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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010765
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 310C
A63F7/02 304B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112242
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】弁理士法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今山 武成
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA02
2C088DA07
2C088DA23
2C088EA02
2C088EA06
(57)【要約】
【課題】遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制する。
【解決手段】透明本体板と第1入球手段とを有する遊技盤を備え、第1入球手段は、透明本体板に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材と、透明本体板の後側に装着される後側部材とを備え、第1入球口を前側部材に配置し、第1入球口に入球した遊技球を検出可能な第1検出手段を、後側部材における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置する。また遊技盤501に設けられた遊技部品517は、複数の電気部品541~544と、この各電気部品541~544に接続された複数のハーネス556~559とを備え、複数のハーネス556~559を遊技部品517に一纏めに留める留め具563を備える。
【選択図】図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定部位に設けられた遊技部品と、
前側に遊技領域を有する遊技盤と、を備え、
前記遊技部品は、複数の電気部品と、該各電気部品に接続された複数のハーネスとを有し、
前記遊技盤は、透明本体板と、該透明本体板に装着される第1入球手段とを有する
遊技機において、
複数の前記ハーネスを一纏めに留める留め具を備え、
前記第1入球手段は、前記透明本体板に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材と、前記透明本体板の後側に装着される後側部材とを備え、
前記遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な第1入球口を前記前側部材に配置し、
前記第1入球口に入球した遊技球を検出可能な第1検出手段を、前記後側部材における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置した
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機では、遊技盤の遊技領域の略中央に遊技情報表示手段が配置されると共に、その遊技情報表示手段の周辺部分に普通入賞手段、始動口手段、大入賞手段等の遊技部品が配置されている。遊技情報表示手段には液晶表示手段が使用され、また普通入賞手段、始動口手段、大入賞手段等には、入賞スイッチ、駆動ソレノイド、LEDが使用される等、多数の電気部品が使用されている。
これらの電気部品には各電気部品毎にコネクタを介してハーネスが接続され、その各ハーネスの他端側がコネクタを介して中継基板等に接続され、更にその電気部品が遊技制御系であるか演出制御系であるかに応じて、中継基板からコネクタを介して主制御基板、演出制御基板へと夫々接続されている。
また、この種の遊技機に搭載される遊技盤は、一定厚さに形成された本体板に対して、入球手段その他の遊技部品、液晶表示手段、主制御基板その他の制御基板等が直接的又は間接的に装着されることによって形成されている。ここで、本体板については、以前はベニヤ板等の前面に装飾シートを貼付したものが用いられていたが、最近ではポリカーボネート等の透明な本体板が用いられることが多い(いわゆる透明遊技盤)。
このような透明遊技盤の場合、透明な本体板の後側に装飾体を配置することによって装飾の自由度を高めることができるという利点がある反面、スイッチ等の電気部品やその配線が前側から視認可能となることによって見栄えを損ねるという欠点がある。
そこで、特許文献1に記載の発明では、透明な本体板に不透明な部品で隠れる貫通路を形成し、その貫通路に、入球口に設けた球通過検出スイッチ(検出手段)の配線を挿通することにより、透明な本体板の後側を取り回される配線を前側から視認不可能とすることができ、見栄えを良くすることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-17358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では部材供給量の低下に伴って部品価格が上昇し、その結果、遊技機の価格高騰に繋がっている。そのような背景から、遊技機の価格を抑える為の対策が求められている。遊技機の価格高騰に対する対策としては、新規部品の調達量を減らすために、遊技部品の小型化やリユース、他の機種への流用等を進めることが考えられる。
しかしながら、このようなリユース等の対策を進めることで、真新しさが薄れ、遊技者が飽きを感じやすくなってしまうという懸念が生じる。そのため、遊技盤上等の見栄えをよくするなど、演出効果をより高めるための工夫が求められている。また、リユースを促進するためには、リユースの際に配線作業等を容易化するための工夫を行うことも重要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、所定部位に設けられた遊技部品と、前側に遊技領域を有する遊技盤と、を備え、前記遊技部品は、複数の電気部品と、該各電気部品に接続された複数のハーネスとを有し、前記遊技盤は、透明本体板と、該透明本体板に装着される第1入球手段とを有する遊技機において、複数の前記ハーネスを一纏めに留める留め具を備え、前記第1入球手段は、前記透明本体板に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材と、前記透明本体板の後側に装着される後側部材とを備え、前記遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な第1入球口を前記前側部材に配置し、前記第1入球口に入球した遊技球を検出可能な第1検出手段を、前記後側部材における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置したものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
図2】同パチンコ機の分解斜視図である。
図3】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図4】同パチンコ機の遊技盤の要部分解斜視図である。
図5】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
図6】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
図7】同パチンコ機の遊技盤の要部正面断面図である。
図8】同パチンコ機の遊技盤の要部正面図である。
図9】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
図10】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
図11】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
図12】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
図13】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
図14】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
図15】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の要部正面図である。
図16】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
図17】本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の要部正面図である。
図18】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
図19】本発明の第4の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の正面図である。
図20】同遊技盤の背面図である。
図21】同第1特別図柄始動手段の平面図である。
図22】同第1特別図柄始動手段の平面断面図である。
図23】同第1特別図柄始動手段の背面図である。
図24】同ハーネスの位置決め状態の側面図である。
図25】同ハーネスの接続関係の説明図である。
図26】同ハーネスの説明図である。
図27】同留め具の説明図である。
図28】本発明の第5の実施形態に係るパチンコ機の複合入賞手段の平面図である。
図29】同複合入賞手段の背面図である。
図30】同複合入賞手段の分解斜視図である。
図31】同中継基板、LED基板等の背面図である。
図32】同中継基板、LED基板等の側面断面図である。
図33】同ハーネスの配線関係の説明図である。
図34】本発明の変形例に係るパチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
図35】本発明の変形例に係るパチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1図14は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0009】
前枠3は、本体枠6と、その本体枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して本体枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって本体枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、第1ヒンジ4と第2ヒンジ8とは例えば同一軸心となるように配置されている。
【0010】
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に本体枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
【0011】
本体枠6は樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また本体枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
【0012】
ガラス扉7は、本体枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16の前側に形成された遊技領域23に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、送風演出装置26等の演出手段が配置され、それら上部スピーカ25等を前側から略覆う上装飾カバー27が装着されている。
【0013】
また扉ベース22の下部前側には、本体枠6の後側に配置された払い出し手段28から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿30、その上皿30が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿31、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル32等が配置され、更に上皿30、下皿31等を前側から略覆う下装飾カバー33が装着されている。下装飾カバー33は前向きの膨出状に形成されており、その上部側に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等の操作手段が設けられている。十字操作手段35は、後側の上キー35a、前側の下キー35b、左側の左キー35c、右側の右キー35dの4つの操作部を備えている。
【0014】
扉ベース22の背面側には、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット36が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金37と、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金38と、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金39とがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具40が左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具41が左下部に夫々配置されている。
【0015】
また、例えば下部補強板金39の背面側には、球送りユニット42、下皿案内ユニット43等が装着されている。球送りユニット42は、上皿30内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43は、上皿30が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿31に案内するためのもので、例えば球送りユニット42に隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0016】
遊技盤16は、ポリカーボネート等の透明な樹脂により形成された透明本体板45を備えるいわゆる透明遊技盤で、図3図4等に示すように、その透明本体板45に対して、ガイドレール51、中央表示枠手段52、普通入賞手段53、始動ゲート手段54、第1始動入賞手段55、第2始動入賞手段56、大入賞手段57、液晶表示手段58、可動演出手段59、後部装飾手段60等が装着されている。
【0017】
液晶表示手段58、可動演出手段59、後部装飾手段60等は、図4図7図10に示すように、後部支持部材61を介して透明本体板45の後側に配置されている。後部支持部材61は、透明本体板45よりも後方に透明本体板45と略平行に配置された後壁部62と、この後壁部62の外周側から略前向きに延設された周壁部63とを一体に備えており、周壁部63の前縁側を透明本体板45の背面側に当接させた状態でねじ止め等により固定されている。後壁部62には略矩形状の開口部62aが形成されており、液晶表示手段58は、表示画面58aを開口部62aに対応させた状態で後壁部62の背面側に着脱自在に固定されている。また、可動演出手段59、後部装飾手段60は、後部支持部材61内に配置され、後壁部62等に対して着脱自在に固定されている。
【0018】
ガイドレール51は、発射手段17から発射された遊技球を案内するためのもので、遊技領域23の周囲を取り囲むように透明本体板45の前面側に略環状に配置されており、図3等に示すように複数、例えば3つの第1~第3レール部材51a~51cによって構成されている。第1~第3レール部材51a~51cは例えば透明又は半透明の樹脂により形成されている。
【0019】
第1レール部材51aは、透明本体板45の下部左側から左縁部略中央、上縁部略中央を経て右上部に至る略弓形状に形成されており、透明本体板45と平行な前壁部64と、その前壁部64の周縁部から後向きに突設された略一定幅の周壁部65とを一体に備え、周壁部65の後端側を透明本体板45の前面に当接させた状態で透明本体板45に着脱自在に固定されている。第1レール部材51aは、遊技領域23側の周壁部65aが正面視略円弧状に形成されてガイドレール51の一部を形成している。
【0020】
第2レール部材51bは、透明本体板45の前面側に略垂直に立設する前後方向一定幅の板状に形成され、透明本体板45の左上部から左下部にかけて第1レール部材51aの内側に並行するように略円弧状に配設されている。なお、第1レール部材51aと第2レール部材51bとで挟まれた部分が、発射手段17によって発射された遊技球を遊技領域23に案内する発射案内通路66となっている。
【0021】
第3レール部材51cは、第1レール部材51aの右上部側端部と第2レール部材51bの左下部側端部とを接続するように、透明本体板45の右縁部と下縁部とに沿う正面視略L型に形成されており、透明本体板45と平行な前壁部67と、その前壁部67の周縁部から後向きに突設された略一定幅の周壁部68とを一体に備え、周壁部68の後端側を透明本体板45の前面に当接させた状態で透明本体板45に着脱自在に固定されている。第3レール部材51cは、遊技領域23側の周壁部68aがガイドレール51の一部を形成している。
【0022】
中央表示枠手段52は、液晶表示手段58の表示枠を構成するもので、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠手段52は、透明又は半透明の樹脂製で、透明本体板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板52aと、液晶表示手段58の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板52aの内周側で前向きに突設された装飾枠52bと、その装飾枠52bの左右の下端部間に配置されるステージ71とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠52bの頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠手段52の左側の左流下経路72aと右側の右流下経路72bとの何れかを流下する。
【0023】
中央表示枠手段52には、左流下経路72a側と右流下経路72b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路72a側に、遊技球が流入可能なワープ入口71aが設けられている。ワープ入口71aに流入した遊技球は、ステージ71上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部73とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0024】
なお、中央表示枠手段52上には、普通図柄表示手段76、普通保留個数表示手段77、第1特別図柄表示手段78、第2特別図柄表示手段79等の各種表示手段が設けられている。もちろん、それら表示手段76~79は中央表示枠手段52上に限らず、遊技盤16の前側の任意の位置に前側から視認可能な状態で配置可能である。
【0025】
普通入賞手段(第1入球手段)53は、遊技領域23内の下部左側に対応して配置されており、図3図7に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔81に対して前側から着脱自在に装着される前側部材82と、その前側部材82に対応して透明本体板45の後側に配置される後側部材83とを備えている。
【0026】
前側部材82は、少なくとも一部、例えば全体が透明又は半透明に形成された樹脂製で、ガラスユニット36の背面に沿って配置される前壁部84と、その前壁部84の外縁部から後向きに延設される周壁部85と、その周壁部85の後縁側から透明本体板45の前面に沿って外向きに延設される装着板86と、複数、例えば二つの普通入賞口87a,87bと、一又は複数、例えば一つのアウト口88と、普通入賞口87a,87bに対応する入賞樋89a,89bと、アウト口88に対応するアウト樋90とを一体に備え、前壁部84の下縁側に対応する下周壁部85aをガイドレール51に沿わせた状態で、装着板86上の固定部86aにおいて透明本体板45に対してねじ止め等により着脱自在に固定されている。
【0027】
なお、前側部材82は、樹脂製の一体形成部品のみで構成されており、遊技球検出手段やLED基板といった電気部品は一切搭載されていないため、ねじ止めを行う固定部86aは、長手方向、即ちガイドレール51に沿う方向の両端側にのみ設けられ、普通入賞口87a,87bやアウト口88の間の中間部分には設けられていない。また、前側部材82は遊技球検出手段等を搭載していないため、普通入賞口87a,87bをよりガイドレール51に近づけて配置することによってコンパクト化が可能であり、限られた遊技領域23のスペースをより効率的に使用できる。
【0028】
普通入賞口(第1入球口)87a,87bは、略上向きの開口部で、前壁部84の上縁側に対応する上周壁部85bに左右に隣接して配置されている。アウト口88も略上向きの開口部で、上周壁部85bに、普通入賞口87a,87bの上流側、即ち左側に隣接して配置されている。なお、アウト口88には当然ながら遊技球検出手段は配置されていないが、その隣の普通入賞口87a,87bの近傍にも遊技球検出手段は配置されていないため、遊技球検出手段の有無によってアウト口か否かを判断することは難しくなっている。もちろん前壁部84には、アウト口88に対応する位置に、アウト口であることを示すアウト口識別情報91が表示されており、これによってアウト口であることを認識可能である。アウト口識別情報91は、例えば「OUT」の文字で構成されている。
【0029】
入賞樋89a,89bは、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を夫々透明本体板45の後側に案内するもので、前壁部84の背面側から後ろ下がりの傾斜状に突設されており、前端側が普通入賞口87a,87bの下側に連通し、後端側が装着孔81を経て透明本体板45の背面側で後向きに開放している。またアウト樋90は、アウト口88に入球した遊技球を透明本体板45の後側に案内するもので、前壁部84の背面側から後ろ下がりの傾斜状に突設されており、前端側がアウト口88の下側に連通し、後端側が装着孔81を経て透明本体板45の背面側で後向きに開放している。
【0030】
なお、上周壁部85bの上流側端部には、ガイドレール51に沿って流下してきた遊技球を普通入賞口87a,87b側に案内する傾斜案内部(第1傾斜案内部)92が形成されている。傾斜案内部92は、右下がりの傾斜面で構成されており、上流側端部はガイドレール51の内面に対して緩い角度で当接又は近接している。
【0031】
後側部材83は、透明、半透明又は不透明な樹脂製で、図4図7に示すように、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を機外へと排出するための入賞球通路93と、アウト口88に入球した遊技球を機外へと排出するためのアウト球通路94とを備え、後部装飾手段60と一体に形成されており、後部支持部材61の後壁部62から前向きに突設された支持部95によって後部装飾手段60とともに支持されている。
【0032】
