、が収容されている。着脱機構部14は、保持アームアクチュエータ140と、カップアクチュエータ150と、を有する。着脱機構部14が動作することにより、着脱装置100は火災感知器200を着脱することができる。状態検出部13及び着脱機構部14の詳細については後述する。
【0018】
図3(a)に示す着脱装置100は、着脱装置100を浮揚させるための揚力を発生する揚力発生部20を6つ備えるが、揚力発生部20の数は任意である。なお、煩雑となることを避けるために
図3(a)において揚力発生部20を示す符号は1箇所ずつのみ示しているが、図中においてそれぞれの符号20が示す部材と同一形状の部材も揚力発生部20である。
【0019】
フレーム30は、正六角形の形状である板状部材である。各揚力発生部20は、一例として、フレーム30の中心からフレーム30の各頂点を結ぶ直線上において、フレーム30の中心から等距離の位置に回転軸が存在するように配置されている。
【0020】
[着脱機構部14の構成]
図4は、着脱機構部14に含まれる保持アームアクチュエータ140の構成を示す図である。
図4(a)は、着脱装置100を上方から見た状態における保持アームアクチュエータ140を示しており、
図4(b)は、着脱装置100を側方から見た状態における保持アームアクチュエータ140を示している。
【0021】
保持アームアクチュエータ140は、着脱装置100が感知器ベース250が設置された位置まで上昇した時点で、感知器ベース250を保持するための機構部である。保持アームアクチュエータ140は、結合部142と、棒状部材144と、アーム145と、を有する。結合部142は、一以上の接触部材143と、一以上の緩衝部材146と、を有する。
【0022】
結合部142は、火災感知器200を取付面に固定するための感知器ベース250に結合する。結合部142は、感知器ベース250の輪郭線の形状と同等の円弧状の面を有しており、円弧状の面が接触部材143を介して感知器ベース250に接することにより感知器ベース250に結合する。
図4に示す例では、着脱装置100が左右に2つの結合部142(結合部142-1及び結合部142-2)を有する。モータ(不図示)が回転することによりアーム145が短くなることで2つの結合部142が感知器ベース250の側に移動し、2つの結合部142が感知器ベース250に結合する。
【0023】
この状態で、結合部142と感知器ベース250との結合力を高めるために、結合部142における感知器ベース250と接する側の面には、結合部142及び感知器ベース250の素材(例えばプラスチック)よりも摩擦係数が大きい素材(例えばゴム)により構成される複数の接触部材143が設けられている。接触部材143は弾性部材により形成されていてもよい。接触部材143が弾性部材により形成されていることで、結合部142の形状が感知器ベース250の形状と同一でない場合であっても、結合部142が感知器ベース250に結合可能になる。
【0024】
棒状部材144は、一端が結合部142に結合しており、他端がフレーム30に結合しており、中間の位置がアーム145に結合している棒状の部材である。棒状部材144は、ヒンジにより結合部142、フレーム30及びアーム145と結合しており、アーム145の伸縮に伴って棒状部材144の長手方向と結合部142の移動方向とが成す角度が変化し、結合部142が水平方向に移動するように構成されている。
【0025】
アーム145は、制御部40の制御に基づいてモータ(不図示)が駆動することにより、角度を変化させるとともに伸縮する。アーム145は、フレーム30から離れるようにフレーム30に対する角度が変化するとともに短くなることにより、棒状部材144を感知器ベース250の側に移動させる。その結果、結合部142が感知器ベース250に近づくように移動する。
図4における破線は、結合部142が感知器ベース250に向けて移動する前の各部の位置を示しており、
図4における実線は、結合部142が感知器ベース250と結合した状態における各部の位置を示している。
【0026】
緩衝部材146は、
図4(b)に示すように、接触部材143が感知器ベース250に接触した状態で接触部材143における取付面の側になる位置に設けられている。緩衝部材146は、着脱装置100が上昇して天井Cに接触した際の衝撃を和らげることができる弾性を有する素材により形成されている。
図4(b)に示すように緩衝部材146が回転可能なタイヤのような円柱形状に形成されていることで、結合部142が取付面に沿って移動する際の摩擦力が減少するので、結合部142が円滑に移動する。
