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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010768
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A63F7/02 326C
A63F7/02 326Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112245
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】弁理士法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今山 武成
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EA09
2C088EA10
(57)【要約】
【課題】遊技機の価格高騰をより適切に抑制する。
【解決手段】外枠2に対してヒンジ部4廻りに回転可能な前枠3の背面側に、電源操作部128及びRAMクリア操作部107を設け、前枠3の前側に発射ハンドル39よりも前側に突出する突出部を有し、電源操作部128及びRAMクリア操作部107を、前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置に配置し、前枠3を外枠2に対して第1開放状態まで開放したとき、電源操作部128及びRAMクリア操作部107が、外枠2と前枠3の間から視認可能となり、第1開放状態では、電源操作部128及びRAMクリア操作部107が外枠2の前縁よりも前側に位置するとともに、突出部はその全体がヒンジ部4よりも左右方向内側に位置するように構成する。また、複数のハーネスを遊技部品に一纏めに留める留め具を備える。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定部位に設けられた遊技部品と、
遊技島設備に固定可能な外枠と、
後部側を前記外枠内に挿入した状態で前記外枠の前側に配置される前枠と、
前記前枠の背面側に配置される電源操作部及びRAMクリア操作部と、
前記前枠の前面側に突設され且つ遊技球の発射操作が可能な発射ハンドルと、を備え、
前記遊技部品は、複数の電気部品と、該各電気部品に接続された複数のハーネスとを有し、
前記前枠は、前記外枠に対して、左右方向一端側のヒンジ部廻りに回転可能な状態で装着されるとともに、前記外枠に対する回転角度が0°となる閉状態のときに、前記前枠における左右方向他端側である開閉端近傍に鍵穴を有する施錠手段により前記外枠に対して施錠可能であり、
前記前枠は前記発射ハンドルよりも前側に突出する突出部を有し、
前記RAMクリア操作部をONにした状態で、前記電源操作部を電源OFFから電源ONに切り替えることにより、RAMに保持されている電源OFF時の遊技情報を消去しつつ起動させることが可能な
遊技機において、
複数の前記ハーネスを一纏めに留める留め具を備え、
前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部を、前記前枠における左右方向の前記開閉端寄りの位置に配置し、
前記前枠を前記外枠に対して第1開放状態まで開放したとき、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が、前記外枠と前記前枠の間から視認可能となり、
前記第1開放状態では、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が前記外枠の前縁よりも前側に位置するとともに、前記突出部はその全体が前記ヒンジ部よりも左右方向内側に位置している
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機では、遊技盤の遊技領域の略中央に遊技情報表示手段が配置されると共に、その遊技情報表示手段の周辺部分に普通入賞手段、始動口手段、大入賞手段等の遊技部品が配置されている。遊技情報表示手段には液晶表示手段が使用され、また普通入賞手段、始動口手段、大入賞手段等には、入賞スイッチ、駆動ソレノイド、LEDが使用される等、多数の電気部品が使用されている。
これらの電気部品には各電気部品毎にコネクタを介してハーネスが接続され、その各ハーネスの他端側がコネクタを介して中継基板等に接続され、更にその電気部品が遊技制御系であるか演出制御系であるかに応じて、中継基板からコネクタを介して主制御基板、演出制御基板へと夫々接続されている。
またこの種の遊技機は、遊技島設備に固定される外枠と、その外枠の前側に、左右方向一端側、例えば左端側のヒンジ部廻りに回転可能な状態で装着される前枠とを備えている。前枠は、外枠に対する回転角度が0°となる閉状態のときに、開閉端近傍に鍵穴を有する施錠手段により外枠に対して施錠可能となっている(例えば特許文献1)。
また、前枠の背面側には、電源操作部、RAMクリア操作部等の各種操作部や、エラー表示手段等の各種表示手段が配置されており、電源操作部及びRAMクリア操作部によるRAMクリア操作を行う場合や、エラー表示手段によりエラー内容を確認する場合には、遊技ホールの担当者が前枠を開放した上で作業を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-122649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では部材供給量の低下に伴って部品価格が上昇し、その結果、遊技機の価格高騰に繋がっている。そのような背景から、遊技機の価格を抑える為の対策が求められている。遊技機の価格高騰に対する対策としては、新規部品の調達量を減らすために、遊技部品の小型化やリユース、他の機種への流用等を進めることが考えられる。
遊技部品のリユース等を促進するためには、リユースの際の配線作業やホール関係者による管理作業を容易化するための工夫を行うことも重要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、所定部位に設けられた遊技部品と、遊技島設備に固定可能な外枠と、後部側を前記外枠内に挿入した状態で前記外枠の前側に配置される前枠と、前記前枠の背面側に配置される電源操作部及びRAMクリア操作部と、前記前枠の前面側に突設され且つ遊技球の発射操作が可能な発射ハンドルと、を備え、前記遊技部品は、複数の電気部品と、該各電気部品に接続された複数のハーネスとを有し、前記前枠は、前記外枠に対して、左右方向一端側のヒンジ部廻りに回転可能な状態で装着されるとともに、前記外枠に対する回転角度が0°となる閉状態のときに、前記前枠における左右方向他端側である開閉端近傍に鍵穴を有する施錠手段により前記外枠に対して施錠可能であり、前記前枠は前記発射ハンドルよりも前側に突出する突出部を有し、前記RAMクリア操作部をONにした状態で、前記電源操作部を電源OFFから電源ONに切り替えることにより、RAMに保持されている電源OFF時の遊技情報を消去しつつ起動させることが可能な遊技機において、複数の前記ハーネスを一纏めに留める留め具を備え、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部を、前記前枠における左右方向の前記開閉端寄りの位置に配置し、前記前枠を前記外枠に対して第1開放状態まで開放したとき、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が、前記外枠と前記前枠の間から視認可能となり、前記第1開放状態では、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が前記外枠の前縁よりも前側に位置するとともに、前記突出部はその全体が前記ヒンジ部よりも左右方向内側に位置しているものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機の価格高騰をより適切に抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
図2】同パチンコ機の分解斜視図である。
図3】同パチンコ機の側面図である。
図4】同パチンコ機の下部前面ユニットの平面図である。
図5】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図6】同パチンコ機の背面図である。
図7】同パチンコ機の側面断面図である。
図8】同パチンコ機の下部側の背面図である。
図9】同パチンコ機の下部側の側面断面図である。
図10】同パチンコ機の平面断面図である。
図11】同パチンコ機の通常状態及び3種類の有利状態の設定内容を示す図である。
図12】同パチンコ機の大当り/時短抽選における大当り判定乱数値と大当り/時短判定値との関係を示す図である。
図13】同パチンコ機の第1,第2特別図柄変動に関し、(a)は大当り態様の種類、振分率、特別利益状態、移行先の有利状態、有利状態終了条件を示し、(b)は時短態様の種類、振分率、移行先の有利状態、有利状態終了条件を示す図である。
図14】同パチンコ機における遊技状態の移行に関する説明図である。
図15】同パチンコ機における払出制御に関連する複数種類のエラーについて、その概要、エラー表示方法及びエラー解除方法を示す図である。
図16】同パチンコ機の音量設定テーブルを示す図である。
図17】同パチンコ機における前枠の第1開放状態を示す平面図である。
図18】同パチンコ機における前枠の第2開放状態を示す平面図である。
図19】同パチンコ機における前枠の第3開放状態を示す平面図である。
図20】同パチンコ機における前枠の第4開放状態を示す平面図である。
図21】同パチンコ機における前枠の第5開放状態を示す平面図である。
図22】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の背面図である。
図23】同パチンコ機の平面断面図である。
図24】本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機の電源基板ケースの要部斜視図である。
図25】同パチンコ機の電源基板ケースの要部側面断面図である。
図26】本発明の第4の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の正面図である。
図27】同遊技盤の背面図である。
図28】同第1特別図柄始動手段の平面図である。
図29】同第1特別図柄始動手段の平面断面図である。
図30】同第1特別図柄始動手段の背面図である。
図31】同ハーネスの位置決め状態の側面図である。
図32】同ハーネスの接続関係の説明図である。
図33】同ハーネスの説明図である。
図34】同留め具の説明図である。
図35】本発明の第5の実施形態に係るパチンコ機の複合入賞手段の平面図である。
図36】同複合入賞手段の背面図である。
図37】同複合入賞手段の分解斜視図である。
図38】同中継基板、LED基板等の背面図である。
図39】同中継基板、LED基板等の側面断面図である。
図40】同ハーネスの配線関係の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1図21は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、遊技ホール内に設置された遊技島設備に固定可能な外枠2と、後部側を外枠2内に挿入した状態で外枠2の前側に配置される前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側(ここでは左端側)に配置された縦軸の第1ヒンジ(ヒンジ部)4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向他端側である開閉端側(ここでは右端側)に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。なお本実施形態では、外枠2に対する前枠3の第1ヒンジ4廻りの開放角度(回転角度)については、閉状態を基準(0°)とし、開放方向(即ち平面視における時計廻り)をプラス方向とする。
【0009】
前枠3は、内枠6と、その内枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側(ここでは左端側)に配置された縦軸の第2ヒンジ8を介して内枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって内枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、本実施形態では第2ヒンジ8と第1ヒンジ4とを同軸としている。
【0010】
施錠手段5は、前枠3の開閉端側(右端側)近傍における上下方向所定位置、例えば下部側に前向きに配置された鍵穴5aを備えており、この鍵穴5aに専用鍵を差し込み、左右方向の一方側(例えば右側)に回転させることによって外枠2に対する前枠3の施錠状態が解除され、左右方向の他方側(例えば左側)に回転させることによって内枠6に対するガラス扉7の施錠状態が解除されるようになっている。
【0011】
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。本実施形態では、上下の横枠材2c,2dは木製で、左右の縦枠材2a,2bは金属製(導電性部材)となっている。外枠2の前側下部には、合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に内枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
【0012】
内枠6は合成樹脂製で、図2に示すように、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また内枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が左下部に夫々配置されている。
【0013】
ガラス扉7は、内枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、枠第1可動体26、枠第2可動体27、送風手段28等の各種演出手段が配置されている。
【0014】
扉ベース22の上部前面側には、図1等に示すように、ガラス窓24に対するヒンジ端側(左側)を覆う左装飾カバー部29aと、ガラス窓24に対する開閉端側(右側)を覆う右装飾カバー部29bと、ガラス窓24に対する上部側を覆う上装飾カバー部29cとが設けられている。左装飾カバー部29aと右装飾カバー部29bとを比較すると、図2図3等に示すように、開閉端側の右装飾カバー部29bの方がヒンジ端側の左装飾カバー部29aよりも前側への突出量が大きく、また右装飾カバー部29bについては下部側よりも上部側の方が前側への突出量が大きくなっている。また、上装飾カバー部29cの前側への突出量は、右装飾カバー部29bの上部側の突出量と同程度となっている。
【0015】
枠第1可動体26は、上装飾カバー部29cの前面側で且つ左右方向略中央に配置されており、所定形状、ここでは蝶をモチーフとする立体的形状に形成されている。この枠第1可動体26は、図外の駆動手段の駆動により、原点位置とそれよりも前側の突出位置との間で略前後方向のスライド移動が可能であり、通常時は図3に示す原点位置に保持されている。枠第2可動体27は、右装飾カバー部29bの前面側で且つ上下方向略中央に配置されており、図3等に示すように、右装飾カバー部29bから前向きに突設される突設部27aと、この突設部27aの前端側に設けられた操作部27bとを備えている。この枠第2可動体27は、図外の駆動手段の駆動により前後方向へのスライド移動が可能であると共に、遊技者による押し込み操作が可能となっている。送風手段28は、遊技者が枠第2可動体27を操作するタイミングで、その枠第2可動体27に触れている遊技者の手に向けて風を送ることが可能となっている。
【0016】
扉ベース22の下部前側には、下部前面ユニット31が配置されている。この下部前面ユニット31には、図1図4に示すように、内枠6の後側に配置された払い出し手段32から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿33、この上皿33が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿34等が配置される他、上面側には、演出ボタン35、十字キー36、音量調整操作部37、光量調整操作部38、その他の各種操作手段が配置されている。なお、下部前面ユニット31は、前向きの突出量が左右方向の中央部から両端側にかけて徐々に小さくなっており、最も突出量が大きい左右方向中央部に対応して演出ボタン35が配置されている。また、下部前面ユニット31に対する開閉端側(右側)には、発射手段17により遊技球を発射させるための発射操作が可能な発射ハンドル39が前向きに突設されている。
【0017】
なお、枠第1可動体26、枠第2可動体27及び下部前面ユニット31については、それらの前向きの最大突出量が発射ハンドル39の突出量よりも大となっている(図3等)。また、装飾カバー部29a~29cについては、右装飾カバー部29bの上部側及び上装飾カバー部29cにおける前向き突出量が発射ハンドル39の突出量よりも大であり、右装飾カバー部29bの下部側及び左装飾カバー部29aにおける前向き突出量は発射ハンドル39の突出量よりも小となっている(図3等)。
【0018】
扉ベース22の背面側には、図2に示すように、窓孔24aを後側から略塞ぐガラスユニット40が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金41aと、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金41bと、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金41cとがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具42aが左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具42bが左下部に夫々配置されている。
【0019】
また、下部補強板金41cの背面側には、球送りユニット43a、下皿案内ユニット43b等が装着されている。球送りユニット43aは、上皿33内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43bは、上皿33が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿34に案内するためのもので、球送りユニット43aに隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0020】
遊技盤16は、図5に示すように、ポリカーボネート等よりなるベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、大入賞ユニット49、普通入賞ユニット50等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。
【0021】
遊技盤16の複数のユニット部品47~50上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)66の他、液晶表示手段66の前側を移動可能な盤可動体67aを備えた盤可動演出手段67等が配置されている。
【0022】
中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の表示枠を構成するもので、ベース板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の前側に対応する表示窓47aが略中央に形成されるとともに、ベース板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板71と、表示窓47aの左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板71の内周側で前向きに突設された装飾枠72と、表示窓47aの下側で装飾枠72の左右の下端部間に配置されるステージ73とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠72の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット47の左側の左流下経路74aと右側の右流下経路74bとの何れかを流下する。
【0023】
中央表示枠ユニット47には、左流下経路74a側と右流下経路74b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路74a側に、遊技球が流入可能なワープ入口75が設けられている。左流下経路74aを流下中にワープ入口75に流入した遊技球は、ステージ73上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部76とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0024】
なお、中央表示枠ユニット47上には、普通図柄表示手段81、普通保留個数表示手段82、第1特別図柄表示手段83、第2特別図柄表示手段84等の各種表示手段が設けられている。もちろん、それら表示手段81~84は中央表示枠ユニット47上に限らず、遊技盤16の前側の任意の位置に前側から視認可能な状態で配置可能である。
【0025】
始動入賞ユニット48は、中央表示枠ユニット47の下側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。大入賞ユニット49は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の右側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。普通入賞ユニット50は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の左側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。
【0026】
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段81による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段61は、中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71の前側に設けられており、右流下経路74bを流下する遊技球が通過可能となっている。
【0027】
普通図柄表示手段81は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数(ここでは2個)のLEDで構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLEDが普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0028】
普通図柄が当り態様となる確率(当り確率)には、低確率(ここでは100/251)と高確率(ここでは250/251)とがあり、遊技状態(後述する通常状態、第1~第3有利状態)に応じてそれらの何れかが用いられる(図11)。また、普通図柄の変動時間には、通常(非短縮)変動時間(ここでは5秒)とそれよりも短い短縮変動時間(ここでは4.9秒)とがあり、遊技状態(後述する通常状態、第1~第3有利状態)に応じてそれらの何れかが用いられる(図11)。
【0029】
また、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄の変動が可能になる毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段82等によって遊技者に報知される。
【0030】
