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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107647
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】製造支援システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011677
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 柊輝
(72)【発明者】
【氏名】岩井 義樹
【テーマコード(参考)】
3C100
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA57
3C100BB02
3C100BB05
3C100BB06
3C100BB12
3C100BB15
3C100BB39
3C100CC02
(57)【要約】
【課題】本発明の一態様に係るに製造支援システムよれば、作業効率を向上できる。
【解決手段】一又は複数の部品を含む製品の一連の製造工程で使用される複数の作業場端末と、前記作業場端末を管理する端末管理装置とを備え、前記作業場端末は、表示部を含み、前記端末管理装置は、表示制御部と、前記製品に関するドキュメントデータを管理するドキュメント管理部とを含み、前記ドキュメント管理部は、前記製品の一連の前記製造工程に係る工程別レイヤを前記製造工程毎に管理するように構成されており、前記表示制御部は、前記作業場端末の前記表示部に、前記製品の前記ドキュメントデータと、前記作業場端末を使用する前記製造工程に係る前記製品の前記工程別レイヤとを重ねて表示するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の部品を含む製品の一連の製造工程で使用される複数の作業場端末と、
前記作業場端末を管理する端末管理装置と
を備え、
前記作業場端末は、表示部を含み、
前記端末管理装置は、表示制御部と、前記製品に関するドキュメントデータを管理するドキュメント管理部とを含み、
前記ドキュメント管理部は、前記製品の一連の前記製造工程に係る工程別レイヤを前記製造工程毎に管理するように構成されており、
前記表示制御部は、前記作業場端末の前記表示部に、前記製品の前記ドキュメントデータと、前記作業場端末を使用する前記製造工程に係る前記製品の前記工程別レイヤとを重ねて表示するように構成されている
製造支援システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記作業場端末の前記表示部に、前記作業場端末を使用する前記製造工程に係る前記製品の前記工程別レイヤ以外の前記製品の前記工程別レイヤも前記製品の前記ドキュメントデータに重ねて表示可能に構成されている
請求項1に記載の製造支援システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記作業場端末の前記表示部に、前記ドキュメントデータと、複数の前記工程別レイヤとを重ねて表示可能に構成されており、
複数の前記工程別レイヤは、前記工程別レイヤ毎に表示状態と非表示状態とを切り替え可能に構成されている
請求項2に記載の製造支援システム。
【請求項4】
前記作業場端末は、前記作業場端末を使用する前記製造工程に係る前記工程別レイヤに対してのみ、情報を入力可能に構成されている
請求項1又は2に記載の製造支援システム。
【請求項5】
前記作業場端末は、前記工程別レイヤに対し、手動により情報を入力可能な入力部を備え、
前記工程別レイヤに入力される前記情報は、前記作業場端末毎に異なる色に設定されている
請求項1又は2に記載の製造支援システム。
【請求項6】
前記作業場端末は、前記作業場端末を使用する前記製造工程に係る前記工程別レイヤの数を追加可能に構成されている
請求項1又は2記載の製造支援システム。
【請求項7】
前記作業場端末は、ユニークな端末識別子を有し、
前記端末管理装置は、前記製造工程毎に、使用する前記作業場端末の前記端末識別子を紐づけて管理するように構成されている
請求項1又は2に記載の製造支援システム。
【請求項8】
前記作業場端末の前記表示部は、ドキュメント閲覧画面を表示可能に構成されており、
前記ドキュメント閲覧画面は、前記製品の前記ドキュメントデータと、前記製品の前記工程別レイヤとを重ねて表示するドキュメント表示領域と、前記工程別レイヤに情報を入力する際に使用可能な複数のツールを表示するツール表示領域とを含み、
前記ツール表示領域は、前記ツールの使用頻度に応じて前記ツールの配置が変化して表示されるように構成されている
請求項1又は2に記載の製造支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記述内容を含む透過的レイヤを複数重ねて画面に表示することにより、それらの複数のレイヤに記述された内容からなるドキュメントを画面表示するドキュメント編集装置がある(特許文献1等)。例えば、特許文献1に記載のドキュメント編集装置は、レイヤの追加によってドキュメントの記述内容を編集するものであり、ドキュメントに追加記述された内容について、そのレイヤが追加された時のドキュメントの状態を再現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3675244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、特許文献1に記載のドキュメント編集装置は、クライアントサーバシステムにより共有ドキュメントを共同して編集することができる。しかしながら、従来のドキュメント編集装置は、ユーザが自由に全てのレイヤを閲覧、編集できるため、例えば、あるユーザのクライアント装置に、そのユーザの作業とは関係のない情報を含んだレイヤが表示されたり、誤って他のユーザが編集したレイヤを上書きしたりするおそれがあり、そのような場合、作業効率が低下するという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、作業効率を向上できる製造支援システムである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る製造支援システムは、一又は複数の部品を含む製品の一連の製造工程で使用される複数の作業場端末と、前記作業場端末を管理する端末管理装置とを備え、前記作業場端末は、表示部を含み、前記端末管理装置は、表示制御部と、前記製品に関するドキュメントデータを管理するドキュメント管理部とを含み、前記ドキュメント管理部は、前記製品の一連の前記製造工程に係る工程別レイヤを前記製造工程毎に管理するように構成されており、前記表示制御部は、前記作業場端末の前記表示部に、前記製品の前記ドキュメントデータと、前記作業場端末を使用する前記製造工程に係る前記製品の前記工程別レイヤとを重ねて表示するように構成されている。
【0007】
