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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107654
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/06 20060101AFI20240802BHJP
   B65H 9/14 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
B65H3/06 350A
B65H9/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011689
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】柴田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】グエン ヴァン タイ
【テーマコード(参考)】
3F102
3F343
【Fターム(参考)】
3F102AA01
3F102AB01
3F102BA02
3F102BB02
3F102DA08
3F102FA04
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC11
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343JA01
3F343KB04
3F343KB06
3F343LA03
3F343LC09
3F343MA03
3F343MA15
3F343MA27
3F343MA41
3F343MA44
3F343MB03
3F343MC08
3F343MC09
(57)【要約】
【課題】生産性を向上すると共に、給紙不良や紙ジャムの発生を防止する。
【解決手段】用紙Pが載置されている給紙トレイ11と、給紙トレイ11に載置された用紙Pを1枚ずつ搬送する給紙ローラ12と、給紙ローラ12により搬送されてきた用紙Pを一旦止めた後、用紙Pを駆動ローラと従動ローラとでニップしつつ印刷部3へ搬送するレジストローラ対26と、用紙Pの厚さ情報を取得するレジストセンサ26aと、レジストセンサ26aにより取得された厚さ情報に基づいて、給紙ローラ12およびレジストローラ対26における用紙Pの搬送タイミングを調整する制御部6とを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙トレイと、
前記給紙トレイに載置された用紙を1枚ずつ搬送する搬送手段と、
前記用紙の厚さ情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された厚さ情報に基づいて、前記搬送手段における用紙の搬送タイミングを調整する調整手段と、
を備えたことを特徴とする用紙搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レジストローラにより用紙を挟み込むことで斜行補正をしつつ搬送する用紙搬送装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、レジストローラの加減速度に関する情報を取得し、経路情報記憶部に記憶された搬送条件を照合し、レジストローラと給紙手段との間における記録媒体の弛み量をアシスト条件として算出するアシスト条件算出部と、アシスト条件に基づいて、給紙手段の動作速度又は動作加速度を制御するアシスト制御部とを備えた給紙機構に関する技術が開示されています。また、記録媒体の送出タイミングを調整する一対のレジストローラに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-215389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、搬送する用紙が厚くなると、加速度が低下するためレジストローラの動作時間を長くする必要がある。これにより、生産性の低下やレジストローラの停止時間が短縮され不安定となり、給紙不良や紙ジャムが発生する可能性があった。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、生産性を向上すると共に、給紙不良や紙ジャムの発生を防止する用紙搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る用紙搬送装置の特徴は、