第1特別図柄始動手段62は、第1特別図柄表示手段83による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えている。この第1特別図柄始動手段62は、始動入賞ユニット48に設けられ、ステージ73の中央落下部76に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路74a側のワープ入口75からステージ73を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路74bを流下してきた遊技球よりも左流下経路74aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0031】
第2特別図柄始動手段63は、第2特別図柄表示手段84による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部78の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えており、普通図柄表示手段81の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉部78が所定時間開放するようになっている。
【0032】
なお、この普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間には、通常(非延長)開放時間(ここでは80ms)とそれよりも長い延長開放時間(ここでは4000ms)とがあり、遊技状態(後述する通常状態、第1~第3有利状態)に応じてそれらの何れかが用いられる(図11)。
【0033】
この第2特別図柄始動手段63は、中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置されており、右流下経路74bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0034】
第1特別図柄表示手段83は、第1特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出することに基づいて第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1特別図柄始動手段62による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、予め定められた時短判定値と一致する場合(時短抽選で当選した場合)には時短態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0035】
本実施形態では、図13(a)に示すように第1特別図柄表示手段83の大当り態様としてA1,A2の2種類が設けられており、大当り抽選結果が大当りの場合に、それら大当り態様A1,A2の何れかが、第1特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは6:4)で選択されるようになっている。また図13(b)に示すように、第1特別図柄表示手段83の時短態様としてB1,B2の2種類が設けられており、時短抽選で当選した場合に、それら時短態様B1,B2の何れかが、第1特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは1:9)で選択されるようになっている。
【0036】
第1特別図柄表示手段83の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には、その大当り態様の種類(A1,A2の何れか)に応じて特別利益状態が発生し、その特別利益状態の終了後に所定の有利状態(ここでは第2,第3有利状態の何れか)に移行する(図13(a))。また、第1特別図柄表示手段83の変動後の停止図柄が時短態様となった場合には、特別利益状態が発生することなく、その時点で、時短態様の種類(B1,B2の何れか)に応じて所定の有利状態(ここでは第1,第2有利状態の何れか)に移行する(図13(b))。
【0037】
第2特別図柄表示手段84は、第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出することに基づいて第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2特別図柄始動手段63による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、予め定められた時短判定値と一致する場合(時短抽選で当選した場合)には時短態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0038】
本実施形態では、図13(a)に示すように、第2特別図柄表示手段84の大当り態様として、第1特別図柄表示手段83と同じくA1,A2の2種類が設けられており、大当り抽選結果が大当りの場合に、それら大当り態様A1,A2の何れかが、第2特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは6:4)で選択されるようになっている。また図13(b)に示すように、第2特別図柄表示手段84の時短態様として、第1特別図柄表示手段83と同じくB1,B2の2種類が設けられており、時短抽選で当選した場合に、それら時短態様B1,B2の何れかが、第2特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは1:9)で選択されるようになっている。
【0039】
第2特別図柄表示手段84の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には、その大当り態様の種類(A1,A2の何れか)に応じて特別利益状態が発生し、その特別利益状態の終了後に所定の有利状態(ここでは第2,第3有利状態の何れか)に移行する(図13(a))。また、第2特別図柄表示手段84の変動後の停止図柄が時短態様となった場合には、特別利益状態が発生することなく、その時点で、時短態様の種類(B1,B2の何れか)に応じて所定の有利状態(第1,第2有利状態の何れか)に移行する(図13(b))。
【0040】
なお、時短抽選は通常状態中にのみ行われるが(図11)、後述するように本実施形態の場合には通常状態中に第2特別図柄表示手段84が変動することは殆どないため、実際上は第2特別図柄表示手段84に関して時短抽選が行われることは殆どない。
【0041】
図12は、第1,第2特別図柄表示手段83,84の大当り/時短抽選における大当り判定乱数値と大当り/時短判定値との関係を示したものである。図12に示すように、大当り判定乱数値は0~65535の範囲で生成され、そのうち、大当り確率が高確率の場合には10001~12048の範囲が大当り判定値となるが、低確率の場合にはそれよりも狭い10001~10205の範囲が大当り判定値となる。このように、第1,第2特別図柄が大当り態様となる確率(大当り確率)については、低確率(ここでは1/319)と高確率(ここでは1/32)とに切り替え可能となっている。大当り確率は、後述する第3有利状態中は高確率に、それ以外の通常状態中及び第1,第2有利状態中は低確率に夫々設定される(図11)。
【0042】
また図12に示すように、後述する通常状態中に限り、20001~22184の範囲が時短判定値となり(当選確率≒1/30)、有利状態中については時短判定値は設定されない。即ち、時短抽選は通常状態中にのみ行われ、有利状態中には行われない。或いは、有利状態中については、時短抽選が行われないのではなく、時短抽選における当選確率が0に設定されると言い換えることもできる。以上のように本実施形態では、大当り抽選と時短抽選は共通の乱数値を用いて行われる。
【0043】
また本実施形態では、通常状態及び複数種類の有利状態について図11のように設定されている。即ち、通常状態では、第1,第2特別図柄の大当り確率が低確率(1/319)に、普通図柄の当り確率が低確率(100/251)に、普通図柄の変動時間が通常(非短縮)変動時間(5秒)に、第2特別図柄始動手段63の開放時間が通常(非延長)開放時間(80ms)に夫々設定される。
【0044】
また、その通常状態に対し、普通図柄の変動時間を短縮変動時間(4.9秒)に変更したのが第1有利状態であり、更にその第1有利状態に対し、第2特別図柄始動手段63の開放時間を延長開放時間(4000ms)に変更したのが第2有利状態であり、更にその第2有利状態に対し、第1,第2特別図柄の大当り確率を高確率(1/32)に、普通図柄の当り確率を高確率(250/251)に夫々変更したのが第3有利状態である。そして上述したように、時短抽選は通常状態中にのみ行われ、第1~第3有利状態中には行われない。なお、普通図柄の変動時間については、通常(非短縮)変動時間(5秒)と短縮変動時間(4.9秒)の差は僅かであり、遊技者がその違いを見分けることは困難である。従って、通常状態と第1有利状態は、時短抽選を行うか否かが異なる以外は実質的に同じであると言える。
【0045】
また図11より明らかなように、通常状態中及び第1有利状態中については、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が僅か(80ms)であるため、遊技者が普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙って遊技球を発射し、普通利益状態を発生させたとしても第2特別図柄始動手段63に入賞させることは困難である。従って遊技者は、通常状態中及び第1有利状態中については、遊技状態が変化しても入賞困難性が変化しない第1特別図柄始動手段62を狙っていわゆる左打ちをすることが望ましい。
【0046】
一方、第2,第3有利状態中については、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が長くなって(4000ms)入賞が容易となるため、遊技者は普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙っていわゆる右打ちをすることが望ましい。これにより、通常状態中及び第1有利状態中は主として第1特別図柄表示手段83が変動し、第2,第3有利状態中は主として第2特別図柄表示手段84が変動することになる。このように、通常状態中に第2特別図柄表示手段84が変動することは殆どないため、第2特別図柄表示手段84の変動に関して時短抽選が行われることも殆どない。なお、第2特別図柄表示手段84に関しては遊技状態に拘わらず時短抽選を行わないようにしてもよい。
【0047】
また、第1,第2特別図柄表示手段83,84による第1,第2特別図柄の変動時には、これと並行して液晶表示手段66上で演出図柄88による図柄変動表示が行われる。演出図柄88は、図5に示すように、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは左右方向に3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部88aと、この図柄本体部88aに付随するキャラクタその他の装飾部88bとの結合で構成されている。なお演出図柄88は、拡大又は縮小、表示位置の変更、装飾部88bの消去等、表示態様を任意に変化させることが可能である。
【0048】
演出図柄88は、第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が、抽選により決定された態様となるように第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。なお演出図柄88では、有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外が時短演出態様又ははずれ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が大当り態様、時短態様、はずれ態様となる場合、演出図柄88は夫々大当り演出態様、時短演出態様、はずれ演出態様となる。
【0049】
また、第1,第2特別図柄始動手段62,63への入賞時に取得された第1,第2特別乱数情報は、夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶され、第1,第2特別図柄の変動が可能になった時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
【0050】
保留記憶されている第1,第2特別乱数情報の個数(第1,第2特別保留個数)は、液晶表示手段66等によって遊技者に報知される。液晶表示手段66には、図5に示すように、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Zを表示可能となっている。即ち、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1~,Y1~を液晶表示手段66上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段83,84による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
【0051】
大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板79を備えた開閉式入賞手段で、大入賞ユニット49に設けられ、第2特別図柄始動手段63の下流側で且つ第1特別図柄始動手段62の上流側に配置されており、左流下経路74aを流下してきた遊技球よりも右流下経路74bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段64は、第1,第2特別図柄表示手段83,84の第1,第2特別図柄が変動後に大当り態様で停止した場合に発生する特別利益状態において、開閉板79が一又は複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段64に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0052】
特別利益状態における大入賞手段64の開放パターンは、大入賞手段64を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を3R,10R等の所定ラウンド数行うように構成されており、本実施形態では、第1,第2特別図柄の何れが大当り態様となった場合でも、その大当り態様の種類(A1,A2)に拘わらず10R開放パターンが選択されるようになっている(図13(a))。
【0053】
また、遊技領域23内には、普通入賞ユニット50等に複数の普通入賞手段65が配置されている。普通入賞手段65は、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段で、入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えており、遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0054】
なお、上述した第1,第2特別図柄始動手段62,63、大入賞手段64、普通入賞手段65等の入賞手段に入賞した遊技球は、夫々遊技球検出スイッチにより検出された後、遊技盤16の裏側を経て遊技機外に排出される。また、何れの入賞手段にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域23内に配置されている一又は複数のアウト口90から遊技盤16の裏側を経て遊技機外に排出される。
【0055】
また図7等に示すように、遊技盤16の裏側には、大入賞手段64等の入賞手段やアウト口90等を覆う裏装着体91が配置されている。この裏装着体91は、裏取付台92と集球ケース93とで構成されている。裏取付台92には、その背壁92a側で且つ中央表示枠ユニット47の表示窓47aの後方に対応する位置に液晶表示手段66が着脱自在に装着され、また遊技盤16のベース板45と背壁92aとの間には盤可動演出手段67(図5)が配置されている。
【0056】
集球ケース93は、大入賞手段64等の入賞手段に入賞し、或いはアウト口90を通過して遊技盤16の裏側に案内されてきた遊技球を受けて下流側に排出するためのもので、図7に示すように裏取付台92の下部側を覆うように配置され、その底壁93aの所定位置、例えば左右方向略中央における前部側に、集球した遊技球を下側に排出する排出口94が形成されている。
【0057】
また裏装着体91の背面側には、図7図8等に示すように、主制御基板ケース102、演出基板ケース106等が着脱自在に装着されている。主制御基板ケース102は、裏装着体91の下部側、即ち集球ケース93の後側に配置されており、その内部には、主制御基板101が、主要電子部品が装着される第1面101aを後側に向けた状態で収容されている。演出基板ケース106は、液晶表示手段66の後側に対応して主制御基板ケース102の上側に配置されており、その内部には、演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104及び液晶制御基板105が、何れも主要電子部品が装着される第1面103a,104a,105aを後側に向けた状態で収容されている。
【0058】
主制御基板101は、前枠3の左右方向中央を挟んで開閉端側とヒンジ端側とに跨がる横長略矩形状で、図6図8図9等に示すように、第1面101aにおける下部側で且つ開閉端側、即ち背面視における左下部(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)にRAMクリアスイッチ107が配置されている。RAMクリアスイッチ(RAMクリア操作部)107は、電源投入時にRAMクリアを行う場合に操作するもので、主制御基板ケース102の外側から押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。なお、前枠3が閉状態のとき、RAMクリアスイッチ107は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0059】
また演出インターフェース基板103には、図6に示すように、第1面103a側の所定位置、例えば前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置に、音量設定つまみ108が配置されている。音量設定つまみ108は、ホール担当者が音量に関する選択操作を行うためのもので、複数段階(ここではホール設定値T0~T9に対応する10段階)に切り換え可能なロータリースイッチにより構成されており、演出基板ケース106の外側から回転操作可能となっている。なお、前枠3が閉状態のとき、音量設定つまみ108は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0060】
また前枠3の裏側には、図6図7等に示すように遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う背面カバー110が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク111及び第1タンクレール112aが、左右一側に第2タンクレール112b、払い出し手段32及び払出通路113が夫々装着されており、遊技球が大入賞手段64等の入賞手段に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク111内の遊技球を第1,第2タンクレール112a,112b経由で払い出し手段32により払い出し、その遊技球を払出通路113経由で上皿33に案内するようになっている。
【0061】
背面カバー110は、透明な合成樹脂製で、左右方向一端側、例えば右端側(背面視では左端側)に縦軸のヒンジ114が、左右方向他端側、例えば左端側(背面視では右端側)には、閉状態で固定するための一又は複数のラッチ手段115が夫々配置されており、閉状態では、演出基板ケース106の略全体と主制御基板ケース102の上部側の一部分とを後側から覆うようになっている。主制御基板101に設けられたRAMクリアスイッチ107は、背面カバー110の外側(下側)に配置されており、背面カバー110を閉じたままで操作可能となっている。また、演出インターフェース基板103に設けられた音量設定つまみ108は背面カバー110の内側に配置されているが、背面カバー110には、音量設定つまみ108の後側に対応して開口部110aが形成されており、この開口部110aにドライバー等の工具を差し込むことにより、背面カバー110を閉じたままでも音量設定つまみ108を操作することが可能となっている。もちろん、背面カバー110を開放した状態であれば工具を使用することなく音量設定つまみ108を操作可能である。
【0062】
また図6図10に示すように、前枠3の裏側下部、即ち下部装着部15の裏側には基板装着台121が配置されており、この基板装着台121の背面側に、電源ユニット122を構成する部品群の一つである電源基板123を収容する電源基板ケース124、払出発射制御基板125を収容する払出発射基板ケース126が夫々着脱自在に装着されている。なお、基板装着台121の前面側には、遊技盤16の裏側に案内された遊技球を機外に排出するための球排出通路127が例えば一体に設けられている。球排出通路127は、上流端側の流入口127aが集球ケース93側の排出口94に対して下側から連通し、下流端側の流出口127bが、基板装着台121の下端部前側で下向きに開口している。
【0063】
電源基板ケース124と払出発射基板ケース126は、前後に重なった状態で、主制御基板ケース102の下側近傍に配置されており、電源基板ケース124が基板装着台121の背面側に着脱自在に装着され、その電源基板ケース124の背面側に払出発射基板ケース126が着脱自在に装着されている。なお、払出発射基板ケース126は電源基板ケース124ではなく基板装着台121等に固定してもよい。
【0064】
電源基板123は、バックアップ電源を有しておらず、また電源がOFFになった際の電源異常信号に関する判断及び出力の機能を有していないなど、遊技の結果に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を一切有しておらず、その他の各基板及び部品等へ電源を供給又は停止する機能のみを有している。このように、電源基板123は、電源ユニット122を構成する部品群のうちの一部品に過ぎないため、会社名、基板番号等よりなる基板識別情報を刻印する必要がなく、従ってグループ会社等の間で共通に使用することが可能である。
【0065】
なお、バックアップ電源については、電源基板123と主制御基板101との間を中継する中継基板や払出発射制御基板125等に設けることが可能であるが、主制御基板101には設けることはできない。主制御基板101単体で遊技状態に関する情報をバックアップ可能にすると、不正行為が容易になる可能性があるためである。電源異常信号に関する判断及び出力を行う機能については、中継基板、払出発射制御基板125等の他、主制御基板101に設けることも可能である。
【0066】
電源基板123は、前枠3の左右方向中央を挟んで開閉端側とヒンジ端側とに跨がる横長略矩形状で、主要電子部品が装着される第1面123aを後側に向けた状態で電源基板ケース124に収容されており、その第1面123aにおける上部側で且つ前枠3における開閉端側、即ち背面視における左上部(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)に、電源スイッチ128が電源基板ケース124の外側から操作可能な状態で配置されている。
【0067】
電源スイッチ(電源操作部)128は、電源のON/OFF操作を行うためのもので、図6図8図10に示すように、電源ON部128aと電源OFF部128bとを有するとともに電源ON部128aを押し込んだときには電源OFF部128bが突出し(電源ON状態)、電源OFF部128bを押し込んだときには電源ON部128aが突出する(電源OFF状態)、いわゆるロッカースイッチ(シーソースイッチ)により構成されており、電源OFF部128bに対して電源ON部128aが下側となるように配置されている。これにより、遊技球等の落下物が電源スイッチ128に衝突したとしても、それによって電源がOFFになってしまう可能性を極力小さくできる。なお、前枠3が閉状態のとき、電源スイッチ128は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0068】
また、電源基板123の第1面123aにおける電源スイッチ128の近傍、例えば下側には、電源ハーネス129を接続するための電源コネクタ130が、電源基板ケース124から後向きに露出している。電源ハーネス129は、電源基板123を外部電源(24V)に接続するためのもので、図6図10に示すように、一端側に電源プラグ129aが設けられ、他端側の接続コネクタ129bが電源基板123の電源コネクタ130に接続されている。
