IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サンセイアールアンドディの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107700
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011765
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】牧 智宣
(72)【発明者】
【氏名】下田 諒
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA39
2C088AA42
2C088CA19
2C088EA10
2C333AA11
2C333CA04
2C333CA08
2C333CA49
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣を向上させることを目的とする。
【解決手段】特定領域を遊技球が通過することで大当たり遊技へ移行する遊技機は、特別図柄の抽選として、遊技球を獲得可能な大当たり遊技への移行の抽選、および、時短状態への移行の抽選を行い、時短状態への移行の抽選に当選し時短状態へ移行した後、特定の入球口へ遊技球が入球すると、特定領域を有する特定入賞口が開放され特定領域を遊技球が通過可能となる。
【選択図】図40
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定領域を遊技球が通過することで大当たり遊技へ移行する遊技機であって、
特別図柄の抽選として、遊技球を獲得可能な大当たり遊技への移行の抽選、および、時短状態への移行の抽選を行い、
前記時短状態への移行の抽選に当選し前記時短状態へ移行した後、特定の入球口へ遊技球が入球すると、前記特定領域を有する特定入賞口が開放される、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記時短状態には、前記特定の入球口への遊技球の入球が困難な第1時短状態および前記特定の入球口への遊技球の入球が容易な第2時短状態が少なくとも含まれる、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記第2時短状態へ移行した場合、前記特別図柄の抽選を経由することなく、前記大当たり遊技へ移行する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の遊技機であって、
前記大当たり遊技には、第1大当たり遊技および前記第1大当たり遊技に比べて獲得可能な遊技球の数が多い第2大当たり遊技が少なくとも含まれる、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項4に記載の遊技機であって、
前記第1大当たり遊技で獲得可能な遊技球の数は、前記第2時短状態への移行を契機として獲得される遊技球の数よりも少ない、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特図変動後の停止図柄が特定のハズレ図柄となった場合に、遊技状態が時短状態に切り替えられる遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような遊技機では、特図変動後の停止図柄が特定のハズレ図柄となった場合に移行される時短状態における種々の遊技を実行することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-94812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の遊技機によっても、遊技の興趣を向上させるための技術については、なお改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、遊技の興趣の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
特定領域を遊技球が通過することで大当たり遊技へ移行する遊技機であって、
特別図柄の抽選として、遊技球を獲得可能な大当たり遊技への移行の抽選、および、時短状態への移行の抽選を行い、
前記時短状態への移行の抽選に当選し前記時短状態へ移行した後、特定の入球口へ遊技球が入球すると、前記特定領域を有する特定入賞口が開放される、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例2]
適用例1に記載の遊技機であって、
前記時短状態には、前記特定の入球口への遊技球の入球が困難な第1時短状態および前記特定の入球口への遊技球の入球が容易な第2時短状態が少なくとも含まれる、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例3]
適用例2に記載の遊技機であって、
前記第2時短状態へ移行した場合、前記特別図柄の抽選を経由することなく、前記大当たり遊技へ移行する、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例4]
適用例2または適用例3に記載の遊技機であって、
前記大当たり遊技には、第1大当たり遊技および前記第1大当たり遊技に比べて獲得可能な遊技球の数が多い第2大当たり遊技が少なくとも含まれる、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例5]
適用例4に記載の遊技機であって、
前記第1大当たり遊技で獲得可能な遊技球の数は、前記第2時短状態への移行を契機として獲得される遊技球の数よりも少ない、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】遊技機の正面図である。
図2】主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図3】センサ・ソレノイドを説明するための図である。
図4】サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図5】遊技制御用マイコンおよび演出制御用マイコンの記憶領域を説明するための図である。
図6】特別図柄当たり判定テーブル、普通図柄当たり判定テーブル、大入賞口開放抽選判定テーブルの説明図である。
図7】大当たり種別判定テーブル及びc時短種別判定テーブルの説明図である。
図8】非時短状態時の変動パターン判定テーブルの説明図である。
図9】時短状態時の変動パターン判定テーブルの説明図である。
図10】電チュー開放パターン判定テーブル、電チュー開放パターン詳細、普通図柄変動パターン判定テーブルの説明図である。
図11】主制御メイン処理のフローチャートである。
図12】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
図13】普通動作処理のフローチャートである。
図14】大入賞口開放チャッカー処理のフローチャートである。
図15】特別動作処理のフローチャートである。
図16】特図1待機処理のフローチャートである。
図17】特図1当たり判定処理のフローチャートである。
図18】特図1確定処理のフローチャートである。
図19】遊技状態管理処理のフローチャートである。
図20】特図2待機処理のフローチャートである。
図21】特図2当たり判定処理のフローチャートである。
図22】特図2確定処理のフローチャートである。
図23】特別電動役物処理(大当たり)のフローチャートである。
図24】遊技状態設定処理のフローチャートである。
図25】特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。
図26】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
図27】サブ側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
図28】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
図29】変動演出開始処理のフローチャートである。
図30】ゲームフローを説明するための図である。
図31】見かけのゲームフローを説明するための図である。
図32】ST状態における当たり演出A、Bの例を説明するための図である。
図33】ST状態における当たり演出C、Dの例を説明するための図である。
図34】ST状態における当たり演出Eの例を説明するための図である。
図35】ST状態における当たり演出Fの例を説明するための図である。
図36】ST状態における当たり演出Gの例を説明するための図である。
図37】ST状態における当たり演出Hの例を説明するための図である。
図38】大入賞口開放抽選判定の別例について説明するための図である。
図39】特図2(第2特別図柄)の抽選に関する特徴を表す図である。
図40】時短2状態の特徴を表す図である。
図41】時短2状態の別例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
1.遊技機の構造
図1は、本発明の一実施形態としての遊技機1の正面図である。以下では、遊技機1の左右方向を、遊技機1に対面する遊技者から見た左右方向に一致させて説明する。また、遊技機1の前方向は、遊技機1から遊技者に向かう方向として説明し、遊技機1の後方向は、遊技者から遊技機1に向かう方向として説明する。
【0012】
遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。
【0013】
遊技機1は、遊技機枠50と、遊技盤2とを備え、遊技機枠50の内側に遊技盤2が取り付けられている。遊技機枠50は、前枠(前枠部)53のほか、遊技機の外郭部を形成する外枠(基枠部)と、外枠の内側において遊技盤2が取り付けられる内枠と、を備えている。
【0014】
前枠(前枠部)53は、外枠および内枠の前方側に配置される縦長方形状のユニットであり、ハンドル60と、打球供給皿(上皿)61と、余剰球受皿(下皿)62と、演出ボタン63と、剣部材64と、剣ボタン65と、枠ランプ66と、スピーカ67と、セレクトボタン68と、枠可動体600とを備えている。前枠53の中央には開口部が形成されており、開口部を介して、遊技盤2の遊技領域3を視認することができる。
【0015】
ハンドル60は、前枠53の右側の下端に配置され、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させる。打球供給皿(上皿)61は、前枠53の下方に設けられ、遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿)62は、打球供給皿(上皿)61の下方に配置され、打球供給皿(上皿)61に収容しきれない遊技球を貯留する。
【0016】
演出ボタン63は、打球供給皿(上皿)61の近傍に配置された操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作(押圧)される。剣部材64は、剣の形を模した操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が下方向に押し込むことができる。剣ボタン65は、剣部材64の上端部分、すなわち、剣の柄の端部に設けられた操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作(押圧)される。剣部材64は、剣部材64全体を下方に押し込む第1の操作と、先端の剣ボタン65を押圧する第2の操作の異なる2つの操作を実行可能に構成されている。
【0017】
枠ランプ66は、前枠53の開口部周辺に配置され、遊技中などに発光演出をおこなう。スピーカ67は、前枠53の左上方と右上方に配置され、遊技中などに音演出をおこなう。セレクトボタン68は、いわゆる十字キーとなっており、左ボタン、右ボタン、上ボタン、および、下ボタンから構成され、各種入力を可能にする。枠可動体600は、前枠53の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。枠可動体600は、前枠53の内部に格納されている格納状態から、前枠53の上方に突出する露出状態に変位可能に構成されている。
【0018】
遊技盤2は、遊技領域3と、レール部材4と、盤ランプ5と、画像表示装置7と、センター装飾体10と、固定入賞装置(ヘソ)19と、第2入賞装置22と、普通可変入賞装置(電チュー)17と、ゲート(スルーチャッカー)28と、大入賞装置(アタッカー)31と、一般入賞口27(普通入賞口27)と、アウト口85と、表示器40と、を備えている。
【0019】
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下する領域であり、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。レール部材4は、遊技領域3の左側端部に配置され、ハンドル60の操作によって発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けて誘導する。盤ランプ5は、遊技領域3の背面側に配置され、遊技領域3の背面側から光を照射する。
【0020】
画像表示装置7は、遊技領域3の中央付近に設けられ、表示画面7aを備えている。画像表示装置7は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクスなどの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面7aは、演出図柄(装飾図柄)8L、8C、8Rが変動表示される演出図柄表示領域と、保留画像9Aが表示される保留画像表示領域と、保留消化画像9Cが表示される保留消化画像表示領域と、を有している。保留画像9Aは、保留を表す画像であり、保留アイコン9Aとも呼ぶ。保留消化画像9Cは、当該変動に対応する画像であり、当該変動画像9C、または、当該変動アイコン9Cとも呼ぶ。なお、保留消化画像9Cは、当該変動に対応する画像であり、保留を示すものではないが、保留画像9Aと保留消化画像9Cとを合わせて、便宜上、保留画像とも呼ぶ。
【0021】
演出図柄表示領域は、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアを含んでいる。左の図柄表示エリアには左演出図柄(左装飾図柄)8Lが表示される。中の図柄表示エリアには中演出図柄(中装飾図柄)8Cが表示される。右の図柄表示エリアには右演出図柄(右装飾図柄)8Rが表示される。演出図柄8L、8C、8Rは、例えば「0」~「9」までの数字を表した複数の図柄によって構成されている。演出図柄8L、8C、8Rの変動表示は、後述する第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示と同期している。画像表示装置7は、左、中、右の図柄表示エリアに表示する演出図柄の組み合わせによって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(大当たり抽選結果)を、遊技者にわかりやすく表示することができる。なお、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」と呼ぶ。
【0022】
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。遊技者は、大当たり抽選結果を画像表示装置7によって把握することができる。また、演出図柄の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様であってもよいしそれ以外の態様であってもよい。各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは上記に限定されず任意に設定することができる。以後、演出図柄8L、8C、8Rを表示する演出を「演出図柄の変動演出」、「装飾図柄の変動演出」または、単に「変動演出」とも呼ぶ。なお、この演出図柄の変動演出は、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間(特別図柄変動期間とも呼ぶ)における演出を1回の変動演出としてカウントする。従って、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間に、装飾図柄を仮停止させる場合があったとしても、当該仮停止の演出は、装飾図柄の変動演出に含まれる。
【0023】
画像表示装置7は、演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行しておこなわれる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示することができる。演出図柄変動演出では、演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出画像も表示されてもよい。また、画像表示装置7は、演出図柄に加え、特別図柄が変動中であることを示唆したり、特別図柄の抽選結果を示唆したりすることが可能な識別表示(第四図柄、図示省略)を、表示画面7aに表示してもよい。なお、識別表示(第四図柄)は、遊技領域3に設けられたLEDなどの発光器によって表示させてもよい。
【0024】
保留画像表示領域は、後述の第1特図保留の記憶数に応じて保留画像9Aを表示する第1保留表示エリアを含んでいる。保留画像9Aの表示によって、第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく表示することができる。保留消化画像表示領域は、保留消化画像9Cを表示する保留消化表示エリアを含んでいる。保留消化画像9Cは、表示画面7aで現在変動中の演出図柄(演出図柄8L、8C、8R)に対応しており、保留消化画像9Cの表示によって、第1特図保留が消化(後述の「特図保留の消化」)されることを、遊技者にわかりやすく表示することができる。
【0025】
センター装飾体10は、遊技領域3の中央付近であって、画像表示装置7の前方に配置されている。
センター装飾体10の下部には、ステージ部11が形成されている。ステージ部11は、ステージ部11の上面を転動する遊技球を後述の第1始動口20へと誘導可能な形状を有している。センター装飾体10の左下方には、ワープ部12が設けられている。ワープ部12は、遊技球が流入する入口部と遊技球が流出する出口部とを備え、入口部から流入した遊技球を出口部からステージ部11に流出させる。
【0026】
第1固定入賞装置(ヘソ)19は、遊技領域3における画像表示装置7の下方に配置され、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20を備えている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。言い換えれば、第1始動口20への遊技球の入賞は、当たり乱数等の取得および大当たり判定等の契機となっている。
【0027】
第2固定入賞装置22は、遊技領域3における画像表示装置7の下方に配置され、遊技球の入球し易さが常に変わらない第2始動口21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。言い換えれば、第2始動口21への遊技球の入賞は、当たり乱数等の取得および大当たり判定等の契機となっている。
【0028】
ゲート(スルーチャッカー)28は、遊技領域3における大入賞装置(アタッカー)31の上方に配置されており、遊技球が通過可能に構成されている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー17を開放するか否かを決定する普通図柄抽選の契機となっている。言い換えれば、ゲート28の遊技球の通過は、普通図柄乱数の取得および当たり判定等の契機となっている。
【0029】
普通可変入賞装置(電チュー)17は、遊技領域3における大入賞装置(アタッカー)31の下部に配置され、大入賞口開放チャッカー16を備えている。大入賞口開放チャッカー16への遊技球の入賞は、大入賞口開放抽選(小当たり抽選)の契機となっている。電チュー17は、大入賞口開放チャッカー16の前方に第1開閉部材18を備えており、第1開閉部材18の作動によって大入賞口開放チャッカー16を開閉する。第1開閉部材18は、電チューソレノイド24(図3)によって駆動される。大入賞口開放チャッカー16は、第1開閉部材18が開状態のとき遊技球が入球可能である。なお、電チュー17は、第1開閉部材18が開状態のときの方が閉状態のときよりも大入賞口開放チャッカー16への入球が容易であればよく、閉状態のときに大入賞口開放チャッカー16への入球が可能であってもよい。
【0030】
ここで、「特別図柄の抽選」とは、第1始動口20、または、第2始動口21に遊技球が入賞したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当たり」に対応する値と比較することにより、大当たりか否かを判定する処理をいう。この「大当たり」の抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、表示器40で特別図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する特別図柄が停止表示(確定表示)され、遊技者に抽選結果が報知される。画像表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期して演出図柄を変動表示する図柄合わせゲームが行われ、この図柄合わせゲームによって、より効果的に大当りの抽選結果が遊技者に報知される。
【0031】
また、「普通図柄の抽選」とは、ゲート28を遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、ゲート28を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、表示器40において普通図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する普通図柄が確定表示(点灯または消灯)され、遊技者に抽選結果が報知される。
【0032】
大入賞装置(アタッカー)31は、遊技領域3における第1始動口20の右下方に配置され、大入賞口30と、V領域39と、非V領域70と、V開閉部材71とを備えている。大入賞口30は、スイング式の開閉動作により遊技球の受け入れを許容または阻害する開閉部材32を備えている。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図3)によって駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態のときに遊技球が入球可能となる。
【0033】
大入賞装置31は内部に、V領域(特定領域)39と、V領域センサ39a(図3)と、非V領域(非特定領域)70と、非V領域センサ70a(図3)と、大入賞口センサ30a(図3)と、V開閉部材71と、V開閉部材ソレノイド73(図3)と、を備えている。
【0034】
V領域(特定領域)39および非V領域(非特定領域)70は、大入賞装置31の内部において、大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な領域として構成されている。大入賞口センサ30aは、V領域39および非V領域70の上流に配置され、大入賞口30への遊技球の入賞を検知する。V領域センサ39aは、V領域39に配置され、V領域39への遊技球の通過を検知する。非V領域センサ70aは、非V領域70に配置され、非V領域70への遊技球の通過を検知する。
【0035】
V開閉部材71は、大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。V開閉部材71は、回転移動(遊技盤2に対して時計回りおよび反時計回り)するように構成され、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、原点位置から反時計回りに回転して遊技球をV領域39に振り分ける第1の状態(回動状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、原点に位置して遊技球を非V領域70に振り分ける第2の状態(停止状態)となる。なお、V開閉部材71は、回転移動に限らず、大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける機能を有しておればよく、例えば、遊技盤2に対して前後方向に移動するように構成してもよい。すなわち、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、遊技球をV領域39に振り分ける退避状態(第1の状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非V領域70に振り分ける進出状態(第2の状態)となるように構成してもよい。
【0036】
本実施形態の大入賞装置31は、さらに、大入賞装置31から排出される遊技球数を計数する大入賞装置排出センサ31a(図3)を備えている。大入賞装置排出センサ31aは、V領域39と非V領域70が下流で合流した地点に設けられており、V領域センサ39aまたは非V領域センサ70aを通過した遊技球数を計数する。
【0037】
一般入賞口27は、遊技領域3の下部に設けられている。アウト口85は、遊技領域3の下部に設けられており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外へ排出する。表示器40は、遊技盤2の右側中央付近に配置されている。
【0038】
遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼ぶ。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼ぶ。遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28の通過、大入賞口開放チャッカー16、第2始動口21、大入賞口30への入賞が狙うことができるように構成されている。
【0039】
遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、コマンドセット領域84aあるいは特図保留記憶領域84e(図5)に一旦記憶される。具体的には、第1始動口への入賞であれば、第1特図保留として第1特図保留記憶領域(図5)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば、第2始動口入球コマンドがコマンドセット領域84aに記憶される。特図保留記憶領域84eに記憶可能な特図保留の数には上限があり、本実施形態における上限値は4個となっている。特図保留記憶領域84eに記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。「特図保留の消化」とは、その特図保留に対応する当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、第1始動口または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐにおこなえない場合、すなわち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができる。
【0040】
遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数の値は、普図保留記憶領域84f(図5)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶領域84fに記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。普図保留記憶領域84fに記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐにおこなえない場合、すなわち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができる。
【0041】
2.遊技機の電気的構成
図2図4に基づいて、遊技機1の電気的構成について説明する。図2は、遊技機1の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。図4は、遊技機1のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。遊技機1は、主制御基板80(図2)と、サブ制御基板90(図4)と、画像制御基板100(図4)と、ランプ制御基板107(図4)と、音声制御基板106(図4)と、払出制御基板110(図2)と、電源基板116(図2)と、を備えている。
【0042】
主制御基板80は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御をおこなう遊技制御基板であり、メイン制御部を構成する。サブ制御基板90は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御をおこなう演出制御基板であり、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていれば構成可能である。
【0043】
主制御基板80は、遊技制御用マイコン81と、入出力回路87と、を備えている。遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の進行を制御する。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
【0044】
主制御基板80には、入出力回路87を介してセンサ・ソレノイド44が接続されている。センサ・ソレノイド44は、各種のセンサ、ソレノイドの総称である。センサ類としては、図3に示すように、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口開放チャッカーセンサ16a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30a、V領域センサ39a、非V領域センサ70a、普通入賞口センサ27a、大入賞装置排出センサ31aが例示される。
【0045】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20の内部に設けられ、第1始動口20に入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ21aは、第2始動口21の内部に設けられ、第2始動口21に入賞した遊技球を検出する。大入賞口開放チャッカーセンサ16aは、大入賞口開放チャッカー16の内部に設けられ、大入賞口開放チャッカー16に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28の内部に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出する。大入賞口センサ30aは、大入賞口30の内部に設けられ、大入賞口30に入賞した遊技球を検出する。V領域センサ39aは、V領域39に設けられ、V領域39を通過した遊技球を検出する。非V領域センサ70aは、非V領域70に設けられ、非V領域70を通過した遊技球を検出する。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27の内部に設けられ、普通入賞口27に入賞した遊技球を検出する。大入賞装置排出センサ31aは、大入賞装置31から排出される遊技球を検出する。
【0046】
ソレノイド類としては、図3に示すように、電チューソレノイド24、大入賞口ソレノイド33、V開閉部材ソレノイド73が例示される。
電チューソレノイド24は、電チュー17の第1開閉部材18を駆動する。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。
【0047】
主制御基板80には、入出力回路87を介して表示器40が接続されている。遊技制御用マイコン81は、表示器40の表示制御おこなう。
主制御基板80には、入出力回路87を介して外部端子板70が接続されている。主制御基板80は、外部端子板70に対し、賞球情報、扉または枠の開放情報、第1特別図柄または第2特別図柄の変動回数、第1始動口20、第2始動口21への遊技球の入賞、大当たり中であるか否か、および、セキュリティー信号などを出力する。
【0048】
主制御基板80には、入出力回路87を介して払出制御基板110が接続されている。主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。
払出制御基板110には、賞球払出装置120と、貸球払出装置130と、カードユニット135と、が接続されている。
【0049】
主制御基板80には、入出力回路87を介して電源基板116が接続されている。主制御基板80は、電源基板116から供給される電源により動作し、他の基板に対しても電源を分配する(不図示)。また、電源基板116を介して発射装置112が接続されている。
【0050】
主制御基板80には、入出力回路87を介してサブ制御基板90(図4)が接続されている。主制御基板80は、サブ制御基板90に対して各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0051】
サブ制御基板90は、演出制御用マイコン91と、入出力回路95と、を備えている。演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の演出を制御する。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。サブ制御基板90には、入出力回路95を介して、画像制御基板100と、音声制御基板106と、ランプ制御基板107と、中継基板108と、が接続されている。
【0052】
画像制御基板100は、プログラムに従って画像表示装置7の表示制御をおこなう。画像制御基板100のCPUユニットには、表示制御をおこなうためのプログラムのほか、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
【0053】
音声制御基板106には、スピーカ67が接続されており、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力させる。
【0054】
ランプ制御基板107には、枠ランプ66と、盤ランプ5と、が接続されており、これらを制御する。
【0055】
中継基板108には、演出ボタン63と、セレクトボタン68と、枠可動体600と、が接続されている。演出ボタン63は、遊技者によって押圧(押下)操作されると、中継基板108を介してサブ制御基板90にスイッチ信号を出力する。また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づき、演出ボタン63を動作させる。演出ボタン63は、押圧操作可能であるだけでなく、ボタン本体部の上面部分がわずかに突出する通常位置(埋没位置)と、ボタン本体部の大部分が突出する突出位置とに位置変化可能となっている。つまり、演出の一つとして演出ボタン63がせり上がるようになっている。セレクトボタン68は、遊技者によって押圧(押下)されると、中継基板108を介してサブ制御基板90にスイッチ信号を出力する。
【0056】
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠可動体600を動作させる。枠可動体600は、前枠53(図1)の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。演出制御用マイコン91は、枠可動体600の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体600の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブROM93に格納されているデータを用いる。なお、中継基板108には、前枠53に設けられ、人体が接触すると検出信号を出力するタッチセンサなどが接続されていてもよい。
【0057】
3.遊技機のデータ構成
図5に基づいて、遊技機1のデータ構成について説明する。図5(A)は、遊技制御用マイコン81のメインROM83に記憶されているテーブルを説明するための図である。図5(B)は、遊技制御用マイコン81のメインRAM84に設けられている記憶領域を説明するための図である。図5(C)は、演出制御用マイコン91のサブROM93に記憶されているテーブルを説明するための図である。図5(D)は、演出制御用マイコン91のサブRAM94に設けられている記憶領域を説明するための図である。
【0058】
メインROM83(図5(A))には、テーブル記憶領域83aが設けられている。このテーブル記憶領域83aには、特別図柄当たり判定テーブル、リーチ判定テーブル、普通図柄当たり判定テーブル、普通図柄変動パターン判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、変動パターン判定テーブル、電チュー開放パターン判定テーブル、大入賞口開放パターン判定テーブルなど、が格納されている。これらの判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が実行する主制御メイン処理(後述)において、遊技制御用マイコン81によって参照される。
【0059】
メインRAM84(図5(B))には、コマンドセット領域84aと、フラグセット領域84bと、カウンタセット領域84cと、ステータスセット領域84dと、特図保留記憶領域84eと、普図保留記憶領域84fと、が設けられている。
【0060】
コマンドセット領域84aは、主制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側からサブ制御部側に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、第2始動口入球コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンドなどがセットされる。
【0061】
フラグセット領域84bは、主制御メイン処理(後述)において、遊技機の状態や遊技状態を示すフラグがセットされる領域であり、大当たりフラグ、小当たりフラグ、時短フラグなどがセットされる。
【0062】
カウンタセット領域84cは、主制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、ラウンドカウンタ、時短カウンタなどがセットされる。
【0063】
ステータスセット領域84dは、後述する特別動作処理における特図1動作ステータス及び特図2動作ステータス、さらに、時短ステータスがセットされる領域である。
【0064】
特図保留記憶領域84eは、第1特図保留が記憶される第1特図保留記憶領域を含んでいる。第1特図保留記憶領域には、第1特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する特別図柄当たり乱数等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。
【0065】
普図保留記憶領域84fは、普図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する普通図柄乱数(当たり乱数)等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。
【0066】
サブROM93(図5(C))には、テーブル記憶領域93aが設けられている。テーブル記憶領域93aには、先読み演出パターン決定テーブル、基幹演出パターン決定テーブル、チャンスアップ演出パターン決定テーブル、停止図柄パターン決定テーブルなど、が格納されている。これらの決定テーブルは、演出制御用マイコン91が実行するサブ制御メイン処理(後述)において、演出制御用マイコン91によって参照される。
【0067】
サブRAM94(図5(D))には、コマンド記憶領域94aと、演出コマンドセット領域94bと、カウンタセット領域94cと、ワーク領域94dと、が設けられている。コマンド記憶領域94aは、サブ制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側から入力されたコマンドが記憶される領域(入力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、第2始動口入球コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、などが格納される。演出コマンドセット領域94bは、サブ制御メイン処理(後述)において、サブ制御基板90から画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、変動演出開始コマンド、変動終了前コマンド、変動演出終了コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、2変動複合演出コマンド、遷移示唆演出コマンドなどがセットされる。カウンタセット領域94cは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、第1特図保留演出カウンタ、普図保留演出カウンタ、時短演出カウンタなどがセットされる。ワーク領域94dは、演算等のための一時的な記憶を実現するワークエリアである。なお、ワーク領域94dを除く他の領域は、図示しない電源によってバックアップされており、遊技機1の電源がオフされても、その内容が保持される。
【0068】
ここで遊技機1において遊技制御用マイコン81が取得する各種乱数について説明する。
遊技制御用マイコン81は、「特別図柄当たり乱数」と、「特別図柄当たり種別乱数」と、「リーチ乱数」と、「変動パターン乱数」と、「普通図柄当たり乱数」と、「普通図柄当たり種別乱数」と、「大入賞口開放乱数」とを後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。
【0069】
「特別図柄当たり乱数」は、大当たりか否かの抽選及び小当たりか否か(大当たり判定)の抽選に用いられる乱数であり、0~65535までの範囲の値をとる。
【0070】
「特別図柄当たり種別乱数」は、当選した大当たりの種別の抽選(大当たり種別判定)及び小当たりの種別の抽選(小当たり種別判定)に用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。
【0071】
「リーチ乱数」は、大当たり判定がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば、「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で揺れているように表示されてもよい。
【0072】
「変動パターン乱数」は、変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。
【0073】
「普通図柄当たり乱数」は、電チュー17を開放させる補助遊技をおこなうか否かの抽選(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄乱数は、0~255までの範囲の値をとる。
【0074】
「普通図柄当たり種別乱数」は、補助遊技として行う電チュー17の開放パターンの抽選に用いられる乱数であり、0~127での範囲の値をとる。
【0075】
「大入賞口開放乱数」は、大入賞口30を開放させる補助遊技をおこなうか否かの抽選(大入賞口開放抽選)に用いられる。大入賞口開放乱数は、0~65535までの範囲の値をとる。
【0076】
「特別図柄当たり乱数」、「特別図柄当たり種別乱数」、「リーチ乱数」、「変動パターン乱数」は、始動口(第1始動口20または第2始動口21)への入球に基づいて取得される。第1始動口20への入球に基づいて取得された乱数値群は第1特図保留記憶領域に記憶され、第2始動口21への入球に基づいて取得された乱数値群はコマンドセット領域84aに記憶される。「普通図柄当たり乱数」、「普通図柄当たり種別乱数」は、ゲート28の通過に基づいて取得される。取得された普通図柄乱数値は、普図保留記憶領域84fに記憶される。「大入賞口開放乱数」は、大入賞口開放チャッカー16への入賞に基づいて取得される。
【0077】
次に遊技機1において演出制御用マイコン91が取得する各種乱数について説明する。
演出制御用マイコン91は、「先読み演出乱数」と、「チャンスアップ乱数」と、「演出乱数」と、を取得するように構成されている。
【0078】
「先読み演出乱数」は、カウンタセット領域94cにセットされる先読み演出カウンタの値として取得され、変動演出時の先読み演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「先読み演出乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に事前判定コマンドが出力されたことに基づいて取得される。
【0079】
「チャンスアップ乱数」は、変動演出時のチャンスアップ演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「チャンスアップ乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に変動開始コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値はサブRAM94に記憶される。
【0080】
4.各種テーブルの説明
図6(A)は、特別図柄当たり判定テーブルを説明するための図である。
特別図柄当たり判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した当たり乱数値(0~65535のいずれか)が「大当たり」に該当するか、「小当たり」に該当するか、「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。
【0081】
第1特別図柄において、当たり乱数値が「0~204」の場合には「大当たり」と判定され、当たり乱数値が「0~204以外の数値」の場合には「ハズレ」と判定されることが示されている。
すなわち、第1特別図柄において、1/319.7の確率で大当たりに当選する。
【0082】
第2特別図柄において、当たり乱数値が「0~204」の場合には「大当たり」と判定され、当たり乱数値が「300~954」の場合には「c時短」と判定され、「0~204、300~954以外の数値」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
すなわち、第2特別図柄において、1/319.7の確率で大当たりとなり、1/100.1の確率でc時短となり、その他の場合はハズレとなる。
【0083】
リーチ判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得したリーチ乱数値(0~127のいずれか)が「リーチ有り」に該当するか「リーチ無し」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。リーチ判定テーブルにおけるリーチ判定は、遊技機1の遊技状態に基づいておこなわれる。本実施形態では、「非時短状態」において、リーチ乱数値が「0~13」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~13以外の数値(14~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定される。また、「時短状態」において、リーチ乱数値が「0~5」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~5以外の数値(6~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定される。
【0084】
図6(B)は、普通図柄当たり判定テーブルを説明するための図である。
普通図柄当たり判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した普通図柄乱数値(0~255のいずれか)が「当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。普通図柄当たり判定テーブルにおける判定は、遊技機1の遊技状態に基づいておこなわれる。本実施形態では、「非時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~1」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~1以外の数値(2~255)」の場合には、「ハズレ」と判定される。また、「時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~254」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~254以外の数値(255)」の場合には、「ハズレ」と判定される。
【0085】
図6(C)は、大入賞口開放抽選判定テーブルを説明するための図である。
大入賞口開放抽選判定テーブルは、技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大入賞口開放乱数値(0~65535のいずれか)が「当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。大入賞口開放乱数値が「0~65534」の場合には「小当たり」と判定され、「65535」の場合には「ハズレ」と判定される。すなわち、99.99%の確率で「小当たり」と判定される。
【0086】
図7(A)は、大当たり種別判定テーブルを説明するための図である。大当たり種別判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり種別乱数値(0~127のいずれか)に応じて、「大当たりの種別」を判定するために参照されるテーブルである。
【0087】
第1特別図柄(特図1)の抽選において当選したとき、大当たり種別乱数値が「0~63」である場合、「10R一種大当たり(a時短あり)」と判定され、大当たり種別乱数値が「64~127」である場合、「10R一種大当たり(a時短なし)」と判定される。
【0088】
遊技状態が時短状態でないとき、すなわち、非時短状態であるとき、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選すると、一種大当たりである場合は大当たり種別乱数値に関わらず「10R一種大当たり(a時短なし)」と判定される。また、遊技状態が時短状態であるときに特図2の抽選において当選すると、大当たり種別乱数値が「0~89」である場合、「10R一種大当たり(a時短あり)」と判定され、大当たり種別乱数値が「90~127」である場合、「4R一種大当たり(a時短あり)」と判定される。
【0089】
大入賞口開放抽選において小当たりに当選した場合、大当たり種別乱数値に関わらず、「10R二種大当たり(a時短あり)」と判定される。
【0090】
なお、一種大当たりとは、当たり判定処理において、大当たりと判定される大当たりであり、二種大当たりとは、当たり判定処理において、小当たりと判定された後に、大入賞装置31内部のV領域39を通過することで大当たりとなる大当たりである。
【0091】
図7(B)は、c時短種別判定テーブルを説明するための図である。c時短種別判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり種別乱数値(0~127のいずれか)に応じて、「c時短の種別」を判定するために参照されるテーブルである。
【0092】
第2特別図柄(特図2)の抽選においてc時短に当選すると、大当たり種別乱数値が「0~37」である場合は、「c時短1」と判定される。また、大当たり種別乱数値が「38~127」である場合は、「c時短2」と判定される。c時短1とc時短2の違いについては後述する。
【0093】
図8は、非時短状態時の変動パターン判定テーブルを説明するための図である。図9は、時短状態時の変動パターン判定テーブルを説明するための図である。変動パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した変動パターン乱数値(0~127)に応じて、変動パターンを判定するために参照されるテーブルである。