給紙トレイと、
前記給紙トレイに載置された用紙を1枚ずつ搬送する給紙手段と、
前記用紙の厚さ情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された厚さ情報に基づいて、前記搬送手段における用紙の搬送タイミングを調整する調整手段と、
を備えたことにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る用紙搬送装置の特徴によれば、生産性を向上すると共に、給紙不良や紙ジャムの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る用紙搬送装置が適用された印刷装置の概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る印刷装置の給紙部周辺の拡大図である。
図3】本発明の一実施形態に係る印刷装置の機能構成図である。
図4】(a)は、本発明の一実施形態に係る印刷装置における給紙ローラを駆動するモータ動作のタイミングチャートであり、(b)は、本発明の一実施形態に係る用紙搬送装置が適用された印刷部のレジストローラ対を駆動するモータ動作のタイミングチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る印刷装置が備える制御部のROMに記憶された用紙厚さ条件テーブルの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0011】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る用紙搬送装置が適用された印刷装置の概略構成図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る印刷装置の給紙部周辺の拡大図である。以下の説明において、ユーザが位置する図1の紙面表方向を前方とする。また、図1に示すように、ユーザから見て、上下左右を上下左右方向とする。
【0013】
図1において太線で示す経路が、印刷媒体である用紙Pが搬送される搬送経路である。搬送経路のうち、実線で示す経路が通常経路RC、一点鎖線で示す経路が反転経路RR、破線で示す経路が排紙経路RD、二点鎖線で示す経路が給紙経路RSである。以下の説明における上流、下流は、搬送経路における上流、下流を意味する。
【0014】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る印刷装置1は、給紙部2と、印刷部3と、排紙部4と、制御部6と、各部を収納または保持する筐体7とを備える。
【0015】
給紙部2は、印刷部3に用紙Pを給紙する。給紙部2は、搬送経路の最も上流側に配置されている。給紙部2は、給紙トレイ11と、給紙ローラ12と、給紙ローラ12を駆動させるモータ(図示せず)とを備える。
【0016】
給紙トレイ11は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。給紙トレイ11は、一部が筐体7の外部に露出して設置されている。
【0017】
給紙ローラ12は、給紙トレイ11から用紙Pを1枚ずつ取り出し、給紙経路RSに沿って印刷部3へ向けて搬送する。
【0018】
印刷部3は、給紙された用紙Pを搬送しつつ印刷を行い、印刷された用紙Pを排紙部4へ搬送する。印刷部3は、レジスト部21と、ベルト搬送部22と、インクジェットヘッド部23と、上面搬送部24と、反転部25とを備える。
【0019】
レジスト部21は、給紙部2または反転部25から搬送されてきた用紙Pをベルト搬送部22へと送り出す。レジスト部21は、レジストローラ対26と、レジストローラ対26を駆動させるモータ(図示せず)と、レジストセンサ26aとを備える。
【0020】
レジストローラ対26は、給紙部2または反転部25から搬送されてきた用紙Pを一旦止めた後、用紙Pを駆動ローラと従動ローラとでニップしつつ印刷部3へ搬送する。レジストローラ対26は、給紙経路RSと反転経路RRとの合流地点の近傍の通常経路RC上に配置されている。
【0021】
レジストセンサ26aは、レジストローラ対26の上流側に設けられている。レジストセンサ26aは、発光素子と発光素子から発光された光を受光する受光素子とを有し、受光した光量に基づいて搬送される用紙Pの厚みを検出し、厚み情報として制御部6へ供給する。
【0022】
