IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社藤商事の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010769
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112246
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】弁理士法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今山 武成
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA07
2C088DA23
2C088EA02
2C088EA06
(57)【要約】
【課題】遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制する。
【解決手段】装飾貼付シートのうちの特定装飾貼付シートに注意喚起情報表示部を設ける。また、特定装飾貼付シートを構成する透明シートの一部に非透光部を形成するとともに非透光部に注意喚起情報表示部を設ける。注意喚起情報貼付シートは、所定色の非透明シートに対して印刷し、特定装飾貼付シートは、無色の透明シートに対して印刷する。また遊技盤501に設けられた遊技部品517は、複数の電気部品541~544と、この各電気部品541~544に接続された複数のハーネス556~559とを備え、複数のハーネス556~559を遊技部品517に一纏めに留める留め具563を備える。
【選択図】図33
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定部位に設けられた遊技部品を備え、
前記遊技部品は、複数の電気部品と、該各電気部品に接続された複数のハーネスとを有し、
裏面に糊層を有する貼付シートを所定の被貼付部に貼付し、
前記貼付シートは、その少なくとも一部に装飾が施された装飾貼付シートを含む
遊技機において、
複数の前記ハーネスを一纏めに留める留め具を備え、
前記装飾貼付シートのうちの特定装飾貼付シートは、注意喚起情報を表示する注意喚起情報表示部を備え、
前記特定装飾貼付シートを構成する透明シートの一部に非透光部を形成するとともに該非透光部に前記注意喚起情報表示部を設け、
前記貼付シートは、注意喚起情報を表示する注意喚起情報表示部を備え且つ前記装飾貼付シートではない注意喚起情報貼付シートを含み、
前記注意喚起情報貼付シートは、所定色の非透明シートに対して印刷され、
前記特定装飾貼付シートは、無色の透明シートに対して印刷されている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機では、遊技盤の遊技領域の略中央に遊技情報表示手段が配置されると共に、その遊技情報表示手段の周辺部分に普通入賞手段、始動口手段、大入賞手段等の遊技部品が配置されている。遊技情報表示手段には液晶表示手段が使用され、また普通入賞手段、始動口手段、大入賞手段等には、入賞スイッチ、駆動ソレノイド、LEDが使用される等、多数の電気部品が使用されている。
これらの電気部品には各電気部品毎にコネクタを介してハーネスが接続され、その各ハーネスの他端側がコネクタを介して中継基板等に接続され、更にその電気部品が遊技制御系であるか演出制御系であるかに応じて、中継基板からコネクタを介して主制御基板、演出制御基板へと夫々接続されている。
またこの種の遊技機では、遊技領域内の遊技部品等、遊技機本体の各部に装飾用その他の各種貼付シートが貼付されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-55292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では部材供給量の低下に伴って部品価格が上昇し、その結果、遊技機の価格高騰に繋がっている。そのような背景から、遊技機の価格を抑える為の対策が求められている。
遊技機の価格高騰に対する対策としては、遊技機各所に多数貼付されている装飾用、その他の貼付シートなど、遊技機の構成部品を最適化して無駄を省いたり、ハード面はもちろん演出を含むソフト面についてもリユースや他の機種への流用を進めることなどが考えられる。また、リユースを促進するためには、リユースの際に配線作業等を容易化するための工夫を行うことも重要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、所定部位に設けられた遊技部品を備え、前記遊技部品は、複数の電気部品と、該各電気部品に接続された複数のハーネスとを有し、裏面に糊層を有する貼付シートを所定の被貼付部に貼付し、前記貼付シートは、その少なくとも一部に装飾が施された装飾貼付シートを含む遊技機において、複数の前記ハーネスを一纏めに留める留め具を備え、前記装飾貼付シートのうちの特定装飾貼付シートは、注意喚起情報を表示する注意喚起情報表示部を備え、前記特定装飾貼付シートを構成する透明シートの一部に非透光部を形成するとともに該非透光部に前記注意喚起情報表示部を設け、前記貼付シートは、注意喚起情報を表示する注意喚起情報表示部を備え且つ前記装飾貼付シートではない注意喚起情報貼付シートを含み、前記注意喚起情報貼付シートは、所定色の非透明シートに対して印刷され、前記特定装飾貼付シートは、無色の透明シートに対して印刷されているものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機の価格高騰をより適切に抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
図2】同パチンコ機の分解斜視図である。
図3】同パチンコ機のガラス扉の分解斜視図である。
図4】同パチンコ機の背面図である。
図5】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図6】同パチンコ機の遊技盤の平面断面図である。
図7】同パチンコ機の遊技盤を構成する可動演出手段及び後部支持部材の正面図である。
図8】同パチンコ機の遊技盤を構成する透明本体板及びガイドレールの斜視図である。
図9】同パチンコ機の遊技盤に配置されている遊技部品及びそれらに貼付されている装飾シールの斜視図である。
図10】同パチンコ機の注意喚起シールS1~S7の外観を示す図である。
図11】同パチンコ機の注意喚起シールS1の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図12】同パチンコ機の装飾シールS11の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図13】同パチンコ機の装飾シールS12の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図14】同パチンコ機の装飾シールS13の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図15】同パチンコ機の装飾シールS14の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図16】同パチンコ機の装飾シールS15の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図17】同パチンコ機の遊技盤の要部拡大正面図である。
図18】同パチンコ機の装飾シールS16における第1注意喚起情報表示部(a)及び第2注意喚起情報表示部(b)の外観を示す図である。
図19】同パチンコ機の装飾シールS16の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図20】同パチンコ機の性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23の外観を示す図である。
図21】同パチンコ機の性能情報表示シールS21の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図22】同パチンコ機の外部端子情報表示シールS22の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図23】同パチンコ機の主基板情報表示シールS23の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図24】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の後部支持部材の要部拡大正面図(a)、同じく要部拡大側部断面図(b)及び装飾シールS17における注意喚起情報表示部の外観を示す図(c)である。
図25】同パチンコ機の装飾シールS17の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図26】本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機の装飾シールS11の版構成(A)とその配置(B)及び版毎の態様を示す図である。
図27】装飾シールの外周に切欠部がある場合の糊部(外周領域)の配置例を示す図である。
図28】複数種類の注意喚起シールの一部について色配置を変更した例を示す図である。
図29】本発明の第4の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の正面図である。
図30】同遊技盤の背面図である。
図31】同第1特別図柄始動手段の平面図である。
図32】同第1特別図柄始動手段の平面断面図である。
図33】同第1特別図柄始動手段の背面図である。
図34】同ハーネスの位置決め状態の側面図である。
図35】同ハーネスの接続関係の説明図である。
図36】同ハーネスの説明図である。
図37】同留め具の説明図である。
図38】本発明の第5の実施形態に係るパチンコ機の複合入賞手段の平面図である。
図39】同複合入賞手段の背面図である。
図40】同複合入賞手段の分解斜視図である。
図41】同中継基板、LED基板等の背面図である。
図42】同中継基板、LED基板等の側面断面図である。
図43】同ハーネスの配線関係の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1図23は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0009】
前枠3は、内枠6と、その内枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して内枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって内枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0010】
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に内枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
【0011】
内枠6は合成樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また内枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が左下部に夫々配置されている。
【0012】
ガラス扉(開閉扉)7は、内枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、枠第1可動体26、枠第2可動体27、送風手段28等の各種演出手段が配置されている。
【0013】
扉ベース22の上部前側には、窓孔24aの外周の少なくとも一部、例えば窓孔24aの上側と右側とに対応する逆L字型の部分にサイドユニット30が装着され、その他の一部、例えば窓孔24aの左側には上装飾カバー31が装着されている。サイドユニット30は、図2図3等に示すように、ガラス扉7を開いた状態で、特殊な工具を使用することなく、前枠3の裏側の固定ネジ30a、固定レバー30b等を操作することにより容易に着脱が可能となっている。通常、前枠3は複数の機種で共通に用いられ、機種毎に異なる遊技盤16をこの前枠3に装着することでその機種に特有の遊技性やデザインを実現しているが、本パチンコ機では、前枠3の前側の一部を、その他の部品に比べて容易に着脱可能なサイドユニット30とし、このサイドユニット30に、遊技盤16と一体感のあるデザインや特有の機能を持たせることにより、前枠3の大部分を共通化しつつも、機種毎のデザインや機能の自由度を高めることを可能としている。
【0014】
本実施形態のサイドユニット30には、枠第1可動体26、枠第2可動体27、送風手段28等が搭載されている。枠第1可動体26は、所定の立体形状(ここでは蝶の形状)に形成されており、図外の駆動手段の駆動により略前後方向へのスライド移動が可能となっている。枠第2可動体27は、所定の立体形状に形成されており、図外の駆動手段の駆動により略前後方向へのスライド移動が可能であると共に、遊技者による押し込み操作が可能となっている。送風手段28は、遊技者が枠第2可動体27を操作するタイミングで、その枠第2可動体27に触れている遊技者の手に向けて風を送ることが可能となっている。
【0015】
扉ベース22の下部前側には、内枠6の後側に配置された払い出し手段32から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿33、その上皿33が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿34、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル35等が配置され、更に上皿33、下皿34等を前側から略覆う下装飾カバー36が装着されている。下装飾カバー36は前向きの膨出状に形成されており、その上部側に、演出用の操作ボタン37、その他の各種操作手段が設けられている。
【0016】
扉ベース22の背面側には、図2に示すように窓孔24aを後側から略塞ぐガラスユニット40が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金41aと、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金41bと、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金41cとがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具42aが左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具42bが左下部に夫々配置されている。
【0017】
また、下部補強板金41cの背面側には、球送りユニット43a、下皿案内ユニット43b等が装着されている。球送りユニット43aは、上皿33内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43bは、上皿33が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿34に案内するためのもので、球送りユニット43aに隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0018】
また図1図3に示すように、ガラス扉7には情報表示用の貼付シートが複数貼付されている。即ち、サイドユニット30の上面には当該サイドユニット30の着脱作業に関する注意喚起シールS1が、サイドユニット30の前面における送風手段28の近傍には送風に関する注意喚起シールS2が、サイドユニット30の前面における枠第2可動体27の近傍には可動体の動作に関する注意喚起シールS3が、夫々貼付されている。また、下装飾カバー36における操作ボタン37の近傍には操作ボタン37の操作等に関する注意喚起シールS4が貼付されている。また、ガラス扉7の背面の所定箇所、例えば下皿案内ユニット43b又はその近傍には金属部品によるケガに関する注意喚起シールS5が貼付されている。これら注意喚起シールS1~S5の詳細については後述する。
【0019】
遊技盤16は、ポリカーボネート等の透明な樹脂よりなる略一定板厚の透明本体板50を備えたいわゆる透明遊技盤で、図5図9等に示すように、その透明本体板50に対して、ガイドレール51、中央表示枠ユニット53、始動入賞ユニット54、大入賞ユニット55、普通入賞ユニット56、液晶表示手段(画像表示手段)57、可動演出手段58等の複数の遊技部品が装着されている。また、ユニット部品53~56上等の任意の位置に、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、第1大入賞手段64、第2大入賞手段65、複数(ここでは3つ)の普通入賞手段66~68、普通図柄表示手段69、普通保留個数表示手段70、第1特別図柄表示手段71、第2特別図柄表示手段72、複数(ここでは3つ)のアウト口73a~73c、右打ち報知手段60等が設けられている。
【0020】
液晶表示手段57、可動演出手段58等は、後部支持部材74を介して透明本体板50の後側に配置されている。後部支持部材74は、図6図7に示すように、透明本体板50よりも後方に透明本体板50と略平行に配置された後壁部75と、この後壁部75の外周側から略前向きに延設された周壁部76とを一体に備えており、周壁部76の前縁側を透明本体板50の背面側に当接させた状態でねじ止め等により固定されている。後壁部75には略矩形状の開口部75aが形成されており、液晶表示手段57は、表示画面57aを開口部75aに対応させた状態で後壁部75の背面側に着脱自在に固定されている。
【0021】
可動演出手段58は、可動体77と、この可動体77を移動可能に支持する可動体案内手段78と、可動体77を駆動する駆動手段79とを備えている。可動体77は、左右方向の横長状に形成され、その前面側には機種名を示すロゴ等の任意の装飾(図示省略)が施されており、内部には前面側に多数のLED81aを有するLED基板81が配置されている。
【0022】
可動体案内手段78は、可動体77を液晶表示手段57の表示画面57aの前面側に沿って所定方向(ここでは上下方向)に移動可能な状態で支持するもので、液晶表示手段57の左右両側に沿って夫々上下方向の細長状に配置され、後部支持部材74における後壁部75の前面側に着脱自在に固定されている。可動体案内手段78は、上下方向に配置された左右一対の案内レール82を備え、それら各案内レール82によって可動体77の左右両端部が上下方向移動可能に支持されている。この可動体案内手段78により、可動体77は、液晶表示手段57の上側の上部位置と、液晶表示手段57の前側の下部位置との間で上下方向に移動可能であり、通常時は原点位置である上部位置に保持されている。
【0023】
駆動手段79は、例えばステッピングモータにより構成され、可動体案内手段78の後側に対応して後部支持部材74の背面側に着脱自在に固定されており、可動体77を所定の動作パターンに従って上下方向に移動させることが可能となっている。なお、可動体案内手段78の前側には、前面側に多数のLED83aを有するLED基板83が配置されている。
【0024】
ガイドレール51は、発射手段17から発射された遊技球を案内するためのもので、遊技領域23の周囲を取り囲むように透明本体板50の前面側に略環状に配置されており、図5図6図8等に示すように複数、例えば3つの第1~第3レール部材51a~51cで構成されている。第1~第3レール部材51a~51cは、少なくともその本体部分は透明又は半透明の合成樹脂により形成されている。
【0025】
第1レール部材51aは、透明本体板50の下部左側から左縁部略中央、上縁部略中央を経て右上部に至る略弓形状に形成されており、透明本体板50と平行な前壁部84と、その前壁部84の周縁部から後向きに突設された略一定幅の周壁部85とを一体に備え、周壁部85の後端側を透明本体板50の前面に当接させた状態で透明本体板50に着脱自在に固定されている。第1レール部材51aは、遊技領域23側の周壁部85aが正面視略円弧状に形成されており、発射手段17によって発射された遊技球はこの周壁部85aに案内されて遊技領域23に向けて上昇する。なお、この周壁部85aの少なくとも一部分に金属板を配置してもよい。
【0026】
第2レール部材51bは、透明本体板50の前面側に略垂直に立設する前後方向一定幅の板状に形成され、透明本体板50の左上部から左下部にかけて第1レール部材51aの内側に並行するように略円弧状に配設されている。なお、第1レール部材51aと第2レール部材51bとで挟まれた部分が、発射手段17によって発射された遊技球を遊技領域23に案内する発射案内通路(球通路)86となっている。なお、この第2レール部材51bの少なくとも一部を金属板で構成してもよい。
【0027】
第3レール部材51cは、第1レール部材51aの右上部側端部と第2レール部材51bの左下部側端部とを接続するように、透明本体板50の右縁部と下縁部とに沿う正面視略L型に形成されており、透明本体板50と平行な前壁部87と、その前壁部87の周縁部から後向きに突設された略一定幅の周壁部88とを一体に備え、周壁部88の後端側を透明本体板50の前面に当接させた状態で透明本体板50に着脱自在に固定されている。なお、遊技領域23側の周壁部88aの少なくとも一部分に金属板を配置してもよい。
【0028】
透明本体板50には、図8に示すように、遊技領域23に対応する領域内に一又は複数、ここでは3つの装着孔50a~50cが前後方向貫通状に形成されており、中央表示枠ユニット53及び大入賞ユニット55は装着孔50aに対して、始動入賞ユニット54は装着孔50bに対して、普通入賞ユニット56は装着孔50cに対して、夫々前側から着脱自在に固定されている。なお、中央表示枠ユニット53と大入賞ユニット55等、複数のユニット部品を一体に形成してもよい。また、複数のユニット部品(例えば中央表示枠ユニット53と大入賞ユニット55)が別体であっても、それらを互いに一体化した上で装着孔50a~50cの何れかに装着するように構成してもよいし、装着孔50a~50cに対して別々に装着するように構成してもよい。
【0029】
透明本体板50には、前面側と背面側との少なくとも一方、ここでは背面側の所定領域に本体装飾部89が形成されている。この本体装飾部89は、カラーイラスト等よりなる二次元装飾で、透明本体板50の盤面に直接印刷することにより形成されているが、これを透明本体板50の背面側に設けることにより、球の擦れによる劣化を防止できる。この本体装飾部89は、少なくとも一部が透光性で、透明本体板50の後側に配置されたLED83a(図6図7)等の光を透過するようになっている。なお、この本体装飾部89を貼付シート上に形成し、透明本体板50の前面側及び/又は背面側に貼付してもよい。これにより、透明本体板50の再利用や複数機種での共通化が容易となる。
【0030】
中央表示枠ユニット53は、液晶表示手段57及び可動演出手段58の表示枠を構成するもので、図5図6図9等に示すように、後側の液晶表示手段57に対応する開口窓91が略中央に形成され、遊技領域23の略中央における上部側に配置されている。この中央表示枠ユニット53は、その略全体が透明な合成樹脂製で、透明本体板50の前面に沿って装着孔50aの外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板92と、液晶表示手段57の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板92の内周側で前向きに突設された装飾枠93と、その装飾枠93の左右の下端部間に配置されるステージ94とを備えている。発射手段17により発射され、発射案内通路86を経て遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠93の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット53の左側の左流下経路95aと右側の右流下経路95bとの何れかを流下する。
【0031】
中央表示枠ユニット53には、左流下経路95a側と右流下経路95b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路95a側に、遊技球が流入可能なワープ入口96が設けられている。左流下経路95aを流下中にワープ入口96に流入した遊技球は、ステージ94上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部97とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0032】
中央表示枠ユニット53の下側には、左右方向の略中央に始動入賞ユニット54が、右側に大入賞ユニット55が、左側に普通入賞ユニット56が、夫々ガイドレール51の内側に沿って配置されている。始動入賞ユニット54、大入賞ユニット55、普通入賞ユニット56は、何れも略全体が透明な合成樹脂により形成されている。
【0033】
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段69による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、右流下経路95b上に配置されている。この普通図柄始動手段61は、中央表示枠ユニット53上に設けられており、図5図9に示すように、前面装着板92の前側に突設されたゲート部101と、このゲート部101を通過する遊技球を検出する遊技球検出スイッチ102とを備えている。
【0034】
普通図柄表示手段69は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数(2個)のLED69a,69bで構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出すること、即ち遊技球がゲート部101を通過し、遊技球検出スイッチ102がその遊技球を検出することを条件に、普通図柄を構成する2個のLED69a,69bが普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。普通図柄を構成する2個のLED69a,69bは、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当り態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能である。なお本実施形態では、図5図9に示すように、普通図柄表示手段69は中央表示枠ユニット53における右側の装飾枠93上に配置されている。なお、普通図柄表示手段69を構成するLED69a,69bは、発光態様によって情報を報知する報知用の発光体の一例である。
【0035】
また、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄の変動が可能になる毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段70等によって遊技者に報知される。普通保留個数表示手段70は、複数(4個)のLED70a~70dで構成されており、中央表示枠ユニット53における右側の装飾枠93上に配置されている(図5図9)。なお、普通保留個数表示手段70を構成するLED70a~70dは、発光態様によって情報を報知する報知用の発光体の一例である。
【0036】
第1特別図柄始動手段62は、第1特別図柄表示手段71による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非作動式入賞手段により構成されており、始動入賞ユニット54上に配置されている。始動入賞ユニット54には、図5図9に示すように、ステージ94の中央落下部97に対応してその下側に入賞樋105が前向き突出状に形成されており、第1特別図柄始動手段62は、入賞樋105に形成された上向き開口状の第1始動入賞口106と、この第1始動入賞口106に入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ107とを備えている。第1特別図柄始動手段62は、左流下経路95a側のワープ入口96からステージ94を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路95bを流下してきた遊技球よりも左流下経路95aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。第1始動入賞口106に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0037】