【0094】
非時短状態において第1始動口20に入賞し、特別図柄当たり判定テーブルにおいて「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルにおいて「リーチ有り」と判定され、保留球数が「1~2」であり、変動パターン乱数値が「0~60」の場合には、変動パターンが「P4」と判定されることが示されている。
【0095】
時短状態において、変動パターン判定テーブル(時短変動)が用いられる(図9)。なお、時短状態においては、変動パターン乱数値および保留球数に関係なく変動パターンが選択される。
【0096】
図8図9に示されるように、変動パターンが決定されれば、変動時間も決定される。また、リーチになる場合に、そのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決定される。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチ演出である。ここでは、変動時間の異なる3種類のスーパーリーチ(SP1、SP2、SP3)が設定されている。SP1~3は、ノーマルリーチを経て発展的に実行される。SP1~3の違いは、例えば、疑似連の有無であってもよい。また、基幹演出パターンには、変動時間が極端に長い「ロング変動」が含まれる。
【0097】
図10(A)は、電チュー開放パターン判定テーブルの説明図である。図10(B)は、電チュー開放パターンの詳細を表す表である。図10(C)は、普通図柄変動パターン判定テーブルの説明図である。
【0098】
電チュー開放パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、電チュー17の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。「非時短状態」において普通図柄で当選すると、普通図柄当たり種別乱数値に関わらず、開放パターンは「H11」と判定される。また、「時短状態」、かつ、時短ステータスが1のときにおいて普通図柄で当選すると、普通図柄当たり種別乱数値が「0~126」の場合、開放パターンは「H11」と判定され、普通図柄当たり種別乱数値が「127」の場合、開放パターンは「H12」と判定される。さらに、「時短状態」、かつ、時短ステータスが2のときにおいて普通図柄で当選すると、普通図柄当たり種別乱数値が「0」の場合、開放パターンは「H11」と判定され、普通図柄当たり種別乱数値が「1~127」の場合、開放パターンは「H12」と判定される。
【0099】
図10(B)に示すように、開放パターンH11では、開放回数1回、開放時間0.2秒の電チュー17の開放をおこなう。開放パターン12では、開放回数が3回、1回あたりの開放時間2.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー17の開放をおこなう。したがって、開放パターンH11と判定された場合、大入賞口開放チャッカーへの入賞は困難であり、開放パターンH12と判定された場合、大入賞口開放チャッカーの入賞は容易となる。ただし、この電チュー17の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大1個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。なお、時短ステータスについて詳細は後述する。
【0100】
普通図柄変動パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、普通図柄の変動時間が何秒かを判定するために参照されるテーブルである。本実施形態では、例えば、「非時短状態」において、判定結果が「当たり」の場合の変動パターンは「NP1」、普通図柄の変動時間は「300秒」と判定される。また例えば、「時短状態」、かつ、「時短ステータスが1である場合」において判定結果が「当たり」であって開放パターンが「H12」のとき、変動パターンは「NP4」、普通図柄の変動時間が「300秒」と判定される。また例えば、「時短状態」、かつ、「時短ステータスが2である場合」において判定結果が「当たり」であって開放パターンが「H12」のとき、変動パターンは「NP7」、普通図柄の変動時間が「2秒」と判定される。
【0101】
大入賞口開放パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、大入賞口30の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。
【0102】
「4R一種大当たり」の場合、1~4R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の大入賞口30のロング開放をおこなう。
「10R一種大当たり」の場合、1~10R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の大入賞口30のロング開放をおこなう。
「10R二種大当たり」の場合、1R目において開放回数5回、開放時間0.3秒、2~10R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の大入賞口30のロング開放をおこなう。
ただし、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大9個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
【0103】
5.大当たり等の説明
遊技機1では、大当たりに、一種大当たりと、二種大当たりとがある。一種大当たりは、取得した当たり乱数値が「大当たり」に該当する場合である。一方、二種大当たりは、取得した当たり乱数値が「小当たり」に該当し、その後、遊技球が大入賞装置31内のV領域39を通過することで大当たりになる場合である。
【0104】
なお、大当たりになると、「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OP)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(ED)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了、または、前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれる。
【0105】
6.遊技状態の説明
遊技機1の遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン81は、表示器40に表示する特別図柄に対して、「変動時間短縮制御」を実行可能である。遊技制御用マイコン81が表示器40の特別図柄に対して変動時間短縮制御している状態を「時短状態」といい、変動時間短縮制御していない状態を「非時短状態(通常状態)」という。時短状態は、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。遊技制御用マイコン81は、時短状態のときに、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブル(図8図9)を用いた変動パターンの判定をおこなう。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄に対して変動時間短縮制御を実行している場合には、変動時間短縮制御を実行していない場合と比べて、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。これにより、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0106】
遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、特別図柄に対する変動時間短縮制御に並行して実行する。すなわち、遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、時短状態の場合は実行し、非時短状態の場合には実行しない。
【0107】
遊技制御用マイコン81は、普通図柄の確率変動制御として、当たりと判定される普通図柄当たり乱数値の数が非時短状態よりも時短状態の方が多い普通図柄当たり判定テーブル(図6(B))を用いて、当たり判定(普通図柄の判定)をおこなう。従って、時短状態では、普通図柄通常確率状態よりも当たり確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が普通図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、表示器40による普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当たり図柄となる確率が高くなる。
【0108】
時短状態、かつ、時短ステータスが1である状態では、特図2の変動時間が非時短状態より短くなっている。また、普通図柄の変動時間はロング変動となっており、電チュー17の開放パターンにはH11が選択される確率が極めて高くなっている。第2始動口21は、第1始動口20と比較して、入賞が極めて容易な構造となっているため、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。これらの制御が実行されている状態を「高ベース状態」といい、実行されていない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー17により大入賞口開放チャッカーへの入賞をサポートする制御、及び、第2始動口21への入賞が契機となる特図2の変動時間を短縮する制御)が実行されている状態である。
【0109】
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての制御を実行するものでなくてもよい。すなわち、表示器40の普通図柄に対する確率変動制御、表示器40の普通図柄に対する変動時間短縮制御、電チュー17に対する開放時間延長制御、および、電チュー17に対する開放回数増加制御のうち一つ以上の制御を実行することによって、その制御が実行されていないときよりも電チュー17が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0110】
時短状態、かつ、時短ステータスが2である状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。ここでは、普通図柄の変動時間は2秒となっている。さらに、この状態では、補助遊技における電チュー17の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー17に対して開放時間延長制御を実行している。加えて、補助遊技における電チュー17の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー17に対して開放回数増加制御を実行している。また、特図2の変動時間はロング変動となっているため、特図2の変動中に普通図柄の抽選を複数回受けることが可能となる。遊技制御用マイコン81が、表示器40の普通図柄に対する確率変動制御と変動時間短縮制御、および、電チュー17に対する開放時間延長制御と開放回数増加制御とを実行している状況下では、これらの制御を実行していない場合と比べて、電チュー17が頻繁に開放され、大入賞口開放チャッカーへ遊技球が頻繁に入賞することとなる。大入賞口開放抽選では、極めて高い確率で小当たりとなるため、その結果、二種大当たりを獲得することが可能となる。すなわち、時短状態、かつ、時短ステータスが2である状態が開始されて間もなく、小当たり(二種大当たり)となるため、遊技者にとって、前述した高ベース状態よりもさらに有利な状態となる。
【0111】
高ベース状態では、右打ちによって右遊技領域3B(図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。変動時間短縮制御によって、低ベース状態と比べて特図2の変動時間が短くなっており、第1始動口20への入賞よりも、第2始動口21への入賞の方が有利となっているためである。このことから、高ベース状態では、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちをおこなう。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお、遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技をおこなう。
【0112】
一方、低ベース状態では、左打ちによって左遊技領域3A(図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。変動時間短縮制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて特図2の変動時間が長くなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が有利となっているためである。このことから、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちをおこなう。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0113】
7.遊技制御用マイコン81の動作
図11図25に基づいて主制御基板80(図2)に設けられた遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はメインRAM84に設けられている。
【0114】
[主制御メイン処理]
図11は、主制御メイン処理のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、遊技機1の電源がオンされると、メインROM83から主制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、初期化処理をおこなう(ステップS001)。初期化処理では、例えば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、初期化処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0115】
初期化処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(ステップS003)をおこなう。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、遊技制御用マイコン81は、種々の乱数カウンタ値(当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、普通図柄乱数値)を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0116】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(ステップS005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理は、所定の周期(例えば、4msec周期)で繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理は、所定周期(例えば4msec周期)ごとに実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理はすぐには開始されず、割り込み許可がされてから開始される。
【0117】
[メイン側タイマ割り込み処理]
図12は、メイン側タイマ割り込み処理(図11:ステップS005)のフローチャートである。メイン側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、乱数更新処理をおこなう(ステップS101)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、種々の乱数カウンタ値を更新する。この乱数更新処理は、上述した主制御メイン処理(図10)でおこなう普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同じである。すなわち、各種乱数カウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方でおこなわれる。
【0118】
乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、入力処理をおこなう(ステップS102)。入力処理では、遊技制御用マイコン81は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検出した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをメインRAM84の出力バッファにセットする。各種センサとは、例えば、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、大入賞口開放チャッカーセンサ16a、普通入賞口センサ27a(図3)である。
【0119】
入力処理の後、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(ステップS103)をおこなう。始動口センサ検出処理では、遊技制御用マイコン81は、ゲート28の遊技球の通過を判定し、普通図柄乱数カウンタの値を取得し、取得した乱数値をメインRAM84の普図保留記憶領域84fの第1~第4記憶領域うち、現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。また、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20への遊技球の入賞を判定し、当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、小当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域の第1~第4記憶領域うち、現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。さらにまた、遊技制御用マイコン81は、第2始動口21への遊技球の入賞を判定し、当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。
【0120】
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理において、大当たりの事前判定をおこなう。上述の乱数値群に基づき、大当たりであるか否か、大当たりである場合には大当たり種別、また、変動パターンを事前に判定する。そして、事前判定結果から事前判定コマンドを作成してメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする。
【0121】
次に、遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(ステップS104)をおこなう。普通動作処理では、遊技制御用マイコン81は、電チュー17の作動を制御する。詳細は後述する。
【0122】
次に、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放チャッカー処理(ステップS105)を行う。詳細は後述する。
【0123】
次に、遊技制御用マイコン81は、特別動作処理をおこなう(ステップS105)。この特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、V領域センサ検出処理を行う(ステップS106)。V領域センサ検出処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、V領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かの判定をおこない、検知があった場合にはV有効期間中か否かの判定をおこなって、V有効期間中であれば、VフラグをONするとともにV通過コマンドをセットする。
【0124】
次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(ステップS107)をおこなう。遊技制御用マイコン81は、まず、メインRAM84に記憶されている特図1保留球数及び普通図柄保留球数の読み出しをおこなう。次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットする。保留球数コマンドは、保留球数をサブ制御基板90に通知するためのコマンドであり、特図1保留球数及び普通図柄保留球数に関する情報を含んでいる。
【0125】
保留球数処理の後、遊技制御用マイコン81は、出力処理をおこなう(ステップS108)。出力処理では、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットしたコマンド等をサブ制御基板90に出力する。出力処理の後、遊技制御用マイコン81は、その他の処理をおこなう(ステップS109)。その他の処理では、例えば、特図1保留球数に基づいて表示器40をその数を示す表示態様に制御する。
【0126】
[普通動作処理]
図13は、普通動作処理(図12:ステップS104)のフローチャートである。普通動作処理では、遊技制御用マイコン81は、電チュー17の作動を制御する。具体的には、普通動作処理において、遊技制御用マイコン81は、まず、電チュー17が作動中であるか否かを判定する(ステップS1101)。電チュー17が作動中である場合(ステップS501:YES)、処理はステップS508へ移行する。一方、電チュー17が作動中でない場合(ステップS501:NO)、遊技制御用マイコンは、普図が変動中であるか否かを判定する(ステップS1102)。この判定は、普図の変動開始時において普図変動パターンに応じて設定された変動時間タイマが0であるか否かに基づいて判定される。
【0127】
普図が変動中である場合(ステップS1102:YES)、処理はステップS1108へ移行する。一方、普図が変動中でない場合(ステップS1102:NO)、遊技制御用マイコン81は、普図保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS1103)。普図保留球数が0である場合(ステップS1103:YES)、遊技制御用マイコン81は、普通動作処理を終了する。一方、普図保留球数が0でない場合(ステップS1103:NO)、遊技制御用マイコン81は、普図保留球数を1デクリメントし(ステップS1104)、普図当たり判定処理を実行し(ステップS1105)、普図変動パターン判定処理を実行し(ステップS1106)、変動開始処理を実行して(ステップS1107)、処理はステップS1108へ移行する。なお、普図当たり判定処理において、遊技制御用マイコン81は、図6(B)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて、当たりか否かを判定する。また、普図変動パターン判定処理において、遊技制御用マイコン81は、図10(C)に示す普通図柄変動パターン判定テーブルを参照し、遊技状態(時短状態か非時短状態か)、時短ステータス値、ステップS505における当否の判定結果などに基づいて、普図変動パターンを決定する。
【0128】
ステップS1113において、遊技制御用マイコン81は、電チュー17を閉鎖する条件が成立しているか否かを判定する。この条件とは、開放パターンに基づいた電チュー17の動作が終了したか否か、あるいは、電チュー17の開放中において、電チュー17及び大入賞口開放チャッカー16に遊技球が1球入球したか否か、で判定される。電チュー17を閉鎖する条件が成立している場合(ステップS1113:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー作動停止処理を実行し(ステップS1114)、普通動作処理を終了する。電チュー作動停止処理では、電チュー17を閉じている状態とし、その状態を保持させる。一方、電チュー17を閉鎖する条件が成立していない場合(ステップS1113:NO)、遊技制御用マイコン81は、ステップS1114をスキップし、普通動作処理を終了する。
【0129】
ステップS1108において、遊技制御用マイコン81は、普図の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間が経過していない場合(ステップS1108:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通動作処理を終了する。一方、変動時間が経過している場合(ステップS1108:YES)、遊技制御用マイコン81は、変動停止処理を実行し(ステップS1109)、処理はステップS1110へ移行する。変動停止処理では、普通図柄を、普図当たり判定処理(ステップS1105)における当否の判定に基づいて、当たり図柄あるいはハズレ図柄で停止させる。
【0130】
ステップS1110において、遊技制御用マイコン81は、ステップS1109において停止させた普図変動の結果が当たりであったか否かを判定する。当たりでない場合(ステップS1110:NO)、すなわち、ハズレであった場合、遊技制御用マイコン81は、普通動作処理を終了する。一方、当たりであった場合(ステップS1110:YES)、遊技制御用マイコン81は、開放パターン判定処理を実行し(ステップS1111)、電チュー作動処理を実行し(ステップS1112)、普通動作処理を終了する。開放パターン判定処理では、図10(A)に示す開放パターン判定テーブルを参照し、遊技状態(時短状態か非時短状態か)、時短ステータス値、普通図柄当たり種別判定乱数値、に基づいて、開放パターンを決定する。電チュー作動処理では、開放パターン判定処理において決定された開放パターンに基づいて、電チュー17を作動させるコマンドを入出力回路87に送信する。
【0131】
[大入賞口開放チャッカー処理]
