(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107645
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】支払業務支援装置、支払業務支援方法および支払業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/14 20120101AFI20240802BHJP
【FI】
G06Q20/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011673
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 尚志
(72)【発明者】
【氏名】安田 凌大
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA33
5L055AA33
(57)【要約】
【課題】支払方法確定処理および支払決済入力処理を自動で行うことで支払業務を支援できる支払業務支援装置等の提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)支払予定レコード中の支払方法が決済自動対象マスタに存在し、支払予定レコード中の支払元および支払先の組合せが支払方法確定自動実行マスタに存在し、支払予定レコード中の支払依頼番号が採番されており、支払予定レコード中の支払通知番号が採番されていない支払予定レコードを対象として支払方法確定処理を実行し、(2)支払予定レコード中の支払方法が決済自動対象マスタに存在し、支払予定レコード中の支払元および支払先の組合せが決済自動実行マスタに存在し、支払予定レコード中の支払通知番号が採番されており、支払予定レコード中の支払済フラグが、支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグである支払予定レコードを対象として支払決済入力処理を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支払方法を確定する処理である支払方法確定処理およびこれに続く支払決済に関する入力の処理である支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える支払業務支援装置であって、
前記記憶部には、
前記支払方法確定処理および前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払方法を設定するためのマスタであり、支払方法を識別するための支払方法識別データを含む支払方法マスタと、
前記支払方法確定処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元を識別するための支払元識別データと支払先を識別するための支払先識別データとを含む支払方法確定マスタと、
前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元識別データと支払先識別データとを含む支払決済入力マスタと、
が格納されており、
前記制御部は、
支払予定金額と、支払方法識別データと、支払元識別データと、支払先識別データと、前記支払予定金額のチェックが済んでいる場合に採番される番号である支払依頼番号と、前記支払方法確定処理が完了している場合に採番される番号である支払通知番号と、前記支払決済入力処理が完了しているか否かを識別するためのフラグである支払済フラグと、を有する支払予定レコードを含む支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払方法確定マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払依頼番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されていないという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払方法確定処理を実行する支払方法確定処理実行手段と、
前記支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払決済入力マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払済フラグが、前記支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグであるという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払決済入力処理を実行する支払決済入力処理実行手段と、
を備えること、
を特徴とする支払業務支援装置。
【請求項2】
前記記憶部には、
仕訳データに連携する処理である仕訳データ連携処理の自動化の対象となるデータの区分を設定するためのマスタであり、データ区分を含むデータ区分マスタと、
前記仕訳データ連携処理の自動化の対象となる支払元を設定するためのマスタであり、支払元識別データを含む仕訳データ連携マスタと、
が更に格納されており、
前記支払決済入力処理実行手段は、
前記支払決済入力処理の対象とした前記支払予定レコードに基づいて、支払用のデータであることを意味する前記データ区分である支払用データ区分と、前記支払元識別データと、を有する支払レコードを含む支払データを生成し、
前記制御部は、
前記支払データを参照して、前記支払レコード中の前記支払用データ区分が前記データ区分マスタに設定されており、前記支払レコード中の前記支払元識別データが前記仕訳データ連携マスタに存在する前記支払レコードを対象として前記仕訳データ連携処理を実行する仕訳データ連携処理実行手段を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の支払業務支援装置。
【請求項3】
前記支払方法識別データが、売掛金を使った相殺による支払であることを意味するデータ、または、口座引落しによる支払であることを意味するデータであること、
を特徴とする請求項1または2に記載の支払業務支援装置。
【請求項4】
支払方法を確定する処理である支払方法確定処理およびこれに続く支払決済に関する入力の処理である支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される支払業務支援方法であって、