第2特別図柄始動手段63は、第2特別図柄表示手段72による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段により構成されており、右流下経路95bにおける普通図柄始動手段61の下流側に配置されている。第2特別図柄始動手段63は、中央表示枠ユニット53上に配置されており、図5図9に示すように、前面装着板92に形成された第2始動入賞口108と、この第2始動入賞口108を開閉する可動部109と、第2始動入賞口108に入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ110とを備え、普通図柄表示手段69の変動後の停止図柄が当り態様となって普通利益状態が発生した場合に、所定の開閉パターンに従って可動部109が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。第2始動入賞口108に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数(例えば2個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0038】
第1特別図柄表示手段71は、第1特別図柄を変動表示可能な7セグLED等の発光体により構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第1始動入賞口106に入賞し、遊技球検出スイッチ107がその遊技球を検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1始動入賞口106への入賞時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、小当り判定値と一致する場合には小当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で夫々停止するようになっている。第1特別図柄表示手段71の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には大当り状態が発生し、小当り状態となった場合には小当り状態が発生する。本実施形態では、第1特別図柄表示手段71は、中央表示枠ユニット53における左側の装飾枠93上に配置されている(図5図9)。なお、第1特別図柄表示手段71を構成する7セグLEDは、発光態様によって情報を報知する報知用の発光体の一例である。
【0039】
第2特別図柄表示手段72は、第2特別図柄を変動表示可能な7セグLED等の発光体により構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第2始動入賞口108に入賞し、遊技球検出スイッチ110がその遊技球を検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2始動入賞口108への入賞時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、小当り判定値と一致する場合には小当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で夫々停止するようになっている。第2特別図柄表示手段72の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には大当り状態が発生し、小当り状態となった場合には小当り状態が発生する。本実施形態では、第2特別図柄表示手段72は、中央表示枠ユニット53における右側の装飾枠93上に配置されている(図5図9)。なお、第2特別図柄表示手段72を構成する7セグLEDは、発光態様によって情報を報知する報知用の発光体の一例である。
【0040】
また、第1,第2特別図柄表示手段71,72による第1,第2特別図柄の変動時には、これと並行して液晶表示手段57上で演出図柄111による図柄変動表示が行われる。演出図柄111は、図5に示すように、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは左右方向に3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部111aと、この図柄本体部111aに付随するキャラクタその他の装飾部111bとの結合で構成されている。なお演出図柄111は、拡大又は縮小、表示位置の変更、装飾部111bの消去等、表示態様を任意に変化させることが可能である。
【0041】
演出図柄111は、第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。なお演出図柄111では、有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外が小当り演出態様又ははずれ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が大当り態様、小当り態様、はずれ態様となる場合には第1,第2特別図柄は大当り演出態様、小当り演出態様、はずれ演出態様となる。
【0042】
また、第1,第2特別図柄始動手段62,63への入賞時に取得された第1,第2特別乱数情報は、夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶され、第1,第2特別図柄の変動が可能になった時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
【0043】
本実施形態の場合、遊技者は後述する特別遊技状態中以外の通常遊技状態中は第1特別図柄始動手段62を狙って左打ちをし、特別遊技状態中(時短状態中)は普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙って右打ちをするため、通常遊技状態中は主として第1特別図柄が変動し、特別遊技状態中(時短状態中)は主として第2特別図柄が変動する。なお本実施形態では、右打ち報知手段60により、遊技者が右打ちをすべき右打ち期間中(特別遊技状態中、大当り状態中等)であることを報知可能となっている。右打ち報知手段60は、1つのLED60aで構成され、中央表示枠ユニット53における右側の装飾枠93上に配置されており(図5図9)、右打ち期間中に点灯、それ以外の期間中は消灯するように構成されている。なお、右打ち報知手段60を構成するLED60aは、発光態様によって情報を報知する報知用の発光体の一例である。
【0044】
保留記憶されている第1,第2特別乱数情報の個数(第1,第2特別保留個数)は、液晶表示手段57等によって遊技者に報知される。液晶表示手段57には、図5に示すように、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Zを表示可能となっている。即ち、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1~,Y1~を液晶表示手段57上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段71,72による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
【0045】
また、第1,第2特別図柄始動手段62,63による遊技球検出に基づいて行われる大当り判定(乱数抽選)で大当りとなる確率(大当り確率)には低確率と高確率の2種類があり、後述する特別遊技状態のうちの確変状態中は高確率に、それ以外は低確率に夫々設定される。
【0046】
また、大当り判定結果がはずれとなった場合には一又は複数種類のはずれの何れかを選択し、大当り判定結果が小当りとなった場合には一又は複数種類の小当りの何れかを選択し、大当り判定結果が大当りとなった場合には一又は複数種類の大当り(例えば確変大当り、非確変大当りの2種類)の何れかを選択する。ここで、確変大当りは、大当り状態の終了後に特別遊技状態として確変状態を発生させることとなる大当り、非確変大当りは、大当り状態の終了後に特別遊技状態として例えば時短状態を発生させることとなる大当りで、それらの振り分けは大当り図柄乱数値等に基づいて行われる。
【0047】
時短状態中は、第1,第2特別図柄に関して第1,第2特別図柄表示手段71,72の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率から高確率へ、変動時間が通常変動時間から短縮変動時間へ、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は大当り状態が終了した時点で開始し、例えば第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の大当り遊技が発生した時点で終了する。また確変状態中は、例えば時短状態と同様の切り換えに加えて、大当り確率が低確率から高確率に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は大当り状態が終了した時点で開始し、例えば次の大当り状態が発生した時点で終了する。
【0048】
第1大入賞手段64は、開閉部材112の動作によって遊技球が第1大入賞口64aに入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段で、第1大入賞口64aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ113を備えており、第1,第2特別図柄表示手段71,72の変動後の停止図柄が大当り態様となるか、後述するV入賞によって大当り状態が発生した場合に、開閉部材112が一又は複数種類の大当り開放パターンの何れかに従って開放するようになっている。第1大入賞口64aに遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0049】
この第1大入賞手段64は、図5図9に示すように大入賞ユニット55における上部側に配置されており、右流下経路95b側で且つ普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63の下流側に形成された第1傾斜転動路114の途中に第1大入賞口64aが配置されている。第1傾斜転動路114は、左右方向のうち、遊技領域23の内側(ここでは左側)に向けて傾斜する左下がりの傾斜状に形成されている。第1大入賞口64aは、第1傾斜転動路114に沿う細長状で、第1傾斜転動路114の底壁に上向き開口状に形成されている。
【0050】
開閉部材112は、第1傾斜転動路114に沿う左下がりの傾斜状に形成された略板状体で、図示しない開閉駆動手段の駆動により前後方向にスライド移動可能となっており、閉状態のときには遊技盤16の盤面よりも前側に突出して第1大入賞口64aを閉鎖するとともに上流側から流下してきた遊技球を第1傾斜転動路114の下流側(ここでは左側)に向けて案内し、開状態のときには遊技盤16の盤面よりも後側に退避して第1大入賞口64aを開放するようになっている。
【0051】
また、大入賞ユニット55における第1傾斜転動路114の上流端側には普通入賞手段66が配置されている。この普通入賞手段66は、遊技球が入賞可能な普通入賞口66aと、この普通入賞口66aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ115とを備えている。普通入賞口66aに遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0052】
第2大入賞手段65は、開閉部材116の動作によって遊技球が第2大入賞口65aに入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段であって、図5に示すように、第2大入賞口65aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ117を備えており、第1,第2特別図柄表示手段71,72の変動後の停止図柄が小当り態様となって小当り状態が発生した場合に、開閉部材116が所定の小当り開放パターンに従って開放するようになっている。第2大入賞口65aに遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0053】
また第2大入賞手段65は、特定領域118aと、通常領域118bと、第2大入賞口65aに入賞した遊技球を特定領域118aと通常領域118bとに振り分ける可動式の振り分け手段119と、特定領域118aに流入した遊技球を検出する特定遊技球検出スイッチ120aと、通常領域118bに流入した遊技球を検出する通常遊技球検出スイッチ120bとを備えている。第2大入賞口65aに入賞した遊技球は、遊技球検出スイッチ117によって検出された後、振り分け案内通路119aを流下して振り分け手段119に達する。そして振り分け手段119によって特定領域118aと通常領域118bとの何れかに案内され、特定遊技球検出スイッチ120aと通常遊技球検出スイッチ120bとの何れかによって検出された後、遊技盤16の後側に案内される。第2大入賞口65aに入賞した遊技球が振り分け手段119によって特定領域118a側に案内され、特定遊技球検出スイッチ120aがその遊技球を検出した場合(以下、V入賞という)には大当り状態が発生する。
【0054】
第2大入賞手段65は、図5に示すように大入賞ユニット55における第1大入賞手段64の下側に配置されており、第1傾斜転動路114の下流側(ここでは下側)に形成された第2傾斜転動路121の途中に第2大入賞口65aが配置されている。なお、第1傾斜転動路114は、その下流端側(左端側)で、右向きの第2傾斜転動路121と左向きの分岐路122とに分岐している。第1傾斜転動路114を通過した遊技球は、高い確率で第2傾斜転動路121側に流下し、分岐路122側に流下することは稀であるが、分岐路122側に流下した遊技球は、第1始動入賞口106等の入賞口に入賞するか、遊技領域23の最下流側、即ち遊技領域23の下部中央(ここでは第1特別図柄始動手段62の下側)に配置された第1アウト口73aを経て遊技盤16の後側に排出される。
【0055】
第2傾斜転動路121は、左右方向のうち、遊技領域23の外側(ここでは右側)に向けて傾斜する右下がりの傾斜状に形成されている。第2大入賞口65aは、第2傾斜転動路121に沿う細長状で、第2傾斜転動路121の底壁に上向き開口状に形成されている。
【0056】
開閉部材116は、第2傾斜転動路121に沿う右下がりの傾斜状に形成された略板状体で、図示しない開閉駆動手段の駆動により前後方向にスライド移動可能となっており、閉状態のときには遊技盤16の盤面よりも前側に突出して第2大入賞口65aを閉鎖するとともに上流側から流下してきた遊技球を第2傾斜転動路121の下流側(ここでは右側)に向けて案内し、開状態のときには遊技盤16の盤面よりも後側に退避して第2大入賞口65aを開放するようになっている。
【0057】
また、第2傾斜転動路121の下流端側(右端側)には第2アウト口73bが配置されている。第2アウト口73bは、第2大入賞手段65等とともに大入賞ユニット55に設けられており、第2傾斜転動路121を通過した遊技球は、この第2アウト口73bを経て遊技盤16の後側に排出される。
【0058】
また、普通入賞ユニット56には、図5図9に示すように複数、例えば2つの普通入賞手段67,68が配置されるとともに、それら複数の普通入賞手段67,68の上流側に第3アウト口73cが配置されている。普通入賞手段67,68は、遊技球が入賞可能な普通入賞口67a,68aと、それら普通入賞口67a,68aに入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ123,124とを備えている。普通入賞口67a,68aに遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0059】
また図5図9等に示すように、遊技領域23内に配置された中央表示枠ユニット53、始動入賞ユニット54、大入賞ユニット55、普通入賞ユニット56等には、それらの前面側に設けられた透明な被貼付部に、少なくとも一部に装飾が施された装飾シール(装飾用の貼付シートである装飾貼付シート)が貼付されている。
【0060】
即ち、中央表示枠ユニット53には、装飾枠93における上部、右部、左部の夫々前面側に透明な被貼付部131~133が形成されており、それら被貼付部131~133に、装飾シール(装飾貼付シート)S11~S13が夫々貼付されている。また、始動入賞ユニット54には、入賞樋105の前面側に透明な被貼付部134が形成されており、その被貼付部134に装飾シール(装飾貼付シート)S14が貼付されている。また大入賞ユニット55には、前面側に透明な被貼付部135が形成されており、その被貼付部135に装飾シール(装飾貼付シート)S15が貼付されている。なお、大入賞ユニット55には、被貼付部135の後側に、LED125aが複数配置されたLED基板125が装着されている。
【0061】
また普通入賞ユニット56には、前面側に透明な被貼付部136が形成されており、その被貼付部136に装飾シール(装飾貼付シート)S16が貼付されている。更に、遊技領域23の外側の所定位置、例えば第3レール部材51cの前面側には、当該遊技機の性能情報を表示する性能情報表示シールS21が貼付されている。それら装飾シールS11~S16、性能情報表示シールS21の詳細については後述する。
【0062】
また図4等に示すように、遊技盤16の裏側に配置された裏ケース138の背面側には、主制御基板141が格納された主制御基板ケース142、演出インターフェース基板143、液晶インターフェース基板144、液晶制御基板145、ROM基板146等が格納された演出基板ケース147が着脱自在に装着されている。
【0063】
また前枠3の裏側には、遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う裏カバー148が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク149とタンクレール150とが、左右一側に払い出し手段32と払出通路151とが夫々装着されており、遊技球が第1大入賞口64a等の入賞口に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク149内の遊技球をタンクレール150経由で払い出し手段32により払い出し、その遊技球を払出通路151経由で上皿33に案内するようになっている。なお、裏カバー148は、透明な合成樹脂製で、演出基板ケース147の略全体と主制御基板ケース142の上部側の一部分とを後側から覆うように配置されている。また、タンクレール150の上側には、各種信号を外部のホール側コンピュータ等に出力するための複数の外部端子152を備えた外部端子基板152aが配置されている。
【0064】
また、前枠3の裏側下部、即ち下部装着部15の裏側には基板装着台153が配置されており、この基板装着台153の背面側に、電源基板154が格納された電源基板ケース155、払出発射制御基板156が格納された払出発射基板ケース157が夫々着脱自在に装着されている。
【0065】
また、前枠3の裏側には、情報表示用の貼付シートが複数貼付されている。即ち、外部端子基板152aの近傍の例えば背面側には、外部端子152の情報を表示する外部端子情報表示シールS22が貼付されている。また、裏カバー148の背面側には裏カバーの開放等に関する注意喚起シールS6が、電源基板ケース155の背面側には高温に関する注意喚起シールS7が夫々貼付されている。また、主制御基板ケース142の背面側には基板管理番号や基板開封情報を表示する主基板情報表示シールS23が貼付される等、各基板ケースには情報表示用の貼付シートが貼付されている。
【0066】
続いて、当該遊技機の各部に貼付されている貼付シートについてその詳細を説明する。まず、情報表示用の貼付シートである注意喚起シールS1~S7について説明する。
【0067】
注意喚起シール(注意喚起情報貼付シート)S1~S7は、注意喚起情報を表示するもので、図10に示すように、対象者(遊技ホール担当者又は遊技者)の注意を引くとともに当該貼付シートが注意を喚起するものであることを示すための第1表示部a1と、注意すべき内容を示す第2表示部a2とが設けられている(注意喚起情報を表示する注意喚起情報表示部)。第1表示部a1は、背景が黄色で、黒色の文字等が表示されており、第2表示部a2は、背景が黒色で、白色の文字等が表示されている。第1表示部a1には、第1注意記号s1と第2注意記号s2とが表示されている。第1注意記号s1は、黒色べた塗りの三角形の中に「!」の抜き文字(背景と同じ黄色)が配置された構成となっている。第2注意記号s2は、黒色のゴシック体よりなる「注意」の文字で構成されている。なお、注意喚起シールS1,S5,S6,S7は遊技ホール担当者を対象とし、その他の注意喚起シールS2,S3,S4は遊技者を対象としている。
【0068】
注意喚起シールS1は、サイドユニット30の着脱作業に関して注意喚起を行うためのもので、図1図3等に示すようにサイドユニット30の所定位置、例えば上面(透光性を有しない被貼付部)に貼付されており、図10(A)に示すように、横長の略矩形状に形成されるとともに上辺に沿って一定幅の領域が第1表示部a1、その下側の領域が第2表示部a2となっている。なお、この注意喚起シールS1を貼付する所定位置は、サイドユニット30の着脱作業時に視認可能な位置であって、遊技中の遊技者が正面視で視認不能または視認困難な位置であることが望ましい。第1表示部a1には、第1注意記号s1が左右両端側に1個ずつ表示され、それらの間の中央部に第2注意記号s2が表示されている。また第2表示部a2には、ゴシック体よりなる「ユニット交換作業時に側面の指挟みに注意して下さい。指挟み注意!」の横書き文字と、指挟みを示す絵記号とが何れも白色で表示されている。
【0069】
注意喚起シールS2は、送風に関して注意喚起を行うためのもので、図1に示すようにサイドユニット30の前面側における送風手段28の近傍であって遊技者が視認可能な位置(透光性を有しない被貼付部)に貼付されており、図10(B)に示すように、横長の略矩形状に形成されるとともに左端側の所定幅の領域が第1表示部a1、その右側の領域が第2表示部a2となっている。第1表示部a1には、第1注意記号s1と第2注意記号s2とが左右に隣接した状態で表示されている。また第2表示部a2には、ゴシック体よりなる「風が出ますので注意してください。」の横書き文字が白色で表示されている。
【0070】
注意喚起シールS3は、可動体の動作及び操作に関して注意喚起を行うためのもので、図1に示すようにサイドユニット30の前面側における枠第2可動体27の近傍であって遊技者が視認可能な位置(透光性を有しない被貼付部)に貼付されており、図10(C)に示すように、被貼付部の形状に合わせて縦長の略矩形状に形成されるとともに上部側領域が第1表示部a1、その下側の領域が第2表示部a2となっている。第1表示部a1には、第1注意記号s1と第2注意記号s2とが上下に隣接して表示されている。また第2表示部a2には、ゴシック体よりなる「ギミックの飛び出しや突然の可動や振動に注意して下さい。手や指の挟み込みに注意して下さい。」の縦書き文字が白色で表示されている。
【0071】
注意喚起シールS4は、上部の可動体の動作や操作ボタン37の操作に関して注意喚起を行うためのもので、図1に示すように下装飾カバー36における操作ボタン37の近傍であって遊技者が視認可能な位置(透光性を有しない被貼付部)に貼付されており、図10(D)に示すように、横長の略矩形状に形成されるとともに上辺に沿って一定幅の領域が第1表示部a1、その下側の領域が第2表示部a2となっている。第1表示部a1には、注意喚起シールS1と同様、第1注意記号s1が左右両端側に1個ずつ表示され、それらの間の中央部に第2注意記号s2が表示されている。また第2表示部a2には、ゴシック体よりなる「頭上役物の飛出しに注意して下さい。破損の恐れがありますので、ボタンを強く押さないで下さい。」の横書き文字が白色で表示されている。
【0072】
注意喚起シールS5は、金属部品によるケガに関して注意喚起を行うためのもので、図2に示すようにガラス扉7の背面の所定箇所、例えば下皿案内ユニット43b又はその近傍に貼付されており、図10(E)に示すように、横長の略矩形状に形成されるとともに上辺に沿って一定幅の領域が第1表示部a1、その下側の領域が第2表示部a2となっている。第1表示部a1には、注意喚起シールS1等と同様、第1注意記号s1が左右両端側に1個ずつ表示され、それらの間の中央部に第2注意記号s2が表示されている。また第2表示部a2には、ゴシック体よりなる「金属部品のエッジに注意して下さい。」の横書き文字が白色で表示されている。
【0073】
注意喚起シールS6は、危険部位や裏カバー148の開放に関して注意喚起を行うためのもので、図4に示すように前枠3の裏側の所定箇所、例えば裏カバー148の背面側に貼付されており、図10(F)に示すように、横長の略矩形状に形成されるとともに上辺に沿って一定幅の領域が第1表示部a1、その下側の領域が第2表示部a2となっている。第1表示部a1には、注意喚起シールS1等と同様、第1注意記号s1が左右両端側に1個ずつ表示され、それらの間の中央部に第2注意記号s2が表示されている。また第2表示部a2には、ゴシック体よりなる「感電、エッジに注意して下さい。裏カバーの開放に注意して下さい。」の横書き文字が白色で表示されている。
【0074】
注意喚起シールS7は、高温部位に関して注意喚起を行うためのもので、図4に示すように、所定温度(例えば50°C)以上の熱を発する電子部品を搭載する電源基板を収容する電源基板ケース155の背面側に貼付されており、図10(G)に示すように、横長の略矩形状に形成されるとともに上辺に沿って一定幅の領域が第1表示部a1、その下側の領域が第2表示部a2となっている。第1表示部a1には、注意喚起シールS1等と同様、第1注意記号s1が左右両端側に1個ずつ表示され、それらの間の中央部に第2注意記号s2が表示されている。また第2表示部a2には、ゴシック体よりなる「電源基板高温注意」の横書き文字が白色で表示されている。
【0075】
以上の注意喚起シールS1~S7は、外形形状、大きさ、表示内容やレイアウトは夫々異なるものの、基本的構成、即ち印刷の版数や使用される色数、糊の配置等については全て共通となっている。なお、これらの注意喚起シールをむやみに配置すると注意喚起の効果が薄れるため、例えば高温注意の注意喚起シールS7は所定温度以上となる部位を備える基板ケース等にのみ貼付し、それ以外の基板ケース等には貼付しないなど、注意喚起シールは真に必要な部位に絞って貼付することが望ましい。
【0076】
図11は、一例として注意喚起シールS1の基本的構成を示している。注意喚起シールS1は、図11(A),(B)に示すように、PET、紙等の素材よりなる白色の本体シートに対して、その表面(上面)側に、シルク印刷等により黄色(Y版)、黒色(K版)の2版で印刷を行い、また裏面側にはその全面に糊を付着させた全面糊層(糊版)が設けられている。各版(第1~3版)の態様は図11(a)~(c)のようになっている。このように、注意喚起シールS1~S7は、印刷の版数が3、印刷による色数(生地色の白色は除く)が2で、全面糊層が採用されており、その全面が非透明で且つ非透光性を有するものとする。
【0077】
以上のように、注意喚起シールS1~S7は、部品を再利用する場合でも貼り替える可能性が低く、また注意喚起シールS1~S4は遊技者が、注意喚起シールS5~S7は遊技ホール担当者が夫々手で触れる可能性があるため、剥がしやすさよりも剥がれにくさ、及びコストを優先して全面糊層を採用している。なお、その意味では粘着力が比較的強い糊を使用することが望ましい。また、注意喚起シールS1~S7は透明部分を有していないため、透明度の高い糊を使用する必要はなく、その点でもコストを抑えることができる。
【0078】