入賞球通路(球通路)93は、上流端側が普通入賞口87a側の入賞樋89aに連通する第1上流側通路部93aと、上流端側が普通入賞口87b側の入賞樋89bに連通する第2上流側通路部93bと、上流端側の合流部96で第1上流側通路部93aと第2上流側通路部93bとが合流し、下流端側が図外の排出通路に連通する下流側通路部93cとを備え、透明本体板45の背面に沿って配置されている。下流側通路部93c上の所定位置、例えば下流側端部近傍には、遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第1検出手段)97が装着されている。遊技球検出手段97は、一端側に貫通状の検出部97aを備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、下流側通路部93cを流下してきた遊技球が検出部97aを通過するように後側部材83に装着されている。このように、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球は共通の遊技球検出手段97により検出されるようになっている。
【0033】
また、正面視において、下流側通路部93cは合流部96を含めてその略全体が遊技領域23の外側、即ちガイドレール51よりも下側に配置されており、その下流側通路部93c上に配置されている遊技球検出手段97についても同じく遊技領域23の外側、即ちガイドレール51よりも下側に配置されている(図7参照)。このように、遊技球検出手段97は正面視において遊技領域23の外側に配置されており、図6に示すようにその前側には第3レール部材51cが存在し、更にその前側にはガラス扉7の上装飾カバー27が存在することから、当該遊技盤16はいわゆる透明遊技盤であるにも拘わらず、遊技球検出手段97が前側から視認不可能又は視認困難となり、見栄えの低下を抑制できる。
【0034】
なお、このように遊技球検出手段97を正面視において遊技領域23の外側に配置する場合、普通入賞口87a,87bから遊技球検出手段(第1検出手段)97までの遊技球の移動距離、特に上下方向の移動距離が大きくなるため、普通入賞口87a,87bに遊技球が入球した後、その遊技球が遊技球検出手段97で検出されるまでの時間が長くなるが、普通入賞口87a,87bについてはその入球を契機として遊技状態が変化することはないため、普通入賞口87a,87bへの入球から検出までの時間が長くなっても特に問題はない。
【0035】
アウト球通路94は、上流端側がアウト樋90に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように、透明本体板45の背面に沿って略上下方向に配置されている。
【0036】
このように、後側部材83の入賞球通路(球通路)93には遊技球検出手段97は搭載されているが、それ以外の電気部品、例えばLED基板等は搭載されていない。また本実施形態では、正面視において後側部材83の入賞球通路(球通路)93の後側に対応する領域にもLED基板は配置されていない。
【0037】
また、後側部材83と一体に形成された後部装飾手段(装飾体)60は、透明本体板45の背面に沿って配置される装飾板98と、この装飾板98の後側に配置されるLED基板99とを備えている。装飾板98は、透光性を有する樹脂製で、任意の装飾が施されており、例えば入賞球通路93やアウト球通路94の前側を避けてその周辺部に設けられている。LED基板99は、その前面側に多数のLED99aが配置され、装飾板98に対応する形状に形成されている。
【0038】
LED基板99のLED(第1発光手段)99aが点灯すると、それによって装飾板98が発光する。そしてその装飾板98からの光が、透明本体板45を介してその前側の前側部材82の少なくとも一部、例えば普通入賞口87a,87b、アウト口88、装着板86、前壁部84(アウト口識別情報91等)等に対して後側から照射され、これらが発光するようになっている。
【0039】
始動ゲート手段(第3入球手段)54は、遊技領域23内の右流下経路72b上に配置されており、図8図9等に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔101に対して前側から着脱自在に装着される始動ゲート本体部(前構造体)102と、遊技球を検出可能な遊技球検出手段103とを備えている。始動ゲート本体部102は、透明又は半透明の樹脂製で、右流下経路72bを流下してきた遊技球が上下方向に通過可能な普通図柄始動ゲート(ゲート部)104が透明本体板45に対して前向き突出状に形成されており、その普通図柄始動ゲート104の左右両側の固定部102aにおいてねじ止め等により透明本体板45に固定されている。
【0040】
遊技球検出手段(第3検出手段)103は、一端側に貫通状の検出部103aを備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、検出部103aが普通図柄始動ゲート104と一致するように始動ゲート本体部102に対して後側から装着されている。遊技球検出手段103の後部側は透明本体板45の装着孔101内に挿入されており、その後端部から後向きに引き出されたハーネス105は、透明本体板45の背面側に沿って遊技領域23の外側に向けて例えば右向きに配設されている。
【0041】
また、始動ゲート本体部102には、普通図柄始動ゲート104の少なくとも前面側に装飾部(第3装飾部)106が形成されている。この装飾部106は、遊技球検出手段103が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部106は、遊技球検出手段103の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば普通図柄始動ゲート104の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。透明部分であっても、そこに凹凸を形成して光を乱反射させれば目隠しとして機能させることが可能である。
【0042】
このように、本実施形態の始動ゲート手段54では、遊技球検出手段103を、その検出部103aが透明本体板45の前側に位置するように配置するとともに、始動ゲート本体部102の前面側に目隠しとして装飾部106を設けることで遊技球検出手段103が正面視において視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、始動ゲート手段54は遊技球を遊技領域23内で通過させる必要があり、普通入賞手段53のように遊技球検出手段103を透明本体板45の後側に配置することができないためである。
【0043】
また、始動ゲート手段54と直近(即ち右側)のガイドレール51との間には、透明本体板45の前面側に装飾部107が設けられている。この装飾部107は、遊技球検出手段103から引き出されたハーネス105が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、始動ゲート手段54とその右側のガイドレール51との間に透明本体板45の前面に沿って配置された装飾板108の前面側に形成されている。なお、装飾板108は例えば中央表示枠手段52に一体に形成されている。装飾部107は、装飾部106と同じく少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成してもよいし、装飾板108の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。
【0044】
第1始動入賞手段55は、遊技領域23内の左右方向中央における下部側、即ち中央表示枠手段52とその下側のガイドレール51との間に配置されており、図3図4等に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着される第1始動入賞本体部111と、遊技球を検出可能な遊技球検出手段112とを備えている。なお、第1始動入賞手段55の下側のガイドレール51上にはアウト口110が設けられている。
【0045】
第1始動入賞本体部111は、例えば透明又は半透明の樹脂製で、透明本体板45の前面に沿って配置され且つ前側を遊技球が通過可能に形成された前面装着板113と、その前面装着板113の前側に設けられた第1特別始動口114とを一体に備え、前面装着板113においてねじ止め等により透明本体板45に固定されている。第1特別始動口114は、ステージ71に設けられた中央落下部73の下側に対応して上向き開口状に形成されている。
【0046】
遊技球検出手段112は、一端側に貫通状の検出部112aを備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、検出部112aが第1特別始動口114の下側に位置するように第1始動入賞本体部111に対して後側から装着されている。なお、第1特別始動口114に入球した遊技球は、遊技球検出手段112により検出された後、図示しない案内通路により透明本体板45の後側に案内され、機外に排出される。
【0047】
また、第1始動入賞本体部111には、第1特別始動口114の少なくとも前面側に装飾部115が形成されている。この装飾部115は、遊技球検出手段112が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部115は、遊技球検出手段112の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば第1特別始動口114の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。
【0048】
このように、本実施形態の第1始動入賞手段55では、遊技球検出手段112を透明本体板45の前側、即ち第1特別始動口114の下流側直近に配置するとともに、第1特別始動口114の前面側に目隠しとして装飾部115を設けることで遊技球検出手段112が前側から視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、後述するように第1特別始動口114への遊技球の入賞が第1特別図柄表示手段78による図柄変動の開始条件となっていることから、第1特別始動口114から遊技球検出手段112までの距離をむやみに大きくすることができないためである。
【0049】
しかし、遊技領域23を広くするために第1特別始動口114からアウト口110までの距離を十分にとることができない場合もある。その場合は第1特別始動口114に入球した遊技球の上下移動を少なくし、透明本体板45の後側へと流下するようにして、透明本体板45の後側に遊技球検出手段112を配置するようにしても良い。
【0050】
第2始動入賞手段56は、右流下経路72bにおける始動ゲート手段54の下流側で、中央表示枠手段52の右側部における前面装着板52a上に配置されており、図3に示すように、前面装着板52aに形成された第2特別始動口121と、この第2特別始動口121を遊技球が入球可能な開状態と入球不可能(又は開状態よりも入球困難)な閉状態とに変化可能な開閉部材122と、遊技球を検出可能な遊技球検出手段123とを備えている。
【0051】
開閉部材122は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板52aと略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板52aの前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入球させるようになっている。
【0052】
遊技球検出手段123は、一端側に貫通状の検出部を備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、第2特別始動口121の下流側近傍に配置されている。また、前面装着板52aには、遊技球検出手段123の前側に対応して装飾部124が形成されている。この装飾部124は、遊技球検出手段123が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部124は、遊技球検出手段123の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば前面装着板52aの前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。
【0053】
このように、本実施形態の第2始動入賞手段56では、遊技球検出手段123を第2特別始動口121の下流側近傍に配置するとともに、その前側の前面装着板52aに目隠しとして装飾部124を設けることで遊技球検出手段123が前側から視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、後述するように第2特別始動口121への遊技球の入賞が第2特別図柄表示手段79による図柄変動の開始条件となっていることから、第2特別始動口121から遊技球検出手段123までの距離をむやみに大きくすることができず、また第2始動入賞手段56に規定個数の遊技球が入球することで開閉部材122を閉状態にする必要があり、規定個数を大幅に超える入球をしないようにするためである。
【0054】
大入賞手段(第2入球手段)57は、右流下経路72bにおける第2始動入賞手段56の下流側にガイドレール51に沿って配置されており、図4図10図13等に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔131に対して前側から着脱自在に装着される大入賞ユニット(入球ユニット)132により構成されている。
【0055】
大入賞ユニット132は、透明本体板45の前面に沿って装着孔131の周囲に配置される前面装着板133と、その前面装着板133から前側に突出する前構造体134と、前面装着板133から後側に突出する後構造体135とを備えており、後構造体135を装着孔131に対して前側から挿入した状態で、前面装着板133において透明本体板45に対してねじ止め等により固定されている。
【0056】
前構造体134は、透明又は半透明の樹脂製で、その上部に、遊技球を遊技領域23の内側(左側)に向けて案内する傾斜面136が設けられており、その傾斜面136上に、大入賞口(第2入球口)137、普通入賞口138、アウト口139が何れも略上向きの開口状に形成されている。大入賞口137は横長状で、その上流側(右側)に普通入賞口138が、更にその上流側(右側)におけるガイドレール51の近傍にアウト口139が配置されている。傾斜面136の上流側の上部には、遊技球を大入賞口137側、即ち左側に向けて案内する傾斜案内部(第2傾斜案内部)140が、例えば前構造体134に一体に形成されている。
【0057】
なお、前構造体134の前側の前面装飾板(装飾部材)134aは、傾斜面136よりも上側に突出しており、遊技者は前側からこの透明又は半透明の前面装飾板134aを介して傾斜面136上の遊技球の動きを視認可能となっている。また前面装飾板134aには、アウト口139に対応する位置に、「OUT」の文字等により構成されるアウト口識別情報91が表示されており、これによってアウト口であることを認識可能である。
【0058】
また前構造体134には、大入賞口137に入球した遊技球を後向きに案内する入賞案内部141(図11)と、普通入賞口138に入球した遊技球を後向きに案内する入賞樋142(図12)と、アウト口139に入球した遊技球を後向きに案内するアウト樋143(図13)とが設けられている。
【0059】
後構造体135は、透明又は半透明の樹脂製で、図10図13等に示すように、大入賞口137に入球した遊技球を機外へと排出するための入賞球通路144と、普通入賞口138に入球した遊技球を機外へと排出するための入賞球通路145と、アウト口139に入球した遊技球を機外へと排出するためのアウト球通路146とを一体に備えている。
【0060】
入賞球通路144は、上流端側が入賞案内部141に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように略上下方向に配置されており、その所定位置、例えば上流側端部近傍に、遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第2検出手段)147が装着されている。大入賞口137に入球した遊技球は、入賞案内部141により後向きに案内され、遊技球検出手段147に検出された後に入賞球通路144を経て機外へと排出される。
【0061】
また入賞球通路145は、上流端側が入賞樋142に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように略上下方向に配置されており、その所定位置、例えば上流側端部近傍に、遊技球を検出可能な遊技球検出手段148が装着されている。普通入賞口138に入球した遊技球は、入賞樋142により後向きに案内され、入賞球通路145を経て機外へと排出される途中で遊技球検出手段148により検出される。
【0062】
またアウト球通路146は、上流端側がアウト樋143に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように略上下方向に配置されている。アウト口139に入球した遊技球は、アウト樋143、アウト球通路146を経て機外へと排出される。
【0063】
なお、本実施形態の大入賞ユニット132は、上述したように傾斜面136の上流端側にアウト口139を設けているため、傾斜面136の上流端側からガイドレール51に沿ってアウト口110に至る球流下経路を設ける必要がない。これにより、大入賞ユニット132をガイドレール51に沿って配置することができ、限られた遊技領域23のスペースをより効率的に使用できる。
【0064】
また後構造体135には、大入賞口137を開閉するための開閉手段149が設けられている。開閉手段149は、大入賞口137に対応する開閉部材151と、この開閉部材151を駆動する開閉駆動手段152とで構成されている。開閉部材151は、大入賞口137に対応する板状部材で、傾斜面136に合わせて左下がりの傾斜状に形成されており、前面装着板133よりも前側に突出する突出位置(図11に実線で示す)と、前面装着板133よりも前側に突出しない退避位置(図11に二点鎖線で示す)との間で前後方向にスライド移動可能な状態で支持されている。なお、開閉部材151が前側の突出位置にあるときには大入賞口137が閉鎖されて遊技球が入球不可能な状態(閉状態)となり、開閉部材151が後側の退避位置にあるときには大入賞口137が開放されて遊技球が入球可能な状態(開状態)となる。
【0065】
開閉駆動手段152は、電磁ソレノイド等により構成され、その可動部152aが図外の連結手段により開閉部材151と連結されており、OFF時には開閉部材151を突出位置に保持することにより大入賞口137を閉状態とし、ON時には開閉部材151を退避位置まで後向きにスライドさせることにより大入賞口137を開状態に変化させるように構成されている。
【0066】
なお、開閉部材151は、不透明な所定色(例えば赤色)の樹脂製で、前側からは透明又は半透明の前面装飾板134aを介して視認可能となっている。このように、透明又は半透明の前構造体134に対して開閉部材151を不透明とすることにより、大入賞口137の位置やその開閉状態を前側から容易に視認可能となっている。また、このように開閉部材151は不透明であることから、大入賞口137の後方下部に配置されている遊技球検出手段147は、遊技者が前斜め上方から見下ろす場合、開閉部材151が閉状態(突出位置)であればその開閉部材151に遮られて視認不可能又は視認困難となるが、開閉部材151が開状態(退避位置)であれば開放された大入賞口137を介して視認可能な状態となる。
【0067】
また、前面装飾板134aには、遊技球検出手段147,148の前側に対応して装飾部153が形成されている。この装飾部153は、遊技球検出手段147,148が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部153は、遊技球検出手段147,148の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば前面装飾板134aの前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。さらに、前面装飾板134aにおける開閉部材151と装飾部153の間の位置を、装飾を施さずに透明にすることで、開閉部材151が閉状態でも、この透明な個所を介して大入賞口137の内部と遊技球検出手段147が視認可能な状態となるようにしてもよい。万が一、開閉部材151が閉鎖した後に大入賞口137の内部にて遊技球が詰まった場合にもこれを視認し、確認できるようにするためである。
【0068】
このように、本実施形態の大入賞手段57(大入賞ユニット132)では、遊技球検出手段147を大入賞口137の近傍に配置するとともに、前面装飾板134aの前面側に目隠しとして装飾部153を設けることで遊技球検出手段147が前側から視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、大入賞口137は、開状態となった後の入賞個数(遊技球検出手段147による検出個数)が所定上限個数に達した場合には閉状態に切り替えるように制御されるため、大入賞口137と遊技球検出手段147との間の距離を普通入賞手段53のように大きくとることができないためである。
【0069】
即ち本実施形態では、上述した普通入賞手段(第1入球手段)53における普通入賞口(第1入球口)87a,87bから遊技球検出手段(第1検出手段)97までの遊技球の移動距離が、上下方向、前後方向、左右方向の少なくとも何れかが、大入賞手段(第2入球手段)57における大入賞口(第2入球口)137から遊技球検出手段(第2検出手段)147までと比較して長くなっており、それによって遊技球検出手段(第1検出手段)97を正面視において視認不能又は視認困難な位置、即ち遊技領域23の外側に配置することが可能となっている。
【0070】
また、大入賞ユニット132には、例えば前構造体134における前面装飾板134aの後側にLED基板154が配置されており、そのLED基板154の前面側に配置されたLED(第2発光手段)154aが点灯することにより、その光が透明本体板45を介することなく前面装飾板134aのアウト口識別情報91や装飾部153に対して後側から照射されるようになっている。
【0071】
これは、普通入賞手段53のように、大入賞ユニット132の後方に後部装飾手段(装飾体)を配置し、後部装飾手段(装飾体)を介して発せられる光により、前面装飾板134aを照射しようとすると、遊技球検出手段147,148、開閉駆動手段152等の電気部品が影となり、見栄えが低下してしまうため、大入賞ユニット132の前面装飾板134aの後側にLED基板154を配置したものである。
【0072】
なお、この大入賞手段57(大入賞ユニット132)に搭載された遊技球検出手段147,148、開閉駆動手段152、LED基板154等の電気部品から引き出されたハーネス155は、後構造体135の後側を経て遊技領域23の外側に向けて配設されており、しかも上述したように大入賞ユニット132とガイドレール51との間には球流下経路が設けられていないため、透明本体板45を用いているにも拘わらずハーネス155を前側から視認困難又は視認不可能な状態で配置することが可能である。
【0073】
可動演出手段59は、図3図5図10に示すように、可動体161と、この可動体161を例えば上下方向に駆動する駆動手段162とを備えている。可動体161は、液晶表示手段58の前側に横長状に配置され、その前面側には例えば任意の形状(ここでは飛行機をモチーフにした立体形状)に形成された装飾部161aが設けられており、その左右両端側が、液晶表示手段58の左右両側に対応して後壁部62の前面側に装着された一対の駆動手段162,162によって夫々上下方向に移動可能な状態で支持されている。
【0074】
可動体161には、装飾部161a内にLED基板163が配置されており、そのLED基板163の前面側に配置されたLED163aが点灯することによって装飾部161aが発光するようになっている。
【0075】
