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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107714
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240802BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H04N1/00 C
H04N1/00 838
H04N1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011793
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】市川 一樹
(72)【発明者】
【氏名】榎本 勝則
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF02
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】スキャンデータを適切な宛先にメールで送信することを課題とする。
【解決手段】許可ドメイン「brother.co.jp」,「brothergroup.net」,「brother.ne.jp」のうちのサブドメイン許可設定欄74b,cにチェックマークが入力された「brothergroup.net」,「brother.ne.jp」が特定ドメインである。そして、送信予定のメールアドレスのドメインである取得ドメインと許可ドメインとが一致しない場合であっても、取得ドメインが特定ドメインのサブドメインであれば、スキャンデータが送信される。これにより、スキャンデータを適切な宛先にメールで送信することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信インタフェースと、コントローラと、スキャナとを備える画像形成装置であって、
前記コントローラは、
前記スキャナにより形成されたスキャンデータをメール送信する際に、
取得ドメインと登録ドメインとが一致する場合に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを前記通信インタフェースを介してメール送信し、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成され、前記取得ドメインは、メール送信の送信先メールアドレスに含まれるドメインであり、前記登録ドメインは、前記画像形成装置に予め登録されているドメインである、
前記コントローラは、
取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合であっても、当該取得ドメインが特定ドメインのサブドメインであれば、スキャンデータをメール送信するように構成され、前記特定ドメインは、登録ドメインのうちの特定の登録ドメインである、画像形成装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
特定ドメインを指定する操作を、ユーザインタフェースを介して受け付けた場合に、当該特定ドメインをメモリに記憶するように構成され、
取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、当該取得ドメインが前記メモリに記憶されている特定ドメインのサブドメインであれば、スキャンデータをメール送信するように構成される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
特定ドメインの任意のサブドメインを指定する操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けた場合に、指定サブドメインを前記メモリに記憶するように構成され、
前記指定サブドメインは、当該操作で指定されたサブドメインであり、
前記コントローラは、
取得ドメインが前記メモリに記憶されている特定ドメインのサブドメインである場合に、当該取得ドメインが前記メモリに記憶されている指定サブドメインであれば、スキャンデータをメール送信するように構成される、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
特定ドメインのサブドメインの全てを許可する操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けた場合に、許可情報を前記メモリに記憶するように構成され、
前記許可情報は、特定ドメインのサブドメインの全てを許可する旨の情報であり、
前記コントローラは、
取得ドメインが前記メモリに記憶されている特定ドメインのサブドメインである場合に、許可情報が前記メモリに記憶されていれば、スキャンデータをメール送信するように構成される、請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
特定ドメインを指定する、前記画像形成装置の管理者による操作を、ユーザインタフェースを介して受け付けた場合に、当該特定ドメインを前記メモリに記憶するように構成される、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
特定ドメインの任意のサブドメインを指定する、前記画像形成装置の管理者による操作を、ユーザインタフェースを介して受け付けた場合に、前記指定サブドメインを前記メモリに記憶するように構成される、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、
メールを送信する処理として、送信先メールアドレスの設定権限が、当該画像形成装置の管理者に限定される実行される第1処理と、送信先メールアドレスの設定権限が、当該画像形成装置の管理者に限定されない第2処理とのいずれの処理も実行可能な装置であり、
前記コントローラは、
前記スキャナにより形成されたスキャンデータを前記第2処理によってメール送信する際は、登録ドメインと、第1処理のために設定された送信先メールアドレスの取得ドメインと、が一致しない場合に、メール送信を制限し、前記第1処理によってメール送信する際は、登録ドメインと、第2処理のために設定された送信先メールアドレスの取得ドメインとが一致しない場合であってもメール送信を制限しないように構成される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置は、複数種類の第2処理を実行可能な装置であり、
前記コントローラは、
指定画面をユーザインタフェースに表示させるように構成され、前記指定画面は、複数の、メールを送信する処理それぞれに対応する選択肢を表示させる画面であり、
前記コントローラは、
前記指定画面において選択された選択肢に対応する処理によってメール送信する際は、登録ドメインと、当該処理のために設定された送信先メールアドレスの取得ドメインと、が一致しない場合に、メール送信を制限するように構成され、
前記コントローラは、
前記指定画面に、前記複数種類の第2処理に対応する選択肢は表示させるが、第1処理に対応する選択肢は表示させない、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記スキャナにより形成されたスキャンデータをメール送信する際に、送信先メールアドレスを取得したときに取得ドメインと登録ドメインとが一致するか否かを判断して、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限し、更に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを取得したメールアドレスにメール送信するためのデータが作成された後にも取得ドメインと登録ドメインとが一致するか否かを判断して、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記スキャナにより形成されたスキャンデータをメール送信する際に、送信先メールアドレスを取得したときに取得ドメインと登録ドメインとが一致するか否かを判断して、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限し、更に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータのメール送信が失敗して、当該スキャンデータを再送信する際に、取得ドメインと登録ドメインとが一致するか否かを判断して、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
通信インタフェースと、スキャナと、ユーザインタフェースと、メモリと、コントローラとを備える画像形成装置であって、
前記コントローラは、
前記スキャナにより形成されたスキャンデータをメール送信する際に、
取得ドメインと登録ドメインとが一致する場合に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを前記通信インタフェースを介してメール送信し、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成され、前記
取得ドメインは、メール送信の送信先のメールアドレスに含まれるドメインであり、前記登録ドメインは、前記画像形成装置に予め登録されているドメインである、
前記コントローラは、
取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合であっても、当該取得ドメインが登録ドメインの指定サブドメインであれば、スキャンデータをメール送信するように構成され、前記指定サブドメインは、前記メモリに記憶されているサブドメインである、画像形成装置。