図14は、大入賞口開放チャッカー処理(図12:ステップS105)のフローチャートである。ここでは、電チュー17の解放時のみに入賞が可能となる大入賞口開放チャッカー16に遊技球が入賞した際の処理がおこなわれる。具体的には、まず、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放チャッカー16に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS1201)。この判定は、例えば、大入賞口開放チャッカーセンサ16aからの信号を受信しているか否かで判定可能である。入賞していないと判定された場合(ステップS1201:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放チャッカー処理を終了する。一方、大入賞口開放チャッカー16に遊技球が入賞したと判定された場合(ステップS1201:YES)、処理はステップS1202へ移行する。
【0132】
ステップS1202において、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放抽選判定処理(ステップS1202)を実行する。この判定は、図6(C)に示す大入賞口開放抽選判定テーブルを参照して実行される。次に、遊技制御用マイコン81は、ステップS1202において判定した大入賞口開放抽選の結果が小当たりであったか否かを判定する(ステップS1203)。小当たりでない場合、すなわち、ハズレである場合(ステップS1203:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放チャッカー処理を終了する。一方、大入賞口開放抽選の結果が小当たりであった場合(ステップS1203:YES)、遊技制御用マイコン81は、まず、当たり種別判定(ステップS1204)を実行する。この判定は、図6(C)に示す大入賞口開放抽選判定テーブルに基づいて実行される。次に、開放パターンをセットし(ステップS1205)、V開閉部材作動フラグをONにし(ステップS1206)、オープニングコマンドをセットし(ステップS1207)、特図2動作ステータスを5にセットし(ステップS1208)、大入賞口開放チャッカー処理を終了する。
【0133】
[特別動作処理]
図15は、特別動作処理(図12:ステップS106)のフローチャートである。ここでは、第1特別図柄表示器41aおよび大入賞装置31に関する処理を5つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特図1動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」、「5」と呼ぶ。また、第2特別図柄表示器41bおよび大入賞装置31に関する処理を5つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特図2動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」、「5」と呼ぶ。「特図1動作ステータス」および「特図2動作ステータス」の初期設定は「1」である。遊技制御用マイコン81は、まず、「特図1動作ステータス」と「特図2動作ステータス」のいずれかが「4」または「5」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1301、ステップS1303)。「特図1動作ステータス」と「特図2動作ステータス」のいずれかが「4」のとき(ステップS1301:YES)、特別電動役物処理(大当たり)をおこなう(ステップS1320)。特別電動役物処理(大当たり)では、大当たり遊技(第2種特別遊技)が実行される。具体的には、特図1動作ステータスが「4」のときには、特図1の大当たりによる1種大当たり遊技または特図1の小当たりによる2種大当たり遊技が実行される。特図2動作ステータスが「4」のときには、特図2の大当たりによる1種大当たり遊技または特図2の小当たりによる2種大当たり遊技が実行される。「特図1動作ステータス」と「特図2動作ステータス」のいずれかが「5」のとき(ステップS1301:NO、ステップS1303:YES)、特別電動役物処理(小当たり)をおこなう(ステップS1321)。特別電動役物処理(小当たり)では、小当たり遊技(第1種特別遊技)が実行される。具体的には、特図1動作ステータスが「5」のときには、特図1の小当たりによる小当たり遊技が実行され、特図2動作ステータスが「5」のときには、特図2の小当たりによる小当たり遊技が実行される。
【0134】
「特図1動作ステータス」と「特図2動作ステータス」のいずれも「4」または「5」ではない場合(ステップS1301、S1303:NO)、遊技制御用マイコン81は、「特図1動作ステータス」が「1」か「2」か「3」かの判定をおこなう(ステップS1305、S1307)。「特図1動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1305:YES)、特図1待機処理をおこなう(ステップS1306)。特図1待機処理では、特図1の当たり判定や変動パターン選択等が実行される。「特図1動作ステータス」が「2」のとき(ステップS1305:NO、ステップS1307:YES)、特図1変動中処理をおこなう(ステップS1308)。特図1変動中処理では、特図1の変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。「特図1動作ステータス」が「3」のとき(ステップS1305、S1307:NO)、特図1確定処理をおこなう(ステップS1309)。特図1確定処理では、特図1抽選における大当たり時や小当たり時にオープニングコマンドの出力等が実行される。上記の各処理の詳細については後述する。
【0135】
「特図1動作ステータス」が「1」か「2」か「3」かの判定をおこなった後、遊技制御用マイコン81は、「特図2動作ステータス」が「1」か「2」か「3」かの判定をおこなう(ステップS1315、S1317)。「特図2動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1315:YES)、特図2待機処理をおこなう(ステップS1316)。特図2待機処理では、特図2の当たり判定や変動パターン選択等が実行される。「特図2動作ステータス」が「2」のとき(ステップS1315:NO、ステップS1317:YES)、特図2変動中処理をおこなう(ステップS1318)。特図2変動中処理では、特図2の変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。「特図2動作ステータス」が「3」のとき(ステップS1315、S1317:NO)、特図2確定処理をおこなう(ステップS1319)。特図2確定処理では、特図2抽選における大当たり時や小当たり時にオープニングコマンドの出力等が実行される。上記の各処理の詳細については後述する。上記のように、本実施形態の特別動作処理によれば、特図1の待機処理、変動中処理、確定処理と、特図2の待機処理、変動処理、確定処理とが並行して実行される。一方、大当たり遊技中や小当たり遊技球は、特図1および特図2の待機処理、変動処理、確定処理に優先して実行される。
【0136】
[特図1待機処理]
図16は、特図1待機処理(図13:ステップS1306)のフローチャートである。特図1待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(ステップS1401)。特図1保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、第1特図保留記憶領域85aに、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1413に移行する。特図1保留球数が「1」以上である場合(ステップS1401:NO)、遊技制御用マイコン81は、特図1当たり判定処理(ステップS1402)、および、特図1変動パターン選択処理(ステップS1403)を実行する。当たり判定処理の詳細については後述する。
【0137】
次に遊技制御用マイコン81は、特図1変動パターン選択処理(ステップS1404)を実行する。特図1変動パターン選択処理では、変動パターン判定テーブル(図8図9)を参照し、遊技機1の遊技状態(時短状態か非時短状態か)、当たり判定処理(ステップS1402)の判定結果、保留球数(特図1保留は最大4)に基づいて、変動パターンを選択する。
【0138】
次に、遊技制御用マイコン81は、特図保留記憶領域84eの特図1第1~第4記憶領域に格納されている保留情報(各種乱数値)の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、特図保留記憶領域84eにおいて読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1405)。例えば、特図1第1~第3記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第3記憶領域に格納されている保留情報をクリアし、第1~第4記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第4記憶領域に格納されている保留情報をクリアする。上記ステップによって、第1特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、特図保留記憶領域84eの第1記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、一番右端の保留画像9A)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、特図保留記憶領域84eの第2~第4記憶領域に保留情報がある場合には、第2~第4記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、右から2、3、4番目の保留画像9A)がそれぞれ右側に1つシフトする。これにより、遊技者は、第1特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。
【0139】
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理をおこなう(ステップS1406)。特図1変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第1特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、特図1動作ステータスを「2」にセットする。なお、特図1変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド)には、当たり判定処理(ステップS1402)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1403)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0140】
ステップS1401において、特図1保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、特図保留記憶領域84eに、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこなう(ステップS1413)。待機画面とは、客待ち用のデモ画面のことである。遊技制御用マイコン81は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって判定してもよい。待機画面である場合(ステップS1413:YES)、本処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1413:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機場面を表示させるための客待ち待機コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS1414)、特図1待機処理を終了する。
【0141】
[特図1当たり判定処理]
図17は、特図1当たり判定処理(図16:ステップS1402)のフローチャートである。
【0142】
図1当たり判定処理において、まず、小当たりフラグあるいは特図2大当たりフラグがONであるか否かを判定する(ステップS1501)。小当たりフラグあるいは特図2大当たりフラグのうちのいずれかがONである場合(ステップS1501:YES)、遊技制御用マイコンは、この処理において判定する特図抽選の結果が「ハズレ」であったものとして、特図1当たり判定処理を終了する。このように「特図2大当たりフラグ」と「小当たりフラグ」のいずれかがONになっている場合、特図1抽選は強制的にハズレ(強制ハズレ)になるように構成されている。「特図2大当たりフラグ」と「小当たりフラグ」のいずれかがONになっている場合、特図2側における大当たり遊技または小当たり遊技が実行される前の変動が行われている状態となっている。もし、この状態において特図1抽選で大当たりまたは小当たりし、大当たりまたは小当たり前の変動が特図2側の変動よりも早く終了すると、特図2の変動演出中に特図1の大当たりまたは小当たりが開始される不具合が生じる。この構成(当たりの重複排除)によってその不具合の発生を抑制できる。
【0143】
小当たりフラグあるいは特図2大当たりフラグがいずれもOFFである場合(ステップS1501:NO)遊技制御用マイコン81は、当たり判定をおこなう(ステップS1502)。当たり判定は、特別図柄当たり判定テーブル(図6(A))を参照して実行される。
【0144】
次に、遊技制御用マイコン81は、大当たりであるか否かを判定する(ステップS1503)。ここで大当たりであると判定された場合(ステップS1503:YES)、特図1大当たりフラグをONにして(ステップS1504)、特図1大当たり種別を判定し(ステップS1505)、特図1当たり判定処理を終了する。大当たり種別判定は、大当たり種別判定テーブル(図7(A))を参照して実行される。一方、大当たりでないと判定された場合(ステップS1503:NO)、特図1当たり判定処理を終了する。
【0145】
[特図1確定処理]
図18は、特図1確定処理(図15:ステップS1309)のフローチャートである。
【0146】
図1確定処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特図1の停止時間が終了したか否かを判定する(ステップS1601)。停止時間を経過していなければ(ステップS1601:NO)、特図1確定処理を終了する。一方、停止時間を経過している場合(ステップS1601:YES)、遊技制御用マイコン81は、遊技状態管理処理を実行する(ステップS1602)。遊技状態管理処理とは、時短状態中に実行された特別図柄の変動回数に応じて遊技状態の切り替えをおこなうための処理であり、内容について後述する。遊技状態管理処理の後、特図1大当たりフラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1603)。
【0147】
図1大当たりフラグがONの場合(ステップS1603:YES)、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口の開放パターンのセットをおこなう(ステップS1604)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放パターン判定テーブルを参照して、特図1停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。加えて、大入賞口の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ラウンドカウンタとは、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするものである。
【0148】
開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONの場合(ステップS1605:YES)には、OFFに切り替える(ステップS1606)。これにより、1種大当たり遊技の実行中は非時短状態となる。次に、大当たり種別がa時短ありか否かを判定する(ステップS1607)。a時短ありの場合(ステップS1607:YES)、時短ステータスに2をセットする(ステップS1608)。a時短なしの場合(ステップS1607:NO)、時短ステータスに1をセットする(ステップS1609)。その後、1種大当たり遊技を開始するために、1種大当たり遊技のオープニングコマンドをセットし(ステップS1610)、大当たり遊技のオープニングを開始する。その後、特別動作ステータスを「4」にセットして(ステップS1611)、特図1確定処理を終了する。
【0149】
ステップS1603において、特図1大当たりフラグがOFFである場合(ステップS1603:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスに1をセットし、特図1確定処理を終了する。
【0150】
[遊技状態管理処理]
図19は、遊技状態管理処理(図18:ステップS1602)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、時短フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS1650)。時短フラグがOFFの場合(ステップS1650:NO)、すなわち非時短状態のとき、処理はステップS1655にスキップする。時短フラグがONの場合(ステップS1650:YES)、すなわち時短状態のとき、遊技制御用マイコン81は、時短カウンタの値を1デクリメントする(ステップS1651)。時短カウンタとは、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数(第1特別図柄の変動回数、および、第2特別図柄の変動回数の合計)をカウントするものである。
【0151】
遊技制御用マイコン81は、ステップS1651の結果、時短カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS1652)。時短カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS1652:NO)、処理はステップS1655にスキップする。時短カウンタの値が「0」の場合(ステップS1652:YES)、時短フラグをOFFに切り替え(ステップS1653)、時短ステータスに1をセットする(ステップS1654)。ステップS1654により、遊技状態が時短状態から非時短状態に切り替えられる。
【0152】
ステップS1655では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットして、遊技状態管理処理を終了する。遊技状態指定コマンドには、今設定した現在の遊技状態に関する情報(時短状態か否か、時短カウンタの値など)が含まれている。
【0153】
[特図2待機処理]
図20は、特図2待機処理(図15:ステップS1316)のフローチャートである。特図2待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(ステップS1701)。特図2保留球数が「0」である場合(ステップS1701:YES)、すなわち、特図保留記憶領域84eに、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1713に移行する。特図2保留球数が「1」以上である場合(ステップS1701:NO)、遊技制御用マイコン81は、特図2当たり判定処理(ステップS1702)、および、特図2変動パターン選択処理(ステップS1703)を実行する。当たり判定処理の詳細については後述する。
【0154】
次に遊技制御用マイコン81は、特図2変動パターン選択処理(ステップS1704)を実行する。特図2変動パターン選択処理では、変動パターン判定テーブル(図8図9)を参照し、遊技機1の遊技状態(時短状態か非時短状態か)、当たり判定処理(ステップS1702)の判定結果、保留球数(特図2保留は最大4)に基づいて、変動パターンを選択する。
【0155】
次に、遊技制御用マイコン81は、特図保留記憶領域84eの第1~第4記憶領域に格納されている保留情報(各種乱数値)の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、特図保留記憶領域84eにおいて読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1705)。例えば、第1~第3記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第3記憶領域に格納されている保留情報をクリアし、第1~第4記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第4記憶領域に格納されている保留情報をクリアする。上記ステップによって、第2特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、特図保留記憶領域84eの第1記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、一番右端の保留画像9A)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、特図保留記憶領域84eの第2~第4記憶領域に保留情報がある場合には、第2~第4記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、右から2、3、4番目の保留画像9A)がそれぞれ右側に1つシフトする。これにより、遊技者は、第2特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。
【0156】
次に、遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理をおこなう(ステップS1706)。特図2変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第2特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、特図2変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、特図2動作ステータスを「2」にセットする。なお、特図2変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンド)には、当たり判定処理(ステップS1702)でセットされた特図2停止図柄データに関する情報や特図2変動パターン選択処理(ステップS1703)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0157】
ステップS1701において、特図2保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、特図保留記憶領域84eに、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこなう(ステップS1713)。待機画面とは、客待ち用のデモ画面のことである。遊技制御用マイコン81は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって判定してもよい。待機画面である場合(ステップS1713:YES)、特図2待機処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1713:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機場面を表示させるための客待ち待機コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS1714)、特図2待機処理を終了する。
【0158】
[特図2当たり判定処理]
図21は、特図2当たり判定処理(図20:ステップS1702)のフローチャートである。
【0159】
図2当たり判定処理において、まず、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(ステップS1801)。小当たりフラグがONである場合(ステップS1801:YES)、遊技制御用マイコンは、この処理において判定する特図抽選の結果が「ハズレ」であったものとして、特図2当たり判定処理を終了する。このように「小当たりフラグ」がONになっている場合、特図2抽選は強制的にハズレ(強制ハズレ)になるように構成されている。「小当たりフラグ」がONになっている場合、小当たり遊技が実行される前の状態となっている。もし、この状態において特図2抽選で大当たりまたは小当たりし、大当たりまたは小当たり前の変動が大入賞開放チャッカー側の変動よりも早く終了すると、大入賞口開放チャッカーの抽選中あるいは小当たり遊技中に特図2の大当たりまたは小当たりが開始される不具合が生じる。この構成(当たりの重複排除)によってその不具合の発生を抑制できる。
【0160】
小当たりフラグがOFFである場合(ステップS1801:NO)遊技制御用マイコン81は、当たり判定をおこなう(ステップS1802)。当たり判定は、特別図柄当たり判定テーブル(図6(A))を参照して実行される。
【0161】
次に、遊技制御用マイコン81は、大当たりであるか否かを判定する(ステップS1803)。ここで大当たりであると判定された場合(ステップS1803:YES)、特図2大当たりフラグをONにして(ステップS1804)、特図2大当たり種別を判定し(ステップS1505)、特図2当たり判定処理を終了する。大当たり種別判定は、大当たり種別判定テーブル(図7(A))を参照して実行される。一方、大当たりでないと判定された場合(ステップS1503:NO)、処理はステップS1806へ移行する。
【0162】