前記記憶部には、
前記支払方法確定処理および前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払方法を設定するためのマスタであり、支払方法を識別するための支払方法識別データを含む支払方法マスタと、
前記支払方法確定処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元を識別するための支払元識別データと支払先を識別するための支払先識別データとを含む支払方法確定マスタと、
前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元識別データと支払先識別データとを含む支払決済入力マスタと、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
支払予定金額と、支払方法識別データと、支払元識別データと、支払先識別データと、前記支払予定金額のチェックが済んでいる場合に採番される番号である支払依頼番号と、前記支払方法確定処理が完了している場合に採番される番号である支払通知番号と、前記支払決済入力処理が完了しているか否かを識別するためのフラグである支払済フラグと、を有する支払予定レコードを含む支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払方法確定マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払依頼番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されていないという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払方法確定処理を実行する支払方法確定処理実行ステップと、
前記支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払決済入力マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払済フラグが、前記支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグであるという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払決済入力処理を実行する支払決済入力処理実行ステップと、
を含むこと、
を特徴とする支払業務支援方法。
【請求項5】
支払方法を確定する処理である支払方法確定処理およびこれに続く支払決済に関する入力の処理である支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための支払業務支援プログラムであって、
前記記憶部には、
前記支払方法確定処理および前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払方法を設定するためのマスタであり、支払方法を識別するための支払方法識別データを含む支払方法マスタと、
前記支払方法確定処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元を識別するための支払元識別データと支払先を識別するための支払先識別データとを含む支払方法確定マスタと、
前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元識別データと支払先識別データとを含む支払決済入力マスタと、
が格納されており、
前記制御部に実行させるための、
支払予定金額と、支払方法識別データと、支払元識別データと、支払先識別データと、前記支払予定金額のチェックが済んでいる場合に採番される番号である支払依頼番号と、前記支払方法確定処理が完了している場合に採番される番号である支払通知番号と、前記支払決済入力処理が完了しているか否かを識別するためのフラグである支払済フラグと、を有する支払予定レコードを含む支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払方法確定マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払依頼番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されていないという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払方法確定処理を実行する支払方法確定処理実行ステップと、
前記支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払決済入力マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払済フラグが、前記支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグであるという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払決済入力処理を実行する支払決済入力処理実行ステップと、
を含むこと、
を特徴とする支払業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支払業務支援装置、支払業務支援方法および支払業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、売掛債権を口座間で決済する際に、電子記録債権にかかる決済明細データを利用することによって、債権者の預金口座への速やかな入金処理を可能にする口座間決済処理装置及び口座間決済の処理方法が開示されている(特許文献1の0007段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のような決済の分野においては、振込ではなく、口座引落しや売掛相殺等の支払方法を用いて支払を行う場合がある。この場合、支払業務としては、支払方法を確定する処理である支払方法確定処理およびこれに続く支払決済に関する入力の処理である支払決済入力処理という2つの処理を機械的に実施するだけである。
【0005】