【請求項12】
前記コントローラは、
サブドメインを指定する、前記画像形成装置の管理者による操作を前記ユーザインタフェースを介して受け付けた場合に、当該サブドメインを指定サブドメインとして前記メモリに記憶するように構成される、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
通信インタフェースと、スキャナと、メモリと、コントローラとを備える画像形成装置であって、
前記コントローラは、
前記スキャナにより形成されたスキャンデータを、前記通信インタフェースを介してメール送信するためのメールアドレスを取得したときに、
取得ドメインと登録ドメインとが一致する場合に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを取得されたメールアドレスに前記通信インタフェースを介してメール送信し、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成され、前記取得ドメインは、取得されたメールアドレスに含まれるドメインであり、前記登録ドメインは、前記画像形成装置に予め登録されているドメインである、
前記コントローラは、
前記メモリと外部装置との何れからもメールアドレスを取得することが可能であり、取得ドメインが前記メモリから取得されたメールアドレスのドメインと前記外部装置から取得されたメールアドレスのドメインとのいずれであっても、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成される、画像形成装置。
【請求項14】
前記コントローラは、
ショートカット機能を用いてスキャンデータをメール送信する送信処理と、ショートカット機能を用いることなくスキャンデータをメール送信する送信処理とのいずれの処理においても、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成される、請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記コントローラは、
登録ドメインを指定する、前記画像形成装置の管理者による操作をユーザインタフェースを介して受け付けた場合に、受け付けた登録ドメインを前記メモリに記憶するように構成され、
前記画像形成装置は、
メールを送信する処理として、送信先メールアドレスの設定権限が、当該画像形成装置の管理者に限定される実行される第1処理と、送信先メールアドレスの設定権限が、当該画像形成装置の管理者に限定されない第2処理とのいずれの処理も実行可能な装置であり、
前記コントローラは、
前記スキャナにより形成されたスキャンデータを前記第2処理によってメール送信する際は、登録ドメインと、第1処理のために設定された送信先メールアドレスの取得ドメインと、が一致しない場合に、メール送信を制限し、前記第1処理によってメール送信する
際は、登録ドメインと、第2処理のために設定された送信先メールアドレスの取得ドメインとが一致しない場合であってもメール送信を制限しないように構成される、請求項13又は14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
通信インタフェースと、スキャナと、メモリと、コントローラとを備える画像形成装置であって、
前記コントローラは、前記スキャナによるスキャンデータの形成に用いられるパラメータと、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを、前記通信インタフェースを介してメール送信するためのメールアドレスと、を含むショートカット情報を、予めメモリに登録させておき、ショートカット実行が指示されたことに応じて、前記メモリに登録されているショートカット情報に従って、前記スキャナによるスキャンデータの形成と、当該スキャンデータのメール送信と、を含むショートカット実行をするように構成され、
前記コントローラは、
前記ショートカット実行が指示された際に、
設定ドメインと登録ドメインとが一致する場合に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを取得されたメールアドレスに前記通信インタフェースを介してメール送信し、設定ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成され、前記設定ドメインは、前記ショートカット情報に含まれる、予め設定されたメールアドレスのドメインであり、前記登録ドメインは、前記ショートカット情報とは別に、前記画像形成装置に予め登録されているドメインである、画像形成装置。
【請求項17】
前記コントローラは、
前記ショートカット情報が予め登録される際に、当該ショートカット情報に登録されるメールアドレスのドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、当該ショートカット情報の登録を制限するように構成される、請求項16に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナで形成されたスキャンデータをメールで送信する機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、スキャナで形成されたスキャンデータをメールで送信する機能を備えた画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-214962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、スキャンデータを適切な宛先にメールで送信することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施例に開示する画像形成装置は、通信インタフェースと、コントローラと、スキャナとを備える画像形成装置であって、前記コントローラは、前記スキャナにより形成されたスキャンデータをメール送信する際に、取得ドメインと登録ドメインとが一致する場合に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを前記通信インタフェースを介してメール送信し、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成され、前記取得ドメインは、メール送信の送信先メールアドレスに含まれるドメインであり、前記登録ドメインは、前記画像形成装置に予め登録されているドメインである、前記コントローラは、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合であっても、当該取得ドメインが特定ドメインのサブドメインであれば、スキャンデータをメール送信するように構成され、前記特定ドメインは、登録ドメインのうちの特定の登録ドメインである。
【0006】
また、上記課題を解決するために、実施例に開示する画像形成装置は、通信インタフェースと、スキャナと、ユーザインタフェースと、メモリと、コントローラとを備える画像形成装置であって、前記コントローラは、前記スキャナにより形成されたスキャンデータをメール送信する際に、取得ドメインと登録ドメインとが一致する場合に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを前記通信インタフェースを介してメール送信し、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成され、前記取得ドメインは、メール送信の送信先のメールアドレスに含まれるドメインであり、前記登録ドメインは、前記画像形成装置に予め登録されているドメインである、前記コントローラは、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合であっても、当該取得ドメインが登録ドメインの指定サブドメインであれば、スキャンデータをメール送信するように構成され、前記指定サブドメインは、前記メモリに記憶されているサブドメインである。
【0007】
また、上記課題を解決するために、実施例に開示する画像形成装置は、通信インタフェースと、スキャナと、メモリと、コントローラとを備える画像形成装置であって、前記コントローラは、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを、前記通信インタフェースを介してメール送信するためのメールアドレスを取得したときに、取得ドメインと登録ドメインとが一致する場合に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを取得され