また、注意喚起シールS1~S7はあくまでも注意喚起を目的とするものであって、装飾を目的とするものではないから、色数や版数をなるべく少なくしてコストを抑えつつ、黒色と黄色/白色のコントラストによって人の目に付きやすくしている。また、複数(ここでは全て)の注意喚起シールS1~S7で使用する色数及び色の種類(黄色、黒色、白色)を共通化し、また共通の記号(第1注意記号s1及び第2注意記号s2)を使用し、しかもその色の組合せ(黄色、黒色、白色)を他の種類の貼付シート(後述する特定装飾貼付シートは除く)では使用しないことにより、注意喚起シールであることが一目で分かるようにしている。また、注意喚起シールS1~S7では、全体の色の組合せ(黄色、黒色、白色)だけでなく、第1表示部a1と第2表示部a2とに分けている点や、第1,第2表示部a1,a2における色配置についても共通化している。なお、第1表示部a1には第1,第2注意記号s1,s2のうちの何れか一方、例えば第1注意記号s1のみを表示してもよい。
【0079】
続いて、装飾用の貼付シート(装飾貼付シート)である装飾シールS11~S16について説明する。なお図5図9に示すように、装飾シールS11~S16は全て遊技盤16における遊技領域23内に配置されている。
【0080】
装飾シールS11は、図9に示すように中央表示枠ユニット53における装飾枠93の上部前面側に形成された無色透明の被貼付部131に貼付されている。この装飾シールS11は、図12(A),(B)に示すように、PET等の素材よりなる無色透明の本体シートに対して、その裏面(底面)側に、シルク4版(CMYKカラー)+シルク白(100%)版+糊版による印刷が施されている。このように、装飾シールS11は、印刷の版数が6、印刷による色数が5となっている。
【0081】
第1~4版は、夫々シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、黒色(K)で、それら三原色+黒色によってフルカラーのイラストが形成されている。もちろん、三原色のみで黒色を表現する場合には第4版(黒色)は省略してもよいが、三原色のみでは完全な黒色を表現することはできないので、独立した黒色の版を用いることが望ましい。
【0082】
装飾シールS11に描かれているイラスト(装飾)は、図12(a)に示すように、平地とそこに生える樹木及びその後ろの山々よりなる第1装飾部161と、空に浮かぶ太陽とその両側の「SUN」の文字よりなる第2装飾部162とで構成されており、空にあたる部分については、第2装飾部162を除き、装飾が施されていない非装飾部163となっている。
【0083】
第5版は、白(100%)により装飾の裏側から白打ちを行うもので、図12(b)に示すように、その領域は第1装飾部161の領域と一致しており、第2装飾部162、非装飾部163の領域には白打ちが行われないようになっている。この白100%による白打ちを行うと、その領域(ここでは第1装飾部161に対応する領域)は光を殆ど通さない状態(遮光率90%以上)となる。このように、白100%による白打ちが施された領域は、僅かな透光性を有しているものの、実質的に光を通さないものとして差し支えないので、本実施形態では非透光性(即ち遮光版)として説明する。この白打ちが行われない領域については、非装飾部163は無色透明のままとなり、第2装飾部162は透光性で、色の種類や濃淡に応じて有色透明又は有色不透明(ここでは有色不透明とする)となる。これにより、透明本体板50の後側に配置されているLED81a等の発光手段からの光は、透明な被貼付部131等を透過した後、第2装飾部162及び非装飾部163を透過する。
【0084】
第6版は糊版で、この装飾シールS11の糊層は、図12(c)に示すように、糊が付着している糊部164と糊が付着していない糊なし部165とを有する部分糊層となっている。また糊部164は、透明シートの外周に沿う略一定幅の外周領域164a(図12(c)における一点鎖線の外側の領域)と、装飾が施された装飾部(第1装飾部161及び第2装飾部162)に対応する装飾領域164bとを結合した領域に形成されている。なお、この装飾シールS11では、装飾領域164bは非透明部でもある。
【0085】
このように装飾シールS11では、外周に沿う外周領域164aと、装飾が施された装飾部161,162に対応する装飾領域164b(非透明部でもある)とを糊部164とし、それ以外の部分を糊なし部165とした部分糊層を採用しているため、糊の粘着力が同じでも、全面糊層を採用する場合と比較して全体としての貼付強度を抑制でき、また外周領域のみに糊部を設ける場合と比較して貼付の安定感を高めることができ、貼付シートの貼付強度を一定以上に保った上で、中央表示枠ユニット53を再利用する際の貼り替え時の作業性を高めることが可能である。また、外周領域164aを除き、非装飾部や透明部には糊が付着しないため、非装飾部、透明部の透光性、透明度を高く維持できる。
【0086】
装飾シールS12は、図9に示すように中央表示枠ユニット53における装飾枠93の右部前面側に形成された無色透明の被貼付部132に貼付されている。この装飾シールS12は、図13(A),(B)に示すように、PET等の素材よりなる無色透明の本体シートに対して、その裏面(底面)側に、シルク4版(CMYKカラー)+シルク白(100%)版+黒押さえ版+シルク白(50%)版+糊版による印刷が施されており、更に第5版(シルク白100%)と第6版(黒押さえ)との間にはホログラムが配置されている。このように、装飾シールS12は、印刷の版数(ホログラムは含まない)が8、印刷による色数が6(シルク4版の黒色と黒押さえの黒色を同色、白100%と白50%を異なる色とした場合)となっている。
【0087】
第1~4版は、夫々シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、黒色(K)で、それら三原色+黒色によってフルカラーのイラストが形成されている。装飾シールS12に描かれているイラスト(装飾)は、図13(a)に示すように、子供、蝶、トンボ、樹木よりなる第1装飾部171と、それらの背景部分である第2装飾部172とで構成されている。
【0088】
また、第1装飾部171の領域内には、装飾が施されていない非装飾部173~175が設けられている。非装飾部(発光部)173は、普通図柄表示手段69を構成するLED(報知用の発光体)69a,69b、普通保留個数表示手段70を構成するLED(報知用の発光体)70a~70dに対応するもので、互いに近接した状態で配列された所定個数(6個)の円形領域で構成されている。非装飾部(発光部)174は、第2特別図柄表示手段72を構成する7セグLED(報知用の発光体)に対応するもので、1つの長方形領域で構成されている。非装飾部(発光部)175は、右打ち報知手段60を構成するLED(報知用の発光体)60aに対応するもので、1つの三角形領域で構成されている。
【0089】
第5版及び第7版は、装飾の裏側から白打ちを行うもので、第5版は100%の白色が、第7版は50%の白色が用いられる。第5版(白打ち100%)の領域は、図13(b)に示すように非装飾部173~175を除く第1装飾部171の領域と一致しており、非装飾部173~175及び第2装飾部172の領域には100%の白打ちが行われないようになっている。この白(100%)による白打ちを行うと、その領域は光を殆ど通さない非透光性を示すものとする。第7版(白打ち50%)の領域は、図13(d)に示すように非装飾部(発光部)173~175の領域と一致している。この白(50%)による白打ちを行うと、その領域(非装飾部173~175)は透光性を有するが不透明となる(透光部、非透明部)。このように、第5版(白打ち100%)と第7版(白打ち50%)とは、同一色(白色)で透光率が異なっている。
【0090】
第6版は、ホログラムの定着及び遮光用の黒押さえ版(遮光版)で、図13(c)に示すように非装飾部173~175を除く全領域に対応している。なお、ホログラムの層は転写等の任意の手法で形成されるが、非装飾部173~175に対応する領域については剥離されるようになっている。このように、装飾シールS12では略全面が非透光部となっており、僅かな透光部である非装飾部173~175についても、その後側には報知用の発光体が配置されているため、透明本体板50の後側に配置されているLED83a等の発光手段からの光は殆ど透過しない。
【0091】
第8版は糊版で、この装飾シールS12の糊層は、図13(e)に示すように、糊が付着している糊部176と糊が付着していない糊なし部177とを有する部分糊層となっている。糊なし部177は、非装飾部173に対応する第1糊なし部177aと、非装飾部174に対応する第2糊なし部177bと、非装飾部175に対応する第3糊なし部177cとで構成され、それら第1~第3糊なし部177a~177c以外の全領域が糊部176となっている。
【0092】
第1~第3糊なし部177a~177cは、夫々非装飾部173~175よりも若干広い領域となっており、第1糊なし部177aは、非装飾部173に対応する6個の円形領域が互いに連結して1つの領域(発光領域)を形成し、第3糊なし部177cは、非装飾部175の三角形領域を含む1つの円形領域を形成している。なお、第1糊なし部177aは、非装飾部173に個別に対応する複数(6個)の独立した領域としてもよい。
【0093】
このように装飾シールS12では、普通図柄表示手段69を構成するLED69a,69b、普通保留個数表示手段70を構成するLED70a~70d、第2特別図柄表示手段72を構成する7セグLED、右打ち報知手段60を構成するLED60aに対応する領域を非装飾部173~175とし、その非装飾部173~175の領域に白(50%)による白打ちを施しているため、後側のLEDを目隠ししつつそのLEDからの光は透過させることができ、見栄えと発光による報知機能とを両立させることが可能である。また、非装飾部173~175に対応する領域は糊なし部177a~177cとなっているため、糊による透光性の低下を防止できる。また、第5版と第6版との間にホログラム層を配置しているため、白打ち100%(第5版)が施されていない領域、即ち背景部分である第2装飾部172の領域がキラキラと光を複雑に反射して立体的に見え、それによって第1装飾部171を浮かび上がらせるようになっている。
【0094】
なお、7セグLEDに対応する非装飾部174については白打ち(50%)を行わず無色透明としてもよい。また、非装飾部173~175以外の領域にも糊なし部を設けてもよく、例えば外周に沿う外周領域+α(例えば白打ち100%の領域)を糊部としてもよい。
【0095】
装飾シールS13は、図9に示すように中央表示枠ユニット53における装飾枠93の左部前面側に形成された無色透明の被貼付部133に貼付されている。この装飾シールS13は、図14(A),(B)に示すように、PET等の素材よりなる無色透明の本体シートに対して、その裏面(底面)側に、シルク4版(CMYKカラー)+シルク白(100%)版+シルク白(50%)版+糊版による印刷が施されている。このように、装飾シールS13は、印刷の版数が7、印刷による色数が6(白100%と白50%を異なる色とした場合)となっている。
【0096】
第1~4版は、夫々シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、黒色(K)で、それら三原色+黒色によってフルカラーのイラストが形成されている。装飾シールS13に描かれているイラスト(装飾)は、図14(a)に示すように、蝶、トンボ、クワガタ、樹木よりなる第1装飾部181と、それらの背景部分である第2装飾部182とで構成されている。また、第1装飾部181の領域内には、装飾が施されていない非装飾部183が設けられている。非装飾部(発光部)183は、第1特別図柄表示手段71を構成する7セグLED(報知用の発光体)に対応するもので、1つの長方形領域で構成されている。
【0097】
第5版及び第6版は、装飾の裏側から白打ちを行うもので、第5版は100%の白色が、第6版は50%の白色が用いられる。第5版(白打ち100%)の領域は、図14(b)に示すように非装飾部183を除く第1装飾部181の領域と一致しており、非装飾部183及び第2装飾部182の領域については100%の白打ちが行われないようになっている。この白(100%)による白打ちを行うと、その領域は光を殆ど通さない非透光性を示すものとする。第6版(白打ち50%)の領域は、図14(c)に示すように非装飾部183の領域(発光部)と一致している。この白(50%)による白打ちを行うと、その領域(非装飾部183)は、一定の透光性を有するが不透明となる(透光部、非透明部)。
【0098】
また、白100%、白50%の何れの白打ちも行われない第2装飾部182は透光性を有し(透光部)、色の種類や濃淡に応じて有色透明(透明部)又は有色不透明(非透明部)となる。これにより、透明本体板50の後側に配置されているLED83a等の発光手段からの光は、透明な被貼付部133等を透過した後、第2装飾部182を透過する。なお、7セグLED(発光部)に対応する非装飾部(特定透光部)183の透光率は、第2装飾部(非特定透光部)182の透光率よりも小さくなっている。
【0099】
第7版は糊版で、この装飾シールS13の糊層は、図14(d)に示すように、糊が付着している糊部184と糊が付着していない糊なし部185とを有する部分糊層となっている。また、糊部184は、透明シートの外周に沿う略一定幅の外周領域184a(図14(d)における一点鎖線の外側の領域)と、白打ち(100%)が施された非透光領域184bとを結合した領域に形成されている。なお、7セグLEDに対応する非装飾部183については、その少なくとも一部が透明シートの外周に沿う略一定幅の領域内にあったとしても、糊部184(外周領域184a)からは除外される。
【0100】
このように装飾シールS13では、外周に沿う外周領域184aと、白打ち(100%)が施された非透光領域184bとを糊部184とし、それ以外の部分を糊なし部185とした部分糊層を採用しているため、糊の粘着力が同じでも、全面糊層を採用する場合と比較して全体としての貼付強度を抑制でき、また外周領域のみに糊部を設ける場合と比較して貼付の安定感を高めることができ、貼付シートの貼付強度を一定以上に保った上で、中央表示枠ユニット53を再利用する際の貼り替え時の作業性を高めることが可能である。また、外周領域184aを除き、透光領域である第2装飾部182には糊が付着しないため、透光部の透光性を高く維持できる。また、第1特別図柄表示手段71を構成する7セグLEDに対応する領域を非装飾部183とし、その非装飾部183の領域に白(50%)による白打ちを施しているため、後側のLEDを目隠ししつつそのLEDからの光は透過させることができ、見栄えと発光による報知機能とを両立させることが可能である。
【0101】
また、非装飾部183に対応する領域は糊なし部185となっているため、糊による透光性の低下を防止できる。なお、7セグLEDに対応する非装飾部183については白打ち(50%)を行わず(即ち第6版を省略)、無色透明としてもよい。
【0102】
装飾シールS14は、図9に示すように始動入賞ユニット54における入賞樋105の前面側に形成された無色透明の被貼付部134に貼付されている。この装飾シールS14は、図15(A),(B)に示すように、PET等の素材よりなる無色透明の本体シートに対して、その裏面(底面)側に、シルクマゼンタ(M)版+シルク黒色(K)版+シルク白(100%)版+糊版による印刷が施されている。このように、装飾シールS14は、印刷の版数が4、印刷による色数が3となっている。
【0103】
第1版はマゼンタ(M)で、図15(a)に示すように透明シートの略中央に「夏」という文字を形成している。第2版は黒色(K)で、図15(b)に示すように「夏」という文字の縁取りを形成している。第3版は、白(100%)により装飾の裏側から白打ちを行うもので、図15(c)に示すように、その領域は第1,2版で形成された「夏」という文字の領域と一致している。この白(100%)による白打ちを行うと、その領域(ここでは「夏」の文字領域)は光を殆ど通さない非透光性を示すものとする。この白打ちが行われない周辺領域については無色透明のままとなる。
【0104】
第4版は糊版で、この装飾シールS14の糊層は、図15(d)に示すように糊なし部を有しない全面糊層となっている。この装飾シールS14は面積が小さく、面積の大きい装飾シールS11~S13等と同様の部分糊層(外周領域+α(非透光部、装飾部、非透明部))を採用する場合には、糊部の領域は全面糊層の場合とさほど変わらないにも拘わらずコストが高くなるため、費用対効果の観点から全面糊層を採用している。もちろん、外周領域+α(装飾部、非透光部、非透明部)を糊部とし、又は外周領域のみを糊部とする部分糊層を採用してもよい。また、装飾シールS14を貼付する被貼付部134の後側にLEDを配置してもよい。
【0105】
装飾シールS15は、図9に示すように大入賞ユニット55の前面側に形成された無色透明の被貼付部135に貼付されている。大入賞ユニット55内には、遊技球が通過する遊技球通過部(第2傾斜転動路121、振り分け案内通路119a、振り分け手段119等)と、遊技球が通過しない非通過部とが設けられており、装飾シールS15はそれら遊技球通過部と非通過部の前側に跨がって配置されている。なお、この装飾シールS15は、他の装飾シールS11~S14,S16とは異なり、その一部に一又は複数(ここでは4つ)の情報表示部を設けている(特定装飾貼付シート)。
【0106】
また装飾シールS15は、図16(A),(B)に示すように、PET等の素材よりなる無色透明の本体シートに対して、その裏面(底面)側に、シルク4版(CMYKカラー)+シルク白(100%)版+糊版による印刷が施されている。このように、装飾シールS15は、印刷の版数が6、印刷による色数が5となっている。
【0107】
第1~4版は、夫々シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、黒色(K)で、それら三原色+黒色によってフルカラーのイラスト(装飾)及び情報表示部が形成されている。装飾シールS15に描かれているイラスト(装飾)は、図16(a)に示すように、大入賞ユニット55における第2傾斜転動路121(図5参照)の前側の領域を挟んでその上側の第1装飾部191と下側の第2装飾部192とで構成されており、第2傾斜転動路(遊技球通過部)121の前側の領域は装飾が施されない第1非装飾部193となっている。第1装飾部191は、子供、蝶、樹木よりなる第1主要装飾部191aと、それらの背景部分である第1背景装飾部191bとで構成されている。第2装飾部192内には、振り分け案内通路(遊技球通過部)119a及び振り分け手段(遊技球通過部)119(図5参照)の前側に対応する第2非装飾部194と、「SUMMER VACATION」の文字を形成する文字装飾部192aとが設けられている。
【0108】
ここで、文字装飾部192aを構成する「SUMMER VACATION」の文字列については、前半の「SUMMER」と後半の「VACATION」に分けて上下二段で表示されているが、全体として非水平に羅列されている。即ち、前半の「SUMMER」の文字列は右下がりの傾斜状に羅列され、後半の「VACATION」の文字列については、第2非装飾部194によって途中で分断され、最初の「VA」は上側の「SUMMER」に沿って右下がりの傾斜状に、残りの「CATION」は第2非装飾部194の下側に沿って略水平に羅列されている。このように、文字装飾部192aを構成する文字列は情報の表示ではなく装飾が目的であるため、読みやすさよりもデザイン性を重視し、少なくとも一部が非水平となるように崩して配置されている。
【0109】
また装飾シールS15には、第1注意喚起情報表示部301、第2注意喚起情報表示部302、著作権情報表示部303、二次元コード表示部304の4つの情報表示部が、第2傾斜転動路121、振り分け案内通路119a等の遊技球通過部の前側を避けて夫々非通過部の前側に対応する所定位置(ここでは装飾シールS15の外周部近傍)に配置されている。
【0110】
第1注意喚起情報表示部301は、遊技ホール担当者に向けて、遊技盤16の着脱作業及び清掃作業に関して注意喚起を行うための第1注意喚起情報を表示するもので、図16(a)に示すようにここでは装飾シールS15の右下部、即ち第2傾斜転動路121(図5参照)の下側の第2装飾部192における右端部近傍に配置されている。第1注意喚起情報表示部301は、図18(a)に示すように正方形に近い略矩形状に形成されるとともに上辺に沿って一定幅の領域が第1表示部a1、その下側の領域が第2表示部a2となっている。なお、第1,第2表示部a1,a2については、注意喚起シールS1~S7と同様、対象者(遊技ホールの担当者等又は遊技者)の注意を引くとともに当該情報表示部が注意を喚起するものであることを示す部分が第1表示部a1、注意すべき内容を示す部分が第2表示部a2となっている。
【0111】
第1表示部a1は、背景が黄色で、黒色べた塗りの三角形の中に「!」の抜き文字(背景と同じ黄色)が配置された第1注意記号s1が左右両端側に1個ずつ表示され、それらの間の中央部に、黒色のゴシック体よりなる「注意」の文字で構成される第2注意記号s2が表示されている。また第2表示部a2は、背景が黒色で、白色のゴシック体よりなる「遊技盤を着脱する際は必ず電源をOFFにして下さい。清掃時には洗剤を使用しないで下さい。」の文字が横書き複数行で表示されている。ここで、第1注意喚起情報表示部301の注意喚起情報を構成する文字列は、装飾を目的とする文字装飾部192aと違って情報伝達を目的としているため、読みやすさを重視して略水平に羅列されている。以上のように、第1注意喚起情報表示部301では、使用する色数及び色の種類(黄色、黒色、白色)、使用する記号(第1注意記号s1及び第2注意記号s2)、第1表示部a1と第2表示部a2とに分けている点、第1,第2表示部a1,a2における色配置等を注意喚起シールS1~S7と共通化することにより、注意喚起情報であることが一目で分かるようにしている。
【0112】
なお、第1注意喚起情報表示部301は、ガラス扉(開閉扉)7(図17に二点鎖線で示す)に設けられた窓孔24aよりも外側に配置されており、ガラス扉7を閉じた状態ではそのガラス扉7の一部に隠れて前側から視認できず、ガラス扉7を開いた状態で前側から視認可能となっている。この第1注意喚起情報表示部301は、遊技者向けではなく遊技ホール担当者向けの注意喚起情報を表示するものであり、しかもその注意喚起情報はガラス扉7を開いた状態で行う遊技盤16の着脱作業等に関するものであるため、上記のように構成することにより、対象者でない遊技者の目には入らないために見栄えがよく、注意喚起が必要な場合に限って対象者(遊技ホール担当者)に向けて適切に注意を喚起できるという利点がある。
【0113】
第2注意喚起情報表示部302は、遊技者に向けて、LED等の光の凝視に関して注意喚起を行うための第2注意喚起情報を表示するもので、図16(a)に示すようにここでは装飾シールS15の下部、即ち第2傾斜転動路121(図5参照)の下側の第2装飾部192における下端部中央付近に配置されている。第2注意喚起情報表示部302は、図18(b)に示すように下辺側が遊技領域23の外縁(下縁)に沿って傾斜状に形成された横長の略台形状に形成されるとともに、左端側の所定幅の領域が第1表示部a1、その右側の領域が第2表示部a2となっている。
【0114】
第1表示部a1は、背景が黄色で、黒色べた塗りの三角形の中に「!」の抜き文字(背景と同じ黄色)が配置された第1注意記号s1と、黒色のゴシック体よりなる「注意」の文字で構成される第2注意記号s2とが左右に隣接した状態で表示されている。また第2表示部a2は、背景が黒色で、白色のゴシック体よりなる「長時間、同じ光を近距離から凝視しないようにしてください。」の文字が横書き複数行で表示されている。ここで、第2注意喚起情報表示部302の注意喚起情報を構成する文字列は、装飾を目的とする文字装飾部192aと違って情報伝達を目的としているため、読みやすさを重視して略水平に羅列されている。以上のように、第2注意喚起情報表示部302では、第1注意喚起情報表示部301と同様、使用する色数及び色の種類(黄色、黒色、白色)、使用する記号(第1注意記号s1及び第2注意記号s2)、第1表示部a1と第2表示部a2とに分けている点、第1,第2表示部a1,a2における色配置等を注意喚起シールS1~S7と共通化することにより、注意喚起情報であることが一目で分かるようにしている。
【0115】
なお、第2注意喚起情報表示部302は、ガラス扉(開閉扉)7に設けられた窓孔24aの内側に、その窓孔24aの縁部に沿って配置されており、ガラス扉7を閉じた状態でも、ガラス窓24を介して前側から視認可能となっている。この第2注意喚起情報表示部302は、遊技者向けの注意喚起情報を表示するものであるため、上記のように構成することで、遊技者が常時視認可能で、且つ見栄えの低下を最小限に抑えることができる。
【0116】
著作権情報表示部303は、当該遊技機に関する著作権情報を表示するためのもので、図16(a)に示すようにここでは第2注意喚起情報表示部(特定情報表示部)302の上側近傍に配置されている。著作権情報表示部303は、図18(b)に示すように、「C」の文字を○で囲んだコピーライトマークと、当該遊技機で利用している著作物(例えばアニメ作品)や著作権者の名称等よりなる著作権情報とが、例えば黒色で横書きされている。ここで、著作権情報表示部303を構成する文字列(コピーライトマークを含む)は、装飾を目的とする文字装飾部192aと違って情報伝達を目的としているため、読みやすさを重視して略水平に羅列されている。なお、著作権情報表示部303を含む一定の領域は、背景が透明な透明背景領域305となっている。
【0117】
二次元コード表示部304は、当該装飾シールS15の種類を示す情報を構成するQRコード(登録商標)その他の二次元コードを表示するもので、図16(a)に示すようにここでは装飾シールS15の左端部、即ち第2傾斜転動路121(図5参照)の下側の第2装飾部192における左上端部近傍に配置されている。また、二次元コード表示部304は、白色の背景に対して二次元コードが黒色で表示されているが、その背景部分が二次元コードの周囲に拡張されており、その拡張部分が、装飾等を排除した空白部となっている。この空白部を設けることで、二次元コードの周囲への埋没を防止して視認性を確保できるとともに読み取りエラー等を防止できる。この二次元コード表示部304は、コードリーダーによる読み取りの正確性を担保するため、非透光性の領域(後述する白打ち領域)内に配置することが望ましい。
【0118】
なお、二次元コード表示部304は、読み取りを行う際に前側に遮蔽物がない位置に配置すればよく、読み取りを行うタイミング以外は前側に遮蔽物が存在して前側から視認できない位置に配置してもよい。例えば、大入賞ユニット55単体の状態(遊技盤16に装着される前の状態)で読み取りが行われる二次元コードの場合には、遊技盤16に装着した状態、或いはその遊技盤16を前枠3に装着した状態では前側から見えない位置に配置してもよい。また、遊技盤16単体の状態(前枠3に装着される前の状態)で読み取りが行われる二次元コードの場合には、遊技盤16を前枠3に装着した状態では前側から見えない位置に配置してもよい。また、ガラス扉7を開放した状態で読み取りが行われる二次元コードの場合には、ガラス扉7を閉じた状態ではそのガラス扉7の一部に隠れて前側から視認できず、ガラス扉7を開いた状態で前側から視認可能な位置に配置してもよい。
【0119】
第5版は、白(100%)により装飾の裏側から白打ちを行うもので、その領域は、図16(b)に示すように、第1主要装飾部191aと、第2装飾部192における第2非装飾部194、文字装飾部192a及び透明背景領域305を除く領域と一致している。また、文字装飾部192aに対応する領域は、大きさの違う任意形状(ここでは円形)のドットを所定パターンで分布させることにより白打ち密度に濃淡を持たせた半白打ち領域となっている。この白(100%)による白打ちを行うと、その領域は光を殆ど通さない非透光性を示すものとする。このように、第1注意喚起情報表示部301、第2注意喚起情報表示部302、二次元コード表示部304に対応する領域は、白(100%)による白打ちが行われることにより、非透明で且つ非透光性を有している。
【0120】
この白打ちが行われない領域については、第1非装飾部193及び第2非装飾部194は無色透明のままとなり、第1背景装飾部191bは透光性で色の種類や濃淡に応じて有色透明又は有色不透明となり、透明背景領域305は著作権情報表示部303の背景が無色透明となる。また、半白打ち領域である文字装飾部192aは、白打ちドット部分が非透光性となり、その隙間は、透光性で色の種類や濃淡に応じて有色透明又は有色不透明となる。このように、文字装飾部192aについては、透光率一定の白打ちを使用しつつ、実質的に透光率を変化させることが可能となる。
【0121】