【0069】
電源ハーネス129は、電源基板123との接続部(電源基板123の背面視における左端部)から前枠3の背面側におけるヒンジ端側上部まで、前枠3の背面側で所定の配線経路131に沿って案内されている。この配線経路131は、電源基板ケース124の下側に沿って左右方向に配設される第1配線経路131aと、前枠3のヒンジ端側に沿って上下方向に配設される第2配線経路131bとを備えている。電源ハーネス129は、第1配線経路131aについては第1案内手段132により案内され、第2配線経路131bについては第2案内手段133により案内されている。
【0070】
第1案内手段132は、電源基板ケース124の下縁側に沿って左右方向に所定間隔を空けて配置される複数(ここでは4個)の係止具132a~132dにより構成されている。係止具132a~132dは、電源ハーネス129を係止可能なフック状、その他の任意の形状に形成されており、基板装着台121の背面側に一体に形成され、或いは基板装着台121に対して着脱自在に装着されている。電源ハーネス129は、この第1案内手段132により、球排出通路127の流出口127bを避けつつ電源基板ケース124の下側に沿って左右方向に案内されている(第1配線経路131a)。
【0071】
第2案内手段133は、前枠3のヒンジ端側縁部に沿って上下方向に所定間隔を空けて配置される複数(ここでは5個)の係止具133a~133eにより構成されている。係止具133a~133eは、電源ハーネス129を係止可能なフック状、その他の任意の形状に形成されており、内枠6を構成する枠部13の背面側に一体に形成され、或いは枠部13に対して着脱自在に装着されている。電源ハーネス129は、この第2案内手段133により、外枠2におけるヒンジ側の縦枠材2aの内面側に沿って上下方向に案内され(第2配線経路131b)、最上部の係止具133eにより構成される引き出し部134から上向きに引き出されている。これにより、前枠3を開いたときに電源ハーネス129が外枠2と前枠3との間に挟まれることがなく、前枠3の開閉動作をスムーズに行うことが可能となる。なお、第2案内手段133を構成する複数(5個)の係止具133a~133eのうち、最下部の係止具133aは主制御基板101よりも下側に配置され、最上部の係止具133eは演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104、液晶制御基板105等よりも上側に配置されている。
【0072】
以上のように、電源ハーネス129は、第2配線経路131bにおいて、外枠2を構成する金属製(導電性)の縦枠材2aに沿って配置されるとともに、主制御基板ケース102等を覆う背面カバー110の外側(ヒンジ側)に配置されており、またその背面カバー110と第2配線経路131bとの間には第2タンクレール112b、払い出し手段32、払出通路113等が配置されることによって一定の距離が保たれているため、電源ハーネス129からのノイズによる主制御基板101等への悪影響を排除することが可能となっている。
【0073】
また、第1配線経路131aについても、CPUを搭載した複数の制御基板の間、例えば主制御基板101と払出発射制御基板125との間に配線されることなく、それら制御基板よりも下側に配置されている。即ち、電源ハーネス129の配線経路131は、CPUを搭載した複数の制御基板の間に配設されることなく、即ち第1配線経路131aは全ての制御基板よりも下側に、第2配線経路131bは全ての制御基板よりもヒンジ端側に配設されることにより、電源基板123との接続部から前枠3の背面側におけるヒンジ部側上部の引き出し部134に至るように配置されているため、電源ハーネス129からのノイズによる各制御基板への悪影響を効果的に排除することが可能となっている。
【0074】
また、電源ハーネス129は背面カバー110の外側に配設されると共に、主制御基板101はもちろん、演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104、液晶制御基板105等よりも上側の引き出し部134から引き出されているため、電源ハーネス129が各制御基板に当接又は近接してしまうこともない。
【0075】
払出発射基板ケース126は、上述したように電源基板ケース124の後側に配置されているが、図6図8図10に示すように、電源スイッチ128の後側に重ならないように、背面視における左端側(前枠3における開閉端側)が、電源基板ケース124に対して背面視における右側(前枠3におけるヒンジ端側)に若干ずれた状態で配置されている。なお、払出発射制御基板125及び払出発射基板ケース126は、電源基板123及び電源基板ケース124よりも左右方向に短いため、払出発射基板ケース126を装着した状態でも、電源基板123及び電源基板ケース124の左端側(背面視における右端側)の一部が後側から視認可能となっている。
【0076】
また払出発射制御基板125の第1面125aには、前枠3における開閉端側、即ち背面視における左端側(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)に、エラー表示手段141とエラー解除ボタン(エラー解除操作部)142とが配置されている。なお、前枠3が閉状態のとき、エラー表示手段141及びエラー解除ボタン142は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0077】
エラー表示手段141は、複数種類のエラー状態の何れかが発生した場合にその種類を報知するためのもので、複数(ここでは3個)の第1~第3LED141a~141cで構成されている。このエラー表示手段141では、球計数スイッチ断線エラー、払出不足エラー、球計数スイッチエラーの3種類のエラー状態を報知対象としており、球計数スイッチ断線エラーの場合には第1LED141aを、払出不足エラーの場合には第2LED141bを、球計数スイッチエラーの場合には第3LED141cを、夫々点灯させるようになっている(図15)。もちろん、エラー表示手段141は7セグLED等で構成してもよい。なお、各エラー状態の内容等については後述する。
【0078】
エラー表示手段141の点灯態様とエラー状態との対応関係については、払出発射基板ケース126に貼付されたエラー報知情報シール143に表示されている。エラー報知情報シール143は、図8等に示すように、払出発射基板ケース126の背面側で且つ背面視における左端側(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)に貼付されている。なお、前枠3が閉状態のとき、エラー報知情報シール143は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0079】
エラー解除ボタン142は、特定のエラー状態を解除する場合に操作するもので、払出発射基板ケース126の外側から押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。本実施形態では、上述した払出不足エラー、球計数スイッチエラーを解除するためのエラー解除条件(特定エラー解除条件)に、エラー解除ボタン142の操作が含まれている(図15)。エラー解除条件の詳細については後述する。
【0080】
以上のように、前枠3の背面側には、RAMクリアスイッチ107、電源スイッチ128、エラー解除ボタン142、音量設定つまみ108等の操作手段や、エラー表示手段141、エラー報知情報シール143等の表示手段が配置されている。以下、これら前枠3の背面側に配置された操作手段、表示手段に関連する事項について説明する。
【0081】
<RAMクリア処理について>
本パチンコ機では、主制御基板101が遊技進行を統括的に制御するようになっており、遊技状況を示す各種遊技情報は、主制御基板101に設けられるRAMの所定領域に記憶される。そして、遊技ホールの営業終了や停電等によって電源の供給が停止した場合(電源OFF時)には、バックアップ電源からの給電により、RAMの記憶内容は一定時間保持されるようになっている。その後、RAMクリアスイッチ107がOFFのままで電源の供給が再開された場合(電源ON時)には、RAMに保持されている遊技情報に基づいて、電源供給停止(電源OFF)直前の遊技状態から遊技が再開される(バックアップ復帰)。
【0082】
これに対し、RAMクリアスイッチ107をONにした状態で、電源スイッチ128をOFFからONに切り替えた場合には(以下、RAMクリア起動操作という)、RAMの所定領域が強制的にクリアされ、電源供給停止(電源OFF)直前の遊技状態に拘わらず初期状態から遊技が開始される。
【0083】
このように、ホール担当者がRAMクリア起動操作を行う場合には、施錠手段5を解除して前枠3を開放し、RAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128とを同時に操作する必要がある。
【0084】
<払出制御に関連するエラーとその解除方法について>
図15は、払出制御に関連する複数種類のエラーについて、その概要、エラー表示方法及びエラー解除方法を示したものである。球詰まりエラーは、下皿34に球が詰まった場合のエラーで、液晶表示手段66によりエラー表示が行われ、下皿34の球を抜くことによってエラーが解除される。補給切れエラーは、遊技球タンク111内の遊技球が不足した場合のエラーで、液晶表示手段66によりエラー表示が行われ、遊技球タンク111に遊技球を補給することによってエラーが解除される。
【0085】
球計数スイッチ断線エラーは、球計数スイッチが断線した場合のエラーで、エラー表示手段141を構成する第1LED141aが点灯することによりエラー表示が行われ、球計数スイッチを正常な状態に戻すことによってエラーが解除される。なお、球計数スイッチ(図示省略)は、払い出し手段32から払い出された遊技球の個数を計数するためのもので、払い出し手段32の下流側に配置されている(図示省略)。
【0086】
払出不足エラーは、払出不足個数(払い出すべき個数に対して実際に払い出された個数の不足分)が所定個数(例えば2個)以上の払い出し動作が所定時間(例えば300000.4ms≒5分間)内に所定回数(例えば2回)発生した場合のエラーで、エラー表示手段141を構成する第2LED141bが点灯することによりエラー表示が行われ、エラー解除ボタン142が操作されてONとなることによって払い出し手段32の払い出しモータがイニシャライズされ、それによって正常動作が確認された場合(エラー解除ボタン142が操作されることを含む特定エラー解除条件を満たす場合)にエラーが解除される。
【0087】
球計数スイッチエラーは、払い出し手段32の払い出しモータ未作動時における検出個数及び過剰払い出し時の検出個数が所定個数(例えば25個)となった場合のエラーで、エラー表示手段141を構成する第3LED141cが点灯することによりエラー表示が行われ、エラー解除ボタン142が操作されてONとなることによって払い出し手段32の払い出しモータがイニシャライズされ、それによって正常動作が確認された場合(エラー解除ボタン142が操作されることを含む特定エラー解除条件を満たす場合)にエラーが解除される。
【0088】
このように、球計数スイッチ断線エラー、払出不足エラー、球計数スイッチエラーの発生に関してホール担当者が確認を行う場合には、施錠手段5を解除して前枠3を開放し、エラー表示手段141の点灯状態を見て判断する必要がある。なお、エラー表示手段141の点灯状態とエラーの種類との関係は、エラー表示手段141の近傍に配置されたエラー報知情報シール143により確認可能である。また、エラー表示手段141によって払出不足エラー、球計数スイッチエラーの何れかであることが確認された場合、ホール担当者は、前枠3を開放したままエラー解除ボタン142を操作することによってエラーを解除することが可能である。
【0089】
<音量調整操作について>
本パチンコ機では、前枠3の裏側に配置された音量設定つまみ108の設定と、前枠3の前側に配置された音量調整操作部37による音量調整操作とに基づいて、音量を複数段階、例えばV0(無音)からV7(最大音量)までの8段階の何れかに設定可能となっている。
【0090】
図16は、音量設定つまみ108によるT0~T9の10段階の設定と、音量調整操作部37によるM1~M5の5段階の設定とに対応する音量の一例を示している。音量設定つまみ108の設定がT0~T3の何れかである場合、音量は夫々V0~V3に固定され、音量調整操作部37による音量調整はできないようになっている。また、音量設定つまみ108の設定がT4~T9の何れかである場合、音量調整操作部37による音量調整可能範囲は何れもV3~V7で共通であるが、初期設定値が異なっている。特に音量設定つまみ108による設定がT4~T7の範囲では、初期設定値が夫々V4~V7となっている。これにより、音量設定つまみ108の設定がT0~T7の範囲では、その設定段階が高いほど音量の初期設定値が高くなる。
【0091】
このように本パチンコ機では、音量をV0~V3の何れかに固定したい場合や、遊技者による音量調整を許容しつつ初期設定値をV3~V7の何れかに設定したい場合、ホール担当者は施錠手段5を解除して前枠3を開放した上で、背面カバー110を開放して、或いは背面カバー110を閉じたまま開口部110aからドライバー等の工具を挿入することによって音量設定つまみ108を回転操作する必要がある。
【0092】
以上説明したように、ホール担当者がRAMクリア起動操作を行う場合、所定エラーの確認とその解除操作を行う場合、遊技ホール側の音量設定を行う場合などは、前枠3を開放してその背面側で所定の操作を行い、或いは所定箇所の表示内容を視認する必要がある。一方、本パチンコ機のように、前枠3に前側に大きく突出する部分(枠第1可動体26、枠第2可動体27、下部前面ユニット31等)を備えている場合には、前枠3を大きく開放するとその突出部分が隣の遊技機に接触して破損してしまう可能性があるため、RAMクリア起動操作等の作業を行う場合であっても前枠3を大きく開放することはできない。
【0093】
その点、本パチンコ機では、前枠3を隣の遊技機に接触しない程度に開放した状態でも前枠3の裏側での作業を効率的に行うことが可能となっている。以下、対象とする作業毎に最低限必要な前枠3の開放状態(開放角度)について説明する。なお、以下の説明では、発射ハンドル39よりも前側に突出する部分(枠第1可動体26、枠第2可動体27、下部前面ユニット31等)を「突出部」とし、それ以外の部分(非突出部)と区別する。前枠3を開放する場合には隣の遊技機との位置関係が問題となるが、発射ハンドル39よりも突出量が小さい非突出部については、前枠3を大きく開放した場合でも、隣の遊技機の発射ハンドル、その他の部分との接触が問題となることは殆どないからである。
【0094】
<RAMクリア起動操作を行う場合の前枠3の開放状態>
RAMクリア起動操作は、上述したようにRAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128とを同時に操作することにより行われる。本実施形態では、それらRAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128は、何れも前枠3の背面側における開閉端寄りの位置、即ち開閉端側近傍に配置されており、しかも両者は片手で同時に操作できる程度に互いに接近した位置に配置されている。即ち図8図9等に示すように、RAMクリアスイッチ107が設けられる主制御基板101と、電源スイッチ128が設けられる電源基板123とは上下に隣接して配置されており、しかもRAMクリアスイッチ107は主制御基板101の背面視における左下部に、電源スイッチ128は電源基板123の背面視における左上部に設けられている。
【0095】
また、RAMクリア起動操作が可能となるのは、前枠3を閉状態から徐々に開放し、図17に示すようにRAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128とが共に外枠2の前縁よりも前側に達することにより、外枠2と前枠3との間からそれらを視認可能且つ操作可能となったときである(第1開放状態)。図17に示す第1開放状態では、突出部(枠第1可動体26等)は、第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図17に示す第1開放状態では、前枠3の開放角度は約21度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約21度で鋭角となっている。真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度が90度を超えて鈍角になる等、隣の遊技機に接触する程度まで前枠3を開放した場合、鍵穴5aから専用鍵を抜き取る際には隣の遊技機に接触しないよう配慮する必要があるが、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度が鋭角であれば、そのような配慮をすることなく鍵穴5aから専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0096】
<エラー解除操作を行う場合の前枠3の開放状態>
払出不足エラー又は球計数スイッチエラーが発生した場合に、それらを解除するにはエラー解除ボタン142を操作する必要がある(図15)。本実施形態では、エラー解除ボタン142は前枠3の背面側における開閉端寄りの位置、即ち開閉端側近傍に配置されている(図8図10等)。そして、前枠3を徐々に開放し、図18に示すようにエラー解除ボタン142が外枠2の前縁よりも前側に達したときに、このエラー解除ボタン142は外枠2と前枠3との間から視認可能且つ操作可能となる(第2開放状態)。図18に示す第2開放状態では、突出部(枠第1可動体26等)は、第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図18に示す第2開放状態では、前枠3の開放角度は約22.3度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約22.3度で鋭角であるから、上述したように隣の遊技機に接触しないよう配慮することなく鍵穴5aから専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0097】
<エラーの確認を行う場合の前枠3の開放状態>
球計数スイッチ断線エラー、払出不足エラー又は球計数スイッチエラーが発生した場合には、エラー表示手段141によりエラーの種類を確認することができる(図15)。また、エラー表示手段141の点灯態様とエラー状態との対応関係については、払出発射基板ケース126に貼付されたエラー報知情報シール143により確認することができる。本実施形態では、エラー表示手段141、エラー報知情報シール143の何れも前枠3の背面側における開閉端寄りの位置に配置されている(図8図10等)。
【0098】
そして、前枠3を徐々に開放し、図19に示すようにエラー表示手段141が外枠2の前縁よりも前側に達したときに、このエラー表示手段141は外枠2と前枠3との間から視認可能となる(第3開放状態)。またそこから更に前枠3を開放し、図20に示すようにエラー報知情報シール143の略全体が外枠2の前縁よりも前側に達したときに、このエラー報知情報シール143は外枠2と前枠3との間から視認可能となる(第4開放状態)。
【0099】
図19図20に示す第3,第4開放状態では、突出部(枠第1可動体26等)は、第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図19に示す第3開放状態では、前枠3の開放角度は約22.7度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約22.7度で鋭角であり、また図20に示す第4開放状態では、前枠3の開放角度は約30.2度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約30.2度で鋭角であるから、何れの場合も、解錠のために鍵穴5aに差し込んだ専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0100】
<遊技ホール側の音量設定を行う場合の前枠3の開放状態>
遊技ホール側の音量設定値であるT0~T9を変更するには音量設定つまみ108を操作する必要がある。本実施形態では、音量設定つまみ108は前枠3の背面側における開閉端寄りの位置、即ち開閉端側近傍に配置されている(図6等)。そして、前枠3を徐々に開放し、図21に示すように音量設定つまみ108の後方への延長線が平面視で外枠2よりも左右方向外側に達したとき、背面カバー110を閉じたまま、開口部110aから工具を挿入して音量設定つまみ108を容易に操作可能な状態となる(第5開放状態)。図21に示す第5開放状態では、突出部(ここでは枠第1可動体26)は第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図21に示す第5開放状態では、前枠3の開放角度は約32度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約32度で鋭角であるから、解錠のために鍵穴5aに差し込んだ専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0101】
以上のように、本実施形態では第1~第5開放状態の開放角度が何れも45度未満となっている。前枠3の開放角度が45度未満であれば、本パチンコ機の場合はもちろん、突出部の形状が異なる遊技機であっても、隣の遊技機に接触する可能性は極めて低い。従って、遊技ホール関係者は、前枠3を開放してRAMクリア起動操作その他の作業を行う場合には、前枠3の開放角度を必要最小限(第1~第5開放状態)にするか、最大でも45度を超えないように配慮するだけで、隣の遊技機との接触を防止することが可能である。
【0102】
続いて、本パチンコ機の遊技進行について具体的に説明する。上述したように、本パチンコ機では、遊技状態として通常状態と第1~第3有利状態とが設けられている(図11)。通常状態では、第1,第2特別図柄の大当り確率が低確率(1/319)に、普通図柄の当り確率が低確率(100/251)に、普通図柄の変動時間が通常(非短縮)変動時間(5秒)に、第2特別図柄始動手段63の開放時間が通常(非延長)開放時間(80ms)に夫々設定される。また、時短抽選はこの通常状態中にのみ行われ、有利状態中には行われない。
【0103】
その通常状態に対し、第1有利状態は、普通図柄の変動時間が短縮変動時間(4.9秒)に設定され、時短抽選は行われないという点のみが異なっている。またその第1有利状態に対し、第2有利状態は、第2特別図柄始動手段63の開放時間が延長開放時間(4000ms)に設定される点のみが異なっている。更にその第2有利状態に対し、第3有利状態は、第1,第2特別図柄の大当り確率が高確率(1/32)に、普通図柄の当り確率が高確率(250/251)に夫々設定される点のみが異なっている。なお、普通図柄の変動時間については、通常(非短縮)変動時間(5秒)と短縮変動時間(4.9秒)の差は僅かであり、遊技者がその違いを見分けることは困難である。従って、通常状態と第1遊技状態とは、時短抽選を行うか否かという点以外は実質的に同じであると言える。
【0104】
また本パチンコ機では、通常状態が初期状態となっているため、RAMクリア時(RAMクリア起動操作が行われた場合)はこの通常状態から遊技が開始される(図14)。この通常状態では、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が僅か(80ms)であるため、遊技者が普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙って遊技球を発射し、普通利益状態を発生させたとしても第2特別図柄始動手段63に入賞させることは困難である。従って遊技者は、この通常状態中については、第1特別図柄始動手段62を狙っていわゆる左打ちをすることが望ましい。これにより、通常状態中は、第1,第2特別図柄のうち、主に第1特別図柄が変動する。
【0105】
