(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107674
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/27 20180101AFI20240802BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240802BHJP
F21S 43/239 20180101ALI20240802BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20240802BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240802BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240802BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240802BHJP
【FI】
F21S43/27
F21S43/14
F21S43/239
F21S43/245
F21S2/00 431
F21S2/00 433
F21W103:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011721
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 松生
(72)【発明者】
【氏名】遠山 卓男
(72)【発明者】
【氏名】坂野 公俊
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA08
3K244BA20
3K244BA27
3K244BA32
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244ED03
3K244ED14
3K244GA01
3K244GA17
3K244KA09
3K244KA10
3K244KA13
3K244KA18
(57)【要約】
【課題】 ブロックレンズによるセグメント発光を少ない部品で構成できる車両用灯具を提供する。
【解決手段】 車両用灯具10は、複数個のブロックレンズ32を支持する第1平板30と、複数個のブロックレンズ22を支持する第2平板20と、ブロックレンズを点灯させる赤色LDE70と、から成る。第1平板30は、第2平板20のブロックレンズ22を挿通させるための通孔34を備え、第1平板30と第2平板20とが重ねられ、第1平板30の通孔34から第2平板のブロックレンズ22が突出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のブロックレンズを支持する第1平板と、
複数個のブロックレンズを支持する第2平板と、
前記ブロックレンズを点灯させる照明部品と、から成る車両用灯具であって、
前記第1平板は、前記第2平板の前記ブロックレンズを挿通させるための通孔を備え、
前記第1平板と前記第2平板とが重ねられ、前記第1平板の前記通孔から前記第2平板の前記ブロックレンズが突出していることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
請求項1の車両用灯具であって、
前記ブロックレンズは縦列と横列からなるマトリクス状に配置され、
前記第1平板の前記通孔は、前記縦列の縦方向に隣り合うブロックレンズとブロックレンズとの間と、前記横列の横方向に隣り合うブロックレンズとブロックレンズとの間と、に設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
請求項1の車両用灯具であって、
前記第2平板の下側に、前記照明部品からの光を前記ブロックレンズへ導く導光板が設けられ、
前記導光板の前記第2平板側の面に、各ブロックレンズに対応させたドットレンズが設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項4】
複数個のブロックレンズを支持する平板と、
前記ブロックレンズを点灯させる照明部品と、から成る車両用灯具であって、
前記平板の下側に、前記照明部品からの光を前記ブロックレンズへ導く導光板が設けられ、
前記導光板の前記平板側の面に、各ブロックレンズに対応させたドットレンズが設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項5】
請求項3又は請求項4の車両用灯具であって、
前記ブロックレンズ及び前記導光板は透明材料により構成され、
前記照明部品は赤色LEDから成り、前記導光板の側面に光を照射し、
前記導光板は、前記平板側の面に設けられた前記ドットレンズを介して各ブロックレンズに光を導くことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テールランプに用いられる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より車両に搭載される車両用灯具として、光源とレンズとを組み合わせたものが知られている。このような車両用灯具では、デザインの多様化によって、色々な形態のものが開発されている。
【0003】
特許文献1には、ブロックレンズを用いたバックライトユニットが開示されている。
【0004】
ブロックレンズを複数用いて、セグメント発光を実現した車両用灯具が開発されている。ブロックレンズを発光させるために、ブロックレンズの背面にLEDを配置する方式と、ブロックレンズの背面にLEDからの光を導く導光レンズを配置する方式とが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ブロックレンズを複数用いて、セグメント発光を実現するためには、ブロックレンズが多数個要り、部品点数が多くなるという課題が有った。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ブロックレンズによるセグメント発光を少ない部品で構成できる車両用灯具を提供することにある。