このように装飾シールS15では、第2傾斜転動路121、振り分け案内通路119a及び振り分け手段119(何れも遊技球通過部)の前側に対応する第1非装飾部193及び第2非装飾部194は透明部となっており、前側からこの透明部を介して遊技球の通過を視認可能である。また、大入賞ユニット55の後部側に配置されているLED125a等の発光手段からの光は、透明な被貼付部135等を透過した後、第1背景装飾部191b、第1非装飾部193、第2非装飾部194等を透過する。
【0122】
なお、LED125aは、点発光を防止するべく、第1主要装飾部191aその他の非透光部に対応してその後側に配置することが望ましい。但し、それら非透光部のうち、第1注意喚起情報表示部301、第2注意喚起情報表示部302、二次元コード表示部304等の情報表示部については、情報の読み取りやすさを重視するため、その後側にはLED(発光手段)125aを配置しないことが望ましい。
【0123】
第6版は糊版で、この装飾シールS15の糊層は、図16(c)に示すように糊が付着している糊部195と糊が付着していない糊なし部196とを有する部分糊層となっている。また糊部195は、透明シートの外周に沿う略一定幅の外周領域195a(図16(c)における一点鎖線の外側の領域)と、白打ち(100%)が施された領域(半白打ち領域である文字装飾部192aを除く)に対応する非透光領域195b(非透明部でもある)とを結合した領域に形成されている。なお、この装飾シールS15では、非透光領域195bは装飾領域の一部でもある。
【0124】
このように装飾シールS15では、外周に沿う外周領域195aと、白打ち(100%)が施された領域の一部に対応する非透光領域195bとを糊部195とし、それ以外の部分を糊なし部196とした部分糊層を採用しているため、糊の粘着力が同じでも、全面糊層を採用する場合と比較して全体としての貼付強度を抑制でき、また外周領域のみに糊部を設ける場合と比較して貼付の安定感を高めることができ、貼付シートの貼付強度を一定以上に保った上で、大入賞ユニット55を再利用する際の貼り替え時の作業性を高めることが可能である。また、外周領域195aを除き、透光領域である第1背景装飾部191bは糊なし部196に対応しているため、透光性を高く維持できる。また、第1,第2非装飾部193,194に対応する領域(透明部)についても外周領域195aを除いて糊なし部196となっているため、糊による透明度の低下を防止でき、第2傾斜転動路121、振り分け案内通路119a、振り分け手段119内の遊技球に対する視認性を高く維持できる。
【0125】
装飾シールS16は、図9に示すように普通入賞ユニット56の前面側に形成された無色透明の被貼付部136に貼付されている。この装飾シールS16は、図19(A),(B)に示すように、PET等の素材よりなる無色透明の本体シートに対して、その裏面(底面)側に、シルク4版(CMYKカラー)+シルク白(100%)版+糊版による印刷が施されている。このように、装飾シールS13は、印刷の版数が6、印刷による色数が5となっている。
【0126】
第1~4版は、夫々シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、黒色(K)で、それら三原色+黒色によってフルカラーのイラストが形成されている。装飾シールS16に描かれているイラスト(装飾)は、図19(a)に示すように、てんとう虫、トンボよりなる第1装飾部201と、それらの背景部分である第2装飾部202とで構成されている。
【0127】
第5版は、白(100%)により装飾の裏側から白打ちを行うもので、図19(b)に示すようにその領域は第1装飾部201と一致している。この白(100%)による白打ちを行うと、その領域は光を殆ど通さない非透光性を示すものとする。この白打ちが行われない第2装飾部202の領域については、透光性で色の種類や濃淡に応じて有色透明又は有色不透明となる。
【0128】
第4版は糊版で、この装飾シールS16の糊層は、図19(c)に示すように糊なし部を有しない全面糊層となっている。この装飾シールS16は細長状で面積も比較的小さく、他の装飾シールS11~S13,S15等と同様の部分糊層(外周領域+α(非透光部、装飾部、非透明部))を採用する場合には、糊部の領域は全面糊層の場合とさほど変わらないにも拘わらずコストは高くなるため、費用対効果の観点から全面糊層を採用している。もちろん、外周領域+α(装飾部、非透光部、非透明部)を糊部とし、又は外周領域のみを糊部とする部分糊層を採用してもよい。また、装飾シールS16を貼付する被貼付部136の後側にLEDを配置してもよい。
【0129】
なお、以上の装飾シールS11~S16で使用する糊の粘着力は、上述した注意喚起シールS1~S7、及び後述する性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23等で使用する糊の粘着力よりも弱くしている。これにより、張り替え作業がより容易になるとともに、糊残りを生じにくくすることができる。
【0130】
続いて、情報表示用の貼付シートである性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23について説明する。性能情報表示シールS21は、当該遊技機の性能情報を表示するもので、図5図8に示すように、遊技盤16における遊技領域23の外側の所定位置、例えば第3レール部材51cの下部前面側に貼付されており、図20(A)に示すように、第3レール部材51cの形状に合わせて上縁側が右上がりの傾斜状に形成された横長の台形状に形成され、当該遊技機の型式名211の他、賞球数情報212、大当り確率情報213、二次元コード214等が、白地に黒色の文字等で表示されている。
【0131】
この性能情報表示シールS21は、図21(A),(B)に示すように、PET、紙等の素材よりなる白色の本体シートに対して、その表面(上面)側に、シルク印刷等により黒色(K版)の1版(1色)で印刷を行い、また裏面側にはその全面に糊を付着させた全面糊層(糊版)が設けられている。各版(第1,2版)の態様は図21(a),(b)のようになっている。このように性能情報表示シールS21は、印刷の版数が2、印刷による色数(生地色の白色は除く)が1で、全面糊層が採用されており、その全面が非透明で且つ非透光性を有するものとする。なお、性能情報表示シールS21の後側にはLEDは配置されていない。
【0132】
この性能情報表示シールS21は、遊技機の性能情報を表示しているため、部品を再利用する場合には貼り替える可能性があるが、装飾を目的とするものではなく、また遊技領域23の外側に配置されていることから、本実施形態ではコスト等を優先して全面糊層を採用している。また、情報の見やすさが担保されればよく、見栄えは重視されないため、版数や色数をなるべく少なくしてコストを抑えている。
【0133】
外部端子情報表示シールS22は、外部端子に関する情報を表示するもので、図4に示すように前枠3の裏側における外部端子基板152aの近傍(透光性を有しない被貼付部)に貼付されており、図20(B)に示すように、外部端子基板152aに対応するように横長矩形状に形成され、複数個(12個)の外部端子152毎に、端子色とそれに対応する出力信号の種類等が、黄色地に黒色の文字等で表示されている。なお、12個の外部端子152のうち、左側の2個が払出発射制御基板156の制御下にある第1外部端子、残りの10個が主制御基板141の制御下にある第2外部端子となっているため、前枠3に貼付されているこの外部端子情報表示シールS22には、2個の第1外部端子に対しては「賞球」,「扉・枠開放」等の具体的な出力信号の種類が表示され、残り10個の第2外部端子に対しては出力信号の種類ではなく「情報端子1」~「情報端子10」等の端子番号が表示されている。第2外部端子から出力される出力信号の種類についての情報は、遊技盤16上の任意の位置、例えば主制御基板ケース142の背面側に貼付される外部端子情報表示シール(図示省略)に表示される。
【0134】
外部端子情報表示シールS22は、図22(A),(B)に示すように、PET、紙等の素材よりなる黄色の本体シートに対して、その表面(上面)側に、シルク印刷等により黒色(K版)の1版(1色)で印刷を行い、また裏面側にはその全面に糊を付着させた全面糊層(糊版)が設けられている。各版(第1,2版)の態様は図22(a),(b)のようになっている。このように外部端子情報表示シールS22は、印刷の版数が2、印刷による色数(生地色の黄色は除く)が1で、全面糊層が採用されており、その全面が非透明で且つ非透光性を有するものとする。なお、外部端子情報表示シールS22の後側にはLEDは配置されていない。
【0135】
この外部端子情報表示シールS22は、前枠3側に貼付されており、払出発射制御基板156の制御下にある第1外部端子の情報を表示するものであるため、張り替えの可能性は低く、従って本実施形態ではコストや剥がれにくさを優先して全面糊層を採用している。また、情報の見やすさが担保されればよく、見栄えは重視されないため、版数や色数をなるべく少なくしてコストを抑えている。
【0136】
主基板情報表示シールS23は、主制御基板141に関する情報を表示するもので、図4に示すように透明な主制御基板ケース142の背面側に貼付されており、図20(C)に示すように、透明シートにより略矩形状に形成されている。この主基板情報表示シールS23には、主基板管理番号等を表示するための管理番号表示エリア221と、開封者と開封年月日とを記入するための複数組の開封情報記入エリア222とが白色べた塗りの領域として形成されており、管理番号表示エリア221の近傍には「主基板管理番号」の文字が、開封情報記入エリア222の近傍には開封順を示す番号と「開封者」,「開封年月日」の文字が夫々黒色で表示されている。
【0137】
主基板情報表示シールS23は、図23(A),(B)に示すように、PET等の素材よりなる無色透明の本体シートに対して、その表面(上面)側に、シルク印刷等により白色(100%)で印刷を行い、また裏面側には黒色(K版)の印刷と、全面に糊を付着させた全面糊層(糊版)が設けられている。各版(第1~3版)の態様は図23(a)~(c)のようになっている。このように本実施形態では、開封情報記入エリア222には後から手書き等により情報が記入されることを考慮して、開封情報記入エリア222等を構成する白色(100%)の版を本体シートの表面(上面)側に配置している。なお、管理番号表示エリア221には、後に行われる別工程で機種毎の主基板管理番号等が印刷される。このように主基板情報表示シールS23は、印刷の版数が3、印刷による色数が2で、全面糊層が採用されており、その少なくとも一部が透光性を有し、更にその少なくとも一部が透明となっている。
【0138】
この主基板情報表示シールS23は、遊技機本体の裏側の主制御基板ケース142に貼付されており、主制御基板141に関する情報を表示するものであるため、張り替えの可能性は低く、従って本実施形態ではコストや剥がれにくさを優先して全面糊層を採用している。また、装飾を目的とするものではなく、情報の見やすさが担保されればよいため、版数や色数をなるべく少なくしてコストを抑えている。なお、主基板情報表示シールS23の後側にはLEDは配置されていないが、後側の基板に実装された電子部品が見えるように透明のシートを採用している。
【0139】
以上説明したように、本パチンコ機では、裏面に糊層を有する装飾シール(貼付シート)S11~S16を、透明な被貼付部131~136に夫々貼付しているが、それら装飾シールS11~S16のうち、装飾シールS11~S13,S15については、糊層に、糊が付着している糊部と付着していない糊なし部とを設けている。そして、装飾シールS11については、図12に示すように、透明部、透光部、非装飾部に対応する領域の少なくとも一部に糊なし部を設け、貼付シートの外周に沿う領域と、非透明部、非透光部、装飾部に対応する領域との少なくとも一部に糊部を設けている。また、装飾シールS12については、図13に示すように、透光部、非装飾部に対応する領域の少なくとも一部に糊なし部を設けている。また、装飾シールS13については、図14に示すように、透光部、非装飾部に対応する領域の少なくとも一部に糊なし部を設け、貼付シートの外周に沿う領域と、非透光部、装飾部に対応する領域との少なくとも一部に糊部を設けている。また、装飾シールS15については、図16に示すように、透明部、透光部、非装飾部に対応する領域の少なくとも一部に糊なし部を設け、貼付シートの外周に沿う領域と、非透明部、非透光部、装飾部に対応する領域との少なくとも一部に糊部を設け、遊技球が通過する遊技球通過部、即ち第2傾斜転動路121、振り分け案内通路119a及び振り分け手段119の前側に透明部を配置している。
【0140】
また、装飾シールS12については、普通図柄表示手段69を構成するLED(報知用の発光体)69a,69b、普通保留個数表示手段70を構成するLED(報知用の発光体)70a~70d、第2特別図柄表示手段72を構成する7セグLED(報知用の発光体)、右打ち報知手段60を構成するLED(報知用の発光体)60aに対応する非装飾部(発光部)173~175を設け、その非装飾部(発光部)173~175に対応する領域を透光部として糊なし部を設けている。装飾シールS13についても同様に、第1特別図柄表示手段71を構成する7セグLED(報知用の発光体)に対応する非装飾部(発光部)183を設け、その非装飾部(発光部)183に対応する領域を透光部として糊なし部を設けている。
【0141】
また、装飾シールS11~S13,S15(装飾用の第1貼付シート)は、糊が付着している糊部と付着していない糊なし部とを有する部分糊層を有しているのに対し、性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23(何れも情報表示用の第2貼付シート)は、糊なし部を有しない全面糊層を有している。
【0142】
また、装飾シールS11~S13,S15(遊技領域内の被貼付部に貼付される第1貼付シート)は、糊が付着している糊部と付着していない糊なし部とを有する部分糊層を有しているのに対し、注意喚起シールS1~S7、性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23(何れも遊技領域外の貼付部に貼付される第2貼付シート)は、糊なし部を有しない全面糊層を有している。
【0143】
また、装飾シールS11~S13,S15(遊技機本体の表側の被貼付部に貼付される第1貼付シート)は、糊が付着している糊部と付着していない糊なし部とを有する部分糊層を有しているのに対し、注意喚起シールS5~S7、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23(何れも遊技機本体の裏側の貼付部に貼付される第2貼付シート)は、糊なし部を有しない全面糊層を有している。
【0144】
また、装飾シールS11,S15(透明部を有する第1貼付シート)は、糊が付着している糊部と付着していない糊なし部とを有する部分糊層を有しているのに対し、注意喚起シールS1~S7、性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22(何れも透明部を有しない第2貼付シート)は、糊なし部を有しない全面糊層を有している。
【0145】
また、装飾シールS11~S13,S15(透光部を有する第1貼付シート)は、糊が付着している糊部と付着していない糊なし部とを有する部分糊層を有しているのに対し、注意喚起シールS1~S7、性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22(何れも透光部を有しない第2貼付シート)は、糊なし部を有しない全面糊層を有している。
【0146】
また、装飾シールS11~S13,S15(遊技者が触れることができない被貼付部に貼付される第1貼付シート)は、糊が付着している糊部と付着していない糊なし部とを有する部分糊層を有しているのに対し、注意喚起シールS1~S4(遊技者が触れることが可能な被貼付部に貼付される第2貼付シート)は、糊なし部を有しない全面糊層を有している。
【0147】
また、糊層の粘着力は、装飾シールS11~S13,S15(装飾用の第1貼付シート)よりも性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23(何れも情報表示用の第2貼付シート)の方が強く、装飾シールS11~S13,S15(遊技領域内の被貼付部に貼付される第1貼付シート)よりも注意喚起シールS1~S7、性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23(何れも遊技領域外の貼付部に貼付される第2貼付シート)の方が強く、装飾シールS11~S13,S15(遊技機本体の表側の被貼付部に貼付される第1貼付シート)よりも注意喚起シールS5~S7、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23(何れも遊技機本体の裏側の貼付部に貼付される第2貼付シート)の方が強く、装飾シールS11,S15(透明部を有する第1貼付シート)よりも注意喚起シールS1~S7、性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22(何れも透明部を有しない第2貼付シート)の方が強く、装飾シールS11~S13,S15(透光部を有する第1貼付シート)よりも注意喚起シールS1~S7、性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22(何れも透光部を有しない第2貼付シート)の方が強く、装飾シールS11~S13,S15(遊技者が触れることができない被貼付部に貼付される第1貼付シート)よりも注意喚起シールS1~S4(遊技者が触れることが可能な被貼付部に貼付される第2貼付シート)の方が強くなっている。
【0148】
また、装飾シールS11~S13,S15(第1貼付シート)と、それよりも面積が小さい装飾シールS14,S16とを比較すると、後者の方が使用する色数、印刷の版数が少なくなっている。また前者では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトの5色以上の色数で印刷されている。
【0149】
また、装飾シールS11~S16(透光性を有する被貼付部に貼付される第1貼付シート)と、注意喚起シールS1~S4、外部端子情報表示シールS22(透光性を有しない被貼付部に貼付される第2貼付シート)とを比較すると、後者の方が使用する色数、印刷の版数が少なくなっている。装飾シールS15では、透光性を有する被貼付部135の後側にLED125aを配置し、装飾シールS15のカラー印刷領域の少なくとも一部、即ち第1背景装飾部191b等を透光性として、後側のLED125aからの光を透過するようになっている。また、装飾シールS12,S13では、同一色で透光率の異なる複数の版(白100%,白50%)を使用している。
【0150】
また、装飾シールS11~S16(装飾用の第1貼付シート)と、注意喚起シールS1~S7、性能情報表示シールS21、外部端子情報表示シールS22、主基板情報表示シールS23(何れも情報表示用の第2貼付シート)とを比較すると、後者の方が使用する色数、印刷の版数が少なくなっている。また、複数種類の注意喚起シールS1~S7で、使用する色数(ここでは3)及び色の種類(黄色、黒色、白色)を同じにしている。
【0151】
また、形状及び/又は表示される注意喚起情報の内容が異なる複数種類の注意喚起シール(注意喚起用貼付シート)S1~S7は、色数が同じで共通の記号(第1注意記号s1,第2注意記号s2)を使用している。また、それら注意喚起シールS1~S7で使用される色の組合せ(黄色、黒色、白色)は、その他の貼付シートでは使用されていない。また、注意喚起シールS1~S4は、遊技者が触れることが可能な被貼付部に貼付されるとともに、糊が略全面に付着している全面糊層を有している。
【0152】
また、装飾シール(装飾貼付シート)S11~S16のうちの装飾シール(特定装飾貼付シート)S15については、その一部に情報表示部、即ち第1注意喚起情報表示部301、第2注意喚起情報表示部302、著作権情報表示部303、二次元コード表示部304を設けている。このように、装飾シールに情報表示部を設けることで、装飾や注意喚起等の複数の目的を達成しつつ装飾シールの数を少なくすることができ、コスト削減が可能となる。
【0153】
装飾シール(特定装飾貼付シート)S15を、遊技球が通過する遊技球通過部と通過しない非通過部の前側に跨がって配置するとともに、情報表示部を非通過部に対応する位置に配置し、情報表示部の後側にはLED(発光手段)125aを配置しないように構成している。また、装飾シール(特定装飾貼付シート)S15における情報表示部を、装飾シールS15における外周部近傍に配置し、装飾を情報表示部よりも内側に配置している。
【0154】
また、装飾シール(特定装飾貼付シート)S15においては、注意喚起情報表示部である第1注意喚起情報表示部301及び第2注意喚起情報表示部302の他、二次元コード表示部304に対応する領域を非透明としている。二次元コード表示部304は、装飾シール(特定装飾貼付シート)S15の種類を示す情報を構成している。また二次元コード表示部304は、二次元コードと、二次元コードの周囲に設けられた空白部とを有している。
【0155】
また、遊技ホール担当者向けの注意喚起情報を表示する第1注意喚起情報表示部301を、ガラス扉(開閉扉)7を閉じた状態では前側から視認できず、ガラス扉7を開いた状態で前側から視認可能な位置に配置している。この第1注意喚起情報表示部301には、ガラス扉7を開いた状態で遊技ホール担当者が行う作業に関する注意喚起情報を表示している。一方、遊技者向けの注意喚起情報を表示する第2注意喚起情報表示部302については、ガラス扉7を閉じた状態で前側から視認可能な位置に配置している。
【0156】
装飾シール(特定装飾貼付シート)S15における注意喚起情報表示部と、注意喚起シール(注意喚起情報貼付シート)S1等における注意喚起情報表示部は、色数が同じで共通の記号を使用している。また、注意喚起シール(注意喚起情報貼付シート)S1等は、所定色(白色)の非透明シートに対して印刷され、装飾シール(特定装飾貼付シート)S15は、無色の透明シートに対して印刷されている。
【0157】
装飾シール(特定装飾貼付シート)S15は、遊技球が通過する遊技球通過部と通過しない非通過部の前側に跨がって配置するとともに、著作権情報表示部303を非通過部に対応する位置に配置し、著作権情報を構成する文字列は略水平に配置し、装飾を構成する文字列は少なくとも一部を非水平に配置している。また装飾シール(特定装飾貼付シート)S15は、著作権情報表示部303を、著作権情報とは異なる種類の情報を表示する第2注意喚起情報表示部(特定情報表示部)302の近傍に配置している。装飾シール(特定装飾貼付シート)S15は、少なくとも著作権情報表示部303の背景を透明としている。
【0158】
図24及び図25は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、遊技盤16における透明本体板50よりも後側に装飾シール(装飾シート)S17を配置した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、新たに装飾シールS17を追加した点と、その装飾シールS17を貼付するための被貼付部を後部支持部材(所定部材)74上に設けた点のみである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0159】
装飾シールS17は、その少なくとも一部に装飾が施される装飾貼付シート(装飾シート)であるとともに、装飾シールS15と同様、その一部に一又は複数(ここでは1つ)の情報表示部を設けた特定装飾貼付シート(特定装飾シート)でもあり、図24(a),(b)に示すように、透明本体板50の背面側の後部支持部材74に形成された無色透明の被貼付部311に貼付されている。
【0160】
被貼付部311は、後部支持部材74の後壁部75における上部前面側に設けられ、透明本体板50と略平行な平面状に形成されており、その前方には、装飾シールS11が貼付された被貼付部131と、その上側に配置される上部球通路312とが位置している。なお、上部球通路312は、右流下経路95b側を狙っていわゆる右打ちされた遊技球を右流下経路95bまで案内する球通路であり、遊技領域23の上部側に沿って、第1レール部材(遊技部品)51aと中央表示枠ユニット(遊技部品)53の装飾枠93との間(遊技部品が配置されていない位置)に正面視略円弧状に形成されている。なお、図24(b)の例では、被貼付部311は透明本体板50の後方に大きく離間して配置されているが、被貼付部311と透明本体板50との間の距離は任意であり、例えば被貼付部311を透明本体板50の背面に近接又は略当接する位置に配置してもよい。
【0161】
装飾シールS17は、図25(A),(B)に示すように、PET等の素材よりなる無色透明の本体シートに対して、その裏面(底面)側に、シルク4版(CMYKカラー)+シルク白(100%)版+糊版による印刷が施されている。このように、装飾シールS17は、印刷の版数が6、印刷による色数が5となっている。
【0162】
第1~4版は、夫々シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、黒色(K)で、それら三原色+黒色によってフルカラーのイラスト(装飾)及び情報表示部が形成されている。装飾シールS17に描かれているイラスト(装飾)は、図25(a)に示すように、雲を表す第1装飾部313と、それらの背景部分である空を表す第2装飾部314とで構成されている。なお、この装飾シールS17のイラスト(装飾)は、その少なくとも一部が、図24(a)に示すように、前側に配置されている装飾シールS11における非装飾部163(図12参照)の後側に対応してその背景を構成している。
【0163】
また装飾シールS17には、注意喚起情報表示部(情報表示部)315が、上部球通路(遊技球通過部)312の後側に対応する位置に配置されている。注意喚起情報表示部315は、遊技ホール担当者に向けて、遊技盤16の着脱作業に関して注意喚起を行うためのもので、例えば上部球通路312に沿って細長略円弧状に形成されるとともに、図24(c)に示すように、左端側の所定幅の領域が第1表示部a1、その右側の領域が第2表示部a2となっている。
【0164】
第1表示部a1は、背景が黄色で、黒色べた塗りの三角形の中に「!」の抜き文字(背景と同じ黄色)が配置された第1注意記号s1と、黒色のゴシック体よりなる「注意」の文字で構成される第2注意記号s2とが左右に隣接した状態で表示されている。また第2表示部a2は、背景が黒色で、白色のゴシック体よりなる「遊技盤を着脱する際は必ず電源をOFFにして下さい。」の文字が例えば一列状に表示されている。このように、注意喚起情報表示部315では、第1,第2注意喚起情報表示部301,302と同様、使用する色数及び色の種類(黄色、黒色、白色)、使用する記号(第1注意記号s1及び第2注意記号s2)、第1表示部a1と第2表示部a2とに分けている点、第1,第2表示部a1,a2における色配置等を注意喚起シールS1~S7と共通化することにより、注意喚起情報であることが一目で分かるようにしている。
【0165】
なお、注意喚起情報表示部315は、ガラス扉(開閉扉)7に設けられた窓孔24aの内側に、その窓孔24aの縁部に沿って配置されており、ガラス扉7を閉じた状態でも、透明本体板50とガラス窓24とを介して前側から視認可能となっている。
【0166】
第5版は、白(100%)により装飾の裏側から白打ちを行うもので、図25(b)に示すようにその領域は第1装飾部313,第2装飾部314及び注意喚起情報表示部315と一致している(即ちここでは全面)。この白(100%)による白打ちを行うと、その領域は光を殆ど通さない非透光性を示すものとする。
【0167】
第6版は糊版で、この装飾シールS17の糊層は、図25(c)に示すように、糊が付着している糊部321と糊が付着していない糊なし部322とを有する部分糊層となっている。また、糊部321は、透明シートの外周に沿う略一定幅の外周領域に形成されており、それよりも内側の領域は全て糊なし部322となっている。
【0168】
以上説明したように、装飾シールは透明本体板50の後側に配置してもよい。また、装飾シール(装飾貼付シート)のうち、情報表示部を設けた特定装飾貼付シートを透明本体板50の後側に配置する場合、情報表示部を、遊技球が通過する球通路(上部球通路312)の後側に配置してもよい。情報表示部を遊技球通過部の後側に配置すれば、情報表示部が遊技球の視認性を妨げることはなく、また情報表示部が必要以上に目立つことがないため見栄えが極端に低下することもない。