ステップS1803において、大当たりでないと判定された場合(ステップS1803:NO)、遊技制御用マイコン81は、c時短であるか否かを判定する(ステップS1806)。c時短でない場合(ステップS1806:NO)、遊技制御用マイコン81は。特図2当たり判定処理を終了する。一方、c時短である場合(ステップS1806:YES)、遊技制御用マイコン81は、c時短フラグをONにし(ステップS1807)、c時短の種別を判定し(ステップS1808)、特図2当たり判定処理を終了する。
【0163】
[特図2確定処理]
図22は、特図2確定処理(図15:ステップS1319)のフローチャートである。
【0164】
図2確定処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特図2の停止時間が終了したか否かを判定する(ステップS1901)。停止時間を経過していなければ(ステップS1901:NO)、特図2確定処理を終了する。一方、停止時間を経過している場合(ステップS1901:YES)、遊技制御用マイコン81は、遊技状態管理処理を実行する(ステップS1602)。遊技状態管理処理は、特図1確定処理(ステップS1309、図18)における遊技状態管理処理と、実行している内容は同一であるため、説明は省略する。遊技状態管理処理の後、特図2大当たりフラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1902)。
【0165】
図2大当たりフラグがONの場合(ステップS1902:YES)、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口の開放パターンのセットをおこなう(ステップS1903)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放パターン判定テーブルを参照して、特図2停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。加えて、大入賞口の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ラウンドカウンタとは、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするものである。
【0166】
開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONの場合(ステップS1904:YES)には、OFFに切り替える(ステップS1905)。これにより、1種大当たり遊技の実行中は非時短状態となる。次に、大当たり種別が10R一種大当たりであるか否かを判定する(ステップS1906)。10R一種大当たりである場合(ステップS1906:YES)、時短ステータスに2をセットする(ステップS1907)。10R一種大当たりでない場合(ステップS1906:NO)、時短ステータスに1をセットする(ステップS1908)。その後、1種大当たり遊技を開始するために、1種大当たり遊技のオープニングコマンドをセットし(ステップS1909)、大当たり遊技のオープニングを開始する。その後、特別動作ステータスを「4」にセットして(ステップS1910)、特図2確定処理を終了する。
【0167】
ステップS1902において、特図2大当たりフラグがOFFである場合(ステップS1902:NO)、遊技制御用マイコン81は、c時短フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1911)。c時短フラグがOFFである場合(ステップS1911:NO)、遊技制御用マイコン81は、特図2動作ステータスに1をセットし(ステップS1918)、特図2確定処理を終了する。一方、c時短フラグがONである場合(ステップS1911:YES)、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONにし(ステップS1912)、c時短フラグをOFFにし(ステップS1913)、時短カウンタに100をセットする(ステップS1914)。次に、遊技制御用マイコン81は、c時短の種別がc時短1であるか否かを判定する(ステップS1915)。c時短1である場合(ステップS1915:YES)、遊技制御用マイコン81は、時短ステータスに1をセットし(ステップS1916)、特図2動作ステータスに1をセットし、特図2確定処理を終了する。一方、c時短種別がc時短1でない場合(ステップS1915:NO)、すなわち、c時短2である場合、遊技制御用マイコン81は、時短ステータスに2をセットし(ステップS1917)、特図2動作ステータスに1をセットし(ステップS1918)、特図2確定処理を終了する。
【0168】
[特別電動役物処理(大当たり)]
図23は、特別電動役物処理(大当たり)(図15:ステップS1320)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、大当たり終了フラグがONか否かを判定する(ステップS2200)。「大当たり終了フラグ」とは、現在実行中の大当たり遊技において、開放パターンに基づく第1大入賞装置31の開放がすべて終了したことを示すフラグである。大当たり終了フラグがONである場合(ステップS2200:YES)、処理はステップS2230に移行する。大当たり終了フラグがOFFである場合(ステップS2200:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口30が開放中か否かを判定する(ステップS2202)。開放中の場合(ステップS2202:YES)、処理はステップS2210に移行する。
【0169】
大入賞口30が開放中ではない場合(ステップS2202:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口30を開放する時間(タイミング)か否かを判定する(ステップS2203)。大入賞口30を開放する時間(タイミング)には、例えば、大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時期に至ったときや、開放後に一時的に閉鎖した大入賞口30を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して、再度の開放開始の時期に至ったときが含まれる。大入賞口30を開放する時間(タイミング)ではない場合(ステップS2203:NO)、処理はステップS2220に移行する。
【0170】
大入賞口30を開放する時間(タイミング)である場合(ステップS2203:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放処理を実行する(ステップS2207)。大入賞口開放処理において、遊技制御用マイコン81は、当たり種別(大当たり種別または小当たり種別)に応じた開放パターンに従って大入賞口30を開放させる。大入賞口開放処理の後、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドをセットする(ステップS2208)。ラウンド指定コマンドには、実行中の特別遊技(小当たり遊技および大当たり遊技)のラウンド数に関する情報が含まれており、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする。これによりサブ制御基板90に特別遊技のラウンド数を通知することができる。ラウンド指定コマンドをセットした後、本処理を終える。
【0171】
上述のステップS2202において、大入賞口30が開放中の場合(ステップS2202:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口30の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(ステップS2210)。ここでの閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば、1ラウンドあたり9個)に達したこと、または、大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち、大入賞口30を開放してから所定の開放時間(例えば、29.5秒)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口30の閉鎖条件が成立していない場合(ステップS2210:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別電動役物処理(大当たり)を終了する。一方、大入賞口30の閉鎖条件が成立している場合(ステップS2210:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口30を閉鎖(閉塞)し(ステップS2211)、特別電動役物処理(大当たり)を終了する。
【0172】
上述のステップS2203において、大入賞口30を開放する時間(タイミング)ではない場合、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かを判定する(ステップS2220)。ここでは1回のラウンドは、第1大入賞口30が閉鎖してから所定の時間(例えば、2秒)経過後に終了する。上述のように、ラウンド遊技間の第1大入賞口30の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれるためである。遊技制御用マイコン81は、第1大入賞口30を閉鎖してから所定のインターバル時間が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かを判定する。当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2220:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別電動役物処理(大当たり)を終了する。
【0173】
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2220:YES)、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値を1デクリメントし(ステップS2221)、ラウンドカウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2226)。ラウンドカウンタの値が「0」でなはい場合(ステップS2226:NO)、すなわち、規定のラウンド遊技回数をまだ消化していない場合、特別電動役物処理(大当たり)を終了する。一方、ラウンドカウンタの値が「0」の場合(ステップS2226:YES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たり遊技のエンディングコマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS2227)、大当たり終了フラグをONにセットして(ステップS2228)、特別電動役物処理(大当たり)を終了する。エンディングコマンドには、特図停止図柄データに関する情報が含まれている。
【0174】
上述のステップS2200において、大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、制御用マイコン81は、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定する(ステップS2230)。エンディング時間が経過していない場合(ステップS2230:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別電動役物処理(大当たり)を終了する。一方、エンディング時間が経過している場合(ステップS2230:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり終了フラグをOFFにするとともに(ステップS2231)、特図1大当たりフラグ及び特図2大当たりフラグのうちのONであるフラグをOFFにする(ステップS2232)。次に、遊技制御用マイコン81は、特図1動作ステータス及び特図2動作ステータスのうちの「4」であるステータスを「1」にセットし(ステップS2233)、後述の遊技状態設定処理(ステップS2234)を実行し、本処理を終える。遊技状態設定処理(図24)は、大当たり遊技後の遊技状態(時短状態)を設定し、時短カウンタに初期値(時短回数)をセットする処理である。
【0175】
[遊技状態設定処理]
図24は、遊技状態設定処理(図23:ステップS2234)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、実行されていた大当たり遊技がa時短ありである大当たりによるものであるか否かを判定する(ステップS2301)。この判定は、特図1当たり判定処理あるいは特図2当たり判定処理において判定された大当たり種別を参照して実行される。a時短なしである場合(ステップS2301:NO)、処理はステップS2304へ移行する。一方、a時短ありである場合(ステップS2301:YES)、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONにし(ステップS2302)、時短カウンタに100をセットして(ステップS2303)、処理はステップS2306に移行する。ステップS2306において、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをセットし、遊技状態設定処理を終了する。遊技状態指定コマンドには、今設定した遊技状態に関する情報(時短状態か否か、時短カウンタの値など)が含まれている。
【0176】
[特別電動役物処理(小当たり)]
図25は、特別電動役物処理(小当たり)(図15:ステップS1321)のフローチャートである。
【0177】
遊技制御用マイコン81は、大入賞口30の閉鎖条件が成立したか否かを判定する(ステップS2001)。閉鎖条件の成立時は、規定数(9個)の遊技球の入球および開放時間(例えば1.5秒(5×0.3秒))の経過のいずれか一方の成立時である。ここで大入賞口30の閉鎖条件が成立したと判定された場合(ステップS2001:YES)、大入賞口30を閉鎖し(ステップS2002)、ステップS2004へ移行する。一方、大入賞口30の閉鎖条件が成立していないと判定された場合(ステップS2001:NO)、大入賞口30を開放し(ステップS2003)、ステップS2004へ移行する。なお、大入賞口30がすでに開放中である場合には、その開放を維持する。
【0178】
ステップS2004において、遊技制御用マイコン81は、大入賞装置31から遊技球が排出されたか否かを判定する。この判定は、大入賞口センサ30aにて入賞の判定がなされた遊技球のすべてが排出されたか否かを判定するものである。この処理は、大入賞装置排出センサ31aからの信号に基づき、大入賞口30に入賞した遊技球が大入賞装置31からすべて排出されたか否かを判定する処理である。ここで遊技球がすべて排出されたと判定された場合(ステップS2004:YES)、ステップS2005へ移行する。一方、排出されていない遊技球があるうちは(ステップS2004:NO)、以降の処理を実行せずに、本処理を終了する。
【0179】
ステップS2005において、遊技制御用マイコン81は、遊技球がV領域39を通過したか否かを判定する。この判定は、メインRAM84のフラグセット領域84bのVフラグがONであるか否かでおこなわれる。ここで、V領域を通過したと判定された場合(ステップS2005:YES)、V通過コマンドをセットし(ステップS2006)、大当たりのオープニングコマンドをセットし(ステップS2007)、特図1動作ステータス及び特図2動作ステータスのうちの「5」であるステータスを「4」にして(ステップS2008)、ステップS2009へ移行する。一方、V領域を通過していないと判定された場合(ステップS2005:NO)、特図1動作ステータス及び特図2動作ステータスのうちの「5」であるステータスに1をセットし(ステップS2012)、時短ステータスに1をセットし(ステップS2011)、本処理を終了する。
【0180】
ステップS2009において、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONであるか否かを判定する。ONである場合(ステップS2009:YES)、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをOFFにし(ステップS2010)、時短ステータスに1をセットし(ステップS2011)、本処理を終了する。一方、OFFである場合(ステップS2009:NO)、遊技制御用マイコン81は、時短ステータスに1をセットし(ステップS2011)、本処理を終了する。
【0181】
8.演出制御用マイコン91の動作
図26図29に基づいてサブ制御基板90(図4)に設けられた演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はサブRAM94に設けられている。
【0182】
[サブ制御メイン処理]
図26は、サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイコン91は、遊技機1の電源がオンされると、サブROM93からサブ制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。サブ制御メイン処理では、演出制御用マイコン91は、まず、初期化処理をおこなう(ステップS4000)。初期化処理では、例えば、サブCPU92の設定、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、初期化処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0183】
初期化処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS4001)、乱数更新処理(ステップS4002)をおこなう。この乱数更新処理では、演出制御用マイコン91は、図6(B)で示した乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、乱数値は、1ずつ加算する以外に、2以上を加算するようにしてもよい。各乱数はいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0184】
乱数更新処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS4003)。割り込み許可中は、サブ側タイマ割り込み処理(ステップS4004)の実行が可能となる。サブ側タイマ割り込み処理は、所定の周期でサブCPU92に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、サブ側タイマ割り込み処理は、所定周期ごとに実行される。そして、サブ側タイマ割り込み処理が終了してから、次にサブ側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、乱数更新処理が繰り返し実行される。
【0185】
[サブ側タイマ割り込み処理]
図27は、サブ側タイマ割り込み処理(図21:ステップS4004)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、受信コマンド解析処理をおこなう(ステップS4100)。受信コマンド解析処理の詳細については後述する。受信コマンド解析処理の後、演出制御用マイコン91は、変動演出中処理をおこなう(ステップS4110)。変動演出中処理については、後述する。変動演出中処理の後、演出制御用マイコン91は、スイッチ処理をおこなう(ステップS4120)。スイッチ処理の後、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理をおこなう(ステップS4130)。コマンド送信処理では、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理等でサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットした各種コマンドを画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に送信する。各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて、受信したコマンドに応じた表示演出を実行する。また、各種コマンドを受信した音声制御基板106は、受信したコマンドに応じて、スピーカ67から音声を出力する音声演出を実行する。各種コマンドを受信したランプ制御基板107は、受信したコマンドに応じて盤ランプ5や枠ランプ66の発光制御を行うランプ演出を実行する。コマンド送信処理の後、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこない(ステップS4140)、本処理を終える。その他の処理では、乱数更新処理等がおこなわれる。
【0186】
[受信コマンド解析処理]
図28は、受信コマンド解析処理(図22:ステップS4100)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、主制御基板80から事前判定コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4180)。受信している場合(ステップS4180:YES)、先読み処理を行う(ステップS4190)。先読み処理では、事前判定コマンドに含まれる情報(判定結果)をサブRAM94の判定結果記憶領域94dに記憶する。一方、受信していない場合(ステップS4180:NO)、上述の先読み演出決定処理をスキップする。
【0187】
次に、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4200)。受信している場合(ステップS4200:YES)、保留表示処理をおこなう(ステップS4210)。保留表示処理では、保留球数コマンドに含まれている特図1保留球数、特図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報に基づいて、サブRAM94のカウンタセット領域94cに設けられた、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも各保留球数の情報を保持することができる。また、演出制御用マイコン91は、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値に基づいて、表示画面7aに表示されている保留画像9A、9Bの更新をおこなう。一方、保留球数コマンドを受信していない場合(ステップS4200:NO)、上述の保留表示処理をスキップする。
【0188】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4220)。受信している場合(ステップS4220:YES)、変動演出開始処理をおこなう(ステップS4230)。「変動演出開始処理」は、特別図柄変動中に実行する変動演出パターン(内容)を選択する処理である。変動演出開始処理の詳細については後述する。一方、受信していない場合(ステップS4220:NO)、上述の変動演出開始処理をスキップする。
【0189】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4240)。受信している場合(ステップS4240:YES)、変動演出終了処理をおこなう(ステップS4250)。「変動演出終了処理」は、特別図柄変動中に実行される変動演出を停止させるための処理である。変動演出終了処理では、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドの解析結果に基づいてカウンタのセット等をおこなうとともに、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。これにより変動中の特図1または特図2に対応する演出図柄が停止表示される。なお、変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS4240:NO)、上述の変動演出終了処理をスキップする。
【0190】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から当たり関連コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4260)。当たり関連コマンドには、大当たりのオープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、小当たりのオープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンドなどが含まれる。ここで、受信している場合(ステップS4260:YES)、各コマンドに対応する当たり関連演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4270)。例えば、大当たりのオープニングコマンドを受信している場合、大当たり種別に対応して予め設定されているオープニング演出の演出パターンを選択し、選択したオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたオープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(図22のステップS4130)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、所定のオープニング演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。他のコマンドでも同様である。一方、受信していない場合(ステップS4260:NO)、ステップS4270の処理をスキップする。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理を実行し(ステップS4280)、受信コマンド解析処理を終了する。
【0191】
[変動演出開始処理]