ベルト搬送部22は、レジストローラ対26から搬送されてきた用紙Pをベルト上に吸着保持して上面搬送部24へ搬送する。ベルト搬送部22は、レジストローラ対26の下流側に配置されている。ベルト搬送部22は、図示しないモータにより駆動される。
【0023】
インクジェットヘッド部23は、用紙Pの搬送方向と略直交する方向(前後方向)に複数のノズルが配列されたライン型の複数のインクジェットヘッド(図示せず)を有する。インクジェットヘッド部23は、ベルト搬送部22の上方に配置されている。インクジェットヘッド部23は、ベルト搬送部22により搬送される用紙Pにインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を形成する。
【0024】
上面搬送部24は、ベルト搬送部22から搬送されてきた用紙Pを右方向から左方向へとUターンするように搬送する。上面搬送部24は、複数の上面搬送ローラ対27と、複数の上面搬送ローラ対27を駆動させる複数のモータ(図示せず)とを備える。
【0025】
上面搬送ローラ対27は、用紙Pをニップしつつ搬送する。上面搬送ローラ対27は、ベルト搬送部22と反転部25との間の通常経路RCに沿って配置されている。
【0026】
上面搬送ローラ対27は、モータにより回転駆動される駆動ローラ27aと、通常経路RCを挟んで駆動ローラ27aに対向して設けられた従動ローラ27bとを有している。
【0027】
反転部25は、片面印刷済みの用紙Pを反転させてレジストローラ対26へ搬送する。反転部25は、反転ローラ対31と、スイッチバックローラ対32と、再給紙ローラ対33と、切替ゲート34と、反転ローラ対31を駆動させるモータ(図示せず)と、スイッチバックローラ対32を駆動させるモータ(図示せず)と、再給紙ローラ対33を駆動させるモータ(図示せず)とを備える。
【0028】
反転ローラ対31は、後述の切替部36により反転経路RRへ導かれた用紙Pをニップしつつスイッチバックローラ対32へ搬送する。反転ローラ対31は、反転経路RRの上流域に沿って配置されている。
【0029】
反転ローラ対31は、モータにより回転駆動される駆動ローラ31aと、反転経路RRを挟んで駆動ローラ31aに対向して設けられた従動ローラ31bとを有している。
【0030】
スイッチバックローラ対32は、反転ローラ対31により搬送されてきた用紙Pをスイッチバックして再給紙ローラ対33へ搬送する。スイッチバックローラ対32は、反転経路RRに沿って、反転ローラ対31と再給紙ローラ対33との間に配置されている。スイッチバックローラ対32は、用紙Pのスイッチバックを行うため正逆転可能に構成されている。
【0031】
スイッチバックローラ対32は、モータにより回転駆動される駆動ローラ32aと、反転経路RRを挟んで駆動ローラ32aに対向して設けられた従動ローラ32bとを有している。
【0032】
再給紙ローラ対33は、スイッチバックローラ対32によりスイッチバックされた用紙Pをレジストローラ対26へ搬送する。再給紙ローラ対33は、反転経路RRに沿って、スイッチバックローラ対32とレジストローラ対26との間に配置されている。
【0033】
再給紙ローラ対33は、モータにより回転駆動される駆動ローラ33aと、反転経路RRを挟んで駆動ローラ33aに対向して設けられた従動ローラ33bとを有している。
【0034】
切替ゲート34は、反転ローラ対31により搬送されてきた用紙Pをスイッチバックローラ対32へとガイドする。また、切替ゲート34は、スイッチバックローラ対32によってスイッチバックされた用紙Pを再給紙ローラ対33へとガイドする。
【0035】
排紙部4は、印刷済みの用紙Pを排紙する。排紙部4は、上面搬送部24の下流側に配置されている。排紙部4は、切替部36と、第1排紙ローラ対37と排紙台39とを備える。
【0036】
切替部36は、用紙Pの搬送経路を排紙経路RDと反転経路RRとの間で切り替える。切替部36は、排紙経路RDと反転経路RRとの分岐点に配置されている。
【0037】
第1排紙ローラ対37は、切替部36により排紙経路RDへ導かれた用紙Pを排紙台39へ排紙する。第1排紙ローラ対37は、切替部36の下流側に配置されている。
【0038】
第1排紙ローラ対37は、モータにより回転駆動される駆動ローラ37aと、排紙経路RDを挟んで駆動ローラ37aに対向して設けられた従動ローラ37bとを有している。
【0039】
排紙台39は、第1排紙ローラ対37により排紙された用紙Pが積載されるものである。排紙台39は、第1排紙ローラ対37の下流側に配置されており、下流側(左側)ほど高くなるように傾斜している。