たメールアドレスに前記通信インタフェースを介してメール送信し、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成され、前記取得ドメインは、取得されたメールアドレスに含まれるドメインであり、前記登録ドメインは、前記画像形成装置に予め登録されているドメインである、前記コントローラは、前記メモリと外部装置との何れからもメールアドレスを取得することが可能であり、取得ドメインが前記メモリから取得されたメールアドレスのドメインと前記外部装置から取得されたメールアドレスのドメインとのいずれであっても、取得ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、実施例に開示する画像形成装置は、通信インタフェースと、スキャナと、メモリと、コントローラとを備える画像形成装置であって、前記コントローラは、前記スキャナによるスキャンデータの形成に用いられるパラメータと、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを、前記通信インタフェースを介してメール送信するためのメールアドレスと、を含むショートカット情報を、予めメモリに登録させておき、ショートカット実行が指示されたことに応じて、前記メモリに登録されているショートカット情報に従って、前記スキャナによるスキャンデータの形成と、当該スキャンデータのメール送信と、を含むショートカット実行をするように構成され、前記コントローラは、前記ショートカット実行が指示された際に、設定ドメインと登録ドメインとが一致する場合に、前記スキャナにより形成されたスキャンデータを取得されたメールアドレスに前記通信インタフェースを介してメール送信し、設定ドメインと登録ドメインとが一致しない場合に、スキャンデータのメール送信を制限するように構成され、前記設定ドメインは、前記ショートカット情報に含まれる、予め設定されたメールアドレスのドメインであり、前記登録ドメインは、前記ショートカット情報とは別に、前記画像形成装置に予め登録されているドメインである。
【発明の効果】
【0009】
実施例に開示する画像形成装置では、取得されたメールアドレスに含まれる取得ドメインと画像形成装置で予め登録されている登録ドメインとが一致しない場合の処置を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】通信システムのブロック図である。
図2】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図3】許可リスト設定画面70を示す図である。
図4】許可リストを含む情報を示す図である。
図5】ホーム画面100を示す図である。
図6】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図7】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図8】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図9】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図10】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図11】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図12】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図13】ホーム画面100を示す図である。
図14】制御プログラム34のフローチャートを示す図である。
図15】ショートカット情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る通信システムのブロック図である。図1に示す通信システムは、MFP(画像形成装
置の一例)10とサーバ(外部装置の一例)50とPC60とを備える。
【0012】
MFP10は、CPU(コントローラの一例)12、メモリ14、ユーザI/F15、スキャナ20、プリンタ22、モデム24、ネットワークI/F28を主に備えている。I/Fは、インタフェースの略である。これらの構成要素は、バス32を介して互いに通信可能とされている。
【0013】
CPU12は、メモリ14内の制御プログラム34に従って処理を実行する。また、CPU12は、EWS(Embedded Web Serverの略)プログラム35に従った処理を実行することにより、ウェブサーバとして機能する。CPU12がEWSプログラム35に従って動作することで実現するウェブサーバのことを、EWSとも呼ぶ。また、メモリ14(メモリの一例)は、データ記憶領域36を備える。データ記憶領域36は、制御プログラム34等の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、フラッシュメモリ、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。メモリ14は、さらに、HDD、MFP10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体などが組み合わされていてもよい。メモリ14は、RAMなどの単体でもよい。
【0014】
また、メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体の一例であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0015】
また、ユーザI/F15は、ディスプレイ16と入力I/F18とを有する。ディスプレイ16は、MFP10の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。ディスプレイは、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイ等の他の表示方式のディスプレイでも良い。入力I/F18は、例えば、ディスプレイ16と一体的に構成されているタッチパネルであり、ディスプレイ16上に表示されたアイコン,ボタン等へのユーザ操作を受け付ける。また、タッチパネル以外にも、ハードキー等であってもよい。また、ディスプレイ単体、入力I/F単体をユーザインタフェースの一例と見なしてもよい、
【0016】
スキャナ20は、例えば、CCDやCISなどの読取センサを有し、原稿の読取りに応じた画像データを生成する。プリンタ22は、シートやディスクなどの被記録媒体に画像を印刷する印刷動作を実行する。シートを用紙とも呼ぶ。プリンタ22の記録方式としては、インクジェット方式や、電子写真方式などを採用することができる。
【0017】
モデム24は、ファクシミリ機能によって送信する原稿データを伝送可能な信号に変調して、電話回線網38介して送信したり、電話回線網38から入力された信号を受信し、原稿データを復調するものである。
【0018】
ネットワークI/F28は、TCP/IPなどのネットワークプロトコルで通信を行うためのI/Fである。これにより、MFP10は、サーバ50、PC60などの外部装置と通信可能とされている。
【0019】
なお、本明細書では、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「
決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPUによる処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの記載を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOSのAPIを用いてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPU12が行う」のように記載することがある。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を、「プログラムAが行う」のようにCPUを省略した文言で記載することがある。
【0020】
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPUがデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
【0021】
また、CPU12による、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPU12による、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであることを示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0022】
MFP10では、IFAX処理(第2処理の一例)およびScanToEmail処理(第2処理の一例)を実行することが可能である。IFAX処理およびScanToEmail処理は、スキャナ20により画像を読み取ることでスキャンデータを作成し、作成したスキャンデータを任意のメールアドレスに送信する処理である。なお、IFAX処理は、国際規格に従って作成したスキャンデータを、国際規格に従った手法で送信する処理である。そして、MFP10では、許可リストが設定されており、IFAX処理およびScanToEmail処理において、許可リストに登録されているメールアドレス以外のメールアドレスへのスキャンデータの送信が制限される。
【0023】
まず、許可リストなど、メール送信に係る、各種のパラメータの設定について説明する。なお、パラメータをメモリ14に記憶させることを、設定と呼ぶこともある。パラメータをメモリ14に記憶させることを、登録と呼ぶこともある。MFP10での許可リストの登録は、EWSによって提供するウェブページにおいて行われる。詳しくは、PC60は、ブラウザを用いてMFP10にアクセスして、ウェブページの表示要求をMFP10に送信する。以下に、ウェブページの表示要求を受信したMFP10で実行される制御プログラム34の処理を、図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0024】