この通常状態中は、第1特別図柄始動手段62への遊技球の入賞に基づいて、低確率(1/319)での大当り抽選と併せて時短抽選(当選確率約1/30)が行われる(図12)。時短抽選で当選すると、第1特別図柄は時短態様B1,B2の何れかで停止する(図13(b))。そして、第1特別図柄が時短態様B1となった場合(振分率10/100)にはその時点で第2有利状態に移行し(図14のS1)、その後、第1,第2特別図柄の変動回数が第1所定回数(ここでは100回)に達した時点で通常状態に復帰する(図14のS2)。
【0106】
一方、第1特別図柄が時短態様B2となった場合(振分率90/100)にはその時点で第1有利状態に移行する(図14のS3)。この第1有利状態は、第1,第2特別図柄の変動回数が第2所定回数(ここでは10000回)に達するまで継続するが(図13(b))、それまでには第1特別図柄が大当りとなる可能性が高いから(大当り確率1/319)、この変動回数の制限によって第1有利状態が終了する可能性は極めて低い。なお、上述したようにこの第1有利状態は、実質的には時短抽選が行われないだけの通常状態である。
【0107】
以上のように、RAMクリア時には通常状態で遊技が開始され、当選確率約1/30の時短抽選が行われ、これに当選した場合には、振分率10/100で第2有利状態に移行し、振分率90/100で第1有利状態(時短抽選を行わない実質的な通常状態)に移行する。このように本パチンコ機では、RAMクリア時には、当選確率1/30の時短抽選を行い、その当選時には振分率10/100で第2有利状態に移行するという特別な利益を遊技者に付与することができる。これにより、遊技ホール側がRAMクリアして営業を開始することで、意図的に遊技者に対して時短抽選が行われる通常状態で遊技を開始させることができる。なお、電断時には、通常状態ではなく第1有利状態となっている可能性が高いことから、遊技ホール側がRAMクリアすることなく営業を開始した場合の多くは第1有利状態で遊技が開始され、遊技者は上述の特別な利益を享受することはできない。
【0108】
通常状態中、時短抽選で当選するよりも前に第1特別図柄が大当り態様となった場合には、その大当り態様の種類に応じて、特別利益状態が発生するとともに、その終了後に所定の有利状態に移行する(図13(a))。本実施形態では、特別利益状態については大当り態様の種類に拘わらず10R開放パターンで大入賞手段64が開放される。そしてその後の移行先(有利状態)は、大当り態様A1(振分率60/100)の場合には第3有利状態(図14のS4)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合には第2有利状態(図14のS5)となっている。
【0109】
また、通常状態から移行した第1有利状態中については、時短抽選が行われない点を除いて通常状態中と同様に遊技が進行する。そして、第1特別図柄が大当り態様となった場合には、通常状態中と同様、10R開放パターンの特別利益状態が発生し、その終了後に、大当り態様A1(振分率60/100)の場合は第3有利状態に(図14のS6)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合は第2有利状態に(図14のS7)夫々移行する。
【0110】
第2,第3有利状態中については、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が長くなって(4000ms)入賞が容易となるため(図11)、遊技者は普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙っていわゆる右打ちをすることが望ましい。従ってこの第2,第3有利状態中は、第1,第2特別図柄のうち、主に第2特別図柄が変動する。
【0111】
なお、第1特別図柄が大当り態様A2となって第2有利状態に移行した場合は、時短抽選に当選して第2有利状態に移行した場合と同じく、第1,第2特別図柄の変動回数が第1所定回数(ここでは100回)に達した時点で通常状態に復帰する(図13(a))。一方、第1特別図柄が大当り態様A1となって第3有利状態に移行した場合は、第1,第2特別図柄の変動回数が第3所定回数(ここでは10000回)に達するまで継続するが(図13(a))、それまでには第2特別図柄が大当りとなる可能性が極めて高いから(大当り確率1/32)、この変動回数の制限によって第3有利状態が終了する可能性は極めて低い。
【0112】
第2有利状態中は、第2特別図柄始動手段63への遊技球の入賞に基づいて、低確率(1/319)での大当り抽選が行われる(図11)。そして、第2特別図柄が大当り態様になることなく第1,第2特別図柄の変動回数が100回に達した場合には通常状態に移行し(図14のS2)、上述したRAMクリア時と同様、第1特別図柄始動手段62への遊技球の入賞に基づいて、低確率(1/319)での大当り抽選と併せて時短抽選(当選確率約1/30)が行われる(図11)。このように本実施形態では、図柄変動回数の制限(100回)によって第2有利状態を抜けた場合についても、RAMクリア時と同様、当選確率1/30の時短抽選を行い、その当選時には振分率10/100で第2有利状態に移行するという特別な利益が遊技者に付与される。
【0113】
一方、第2有利状態中に第2特別図柄が大当り態様となった場合には、第1特別図柄が大当り態様となった場合と同様、10R開放パターンの特別利益状態が発生し、その終了後に、大当り態様A1(振分率60/100)の場合は第3有利状態に移行し(図14のS8)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合は再び図柄変動100回を限度とする第2有利状態が開始される(図14のS9)。
【0114】
また第3有利状態中は、第2特別図柄始動手段63への遊技球の入賞に基づいて、高確率(1/32)での大当り抽選が行われる(図11)。そして、第3有利状態中に第2特別図柄が大当り態様となった場合には、10R開放パターンの特別利益状態が発生し、その終了後に、大当り態様A1(振分率60/100)の場合は再び第3有利状態が開始され(図14のS10)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合は第2有利状態に移行する(図14のS11)。
【0115】
このように本実施形態では、通常状態(初期状態)と複数種類の有利状態とを設け、通常状態中は時短抽選を実行し、それ以外の有利状態中は時短抽選を実行せず、複数種類の有利状態は、時短抽選を行うか否かという点を除いて実質的に通常状態と大差ない第1有利状態(特定有利状態)を含み、時短抽選に当選した場合には、所定の振分率で第1有利状態とその他の有利状態との何れかに移行するように構成されているため、RAMクリア起動操作を行った場合(即ち通常状態から遊技を開始する場合)に、バックアップ復帰の場合(即ち第1有利状態等、通常状態以外で遊技を開始する場合)と比べて特別な利益を遊技者に付与することができる。このように、遊技ホールが営業開始前に各遊技機に対してRAMクリアを行うか否かによって、営業開始時に時短抽選が行われる通常状態の可能性があるという期待感を遊技者に提供できる。本パチンコ機では、RAMクリア操作に関連する部材について上述のような構成を採用しているため、起動時のRAMクリア操作による遊技者への期待感付与の作業を効率的に行うことができる。
【0116】
図22図23は本出願の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、電源ハーネス129を第2配線経路131bに沿って案内するための第2案内手段133′を導電性部材で形成した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは第2案内手段133′(第1の実施形態では第2案内手段133)のみである。
【0117】
本実施形態の第2案内手段133′は、図22に示すように。外枠2におけるヒンジ側の縦枠材2aと、前枠3における第1タンクレール112a、払い出し手段32及び払出通路113との間に上下方向に配置されており、その下端側は主制御基板101よりも下側に、上端側は演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104、液晶制御基板105等よりも上側に夫々位置している。この第2案内手段133′は、図23に示すように、板金(導電性部材)を曲げ加工することにより、左右一対の側壁133a′,133b′と背壁133c′とで前側が開放する断面略コの字型に形成され、前側を塞ぐように内枠6の背面側に着脱自在に装着されており、その内部に電源ハーネス129が挿通され、電源ハーネス129の先端側、即ち電源プラグ129a側がこの第2案内手段133′の上端側の引き出し部134から上向きに引き出されている。
【0118】
このように、電源プラグ129aを収容している第2案内手段133′は導電性で、その上端側の引き出し部134を含めて、主制御基板ケース102等を覆う背面カバー110の外側(ヒンジ側)に配置されており、またその背面カバー110と第2案内手段133′との間には第2タンクレール112b、払い出し手段32、払出通路113等が配置されることによって一定の距離が保たれているため、電源ハーネス129からのノイズによる主制御基板101等への悪影響を排除することが可能となっている。なお本実施形態では、第2案内手段133′だけでなく、第2配線経路131bに沿う外枠2の縦枠材2aについても導電性部材で構成しているが、外枠2の縦枠材2aについては導電性部材でなくてもよい。
【0119】
図24図25は本出願の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、電源スイッチ128の周囲に、電源スイッチ128の最大高さよりも高い周壁を設けた例を示している。
【0120】
本実施形態の電源基板ケース124には、図24図25に示すように、背面124a側に凹部151が形成されており、その凹部151内に電源スイッチ128が配置されている。この凹部151は、周壁152により周囲(上下左右)を取り囲まれることによって形成されている。なお、この周壁152の高さ(後端側の位置)は、電源スイッチ128における最大高さ(最後部の位置)と略同じかそれよりも大(後方)となっている。
【0121】
これにより、例えば前枠3の背面側の各部を手探りで探すような場合でも誤って電源スイッチ128を操作してしまう事態を防止できる。また、遊技球等の落下物が電源スイッチ128に衝突してON/OFFしてしまう可能性を極力排除できる。なお、周壁152は、電源スイッチ128の周囲の一部分、例えば上側と左右両側にのみ設けてもよい。
【0122】
続いて、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて詳述する。図26図34は本発明をパチンコ機である遊技機に採用した第4の実施形態を例示している。遊技盤501は、図26図27に示すように構成されており、機枠(前枠)の遊技盤装着部に着脱自在に装着されている。
【0123】
遊技盤501は概ね矩形状であり、この遊技盤501の前面側には、図26に示すように、遊技領域502と、この遊技領域502を取り囲む外周部材503とが設けられている。遊技領域502の一側には、外周部材503とガイドレール504との間に遊技球の打ち込み通路505が形成されており、機枠側の発射手段により発射された遊技球を、打ち込み通路505を経て遊技領域502の上部へと打ち込むようになっている。
【0124】
遊技領域502の中央部には、画像表示手段506と、この画像表示手段506の前側に対応するセンターケース507とが装着されている。画像表示手段506は液晶式等であって、演出図柄表示手段510等を構成している。センターケース507は、遊技盤501の前面に当接して遊技盤501から前側に突出するように装着されており、内周側に画像表示手段506の表示画面に対応する表示窓508が設けられている。センターケース507の前面には、普通図柄表示手段509、第1特別図柄表示手段511、第2特別図柄表示手段512等が設けられている。
【0125】
遊技領域502には、センターケース507の左右両側に左打ち通路513と右打ち通路514とが設けられている。また遊技領域502には、普通図柄始動手段515、複合入賞手段516、第1特別図柄始動手段517、第2特別図柄始動手段518が配置されている。
【0126】
普通図柄始動手段515は普通図柄表示手段509による図柄始動を開始させるためのもので、通過ゲートにより構成されている。普通図柄表示手段509は普通図柄始動手段515の遊技球の検出を契機に普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の二種類の普通図柄に対応する2個のLED等の発光体により構成されている。即ち、普通図柄表示手段509は普通図柄始動手段515が遊技球を検出することを条件に2個の発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段515による遊技球の検出時に取得された当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合に、当り態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合に外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で夫々点滅を終了する。
【0127】
第1特別図柄始動手段517は、遊技球の検出を契機に第1特別図柄表示手段511による第1図柄変動を開始させるためのものであり、第2特別図柄始動手段518は、遊技球の検出を契機に第2特別図柄表示手段512による第2図柄変動を開始させるためのものである。なお、第1特別図柄始動手段517は非開閉式である。第2特別図柄始動手段518は遊技球が入球不可能(又は入球困難)な閉状態と入球可能(又は入球容易)な開状態とに切り換え可能な開閉式であり、普通図柄表示手段509の変動後の停止図柄が当り態様となって普通利益状態が発生したときに、閉状態から開状態へと所定時間開放するようになっている。
【0128】
第1特別図柄表示手段511、第2特別図柄表示手段512は1個又は複数個の表示手段、例えば特別図柄を変動表示可能なセグメント式等の1個の表示手段により構成されている。そして、各特別図柄表示手段511,512は、対応する特別図柄始動手段517,518に遊技球が入賞することを条件に各特別図柄を所定時間変動表示して、各特別図柄始動手段517,518への入賞時に取得した大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合に、特別図柄が所定の大当り態様(特定態様)で、それ以外の場合に外れ態様で夫々停止する。
【0129】
演出図柄表示手段510は特別図柄表示手段511、512による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄510a~510cを変動表示するもので、1個又は複数個(例えば左右方向に3個)の演出図柄510a~510cを各種の演出画像と共に画像表示手段506の表示画面に変動表示可能に構成されている。
【0130】
演出図柄510a~510cは数字図柄により構成されており、第1特別図柄始動手段517、第2特別図柄始動手段518に遊技球が入賞した場合に、特別図柄の変動開始と同時に複数種類の変動パターンの何れかに従って変動を開始して、特別図柄の停止と同期して略同時に停止する。なお、演出図柄510a~510cは特別図柄が外れ態様で停止する場合には外れ演出態様で停止し、特別図柄が大当り態様で停止する場合には大当り演出態様で停止する。
【0131】
複合入賞手段516は大入賞手段521と普通入賞手段522とを左右に備えて複合化したものであり、この複合入賞手段516には前向きに発光表示可能な発光表示手段529~531が左右方向に複数設けられている。第1特別図柄始動手段517には前向きに発光表示可能な発光表示手段532,533が左右方向の両側に設けられている。なお、発光表示手段529~533はLED発光式のものが採用されているが、他の形式のものでもよい。
【0132】
大入賞手段521は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉式であって、第1特別図柄表示手段511、第2特別図柄表示手段512の変動後の特別図柄が大当り態様となって特別利益状態が発生したときに、所定の開放パターンに従って1回又は複数回開放してその上側から遊技球を入賞させるようになっている。
【0133】
遊技盤501の裏側には、図27に示すように、遊技盤501に装着された裏カバー524と、この裏カバー524の裏側に上下に配置された主制御基板525及び演出制御基板526等が設けられている。裏カバー524は遊技盤501に装着された画像表示手段506、複合入賞手段516、第1特別図柄始動手段517等を裏側から覆うためのものである。主制御基板525は大入賞手段521等による遊技盤501側の遊技動作を制御するためのものであり、主制御基板ケース527に収容されて裏カバー524の裏側に着脱可能に装着されている。
【0134】
演出制御基板526は演出図柄表示手段510の演出図柄510a~510cの変動表示、発光表示手段529~533の発光表示等の各種演出動作を制御するためのものであり、演出制御基板ケース534に収容されて裏カバー524の裏側に着脱可能に装着されている。
【0135】
第1特別図柄始動手段517は、遊技領域502の最下部のアウト球口535の上側近傍に配置されている。この第1特別図柄始動手段517は左右方向に長い横長状であって、図28図30に示すように、遊技盤501の前面に当接し且つ前面側から着脱可能に固定された当接板536と、この当接板536の裏側に設けられ且つ遊技盤501の装着孔537に挿入されるケース部538と、当接板536の左右略中央から前側に突出する第1始動口539と、第1始動口539に入賞した遊技球をケース部538内を経て遊技盤501の裏側へと案内する案内通路540と、第1始動口539に入賞した遊技球を検出する第1始動スイッチ541と、第1始動スイッチ541の近傍に配置された電波センサ542と、第1始動口539の左右両側で当接板536の裏側に設けられた左右一対の発光表示用のLED基板543,544とを有する。
【0136】
当接板536はねじ等の固定具で遊技盤501の前面に固定されており、この当接板536には左右両側に発光表示部545,546が設けられている。ケース部538は、当接板536の裏側に一体に形成された前部側538aと、この前側部538aに対して裏側から着脱可能に装着された後部側538bとを備え、遊技盤501の装着孔537に前側から挿入される挿入部547を構成している。
【0137】
第1始動スイッチ541は、第1始動口539に入賞する遊技球を検出して第1特別図柄表示手段511の第1特別図柄を変動させるためのものであり、遊技球の検出部にコイルを備えた電磁誘導型のものが使用され、第1始動口539の入口側で当接板536、ケース部538等に装着されている。
【0138】
電波センサ542は第1始動スイッチ541を誤動作させるために第1始動スイッチ541の周辺に送信される不正電波を検出するためのもので、第1始動スイッチ541の側方近傍に配置され、ケース部538内のセンサ収容部565内に設けられている。
【0139】
左右のLED基板543,544は、当接板536の左右両側に設けられた発光表示部545,546と共に発光表示手段532,533を構成するもので、各発光表示部545,546に対応してケース部538内の透過壁550に当接板536と略平行に装着されている。LED基板543,544の前面には、発光表示部545,546に光を照射するLED543a,544aが設けられ、またケース部538の左右方向の中央側の裏面に基板側コネクタ552,553が設けられている。
【0140】
なお、当接板536、透過壁550は光透過性を有し、LED543a,544aからの光により発光表示部545,546を発光させることができる。また当接板536及び/又は透過壁550には、当接板536の裏側部分を透視できないように、凹凸模様等の透視阻害部555が設けられている。
【0141】
図32に示すように、第1始動スイッチ541にはハーネス556が、電波センサ542にはハーネス557が、左右のLED基板543,544にはハーネス558,559が夫々接続されている。各ハーネス556~559はケース部538の後壁部560の裏側に引き出されて、留め具563により後壁部560の留め部562に一纏めに留められている。第1始動スイッチ541、電波センサ542側のハーネス556,557は、その先端のハーネス側コネクタ556a,557aを介して主制御基板525に直接的又は間接的に接続可能であり、また左右のLED基板543,544側のハーネス558,559は、その先端のハーネス側コネクタ558a,559aを介して演出制御基板526に直接的又は間接的に接続可能である。
【0142】
第1特別図柄始動手段517の裏側には、図30等に示すように、第1始動スイッチ541の後方側に対応してケース部538の後壁部560の左右方向の略中央に管理情報表示部564が設けられ、この管理情報表示部564に、第1特別図柄始動手段517の管理番号、その他の管理情報が表示されている。ケース部538の後壁部560には、管理情報表示部564の他に、この管理情報表示部564の一側から下側にかけて留め部562、センサ収容部565、引き出し部566が設けられ、またセンサ収容部565に対して引き出し部566と反対側に引き出し部567が設けられている。
【0143】
センサ収容部565は電波センサ542の後部側を収容するもので、図28図30に示すように、後壁部560から後方に突出して設けられており、このセンサ収容部565の後端よりも前側に留め部562と、この留め部562に巻き付けられた留め具563とが配置されている。センサ収容部565と、これに収容された電波センサ542の後部は、ケース部538の後壁部560から後方に突出する突出部568を構成する。
【0144】
ケース部538の後壁部560には、図29図30に示すように、センサ収容部565の左右両側に引き出し部566,567が開口状に設けられている。引き出し部566は、第1始動スイッチ541側のハーネス556と、一方のLED基板543側のハーネス558とをケース部538内から後壁部560の裏側へと引き出すためのものであって、第1始動スイッチ541及び電波センサ542の近傍で左右のLED基板543,544間の略中央に形成されている。引き出し部567は、他方のLED基板544側のハーネス559をケース部538内から後壁部560の裏側へと引き出すためのものであり、LED基板544側の基板側コネクタ553に対応して形成されている。
【0145】
第1始動スイッチ541側のハーネス556は、第1始動スイッチ541の後端側から引き出し部566を経て留め具563側へと後ろ又は後ろ下方に引き出されている。電波センサ542側のハーネス557は電波センサ542の後端側に接続されており、センサ収容部565の後端側の開口状の引き出し部569を経て留め具563側へと前方向に引き出されている。
【0146】
左右一対のLED基板543,544の内、その一方側のLED基板543側のハーネス558は、後壁部560の前側を経て引き出し部566から裏側へと引き出されている。また他方側のLED基板544は、センサ収容部565に対して留め具563と反対側にあり、このLED基板544側のハーネス559は、センサ収容部565の他方側の引き出し部567から裏側へと引き出され、センサ収容部565の他側に沿って後方へと配線された後、センサ収容部565の後端側を経由して留め具563側へと引き出されている。
【0147】
センサ収容部565の後端側には、図29図31に示すように、引き出し部569の上下両側にセンサ収容部565の肉厚分の段部570があり、その一方の段部570と電波センサ542側のハーネス557又はコネクタ557bとの間にハーネス559が配線されている。
【0148】
LED基板544側のハーネス559は、一方の段部570と電波センサ542側のハーネス557又はコネクタ557bとの間に配置され、それらにより、ハーネス559が上下に移動しないように上下両側から位置決めされている。なお、段部570、電波センサ542側のハーネス557又はコネクタ557b等により、上下一対の位置決め部571が構成されている。LED基板544側のハーネス559は、電波センサ542の後端側から留め具563の間では、電波センサ542側のハーネス557と略並行して配線されている。