しかしながら、通常、支払業務は特定の担当者が行うため、当該特定の担当者がいない場合には前記2つの処理が滞ってしまうという問題があった。また、当該特定の担当者のみが前記2つの処理を行うと、セキュリティ面での課題が生じるという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、支払方法確定処理および支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができる支払業務支援装置、支払業務支援方法および支払業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る支払業務支援装置は、支払方法を確定する処理である支払方法確定処理およびこれに続く支払決済に関する入力の処理である支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える支払業務支援装置であって、前記記憶部には、前記支払方法確定処理および前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払方法を設定するためのマスタであり、支払方法を識別するための支払方法識別データを含む支払方法マスタと、前記支払方法確定処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元を識別するための支払元識別データと支払先を識別するための支払先識別データとを含む支払方法確定マスタと、前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元識別データと支払先識別データとを含む支払決済入力マスタと、が格納されており、前記制御部が、支払予定金額と、支払方法識別データと、支払元識別データと、支払先識別データと、前記支払予定金額のチェックが済んでいる場合に採番される番号である支払依頼番号と、前記支払方法確定処理が完了している場合に採番される番号である支払通知番号と、前記支払決済入力処理が完了しているか否かを識別するためのフラグである支払済フラグと、を有する支払予定レコードを含む支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払方法確定マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払依頼番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されていないという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払方法確定処理を実行する支払方法確定処理実行手段と、前記支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払決済入力マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払済フラグが、前記支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグであるという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払決済入力処理を実行する支払決済入力処理実行手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る支払業務支援装置は、前記記憶部には、仕訳データに連携する処理である仕訳データ連携処理の自動化の対象となるデータの区分を設定するためのマスタであり、データ区分を含むデータ区分マスタと、前記仕訳データ連携処理の自動化の対象となる支払元を設定するためのマスタであり、支払元識別データを含む仕訳データ連携マスタと、が更に格納されており、前記支払決済入力処理実行手段が、前記支払決済入力処理の対象とした前記支払予定レコードに基づいて、支払用のデータであることを意味する前記データ区分である支払用データ区分と、前記支払元識別データと、を有する支払レコードを含む支払データを生成し、前記制御部が、前記支払データを参照して、前記支払レコード中の前記支払用データ区分が前記データ区分マスタに設定されており、前記支払レコード中の前記支払元識別データが前記仕訳データ連携マスタに存在する前記支払レコードを対象として前記仕訳データ連携処理を実行する仕訳データ連携処理実行手段を更に備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る支払業務支援装置は、前記支払方法識別データが、売掛金を使った相殺による支払であることを意味するデータ、または、口座引落しによる支払であることを意味するデータであること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る支払業務支援方法は、支払方法を確定する処理である支払方法確定処理およびこれに続く支払決済に関する入力の処理である支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される支払業務支援方法であって、前記記憶部には、前記支払方法確定処理および前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払方法を設定するためのマスタであり、支払方法を識別するための支払方法識別データを含む支払方法マスタと、前記支払方法確定処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元を識別するための支払元識別データと支払先を識別するための支払先識別データとを含む支払方法確定マスタと、前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元識別データと支払先識別データとを含む支払決済入力マスタと、が格納されており、前記制御部で実行される、支払予定金額と、支払方法識別データと、支払元識別データと、支払先識別データと、前記支払予定金額のチェックが済んでいる場合に採番される番号である支払依頼番号と、前記支払方法確定処理が完了している場合に採番される番号である支払通知番号と、前記支払決済入力処理が完了しているか否かを識別するためのフラグである支払済フラグと、を有する支払予定レコードを含む支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払方法確定マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払依頼番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