【0040】
制御部6は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。制御部6は、図示しないネットワークを介して接続されたコンピュータから印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブに基づいて印刷装置1の各部の動作を制御する。印刷ジョブには、印刷条件データと、画像データとが含まれている。ROMには、後述する用紙厚さ条件テーブルが記憶されている。
【0041】
制御部6は、レジストセンサ26aにより検出された厚み(厚さ情報)に基づいて、給紙部2や印刷部3における用紙Pの搬送タイミングを調整する。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態に係る印刷装置の機能構成図である。
【0043】
図3に示すように、制御部6は、レジストセンサ26aにより検出された厚み(厚さ情報)に基づいて、給紙部2の給紙ローラ12を駆動するモータや、印刷部3のレジストローラ対26を駆動するモータや、再給紙ローラ対33を駆動するモータを制御し、給紙ローラ12、レジストローラ対26、および再給紙ローラ対33における用紙Pの搬送タイミングを制御する。
【0044】
具体的には、給紙開始時、給紙トレイ11に載置された一枚目の用紙Pの厚みをレジスト部にあるレジストセンサ26aが検知すると、制御部6は、厚み情報(用紙の厚み)から給紙動作時のパラメータ(給紙加減速度、突き当て搬送時間等)を調整する。
【0045】
また、制御部6は、突き当て動作からレジスト動作開始タイミングズレから発生するジャムを防ぐため、レジストセンサ26aにより検出された厚み(厚さ情報)に基づいて、用紙Pの紙間(給紙タイミングやレジストの停止時間等)を調整し、生産性を維持する。
【0046】
例えば、レジストセンサ26aによる用紙Pの厚みの検出は、下記(1)~(2)に用いられる。
(1)給紙された用紙1枚毎に、給紙動作時のパラメータ(給紙加減速度、突き当て搬送時間等)の調整
(2)用紙Pの1枚目の情報を基に2枚目以降は同じパラメータの使用
この時、(2)は給紙トレイ11に載置された用紙Pが無くなる、または給紙トレイ11に載置された用紙Pの用紙種類が変更されない限り、パラメータはそのまま保持される。
【0047】
このように、レジストセンサ26aが、給紙される用紙Pの1枚毎または1枚目の用紙厚さを検知し、制御部6が、給紙される用紙Pの厚みに応じた給紙の加速度・減速加速度を調整することにより、適切に斜行補正を行うことが可能となるため、用紙印字時のズレの発生率を低下させ、ベルト搬送部22のベルトの汚れを防ぐことが可能となる。
【0048】
また、レジストセンサ26aが、給紙される用紙Pの1枚毎または1枚目の用紙厚さを検知し、制御部6が、厚みに応じて適切にレジストローラ対26での加速度及び減速加速度、紙間(給紙タイミングやレジストローラ対26の停止時間)を調整することができるので、無駄に動作時間が長くなることを防止できるので、生産性を維持することができる。
【0049】
さらに、制御部6は、用紙Pの厚さ毎に給紙間隔を調整することにより、用紙Pの厚さに起因するレジストローラ対26におけるレジスト動作タイミングのズレによるジャム発生を防止することが可能となる。
【0050】
図4(a)は、本発明の一実施形態に係る用紙搬送装置が適用された給紙ローラ12を駆動するモータ動作のタイミングチャートであり、図4(b)は、本発明の一実施形態に係る用紙搬送装置が適用された印刷部3のレジストローラ対26を駆動するモータ動作のタイミングチャートである。
【0051】
図4に示すように、T1時点に給紙トレイ11から用紙Pの給紙が開始される。
【0052】
T3時点において、レジストセンサ26aが、給紙される用紙Pの用紙厚さの検出を開始する。その際、制御部6が、ROMに記憶された用紙厚さ条件テーブルに基づいて、給紙される用紙Pの厚みに応じた給紙の加速度・減速加速度を決定する。
【0053】
図5は、制御部6のROMに記憶された用紙厚さ条件テーブルの一例を示した図である。
【0054】
図5に示すように、用紙厚さ条件テーブルは、用紙厚さ条件として「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」ごとに、給紙の加速度と、減速加速度と、突き当て搬送時間と、紙間とが関連付けられて記憶されている。
【0055】