【0149】
留め部562は引き出し部566に対して電波センサ542と反対側に設けられている。この留め部562は、図29図30図32に示すように、管理情報表示部564と後壁部560の下端との中間部分に後壁部560から後方に突出して上下方向に設けられている。留め部562と後壁部560との間には、左右方向に貫通する通孔572が形成されている。
【0150】
留め部562の上下両側には、留め部562に巻き付けた留め具563が外れないように規制するずれ止め部573が設けられている。なお、留め部562、ずれ止め部573は、側面視形状が略H状に構成されているが、ずれ止め部573の留め部562から後方に突出する部分は省略してもよい。また留め部562は、留め具563が外れないか、又は外れ難い程度のものであれば十分である。
【0151】
ハーネス556~559は、留め部562の近傍では留め部562に沿って上側から下側へと上下方向に配置され、留め部562の対応位置で留め具563により留め部562に一纏めに留められている。
【0152】
なお、各ハーネス556~559の留め具563から先端側は、主制御基板525側のハーネス556,557と、演出制御基板526側のハーネス558,559とに分けて下方に引き出されている。
【0153】
各ハーネス556~559は、第1始動スイッチ541、電波センサ542、LED基板543,544から留め具563までの間では、余分な遊びが生じないように配線されている。また各ハーネス556~559の留め具563から先端側は自在に屈曲可能であり、挿入部547を遊技盤501の装着孔537に挿入して組み立てる際には、留め具563を基準にして自由端側を屈曲させて、挿入部547の外周縁よりも内側又は装着孔537の内周縁よりも内側に退避させることが可能である。
【0154】
当接板536、ケース部538、第1始動口539は光透過性の材料により構成されており、その第1始動口539の後方に留め具563、留め部562が配置されている。一方、第1特別図柄始動手段517の前側には、第1始動口539の前面に貼着された装飾シール580、当接板536及び/又は透過壁550に形成された凹凸模様等の透視阻害部555があり、第1特別図柄始動手段517の前側からは、留め具563、留め部562等が透視できないようになっている。なお、透視阻害部555は他のものによって構成してもよい。
【0155】
留め具563は各ハーネス556~559を一纏めに結束する結束具574が使用されている。この結束具574は例えばポリアミド系等の可撓性を有する合成樹脂製であって、図34(a),(b)に示すように、挿通部575を有するヘッド部576と、このヘッド部576に一体に接続され且つ他端側から挿通部575に挿通して結束するバンド部577とを備えている。
【0156】
挿通部575内には、一方向係合爪578が一体に設けられている。一方向係合爪578はそれ自体の弾性力により、挿通部575内に挿入されたバンド部577側に付勢されている。バンド部577には一方向係合爪578が係合する係合部579がバンド長手方向に多数形成されており、ヘッド部576の挿通部575に挿通してハーネス556~559を留め部562に締め付けたときに、一方向係合爪578が係合部579に係合して締め付け状態を保持するようになっている。なお、ハーネス556~559を結束した後、ヘッド部576から突出するバンド部577の余剰部分は切り取る。
【0157】
各ハーネス556~559は、必要に応じて任意に折り曲げ且つその折り曲げ状態を保ち得るように可撓性及び保形性(又は屈曲性及び保形性)を有するものであって、図33に示すように、複数の導体からなる芯線581の外周を絶縁被覆582で絶縁した素線583を基本に構成されている。各ハーネス556~559は、複数の素線583と、各素線583の一端に設けられたハーネス側コネクタ556a~559aと、各素線583の他端に設けられたハーネス側コネクタ556b~559bとを有する。
【0158】
なお、複数の導体を纏めて芯線581を構成する場合には、導体を撚り合わせない無撚り状態でもよいし、撚り合わせ状態でもよいが、無撚り状態にすれば素線583の可撓性又は屈曲性が向上する。
【0159】
素線583には、芯線581の導体の本数の多少によって線径の異なる複数種類、例えば太素線583a、並素線583b、細素線583cの3種類のものがあり、またそれらを使用するハーネス556~559にも、太素線583aによる太ハーネス583Aと、並素線583bによる並ハーネス583Bと、細素線583cによる細ハーネス583Cの何れかが用いられている。
【0160】
各ハーネス556~559に使用するハーネス583A~583Cの種類を決定するに際しては、通電時の電気信号の大小、信号の組み合わせ数等の条件に応じて太ハーネス583A、並ハーネス583B、細ハーネス583Cの何れかを選択する。なお、図28図30図32においては、便宜上、太ハーネス583Aは太線で、並ハーネス583Bは太一点鎖線で、細ハーネス583Cは太二点鎖線で夫々示す。
【0161】
因みに第1特別図柄始動手段517の場合には、第1始動スイッチ541側のハーネス556は2本の太素線583aを使用した太ハーネス583Aが、電波センサ542側のハーネス557には2本の並素線583bを用いた並ハーネス583Bが、LED基板543,544側のハーネス558,559には4本又はそれ以上の細素線583cを用いた細ハーネス583Cが夫々採用されている。
【0162】
なお、太素線583a、太ハーネス583A、並素線583b、並ハーネス583B、細素線583c、細ハーネス583Cは、太さの異なる三種類の素線、ハーネスを太い方から細い方へと順次識別可能に記載したものであって、第1、第2、第3・・・と記載した場合と同義であって、特定の線径値を意味するものではない。また太素線583a、並素線583b、細素線583cは、芯線581、絶縁被覆582を含む素線583の外径の大小で特定してもよい。
【0163】
第1特別図柄始動手段517には、第1始動スイッチ541、電波センサ542、左右のLED基板543,544等の複数の電気部品541~544があり、その夫々に複数の素線583で構成されたハーネス556~559がハーネス側コネクタ556b~559bを介して接続されて裏側へと引き出されている。しかし、複数の素線583で構成された複数のハーネス556~559があっても、その全ハーネス556~559を留め具563で一纏めに纏めて留めることにより、各ハーネス556~559が素線583毎にバラけた状態にある場合に比較して、その後の取り扱いを容易に行うことができる。
【0164】
第1特別図柄始動手段517の下側には、遊技盤501の遊技領域502からアウト球を内側へと排出するアウト球口535があるが、各ハーネス556~559を留め具563により一纏めに纏めることによって、各ハーネス556~559がアウト球口535側に垂れ下がる等の問題も発生しない。そのため各ハーネス556~559の主制御基板525、演出制御基板526に対する接続作業も容易に行うことができる。
【0165】
また複数のハーネス556~559を留め部562に対して留め具563により一纏めに留めているので、留め具563による留め位置が略一定して安定することとなり、留め位置のバラツキ等を防止することができる。従って、第1特別図柄始動手段517を遊技盤501に組み付ける場合にも、画一的に作業を行うことができる。
【0166】
しかも留め具563はケース部538の留め部562に巻き付けているので、自由端側からハーネス556~559を引っ張る等して留め具563側に外力が加わるようなことがあっても、その外力に対して留め具563、留め部562で抗することができる。そのためハーネス556~559が第1始動スイッチ541、電波センサ542、LED基板543,544から脱落したり、それらの各部品541~544側とハーネス556~559側とのコネクタ間で接触不良が生じる等の問題も解消することができる。
【0167】
また各ハーネス556~559には、2本の太素線583aによる太ハーネス583A、2本の並素線583bによる並ハーネス583B、4本又はそれ以上の細素線583cによる細ハーネス583Cを留め具563で一纏めに留めているので、それらの自由端側に大きな張力が加わった場合にも、太ハーネス583Aでそれよりも細い細ハーネス583Cに加わる張力を分担することが可能となり、細ハーネス583C等の細い側のハーネスの負荷を軽減することができる。
【0168】
各ハーネス556~559を主制御基板525、演出制御基板526に接続するに当たっては、留め具563側を基点として各ハーネス556~559を上向きに引き出して、ハーネス556,557を主制御基板525側に、ハーネス558,559を演出制御基板526側に夫々接続し、アウト球口535内を遊技盤501の裏側へと通過するアウト球と干渉しないようにする。
【0169】
留め具563、留め部562は、ケース部538の後壁部560から後方に突出してハーネス556~559を一纏めに留めている。しかし、留め具563、留め部562の近傍には、これらよりも後方に突出するセンサ収容部565があり、このセンサ収容部565による突出部568の後端よりも前側に留め具563、留め部562があるので、遊技盤501の組み立て工程、その他で第1特別図柄始動手段517を取り扱う際にも、留め具563、留め部562が邪魔になるようなこともない。
【0170】
またLED基板544のハーネス559は、後方に突出するセンサ収容部565(突出部568)の後端側を経由して留め具563側へと引き出しているので、突出部568の上側又は下側を経由して配線する場合に比較して、第1特別図柄始動手段517自体の上下方向の寸法を小さくすることが可能である。
【0171】
LED基板544のハーネス559は、突出部568を構成するセンサ収容部565の後端側を経由して配線されているにも拘わらず、その上下両側に位置決め部571があるため、センサ収容部565の後端側又は左右の両側面でハーネス559に接触した場合でも、それによってハーネス559がセンサ収容部565の上下何れかに移動したり、外れたりするようなことがない。
【0172】
なお、第1始動スイッチ541、電波センサ542のハーネス556,557は、主制御基板525側に接続可能であり、LED基板543,544のハーネス558,559は、演出制御基板526側に接続可能であるため、各ハーネス556~559の留め具563からハーネス側コネクタ556a~559aまでの長さが長くなっている。そこで、遊技盤501に装着する前の段階では、図30に示すように、各ハーネス556~559を接続対象毎に短く折り曲げた後、その折り畳み状態のハーネス556~559を保護キャップ584,585に挿入して保護する。これによって、長いハーネス556~559の垂れ下りを防止することができる。
【0173】
図34に示す結束具574により各ハーネス556~559を結束する際には、バンド部577の自由端側を通孔572に通してハーネス556~559及び留め部562の外周にバンド部577を巻き掛けた後に、そのバンド部577をヘッド部576の挿通部575に挿通して引っ張る。そして、バンド部577を引っ張って締め付けて行くと、係合部579に一方向係合爪578が係合して締め付け状態を保持できるので、ハーネス556~559が留め部562に略密着する程度までバンド部577を引っ張って締め付けた後に、ヘッド部576の近傍でバンド部577の自由端側の余剰部分を切断する。これによって第1始動スイッチ541、電波センサ542、LED基板543,544のハーネス556~559を結束具574により容易に一纏めに纏めて留めることができる。
【0174】
なお、バンド部577によるハーネス556~559の締め付けは、各ハーネス556~559の先端側のハーネス側コネクタ556a~559aが留め具563から抜け出さない程度、例えば大きさの異なる複数のハーネス側コネクタ556a~559aがある場合には、その最小のハーネス側コネクタ556a~559aが留め具563から抜け出さない程度の緩い締め付けでもよい。
【0175】
図35図40は本発明の第5の実施形態における複合入賞手段516を例示する。複合入賞手段516は、図35図40に示すように、遊技盤501の前面に固定された当接板600に大入賞手段521と普通入賞手段522とを左右に備えると共に、大入賞手段521が閉状態のときに右打ち通路514(図26参照)からの遊技球を第1特別図柄始動手段517(図26参照)側へと案内する案内通路601を備えている。
【0176】
当接板600は、遊技盤501の前面に着脱可能に固定されている。当接板600の前側には、大入賞手段521の大入賞口602と、この大入賞口602を開閉する開閉部材603と、この開閉部材603の下流側に配置された通路部604と、普通入賞手段522の普通入賞口605とが設けられ、また大入賞口602等の下側に、普通入賞口605の左右両側から下側に通過して遊技球をアウト球口535へと案内する案内板606が設けられている。当接板600の裏側には、大入賞手段521に対応して略中央に配置された内ケース部607と、この内ケース部607の左右両側から下側に跨がって配置された外ケース部608とが設けられている。
【0177】
複合入賞手段516は遊技盤501に装着する際に、内ケース部607、外ケース部608を遊技盤501の装着孔609に前側から挿入して、当接板600をねじ等の固定手段により遊技盤501に固定する。そのため内ケース部607、外ケース部608は、遊技盤501の装着孔609に挿入する挿入部610を構成する。なお、内ケース部607、外ケース部608は一体に構成してもよい。
【0178】
大入賞手段521の大入賞口602は当接板600の前側で上向きに開口しており、この大入賞口602の開口側に前後方向に出退自在に開閉部材603が設けられている。大入賞口602は、当接板600の裏側の内ケース部607内の入賞通路614から外ケース部608側の排出通路611へと接続されており、この大入賞口602に入賞した遊技球は入賞通路614、排出通路611を経て遊技盤501の裏側へと排出されて行く。内ケース部607内には、入賞通路614を通過する遊技球を検出する入賞スイッチ612が横長状に設けられている。
【0179】
開閉部材603は、連動機構(図示省略)を介して駆動ソレノイド613により開閉可能であり、大入賞口602を閉じた閉状態では、上方から流下する遊技球を受けて通路部604側へと案内するようになっている。案内通路601は、大入賞口602の下手側の通路部604を少なくとも一部とするものであって、大入賞口602が開状態の場合にはその通路部604により構成され、また大入賞口602が閉状態の場合には通路部604とその上手側で閉状態の開閉部材603とにより構成される。入賞スイッチ612はその長手方向を左右方向に向けた状態で入賞通路614の下側に略水平状に配置されており、この入賞スイッチ612を通過した遊技球は、排出通路611を経て遊技盤501の裏側へと案内されて行く。
【0180】
入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613は、内ケース部607の裏側に着脱可能に固定された収容ケース615内に収容されている。駆動ソレノイド613は前後方向に出退する可動鉄心613aを備え、その可動鉄心613aの前後移動により、開閉部材603を前後方向に開閉可能である。収容ケース615は内ケース部607から後方に突出するように、その前端側の取り付け部616がねじ等の固定具617により内ケース部607に着脱可能に固定されている。
【0181】
入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613等の内部機構を収容する収容ケース615は、内ケース部607から後方に突出する第1突出部618を構成する。外ケース部608には、外ケース部608から後方に突出する排出通路611が収容ケース615の下側に対応して設けられており、排出通路611からの遊技球は、その下端の排出口611aから下方へと排出されて行く。排出通路611は後側が閉塞されており、外ケース部608の後壁部619から後方に突出する第2突出部620を構成する。
【0182】
普通入賞手段522の普通入賞口605は、当接板600の裏側で外ケース部608内の入賞通路622に連通している。入賞通路622は外ケース部608に前後方向に設けられており、その後部側は外ケース部608の後壁部619から後方に突出すると共に、その下側に配置された入賞スイッチ623を経て下方の排出口622aへと連通されている。
【0183】
入賞スイッチ623は、その長手方向を左右方向に向けた状態で略水平状に配置されている。入賞通路622には排出口622aの上側にスイッチ収容部625が設けられ、そのスイッチ収容部625に入賞スイッチ623が収容されている。排出口622aの下側には左右両側に案内壁626が設けられ、この案内壁626間が遊技球を下方に排出する排出通路624となっている。左右の案内壁626の後端間は開放状になっている。
【0184】
入賞通路622、スイッチ収容部625、案内壁626は、外ケース部608の後壁部619から後方への突出量が略同じであって、その入賞通路622が第3突出部628を構成し、スイッチ収容部625が第4突出部629を構成し、案内壁626が第5突出部630を構成している。第3突出部628と第5突出部630は上下方向に一列状であり、第4突出部629は第1突出部618側が第3突出部628及び第5突出部630と略一列状になり、反対側が第3突出部628及び第5突出部630から左右方向の反対側へと張り出している。
【0185】
複合入賞手段516には、大入賞口602に対応して左右方向の略中央部に発光表示手段531が設けられ、また大入賞手段521の左右両側に発光表示手段529,530と磁気センサ632,633とが設けられている。発光表示手段529~531は、当接板600等に設けられた発光表示部717~719と、この発光表示部717~719に対応して内ケース部607、外ケース部608内に設けられたLED基板634~636とを備えている。LED基板634~636には発光表示部717~719に光を照射するLED634a~636aが前面に設けられている。LED基板634の裏面には上下両側に基板側コネクタ643~645が設けられ、またLED基板635,636の裏面には基板側コネクタ646,647が設けられている。磁気センサ632,633は遊技盤501の前方に配置されたガラス扉等に磁石を接近させて遊技球の流れに変化を与える等の不正行為を働いた場合に、その磁気を検出するためのものである。
【0186】
なお、当接板600等には、発光表示部717~719の発光時の光の拡散性を確保する一方、駆動ソレノイド613、入賞スイッチ612,623、LED基板634~636等の裏側の構成部材の透視性を阻害する透視阻害部が凹凸模様、その他の手段により設けられている。そのため当接板600の前側から見た場合にも、その裏側の構成部材を透視できないか、又は透視が困難になっている。
【0187】
複合入賞手段516の裏側における普通入賞手段522と反対側には、図35図40に示すように、演出制御系の中継基板を兼用するLED基板634と、主制御系の中継基板641とが前後に設けられている。また複合入賞手段516の裏側には、第1配線経路650と第2配線経路651と第3配線経路652とが設けられている。
【0188】
第1配線経路650は、左右一端側の中継基板641と左右他端側との間に配置されており、第1突出部618の下側、第1突出部618と第3~第5突出部628~630との間を経てジグザグ状に設けられている。この第1配線経路650には、入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656と、LED基板635側のハーネス657とが纏めて並行に配線されている。
【0189】
第2配線経路651は、中継基板641側から第1突出部618の後下部側を経由して設けられている。この第2配線経路651には、入賞スイッチ612側のハーネス658と、駆動ソレノイド613側のハーネス659とが纏めて並行に配線されている。
【0190】
第3配線経路652は、中継基板641からその上側を経由して外ケース部608内へと入るように設けられている。この第3配線経路652には、磁気センサ632側のハーネス660と、LED基板636側のハーネス661との一部が纏めて並行に配線されている。
【0191】
各ハーネス655~661には、電流容量、その他の条件に応じて、図33の場合と同様に太ハーネス583A、並ハーネス583B、細ハーネス583Cの何れかが採用されている。即ち、第1配線経路650の入賞スイッチ623側のハーネス655には、2本の太素線583aによる太ハーネス583Aが採用され、磁気センサ633側のハーネス656には、3本の並素線583bによる並ハーネス583Bが採用され、LED基板635側のハーネス657には、4本の細素線583cによる細ハーネス583Cが採用されている。
【0192】
中継基板641から入賞スイッチ623までの距離と、中継基板641から磁気センサ633までの距離は、略同程度である。そのため入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656には、その距離に対応して同程度の長さの長いハーネスが使用されている。
【0193】
入賞スイッチ623、磁気センサ633は、中継基板641から遠く離れた位置にあり、後述のように3本のハーネス655~657が並行して配線された第1並行配線区間690から遠い側に配置されている。一方、LED基板635は、入賞スイッチ623、磁気センサ633よりも中継基板641に近い位置にあり、第1並行配線区間690に近い側に配置されている。入賞スイッチ623側のハーネス655、磁気センサ633側のハーネス656には、略同じ長さを有する長いハーネスが使用されており、またLED基板635側のハーネス657には、ハーネス655,656よりも短いハーネスが使用されている。
【0194】
第2配線経路651の入賞スイッチ612側のハーネス658には、2本の太素線583aによる太ハーネス583Aが採用され、駆動ソレノイド613側のハーネス659には、3本の並素線583bによる並ハーネス583Bが採用されている。なお、入賞スイッチ612側のハーネス658と、駆動ソレノイド613側のハーネス659との長さは同程度か、又は入賞スイッチ612側のハーネス658が若干長い程度である。
【0195】
第3配線経路652の磁気センサ632側のハーネス660には、3本の並素線583bによる並ハーネス583Bが採用され、LED基板636側のハーネス661には、2本の細素線583cによる細ハーネス583Cが採用されている。
【0196】
LED基板634、中継基板641は、図36図39図40に示すように、基板取り付け台663の前後両側に装着されている。即ち、LED基板634は上下方向に長い縦長状であり、中継基板641は左右方向に長い横長状であって、これらは基板取り付け台663の前後両側に略平行に取り付けられている。基板取り付け台663は、外ケース部608にねじ等の固定具664を介して取り付けられている。LED基板634は発光表示手段529の一部を構成するもので、基板取り付け台663の前側に設けられており、このLED基板634に対応して基板取り付け台663の裏側に主制御系の中継基板641が設けられている。
【0197】
LED基板634は基板取り付け台663の前側に配置され、中継基板641はLED基板634の上下中間部分に対応して基板取り付け台663の裏側に配置されている。LED基板634の上下両側には、中継基板641から張り出す上張り出し部634Aと下張り出し部634Bとが設けられている。
【0198】
上張り出し部634Aには中継用の基板側コネクタ643が設けられ、下張り出し部634Bには中継用の基板側コネクタ644と、外部接続用の基板側コネクタ645とが設けられている。基板側コネクタ643はハーネス661を介してLED基板636に接続され、基板側コネクタ644はハーネス657を介してLED基板635に接続されている。基板側コネクタ645は外部接続用であって、外部接続ハーネス666を介して演出制御基板526に接続されている。従って、LED基板634は、基板側コネクタ643~645に接続されたハーネス657,661,666を介して他の電気部品、例えばLED基板635,636、演出制御基板526に接続されている。
【0199】
なお、上張り出し部634A、下張り出し部634Bの後方側は、基板取り付け台663の開口部663a,663bにより開放された状態にあり、各張り出し部634A,634Bの基板側コネクタ643~645には、その開口部663a,663b側からハーネス657,661,666が接続されている。