本発明の一態様に係る製造支援システムによれば、作業場端末の表示部に製品のドキュメントデータと、その作業場端末を使用する製造工程に係る製品の工程別レイヤとを重ねて表示するため、作業効率を向上できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係るに製造支援システムよれば、作業効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る製造支援システムを示す概略図である。
図2図2は、本実施形態の作業管理装置を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本実施形態の作業場端末を示す機能ブロック図である。
図4図4は、本実施形態の紐づけ情報の一例を示す模式図である。
図5図5は、本実施形態のドキュメントデータ及び工程別レイヤを示す概略図である。
図6図6は、本実施形態の工程別レイヤの作成の一例を示す模式図である。
図7図7は、本実施形態のドキュメントデータ及び工程別レイヤの管理の一例を示す模式図である。
図8図8は、本実施形態のドキュメントデータ及び工程別レイヤの表示の一例を示す模式図である。
図9図9は、本実施形態のドキュメントデータ及び工程別レイヤの表示の一例を示す模式図である。
図10図10は、本実施形態のドキュメントデータ及び工程別レイヤの表示の一例を示す模式図である。
図11図11は、本実施形態のドキュメント選択画面の一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
図13図13は、本実施形態の塗装工程のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
図14図14は、本実施形態の塗装工程のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
図15図15は、本実施形態の検査工程のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
図16図16は、本実施形態の検査工程のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
図17図17は、本実施形態の塗装工程の工程追加画面の一例を示す図である。
図18図18は、本実施形態の塗装工程の工程追加画面の一例を示す図である。
図19図19は、本実施形態の塗装工程のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
[本実施形態に係る製造支援システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る製造支援システムを示す概略図である。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る製造支援システム1を概説する。本実施形態に係る製造支援システム1は、一又は複数の部品を含む製品の製造工程を管理する製造支援システムである。製造支援システム1は、概略的には、図1に示すように、一連の製造工程で使用される複数の作業場端末200と、作業場端末200を管理する端末管理装置として機能する作業管理装置100とを備える。また、製造支援システム1は、生産管理装置10と加工機70を備える。これらの装置は、相互に通信可能に接続されている。
【0012】
製品の一連の製造工程は、例えば、1枚の定尺の金属板(以下、本実施形態においてシート)を任意の形状に切り出すブランク加工を行うブランク工程や、ブランク工程後にシート上の仕掛り品を仕分ける仕分け工程、二次工程、組立工程、検査工程等の製品が完成するまでの各工程を含む。二次工程は、例えば、曲げ加工や、塗装、バリ取り等を含む。組立工程は、溶接や、ねじ止め等を含む。
【0013】
本実施形態において、製品は、工場内の全ての製造工程を経て、取引先に納品可能な状態の品であり、一又は複数の部品を含む。
【0014】
生産管理装置10、加工機70、作業管理装置100及び作業場端末200は、ローカルネットやイントラネット等のプライベートネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。無線通信により接続する場合、製造支援システム1は、一又は複数のアクセスポイントAPを更に備えてもよい。
【0015】
生産管理装置10は、受注情報と、製品情報と、製品及び部品の製造工程情報と、各工程の進捗情報との管理を行う。また、生産管理装置10は、製品の製作手配を行う。さらに、生産管理装置10は、製作手配をした製品及び部品に製造番号を発行する。またさらに、生産管理装置10は、製品の製作手配を行う際に、その製品に関する製作手配情報を作成する。生産管理装置10は、作成した製作手配情報を作業管理装置100に送信する。
【0016】
製作手配情報は、取引先情報、製品情報及び部品情報、後述するドキュメントデータ142等を含む。製品情報は、例えば、製品名、製品の生産納期、製品の加工予定日、製品の製造工程情報、製品の数量、製品の製造番号、材料に関する情報等を含む。また、部品情報は、例えば、部品名、部品の生産納期、部品の加工予定日、部品の製造工程情報、部品の数量、部品の製造番号、材料に関する情報等を含む。
【0017】
製造工程情報は、例えば、ブランク加工後の曲げ加工の工程や、バリ取り等を行う二次工程、溶接、ねじ止め、検査等の組み立て工程等の製品が完成するまでの工程を示す情報である。材料に関する情報は、例えば、材料の種類、板厚等である。
【0018】
図2は、本実施形態の作業管理装置を示す機能ブロック図である。
作業管理装置100は、デスクトップパソコン(desktop personal computer)やノートパソコン(laptop computer)、タブレット(tablet)端末等の電子計算機であり、図2に示すように、入力部110と、表示部120と、制御部130と、記憶部140とを含む。
【0019】
入力部110は、例えば、キーボード(Keyboard)、マウス(Mouse)、タッチパッド(Touchpad)、ジョイスティック(Joystick)等の入力機器により構成されており、入力部110を操作することにより、作業管理装置100において通常必要とされる情報入力の機能に加え、例えば、ドキュメントデータ142の選択や、工程別レイヤ144の編集等の操作をすることができる。このような構成を備えることにより、作業管理装置100は、入力部110を介して工程別レイヤ144に対し、手動により情報を入力できる。
【0020】
表示部120は、表示装置としてのディスプレイ(Display)を有しており、作業管理装置100において通常必要とされる画面表示の機能に加え、例えば、ドキュメント選択画面122やドキュメント閲覧画面124等を表示する。また、表示部120は、入力部110の機能を有するタッチパネル(Touch screen)で構成され得る。表示部120がタッチパネルで構成された場合は、ユーザは、例えば、表示部120を操作することにより、工程別レイヤ144への情報入力等が作業管理装置100に対して可能となる。
【0021】
なお、入力部110及び表示部120の構成は、上述した構成に限定されず、これら入力部110及び表示部120に代わり、同等の機能を有する構成であれば(例えば、遠隔から利用可能な表示手段や入力手段等)、これに限定されるものではない。
【0022】
ドキュメント選択画面122及びドキュメント閲覧画面124は、概略的には、作業場端末200の後述する表示部220に表示されるドキュメント選択画面222及びドキュメント閲覧画面224と同じであるため、説明を省略する。