図29は、変動演出開始処理(図23:ステップS4230)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、変動開始コマンドの解析をおこなう(ステップS4401)。ここでは、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報、および、変動パターンに関する情報をサブRAM94にセットする。セットされた情報には、現在の遊技状態を示す遊技状態情報や、特図1または特図2の当たり判定処理の判定結果としての図柄を示す図柄情報等が含まれている。ここで取得された遊技状態情報や図柄情報は、演出制御用マイコン91によって、適宜参照され得る。
【0192】
続いて、演出制御用マイコン91は、基幹演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4402)。基幹演出パターン決定処理は、演出パターンテーブルを用いて変動演出の基本的な構成を決定する処理である。変動演出の基本的な構成は、例えば、画像表示装置7における背景画像の表示およびその切り換え、所定のキャラクタの表示およびその動作、スピーカ67を用いたメロディや効果音の出力、ランプ類の点灯制御などを含む。変動演出は、この基幹演出にチャンスアップ演出などの付加的な演出が重畳されて完成する。
【0193】
演出制御用マイコン91は、サブROM93に記憶されている演出パターンテーブルを参照して基幹演出パターンを決定する。基幹演出パターンを決定した後、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4403)。チャンスアップ演出パターン決定処理は、変動演出に重畳させる付加的な演出を決定するための処理である。演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数のカウンタの値を取得し、取得した乱数値と、サブROM93に記憶されているチャンスアップ演出パターン決定テーブルを参照して、チャンスアップ演出パターンを決定する。チャンスアップ演出パターンを決定した後、演出制御用マイコン91は、さらに、乱数値と停止図柄パターン決定テーブルを参照して、停止表示する演出図柄8L、8C、8Rの組み合わせなどを決定してもよい。
【0194】
演出制御用マイコン91は、上記ステップS4401~S4403にて決定された変動演出パターンに基づく変動演出が実現されるよう変動演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットする(ステップS4404)。サブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(図22:ステップS4130)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、変動演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
【0195】
続いて、演出制御用マイコン91は、変動演出タイマをセットして(ステップS4405)、変動演出開始処理を終了する。変動演出タイマには、変動開始コマンドに含まれる変動パターン変動パターンに応じた変動時間がセットされる。
【0196】
9.本実施形態の遊技機1における遊技の流れ
以下に、本実施形態の遊技機1における遊技の流れを示す。
【0197】
[ゲームフロー]
図30は、遊技機1におけるゲームフローを説明するための図である。説明の都合上、特図1の抽選機会の獲得のため左打ちを行って第1始動口20への入球を狙う遊技状態(図30(A))を「通常状態」、大当たり遊技後に付与される時短状態のうちの時短ステータスが1である場合の時短状態、あるいは、特図2抽選においてc時短1に当選した場合に移行される時短状態(図30(B))を「時短1状態」、大当たり遊技後に付与される時短状態のうちの時短ステータスが2である場合の時短状態、あるいは、特図2抽選においてc時短2に当選した場合に移行される時短状態(図30(C))を「時短2状態」、とそれぞれ呼ぶこととする。なお、各状態において推奨される遊技が実行された場合の各状態での遊技について、以下で説明する。
【0198】
図30(A)に示す通常状態では、上述のとおり、特図2変動の変動時間は極めて長く、普通図柄の当選確率が極めて低い状態である。したがって、左打ちによって第1始動口20への入賞及び特図1において1種大当たりに当選することが、通常状態において推奨される遊技となる。通常状態は、大当たりに当選するまで継続する。通常状態において、特図1抽選で1種大当たりに当選した場合、その大当たり種別がa時短ありであった場合、大当たり遊技後に図30(B)に示す時短1状態に移行する。一方、a時短なしであった場合、大当たり遊技後は通常状態に再度突入する。
【0199】
図30(B)に示す時短1状態は、上述のとおり、時短状態、かつ、時短ステータスが1である状態である。時短1状態では、特図2変動の変動時間は短く、普通図柄の変動時間は極めて長い、かつ、電チュー17のロング解放確率が極めて低い構成となっている。したって、右打ちによって第2始動口21への入賞及び特図2において1種大当たりあるいはc時短へ当選することが、時短1状態において推奨される遊技である。時短2状態は、特図変動が100回実行されると終了し、通常状態に移行する。時短2状態において一種大当たりに当選し、大当たり種別が4R一種大当たりであった場合は、大当たり遊技後に時短1状態が再設定される。大当たり種別が10R一種大当たりであった場合は、大当たり遊技後に時短2状態へ移行する。また、時短2状態においてc時短に当選し、c時短種別がc時短1であった場合、次の特図変動から時短1状態となる。c時短種別がc時短2であった場合、次の特図変動からc時短2状態となる。なお、図6(A)より、特図2抽選において、一種大当たりに当選する確率は1/319.7、c時短に当選する確率は1/100.1となっており、上述の内容と併せて、時短1状態はいわゆるST状態といってもよい構成となっている。
【0200】
図30(C)に示す時短2状態は、上述のとおり、時短状態、かつ、時短ステータスが2である状態である。時短2状態では、特図2変動の変動時間は極めて長く、普通図柄の変動時間が短い、かつ、電チュー17のロング解放確率が極めて高い構成となっている。したがって、右打ちによってゲート28及び大入賞口開放チャッカー16への入賞を狙うことが、時短2状態において推奨される遊技である。時短2状態では、大入賞口開放チャッカー16に入賞した場合、小当たり確率は約99.9%であり、大入賞装置31においてV領域39を通過しやすいようにV開閉部材が制御されるため、時短2状態の開始とともに上述した推奨される遊技がなされた場合、普図当選、大入賞口開放チャッカー16に入賞、小当たり、2種大当たり、の順にほぼ確実に推移するため、実質的に、時短2状態では確実に2種大当たりに当選するような構成となっている。したがって、特図2抽選においてc時短2に当選することは、10R二種大当たりに当選することと概ね同義といってもよい構成となっている。
【0201】
以上が、遊技機1における各状態の説明である。
通常状態において、10R一種大当たりに当選した場合、大当たり遊技後のa時短は時短2状態となる。上述のとおり、時短2状態ではほぼ確実に10R二種大当たりを獲得可能な構成となっている。したがって、通常状態において、特図1抽選で獲得可能な大当たりは、実質20R分の大当たりと、10R分の大当たりと、の2種類があるということとなる。また、実質20R分の大当たり後には、ST状態とも言える時短1状態となるのに対し、10R分の大当たり後には、時短状態とならずに通常状態に戻る構成となっている。
【0202】
また、時短1状態(ST状態)において、4R一種大当たりに当選した場合、大当たり遊技後のa時短は時短1状態となる。また、10R一種大当たりに当選した場合、大当たり遊技後のa時短は時短2状態となるため、実質的に、20R分の大当たりということができる。さらに、c時短1に当選した場合、時短1状態(ST状態)が再設定されるため、0R分の大当たりということができる。加えて、c時短2に当選した場合、上述のとおり、10R二種大当たりをほぼ確実に獲得でき、その大当たり遊技後のa時短は時短1状態となる。
【0203】
以上より、時短1状態において、c時短に当選することは、実質的に、0R分の大当たり、あるいは、10R分の大当たりに当選することとなり、10R分の大当たりは、一種大当たりのうちの4R一種大当たりよりも、遊技者にとって有利となる。
【0204】
なお、上述のようなゲームの流れを実行するにあたって、大入賞口開放チャッカー16に電チュー17を設け、時短状態であるときには、電チュー17が高確率で開放されるように構成されている。しかし、時短ステータスが1である時短状態のときには、入賞困難なショート開放のみとなっており、時短ステータスが2である時短状態のときには、入賞が容易なロング解放を実行するように構成されている。また、これに伴い、特図2抽選の契機となる第2始動口21は電チューを持たず、常時開放状態となっている。このため、通常状態(非時短状態)においては、特図2変動の変動時間は極端に長く設定されている。さらに、通常状態(非時短状態)における特図2での当たり種別は、特図1での当たり種別よりも、遊技者にとって不利となるように構成されている。
【0205】
上述した内容より、見かけのゲームフローは図31に示すような構成となる。すなわち、遊技機1では、見かけ上、図31に示すような遊技が実行されていることとなる。
図31(A)に示す通常状態において、当たりに当選した場合、50%の確率で20R分の大当たり、50%の確率で10R分の大当たりとなる。また、20R分の大当たりであった場合に限り、大当たり遊技後にST状態(時短1状態)へ移行する。
【0206】
図31(B)に示すST状態は、図30(B)に示す時短1状態と同様の状態である。この状態は、当たりに当選することなく100回の特図抽選が実行されると終了する構成となっている。ここで、当たりとは、一種大当たりとc時短とを含む表現とする。1度の特図抽選において、当たりに当選する確率は、図6(A)より、(1/319.7)+(1/100.1)=1/76.2となる。したがって、当たりに当選することなく100回の特図抽選が実行される確率は約27%となる。また、当たりに当選した場合、53%の確率で10R分の大当たり、23%の確率で0R分の大当たり、17%の確率で20R分の大当たり、7%の確率で4R分の大当たり、となる。また、ST状態において当たりに当選すると、大当たり遊技後に必ずST状態が再設定される構成となっている。
【0207】
以上より、遊技機1では、通常状態において当たりとなった時における20R分の大当たりとなる確率は50%であり、ST状態において当たりとなった場合における20R分の大当たりとなる確率(17%)よりも高い構成となっている。
【0208】
また、通常状態において当たりとなった場合におけるST状態への突入率は、50%(20R分の大当たりとなる確率)となるのに対し、ST状態において当たりとなった場合は100%の確率でST状態に突入し、かつ、ST状態が終了するまでに当たる確率は約73%である。したがって、通常状態において当たりに当選した場合にST状態に突入する確率よりも、ST状態中に当たりに当選することでST状態が再設定される確率の方が高い構成となっている。
以上が、遊技機1における遊技の説明である。
【0209】
10.本実施形態の演出例
以下に図32図37を用いてST状態において当たりに当選した場合の演出例について説明する。図32は、ST状態における当たり演出A、Bの例を説明するための図である。ST状態における当たり演出A、Bはともに、ST状態において「0R分の大当たり」、すなわち、「c時短1」に当選した場合の演出例である。図33は、ST状態における当たり演出C、Dの例を説明するための図である。ST状態における当たり演出C、Dはともに、ST状態において「4R分の大当たり」、すなわち、「4R一種大当たり」に当選した場合の演出例である。図34は、ST状態における当たり演出Eの例を説明するための図である。図35は、ST状態における当たり演出Fの例を説明するための図である。ST状態における当たり演出E、Fはともに、ST状態において「10R分の大当たり」、すなわち、「c時短2」に当選した場合の演出例である。図36は、ST状態における当たり演出Gの例を説明するための図である。図37は、ST状態における当たり演出Hの例を説明するための図である。ST状態における当たり演出G、Hはともに、ST状態において「20R分の大当たり」、すなわち、「10R一種大当たり」に当選した場合の演出例である。これらの演出は、変動演出中に実行される。変動演出では、装飾図柄8L、8C、8Rが変動表示され、仮停止の後、確定停止する。なお、ST状態とは、図31(B)に示す状態であって、時短1状態と同義である。以下について、図31に示す見かけのゲームフローに準ずる用語を用いて説明する。また、以下の演出例では、特図2抽選の結果が報知されてから、大当たり遊技を消化し、次の遊技状態へ遷移するシーンまで説明する。
【0210】
また、遊技者がそれぞれの時点において推奨される遊技を実行したものとして、以下の演出例を説明する。
【0211】
変動演出の表示例を説明するにあたって、装飾図柄について先に説明する。装飾図柄8L、8C、8Rは、左装飾図柄8Lと、中装飾図柄8Cと、右装飾図柄8Rと、を含む一組の図柄であり、一組の図柄の変動表示によって特別図柄の可変表示(特図変動)を表し、一組の図柄の停止表示によって特図抽選結果を報知する。ここでの特別図柄とは、第1特別図柄と第2特別図柄のいずれであってもよい。左装飾図柄8Lと、中装飾図柄8Cと、右装飾図柄8Rは、それぞれ、表示画面7aの上方から下方にわたって表示され、減速変動時には、表示画面7aに同時に2つ以上の図柄が視認可能となるように縦に並んで移動表示される。また、高速変動時には、図柄の内容は視認困難となるように表示される。また、停止表示時には、表示画面7aに1つの図柄が視認可能となるように表示されるが、同時に複数の図柄が視認可能となるようにしてもよい。また、特図抽選の結果が当たりである場合は、一直線上に並んだ3つの図柄の組が当たり態様となるように停止する。なお、ここでの一直線上に並んだ3つの図柄とは、概ね一直線上に並んだものも含む。ここでは、左装飾図柄8Lと、中装飾図柄8Cと、右装飾図柄8Rの図柄配列は表示画面7aの下から上に向かって「123456789」の順番に並んでいる。
【0212】
また、装飾図柄8L、8C、8Rが特図2抽選の結果を表している場合において、確定停止表示された装飾図柄8L、8C、8Rの内容が「7」、「7」、「7」となった場合、見かけの当たり種別は「20R分の大当たり」となるものとする。同様に、確定停止表示された装飾図柄8L、8C、8Rの内容が「1」、「1」、「1」、あるいは、「3」、「3」、「3」、あるいは、「5」、「5」、「5」、あるいは、「9」、「9」、「9」となった(「7」以外の奇数でゾロ目となった)場合、かつ、昇格演出が実行されなかった場合、当たり種別は「10R分の大当たり」となり、「2」、「2」、「2」、あるいは、「4」、「4」、「4」、あるいは、「6」、「6」、「6」、あるいは、「8」、「8」、「8」となった(偶数でゾロ目となった)場合、当たり種別は「4R分の大当たり」となり、「4」、「4」、「9」となった場合、当たり種別は「0R分の大当たり」となるものとする。すなわち、特図2抽選の結果が「10R一種大当たり」のとき、確定停止表示された装飾図柄8L、8C、8Rの内容は「7」、「7」、「7」となり、「4R一種大当たり」のとき、「2」、「2」、「2」、あるいは、「4」、「4」、「4」、あるいは、「6」、「6」、「6」、あるいは、「8」、「8」、「8」となり、「c時短2」のとき、「1」、「1」、「1」、あるいは、「3」、「3」、「3」、あるいは、「5」、「5」、「5」、あるいは、「9」、「9」、「9」となり、「c時短1」のとき、「4」、「4」、「9」となるということである。ここで、一般的には、装飾図柄8L、8C、8Rが、「7」以外の奇数のゾロ目で確定停止した場合、特図抽選の結果は大当たりとなる場合が多いが、本実施形態では、「c時短2」である。しかし、前述したとおり、c時短1に当選すると、時短2状態となる。時短2状態において推奨される遊技がなされた場合、ほぼ確実に10R大当たりを獲得することが可能であるため、一般的に大当たり図柄となる装飾図柄の並びが、c時短2に当選した場合において停止表示されるようになっている。
【0213】
また、特図2抽選の結果が「c時短1」のとき、変動演出中の左装飾図柄8Lと、中装飾図柄8Cと、右装飾図柄8Rの図柄配列が表示画面7aの下から上に向かって、それぞれ、「123再56789」、「123装56789」、「12345678填」、となった後、「再」、「装」、「填」を表して停止表示される場合がある。すなわち、装飾図柄8L、8C、8Rの「4」、「4」、「9」が、「再」、「装」、「填」に置き換えられて表示される場合がある。さらに、本実施形態での演出例では、装飾図柄はその装飾図柄の内容を表す数字画像のみで構成される態様となっているが、これに加え、または、代え、キャラクタ画像などを含んだ構成としてもよい。
【0214】
[ST状態における当たり演出A]
図32(A)~(D)は、ST状態における当たり演出Aを説明するための図である。ST状態における当たり演出Aは、ST状態(時短1状態)において「0R分の大当たり」、すなわち、「c時短1」に当選した場合の演出例である。ここでは、ST状態における34回目の特図2抽選において「c時短1」に当選したものとして説明する。
【0215】
まず、図32(A)に示すように、ST状態における34回目の変動演出が開始される。この変動演出は、特図2抽選を表している。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。保留アイコン9A、9B、当該変動アイコン9Cは表示されていないが、表示されていてもよい。
【0216】
次に、図32(B)に示すように、図32(A)において変動表示されていた装飾図柄8L、8C、8Rが、仮停止表示された後、確定停止する。この変動演出の契機となった特図2抽選の結果は「c時短1」であるので、装飾図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「4」、「4」、「9」を表して停止表示されている。
【0217】
次に、図32(C)に示すように、「c時短1」に当選したことにより、時短1状態が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「ST最初からやり直し!!!」というメッセージ画像WHが表示されている。
【0218】
次に、32(D)に示すように、新たに設定されたST状態の1回目の変動演出が開始される。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
以上が、ST状態における当たり演出Aの例、すなわち、ST状態において「c時短1」に当選した場合の演出例の説明である。
【0219】
[ST状態における当たり演出B]
図32(E)~(I)は、ST状態における当たり演出Bを説明するための図である。ST状態における当たり演出Bは、ST状態(時短1状態)において「0R分の大当たり」、すなわち、「c時短1」に当選した場合の演出のうちの、ST状態における当たり演出Aと異なる変動演出パターンの例である。ここでは、ST状態における34回目の特図2抽選において「c時短1」に当選したものとして説明する。
【0220】
まず、図32(E)に示すように、ST状態における34回目の変動演出が開始される。この変動演出は、特図2抽選を表している。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。保留アイコン9A、9B、当該変動アイコン9Cは表示されていないが、表示されていてもよい。
【0221】
次に、図32(F)に示すように、図32(E)において高速変動表示されていた装飾図柄8L、8C、8Rが、減速表示される。さらに、左装飾図柄8Lの「4」を表す装飾図柄の表示態様が、「再」を表す文字画像を含む表示態様へと変化し、中装飾図柄8Cの「4」を表す装飾図柄の表示態様が、「装」を表す文字画像を含む表示態様へと変化し、右装飾図柄8Rの「9」を表す装飾図柄の表示態様が、「填」を表す文字画像を含む表示態様へと変化している。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0222】
次に、図32(G)に示すように、図32(E)、(F)において変動表示されていた装飾図柄8L、8C、8Rが、仮停止表示された後、確定停止する。この変動演出の契機となった特図2抽選の結果は「c時短1」であるので、装飾図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「再」、「装」、「填」を表して停止表示されている。
【0223】
なお、装飾図柄の表示態様が変化するタイミングは、任意に設定してよいものとする。この例は、すべての装飾図柄が減速表示された後、既に表示態様が変化した装飾図柄がフレームインしている。これに対し、フレームイン後にアニメーションを伴って変化してもよい。また、例えば、左装飾図柄8Lのみ減変動表示、左装飾図柄8Lの表示態様が変化、左装飾図柄8Lが仮停止表示、右装飾図柄8Rが減速変動表示、右装飾図柄8Rの表示態様が変化、右装飾図柄8Rが仮停止表示、中装飾図柄8Cが減速変動表示、中装飾図柄8Cの表示態様が変化、中装飾図柄8Cが仮停止表示の順に実行されてもよい。さらに、例えば、すべての装飾図柄が仮停止表示された後、表示態様が変化するようにしてもよい。さらに、表示態様が変化する装飾図柄について、装飾図柄8L、8C、8Rのそれぞれについて図柄配列のうちの1つの装飾図柄の表示態様が変化する構成となっていた。これに対し、各図柄配列につき複数個の装飾図柄の表示態様が変化するようにしてもよい。
【0224】
次に、図32(H)に示すように、「c時短1」に当選したことにより、時短1状態が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「ST最初からやり直し!!!」というメッセージ画像WHが表示されている。
【0225】
次に、32(I)に示すように、新たに設定されたST状態の1回目の変動演出が開始される。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
以上が、ST状態における当たり演出Bの例、すなわち、ST状態において「c時短1」に当選した場合の演出のうちのST状態における当たり演出Aと異なる変動演出パターンの説明である。
【0226】
図32(A)~(D)に示すST状態における当たり演出A、及び、図32(E)~(I)に示すST状態における当たり演出Bは、ともに、ST状態において「c時短1」に当選した場合の変動演出の例である。このように、特図2抽選の結果が同様であっても、複数パターンの表示態様で停止表示される装飾図柄によって、遊技者にドキドキ感や期待感を感じさせることが可能となり、遊技の興趣が向上する構成となっている。
【0227】
[ST状態における当たり演出C]
図33(A)~(F)は、ST状態における当たり演出Cを説明するための図である。ST状態における当たり演出Cは、ST状態(時短1状態)において「4R分の大当たり」、すなわち、「4R一種大当たり」に当選した場合の演出の一種の例である。ここでは、ST状態における34回目の特図2抽選において「4R一種大当たり」に当選したものとして説明する。
【0228】
まず、図33(A)に示すように、ST状態における34回目の変動演出が開始される。この変動演出は、特図2抽選を表している。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。保留アイコン9A、9B、当該変動アイコン9Cは表示されていないが、表示されていてもよい。
【0229】
次に、図33(B)に示すように、図33(A)において変動表示されていた装飾図柄8L、8C、8Rが、仮停止表示された後、確定停止する。この変動演出の契機となった特図2抽選の結果は「4R一種大当たり」であるので、装飾図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「8」、「8」、「8」を表して停止表示されている。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0230】
次に、図33(C)に示すように、「4R一種大当たり」に当選したことにより、大当たり遊技が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「大当たり!!!4Rスタート!!!」というメッセージ画像OHが表示されている。
【0231】
次に、図33(D)に示すように、大当たり遊技における消化中のラウンド数を報知するための表示がなされる。ここでは、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。報知画像DHが報知する内容は、大当たり遊技の進行とともに、「2R目!!!」、「3R目!!!」、「4R目!!!」という順に変化する。
【0232】
次に、図33(E)に示すように、大当たり遊技が終了したことを報知するエンディング演出が実行される。ここでは、「4R終了!!!」という報知画像BHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。なお、このエンディング演出の開始は、大当たり遊技の4R目における大入賞口30の開放時間が経過するか、入球数の上限に到達するか、のいずれかの条件に依って、大入賞口30の閉鎖条件が成立した時点において判断される。
【0233】
次に、図33(F)に示すように、ST状態(時短1状態)が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「STへ突入!!!」というメッセージ画像KHが表示されている。この後、ST状態における1回目の変動演出が開始される。
以上が、ST状態における当たり演出Cの例、すなわち、ST状態において「4R一種大当たり」に当選した場合の演出例の説明である。
【0234】
[ST状態における当たり演出D]
図33(G)~(L)は、ST状態における当たり演出Dを説明するための図である。ST状態における当たり演出Dは、ST状態(時短1状態)において「4R分の大当たり」、すなわち、「4R一種大当たり」に当選した場合の演出のうちの、図33(A)~(F)で説明したST状態における当たり演出Cと異なる演出パターンの例である。ここでは、ST状態における34回目の特図2抽選において「4R一種大当たり」に当選したものとして説明する。
