(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107687
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】長尺材支持具
(51)【国際特許分類】
F16L 3/08 20060101AFI20240802BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
F16L3/08 D
H02G3/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011740
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000157197
【氏名又は名称】丸井産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 和樹
【テーマコード(参考)】
3H023
5G363
【Fターム(参考)】
3H023AA05
3H023AB04
3H023AC04
3H023AD08
3H023AD31
3H023AE12
5G363AA16
5G363BA01
5G363DA13
5G363DA16
(57)【要約】
【課題】長尺材支持具を建物の構築面に取り付けるための作業性を向上させる。
【解決手段】支持具100は、当接面110aを有する基板110と、基板110の当接面110aと反対側に突出し、基板110に平行な方向の貫通穴121、および基板110に垂直な方向で、かつ、貫通穴121とねじれの位置にあり、1本の支持具取付ねじ300が挿通される1つのねじ穴122が形成された凸部120とを有し、ねじ穴122に挿通される支持具取付ねじ300の座面122aが、支持具取付ねじ300の頭部の高さが凸部120の高さ以下になるように設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の構築面に取り付けられて長尺材を支持する支持具であって、
建物の構築面に当接する当接面を有する基板と、
上記基板の当接面と反対側に突出し、上記基板に平行な方向の貫通穴、および上記基板に垂直な方向で、かつ、上記貫通穴とねじれの位置にあり、1本の支持具取付ねじが挿通される1つのねじ穴が形成された凸部と
を有し、
上記ねじ穴に挿通される支持具取付ねじの座面が、支持具取付ねじの頭部の高さが上記凸部の高さ以下になるように設けられていることを特徴とする長尺材支持具。
【請求項2】
請求項1の長尺材支持具であって、
上記支持具取付ねじの座面は、皿ねじの座面であることを特徴とする長尺材支持具。
【請求項3】
請求項1の長尺材支持具であって、
上記支持具取付ねじの座面は、上記凸部の高さよりも低い位置に設けられていることを特徴とする長尺材支持具。
【請求項4】
請求項1の長尺材支持具であって、
上記ねじ穴は、非貫通穴に形成されていることを特徴とする長尺材支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物のスラブや壁面等の建物の構築面に取り付けられて、ケーブルや配線、配管等の長尺材を支持する支持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の構築面に配線・配管材を支持する支持具として、構築面に接着剤で貼り付けられる基板と、その基板から突出して配線・配管剤を支持する支持部とから構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、上記のような基板を建物の構築面に固定するために、複数のピンを打ち込むようにしたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように基板を建物の構築面に接着剤で貼り付けたり複数のピンを打ち込むようにする場合には、接着剤を塗布する工程や複数のピンの打ち込み工程を必要とするため、作業性を向上させることが困難であった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、長尺材支持具を建物の構築面に取り付けるための作業性を容易に向上させ得るようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、
本発明は、
建物の構築面に取り付けられて長尺材を支持する支持具であって、
建物の構築面に当接する当接面を有する基板と、
上記基板の当接面と反対側に突出し、上記基板に平行な方向の貫通穴、および上記基板に垂直な方向で、かつ、上記貫通穴とねじれの位置にあり、1本の支持具取付ねじが挿通される1つのねじ穴が形成された凸部と
を有し、
上記ねじ穴に挿通される支持具取付ねじの座面が、支持具取付ねじの頭部の高さが上記凸部の高さ以下になるように設けられていることを特徴とする。
【0008】
これにより、1本の支持具取付ねじによって長尺材を確実に支持、固定することが容易にできる。したがって、支持具を建物の構築面に取り付けるための作業性を容易に向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、長尺材支持具を建物の構築面に取り付けるための作業性を容易に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
支持具100は、
図1~
図3に示すように、建物200の構築面200aに当接する当接面110aを有する基板110と、上記基板110の当接面110aと反対側に突出する凸部120とが設けられて構成されている。なお、上記当接面110aには、接着剤を溜められるように凹部が形成されるなどしてもよい。
【0013】
上記凸部120には、基板110に平行な方向の貫通穴121、および上記基板110に垂直な方向で、かつ、上記貫通穴121とねじれの位置にあり、1本の皿ねじであるコンクリートビスなどの支持具取付ねじ300が挿通される1つのねじ穴122が形成されている。上記ねじ穴122には、支持具取付ねじ300の座面122aとなるテーパ状のざぐりが形成され、支持具取付ねじ300が取り付けられたときに、その頭部の高さが凸部120の高さと面一になるようになっている。また、必須ではないが、上記ねじ穴122は薄壁122bを設けて非貫通穴に形成されることにより、支持具取付ねじ300を挿通するのに先立って接着剤を塗布する場合でも、接着剤がはみ出してくるのを防ぐことができる。
【0014】
ケーブルや配線、配管等の長尺材400は、上記凸部120に密着させて、上記貫通穴121に通された図示しないストラップや樹脂で被覆した針金等が巻き付けられて締め付けられたりすることによって、支持具100に支持、固定される。
【0015】
ここで、支持具取付ねじ300は、その頭部が上記のように凸部120の高さと面一になるので、長尺材400が凸部120に密着固定されるのに妨げとならず、また、ねじ穴122が貫通穴121とねじれの位置にあることにより貫通穴121に近づけて、基板110の中央部付近に配置することが容易にでき、それゆえ、1本の支持具取付ねじ300によって長尺材400を確実に支持、固定することが容易にできる。したがって、支持具100(したがって長尺材400)を建物200の構築面200aに取り付けるための作業性を容易に向上させることができる。
【0016】
(変形例)
支持具取付ねじ300として、上記のような皿ねじに限らず、丸頭ねじなどを用いてもよい。その場合には、例えば
図4に示すように、座面122aを凸部120よりも低く設定することにより、やはり、長尺材400が凸部120に密着固定されるのに支持具取付ねじ300が妨げとならないようにすることが容易にできる。
【符号の説明】
【0017】
100 支持具
110 基板
110a 当接面
120 凸部
121 貫通穴
122 ねじ穴
122a 座面
122b 薄壁
200 建物
200a 構築面
300 支持具取付ねじ
400 長尺材