されていないという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払方法確定処理を実行する支払方法確定処理実行ステップと、前記支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払決済入力マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払済フラグが、前記支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグであるという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払決済入力処理を実行する支払決済入力処理実行ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る支払業務支援プログラムは、支払方法を確定する処理である支払方法確定処理およびこれに続く支払決済に関する入力の処理である支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための支払業務支援プログラムであって、前記記憶部には、前記支払方法確定処理および前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払方法を設定するためのマスタであり、支払方法を識別するための支払方法識別データを含む支払方法マスタと、前記支払方法確定処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元を識別するための支払元識別データと支払先を識別するための支払先識別データとを含む支払方法確定マスタと、前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタであり、支払元識別データと支払先識別データとを含む支払決済入力マスタと、が格納されており、前記制御部に実行させるための、支払予定金額と、支払方法識別データと、支払元識別データと、支払先識別データと、前記支払予定金額のチェックが済んでいる場合に採番される番号である支払依頼番号と、前記支払方法確定処理が完了している場合に採番される番号である支払通知番号と、前記支払決済入力処理が完了しているか否かを識別するためのフラグである支払済フラグと、を有する支払予定レコードを含む支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払方法確定マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払依頼番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されていないという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払方法確定処理を実行する支払方法確定処理実行ステップと、前記支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払決済入力マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払済フラグが、前記支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグであるという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払決済入力処理を実行する支払決済入力処理実行ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、支払方法確定処理および支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、支払業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、従来における業務フローおよび本実施形態における業務フローの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、支払方法確定処理に用いるマスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、支払方法確定処理の実行前におけるデータの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、支払方法確定処理の実行時におけるデータの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、支払方法確定処理の実行後におけるデータの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、支払決済入力処理に用いるマスタの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、支払決済入力処理の実行前におけるデータの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、支払決済入力処理の実行時におけるデータの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、支払決済入力処理の実行後におけるデータの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、仕訳データ連携処理に用いるマスタの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、仕訳データ連携処理の実行時におけるデータの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、仕訳データ連携処理の実行後におけるデータの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、仕訳生成に用いることができるマスタの一例を示す図である。
【
図16】
図16は、仕訳生成に用いることができるマスタの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る支払業務支援装置、支払業務支援方法および支払業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