【0169】
なお本実施形態では、遊技球通過部の後側に配置する情報表示部を、遊技ホール担当者向けの注意喚起情報表示部としたが、それ以外の情報表示部、例えば遊技者向けの注意喚起情報表示部を遊技球通過部の後側に配置してもよい。
【0170】
図26は本発明の第3の実施形態を例示し、第1,第2の実施形態における装飾シールS11を一部変更して、光沢を有する光沢版を設けた例を示している。本実施形態が第1,第2の実施形態と異なるのは、装飾シールS11に光沢版を追加した点のみである。
【0171】
図26は、第1の実施形態に係る図12に対応するもので、シルク4版(CMYKカラー)とシルク白(100%)版との間に、銀色等のパスタ光沢版(新たな第5版)が配置されている。なお、光沢版以外の版の態様については第1の実施形態と共通である。このように、本実施形態の装飾シールS11では、印刷の版数が7、印刷による色数が6(光沢を含む)となっている。
【0172】
第5版(光沢版)の領域(光沢領域)は、第2装飾部162の領域と一致している。即ち、第2装飾部162の後側に光沢層が配置される。これにより、第2装飾部162の領域では、その色のまま光沢感が付加され、光を反射してキラキラ光るような見え方となる。
【0173】
なお、光沢版はカラー版よりも上面側に配置してもよい。この場合、光沢領域についてはその後側の色が隠蔽される。また、パスタ光沢版以外の特殊版、例えばチジミ版、シボ版等を用いてもよい。
【0174】
続いて、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて詳述する。図29図37は本発明をパチンコ機である遊技機に採用した第4の実施形態を例示している。遊技盤501は、図29図30に示すように構成されており、機枠(前枠)の遊技盤装着部に着脱自在に装着されている。
【0175】
遊技盤501は概ね矩形状であり、この遊技盤501の前面側には、図29に示すように、遊技領域502と、この遊技領域502を取り囲む外周部材503とが設けられている。遊技領域502の一側には、外周部材503とガイドレール504との間に遊技球の打ち込み通路505が形成されており、機枠側の発射手段により発射された遊技球を、打ち込み通路505を経て遊技領域502の上部へと打ち込むようになっている。
【0176】
遊技領域502の中央部には、画像表示手段506と、この画像表示手段506の前側に対応するセンターケース507とが装着されている。画像表示手段506は液晶式等であって、演出図柄表示手段510等を構成している。センターケース507は、遊技盤501の前面に当接して遊技盤501から前側に突出するように装着されており、内周側に画像表示手段506の表示画面に対応する表示窓508が設けられている。センターケース507の前面には、普通図柄表示手段509、第1特別図柄表示手段511、第2特別図柄表示手段512等が設けられている。
【0177】
遊技領域502には、センターケース507の左右両側に左打ち通路513と右打ち通路514とが設けられている。また遊技領域502には、普通図柄始動手段515、複合入賞手段516、第1特別図柄始動手段517、第2特別図柄始動手段518が配置されている。
【0178】
普通図柄始動手段515は普通図柄表示手段509による図柄始動を開始させるためのもので、通過ゲートにより構成されている。普通図柄表示手段509は普通図柄始動手段515の遊技球の検出を契機に普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の二種類の普通図柄に対応する2個のLED等の発光体により構成されている。即ち、普通図柄表示手段509は普通図柄始動手段515が遊技球を検出することを条件に2個の発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段515による遊技球の検出時に取得された当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合に、当り態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合に外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で夫々点滅を終了する。
【0179】
第1特別図柄始動手段517は、遊技球の検出を契機に第1特別図柄表示手段511による第1図柄変動を開始させるためのものであり、第2特別図柄始動手段518は、遊技球の検出を契機に第2特別図柄表示手段512による第2図柄変動を開始させるためのものである。なお、第1特別図柄始動手段517は非開閉式である。第2特別図柄始動手段518は遊技球が入球不可能(又は入球困難)な閉状態と入球可能(又は入球容易)な開状態とに切り換え可能な開閉式であり、普通図柄表示手段509の変動後の停止図柄が当り態様となって普通利益状態が発生したときに、閉状態から開状態へと所定時間開放するようになっている。
【0180】
第1特別図柄表示手段511、第2特別図柄表示手段512は1個又は複数個の表示手段、例えば特別図柄を変動表示可能なセグメント式等の1個の表示手段により構成されている。そして、各特別図柄表示手段511,512は、対応する特別図柄始動手段517,518に遊技球が入賞することを条件に各特別図柄を所定時間変動表示して、各特別図柄始動手段517,518への入賞時に取得した大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合に、特別図柄が所定の大当り態様(特定態様)で、それ以外の場合に外れ態様で夫々停止する。
【0181】
演出図柄表示手段510は特別図柄表示手段511、512による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄510a~510cを変動表示するもので、1個又は複数個(例えば左右方向に3個)の演出図柄510a~510cを各種の演出画像と共に画像表示手段506の表示画面に変動表示可能に構成されている。
【0182】
演出図柄510a~510cは数字図柄により構成されており、第1特別図柄始動手段517、第2特別図柄始動手段518に遊技球が入賞した場合に、特別図柄の変動開始と同時に複数種類の変動パターンの何れかに従って変動を開始して、特別図柄の停止と同期して略同時に停止する。なお、演出図柄510a~510cは特別図柄が外れ態様で停止する場合には外れ演出態様で停止し、特別図柄が大当り態様で停止する場合には大当り演出態様で停止する。
【0183】
複合入賞手段516は大入賞手段521と普通入賞手段522とを左右に備えて複合化したものであり、この複合入賞手段516には前向きに発光表示可能な発光表示手段529~531が左右方向に複数設けられている。第1特別図柄始動手段517には前向きに発光表示可能な発光表示手段532,533が左右方向の両側に設けられている。なお、発光表示手段529~533はLED発光式のものが採用されているが、他の形式のものでもよい。
【0184】
大入賞手段521は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉式であって、第1特別図柄表示手段511、第2特別図柄表示手段512の変動後の特別図柄が大当り態様となって特別利益状態が発生したときに、所定の開放パターンに従って1回又は複数回開放してその上側から遊技球を入賞させるようになっている。
【0185】
遊技盤501の裏側には、図30に示すように、遊技盤501に装着された裏カバー524と、この裏カバー524の裏側に上下に配置された主制御基板525及び演出制御基板526等が設けられている。裏カバー524は遊技盤501に装着された画像表示手段506、複合入賞手段516、第1特別図柄始動手段517等を裏側から覆うためのものである。主制御基板525は大入賞手段521等による遊技盤501側の遊技動作を制御するためのものであり、主制御基板ケース527に収容されて裏カバー524の裏側に着脱可能に装着されている。
【0186】
演出制御基板526は演出図柄表示手段510の演出図柄510a~510cの変動表示、発光表示手段529~533の発光表示等の各種演出動作を制御するためのものであり、演出制御基板ケース534に収容されて裏カバー524の裏側に着脱可能に装着されている。
【0187】
第1特別図柄始動手段517は、遊技領域502の最下部のアウト球口535の上側近傍に配置されている。この第1特別図柄始動手段517は左右方向に長い横長状であって、図31図33に示すように、遊技盤501の前面に当接し且つ前面側から着脱可能に固定された当接板536と、この当接板536の裏側に設けられ且つ遊技盤501の装着孔537に挿入されるケース部538と、当接板536の左右略中央から前側に突出する第1始動口539と、第1始動口539に入賞した遊技球をケース部538内を経て遊技盤501の裏側へと案内する案内通路540と、第1始動口539に入賞した遊技球を検出する第1始動スイッチ541と、第1始動スイッチ541の近傍に配置された電波センサ542と、第1始動口539の左右両側で当接板536の裏側に設けられた左右一対の発光表示用のLED基板543,544とを有する。
【0188】
当接板536はねじ等の固定具で遊技盤501の前面に固定されており、この当接板536には左右両側に発光表示部545,546が設けられている。ケース部538は、当接板536の裏側に一体に形成された前部側538aと、この前側部538aに対して裏側から着脱可能に装着された後部側538bとを備え、遊技盤501の装着孔537に前側から挿入される挿入部547を構成している。
【0189】
第1始動スイッチ541は、第1始動口539に入賞する遊技球を検出して第1特別図柄表示手段511の第1特別図柄を変動させるためのものであり、遊技球の検出部にコイルを備えた電磁誘導型のものが使用され、第1始動口539の入口側で当接板536、ケース部538等に装着されている。
【0190】
電波センサ542は第1始動スイッチ541を誤動作させるために第1始動スイッチ541の周辺に送信される不正電波を検出するためのもので、第1始動スイッチ541の側方近傍に配置され、ケース部538内のセンサ収容部565内に設けられている。
【0191】
左右のLED基板543,544は、当接板536の左右両側に設けられた発光表示部545,546と共に発光表示手段532,533を構成するもので、各発光表示部545,546に対応してケース部538内の透過壁550に当接板536と略平行に装着されている。LED基板543,544の前面には、発光表示部545,546に光を照射するLED543a,544aが設けられ、またケース部538の左右方向の中央側の裏面に基板側コネクタ552,553が設けられている。
【0192】
なお、当接板536、透過壁550は光透過性を有し、LED543a,544aからの光により発光表示部545,546を発光させることができる。また当接板536及び/又は透過壁550には、当接板536の裏側部分を透視できないように、凹凸模様等の透視阻害部555が設けられている。
【0193】
図35に示すように、第1始動スイッチ541にはハーネス556が、電波センサ542にはハーネス557が、左右のLED基板543,544にはハーネス558,559が夫々接続されている。各ハーネス556~559はケース部538の後壁部560の裏側に引き出されて、留め具563により後壁部560の留め部562に一纏めに留められている。第1始動スイッチ541、電波センサ542側のハーネス556,557は、その先端のハーネス側コネクタ556a,557aを介して主制御基板525に直接的又は間接的に接続可能であり、また左右のLED基板543,544側のハーネス558,559は、その先端のハーネス側コネクタ558a,559aを介して演出制御基板526に直接的又は間接的に接続可能である。
【0194】
第1特別図柄始動手段517の裏側には、図33等に示すように、第1始動スイッチ541の後方側に対応してケース部538の後壁部560の左右方向の略中央に管理情報表示部564が設けられ、この管理情報表示部564に、第1特別図柄始動手段517の管理番号、その他の管理情報が表示されている。ケース部538の後壁部560には、管理情報表示部564の他に、この管理情報表示部564の一側から下側にかけて留め部562、センサ収容部565、引き出し部566が設けられ、またセンサ収容部565に対して引き出し部566と反対側に引き出し部567が設けられている。
【0195】
センサ収容部565は電波センサ542の後部側を収容するもので、図31図33に示すように、後壁部560から後方に突出して設けられており、このセンサ収容部565の後端よりも前側に留め部562と、この留め部562に巻き付けられた留め具563とが配置されている。センサ収容部565と、これに収容された電波センサ542の後部は、ケース部538の後壁部560から後方に突出する突出部568を構成する。
【0196】
ケース部538の後壁部560には、図32図33に示すように、センサ収容部565の左右両側に引き出し部566,567が開口状に設けられている。引き出し部566は、第1始動スイッチ541側のハーネス556と、一方のLED基板543側のハーネス558とをケース部538内から後壁部560の裏側へと引き出すためのものであって、第1始動スイッチ541及び電波センサ542の近傍で左右のLED基板543,544間の略中央に形成されている。引き出し部567は、他方のLED基板544側のハーネス559をケース部538内から後壁部560の裏側へと引き出すためのものであり、LED基板544側の基板側コネクタ553に対応して形成されている。
【0197】
第1始動スイッチ541側のハーネス556は、第1始動スイッチ541の後端側から引き出し部566を経て留め具563側へと後ろ又は後ろ下方に引き出されている。電波センサ542側のハーネス557は電波センサ542の後端側に接続されており、センサ収容部565の後端側の開口状の引き出し部569を経て留め具563側へと前方向に引き出されている。
【0198】
左右一対のLED基板543,544の内、その一方側のLED基板543側のハーネス558は、後壁部560の前側を経て引き出し部566から裏側へと引き出されている。また他方側のLED基板544は、センサ収容部565に対して留め具563と反対側にあり、このLED基板544側のハーネス559は、センサ収容部565の他方側の引き出し部567から裏側へと引き出され、センサ収容部565の他側に沿って後方へと配線された後、センサ収容部565の後端側を経由して留め具563側へと引き出されている。
【0199】
センサ収容部565の後端側には、図32図34に示すように、引き出し部569の上下両側にセンサ収容部565の肉厚分の段部570があり、その一方の段部570と電波センサ542側のハーネス557又はコネクタ557bとの間にハーネス559が配線されている。
【0200】
LED基板544側のハーネス559は、一方の段部570と電波センサ542側のハーネス557又はコネクタ557bとの間に配置され、それらにより、ハーネス559が上下に移動しないように上下両側から位置決めされている。なお、段部570、電波センサ542側のハーネス557又はコネクタ557b等により、上下一対の位置決め部571が構成されている。LED基板544側のハーネス559は、電波センサ542の後端側から留め具563の間では、電波センサ542側のハーネス557と略並行して配線されている。
【0201】
留め部562は引き出し部566に対して電波センサ542と反対側に設けられている。この留め部562は、図32図33図35に示すように、管理情報表示部564と後壁部560の下端との中間部分に後壁部560から後方に突出して上下方向に設けられている。留め部562と後壁部560との間には、左右方向に貫通する通孔572が形成されている。
【0202】
留め部562の上下両側には、留め部562に巻き付けた留め具563が外れないように規制するずれ止め部573が設けられている。なお、留め部562、ずれ止め部573は、側面視形状が略H状に構成されているが、ずれ止め部573の留め部562から後方に突出する部分は省略してもよい。また留め部562は、留め具563が外れないか、又は外れ難い程度のものであれば十分である。
【0203】
ハーネス556~559は、留め部562の近傍では留め部562に沿って上側から下側へと上下方向に配置され、留め部562の対応位置で留め具563により留め部562に一纏めに留められている。
【0204】
なお、各ハーネス556~559の留め具563から先端側は、主制御基板525側のハーネス556,557と、演出制御基板526側のハーネス558,559とに分けて下方に引き出されている。
【0205】
各ハーネス556~559は、第1始動スイッチ541、電波センサ542、LED基板543,544から留め具563までの間では、余分な遊びが生じないように配線されている。また各ハーネス556~559の留め具563から先端側は自在に屈曲可能であり、挿入部547を遊技盤501の装着孔537に挿入して組み立てる際には、留め具563を基準にして自由端側を屈曲させて、挿入部547の外周縁よりも内側又は装着孔537の内周縁よりも内側に退避させることが可能である。
【0206】
当接板536、ケース部538、第1始動口539は光透過性の材料により構成されており、その第1始動口539の後方に留め具563、留め部562が配置されている。一方、第1特別図柄始動手段517の前側には、第1始動口539の前面に貼着された装飾シール580、当接板536及び/又は透過壁550に形成された凹凸模様等の透視阻害部555があり、第1特別図柄始動手段517の前側からは、留め具563、留め部562等が透視できないようになっている。なお、透視阻害部555は他のものによって構成してもよい。
【0207】
留め具563は各ハーネス556~559を一纏めに結束する結束具574が使用されている。この結束具574は例えばポリアミド系等の可撓性を有する合成樹脂製であって、図37(a),(b)に示すように、挿通部575を有するヘッド部576と、このヘッド部576に一体に接続され且つ他端側から挿通部575に挿通して結束するバンド部577とを備えている。
【0208】
挿通部575内には、一方向係合爪578が一体に設けられている。一方向係合爪578はそれ自体の弾性力により、挿通部575内に挿入されたバンド部577側に付勢されている。バンド部577には一方向係合爪578が係合する係合部579がバンド長手方向に多数形成されており、ヘッド部576の挿通部575に挿通してハーネス556~559を留め部562に締め付けたときに、一方向係合爪578が係合部579に係合して締め付け状態を保持するようになっている。なお、ハーネス556~559を結束した後、ヘッド部576から突出するバンド部577の余剰部分は切り取る。
【0209】
各ハーネス556~559は、必要に応じて任意に折り曲げ且つその折り曲げ状態を保ち得るように可撓性及び保形性(又は屈曲性及び保形性)を有するものであって、図36に示すように、複数の導体からなる芯線581の外周を絶縁被覆582で絶縁した素線583を基本に構成されている。各ハーネス556~559は、複数の素線583と、各素線583の一端に設けられたハーネス側コネクタ556a~559aと、各素線583の他端に設けられたハーネス側コネクタ556b~559bとを有する。
【0210】
なお、複数の導体を纏めて芯線581を構成する場合には、導体を撚り合わせない無撚り状態でもよいし、撚り合わせ状態でもよいが、無撚り状態にすれば素線583の可撓性又は屈曲性が向上する。
【0211】
素線583には、芯線581の導体の本数の多少によって線径の異なる複数種類、例えば太素線583a、並素線583b、細素線583cの3種類のものがあり、またそれらを使用するハーネス556~559にも、太素線583aによる太ハーネス583Aと、並素線583bによる並ハーネス583Bと、細素線583cによる細ハーネス583Cの何れかが用いられている。
【0212】
各ハーネス556~559に使用するハーネス583A~583Cの種類を決定するに際しては、通電時の電気信号の大小、信号の組み合わせ数等の条件に応じて太ハーネス583A、並ハーネス583B、細ハーネス583Cの何れかを選択する。なお、図31図33図35においては、便宜上、太ハーネス583Aは太線で、並ハーネス583Bは太一点鎖線で、細ハーネス583Cは太二点鎖線で夫々示す。
【0213】
因みに第1特別図柄始動手段517の場合には、第1始動スイッチ541側のハーネス556は2本の太素線583aを使用した太ハーネス583Aが、電波センサ542側のハーネス557には2本の並素線583bを用いた並ハーネス583Bが、LED基板543,544側のハーネス558,559には4本又はそれ以上の細素線583cを用いた細ハーネス583Cが夫々採用されている。
【0214】
なお、太素線583a、太ハーネス583A、並素線583b、並ハーネス583B、細素線583c、細ハーネス583Cは、太さの異なる三種類の素線、ハーネスを太い方から細い方へと順次識別可能に記載したものであって、第1、第2、第3・・・と記載した場合と同義であって、特定の線径値を意味するものではない。また太素線583a、並素線583b、細素線583cは、芯線581、絶縁被覆582を含む素線583の外径の大小で特定してもよい。
【0215】
第1特別図柄始動手段517には、第1始動スイッチ541、電波センサ542、左右のLED基板543,544等の複数の電気部品541~544があり、その夫々に複数の素線583で構成されたハーネス556~559がハーネス側コネクタ556b~559bを介して接続されて裏側へと引き出されている。しかし、複数の素線583で構成された複数のハーネス556~559があっても、その全ハーネス556~559を留め具563で一纏めに纏めて留めることにより、各ハーネス556~559が素線583毎にバラけた状態にある場合に比較して、その後の取り扱いを容易に行うことができる。
【0216】
第1特別図柄始動手段517の下側には、遊技盤501の遊技領域502からアウト球を内側へと排出するアウト球口535があるが、各ハーネス556~559を留め具563により一纏めに纏めることによって、各ハーネス556~559がアウト球口535側に垂れ下がる等の問題も発生しない。そのため各ハーネス556~559の主制御基板525、演出制御基板526に対する接続作業も容易に行うことができる。
【0217】
また複数のハーネス556~559を留め部562に対して留め具563により一纏めに留めているので、留め具563による留め位置が略一定して安定することとなり、留め位置のバラツキ等を防止することができる。従って、第1特別図柄始動手段517を遊技盤501に組み付ける場合にも、画一的に作業を行うことができる。
【0218】
しかも留め具563はケース部538の留め部562に巻き付けているので、自由端側からハーネス556~559を引っ張る等して留め具563側に外力が加わるようなことがあっても、その外力に対して留め具563、留め部562で抗することができる。そのためハーネス556~559が第1始動スイッチ541、電波センサ542、LED基板543,544から脱落したり、それらの各部品541~544側とハーネス556~559側とのコネクタ間で接触不良が生じる等の問題も解消することができる。
【0219】
また各ハーネス556~559には、2本の太素線583aによる太ハーネス583A、2本の並素線583bによる並ハーネス583B、4本又はそれ以上の細素線583cによる細ハーネス583Cを留め具563で一纏めに留めているので、それらの自由端側に大きな張力が加わった場合にも、太ハーネス583Aでそれよりも細い細ハーネス583Cに加わる張力を分担することが可能となり、細ハーネス583C等の細い側のハーネスの負荷を軽減することができる。
【0220】
各ハーネス556~559を主制御基板525、演出制御基板526に接続するに当たっては、留め具563側を基点として各ハーネス556~559を上向きに引き出して、ハーネス556,557を主制御基板525側に、ハーネス558,559を演出制御基板526側に夫々接続し、アウト球口535内を遊技盤501の裏側へと通過するアウト球と干渉しないようにする。
【0221】
留め具563、留め部562は、ケース部538の後壁部560から後方に突出してハーネス556~559を一纏めに留めている。しかし、留め具563、留め部562の近傍には、これらよりも後方に突出するセンサ収容部565があり、このセンサ収容部565による突出部568の後端よりも前側に留め具563、留め部562があるので、遊技盤501の組み立て工程、その他で第1特別図柄始動手段517を取り扱う際にも、留め具563、留め部562が邪魔になるようなこともない。
【0222】
またLED基板544のハーネス559は、後方に突出するセンサ収容部565(突出部568)の後端側を経由して留め具563側へと引き出しているので、突出部568の上側又は下側を経由して配線する場合に比較して、第1特別図柄始動手段517自体の上下方向の寸法を小さくすることが可能である。
【0223】
LED基板544のハーネス559は、突出部568を構成するセンサ収容部565の後端側を経由して配線されているにも拘わらず、その上下両側に位置決め部571があるため、センサ収容部565の後端側又は左右の両側面でハーネス559に接触した場合でも、それによってハーネス559がセンサ収容部565の上下何れかに移動したり、外れたりするようなことがない。
【0224】
なお、第1始動スイッチ541、電波センサ542のハーネス556,557は、主制御基板525側に接続可能であり、LED基板543,544のハーネス558,559は、演出制御基板526側に接続可能であるため、各ハーネス556~559の留め具563からハーネス側コネクタ556a~559aまでの長さが長くなっている。そこで、遊技盤501に装着する前の段階では、図33に示すように、各ハーネス556~559を接続対象毎に短く折り曲げた後、その折り畳み状態のハーネス556~559を保護キャップ584,585に挿入して保護する。これによって、長いハーネス556~559の垂れ下りを防止することができる。
【0225】
図37に示す結束具574により各ハーネス556~559を結束する際には、バンド部577の自由端側を通孔572に通してハーネス556~559及び留め部562の外周にバンド部577を巻き掛けた後に、そのバンド部577をヘッド部576の挿通部575に挿通して引っ張る。そして、バンド部577を引っ張って締め付けて行くと、係合部579に一方向係合爪578が係合して締め付け状態を保持できるので、ハーネス556~559が留め部562に略密着する程度までバンド部577を引っ張って締め付けた後に、ヘッド部576の近傍でバンド部577の自由端側の余剰部分を切断する。これによって第1始動スイッチ541、電波センサ542、LED基板543,544のハーネス556~559を結束具574により容易に一纏めに纏めて留めることができる。
【0226】
なお、バンド部577によるハーネス556~559の締め付けは、各ハーネス556~559の先端側のハーネス側コネクタ556a~559aが留め具563から抜け出さない程度、例えば大きさの異なる複数のハーネス側コネクタ556a~559aがある場合には、その最小のハーネス側コネクタ556a~559aが留め具563から抜け出さない程度の緩い締め付けでもよい。
【0227】
図38図43は本発明の第5の実施形態における複合入賞手段516を例示する。複合入賞手段516は、図38図43に示すように、遊技盤501の前面に固定された当接板600に大入賞手段521と普通入賞手段522とを左右に備えると共に、大入賞手段521が閉状態のときに右打ち通路514(図29参照)からの遊技球を第1特別図柄始動手段517(図29参照)側へと案内する案内通路601を備えている。
【0228】
当接板600は、遊技盤501の前面に着脱可能に固定されている。当接板600の前側には、大入賞手段521の大入賞口602と、この大入賞口602を開閉する開閉部材603と、この開閉部材603の下流側に配置された通路部604と、普通入賞手段522の普通入賞口605とが設けられ、また大入賞口602等の下側に、普通入賞口605の左右両側から下側に通過して遊技球をアウト球口535へと案内する案内板606が設けられている。当接板600の裏側には、大入賞手段521に対応して略中央に配置された内ケース部607と、この内ケース部607の左右両側から下側に跨がって配置された外ケース部608とが設けられている。
【0229】