【0027】
図5は、結合部142と感知器ベース250との位置関係の例を示す図である。
図5(a)は、
図4に示したように着脱装置100が2つの結合部142を有する場合に感知器ベース250の位置として許容できる範囲を示している。
図5(b)は、着脱装置100が4つの結合部142を有する場合に感知器ベース250の位置として許容できる範囲を示している。
【0028】
図5(a)の実線の円が示すように、感知器ベース250の付近まで着脱装置100が近づいた状態で、2つの結合部142の中央の位置に感知器ベース250がある場合、2つの結合部142が近づくように移動することで結合部142が感知器ベース250に結合する。
図5(b)の破線の円が示すように、感知器ベース250の付近まで着脱装置100が近づいた状態で、2つの結合部142のいずれか一方の近くに感知器ベース250がある場合、他方の結合部142が移動することで結合部142が感知器ベース250に結合する。したがって、
図5(a)の許容範囲に対応する矢印が示すように、2つの結合部142が最も離れた状態における2つの結合部142の間の領域に感知器ベース250が位置していれば、結合部142が移動する方向において感知器ベース250の位置がずれていても、結合部142が感知器ベース250に結合することができる。
【0029】
図5(b)に示す例のように、第1方向に2つの結合部142(結合部142-1及び結合部142-2)が設けられており、第1方向と直交する第2方向にも2つの結合部142(結合部142-3及び結合部142-4)が設けられている場合、感知器ベース250の位置が第2方向にずれていても結合部142が感知器ベース250に結合することができる。その結果、着脱装置100が
図5(b)に示すような4つの結合部142を有する場合、着脱装置100が
図5(a)に示すような2つの結合部142を有する場合に比べて、感知器ベース250の位置として許容される範囲が大きいので、着脱装置100の位置合わせの時間を短縮できる。その結果、火災感知器200の交換をするための時間を短縮することができる。
【0030】
図6は、着脱機構部14に含まれるカップアクチュエータ150の構成を示す図である。
図6(a)は、カップアクチュエータ150の動作について説明するための図である。
図6(b)は、カップアクチュエータ150が火災感知器200を感知器ベース250に取り付けたり、火災感知器200を感知器ベース250から取り外したりする時点におけるカップアクチュエータ150を示している。
【0031】
カップアクチュエータ150は、回転部151と、係合部152と、を有する。回転部151は、係合部152が火災感知器200と係合するとともに、結合部142が感知器ベース250に結合した状態で、係合部152を回転させる。回転部151は、制御部40の制御に基づいて回転力を発生させるモータを有しており、当該モータが回転することにより、機構部材を介して当該モータに結合された係合部152が回転する。
【0032】
回転部151は、制御部40の制御に基づいて結合部142が移動する方向と直交する垂直方向に係合部152を移動させるための駆動力を発生するモータをさらに有してもよい。回転部151は、当該モータの回転力を垂直方向の駆動力に変換する機構を有しており、
図6(a)において破線で示す位置から実線で示す位置まで係合部152を上昇させたり、実線で示す位置から破線で示す位置まで係合部152を下降させたりしてもよい。
【0033】
係合部152は、火災感知器200を収容可能な形状をしており、火災感知器200の煙流入窓と係合する爪153を有する。係合部152は、火災感知器200を覆った状態で火災感知器200と係合する。係合部152は漏斗状の形状を有しており、内側の斜面に爪153が設けられている。
図6において、係合部152については、内側に設けられた爪153が見える状態の断面図が示されている。
【0034】
結合部142が感知器ベース250に結合した状態で、カップアクチュエータ150が係合部152を上昇させて爪153が火災感知器200と係合した後に係合部152が回転することにより、爪153を介して火災感知器200に回転力が加わる。係合部152に収容された火災感知器200が右向きに回転することで、火災感知器200が感知器ベース250に取り付けられ、感知器ベース250に固定された火災感知器200が左向きに回転することで、火災感知器200が感知器ベース250から取り外される。
【0035】