普通図柄表示手段76は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、右流下経路72bを流下する遊技球が普通図柄始動ゲート104を通過し、遊技球検出手段103がそれを検出することに基づいて複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、遊技球検出手段103による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様(所定態様)に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合には外れ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。普通図柄表示手段76の変動後の停止図柄が当り態様となった場合には普通利益状態が発生する。普通利益状態では、第2始動入賞手段56の開閉部材122が所定時間閉状態から開状態に変化して、第2特別始動口121に遊技球が入球可能な状態となる。
【0076】
また、普通図柄表示手段76の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動ゲート104を遊技球が通過した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段77等によって遊技者に報知される。
【0077】
第1特別図柄表示手段78は、1個又は複数個、例えば1個の第1特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別始動口114に遊技球が入球し、遊技球検出手段112がそれを検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、遊技球検出手段112による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第1大当り態様で、それ以外の場合には第1外れ態様で夫々停止するようになっている。第1特別図柄表示手段78の変動後の停止図柄が第1大当り態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
【0078】
なお、第1特別始動口114は、左流下経路72a側のワープ入口71aからステージ71を経て入球するルートが存在すること等により、右流下経路72bを流下してきた遊技球よりも左流下経路72aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入球可能となっている。
【0079】
第2特別図柄表示手段79は、1個又は複数個、例えば1個の第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、普通利益状態中に開状態となった第2特別始動口121に遊技球が入球し、遊技球検出手段123がそれを検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、遊技球検出手段123による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第2大当り態様で、それ以外の場合には第2外れ態様で夫々停止するようになっている。第2特別図柄表示手段79の変動後の停止図柄が第2大当り態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
【0080】
また、第1特別図柄表示手段78の図柄変動中、第2特別図柄表示手段79の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別始動口114,121に遊技球が入球した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合(第2特別図柄に関する図柄変動開始条件が成立した場合)にはその第2特別図柄の保留記憶が消化されて第2特別図柄の変動が行われ、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合(第1特別図柄に関する図柄変動開始条件が成立した場合)にはその第1特別図柄の保留記憶が消化されて第1特別図柄の変動が行われる。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動が優先的に行われるようになっている。なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、液晶表示手段58等によって遊技者に報知される。
【0081】
第1,第2特別図柄表示手段78,79の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当り態様で停止することによって第1,第2特別利益状態が発生した場合には、大入賞手段57の開閉部材151が所定の開放パターンに従って開放して、傾斜面136上を流下する遊技球を大入賞口137内へと入球させるようになっている。
【0082】
ここで、開閉部材151の開放パターンは、所定の単位開放動作を5R、10R等の所定ラウンド数実行するように構成されている。ここで、単位開放動作とは、大入賞口137を開放(通常状態から特定状態へ切り替え)してから所定上限時間(例えば28秒)が経過するか、それまでに所定上限個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞口137を閉鎖(特定状態を終了)する動作である。このように、大入賞口137の開放中(特定状態中)における大入賞口137への遊技球の入賞個数が所定上限個数に達した場合には大入賞口137を閉鎖(特定状態を終了)するように制御されるため、大入賞手段57では、大入賞口137から遊技球検出手段147までの距離をむやみに大きくすることができず、大入賞口137の下流側近傍に遊技球検出手段147を配置している。
【0083】
また液晶表示手段58には、図3に示すように、第1,第2特別図柄表示手段78,79による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄171が変動表示される他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留表示画像X1~X4,Y1~Y4等の各種画像が表示されるようになっている。
【0084】
ここで演出図柄171は、1~9の数字等で構成される図柄画像171aと、キャラクタその他の装飾画像171bとの結合で構成され、左右方向に複数列、例えば3列で夫々変動可能であり、第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って縦スクロール等による変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。なお演出図柄171では、例えば全て同じ図柄で揃った場合が大当り演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様となる場合には演出図柄171は大当り演出態様となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄171は外れ演出態様となる。
【0085】
図14は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図14において、主制御基板181は遊技動作を統括的に制御するもので、普通図柄表示手段76、第1,第2特別図柄表示手段78,79等の表示手段の他、普通図柄始動ゲート104、第1,第2特別始動口114,121、大入賞口137、普通入賞口87a,87b,138に対応して設けられた遊技球検出手段103,112,123,147,97,148等が接続されている。
【0086】
また主制御基板181の下位には、演出制御基板182、液晶制御基板183、払出制御基板184、発射制御基板185等の各種制御基板が接続されている。演出制御基板182は、主制御基板181からの制御コマンドに基づいて演出制御を行うもので、電飾手段186、スピーカ18,25、可動演出手段59等の各種演出手段の他、演出ボタン34、十字操作手段35等の操作手段が接続されている。なお、電飾手段186は、LED基板99,154,163等、前枠3や遊技盤16に配置された各種発光手段により構成されている。
【0087】
液晶制御基板183は、演出制御基板182からの制御コマンドに基づいて液晶表示手段58を制御するものである。また払出制御基板184は、主制御基板181からの制御コマンドに基づいて払い出し手段28を制御するもので、その下位に発射制御基板185が接続されている。発射制御基板185は、払出制御基板184からの発射制御信号、発射ハンドル32からの操作信号等に基づいて発射手段17を制御するようになっている。発射制御基板185は例えば発射手段17の裏側等に配置されている。
【0088】
主制御基板181は、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段191、普通始動口チェック処理手段192、普通乱数記憶手段193、普通図柄処理手段194、普通図柄表示制御手段195、普通利益状態発生手段196、特別乱数作成処理手段197、特別始動口チェック処理手段198、特別乱数記憶手段199、特別図柄処理手段200、特別図柄表示制御手段201、特別利益状態発生手段202、特別遊技状態発生手段203、入賞処理手段204、制御コマンド送信手段205等を備えている。
【0089】
普通乱数作成処理手段191は、変動後の普通図柄を当り態様とするか否かの判定に用いる当り判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段192は、普通図柄始動ゲート104による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、遊技球が普通図柄始動ゲート104を通過し、遊技球検出手段103がそれを検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段191で作成された当り判定乱数値等の普通乱数情報を取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段193に記憶させるように構成されている。
【0090】
普通図柄処理手段194は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段76が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段193に1個以上の当り判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段193に記憶されている普通乱数情報の待ち行列の先頭から当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致するか否かに応じて当り/外れの判定を行う当り判定機能、当り/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
【0091】
なお本実施形態では、後述する特別遊技状態中(時短状態中及び確変状態中)の当り確率(例えば1/1.3)がそれ以外の通常遊技状態中の当り確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
【0092】
普通図柄表示制御手段195は、普通図柄処理手段194による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段76の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段76が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段193に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段76による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段194で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段194で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0093】
普通利益状態発生手段196は、普通図柄処理手段194による当り判定の結果が当りとなることに基づいて普通図柄表示手段76の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に、第2特別始動口121の開閉部材122が例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化する普通利益状態を発生させるようになっている。本実施形態では、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが夫々選択されるようになっている。
【0094】
特別乱数作成処理手段197は、大当り/外れの判定に用いる大当り判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0095】
特別始動口チェック処理手段198は、第1,第2特別始動口114,121への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別始動口114,121の何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段197で作成された大当り判定乱数値、大当り図柄乱数値等の第1,第2特別乱数情報を取得し、その第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として特別乱数記憶手段199に記憶させると共に、増加後の第1,第2特別保留個数等を指定する第1,第2保留増加コマンドを制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信するように構成されている。
【0096】
また、特別始動口チェック処理手段198は先読み判定手段198aを備えている。この先読み判定手段198aは、第1,第2特別始動口114,121に遊技球が入賞したときに取得される第1,第2特別乱数情報について、例えばその取得時に、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が第1,第2大当り判定値と一致するか否か等について先読み判定を行うようになっている。この先読み判定結果は、例えば第1,第2特別始動口114,121の何れかに遊技球が入賞することに基づいて送信される保留増加コマンドにより演出制御基板182等に伝達される。
【0097】
特別図柄処理手段200は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段78,79が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かに応じて大当り/外れの判定を行う大当り判定機能、大当り判定の結果に応じて、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り図柄乱数値等に基づいて第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当り判定の結果に応じて、第1,第2特別図柄の変動パターンを複数種類の中から選択する変動パターン選択機能等を備えている。
【0098】
また第1,第2特別図柄の変動開始時には、減少後の第1,第2特別保留個数等を指定する第1,第2保留減少コマンド、演出図柄171の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、第1,第2特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンド等が制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信される。一方、第1,第2特別保留個数が共に0の状態で第1,第2特別図柄の変動が終了する等により第1,第2特別図柄の変動待機状態となった場合には、客待ちデモコマンドが制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信される。
【0099】
特別図柄表示制御手段201は、第1,第2特別図柄表示手段78,79の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段200による特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段78又は第2特別図柄表示手段79による第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に、選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。なお、第1,第2特別図柄の変動終了時には、演出図柄171の変動停止を指示する変動停止コマンドが制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信される。
【0100】
特別利益状態発生手段202は、遊技者に有利な第1,第2特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段200による大当り判定の結果が大当りとなり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当り態様(特定態様)となった場合に、大入賞口137を所定の開放パターンに従って開放する第1,第2特別利益状態(利益状態)を発生させるように構成されている。
【0101】
特別遊技状態発生手段203は、第1,第2特別利益状態の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が大当り判定値と一致した場合の大当り図柄乱数値に応じて例えば時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。
【0102】
時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄が当り態様となる確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別始動口121の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は第1,第2特別利益状態の終了後に開始し、次の特別利益状態が発生するか、それまでに第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
【0103】
確変状態中は、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。また、確変状態中は、原則として時短状態と同様の切り換えも併せて行われる。なお、確変状態は第1,第2特別利益状態の終了後に開始し、次の特別利益状態が発生した時点で終了するが、第1,第2特別図柄の変動回数等の他の終了条件を付加してもよい。
【0104】
入賞処理手段204は、各入賞口、即ち普通入賞口87a,87b,138、第1,第2特別始動口114,121、大入賞口137への遊技球の入賞による賞球払い出しに関する処理を行うもので、例えばそれら入賞口87a、87b、138,114,121,137毎の入賞個数を、遊技球検出手段97,148,112,123,147からの検出信号に基づいてカウントし、その入賞口毎の入賞個数のカウント値と、入賞口毎に設定された賞球個数とに基づいて、例えば一入賞毎に払出個数指定コマンドを制御コマンド送信手段205を介して払出制御基板184に送信するようになっている。
【0105】
また入賞処理手段204は異常入賞判定手段204aを備えている。異常入賞判定手段204aは、ゴト行為等が疑われる異常入賞を判定するためのもので、各入賞口87a,87b,138,114,121,137に対応して設けられた遊技球検出手段97,148,112,123,147からの検出信号に基づいて異常入賞判定を行うように構成されている。この異常入賞判定手段204aで異常入賞と判定された場合には、エラー報知その他のエラー処理が実行される。なお本実施形態では、始動ゲート手段(第3入球手段)54に関しては、遊技球検出手段(第3検出手段)103からの検出信号に基づく異常判定は行わない。
【0106】
本実施形態では、普通入賞手段(第1入球手段)53に設けられた普通入賞口87a,87bへの入賞に関する第1異常入賞判定と、大入賞手段(第2入球手段)57に設けられた大入賞口137への入賞に関する第2異常入賞判定として、それぞれ次のような処理を行うようになっている。
【0107】
即ち、第1異常入賞判定(第1異常検出判定)では、遊技状態に拘わらず、所定時間に所定回数以上の入賞検出があった場合に異常と判定する。普通入賞口87a,87bの場合にはどのような遊技状態でも入賞の可能性があるため、1回の入賞検出では異常を判定することはできず、複数回の入賞検出によって異常を判定するようになっている。
【0108】
この第1異常入賞判定の一つの具体例としては、4ms毎のタイマ割込において、普通入賞口87a,87bに対応する遊技球検出手段97がONであるか否かを判定し、ONであれば異常判定カウンタをインクリメント(+1)し、OFFであれば異常判定カウンタを0クリアするとともに、その異常判定カウンタが250(所定値)に達した場合、即ち1000ms(タイマ割込250回)連続で遊技球検出手段97がONであった場合に異常と判定する。また、第1異常入賞判定の他の具体例としては、遊技球検出手段97がONになったことを契機として、タイマによる所定時間の計時(例えば5000msのタイマのカウントダウン)と、遊技球検出手段97がONになった回数のカウントとを開始し、タイマによる所定時間の計時中にカウント値が10回(所定回数)を超えた場合に異常と判定する。
【0109】
なお本実施形態の普通入賞手段53では、遊技球検出手段97が前側から視認不可能又は視認困難な位置に配置されているため、遊技球検出手段97に対するゴト行為を目視で確認することが難しい可能性があることから、上述のように異常入賞判定を常時行うことが有効である。
【0110】
また、第2異常入賞判定(第2異常検出判定)では、特別利益状態(特定状態)を含む特定期間中でない場合に大入賞口137に対応する遊技球検出手段147がONになった場合に異常と判定する。特定期間は、特別利益状態の開始時に開始され、特別利益状態の終了後、入賞有効時間が経過した時点で終了する。入賞有効時間とは、特別利益状態中に大入賞口137に入賞した遊技球が全て遊技球検出手段147を通過するまでに必要な時間であって、30秒等の所定時間に設定される。大入賞口137については、正規の入賞によって遊技球検出手段147がONになるのは特定期間中に限られるから、特定期間中以外で遊技球検出手段147が一回でもONになった場合にはその時点で異常と判断できる。即ち、普通入賞口の場合と比べて少ない回数の入賞検出によって異常を判定することが可能である。
【0111】
制御コマンド送信手段205は、各種制御コマンドを演出制御基板182等の制御基板に送信して制御指令を与えるためのものである。