【0235】
まず、図33(G)に示すように、ST状態における34回目の変動演出が開始される。この変動演出は、特図2抽選を表している。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。保留アイコン9A、9B、当該変動アイコン9Cは表示されていないが、表示されていてもよい。
【0236】
次に、図33(H)に示すように、図33(G)において変動表示されていた装飾図柄8L、8C、8Rが、仮停止表示された後、確定停止する。この変動演出の契機となった特図2抽選の結果は「4R一種大当たり」であるので、装飾図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「8」、「8」、「8」を表して停止表示されている。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0237】
次に、図33(I)に示すように、「4R一種大当たり」に当選したことにより、大当たり遊技が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「大当たり!!!4Rスタート!!!」というメッセージ画像OHが表示されている。
【0238】
次に、図33(J)に示すように、大当たり遊技における消化中のラウンド数を報知するための表示がなされる。ここでは、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0239】
次に、図33(K)に示すように、大当たり遊技の1R目において、遊技球がV領域39を通過したことを示唆する演出が実行される。ここでは、「V」を表す特定画像VHが表示され、これに伴い、背景画像が変化している。さらに、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。なお、この変動演出の結果は「4R一種大当たり」であって、大当たり遊技中においてV領域39への入球が当たり成立条件となる二種大当たりではない。したがって、大当たり遊技中においてV領域39への入賞は、これ以降の結果に影響しない。しかし、この例では、V領域39への入賞を示唆する演出が実行された。この効果については、図35において説明する「ST状態における当たり演出F」において記載する。この後、報知画像DHが報知する内容は、大当たり遊技の進行とともに、「2R目!!!」、「3R目!!!」、「4R目!!!」という順に変化する。
【0240】
次に、図33(L)に示すように、大当たり遊技が終了したことを報知するエンディング演出が実行される。ここでは、「4R終了!!!」という報知画像BHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。なお、このエンディング演出の開始は、大当たり遊技の4R目における大入賞口30の開放時間が経過するか、入球数の上限に到達するか、のいずれかの条件に依って、大入賞口30の閉鎖条件が成立した時点において判断される。なお、以下の演出の態様については、図33(A)~(F)で説明したST状態における当たり演出Cと同様であるため、説明は省略する。
以上が、ST状態における当たり演出Dの例、すなわち、ST状態において「4R一種大当たり」に当選した場合の演出のうちの、図33(A)~(F)で説明したST状態における当たり演出Cと異なる演出パターンの例の説明である。
【0241】
[ST状態における当たり演出E]
図34は、ST状態における当たり演出Eを説明するための図である。ST状態における当たり演出Eは、ST状態(時短1状態)において「10R分の大当たり」、すなわち、「c時短2」に当選した場合の演出の例である。ここでは、ST状態における34回目の特図2抽選において「c時短2」に当選したものとして説明する。
【0242】
まず、図34(A)に示すように、ST状態における34回目の変動演出が開始される。この変動演出は、特図2抽選を表している。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。保留アイコン9A、9B、当該変動アイコン9Cは表示されていないが、表示されていてもよい。
【0243】
次に、図34(B)に示すように、図34(A)において変動表示されていた装飾図柄8L、8C、8Rが、仮停止表示された後、確定停止する。この変動演出の契機となった特図2抽選の結果は「c時短2」であるので、装飾図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「3」、「3」、「3」を表して停止表示されている。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0244】
次に、図34(C)に示すように、「c時短2」に当選した後、ゲート28へ入賞、普通図柄当選、大入賞口開放チャッカー16へ入賞、の順序で遊技が進行したことにより、「10R二種大当たり」への当選が濃厚となったので、当たり遊技が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「大当たり!!!10Rスタート!!!」というメッセージ画像OHが表示されている。
【0245】
次に、図34(D)に示すように、大当たり遊技における消化中のラウンド数を報知するための表示がなされる。ここでは、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0246】
次に、図34(E)に示すように、大当たり遊技の1R目において、遊技球がV領域39を通過したことを示唆する演出が実行される。ここでは、「V」を表す特定画像VHが表示され、これに伴い、背景画像が変化している。さらに、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。この後、報知画像DHが報知する内容は、大当たり遊技の進行とともに、「2R目!!!」、「3R目!!!」、「4R目!!!」という順に変化する。
【0247】
次に、図34(F)に示すように、大当たり遊技が終了したことを報知するエンディング演出が実行される。ここでは、「10R終了!!!」という報知画像BHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。なお、このエンディング演出の開始は、大当たり遊技の10R目における大入賞口30の開放時間が経過するか、入球数の上限に到達するか、のいずれかの条件に依って、大入賞口30の閉鎖条件が成立した時点において判断される。
【0248】
次に、図34(G)に示すように、ST状態(時短1状態)が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「STへ突入!!!」というメッセージ画像KHが表示されている。この後、ST状態における1回目の変動演出が開始される。
【0249】
次に、図34(H)に示すように、ST状態における1回目の変動演出が開始される。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
以上が、ST状態における当たり演出Eの例、すなわち、ST状態において「c時短2」に当選した場合の演出の例の説明である。
【0250】
[ST状態における当たり演出F]
図35は、ST状態における当たり演出Fを説明するための図である。ST状態における当たり演出Fは、ST状態(時短1状態)において「10R分の大当たり」、すなわち、「c時短2」に当選した場合の演出のうちの、図34で説明したST状態における当たり演出Eと演出パターンが異なる例である。ここでは、ST状態における34回目の特図2抽選において「c時短2」に当選したものとして説明する。
【0251】
まず、図35(A)に示すように、ST状態における34回目の変動演出が開始される。この変動演出は、特図2抽選を表している。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。保留アイコン9A、9B、当該変動アイコン9Cは表示されていないが、表示されていてもよい。
【0252】
次に、図35(B)に示すように、図35(A)において変動表示されていた装飾図柄8L、8C、8Rが、仮停止表示された後、確定停止する。この変動演出の契機となった特図2抽選の結果は「c時短2」であるが、装飾図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「8」、「8」、「8」を表して停止表示され、「4R一種大当たり」に当選したことを示唆している。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0253】
次に、図35(C)に示すように、「c時短2」に当選した後、ゲート28へ入賞、普通図柄当選、大入賞口開放チャッカー16へ入賞、の順序で遊技が進行したことにより、「10R二種大当たり」への当選が濃厚となったので、当たり遊技が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、図35(B)において、「4R一種大当たり」に当選したことを示唆しているので、「大当たり!!!4Rスタート!!!」というメッセージ画像OHが表示されている。
【0254】
次に、図35(D)に示すように、大当たり遊技における消化中のラウンド数を報知するための表示がなされる。ここでは、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0255】
次に、図35(E)に示すように、大当たり遊技の1R目において、遊技球がV領域39を通過したことを示唆する演出が実行される。ここでは、「V」を表す特定画像VHが表示され、これに伴い、背景画像が変化している。さらに、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。この後、報知画像DHが報知する内容は、大当たり遊技の進行とともに、「2R目!!!」、「3R目!!!」、「4R目!!!」という順に変化する。
【0256】
次に、図35(F)に示すように、大当たり遊技が終了したことを示唆するエンディング示唆演出が実行される。ここでは、「4R終了!!!」という示唆報知画像FHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。これは、図35(B)、(C)において、「4R一種大当たり」に当選したことを示唆した演出に続く、示唆演出であって、この後も大当たり遊技は継続する。
【0257】
次に、図35(G)に示すように、当選した当たりが「4R一種大当たり」ではなく「10R二種大当たり」であることを報知する昇格演出が実行される。ここでは、「実は10Rだった!!!右へ打ち続けろ!!!」という昇格メッセージ画像PHが表示されている。この後、大当たり遊技の5R目が開始される。
【0258】
次に、図35(H)に示すように、大当たり遊技における消化中のラウンド数を報知するための表示がなされる。ここでは、「5R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。この後、報知画像DHが報知する内容は、大当たり遊技の進行とともに、「6R目!!!」、「7R目!!!」、・・・、「10R目!!!」という順に変化する。
【0259】
次に、図35(I)に示すように、大当たり遊技が終了したことを報知するエンディング演出が実行される。ここでは、「10R終了!!!」という報知画像BHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。なお、このエンディング演出の開始は、大当たり遊技の10R目における大入賞口30の開放時間が経過するか、入球数の上限に到達するか、のいずれかの条件に依って、大入賞口30の閉鎖条件が成立した時点において判断される。
【0260】
次に、図35(J)に示すように、ST状態(時短1状態)が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「STへ突入!!!」というメッセージ画像KHが表示されている。この後、ST状態における1回目の変動演出が開始される。
【0261】
次に、図35(K)に示すように、ST状態における1回目の変動演出が開始される。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
以上が、ST状態における当たり演出Fの例、すなわち、ST状態において「c時短2」に当選した場合の演出のうちのST状態における当たり演出Eと演出パターンが異なる例の説明である。このST状態における当たり演出Fでは、「10R分の大当たり(c時短2)」に当選したにもかかわらず、停止表示された装飾図柄、及び、その後の演出内容で「4R分の大当たり(4R一種大当たり)」に当選したことを示唆し、その後、昇格演出を実行することによって、「10R分の大当たり」に当選したことを報知している。この演出の構成によれば、遊技者に、より有利な当たりとなったことへの高揚感を与えることが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能である。
【0262】
また、この演出の構成を実行するにあたって、「10R分の大当たり」に当選したことを報知するまでは、「4R分の大当たり」の当選時の演出例である「ST状態における当たり演出D」と同様の内容となっている。しかし、「10R分の大当たり」には、V領域39への入賞が条件である一方、「4R分の大当たり」は一種大当たりであるため、V領域39への入賞は必要ありません。この点から、V領域39への入賞の有無による演出の差異によって、昇格演出があることが事前に判明してしまわないように、図33(G)~(L)に示すST状態における当たり演出Dでは、「4R一種大当たり」に当選したにもかかわらず、V領域39への入賞を示唆する演出(図33(K))を実行している。
【0263】
[ST状態における当たり演出G]
図36は、ST状態における当たり演出Gを説明するための図である。ST状態における当たり演出Gは、ST状態(時短1状態)において「20R分の大当たり」、すなわち、「10R一種大当たり」に当選した場合の演出の例である。ここでは、ST状態における34回目の特図2抽選において「10R一種大当たり」に当選したものとして説明する。
【0264】
まず、図36(A)に示すように、ST状態における34回目の変動演出が開始される。この変動演出は、特図2抽選を表している。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。保留アイコン9A、9B、当該変動アイコン9Cは表示されていないが、表示されていてもよい。
【0265】
次に、図36(B)に示すように、図36(A)において変動表示されていた装飾図柄8L、8C、8Rが、仮停止表示された後、確定停止する。この変動演出の契機となった特図2抽選の結果は「10R一種大当たり」であるので、装飾図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「7」、「7」、「7」を表して停止表示されている。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0266】
次に、図36(C)に示すように、「10R一種大当たり」に当選したことによる当たり遊技が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「大当たり!!!20Rスタート!!!」というメッセージ画像OHが表示されている。このメッセージ画像OHでは、また10R一種大当たりによる10R分の大当たり遊技が確定しているのみであるにもかかわらず、20Rの大当たり遊技が実行されることを示唆している。これは、推奨される遊技がなされた場合、上述したとおり、10R一種大当たりによる大当たり遊技の後のc時短2状態において、ほぼ確実に10R二種大当たりを獲得できる点から、このような構成となっている。
【0267】
次に、図36(D)に示すように、大当たり遊技における消化中のラウンド数を報知するための表示がなされる。ここでは、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0268】
次に、図36(E)に示すように、10R一種大当たりによる大当たり遊技が終了したことを報知するエンディング演出が実行される。この後、c時短2状態に突入し、すぐに10R二種大当たりを獲得可能なことから、ここでは、「10R終了!!!右へ打ち続けろ!!!」というメッセージ画像SHが表示されている。また、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHも表示されている。なお、このエンディング演出の開始は、大当たり遊技の10R目における大入賞口30の開放時間が経過するか、入球数の上限に到達するか、のいずれかの条件に依って、大入賞口30の閉鎖条件が成立した時点において判断される。
【0269】
次に、図36(F)に示すように、c時短2状態に突入後、ゲート28へ入賞、普通図柄抽選で当選、大入賞口開放チャッカー16に入賞と、遊技が進行し、当たり遊技が開始されたため、当たり遊技における消化中のラウンド数を報知するための表示がなされる。ここでは、「11R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。この報知画像DHの内容について、図36(C)~(E)で示した10R一種大当たりによる大当たり遊技と、この当たり遊技とが、まるで連続して実行されているかのように見せる演出をおこなっているため、図36(C)~(E)で示した10R一種大当たりによる大当たり遊技のラウンド数と併せて、11R目と表現している。
【0270】
次に、図36(G)に示すように、当たり遊技の1R目において、遊技球がV領域39を通過したことを示唆する演出が実行される。ここでは、「V」を表す特定画像VHが表示され、これに伴い、背景画像が変化している。さらに、「11R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。この後、報知画像DHが報知する内容は、大当たり遊技の進行とともに、「12R目!!!」、「13R目!!!」、・・・、「20R目!!!」という順に変化する。
【0271】
次に、図36(H)に示すように、10R二種大当たりによる大当たり遊技が終了したことを報知するエンディング演出が実行される。ここでは、「20R終了!!!」という報知画像BHが表示されている。また、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHも表示されている。なお、このエンディング演出の開始は、大当たり遊技の10R目における大入賞口30の開放時間が経過するか、入球数の上限に到達するか、のいずれかの条件に依って、大入賞口30の閉鎖条件が成立した時点において判断される。
【0272】
次に、図36(I)に示すように、ST状態(時短1状態)が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「STへ突入!!!」というメッセージ画像KHが表示されている。この後、ST状態における1回目の変動演出が開始される。
【0273】
次に、図36(J)に示すように、ST状態における1回目の変動演出が開始される。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
以上が、ST状態における当たり演出Gの例、すなわち、ST状態において「10R一種大当たり」に当選した場合の演出の例の説明である。
【0274】
[ST状態における当たり演出H]
図37は、ST状態における当たり演出Hを説明するための図である。ST状態における当たり演出Gは、ST状態(時短1状態)において「20R分の大当たり」、すなわち、「10R一種大当たり」に当選した場合の演出の例である。ここでは、ST状態における34回目の特図2抽選において「10R一種大当たり」に当選したものとして説明する。
【0275】
まず、図37(A)に示すように、ST状態における34回目の変動演出が開始される。この変動演出は、特図2抽選を表している。ここでは、装飾図柄8L、8C、8Rが高速変動し、それぞれの内容が視認困難となる。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。保留アイコン9A、9B、当該変動アイコン9Cは表示されていないが、表示されていてもよい。
【0276】
次に、図37(B)に示すように、図37(A)において変動表示されていた装飾図柄8L、8C、8Rが、仮停止表示された後、確定停止する。この変動演出の契機となった特図2抽選の結果は「10R一種大当たり」(20R分の大当たり)であるが、装飾図柄8L、8C、8Rは、それぞれ、「3」、「3」、「3」を表して停止表示され、「c時短2」(10R分の大当たり)に当選したことを示唆している。また、ST状態の残り変動回数を表す残り回数表示JNと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0277】
次に、図37(C)に示すように、大当たり遊技が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、図37(B)において、「c時短2」(および「10R二種大当たり」)に当選したことを示唆しているので、「大当たり!!!10Rスタート!!!」というメッセージ画像OHが表示されている。
【0278】
次に、図37(D)に示すように、大当たり遊技における消化中のラウンド数を報知するための表示がなされる。ここでは、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。
【0279】
次に、図37(E)に示すように、大当たり遊技の1R目において、遊技球がV領域39を通過したことを示唆する演出が実行される。ここでは、「V」を表す特定画像VHが表示され、これに伴い、背景画像が変化している。さらに、「1R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。この後、報知画像DHが報知する内容は、大当たり遊技の進行とともに、「2R目!!!」、「3R目!!!」、「4R目!!!」という順に変化する。ここで、この例において当選した当たりは「10R一種大当たり」であるため、V領域39への入賞は必要ないが、「c時短2(10R分の大当たり)」に当選したことを示唆しているため、本来「c時短2(10R分の大当たり)」に当選した場合にV領域39への入賞が可能な時点において、特定画像VHを表示している。仮に、特定画像VHが表示されなかった場合、V領域39への入賞に失敗したと遊技者が誤認する、あるいは、この後昇格演出があることに気づく、という不具合が起きうるため、上述のような演出の構成となっている。
【0280】
次に、図37(F)に示すように、大当たり遊技が終了したことを示唆するエンディング示唆演出が実行される。ここでは、「10R終了!!!」という示唆報知画像FHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。これは、図35(B)、(C)において、「10R一種大当たり」に当選したことを示唆した演出に続く、示唆演出である。実際に、この後、大当たり遊技は終了するが、その後すぐに10R二種大当たりを獲得可能であるため、実質的に、この後も大当たり遊技は継続することとなる。
【0281】
次に、図37(G)に示すように、当選した当たりが「10R分の大当たり(c時短2)」ではなく「20R分の大当たり(10R一種大当たり)」であることを報知する昇格演出が実行される。ここでは、「10R追加!!!右へ打ち続けろ!!!」という昇格メッセージ画像UHが表示されている。この表示により、10R一種大当たり後のc時短2において、ゲート28への入賞及び大入賞口開放チャッカー16への入賞を逃すことなく遊技を進行させられる確率が高くなる。
【0282】
次に、図37(H)に示すように、当たり遊技における消化中のラウンド数を報知するための表示がなされる。ここでは、直前に実行されていた逸す10R一種大当たりによる大当たり遊技のラウンド数と併せて、「11R目!!!」という報知画像DHが表示されている。また、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHも表示されている。
【0283】
次に、図37(I)に示すように、10R二種大当たりによる大当たり遊技の1R目において、遊技球がV領域39を通過したことを示唆する演出が実行される。ここでは、「V」を表す特定画像VHが表示され、これに伴い、背景画像が変化している。さらに、「11R目!!!」という報知画像DHと、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHと、が表示されている。この後、報知画像DHが報知する内容は、大当たり遊技の進行とともに、「12R目!!!」、「13R目!!!」、・・・、「20R目!!!」という順に変化する。
【0284】
次に、図37(J)に示すように、10R二種大当たりによる大当たり遊技が終了したことを報知するエンディング演出が実行される。ここでは、「20R終了!!!」という報知画像BHが表示されている。また、遊技者に右打ちを促すための右打ち画像RHも表示されている。なお、このエンディング演出の開始は、大当たり遊技の10R目における大入賞口30の開放時間が経過するか、入球数の上限に到達するか、のいずれかの条件に依って、大入賞口30の閉鎖条件が成立した時点において判断される。
【0285】
次に、図37(K)に示すように、ST状態(時短1状態)が開始されるオープニング演出が実行される。ここでは、「STへ突入!!!」というメッセージ画像KHが表示されている。この後、ST状態における1回目の変動演出が開始される。
【0286】
以上が、ST状態における当たり演出Hの例、すなわち、ST状態において「10R一種大当たり」に当選した場合の演出のうちのST状態における当たり演出Gと演出パターンが異なる例の説明である。
【0287】