なお、火災感知器はメーカー、種類毎に形状が異なり、各メーカーは種類毎に嵌合可能な「着脱器」と称するカップ形状の着脱アダプターを用意している。従来は、着脱アダプターを長い棒の先に取り付けて、手動で火災感知器の着脱が行われていた。本実施の形態のカップアクチュエータ150には、このような各社のアダプターが取り付けられるようになっていてもよい。また、係合部152が、火災感知器200の形状に応じた形状のものに交換できるように構成されていてもよい。
【0036】
[着脱装置100の機能構成]
図7は、着脱装置100の機能構成を示すブロック図である。着脱装置100は、状態検出部13と、着脱機構部14と、揚力発生部20と、制御部40と、メモリ45と、通信部80と、を備える。通信部80は、操作端末300との間でデータを送受信するための無線通信インターフェースを有する。
【0037】
状態検出部13は、着脱装置100の各部の状態を検出するためのデバイスを有する。状態検出部13は、例えばカメラ131と、位置センサ132と、駆動力センサ133と、を有する。
【0038】
カメラ131は、着脱装置100の上方を撮影することにより撮像画像データを生成する。カメラ131は、生成した撮像画像データを検出部42に入力する。
【0039】
位置センサ132は、結合部142の上下方向の位置を検出する。位置センサ132は、検出した位置を着脱制御部44に通知する。
【0040】
駆動力センサ133は、保持アームアクチュエータ140及びカップアクチュエータ150が動作する際の駆動力の大きさを検出する。駆動力センサ133は、検出した駆動力の大きさを着脱制御部44に通知する。
【0041】
制御部40は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。制御部40は、メモリ45にロードしたプログラムを実行することにより、全体制御部41、検出部42、飛行制御部43、及び着脱制御部44として機能する。全体制御部41は、制御部40の各部を全体的に制御する。
【0042】
検出部42は、全体制御部41の制御の下、カメラ131から入力された撮像画像データから感知器ベース250を検出する。検出部42は、予めメモリ45に記憶された感知器ベース250の外観を示すデータを参照することにより、撮像画像データに基づいて感知器ベース250の大きさ及び位置を検出する。検出部42が感知器ベース250を検出する方法は任意であるが、例えば識別器を用いたマッチング処理を行ったり、感知器ベース250のエッジを示すテンプレート画像を用いたマッチング処理を行ったりすることにより感知器ベース250を検出する。
【0043】
検出部42は検出した感知器ベース250の大きさ及び位置を飛行制御部43に通知する。検出部42は、感知器ベース250の大きさ及び位置が所定の大きさ及び位置になっている場合に、火災感知器200を着脱可能な位置に着脱装置100が到達したことを検出したことを着脱制御部44に通知してもよい。
【0044】
飛行制御部43は、検出部42から通知された感知器ベース250の大きさ及び位置に基づいて着脱装置100と感知器ベース250との位置関係を特定し、特定した結果に基づいて揚力発生部20の動作を制御することにより、着脱装置100の飛行を制御する。飛行制御部43は、揚力発生部20の動作を制御することにより、感知器ベース250に着脱装置100を接近させる。
【0045】
着脱制御部44は、火災感知器200を感知器ベース250に取り付けたり、火災感知器200を感知器ベース250から取り外したりするために、着脱機構部14が有する各部を制御する。着脱制御部44は、着脱装置100が火災感知器200を着脱可能な位置に到達したという通知を検出部42から受けたことに応じて結合部142を感知器ベース250に向けて移動させることにより、結合部142を感知器ベース250に結合させる。着脱制御部44は、例えば、結合部142を取付面に接触させた後に、結合部142を取付面に平行な方向に移動させる。結合部142は、取付面に接触する緩衝部材146を有しており、緩衝部材146が回転することにより、結合部142は円滑に移動する。
【0046】
着脱制御部44は、結合部142を感知器ベース250に結合させた後に、感知器ベース250に近づくように係合部152を上方に移動させる。具体的には、着脱制御部44は、カップアクチュエータ150が有する第1モータを駆動するための第1制御信号をカップアクチュエータ150に対して出力することにより、係合部152を上方に移動させる。その後、着脱制御部44は、係合部152を回転させるようにカップアクチュエータ150を制御する。具体的には、着脱制御部44は、カップアクチュエータ150が有する第2モータを駆動するための第2制御信号をカップアクチュエータ150に対して出力することにより、係合部152を回転させる。