【0112】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、普通入賞手段(第1入球手段)53が、透明本体板45に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材82と、透明本体板45の後側に装着される後側部材83とを備え、遊技領域23を流下してきた遊技球が入球可能な普通入賞口(第1入球口)87a,87bを前側部材82に配置し、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第1検出手段)97を、後側部材83における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置しているため、いわゆる透明遊技盤を採用するにあたり、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を検出する遊技球検出手段97について前側からの視認性を抑制することで見栄えの低下を解消することが可能である。
【0113】
また、遊技盤16は、透明本体板45に対して前側から装着される大入賞ユニット(入球ユニット)132よりなる大入賞手段(第2入球手段)57を有し、大入賞ユニット132に、大入賞口(第2入球口)137と、遊技領域23を流下してきた遊技球が大入賞口137に入球可能な開状態と開状態よりも入球困難又は入球不可能な閉状態とに変化可能な開閉部材151と、大入賞口137に入球した遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第2検出手段)147とを配置し、普通入賞手段53における普通入賞口87a,87bから遊技球検出手段97までの上下方向距離を、大入賞手段57における大入賞口137から遊技球検出手段147までの上下方向距離よりも長くすることにより、遊技球検出手段97を正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置している。
【0114】
また、大入賞手段57は、開閉部材151を閉状態に維持する通常状態と、開閉部材151を開状態に変化させる特定状態とに切り替え可能であり、特定状態中に遊技球検出手段147による遊技球の検出個数が所定上限個数に達した場合に特定状態を終了するように構成されている。
【0115】
また、遊技球検出手段97を、透明本体板45の後側における遊技領域23の外側に対応する位置に配置している。
【0116】
また、前側部材82は、普通入賞口87a,87bの上流側に、遊技球を普通入賞口87a,87b側に案内する傾斜案内部(第1傾斜案内部)92を備え、大入賞ユニット132は、大入賞口137の上流側に、遊技球を大入賞口137側に案内する傾斜案内部(第2傾斜案内部)140を備えている。
【0117】
また、普通入賞手段53は、一つの遊技球検出手段97に対して複数の普通入賞口87a,87bを備え、それら複数の普通入賞口87a,87bから一つの遊技球検出手段97に向けて遊技球を案内する入賞球通路(球通路)93における合流部96を、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置している。
【0118】
また、大入賞手段57の遊技球検出手段147を、前面装飾板(装飾部材)134aに設けた装飾部153の後方に、正面視において視認不能又は視認困難な状態で配置している。
【0119】
また、遊技球検出手段147を、開閉部材151が開状態のときに大入賞口137を介して視認可能な位置に配置している。また、不透明に形成された開閉部材151を、前面装飾板134aを介して前側から視認可能としている。
【0120】
また、始動ゲート手段(第3入球手段)54は、透明本体板45に対して前側から装着される始動ゲート本体部(前構造体)102に、遊技領域23内で遊技球が通過可能に構成され且つ前側に装飾部(第3装飾部)106が設けられた普通図柄始動ゲート(ゲート部)104と、普通図柄始動ゲート104を通過する遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第3検出手段)103とを配置し、遊技球検出手段103を普通図柄始動ゲート104における装飾部106の後方に配置することにより、前側から視認不能又は視認困難な状態としている。
【0121】
また、普通入賞手段53に関しては、時間経過と遊技球検出手段97による検出数とに基づく第1異常検出判定を実行し、大入賞手段57に関しては、開閉部材151を開状態に変化させる特定状態を含む特定期間中でない場合における遊技球検出手段147による検出に基づく第2異常検出判定を実行し、始動ゲート手段54に関しては遊技球検出手段103の検出に基づく異常検出判定を行わないようになっている。
【0122】
また、透明本体板45の後側に配置された後部装飾手段(装飾体)60を介して発せられる光によって透明本体板45を介して前側部材82を発光させることが可能であり、大入賞ユニット132に設けられたLED(発光手段)154aからの光によって透明本体板45を介することなく前面装飾板134aを発光させることが可能となっている。
【0123】
また、大入賞ユニット132にアウト口139を設けるとともに、前面装飾板134aにアウト口を示すアウト口識別情報(識別情報)91を表示し、LED154aからの光がアウト口識別情報91を照射するようになっている。
【0124】
図15図16は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、普通入賞手段53における遊技球検出手段97を正面視における遊技領域23内に対応する位置に配置するとともに、透明本体板45における遊技球検出手段97の前側に対応する位置に装飾部211を配置した例を示している。
【0125】
本実施形態の普通入賞手段53は、普通入賞口87a,87b、アウト口88等を前側部材82に、入賞球通路93、遊技球検出手段97等を後側部材83に夫々配置する点については第1の実施形態と同様であるが、入賞球通路93の形状及び遊技球検出手段97の配置位置が第1の実施形態とは異なっている。
【0126】
即ち、入賞球通路93は、合流部96を含めてその略全体が正面視における遊技領域23内に対応して配置されており、またその入賞球通路93上に配置される遊技球検出手段97についても、正面視における遊技領域23内に対応する位置に配置されている。
【0127】
また本実施形態では、透明本体板45における、遊技球検出手段97及び入賞球通路93の合流部96の前側に対応する位置に装飾部211が形成されている。この装飾部211は、遊技球検出手段97等が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部211は、遊技球検出手段97等の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば透明本体板45の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。透明部分であっても、そこに凹凸を形成して光を乱反射させれば目隠しとして機能させることが可能である。なお本実施形態では、装飾部211を透明本体板45の前面側に設けているが、背面側に設けてもよい。
【0128】
このように、透明本体板45に設けた装飾部211の後側に遊技球検出手段97を配置することで、遊技球検出手段97を遊技領域23内に対応する位置に配置した場合であっても正面視において視認不可能又は視認困難とすることが可能である。なお、本実施形態では装飾部211を透明本体板45に設けた例を示したが、装飾部211は前側部材82の前壁部84等、透明本体板45の前側に配置した部材に設けてもよいし、入賞球通路93の前面側等、透明本体板45の後側に配置した部材に設けてもよい。
【0129】
図17図18は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、透明本体板45の後側に設けた可動体221からの光によって普通入賞手段53の前側部材82を発光させるように構成した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、新たな可動演出手段220を設けた点のみである。
【0130】
本実施形態の遊技盤16には、透明本体板45の後側に可動演出手段59とは別に可動演出手段220が配置されている。この可動演出手段220は、可動体221と、この可動体221を例えば揺動駆動する駆動手段222とを備えている。可動体221は、その前面側に透光性を有する樹脂製の装飾板223が、内部にはLED基板224がそれぞれ配置されており、駆動手段222の駆動により、略全体が中央表示枠手段52による表示枠の外側に退避した状態となる原点位置(図17に破線で示す)と、少なくとも一部分が中央表示枠手段52による表示枠内に進出する作動位置(図17に二点鎖線で示す)との間で揺動可能に支持されている。
【0131】
なお、可動体221が原点位置にあるとき、その可動体221の少なくとも一部が、普通入賞手段53の後側に重なった状態となる。これにより、可動体221が原点位置にあるときにLED基板224の前面側のLED224aが点灯すると、それによって装飾板223が発光し、更にその装飾板223からの光が、後側部材83や透明本体板45を介してその前側の前側部材82を後側から照らすようになっている。なお、前側部材82を後側から照らすのは可動体221からの光だけでなく、第1の実施形態と同様、後部装飾手段60からの光についても前側部材82の一部を後側から照らすようになっている。
【0132】
このように、透明本体板45の後側に配置した可動体221からの光によって普通入賞手段53の前側部材82を後側から照らすように構成してもよい。
【0133】
続いて、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて詳述する。図19図27は本発明をパチンコ機である遊技機に採用した第4の実施形態を例示している。遊技盤501は、図19図20に示すように構成されており、機枠(前枠)の遊技盤装着部に着脱自在に装着されている。
【0134】
遊技盤501は概ね矩形状であり、この遊技盤501の前面側には、図19に示すように、遊技領域502と、この遊技領域502を取り囲む外周部材503とが設けられている。遊技領域502の一側には、外周部材503とガイドレール504との間に遊技球の打ち込み通路505が形成されており、機枠側の発射手段により発射された遊技球を、打ち込み通路505を経て遊技領域502の上部へと打ち込むようになっている。
【0135】
遊技領域502の中央部には、画像表示手段506と、この画像表示手段506の前側に対応するセンターケース507とが装着されている。画像表示手段506は液晶式等であって、演出図柄表示手段510等を構成している。センターケース507は、遊技盤501の前面に当接して遊技盤501から前側に突出するように装着されており、内周側に画像表示手段506の表示画面に対応する表示窓508が設けられている。センターケース507の前面には、普通図柄表示手段509、第1特別図柄表示手段511、第2特別図柄表示手段512等が設けられている。
【0136】
遊技領域502には、センターケース507の左右両側に左打ち通路513と右打ち通路514とが設けられている。また遊技領域502には、普通図柄始動手段515、複合入賞手段516、第1特別図柄始動手段517、第2特別図柄始動手段518が配置されている。
【0137】
普通図柄始動手段515は普通図柄表示手段509による図柄始動を開始させるためのもので、通過ゲートにより構成されている。普通図柄表示手段509は普通図柄始動手段515の遊技球の検出を契機に普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の二種類の普通図柄に対応する2個のLED等の発光体により構成されている。即ち、普通図柄表示手段509は普通図柄始動手段515が遊技球を検出することを条件に2個の発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段515による遊技球の検出時に取得された当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合に、当り態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合に外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で夫々点滅を終了する。
【0138】
第1特別図柄始動手段517は、遊技球の検出を契機に第1特別図柄表示手段511による第1図柄変動を開始させるためのものであり、第2特別図柄始動手段518は、遊技球の検出を契機に第2特別図柄表示手段512による第2図柄変動を開始させるためのものである。なお、第1特別図柄始動手段517は非開閉式である。第2特別図柄始動手段518は遊技球が入球不可能(又は入球困難)な閉状態と入球可能(又は入球容易)な開状態とに切り換え可能な開閉式であり、普通図柄表示手段509の変動後の停止図柄が当り態様となって普通利益状態が発生したときに、閉状態から開状態へと所定時間開放するようになっている。
【0139】
第1特別図柄表示手段511、第2特別図柄表示手段512は1個又は複数個の表示手段、例えば特別図柄を変動表示可能なセグメント式等の1個の表示手段により構成されている。そして、各特別図柄表示手段511,512は、対応する特別図柄始動手段517,518に遊技球が入賞することを条件に各特別図柄を所定時間変動表示して、各特別図柄始動手段517,518への入賞時に取得した大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合に、特別図柄が所定の大当り態様(特定態様)で、それ以外の場合に外れ態様で夫々停止する。
【0140】
演出図柄表示手段510は特別図柄表示手段511、512による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄510a~510cを変動表示するもので、1個又は複数個(例えば左右方向に3個)の演出図柄510a~510cを各種の演出画像と共に画像表示手段506の表示画面に変動表示可能に構成されている。
【0141】
演出図柄510a~510cは数字図柄により構成されており、第1特別図柄始動手段517、第2特別図柄始動手段518に遊技球が入賞した場合に、特別図柄の変動開始と同時に複数種類の変動パターンの何れかに従って変動を開始して、特別図柄の停止と同期して略同時に停止する。なお、演出図柄510a~510cは特別図柄が外れ態様で停止する場合には外れ演出態様で停止し、特別図柄が大当り態様で停止する場合には大当り演出態様で停止する。
【0142】
複合入賞手段516は大入賞手段521と普通入賞手段522とを左右に備えて複合化したものであり、この複合入賞手段516には前向きに発光表示可能な発光表示手段529~531が左右方向に複数設けられている。第1特別図柄始動手段517には前向きに発光表示可能な発光表示手段532,533が左右方向の両側に設けられている。なお、発光表示手段529~533はLED発光式のものが採用されているが、他の形式のものでもよい。
【0143】
大入賞手段521は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉式であって、第1特別図柄表示手段511、第2特別図柄表示手段512の変動後の特別図柄が大当り態様となって特別利益状態が発生したときに、所定の開放パターンに従って1回又は複数回開放してその上側から遊技球を入賞させるようになっている。
【0144】
遊技盤501の裏側には、図20に示すように、遊技盤501に装着された裏カバー524と、この裏カバー524の裏側に上下に配置された主制御基板525及び演出制御基板526等が設けられている。裏カバー524は遊技盤501に装着された画像表示手段506、複合入賞手段516、第1特別図柄始動手段517等を裏側から覆うためのものである。主制御基板525は大入賞手段521等による遊技盤501側の遊技動作を制御するためのものであり、主制御基板ケース527に収容されて裏カバー524の裏側に着脱可能に装着されている。
【0145】
演出制御基板526は演出図柄表示手段510の演出図柄510a~510cの変動表示、発光表示手段529~533の発光表示等の各種演出動作を制御するためのものであり、演出制御基板ケース534に収容されて裏カバー524の裏側に着脱可能に装着されている。
【0146】
第1特別図柄始動手段517は、遊技領域502の最下部のアウト球口535の上側近傍に配置されている。この第1特別図柄始動手段517は左右方向に長い横長状であって、図21図23に示すように、遊技盤501の前面に当接し且つ前面側から着脱可能に固定された当接板536と、この当接板536の裏側に設けられ且つ遊技盤501の装着孔537に挿入されるケース部538と、当接板536の左右略中央から前側に突出する第1始動口539と、第1始動口539に入賞した遊技球をケース部538内を経て遊技盤501の裏側へと案内する案内通路540と、第1始動口539に入賞した遊技球を検出する第1始動スイッチ541と、第1始動スイッチ541の近傍に配置された電波センサ542と、第1始動口539の左右両側で当接板536の裏側に設けられた左右一対の発光表示用のLED基板543,544とを有する。
【0147】
当接板536はねじ等の固定具で遊技盤501の前面に固定されており、この当接板536には左右両側に発光表示部545,546が設けられている。ケース部538は、当接板536の裏側に一体に形成された前部側538aと、この前側部538aに対して裏側から着脱可能に装着された後部側538bとを備え、遊技盤501の装着孔537に前側から挿入される挿入部547を構成している。
【0148】
第1始動スイッチ541は、第1始動口539に入賞する遊技球を検出して第1特別図柄表示手段511の第1特別図柄を変動させるためのものであり、遊技球の検出部にコイルを備えた電磁誘導型のものが使用され、第1始動口539の入口側で当接板536、ケース部538等に装着されている。
【0149】
電波センサ542は第1始動スイッチ541を誤動作させるために第1始動スイッチ541の周辺に送信される不正電波を検出するためのもので、第1始動スイッチ541の側方近傍に配置され、ケース部538内のセンサ収容部565内に設けられている。
【0150】
左右のLED基板543,544は、当接板536の左右両側に設けられた発光表示部545,546と共に発光表示手段532,533を構成するもので、各発光表示部545,546に対応してケース部538内の透過壁550に当接板536と略平行に装着されている。LED基板543,544の前面には、発光表示部545,546に光を照射するLED543a,544aが設けられ、またケース部538の左右方向の中央側の裏面に基板側コネクタ552,553が設けられている。
【0151】
なお、当接板536、透過壁550は光透過性を有し、LED543a,544aからの光により発光表示部545,546を発光させることができる。また当接板536及び/又は透過壁550には、当接板536の裏側部分を透視できないように、凹凸模様等の透視阻害部555が設けられている。
【0152】
図25に示すように、第1始動スイッチ541にはハーネス556が、電波センサ542にはハーネス557が、左右のLED基板543,544にはハーネス558,559が夫々接続されている。各ハーネス556~559はケース部538の後壁部560の裏側に引き出されて、留め具563により後壁部560の留め部562に一纏めに留められている。第1始動スイッチ541、電波センサ542側のハーネス556,557は、その先端のハーネス側コネクタ556a,557aを介して主制御基板525に直接的又は間接的に接続可能であり、また左右のLED基板543,544側のハーネス558,559は、その先端のハーネス側コネクタ558a,559aを介して演出制御基板526に直接的又は間接的に接続可能である。
【0153】
第1特別図柄始動手段517の裏側には、図23等に示すように、第1始動スイッチ541の後方側に対応してケース部538の後壁部560の左右方向の略中央に管理情報表示部564が設けられ、この管理情報表示部564に、第1特別図柄始動手段517の管理番号、その他の管理情報が表示されている。ケース部538の後壁部560には、管理情報表示部564の他に、この管理情報表示部564の一側から下側にかけて留め部562、センサ収容部565、引き出し部566が設けられ、またセンサ収容部565に対して引き出し部566と反対側に引き出し部567が設けられている。
【0154】
センサ収容部565は電波センサ542の後部側を収容するもので、図21図23に示すように、後壁部560から後方に突出して設けられており、このセンサ収容部565の後端よりも前側に留め部562と、この留め部562に巻き付けられた留め具563とが配置されている。センサ収容部565と、これに収容された電波センサ542の後部は、ケース部538の後壁部560から後方に突出する突出部568を構成する。
【0155】
ケース部538の後壁部560には、図22図23に示すように、センサ収容部565の左右両側に引き出し部566,567が開口状に設けられている。引き出し部566は、第1始動スイッチ541側のハーネス556と、一方のLED基板543側のハーネス558とをケース部538内から後壁部560の裏側へと引き出すためのものであって、第1始動スイッチ541及び電波センサ542の近傍で左右のLED基板543,544間の略中央に形成されている。引き出し部567は、他方のLED基板544側のハーネス559をケース部538内から後壁部560の裏側へと引き出すためのものであり、LED基板544側の基板側コネクタ553に対応して形成されている。
【0156】
第1始動スイッチ541側のハーネス556は、第1始動スイッチ541の後端側から引き出し部566を経て留め具563側へと後ろ又は後ろ下方に引き出されている。電波センサ542側のハーネス557は電波センサ542の後端側に接続されており、センサ収容部565の後端側の開口状の引き出し部569を経て留め具563側へと前方向に引き出されている。
【0157】
左右一対のLED基板543,544の内、その一方側のLED基板543側のハーネス558は、後壁部560の前側を経て引き出し部566から裏側へと引き出されている。また他方側のLED基板544は、センサ収容部565に対して留め具563と反対側にあり、このLED基板544側のハーネス559は、センサ収容部565の他方側の引き出し部567から裏側へと引き出され、センサ収容部565の他側に沿って後方へと配線された後、センサ収容部565の後端側を経由して留め具563側へと引き出されている。
【0158】
センサ収容部565の後端側には、図22図24に示すように、引き出し部569の上下両側にセンサ収容部565の肉厚分の段部570があり、その一方の段部570と電波センサ542側のハーネス557又はコネクタ557bとの間にハーネス559が配線されている。
【0159】
LED基板544側のハーネス559は、一方の段部570と電波センサ542側のハーネス557又はコネクタ557bとの間に配置され、それらにより、ハーネス559が上下に移動しないように上下両側から位置決めされている。なお、段部570、電波センサ542側のハーネス557又はコネクタ557b等により、上下一対の位置決め部571が構成されている。LED基板544側のハーネス559は、電波センサ542の後端側から留め具563の間では、電波センサ542側のハーネス557と略並行して配線されている。
【0160】
留め部562は引き出し部566に対して電波センサ542と反対側に設けられている。この留め部562は、図22図23図25に示すように、管理情報表示部564と後壁部560の下端との中間部分に後壁部560から後方に突出して上下方向に設けられている。留め部562と後壁部560との間には、左右方向に貫通する通孔572が形成されている。
【0161】
留め部562の上下両側には、留め部562に巻き付けた留め具563が外れないように規制するずれ止め部573が設けられている。なお、留め部562、ずれ止め部573は、側面視形状が略H状に構成されているが、ずれ止め部573の留め部562から後方に突出する部分は省略してもよい。また留め部562は、留め具563が外れないか、又は外れ難い程度のものであれば十分である。
