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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107706
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】冷却具
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/10 20060101AFI20240802BHJP
   A42B 3/06 20060101ALI20240802BHJP
   A42B 1/008 20210101ALI20240802BHJP
【FI】
A61F7/10 330A
A42B3/06
A42B1/008 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011771
(22)【出願日】2023-01-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】521132820
【氏名又は名称】株式会社TAT
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】朴 晟濟
【テーマコード(参考)】
3B107
4C099
【Fターム(参考)】
3B107DA03
3B107DA21
3B107EA03
3B107EA14
4C099AA02
4C099CA03
4C099GA02
4C099LA21
4C099NA09
(57)【要約】
【課題】冷却性能に優れ、且つ、非使用時の取扱い性を高くする。
【解決手段】人体の頭部8に装着される被り物9の内側に設置される冷却具100であって、頭部8を冷却する板状の冷却具本体1を備え、冷却具本体1には、冷却具本体1の外周縁19から内側に延びる切り込み6が形成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の頭部に装着される被り物の内側に設置される冷却具であって、
前記頭部を冷却する板状の冷却具本体を備え、
前記冷却具本体には、前記冷却具本体の外周縁から内側に延びる切り込みが形成されている冷却具。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却具において、
前記切り込みは、前記切り込みの延びる方向において前記冷却具本体の内側から前記外周縁に向かうほど大きくなる幅を有している冷却具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の冷却具において、
前記冷却具本体は、人体の前頭部に対応する前部と、人体の後頭部に対応する後部とを有し、
前記切り込みは、前記前部及び前記後部のそれぞれに配置されている冷却具。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の冷却具において、
前記冷却具本体は、保冷剤と、前記保冷剤を収容する外装パックとを有し、
前記外装パックは、前記外周縁を形成する周縁部と、前記保冷剤を個別に収容する複数の収容部と、内部空間を前記複数の収容部に仕切る仕切部とを含み、
前記切り込みは、前記周縁部に配置されている冷却具。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の冷却具において、
前記冷却具本体の外周縁には、前記冷却具本体の周方向に間隔をあけて複数の前記切り込みが配置されている冷却具。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の冷却具において、
前記冷却具本体は、保冷剤と、前記保冷剤を収容する外装パックとを有し、
前記外装パックは、人体の頭頂部に対応する第1部分と、人体の前頭部、側頭部及び後頭部に対応する第2部分とを含み、
前記第1部分に収容された前記保冷剤の融点は、前記第2部分に収容された前記保冷剤の融点よりも低い冷却具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、冷却具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人体の頭部を冷却する冷却具が開示されている。冷却具は、頭部に沿って湾曲した半球面状に形成されている。具体的には、冷却具は、頭部を収容可能な凹部が形成された外側壁部と、外側壁部に隙間を介して対向する内側壁部と、隙間に充填された保冷剤とによって形成されている。冷却具は、凹部に頭部が収容されるように頭部に被せられる。このように頭部に被せられた冷却具の保冷剤によって、頭部が冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述した冷却具は、頭部に沿った半球面状に形成されているため、使用時には頭部を効率良く冷却することができる。しかし、半球面状の冷却具は嵩張りやすい。そのため、冷却具を収容する場合や、冷却具を陳列する場合には、大きなスペースが必要になる。また、嵩張った冷却具は、搬送し難い。