【0047】
着脱制御部44は、係合部152を所定の角度だけ回転させた後に、取付面から離れる向きに係合部152の位置を変化させてもよい。所定の角度は、火災感知器200を感知器ベース250に取り付けるために必要な回転角度、又は火災感知器200を感知器ベース250から取り外すために必要な回転角度である。着脱制御部44は、例えば、第2モータを駆動させた時間の長さに基づいて係合部152が所定の角度だけ回転したと判定する。着脱制御部44は、駆動力センサ133から入力された駆動力が閾値以上になった時点で、係合部152が所定の角度だけ回転したと判定してもよい。
【0048】
[着脱装置100における処理の流れ]
図8は、着脱装置100における処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、着脱装置100が感知器ベース250の下方の位置に載置された状態で着脱装置100の電源が投入され、火災感知器200を取り付ける第1モード、又は火災感知器200を取り外す第2モードのいずれかに設定された時点から開始している。
【0049】
検出部42は、カメラ131が生成した撮像画像データに基づいて、火災感知器200の位置を認識する(S11)。飛行制御部43は、認識された火災感知器200の位置に基づいて、火災感知器200の下方まで上昇するように揚力発生部20を制御する(S12)。飛行制御部43は、着脱装置100が天井Cに到達したと検出部42が判定するまでの間(S13においてNO)、着脱装置100を上昇させる。着脱制御部44は、着脱装置100が天井Cまで到達したと判定した場合(S13においてYES)、着脱装置100が天井Cまで到達したことを着脱制御部44に通知する。
【0050】
続いて、着脱制御部44は、結合部142を内側に移動させる(S14)。着脱制御部44は、駆動力センサ133から入力された信号に基づいて、結合部142を移動させるために要する移動力が第1閾値以上になったか否かを判定する(S15)。着脱制御部44は、移動力が第1閾値以上になるまでの間(S15においてNO)、結合部142を移動させ続ける。着脱制御部44は、移動力が第1閾値以上になったと判定した場合(S15においてYES)、カップアクチュエータ150を制御することにより係合部152を上昇させる(S16)。
【0051】
着脱制御部44は、駆動力センサ133から入力された信号に基づいて、係合部152を上昇させるために要するリフト力が第2閾値以上になったか否かを判定する(S17)。着脱制御部44は、リフト力が第2閾値以上になるまでの間(S17においてNO)、係合部152を上昇させ続ける。着脱制御部44は、リフト力が第2閾値以上になったと判定した場合(S17においてYES)、カップアクチュエータ150を制御することにより係合部152を回転させる(S18)。
【0052】
この際、着脱制御部44は、設定されたモードに対応する向きに係合部152を回転させる。具体的には、着脱制御部44は、火災感知器200を取り付ける第1モードに設定されている場合、右向きに係合部152を回転させる。着脱制御部44は、火災感知器200を取り外す第2モードに設定されている場合、左向きに係合部152を回転させる。着脱制御部44は、係合部152に火災感知器200が載置されていることを検出する重量センサ又は画像センサ(不図示)から出力された信号に基づいて、係合部152に火災感知器200が載置されていることを検出部42が検出した場合に第1モードであると判定し、係合部152に火災感知器200が載置されていないことを検出部42が検出した場合に第2モードであると判定してもよい。
【0053】
着脱制御部44は、回転角度が所定の角度値に達していない間(S19においてNO)、係合部152を回転させ続ける。着脱制御部44は、回転角度が所定の角度値に達したと判定した場合(S19においてYES)、結合部142を外側に移動させる(S20)。その後、結合部142が初期位置に戻ったと着脱制御部44が判定すると(S21においてYES)、飛行制御部43は所定の位置(例えば床面)まで下降するように揚力発生部20を制御する(S22)。結合部142が初期位置に戻っていないと着脱制御部44が判定すると(S21においてNO)、着脱制御部44はS20の処理を繰り返す。
【0054】
[第1変形例]
着脱装置100の構成は、各種の代替手段により実現することができる。