複合入賞手段516は遊技盤501に装着する際に、内ケース部607、外ケース部608を遊技盤501の装着孔609に前側から挿入して、当接板600をねじ等の固定手段により遊技盤501に固定する。そのため内ケース部607、外ケース部608は、遊技盤501の装着孔609に挿入する挿入部610を構成する。なお、内ケース部607、外ケース部608は一体に構成してもよい。
【0230】
大入賞手段521の大入賞口602は当接板600の前側で上向きに開口しており、この大入賞口602の開口側に前後方向に出退自在に開閉部材603が設けられている。大入賞口602は、当接板600の裏側の内ケース部607内の入賞通路614から外ケース部608側の排出通路611へと接続されており、この大入賞口602に入賞した遊技球は入賞通路614、排出通路611を経て遊技盤501の裏側へと排出されて行く。内ケース部607内には、入賞通路614を通過する遊技球を検出する入賞スイッチ612が横長状に設けられている。
【0231】
開閉部材603は、連動機構(図示省略)を介して駆動ソレノイド613により開閉可能であり、大入賞口602を閉じた閉状態では、上方から流下する遊技球を受けて通路部604側へと案内するようになっている。案内通路601は、大入賞口602の下手側の通路部604を少なくとも一部とするものであって、大入賞口602が開状態の場合にはその通路部604により構成され、また大入賞口602が閉状態の場合には通路部604とその上手側で閉状態の開閉部材603とにより構成される。入賞スイッチ612はその長手方向を左右方向に向けた状態で入賞通路614の下側に略水平状に配置されており、この入賞スイッチ612を通過した遊技球は、排出通路611を経て遊技盤501の裏側へと案内されて行く。
【0232】
入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613は、内ケース部607の裏側に着脱可能に固定された収容ケース615内に収容されている。駆動ソレノイド613は前後方向に出退する可動鉄心613aを備え、その可動鉄心613aの前後移動により、開閉部材603を前後方向に開閉可能である。収容ケース615は内ケース部607から後方に突出するように、その前端側の取り付け部616がねじ等の固定具617により内ケース部607に着脱可能に固定されている。
【0233】
入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613等の内部機構を収容する収容ケース615は、内ケース部607から後方に突出する第1突出部618を構成する。外ケース部608には、外ケース部608から後方に突出する排出通路611が収容ケース615の下側に対応して設けられており、排出通路611からの遊技球は、その下端の排出口611aから下方へと排出されて行く。排出通路611は後側が閉塞されており、外ケース部608の後壁部619から後方に突出する第2突出部620を構成する。
【0234】
普通入賞手段522の普通入賞口605は、当接板600の裏側で外ケース部608内の入賞通路622に連通している。入賞通路622は外ケース部608に前後方向に設けられており、その後部側は外ケース部608の後壁部619から後方に突出すると共に、その下側に配置された入賞スイッチ623を経て下方の排出口622aへと連通されている。
【0235】
入賞スイッチ623は、その長手方向を左右方向に向けた状態で略水平状に配置されている。入賞通路622には排出口622aの上側にスイッチ収容部625が設けられ、そのスイッチ収容部625に入賞スイッチ623が収容されている。排出口622aの下側には左右両側に案内壁626が設けられ、この案内壁626間が遊技球を下方に排出する排出通路624となっている。左右の案内壁626の後端間は開放状になっている。
【0236】
入賞通路622、スイッチ収容部625、案内壁626は、外ケース部608の後壁部619から後方への突出量が略同じであって、その入賞通路622が第3突出部628を構成し、スイッチ収容部625が第4突出部629を構成し、案内壁626が第5突出部630を構成している。第3突出部628と第5突出部630は上下方向に一列状であり、第4突出部629は第1突出部618側が第3突出部628及び第5突出部630と略一列状になり、反対側が第3突出部628及び第5突出部630から左右方向の反対側へと張り出している。
【0237】
複合入賞手段516には、大入賞口602に対応して左右方向の略中央部に発光表示手段531が設けられ、また大入賞手段521の左右両側に発光表示手段529,530と磁気センサ632,633とが設けられている。発光表示手段529~531は、当接板600等に設けられた発光表示部717~719と、この発光表示部717~719に対応して内ケース部607、外ケース部608内に設けられたLED基板634~636とを備えている。LED基板634~636には発光表示部717~719に光を照射するLED634a~636aが前面に設けられている。LED基板634の裏面には上下両側に基板側コネクタ643~645が設けられ、またLED基板635,636の裏面には基板側コネクタ646,647が設けられている。磁気センサ632,633は遊技盤501の前方に配置されたガラス扉等に磁石を接近させて遊技球の流れに変化を与える等の不正行為を働いた場合に、その磁気を検出するためのものである。
【0238】
なお、当接板600等には、発光表示部717~719の発光時の光の拡散性を確保する一方、駆動ソレノイド613、入賞スイッチ612,623、LED基板634~636等の裏側の構成部材の透視性を阻害する透視阻害部が凹凸模様、その他の手段により設けられている。そのため当接板600の前側から見た場合にも、その裏側の構成部材を透視できないか、又は透視が困難になっている。
【0239】
複合入賞手段516の裏側における普通入賞手段522と反対側には、図38図43に示すように、演出制御系の中継基板を兼用するLED基板634と、主制御系の中継基板641とが前後に設けられている。また複合入賞手段516の裏側には、第1配線経路650と第2配線経路651と第3配線経路652とが設けられている。
【0240】
第1配線経路650は、左右一端側の中継基板641と左右他端側との間に配置されており、第1突出部618の下側、第1突出部618と第3~第5突出部628~630との間を経てジグザグ状に設けられている。この第1配線経路650には、入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656と、LED基板635側のハーネス657とが纏めて並行に配線されている。
【0241】
第2配線経路651は、中継基板641側から第1突出部618の後下部側を経由して設けられている。この第2配線経路651には、入賞スイッチ612側のハーネス658と、駆動ソレノイド613側のハーネス659とが纏めて並行に配線されている。
【0242】
第3配線経路652は、中継基板641からその上側を経由して外ケース部608内へと入るように設けられている。この第3配線経路652には、磁気センサ632側のハーネス660と、LED基板636側のハーネス661との一部が纏めて並行に配線されている。
【0243】
各ハーネス655~661には、電流容量、その他の条件に応じて、図36の場合と同様に太ハーネス583A、並ハーネス583B、細ハーネス583Cの何れかが採用されている。即ち、第1配線経路650の入賞スイッチ623側のハーネス655には、2本の太素線583aによる太ハーネス583Aが採用され、磁気センサ633側のハーネス656には、3本の並素線583bによる並ハーネス583Bが採用され、LED基板635側のハーネス657には、4本の細素線583cによる細ハーネス583Cが採用されている。
【0244】
中継基板641から入賞スイッチ623までの距離と、中継基板641から磁気センサ633までの距離は、略同程度である。そのため入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656には、その距離に対応して同程度の長さの長いハーネスが使用されている。
【0245】
入賞スイッチ623、磁気センサ633は、中継基板641から遠く離れた位置にあり、後述のように3本のハーネス655~657が並行して配線された第1並行配線区間690から遠い側に配置されている。一方、LED基板635は、入賞スイッチ623、磁気センサ633よりも中継基板641に近い位置にあり、第1並行配線区間690に近い側に配置されている。入賞スイッチ623側のハーネス655、磁気センサ633側のハーネス656には、略同じ長さを有する長いハーネスが使用されており、またLED基板635側のハーネス657には、ハーネス655,656よりも短いハーネスが使用されている。
【0246】
第2配線経路651の入賞スイッチ612側のハーネス658には、2本の太素線583aによる太ハーネス583Aが採用され、駆動ソレノイド613側のハーネス659には、3本の並素線583bによる並ハーネス583Bが採用されている。なお、入賞スイッチ612側のハーネス658と、駆動ソレノイド613側のハーネス659との長さは同程度か、又は入賞スイッチ612側のハーネス658が若干長い程度である。
【0247】
第3配線経路652の磁気センサ632側のハーネス660には、3本の並素線583bによる並ハーネス583Bが採用され、LED基板636側のハーネス661には、2本の細素線583cによる細ハーネス583Cが採用されている。
【0248】
LED基板634、中継基板641は、図39図42図43に示すように、基板取り付け台663の前後両側に装着されている。即ち、LED基板634は上下方向に長い縦長状であり、中継基板641は左右方向に長い横長状であって、これらは基板取り付け台663の前後両側に略平行に取り付けられている。基板取り付け台663は、外ケース部608にねじ等の固定具664を介して取り付けられている。LED基板634は発光表示手段529の一部を構成するもので、基板取り付け台663の前側に設けられており、このLED基板634に対応して基板取り付け台663の裏側に主制御系の中継基板641が設けられている。
【0249】
LED基板634は基板取り付け台663の前側に配置され、中継基板641はLED基板634の上下中間部分に対応して基板取り付け台663の裏側に配置されている。LED基板634の上下両側には、中継基板641から張り出す上張り出し部634Aと下張り出し部634Bとが設けられている。
【0250】
上張り出し部634Aには中継用の基板側コネクタ643が設けられ、下張り出し部634Bには中継用の基板側コネクタ644と、外部接続用の基板側コネクタ645とが設けられている。基板側コネクタ643はハーネス661を介してLED基板636に接続され、基板側コネクタ644はハーネス657を介してLED基板635に接続されている。基板側コネクタ645は外部接続用であって、外部接続ハーネス666を介して演出制御基板526に接続されている。従って、LED基板634は、基板側コネクタ643~645に接続されたハーネス657,661,666を介して他の電気部品、例えばLED基板635,636、演出制御基板526に接続されている。
【0251】
なお、上張り出し部634A、下張り出し部634Bの後方側は、基板取り付け台663の開口部663a,663bにより開放された状態にあり、各張り出し部634A,634Bの基板側コネクタ643~645には、その開口部663a,663b側からハーネス657,661,666が接続されている。
【0252】
このようにLED基板634と中継基板641とを前後に重ねて設けることにより、LED基板634と中継基板641とを面方向に並べて配置する場合に比較して、少ない配置面積にLED基板634と中継基板641とを効率的に配置することができ、複合入賞手段516を小型化することができる。
【0253】
またLED基板634と中継基板641とを前後に重ねても、LED基板634を前側に配置することによって、LED基板634の本来の機能が阻害されるようなことがなく、LED基板634からの光によって、その前方の発光表示部717を発光させることができる。更にLED基板634に裏側の中継基板641から面方向に張り出す張り出し部634A,634Bを設けて、その張り出し部634A,634B側の基板側コネクタ643~645を介してLED基板634を他の電気部品に接続することにより、LED基板634に対する他の電気部品の接続も容易に行うことができる。
【0254】
中継基板641の後方側は開放状であって、この中継基板641の裏面には左右方向に配列された中継用の基板側コネクタ667~671と外部接続用の基板側コネクタ672とが上下二列に設けられ、その上部側には中継基板641の管理情報を表示する管理情報表示部675が設けられている。
【0255】
管理情報表示部675は、製造メーカ名を表示するメーカ表示部675aと基板管理番号を表示する基板管理番号表示部675bとから構成されている。なお、管理情報表示部675は管理上必要な情報を表示すればよく、製造メーカ名、基板管理番号以外の情報を表示するようにしてもよい。ハーネス655~660のたるみ部655a~660aは、管理情報表示部675の裏側に重ならない位置に配置されており、管理情報表示部675の裏側には、ハーネス655~660のたるみ部655a~660a、その他の障害物は配置されておらず、裏側から目視により製造メーカ名、基板管理番号等の管理情報を容易に透視することができる。管理情報表示部675は遊技部品の裏側にあればよい。
【0256】
中継基板641の上側には、2個の入賞スイッチ612,623に接続される2個の基板側コネクタ667,670と、外部接続用の1個の基板側コネクタ672とが左右方向に一列状に配置され、また下側には駆動ソレノイド613に接続される基板側コネクタ669と、左右の磁気センサ632,633に接続される2個の基板側コネクタ668,671とが左右方向に一列状に配置されている。
【0257】
中継基板641及び上下二列の基板側コネクタ667~672は、外ケース部608の後壁部619から後方に突出しており、これら中継基板641及び基板側コネクタ667~672により第6突出部676が構成されている。
【0258】
中継基板641の上側の基板側コネクタ667,670には、各入賞スイッチ612,623側のハーネス655,658が着脱可能に接続されている。入賞スイッチ623側のハーネス655は第1配線経路650に沿って配線され、また入賞スイッチ612側のハーネス658は第2配線経路651に沿って配線されている。
【0259】
中継基板641の下側の基板側コネクタ668には磁気センサ633側のハーネス656が、中継基板641の下側の基板側コネクタ669には駆動ソレノイド613側のハーネス659が、中継基板641の下側の基板側コネクタ671には磁気センサ632側のハーネス660が夫々着脱可能に接続されている。駆動ソレノイド613側のハーネス659は第2配線経路651に沿って配線されている。磁気センサ633側のハーネス656は第1配線経路650に沿って配線され、また磁気センサ632のハーネス660は第3配線経路652に沿って配線されている。
【0260】
外部接続用の基板側コネクタ672は中継基板641上で回路パターンを介して各基板側コネクタ667~671に接続されており、それらに対応する端子数を有する。そのため基板側コネクタ672に接続された外部接続ハーネス674もそれに対応する本数の素線583を備えたものとなっている。因みに外部接続ハーネス674には8本~10本、又はそれ以上の並素線583bによる並ハーネス583B、又は細素線583cによる細ハーネス583Cが採用され、先端側のハーネス側コネクタを介して主制御基板525に直接的又は間接的に接続されている。
【0261】
LED基板635側のハーネス657は第1配線経路650に沿って配線され、LED基板634の下張り出し部634Bの基板側コネクタ644に接続されている。またLED基板636側のハーネス661は第3配線経路652に沿って配線され、LED基板634の上張り出し部634Aの基板側コネクタ643に接続されている。
【0262】
外部接続用の基板側コネクタ645はLED基板634上の回路パターンを介して基板側コネクタ643,644に接続されている。また基板側コネクタ645は、LED基板634による発光制御に必要な端子数を有し、この基板側コネクタ645に接続された外部接続ハーネス666もその端子数に対応する素線583を備えたものとなっている。因みに外部接続ハーネス666には8本~10本、又はそれ以上の並素線583bによる並ハーネス583B、又は細素線583cによる細ハーネス583Cが採用され、先端側のハーネス側コネクタを介して演出制御基板526に直接的又は間接的に接続されている。
【0263】
中継基板641の上一列の基板側コネクタ667,670,672と下一列の基板側コネクタ668,669,671との間には上下方向に所定の間隔があり、中継基板641の裏側で且つ上下二列の基板側コネクタ667~672間がたるみ配置部680となっている。
【0264】
入賞スイッチ612,623側のハーネス655,658、駆動ソレノイド613側のハーネス659、磁気センサ632側のハーネス660には、基板側コネクタ667,669~671に接続可能なハーネス側コネクタ(図示省略)の近傍にたるみ部655a,658a~660aが設けられている。たるみ部658a~660aは、中継基板641の裏面に沿って上下、左右の略面方向に屈曲又は湾曲する屈曲状又は湾曲状に設けられている。
【0265】
各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aは、各ハーネス655,658~660を中継基板641の基板側コネクタ667,669~671に着脱する際に、ハーネス655,658~660を基板側コネクタ667,669~671に対して挿脱するに必要なたるみ(余裕)をハーネス655,658~660に持たせるためのものである。
【0266】
各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aは、たるみ配置部680内で上下、左右の位置を変えた状態で前後方向に重ねて配置されている。たるみ部655a,658a~660a全体の配置高さは、基板側コネクタ667~672の高さと略同程度か、基板側コネクタ667~672の高さ未満である。
【0267】
このように上下二列の基板側コネクタ667~672間をたるみ配置部680として、このたるみ配置部680内にハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aを配置することにより、基板側コネクタ667~672によって上下両側からたるみ部655a,658a~660aを保護することできる。
【0268】
従って、組立て時、又は組立て後の保守、点検等に際して、ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aに対して接触することによって生じるたるみ部655a,658a~660a自体の変形や錯綜、更にはハーネス655,658~660の浮き上がり等を防止することができる。
【0269】
各ハーネス655~660の遊び量(弛み量)は、入賞スイッチ612,623、駆動ソレノイド613、磁気センサ632,633側が殆どたるみのない状態で各配線経路650~652に沿って配線されているのに対して、LED基板634側及び中継基板641側はそのハーネス655~660のハーネス側コネクタを基板側コネクタ644,667,669~671に対して着脱するに必要な大きなたるみ量となっている。
【0270】
例えば、入賞スイッチ623側のハーネス655では、基板側コネクタ667に最も近い留め具694から基板側コネクタ667までのたるみ部655aを含むたるみ量が、入賞スイッチ623に最も近い留め具708から入賞スイッチ623までのたるみ量よりも大であり、留め具708から入賞スイッチ623までは殆どたるみのない状態で配線されている。
【0271】
また磁気センサ633側のハーネス656では、基板側コネクタ668に最も近い留め具696から基板側コネクタ668までのたるみ部656aを含むたるみ量が、磁気センサ633に最も近い留め具708から磁気センサ633までのたるみ量よりも大であり、留め具708から磁気センサ633までは殆どたるみのない状態で配線されている。
【0272】
更にLED基板635側のハーネス657では、基板側コネクタ644に最も近い留め具696から基板側コネクタ644までのたるみ部657aを含むたるみ量が、LED基板635に最も近い留め具694からLED基板635までのたるみ量よりも大であり、留め具694からLED基板635までは殆どたるみのない状態で配線されている。
【0273】
そのため各ハーネス655~657を第1配線経路650に沿って効率的に配線できると共に、各ハーネス655~657のハーネス側コネクタを基板側コネクタ644,667,668に対して容易に着脱できる。他のハーネス658~660についても同様である。なお、この実施形態では、ハーネス655~657を留める留め具は、ハーネス655に対して2個、ハーネス656に対して3個、ハーネス657に対して2個が対応しているが、ハーネス655~657に対して1個としてもよい。
【0274】
磁気センサ633と中継基板641の基板側コネクタ668とを接続するハーネス656には、基板側コネクタ668側にたるみ部656aが設けられており、またLED基板635とLED基板634の基板側コネクタ644とを接続するハーネス657には、基板側コネクタ644側にたるみ部657aが設けられている。このハーネス656,657においても、磁気センサ633、LED基板635側は殆どたるみがなく、基板側コネクタ644,668に近い側は、ハーネス655,658~660と同様に、磁気センサ633、LED基板635側よりも長い所定のたるみ量となっている。
【0275】
従って、第1配線経路650側では、入賞スイッチ623、磁気センサ633、LED基板635の各ハーネス655~657を、第2配線経路651側では入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613の各ハーネス658,659を夫々の配線経路650,651に沿って無駄なく整然と配線しながらも、各ハーネス655~659のコネクタを、その接続対象となる各基板側コネクタ644,667~670に対して容易に着脱することができる。
【0276】
第1配線経路650に配線される磁気センサ633側のハーネス656は、中継基板641の下側から中継基板641の裏側へと配線された後、その中継基板641の基板側コネクタ668に対して裏側から接続されている。ハーネス656,657を留める留め具696と基板側コネクタ668との間には第6突出部676の段差(前後方向の高低差)があり、その段差に沿ってハーネス656を湾曲状に配線することによって、ハーネス656を基板側コネクタ668に着脱するに必要なたるみ部656aが形成されている。第3配線経路652に配線される磁気センサ632側のハーネス660は、中継基板641の上側から中継基板641の裏側へと配線され、その中継基板641の基板側コネクタ667と基板側コネクタ670との間を経てたるみ配置部680内のたるみ部660aへと続いている。
【0277】
なお、留め具686,694,696,708,714の構成は、第4の実施形態の留め具563と略同様である。留め部688,697,709,715は第4の実施形態の留め部562と略同様でもよいし、後壁部619から後方に突出してコ字状に構成することも可能である。
【0278】
たるみ配置部680には、各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660a又はその近傍のハーネス655,658~660が前後方向に重なる状態で配置されている。そのため一部のハーネス658,659には、他のハーネス655,660を中継基板641側に押える押え部681,682ができている。
【0279】
例えば、第2配線経路651に配線される入賞スイッチ612側のハーネス658と、駆動ソレノイド613側のハーネス659には、両ハーネス658,659を撚り合わせた撚り合わせ部683があり、この撚り合わせ部683の中継基板641に対応する部分が押え部681となって、その押え部681により、第1配線経路650の入賞スイッチ623側のハーネス655のたるみ部655aの近傍を中継基板641側に押え付けている。
【0280】
また第2配線経路651の入賞スイッチ612側のハーネス658は、駆動ソレノイド613側のハーネス659との撚り合わせ部683から二つに分岐する分岐部分に押え部682があり、この押え部682により、磁気センサ632側のハーネス660のたるみ部660aの近傍を中継基板641側に押え付けている。
【0281】
そのため各ハーネス655,658~660のたるみ部655a,656a,658a~660aに充分なたるみ量を持たせながらも、そのたるみ部655a,658a~660aをたるみ配置部680に纏めて集中的に配置することができる。またハーネス655,658~660相互において、その押え部681,682によって他のハーネス655,660を中継基板641側に押えているので、各ハーネス655,660のたるみ部655a,660aの浮き上がり等を防止することができる。
【0282】
特に第2配線経路651のハーネス658,659は、入賞スイッチ612側のハーネス658が太ハーネス583Aであり、駆動ソレノイド613側のハーネス659が並ハーネス583Bであって、その両者の撚り合わせ部683に押さえ部681があるので、第1配線経路650の入賞スイッチ623側のハーネス655が太ハーネス583Aであるにも拘わらず、その押え部681により入賞スイッチ623側のハーネス655を確実に押えることができる。
【0283】
また第2配線経路651の入賞スイッチ612側のハーネス658が太ハーネス583Aであり、この太ハーネス583Aの押え部682で、磁気センサ632側のハーネス660である細ハーネス583Bを押えるため、その押え部682により磁気センサ632側のハーネス660を確実に押えることができる。
【0284】
しかも、各ハーネス658,659の押え部681,682が上下二列の基板側コネクタ667~672間のたるみ配置部680内にあるため、ハーネス655,658~660のたるみ部655a,658a~660aと同様に、上下二列の基板側コネクタ667~672によってハーネス658,659の押え部681,682を保護することができる。
【0285】
入賞スイッチ612側のハーネス658と駆動ソレノイド613側のハーネス659は、第2配線経路651上に配線されている。この第2配線経路651には、ハーネス658,659が並行して一纏めに配線される並行配線区間684が中継基板641と収容ケース615の後部側との間に設けられ、この並行配線区間684内の2箇所に留め具685,686が設けられている。
【0286】
入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613に近い留め具686は結束式であって、この留め具686により、各ハーネス658,659が収容ケース615の後部側の留め部688に一纏めに留められている。中継基板641、基盤側コネクタ669,670に近い側の留め具685は、収容ケース615から後方に突出する突起689により構成されている。この突起689は、図39図40に示すように、留め具686と中継基板641上の押え部681側とを結ぶ線分よりも上側に偏位して配置され、留め具686と押え部681との間で突起689によりハーネス658,659が上側に蛇行するように、ハーネス658,659が突起689に対して上側から引っ掛けられている。
【0287】
入賞スイッチ612側のハーネス658は、収容ケース615の下側の左右略中央部から裏側に引き出された後、収容ケース615の底壁の下側から後壁の裏側の留め具686を経由して中継基板641側へと達する。また駆動ソレノイド613にはその後端側にハーネス659が接続されている。この駆動ソレノイド613側のハーネス659は、留め具686側へと横方向に伸びて、留め具685,686により入賞スイッチ612側のハーネス658と一纏めに留められる。
【0288】
なお、入賞スイッチ612側のハーネス658と駆動ソレノイド613側のハーネス659は、留め具686に対して並行配線区間684と反対側では分岐して配線され、また中継基板641上でも並行配線区間684から基板側コネクタ669,670へと分岐して配線されている。
【0289】