【0023】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)を有する統合型演算処理装置により構成される。制御部130は、図2に示すように、表示制御部133と、製品に関するドキュメントデータ142を管理するドキュメント管理部135とを含む。また、制御部130は、作業管理部131と作業場端末管理部137を含む。
【0024】
作業管理部131は、生産管理装置10が作成した製作手配情報を個々の製造工程に関する情報毎に分割し、分割した複数の製作手配情報の製造工程に関する情報を作業グループに組分けするように構成されている。また、作業管理部131は、作業グループ単位で複数の製作手配情報を管理するように構成されている。作業グループは、1つの製作手配情報の製造工程に関する情報を含んでもよいし、複数の製作手配情報の製造工程に関する情報を含んでもよい。
【0025】
ドキュメント管理部135は、作業管理部131が組分けした作業グループと、その作業グループに含まれる製造工程に関する情報に係る製品に関するドキュメントデータ142とを紐づけて管理するように構成されている。またドキュメント管理部135は、製品の一連の製造工程に係る工程別レイヤ144を製造工程毎に管理するように構成されている。
【0026】
図5は、本実施形態のドキュメントデータ及び工程別レイヤを示す概略図である。
本実施形態において、ドキュメントデータ142は、例えば、図面データや、PDF等の文書ファイルである。図面データは、部品の形状等が分かる設計データであり、例えば、部品のCAD(コンピュータ支援設計:computer-aided design)データである。また、工程別レイヤ144は、透過性を有するレイヤデータである。ドキュメント管理部135は、図5に示すように、製品の一連の製造工程に係る工程別レイヤ144をドキュメントデータ142毎に作成し、管理する。
【0027】
図6は、本実施形態の工程別レイヤの作成の一例を示す模式図である。
例えば、製品の一連の製造工程が4つの製造工程で構成される場合、ドキュメント管理部135は、図6に示すように、ドキュメントデータ142に対し、4つの工程別レイヤ144を作成する。また、ドキュメントデータ142が複数ページで構成される場合、ドキュメント管理部135は、ページ毎に、製品の一連の製造工程の数だけ工程別レイヤ144を作成する。例えば、製品の一連の製造工程が4つの製造工程で構成され、ドキュメントデータ142が3ページで構成される場合、ドキュメント管理部135は、ドキュメントデータ142の1ページ目に対し、4つの工程別レイヤ144を作成する。また、ドキュメント管理部135は、ドキュメントデータ142の2ページ目に対し、4つの工程別レイヤ144を作成する。同様に、ドキュメント管理部135は、ドキュメントデータ142の3ページ目に対し、4つの工程別レイヤ144を作成する。
【0028】
本実施形態において、ドキュメント管理部135は、各製造工程の作業場端末200により、工程別レイヤ144に情報を入力・保存された後、次の製造工程の工程別レイヤ144を順次作成するが、これに限定されない。ドキュメント管理部135は、事前に一連の製造工程に係る全ての工程別レイヤ144を作成しておいてもよい。
【0029】
なお、工程別レイヤ144は、ドキュメント管理部135が作成せずに作業場端末200が作成してもよい。
【0030】
図7は、本実施形態のドキュメントデータ及び工程別レイヤの管理の一例を示す模式図である。
ドキュメント管理部135は、ドキュメントデータ142毎に、製品のドキュメントデータ142と、そのドキュメントデータ142の工程別レイヤ144とを管理する。例えば、図7に示すように、一連の製造工程が4つの製造工程で構成される「製品A」と、一連の製造工程が3つの製造工程で構成される「製品B」がある。「製品A」のドキュメントデータ142は、「ドキュメントA-1」と「ドキュメントA-2」の2つがある。また、「製品B」のドキュメントデータ142は、「ドキュメントB-1」がある。
【0031】
この場合、ドキュメント管理部135は、「製品A」の「ドキュメントA-1」に対し、4つの工程別レイヤ144を作成し、管理する。また、ドキュメント管理部135は、「製品A」の「ドキュメントA-2」に対し、4つの工程別レイヤ144を「ドキュメントA-1」とは別に作成し、管理する。さらに、ドキュメント管理部135は、「製品B」の「ドキュメントB-1」に対し、3つの工程別レイヤ144を作成し、管理する。
【0032】
また、本実施形態において、ドキュメント管理部135は、作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144に対してのみ情報を入力できるように作業場端末200を制限するように構成されている。具体的には、ドキュメント管理部135は、後述する紐づけ情報149に基づいて、工程別レイヤ144に対する情報の入力を制限する。
【0033】
例えば、ドキュメント管理部135は、ブランク工程で使用される作業場端末200は、ブランク工程に係る工程別レイヤ144に対してのみ情報を入力できるようにブランク工程で使用される作業場端末200を制限する。そのため、ブランク工程で使用される作業場端末200は、曲げ工程等の他の製造工程に係る工程別レイヤ144に情報を入力することができない。
【0034】
表示制御部133は、作業場端末200の表示部220を制御可能に構成されている。また、表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、製品のドキュメントデータ142と、作業場端末200を使用する製造工程に係る製品の工程別レイヤ144とを重ねて表示するように構成されている。
【0035】
さらに、表示制御部133は、表示部120を制御可能に構成されており、表示部120に、製品のドキュメントデータ142と、作業場端末200を使用する製造工程に係る製品の工程別レイヤ144とを重ねて表示するように構成されている。
【0036】
図8及び図9は、本実施形態のドキュメントデータ及び工程別レイヤの表示の一例を示す模式図である。
例えば、表示制御部133は、図8に示すように、塗装工程で使用される作業場端末200の表示部220に製品のドキュメントデータ142と、そのドキュメントデータ142の塗装工程に係る工程別レイヤ144とを重ねて表示する。また、表示制御部133は、図9に示すように、検査工程で使用される作業場端末200の表示部220に製品のドキュメントデータ142と、そのドキュメントデータ142の検査工程に係る工程別レイヤ144とを重ねて表示する。
【0037】
図10は、本実施形態のドキュメントデータ及び工程別レイヤの表示の一例を示す模式図である。
表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、作業場端末200を使用する製造工程に係る製品の工程別レイヤ144以外のその製品の工程別レイヤ144も製品のドキュメントデータ142に重ねて表示可能に構成されている。例えば、表示制御部133は、図10に示すように、検査工程で使用される作業場端末200の表示部220のドキュメント閲覧画面224に製品のドキュメントデータ142と、そのドキュメントデータ142の塗装工程に係る工程別レイヤ144と、そのドキュメントデータ142の検査工程に係る工程別レイヤ144とを重ねて表示する。