【0008】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、複数個のブロックレンズ(32)を支持する第1平板(30)と、
複数個のブロックレンズ(22)を支持する第2平板(20)と、
前記ブロックレンズを点灯させる照明部品(70)と、から成る車両用灯具であって、
前記第1平板(30)は、前記第2平板(20)の前記ブロックレンズ(22)を挿通させるための通孔(34)を備え、
前記第1平板(30)と前記第2平板(20)とが重ねられ、前記第1平板(30)の前記通孔(34)から前記第2平板の前記ブロックレンズ(22)が突出していることを特徴とする。
【0009】
特許請求の範囲4に記載の発明は、複数個のブロックレンズ(32、22)を支持する平板(30、20)と、
前記ブロックレンズを点灯させる照明部品(70)と、から成る車両用灯具であって、
前記平板(20)の下側に、前記照明部品からの光を前記ブロックレンズへ導く導光板(40)が設けられ、
前記導光板(40)の前記平板側の面(40A)に、各ブロックレンズに対応させたドットレンズ(42s)が設けられていることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、複数個のブロックレンズを支持する平板が、第1平板と、第2平板と、からなる。複数のブロックレンズを平板に保持するため、ブロックレンズによるセグメント発光を少ない部品で構成できる。更に、第1平板と第2平板とが重ねられ、第1平板の通孔から第2平板のブロックレンズが突出する。即ち、第1平板、第2平板のブロックレンズ間の距離を狭くし、緻密なセグメント発光を実現しながら、ブロックレンズを形成するための金型強度を保つことができる。
【0011】
請求項2の発明では、ブロックレンズは縦列と横列からなるマトリクス状に配置され、第1平板の通孔は、縦列の縦方向に隣り合うブロックレンズとブロックレンズとの間と、横列の横方向に隣り合うブロックレンズとブロックレンズとの間と、に設けられている。第1平板、第2平板のブロックレンズ間の距離を狭くし、緻密なセグメント発光を実現しながら、ブロックレンズを形成するための金型強度を保つことができる。
【0012】
請求項3の発明では、第2平板の下側に、照明部品からの光をブロックレンズへ導く導光板が設けられ、導光板の第2平板側の面に、各ブロックレンズに対応させたドットレンズが設けられている。ブロックレンズ及び平板を透明部材で構成することで、非点灯時に透明感ある見栄えにすることができる。ドットレンズの配置数を調整することで、各ブロックレンズを均一に光らせることができる。
【0013】
請求項4の発明では、複数のブロックレンズを平板に保持するため、ブロックレンズによるセグメント発光を少ない部品で構成できる。更に、平板の下側に、照明部品からの光をブロックレンズへ導く導光板が設けられ、導光板の平板側の面に、各ブロックレンズに対応させたドットレンズが設けられている。ブロックレンズ及び平板を透明部材で構成することで、非点灯時に透明感ある見栄えにすることができる。ドットレンズの配置数を調整することで、各ブロックレンズを均一に光らせることができる。
【0014】
請求項5の発明では、ブロックレンズ及び導光板は透明材料により構成され、照明部品は赤色LEDから成り、導光板の側面に光を照射し、導光板は、平板側の面に設けられたドットレンズを介して各ブロックレンズに光を導く。ブロックレンズ及び平板が透明部材で構成されており、赤色LEDは導光板の側面に光を照射するため、導光板を透過して見えることが無い。ブロックレンズ及び平板が透過し、非点灯時に透明感ある見栄えにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1(A)は実施形態に係る車両用灯具の第1平板の斜視図であり、
図1(B)は第2平板の斜視図であり、
図1(C)は導光板の斜視図である。
【
図2】
図2(A)は実施形態の車両用灯具の導光板の平面図であり、
図2(B)はドットレンズの説明図である。
【
図3】実施形態の車両用灯具の概略構成を示す説明図である。
【
図4】
図4(A)は実施形態の車両用灯具の側面図であり、
図4(B)は車両用灯具の斜視図である。
【
図5】
図5(A)は車両用灯具の平面図であり、
図5(B)はアウターレンズを外した車両用灯具の平面図である。
【
図6】
図6(A)は
図5(A)の車両用灯具のB-B断面図であり、
図6(B)は車両用灯具の上面であり、
図6(C)は
図5(B)の車両用灯具のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の車両用灯具を具現化した実施形態について、図面を参照して説明する。
図4(A)は実施形態の車両用灯具の側面図であり、
図4(B)は車両用灯具の斜視図である。
図5(A)は車両用灯具の平面図であり、
図5(B)はアウターレンズ50を外した車両用灯具の平面図である。アウターレンズ50は透樹脂で形成されている。
図6(A)は
図5(A)の車両用灯具のB-B断面図であり、
図6(B)は車両用灯具の上面であり、
図6(C)は
図5(B)の車両用灯具のA-A断面図である。
【0017】
図1(A)は実施形態に係る車両用灯具の第1平板30の斜視図であり、
図1(B)は第2平板20の斜視図であり、
図1(C)は導光板40の斜視図である。
図2(A)は導光板の平面図であり、
図2(B)はドットレンズの説明図である。
