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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107744
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】無人監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240802BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240802BHJP
   G07C 9/37 20200101ALI20240802BHJP
   G07C 9/38 20200101ALI20240802BHJP
   G07C 9/27 20200101ALI20240802BHJP
【FI】
G08B25/04 F
H04N7/18 D
G07C9/37
G07C9/38
G07C9/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011833
(22)【出願日】2023-01-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日:令和4年6月13日、販売場所:PayPayカード株式会社 福岡本社(福岡市博多区博多駅前四丁目21番26号)、公開者:株式会社ワイエフテクノ
(71)【出願人】
【識別番号】310016278
【氏名又は名称】株式会社ワイエフテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】藤山 英明
【テーマコード(参考)】
3E138
5C054
5C087
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138JA01
3E138JB12
3E138JB16
3E138JC01
3E138JD03
5C054CD03
5C054CE16
5C054CF06
5C054CG02
5C054FE11
5C054FE28
5C054HA18
5C087AA02
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA19
5C087DD06
5C087DD20
5C087DD23
5C087DD31
5C087DD49
5C087EE14
5C087EE15
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】人の通行等に関する無人監視をより利便性高く実施可能な、無人監視システムを提供する。
【解決手段】無人検査室に設置する検査部10と、無人検査室の入口および出口のうち少なくとも何れか一方についての施解錠を行う施解錠部20と、無人検査室の外に存する監視担当者が操作可能であって、ソフトウェアによって生成される施解錠信号を送信可能な処理部30、および物理スイッチによって生成される施解錠信号を送信可能な強制部40と、を少なくとも具備する。施解錠部20は、検査部10、処理部30および強制部40のそれぞれから送信される施解錠信号に基づいて、無人検査室の入口およびまたは出口の施解錠を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人検査室に設置する、検査部と、
前記無人検査室の入口および出口のうち少なくとも何れか一方についての施解錠を行う、施解錠部と、
前記無人検査室の外に存する監視担当者が操作可能な、処理部および強制部と、
を少なくとも具備し、
前記検査部は、
前記無人検査室に入室した検査対象者の検査作業と、前記施解錠部に対し、施解錠信号を送信可能な機能を少なくとも有し、
前記処理部は、
前記施解錠部に対し、ソフトウェアによって生成される施解錠信号を送信可能な機能を少なくとも有し、
前記強制部は、
前記施解錠部に対し、物理スイッチによって生成される施解錠信号を送信可能な機能を有し、
前記施解錠部は、
前記検査部、前記処理部および前記強制部のそれぞれから送信される施解錠信号に基づいて、前記入口およびまたは前記出口の施解錠を行う機能を少なくとも有することを特徴とする、
無人監視システム。
【請求項2】
前記無人検査室に設置する、通話部および撮影部を更に具備し、
前記検査部は、前記検査対象者の検査結果がNGの場合に、前記処理部にアラーム信号を送信する機能を有し、
前記処理部は、
前記アラーム信号の受信後に、アラーム通知画面を表示する機能と、
前記アラーム通知画面に表示される通話ボタンの選択によって、前記通話部を介して、前記検査対象者との通話を可能とする機能と、