【0200】
このようにLED基板634と中継基板641とを前後に重ねて設けることにより、LED基板634と中継基板641とを面方向に並べて配置する場合に比較して、少ない配置面積にLED基板634と中継基板641とを効率的に配置することができ、複合入賞手段516を小型化することができる。
【0201】
またLED基板634と中継基板641とを前後に重ねても、LED基板634を前側に配置することによって、LED基板634の本来の機能が阻害されるようなことがなく、LED基板634からの光によって、その前方の発光表示部717を発光させることができる。更にLED基板634に裏側の中継基板641から面方向に張り出す張り出し部634A,634Bを設けて、その張り出し部634A,634B側の基板側コネクタ643~645を介してLED基板634を他の電気部品に接続することにより、LED基板634に対する他の電気部品の接続も容易に行うことができる。
【0202】
中継基板641の後方側は開放状であって、この中継基板641の裏面には左右方向に配列された中継用の基板側コネクタ667~671と外部接続用の基板側コネクタ672とが上下二列に設けられ、その上部側には中継基板641の管理情報を表示する管理情報表示部675が設けられている。
【0203】
管理情報表示部675は、製造メーカ名を表示するメーカ表示部675aと基板管理番号を表示する基板管理番号表示部675bとから構成されている。なお、管理情報表示部675は管理上必要な情報を表示すればよく、製造メーカ名、基板管理番号以外の情報を表示するようにしてもよい。ハーネス655~660のたるみ部655a~660aは、管理情報表示部675の裏側に重ならない位置に配置されており、管理情報表示部675の裏側には、ハーネス655~660のたるみ部655a~660a、その他の障害物は配置されておらず、裏側から目視により製造メーカ名、基板管理番号等の管理情報を容易に透視することができる。管理情報表示部675は遊技部品の裏側にあればよい。
【0204】
中継基板641の上側には、2個の入賞スイッチ612,623に接続される2個の基板側コネクタ667,670と、外部接続用の1個の基板側コネクタ672とが左右方向に一列状に配置され、また下側には駆動ソレノイド613に接続される基板側コネクタ669と、左右の磁気センサ632,633に接続される2個の基板側コネクタ668,671とが左右方向に一列状に配置されている。
【0205】
中継基板641及び上下二列の基板側コネクタ667~672は、外ケース部608の後壁部619から後方に突出しており、これら中継基板641及び基板側コネクタ667~672により第6突出部676が構成されている。
【0206】
中継基板641の上側の基板側コネクタ667,670には、各入賞スイッチ612,623側のハーネス655,658が着脱可能に接続されている。入賞スイッチ623側のハーネス655は第1配線経路650に沿って配線され、また入賞スイッチ612側のハーネス658は第2配線経路651に沿って配線されている。
【0207】
中継基板641の下側の基板側コネクタ668には磁気センサ633側のハーネス656が、中継基板641の下側の基板側コネクタ669には駆動ソレノイド613側のハーネス659が、中継基板641の下側の基板側コネクタ671には磁気センサ632側のハーネス660が夫々着脱可能に接続されている。駆動ソレノイド613側のハーネス659は第2配線経路651に沿って配線されている。磁気センサ633側のハーネス656は第1配線経路650に沿って配線され、また磁気センサ632のハーネス660は第3配線経路652に沿って配線されている。
【0208】
外部接続用の基板側コネクタ672は中継基板641上で回路パターンを介して各基板側コネクタ667~671に接続されており、それらに対応する端子数を有する。そのため基板側コネクタ672に接続された外部接続ハーネス674もそれに対応する本数の素線583を備えたものとなっている。因みに外部接続ハーネス674には8本~10本、又はそれ以上の並素線583bによる並ハーネス583B、又は細素線583cによる細ハーネス583Cが採用され、先端側のハーネス側コネクタを介して主制御基板525に直接的又は間接的に接続されている。
【0209】
LED基板635側のハーネス657は第1配線経路650に沿って配線され、LED基板634の下張り出し部634Bの基板側コネクタ644に接続されている。またLED基板636側のハーネス661は第3配線経路652に沿って配線され、LED基板634の上張り出し部634Aの基板側コネクタ643に接続されている。
【0210】
外部接続用の基板側コネクタ645はLED基板634上の回路パターンを介して基板側コネクタ643,644に接続されている。また基板側コネクタ645は、LED基板634による発光制御に必要な端子数を有し、この基板側コネクタ645に接続された外部接続ハーネス666もその端子数に対応する素線583を備えたものとなっている。因みに外部接続ハーネス666には8本~10本、又はそれ以上の並素線583bによる並ハーネス583B、又は細素線583cによる細ハーネス583Cが採用され、先端側のハーネス側コネクタを介して演出制御基板526に直接的又は間接的に接続されている。
【0211】
中継基板641の上一列の基板側コネクタ667,670,672と下一列の基板側コネクタ668,669,671との間には上下方向に所定の間隔があり、中継基板641の裏側で且つ上下二列の基板側コネクタ667~672間がたるみ配置部680となっている。
【0212】
入賞スイッチ612,623側のハーネス655,658、駆動ソレノイド613側のハーネス659、磁気センサ632側のハーネス660には、基板側コネクタ667,669~671に接続可能なハーネス側コネクタ(図示省略)の近傍にたるみ部655a,658a~660aが設けられている。たるみ部658a~660aは、中継基板641の裏面に沿って上下、左右の略面方向に屈曲又は湾曲する屈曲状又は湾曲状に設けられている。
【0213】
各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aは、各ハーネス655,658~660を中継基板641の基板側コネクタ667,669~671に着脱する際に、ハーネス655,658~660を基板側コネクタ667,669~671に対して挿脱するに必要なたるみ(余裕)をハーネス655,658~660に持たせるためのものである。
【0214】
各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aは、たるみ配置部680内で上下、左右の位置を変えた状態で前後方向に重ねて配置されている。たるみ部655a,658a~660a全体の配置高さは、基板側コネクタ667~672の高さと略同程度か、基板側コネクタ667~672の高さ未満である。
【0215】
このように上下二列の基板側コネクタ667~672間をたるみ配置部680として、このたるみ配置部680内にハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aを配置することにより、基板側コネクタ667~672によって上下両側からたるみ部655a,658a~660aを保護することできる。
【0216】
従って、組立て時、又は組立て後の保守、点検等に際して、ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aに対して接触することによって生じるたるみ部655a,658a~660a自体の変形や錯綜、更にはハーネス655,658~660の浮き上がり等を防止することができる。
【0217】
各ハーネス655~660の遊び量(弛み量)は、入賞スイッチ612,623、駆動ソレノイド613、磁気センサ632,633側が殆どたるみのない状態で各配線経路650~652に沿って配線されているのに対して、LED基板634側及び中継基板641側はそのハーネス655~660のハーネス側コネクタを基板側コネクタ644,667,669~671に対して着脱するに必要な大きなたるみ量となっている。
【0218】
例えば、入賞スイッチ623側のハーネス655では、基板側コネクタ667に最も近い留め具694から基板側コネクタ667までのたるみ部655aを含むたるみ量が、入賞スイッチ623に最も近い留め具708から入賞スイッチ623までのたるみ量よりも大であり、留め具708から入賞スイッチ623までは殆どたるみのない状態で配線されている。
【0219】
また磁気センサ633側のハーネス656では、基板側コネクタ668に最も近い留め具696から基板側コネクタ668までのたるみ部656aを含むたるみ量が、磁気センサ633に最も近い留め具708から磁気センサ633までのたるみ量よりも大であり、留め具708から磁気センサ633までは殆どたるみのない状態で配線されている。
【0220】
更にLED基板635側のハーネス657では、基板側コネクタ644に最も近い留め具696から基板側コネクタ644までのたるみ部657aを含むたるみ量が、LED基板635に最も近い留め具694からLED基板635までのたるみ量よりも大であり、留め具694からLED基板635までは殆どたるみのない状態で配線されている。
【0221】
そのため各ハーネス655~657を第1配線経路650に沿って効率的に配線できると共に、各ハーネス655~657のハーネス側コネクタを基板側コネクタ644,667,668に対して容易に着脱できる。他のハーネス658~660についても同様である。なお、この実施形態では、ハーネス655~657を留める留め具は、ハーネス655に対して2個、ハーネス656に対して3個、ハーネス657に対して2個が対応しているが、ハーネス655~657に対して1個としてもよい。
【0222】
磁気センサ633と中継基板641の基板側コネクタ668とを接続するハーネス656には、基板側コネクタ668側にたるみ部656aが設けられており、またLED基板635とLED基板634の基板側コネクタ644とを接続するハーネス657には、基板側コネクタ644側にたるみ部657aが設けられている。このハーネス656,657においても、磁気センサ633、LED基板635側は殆どたるみがなく、基板側コネクタ644,668に近い側は、ハーネス655,658~660と同様に、磁気センサ633、LED基板635側よりも長い所定のたるみ量となっている。
【0223】
従って、第1配線経路650側では、入賞スイッチ623、磁気センサ633、LED基板635の各ハーネス655~657を、第2配線経路651側では入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613の各ハーネス658,659を夫々の配線経路650,651に沿って無駄なく整然と配線しながらも、各ハーネス655~659のコネクタを、その接続対象となる各基板側コネクタ644,667~670に対して容易に着脱することができる。
【0224】
第1配線経路650に配線される磁気センサ633側のハーネス656は、中継基板641の下側から中継基板641の裏側へと配線された後、その中継基板641の基板側コネクタ668に対して裏側から接続されている。ハーネス656,657を留める留め具696と基板側コネクタ668との間には第6突出部676の段差(前後方向の高低差)があり、その段差に沿ってハーネス656を湾曲状に配線することによって、ハーネス656を基板側コネクタ668に着脱するに必要なたるみ部656aが形成されている。第3配線経路652に配線される磁気センサ632側のハーネス660は、中継基板641の上側から中継基板641の裏側へと配線され、その中継基板641の基板側コネクタ667と基板側コネクタ670との間を経てたるみ配置部680内のたるみ部660aへと続いている。
【0225】
なお、留め具686,694,696,708,714の構成は、第4の実施形態の留め具563と略同様である。留め部688,697,709,715は第4の実施形態の留め部562と略同様でもよいし、後壁部619から後方に突出してコ字状に構成することも可能である。
【0226】
たるみ配置部680には、各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660a又はその近傍のハーネス655,658~660が前後方向に重なる状態で配置されている。そのため一部のハーネス658,659には、他のハーネス655,660を中継基板641側に押える押え部681,682ができている。
【0227】
例えば、第2配線経路651に配線される入賞スイッチ612側のハーネス658と、駆動ソレノイド613側のハーネス659には、両ハーネス658,659を撚り合わせた撚り合わせ部683があり、この撚り合わせ部683の中継基板641に対応する部分が押え部681となって、その押え部681により、第1配線経路650の入賞スイッチ623側のハーネス655のたるみ部655aの近傍を中継基板641側に押え付けている。
【0228】
また第2配線経路651の入賞スイッチ612側のハーネス658は、駆動ソレノイド613側のハーネス659との撚り合わせ部683から二つに分岐する分岐部分に押え部682があり、この押え部682により、磁気センサ632側のハーネス660のたるみ部660aの近傍を中継基板641側に押え付けている。
【0229】
そのため各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,656a,658a~660aに充分なたるみ量を持たせながらも、そのたるみ部655a,658a~660aをたるみ配置部680に纏めて集中的に配置することができる。またハーネス655,658~660相互において、その押え部681,682によって他のハーネス655,660を中継基板641側に押えているので、各ハーネス655,660のたるみ部655a,660aの浮き上がり等を防止することができる。
【0230】
特に第2配線経路651のハーネス658,659は、入賞スイッチ612側のハーネス658が太ハーネス583Aであり、駆動ソレノイド613側のハーネス659が並ハーネス583Bであって、その両者の撚り合わせ部683に押さえ部681があるので、第1配線経路650の入賞スイッチ623側のハーネス655が太ハーネス583Aであるにも拘わらず、その押え部681により入賞スイッチ623側のハーネス655を確実に押えることができる。
【0231】
また第2配線経路651の入賞スイッチ612側のハーネス658が太ハーネス583Aであり、この太ハーネス583Aの押え部682で、磁気センサ632側のハーネス660である細ハーネス583Bを押えるため、その押え部682により磁気センサ632側のハーネス660を確実に押えることができる。
【0232】
しかも、各ハーネス658,659の押え部681,682が上下二列の基板側コネクタ667~672間のたるみ配置部680内にあるため、ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aと同様に、上下二列の基板側コネクタ667~672によってハーネス658,659の押え部681,682を保護することができる。
【0233】
入賞スイッチ612側のハーネス658と駆動ソレノイド613側のハーネス659は、第2配線経路651上に配線されている。この第2配線経路651には、ハーネス658,659が並行して一纏めに配線される並行配線区間684が中継基板641と収容ケース615の後部側との間に設けられ、この並行配線区間684内の2箇所に留め具685,686が設けられている。
【0234】
入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613に近い留め具686は結束式であって、この留め具686により、各ハーネス658,659が収容ケース615の後部側の留め部688に一纏めに留められている。中継基板641、基盤側コネクタ669,670に近い側の留め具685は、収容ケース615から後方に突出する突起689により構成されている。この突起689は、図36図37に示すように、留め具686と中継基板641上の押え部681側とを結ぶ線分よりも上側に偏位して配置され、留め具686と押え部681との間で突起689によりハーネス658,659が上側に蛇行するように、ハーネス658,659が突起689に対して上側から引っ掛けられている。
【0235】
入賞スイッチ612側のハーネス658は、収容ケース615の下側の左右略中央部から裏側に引き出された後、収容ケース615の底壁の下側から後壁の裏側の留め具686を経由して中継基板641側へと達する。また駆動ソレノイド613にはその後端側にハーネス659が接続されている。この駆動ソレノイド613側のハーネス659は、留め具686側へと横方向に伸びて、留め具685,686により入賞スイッチ612側のハーネス658と一纏めに留められる。
【0236】
なお、入賞スイッチ612側のハーネス658と駆動ソレノイド613側のハーネス659は、留め具686に対して並行配線区間684と反対側では分岐して配線され、また中継基板641上でも並行配線区間684から基板側コネクタ669,670へと分岐して配線されている。
【0237】
第2配線経路651のハーネス658,659を突起689を経由して配線することにより、収容ケース615の後端の留め具686と中継基板641の押え部681側との間に前後方向の高低差があるにも拘わらず、留め具686と中継基板641との間でたるみが発生することなくハーネス658,659を第2配線経路651に沿って容易且つ整然と配線することができる。
【0238】
収容ケース615は内ケース部607に対して後方側から着脱可能であるが、第2配線経路651は収容ケース615の後方側を経由しており、入賞スイッチ612側のハーネス658、駆動ソレノイド613側のハーネス659は留め具686により第2配線経路651上に留められている。そのためハーネス658,659が収容ケース615の下側に垂れ下がる等の問題がなく、ハーネス658,659に影響されることなく収容ケース615を着脱することができる。なお、入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613は収容ケース615内に設けられている。
【0239】
また収容ケース615は内ケース部607に対して後方側からねじ等の固定具617により着脱可能であるが、入賞スイッチ612側のハーネス658と駆動ソレノイド613側のハーネス659とを、一方向式の留め具686により収容ケース615側の留め部688に留めているので、その留め具686を切断せずに固定具617を取り外しただけでは収容ケース615を取り外すことはできない。そのため収容ケース615を不正に取り外す等の不正行為を防止することができる。
【0240】
入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656と、LED基板635側のハーネス657は、第1配線経路650に沿って略並行に配線されている。この第1配線経路650は、第1湾曲経路部650aを含む第1並行配線区間690と、第1並行配線区間690のLED基板634及び中継基板641と反対側に設けられ且つ第2湾曲経路部650bを含む第2並行配線区間691と、第1並行配線区間690のLED基板634及び中継基板641側に設けられた基板側並行配線区間692とにより構成されている。
【0241】
第1並行配線区間690には全てのハーネス655~657が並行に配線されているので、ハーネス数が最も多くなっており、その最も多いハーネス655~657が留め具694により一纏めに留められている。第2並行配線区間691では、第1並行配線区間690のハーネス655~657の内、LED基板635側のハーネス657が分岐位置720でLED基板635側へと分岐して、入賞スイッチ623側のハーネス655と磁気センサ633側のハーネス656とが並行に配線され、留め具708により一纏めに留められている。
【0242】
この実施形態では、第1並行配線区間690と第2並行配線区間691とについて説明しているが、並行配線されるハーネス数が多く、数箇所でハーネスが順次分岐する場合には、第2並行配線区間から第3並行配線区間、第4並行配線区間へと順次ハーネス数が減少するように設けてもよい。
【0243】
なお、中継基板641等を基準にすれば、分岐位置720を挟んで第1並行配線区間690から第2並行配線区間691へとハーネス数が減少するが、入賞スイッチ623、磁気センサ633等を基準にすれば、LED基板635側のハーネス657が第2並行配線区間691のハーネス655,656に集合(合流)する集合位置を挟んで、第2並行配線区間691から第1並行配線区間690へとハーネス数が増加する。
【0244】
基板側並行配線区間692では、第1並行配線区間690のハーネス655~657の内、入賞スイッチ623側のハーネス655が中継基板641側へと分岐して、磁気センサ633側のハーネス656とLED基板635側のハーネス657とが並行に配線され、留め具696により一纏めに留められている。
【0245】
第1並行配線区間690は、外ケース部608の内ケース部607側の端縁に沿って背面視略L字状に屈曲又は湾曲して設けられている。この第1並行配線区間690には、入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656と、LED基板635側のハーネス657との全てが並行して配線されている。
【0246】
留め具694は、内ケース部607の下側で第1並行配線区間690の中間位置に配置され、各ハーネス656~657を留め部695に対して一纏めに留めている。従って、各ハーネス655~657を個々に配線する場合に比較して、各ハーネス655~657の素線583のバラツキ等を防止でき、各ハーネス655~657を纏まりよく配線することができる。
【0247】
また第1並行配線区間690の内側には、外ケース部608から後方に突出する補強壁678があり、この補強壁678の屈曲部分には、第1湾曲経路部650aの内側に突起状の配線案内部678aが設けられている。そのため第1並行配線区間690のハーネス655~657は、第1湾曲経路部650aの配線案内部678aに巻き掛けて略L字状に配線され、また配線案内部678aと第2突出部620との間で留め具694により留め部695に一纏めに留められている。
【0248】
従って、各ハーネス655~657を第1並行配線区間690に沿ってたるみなく配線できると共に、各ハーネス655~657を配線案内部678aと留め具694との二箇所で纏めることが可能であり、各ハーネス655~657を効率的に纏めることができる。また第1湾曲経路部650aでは、各ハーネス655~657を配線案内部678aに引っ掛ければよいので、二箇所に留め具694を配置する場合に比較して配線作業を容易に行うことができる。
【0249】
中継基板641側の基板側並行配線区間692は、入賞スイッチ623側のハーネス655を構成する太いハーネス583Aが分岐して、磁気センサ633側のハーネス656とLED基板635側のハーネス657とを構成する細ハーネス583Cが並行して配線され、その途中の留め具696により外ケース部608側の留め部697に一纏めに留められている。
【0250】
留め具696は中継基板641の下側近傍で第2突出部620の側方近傍に配置されている。基板側並行配線区間692のハーネス656,657から分岐した入賞スイッチ623側のハーネス655は、たるみ部655aを介して中継基板641上の基板側コネクタ667に接続されている。
【0251】
このように基板側並行配線区間692では、磁気センサ633側のハーネス656とLED基板635側のハーネス657とに使用される細いハーネス583Cを並行して配線し、その各ハーネス656,657を留め具696により一纏めに留めることによって、各ハーネス656,657を纏まりよく配線できると共に、夫々のハーネス656,657の素線等の切断、その他の損傷を防止できる。
【0252】
磁気センサ633側のハーネス656には、留め具696と中継基板641の基板側コネクタ668との間に、基板側コネクタ668の段差に沿って前後方向に緩やかに湾曲するたるみ部656aがあり、またLED基板635側のハーネス657には、留め具696とLED基板634の基板側コネクタ644との間に、後壁部619に沿って湾曲するたるみ部657aがある。そのため各ハーネ656,657を各基板側コネクタ644,668に接続する際には、各ハーネス656,657側のたるみ部656a,657aによって各ハーネス656,657を各基板側コネクタ644,668に対して容易に接続することができる。