まず、ウェブページの表示要求が行われると、EWSとして機能するCPU12は、管理者ログイン画面を示すウェブページデータをPC60に送信する(S100)。ウェブページデータを受信したPC60のブラウザは、ウェブページデータが示す画面をPC60のディスプレイに表示させる。PC60のユーザは、PC60のユーザI/Fを用いて、ブラウザに表示された画面を操作することができる。ブラウザへの操作内容を示す情報は、PC60から、MFP10に送信される。ウェブページデータに基づく画面への操作内容を示す情報をMFP10が受信することを、単に、画面を介して操作を受け付ける、画面を介して入力される、と呼んでもよい。ウェブページを介して操作を受け付ける、ウ
ェブページを介して入力される、と呼んでもよい。PC60から、管理者ログイン画面を介して管理者ログイン操作を受け付け、管理者ログインに成功すると(S102:YES)、CPU12は、データ記憶領域36から、許可リストのパラメータを読み出す。管理者ログイン操作は、例えば、管理者IDとパスワードの入力でもよい。パラメータは設定値と呼んでもよい。許可リストのパラメータを、単に許可リストと呼んでもよい。CPU12は、読み出した許可リストに基づいて、許可リスト設定画面を示すウェブページデータを作成し、PC60に送信する(S104)。そして、PC60において許可リスト設定画面が表示される。
【0025】
許可リスト設定画面(指定画面の一例)70には、図3に示すように、許可ドメイン入力欄72と、サブドメイン許可設定欄74と、許可区別ドメイン入力欄76とが表示される。許可ドメイン入力欄72は、ドメインを入力する欄である。ドメインは、メールアドレスのアットマーク(@)の後ろの文字列であり、図3では、許可ドメイン入力欄72aに許可ドメイン「brother.co.jp」が入力され、許可ドメイン入力欄72bに許可ドメイン「brothergroup.net」が入力され、許可ドメイン入力欄72cに許可ドメイン「brother.ne.jp」が入力されている。
【0026】
また、サブドメイン許可設定欄74は、IFAX処理およびScanToEmail処理でのサブドメインのメールアドレスへのスキャンデータの送信を許可するか否かを設定する欄であり、サブドメインのメールアドレスへのスキャンデータの送信を許可する場合に、サブドメイン許可設定欄74にチェックマーク(レ)が入力される。また、許可区別ドメイン入力欄76は、サブドメインのメールアドレスへのスキャンデータの送信が制限されず許可される場合に、許可されるサブドメインの区別ドメインを入力する欄である。また、許可リスト設定画面70には、許可ドメイン入力欄72の上方に、IFAX処理とScanToEmail処理との少なくとも一方を選択するための選択欄78も表示されている。
【0027】
そして、許可リスト設定画面70での設定が完了すると(S106:NO)、許可リスト設定画面70で設定された情報を、図4に示すように、データ記憶領域36に保存する(S108)。すなわち、MFP10への許可リストの登録が行われる。このように、MFP10の管理者のみが、MFP10での許可リストの登録を行うことができる。なお、図4でのIFAX対象設定80a及びScanToEmail対象設定80bは、選択欄78への入力の有無を示すものであり、選択欄78にチェックマークが入力された場合にONに設定され、選択欄78にチェックマークが入力されていない場合にOFFに設定される。許可ドメインリスト80c~gは、許可ドメイン入力欄72に入力された許可ドメインを示している。サブドメイン許可設定リスト80h~lは、サブドメイン許可設定欄74への入力の有無を示すものであり、サブドメイン許可設定欄74にチェックマークが入力された場合にONに設定され、サブドメイン許可設定欄74にチェックマークが入力されていない場合にOFFに設定される。許可区別ドメインリスト80m~qは、許可区別ドメイン入力欄76に入力された区別ドメインを示している。
【0028】
また、EWSによって提供するウェブページでは、Emailレポート処理(第1処理の一例)の設定を行うことができる。Emailレポート処理は、MFP10のネットワーク情報,動作履歴情報,カウンタ情報,消耗品情報を含むEmailレポートをMFP10の管理者に送信する処理である。管理者ログインに成功すると、CPU12が、データ記憶領域36から、Emailレポート処理用のパラメータを読み出し、読み出したパラメータに基づいて、Emailレポート処理用の設定画面を示すウェブページデータを作成し、PC60に送信する。そして、PC60でEmailレポート処理用の設定画面が表示され、管理者は、その設定画面において、Emailレポートの送信先のメールアドレスを入力する。また、MFP10の管理者は、設定画面において、Emailレポー
トの送信周期も入力する。Emailレポートの送信周期は、例えば、毎週日曜日の送信などに設定される。そして、MFP10の管理者は、管理者のメールアドレス及び送信周期を入力する。設定画面に置いて入力された、Emailレポート処理用の各種パラメータは、メモリ14に記憶される、例えば、図4に示すように、Emailレポート処理用の各種パラメータが、データ記憶領域36に保存される。
【0029】
さらに、ウェブページでは、IFAX処理およびScanToEmail処理においてEmailが送信される際のEmail件名およびEmail本文の設定を行うことができる。そして、ウェブページにおいてEmail件名およびEmail本文の設定が行われると、図4に示すように、Email件名80rおよびEmail本文80sが、データ記憶領域36に保存される。
【0030】
続いて、MFP10での、メール送信を伴う処理を説明する。待機状態であるMFP10は、図5に示すホーム画面100をLCD16に表示する。ホーム画面100には、MFP10により実行可能な画像処理に応じたアイコン102が表示される。例えば、ホーム画面100に、ファックス処理を実行するためのアイコン102aと、印刷処理を実行するためのアイコン102bと、スキャン処理を実行するためのアイコン102cとが表示される。
【0031】
そして、IFAX処理が実行される場合には、アイコン102aが操作される。これにより、LCD16にIFAX処理での送信先のメールアドレスを入力するための入力画面が表示される。この入力画面では、ユーザが手動でメールアドレスを入力することができる。また、MFP10のデータ記憶領域36には、電話帳が記憶されており、その電話帳には1以上のメールアドレスが登録されている。このため、ユーザは、入力画面において、データ記憶領域36に記憶されている電話帳の1以上のメールアドレスから任意のメールアドレスを選択することもできる。また、サーバ50にも、電話帳が記憶されており、その電話帳には1以上のメールアドレスが登録されている。CPU12は、サーバ50から、メールアドレスを受信することができる。このため、ユーザは、入力画面において、サーバ50に記憶されている電話帳の1以上のメールアドレスから任意のメールアドレスを選択することもできる。このように、ユーザは、手動でのメールアドレスの入力若しくは電話帳からのメールアドレスの選択により、IFAX処理での送信先のメールアドレスを決定する。また、入力画面にはスタートボタンが表示されている。そのスタートボタンが操作された際に実行される制御プログラム34の処理を、図6図10に示すフローチャートを用いて説明する。
【0032】
まず、制御プログラム34は、入力画面において決定されたメールアドレスを取得する(S110)。なお、S110で取得されたメールアドレスを、取得アドレスと記載する。次に、制御プログラム34は、データ記憶領域36に記憶された許可リスト(図4参照)を参照して、IFAX対象設定がONになっているか否かを判断する(S112)。この際、IFAX対象設定がONになっている場合(S112:YES)、つまり、IFAX処理でのスキャンデータの送信が制限される場合に、許可リスト照合処理が実行される(S114)。
【0033】
許可リスト照合処理では、図8に示すように、取得アドレスからドメイン(以下、「ジョブドメイン」と記載する)(取得ドメインの一例)を取得する(S150)。次に、変数nを1にセットする(S152)。そして、許可リストの許可ドメインリスト(n)とジョブドメインとが完全一致であるか否かを判断する(S154)。つまり、許可リストの許可ドメインリスト(1)「brother.co.jp」とジョブドメインとが完全に一致するか否かが判断される。この際、例えば、ジョブドメインが「brother.co.jp」である場合には、許可ドメインリストとジョブドメインとが完全一致である
と判断され(S154:YES)、照合成功となる(S156)。
【0034】
一方、例えば、ジョブドメインが「brother.co.jp」のサブドメイン「ab.brother.co.jp」である場合に、許可ドメインリスト(1)とジョブドメインとは完全一致ではないと判断する(S154:NO)。そして、サブドメイン許可設定リスト(1)がONであるか否かを判断する(S158)。ここで、図4に示すように、サブドメイン許可設定リスト(1)はOFFであるため(S158:NO)、変数nに1加算する(S160)。このため、ジョブドメインが「brother.co.jp」のサブドメイン「ab.brother.co.jp」である場合に、照合成功とはならない。
【0035】
次に、S160で変数nに1加算されることで、変数nが2にセットされて、その変数nが許可ドメインリストの最大値より大きいか否かを判断する(S162)。図4に示すように、許可ドメインリストは3個設定されているため、許可ドメインリストの最大値は3であり、変数nは許可ドメインリストの最大値より大きくないと判断する(S162:NO)。そして、S154に戻る。
【0036】