【0038】
表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、ドキュメントデータ142と、複数の工程別レイヤ144とを重ねて表示可能に構成されており、複数の工程別レイヤ144は、工程別レイヤ144毎に表示状態と非表示状態とを切り替え可能に構成されている。具体的には、表示制御部133は、ドキュメント閲覧画面124,224の後述する工程別権限情報224gの操作に応じて工程別レイヤ144毎に表示状態と非表示状態とを切り替える。
【0039】
作業場端末管理部137は、作業場端末200をユニークな端末識別子241によって管理するように構成されている。作業場端末管理部137は、作業場端末200の製造番号等の固有の識別子を端末識別子241として作業場端末200を管理しもよいし、作業場端末管理部137が作業場端末200毎に新たに発行した識別子を端末識別子241として作業場端末200を管理してもよい。作業場端末管理部137は、記憶部140の後述する識別子マスタ147に各作業場端末200の端末識別子241の情報を登録する。
【0040】
作業場端末管理部137が端末識別子241を発行する場合、端末識別子241は、例えば、特定の文字と連続番号で構成されてもよいし、連続番号のみで構成されてもよいし、ランダムな文字及び数字の羅列であってもよい。
【0041】
図4は、本実施形態の紐づけ情報の一例を示す模式図である。
また、作業場端末管理部137は、製造工程毎に、使用する作業場端末200の端末識別子241を紐づけて管理するように構成されている。具体的には、作業場端末管理部137は、作業場端末200を使用する製造工程と、その作業場端末200の端末識別子241とを紐づけて、その紐づけ情報149を管理するように構成されている。例えば、作業場端末管理部137は、図4に示すように、記憶部140の後述する製造工程マスタ145に登録されている各製造工程と、識別子マスタ147に登録されている各作業場端末200の端末識別子241とを紐づけて管理する。
【0042】
例えば、作業場端末管理部137は、製造工程マスタ145に登録されている「ブランク工程」と、識別子マスタ147に登録されており、ブランク工程で使用される作業場端末200の端末識別子241「ID-001」とを紐づけて管理する。また、作業場端末管理部137は、製造工程マスタ145に登録されている「曲げ工程」と、識別子マスタ147に登録されており、曲げ工程で使用される作業場端末200の端末識別子241「ID-002」とを紐づけて管理する。同様に、作業場端末管理部137は、「溶接工程」と「ID-003」、「塗装工程」と「ID-004」、「検査工程」と「ID-005」とをそれぞれ紐づけて管理する。
【0043】
記憶部140は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有すると共に、様々なデータを読み書き可能に記憶する。記憶部140は、図2に示すように、ドキュメント格納部141とレイヤ格納部143を含む。また、記憶部140は、製造工程マスタ145と、識別子マスタ147と、紐づけ情報149とを格納する。さらに、記憶部140は、作業管理装置100の各部の制御に必要なプログラムを格納する。
【0044】
ドキュメント格納部141は、各製品のドキュメントデータ142を格納する。レイヤ格納部143は、ドキュメントデータ142毎に各ドキュメントデータ142の工程別レイヤ144を格納する。製造工程マスタ145は、製造支援システム1で取り扱う製造工程の一覧が登録されている。識別子マスタ147は、複数の作業場端末200の端末識別子241の一覧が登録されている。
【0045】
図3は、本実施形態の作業場端末を示す機能ブロック図である。
作業場端末200は、デスクトップパソコンやノートパソコン、タブレット端末等の電子計算機であり、ネットワークを介して生産管理装置10や作業管理装置100等と接続している。作業場端末200は、図3に示すように、表示部220を含む。また、作業場端末200は、入力部210と、制御部230と、記憶部240とを含む。
【0046】
作業場端末200は、好適には、各製造工程に一台ずつ配置されるが、これに限定されず、複数の製造工程で一台の作業場端末200を使用してもよい。また、作業場端末200は、加工機70に付随するCNC(コンピュータ数値制御:Computer Numerical Control)装置であってもよい。
【0047】
入力部210は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、ジョイスティック等の入力機器により構成されており、入力部210を操作することにより、作業場端末200において通常必要とされる情報入力の機能に加え、例えば、ドキュメントデータ142の選択や、工程別レイヤ144の編集等の操作をすることができる。このような構成を備えることにより、作業場端末200は、入力部210を介して工程別レイヤ144に対し、手動により情報を入力できる。
【0048】
本実施形態において、作業場端末200は、作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144に対してのみ、情報を入力可能に構成されている。例えば、ブランク工程で使用される作業場端末200は、ブランク工程に係る工程別レイヤ144に対してのみ、情報を入力することができる。また、曲げ工程で使用される作業場端末200は、曲げ工程に係る工程別レイヤ144に対してのみ、情報を入力することができる。
【0049】
本実施形態において、工程別レイヤ144に入力される情報は、作業場端末200毎に異なる色に設定されている。例えば、ブランク工程に係る工程別レイヤ144に入力される情報は、赤色に設定されており、曲げ工程に係る工程別レイヤ144に入力される情報は、青色に設定されており、塗装工程に係る工程別レイヤ144に入力される情報は、緑色に設定されている。
【0050】
本実施形態において、色は、作業場端末200毎に異なる色が設定されており、情報の入力段階で各工程別レイヤ144に対し、異なる色で情報が入力されるが、これに限定されない。例えば、各作業場端末200で入力する際には、全て同じ色で入力され、工程別レイヤ144の保存後、作業管理装置100の制御部130のドキュメント管理部135が作業場端末200毎に設定された色に応じて、各工程別レイヤ144も入力された情報の色を変更してもよい。
【0051】
表示部220は、表示装置としてのディスプレイを有しており、作業場端末200において通常必要とされる画面表示の機能に加え、例えば、ドキュメント選択画面222やドキュメント閲覧画面224等を表示する。また、表示部120は、入力部110の機能を有するタッチパネルで構成され得る。表示部220がタッチパネルで構成された場合は、ユーザは、例えば、表示部220を操作することにより、工程別レイヤ144への情報の入力等が作業場端末200に対して可能となる。
【0052】