口座引落しや売掛相殺等の支払方法の場合、振込等と同様に、支払全般の処理を日々行っている。しかしながら、口座引落しや売掛相殺等の支払方法の場合、事前に支払金額のチェックは行っており後は引落し日を待つだけにもかかわらず、日々の処理が発生しており、効率性に欠けるという問題があった。
【0016】
また、従来においては、特定の担当者が決済業務を実施していたため、当該担当者の休暇や不在時には、決済が滞ってしまうという問題もあった。そして、特定の担当者が決済業務を行うと、セキュリティ面が甘くなってしまうという問題もあった。
【0017】
そこで、本実施形態においては、例えば、実際の出金業務を行わない業務(例えば、口座引落しや売掛相殺等)については、決済を自動で行えるようにした。具体的には、支払金額のチェックが終わっており、後は支払業務(支払方法確定処理や支払決済入力処理)を機械的に実施するだけという場合に、当該支払業務を自動で実施できるようにした。
【0018】
これにより、例えば、以下の(1)~(4)の効果を奏する。
(1)決済業務にかかるコストを低減することに成功した。また、債務残管理を効率よく行えるようになった。
(2)特定の管理者が決済業務を実施するところを自動化することで、決済が滞ることを防ぐことができるようになり、また、業務のセキュリティが向上した。
(3)決済を自動化することで、その後の会計仕訳伝票作成処理も自動化することができるため、翌朝には会計数字を確認することができるようになった。
(4)決済後の会計仕訳連携の自動化により、コストの低減および省力化に成功した。
【0019】
ここで、従来における業務フローと本実施形態における業務フローを対比して説明する。
図2に示すように、支払方法確定処理、支払決済入力処理および仕訳データ連携処理を、従来においては手動で行っていたのに対して、本実施形態においては自動で行うことができる。
【0020】
特に、支払決済入力処理についてみた場合、本実施形態においては、支払方法確定処理済の支払予定データを対象に、支払決済入力の処理を自動で実行することができる(支払締処理で作成した支払予定データまたは支払方法変更処理により調整した支払予定データを元に決済を実施することができる)。なお、本実施形態においては、複数支払先についての支払処理を一括で実施することも可能である。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る支払業務支援装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、支払業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
支払業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、支払業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
支払業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。支払業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、支払業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、支払業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0027】
記憶部106は、例えば、支払方法マスタとしての決済自動対象マスタ106aと、支払方法確定マスタとしての支払方法確定自動実行マスタ106bと、支払決済入力マスタとしての決済自動実行マスタ106cと、データ区分マスタとしての仕訳自動対象マスタ106dと、仕訳データ連携マスタとしての仕訳自動実行マスタ106eと、ユーザ取引区分別科目マスタ106fと、支払予定データ106gと、支払通知データ106hと、支払データ106iと、仕訳明細データ106jと、を備えている。
【0028】
ここで、本実施形態に係る支払業務支援装置100によれば、支払方法を確定する処理である支払方法確定処理およびこれに続く支払決済に関する入力の処理である支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができる。
【0029】
決済自動対象マスタ106aは、前記支払方法確定処理および前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払方法を設定するためのマスタ(言い換えると、前記支払方法確定処理および前記支払決済入力処理を自動実行する対象となる支払方法を登録するためのマスタ)である。決済自動対象マスタ106aは、
図3および
図7に示すように、例えば、支払方法を識別するための支払方法識別データ(支払方法CDおよび支払方法名)等を含む。前記支払方法識別データの種類としては、
図3および
図7に示すように、例えば、売掛金を使った相殺による支払であることを意味するデータ(支払方法CD:2005、支払方法名:売掛相殺)、および、口座引落しによる支払であることを意味するデータ(支払方法CD:2011、支払方法名:口座引落し)等が挙げられる。
【0030】
支払方法確定自動実行マスタ106bは、前記支払方法確定処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタ(言い換えると、前記支払方法確定処理を自動実行する対象の範囲を指定して登録するためのマスタ)である。支払方法確定自動実行マスタ106bは、
図3に示すように、例えば、対象プログラムIDと、支払元を識別するための支払元識別データ(支払事業所)と、支払先を識別するための支払先識別データ(出金支払先)と、等を含む。
【0031】
決済自動実行マスタ106cは、前記支払決済入力処理の自動化の対象となる支払元および支払先を設定するためのマスタ(言い換えると、前記支払決済入力処理を自動実行する対象の範囲を指定して登録するためのマスタ)である。決済自動実行マスタ106cは、
図7に示すように、例えば、前記対象プログラムIDと、前記支払元識別データ(支払事業所および支払部門)と、前記支払先識別データ(出金支払先)と、後述する支払通知番号と、等を含む。
【0032】