【0253】
第1並行配線区間690にはその基板側並行配線区間692側に排出通路611による第2突出部620があり、各ハーネス655~657はこの第2突出部620の後端側を経由する後端側経由部700を介して並行に配線されている。そのため第2突出部620の上側又は下側を経由して各ハーネス655~657を配線する場合に比較して、第2突出部620を横切る状態で各ハーネス655~657を効率的に配線することができる。
【0254】
排出通路611の後端側下部には突起状のずれ止め部701が設けられ、後端側経由部700を経由するハーネス655~657は、このずれ止め部701により、その下側の排出口611a側へと移動しないように排出口611aを回避して規制されている。このずれ止め部701を設けることによって、各ハーネス655~657の排出口611a側への垂れ下がりを防止でき、排出口611a側を回避して各ハーネス655~657を配線することができる。なお、この場合には、排出口611aがハーネス655~657の垂れ下がり等を回避すべきハーネス回避部となっている。
【0255】
第2突出部620の配線経路方向の両側には、第1並行配線区間690の留め具694と基板側並行配線区間692の留め具696とがある。ずれ止め部701は両留め具694,696間を結ぶ線分に対して背面視で上側に配置され、第2突出部620の後端側を経由するハーネス655~657は、両留め具694,696間でずれ止め部701の上側に引っ掛けられている。そのため第2突出部620の後端側を経由する後端側経由部700での各ハーネス655~657のたるみ等を防止することができる。
【0256】
各ハーネス655~657は、平面視において、第2突出部620の両側で排出通路611の後端と留め具694,696との間に斜め方向に配線されており、排出通路611の両側でハーネス655~657と外ケース部608との間に略三角形状の空間がある。そのためずれ止め部701が両側の留め具694,696間を結ぶ線分に対して上側に位置することと相俟って、この後端側経由部700での各ハーネス655~657のたるみ等をより確実に防止することができる。なお、各ハーネス655~657は外ケース部608の後壁部619から排出通路611の両側面に沿って配置してもよい。
【0257】
LED基板635の基板側コネクタ646は、第1突出部618と第3~5突出部628~630との間の上下方向の中間で第1配線経路650に対応して配置されている。そのためLED基板635側のハーネス657は、この基板側コネクタ646に対応する位置で他の入賞スイッチ623側のハーネス655と磁気センサ633側のハーネス656から分岐して、LED基板635の基板側コネクタ646に接続されている。
【0258】
入賞スイッチ623はスイッチ収容部625に対して第1突出部618の反対側から挿入されている。入賞スイッチ623側のハーネス655は、入賞スイッチ623の第1突出部618と反対側の端部に接続されており、入賞スイッチ623の端部からスイッチ収容部625の上面側に沿って入賞通路622の外側の合流位置(集合位置)705へと引き出されている。磁気センサ633は入賞通路622の外側近傍且つスイッチ収容部625の上側近傍で外ケース部608内に配置されている。磁気センサ633側のハーネス656は、スイッチ収容部625の上面から入賞通路622の外側近傍に沿って後方の合流位置705へと引き出され、その合流位置705でハーネス655と合流している。
【0259】
このように入賞スイッチ623側のハーネス655、磁気センサ633側のハーネス656をスイッチ収容部625の上面に沿って第3突出部628側の合流位置705へと引き出すことにより、第3突出部628側の合流位置705で合流するハーネス655,656を安定させることができる。
【0260】
入賞スイッチ623側のハーネス655と磁気センサ633側のハーネス656は、入賞通路622の後端外側近傍の合流位置705で合流している。第2並行配線区間691は合流位置705からLED基板635のハーネス657が分岐する分岐位置720までの間であり、この第2並行配線区間691にハーネス656,657が並行して配線されている。
【0261】
第2並行配線区間691には入賞通路622による第3突出部628があり、各ハーネス655,656はこの第3突出部628の後端側を経由する後端側経由部710を介して並行に配線されている。入賞通路622の後端側下部には、ハーネス655,656の垂れ下がりを規制する突起状のずれ止め部711がスイッチ収容部625の上側に設けられている。
【0262】
入賞スイッチ623側及び磁気センサ633側から引き出したハーネス655,656は、第2並行配線区間691の端部側である第3突出部628の一側の合流位置(分岐位置)705で合流する一方、第3突出部628の他側の第2湾曲経路部650bに配置された留め具708により、外ケース部608の留め部709に一纏めに留められている。各ハーネス655,656は、入賞通路622により構成される第3突出部628の一側の合流位置(分岐位置)705から、第3突出部628の後端側の後端側経由部710を経て反対側の留め具708へと、第3突出部628に沿って左右方向に配線されている。そのため第3突出部628を経由せずにその上側又は下側を経て各ハーネス655,656を配線する場合に比較して、第3突出部628を横切って各ハーネス655,656を効率的に配線することができる。
【0263】
入賞通路622の後端側下部には突起状のずれ止め部711が設けられている。そして、後端側経由部710を経由するハーネス655,656は、このずれ止め部711により、入賞スイッチ623の後方側へと移動しないように入賞スイッチ623の上側に規制されている。そのため後端側経由部710で各ハーネス655,656を効率的に配線することができると共に、ハーネス655,656のノイズ等による入賞スイッチ623の誤検出を防止することができる。この場合には、入賞スイッチ623がハーネス655の接近を回避すべきハーネス回避部となっている。なお、ずれ止め部711は、ハーネス655,656の排出口622a側への垂れ下がりを防止するものでもよい。
【0264】
LED基板635のハーネス657がハーネス655,656から分岐する分岐位置720は、第1並行配線区間690の留め具694と第2並行配線区間691の留め具708との中間にあり、分岐位置720から留め具694までの距離は、分岐位置720から留め具708までの距離よりも大である。また留め具694よりも分岐位置720に近い側に配線案内部678aがあり、これに巻き掛けてハーネス655~657を留めているので、LED基板635の基板側コネクタ646からハーネス側コネクタを抜いてハーネス657を取り外す場合にも、留め具694と基板側コネクタ646との間のハーネス657に十分な余裕を確保でき、容易に取り外すことができる。
【0265】
ずれ止め部711は入賞通路622の一側の合流位置705と、入賞通路622の反対側の留め具708間を結ぶ線分に対して背面視で上側に配置されている。第3突出部628の後端側を経由するハーネス655,656は、両側の合流位置705と留め具708との間でずれ止め部711に上側から引っ掛けられて、入賞通路622の左右の両側面に沿って配線されている。このような位置にずれ止め部711を配置することによって、各ハーネス655,656のたるみ等を防止することができる。
【0266】
磁気センサ632のハーネス660は、第3配線経路652上に配線されている。即ち、磁気センサ632のハーネス660は、外ケース部608の外側からLED基板634の上張り出し部634Aの上側を経て上張り出し部634Aの後側へと引き出された後、この上張り出し部634Aから中継基板641の上縁側を経て中継基板641の後側へと配線され、中継基板641の後側のたるみ配置部680に配置されるたるみ部660aへと続いている。
【0267】
上張り出し部634Aには第3配線経路652の近傍に基板側コネクタ643があり、この基板側コネクタ643にハーネス661が接続されている。磁気センサ632側のハーネス660とLED基板636側のハーネス661は、基板側コネクタ643の近傍に配置された留め具714により基板取り付け台663の留め部715に一纏めに留められている。ハーネス661は留め具714を経由した後、磁気センサ632側のハーネス660と分岐して、内ケース部607内のLED基板636の基板側コネクタ647に接続されている。
【0268】
従って、LED基板634は、ハーネス661を介してLED基板636に接続されると共に、ハーネス657を介してLED基板635に接続されており、二つのLED基板635,636に対して中継基板的な機能を有する。
【0269】
第1配線経路650の磁気センサ633側のハーネス656には、留め具696と中継基板641の基板側コネクタ668との間に、第6突出部676の下側に沿って前後方向に緩やかに湾曲するたるみ部656aがある。またLED基板635側のハーネス657には、留め具696とLED基板634の基板側コネクタ644との間に、基板側コネクタ644の下側から留め具696側へと後壁部619に沿って湾曲するたるみ部657aがある。そのため各ハーネス656,657は、そのたるみ部656a,657aの余裕によって基板側コネクタ644,668に容易に接続することができる。
【0270】
中継基板641の外部接続用の基板側コネクタ672、LED基板634の下張り出し部634Bの外部接続用の基板側コネクタ645は、挿入部610の外周側近傍に配置されている。中継基板641の基板側コネクタ672と、LED基板634の下張り出し部634Bの基板側コネクタ645との間には、前後に重ねて配置された中継基板641とLED基板634とに応じた高低差があり、中継基板641の基板側コネクタ672が下張り出し部634Bの基板側コネクタ645よりも上側で後方に突出している。中継基板641の外部接続ハーネス674とLED基板634の外部接続ハーネス666は、中継基板641の基板側コネクタ672の近傍に配置された留め具716により一纏めに纏めて結束されている。
【0271】
中継基板641の基板側コネクタ672は、左右方向に長い挿入部610の一端側で中継基板641の端部に配置されている。基板側コネクタ672に接続された外部接続ハーネス674は、基板側コネクタ672の近傍で素線の配列方向に沿って中継基板641の外側へと屈曲しており、その屈曲部674aの近傍に留め具716が配置されている。
【0272】
下張り出し部634Bの基板側コネクタ645に接続された外部接続ハーネス666は、中継基板641の下側から中継基板641の裏側へと導かれた後、留め具716により外部接続ハーネス674と一緒に一纏めに結束されて、外部接続ハーネス674と共に中継基板641の外側へと引き出されている。留め具716は中継基板641の端部近傍又は端部よりも内側に配置されている。
【0273】
このように中継基板641の外部接続ハーネス674と、LED基板634の外部接続ハーネス666とを設けるに当たって、留め具716により外部接続ハーネス666,674を一纏めに纏めることにより、各外部接続ハーネス666,674が素線毎にバラけた状態にある場合に比較して、その後の取り扱いを容易に行うことができる。
【0274】
また中継基板641の基板側コネクタ672の近傍に留め具716を配置して、この留め具716により両外部接続ハーネス666,674を一纏めに留めているので、留め具716による外部接続ハーネス666,674の留め位置が安定し易くなり、留め位置のバラツキを容易に防止することができる。そのため留め具716を留め部に固定する必要がなく、中継基板641の裏側等のように留め部を配置し難い箇所でも両外部接続ハーネス666,674を結束式の留め具716により一纏めに留めることができる。
【0275】
更に裏側にある中継基板641の基板側コネクタ672の近傍に、前側にあるLED基板634の基板側コネクタ645に接続された外部接続ハーネス666を導いて、その中継基板641の基板側コネクタ672の近傍で両外部接続ハーネス666,674を留め具716により一纏めに留めているので、中継基板641とLED基板634とが前後に重なっているにも拘わらず、両外部接続ハーネス666,674を無理なく引き出して配線することができる。
【0276】
複合入賞手段516を遊技盤501に装着する際には、その内ケース部607、外ケース部608等の挿入部610を遊技盤501の装着孔609に挿入する。この場合、外部接続ハーネス666,674は留め具716の近傍で挿入部610の外周又は装着孔609の内周から内側へと屈曲させる。これによって外部接続ハーネス666,674が邪魔になることがなくなり、複合入賞手段516を遊技盤501に容易に装着することができる。
【0277】
第4の実施形態、第5の実施形態には、次の第1~第14の技術の何れかが包含されている。
【0278】
第1の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516,517を備え、前記遊技部品516,517は、複数の電気部品541~544、645,672と、該各電気部品541~544、645,672に接続された複数のハーネス556~559、666,674とを備えた遊技機において、複数の前記ハーネス556~559、666,674を前記遊技部品516,517に一纏めに留める留め具563,716を備えたものである。
【0279】
また前記遊技部品516,517は前記所定部位501の装着孔537,609に挿入される挿入部547,610を備え、前記留め具563,716は、前記ハーネス556~559、666,674を前記遊技部品516,517の内側へと屈曲させたときに、前記ハーネス556~559、666,674を前記挿入部547,610の外周又は前記装着孔537,609の内周よりも内側へ収容可能な位置に配置されているものでもよい。前記留め具563,716は前記電気部品541~544、645,672の何れかの近傍に配置されていることもある。
【0280】
前記ハーネス556~559には、線径の太いハーネス583Aとこれよりも線径の細いハーネス583B,583Cとがあり、前記留め具563は前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを一纏めに結束することもある。中継基板641に接続された第1ハーネス674と、前記中継基板641とは別の電気部品634に接続された第2ハーネス666とを備え、前記留め具716は前記第1ハーネス674と前記第2ハーネス666とを一纏めに結束することもある。
【0281】
第2の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品612,613,623,632,633,635,636と、該各電気部品612,613,623,632,633,635,636に接続され且つ配線経路650~652に沿って配線された複数のハーネス655~661とを備えた遊技機において、前記配線経路650~652の経路方向の複数箇所で前記複数のハーネス655~661を前記遊技部品516側に一纏めに留める複数の留め具685,686,694,696,708,714を備えたものである。
【0282】
前記遊技部品516は、基板側コネクタ643~645,667~671を有する中継基板634,641を備え、前記ハーネス655~661は、一端側が前記電気部品612,613,623,632,633,635,636に、他端側が前記基板側コネクタ643~645,667~671に夫々接続され、前記中継基板634,641に近い側の前記留め具685,694,696,714から前記基板側コネクタ643~645,667~671までの前記ハーネス655~661のたるみ量は、前記電気部品612,613,623,632,633,635,636に近い側の前記留め具686,708,714から前記電気部品612,613,623,632,633,635,636までの前記ハーネス655~661のたるみ量よりも大であってもよい。
【0283】
前記各ハーネス655,658~660は前記中継基板641に近い側の前記留め具686,694,714と前記基板側コネクタ667,669~671との間に、前記ハーネス655,658~660の接続に必要なたるみ量を有するたるみ部655a,658a~660aを備え、前記各たるみ部655a,658a~660aは前記基板側コネクタ667,669~671の間又は前記基板側コネクタ667,669~671の後側に設けられたたるみ配置部680に配置されていることもある。前記遊技部品516は前後方向に複数の前記中継基板634,641を備え、前側の前記中継基板634は後側の前記中継基板641よりも面方向の外側に張り出す張り出し部634A,634Bを備え、前記張り出し部634A,634Bに前記基板側コネクタ643,644を備えたものでもよい。
【0284】
第3の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、第1電気部品641と、前記第1電気部品641を該遊技部品516以外に設けられた第1外部電気部品525に接続するための第1ハーネス674と、第2電気部品634と、前記第2電気部品634を該遊技部品516以外に設けられた第2外部電気部品526に接続するための第2ハーネス666とを備えた遊技機において、少なくとも前記第1電気部品641,672と前記第2電気部品634との何れかの近傍で前記第1ハーネス674と前記第2ハーネス666とを一纏めに留める留め具716を備えたものである。
【0285】
前記遊技部品516は、前記所定部位501の装着孔609に挿入される挿入部610を備え、前記第1電気部品641,672と前記第2電気部品634,645との少なくとも一方は、前記挿入部610の近傍に配置されることもある。前記第1電気部品は、前記第1ハーネス674が接続された第1中継基板641であり、前記第2電気部品は、前記第2ハーネス666が接続された第2中継基板634であり、前記留め具716は、前記中継基板634,641の近傍で前記第1ハーネス666と前記第2ハーネス674とを一纏めに結束することもある。
【0286】
第4の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657と、該ハーネス655~657が複数の基板側コネクタ644,667,668を介して接続された中継基板634,641とを備えた遊技機において、前記電気部品623,633,635と前記中継基板634,641との間の配線経路650上で前記複数のハーネス655~657を一纏めに留める留め具694,696,708を備えたものである。
【0287】
前記配線経路650には、前記複数のハーネス655~657が並行に配線された第1並行配線区間690と、前記第1並行配線区間690の一部の前記ハーネス657が前記電気部品635へと分岐して他の複数のハーネス655,656が並行に配線された第2並行配線区間691とがあり、前記第1並行配線区間690の前記ハーネス655~657を留める前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記ハーネス655,656を留める前記留め具708とを備えたものでもよい。
【0288】
前記電気部品635へと分岐する前記ハーネス657の分岐位置720から前記第2並行配線区間691の前記留め具708までの距離は、前記分岐位置720から前記第1並行配線区間690の前記留め具694までの距離よりも大でもよい。前記電気部品635へと分岐する前記ハーネス657の分岐位置720と、前記第1並行配線区間690の前記留め具694との間に、前記複数のハーネス655~657を前記配線経路650に沿って湾曲状に案内する配線案内部678aを備えたものでもよい。
【0289】
第5の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657と、後側へと突出する突出部618,620,628,676とを備えた遊技機において、前記複数のハーネス655~657を一纏めに留める留め具694,696,708を備え、前記留め具694,696,708は前記突出部618,620,628、676の後端より前に配置されるものである。
【0290】
前記留め具694,696,708の周辺近傍に1又は複数の前記突出部618,620,628、676があってもよい。前記突出部618,620,628、676は、遊技球の通路622、内部部材を収容する収容部615、又は前記遊技部品516の裏側に装着された構成部材であってもよい。
【0291】
第6の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続され且つ配線経路650に沿って並行に配線された複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記配線経路650は、前記各電気部品623,633,635の前記ハーネス655~657が集合する集合位置又は前記ハーネス655~657が分岐する分岐位置を挟んで、その両側で並行に配線されるハーネス655~657の数が変化する複数の並行配線区間690,691を備え、前記各並行配線区間690,691毎に前記ハーネス655~657を一纏めに留める留め具694,708を備えたものである。
【0292】
前記電気部品623,633,635は、並行に配線されるハーネス数が最も多い前記並行配線区間690から遠い側の第1電気部品623及び第2電気部品633と、前記最も多い並行配線区間690に近い側の第3電気部品635とを少なくとも含み、前記並行配線区間690,691は、少なくとも前記第1ハーネス655と前記第2ハーネス656と前記第3ハーネス657とが並行して配線された第1並行配線区間690と、前記第1並行配線区間690から前記第3ハーネス657が分岐して少なくとも前記第1ハーネス655と前記第2ハーネス656とが並行して配線された第2並行配線区間691とを含み、前記第1並行配線区間690の前記ハーネス655~657を一纏めに留める前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記ハーネス655,656を一纏めに留める前記留め具708とを備えてもよい。
【0293】
前記第3ハーネス657は線径の細いハーネス583Cとし、前記第1ハーネス655と前記第2ハーネス656との少なくとも一方は、前記第3ハーネス583Cよりも線径の太いハーネス583A,583Bとしてもよい。前記第1並行配線区間690の前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記留め具708は、複数本の前記ハーネス655~657を一纏めに結束可能な同種構造又は共通の結束具であってもよい。
【0294】
第7の技術は、所定部位501設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、複数の基板側コネクタ644,667,668を有する中継基板634,641と、前記複数の電気部品623,633,635及び前記複数の基板側コネクタ644,667,668を接続する複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記中継基板634,641と前記電気部品623,633,635との間に、前記ハーネス655~657を配線経路650に沿って留める経路方向に少なくとも1つの留め具694,696,708を備え、前記中継基板634,641に最も近い側の前記留め具694,696と前記基板側コネクタ644,667,668との間の前記ハーネス655~657のたるみ量は、前記電気部品623,633,635に最も近い側の前記留め具694,708と前記電気部品623,633,635との間の前記各ハーネス655~657のたるみ量よりも大としたものである。
【0295】
前記中継基板634,641の前記基板側コネクタ667,668と前記中継基板634,641から遠い側の前記電気部品623,633とを接続するハーネス655,656は線径の太いハーネス583A,583Bとし、前記中継基板634,641の前記基板側コネクタ644と前記中継基板634,641に近い側の前記電気部品635とを接続するハーネス657は、前記太いハーネス583A,583Bよりも線径の細いハーネス583Cとし、前記太いハーネス583A,583Bの前記基板側コネクタ667,668と前記留め具694,696との間のハーネス長さは、前記細ハーネス583Cの前記基板側コネクタ644と前記留め具696との間のハーネス長さよりも大であってもよい。