なお、入力部110及び表示部120の構成は、上述した構成に限定されず、これら入力部110及び表示部120に代わり、同等の機能を有する構成であれば(例えば、遠隔から利用可能な表示手段や入力手段等)、これに限定されるものではない。
【0053】
図11は、本実施形態のドキュメント選択画面の一例を示す図である。
ドキュメント選択画面222は、図11に示すように、作業グループ一覧表示領域222aと、ドキュメント一覧表示領域222bと、作業日切替ボタン222cと、製作手配切替ボタン222dと、表示情報切替タブ222eとを含む。作業グループ一覧表示領域222aは、作業グループ情報222fを有する。
【0054】
作業グループ一覧表示領域222aは、作業管理装置100の制御部130の作業管理部131が作成した作業グループの作業日毎の一覧を表示する。作業日切替ボタン222cを操作することで、作業グループ一覧表示領域222aには、異なる作業日における作業グループの一覧が表示される。また、作業グループ情報222fは、作業グループ毎に表示され、作業場端末200を使用する製造工程において作成が必要な部品の数(作成数)と、その製造工程に着手可能な部品の数(可能数)と、既にその製造工程が完了している部品の数(完了数)とを表示する。
【0055】
ドキュメント一覧表示領域222bは、作業グループ一覧表示領域222aで選択した作業グループに含まれる製品のドキュメントデータ142の一覧を表示する。作業グループ一覧表示領域222aで選択した作業グループに複数の製作手配情報の製造工程に関する情報が含まれている場合、製作手配切替ボタン222dを操作することで、異なる製作手配情報の製造工程に関する情報に係る製品のドキュメントデータ142の一覧がドキュメント一覧表示領域222bに表示される。また、表示情報切替タブ222eを操作することで、ドキュメント一覧表示領域222bに表示する情報をドキュメントデータ142の一覧から作業グループに含まれる製作手配情報の一覧や、製品に含まれる部品の一覧等に切り替えることができる。
【0056】
図12は、本実施形態のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
また、ドキュメント選択画面222のドキュメント一覧表示領域222bに表示される任意のドキュメントデータ142を選択することで、そのドキュメントデータ142のドキュメント閲覧画面224が表示される。ドキュメント閲覧画面224は、図12に示すように、製品のドキュメントデータ142と、製品の工程別レイヤ144とを重ねて表示するドキュメント表示領域224aと、工程別レイヤ144に情報を入力する際に使用可能な複数のツールを表示するツール表示領域224bと、作業内容表示領域224cと、サイドバー展開ボタン224dと、完了ボタン224iとを含む。
【0057】
ドキュメント表示領域224aは、ドキュメント一覧表示領域222bで選択した製品のドキュメントデータ142と、そのドキュメントデータ142の作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144とを重ねて表示する。
【0058】
図13及び図14は、本実施形態の塗装工程のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
作業内容表示領域224cは、現在の工程内作業又はドキュメント閲覧画面224を開いた後、直近で操作した工程内作業を表示する。本実施形態において、工程内作業は、製造工程内での個々の作業、例えば、ブランク工程であれば、段取り作業、ブランク加工、工程内検査等であり、塗装工程であれば、下処理、養生、着色、工程内検査等である。また、作業内容表示領域224cは、図13及び図14に示すように、工程内作業ごとに計時ボタンを有し、その計時ボタンを押すことで、工程内作業ごとの作業時間を記録する。
【0059】
また、本実施形態における作業場端末200は、後述する工程別権限情報224gを操作することにより、工程別レイヤ144に情報を入力することが可能となるが、これに限定されない。例えば、作業場端末200は、図14に示すように、計時ボタンを押し、作業時間を記録している状態になると、工程別レイヤ144に情報を入力することが可能となり、図13に示すように、作業時間の記録が停止されている状態では、工程別レイヤ144に情報を入力することができないように構成されてもよい。このような構成を備える場合、作業時間の正確に記録することが可能となるという利点を有する。
【0060】
ドキュメント閲覧画面224は、図12に示す状態からサイドバー展開ボタン224dを押すことで、図13に示すように、サイドバー表示領域224eが展開、表示される。また、ドキュメント閲覧画面224は、図13に示す状態からサイドバー展開ボタン224dを押すことで、図12に示すように、サイドバー表示領域224eが格納される。サイドバー表示領域224eは、図13に示すように、製造工程一覧情報224fと、工程別権限情報224gと、工程追加ボタン224hとを有する。
【0061】
本実施形態において、作業場端末200は、サイドバー表示領域224eが非表示状態の時は、作業場端末200を使用する製造工程の工程別レイヤ144が表示されるが、工程別レイヤ144に情報を入力することができないように構成されている。また、作業場端末200は、サイドバー表示領域224eが表示状態の時は、工程別権限情報224gを操作することにより、作業場端末200を使用する製造工程の工程別レイヤ144の表示及び非表示と、その工程別レイヤ144への情報の入力の可否とを切り替えるように構成されている。
【0062】
製造工程一覧情報224fは、ドキュメント閲覧画面224に表示されているドキュメントデータ142に係る製品の一連の製造工程を表示する。また、工程別権限情報224gは、製造工程一覧情報224fの各製造工程の横に表示されるアイコンである。具体的には、製造工程一覧情報224fのその作業場端末200を使用する製造工程の横には、工程別レイヤ144への情報の入力が可能な製造工程であることを示す鉛筆等のアイコンが表示される。また、製造工程一覧情報224fのその作業場端末200を使用しない製造工程の横には、その製造工程の工程別レイヤ144の閲覧のみが可能であることを示す書類等のアイコンが表示される。
【0063】
作業場端末200は、工程別レイヤ144への情報の入力が可能な製造工程であることを示す工程別権限情報224g(アイコン)を操作することにより、その製造工程の工程別レイヤ144への情報の入力が可能となる。具体的には、作業場端末200は、サイドバー表示領域224eを展開した直後は、工程別レイヤ144に情報を入力できない状態(本実施形態において、閲覧モードとする)となっており、ドキュメント表示領域224aにその作業場端末200を使用する製造工程の工程別レイヤ144は、表示されない。また、閲覧モードの状態では、製造工程一覧情報224fのその作業場端末200を使用する製造工程の横には、その製造工程の工程別レイヤ144への情報の入力ができないことを示す色でアイコンが表示される。
【0064】