前記アラーム通知画面に表示される映像ボタンの選択によって、前記撮影部による撮影映像を画面表示する機能と、
前記撮影部を遠隔操作する機能と、
を少なくとも有することを特徴とする、
請求項1に記載の無人監視システム。
【請求項3】
前記検査部が、金属探知機、X線検査機、生体認証機、カード認証機、液体検査機および可燃物検査機のうち少なくとも何れか1つ或いはこれらの組合せからなることを特徴とする、
請求項1に記載の無人監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス、商業施設、文化施設、公共交通機関等の各種施設において、人の通行や入退の可否に係る監視業務を非対面式で実現するための無人監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、商業施設、文化施設、公共交通機関等の各種施設では、各種の検査部(金属探知機、カード認証、生体認証など)を用いて、所定のエリアへの通行や入退(以下、「通行等」ともいう。)の管理を行っている。
通常、検査部の周辺には監視担当者を常駐させておき、検査部による検査結果がNGだった場合に、監視担当者による声がけとともに、身体検査、持ち物検査、検査部での再検査などを適宜行って、最終的な通行等の可否を判断している。
【0003】
近年、感染症の拡大予防の観点や、人員削減等の観点等から、これらの検査業務を、無人または非対面型で実現する技術の開発が進んでいる。
例えば、特許文献1には、警備員等の監視員が存在しない状況で入退を管理するシステムとして、ゲート装置を通過するユーザの顔の体温を測定し、入室可能な体温を有するユーザを一人ずつ入室させる、入退管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-55955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような非対面式の無人監視の実施において、以下に記載する改善点のうち、少なくとも何れか1つの改善点が考えられる。
(1)監視担当者の作業性の向上
検査結果がNGだった際の、監視担当者と検査対象者との非対面でのやりとりをできる限り簡略化することで、監視担当者の操作の不慣れ等による作業の遅延等を防止し、監視担当者による、検査対象者一人当たりの対応時間を短縮化したい。
(2)不具合発生時の対応策
検査結果がOKだった場合にもかかわらず、通信環境の不調や、システムを構成する各装置の不具合や故障等によって、検査対象者の通行等が妨げられる事態が生じたときに、通行できない検査対象者の不満が蓄積しやすく、また検査対象者一人当たりの対応時間も長期化してしまう。
(3)検査対象者の問題行動の抑制
無人環境下で検査結果がNGだった際の検査対象者の振る舞いが、有人環境下のそれと比べて攻撃的になる傾向がある(例:大声を出す、検査機を破損する、等)。このような検査対象者の問題行動によって、監視業務に支障をきたす場合がある。
【0006】
よって、本発明は、人の通行等に関する無人監視を、より利便性高く実施可能な手段の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべくなされた本願発明は、無人検査室に設置する、検査部と、前記無人検査室の入口および出口のうち少なくとも何れか一方についての施解錠を行う、施解錠部と、前記無人検査室の外に存する監視担当者が操作可能な、処理部および強制部と、を少なくとも具備し、前記検査部は、前記無人検査室に入室した検査対象者の検査作業と、前記施解錠部に対し、施解錠信号を送信可能な機能を少なくとも有し、前記処理部は、前記施解錠部に対し、ソフトウェアによって生成される施解錠信号を送信可能な機能を少なくとも有し、前記強制部は、前記施解錠部に対し、物理スイッチによって生成される施解錠信号を送信可能な機能を有し、前記施解錠部は、前記検査部、前記処理部および前記強制部のそれぞれから送信される施解錠信号に基づいて、前記入口およびまたは前記出口の施解錠を行う機能を少なくとも有することを特徴とする。
また、本願発明は、前記発明において、前記無人検査室に設置する、通話部および撮影部を更に具備し、前記検査部は、前記検査対象者の検査結果がNGの場合に、前記処理部にアラーム信号を送信する機能を有し、前記処理部は、前記アラーム信号の受信後に、アラーム通知画面を表示する機能と、前記アラーム通知画面に表示される通話ボタンの選択によって、前記通話部を介して、前記検査対象者との通話を可能とする機能と、前記アラーム通知画面に表示される映像ボタンの選択によって、前記撮影部による撮影映像を画面表示する機能と、前記撮影部を遠隔操作する機能と、を少なくとも有するよう構成することができる。