【0162】
ハーネス556~559は、留め部562の近傍では留め部562に沿って上側から下側へと上下方向に配置され、留め部562の対応位置で留め具563により留め部562に一纏めに留められている。
【0163】
なお、各ハーネス556~559の留め具563から先端側は、主制御基板525側のハーネス556,557と、演出制御基板526側のハーネス558,559とに分けて下方に引き出されている。
【0164】
各ハーネス556~559は、第1始動スイッチ541、電波センサ542、LED基板543,544から留め具563までの間では、余分な遊びが生じないように配線されている。また各ハーネス556~559の留め具563から先端側は自在に屈曲可能であり、挿入部547を遊技盤501の装着孔537に挿入して組み立てる際には、留め具563を基準にして自由端側を屈曲させて、挿入部547の外周縁よりも内側又は装着孔537の内周縁よりも内側に退避させることが可能である。
【0165】
当接板536、ケース部538、第1始動口539は光透過性の材料により構成されており、その第1始動口539の後方に留め具563、留め部562が配置されている。一方、第1特別図柄始動手段517の前側には、第1始動口539の前面に貼着された装飾シール580、当接板536及び/又は透過壁550に形成された凹凸模様等の透視阻害部555があり、第1特別図柄始動手段517の前側からは、留め具563、留め部562等が透視できないようになっている。なお、透視阻害部555は他のものによって構成してもよい。
【0166】
留め具563は各ハーネス556~559を一纏めに結束する結束具574が使用されている。この結束具574は例えばポリアミド系等の可撓性を有する合成樹脂製であって、図27(a),(b)に示すように、挿通部575を有するヘッド部576と、このヘッド部576に一体に接続され且つ他端側から挿通部575に挿通して結束するバンド部577とを備えている。
【0167】
挿通部575内には、一方向係合爪578が一体に設けられている。一方向係合爪578はそれ自体の弾性力により、挿通部575内に挿入されたバンド部577側に付勢されている。バンド部577には一方向係合爪578が係合する係合部579がバンド長手方向に多数形成されており、ヘッド部576の挿通部575に挿通してハーネス556~559を留め部562に締め付けたときに、一方向係合爪578が係合部579に係合して締め付け状態を保持するようになっている。なお、ハーネス556~559を結束した後、ヘッド部576から突出するバンド部577の余剰部分は切り取る。
【0168】
各ハーネス556~559は、必要に応じて任意に折り曲げ且つその折り曲げ状態を保ち得るように可撓性及び保形性(又は屈曲性及び保形性)を有するものであって、図26に示すように、複数の導体からなる芯線581の外周を絶縁被覆582で絶縁した素線583を基本に構成されている。各ハーネス556~559は、複数の素線583と、各素線583の一端に設けられたハーネス側コネクタ556a~559aと、各素線583の他端に設けられたハーネス側コネクタ556b~559bとを有する。
【0169】
なお、複数の導体を纏めて芯線581を構成する場合には、導体を撚り合わせない無撚り状態でもよいし、撚り合わせ状態でもよいが、無撚り状態にすれば素線583の可撓性又は屈曲性が向上する。
【0170】
素線583には、芯線581の導体の本数の多少によって線径の異なる複数種類、例えば太素線583a、並素線583b、細素線583cの3種類のものがあり、またそれらを使用するハーネス556~559にも、太素線583aによる太ハーネス583Aと、並素線583bによる並ハーネス583Bと、細素線583cによる細ハーネス583Cの何れかが用いられている。
【0171】
各ハーネス556~559に使用するハーネス583A~583Cの種類を決定するに際しては、通電時の電気信号の大小、信号の組み合わせ数等の条件に応じて太ハーネス583A、並ハーネス583B、細ハーネス583Cの何れかを選択する。なお、図21図23図25においては、便宜上、太ハーネス583Aは太線で、並ハーネス583Bは太一点鎖線で、細ハーネス583Cは太二点鎖線で夫々示す。
【0172】
因みに第1特別図柄始動手段517の場合には、第1始動スイッチ541側のハーネス556は2本の太素線583aを使用した太ハーネス583Aが、電波センサ542側のハーネス557には2本の並素線583bを用いた並ハーネス583Bが、LED基板543,544側のハーネス558,559には4本又はそれ以上の細素線583cを用いた細ハーネス583Cが夫々採用されている。
【0173】
なお、太素線583a、太ハーネス583A、並素線583b、並ハーネス583B、細素線583c、細ハーネス583Cは、太さの異なる三種類の素線、ハーネスを太い方から細い方へと順次識別可能に記載したものであって、第1、第2、第3・・・と記載した場合と同義であって、特定の線径値を意味するものではない。また太素線583a、並素線583b、細素線583cは、芯線581、絶縁被覆582を含む素線583の外径の大小で特定してもよい。
【0174】
第1特別図柄始動手段517には、第1始動スイッチ541、電波センサ542、左右のLED基板543,544等の複数の電気部品541~544があり、その夫々に複数の素線583で構成されたハーネス556~559がハーネス側コネクタ556b~559bを介して接続されて裏側へと引き出されている。しかし、複数の素線583で構成された複数のハーネス556~559があっても、その全ハーネス556~559を留め具563で一纏めに纏めて留めることにより、各ハーネス556~559が素線583毎にバラけた状態にある場合に比較して、その後の取り扱いを容易に行うことができる。
【0175】
第1特別図柄始動手段517の下側には、遊技盤501の遊技領域502からアウト球を内側へと排出するアウト球口535があるが、各ハーネス556~559を留め具563により一纏めに纏めることによって、各ハーネス556~559がアウト球口535側に垂れ下がる等の問題も発生しない。そのため各ハーネス556~559の主制御基板525、演出制御基板526に対する接続作業も容易に行うことができる。
【0176】
また複数のハーネス556~559を留め部562に対して留め具563により一纏めに留めているので、留め具563による留め位置が略一定して安定することとなり、留め位置のバラツキ等を防止することができる。従って、第1特別図柄始動手段517を遊技盤501に組み付ける場合にも、画一的に作業を行うことができる。
【0177】
しかも留め具563はケース部538の留め部562に巻き付けているので、自由端側からハーネス556~559を引っ張る等して留め具563側に外力が加わるようなことがあっても、その外力に対して留め具563、留め部562で抗することができる。そのためハーネス556~559が第1始動スイッチ541、電波センサ542、LED基板543,544から脱落したり、それらの各部品541~544側とハーネス556~559側とのコネクタ間で接触不良が生じる等の問題も解消することができる。
【0178】
また各ハーネス556~559には、2本の太素線583aによる太ハーネス583A、2本の並素線583bによる並ハーネス583B、4本又はそれ以上の細素線583cによる細ハーネス583Cを留め具563で一纏めに留めているので、それらの自由端側に大きな張力が加わった場合にも、太ハーネス583Aでそれよりも細い細ハーネス583Cに加わる張力を分担することが可能となり、細ハーネス583C等の細い側のハーネスの負荷を軽減することができる。
【0179】
各ハーネス556~559を主制御基板525、演出制御基板526に接続するに当たっては、留め具563側を基点として各ハーネス556~559を上向きに引き出して、ハーネス556,557を主制御基板525側に、ハーネス558,559を演出制御基板526側に夫々接続し、アウト球口535内を遊技盤501の裏側へと通過するアウト球と干渉しないようにする。
【0180】
留め具563、留め部562は、ケース部538の後壁部560から後方に突出してハーネス556~559を一纏めに留めている。しかし、留め具563、留め部562の近傍には、これらよりも後方に突出するセンサ収容部565があり、このセンサ収容部565による突出部568の後端よりも前側に留め具563、留め部562があるので、遊技盤501の組み立て工程、その他で第1特別図柄始動手段517を取り扱う際にも、留め具563、留め部562が邪魔になるようなこともない。
【0181】
またLED基板544のハーネス559は、後方に突出するセンサ収容部565(突出部568)の後端側を経由して留め具563側へと引き出しているので、突出部568の上側又は下側を経由して配線する場合に比較して、第1特別図柄始動手段517自体の上下方向の寸法を小さくすることが可能である。
【0182】
LED基板544のハーネス559は、突出部568を構成するセンサ収容部565の後端側を経由して配線されているにも拘わらず、その上下両側に位置決め部571があるため、センサ収容部565の後端側又は左右の両側面でハーネス559に接触した場合でも、それによってハーネス559がセンサ収容部565の上下何れかに移動したり、外れたりするようなことがない。
【0183】
なお、第1始動スイッチ541、電波センサ542のハーネス556,557は、主制御基板525側に接続可能であり、LED基板543,544のハーネス558,559は、演出制御基板526側に接続可能であるため、各ハーネス556~559の留め具563からハーネス側コネクタ556a~559aまでの長さが長くなっている。そこで、遊技盤501に装着する前の段階では、図23に示すように、各ハーネス556~559を接続対象毎に短く折り曲げた後、その折り畳み状態のハーネス556~559を保護キャップ584,585に挿入して保護する。これによって、長いハーネス556~559の垂れ下りを防止することができる。
【0184】
図27に示す結束具574により各ハーネス556~559を結束する際には、バンド部577の自由端側を通孔572に通してハーネス556~559及び留め部562の外周にバンド部577を巻き掛けた後に、そのバンド部577をヘッド部576の挿通部575に挿通して引っ張る。そして、バンド部577を引っ張って締め付けて行くと、係合部579に一方向係合爪578が係合して締め付け状態を保持できるので、ハーネス556~559が留め部562に略密着する程度までバンド部577を引っ張って締め付けた後に、ヘッド部576の近傍でバンド部577の自由端側の余剰部分を切断する。これによって第1始動スイッチ541、電波センサ542、LED基板543,544のハーネス556~559を結束具574により容易に一纏めに纏めて留めることができる。
【0185】
なお、バンド部577によるハーネス556~559の締め付けは、各ハーネス556~559の先端側のハーネス側コネクタ556a~559aが留め具563から抜け出さない程度、例えば大きさの異なる複数のハーネス側コネクタ556a~559aがある場合には、その最小のハーネス側コネクタ556a~559aが留め具563から抜け出さない程度の緩い締め付けでもよい。
【0186】
図28図33は本発明の第5の実施形態における複合入賞手段516を例示する。複合入賞手段516は、図28図33に示すように、遊技盤501の前面に固定された当接板600に大入賞手段521と普通入賞手段522とを左右に備えると共に、大入賞手段521が閉状態のときに右打ち通路514(図19参照)からの遊技球を第1特別図柄始動手段517(図19参照)側へと案内する案内通路601を備えている。
【0187】
当接板600は、遊技盤501の前面に着脱可能に固定されている。当接板600の前側には、大入賞手段521の大入賞口602と、この大入賞口602を開閉する開閉部材603と、この開閉部材603の下流側に配置された通路部604と、普通入賞手段522の普通入賞口605とが設けられ、また大入賞口602等の下側に、普通入賞口605の左右両側から下側に通過して遊技球をアウト球口535へと案内する案内板606が設けられている。当接板600の裏側には、大入賞手段521に対応して略中央に配置された内ケース部607と、この内ケース部607の左右両側から下側に跨がって配置された外ケース部608とが設けられている。
【0188】
複合入賞手段516は遊技盤501に装着する際に、内ケース部607、外ケース部608を遊技盤501の装着孔609に前側から挿入して、当接板600をねじ等の固定手段により遊技盤501に固定する。そのため内ケース部607、外ケース部608は、遊技盤501の装着孔609に挿入する挿入部610を構成する。なお、内ケース部607、外ケース部608は一体に構成してもよい。
【0189】
大入賞手段521の大入賞口602は当接板600の前側で上向きに開口しており、この大入賞口602の開口側に前後方向に出退自在に開閉部材603が設けられている。大入賞口602は、当接板600の裏側の内ケース部607内の入賞通路614から外ケース部608側の排出通路611へと接続されており、この大入賞口602に入賞した遊技球は入賞通路614、排出通路611を経て遊技盤501の裏側へと排出されて行く。内ケース部607内には、入賞通路614を通過する遊技球を検出する入賞スイッチ612が横長状に設けられている。
【0190】
開閉部材603は、連動機構(図示省略)を介して駆動ソレノイド613により開閉可能であり、大入賞口602を閉じた閉状態では、上方から流下する遊技球を受けて通路部604側へと案内するようになっている。案内通路601は、大入賞口602の下手側の通路部604を少なくとも一部とするものであって、大入賞口602が開状態の場合にはその通路部604により構成され、また大入賞口602が閉状態の場合には通路部604とその上手側で閉状態の開閉部材603とにより構成される。入賞スイッチ612はその長手方向を左右方向に向けた状態で入賞通路614の下側に略水平状に配置されており、この入賞スイッチ612を通過した遊技球は、排出通路611を経て遊技盤501の裏側へと案内されて行く。
【0191】
入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613は、内ケース部607の裏側に着脱可能に固定された収容ケース615内に収容されている。駆動ソレノイド613は前後方向に出退する可動鉄心613aを備え、その可動鉄心613aの前後移動により、開閉部材603を前後方向に開閉可能である。収容ケース615は内ケース部607から後方に突出するように、その前端側の取り付け部616がねじ等の固定具617により内ケース部607に着脱可能に固定されている。
【0192】
入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613等の内部機構を収容する収容ケース615は、内ケース部607から後方に突出する第1突出部618を構成する。外ケース部608には、外ケース部608から後方に突出する排出通路611が収容ケース615の下側に対応して設けられており、排出通路611からの遊技球は、その下端の排出口611aから下方へと排出されて行く。排出通路611は後側が閉塞されており、外ケース部608の後壁部619から後方に突出する第2突出部620を構成する。
【0193】
普通入賞手段522の普通入賞口605は、当接板600の裏側で外ケース部608内の入賞通路622に連通している。入賞通路622は外ケース部608に前後方向に設けられており、その後部側は外ケース部608の後壁部619から後方に突出すると共に、その下側に配置された入賞スイッチ623を経て下方の排出口622aへと連通されている。
【0194】
入賞スイッチ623は、その長手方向を左右方向に向けた状態で略水平状に配置されている。入賞通路622には排出口622aの上側にスイッチ収容部625が設けられ、そのスイッチ収容部625に入賞スイッチ623が収容されている。排出口622aの下側には左右両側に案内壁626が設けられ、この案内壁626間が遊技球を下方に排出する排出通路624となっている。左右の案内壁626の後端間は開放状になっている。
【0195】
入賞通路622、スイッチ収容部625、案内壁626は、外ケース部608の後壁部619から後方への突出量が略同じであって、その入賞通路622が第3突出部628を構成し、スイッチ収容部625が第4突出部629を構成し、案内壁626が第5突出部630を構成している。第3突出部628と第5突出部630は上下方向に一列状であり、第4突出部629は第1突出部618側が第3突出部628及び第5突出部630と略一列状になり、反対側が第3突出部628及び第5突出部630から左右方向の反対側へと張り出している。
【0196】
複合入賞手段516には、大入賞口602に対応して左右方向の略中央部に発光表示手段531が設けられ、また大入賞手段521の左右両側に発光表示手段529,530と磁気センサ632,633とが設けられている。発光表示手段529~531は、当接板600等に設けられた発光表示部717~719と、この発光表示部717~719に対応して内ケース部607、外ケース部608内に設けられたLED基板634~636とを備えている。LED基板634~636には発光表示部717~719に光を照射するLED634a~636aが前面に設けられている。LED基板634の裏面には上下両側に基板側コネクタ643~645が設けられ、またLED基板635,636の裏面には基板側コネクタ646,647が設けられている。磁気センサ632,633は遊技盤501の前方に配置されたガラス扉等に磁石を接近させて遊技球の流れに変化を与える等の不正行為を働いた場合に、その磁気を検出するためのものである。
【0197】
なお、当接板600等には、発光表示部717~719の発光時の光の拡散性を確保する一方、駆動ソレノイド613、入賞スイッチ612,623、LED基板634~636等の裏側の構成部材の透視性を阻害する透視阻害部が凹凸模様、その他の手段により設けられている。そのため当接板600の前側から見た場合にも、その裏側の構成部材を透視できないか、又は透視が困難になっている。
【0198】
複合入賞手段516の裏側における普通入賞手段522と反対側には、図28図33に示すように、演出制御系の中継基板を兼用するLED基板634と、主制御系の中継基板641とが前後に設けられている。また複合入賞手段516の裏側には、第1配線経路650と第2配線経路651と第3配線経路652とが設けられている。
【0199】
第1配線経路650は、左右一端側の中継基板641と左右他端側との間に配置されており、第1突出部618の下側、第1突出部618と第3~第5突出部628~630との間を経てジグザグ状に設けられている。この第1配線経路650には、入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656と、LED基板635側のハーネス657とが纏めて並行に配線されている。
【0200】
第2配線経路651は、中継基板641側から第1突出部618の後下部側を経由して設けられている。この第2配線経路651には、入賞スイッチ612側のハーネス658と、駆動ソレノイド613側のハーネス659とが纏めて並行に配線されている。
【0201】
第3配線経路652は、中継基板641からその上側を経由して外ケース部608内へと入るように設けられている。この第3配線経路652には、磁気センサ632側のハーネス660と、LED基板636側のハーネス661との一部が纏めて並行に配線されている。
【0202】
各ハーネス655~661には、電流容量、その他の条件に応じて、図26の場合と同様に太ハーネス583A、並ハーネス583B、細ハーネス583Cの何れかが採用されている。即ち、第1配線経路650の入賞スイッチ623側のハーネス655には、2本の太素線583aによる太ハーネス583Aが採用され、磁気センサ633側のハーネス656には、3本の並素線583bによる並ハーネス583Bが採用され、LED基板635側のハーネス657には、4本の細素線583cによる細ハーネス583Cが採用されている。
【0203】
中継基板641から入賞スイッチ623までの距離と、中継基板641から磁気センサ633までの距離は、略同程度である。そのため入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656には、その距離に対応して同程度の長さの長いハーネスが使用されている。
【0204】
入賞スイッチ623、磁気センサ633は、中継基板641から遠く離れた位置にあり、後述のように3本のハーネス655~657が並行して配線された第1並行配線区間690から遠い側に配置されている。一方、LED基板635は、入賞スイッチ623、磁気センサ633よりも中継基板641に近い位置にあり、第1並行配線区間690に近い側に配置されている。入賞スイッチ623側のハーネス655、磁気センサ633側のハーネス656には、略同じ長さを有する長いハーネスが使用されており、またLED基板635側のハーネス657には、ハーネス655,656よりも短いハーネスが使用されている。
【0205】
第2配線経路651の入賞スイッチ612側のハーネス658には、2本の太素線583aによる太ハーネス583Aが採用され、駆動ソレノイド613側のハーネス659には、3本の並素線583bによる並ハーネス583Bが採用されている。なお、入賞スイッチ612側のハーネス658と、駆動ソレノイド613側のハーネス659との長さは同程度か、又は入賞スイッチ612側のハーネス658が若干長い程度である。
【0206】
第3配線経路652の磁気センサ632側のハーネス660には、3本の並素線583bによる並ハーネス583Bが採用され、LED基板636側のハーネス661には、2本の細素線583cによる細ハーネス583Cが採用されている。
【0207】
LED基板634、中継基板641は、図29図32図33に示すように、基板取り付け台663の前後両側に装着されている。即ち、LED基板634は上下方向に長い縦長状であり、中継基板641は左右方向に長い横長状であって、これらは基板取り付け台663の前後両側に略平行に取り付けられている。基板取り付け台663は、外ケース部608にねじ等の固定具664を介して取り付けられている。LED基板634は発光表示手段529の一部を構成するもので、基板取り付け台663の前側に設けられており、このLED基板634に対応して基板取り付け台663の裏側に主制御系の中継基板641が設けられている。
【0208】
LED基板634は基板取り付け台663の前側に配置され、中継基板641はLED基板634の上下中間部分に対応して基板取り付け台663の裏側に配置されている。LED基板634の上下両側には、中継基板641から張り出す上張り出し部634Aと下張り出し部634Bとが設けられている。
【0209】
上張り出し部634Aには中継用の基板側コネクタ643が設けられ、下張り出し部634Bには中継用の基板側コネクタ644と、外部接続用の基板側コネクタ645とが設けられている。基板側コネクタ643はハーネス661を介してLED基板636に接続され、基板側コネクタ644はハーネス657を介してLED基板635に接続されている。基板側コネクタ645は外部接続用であって、外部接続ハーネス666を介して演出制御基板526に接続されている。従って、LED基板634は、基板側コネクタ643~645に接続されたハーネス657,661,666を介して他の電気部品、例えばLED基板635,636、演出制御基板526に接続されている。
【0210】
なお、上張り出し部634A、下張り出し部634Bの後方側は、基板取り付け台663の開口部663a,663bにより開放された状態にあり、各張り出し部634A,634Bの基板側コネクタ643~645には、その開口部663a,663b側からハーネス657,661,666が接続されている。