【0005】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、人体の頭部の冷却性能に優れ、且つ、非使用時の取扱い性が高い冷却具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された冷却具は、人体の頭部に装着される被り物の内側に設置される冷却具であって、頭部を冷却する板状の冷却具本体を備え、冷却具本体には、冷却具本体の外周縁から内側に延びる切り込みが形成されている。
【発明の効果】
【0007】
前記冷却具は、人体の頭部の冷却性能に優れ、且つ、非使用時の取扱い性を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、非使用状態の冷却具の平面図である。
図2図2は、使用状態の冷却具を示した概略図である。
図3図3は、図1のIII-III線における冷却具の断面図である。
図4図4は、冷却具が設置されたヘルメットの底面図である。
図5図5は、変形例1の冷却具の平面図である。
図6図6は、変形例2の冷却具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、非使用状態の冷却具100の平面図である。図2は、使用状態の冷却具100を示した概略図である。尚、図1では、説明の便宜上、冷却具100において後述する保冷剤2が充填される部分にドッドを付している。図4及び図5についても同様である。
【0011】
冷却具100は、人体の頭部8を冷却するために用いられる。冷却具100は、人体の頭部8に装着される被り物9の内側に設置される。冷却具100は、頭部8を冷却する冷却具本体1を備えている。冷却具100は、被り物9に取付可能な取付具7をさらに備えてもよい。被り物9は、例えば、ヘルメット、帽子、頭巾又はサンバイザ等である。
【0012】
冷却具本体1は、柔軟性を有している。冷却具本体1は、板状に形成されている。詳しくは、冷却具本体1は、略平板状に形成されている。冷却具本体1は、板状の第1状態と湾曲形状の第2状態とに変形可能である。第2状態の湾曲形状は、カップ状、椀状、釣鐘状又は球冠状であり得る。第1状態は冷却具100の非使用時の状態であり、第2状態は冷却具100の使用時の状態である。以下の説明では、特に断りのない限り、第1状態の冷却具本体1について説明する。この例では、冷却具本体1は、略長円形の平面形状に形成されている。冷却具本体1は、長手方向と短手方向と厚さ方向とを有する。
【0013】
冷却具本体1は、保冷剤2と、保冷剤2を収容する外装パック3とを有している。冷却具本体1は、外周縁19を有している。
【0014】
保冷剤2は、熱を吸収して固相から液相に変化するPCM(Phase Change Material)である。保冷剤2は、例えば、脂肪族炭化水素を含む。脂肪族炭化水素は、例えば、パラフィン又は脂肪族飽和炭化水素である。保冷剤2は、脂肪族炭化水素として、テトラデカン(C1430)、ヘキサデカン(C1634)及びオクタデカン(C1838)のうち少なくとも1つを含んでもよい。保冷剤2は、テトラデカン、ヘキサデカン及びオクタデカンのうち1つだけ若しくは2つだけ含んでもよいし、全てを含んでもよい。保冷剤2は、脂肪族炭化水素に加えて、高吸水性樹脂(SAP:Super Absorbent Polymer)、水、アロマ、グラファイト(Graphite)、有機物又はミネラル等をさらに含み得る。保冷剤2の融点は、例えば、常温である。保冷剤2の融点は、5℃以上35℃以下であることが好ましく、15℃以上35℃以下であることがさらに好ましい。保冷剤2は、固相及び液相のとき、人体の熱を顕熱として吸収する。保冷剤2は、固相から液相へ変化するとき、人体の熱を潜熱、詳しくは融解熱として吸収する。
【0015】
外装パック3は、可撓性を有している。外装パック3は、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)、ナイロン(Nylon)、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinylchloride)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)及びポリプロピレン(PP:Polypropylene)等の樹脂のうち1つ又は複数の混合体から形成される。