以上において説明したST状態において当たりに当選した際の演出について、特徴的な演出として、V領域39への入賞が条件でない時点においても、V領域39への入賞を示唆する演出が実行される点である。この演出は、昇格演出を経て当たり種別が昇格する場合と、昇格しない場合と、において生じる演出内容の差異をなくすために実行される。これにより、昇格演出が実行される前に昇格演出が実行されることを遊技者が気づいてしまうことがないように演出が構成される。したがって、この構成によって、遊技者が感じ得るドキドキ感などを損なう可能性が低くなり、遊技の興趣を向上させることが可能である。また、これと同様の目的において、ST状態において当たりに当選した際、その当たりがV領域39への入賞が条件でない場合においても、V領域39へ遊技球を入賞させることを遊技者に促すための演出を実行するようにしてもよい。この場合、V領域39への入賞を促す演出と、V領域39への入賞を示唆する演出との両方を実行するようにしてもよいし、いずれか一方のみにしてもよい。
【0288】
11.本実施形態の効果例、変形例、態様例
[効果例A]
以下に、第1実施形態の効果例Aを示す。
【0289】
[効果A-1]
上記実施形態の遊技機1では、遊技球が入賞可能な第1始動口20及び第2始動口21と、第1始動口20及び第2始動口21の一方に遊技球が入賞したことに基づいて、当たりかハズレかの抽選を実行可能であり、かつ、大当たり遊技の終了後に、遊技状態を、ST状態と、通常状態と、のうちのいずれか一方に設定可能である遊技制御用マイコン81と、を備え、当たりの種類には、20R分の大当たりと10R分の大当たりと、が含まれ、遊技制御用マイコン81は、ST状態では、20R分の大当たりよりも、10R分の大当たりに当選する確率が高く、通常状態では、10R分の大当たりよりも、20R分の大当たりに当選する確率が高い構成となっている。この構成によれば、これまでにない斬新な遊技を遊技者に提供でき、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0290】
[効果A-2]
上記実施形態の遊技機1では、遊技制御用マイコン81は、通常状態において当たりに当選した場合よりも、ST状態において当たりに当選した場合の方が、大当たり遊技後にST状態に設定する確率が高い構成となっている。この構成によれば、これまでにない斬新な遊技を遊技者に提供でき、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0291】
[効果A-3]
上記実施形態の遊技機1では、遊技制御用マイコン81は、10R二種大当たりに当選する時短2状態に設定可能であり、10R一種大当たり(a時短あり)(すなわち、20R分の大当たり)に当選したことを契機とする大当たり遊技の後、遊技状態を時短2状態に設定し、10R二種大当たりに当選したことを契機とする大当たり遊技の後、遊技状態を、ST状態に設定する構成となっている。なお、10R一種大当たりと10R二種大当たりとを合わせて、20R分の大当たりとしている。この構成によれば、これまでにない斬新な遊技を遊技者に提供でき、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0292】
[効果A-4]
上記実施形態の遊技機1(変形例含む)では、特図1抽選及び特図2抽選の結果が当たりかハズレかを判定可能な遊技制御用マイコン81と、第1の演出と第2の演出とのうちの少なくとも一方を実行可能な演出制御用マイコン91と、遊技球が入賞可能なV領域39と、を備え、一種大当たりは、当選したことを契機とする大当たり遊技におけるV領域39への遊技球の入賞に依らず成立し、第1の演出とは、一種大当たりに当選したことを契機とする大当たり遊技中において、V領域39に遊技球を入賞させることを促す演出であり、第2の演出とは、一種大当たりに当選したことを契機とする大当たり遊技中において、V領域39に遊技球が入賞したことを示唆する演出である構成となっている。この構成によれば、これまでにない斬新な遊技を遊技者に提供でき、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0293】
[変形例A]
第1実施形態の変形例Aを示す。
[変形例A-1]
上記実施形態では、時短1状態において、10R一種大当たりに当選した場合、大当たり遊技後に時短2状態に移行し、4R一種大当たりに当選した場合、大当たり遊技後に時短1状態に移行する構成となっていた。これに対し、例えば、4R一種大当たりに当選した場合においても、大当たり遊技後に時短2状態に移行するようにしてもよい。また、例えば、10R一種大当たりに当選した場合、大当たり遊技後に時短1状態に移行するようにしてもよい。
【0294】
[変形例A-2]
上記実施形態では、通常状態において大当たりに当選した場合よりも、ST状態において大当たりに当選した場合の方が、大当たり遊技後にST状態となる確率が高い構成となっていた。これに対し、通常状態において大当たりに当選した場合の方が大当たり遊技後にST状態となる確率が高い構成としてもよいし、通常状態において大当たりに当選した場合とT状態において大当たりに当選した場合とで、大当たり遊技後にST状態となる確率が同じとなるように構成してもよい。
【0295】
[変形例A-3]
上記実施形態では、一種大当たりに当選した場合において、大当たり遊技中にV領域39に遊技球が入賞したことを示唆する演出を実行可能な構成となっていた。これに加え、または、代え、一種大当たりに当選した場合において、大当たり遊技中にV領域39に遊技球を入賞させるように遊技者に促す演出を実行可能な構成としてもよい。
【0296】
[変形例A-4]
上記実施形態では、当たりがほぼ確実に2回獲得可能となる当たり(20R分の大当たり)に当選可能な構成となっていた。これに足し、3回以上の当たりを確実に獲得可能な当たりを含む構成としてもよい。
【0297】
[変形例A-5]
上記実施形態では、ST状態においてc時短に当選した場合、大入賞口開放チャッカー16への入賞が容易となる時短1状態と、時短2状態と、のうちの一方に移行する構成となっていた。これに加え、大入賞口開放チャッカー16への入賞は困難であり、特図2変動がロング変動であり、特図1変動がわずかに短くなり得る時短状態(いわゆる微時短)へも移行可能な構成とし、c時短への当選でST状態から転落し得る構成としてもよい。
【0298】
[態様例A]
第1実施形態の遊技機1では、以下の態様Aを実現可能である。
[態様A-1]
遊技球が入賞可能な始動口と、
前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて、当たりかハズレかの抽選を実行する抽選手段と、
当たり遊技の終了後に、遊技状態を、相対的に有利な第1遊技状態と、相対的に不利な第2遊技状態と、のうちのいずれか一方に設定可能な遊技状態制御手段と、を備える遊技機であって、
前記当たりには、相対的に有利な第1の当たりと、相対的に不利な第2の当たりと、が含まれ、
前記抽選手段は、
前記第1遊技状態では、前記第1の当たりよりも、前記第2の当たりに当選する確率が高く、
前記第2遊技状態では、前記第2の当たりよりも、前記第1の当たりに当選する確率が高い、
ことを特徴とする遊技機。
[態様A-2]
態様A-1に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において前記抽選手段が当たりと判定した場合よりも、前記第1遊技状態において前記抽選手段が当たりと判定した場合の方が、前記当たり遊技後に前記第1遊技状態に設定する確率が高い、
ことを特徴とする遊技機。
[態様A-3]
態様A-1に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
第3の当たりに当選する遊技状態である第3遊技状態に設定可能であり、
前記第1の当たりに当選したことを契機とする当たり遊技の後、遊技状態を前記第3遊技状態に設定し、
前記第3の当たりに当選したことを契機とする当たり遊技の後、遊技状態を、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とのうちのいずれか一方に設定する、
ことを特徴とする遊技機。
[態様A-4]
特図抽選の結果が当たりかハズレかを判定する抽選手段と、
第1の演出と第2の演出とのうちの少なくとも一方を実行可能な演出実行手段と、
遊技球が入賞可能な特定領域と、を備える遊技機であって、
前記当たりは、当選したことを契機とする当たり遊技における前記特定領域への遊技球の入賞に依らず成立し、
前記第1の演出とは、前記当たりに当選したことを契機とする当たり遊技中において、前記特定領域に遊技球を入賞させることを促す演出であり、
前記第2の演出とは、前記当たりに当選したことを契機とする当たり遊技中において、前記特定領域に遊技球が入賞したことを示唆する演出である、
ことを特徴とする遊技機。
【0299】
[効果例B]
以下に、第1実施形態の効果例Bを示す。
[効果B-1]
上記実施形態の遊技機1では、遊技状態を通常状態と時短状態とに設定可能であり、かつ、ゲート28への遊技球の入賞に基づいて普通図柄抽選が当たりかハズレかを抽選可能であり、かつ、当たりに当選した場合、大入賞口開放チャッカー16に設けられた電チュー17の第1開閉部材18において、遊技球が入賞困難である閉状態から、予め定められた開放時間の間、入賞容易な開状態へ切り替えた後、閉状態に切替可能な遊技制御用マイコン81を備え、時短2状態において開放時間が長い開放パターンH12が選ばれやすく、時短1状態において開放時間が短い開放パターンH11が選ばれやすい構成となっている。この構成によれば、これまでにない斬新な遊技を遊技者に提供でき、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0300】
[効果B-2]
上記実施形態の遊技機1では、大入賞口開放チャッカー16に遊技球が入賞したことを契機として、V領域39への遊技球の入賞が困難な状態から容易な状態へ切り替える開閉部材32を備え、V領域39に遊技球が入賞した場合、大当たり遊技が実行される構成となっている。この構成によれば、これまでにない斬新な遊技を遊技者に提供でき、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0301】
[効果B-3]
上記実施形態の遊技機1では、それぞれ遊技球の入球が特図1抽選、特図2抽選の契機となる第1始動口20及び第2始動口21を備え、第1始動口20及び第2始動口21は、遊技状態に依らず、入球が容易な状態が維持される、構成となっている。この構成によれば、これまでにない斬新な遊技を遊技者に提供でき、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0302】
[変形例B]
第1実施形態の変形例Bを示す。
[変形例B-1]
上記実施形態では、時短1状態において普図抽選に当選した場合、電チュー17の開放パターンは、99%の確率でH11、1%の確率でH12となり、時短2状態において普図抽選で当選した場合は、99%の確率でH12、1%の確率でH11となるように構成されていた。これに対し、時短1状態において普図抽選で当選した場合は100%の確率でH11となり、時短2状態において普図抽選で当選した場合は100%の確率でH12となるように構成してもよい。
【0303】
[変形例B-2]
上記実施形態では、時短状態において、普図抽選にはほぼ確実に当選する構成となっていた(図6(B))。これに対し、例えば、普図抽選の当選確率を100%としてもよいし、10%としてもよい。また、例えば、時短1状態と、時短2状態とで、普図抽選の当選確率を変化させてもよい。
【0304】
[変形例B-3]
上記実施形態では、大入賞口開放チャッカー16に遊技球が入賞した場合、ほぼ確実に小当たりとなる構成となっていた(図6(C))。これに対し、例えば、小当たりとなる確率を100%としてもよいし、10%としてもよい。
【0305】
[変形例B-4]
上記実施形態では、大入賞口開放チャッカー16に遊技球が入賞し小当たりとなった場合、大入賞口30が解放され、さらに、V領域39への入賞も容易な状態となるように構成されていた。これに加え、大入賞口開放チャッカー16に遊技球が入賞し小当たりとなった場合、大入賞口30は解放されるが、V領域39は解放されず、実質的に転落小当たりとなるような種別を設けてもよい。
【0306】
[態様例B]
第1実施形態の遊技機1では、以下の態様Bを実現可能である。
[態様B-1]
遊技状態を通常状態と時短状態とに設定可能な遊技状態設定手段と、
遊技球の入賞に基づいて当たりかハズレかを抽選する抽選手段と、
前記抽選手段の判定結果が当たりであった場合、所定入賞口において、遊技球が入賞困難な第1の状態から、所定期間の間、入賞容易な第2の状態へ切り替えた後、前記第1の状態に切り替える切替手段と、を備える遊技機であって、
第1の前記時短状態における前記所定期間は相対的に長く、
第2の前記時短状態における前記所定期間は相対的に短い、
ことを特徴とする遊技機。
[態様B-2]
態様B-1に記載の遊技機であって、
前記所定入賞口に遊技球が入賞したことを契機として、特定領域への遊技球の入賞が困難な状態から容易な状態へ切り替える特定領域切替手段を備え、
前記特定領域に遊技球が入賞した場合、当たり遊技が実行される、
ことを特徴とする遊技機。
[態様B-3]
態様B-1に記載の遊技機であって、
それぞれ遊技球の入球が特図抽選の契機となる第1の入球口及び第2の入球口を備え、
前記第1の入球口及び前記第2の入球口は、遊技状態に依らず、入球が容易な状態が維持される、
ことを特徴とする遊技機。
【0307】
<第2実施形態>
以下に図38図41を用い、本発明の第2実施形態を説明する。図38は、大入賞口開放抽選判定の別例について説明するための図である。
【0308】
上記実施形態では、図6(C)に示したように、大入賞口開放抽選判定テーブルは、大入賞口開放乱数値が「0~65534」の場合に「小当たり」となり、大入賞口開放乱数値が「65535」の場合に「ハズレ」となることを示していた。
【0309】
これに対し、本第2実施形態では、図38(A)に示したように、大入賞口開放抽選判定テーブルは、大入賞口開放乱数値が「0~65535」の場合に「小当たり」となることを示している。つまり、本第2実施形態では、大入賞口開放抽選判定テーブルに「ハズレ」がない。したがって、大入賞口開放チャッカー16への入球があれば、大入賞口30が必ず開放されることとなる。
【0310】
また、図38(B)に示すように、大入賞口開放チャッカー16への入球があった場合、大入賞口開放抽選判定テーブルを参照せず、つまり抽選をすることなく「小当たり」になる構成としてもよい。なお、ここでは「小当たり」としているが、抽選を行わない場合、「当たり」という概念を用いず、大入賞口開放チャッカー16への入球によって大入賞口30が開放されると捉えても差し支えない。
【0311】
図39~41は、上記実施形態の特徴部分をまとめた図である。図39は、特図2(第2特別図柄)の抽選に関する特徴を表す図である。
図39に示すように、特図2では、当たり種別が「10R一種大当たり」、「c時短2」、「4R一種大当たり」、「c時短1」となっている。つまり、「c時短1」、「c時短2」が当たり種別となっていることに特徴がある。これは、c時短1、c時短2のいずれかに移行した場合、大入賞口開放チャッカー16へ遊技球が入球すると、すべて小当たりとなり、大入賞口30が開放され、大入賞口30の内部にあるV領域39を遊技球が通過することで大当たりになることを意味する。
【0312】
「c時短1」では、普図(普通図柄)の抽選確率は上昇するものの(図6)、電チュー17の開放パターンが「H11」となるため、大入賞口開放チャッカー16への遊技球の入球が困難となる(図10)。そのため「c時短1」では、大入賞口30が開放されずV領域39を遊技球が通過することがない。したがって、「c時短1」は大当たり遊技へ移行させない時短状態となっている。
【0313】
「c時短2」では、普図(普通図柄)の抽選確率は上昇し(図6)、電チュー17の開放パターンが「H12」となるため、大入賞口開放チャッカー16への遊技球の入球が容易となる(図10)。そのため「c時短2」では、大入賞口30が開放されV領域39を遊技球が通過する。したがって、「c時短2」は大当たり遊技へ移行させる時短状態となっている。
【0314】
「c時短2」に当選した場合、大入賞口開放チャッカー16への遊技球の入球によって大入賞口30が開放されてV領域39を遊技球が通過する。したがって、「c時短2」に当選した場合は特別図柄(特図1、特図2)の抽選を経由することなく大当たり遊技が実行される。
【0315】
図39に示すように、特図2の当たり種別には、「10R一種大当たり」、「4R一種大当たり」が含まれる。「10R一種大当たり」に当選した場合、大当たり遊技後に移行する「a時短」が「c時短2」と同様の時短状態となっているため、10R一種大当たりとセットとなる10R二種大当たりによって、獲得可能な遊技球の数は、約3000個(20R分)となる。一方、「4R一種大当たり」に当選した場合、大当たり遊技後に移行する「a時短」が「c時短1」と同様の時短状態であるため、4R一種大当たりによって、獲得可能な遊技球の数は、約600個(4R分)となる。
【0316】
「4R一種大当たり」で獲得可能な遊技球の数は、約600個(4R分)となっている。一方で、「c時短2」に当選した場合、10R二種大当たりとなるため、獲得可能な遊技球の数は、約1500個(10R分)となっている。したがって、「4R一種大当たり」に当選するよりも「c時短2」に当選した方が有利に遊技を進められることとなる。
【0317】
図40は、時短2状態の特徴を表す図である。図41は、時短2状態の別例を表す図である。
時短2状態(図30(C))においては、特図2(第2特別図柄)はロング変動(図9)を行い、普図(普通図柄)はショート変動(図10(C))を行い、変動回数(時短継続回数)は100回となっている。
【0318】
図40に示すように、時短2状態において普図抽選に当選し、電チュー17が開放され、大入賞口開放チャッカー16への入球があると、大入賞口30が開放される。そして、大入賞口30への遊技球の入球があると、遊技球がV領域39を通過する構成となっている。これにより、10R二種大当たりとなる。
【0319】
これに対し、大入賞口30の内部にクルーン等を設けるようにし、大入賞口30への遊技球の入球があった場合、所定の確率で遊技球がV領域39を通過する構成としてもよい。この場合、図41(A)に示すように、遊技球が大入賞口30へ入賞した後、V領域39を通過したか否かを判定し、通過していない場合は普図抽選からを繰り返すような構成にすることが考えらえる。このようにすれば、特図2の変動回数(時短回数)が100回に到達するまでの間にV領域39を遊技球が通過するか否かというゲーム性が生まれる。また、図41(B)に示すように、特図2の変動時間を1分とし、変動回数(時短回数)を1回にすれば、特図2の変動が終了するまでの1分間にV領域39を遊技球が通過するか否かというゲーム性が生まれる。
【0320】
[効果例]
以下に、本第2実施形態の効果例を示す。
[効果1]
第2実施形態の遊技機1では、特図2(第2特別図柄)の抽選として、遊技球を獲得可能な大当たり遊技への移行の抽選、および、時短状態への移行の抽選を行い、時短状態への移行の抽選に当選し時短状態へ移行した後、大入賞口開放チャッカー16へ遊技球が入球すると、V領域39を有する大入賞口30が開放されV領域39を遊技球が通過可能となる。この構成によれば、時短状態へ移行することで大当たりとなるため、ゲーム性に幅を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、V領域39が「特定領域」に相当し、大入賞口開放チャッカー16が「特定の入賞口」に相当し、大入賞口30が「特定入賞口」に相当する。
【0321】
[効果2]
第2実施形態の遊技機1では、時短状態として、大入賞口開放チャッカー16への遊技球の入球が困難なc時短1(時短1状態)および大入賞口開放チャッカー16への遊技球の入球が容易なc時短2(時短2状態)が少なくとも含まれる(図39)。この構成によれば、ゲーム性に幅を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0322】
[効果3]
第2実施形態の遊技機1では、c時短2(時短2状態)へ移行した場合、特別図柄の抽選を経由することなく、大当たり遊技へ移行する(図40)。この構成によれば、ゲーム性に幅を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0323】
[効果4]
第2実施形態の遊技機1では、大当たり遊技として、4R一種大当たりおよび4R一種大当たりに比べて獲得可能な遊技球の数が多い10R一種大当たりが少なくとも含まれる(図39)。この構成によれば、ゲーム性に幅を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0324】
[効果5]
第2実施形態の遊技機1では、4R一種大当たりで獲得可能な遊技球の数は、c時短2(時短2状態)への移行を契機として獲得される遊技球の数よりも少ない。この構成によれば、ゲーム性に幅を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0325】
[変形例]
以下に、上記実施形態の変形例を示す。
[変形例1]
上記実施形態において大入賞口30の内部にクルーン等を設ける構成としてもよい旨を記載したが、もちろんクルーン以外でもよい。つまり、大入賞口開放チャッカー16への入球による大入賞口30の開放期間に、入賞した遊技球が所定の確率で遊技球がV領域39を通過するようにすればよい。例えば、V開閉部材ソレノイド73によるV開閉部材71の駆動により、大入賞口30の開放期間の最初から所定秒数(例えば「1」秒)だけV開閉部材71を、遊技球をV領域39に振り分ける第1の状態(回動状態)にするという具合である。
【0326】
[変形例2]
上記実施形態では、大入賞口開放チャッカー16への入球を契機とする10R二種大当たりの終了後は、時短1状態へ移行していた(図30)。これに対し、10R二種大当たり時短2状態へ移行するルートを作ってもよい。この場合、例えば、大入賞口開放チャッカー16への入球時に時短1状態への移行と時短2状態への移行とを振り分けることが考えられる。
【0327】
[変形例3]
上記実施形態では、時短1状態でc時短1に当選すると遊技球は獲得されない(図30)。これに対し、c時短1に当選した場合の挙動を次のようにしてもよい。具体的には、第1開閉部材18を電チューソレノイド24によって駆動し大入賞口開放チャッカー16へ遊技球を入球させて大入賞口30を開放する。ただし、V開閉部材ソレノイド73によるV開閉部材71の駆動により、大入賞口30の開放期間中、遊技球を非V領域70に振り分ける第2の状態(停止状態)にする。この構成によれば、c時短1に当選した場合も大入賞口30の開放期間中の入賞によって多少の遊技球が獲得可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、c時短1とは別に、このように遊技球の獲得が可能な時短を「c時短3」としてもよい。c時短1、c時短2、c時短3を設けることで、ゲーム性に幅を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0328】
[態様例]
本第2実施形態の遊技機では、以下の態様を実現可能である。
[態様C-1]
特定領域を遊技球が通過することで大当たり遊技へ移行する遊技機であって、
特別図柄の抽選として、遊技球を獲得可能な大当たり遊技への移行の抽選、および、時短状態への移行の抽選を行い、
前記時短状態への移行の抽選に当選し前記時短状態へ移行した後、特定の入球口へ遊技球が入球すると、前記特定領域を有する特定入賞口が開放される、
ことを特徴とする遊技機。
[態様C-2]
態様C-1に記載の遊技機であって、
前記時短状態には、前記特定の入球口への遊技球の入球が困難な第1時短状態および前記特定の入球口への遊技球の入球が容易な第2時短状態が少なくとも含まれる、
ことを特徴とする遊技機。
[態様C-3]
態様C-2に記載の遊技機であって、
前記第2時短状態へ移行した場合、前記特別図柄の抽選を経由することなく、前記特定入賞口が開放される、
ことを特徴とする遊技機。
[態様C-4]
態様C-2または態様C-3に記載の遊技機であって、
前記大当たり遊技には、第1大当たり遊技および前記第1大当たり遊技に比べて獲得可能な遊技球の数が多い第2大当たり遊技が少なくとも含まれる、
ことを特徴とする遊技機。
[態様C-5]
態様C-4に記載の遊技機であって、
前記第1大当たり遊技で獲得可能な遊技球の数は、前記第2時短状態への移行を契機として獲得される遊技球の数よりも少ない、
ことを特徴とする遊技機。
【0329】
[その他の変形例]
上述の種々の表示演出において、その一部の演出を含んでいない構成や、上述した以外の演出が含まれていてもよい。
【0330】
上記実施形態の遊技機1は、パチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ遊技機に代えて、スロットマシン等の回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、または、雀球遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。遊技機1をスロットマシンとする場合には、遊技媒体を遊技球から遊技メダルに変更すればよい。
【0331】
上記実施形態の遊技機1は、玉を払出すための払出装置を搭載した遊技機であったが、これに限られるものではない。例えば、上記遊技機1に代えて、所謂封入式遊技機のように、払い出し装置を搭載しない遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
【0332】
また、上述した複数の演出例および/または変形例のうち、2つ以上の演出例および/または変形例を組み合わせてもよい。さらに、遊技機1は、画像表示装置7の他にサブ表示装置を備えてもよい。この場合、上述した表示演出を当該サブ表示装置で実行するようにしてもよい。
【0333】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0334】
1…遊技機
3…遊技領域
3B…右遊技領域
7…画像表示装置
7a…表示画面
16…大入賞口開放チャッカー
17…電チュー
28…ゲート
30…大入賞口
31…大入賞装置
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41