【0211】
このようにLED基板634と中継基板641とを前後に重ねて設けることにより、LED基板634と中継基板641とを面方向に並べて配置する場合に比較して、少ない配置面積にLED基板634と中継基板641とを効率的に配置することができ、複合入賞手段516を小型化することができる。
【0212】
またLED基板634と中継基板641とを前後に重ねても、LED基板634を前側に配置することによって、LED基板634の本来の機能が阻害されるようなことがなく、LED基板634からの光によって、その前方の発光表示部717を発光させることができる。更にLED基板634に裏側の中継基板641から面方向に張り出す張り出し部634A,634Bを設けて、その張り出し部634A,634B側の基板側コネクタ643~645を介してLED基板634を他の電気部品に接続することにより、LED基板634に対する他の電気部品の接続も容易に行うことができる。
【0213】
中継基板641の後方側は開放状であって、この中継基板641の裏面には左右方向に配列された中継用の基板側コネクタ667~671と外部接続用の基板側コネクタ672とが上下二列に設けられ、その上部側には中継基板641の管理情報を表示する管理情報表示部675が設けられている。
【0214】
管理情報表示部675は、製造メーカ名を表示するメーカ表示部675aと基板管理番号を表示する基板管理番号表示部675bとから構成されている。なお、管理情報表示部675は管理上必要な情報を表示すればよく、製造メーカ名、基板管理番号以外の情報を表示するようにしてもよい。ハーネス655~660のたるみ部655a~660aは、管理情報表示部675の裏側に重ならない位置に配置されており、管理情報表示部675の裏側には、ハーネス655~660のたるみ部655a~660a、その他の障害物は配置されておらず、裏側から目視により製造メーカ名、基板管理番号等の管理情報を容易に透視することができる。管理情報表示部675は遊技部品の裏側にあればよい。
【0215】
中継基板641の上側には、2個の入賞スイッチ612,623に接続される2個の基板側コネクタ667,670と、外部接続用の1個の基板側コネクタ672とが左右方向に一列状に配置され、また下側には駆動ソレノイド613に接続される基板側コネクタ669と、左右の磁気センサ632,633に接続される2個の基板側コネクタ668,671とが左右方向に一列状に配置されている。
【0216】
中継基板641及び上下二列の基板側コネクタ667~672は、外ケース部608の後壁部619から後方に突出しており、これら中継基板641及び基板側コネクタ667~672により第6突出部676が構成されている。
【0217】
中継基板641の上側の基板側コネクタ667,670には、各入賞スイッチ612,623側のハーネス655,658が着脱可能に接続されている。入賞スイッチ623側のハーネス655は第1配線経路650に沿って配線され、また入賞スイッチ612側のハーネス658は第2配線経路651に沿って配線されている。
【0218】
中継基板641の下側の基板側コネクタ668には磁気センサ633側のハーネス656が、中継基板641の下側の基板側コネクタ669には駆動ソレノイド613側のハーネス659が、中継基板641の下側の基板側コネクタ671には磁気センサ632側のハーネス660が夫々着脱可能に接続されている。駆動ソレノイド613側のハーネス659は第2配線経路651に沿って配線されている。磁気センサ633側のハーネス656は第1配線経路650に沿って配線され、また磁気センサ632のハーネス660は第3配線経路652に沿って配線されている。
【0219】
外部接続用の基板側コネクタ672は中継基板641上で回路パターンを介して各基板側コネクタ667~671に接続されており、それらに対応する端子数を有する。そのため基板側コネクタ672に接続された外部接続ハーネス674もそれに対応する本数の素線583を備えたものとなっている。因みに外部接続ハーネス674には8本~10本、又はそれ以上の並素線583bによる並ハーネス583B、又は細素線583cによる細ハーネス583Cが採用され、先端側のハーネス側コネクタを介して主制御基板525に直接的又は間接的に接続されている。
【0220】
LED基板635側のハーネス657は第1配線経路650に沿って配線され、LED基板634の下張り出し部634Bの基板側コネクタ644に接続されている。またLED基板636側のハーネス661は第3配線経路652に沿って配線され、LED基板634の上張り出し部634Aの基板側コネクタ643に接続されている。
【0221】
外部接続用の基板側コネクタ645はLED基板634上の回路パターンを介して基板側コネクタ643,644に接続されている。また基板側コネクタ645は、LED基板634による発光制御に必要な端子数を有し、この基板側コネクタ645に接続された外部接続ハーネス666もその端子数に対応する素線583を備えたものとなっている。因みに外部接続ハーネス666には8本~10本、又はそれ以上の並素線583bによる並ハーネス583B、又は細素線583cによる細ハーネス583Cが採用され、先端側のハーネス側コネクタを介して演出制御基板526に直接的又は間接的に接続されている。
【0222】
中継基板641の上一列の基板側コネクタ667,670,672と下一列の基板側コネクタ668,669,671との間には上下方向に所定の間隔があり、中継基板641の裏側で且つ上下二列の基板側コネクタ667~672間がたるみ配置部680となっている。
【0223】
入賞スイッチ612,623側のハーネス655,658、駆動ソレノイド613側のハーネス659、磁気センサ632側のハーネス660には、基板側コネクタ667,669~671に接続可能なハーネス側コネクタ(図示省略)の近傍にたるみ部655a,658a~660aが設けられている。たるみ部658a~660aは、中継基板641の裏面に沿って上下、左右の略面方向に屈曲又は湾曲する屈曲状又は湾曲状に設けられている。
【0224】
各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aは、各ハーネス655,658~660を中継基板641の基板側コネクタ667,669~671に着脱する際に、ハーネス655,658~660を基板側コネクタ667,669~671に対して挿脱するに必要なたるみ(余裕)をハーネス655,658~660に持たせるためのものである。
【0225】
各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aは、たるみ配置部680内で上下、左右の位置を変えた状態で前後方向に重ねて配置されている。たるみ部655a,658a~660a全体の配置高さは、基板側コネクタ667~672の高さと略同程度か、基板側コネクタ667~672の高さ未満である。
【0226】
このように上下二列の基板側コネクタ667~672間をたるみ配置部680として、このたるみ配置部680内にハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aを配置することにより、基板側コネクタ667~672によって上下両側からたるみ部655a,658a~660aを保護することできる。
【0227】
従って、組立て時、又は組立て後の保守、点検等に際して、ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aに対して接触することによって生じるたるみ部655a,658a~660a自体の変形や錯綜、更にはハーネス655,658~660の浮き上がり等を防止することができる。
【0228】
各ハーネス655~660の遊び量(弛み量)は、入賞スイッチ612,623、駆動ソレノイド613、磁気センサ632,633側が殆どたるみのない状態で各配線経路650~652に沿って配線されているのに対して、LED基板634側及び中継基板641側はそのハーネス655~660のハーネス側コネクタを基板側コネクタ644,667,669~671に対して着脱するに必要な大きなたるみ量となっている。
【0229】
例えば、入賞スイッチ623側のハーネス655では、基板側コネクタ667に最も近い留め具694から基板側コネクタ667までのたるみ部655aを含むたるみ量が、入賞スイッチ623に最も近い留め具708から入賞スイッチ623までのたるみ量よりも大であり、留め具708から入賞スイッチ623までは殆どたるみのない状態で配線されている。
【0230】
また磁気センサ633側のハーネス656では、基板側コネクタ668に最も近い留め具696から基板側コネクタ668までのたるみ部656aを含むたるみ量が、磁気センサ633に最も近い留め具708から磁気センサ633までのたるみ量よりも大であり、留め具708から磁気センサ633までは殆どたるみのない状態で配線されている。
【0231】
更にLED基板635側のハーネス657では、基板側コネクタ644に最も近い留め具696から基板側コネクタ644までのたるみ部657aを含むたるみ量が、LED基板635に最も近い留め具694からLED基板635までのたるみ量よりも大であり、留め具694からLED基板635までは殆どたるみのない状態で配線されている。
【0232】
そのため各ハーネス655~657を第1配線経路650に沿って効率的に配線できると共に、各ハーネス655~657のハーネス側コネクタを基板側コネクタ644,667,668に対して容易に着脱できる。他のハーネス658~660についても同様である。なお、この実施形態では、ハーネス655~657を留める留め具は、ハーネス655に対して2個、ハーネス656に対して3個、ハーネス657に対して2個が対応しているが、ハーネス655~657に対して1個としてもよい。
【0233】
磁気センサ633と中継基板641の基板側コネクタ668とを接続するハーネス656には、基板側コネクタ668側にたるみ部656aが設けられており、またLED基板635とLED基板634の基板側コネクタ644とを接続するハーネス657には、基板側コネクタ644側にたるみ部657aが設けられている。このハーネス656,657においても、磁気センサ633、LED基板635側は殆どたるみがなく、基板側コネクタ644,668に近い側は、ハーネス655,658~660と同様に、磁気センサ633、LED基板635側よりも長い所定のたるみ量となっている。
【0234】
従って、第1配線経路650側では、入賞スイッチ623、磁気センサ633、LED基板635の各ハーネス655~657を、第2配線経路651側では入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613の各ハーネス658,659を夫々の配線経路650,651に沿って無駄なく整然と配線しながらも、各ハーネス655~659のコネクタを、その接続対象となる各基板側コネクタ644,667~670に対して容易に着脱することができる。
【0235】
第1配線経路650に配線される磁気センサ633側のハーネス656は、中継基板641の下側から中継基板641の裏側へと配線された後、その中継基板641の基板側コネクタ668に対して裏側から接続されている。ハーネス656,657を留める留め具696と基板側コネクタ668との間には第6突出部676の段差(前後方向の高低差)があり、その段差に沿ってハーネス656を湾曲状に配線することによって、ハーネス656を基板側コネクタ668に着脱するに必要なたるみ部656aが形成されている。第3配線経路652に配線される磁気センサ632側のハーネス660は、中継基板641の上側から中継基板641の裏側へと配線され、その中継基板641の基板側コネクタ667と基板側コネクタ670との間を経てたるみ配置部680内のたるみ部660aへと続いている。
【0236】
なお、留め具686,694,696,708,714の構成は、第4の実施形態の留め具563と略同様である。留め部688,697,709,715は第4の実施形態の留め部562と略同様でもよいし、後壁部619から後方に突出してコ字状に構成することも可能である。
【0237】
たるみ配置部680には、各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660a又はその近傍のハーネス655,658~660が前後方向に重なる状態で配置されている。そのため一部のハーネス658,659には、他のハーネス655,660を中継基板641側に押える押え部681,682ができている。
【0238】
例えば、第2配線経路651に配線される入賞スイッチ612側のハーネス658と、駆動ソレノイド613側のハーネス659には、両ハーネス658,659を撚り合わせた撚り合わせ部683があり、この撚り合わせ部683の中継基板641に対応する部分が押え部681となって、その押え部681により、第1配線経路650の入賞スイッチ623側のハーネス655のたるみ部655aの近傍を中継基板641側に押え付けている。
【0239】
また第2配線経路651の入賞スイッチ612側のハーネス658は、駆動ソレノイド613側のハーネス659との撚り合わせ部683から二つに分岐する分岐部分に押え部682があり、この押え部682により、磁気センサ632側のハーネス660のたるみ部660aの近傍を中継基板641側に押え付けている。
【0240】
そのため各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,656a,658a~660aに充分なたるみ量を持たせながらも、そのたるみ部655a,658a~660aをたるみ配置部680に纏めて集中的に配置することができる。またハーネス655,658~660相互において、その押え部681,682によって他のハーネス655,660を中継基板641側に押えているので、各ハーネス655,660のたるみ部655a,660aの浮き上がり等を防止することができる。
【0241】
特に第2配線経路651のハーネス658,659は、入賞スイッチ612側のハーネス658が太ハーネス583Aであり、駆動ソレノイド613側のハーネス659が並ハーネス583Bであって、その両者の撚り合わせ部683に押さえ部681があるので、第1配線経路650の入賞スイッチ623側のハーネス655が太ハーネス583Aであるにも拘わらず、その押え部681により入賞スイッチ623側のハーネス655を確実に押えることができる。
【0242】
また第2配線経路651の入賞スイッチ612側のハーネス658が太ハーネス583Aであり、この太ハーネス583Aの押え部682で、磁気センサ632側のハーネス660である細ハーネス583Bを押えるため、その押え部682により磁気センサ632側のハーネス660を確実に押えることができる。
【0243】
しかも、各ハーネス658,659の押え部681,682が上下二列の基板側コネクタ667~672間のたるみ配置部680内にあるため、ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aと同様に、上下二列の基板側コネクタ667~672によってハーネス658,659の押え部681,682を保護することができる。
【0244】
入賞スイッチ612側のハーネス658と駆動ソレノイド613側のハーネス659は、第2配線経路651上に配線されている。この第2配線経路651には、ハーネス658,659が並行して一纏めに配線される並行配線区間684が中継基板641と収容ケース615の後部側との間に設けられ、この並行配線区間684内の2箇所に留め具685,686が設けられている。
【0245】
入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613に近い留め具686は結束式であって、この留め具686により、各ハーネス658,659が収容ケース615の後部側の留め部688に一纏めに留められている。中継基板641、基盤側コネクタ669,670に近い側の留め具685は、収容ケース615から後方に突出する突起689により構成されている。この突起689は、図29図30に示すように、留め具686と中継基板641上の押え部681側とを結ぶ線分よりも上側に偏位して配置され、留め具686と押え部681との間で突起689によりハーネス658,659が上側に蛇行するように、ハーネス658,659が突起689に対して上側から引っ掛けられている。
【0246】
入賞スイッチ612側のハーネス658は、収容ケース615の下側の左右略中央部から裏側に引き出された後、収容ケース615の底壁の下側から後壁の裏側の留め具686を経由して中継基板641側へと達する。また駆動ソレノイド613にはその後端側にハーネス659が接続されている。この駆動ソレノイド613側のハーネス659は、留め具686側へと横方向に伸びて、留め具685,686により入賞スイッチ612側のハーネス658と一纏めに留められる。
【0247】
なお、入賞スイッチ612側のハーネス658と駆動ソレノイド613側のハーネス659は、留め具686に対して並行配線区間684と反対側では分岐して配線され、また中継基板641上でも並行配線区間684から基板側コネクタ669,670へと分岐して配線されている。
【0248】
第2配線経路651のハーネス658,659を突起689を経由して配線することにより、収容ケース615の後端の留め具686と中継基板641の押え部681側との間に前後方向の高低差があるにも拘わらず、留め具686と中継基板641との間でたるみが発生することなくハーネス658,659を第2配線経路651に沿って容易且つ整然と配線することができる。
【0249】
収容ケース615は内ケース部607に対して後方側から着脱可能であるが、第2配線経路651は収容ケース615の後方側を経由しており、入賞スイッチ612側のハーネス658、駆動ソレノイド613側のハーネス659は留め具686により第2配線経路651上に留められている。そのためハーネス658,659が収容ケース615の下側に垂れ下がる等の問題がなく、ハーネス658,659に影響されることなく収容ケース615を着脱することができる。なお、入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613は収容ケース615内に設けられている。
【0250】
また収容ケース615は内ケース部607に対して後方側からねじ等の固定具617により着脱可能であるが、入賞スイッチ612側のハーネス658と駆動ソレノイド613側のハーネス659とを、一方向式の留め具686により収容ケース615側の留め部688に留めているので、その留め具686を切断せずに固定具617を取り外しただけでは収容ケース615を取り外すことはできない。そのため収容ケース615を不正に取り外す等の不正行為を防止することができる。
【0251】
入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656と、LED基板635側のハーネス657は、第1配線経路650に沿って略並行に配線されている。この第1配線経路650は、第1湾曲経路部650aを含む第1並行配線区間690と、第1並行配線区間690のLED基板634及び中継基板641と反対側に設けられ且つ第2湾曲経路部650bを含む第2並行配線区間691と、第1並行配線区間690のLED基板634及び中継基板641側に設けられた基板側並行配線区間692とにより構成されている。
【0252】
第1並行配線区間690には全てのハーネス655~657が並行に配線されているので、ハーネス数が最も多くなっており、その最も多いハーネス655~657が留め具694により一纏めに留められている。第2並行配線区間691では、第1並行配線区間690のハーネス655~657の内、LED基板635側のハーネス657が分岐位置720でLED基板635側へと分岐して、入賞スイッチ623側のハーネス655と磁気センサ633側のハーネス656とが並行に配線され、留め具708により一纏めに留められている。
【0253】
この実施形態では、第1並行配線区間690と第2並行配線区間691とについて説明しているが、並行配線されるハーネス数が多く、数箇所でハーネスが順次分岐する場合には、第2並行配線区間から第3並行配線区間、第4並行配線区間へと順次ハーネス数が減少するように設けてもよい。
【0254】
なお、中継基板641等を基準にすれば、分岐位置720を挟んで第1並行配線区間690から第2並行配線区間691へとハーネス数が減少するが、入賞スイッチ623、磁気センサ633等を基準にすれば、LED基板635側のハーネス657が第2並行配線区間691のハーネス655,656に集合(合流)する集合位置を挟んで、第2並行配線区間691から第1並行配線区間690へとハーネス数が増加する。
【0255】
基板側並行配線区間692では、第1並行配線区間690のハーネス655~657の内、入賞スイッチ623側のハーネス655が中継基板641側へと分岐して、磁気センサ633側のハーネス656とLED基板635側のハーネス657とが並行に配線され、留め具696により一纏めに留められている。
【0256】
第1並行配線区間690は、外ケース部608の内ケース部607側の端縁に沿って背面視略L字状に屈曲又は湾曲して設けられている。この第1並行配線区間690には、入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656と、LED基板635側のハーネス657との全てが並行して配線されている。
【0257】
留め具694は、内ケース部607の下側で第1並行配線区間690の中間位置に配置され、各ハーネス656~657を留め部695に対して一纏めに留めている。従って、各ハーネス655~657を個々に配線する場合に比較して、各ハーネス655~657の素線583のバラツキ等を防止でき、各ハーネス655~657を纏まりよく配線することができる。
【0258】
また第1並行配線区間690の内側には、外ケース部608から後方に突出する補強壁678があり、この補強壁678の屈曲部分には、第1湾曲経路部650aの内側に突起状の配線案内部678aが設けられている。そのため第1並行配線区間690のハーネス655~657は、第1湾曲経路部650aの配線案内部678aに巻き掛けて略L字状に配線され、また配線案内部678aと第2突出部620との間で留め具694により留め部695に一纏めに留められている。
【0259】
従って、各ハーネス655~657を第1並行配線区間690に沿ってたるみなく配線できると共に、各ハーネス655~657を配線案内部678aと留め具694との二箇所で纏めることが可能であり、各ハーネス655~657を効率的に纏めることができる。また第1湾曲経路部650aでは、各ハーネス655~657を配線案内部678aに引っ掛ければよいので、二箇所に留め具694を配置する場合に比較して配線作業を容易に行うことができる。
【0260】
中継基板641側の基板側並行配線区間692は、入賞スイッチ623側のハーネス655を構成する太いハーネス583Aが分岐して、磁気センサ633側のハーネス656とLED基板635側のハーネス657とを構成する細ハーネス583Cが並行して配線され、その途中の留め具696により外ケース部608側の留め部697に一纏めに留められている。
【0261】
留め具696は中継基板641の下側近傍で第2突出部620の側方近傍に配置されている。基板側並行配線区間692のハーネス656,657から分岐した入賞スイッチ623側のハーネス655は、たるみ部655aを介して中継基板641上の基板側コネクタ667に接続されている。
【0262】
このように基板側並行配線区間692では、磁気センサ633側のハーネス656とLED基板635側のハーネス657とに使用される細いハーネス583Cを並行して配線し、その各ハーネス656,657を留め具696により一纏めに留めることによって、各ハーネス656,657を纏まりよく配線できると共に、夫々のハーネス656,657の素線等の切断、その他の損傷を防止できる。