第2配線経路651のハーネス658,659を突起689を経由して配線することにより、収容ケース615の後端の留め具686と中継基板641の押え部681側との間に前後方向の高低差があるにも拘わらず、留め具686と中継基板641との間でたるみが発生することなくハーネス658,659を第2配線経路651に沿って容易且つ整然と配線することができる。
【0290】
収容ケース615は内ケース部607に対して後方側から着脱可能であるが、第2配線経路651は収容ケース615の後方側を経由しており、入賞スイッチ612側のハーネス658、駆動ソレノイド613側のハーネス659は留め具686により第2配線経路651上に留められている。そのためハーネス658,659が収容ケース615の下側に垂れ下がる等の問題がなく、ハーネス658,659に影響されることなく収容ケース615を着脱することができる。なお、入賞スイッチ612、駆動ソレノイド613は収容ケース615内に設けられている。
【0291】
また収容ケース615は内ケース部607に対して後方側からねじ等の固定具617により着脱可能であるが、入賞スイッチ612側のハーネス658と駆動ソレノイド613側のハーネス659とを、一方向式の留め具686により収容ケース615側の留め部688に留めているので、その留め具686を切断せずに固定具617を取り外しただけでは収容ケース615を取り外すことはできない。そのため収容ケース615を不正に取り外す等の不正行為を防止することができる。
【0292】
入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656と、LED基板635側のハーネス657は、第1配線経路650に沿って略並行に配線されている。この第1配線経路650は、第1湾曲経路部650aを含む第1並行配線区間690と、第1並行配線区間690のLED基板634及び中継基板641と反対側に設けられ且つ第2湾曲経路部650bを含む第2並行配線区間691と、第1並行配線区間690のLED基板634及び中継基板641側に設けられた基板側並行配線区間692とにより構成されている。
【0293】
第1並行配線区間690には全てのハーネス655~657が並行に配線されているので、ハーネス数が最も多くなっており、その最も多いハーネス655~657が留め具694により一纏めに留められている。第2並行配線区間691では、第1並行配線区間690のハーネス655~657の内、LED基板635側のハーネス657が分岐位置720でLED基板635側へと分岐して、入賞スイッチ623側のハーネス655と磁気センサ633側のハーネス656とが並行に配線され、留め具708により一纏めに留められている。
【0294】
この実施形態では、第1並行配線区間690と第2並行配線区間691とについて説明しているが、並行配線されるハーネス数が多く、数箇所でハーネスが順次分岐する場合には、第2並行配線区間から第3並行配線区間、第4並行配線区間へと順次ハーネス数が減少するように設けてもよい。
【0295】
なお、中継基板641等を基準にすれば、分岐位置720を挟んで第1並行配線区間690から第2並行配線区間691へとハーネス数が減少するが、入賞スイッチ623、磁気センサ633等を基準にすれば、LED基板635側のハーネス657が第2並行配線区間691のハーネス655,656に集合(合流)する集合位置を挟んで、第2並行配線区間691から第1並行配線区間690へとハーネス数が増加する。
【0296】
基板側並行配線区間692では、第1並行配線区間690のハーネス655~657の内、入賞スイッチ623側のハーネス655が中継基板641側へと分岐して、磁気センサ633側のハーネス656とLED基板635側のハーネス657とが並行に配線され、留め具696により一纏めに留められている。
【0297】
第1並行配線区間690は、外ケース部608の内ケース部607側の端縁に沿って背面視略L字状に屈曲又は湾曲して設けられている。この第1並行配線区間690には、入賞スイッチ623側のハーネス655と、磁気センサ633側のハーネス656と、LED基板635側のハーネス657との全てが並行して配線されている。
【0298】
留め具694は、内ケース部607の下側で第1並行配線区間690の中間位置に配置され、各ハーネス656~657を留め部695に対して一纏めに留めている。従って、各ハーネス655~657を個々に配線する場合に比較して、各ハーネス655~657の素線583のバラツキ等を防止でき、各ハーネス655~657を纏まりよく配線することができる。
【0299】
また第1並行配線区間690の内側には、外ケース部608から後方に突出する補強壁678があり、この補強壁678の屈曲部分には、第1湾曲経路部650aの内側に突起状の配線案内部678aが設けられている。そのため第1並行配線区間690のハーネス655~657は、第1湾曲経路部650aの配線案内部678aに巻き掛けて略L字状に配線され、また配線案内部678aと第2突出部620との間で留め具694により留め部695に一纏めに留められている。
【0300】
従って、各ハーネス655~657を第1並行配線区間690に沿ってたるみなく配線できると共に、各ハーネス655~657を配線案内部678aと留め具694との二箇所で纏めることが可能であり、各ハーネス655~657を効率的に纏めることができる。また第1湾曲経路部650aでは、各ハーネス655~657を配線案内部678aに引っ掛ければよいので、二箇所に留め具694を配置する場合に比較して配線作業を容易に行うことができる。
【0301】
中継基板641側の基板側並行配線区間692は、入賞スイッチ623側のハーネス655を構成する太いハーネス583Aが分岐して、磁気センサ633側のハーネス656とLED基板635側のハーネス657とを構成する細ハーネス583Cが並行して配線され、その途中の留め具696により外ケース部608側の留め部697に一纏めに留められている。
【0302】
留め具696は中継基板641の下側近傍で第2突出部620の側方近傍に配置されている。基板側並行配線区間692のハーネス656,657から分岐した入賞スイッチ623側のハーネス655は、たるみ部655aを介して中継基板641上の基板側コネクタ667に接続されている。
【0303】
このように基板側並行配線区間692では、磁気センサ633側のハーネス656とLED基板635側のハーネス657とに使用される細いハーネス583Cを並行して配線し、その各ハーネス656,657を留め具696により一纏めに留めることによって、各ハーネス656,657を纏まりよく配線できると共に、夫々のハーネス656,657の素線等の切断、その他の損傷を防止できる。
【0304】
磁気センサ633側のハーネス656には、留め具696と中継基板641の基板側コネクタ668との間に、基板側コネクタ668の段差に沿って前後方向に緩やかに湾曲するたるみ部656aがあり、またLED基板635側のハーネス657には、留め具696とLED基板634の基板側コネクタ644との間に、後壁部619に沿って湾曲するたるみ部657aがある。そのため各ハーネ656,657を各基板側コネクタ644,668に接続する際には、各ハーネス656,657側のたるみ部656a,657aによって各ハーネス656,657を各基板側コネクタ644,668に対して容易に接続することができる。
【0305】
第1並行配線区間690にはその基板側並行配線区間692側に排出通路611による第2突出部620があり、各ハーネス655~657はこの第2突出部620の後端側を経由する後端側経由部700を介して並行に配線されている。そのため第2突出部620の上側又は下側を経由して各ハーネス655~657を配線する場合に比較して、第2突出部620を横切る状態で各ハーネス655~657を効率的に配線することができる。
【0306】
排出通路611の後端側下部には突起状のずれ止め部701が設けられ、後端側経由部700を経由するハーネス655~657は、このずれ止め部701により、その下側の排出口611a側へと移動しないように排出口611aを回避して規制されている。このずれ止め部701を設けることによって、各ハーネス655~657の排出口611a側への垂れ下がりを防止でき、排出口611a側を回避して各ハーネス655~657を配線することができる。なお、この場合には、排出口611aがハーネス655~657の垂れ下がり等を回避すべきハーネス回避部となっている。
【0307】
第2突出部620の配線経路方向の両側には、第1並行配線区間690の留め具694と基板側並行配線区間692の留め具696とがある。ずれ止め部701は両留め具694,696間を結ぶ線分に対して背面視で上側に配置され、第2突出部620の後端側を経由するハーネス655~657は、両留め具694,696間でずれ止め部701の上側に引っ掛けられている。そのため第2突出部620の後端側を経由する後端側経由部700での各ハーネス655~657のたるみ等を防止することができる。
【0308】
各ハーネス655~657は、平面視において、第2突出部620の両側で排出通路611の後端と留め具694,696との間に斜め方向に配線されており、排出通路611の両側でハーネス655~657と外ケース部608との間に略三角形状の空間がある。そのためずれ止め部701が両側の留め具694,696間を結ぶ線分に対して上側に位置することと相俟って、この後端側経由部700での各ハーネス655~657のたるみ等をより確実に防止することができる。なお、各ハーネス655~657は外ケース部608の後壁部619から排出通路611の両側面に沿って配置してもよい。
【0309】
LED基板635の基板側コネクタ646は、第1突出部618と第3~5突出部628~630との間の上下方向の中間で第1配線経路650に対応して配置されている。そのためLED基板635側のハーネス657は、この基板側コネクタ646に対応する位置で他の入賞スイッチ623側のハーネス655と磁気センサ633側のハーネス656から分岐して、LED基板635の基板側コネクタ646に接続されている。
【0310】
入賞スイッチ623はスイッチ収容部625に対して第1突出部618の反対側から挿入されている。入賞スイッチ623側のハーネス655は、入賞スイッチ623の第1突出部618と反対側の端部に接続されており、入賞スイッチ623の端部からスイッチ収容部625の上面側に沿って入賞通路622の外側の合流位置(集合位置)705へと引き出されている。磁気センサ633は入賞通路622の外側近傍且つスイッチ収容部625の上側近傍で外ケース部608内に配置されている。磁気センサ633側のハーネス656は、スイッチ収容部625の上面から入賞通路622の外側近傍に沿って後方の合流位置705へと引き出され、その合流位置705でハーネス655と合流している。
【0311】
このように入賞スイッチ623側のハーネス655、磁気センサ633側のハーネス656をスイッチ収容部625の上面に沿って第3突出部628側の合流位置705へと引き出すことにより、第3突出部628側の合流位置705で合流するハーネス655,656を安定させることができる。
【0312】
入賞スイッチ623側のハーネス655と磁気センサ633側のハーネス656は、入賞通路622の後端外側近傍の合流位置705で合流している。第2並行配線区間691は合流位置705からLED基板635のハーネス657が分岐する分岐位置720までの間であり、この第2並行配線区間691にハーネス656,657が並行して配線されている。
【0313】
第2並行配線区間691には入賞通路622による第3突出部628があり、各ハーネス655,656はこの第3突出部628の後端側を経由する後端側経由部710を介して並行に配線されている。入賞通路622の後端側下部には、ハーネス655,656の垂れ下がりを規制する突起状のずれ止め部711がスイッチ収容部625の上側に設けられている。
【0314】
入賞スイッチ623側及び磁気センサ633側から引き出したハーネス655,656は、第2並行配線区間691の端部側である第3突出部628の一側の合流位置(分岐位置)705で合流する一方、第3突出部628の他側の第2湾曲経路部650bに配置された留め具708により、外ケース部608の留め部709に一纏めに留められている。各ハーネス655,656は、入賞通路622により構成される第3突出部628の一側の合流位置(分岐位置)705から、第3突出部628の後端側の後端側経由部710を経て反対側の留め具708へと、第3突出部628に沿って左右方向に配線されている。そのため第3突出部628を経由せずにその上側又は下側を経て各ハーネス655,656を配線する場合に比較して、第3突出部628を横切って各ハーネス655,656を効率的に配線することができる。
【0315】
入賞通路622の後端側下部には突起状のずれ止め部711が設けられている。そして、後端側経由部710を経由するハーネス655,656は、このずれ止め部711により、入賞スイッチ623の後方側へと移動しないように入賞スイッチ623の上側に規制されている。そのため後端側経由部710で各ハーネス655,656を効率的に配線することができると共に、ハーネス655,656のノイズ等による入賞スイッチ623の誤検出を防止することができる。この場合には、入賞スイッチ623がハーネス655の接近を回避すべきハーネス回避部となっている。なお、ずれ止め部711は、ハーネス655,656の排出口622a側への垂れ下がりを防止するものでもよい。
【0316】
LED基板635のハーネス657がハーネス655,656から分岐する分岐位置720は、第1並行配線区間690の留め具694と第2並行配線区間691の留め具708との中間にあり、分岐位置720から留め具694までの距離は、分岐位置720から留め具708までの距離よりも大である。また留め具694よりも分岐位置720に近い側に配線案内部678aがあり、これに巻き掛けてハーネス655~657を留めているので、LED基板635の基板側コネクタ646からハーネス側コネクタを抜いてハーネス657を取り外す場合にも、留め具694と基板側コネクタ646との間のハーネス657に十分な余裕を確保でき、容易に取り外すことができる。
【0317】
ずれ止め部711は入賞通路622の一側の合流位置705と、入賞通路622の反対側の留め具708間を結ぶ線分に対して背面視で上側に配置されている。第3突出部628の後端側を経由するハーネス655,656は、両側の合流位置705と留め具708との間でずれ止め部711に上側から引っ掛けられて、入賞通路622の左右の両側面に沿って配線されている。このような位置にずれ止め部711を配置することによって、各ハーネス655,656のたるみ等を防止することができる。
【0318】
磁気センサ632のハーネス660は、第3配線経路652上に配線されている。即ち、磁気センサ632のハーネス660は、外ケース部608の外側からLED基板634の上張り出し部634Aの上側を経て上張り出し部634Aの後側へと引き出された後、この上張り出し部634Aから中継基板641の上縁側を経て中継基板641の後側へと配線され、中継基板641の後側のたるみ配置部680に配置されるたるみ部660aへと続いている。
【0319】
上張り出し部634Aには第3配線経路652の近傍に基板側コネクタ643があり、この基板側コネクタ643にハーネス661が接続されている。磁気センサ632側のハーネス660とLED基板636側のハーネス661は、基板側コネクタ643の近傍に配置された留め具714により基板取り付け台663の留め部715に一纏めに留められている。ハーネス661は留め具714を経由した後、磁気センサ632側のハーネス660と分岐して、内ケース部607内のLED基板636の基板側コネクタ647に接続されている。
【0320】
従って、LED基板634は、ハーネス661を介してLED基板636に接続されると共に、ハーネス657を介してLED基板635に接続されており、二つのLED基板635,636に対して中継基板的な機能を有する。
【0321】
第1配線経路650の磁気センサ633側のハーネス656には、留め具696と中継基板641の基板側コネクタ668との間に、第6突出部676の下側に沿って前後方向に緩やかに湾曲するたるみ部656aがある。またLED基板635側のハーネス657には、留め具696とLED基板634の基板側コネクタ644との間に、基板側コネクタ644の下側から留め具696側へと後壁部619に沿って湾曲するたるみ部657aがある。そのため各ハーネス656,657は、そのたるみ部656a,657aの余裕によって基板側コネクタ644,668に容易に接続することができる。
【0322】
中継基板641の外部接続用の基板側コネクタ672、LED基板634の下張り出し部634Bの外部接続用の基板側コネクタ645は、挿入部610の外周側近傍に配置されている。中継基板641の基板側コネクタ672と、LED基板634の下張り出し部634Bの基板側コネクタ645との間には、前後に重ねて配置された中継基板641とLED基板634とに応じた高低差があり、中継基板641の基板側コネクタ672が下張り出し部634Bの基板側コネクタ645よりも上側で後方に突出している。中継基板641の外部接続ハーネス674とLED基板634の外部接続ハーネス666は、中継基板641の基板側コネクタ672の近傍に配置された留め具716により一纏めに纏めて結束されている。
【0323】
中継基板641の基板側コネクタ672は、左右方向に長い挿入部610の一端側で中継基板641の端部に配置されている。基板側コネクタ672に接続された外部接続ハーネス674は、基板側コネクタ672の近傍で素線の配列方向に沿って中継基板641の外側へと屈曲しており、その屈曲部674aの近傍に留め具716が配置されている。
【0324】
下張り出し部634Bの基板側コネクタ645に接続された外部接続ハーネス666は、中継基板641の下側から中継基板641の裏側へと導かれた後、留め具716により外部接続ハーネス674と一緒に一纏めに結束されて、外部接続ハーネス674と共に中継基板641の外側へと引き出されている。留め具716は中継基板641の端部近傍又は端部よりも内側に配置されている。
【0325】
このように中継基板641の外部接続ハーネス674と、LED基板634の外部接続ハーネス666とを設けるに当たって、留め具716により外部接続ハーネス666,674を一纏めに纏めることにより、各外部接続ハーネス666,674が素線毎にバラけた状態にある場合に比較して、その後の取り扱いを容易に行うことができる。
【0326】
また中継基板641の基板側コネクタ672の近傍に留め具716を配置して、この留め具716により両外部接続ハーネス666,674を一纏めに留めているので、留め具716による外部接続ハーネス666,674の留め位置が安定し易くなり、留め位置のバラツキを容易に防止することができる。そのため留め具716を留め部に固定する必要がなく、中継基板641の裏側等のように留め部を配置し難い箇所でも両外部接続ハーネス666,674を結束式の留め具716により一纏めに留めることができる。
【0327】
更に裏側にある中継基板641の基板側コネクタ672の近傍に、前側にあるLED基板634の基板側コネクタ645に接続された外部接続ハーネス666を導いて、その中継基板641の基板側コネクタ672の近傍で両外部接続ハーネス666,674を留め具716により一纏めに留めているので、中継基板641とLED基板634とが前後に重なっているにも拘わらず、両外部接続ハーネス666,674を無理なく引き出して配線することができる。
【0328】
複合入賞手段516を遊技盤501に装着する際には、その内ケース部607、外ケース部608等の挿入部610を遊技盤501の装着孔609に挿入する。この場合、外部接続ハーネス666,674は留め具716の近傍で挿入部610の外周又は装着孔609の内周から内側へと屈曲させる。これによって外部接続ハーネス666,674が邪魔になることがなくなり、複合入賞手段516を遊技盤501に容易に装着することができる。
【0329】
第4の実施形態、第5の実施形態には、次の第1~第14の技術の何れかが包含されている。
【0330】
第1の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516,517を備え、前記遊技部品516,517は、複数の電気部品541~544、645,672と、該各電気部品541~544、645,672に接続された複数のハーネス556~559、666,674とを備えた遊技機において、複数の前記ハーネス556~559、666,674を前記遊技部品516,517に一纏めに留める留め具563,716を備えたものである。
【0331】
また前記遊技部品516,517は前記所定部位501の装着孔537,609に挿入される挿入部547,610を備え、前記留め具563,716は、前記ハーネス556~559、666,674を前記遊技部品516,517の内側へと屈曲させたときに、前記ハーネス556~559、666,674を前記挿入部547,610の外周又は前記装着孔537,609の内周よりも内側へ収容可能な位置に配置されているものでもよい。前記留め具563,716は前記電気部品541~544、645,672の何れかの近傍に配置されていることもある。
【0332】
前記ハーネス556~559には、線径の太いハーネス583Aとこれよりも線径の細いハーネス583B,583Cとがあり、前記留め具563は前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを一纏めに結束することもある。中継基板641に接続された第1ハーネス674と、前記中継基板641とは別の電気部品634に接続された第2ハーネス666とを備え、前記留め具716は前記第1ハーネス674と前記第2ハーネス666とを一纏めに結束することもある。
【0333】
第2の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品612,613,623,632,633,635,636と、該各電気部品612,613,623,632,633,635,636に接続され且つ配線経路650~652に沿って配線された複数のハーネス655~661とを備えた遊技機において、前記配線経路650~652の経路方向の複数箇所で前記複数のハーネス655~661を前記遊技部品516側に一纏めに留める複数の留め具685,686,694,696,708,714を備えたものである。
【0334】
前記遊技部品516は、基板側コネクタ643~645,667~671を有する中継基板634,641を備え、前記ハーネス655~661は、一端側が前記電気部品612,613,623,632,633,635,636に、他端側が前記基板側コネクタ643~645,667~671に夫々接続され、前記中継基板634,641に近い側の前記留め具685,694,696,714から前記基板側コネクタ643~645,667~671までの前記ハーネス655~661のたるみ量は、前記電気部品612,613,623,632,633,635,636に近い側の前記留め具686,708,714から前記電気部品612,613,623,632,633,635,636までの前記ハーネス655~661のたるみ量よりも大であってもよい。
【0335】
前記各ハーネス655,658~660は前記中継基板641に近い側の前記留め具686,694,714と前記基板側コネクタ667,669~671との間に、前記ハーネス655,658~660の接続に必要なたるみ量を有するたるみ部655a,658a~660aを備え、前記各たるみ部655a,658a~660aは前記基板側コネクタ667,669~671の間又は前記基板側コネクタ667,669~671の後側に設けられたたるみ配置部680に配置されていることもある。前記遊技部品516は前後方向に複数の前記中継基板634,641を備え、前側の前記中継基板634は後側の前記中継基板641よりも面方向の外側に張り出す張り出し部634A,634Bを備え、前記張り出し部634A,634Bに前記基板側コネクタ643,644を備えたものでもよい。
【0336】
第3の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、第1電気部品641と、前記第1電気部品641を該遊技部品516以外に設けられた第1外部電気部品525に接続するための第1ハーネス674と、第2電気部品634と、前記第2電気部品634を該遊技部品516以外に設けられた第2外部電気部品526に接続するための第2ハーネス666とを備えた遊技機において、少なくとも前記第1電気部品641,672と前記第2電気部品634との何れかの近傍で前記第1ハーネス674と前記第2ハーネス666とを一纏めに留める留め具716を備えたものである。
【0337】
前記遊技部品516は、前記所定部位501の装着孔609に挿入される挿入部610を備え、前記第1電気部品641,672と前記第2電気部品634,645との少なくとも一方は、前記挿入部610の近傍に配置されることもある。前記第1電気部品は、前記第1ハーネス674が接続された第1中継基板641であり、前記第2電気部品は、前記第2ハーネス666が接続された第2中継基板634であり、前記留め具716は、前記中継基板634,641の近傍で前記第1ハーネス666と前記第2ハーネス674とを一纏めに結束することもある。
【0338】
第4の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657と、該ハーネス655~657が複数の基板側コネクタ644,667,668を介して接続された中継基板634,641とを備えた遊技機において、前記電気部品623,633,635と前記中継基板634,641との間の配線経路650上で前記複数のハーネス655~657を一纏めに留める留め具694,696,708を備えたものである。
【0339】
前記配線経路650には、前記複数のハーネス655~657が並行に配線された第1並行配線区間690と、前記第1並行配線区間690の一部の前記ハーネス657が前記電気部品635へと分岐して他の複数のハーネス655,656が並行に配線された第2並行配線区間691とがあり、前記第1並行配線区間690の前記ハーネス655~657を留める前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記ハーネス655,656を留める前記留め具708とを備えたものでもよい。
【0340】
前記電気部品635へと分岐する前記ハーネス657の分岐位置720から前記第2並行配線区間691の前記留め具708までの距離は、前記分岐位置720から前記第1並行配線区間690の前記留め具694までの距離よりも大でもよい。前記電気部品635へと分岐する前記ハーネス657の分岐位置720と、前記第1並行配線区間690の前記留め具694との間に、前記複数のハーネス655~657を前記配線経路650に沿って湾曲状に案内する配線案内部678aを備えたものでもよい。
【0341】
第5の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657と、後側へと突出する突出部618,620,628,676とを備えた遊技機において、前記複数のハーネス655~657を一纏めに留める留め具694,696,708を備え、前記留め具694,696,708は前記突出部618,620,628、676の後端より前に配置されるものである。
【0342】
前記留め具694,696,708の周辺近傍に1又は複数の前記突出部618,620,628、676があってもよい。前記突出部618,620,628、676は、遊技球の通路622、内部部材を収容する収容部615、又は前記遊技部品516の裏側に装着された構成部材であってもよい。
【0343】
第6の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続され且つ配線経路650に沿って並行に配線された複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記配線経路650は、前記各電気部品623,633,635の前記ハーネス655~657が集合する集合位置又は前記ハーネス655~657が分岐する分岐位置を挟んで、その両側で並行に配線されるハーネス655~657の数が変化する複数の並行配線区間690,691を備え、前記各並行配線区間690,691毎に前記ハーネス655~657を一纏めに留める留め具694,708を備えたものである。
【0344】