用紙の厚みが厚いほど、給紙の加速度は大きくなり、減速加速度は大きくなり、突き当て搬送時間は長くなり、紙間は長くなる。
【0056】
これにより、用紙厚さ条件に応じた給紙の加速度と、減速加速度と、突き当て搬送時間と、紙間とを抽出できるようになっている。
【0057】
図4に示すように、レジストセンサ26aが検出した用紙厚さが「薄紙」である場合、用紙厚さ条件テーブルから、加速度「α1」、減速加速度「Δ1」、突き当て搬送時間「t1」、紙間「kt-β2」を抽出し、抽出した条件に基づいて、搬送速度D101に示すように搬送を制御する。
【0058】
また、レジストセンサ26aが検出した用紙厚さが「普通紙」である場合、用紙厚さ条件テーブルから、加速度「α2」、減速加速度「Δ2」、突き当て搬送時間「t2」、紙間「kt-β1」を抽出し、抽出した条件に基づいて、搬送速度D102に示すように搬送を制御する。
【0059】
また、レジストセンサ26aが検出した用紙厚さが「厚紙」である場合、用紙厚さ条件テーブルから、加速度「α3」、減速加速度「Δ3」、突き当て搬送時間「t3」、紙間「kt」を抽出し、抽出した条件に基づいて、搬送速度D103に示すように搬送を制御する。
【0060】
これにより、T3時点からそれぞれ抽出した減速加速度に応じた搬送速度で用紙Pが搬送されている。
【0061】
また、図4に示すように、例えば、レジストセンサ26aが検出した用紙厚さが「厚紙」である場合におけるレジストローラ対26へ突き当てる突き当て搬送時間は、T5時点からT7時点の「t3」となるように制御されている。
【0062】
T9時点において、給紙ローラ12による1枚目の用紙Pの搬送と、レジストローラ対26による搬送が開始される。これにより、1枚目の用紙Pがベルト搬送部22に搬送される。なお、2枚目の用紙Pは、紙間D1後に搬送が開始される。
【0063】
制御部6は、同様に、ROMに記憶された用紙厚さ条件テーブルに基づいて、給紙される用紙Pの厚みに応じた給紙の加速度を決定する。なお、給紙される用紙Pごとに、給紙ローラ12のモータ及びレジストローラ対26のモータの加速度(α1~α3)、減速加速度(Δ1~Δ3)、及び突き当て搬送時間(t1~t3)の時間を決定するようにしてもよいし、給紙1枚目を基準とする場合、2枚目以降は、1枚目の厚さ検出結果を基に、給紙ローラ12のモータ及びレジストローラ対26のモータの加速度(α1~α3)、減速加速度(Δ1~Δ3)、及び突き当て搬送時間(t1~t3)の時間を変更するようにしてもよい。
【0064】
制御部6は、T13時点で、レジストセンサ26aによる検出を終了し、レジストローラ対26による搬送を開始する前に、加速度(α1~α3)を調整した後、加速時間と減速時間の関係を使用して、T15~T17である紙間D1を一定にして生産性を維持する。このとき、場合によっては紙間を広げ、ジャム発生を抑制させるようにしてもよい。
【0065】
また、本発明の実施形態では、ライン単位で印刷を行なうインクジェット方式の印刷装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、シリアルインクジェット方式、レーザ方式、又は孔版印刷方式等の用紙を搬送する印刷装置であればどのような方式の印刷装置でもよい。
【0066】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0067】
(付記1)
給紙トレイと、
前記給紙トレイに載置された用紙を1枚ずつ搬送する搬送手段と、
前記用紙の厚さ情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された厚さ情報に基づいて、前記搬送手段における用紙の搬送タイミングを調整する調整手段と、
を備えたことを特徴とする用紙搬送装置。
【0068】
これにより、搬送する用紙の厚みにかかわらず、適切な搬送を行うことができるので、生産性の低下を防止すると共に、レジストローラの停止時間の短縮による搬送が不安定となることを防止し、給紙不良や紙ジャムの発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 印刷装置
2 給紙部
3 印刷部
4 排紙部
6 制御部
11 給紙台
11 給紙トレイ
12 給紙ローラ
21 レジスト部
22 ベルト搬送部
23 インクジェットヘッド部
24 上面搬送部
25 反転部
26 レジストローラ対
26a レジストセンサ
36 切替部
39 排紙台
図1
図2
図3
図4
図5