【0263】
磁気センサ633側のハーネス656には、留め具696と中継基板641の基板側コネクタ668との間に、基板側コネクタ668の段差に沿って前後方向に緩やかに湾曲するたるみ部656aがあり、またLED基板635側のハーネス657には、留め具696とLED基板634の基板側コネクタ644との間に、後壁部619に沿って湾曲するたるみ部657aがある。そのため各ハーネ656,657を各基板側コネクタ644,668に接続する際には、各ハーネス656,657側のたるみ部656a,657aによって各ハーネス656,657を各基板側コネクタ644,668に対して容易に接続することができる。
【0264】
第1並行配線区間690にはその基板側並行配線区間692側に排出通路611による第2突出部620があり、各ハーネス655~657はこの第2突出部620の後端側を経由する後端側経由部700を介して並行に配線されている。そのため第2突出部620の上側又は下側を経由して各ハーネス655~657を配線する場合に比較して、第2突出部620を横切る状態で各ハーネス655~657を効率的に配線することができる。
【0265】
排出通路611の後端側下部には突起状のずれ止め部701が設けられ、後端側経由部700を経由するハーネス655~657は、このずれ止め部701により、その下側の排出口611a側へと移動しないように排出口611aを回避して規制されている。このずれ止め部701を設けることによって、各ハーネス655~657の排出口611a側への垂れ下がりを防止でき、排出口611a側を回避して各ハーネス655~657を配線することができる。なお、この場合には、排出口611aがハーネス655~657の垂れ下がり等を回避すべきハーネス回避部となっている。
【0266】
第2突出部620の配線経路方向の両側には、第1並行配線区間690の留め具694と基板側並行配線区間692の留め具696とがある。ずれ止め部701は両留め具694,696間を結ぶ線分に対して背面視で上側に配置され、第2突出部620の後端側を経由するハーネス655~657は、両留め具694,696間でずれ止め部701の上側に引っ掛けられている。そのため第2突出部620の後端側を経由する後端側経由部700での各ハーネス655~657のたるみ等を防止することができる。
【0267】
各ハーネス655~657は、平面視において、第2突出部620の両側で排出通路611の後端と留め具694,696との間に斜め方向に配線されており、排出通路611の両側でハーネス655~657と外ケース部608との間に略三角形状の空間がある。そのためずれ止め部701が両側の留め具694,696間を結ぶ線分に対して上側に位置することと相俟って、この後端側経由部700での各ハーネス655~657のたるみ等をより確実に防止することができる。なお、各ハーネス655~657は外ケース部608の後壁部619から排出通路611の両側面に沿って配置してもよい。
【0268】
LED基板635の基板側コネクタ646は、第1突出部618と第3~5突出部628~630との間の上下方向の中間で第1配線経路650に対応して配置されている。そのためLED基板635側のハーネス657は、この基板側コネクタ646に対応する位置で他の入賞スイッチ623側のハーネス655と磁気センサ633側のハーネス656から分岐して、LED基板635の基板側コネクタ646に接続されている。
【0269】
入賞スイッチ623はスイッチ収容部625に対して第1突出部618の反対側から挿入されている。入賞スイッチ623側のハーネス655は、入賞スイッチ623の第1突出部618と反対側の端部に接続されており、入賞スイッチ623の端部からスイッチ収容部625の上面側に沿って入賞通路622の外側の合流位置(集合位置)705へと引き出されている。磁気センサ633は入賞通路622の外側近傍且つスイッチ収容部625の上側近傍で外ケース部608内に配置されている。磁気センサ633側のハーネス656は、スイッチ収容部625の上面から入賞通路622の外側近傍に沿って後方の合流位置705へと引き出され、その合流位置705でハーネス655と合流している。
【0270】
このように入賞スイッチ623側のハーネス655、磁気センサ633側のハーネス656をスイッチ収容部625の上面に沿って第3突出部628側の合流位置705へと引き出すことにより、第3突出部628側の合流位置705で合流するハーネス655,656を安定させることができる。
【0271】
入賞スイッチ623側のハーネス655と磁気センサ633側のハーネス656は、入賞通路622の後端外側近傍の合流位置705で合流している。第2並行配線区間691は合流位置705からLED基板635のハーネス657が分岐する分岐位置720までの間であり、この第2並行配線区間691にハーネス656,657が並行して配線されている。
【0272】
第2並行配線区間691には入賞通路622による第3突出部628があり、各ハーネス655,656はこの第3突出部628の後端側を経由する後端側経由部710を介して並行に配線されている。入賞通路622の後端側下部には、ハーネス655,656の垂れ下がりを規制する突起状のずれ止め部711がスイッチ収容部625の上側に設けられている。
【0273】
入賞スイッチ623側及び磁気センサ633側から引き出したハーネス655,656は、第2並行配線区間691の端部側である第3突出部628の一側の合流位置(分岐位置)705で合流する一方、第3突出部628の他側の第2湾曲経路部650bに配置された留め具708により、外ケース部608の留め部709に一纏めに留められている。各ハーネス655,656は、入賞通路622により構成される第3突出部628の一側の合流位置(分岐位置)705から、第3突出部628の後端側の後端側経由部710を経て反対側の留め具708へと、第3突出部628に沿って左右方向に配線されている。そのため第3突出部628を経由せずにその上側又は下側を経て各ハーネス655,656を配線する場合に比較して、第3突出部628を横切って各ハーネス655,656を効率的に配線することができる。
【0274】
入賞通路622の後端側下部には突起状のずれ止め部711が設けられている。そして、後端側経由部710を経由するハーネス655,656は、このずれ止め部711により、入賞スイッチ623の後方側へと移動しないように入賞スイッチ623の上側に規制されている。そのため後端側経由部710で各ハーネス655,656を効率的に配線することができると共に、ハーネス655,656のノイズ等による入賞スイッチ623の誤検出を防止することができる。この場合には、入賞スイッチ623がハーネス655の接近を回避すべきハーネス回避部となっている。なお、ずれ止め部711は、ハーネス655,656の排出口622a側への垂れ下がりを防止するものでもよい。
【0275】
LED基板635のハーネス657がハーネス655,656から分岐する分岐位置720は、第1並行配線区間690の留め具694と第2並行配線区間691の留め具708との中間にあり、分岐位置720から留め具694までの距離は、分岐位置720から留め具708までの距離よりも大である。また留め具694よりも分岐位置720に近い側に配線案内部678aがあり、これに巻き掛けてハーネス655~657を留めているので、LED基板635の基板側コネクタ646からハーネス側コネクタを抜いてハーネス657を取り外す場合にも、留め具694と基板側コネクタ646との間のハーネス657に十分な余裕を確保でき、容易に取り外すことができる。
【0276】
ずれ止め部711は入賞通路622の一側の合流位置705と、入賞通路622の反対側の留め具708間を結ぶ線分に対して背面視で上側に配置されている。第3突出部628の後端側を経由するハーネス655,656は、両側の合流位置705と留め具708との間でずれ止め部711に上側から引っ掛けられて、入賞通路622の左右の両側面に沿って配線されている。このような位置にずれ止め部711を配置することによって、各ハーネス655,656のたるみ等を防止することができる。
【0277】
磁気センサ632のハーネス660は、第3配線経路652上に配線されている。即ち、磁気センサ632のハーネス660は、外ケース部608の外側からLED基板634の上張り出し部634Aの上側を経て上張り出し部634Aの後側へと引き出された後、この上張り出し部634Aから中継基板641の上縁側を経て中継基板641の後側へと配線され、中継基板641の後側のたるみ配置部680に配置されるたるみ部660aへと続いている。
【0278】
上張り出し部634Aには第3配線経路652の近傍に基板側コネクタ643があり、この基板側コネクタ643にハーネス661が接続されている。磁気センサ632側のハーネス660とLED基板636側のハーネス661は、基板側コネクタ643の近傍に配置された留め具714により基板取り付け台663の留め部715に一纏めに留められている。ハーネス661は留め具714を経由した後、磁気センサ632側のハーネス660と分岐して、内ケース部607内のLED基板636の基板側コネクタ647に接続されている。
【0279】
従って、LED基板634は、ハーネス661を介してLED基板636に接続されると共に、ハーネス657を介してLED基板635に接続されており、二つのLED基板635,636に対して中継基板的な機能を有する。
【0280】
第1配線経路650の磁気センサ633側のハーネス656には、留め具696と中継基板641の基板側コネクタ668との間に、第6突出部676の下側に沿って前後方向に緩やかに湾曲するたるみ部656aがある。またLED基板635側のハーネス657には、留め具696とLED基板634の基板側コネクタ644との間に、基板側コネクタ644の下側から留め具696側へと後壁部619に沿って湾曲するたるみ部657aがある。そのため各ハーネス656,657は、そのたるみ部656a,657aの余裕によって基板側コネクタ644,668に容易に接続することができる。
【0281】
中継基板641の外部接続用の基板側コネクタ672、LED基板634の下張り出し部634Bの外部接続用の基板側コネクタ645は、挿入部610の外周側近傍に配置されている。中継基板641の基板側コネクタ672と、LED基板634の下張り出し部634Bの基板側コネクタ645との間には、前後に重ねて配置された中継基板641とLED基板634とに応じた高低差があり、中継基板641の基板側コネクタ672が下張り出し部634Bの基板側コネクタ645よりも上側で後方に突出している。中継基板641の外部接続ハーネス674とLED基板634の外部接続ハーネス666は、中継基板641の基板側コネクタ672の近傍に配置された留め具716により一纏めに纏めて結束されている。
【0282】
中継基板641の基板側コネクタ672は、左右方向に長い挿入部610の一端側で中継基板641の端部に配置されている。基板側コネクタ672に接続された外部接続ハーネス674は、基板側コネクタ672の近傍で素線の配列方向に沿って中継基板641の外側へと屈曲しており、その屈曲部674aの近傍に留め具716が配置されている。
【0283】
下張り出し部634Bの基板側コネクタ645に接続された外部接続ハーネス666は、中継基板641の下側から中継基板641の裏側へと導かれた後、留め具716により外部接続ハーネス674と一緒に一纏めに結束されて、外部接続ハーネス674と共に中継基板641の外側へと引き出されている。留め具716は中継基板641の端部近傍又は端部よりも内側に配置されている。
【0284】
このように中継基板641の外部接続ハーネス674と、LED基板634の外部接続ハーネス666とを設けるに当たって、留め具716により外部接続ハーネス666,674を一纏めに纏めることにより、各外部接続ハーネス666,674が素線毎にバラけた状態にある場合に比較して、その後の取り扱いを容易に行うことができる。
【0285】
また中継基板641の基板側コネクタ672の近傍に留め具716を配置して、この留め具716により両外部接続ハーネス666,674を一纏めに留めているので、留め具716による外部接続ハーネス666,674の留め位置が安定し易くなり、留め位置のバラツキを容易に防止することができる。そのため留め具716を留め部に固定する必要がなく、中継基板641の裏側等のように留め部を配置し難い箇所でも両外部接続ハーネス666,674を結束式の留め具716により一纏めに留めることができる。
【0286】
更に裏側にある中継基板641の基板側コネクタ672の近傍に、前側にあるLED基板634の基板側コネクタ645に接続された外部接続ハーネス666を導いて、その中継基板641の基板側コネクタ672の近傍で両外部接続ハーネス666,674を留め具716により一纏めに留めているので、中継基板641とLED基板634とが前後に重なっているにも拘わらず、両外部接続ハーネス666,674を無理なく引き出して配線することができる。
【0287】
複合入賞手段516を遊技盤501に装着する際には、その内ケース部607、外ケース部608等の挿入部610を遊技盤501の装着孔609に挿入する。この場合、外部接続ハーネス666,674は留め具716の近傍で挿入部610の外周又は装着孔609の内周から内側へと屈曲させる。これによって外部接続ハーネス666,674が邪魔になることがなくなり、複合入賞手段516を遊技盤501に容易に装着することができる。
【0288】
第4の実施形態、第5の実施形態には、次の第1~第14の技術の何れかが包含されている。
【0289】
第1の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516,517を備え、前記遊技部品516,517は、複数の電気部品541~544、645,672と、該各電気部品541~544、645,672に接続された複数のハーネス556~559、666,674とを備えた遊技機において、複数の前記ハーネス556~559、666,674を前記遊技部品516,517に一纏めに留める留め具563,716を備えたものである。
【0290】
また前記遊技部品516,517は前記所定部位501の装着孔537,609に挿入される挿入部547,610を備え、前記留め具563,716は、前記ハーネス556~559、666,674を前記遊技部品516,517の内側へと屈曲させたときに、前記ハーネス556~559、666,674を前記挿入部547,610の外周又は前記装着孔537,609の内周よりも内側へ収容可能な位置に配置されているものでもよい。前記留め具563,716は前記電気部品541~544、645,672の何れかの近傍に配置されていることもある。
【0291】
前記ハーネス556~559には、線径の太いハーネス583Aとこれよりも線径の細いハーネス583B,583Cとがあり、前記留め具563は前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを一纏めに結束することもある。中継基板641に接続された第1ハーネス674と、前記中継基板641とは別の電気部品634に接続された第2ハーネス666とを備え、前記留め具716は前記第1ハーネス674と前記第2ハーネス666とを一纏めに結束することもある。
【0292】
第2の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品612,613,623,632,633,635,636と、該各電気部品612,613,623,632,633,635,636に接続され且つ配線経路650~652に沿って配線された複数のハーネス655~661とを備えた遊技機において、前記配線経路650~652の経路方向の複数箇所で前記複数のハーネス655~661を前記遊技部品516側に一纏めに留める複数の留め具685,686,694,696,708,714を備えたものである。
【0293】
前記遊技部品516は、基板側コネクタ643~645,667~671を有する中継基板634,641を備え、前記ハーネス655~661は、一端側が前記電気部品612,613,623,632,633,635,636に、他端側が前記基板側コネクタ643~645,667~671に夫々接続され、前記中継基板634,641に近い側の前記留め具685,694,696,714から前記基板側コネクタ643~645,667~671までの前記ハーネス655~661のたるみ量は、前記電気部品612,613,623,632,633,635,636に近い側の前記留め具686,708,714から前記電気部品612,613,623,632,633,635,636までの前記ハーネス655~661のたるみ量よりも大であってもよい。
【0294】
前記各ハーネス655,658~660は前記中継基板641に近い側の前記留め具686,694,714と前記基板側コネクタ667,669~671との間に、前記ハーネス655,658~660の接続に必要なたるみ量を有するたるみ部655a,658a~660aを備え、前記各たるみ部655a,658a~660aは前記基板側コネクタ667,669~671の間又は前記基板側コネクタ667,669~671の後側に設けられたたるみ配置部680に配置されていることもある。前記遊技部品516は前後方向に複数の前記中継基板634,641を備え、前側の前記中継基板634は後側の前記中継基板641よりも面方向の外側に張り出す張り出し部634A,634Bを備え、前記張り出し部634A,634Bに前記基板側コネクタ643,644を備えたものでもよい。
【0295】
第3の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、第1電気部品641と、前記第1電気部品641を該遊技部品516以外に設けられた第1外部電気部品525に接続するための第1ハーネス674と、第2電気部品634と、前記第2電気部品634を該遊技部品516以外に設けられた第2外部電気部品526に接続するための第2ハーネス666とを備えた遊技機において、少なくとも前記第1電気部品641,672と前記第2電気部品634との何れかの近傍で前記第1ハーネス674と前記第2ハーネス666とを一纏めに留める留め具716を備えたものである。
【0296】
前記遊技部品516は、前記所定部位501の装着孔609に挿入される挿入部610を備え、前記第1電気部品641,672と前記第2電気部品634,645との少なくとも一方は、前記挿入部610の近傍に配置されることもある。前記第1電気部品は、前記第1ハーネス674が接続された第1中継基板641であり、前記第2電気部品は、前記第2ハーネス666が接続された第2中継基板634であり、前記留め具716は、前記中継基板634,641の近傍で前記第1ハーネス666と前記第2ハーネス674とを一纏めに結束することもある。
【0297】
第4の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657と、該ハーネス655~657が複数の基板側コネクタ644,667,668を介して接続された中継基板634,641とを備えた遊技機において、前記電気部品623,633,635と前記中継基板634,641との間の配線経路650上で前記複数のハーネス655~657を一纏めに留める留め具694,696,708を備えたものである。
【0298】
前記配線経路650には、前記複数のハーネス655~657が並行に配線された第1並行配線区間690と、前記第1並行配線区間690の一部の前記ハーネス657が前記電気部品635へと分岐して他の複数のハーネス655,656が並行に配線された第2並行配線区間691とがあり、前記第1並行配線区間690の前記ハーネス655~657を留める前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記ハーネス655,656を留める前記留め具708とを備えたものでもよい。
【0299】
前記電気部品635へと分岐する前記ハーネス657の分岐位置720から前記第2並行配線区間691の前記留め具708までの距離は、前記分岐位置720から前記第1並行配線区間690の前記留め具694までの距離よりも大でもよい。前記電気部品635へと分岐する前記ハーネス657の分岐位置720と、前記第1並行配線区間690の前記留め具694との間に、前記複数のハーネス655~657を前記配線経路650に沿って湾曲状に案内する配線案内部678aを備えたものでもよい。
【0300】
第5の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657と、後側へと突出する突出部618,620,628,676とを備えた遊技機において、前記複数のハーネス655~657を一纏めに留める留め具694,696,708を備え、前記留め具694,696,708は前記突出部618,620,628、676の後端より前に配置されるものである。
【0301】
前記留め具694,696,708の周辺近傍に1又は複数の前記突出部618,620,628、676があってもよい。前記突出部618,620,628、676は、遊技球の通路622、内部部材を収容する収容部615、又は前記遊技部品516の裏側に装着された構成部材であってもよい。
【0302】
第6の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続され且つ配線経路650に沿って並行に配線された複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記配線経路650は、前記各電気部品623,633,635の前記ハーネス655~657が集合する集合位置又は前記ハーネス655~657が分岐する分岐位置を挟んで、その両側で並行に配線されるハーネス655~657の数が変化する複数の並行配線区間690,691を備え、前記各並行配線区間690,691毎に前記ハーネス655~657を一纏めに留める留め具694,708を備えたものである。
【0303】
前記電気部品623,633,635は、並行に配線されるハーネス数が最も多い前記並行配線区間690から遠い側の第1電気部品623及び第2電気部品633と、前記最も多い並行配線区間690に近い側の第3電気部品635とを少なくとも含み、前記並行配線区間690,691は、少なくとも前記第1ハーネス655と前記第2ハーネス656と前記第3ハーネス657とが並行して配線された第1並行配線区間690と、前記第1並行配線区間690から前記第3ハーネス657が分岐して少なくとも前記第1ハーネス655と前記第2ハーネス656とが並行して配線された第2並行配線区間691とを含み、前記第1並行配線区間690の前記ハーネス655~657を一纏めに留める前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記ハーネス655,656を一纏めに留める前記留め具708とを備えてもよい。
【0304】
前記第3ハーネス657は線径の細いハーネス583Cとし、前記第1ハーネス655と前記第2ハーネス656との少なくとも一方は、前記第3ハーネス583Cよりも線径の太いハーネス583A,583Bとしてもよい。前記第1並行配線区間690の前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記留め具708は、複数本の前記ハーネス655~657を一纏めに結束可能な同種構造又は共通の結束具であってもよい。
【0305】