仕訳自動対象マスタ106dは、仕訳データに連携する処理である仕訳データ連携処理の自動化の対象となるデータの区分を設定するためのマスタ(言い換えると、前記仕訳データ連携処理を自動実行する対象となるデータ区分を登録するためのマスタ)である。仕訳自動対象マスタ106dは、
図11に示すように、例えば、データ区分(データ区分およびデータ区分名)等を含む。
【0033】
仕訳自動実行マスタ106eは、前記仕訳データ連携処理の自動化の対象となる支払元を設定するためのマスタ(言い換えると、前記仕訳データ連携処理を自動実行する対象の範囲を指定して登録するためのマスタ)である。仕訳自動実行マスタ106eは、
図11に示すように、例えば、前記対象プログラムIDと、前記支払元識別データ(事業所)と、等を含む。
【0034】
ユーザ取引区分別科目マスタ106fは、仕訳明細データ106jの生成に必要な科目の情報を設定するためのマスタである。ユーザ取引区分別科目マスタ106fは、
図12に示すように、例えば、前記データ区分と、前記支払方法識別データに対応するシステム上の取引区分であるシステム取引区分と、総勘定科目と、補助科目と、補助内訳科目と、等を含む。
【0035】
支払予定データ106gは、
図4等に示すように、例えば、伝票番号と、行番号と、支払区分と、取引区分と、前記支払方法識別データ(支払方法)と、支払予定日と、前記支払元識別データ(事業所および部門)と、前記支払先識別データ(出金支払先)と、支払予定金額と、前記支払予定金額のチェックが済んでいる場合に採番される番号である支払依頼番号と、前記支払確定処理が完了している場合に採番される番号である支払通知番号と、債務科目と、前記支払決済入力処理が完了しているか否かを識別するためのフラグである支払済フラグと、等を有する支払予定レコードを含む。前記支払済フラグは、前記支払決済入力処理が既に完了したことを示すフラグ(「1」のフラグ)または前記支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグ(「0」のフラグ)である。
【0036】
支払通知データ106hは、
図6等に示すように、例えば、前記支払元識別データ(事業所)と、前記支払先識別データ(出金支払先)と、前記支払通知番号と、仕入本体金額と、仕入消費税額と、出金支払先に関する情報(出金支払先の郵便番号、住所、TEL、FAX、担当者名)と、等を有する支払通知レコードを含む。
【0037】
支払データ106iは、
図10等に示すように、例えば、支払用のデータであることを意味する前記データ区分である支払用データ区分(「90:支払」のデータ区分)と、会計年月と、支払番号と、前記システム取引区分と、支払日と、前記支払元識別データ(事業所および部門)と、前記支払先識別データ(出金支払先)と、支払金額と、消費税額と、支払消込済金額と、前記債務科目と、消込完了区分(消込完了)と、摘要と、等を有する支払レコードを含む。
【0038】
仕訳明細データ106jは、
図13に示すように、例えば、伝票番号と、発生日と、前記支払元識別データ(事業所および部門)と、借方総勘定科目と、借方金額と、借方税額と、貸方総勘定科目と、貸方金額と、貸方税額と、摘要と、等を有する仕訳明細レコードを含む。
【0039】
制御部102は、支払業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0040】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)支払予定金額と、支払方法識別データと、支払元識別データと、支払先識別データと、前記支払予定金額のチェックが済んでいる場合に採番される番号である支払依頼番号と、前記支払方法確定処理が完了している場合に採番される番号である支払通知番号と、前記支払決済入力処理が完了しているか否かを識別するためのフラグである支払済フラグと、を有する支払予定レコードを含む支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払方法確定マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払依頼番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されていないという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払方法確定処理を実行する支払方法確定処理実行手段としての支払方法確定処理実行部102aと、(2)前記支払予定データを参照して、前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データが前記支払方法マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払元識別データおよび前記支払先識別データの組合せが前記支払決済入力マスタに存在し、前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されており、前記支払予定レコード中の前記支払済フラグが、前記支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグであるという条件を満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払決済入力処理を実行する支払決済入力処理実行手段としての支払決済入力処理実行部102bと、(3)前記支払データを参照して、前記支払レコード中の前記支払用データ区分が前記データ区分マスタに設定されており、前記支払レコード中の前記支払元識別データが前記仕訳データ連携マスタに存在する前記支払レコードを対象として前記仕訳データ連携処理を実行する仕訳データ連携処理実行手段としての仕訳データ連携処理実行部102cと、を備えている。
【0041】
支払方法確定処理実行部102aは、支払予定データ106gを参照して、以下の条件以下の(1)~(4)の条件すべてを満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払方法確定処理を実行する(
図3~
図6参照)。
(1)前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データ(支払方法)が決済自動対象マスタ106aに存在する。
(2)前記支払予定レコード中の前記支払元識別データ(事業所)および前記支払先識別データ(出金支払先)の組合せが支払方法確定自動実行マスタ106bに存在する。