図9は、着脱機構部14の変形例を示す図である。
図9は、
図4における結合部142、接触部材143、棒状部材144及びアーム145の代わりに、それぞれ2つの結合部161が設けられた構成を示している。
【0055】
結合部161-1及び結合部161-2は、駆動部163により左右方向に移動可能に構成されており、結合部161-1及び結合部161-2それぞれの感知器ベース250に接する側の端部には接触部材162が設けられている。接触部材162は、
図4における接触部材143と同等の機能を有しており、感知器ベース250の素材よりも摩擦係数が大きい素材(例えばゴム)により構成されている。駆動部163は、例えばリニアモータである。
【0056】
図9(a)は、接触部材162が感知器ベース250に接していない初期状態における結合部161-1及び結合部161-2の位置を示している。
図9(b)は、接触部材162が感知器ベース250に接している状態における結合部161-1及び結合部161-2の位置を示している。
図9に示すような構造によっても、着脱装置100は、感知器ベース250に結合した状態で火災感知器200を着脱することができる。
【0057】
[第2変形例]
着脱装置100は、飛行体以外の形態でも実現することができる。
図10は、着脱装置400の構成を模式的に示す図である。着脱装置400は、収容部401と、棒状部材402と、を有している。棒状部材402は、着脱装置の位置をユーザが移動させるための持ち手となる棒状部材である。ユーザUが棒状部材402を持って収容部401を感知器ベース250が設置された位置に近づけることにより、収容部401は火災感知器200を着脱することができる。
【0058】
収容部401は、感知器ベース250を覆うことができる形状を有しており、内部には
図6及び
図9に示したような機構部が設けられている。一例として、収容部401が
図4に示した機構部を有する場合、ユーザUが、収容部401が感知器ベース250を覆った状態で収容部401の上端を天井Cに接触させると、複数の結合部142が感知器ベース250に結合する。その後、回転部151が係合部152を回転させることにより、火災感知器200を着脱することができる。
【0059】
一例として、収容部401は、天井Cに接触したことを検出するセンサを有しており、収容部401の上端が天井Cに接触したことを当該センサが検出した場合に火災感知器200を着脱する動作を開始する。棒状部材402がユーザUの操作を受け付ける操作部を有しており、火災感知器200を着脱するための操作をユーザUが行ったことに応じて、収容部401が火災感知器200を着脱する動作を開始してもよい。
【0060】
図11は、着脱装置400の機能構成を示すブロック図である。着脱装置400における着脱機構部14は、着脱装置100と同様に、着脱制御部44の制御により火災感知器200を着脱するように動作する。
【0061】
[本実施の形態に係る着脱装置による効果]
以上説明したように、着脱装置100及び着脱装置400は、火災感知器200を覆った状態で火災感知器200と係合する係合部152と、火災感知器200を感知器ベース250に結合する結合部142と、係合部152が火災感知器200と係合するとともに、結合部142が感知器ベース250に結合した状態で、係合部152を回転させる回転部151と、を有する。着脱装置100及び着脱装置400がこのような構成を有することで、火災感知器200に着脱用の永久磁石が設けられていないとしても、火災感知器200を感知器ベース250に取り付けたり、火災感知器200を感知器ベース250から取り外したりすることができる。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0063】
10 筐体
13 状態検出部
14 着脱機構部
20 揚力発生部
30 フレーム
40 制御部
41 全体制御部
42 検出部
43 飛行制御部
44 着脱制御部
45 メモリ
50 電源部
60 床面センサ
70 ランディングギア
80 通信部
100 着脱装置
131 カメラ
132 位置センサ
133 駆動力センサ
140 保持アームアクチュエータ
142 結合部
143 接触部材
144 棒状部材
145 アーム
146 緩衝部材
150 カップアクチュエータ
151 回転部
152 係合部
153 爪
161 結合部
162 接触部材
163 駆動部
200 火災感知器
250 感知器ベース
300 操作端末
400 着脱装置
401 収容部
402 棒状部材