第7の技術は、所定部位501設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、複数の基板側コネクタ644,667,668を有する中継基板634,641と、前記複数の電気部品623,633,635及び前記複数の基板側コネクタ644,667,668を接続する複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記中継基板634,641と前記電気部品623,633,635との間に、前記ハーネス655~657を配線経路650に沿って留める経路方向に少なくとも1つの留め具694,696,708を備え、前記中継基板634,641に最も近い側の前記留め具694,696と前記基板側コネクタ644,667,668との間の前記ハーネス655~657のたるみ量は、前記電気部品623,633,635に最も近い側の前記留め具694,708と前記電気部品623,633,635との間の前記各ハーネス655~657のたるみ量よりも大としたものである。
【0306】
前記中継基板634,641の前記基板側コネクタ667,668と前記中継基板634,641から遠い側の前記電気部品623,633とを接続するハーネス655,656は線径の太いハーネス583A,583Bとし、前記中継基板634,641の前記基板側コネクタ644と前記中継基板634,641に近い側の前記電気部品635とを接続するハーネス657は、前記太いハーネス583A,583Bよりも線径の細いハーネス583Cとし、前記太いハーネス583A,583Bの前記基板側コネクタ667,668と前記留め具694,696との間のハーネス長さは、前記細ハーネス583Cの前記基板側コネクタ644と前記留め具696との間のハーネス長さよりも大であってもよい。
【0307】
第8の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の第1電気部品623,633,635と、前記各第1電気部品623,633,635に対応する複数の部品側コネクタ644,667,668を有する第2電気部品634,641と、前記各第1電気部品623,633,635及び前記各部品側コネクタ644,667,668を接続する複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記ハーネス655~657を配線経路650上に留める結束具694,696,708を経路方向に複数備え、前記第2電気部品634に最も近い側の前記結束具696と前記部品側コネクタ644,667,668との間の前記ハーネス655~657のたるみ量は、経路方向に隣り合う前記結束具694,708間のハーネス655~657のたるみ量よりも大にしたものである。
【0308】
前記結束具694,696,708は、挿通部575を有するヘッド部576と、一端側が前記ヘッド部576に連結され且つ他端側から前記挿通部575に挿通可能なバンド部577とを備え、前記バンド部577は、前記ハーネス655~657に巻き付けて前記挿通部575に挿通したときに前記挿通部575から反挿通方向に抜け出し不能であってもよい。
【0309】
第9の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品612,613,623,632,633,635と、前記各電気部品612,613,623,632,633,635に接続された複数のハーネス655~660と、前記各ハーネス655~660が接続可能な複数の基板側コネクタ644,667~671を有する中継基板634,641とを備えた遊技機において、前記ハーネス655~660は、該ハーネス655~660を前記基板側コネクタ644,667~671に接続するに必要なたるみ量を有するたるみ部655a~660aを前記基板側コネクタ644,667~671に近い側に備え、前記たるみ部655a~660aは、前記基板側コネクタ644,667~671間又は前記基板側コネクタ644,667~671の後近傍に設けられたたるみ配置部680に配置されるものである。
【0310】
前記複数のハーネス655~660の前記たるみ部655a~660aは、前記たるみ配置部680に重ねて配置されることがある。前記たるみ部655a~660aは、前記中継基板634,641の管理情報表示部675と重ならない位置に配置されることが望ましい。
【0311】
第10の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品645,672と、前記複数の電気部品645,672を該遊技部品516以外に設けられた外部電気部品525,526に接続するための複数のハーネス666,674とを備えた遊技機において、前記電気部品645,672から離れた側へと引き出された前記複数のハーネス666,674を前記遊技部品516の裏側で一纏めに留める留め具716を備えたものである。
【0312】
前記遊技部品516は、前記所定部位501の装着孔609に挿入される挿入部610を有し、前記留め具716は前記挿入部610の裏側に備えたものでもよい。前記留め具716に対してハーネス長手方向に前記電気部品645,672と反対側の前記ハーネス666,674は、前記挿入部610の外周又は前記装着孔609の内周よりも内側に屈曲可能であってもよい。
【0313】
第11の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、裏側へと突出する突出部620,628と、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記ハーネス655~657は前記突出部620,628の裏側を経由して配置されており、前記突出部620,628は前記ハーネス655~657の位置ずれを止めるずれ止め部701,711を備えたものである。
【0314】
前記ハーネス655~657を配線する配線経路650は、前記突出部620,628の後側を経由する後側経由部700,710を備え、前記後側経由部700,710の前記突出部620,628の少なくとも一側に、前記ハーネス655~657を一纏めに留める留め具696,708を備え、前記突出部620,628の後側に、前記後側経由部700,710上の前記ハーネス655~657の位置ずれを止める前記ずれ止め部701,711を備えたものでもよい。
【0315】
前記突出部628は、遊技球を前記所定部位501の裏側へと案内する通路622であってもよい。前記突出部620,628は、該突出部620,628の一側の前記留め具696,708と前記突出部620,628の他側のハーネス位置とを結ぶ線分の近傍にハーネス回避部を備え、前記突出部620,628の前記ハーネス回避部の上側に前記ずれ止め部701,711を備え、前記後側経由部700の前記ハーネス655~657は、前記一側の留め具694と前記他側の留め具696との間に配線されることもある。
【0316】
第12の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、前記各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657とを備え、前記複数のハーネス655~657は、少なくとも線径の太いハーネス583Aと、前記太いハーネス583Aよりも線径の細いハーネス583B,583Cとを含む遊技機において、前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを一纏めに纏めて配線したものである。
【0317】
前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを前記遊技部品516の配線経路650上に並行して配線し、前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを前記配線経路650に纏めて留める留め具694、696,708を経路長手方向に1又は複数設けたものでもよい。
【0318】
第13の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、前記各電気部品623,633,635に接続され且つ配線経路650に沿って配線された複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記複数のハーネス655~657には長いハーネス655,656と短いハーネス657とがあり、前記配線経路650の内、前記長いハーネス655,656と前記短いハーネス657とが並行して配線された並行配線区間690に、前記長いハーネス655,656と前記短いハーネス657とを一纏めに留める留め具694を備えたものである。
【0319】
少なくとも複数の前記長いハーネス655,656と前記短いハーネス657とが並行に配線される第1並行配線区間690と、前記第1並行配線区間690から分岐する前記短いハーネス657を除いた複数の前記長いハーネス655,656が並行に配線される第2並行配線区間691とを備え、前記第1並行配線区間690の前記ハーネス655~657を一纏めに留める前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記ハーネス655,656を一纏めに留める留め具708とを備えたものでもよい。前記第1並行配線区間690の前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記留め具708との間に湾曲経路部650aを備え、前記湾曲経路部650aの内周部分に前記ハーネス655~657を案内する配線案内部678aを備えたものでもよい。
【0320】
第14の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516,517を備え、前記遊技部品516,517は、複数の電気部品541~544、634,641と、前記各電気部品541~544、634,641に接続されて該遊技部品516,517の外部に引き出される複数のハーネス556~559、666,674とを備えた遊技機において、全ての前記ハーネスハーネス556~559、666,674を一纏めに留める留め具563,716を備えたものである。
【0321】
所定部位501に設けられた遊技部品516,517を備え、遊技部品516,517は、遊技に関係する複数の第1電気部品612,613,632,623,633と、前記複数の第1電気部品612,613,632,623,633が接続された第1中継基板641と、第1中継基板641に接続され且つ主制御基板525に直接的又は間接的に接続される第1ハーネス674と、演出に関係する複数の第2電気部品635,636と、前記複数の第2電気部品635,636が接続された第2中継基板634と、第2中継基板634に接続され且つ演出制御基板526に直接的又は間接的に接続される第2ハーネス666とを備え、前記留め具716は前記第1ハーネス674と前記第2ハーネス666とを一纏めに留めることもある。
【0322】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1~第3の実施形態と、第4,第5の実施形態とは、全く別の遊技機として具現化されているが、前者と後者とを適切に結合することによって同一の遊技機として具現化できることは言うまでもない。例えば、第4,第5の実施形態に係る遊技機に、第1~第3の実施形態に係る遊技機と同様の遊技盤の構成を採用することができ、また第1~第3の実施形態に係る遊技機上で、第4,第5の実施形態に係る遊技機におけるハーネス等の配置構成を用いることも可能である。
【0323】
第1~第3の実施形態では大入賞口(第2入球口)137を開閉する開閉部材151をスライド式とした例を示したが、開閉部材151はスライド式に限られるものではなく、下部側の横軸廻りに揺動する形式、その他の任意の開閉部材を用いることが可能である。また、大入賞手段(第2入球手段)57の配置位置は任意であり、例えば遊技領域23の左右方向略中央における下部側に配置してもよい。同様に、始動ゲート手段54、第1始動入賞手段55、第2始動入賞手段56等の配置位置も任意である。
【0324】
第1~第3の実施形態の普通入賞手段(第1入球手段)53では、二つの普通入賞口(第1入球口)87a,87bに対して一つの遊技球検出手段97を配置した例を示したが、三つ以上の普通入賞口に対して一つの遊技球検出手段を配置してもよいし、普通入賞口毎に一つの遊技球検出手段を配置してもよい。
【0325】
第1~第3の実施形態では、普通入賞手段53を構成する後側部材83を後部装飾手段60と一体に設けた例を示したが、図34に示すように、後側部材83を後部装飾手段60とは別に設けてもよい。また、第1~第3の実施形態では後部装飾手段60のLED基板99を後側部材83を避けて配置した例を示したが、図35に示すように、後部装飾手段60のLED基板99を、その一部が後側部材83における入賞球通路93等の後側に位置するように配置してもよい。この場合、入賞球通路93とアウト球通路94を、前側部材82と同様、少なくとも一部、例えば全体が透明又は半透明となるように形成する方が、入賞球通路93とアウト球通路94と透明本体板45とを介して前側部材82を効果的に発光させることができる。
【0326】
第4,第5の実施形態では、所定部位として遊技盤501を例示し、その遊技盤501に設けられる遊技部品として、複合入賞手段516、第1特別図柄始動手段517を例示しているが、遊技盤501以外の所定部位に設けられる各種の遊技部品についても同様に実施可能である。
【0327】
例えばパチンコ機では、遊技盤501に設けられたセンターケース507又は取り付け枠を所定部位とし、その所定部位に直接的又は間接的に演出用、その他の可動体ユニット等の遊技部品を装着する場合にも採用できる。その他、遊技盤501が着脱自在に装着される機枠、遊技盤501の前側に対応して機枠に開閉自在に装着される前扉等を所定部位とし、その所定部位の前側に、発光操作ボタン等の操作演出手段、遊技球の発射用の発射ハンドル等の遊技部品を設ける場合にも採用可能である。更に雀球機、スロットマシン等の遊技機においても採用可能である。
【0328】
第4,第5の実施形態では電気部品として、主制御基板525、演出制御基板526、LED基板543,544、634~636、第1始動スイッチ541、電波センサ542、入賞スイッチ612,623、駆動ソレノイド613、磁気センサ632,633、基板側コネクタ643,672等を例示しているが、これら以外のものでもよいし、またLED基板543,544を含む発光表示手段529,530等がハーネスの接続対象となる場合には、その発光表示手段529,530等自体が一つの電気部品を構成することもある。
【0329】
遊技盤501の遊技領域内に配置される入賞手段等の遊技部品の場合、遊技部品自体が裏側に挿入部547,610を有し、その挿入部547,610を遊技盤501の装着孔537,609に前側から挿入して固定手段により固定されているが、挿入部547,610等を備えておらず、遊技盤501、機枠等の装着対象に対して前側から当接した状態でネジ等の固定手段で固定するような遊技部品でもよい。
【0330】
留め具563,716等の各留め具は、実施形態に例示する構成の結束式でもよいし、その他の構成の結束式でもよい。また留め具は必要箇所で複数のハーネスを遊技部品516,517側に留め得るものであれば十分であり、特定の留め形式に限定されるものではない。
【0331】
組立て時の作業能率を考慮すれば、ハーネスを容易に留め得るものが望ましいことは云うまでもない。また留め具により複数のハーネスを一纏めに留めるに当たってのハーネスの締め付け度合いは、その周辺の状況等に応じて適宜決定すればよく、必ずしも各ハーネスが動かないように締め付ける必要はない。例えば、多くのハーネスがあり、それらのハーネスを集合箇所で一纏めに束ねて留める場合には、ある程度の余裕がある状態で各ハーネスを留める程度でもよい。
【0332】
ハーネスには、使用する素線583の線径が太いハーネス583A(又は583A,583B)と、これよりも線径が細いハーネス583B,583C(又は583C)とがあり、線径が太いほど素線583単位での引張強度が大になる。従って、ハーネスの引っ掛け等が問題となるような配線経路に沿って複数のハーネスを配線するに際しては、線径の太いハーネス583A(又は583A,583B)と、線径の細いハーネス583B,583C(又は583C)とを組み合わせて配線することにより、線径の太いハーネス583A(又は583A,583B)が線径の細いハーネス583B,583C(又は583C)を補強することができる。
【0333】
ハーネス655~661の一端側を電気部品612,613,623,632,633,635,636に接続し、ハーネス655~661の他端側を中継基板634,641の基板側コネクタ643~645,667~670にハーネス側コネクタを介して着脱自在に接続する場合には、中継基板634,641に近い側の留め具685,694,696,714から基板側コネクタ643~645,667~670又はハーネス側コネクタまでのハーネス655~661のたるみ量(前者たるみ量)を、電気部品612,613,623,632,633,635,636に近い側の留め具686,708,714から電気部品612,613,623,632,633,635,636までのハーネス655~661のたるみ量(後者たるみ量)よりも大にすることが望ましい。
【0334】
しかし、ハーネス655~661の一端側をハーネス側コネクタを介して電気部品612,613,623,632,633,635,636側のコネクタに着脱自在に接続する場合には、そのコネクタ同士を着脱できるように後者たるみ量を確保する必要がある。従って、前者たるみ量と後者たるみ量とが略同じである場合もある。
【0335】
前後又は上下に複数の中継基板634,641を配置する遊技部品516において、一方の中継基板641側から他方の中継基板634のハーネス側コネクタにハーネス側コネクタを接続する場合、他方の中継基板634は一方の中継基板641よりも面方向の外側に張り出すように配置して、その張り出し部634A,634Bに基板側コネクタを設ければよい。
【0336】
第5の実施形態では、配線経路650を中継基板634,641側の基板側並行配線区間692と、中継基板634,641とは反対の電気部品並行配線区間690,691とに分けて、この配線経路に650に3本のハーネ655~657を配線するに当たって、電気部品並行配線区間690,691には、3本のハーネス655~657を並行に配線した第1配線区間690と、この第1配線区間690の電気部品623,633側に2本のハーネス655,656を並行に配線した第2並行配線区間691とを設け、また基板側並行配線区間692には、2本のハーネス656,656を並行に配線している。
【0337】
しかし、電気部品並行配線区間690,691の2箇所以上でハーネスが分岐する場合には、第1並行配線区間690からハーネスが分岐する毎に第2並行配線区間691、第3並行配線区間を順次設ければよい。この場合にも、電気部品並行配線区間690,691の最終の部分まで配線されるハーネスには、線径の太いハーネス583A及び/又は583Bを設けることが望ましい。
【0338】
なお、電気部品の種類との関係で電気部品並行配線区間690,691の末端まで線径の太いハーネス583A及び/又は583Bを設けることができず、線径の細いハーネス583Cを設けざるをえない場合には、素線の本数の多いハーネスとすることが望ましい。
【0339】
電気部品623,633,635と中継基板634,641との間の配線経路650に沿って複数のハーネス655~657を配線する場合、配線経路650上に配置する留め具694,696,708は、経路方向に一つでもよいし、複数でもよい。また複数の留め具を設ける場合には、留め位置の周辺の条件、状況等に応じて留め具の種類を変えてもよい。
【0340】
配線経路650に、複数のハーネス655~657が並行に配線された第1並行配線区間690と、第1並行配線区間690の一部のハーネス657が電気部品635へと分岐して他の複数のハーネス655,656が並行に配線された第2並行配線区間691とを設ける場合、第1並行配線区間690のハーネス655~657を留める留め具694、第2並行配線区間691のハーネス655,656を留める留め具708は、一つ、二つ又はそれ以上でもよい。
【0341】
裏側へと突出する突出部620,628と、複数の電気部品623,633,635と、この各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657とを備えた遊技部品516において、ハーネス655~657を突出部620,628の裏側を経由して配置する場合に、突出部620,628にハーネス655~657の位置ずれを止めるずれ止め部701,711を設けることが望ましい。この場合のずれ止め部701,711は、ハーネス回避部側へとハーネス655~657が移動しないように、ハーネス回避部側に設けるだけでもよいし、ハーネス655~657の上下両側に設けてもよい。
【0342】
また突出部620,628の後側を経由する後側経由部700,710を経由してハーネス655~657を配線する場合、突出部620,628の両側にハーネス655~657の留め具を設けることが望ましいが、突出部620,628の片側に留め具694,708を配置して、反対側はハーネス655~657の合流部又は分岐部とすることもできる。その場合、反対側の合流部側又は分岐部側でハーネス655~657を緩やかに縒り合わせる等して、ハーネス655~657が分離しないように連携部を設けることも可能である。
【0343】
上述した実施形態はどのように組み合わせてもよい。例えば、第3の実施形態は第1の実施形態を一部変更する形で例示したが、第2の実施形態を一部変更して第3の実施形態のように構成してもよい。第1~第5の実施形態のうちの2以上を適宜組み合わせてもよい。
【0344】
また、本発明はパチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0345】
16 遊技盤
23 遊技領域
45 透明本体板
53 普通入賞手段(第1入球手段)
57 大入賞手段(第2入球手段)
82 前側部材
83 後側部材
87a 普通入賞口(第1入球口)
87b 普通入賞口(第1入球口)
92 傾斜案内部(第1傾斜案内部)
93 入賞球通路(球通路)
96 合流部
97 遊技球検出手段(第1検出手段)
132 大入賞ユニット(入球ユニット)
137 大入賞口(第2入球口)
140 傾斜案内部(第2傾斜案内部)
147 遊技球検出手段(第2検出手段)
151 開閉部材
501 遊技盤
502 遊技領域
516 複合入賞手段(遊技部品)
517 第1特別図柄始動手段(遊技部品)
525 主制御基板(第1外部電気部品)
526 演出制御基板(第2外部電気部品)
541 第1始動スイッチ(電気部品)
542 電波センサ(電気部品)
543,544 LED基板(電気部品)
547,610 挿入部
537,609 装着孔
552,553 基板側コネクタ(電気部品)
556,557 ハーネス
563 留め具
568 突出部
574 結束具
575 挿通部
576 ヘッド部
577 バンド部
583 素線
583A 太ハーネス
583B 並ハーネス
583C 細ハーネス
612 入賞スイッチ(電気部品)
613 駆動ソレノイド(電気部品)
618 第1突出部
620 第2突出部
623 入賞スイッチ(電気部品)
628 第3突出部
629 第4突出部
630 第5突出部
632,633 磁気センサ(電気部品)
634~636 LED基板(電気部品)
637~639 基板側コネクタ
641 中継基板(電気部品)
644~647 基板側コネクタ
650 第1配線経路
650a 第1湾曲経路部
651 第2配線経路
652 第3配線経路
655a~660a たるみ部
655~661 ハーネス
680 たるみ配置部
685,686,694,696,708 留め具
690 第1並行配線区間
691 第2並行配線区間
700,710 後端側経由部
720 分岐位置
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図2
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