(3)前記支払予定レコード中の前記支払依頼番号が採番されている。
(4)前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されていない。
【0042】
支払決済入力処理実行部102bは、支払予定データ106gを参照して、以下の条件以下の(1)~(4)の条件すべてを満たす前記支払予定レコードを対象として前記支払決済入力処理を実行する(
図7~
図10参照)。
(1)前記支払予定レコード中の前記支払方法識別データ(支払方法)が決済自動対象マスタ106aに存在する。
(2)前記支払予定レコード中の前記支払元識別データ(事業所と部門)および前記支払先識別データ(出金支払先)の組合せが決済自動実行マスタ106cに存在する。
(3)前記支払予定レコード中の前記支払通知番号が採番されている。
(4)前記支払予定レコード中の前記支払済フラグが、前記支払決済入力処理がまだ完了していないことを示すフラグ(「0」のフラグ)である。
【0043】
支払決済入力処理実行部102bは、前記支払決済入力処理の対象とした前記支払予定レコードに基づいて、前記支払用データ区分(「90:支払」のデータ区分)と、前記支払元識別データ(事業所)と、を有する支払レコードを含む支払データ106iを生成してもよい(
図10参照)。
【0044】
仕訳データ連携処理実行部102cは、支払データ106iを参照して、以下の(1)および(2)の条件の両方を満たす前記支払レコードを対象として前記仕訳データ連携処理を実行する(
図11~
図13参照)。
(1)前記支払レコード中の前記支払用データ区分(「90:支払」のデータ区分)が仕訳自動対象マスタ106dに設定されている。
(2)前記支払レコード中の前記支払元識別データ(事業所)が仕訳自動実行マスタ106eに存在する。
【0045】
[3.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例について説明する。本項目では、[3-1]において支払方法確定処理の具体例について説明し、[3-2]において支払決済入力処理の具体例について説明し、[3-3]において仕訳データ連携処理の具体例について説明する。
【0046】
[3-1.支払方法確定処理]
支払方法確定処理では、当日までの支払予定日を対象に支払方法確定の処理を自動実行することで、支払決済入力処理の対象データを生成する。なお、本項目では、決済自動対象マスタ106aおよび支払方法確定自動実行マスタ106bは、
図3に示す内容で予め登録されているものとする。
【0047】
まず、支払方法確定処理の実行前の支払予定データ106gが、
図4に示すように用意される。
図4に示すように、支払予定金額のチェックが終わっている場合には、支払予定データ106gに支払依頼番号がセットされる。
【0048】
次に、支払方法確定処理が実行される。具体的には、支払方法確定処理実行部102aは、以下の(1)~(4)の条件すべてを満たす支払予定レコードを、支払方法確定処理の対象となるレコードとして特定する。
(1)支払予定レコード中の支払方法が、
図3の決済自動対象マスタ106aに存在する。
(2)支払予定レコード中の事業所および出金支払先の組合せが、
図3の支払方法確定自動実行マスタ106bに存在する。
(3)支払予定レコード中の支払依頼番号≠NULLである(つまり、支払予定金額のチェックが既に済んでいる)。
(4)支払予定レコード中の支払通知番号=NULLである(つまり、支払方法確定処理がまだ完了していない)。
【0049】
図5に示すように、支払予定データ106g中の2つの支払予定レコードは、共に、前記(1)~(4)の条件すべてを満たすため、支払方法確定処理実行部102aは、当該2つの支払予定レコードを、支払方法確定処理の対象となるレコードとして特定する。
【0050】
そして、支払方法確定処理実行部102aは、当該特定した2つの支払予定レコードに対しての支払方法確定処理を実行すると、
図6に示すように、当該特定した2つの支払予定レコードに対して支払通知番号を採番する。
【0051】
最後に、支払方法確定処理実行部102aは、支払通知番号が採番された
図6の支払予定データ106gに基づいて、
図6に示すように、支払通知データ106hを生成する。
【0052】
[3-2.支払決済入力処理]
支払決済入力処理では、支払方法確定処理が実施された支払予定データ106gを対象に支払決済入力の処理を自動実行することで、仕訳データ連携処理の対象データを生成する。なお、本項目では、決済自動対象マスタ106aおよび決済自動実行マスタ106cは、
図7に示す内容で予め登録されているものとする。
【0053】
まず、支払決済入力処理の実行前の支払予定データ106gが、
図8に示すように用意される。この支払予定データ106g中の支払予定レコードは、[3-1]の支払方法確定処理の対象となったレコードであるため、
図8に示すように、支払通知番号を有する。
【0054】
次に、支払決済入力処理が実行される。具体的には、支払決済入力処理実行部102bは、以下の(1)~(4)の条件すべてを満たす支払予定レコードを、支払決済入力処理の対象となるレコードとして特定する。
(1)支払予定レコード中の支払方法が、
図7の決済自動対象マスタ106aに存在する。
(2)支払予定レコード中の事業所、部門および出金支払先の組合せが、
図7の決済自動実行マスタ106cに存在する。
(3)支払予定レコード中の支払通知番号≠NULLである(つまり、支払方法確定処理が既に完了している)。
(4)支払予定レコード中の支払済フラグ=「0」である(つまり、支払決済入力処理がまだ完了していない)。
【0055】
図9に示すように、支払予定データ106g中の2つの支払予定レコードは、共に、前記(1)~(4)の条件すべてを満たすため、支払決済入力処理実行部102bは、当該2つの支払予定レコードを、支払決済入力処理の対象となるレコードとして特定する。
【0056】
そして、支払決済入力処理実行部102bは、当該特定した2つの支払予定レコードに対しての支払決済入力処理を実行すると、図示はしないが、当該特定した2つの支払予定レコードにおける支払済フラグを「0」から「1」に更新する。
【0057】
最後に、支払決済入力処理実行部102bは、支払済フラグが更新された支払予定データ106gに基づいて、
図10に示すように、支払データ106iを生成する。支払データ106iは、支払用のデータであるため、データ区分は、