前記電気部品623,633,635は、並行に配線されるハーネス数が最も多い前記並行配線区間690から遠い側の第1電気部品623及び第2電気部品633と、前記最も多い並行配線区間690に近い側の第3電気部品635とを少なくとも含み、前記並行配線区間690,691は、少なくとも前記第1ハーネス655と前記第2ハーネス656と前記第3ハーネス657とが並行して配線された第1並行配線区間690と、前記第1並行配線区間690から前記第3ハーネス657が分岐して少なくとも前記第1ハーネス655と前記第2ハーネス656とが並行して配線された第2並行配線区間691とを含み、前記第1並行配線区間690の前記ハーネス655~657を一纏めに留める前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記ハーネス655,656を一纏めに留める前記留め具708とを備えてもよい。
【0345】
前記第3ハーネス657は線径の細いハーネス583Cとし、前記第1ハーネス655と前記第2ハーネス656との少なくとも一方は、前記第3ハーネス583Cよりも線径の太いハーネス583A,583Bとしてもよい。前記第1並行配線区間690の前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記留め具708は、複数本の前記ハーネス655~657を一纏めに結束可能な同種構造又は共通の結束具であってもよい。
【0346】
第7の技術は、所定部位501設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、複数の基板側コネクタ644,667,668を有する中継基板634,641と、前記複数の電気部品623,633,635及び前記複数の基板側コネクタ644,667,668を接続する複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記中継基板634,641と前記電気部品623,633,635との間に、前記ハーネス655~657を配線経路650に沿って留める経路方向に少なくとも1つの留め具694,696,708を備え、前記中継基板634,641に最も近い側の前記留め具694,696と前記基板側コネクタ644,667,668との間の前記ハーネス655~657のたるみ量は、前記電気部品623,633,635に最も近い側の前記留め具694,708と前記電気部品623,633,635との間の前記各ハーネス655~657のたるみ量よりも大としたものである。
【0347】
前記中継基板634,641の前記基板側コネクタ667,668と前記中継基板634,641から遠い側の前記電気部品623,633とを接続するハーネス655,656は線径の太いハーネス583A,583Bとし、前記中継基板634,641の前記基板側コネクタ644と前記中継基板634,641に近い側の前記電気部品635とを接続するハーネス657は、前記太いハーネス583A,583Bよりも線径の細いハーネス583Cとし、前記太いハーネス583A,583Bの前記基板側コネクタ667,668と前記留め具694,696との間のハーネス長さは、前記細ハーネス583Cの前記基板側コネクタ644と前記留め具696との間のハーネス長さよりも大であってもよい。
【0348】
第8の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の第1電気部品623,633,635と、前記各第1電気部品623,633,635に対応する複数の部品側コネクタ644,667,668を有する第2電気部品634,641と、前記各第1電気部品623,633,635及び前記各部品側コネクタ644,667,668を接続する複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記ハーネス655~657を配線経路650上に留める結束具694,696,708を経路方向に複数備え、前記第2電気部品634に最も近い側の前記結束具696と前記部品側コネクタ644,667,668との間の前記ハーネス655~657のたるみ量は、経路方向に隣り合う前記結束具694,708間のハーネス655~657のたるみ量よりも大にしたものである。
【0349】
前記結束具694,696,708は、挿通部575を有するヘッド部576と、一端側が前記ヘッド部576に連結され且つ他端側から前記挿通部575に挿通可能なバンド部577とを備え、前記バンド部577は、前記ハーネス655~657に巻き付けて前記挿通部575に挿通したときに前記挿通部575から反挿通方向に抜け出し不能であってもよい。
【0350】
第9の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品612,613,623,632,633,635と、前記各電気部品612,613,623,632,633,635に接続された複数のハーネス655~660と、前記各ハーネス655~660が接続可能な複数の基板側コネクタ644,667~671を有する中継基板634,641とを備えた遊技機において、前記ハーネス655~660は、該ハーネス655~660を前記基板側コネクタ644,667~671に接続するに必要なたるみ量を有するたるみ部655a~660aを前記基板側コネクタ644,667~671に近い側に備え、前記たるみ部655a~660aは、前記基板側コネクタ644,667~671間又は前記基板側コネクタ644,667~671の後近傍に設けられたたるみ配置部680に配置されるものである。
【0351】
前記複数のハーネス655~660の前記たるみ部655a~660aは、前記たるみ配置部680に重ねて配置されることがある。前記たるみ部655a~660aは、前記中継基板634,641の管理情報表示部675と重ならない位置に配置されることが望ましい。
【0352】
第10の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品645,672と、前記複数の電気部品645,672を該遊技部品516以外に設けられた外部電気部品525,526に接続するための複数のハーネス666,674とを備えた遊技機において、前記電気部品645,672から離れた側へと引き出された前記複数のハーネス666,674を前記遊技部品516の裏側で一纏めに留める留め具716を備えたものである。
【0353】
前記遊技部品516は、前記所定部位501の装着孔609に挿入される挿入部610を有し、前記留め具716は前記挿入部610の裏側に備えたものでもよい。前記留め具716に対してハーネス長手方向に前記電気部品645,672と反対側の前記ハーネス666,674は、前記挿入部610の外周又は前記装着孔609の内周よりも内側に屈曲可能であってもよい。
【0354】
第11の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、裏側へと突出する突出部620,628と、複数の電気部品623,633,635と、該各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記ハーネス655~657は前記突出部620,628の裏側を経由して配置されており、前記突出部620,628は前記ハーネス655~657の位置ずれを止めるずれ止め部701,711を備えたものである。
【0355】
前記ハーネス655~657を配線する配線経路650は、前記突出部620,628の後側を経由する後側経由部700,710を備え、前記後側経由部700,710の前記突出部620,628の少なくとも一側に、前記ハーネス655~657を一纏めに留める留め具696,708を備え、前記突出部620,628の後側に、前記後側経由部700,710上の前記ハーネス655~657の位置ずれを止める前記ずれ止め部701,711を備えたものでもよい。
【0356】
前記突出部628は、遊技球を前記所定部位501の裏側へと案内する通路622であってもよい。前記突出部620,628は、該突出部620,628の一側の前記留め具696,708と前記突出部620,628の他側のハーネス位置とを結ぶ線分の近傍にハーネス回避部を備え、前記突出部620,628の前記ハーネス回避部の上側に前記ずれ止め部701,711を備え、前記後側経由部700の前記ハーネス655~657は、前記一側の留め具694と前記他側の留め具696との間に配線されることもある。
【0357】
第12の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、前記各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657とを備え、前記複数のハーネス655~657は、少なくとも線径の太いハーネス583Aと、前記太いハーネス583Aよりも線径の細いハーネス583B,583Cとを含む遊技機において、前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを一纏めに纏めて配線したものである。
【0358】
前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを前記遊技部品516の配線経路650上に並行して配線し、前記太いハーネス583Aと前記細いハーネス583B,583Cとを前記配線経路650に纏めて留める留め具694、696,708を経路長手方向に1又は複数設けたものでもよい。
【0359】
第13の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516を備え、前記遊技部品516は、複数の電気部品623,633,635と、前記各電気部品623,633,635に接続され且つ配線経路650に沿って配線された複数のハーネス655~657とを備えた遊技機において、前記複数のハーネス655~657には長いハーネス655,656と短いハーネス657とがあり、前記配線経路650の内、前記長いハーネス655,656と前記短いハーネス657とが並行して配線された並行配線区間690に、前記長いハーネス655,656と前記短いハーネス657とを一纏めに留める留め具694を備えたものである。
【0360】
少なくとも複数の前記長いハーネス655,656と前記短いハーネス657とが並行に配線される第1並行配線区間690と、前記第1並行配線区間690から分岐する前記短いハーネス657を除いた複数の前記長いハーネス655,656が並行に配線される第2並行配線区間691とを備え、前記第1並行配線区間690の前記ハーネス655~657を一纏めに留める前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記ハーネス655,656を一纏めに留める留め具708とを備えたものでもよい。前記第1並行配線区間690の前記留め具694と、前記第2並行配線区間691の前記留め具708との間に湾曲経路部650aを備え、前記湾曲経路部650aの内周部分に前記ハーネス655~657を案内する配線案内部678aを備えたものでもよい。
【0361】
第14の技術は、所定部位501に設けられた遊技部品516,517を備え、前記遊技部品516,517は、複数の電気部品541~544、634,641と、前記各電気部品541~544、634,641に接続されて該遊技部品516,517の外部に引き出される複数のハーネス556~559、666,674とを備えた遊技機において、全ての前記ハーネスハーネス556~559、666,674を一纏めに留める留め具563,716を備えたものである。
【0362】
所定部位501に設けられた遊技部品516,517を備え、遊技部品516,517は、遊技に関係する複数の第1電気部品612,613,632,623,633と、前記複数の第1電気部品612,613,632,623,633が接続された第1中継基板641と、第1中継基板641に接続され且つ主制御基板525に直接的又は間接的に接続される第1ハーネス674と、演出に関係する複数の第2電気部品635,636と、前記複数の第2電気部品635,636が接続された第2中継基板634と、第2中継基板634に接続され且つ演出制御基板526に直接的又は間接的に接続される第2ハーネス666とを備え、前記留め具716は前記第1ハーネス674と前記第2ハーネス666とを一纏めに留めることもある。
【0363】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1~第3の実施形態と、第4,第5の実施形態とは、全く別の遊技機として具現化されているが、前者と後者とを適切に結合することによって同一の遊技機として具現化できることは言うまでもない。例えば、第4,第5の実施形態に係る遊技機上で、第1~第3の実施形態に係る遊技機と同様の貼付シートを用いることができ、また第1~第3の実施形態に係る遊技機上で、第4,第5の実施形態に係る遊技機におけるハーネス等の配置構成を用いることも可能である。
第2の実施形態では、装飾シール(特定装飾貼付シート)S17を遊技盤16における透明本体板50よりも後側の後部支持部材(所定部材)74に貼付した例を示したが、特定装飾貼付シートを遊技盤16(を構成する透明本体板50)の前面又は後面に貼付してもよい。特定装飾貼付シートを遊技盤16の前面に貼付する場合、本体板は透明でなくてもよい。注意喚起情報表示部は、上部球通路312以外の球通路、例えば発射案内通路86に対応する位置に配置してもよいし、遊技部品が配置されていない位置であって球通路以外の位置に対応して配置してもよい。
【0364】
第1~第3の実施形態では、裏面に糊層を有する装飾シートである装飾シールを遊技盤の所定位置に貼付した例を示したが、糊層を有しない装飾シートを、貼付以外の任意の装着方法で遊技盤に装着してもよい。例えば、装飾シートを遊技盤の後面に装着する場合、透明本体板とその後側に配置される後部支持部材とで装飾シートを挟持してもよい。
【0365】
部分糊層を採用する場合、外周領域の糊部は、本体シートの外周に沿って途切れなく一定幅で配置することが望ましいが、部分的な途切れや幅の変化があってもよい。例えば、本体シートの外周にU字状、その他の切欠部がある場合、図27(A)に示すように、切欠部に沿って糊部を一定幅で配置することが望ましいが、図27(B),(C)に示すように、切欠部の大きさや形状に応じて外周領域の糊部に途切れ箇所や幅狭箇所が生じてもよい。剥がしやすさを優先するのであれば図27(A)よりも図27(B),(C)の方が有利である。また、外周領域の一部を糊なし部としてもよいし、外周領域の一部について糊部の幅を狭く(幅狭部)してもよい。これにより、貼付シートを剥がす際に糊なし部や幅狭部に工具を差し込めるため、作業が容易となる。
【0366】
第1~第3の実施形態では、装飾シールS11~S17のうち、面積が比較的小さい装飾シールS14,S16については全面糊層を採用したが、このような場合、部分糊層の場合よりも全面糊層の場合の方が粘着力の低い糊を使用するようにしてもよい。また、装飾シールS14,S16についても部分糊層を採用してもよい。
【0367】
第1~第3の実施形態では、図10に示すように、複数種類の注意喚起シールS1~S7の全てにおいて共通の色配置を採用したが、複数種類の色配置を採用してもよい。但しこの場合でも、使用する色の組合せ(黄色、黒色、白色)は共通とし、他の貼付シートではその色の組合せは使用しないことが望ましい。図28は、図10に示す注意喚起シールS1~S7のうち、注意喚起シールS5~S7について異なる色配置を採用した例を示している。図28に示す注意喚起シールS5~S7では、背景を白色、文字等を黒色とし、本体シートの外周に沿って黒色の縁取りを設けている。また、第1注意記号s1′については、黒色の縁取りがされた黄色の三角形の中に黒色の「!」が配置された構成となっている。
【0368】
図28(A)に示す注意喚起シールS5では、上辺に沿って一定幅の領域に形成された第1表示部a1に、第1注意記号s1′と、黒色のゴシック体よりなる「注意」の文字で構成される第2注意記号s2とが表示され、その下側の第2表示部a2に、ゴシック体よりなる「金属部品のエッジに注意して下さい。」の横書き文字が黒色で表示されている。
【0369】
図28(B)に示す注意喚起シールS6では、第1表示部a1と第2表示部a2の2つの領域には分けられておらず、また第2注意記号s2は表示されておらず、注意すべき内容を示す「感電、エッジに注意」、「裏カバーの開放に注意」の2種類の文字列の頭に夫々第1注意記号s1′が表示されている。図28(C)に示す注意喚起シールS7も同様に、第1表示部a1と第2表示部a2の2つの領域には分けられておらず、また第2注意記号s2は表示されておらず、注意すべき内容を示す「電源基板高温注意」の文字列の隣に第1注意記号s1′が表示されている。
【0370】
なお、図28に示す注意喚起シールについても、使用する色の組合せ(黄色、黒色、白色)は図10に示す注意喚起シールと同じであるため、図11と同じく、PET、紙等の素材よりなる白色の本体シートに対して、その表面(上面)側に、シルク印刷等により黄色(Y版)、黒色(K版)の2版で印刷を行い、また裏面側にはその全面に糊を付着させた全面糊層(糊版)を設ければよい。
【0371】
第1~第3の実施形態では、主基板情報表示シールS23において、白色及び黒色の2色を使用した例を示したが、白色、黒色の何れか一色のみを使用してもよい。また、本体シートの上面側と裏面側とに夫々白色の版による印刷を行うものとしたが、白色の版を上面側と裏面側の何れか一方にのみ配置してもよい。また、主基板情報表示シールS23と同様の情報表示用貼付シートを、その他の基板ケースにも貼付してもよい。
【0372】
第1~第3の実施形態では、特定装飾貼付シートに設ける情報表示部として、遊技ホール担当者向け或いは遊技者向けの注意喚起情報表示部、著作権情報表示部、二次元コードを設けた例を示したが、その他の情報表示部、例えば性能情報表示部を特定装飾貼付シートに設けてもよい。実施形態では、情報表示部の一例として二次元コードを例示したが、一次元コード(いわゆるバーコード)でもよいことは言うまでもない。
【0373】
第4,第5の実施形態では、所定部位として遊技盤501を例示し、その遊技盤501に設けられる遊技部品として、複合入賞手段516、第1特別図柄始動手段517を例示しているが、遊技盤501以外の所定部位に設けられる各種の遊技部品についても同様に実施可能である。
【0374】
例えばパチンコ機では、遊技盤501に設けられたセンターケース507又は取り付け枠を所定部位とし、その所定部位に直接的又は間接的に演出用、その他の可動体ユニット等の遊技部品を装着する場合にも採用できる。その他、遊技盤501が着脱自在に装着される機枠、遊技盤501の前側に対応して機枠に開閉自在に装着される前扉等を所定部位とし、その所定部位の前側に、発光操作ボタン等の操作演出手段、遊技球の発射用の発射ハンドル等の遊技部品を設ける場合にも採用可能である。更に雀球機、スロットマシン等の遊技機においても採用可能である。
【0375】
第4,第5の実施形態では電気部品として、主制御基板525、演出制御基板526、LED基板543,544、634~636、第1始動スイッチ541、電波センサ542、入賞スイッチ612,623、駆動ソレノイド613、磁気センサ632,633、基板側コネクタ643,672等を例示しているが、これら以外のものでもよいし、またLED基板543,544を含む発光表示手段529,530等がハーネスの接続対象となる場合には、その発光表示手段529,530等自体が一つの電気部品を構成することもある。
【0376】
遊技盤501の遊技領域内に配置される入賞手段等の遊技部品の場合、遊技部品自体が裏側に挿入部547,610を有し、その挿入部547,610を遊技盤501の装着孔537,609に前側から挿入して固定手段により固定されているが、挿入部547,610等を備えておらず、遊技盤501、機枠等の装着対象に対して前側から当接した状態でネジ等の固定手段で固定するような遊技部品でもよい。
【0377】
留め具563,716等の各留め具は、実施形態に例示する構成の結束式でもよいし、その他の構成の結束式でもよい。また留め具は必要箇所で複数のハーネスを遊技部品516,517側に留め得るものであれば十分であり、特定の留め形式に限定されるものではない。
【0378】
組立て時の作業能率を考慮すれば、ハーネスを容易に留め得るものが望ましいことは云うまでもない。また留め具により複数のハーネスを一纏めに留めるに当たってのハーネスの締め付け度合いは、その周辺の状況等に応じて適宜決定すればよく、必ずしも各ハーネスが動かないように締め付ける必要はない。例えば、多くのハーネスがあり、それらのハーネスを集合箇所で一纏めに束ねて留める場合には、ある程度の余裕がある状態で各ハーネスを留める程度でもよい。
【0379】
ハーネスには、使用する素線583の線径が太いハーネス583A(又は583A,583B)と、これよりも線径が細いハーネス583B,583C(又は583C)とがあり、線径が太いほど素線583単位での引張強度が大になる。従って、ハーネスの引っ掛け等が問題となるような配線経路に沿って複数のハーネスを配線するに際しては、線径の太いハーネス583A(又は583A,583B)と、線径の細いハーネス583B,583C(又は583C)とを組み合わせて配線することにより、線径の太いハーネス583A(又は583A,583B)が線径の細いハーネス583B,583C(又は583C)を補強することができる。
【0380】
ハーネス655~661の一端側を電気部品612,613,623,632,633,635,636に接続し、ハーネス655~661の他端側を中継基板634,641の基板側コネクタ643~645,667~670にハーネス側コネクタを介して着脱自在に接続する場合には、中継基板634,641に近い側の留め具685,694,696,714から基板側コネクタ643~645,667~670又はハーネス側コネクタまでのハーネス655~661のたるみ量(前者たるみ量)を、電気部品612,613,623,632,633,635,636に近い側の留め具686,708,714から電気部品612,613,623,632,633,635,636までのハーネス655~661のたるみ量(後者たるみ量)よりも大にすることが望ましい。
【0381】
しかし、ハーネス655~661の一端側をハーネス側コネクタを介して電気部品612,613,623,632,633,635,636側のコネクタに着脱自在に接続する場合には、そのコネクタ同士を着脱できるように後者たるみ量を確保する必要がある。従って、前者たるみ量と後者たるみ量とが略同じである場合もある。
【0382】
前後又は上下に複数の中継基板634,641を配置する遊技部品516において、一方の中継基板641側から他方の中継基板634のハーネス側コネクタにハーネス側コネクタを接続する場合、他方の中継基板634は一方の中継基板641よりも面方向の外側に張り出すように配置して、その張り出し部634A,634Bに基板側コネクタを設ければよい。
【0383】
第5の実施形態では、配線経路650を中継基板634,641側の基板側並行配線区間692と、中継基板634,641とは反対の電気部品並行配線区間690,691とに分けて、この配線経路に650に3本のハーネ655~657を配線するに当たって、電気部品並行配線区間690,691には、3本のハーネス655~657を並行に配線した第1配線区間690と、この第1配線区間690の電気部品623,633側に2本のハーネス655,656を並行に配線した第2並行配線区間691とを設け、また基板側並行配線区間692には、2本のハーネス656,656を並行に配線している。
【0384】
しかし、電気部品並行配線区間690,691の2箇所以上でハーネスが分岐する場合には、第1並行配線区間690からハーネスが分岐する毎に第2並行配線区間691、第3並行配線区間を順次設ければよい。この場合にも、電気部品並行配線区間690,691の最終の部分まで配線されるハーネスには、線径の太いハーネス583A及び/又は583Bを設けることが望ましい。
【0385】
なお、電気部品の種類との関係で電気部品並行配線区間690,691の末端まで線径の太いハーネス583A及び/又は583Bを設けることができず、線径の細いハーネス583Cを設けざるをえない場合には、素線の本数の多いハーネスとすることが望ましい。
【0386】
電気部品623,633,635と中継基板634,641との間の配線経路650に沿って複数のハーネス655~657を配線する場合、配線経路650上に配置する留め具694,696,708は、経路方向に一つでもよいし、複数でもよい。また複数の留め具を設ける場合には、留め位置の周辺の条件、状況等に応じて留め具の種類を変えてもよい。
【0387】
配線経路650に、複数のハーネス655~657が並行に配線された第1並行配線区間690と、第1並行配線区間690の一部のハーネス657が電気部品635へと分岐して他の複数のハーネス655,656が並行に配線された第2並行配線区間691とを設ける場合、第1並行配線区間690のハーネス655~657を留める留め具694、第2並行配線区間691のハーネス655,656を留める留め具708は、一つ、二つ又はそれ以上でもよい。
【0388】
裏側へと突出する突出部620,628と、複数の電気部品623,633,635と、この各電気部品623,633,635に接続された複数のハーネス655~657とを備えた遊技部品516において、ハーネス655~657を突出部620,628の裏側を経由して配置する場合に、突出部620,628にハーネス655~657の位置ずれを止めるずれ止め部701,711を設けることが望ましい。この場合のずれ止め部701,711は、ハーネス回避部側へとハーネス655~657が移動しないように、ハーネス回避部側に設けるだけでもよいし、ハーネス655~657の上下両側に設けてもよい。
【0389】
また突出部620,628の後側を経由する後側経由部700,710を経由してハーネス655~657を配線する場合、突出部620,628の両側にハーネス655~657の留め具を設けることが望ましいが、突出部620,628の片側に留め具694,708を配置して、反対側はハーネス655~657の合流部又は分岐部とすることもできる。その場合、反対側の合流部側又は分岐部側でハーネス655~657を緩やかに縒り合わせる等して、ハーネス655~657が分離しないように連携部を設けることも可能である。
【0390】
第1~第5の実施形態のうちの2以上を適宜組み合わせてもよい。実施形態は本発明をパチンコ機に採用した例を示したが、スロットマシン、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0391】
S1
~S7 注意喚起シール(貼付シート、注意喚起情報貼付シート)
S11
~S17 装飾シール(貼付シート、装飾貼付シート、装飾シート)
S21 性能情報表示シール(貼付シート)
S22 外部端子情報表示シール(貼付シート)
S23 主基板情報表示シール(貼付シート)
7 ガラス扉(開閉扉)
131
~136 被貼付部
301 第1注意喚起情報表示部
302 第2注意喚起情報表示部
303 著作権情報表示部
304 二次元コード表示部
311 被貼付部
315 注意喚起情報表示部
501 遊技盤
502 遊技領域
516 複合入賞手段(遊技部品)
517 第1特別図柄始動手段(遊技部品)
525 主制御基板(第1外部電気部品)
526 演出制御基板(第2外部電気部品)
541 第1始動スイッチ(電気部品)
542 電波センサ(電気部品)
543,544 LED基板(電気部品)
547,610 挿入部
537,609 装着孔
552,553 基板側コネクタ(電気部品)
556,557 ハーネス
563 留め具
568 突出部
574 結束具
575 挿通部
576 ヘッド部
577 バンド部
583 素線
583A 太ハーネス
583B 並ハーネス
583C 細ハーネス
612 入賞スイッチ(電気部品)
613 駆動ソレノイド(電気部品)
618 第1突出部
620 第2突出部
623 入賞スイッチ(電気部品)
628 第3突出部
629 第4突出部
630 第5突出部
632,633 磁気センサ(電気部品)
634~636 LED基板(電気部品)
637~639 基板側コネクタ
641 中継基板(電気部品)
644~647 基板側コネクタ
650 第1配線経路
650a 第1湾曲経路部
651 第2配線経路
652 第3配線経路
655a~660a たるみ部
655~661 ハーネス
680 たるみ配置部
685,686,694,696,708 留め具
690 第1並行配線区間
691 第2並行配線区間
700,710 後端側経由部
720 分岐位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43