S154では、許可リストの許可ドメインリスト(2)とジョブドメインとが完全一致であるか否かを判断する(S154)。つまり、許可ドメインリスト(2)「brothergroup.net」とジョブドメインとが完全一致であるか否かを判断する。この際、例えば、ジョブドメインが「brothergroup.net」である場合には、許可ドメインリストとジョブドメインとが完全一致であると判断し(S154:YES)、照合成功となる(S156)。
【0037】
一方、例えば、ジョブドメインが「brothergroup.net」のサブドメイン「dp.brothergroup.net」である場合には、許可ドメインリスト(2)とジョブドメインとは完全一致しないと判断する(S154:NO)。そして、サブドメイン許可設定リスト(2)がONであるか否かを判断する(S158)。ここで、図4に示すように、サブドメイン許可設定リスト(2)はONであるため(S158:YES)、ジョブドメインを独自ドメインと区別ドメインとに分離する(S166)。つまり、ジョブドメイン「dp.brothergroup.net」を、独自ドメイン「brothergroup.net」と区別ドメイン「dp」とに分離する。なお、ジョブドメインから分離された独自ドメインをジョブ独自ドメインと記載し、ジョブドメインから分離された区別ドメインをジョブ区別ドメインと記載する。そして、ジョブ独自ドメインと許可ドメインリスト(2)とが完全一致であるか否かを判断する(S168)。ここで、ジョブ独自ドメインは「brothergroup.net」であり、許可ドメインリスト(2)も「brothergroup.net」であるため、ジョブ独自ドメインと許可ドメインリストとが完全に一致すると判断する(S168:YES)。そして、サブドメイン照合処理を実行する(S170)。なお、サブドメインは、主となるドメインを基に設定されたものであり、主となるドメイン(「独自ドメイン」と記載する)の前に任意の文字列が加えられたドメインである。例えば、「brothergroup.net」を独自ドメインとした場合に、その独自ドメインの前に「ap」の文字列を加えた「ap.brothergroup.net」が、「brothergroup.net」のサブドメインとなる。なお、独自ドメインの前に加えられる文字列(例えば、「ap」)を区別ドメインと記載する。つまり、サブドメインは、区別ドメイン(例えば、「ap」)と独自ドメイン(例えば、「brothergroup.net」)とから構成されるドメインである。なお、図4の許可リストでは、許可ドメインリスト(1)「brother.co.jp」に対応するサブドメイン許可設定リストはOFFであり、許可ドメインリスト(2)「brothergroup.net」及び許可ドメインリスト(3)「brother.ne.jp」に対応するサブドメイン許可設定リスト(2)及びサブド
メイン許可設定リスト(3)はONである。制御プログラム34による処理において、この許可リストが用いられることにより、「brother.co.jp」のサブドメインのメールアドレスへのスキャンデータの送信が制限され、「brothergroup.net」のサブドメイン、もしくは、「brother.ne.jp」のサブドメインのメールアドレスへのスキャンデータの送信が制限されない。つまり、「brothergroup.net」及び「brother.ne.jp」(特定ドメインの一例)のサブドメインでは、スキャンデータの送信が許可される。
【0038】
サブドメイン照合処理では、図9に示すように、許可区別ドメインリスト(2)の設定がないか否かを判断する(S180)。なお、図3では、許可ドメイン「brothergroup.net」に対応する許可区別ドメイン入力欄76bに、区別ドメイン「ap」および「dp」が入力されている。これにより、サブドメイン「ap.brothergroup.net」、「dp.brothergroup.net」(指定サブドメインの一例)のメールアドレスへのスキャンデータの送信が制限されず許可される。そして、図4に示すように、許可区別ドメインリスト(2)には「ap」および「dp」が設定されているため、許可区別ドメインリスト(2)の設定はあると判断する(S180:NO)。続いて、許可区別ドメインリスト(2)の中にジョブ区別ドメインと完全一致であるものがあるか否かを判断する(S182)。ここで、許可区別ドメインリスト(2)には「ap」および「dp」が設定されており、ジョブ区別ドメインは「dp」であるため、許可区別ドメインリスト(2)の中にジョブ区別ドメインと完全一致であるものがあると判断し(S182:YES)、サブドメイン照合成功となる(S186)。つまり、「dp」を含む「brothergroup.net」のサブドメイン「dp.brothergroup.net」が照合成功となる。また、許可区別ドメインリスト(2)には「ap」も設定されているため、「ap」を含む「brothergroup.net」のサブドメイン「ap.brothergroup.net」においても照合成功となる。一方、ジョブ区別ドメインが「ap」および「dp」以外である場合には、許可区別ドメインリスト(2)の中にジョブ区別ドメインと完全一致であるものがないと判断し(S182:NO)、サブドメイン照合失敗となる(S184)。つまり、サブドメイン「dp.brothergroup.net」及び「ap.brothergroup.net」のみが照合成功となり、「dp.brothergroup.net」及び「ap.brothergroup.net」以外のサブドメインは照合失敗となる。そして、S184若しくはS186の処理が完了すると、サブドメイン照合処理が終了する。
【0039】
サブドメイン照合処理が終了すると、図8に示すように、サブドメイン照合が成功したか否かを判断する(S172)。そして、サブドメイン照合が成功した場合(S172:YES)に、照合成功となる(S156)。一方、サブドメイン照合が失敗した場合(S172:NO)に、S160で変数nに1加算する。この際、変数nが3にセットされて、その変数n(=3)は許可ドメインリストの最大値(=3)より大きくないため(S162:NO)、S154に戻る。
【0040】
S154では、許可リストの許可ドメインリスト(3)「brother.ne.jp」とジョブドメインとが完全一致であるか否かを判断する(S154)。この際、例えば、ジョブドメインが「brother.ne.jp」である場合には、許可ドメインリストとジョブドメインとが完全一致であると判断し(S154:YES)、照合成功となる(S156)。
【0041】
一方、例えば、ジョブドメインが「brother.ne.jp」のサブドメイン「kp.brother.ne.jp」である場合には、許可ドメインリスト(3)とジョブドメインとは完全に一致しないと判断する(S154:NO)。ここで、図4に示すように、サブドメイン許可設定リスト(3)はONであるため、ジョブ独自ドメインと許可ド
メインリスト(3)とが完全に一致するか否かを判断する(S168)。ここで、ジョブ独自ドメインは「brother.ne.jp」であり、許可ドメインリスト(3)も「brother.ne.jp」であるため、ジョブ独自ドメインと許可ドメインリストとが完全に一致すると判断する(S168:YES)。そして、サブドメイン照合処理を実行する(S170)。
【0042】
サブドメイン照合処理では、図9に示すように、許可区別ドメインリスト(3)の設定がないか否かを判断する(S180)。図3では、許可ドメイン「brother.ne.jp」に対応する許可区別ドメイン入力欄76cには区別ドメインが入力されていない。このため、許可区別ドメインリスト(3)の設定は無いと判断する(S180:YES)。なお、許可区別ドメイン入力欄76に区別ドメインが入力されていない場合には、その許可区別ドメイン入力欄76に対応する許可ドメインの全てのサブドメインであれば、制限されず許可される。つまり、許可ドメイン「brother.ne.jp」の全てのサブドメインのメールアドレスへのスキャンデータの送信が制限されず許可される。このため、許可区別ドメインリスト(3)の設定は無いと判断した場合(S180:YES)に、サブドメイン照合成功となる(S186)。つまり、区別ドメインが「kp」に限らず、「ap」,「dp」等のいずれであっても、「brother.ne.jp」のサブドメインは、サブドメイン照合となる。
【0043】
サブドメイン照合処理が終了すると、図8に示すように、サブドメイン照合が成功したか否かを判断し、サブドメイン照合が成功した場合(S172:YES)に、照合成功となる(S156)。一方、例えば、サブドメイン照合が失敗した場合(S172:NO)に、S160で変数nに1加算される。この際、変数n(=4)は許可ドメインリストの最大値(=3)より大きいため(S162:YES)、照合失敗となる(S176)。そして、許可リスト照合処理が終了する。
【0044】
許可リスト照合処理が終了すると、図6に示すように、照合成功であるか否かを判断する(S116)。そして、照合失敗の場合(S116:NO)に、ドメイン制限エラーであることを示す情報をメモリに記憶させ(S118)、S120に進む。エラーであることを示す情報をメモリに記憶させることを、エラーを発生させると呼んでもよい。一方、照合成功の場合(S116:YES)に、S118の処理がスキップされ、つまり、ドメイン制限エラーは発生せずにS120に進む。そして、S120においてドメイン制限エラーが発生しているか否かを判断する(S120)。この際、ドメイン制限エラーが発生している場合(S120:YES)に、ディスプレイ16にエラー画面を表示する(S122)。続いて、入力画面において設定されたメールアドレス、つまり、IFAX処理でのスキャンデータの送信予定のメールアドレスの設定を削除する(S124)。そして、S110に戻る。