作業場端末200は、閲覧モードの状態からその作業場端末200を使用する製造工程のアイコンを操作することで、工程別レイヤ144に情報を入力可能な状態(本実施形態において、編集モードとする)となり、ドキュメント表示領域224aにその作業場端末200を使用する製造工程の工程別レイヤ144が表示される。また、編集モードの状態では、製造工程一覧情報224fのその作業場端末200を使用する製造工程の横には、情報の入力が可能であることを示す色、例えば、閲覧モードの状態の色を反転させた色や、閲覧モード状態とは異なる色等でアイコンが表示される。
【0065】
例えば、図13は、塗装工程で使用される作業場端末200のドキュメント閲覧画面224の閲覧モードの状態を示しており、製造工程一覧情報224fの塗装工程の横には、工程別レイヤ144への情報の入力が可能な製造工程であることを示すアイコンが表示されている。このアイコンは、塗装工程の工程別レイヤ144への情報の入力ができないことを示す色で表示されている。また、製造工程一覧情報224fの塗装工程以外の製造工程の横には、その製造工程の工程別レイヤ144の閲覧のみが可能であることを示すアイコンが表示されている。さらに、図13に示す塗装工程で使用される作業場端末200は、閲覧モードの状態であるため、ドキュメント表示領域224aに塗装工程の工程別レイヤ144は、表示されておらず、塗装工程の工程別レイヤ144への情報の入力はできない。
【0066】
一方で、図14は、塗装工程で使用される作業場端末200のドキュメント閲覧画面224の編集モードの状態を示しており、製造工程一覧情報224fの塗装工程の横には、塗装工程の工程別レイヤ144に情報を入力できることを示す色でアイコンが表示されている。また、製造工程一覧情報224fの塗装工程以外の製造工程の横には、その製造工程の工程別レイヤ144の閲覧のみが可能であることを示すアイコンが表示されている。さらに、図14に示す塗装工程で使用される作業場端末200は、編集モードの状態であるため、ドキュメント表示領域224aに塗装工程の工程別レイヤ144が表示されており、塗装工程の工程別レイヤ144への情報の入力が可能となっている。
【0067】
図15は、本実施形態の検査工程のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
同様に、図15は、検査工程で使用される作業場端末200のドキュメント閲覧画面224の編集モードの状態を示しており、製造工程一覧情報224fの検査工程の横には、工程別レイヤ144への情報の入力が可能な製造工程であることを示すアイコンが表示されている。このアイコンは、検査工程の工程別レイヤ144に情報を入力できることを示す色で表示されている。また、製造工程一覧情報224fの検査工程以外の製造工程の横には、その製造工程の工程別レイヤ144の閲覧のみが可能であることを示すアイコンが表示されている。さらに、図15に示す検査工程で使用される作業場端末200は、編集モードの状態であるため、ドキュメント表示領域224aに検査工程の工程別レイヤ144が表示されており、検査工程の工程別レイヤ144への情報の入力が可能となっている。
【0068】
図16は、本実施形態の検査工程のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
さらに、本実施形態におけるドキュメント閲覧画面224は、工程別権限情報224gを操作することで、各製造工程の工程別レイヤ144の表示状態と非表示状態を切り替えることができる。例えば、図15に示す製造工程一覧情報224fの塗装工程の横に表示されている工程別権限情報224gを操作することで、図16に示すように、塗装工程の工程別レイヤ144がドキュメント表示領域224aに表示される。また、図16に示す製造工程一覧情報224fの塗装工程の横に表示されている工程別権限情報224gを操作することで、図15に示すように、塗装工程の工程別レイヤ144が表示されなくなる。
【0069】
ドキュメント閲覧画面224は、工程別レイヤ144の表示状態と非表示状態とを視覚的に認識可能な指標を表示可能に構成されている。具体的には、図15及び図16に示すように、工程別権限情報224gが操作されると、視覚的に認識可能な指標として機能する工程別権限情報224gの色を反転又は変更させる処理が実行される。
【0070】
ツール表示領域224bは、例えば、手書き入力ツールや、寸法入力ツール、コメント入力ツール、スタンプツール等の複数のツールが配置されており、任意のツールを選択することで、選択したツールを使用可能な状態となる。ツールは、ツール表示領域224bに表示されているものに限らず、ツール表示ボタン224jを選択することで、ツール表示領域224bに表示されていないツールが表示される。
【0071】
また、ツール表示領域224bは、ツールの使用頻度に応じてツールの配置が変化して表示されるように構成されている。具体的には、塗装工程で使用される作業場端末200のドキュメント閲覧画面224のツール表示領域224bは、図14に示すように、指さしツールや寸法入力ツール等が表示されている。一方で、検査工程で使用される作業場端末200のドキュメント閲覧画面224のツール表示領域224bは、図15に示すように、検査工程での使用頻度が少ない指さしツールや寸法入力ツールに代わり、検査工程での使用頻度高い拡大ツールと縮小ツールが表示される。さらに、使用頻度に応じてツール表示領域224bのツールの配置が変化している。
【0072】
図17は、本実施形態の塗装工程の工程追加画面の一例を示す図である。
作業場端末200は、その作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144の数を追加可能に構成されている。例えば、塗装工程で使用される作業場端末200は、塗装工程に係る工程別レイヤ144の数を追加することができる。具体的には、塗装工程で使用される作業場端末200のドキュメント閲覧画面224のサイドバー表示領域224eの工程追加ボタン224hを押すことで、工程追加画面226が表示される。
【0073】
工程追加画面226は、図17に示すように、製造工程一覧表示領域226aと、工程挿入ボタン226bと、決定ボタン226cとを含む。製造工程一覧表示領域226aは、ドキュメント閲覧画面224の製造工程一覧情報224fと同様に、ドキュメント閲覧画面224に表示されているドキュメントデータ142に係る製品の一連の製造工程を表示する。
【0074】
図18は、本実施形態の塗装工程の工程追加画面の一例を示す図である。
工程挿入ボタン226bは、製造工程一覧表示領域226aに表示される各製造工程の間に配置されている。作業場端末200は、工程追加画面226の任意の工程挿入ボタン226bを押すことで、選択した箇所にその作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144を追加することができる。例えば、図17及び図18に示すように、塗装工程と検査工程の間に配置されている工程挿入ボタン226bを操作すると、塗装工程と検査工程の間に新たに塗装工程が追加される。
【0075】
図19は、本実施形態の塗装工程のドキュメント閲覧画面の一例を示す図である。
作業場端末200は、工程追加画面226の決定ボタン226cを押すことで、新たに追加された塗装工程の工程別レイヤ144が作成され、図19に示すように、新たに追加された塗装工程の工程別レイヤ144を含むドキュメント閲覧画面224が表示される。
【0076】