【0296】
第8の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の第1電気部品623,633,635と、前記各第1電気部品623,633,635に対応する複数の部品側コネクタ644,667,668を有する第2電気部品634,641と、前記各第1電気部品623,633,635及び前記各部品側コネクタ644,667,668を接続する複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記ハーネス655~657を配線経路650上に留める結束具694,696,708を経路方向に複数備え、前記第2電気部品634に最も近い側の前記結束具696と前記部品側コネクタ644,667,668との間の前記ハーネス655~657のたるみ量は、経路方向に隣り合う前記結束具694,708間のハーネス655~657のたるみ量よりも大にしたものである。
【0297】
前記結束具694,696,708は、挿通部575を有するヘッド部576と、一端側が前記ヘッド部576に連結され且つ他端側から前記挿通部575に挿通可能なバンド部577とを備え、前記バンド部577は、前記ハーネス655~657に巻き付けて前記挿通部575に挿通したときに前記挿通部575から反挿通方向に抜け出し不能であってもよい。
【0298】
第9の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品612,613,623,632,633,635と、前記各電気部品612,613,623,632,633,635に接続された複数のハーネス655~660と、前記各ハーネス655~660が接続可能な複数の基板側コネクタ644,667~671を有する中継基板634,641とを備えた遊技機において、前記ハーネス655~660は、該ハーネス655~660を前記基板側コネクタ644,667~671に接続するに必要なたるみ量を有するたるみ部655a~660aを前記基板側コネクタ644,667~671に近い側に備え、前記たるみ部655a~660aは、前記基板側コネクタ644,667~671間又は前記基板側コネクタ644,667~671の後近傍に設けられたたるみ配置部680に配置されるものである。
【0299】
前記複数のハーネス655~660の前記たるみ部655a~660aは、前記たるみ配置部680に重ねて配置されることがある。前記たるみ部655a~660aは、前記中継基板634,641の管理情報表示部675と重ならない位置に配置されることが望ましい。
【0300】
第10の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品645,672と、前記複数の電気部品645,672を該遊技部品516以外に設けられた外部電気部品525,526に接続するための複数のハーネス666,674とを備えた遊技機において、前記電気部品645,672から離れた側へと引き出された前記複数のハーネス666,674を前記遊技部品516の裏側で一纏めに留める留め具716を備えたものである。
【0301】
前記遊技部品516は、前記所定部位501の装着孔609に挿入される挿入部610を有し、前記留め具716は前記挿入部610の裏側に備えたものでもよい。前記留め具716に対してハーネス長手方向に前記電気部品645,672と反対側の前記ハーネス666,674は、前記挿入部610の外周又は前記装着孔609の内周よりも内側に屈曲可能であってもよい。
【0302】
第11の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、裏側へと突出する突出部620,628と、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記ハーネス655~657は前記突出部620,628の裏側を経由して配置されており、前記突出部620,628は前記ハーネス655~657の位置ずれを止めるずれ止め部701,711を備えたものである。
【0303】
前記ハーネス655~657を配線する配線経路650は、前記突出部620,628の後側を経由する後側経由部700,710を備え、前記後側経由部700,710の前記突出部620,628の少なくとも一側に、前記ハーネス655~657を一纏めに留める留め具696,708を備え、前記突出部620,628の後側に、前記後側経由部700,710上の前記ハーネス655~657の位置ずれを止める前記ずれ止め部701,711を備えたものでもよい。
【0304】
前記突出部628は、遊技球を前記所定部位501の裏側へと案内する通路622であってもよい。前記突出部620,628は、該突出部620,628の一側の前記留め具696,708と前記突出部620,628の他側のハーネス位置とを結ぶ線分の近傍にハーネス回避部を備え、前記突出部620,628の前記ハーネス回避部の上側に前記ずれ止め部701,711を備え、前記後側経由部700の前記ハーネス655~657は、前記一側の留め具694と前記他側の留め具696との間に配線されることもある。
【0305】
第12の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、前記各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657とを備え、前記複数のハーネス655~657は、少なくとも線径の太いハーネス583Aと、前記太いハーネス583Aよりも線径の細いハーネス583B,583Cとを含む遊技機において、前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを一纏めに纏めて配線したものである。
【0306】
前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを前記遊技部品516の配線経路650上に並行して配線し、前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを前記配線経路650に纏めて留める留め具694、696,708を経路長手方向に1又は複数設けたものでもよい。
【0307】
第13の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、前記各電気部品623,633,635に接続され且つ配線経路650に沿って配線された複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記複数のハーネス655~657には長いハーネス655,656と短いハーネス657とがあり、前記配線経路650の内、前記長いハーネス655,656と前記短いハーネス657とが並行して配線された並行配線区間690に、前記長いハーネス655,656と前記短いハーネス657とを一纏めに留める留め具694を備えたものである。
【0308】
少なくとも複数の前記長いハーネス655,656と前記短いハーネス657とが並行に配線される第1並行配線区間690と、前記第1並行配線区間690から分岐する前記短いハーネス657を除いた複数の前記長いハーネス655,656が並行に配線される第2並行配線区間691とを備え、前記第1並行配線区間690の前記ハーネス655~657を一纏めに留める前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記ハーネス655,656を一纏めに留める留め具708とを備えたものでもよい。前記第1並行配線区間690の前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記留め具708との間に湾曲経路部650aを備え、前記湾曲経路部650aの内周部分に前記ハーネス655~657を案内する配線案内部678aを備えたものでもよい。
【0309】
第14の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516,517を備え、前記遊技部品516,517は、複数の電気部品541~544、634,641と、前記各電気部品541~544、634,641に接続されて該遊技部品516,517の外部に引き出される複数のハーネス556~559、666,674とを備えた遊技機において、全ての前記ハーネスハーネス556~559、666,674を一纏めに留める留め具563,716を備えたものである。
【0310】
所定部位501に設けられた遊技部品516,517を備え、遊技部品516,517は、遊技に関係する複数の第1電気部品612,613,632,623,633と、前記複数の第1電気部品612,613,632,623,633が接続された第1中継基板641と、第1中継基板641に接続され且つ主制御基板525に直接的又は間接的に接続される第1ハーネス674と、演出に関係する複数の第2電気部品635,636と、前記複数の第2電気部品635,636が接続された第2中継基板634と、第2中継基板634に接続され且つ演出制御基板526に直接的又は間接的に接続される第2ハーネス666とを備え、前記留め具716は前記第1ハーネス674と前記第2ハーネス666とを一纏めに留めることもある。
【0311】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1~第3の実施形態と、第4,第5の実施形態とは、全く別の遊技機として具現化されているが、前者と後者とを適切に結合することによって同一の遊技機として具現化できることは言うまでもない。例えば、第4,第5の実施形態に係る遊技機に、第1~第3の実施形態に係る遊技機と同様の枠構成を採用することができ、また第1~第3の実施形態に係る遊技機上で、第4,第5の実施形態に係る遊技機におけるハーネス等の配置構成を用いることも可能である。
【0312】
第1~第3の実施形態では第1~第5開放状態の順に前枠3の開放角度が大きくなるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば第1~第5開放状態のうちの何れか2つ以上で開放角度が略同じであってもよいし、第2開放状態における開放角度よりも第1開放状態における開放角度の方が大であるなど、第1~第5開放状態の順番とそれに対応する開放角度の順番とが一致しなくてもよい。
【0313】
第1~第3の実施形態では、第1~第5開放状態の全てにおいて、前枠3の開放角度が鋭角(以下、第1条件という)で且つ突出部が第1ヒンジ4(及び外枠2)よりも左右方向内側に位置する(以下、第2条件という)ように構成した例を示したが、第1~第5開放状態の少なくとも一つについて、第1条件と第2条件のうちの何れか一方のみを満足し、他方は満足しないように構成してもよい。
【0314】
前枠3の背面側に、上述したRAMクリアスイッチ107、電源スイッチ128、エラー解除ボタン142等以外の操作手段(以下、その他の操作手段という)を設ける場合や、エラー表示手段141等以外の表示手段(以下、その他の表示手段という)を設ける場合、それらの操作手段や表示手段についても、前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置、例えば開閉端近傍に配置し、前枠3を外枠2に対して所定開放状態まで開放したとき、それら操作手段、表示手段が外枠2の前縁よりも前側に位置することによって外枠2と前枠3との間から視認可能となり、また操作手段については操作可能となり、そのときに突出部が第1ヒンジ4(及び外枠2)よりも左右方向内側に位置するように構成することが望ましい。
【0315】
その他の操作手段としては、大当り確率に対応する設定値を複数段階(例えば設定1~設定6の6段階)の何れかに設定可能な仕様とする場合に、その設定を行うために操作する設定キースイッチ(設定操作手段)が考えられる。この設定キースイッチは、RAMクリアスイッチ107等とともに主制御基板101等に設けられ、主制御基板ケース102の外側から例えば専用の設定キーを鍵穴部に差し込んで回転操作することによりON/OFFの切り替えが可能となっている。そして、設定キースイッチがON、RAMクリアスイッチ107がONの状態で電源スイッチ128がOFFからONに切り替えられた場合に、その起動処理において、設定値の設定が可能な設定値設定期間が設けられる。そして、その設定値設定期間中にRAMクリアスイッチ107が操作されることによって設定値が順次変更され、その後に設定キースイッチがOFFに切り替えられることによって変更後の設定値が確定する。
【0316】
また、その他の表示手段としては、遊技実績に基づいて得られる特定情報を表示する特定情報表示手段(例えばベース値を表示するベースモニタ)や、上述した設定値に関する情報を表示する設定情報表示手段等が考えられる。それら特定情報表示手段、設定情報表示手段は、例えば主制御基板ケース102の外側から視認可能な状態で主制御基板101に配置される。特定情報表示手段と設定情報表示手段を共通の表示手段により構成してもよい。
【0317】
第1~第3の実施形態では、電源ハーネス129の電源基板123に対する接続部を電源スイッチ128の近傍に配置したが、電源ハーネス129の接続部は、電源スイッチ128から離れた位置に配置してもよい。また、電源ハーネス129の接続部の配置位置は、電源基板123における前枠3の開閉端側に限られるものではなく、電源基板123の下縁側近傍に配置してもよいし、電源基板123における前枠3のヒンジ端側に配置してもよい。この場合、第1配線経路131aは短く、又は不要となる。
【0318】
また、第1~第3の実施形態ではRAMクリアスイッチ107を主制御基板101に設けた例を示したが、これに限られるものではなく、その他の基板等、例えば払出発射制御基板125に設けてもよい。またこの場合、払出発射制御基板125に設けたRAMクリアスイッチをエラー解除ボタンと兼用してもよい。
【0319】
第4,第5の実施形態では、所定部位として遊技盤501を例示し、その遊技盤501に設けられる遊技部品として、複合入賞手段516、第1特別図柄始動手段517を例示しているが、遊技盤501以外の所定部位に設けられる各種の遊技部品についても同様に実施可能である。
【0320】
例えばパチンコ機では、遊技盤501に設けられたセンターケース507又は取り付け枠を所定部位とし、その所定部位に直接的又は間接的に演出用、その他の可動体ユニット等の遊技部品を装着する場合にも採用できる。その他、遊技盤501が着脱自在に装着される機枠、遊技盤501の前側に対応して機枠に開閉自在に装着される前扉等を所定部位とし、その所定部位の前側に、発光操作ボタン等の操作演出手段、遊技球の発射用の発射ハンドル等の遊技部品を設ける場合にも採用可能である。更に雀球機、スロットマシン等の遊技機においても採用可能である。
【0321】
第4,第5の実施形態では電気部品として、主制御基板525、演出制御基板526、LED基板543,544、634~636、第1始動スイッチ541、電波センサ542、入賞スイッチ612,623、駆動ソレノイド613、磁気センサ632,633、基板側コネクタ643,672等を例示しているが、これら以外のものでもよいし、またLED基板543,544を含む発光表示手段529,530等がハーネスの接続対象となる場合には、その発光表示手段529,530等自体が一つの電気部品を構成することもある。
【0322】
遊技盤501の遊技領域内に配置される入賞手段等の遊技部品の場合、遊技部品自体が裏側に挿入部547,610を有し、その挿入部547,610を遊技盤501の装着孔537,609に前側から挿入して固定手段により固定されているが、挿入部547,610等を備えておらず、遊技盤501、機枠等の装着対象に対して前側から当接した状態でネジ等の固定手段で固定するような遊技部品でもよい。
【0323】
留め具563,716等の各留め具は、実施形態に例示する構成の結束式でもよいし、その他の構成の結束式でもよい。また留め具は必要箇所で複数のハーネスを遊技部品516,517側に留め得るものであれば十分であり、特定の留め形式に限定されるものではない。
【0324】
組立て時の作業能率を考慮すれば、ハーネスを容易に留め得るものが望ましいことは云うまでもない。また留め具により複数のハーネスを一纏めに留めるに当たってのハーネスの締め付け度合いは、その周辺の状況等に応じて適宜決定すればよく、必ずしも各ハーネスが動かないように締め付ける必要はない。例えば、多くのハーネスがあり、それらのハーネスを集合箇所で一纏めに束ねて留める場合には、ある程度の余裕がある状態で各ハーネスを留める程度でもよい。
【0325】
ハーネスには、使用する素線583の線径が太いハーネス583A(又は583A,583B)と、これよりも線径が細いハーネス583B,583C(又は583C)とがあり、線径が太いほど素線583単位での引張強度が大になる。従って、ハーネスの引っ掛け等が問題となるような配線経路に沿って複数のハーネスを配線するに際しては、線径の太いハーネス583A(又は583A,583B)と、線径の細いハーネス583B,583C(又は583C)とを組み合わせて配線することにより、線径の太いハーネス583A(又は583A,583B)が線径の細いハーネス583B,583C(又は583C)を補強することができる。
【0326】
ハーネス655~661の一端側を電気部品612,613,623,632,633,635,636に接続し、ハーネス655~661の他端側を中継基板634,641の基板側コネクタ643~645,667~670にハーネス側コネクタを介して着脱自在に接続する場合には、中継基板634,641に近い側の留め具685,694,696,714から基板側コネクタ643~645,667~670又はハーネス側コネクタまでのハーネス655~661のたるみ量(前者たるみ量)を、電気部品612,613,623,632,633,635,636に近い側の留め具686,708,714から電気部品612,613,623,632,633,635,636までのハーネス655~661のたるみ量(後者たるみ量)よりも大にすることが望ましい。
【0327】
しかし、ハーネス655~661の一端側をハーネス側コネクタを介して電気部品612,613,623,632,633,635,636側のコネクタに着脱自在に接続する場合には、そのコネクタ同士を着脱できるように後者たるみ量を確保する必要がある。従って、前者たるみ量と後者たるみ量とが略同じである場合もある。
【0328】
前後又は上下に複数の中継基板634,641を配置する遊技部品516において、一方の中継基板641側から他方の中継基板634のハーネス側コネクタにハーネス側コネクタを接続する場合、他方の中継基板634は一方の中継基板641よりも面方向の外側に張り出すように配置して、その張り出し部634A,634Bに基板側コネクタを設ければよい。
【0329】
第5の実施形態では、配線経路650を中継基板634,641側の基板側並行配線区間692と、中継基板634,641とは反対の電気部品並行配線区間690,691とに分けて、この配線経路に650に3本のハーネ655~657を配線するに当たって、電気部品並行配線区間690,691には、3本のハーネス655~657を並行に配線した第1配線区間690と、この第1配線区間690の電気部品623,633側に2本のハーネス655,656を並行に配線した第2並行配線区間691とを設け、また基板側並行配線区間692には、2本のハーネス656,656を並行に配線している。
【0330】
しかし、電気部品並行配線区間690,691の2箇所以上でハーネスが分岐する場合には、第1並行配線区間690からハーネスが分岐する毎に第2並行配線区間691、第3並行配線区間を順次設ければよい。この場合にも、電気部品並行配線区間690,691の最終の部分まで配線されるハーネスには、線径の太いハーネス583A及び/又は583Bを設けることが望ましい。
【0331】
なお、電気部品の種類との関係で電気部品並行配線区間690,691の末端まで線径の太いハーネス583A及び/又は583Bを設けることができず、線径の細いハーネス583Cを設けざるをえない場合には、素線の本数の多いハーネスとすることが望ましい。
【0332】
電気部品623,633,635と中継基板634,641との間の配線経路650に沿って複数のハーネス655~657を配線する場合、配線経路650上に配置する留め具694,696,708は、経路方向に一つでもよいし、複数でもよい。また複数の留め具を設ける場合には、留め位置の周辺の条件、状況等に応じて留め具の種類を変えてもよい。
【0333】
配線経路650に、複数のハーネス655~657が並行に配線された第1並行配線区間690と、第1並行配線区間690の一部のハーネス657が電気部品635へと分岐して他の複数のハーネス655,656が並行に配線された第2並行配線区間691とを設ける場合、第1並行配線区間690のハーネス655~657を留める留め具694、第2並行配線区間691のハーネス655,656を留める留め具708は、一つ、二つ又はそれ以上でもよい。
【0334】
裏側へと突出する突出部620,628と、複数の電気部品623,633,635と、この各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657とを備えた遊技部品516において、ハーネス655~657を突出部620,628の裏側を経由して配置する場合に、突出部620,628にハーネス655~657の位置ずれを止めるずれ止め部701,711を設けることが望ましい。この場合のずれ止め部701,711は、ハーネス回避部側へとハーネス655~657が移動しないように、ハーネス回避部側に設けるだけでもよいし、ハーネス655~657の上下両側に設けてもよい。
【0335】
また突出部620,628の後側を経由する後側経由部700,710を経由してハーネス655~657を配線する場合、突出部620,628の両側にハーネス655~657の留め具を設けることが望ましいが、突出部620,628の片側に留め具694,708を配置して、反対側はハーネス655~657の合流部又は分岐部とすることもできる。その場合、反対側の合流部側又は分岐部側でハーネス655~657を緩やかに縒り合わせる等して、ハーネス655~657が分離しないように連携部を設けることも可能である。
【0336】
第1~第5の実施形態のうちの2以上を適宜組み合わせてもよい。また実施形態は本発明をパチンコ機に採用した例を示したが、スロットマシン、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0337】
2 外枠
3 前枠
4 第1ヒンジ(ヒンジ部)
5 施錠手段
5a 鍵穴
39 発射ハンドル
107 RAMクリアスイッチ(RAMクリア操作部)
128 電源スイッチ(電源操作部)
501 遊技盤
502 遊技領域
516 複合入賞手段(遊技部品)
517 第1特別図柄始動手段(遊技部品)
525 主制御基板(第1外部電気部品)
526 演出制御基板(第2外部電気部品)
541 第1始動スイッチ(電気部品)
542 電波センサ(電気部品)
543,544 LED基板(電気部品)
547,610 挿入部
537,609 装着孔
552,553 基板側コネクタ(電気部品)
556,557 ハーネス
563 留め具
568 突出部
574 結束具
575 挿通部
576 ヘッド部
577 バンド部
583 素線
583A 太ハーネス
583B 並ハーネス
583C 細ハーネス
612 入賞スイッチ(電気部品)
613 駆動ソレノイド(電気部品)
618 第1突出部
620 第2突出部
623 入賞スイッチ(電気部品)
628 第3突出部
629 第4突出部
630 第5突出部
632,633 磁気センサ(電気部品)
634~636 LED基板(電気部品)
637~639 基板側コネクタ
641 中継基板(電気部品)
644~647 基板側コネクタ
650 第1配線経路
650a 第1湾曲経路部
651 第2配線経路
652 第3配線経路
655a~660a たるみ部
655~661 ハーネス
680 たるみ配置部
685,686,694,696,708 留め具
690 第1並行配線区間
691 第2並行配線区間
700,710 後端側経由部
720 分岐位置
図1
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