図3は車両用灯具の概略構成を示す説明図である。
車両用灯具10は、
図1(A)に示す複数個のブロックレンズ32を支持する第1平板30と、
図1(B)に示す複数個のブロックレンズ22を支持する第2平板20と、
図3に示す照明部品を構成する赤色LDE70からの光を、ブロックレンズへ導く
図1(C)に示す導光板40と、を有する。第1平板30には
図4中に示すケーシング60への取り付け用のブラケット36、38が設けられている。導光板40にはケーシング60への取り付け用のブラケット46、48が設けられている。
図3に示されるように導光板40は、第2平板20の下側に配置される。第1平板30は、第2平板20のブロックレンズ22を挿通させるための通孔34を備える。
図3に示されるように第1平板30と第2平板20とが重ねられ、第1平板30の通孔34から第2平板20のブロックレンズ22が突出する。
【0018】
図2(A)に示すように導光板40の第2平板側の面40Aに、各ブロックレンズに対応させたドットレンズ領域42が設けられている。
図2(B)、
図3中に示すように、ドットレンズ領域42には半球状のドットレンズ42sが形成されている。
【0019】
図4(B)中に示されるようにブロックレンズ22、32は縦列VLと横列HLからなるマトリクス状に配置されている。
図1(A)に示されるように第1平板30の通孔34は、縦列VLの縦方向に隣り合うブロックレンズ32Vとブロックレンズ32Vとの間と、横列HLの横方向に隣り合うブロックレンズ32Hとブロックレンズ32Hとの間と、に設けられている。
図1(B)、
図3に示すように第2平板20には、第1平板30のブロックレンズ32に底面32Bを露出させる開口24が設けられている。
【0020】
第1平板30、第1平板のブロックレンズ32、第2平板20、第2平板のブロックレンズ22、及び、導光板40、ドットレンズ42sは、透明樹脂等の透明材料により構成されている。
図3中に示されるように赤色LED70からの赤色光は、導光板40の側面40Sに照射される。導光板40は、第2平板側の面40Aに設けられたドットレンズ領域42のドットレンズ42sを介して各ブロックレンズ22、32に光を導く。第1平板30のブロックレンズ32の高さ(底面32Bから頂部32Tまでの距離)h1と第2平板20のブロックレンズ22の高さ(底面22Bから頂部22Tまでの距離)h2とは等しい。
【0021】
図3に示されるように、赤色LDE70からの赤色光が導光板40の側面40Sに入射し、導光板40内を伝わり、走行板40の第2平板側の面40Aに設けられたドットレンズ領域42のドットレンズ42sを介して、ブロックレンズ32の底面32B、ブロックレンズ22の底面22Bに入射する。ブロックレンズ32の底面32B、ブロックレンズ22の底面22Bに入射した赤色光は、ブロックレンズ32、ブロックレンズ22内を伝わり、ブロックレンズ32の頂部32T、ブロックレンズ22の頂部22Tから拡散することで、ブロックレンズ32の頂部32T、ブロックレンズ22の頂部22Tがセグメント発光を形成する。
【0022】
実施形態の車両用灯具10では、複数個のブロックレンズを支持する平板が、第1平板30と、第2平板20と、からなる。複数のブロックレンズを第1平板30、第2平板20に保持するため、ブロックレンズによるセグメント発光を少ない部品で構成できる。更に、第1平板30と第2平板20とが重ねられ、第1平板30の通孔34から第2平板20のブロックレンズ22が突出する。即ち、第1平板30、第2平板20のブロックレンズ32、22間の距離を狭くし、緻密なセグメント発光を実現しながら、ブロックレンズを形成するための金型強度を低下させること無く保つことができる。
【0023】
実施形態の車両用灯具10では、ブロックレンズ32、22は縦列VLと横列HLからなるマトリクス状に配置される。第1平板30の通孔34は、縦列の縦方向に隣り合うブロックレンズ34Vとブロックレンズ34Vとの間と、横列の横方向に隣り合うブロックレンズ32Hとブロックレンズ32Hとの間と、に設けられている。第1平板、第2平板のブロックレンズ間の距離を狭くし、緻密なセグメント発光を実現しながら、ブロックレンズを形成するための金型強度を保つことができる。
【0024】
実施形態の車両用灯具10では、第2平板20の下側に、赤色LDE70からの光をブロックレンズへ導く導光板40が設けられ、導光板40の第2平板側の面40Aに、各ブロックレンズに対応させたドットレンズ領域42が設けられている。ブロックレンズ32、22及び第2平板20、第1平板30を透明部材で構成することで、非点灯時に透明感ある見栄えにすることができる。ドットレンズの配置数を調整することで、各ブロックレンズを均一に光らせることができる。
【0025】
実施形態の車両用灯具10では、第1平板30、第1平板のブロックレンズ32、第2平板20、第2平板のブロックレンズ22、及び、導光板40、ドットレンズ42sは透明材料により構成され、赤色LED70は導光板40の側面40Sに光を照射する。導光板40は、第2平板側の面40Aに設けられたドットレンズ42sを介して各ブロックレンズ32、22に光を導く。ブロックレンズ32、22及び第1平板30、第2平板20が透明部材で構成されており、赤色LED70は導光板40の側面40Sに光を照射するため、車両後方から赤色LED70が導光板40を透過して見えることが無い。透明部材から成るアウターレンズ50、ブロックレンズ32、22、及び、第1平板30、第2平板20が透過し、非点灯時に透明感ある見栄えにすることができる。
【符号の説明】
【0026】
10…車両用灯具
20…第1平板
22…ブロックレンズ
30…第2平板
32…ブロックレンズ
34…通孔
40…導光板
42…ドットレンズ形成域
42s…ドットレンズ
70…赤色LED