【0016】
外装パック3は、冷却具本体1の外周縁19を形成する周縁部31と、保冷剤2を個別に収容する複数の収容部32と、内部空間を複数の収容部32に仕切る仕切部33とを有する。複数の収容部32のそれぞれは、密閉されている。すなわち、保冷剤2は、収容部32毎に個別に収容されている。この例では、収容部32の個数は、16個である。外装パック3には、外装パック3を厚さ方向に貫通する複数の通気孔34がさらに形成されてもよい。この例では、2つの通気孔34が、外装パック3に形成されている。2つの通気孔34は、長手方向に並んで配置されている。
【0017】
例えば、収容部32は、略三角形状の平面形状を有する。収容部32の平面形状の各角は、丸くなっている。収容部32の平面形状の辺は、直線又は曲線である。
【0018】
図3は、図1のIII-III線における冷却具100の断面図である。外装パック3は、2枚のシートを重ね合わせて互いに接合することによって形成されている。具体的には、外装パック3は、厚さ方向において対向する第1シート41及び第2シート42が互いに接合されることによって形成されている。
【0019】
第1シート41は平坦である。一方、第2シート42には、第1シート41とは反対の方へ凹んだ複数の凹部42aが形成されている。各凹部42aは、第1シート41によって閉塞されている。第1シート41と第2シート42とは、各凹部42aが第1シート41によって密閉されるように互いに接合されている。具体的には、第2シート42のうち凹部42aを除く部分、即ち、第2シート42の外周縁及び隣り合う凹部42aの間の部分は、第1シート41に接合されている。第1シート41と第2シート42との接合は、例えば、熱溶着によって実現される。尚、図3では、外装パック3において接合された部分の境界が実線で示されているが、実際には接合された部分の境界は明確に現れなくてもよい。周縁部31は、第1シート41の周縁部と第2シート42の周縁部とが接合されて形成されている。収容部32は、凹部42aと第1シート41とによって形成されている。仕切部33は、第2シート42のうち隣り合う凹部42aの間の部分と第1シート41とが接合されて形成されている。
【0020】
図1に示すように、冷却具本体1には、冷却具本体1の外周縁19から内側に延びる切り込み6が形成されている。この例では、切り込み6は、切り込み6の延びる方向(詳しくは、長手方向)において冷却具本体1の内側から外周縁19に向かうほど大きくなる幅を有している。切り込み6は、くさび状に形成されている。
【0021】
切り込み6は、周縁部31に配置されている。詳しくは、冷却具本体1は、人体の前頭部81に対応する前部11と、人体の後頭部82(前頭部81及び後頭部82は図2参照)に対応する後部12とを有している。切り込み6は、前部11及び後部12のそれぞれに配置されている。言い換えると、切り込み6は、冷却具本体1の長手方向の両端部のそれぞれに配置されている。要するに、切り込み6は、冷却具本体1の外周縁19に2つ形成されている。
【0022】
図4は、冷却具100が設置されたヘルメット90の底面図である。ヘルメット90は、被り物9の一例である。冷却具100は、例えばヘルメット90の内側に設置されて使用される。冷却具100をヘルメット90の内側に設置する際に、切り込み6を挟んで隣り合う2つの収容部32を接近させ、又は、重ね合わせることによって、冷却具本体1を第1状態から第2状態へ変形させる。これにより、冷却具本体1は、ユーザの頭部8の形状に沿った形状となる。ユーザは、冷却具100が設置されたヘルメット90を被ることにより、頭部8を冷却することができる。
【0023】
冷却具本体1において、冷却具本体1の外周縁19から内側に延びる切り込み6が形成されている。これにより、冷却具100の使用時には冷却具本体1を頭部8に沿った湾曲形状の第2状態にすることができる。その結果、頭部8を効率良く冷却することができる。一方、冷却具100の非使用時では冷却具本体1を板状の第1状態にすることができる。これにより、第2状態の場合よりも嵩張らないため、冷却具100を収容する場合や、冷却具100を陳列する場合において大きなスペースが必要ない。また、冷却具100の搬送も容易になる。その結果、冷却具100の取扱い性を高めることができる。
【0024】
また、切り込み6は、切り込み6の延びる方向において冷却具本体1の内側から外周縁19に向かうほど大きくなる幅を有している。これにより、冷却具本体1を第2状態にした際に、冷却具本体1のうち切り込み6を挟んで隣り合った部分が重ならない、又は重なりを小さくすることができる。その結果、被り物9の実質的な寸法を確保できる。仮に前述の隣り合った部分の重なりが大きくなった場合、被り物9の実質的な寸法が小さくなってしまう。
【0025】
また、切り込み6は、前部11及び後部12のそれぞれに配置されている。これにより、冷却具本体1の外周縁19のうち頭部8の側頭部84に対向する部分の任意の位置に例えば取付具7を取り付けることができる。その結果、冷却具100の使用中において、冷却具100が被り物9に対してずれてしまうことを抑制できる。
【0026】
また、切り込み6は、周縁部31に配置されている。これにより、外装パック3に切り込み6を容易に形成できる。
【0027】
図5は、変形例1の冷却具200の平面図である。図5は、図1に対応する。冷却具200は、冷却具100とは切り込み6の個数が主に異なる。冷却具200の基本的な構成については、冷却具100と同じであるため説明を省略する。
【0028】
冷却具本体1の外周縁19には、冷却具本体1の周方向に間隔をあけて複数の切り込み6が配置されている。この例では、12個の切り込み6が、冷却具本体1の周方向に並んで配置されている。詳しくは、各切り込み6は、冷却具本体1の外周縁19の周方向に隣り合う2つの収容部32の間に配置されている。
【0029】
複数の切り込み6が配置されていることにより、冷却具100の使用時において、冷却具本体1を柔軟に変形させることができる。
【0030】
図6は、変形例2の冷却具300の平面図である。図6では、説明の便宜上、冷却具300において保冷剤2が充填されている部分にドットが付されている。ドットの種類が異なる部分には、種類が異なる保冷剤2が収容されている。冷却具300は、冷却具本体1の形状及び保冷剤2の構成が主に異なる。冷却具300の基本的な構成については、冷却具100と同じであるため説明を省略する。
【0031】
この例では、冷却具本体1は、全体的に円形状に形成されている。外装パック3は、人体の頭頂部83に対応する第1部分35と、人体の前頭部81、側頭部84及び後頭部82(前頭部81,後頭部82,頭頂部83及び側頭部84は図2参照)に対応する第2部分36とを含む。
【0032】
第1部分35は、人体の頭頂部83を冷却する。第1部分35は、円形状に形成されている。第2部分36は、人体の前頭部81、側頭部84及び後頭部82を冷却する。第2部分36は、第1部分35を囲む略円環状に形成されている。第1部分35の外周縁と第2部分36の内周縁とは一致している。第1部分35と第2部分36とは連続している。
【0033】
切り込み6は、第2部分36に形成されている。切り込み6は、冷却具本体1の外周縁19から、外周縁19と第1部分35の外周縁との間の所定位置まで延びている。この例では、切り込み6は、冷却具本体1の外周縁19から第1部分35の外周縁まで延びている。切り込み6は、略台形状に形成されている。切り込み6の個数は、7つである。7つの切り込み6は、第2部分36の周方向に等間隔に並んで配置されている。言い換えると、第2部分36は、周方向に7つに分割されている。第2部分36の各分割体は、放射状に延びている。
【0034】
第1部分35に収容された保冷剤2(以下、「第1保冷剤21」と称する。)の融点は、第2部分36に収容された保冷剤2(以下、「第2保冷剤22」と称する。)の融点よりも低い。以下、第1保冷剤21の融点を、「第1融点」と称する。第2保冷剤22の融点を、「第2融点」と称する。第1融点を第2融点よりも低くするには、例えば、第1保冷剤21の脂肪族炭化水素として、第2保冷剤22の脂肪族炭化水素の融点よりも低い融点を有する脂肪族炭化水素を用いればよい。尚、第1融点を第2融点よりも低くする手段は、限定されない。例えば、融点が同じ脂肪族炭化水素を用いる場合でも、第2保冷剤22が有する脂肪族炭化水素の割合と、第1保冷剤21が有する脂肪族炭化水素の割合とを異ならせることにより、第1融点を第2融点よりも低くすることができる。
【0035】
冷却具300では、第1保冷剤21の融点が第2保冷剤22の融点よりも低いため、固相の第2保冷剤22と液相の第1保冷剤21とが併存した状態で冷却具300を使用できる。この場合、第1保冷剤21が液相であることにより、第1部分35のクッション性が高くなる。第1部分35は頭頂部83に接触する部分である。冷却具100による荷重の大部分は頭頂部83に作用する。その結果、使用時における冷却具300の快適性が向上する。加えて、第1保冷剤21が液相であるときに第2保冷剤22が固相であると、熱伝導率の高い固相の第2保冷剤22を用いて対象部分を速やかに冷却できる。つまり、冷却性能の高い固相の第2保冷剤22と、クッション性に優れた液相の第1保冷剤21とが併存することにより、冷却性能とクッション性とを両立できる。
【0036】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0037】
冷却具本体1の形状は、限定されない。冷却具本体1の形状は、矩形などの多角形であってもよい。冷却具100は、取付具7を備えていなくてもよい。収容部32の形状、個数及び配置は、限定されない。第1シート41は、平坦でなくてもよい。第1シート41は、第2シート42とは反対の方へ凹んだ複数の凹部が形成されていてもよい。この場合、仕切部33は、第2シート42のうち隣り合う凹部42aの間の部分と、第1シート41のうち隣り合う凹部の間の部分とが接合されて形成されてもよい。切り込み6の形状、個数及び配置は、限定されない。切り込み6の形状は、多角形や曲線形状であってもよい。切り込み6は、線状であってもよい。具体的には、切り込み6は、仕切部33が線状にカットされて形成されてもよい。切り込み6の個数は、1つでもよいし、2つ以上であってもよい。切り込み6は、冷却具本体1の外周縁19の任意の位置に配置され得る。
【0038】
本開示の技術をまとめると、以下のようになる。
【0039】
[1] 人体の頭部8に装着される被り物9の内側に設置される冷却具100,200,300であって、頭部8を冷却する板状の冷却具本体1を備え、前記冷却具本体1には、前記冷却具本体1の外周縁19から内側に延びる切り込み6が形成されている。
【0040】
この構成によれば、冷却具本体1の外周縁19に切り込み6が形成されているため、非使用時には冷却具本体1を板状の状態にし、使用時には頭部8に沿った湾曲形状の状態にすることができる。すなわち、冷却具本体1を板状の状態と湾曲形状の状態とに相互に変化させることができる。板状の状態では、湾曲形状の状態よりも嵩張らず取扱い性が高い。湾曲形状の状態では、頭部8に沿った形状であるため効率的に頭部8を冷却できる。すなわち、頭部8の冷却性能に優れ、且つ、非使用時の取扱い性が高い冷却具100,200,300を実現できる。
【0041】
[2] [1]に記載の冷却具100,200,300において、前記切り込み6は、前記切り込み6の延びる方向において前記冷却具本体1の内側から前記外周縁19に向かうほど大きくなる幅を有している。
【0042】
この構成によれば、被り物9の実質的な寸法を確保できる。
【0043】
[3] [1]又は[2]に記載の冷却具100,200,300において、前記冷却具本体1は、人体の前頭部81に対応する前部11と、人体の後頭部82に対応する後部12とを有し、前記切り込み6は、前記前部11及び前記後部12のそれぞれに配置されている。
【0044】
この構成によれば、冷却具本体1の外周縁19のうち頭部8の側頭部84に対向する部分の任意の位置に例えば取付具7を取り付けることができる。その結果、冷却具100,200,300の使用中において、冷却具100が被り物9に対してずれてしまうことを抑制できる。
【0045】
[4] [1]乃至[3]の何れか1つに記載の冷却具100,200,300において、前記冷却具本体1は、保冷剤2と、前記保冷剤2を収容する外装パック3とを有し、前記外装パック3は、前記外周縁19を形成する周縁部31と、前記保冷剤2を個別に収容する複数の収容部32と、内部空間を前記複数の収容部32に仕切る仕切部33とを含み、前記切り込み6は、前記周縁部31に配置されている。
【0046】
この構成によれば、外装パック3に切り込み6を容易に形成できる。
【0047】
[5] [1]乃至[4]の何れか1つに記載の冷却具100,200,300において、前記冷却具本体1の外周縁19には、前記冷却具本体1の周方向に間隔をあけて複数の前記切り込み6が配置されている。
【0048】
この構成によれば、冷却具100の使用時において、冷却具本体1を柔軟に変形させることができる。
【0049】
[6] [1]乃至[5]の何れか1つに記載の冷却具300において、前記冷却具本体1は、保冷剤2と、前記保冷剤2を収容する外装パック3とを有し、前記外装パック3は、人体の頭頂部83に対応する第1部分35と、人体の前頭部81、側頭部84及び後頭部82に対応する第2部分36とを含み、前記第1部分35に収容された前記保冷剤2の融点は、前記第2部分36に収容された前記保冷剤2の融点よりも低い。
【0050】
この構成によれば、第1部分35に収容された保冷剤2の融点が第2部分36に収容された保冷剤2の融点よりも低いため、冷却性能の高い固相の保冷剤2と、クッション性に優れた液相の保冷剤2とを併存させることができる。これにより、冷却性能とクッション性とを両立できる。
【符号の説明】
【0051】
100,200,300 冷却具
1 冷却具本体
6 切り込み
8 頭部
9,90 被り物
19 外周縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6