【0045】
また、S120でドメイン制限エラーが発生していない場合(S120:NO)に、データ記憶領域36からEmail件名及びEmail本文(図4参照)を取得する(S126)。次に、スキャン処理が実行され(S128)、作成されたスキャンデータを取得する(S130)。そして、ジョブ種別がIFAXのメール送信用データを作成する(S132)。このメール送信用データには、ジョブ種別(IFAX)と取得アドレスとEmail件名とEmail本文とスキャンデータとが含まれる。そして、メール送信用データが作成されると、メール送信処理を実行する(S134)。
【0046】
メール送信処理では、図10に示すように、メール送信用データに含まれるジョブ種別がIFAXであるか否かを判断する(S190)。なお、図3の選択欄78は、許可リストに登録されたドメインへのスキャンデータの送信を許可する処理を選択するものである。つまり、選択欄78は、許可リストに登録されていないドメインへのスキャンデータの
送信を制限する処理を選択するものである。このため、IFAX処理を選択する選択欄78aにチェックマークが入力されることで、IFAX処理時において、許可リストに登録されていないドメインのメールアドレスへのスキャンデータの送信が制限される。また、ScanToEmail処理を選択する選択欄78bにチェックマークが入力されることで、ScanToEmail処理時において、許可リストに登録されていないドメインのメールアドレスへのスキャンデータの送信が制限される。ここで、先に作成されたメール送信用データに含まれるジョブ種別はIFAXであるため、ジョブ種別がIFAXであると判断する(S190:YES)。そして、IFAX対象設定がONであるか否かを判断する(S192)。図4に示すように、IFAX対象設定がONであるため、IFAX対象設定はONであると判断する(S192:YES)。そして、許可リスト照合処理を実行する。この処理については先に説明したため、説明を省略する。許可リスト照合処理が終了すると、照合成功であるか否かを判断する(S200)。そして、照合失敗の場合(S200:NO)に、ドメイン制限エラーが発生し(S202)。メール送信処理が終了する。一方、照合成功である場合(S200:YES)に、メール送信用データを取得アドレスに送信し(S204)、メール送信処理が終了する。
【0047】
メール送信処理が終了すると、図7に示すように、ドメイン制限エラーが発生しているか否かを判断する(S136)。そして、ドメイン制限エラーが発生している場合(S136:YES)に、エラー画面がディスプレイ16を表示し(S138)、本フローが終了する。一方、ドメイン制限エラーが発生していない場合(S136:NO)に、S204でのメール送信用データの送信が正常に完了したか否かを判断する(S140)。そして、メール送信用データの送信が正常に完了した場合(S140:YES)に、送信完了画面をディスプレイ16に表示し(S142)、本フローが終了する。一方、メール送信用データの送信が正常に完了していない場合(S140:NO)に、送信失敗画面をディスプレイ16に表示する(S144)。そして、リトライジョブとしてメール送信用データをデータ記憶領域36に記憶して(S146)、本フローが終了する。
【0048】
なお、S112においてIFAX対象設定がOFFである場合(S112:NO)には、S126に進み、S114の許可リスト照合処理をスキップする。また、S192においてIFAX対象設定がOFFである場合(S192:NO)には、ジョブ種別がScanToEmailであるか否かを判断する(S194)。ここで、ジョブ種別はIFAXであるため、ジョブ種別はScanToEmailでないと判断し(S194:NO)、S204に進む。つまり、S192においてIFAX対象設定がOFFである場合(S192:NO)にも、S198の許可リスト照合処理をスキップする。このため、IFAX対象設定がOFFである場合には、取得アドレスの許可リストでの照合は行われずに、IFAX処理が実行される。つまり、IFAX処理でのスキャンデータの送信は、何れのメールアドレスであっても制限されることなく行われる。
【0049】
次に、ScanToEmail処理について説明する。ScanToEmail処理が実行される場合には、図5に示すホーム画面100においてアイコン102cが操作される。これにより、ディスプレイ16にScanToEmail処理での送信先のメールアドレスを入力するための入力画面が表示される。この入力画面では、IFAX処理での入力画面と同様に手動若しくは電話帳によりメールアドレスが設定される。その入力画面にはスタートボタンが表示されており、そのスタートボタンが操作されることで、制御プログラム34が起動する。この際の制御プログラム34によるScanToEmail処理を、図6図10に示すフローチャートを用いて説明する。ただし、制御プログラム34によるScanToEmail処理は、先に説明した制御プログラム34によるIFAX処理とほぼ同じであるため、異なる箇所のみ説明する。
【0050】
制御プログラム34によるScanToEmail処理では、制御プログラム34は、
S112においてScanToEmail対象設定がONであるか否かを判断する。また、S132においてジョブ種別がScanToEmailのメール送信用データを作成する。また、メール送信処理のS190においてジョブ種別がIFAXでないと判断し(S190:NO)、S194においてジョブ種別はScanToEmailであると判断する(S194:YES)。そして、S196においてScanToEmail対象設定がONであると判断して(S196:YES)、S198に進む。なお、これらの処理以外の処理は、先に説明した制御プログラム34によるIFAX処理と同じである。これにより、ScanToEmail処理においても、IFAX処理と同様に許可リストに従ったスキャンデータの送信制限を行うことができる。
【0051】
また、S146においてデータ記憶領域36に記憶されたリトライジョブ、つまり、メール送信に失敗してデータ記憶領域36に記憶されたメール送信用データは、制御プログラム34の処理により再送信される。詳しくは、制御プログラム34は、図11に示すように、リトライジョブがデータ記憶領域36に記憶されてから所定時間が経過したか否かを判断する(S210)。そして、所定時間が経過した場合(S210:YES)に、制御プログラム34は、データ記憶領域36にリトライジョブとして記憶されたメール送信用データを取得する(S212)。続いて、メール送信処理を実行する(S214)。ここでのメール送信処理も、先に説明したメール送信処理と同じであるため、説明を省略する。
【0052】
そして、メール送信処理においてドメイン制限エラーが発生したか否かを判断する(S216)。この際、ドメイン制限エラーが発生している場合(S216:YES)に、エラー画面をディスプレイ16に表示して(S218)、本フローが終了する。一方、ドメイン制限エラーが発生していない場合(S216:NO)に、メール送信処理でのメール送信用データの送信が正常に完了したか否かを判断する(S220)。そして、メール送信用データの送信が正常に完了した場合(S220:YES)に、送信完了画面をディスプレイ16に表示して(S222)、データ記憶領域36からリトライジョブを削除する(S224)。これにより、本フローが終了する。一方、メール送信用データの送信が正常に完了していない場合(S220:NO)に、送信失敗画面をディスプレイ16に表示して(S226)、本フローが終了する。このように、IFAX処理若しくはScanToEmail処理でのリトライジョブが再送信される際にも、許可リストに従ったスキャンデータの送信制限が実行される。
【0053】
また、Emailレポート処理も制御プログラム34の処理により実行される。詳しくは、制御プログラム34は、図12に示すように、Emailレポートの送信周期に到達したか否かを判断する(S230)。上述したように、データ記憶領域36には、Emailレポート送信周期(図4参照)が記憶されており、制御プログラム34は、そのEmailレポート送信周期に到達したか否かを判断する。そして、Emailレポート送信周期に到達している場合(S230:YES)に、制御プログラム34は、Emailレポートを作成する(S232)。つまり、制御プログラム34は、ネットワーク情報,動作履歴情報,カウンタ情報,消耗品情報等を取得して、それらの情報を含むEmailレポートを作成する。続いて、制御プログラム34は、データ記憶領域36に記憶されているEmailレポートアドレス(図4参照)を取得する(S234)。そして、制御プログラム34は、ジョブ種別がEmailレポートのメール送信用データを作成する(S236)。このメール送信用データには、ジョブ種別(Emailレポート)とEmailレポートアドレスとEmailレポートとが含まれる。そして、Emailレポートのメール送信用データを作成すると、メール送信処理を実行する(S238)。
【0054】
メール送信処理で、制御プログラム34は、図10に示すように、ジョブ種別がIFAXであるか否かを判断する(S190)。ここで、メール送信用データのジョブ種別はE