図10に示すとおり「90:支払」となる。また、支払データ106i中のシステム取引区分は、支払予定データ106g中の支払方法を引き継いだものである。
【0058】
[3-3.仕訳データ連携処理]
仕訳データ連携処理では、当日までの対象期間を対象に仕訳データ連携の処理を自動実行することで、仕訳明細データ106jを生成する。伝票計上日は当日とする。また、支払決済入力処理により生成された支払データ106iに基づいて会計仕訳伝票が生成されるものとする。なお、本項目では、仕訳自動対象マスタ106dおよび仕訳自動実行マスタ106eは、
図11に示す内容で予め登録されているものとする。
【0059】
まず、仕訳データ連携処理の実行前の支払データ106iが用意される。
【0060】
次に、仕訳データ連携処理が実行される。具体的には、仕訳データ連携処理実行部102cは、以下の(1)および(2)の条件の両方を満たす支払レコードを、仕訳データ連携処理の対象となるレコードとして特定する。
(1)支払レコード中のデータ区分「90:支払」が、
図11の仕訳自動対象マスタ106dに設定されている。
(2)支払レコード中の事業所が、
図11の仕訳自動実行マスタ106eに存在する。
【0061】
図12に示すように、支払データ106i中の2つの支払レコードは、共に、前記(1)および(2)の条件を満たすため、仕訳データ連携処理実行部102cは、当該2つの支払レコードを、仕訳データ連携処理の対象となるレコードとして特定する。
【0062】
最後に、仕訳データ連携処理実行部102cは、
図12に示す予め設定されたユーザ取引区分別科目マスタ106fおよび前記特定した2つの支払レコードに基づいて、
図13に示すように、仕訳明細データ106jを生成する。
【0063】
仕訳明細データ106jにおける借方総勘定科目は、支払レコード中の債務科目をそのまま引き継いだものである。
【0064】
一方で、仕訳明細データ106jにおける貸方総勘定科目は、
図12のユーザ取引区分別科目マスタ106fから仕訳データ連携処理実行部102cが取得したものである。例えば、仕訳データ連携処理実行部102cは、
図12のユーザ取引区分別科目マスタ106fから、
図12の支払データ106i中の上の支払レコードにおけるデータ区分「90:支払」およびシステム取引区分「5:相殺」と紐付く総勘定科目として「1130:売掛金」を取得し、当該取得した総勘定科目「1130:売掛金」を仕訳明細データ106jにおける貸方総勘定科目とする。
【0065】
なお、本例では、支払データ106iに基づいて仕訳明細データ106jを生成する例について説明したが、支払予定データ106gに基づいて仕訳明細データ106jを生成してもよい。
【0066】
生成される仕訳の例を
図14に示す。また、仕訳生成に用いることができるマスタを、
図15および
図16に示す。
【0067】
[4.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る支払業務支援装置100によれば、[3-1]および[3-2]で説明したように、支払方法確定処理および支払決済入力処理を自動で行うことにより支払業務を支援することができる。これにより、例えば、特定の担当者がいなくてもこれら2つの処理を行うことができるようになるため、業務が滞ることがなくなる。
【0068】
また、本実施形態に係る支払業務支援装置100によれば、[3-3]で説明したように、仕訳連携まで自動で行うことができる。これにより、例えば、仕訳の作成に従来要していたコストを削減することができる。
【0069】
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0072】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0073】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0074】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0075】
また、支払業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0076】
例えば、支払業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて支払業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0077】
また、このコンピュータプログラムは、支払業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0078】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0079】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0080】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0081】
また、支払業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、支払業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0082】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、例えば、支払決済業務が実施されるあらゆる業界および業種において有用であるが、特に、支払決済業務が多いと言われるメーカー商社等においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0084】
100 支払業務支援装置
102 制御部
102a 支払方法確定処理実行部
102b 支払決済入力処理実行部
102c 仕訳データ連携処理実行部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 決済自動対象マスタ
106b 支払方法確定自動実行マスタ
106c 決済自動実行マスタ
106d 仕訳自動対象マスタ
106e 仕訳自動実行マスタ
106f ユーザ取引区分別科目マスタ
106g 支払予定データ
106h 支払通知データ
106i 支払データ
106j 仕訳明細データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク