(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107743
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04847 20220101AFI20240802BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240802BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240802BHJP
G06F 3/04855 20220101ALI20240802BHJP
G06F 3/04886 20220101ALI20240802BHJP
【FI】
G06F3/04847
B60R16/02 630L
B60K35/00 Z
G06F3/04855
G06F3/04886
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011831
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若野 春人
(72)【発明者】
【氏名】中川 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】笠井 和善
(72)【発明者】
【氏名】耒田 峻司
(72)【発明者】
【氏名】河原 裕司
(72)【発明者】
【氏名】大山 貢司
【テーマコード(参考)】
3D344
5E555
【Fターム(参考)】
3D344AA16
3D344AA21
3D344AA27
3D344AA30
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD13
5E555AA01
5E555BA23
5E555BA24
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5E555BB24
5E555BC02
5E555BE10
5E555CA13
5E555CB16
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5E555CB64
5E555CB65
5E555DB22
5E555DD11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】所望の操作を行い易くする情報処理装置を提供する。
【解決手段】ユーザによる接触操作を検出可能であり、少なくとも1つの折り曲げ領域によって2以上の平面領域に分割される表示面を有する表示部と、ユーザが前記折り曲げ領域に沿って指を接触させたまま移動させる操作を検出したとき、前記平面領域に表示されている機能の設定値を上下させる制御部とを備える情報処理装置とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる接触操作を検出可能であり、少なくとも1つの折り曲げ領域によって2以上の平面領域に分割される表示面を有する表示部と、
ユーザが前記折り曲げ領域に沿って指を接触させたまま移動させる操作を検出したとき、前記平面領域に表示されている機能の設定値を上下させる制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
ユーザによる接触操作を検出可能であり、少なくとも1つの折り曲げ領域によって2以上の平面領域に分割される表示面を有する表示部と、
ユーザが前記折り曲げ領域に沿って指を接触させたまま移動させる操作を検出したとき、前記平面領域に表示されているコンテンツ再生機能の、コンテンツの再生位置を移動させる制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項3】
前記折り曲げ領域は、前記表示部を表示面側から見たときに凸になる山折りの折り曲げ領域、または、前記表示部を表示面側から見たときに凹になる谷折りの折り曲げ領域である請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示部の前記折り曲げ領域を含む領域に、スライドバーを表示させる、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記折り曲げ領域を含む領域に、シークバーを表示させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記平面領域に、前記操作によって上下された設定値を表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示面は、第1の折り曲げ領域によって、第1の平面領域と第2の平面領域に分割され、第2の折り曲げ領域によって、前記第1の平面領域と第3の平面領域に分割され、
前記制御部は、前記第1の折り曲げ領域に対して行われた前記操作によって上下された設定値を前記第2の平面領域に表示させ、前記第2の折り曲げ領域に対して行われた前記操作によって上下された設定値を前記第3の平面領域に表示させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
車両に搭載される、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1平面領域は、前記車両の助手席側に向いており、
前記第2平面領域は、前記車両の運転席側に向いている、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記助手席及び前記運転席の着席状況を取得し、前記着席状況に基づいて前記助手席に乗員が着席していない場合、前記第1平面領域に表示を行わず、前記着席状況に基づいて前記運転席に乗員が着席していない場合、前記第2平面領域に表示を行わない、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記車両の走行状態を取得し、前記走行状態に基づいて前記車両が走行
している場合、前記第2平面領域に表示を行わない、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ユーザによる接触操作を検出可能であり、少なくとも1つの折り曲げ領域によって2以上の平面領域に分割される表示面を有する表示部と、
制御部とを備える情報処理装置において、
制御部が、ユーザによる、前記折り曲げ領域に沿って指を接触させたまま移動させる操作を検出したとき、前記平面領域に表示されている機能の設定値を上下させる、
情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車などの車両において、運転者や同乗者に情報等を伝えるために、ディスプレイが搭載される。車両に搭載されるディスプレイは、一般的には、平面ディスプレイである。当該ディスプレイは、入力操作用のタッチパネルを含むことが多い。ディスプレイのタッチパネルは、例えば、カーナビゲーションシステムの操作、カーオーディオの操作、カーエアコンの操作に使用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に搭載されるディスプレイのタッチパネルには凹凸がないため、タッチパネルを介して操作をしようとする運転者等は触覚により位置を判別することは難しい。また、停車中における運転者による操作や、同乗者による操作であっても、1つのディスプレイ上に多くの情報(操作ボタン等)が表示されることで、目的の情報(操作ボタン等)を見つけにくくなるという問題がある。即ち、1つのディスプレイ上に多くの情報(操作ボタン等)が表示されることで、所望の操作を行うことが難しくなるという問題がある。車両の運転者等が、視線をディスプレイにほとんど向けることなく、カーナビゲーションシステム等を操作できることが望ましい。
【0005】
本件開示の技術は、所望の操作を行い易くする情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、表示部と、制御部とを備える情報処理装置である。表示部は、ユーザによる接触操作を検出可能であり、少なくとも1つの折り曲げ領域によって2以上の平面領域に分割される表示面を有する。制御部は、ユーザが折り曲げ領域に沿って指を接触させたまま移動させる操作を検出したとき、平面領域に表示されている機能の設定値を上下させる。
【0007】
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録した情報処理装置が読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。なお、情報処理装置は、例えば、コンピュータである。コンピュータは、パソコンやサーバと呼ばれることもある。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、所望の操作を行い易くする情報処理装置を提供することができる
。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る車載システム1の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、ディスプレイ122の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、車載装置100の動作フローの例を示す図である
【
図6】
図6は、ディスプレイ122に表示されるスライドバーの例を示す図である。
【
図7】
図7は、ディスプレイ122に表示されるスライドバーの例を示す図である。
【
図8】
図8は、ディスプレイ122に表示されるシークバー、ボタンの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0011】
〈構成例〉
図1は、本実施形態に係る車載システム1の構成例を示す図である。
図1の車載システム10は、車載装置100、車両制御装置200を含む。
図1の車載システム10は、運転席、助手席を有する乗用車などの車両に搭載される。車載装置100は、制御部102、記憶部104、入出力IF(Interface)106、通信IF(Interface)108、ディスプレイ122、タッチパネル124を含む。記憶部104、入出力IF106、通信IF108は、互いにバスによって接続される。ディスプレイ122、タッチパネル124は、入出力IF106を介して、制御部102等と接続される。車載装置100は、例えば、コンピュータを搭載する装置などによって実現され得る。車載装置100は、車両の目的地までの経路を案内するナビゲーション機能、車両で撮影された映像を記録媒体に記録するドライブレコーディング機能、オーディオデータやビデオデータを再生する再生機能を備えてもよい。また、車載装置100は、テレビ放送波又はラジオ放送波を受信して受信放送波による映像又は音声を出力する機能、車両のエアコンディショナ(エアコン)を調節するエアコン調節機能を備えてもよい。また、車載装置100は、他の各種の機能を備えてもよい。車載装置100は、情報処理装置の一例である。
【0012】
車載装置100は、ディスプレイ122に所定の情報(例えば、ナビゲーション機能に関する情報、再生機能に関する情報、エアコン調節機能に関する情報など)を表示し、タッチパネル124により、運転者等の利用者による入力を受け付ける。
【0013】
制御部102は、車載装置100全体の制御を行う中央処理演算装置(Central Processing Unit)である。制御部102はプロセッサとも呼ばれる。ただし、制御部102は
、単一のプロセッサに限定されるものではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一の制御部102がマルチコア構成であってもよい。制御部102は、記憶部104に記憶されたプログラムを作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器等の制御を行うことで所定の目的に合致した機能を提供する。制御部102は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用LSI(Large Scale Integration)、その他のデジタル回路等を含んでもよい。
【0014】
記憶部104は、制御部102が使用するプログラムやデータを記憶し、作業領域を展開し、動作の設定情報などを記憶する記録媒体である。記憶部104は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard-disk Drive)、SSD(Solid State Drive)である。また、記憶部104は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモリ、S
D(Secure Digital)メモリカード等である。また、記憶部104は、コンピュータ等が読み取り可能な可搬型記録媒体及び当該記録媒体にデータ等を読み書き可能なドライブ装置等の装置を含みうる。
【0015】
入出力IF106は、ディスプレイ122などの装置との間でデータの入出力を行うインタフェースである。入出力IF106は、キーボード、リモートコントローラ(リモコン)、ポインティングデバイス、タッチパネル124などの入力装置などと接続される。また、入出力IF106は、ディスプレイ122、スピーカなどの出力装置などと接続される。制御部102は、入出力IF106を介して、ディスプレイ122、タッチパネル124と通信する。入出力IF106と、ディスプレイ122、タッチパネル124とは、有線で通信可能に接続されても、無線(電波、赤外線など)で通信可能に接続されてもよい。
【0016】
通信IF108は、通信ネットワーク等を介して車両制御装置200等の他の情報処理装置などと通信をする通信インタフェースである。通信IF108は、他の情報処理装置などと、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの周知の無線通信規格により無線通信可能に接続され得る。また、通信IF108は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークに接続され、車両に設けられる他の装置と通信し得る。
【0017】
ディスプレイ122は、映像や文字情報を表示する表示装置である。ディスプレイ122は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Organic Electroluminescence)パネル等である。ディスプレイ122は、例えば、車両の前方中央部分に設置さ
れるCID(Central Information Display)である。ここでは、ディスプレイ122は
、有機ELの一種である曲面OLED(Organic Light Emitting Diode)とする。曲面OLEDは、表示面を曲面とすることができるディスプレイである。ディスプレイ122として、表示面を曲面とすることができる他のディスプレイが使用されてもよい。CIDは、主として、車両の運転者、助手席の乗員に向けて、各種情報等を表示する。ディスプレイ122は、表示部の一例である。
【0018】
ディスプレイ122は、例えば、平面の表示面である第1平面領域301と、平面の表示面である第2平面領域302と、第1平面領域301と第2平面領域302との間に存在する曲面の表示面である第1折り曲げ領域311とを含む。第1折り曲げ領域311は、ディスプレイ122の折り曲げ加工された部分である。第1折り曲げ領域311は、第1平面領域301と第2平面領域302とを接続する。
【0019】
図2は、ディスプレイ122の構成例を示す図である。
図3は、
図2のAA断面図である。
図4は、
図2のBB断面図である。
図2のディスプレイ122は、第1平面領域301、第2平面領域302、第3平面領域303、第4平面領域304、第1折り曲げ領域311、第2折り曲げ領域312、第3折り曲げ領域313を含む。第1平面領域301、第2平面領域302、第3平面領域303、第4平面領域304は、平面の表示面である。第1折り曲げ領域311は、第1平面領域301と第2平面領域302との間に存在する曲面の表示面である。第2折り曲げ領域312は、第2平面領域302と第3平面領域303との間に存在する曲面の表示面である。第3折り曲げ領域313は、第2平面領域302と第4平面領域304との間に存在する曲面の表示面である。ディスプレイ122は、各平面領域と各折り曲げ領域とをまたいで画像や文字情報を表示することができる
。
【0020】
図2のディスプレイ122は、第1折り曲げ領域311、第2折り曲げ領域312、第3折り曲げ領域313により、平面領域を分割する。第1折り曲げ領域311は、横長の長方形の横辺に平行な直線で谷折りをした領域である。第2折り曲げ領域312は、第1折り曲げ領域311の左端と当該長方形の下辺の1点とを結ぶ直線で山折りをした領域である。第3折り曲げ領域313は、第1折り曲げ領域311の右端と当該長方形の下辺の1点とを結ぶ直線で山折りをした領域である。なお折り曲げ領域は直線でなくても、例えば複数の点を直線で連続的に結ぶ折れ線状であってもよく、弧を描くように結ぶ曲線状であってもよい。
【0021】
図2の例では、第1平面領域301は長方形形状であり、第2平面領域302は台形形状であり、第3平面領域303、第4平面領域304は、三角形形状である。各平面領域の形状は、これらに限定されるものではない。
図2において、ディスプレイ122の表示面は、右側の面である。
図3において、ディスプレイ122の表示面は、上側の面である。各平面領域は、接続する各折り曲げ領域と滑らかに接続することが好ましい。1つの折り曲げ領域をはさむ2つの平面領域は、非平行である。例えば、第1折り曲げ領域311をはさむ第1平面領域301の平面と第2平面領域302の平面とは、非平行である。
図2の例では、第3平面領域303と第4平面領域304とは、相似形である。第3平面領域303の表示面は、左側座席(助手席)の乗員の方を向いている。第4平面領域304の表示面は、右側座席(運転席)の乗員(運転者)の方を向いている。即ち、第3平面領域303の表示面は、助手席の乗員にとって見やすい表示面であり、第4平面領域304の表示面は、運転者にとって見やすい表示面である。
【0022】
各折り曲げ領域は、表示面側に折り曲げられるものであっても、表示面の裏側に折り曲げられるものであってもよい。表示面側に折り曲げられている折り曲げ領域を、谷折りの折り曲げ領域という。表示面の裏側に折り曲げられている折り曲げ領域を、山折りの折り曲げ領域という。ここでは、第1折り曲げ領域311は、第2平面領域302を第1平面領域301の表示面側に折り曲げた、谷折りの折り曲げ領域である。第2折り曲げ領域312は、第3平面領域303を第2平面領域302の表示面の裏側に折り曲げた、山折りの折り曲げ領域である。第3折り曲げ領域313は、第4平面領域304を第2平面領域302の表示面の裏側に折り曲げた、山折りの折り曲げ領域である。別の言い方をすればディスプレイ122を表示面側から見たときに、折り曲げ領域が手前側に凸になっているものが山折りの折り曲げ領域であり、折り曲げ領域が奥側に凹になっているものが谷折りの折り曲げ領域である。
【0023】
各折り曲げ領域の断面は、例えば、円弧である。折り曲げ領域の曲率半径は、利用者が折り曲げ領域を指で触れた際に、折り曲げ領域を認識できる程度の曲率半径である。折り曲げ領域の曲率半径は、例えば、20mm以下である。折り曲げ領域の曲率半径は、好ましくは、10mm以下である。折り曲げ領域の曲率半径は、利用者の指の太さと同程度、もしくは、利用者の指の太さよりも小さいことが望ましい。折り曲げ領域の曲率半径が小さくなるほど、利用者は折り曲げ領域を認識しやすくなる。折り曲げ領域の曲率半径が大きすぎると、利用者が折り曲げ領域を指で触れても、折り曲げ領域を認識しにくくなる。折り曲げ領域の断面が円弧でない場合、折り曲げ領域の最小の曲率半径が上記のようであればよい。また、各平面領域の表示面は、折り曲げ領域の曲率半径よりも十分大きい曲率半径(例えば200mm以上)を有する曲面であってもよい。
【0024】
タッチパネル124は、ディスプレイ122の表面(表示面)に設けられる入力装置である。タッチパネル124は、例えば、利用者の指などの身体の一部が操作面に接触する際の静電容量の変化に基づいて、接触位置を検出する静電容量方式のタッチパネルである
。身体の一部は、手の指、手のひら、手の甲などの部位である。タッチパネル124は、静電容量方式に限定されるものではなく、光学方式などの他の方式のタッチパネルであってもよい。タッチパネル124は、ディスプレイ122の各平面領域、各折り曲げ領域の表示面に沿って設けられる。タッチパネル124は、ディスプレイ122の表示面に沿って座標系を定められ、接触位置を当該座標系のおける座標として出力する。各座標は、表示面の各位置に対応する。タッチパネル124は、検出部の一例である。ここでは、タッチパネル124は、少なくとも、各折り曲げ領域に設けられればよい。
【0025】
車両制御装置200は、車載装置100等が搭載される車両の走行を制御する装置である。車両制御装置200は、車載装置100の要求に応じて、車両の走行状態(車両の走行スピードなど)や、助手席や運転席などの座席に乗員が着席しているか否かなどの情報を、車載装置100に出力する。車両制御装置200は、周知の手段により、車両の速さ(走行スピード)の情報を、車両内のセンサなどから取得し得る。車両制御装置200は、各座席に乗員が着席しているか否かの情報を、例えば、各座席に設置される重量センサ等により取得し得る。
【0026】
なお、上記の構成要素はそれぞれ複数に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。また、上記の構成要素は、車両に搭載される装置(例えば、カーナビゲーションシステム等)の構成要素に含まれるとしてもよい。
【0027】
〈動作例〉
車載装置100の動作例を説明する。ここでは、車載装置100がタッチパネル124に対する操作(タッチ操作)を検出する方法について説明する。
【0028】
図5は、車載装置100の動作フローの例を示す図である。
図5の動作フローは、車載装置100が搭載される車両の電気系統がONとなった場合、処理の開始の指示を受けた場合などに開始される。また、
図5の動作フローは、車載装置100が搭載される車両の電気系統がOFFとなった場合、処理の終了の指示を受けた場合などまで、繰り返し実行される。ディスプレイ122には、例えば、利用者(運転者など)等による選択などにより、あらかじめ、ナビゲーション機能に関する情報、再生機能に関する情報、エアコン調節機能に関する情報などが表示されているとする。例えば、再生機能に関する情報は、再生されるコンテンツの再生位置を示すシークバーや、コンテンツの再生、一時停止、スキップなどを示すボタン、音量を調節するスライドバーの画像などである。また、エアコン調節機能に関する情報は、エアコンの風量を調節するスライドバー、エアコンの設定温度を調整するスライドバー、車両内の温度を示す温度情報などである。シークバー、ボタンの画像、スライドバーなどは、タッチパネル124への操作により、再生機能やエアコン調節機能などに対する操作がされ得る。
【0029】
S101では、車載装置100の制御部102は、タッチパネル124に対する入力操作を検出したか否かを判定する。運転席に着席する乗員(運転者)や助手席に着席する乗員などの利用者が、ディスプレイ122の表面に設けられるタッチパネル124に、操作のために、指などで接触すると、タッチパネル124は当該接触を検出する。制御部102は、入出力IF106を介して、タッチパネル124で検出された位置の情報を取得する。取得する位置の情報は、タッチパネル124によって所定時間に検出されたすべての情報であってもよい。制御部102は、タッチパネル124から、検出された位置の情報を取得したか否かで、タッチパネル124への入力操作を検出したか否かを判定する。タッチパネル124への入力操作を検出した場合(S101;YES)、処理がS102に進む。タッチパネル124への入力操作を検出しない場合(S101;NO)、処理が終了する。この場合、
図5の動作フローが繰り返し実行される。
【0030】
S102では、制御部102は、タッチパネル124から取得した情報に基づいて、タッチパネル124に対する操作の態様を判定する。制御部102は、例えば、いずれかの折り曲げ領域または当該折り曲げ領域の周辺の位置において、接触状態を検出する時間が所定値未満の場合に、折り曲げ領域の当該位置においてタップ操作がされたと判定する。当該折り曲げ領域の周辺の位置とは、例えば、折り曲げ領域から5mm以内の位置である。また、制御部102は、いずれかの折り曲げ領域のある位置から当該折り曲げ領域に沿って、接触位置が移動した場合に、当該折り曲げ領域に対するスライド操作と判定する。また、制御部102が検出する操作は、いずれかの平面領域のタッチパネル124に対する操作であってもよい。
【0031】
図6は、ディスプレイ122に表示されるスライドバーの例を示す図である。
図6の例では、第2折り曲げ領域312の周囲が示されている。
図6の例では、第2折り曲げ領域312に沿って、エアコンの風量を調節するスライドバー401が表示されている。また、スライドバー401の中には、スライダ402が表示されている。制御部102は、利用者が第2折り曲げ領域312に沿って指等を接触させたまま移動させる操作(つまり第2折り曲げ領域312に沿ってなぞる操作)を検出した場合、風量を上げたり下げたりする。同時に、スライドバー401上のスライダ402を移動させる。さらに、風量の上げ下げに追随するように、第3平面領域303に表示されている風量の表示情報を変更する。これによって利用者は指先等の感覚でスライドバー401を操作して、第3平面領域303に表示されている機能(この例ではエアコンの風量調節機能)の設定値(つまり風量)をディスプレイ122を注視しなくても容易に調節することが出来る。なお、スライドバー401及びスライダ402は必ずしも表示させなくてもよいし、スライダ402だけ表示してもよい。
【0032】
図7は、ディスプレイ122に表示されるスライドバーの例を示す図である。
図7の例では、第3折り曲げ領域313の周囲が示されている。
図7の例では、第3折り曲げ領域313に沿って、エアコンの設定温度を調節するスライドバー411が表示されている。また、スライドバー411の中には、スライダ412が表示されている。制御部102は、利用者が第3折り曲げ領域313に沿って指等を接触されたまま移動させる操作(つまり第3折り曲げ領域313に沿ってなぞる操作)を検出した場合、設定温度を上げたり下げたりする。同時に、スライドバー411上のスライダ412を移動させる。さらに、設定温度の上げ下げに追随するように、第4平面領域304に表示されている設定温度の表示情報を変更する。これによって利用者は先等の感覚でスライドバー411を操作して、第4平面領域304に表示されている機能(この例ではエアコンの温度設定機能)の設定値(つまり設定温度)をディスプレイ122を注視しなくても容易に調節することが出来る。なお、スライドバー411及びスライダ412は必ずしも表示させなくてもよいし、スライダ412だけ表示してもよい。
【0033】
他の例として、第2折り曲げ領域312(第3折り曲げ領域313)に沿って、再生コンテンツの音量を調節するスライドバー401(411)及びスライダ402(412)が表示されていてもよい。この場合、制御部102は、利用者が第2折り曲げ領域312(第3折り曲げ領域313)に沿って指等を接触されたまま移動させる操作(つまり第2折り曲げ領域312(第3折り曲げ領域313)に沿ってなぞる操作)を検出した場合、再生コンテンツの音量を上げたり下げたりする。同時に、スライドバー401(411)上のスライダ402(412)を移動させる。さらに、音量の上げ下げに追随するように、第3平面領域303(第4平面領域304)に表示されている音量の表示情報を変更する。これによって利用者は指先等の感覚でスライダ402(412)を操作して、第3平面領域303(第4平面領域304)に表示されている機能(この例ではコンテンツの再生音量の調整機能)の設定値(つまり音量設定値)をディスプレイ122に視線を向けなくても容易に調節することが出来る。なお、スライドバー401(411)及びスライダ
402(412)は必ずしも表示させなくてもよいし、スライダ402(412)だけ表示してもよい。
【0034】
図8は、ディスプレイ122に表示されるシークバー、ボタンの例を示す図である。
図8の例では、第1折り曲げ領域311、第3折り曲げ領域313の周囲が示されている。
図8の例では、第3折り曲げ領域313に沿って、コンテンツの一時停止をするボタン501、コンテンツのスキップをするボタン502、が表示されている。第1折り曲げ領域311には、コンテンツの再生位置を示すシークバー503が表示されている。また、シークバー503には、再生位置を変更するスライダ504が表示されている。制御部102は、利用者がボタン501が表示される位置に指等を接触させる操作を検出した場合、再生されているコンテンツを一時停止し、ボタン501を押したことを示す表示(例えば、反転表示)をする。また制御部102は、利用者が、ボタン502が表示される位置に指等を接触させる操作を検出した場合、再生されているコンテンツをスキップし、ボタン502を押したことを示す表示(例えば、反転表示)をする。
【0035】
さらに、制御部102は、利用者が第1折り曲げ領域311に沿って指等を接触させたまま移動させる操作(つまり第1折り曲げ領域311に沿ってなぞる操作)を検出した場合、再生中のコンテンツを進めたり巻き戻したりする。同時にシークバー503上のスライダ504を移動させる。このとき、表示部は制御部が検出した操作に合わせて、第1平面領域301に表示される再生中のコンテンツと、第2平面領域302に表示される再生中のコンテンツに関する情報の内容を変更する。これによって利用者は指先等の感覚でシークバー503を操作して、第1平面領域301や第2平面領域302に表示されている機能(この例ではコンテンツの再生機能)を、ディスプレイ122を注視しなくても容易に制御して再生コンテンツを早送りや巻き戻し、一時停止、もしくはスキップすることが出来る。なお、シークバー503及びスライダ504は必ずしも表示させなくてもよいし、スライダ504だけ表示させてもよい。
【0036】
S103では、制御部102は、S102で検出した操作態様に基づいて、所定の処理を行う。例えば、
図6のように表示されるスライドバー401に対して利用者が、スライダ402が表示される位置に指等を接触させ移動させた場合、制御部102は、検出した接触位置に追随するように、第2折り曲げ領域312及びその周辺のスライダ402の画像を移動させて表示する。また、制御部102は、移動させた位置に基づく風量となるように、通信IF108等を介して、エアコンに指示をする。また、
図7のように表示されるスライドバー411に対して利用者が、スライダ412が表示される位置に指等を接触させ移動させた場合、制御部102は、検出した接触位置に追随するように、第3折り曲げ領域313及びその周辺のスライダ412の画像を移動させて表示する。また、制御部102は、移動させた位置に基づく設定温度となるように、通信IF108等を介して、エアコンに指示をする。さらに、
図8のように表示されたコンテンツの一時停止を示すボタン501に対して利用者が、ボタン501が表示される位置に指等を所定時間、接触させた場合、制御部102は、検出した接触位置のボタン501を押したことを示す表示(例えば反転表示)をする。また、制御部102は、再生中のコンテンツを一時停止するように、制御する。これにより、利用者の操作により、処理の処理が行われる。これにより、タッチパネル124に対する利用者の指等の接触が、タッチパネル124に対する利用者による操作として制御部102によって受け付けられる。また、制御部102は、ディスプレイ122に表示している内容(再生機能、エアコン調節機能などの機能)に応じた操作を受け付けることができる。
【0037】
(変形例1)
助手席または運転席に乗員が存在しない場合は、助手席に向けた平面領域、運転席に向けた平面領域の表示を行わなくてもよい。
【0038】
この場合、車載装置100の制御部102は、通信IF108を介して、車両制御装置200に、助手席または運転席に着席する乗員が存在するか否かを判定できる情報(着席状況)を要求する。助手席または運転席に着席する乗員が存在するか否かを判定できる情報は、例えば、助手席及び運転席に設置される重量センサが示す重量の情報である。当該重量センサは、助手席及び運転席の着席面に設置され、着席面にかかる重量を測定する。ここでは、車両の助手席または運転席に着席する乗員が存在するか否かを判定できる情報は、当該重量の情報であるとする。車両制御装置200は、車載装置100から要求を受信すると、重量センサにより、助手席及び運転席の着席面にかかる重量を測定する。車両制御装置200は、測定した重量の情報を車載装置100に送信する。車載装置100の制御部102は、通信IF108を介して、車両制御装置200から重量の情報を取得する。
【0039】
制御部102は、助手席または運転席の当該重量が所定値(例えば、30kg)以上であるとき、助手席または運転席に着席する乗員が存在すると判定する。制御部102は、当該重量が所定値(例えば、30kg)未満であるとき、助手席または運転席に着席する乗員が存在しないと判定する。このとき、助手席または運転席には、何もないか、乗員ではない物などが置かれていると考えられる。助手席に着席する乗員が存在しない(着席していない)と判定した場合、制御部102は、助手席に向いたディスプレイ122の第3平面領域303の表示を中止する。運転席に着席する乗員が存在しない(着席していない)と判定した場合、制御部102は、運転席に向いたディスプレイ122の第4平面領域304の表示を中止する。これにより、無用な表示をなくすことができる。制御部102は、シートベルトの使用により助手席又は運転席に着席する乗員の有無を判定してもよいし、車内カメラの映像から判定してもよい。判定の手段はこれらに限られないものとする。
【0040】
(変形例2)
車両が走行中の場合は、運転席に向けた平面領域の表示を行わなくてもよい。
【0041】
この場合、制御部102は、通信IF108を介して、車両制御装置200に、車両の速さ(走行スピード)の情報を要求する。車両制御装置200は、車載装置100から要求を受信すると、車両の速さの情報を取得する。車両制御装置200は、取得した車両の速さの情報を車載装置100に送信する。車載装置100の制御部102は、通信IF108を介して、車両制御装置200から車両の速さの情報を取得する。
【0042】
制御部102は、車両の速さが所定値(例えば、1km/h)以上である場合、車両が走行していると判定する。車両が走行していると判定した場合、制御部102は、運転席に向いたディスプレイ122の第4平面領域304の表示を中止する。これにより、運転者による運転中の操作を抑制する。なお、表示がなくても操作は受け付けても良い。
【0043】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態の車載装置100は、曲面の表示面である第1折り曲げ領域311等を含むディスプレイ122を備える。また、ディスプレイ122には、曲面の表示面である第1折り曲げ領域311等に沿ってタッチパネル124が設けられる。当該曲面は、平面でないため、指などの接触によって、操作位置を認識しやすい。よって、利用者は、操作を行い易くなる。第1折り曲げ領域311等には、所定の機能(再生機能、エアコン調節機能など)を操作するためのボタン、スライドバーなどが配置される。また、曲面に設けられるタッチパネル124により、ボタンなどに対する入力操作を行うことができる。このため、ディスプレイ122に視線を向けなくても、手探りで操作をできるようになる。このため、車両の運転者が運転中にディスプレイ122に視線を向けることを抑制することが
できる。また、第2折り曲げ領域312等によって第3平面領域303は、助手席に向けられるため、助手席における第3平面領域303の視認性が向上する。同様に、第3折り曲げ領域313等によって第4平面領域304は、運転席に向けられるため、運転席における第4平面領域304の視認性が向上する。また、ディスプレイ122が操作を受け付ける折り曲げ領域を有することで、折り曲げ領域に指等を接触させても、ディスプレイ122の表示画面が隠れにくくなり、ディスプレイ122の視認性が向上する。
【0044】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以上の構成例、変形例は、可能な限りこれらを組み合わせて実施され得る。
【符号の説明】
【0045】
1 :車載システム
10 :車載システム
100 :車載装置
102 :制御部
104 :記憶部
106 :入出力IF
108 :通信IF
122 :ディスプレイ
124 :タッチパネル
200 :車両制御装置
301 :第1平面領域
302 :第2平面領域
303 :第3平面領域
304 :第4平面領域
311 :第1折り曲げ領域
312 :第2折り曲げ領域
313 :第3折り曲げ領域
401 :スライドバー
402 :スライダ
411 :スライドバー
412 :スライダ
501 :ボタン
502 :ボタン
503 :シークバー
504 :スライダ