mailレポートであるため、ジョブ種別がIFAXでないと判断する(S190:NO)。次に、ジョブ種別がScanToEmailであるか否かを判断する(S194)。ここで、メール送信用データのジョブ種別はEmailレポートであるため、ジョブ種別がScanToEmailでないと判断する(S194:NO)。そして、S236で作成されたメール送信用データをEmailレポートアドレスに送信して(S204)、メール送信処理が終了する。続いて、図12に示すように、メールの送信が正常に完了したか否かを判断する(S240)。そして、メールの送信が正常に完了した場合(S240:YES)に、本フローが終了する。一方、メールの送信が正常に完了していない場合(S240:NO)に、送信失敗画面をディスプレイ16に表示して(S242)、本フローが終了する。
【0055】
このように、Emailレポート処理では、ジョブ種別がEmailレポートとされているため、図10のメール送信処理のS190及びS194でNOと判断され、S198の許可リスト照合処理は実行されない。このため、Emailレポート処理では、Emailレポートアドレスの許可リストでの照合は行われずに、Emailレポートが送信される。つまり、Emailレポート処理でのEmailレポートの送信は、管理者に設定されたメールアドレスが、許可リストに設定されていないメールアドレスであっても制限されることなく行われる。
【0056】
また、MFP10では、ショートカット機能を用いてIFAX処理若しくはScanToEmail処理が実行される際にも、許可リストを用いてスキャンデータの送信が制限される。さらに、ショートカット機能を用いてIFAX処理若しくはScanToEmail処理を実行するためのショートカット情報が登録される際にも、許可リストを用いてショートカット情報の登録が制限される。詳しくは、図13図14を用いて説明する。図13に示すようにホーム画面100には、+の記号により空欄106が表示されている。そして、その空欄106が操作されると、制御プログラム34は、ショートカット機能を利用して実行される処理を選択するための選択画面を表示させる。この選択画面では、印刷処理,スキャン処理,IFAX処理,ScanToEmail処理等の処理から任意の処理が選択される。この際、例えば、IFAX処理若しくはScanToEmail処理が選択されると、制御プログラム34は、メールアドレスの入力画面を表示させる。この入力画面においても、上述した入力画面と同様に、手動若しくは電話帳によりメールアドレスが設定される。また、IFAX処理若しくはScanToEmail処理を実行するための設定画面も表示され、解像度などの各種パラメータが入力される。そして、メールアドレスの設定,各種パラメータの入力などの一連の処理が終了すると、登録画面が表示され、登録画面において登録ボタンが操作されると、選択画面,入力画面,設定画面等において設定された処理に応じたショートカット情報が登録される。ただし、ショートカット情報が登録される際に、許可リストを用いてショートカット情報の登録が制限される。
【0057】
詳しくは、選択画面においてショートカット機能を利用して実行される処理が選択されると、制御プログラム34は、選択された処理がIFAX処理若しくはScanToEmail処理であるか否かを判断する(S300)。この際、選択された処理がIFAX処理若しくはScanToEmail処理である場合(S300:YES)に、入力画面を表示して、入力画面においてメールアドレスを設定する(S302)。そして、許可リスト照合処理を実行する。この処理については先に説明したため、説明を省略する。ただし、ここでの許可リスト照合処理では、S302で設定されたメールアドレスが取得アドレスとして処理される。なお、許可リスト照合処理のS150において、S302で設定されたメールアドレスから取得されるジョブドメインが、ショートカット情報に登録させるメールアドレスのドメインの一例である。そして、許可リスト照合処理が終了すると、照合成功であるか否かを判断する(S306)。この際、照合失敗の場合(S306:NO
)に、ドメイン制限エラーが発生し(S308)、S310に進む。一方、照合成功である場合(S200:YES)に、S308の処理をスキップして、ドメイン制限エラーが発生せずにS310に進む。
【0058】
そして、S310においてドメイン制限エラーが発生したか否かを判断する(S310)。そして、ドメイン制限エラーが発生していない場合(S310:NO)に、設定画面をLCD16に表示して、設定画面において各種パラメータを設定する(S316)。そして、設定が完了し、登録ボタンが操作されたか否かを判断する(S318)。この際、設定が完了し、登録ボタンが操作された場合(S318:YES)に、ショートカット情報を登録する(S320)。つまり、ショートカット機能の対象がIFAX処理若しくはScanToEmail処理である場合に、入力画面で設定されたメールアドレスが許可リストで制限されるメールアドレスでなければ、ショートカット情報が登録される。
【0059】
一方、S310においてドメイン制限エラーが発生している場合(S310:YES)に、エラー画面をLCD16に表示する(S312)。そして、S302で設定したメールアドレスを削除して(S314)、S302に戻る。つまり、入力画面で設定されたメールアドレスが許可リストで制限されるメールアドレスと判断された場合には、ショートカット情報が登録されない。すなわち、ショートカット機能の対象がIFAX処理若しくはScanToEmail処理である場合に、入力画面で設定されたメールアドレスが許可リストで制限されるメールアドレスであれば、ショートカット情報の登録が制限される。なお、S302に戻るため、メールアドレスの入力をやりなおすことは可能である。
【0060】
また、S300において選択された処理がIFAX処理若しくはScanToEmail処理でない場合(S300:NO)に、S316以降の処理が実行され、ショートカット情報が登録される(S320)。
【0061】
なお、ショートカット情報が登録されると、図5に示すように、ホーム画面100に、ショートカット機能を実行するためのアイコン102dが空欄106(図13参照)の位置に表示される。また、ショートカット情報が登録されると、図15に示すショートカット情報がデータ記憶領域36に記憶される。なお、ショートカット情報には、ショートカット機能の対象の処理,その処理での送信先のメールアドレス,各種パラメータが含まれる。
【0062】
また、上記手法により登録されたショートカット機能を用いてIFAX処理若しくはScanToEmail処理が実行される際にも、許可リストを用いてスキャンデータの送信が制限される。詳しくは、ホーム画面100においてアイコン102dが操作されると、制御プログラム34は、操作されたアイコン102dに応じたショートカット機能のショートカット情報からショートカット機能の対象となる処理(図15でのショートカット機能に相当)を取得する。そして、取得した処理がIFAX処理若しくはScanToEmail処理であるか否かを判断する。取得した処理がIFAX処理若しくはScanToEmail処理である場合に、制御プログラム34は、ショートカット情報からメールアドレス(図15参照)を取得し、図6乃至図10に示す処理を実行する。なお、ショートカット情報から取得されたメールアドレスは、図6乃至図10に示す処理が実行される際に取得アドレスとして処理される。これにより、ショートカット機能を用いてIFAX処理若しくはScanToEmail処理が実行される際にも、許可リストを用いてスキャンデータの送信が制限される。なお、ショートカット情報から取得されたメールアドレスのドメインが、設定ドメインの一例である。
【0063】
なお、ショートカット情報から取得した処理がIFAX処理若しくはScanToEmail処理以外の処理である場合、つまり、アイコン102dが操作されて実行される処
理が、IFAX処理若しくはScanToEmail処理以外の処理である場合に、許可リストを用いた制限は実行されず、操作されたアイコン102dに応じたショートカット機能の処理が実行される。
【0064】
上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0065】
上述したように、許可ドメイン「brother.co.jp」,「brothergroup.net」,「brother.ne.jp」のうちの「brothergroup.net」,「brother.ne.jp」が特定ドメインである。そして、取得ドメインとジョブドメインとが一致しない場合であっても、取得ドメインが特定ドメインのサブドメインであれば、スキャンデータが送信される。これにより、許可ドメインのうちの任意のドメインのサブドメインを、スキャンデータの送信対象のドメインとすることが可能となる。
【0066】
また、図3に示すように、「brothergroup.net」,「brother.ne.jp」に応じたサブドメイン許可設定欄74b,cにチェックマークが入力されることで、サブドメインを許容するドメイン、つまり、特定ドメインとしてデータ記憶領域36に記憶される。これにより、ユーザが任意に特定ドメインを設定することができる。
【0067】
また、図3に示すように、サブドメイン許可設定欄74bにチェックマークが入力された「brothergroup.net」の許可区別ドメイン入力欄76bに区別ドメイン「ap」及び「dp」が入力される。そして、取得ドメインとジョブドメインとが一致しない場合であっても、取得ドメインが、区別ドメイン「ap」及び「dp」を含む「brothergroup.net」のサブドメインであれば、スキャンデータが送信される。これにより、特定ドメインのユーザが望むサブドメインを、スキャンデータの送信対象のドメインとすることが可能となる。
【0068】