なお、本実施形態において、作業場端末200は、その作業場端末200を使用する製造工程以外の製造工程に係る工程別レイヤ144の数を追加することはできない。えば、塗装工程で使用される作業場端末200は、ブランク工程に係る工程別レイヤ144の数を追加することはできない。
【0077】
工程別レイヤ144に入力した情報は、ドキュメント閲覧画面224の完了ボタン224iを押すことで保存される。また、次の製造工程の工程別レイヤ144がまだ作成されていない場合には、完了ボタン224iの押下後、作業管理装置100の制御部130のドキュメント管理部135は、次の製造工程に係る工程別レイヤ144を作成する。
【0078】
記憶部240は、作業場端末200毎に付された異なるユニークな端末識別子241を格納する。また、記憶部240は、作業場端末200の各部の制御に必要なプログラムを格納する。
【0079】
加工機70は、例えば、CNC工作機械であり、シートを加工するブランク加工機70aや、ブランク加工後の個々の仕掛品を加工する二次加工機70b等である。ブランク加工機70aは、例えば、レーザ加工機、タレットパンチプレス(turret punch press)、プラズマ加工機、ウォータージェット加工機等である。二次加工機70bは、例えば、プレスブレーキ等の曲げ加工機、NCフライス盤、NC旋盤、マシニングセンタ等である。加工機70は、生産管理装置10と通信可能に構成されている。
【0080】
[本実施形態に係る製造支援システムの利点]
以上説明したように、本実施形態に係る製造支援システム1は、一又は複数の部品を含む製品の一連の製造工程で使用される複数の作業場端末200と、作業場端末200を管理する端末管理装置(作業管理装置100)とを備え、作業場端末200は、表示部220を含み、端末管理装置(作業管理装置100)は、表示制御部133と、製品に関するドキュメントデータ142を管理するドキュメント管理部135とを含み、ドキュメント管理部135は、製品の一連の製造工程に係る工程別レイヤ144を製造工程毎に管理するように構成されており、表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、製品のドキュメントデータ142と、作業場端末200を使用する製造工程に係る製品の工程別レイヤ144とを重ねて表示するように構成されている。
【0081】
そして、本実施形態に係る製造支援システム1は、このような構成を備えることにより、作業場端末200の表示部220に製品のドキュメントデータ142と、その作業場端末200を使用する製造工程に係る製品の工程別レイヤ144とを重ねて表示するため、作業効率を向上できるという利点を有している。
【0082】
また、本実施形態に係るに製造支援システム1おいて、表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、作業場端末200を使用する製造工程に係る製品の工程別レイヤ144以外の製品の工程別レイヤ144も製品のドキュメントデータ142に重ねて表示可能に構成されている。このような構成を備えることにより、例えば、他の製造工程の工程別レイヤ144の入力情報を確認する必要がある場合には、その入力情報を確認することができるため、作業効率を更に向上できるという利点を有している。
【0083】
さらに、本実施形態に係る製造支援システム1において、表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、ドキュメントデータ142と、複数の工程別レイヤ144とを重ねて表示可能に構成されており、複数の工程別レイヤ144は、工程別レイヤ144毎に表示状態と非表示状態とを切り替え可能に構成されている。このような構成を備えることにより、閲覧が必要な工程別レイヤ144だけを選択的に表示部220に表示することが可能となり、作業効率を更に向上できるという利点を有している。
【0084】
またさらに、本実施形態に係る製造支援システム1において、作業場端末200は、作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144に対してのみ、情報を入力可能に構成されている。このような構成を備えることにより、ドキュメントデータ142や、作業場端末200を使用しない製造工程に係る工程別レイヤ144に対して誤って情報を入力する恐れがなくなり、作業効率を更に向上できるという利点を有している。また、同じドキュメントデータ142を複数の作業場端末200から同時に閲覧し、各作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144に情報を入力しても、他の作業場端末200に影響を与えないため、複数の製造工程で並行して作業を行うことができ、作業効率をより一層向上できるという利点を有している。
【0085】
また、本実施形態に係る製造支援システム1において、作業場端末200は、工程別レイヤ144に対し、手動により情報を入力可能な入力部210を備え、工程別レイヤ144に入力される情報は、作業場端末200毎に異なる色に設定されている。このような構成を備えることにより、例えば、複数の工程別レイヤ144を重ねて表示した際に、情報がどの製造工程で入力されたのか視覚的に分かりやすくなると共に、情報の誤認を防止できるため、作業効率を更に向上できるという利点を有している。
【0086】
さらに、本実施形態に係る製造支援システム1において、作業場端末200は、作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144の数を追加可能に構成されている。このような構成を備えることにより、例えば、製造工程のやり直しが必要な場合等の突発的に作業場端末200を使用する製造工程の作業が増えた場合や、情報を複数の工程別レイヤ144に分けて入力したい場合に工程別レイヤ144を追加できるため、作業効率を向上できるという利点を有している。
【0087】
またさらに、本実施形態に係る製造支援システム1において、作業場端末200は、ユニークな端末識別子241を有し、端末管理装置(作業管理装置100)は、製造工程毎に、使用する作業場端末200の端末識別子241を紐づけて管理するように構成されている。このような構成を備えることにより、作業場端末200と製造工程が紐づいているため、複数の作業場端末200の識別が簡単になり、作業効率を向上できるという利点を有している。
【0088】
また、本実施形態に係る製造支援システム1において、作業場端末200の表示部220は、ドキュメント閲覧画面224を表示可能に構成されており、ドキュメント閲覧画面224は、製品のドキュメントデータ142と、製品の工程別レイヤ144とを重ねて表示するドキュメント表示領域224aと、工程別レイヤ144に情報を入力する際に使用可能な複数のツールを表示するツール表示領域224bとを含み、ツール表示領域224bは、ツールの使用頻度に応じてツールの配置が変化して表示されるように構成されている。このような構成を備えることにより、ユーザがツールを選択する際にかかる時間を短縮することができるため、作業効率を向上できるという利点を有している。
【0089】
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上述した実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0090】
例えば、上述した実施形態において、表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、作業場端末200を使用する製造工程に係る製品の工程別レイヤ144以外の製品の工程別レイヤ144も製品のドキュメントデータ142に重ねて表示可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、作業場端末200を使用する製造工程に係る製品の工程別レイヤ144以外の製品の工程別レイヤ144を製品のドキュメントデータ142に重ねて表示できなくてもよい。
【0091】
上述した実施形態において、表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、ドキュメントデータ142と、複数の工程別レイヤ144とを重ねて表示可能に構成されており、複数の工程別レイヤ144は、工程別レイヤ144毎に表示状態と非表示状態とを切り替え可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。表示制御部133は、作業場端末200の表示部220に、その作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144のみをドキュメントデータ142に重ねて表示できてもよい。また、複数の工程別レイヤ144は、工程別レイヤ144毎に表示状態と非表示状態とを切り替えられなくてもよい。
【0092】
上述した実施形態において、作業場端末200は、作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144に対してのみ、情報を入力可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。作業場端末200は、作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144以外の工程別レイヤ144に対して情報を入力可能に構成されてもよい。
【0093】
上述した実施形態において、作業場端末200は、工程別レイヤ144に対し、手動により情報を入力可能な入力部210を備え、工程別レイヤ144に入力される情報は、作業場端末200毎に異なる色に設定されているものとして説明したが、これに限定されない。作業場端末200は、工程別レイヤ144に入力される情報は、全ての作業場端末200で同じ色に設定されていてもよい。
【0094】
上述した実施形態において、作業場端末200は、作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144の数を追加可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。作業場端末200は、作業場端末200を使用する製造工程に係る工程別レイヤ144の数を追加できなくてもよい。
【0095】
上述した実施形態において、作業場端末200は、ユニークな端末識別子241を有し、端末管理装置(作業管理装置100)は、製造工程毎に、使用する作業場端末200の端末識別子241を紐づけて管理するように構成されているものとして説明したが、これに限定されない。作業場端末200は、ユニークな端末識別子241を有さなくてもよい。また、端末管理装置(作業管理装置100)は、製造工程毎に、使用する作業場端末200の端末識別子241を紐づけて管理しなくてもよい。
【0096】
上述した実施形態において、作業場端末200の表示部220は、ドキュメント閲覧画面224を表示可能に構成されており、ドキュメント閲覧画面224は、製品のドキュメントデータ142と、製品の工程別レイヤ144とを重ねて表示するドキュメント表示領域224aと、工程別レイヤ144に情報を入力する際に使用可能な複数のツールを表示するツール表示領域224bとを含み、ツール表示領域224bは、ツールの使用頻度に応じてツールの配置が変化して表示されるように構成されているものとして説明したが、これに限定されない。ドキュメント閲覧画面224は、ツール表示領域224bを含まなくてもよい。また、ツール表示領域224bは、ツールの使用頻度に応じてツールの配置が変化して表示されなくてもよい。
【0097】
上述した実施形態において作業管理装置100は、作業場端末200を管理する端末管理装置として機能するものとして説明したが、これに限定されない。製造支援システム1は、作業管理装置100とは別に端末管理装置を備えてもよい。
【0098】
上述した実施形態において、工程別レイヤ144は、原則的には、製造工程毎に1枚であることを前提として説明したが、これに限定されない。工程別レイヤ144は、複数の製造工程で1枚であってもよいし、1つの製造工程毎に複数枚であってもよい。
【0099】
上述した実施形態において、生産管理装置10、加工機70、作業管理装置100及び作業場端末200は、ネットワークを介して互いに直接データをやりとりするものとして説明したが、これに限定されず、製造支援システム1は、サーバ50を更に備えてもよい。サーバ50は、製作手配情報、ドキュメントデータ142、工程別レイヤ144、製造工程マスタ145、識別子マスタ147及び紐づけ情報149のうち、一部又は全部を格納可能に構成されてもよい。
【0100】
上述した実施形態において、製造支援システム1は、生産管理装置10と加工機70を備えるものとして説明したが、これに限定されず、生産管理装置10と加工機70を備えなくてもよい。
【0101】
工程別レイヤ144の表示順序及び並び順は、上述した実施形態の順に限定されない。
【符号の説明】
【0102】
1 製造支援システム
10 生産管理装置
50 サーバ
70 加工機
70a ブランク加工機
70b 二次加工機
100 作業管理装置
110 入力部
120 表示部
122 ドキュメント選択画面
124 ドキュメント閲覧画面
130 制御部
131 作業管理部
133 表示制御部
135 ドキュメント管理部
137 作業場端末管理部
140 記憶部
141 ドキュメント格納部
142 ドキュメントデータ
143 レイヤ格納部
144 工程別レイヤ
145 製造工程マスタ
147 識別子マスタ
149 紐づけ情報
200 作業場端末
210 入力部
220 表示部
222 ドキュメント選択画面
222a 作業グループ一覧表示領域
222b ドキュメント一覧表示領域
222c 作業日切替ボタン
222d 製作手配切替ボタン
222e 表示情報切替タブ
222f 作業グループ情報
224 ドキュメント閲覧画面
224a ドキュメント表示領域
224b ツール表示領域
224c 作業内容表示領域
224d サイドバー展開ボタン
224e サイドバー表示領域
224f 製造工程一覧情報
224g 工程別権限情報
224h 工程追加ボタン
224i 完了ボタン
224j ツール表示ボタン
226 工程追加画面
226a 製造工程一覧表示領域
226b 工程挿入ボタン
226c 決定ボタン
230 制御部
240 記憶部
241 端末識別子
AP アクセスポイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19