また、図3に示すように、サブドメイン許可設定欄74cにチェックマークが入力された「brother.ne.jp」の許可区別ドメイン入力欄76cに区別ドメインが入力されていない。このように、サブドメイン許可設定欄74cにチェックマークが入力されているにも関わらず許可区別ドメイン入力欄76cに区別ドメインが入力されていない場合には、取得ドメインとジョブドメインとが一致しない場合であっても、取得ドメインが、brother.ne.jp」のサブドメインであれば、スキャンデータが送信される。これにより、ユーザが望む特定ドメインの全てのサブドメインを、スキャンデータの送信対象のドメインとすることが可能となる。なお、図4でのサブドメイン許可設定リスト(3)80jがONであるにも関わらず許可区別ドメインリスト(3)に区別ドメインが設定されていない情報が許可情報の一例である。
【0069】
また、上述したように、MFP10の管理者が管理している識別情報がログイン情報としてMFP10に入力された場合に、許可リスト設定画面70が表示される。つまり、MFP10の管理者だけが許可リスト設定画面70において許可区別ドメイン入力欄76にチェックマークを入力することができる。これにより、特定ドメインの設定を管理者に限定することができる。
【0070】
また、上述したように、IFAX処理およびScanToEmail処理においてスキャンデータの送信が制限されるが、Emailレポート処理ではスキャンデータの送信は制限されない。これにより、許可リストに関わらず、管理者に限定して実行されるEmailレポート処理を行うことができる。
【0071】
また、図3に示すように、許可リスト設定画面70では、IFAX処理とScanToEmail処理との少なくとも一方を選択するための選択欄78が表示されているが、Emailレポート処理を選択するための選択欄は表示されていない。つまり、IFAX処理とScanToEmail処理との少なくとも一方に許可リストを設定することができるが、Emailレポート処理に許可リストを設定することはできない。これにより、Emailレポート処理を許可リストの対象から外すことができる。
【0072】
また、図6に示すように、メールアドレスが取得された際に許可リスト照合処理が実行され、図7及び図10に示すように、メール送信用データが作成された後にも許可リスト照合処理が実行される。これにより、メールアドレスが取得されてから、メール送信用データが作成される迄の間に、許可リストが変更された場合であっても、変更された許可リストに応じてスキャンデータの送信を制限することができる。
【0073】
また、図11及び図10に示すように、リトライジョブが再送信される際にも許可リスト照合処理が実行される。これにより、メール送信用データの送信が失敗してから、そのメール送信用データの再送信が実行される迄の間に、許可リストが変更された場合であっても、変更された許可リストに応じてスキャンデータの送信を制限することができる。
【0074】
また、上述したように、「brothergroup.net」の区別ドメインとして「ap」及び「dp」がデータ記憶領域36に記憶されている。そして、取得ドメインとジョブドメインとが一致しない場合であっても、取得ドメインが、区別ドメイン「ap」及び「dp」を含む「brothergroup.net」のサブドメインであれば、スキャンデータが送信される。これにより、特定ドメインの任意のサブドメインを、スキャンデータの送信対象のドメインとすることが可能となる。
【0075】
また、上述したように、MFP10の管理者が管理している識別情報がログイン情報としてMFP10に入力された場合に、許可リスト設定画面70が表示される。つまり、MFP10の管理者だけが許可リスト設定画面70において許可区別ドメイン入力欄76に区別ドメインを入力することができる。そして、許可区別ドメイン入力欄76に入力された区別ドメインがデータ記憶領域36に記憶される。これにより、管理者が望むサブドメインを、スキャンデータの送信対象のドメインとすることが可能となる。
【0076】
また、上述したように、スキャンデータの送信先、つまり、メールアドレスが設定される際に、データ記憶領域36に記憶された電話帳とサーバ50に記憶された電話帳との何れからもメールアドレスを選択することができる。そして、データ記憶領域36の電話帳から選択されたメールアドレスと、サーバ50の電話帳から選択されたメールアドレスとの何れに対しても、許可リスト照合処理が実行される。つまり、取得ドメインとジョブドメインとが一致しない場合に、スキャンデータの送信が制限される。これにより、ユーザが手動で入力したメールアドレスでなくても、MFP10若しくは外部装置に記憶されたメールアドレスに対しても許可リストに従ってスキャンデータの送信を制限することができる。
【0077】
また、上述したように、ホーム画面100のアイコン102dの操作によりIFAX処理若しくはScanToEmail処理が実行される際も、アイコン102a,cの操作によりIFAX処理若しくはScanToEmail処理が実行される際にも、取得ドメインとジョブドメインとが一致しない場合に、スキャンデータの送信が制限される。つまり、ショートカット機能を用いてIFAX処理若しくはScanToEmail処理が実行される際も、ショートカット機能を用いることなくIFAX処理若しくはScanToEmail処理が実行される際にも、取得ドメインとジョブドメインとが一致しない場合に、スキャンデータの送信が制限される。これにより、ショートカット機能を用いたIF
AX処理若しくはScanToEmail処理においても、許可リストに従ってスキャンデータの送信を制限することができる。
【0078】
また、上述したように、MFP10の管理者だけが許可リスト設定画面70において許可区別ドメイン入力欄76にチェックマークを入力することができる。これにより、特定ドメインの設定を管理者に限定することができる。また、IFAX処理およびScanToEmail処理においてスキャンデータの送信が制限されるが、Emailレポート処理ではスキャンデータの送信は制限されない。これにより、許可リストに関わらず、管理者に限定して実行されるEmailレポート処理を行うことができる。
【0079】
また、ショートカット情報では送信先のメールアドレスが予め設定されており、そのメールアドレスのドメインがジョブドメインと一致しない場合に、スキャンデータの送信が制限される。これにより、ショートカット機能を用いたIFAX処理若しくはScanToEmail処理においても、許可リストに従ってスキャンデータの送信を制限することができる。
【0080】
また、上述したように、ショートカット情報が登録される際に、登録予定のメールアドレスのドメインがジョブドメインと一致しない場合に、ショートカット情報の登録が制限される。これにより、許可リストに従ってスキャンデータの送信が制限されるショートカット情報の登録を防止することができる。
【0081】
なお、上述した実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、上述した各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更できる。つまり、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、ショートカット機能を用いてIFAX処理及びScanToEmail処理が実行される場合にスキャンデータの送信が制限されているが、ショートカット機能を用いてIFAX処理及びScanToEmail処理以外の処理が実行される際にスキャンデータの送信が制限されてもよい
【0082】
また、上記実施形態では、許可リスト設定画面70において、許可ドメイン入力欄72とサブドメイン許可設定欄74と許可区別ドメイン入力欄76とが表示されているが、許可区別ドメイン入力欄76は表示されず、許可ドメイン入力欄72とサブドメイン許可設定欄74とが表示されてもよい。このような場合には、サブドメイン許可設定欄74でチェックされた許可ドメインに対して、全てのサブドメインがスキャンデータの送信可能なサブドメインとされる。また、許可リスト設定画面70において、サブドメイン許可設定欄74は表示されず、許可ドメイン入力欄72と許可区別ドメイン入力欄76とが表示されてもよい。このような場合には、許可区別ドメイン入力欄76に入力された区別ドメインを含むサブドメインがスキャンデータの送信可能なサブドメインとされる。
【0083】
また、上記実施形態では、IFAX処理およびScanToEmail処理においてスキャンデータの送信が制限され、Emailレポート処理ではスキャンデータの送信は制限されないが、Emailレポート処理においてもスキャンデータの送信が制限されてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、メールアドレスが取得された際に許可リスト照合処理が実行され、メール送信用データが作成された後にも許可リスト照合処理が実行されるが、メールアドレスが取得された際とメール送信用データが作成された後との一方において、許可リスト照合処理が実行されてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、CPU12によって図2図6乃至図12図14に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10:MFP、12:CPU、16:ディスプレイ、18:入力I/F、20:スキャナ、28:ネットワークI/F、36:データ記憶領域、50:サーバ、70:許可リスト設定画面
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9
図10
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図15