また、本願発明は、前記発明において、前記検査部が、金属探知機、X線検査機、生体認証機、カード認証機、液体検査機および可燃物検査機のうち少なくとも何れか1つ或いはこれらの組合せからなるよう構成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下に記載する効果のうち、少なくとも何れか1つの効果を奏する。
(1)検査部による検査結果がNGとなり、通行等が許可されなかった場合であっても、通行等の許可に向けた支援(通話、再検査、持ち込み物の確認など)を、非対面状態のままで実施することができる。したがって、検査結果がNGとなった検査対象者の振るまいが攻撃的になった場合であっても、監視担当者の身体に危険が及ぶこともない。
(2)監視担当者が操作可能な、入口およびまたは出口の施解錠を制御可能な手段を、ソフトウェア経由によるものと物理スイッチによるものとで二種類用意することで、一方の不調等が発生した場合や、監視対象者がソフトウェア操作に不慣れな者である場合等にも、検査結果がNGとなった検査対象者への支援が滞ることがない。
(3)監視担当者は、自己が使用するPCなどの情報処理端末を処理部として用いて監視作業を行うことができるため、監視作業を行う場所を問わない。
(4)検査結果がNGの場合に、監視担当者が使用する情報処理端末等に自動的にアラームが通知されて、情報処理端末の画面上に表示されるアラーム通知画面から、検査対象者の支援作業(通話、映像確認、施解錠作業)へとスムーズに移行することができるため、監視作業の利便性が高く、また検査対象者一人当たりの対応時間を短縮化することもできる。
(5)検査結果がNGとなった場合に、無人検査室の入口及び出口を施錠することで、検査対象者を完全に閉塞した空間に閉じ込めることができるため、高い防犯効果を求められる警備用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る無人監視システムの全体構成を示す概略図。
図2】トップ画面のイメージ図。
図3】施解錠設定画面のイメージ図。
図4】アラーム通知画面のイメージ図。
図5】通話画面のイメージ図。
図6】映像確認画面のイメージ図。
図7】使用状態での具体的なシステム構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【実施例0011】
<1>前提(図1
本発明に係る無人監視システムは、オフィス、商業施設、文化施設、公共交通機関等の各種施設において、人の通行等の可否を無人検査するために使用するシステムであり、より詳細には、無人検査室で検査対象となる者(検査対象者)の検査を適宜実施し、検査結果がNGとなった場合に、無人検査室の外で検査状況を監視する者(監視対象者)が適宜非対面式で検査対象者の支援を行うものである。
【0012】
<1.1>無人検査室
「無人検査室」とは、検査対象者が検査を受けるための空間である。
本発明における「無人検査室」は、入口および出口となる二箇所の扉を設けた部屋や、入口や出口として機能する通路を有する解放空間などを想定し、無人検査室そのものの閉塞の如何は特段限定しない。
また、本発明において、無人検査室に一箇所設けた扉や通路を、出入口として兼用する構成であってもよい。
【0013】
<1.2>無人検査室の外
「無人検査室の外」とは、監視担当者が存する空間である。
本発明における「無人検査室の外」は、無人検査室との間での空間の隔たりの程度の大小を限定するものではなく、検査工程において検査対象者と監視担当者とが対面での接触を回避できる場所であればよく、特に監視担当者が複数の無人検査室を担当できる環境であれば好ましい。
したがって、「無人検査室の外」の一例としては、一室をパーティション等で区切り、一方の空間を無人検査室とした場合の他方の空間や、無人検査室を設けた施設内に別途設けてある中央監視室や、勤務中の監視担当者の所在地(自席、出張先、在宅勤務地、監視担当者の派遣元の警備会社で用意した管制室)などが挙げられる。
【0014】
<1.3>システム構成
本実施例に係る無人監視システムは、図1に示すように、検査部10、施解錠部20、処理部30、強制部40、通話部50、および撮影部60を具備している。
これらの各要素は、それぞれを別の装置で構成しても良いし、一つの装置で任意の組合せの各要素を兼用するように構成しても良い。
【0015】
<2>検査部(図1
検査部10は、無人検査室に設置して、検査対象者の通行等の可否を検査するための要素である。
検査部10は、検査対象者の検査結果に基づいて、施解錠装置に対し、無人検察室の入口およびまたは出口の施解錠を制御する信号(施解錠信号)を送信する機能を有する。
【0016】
<2.1>検査部の具体例
本発明において、検査部10は、金属探知機、X線検査機、生体認証機、カード認証機、液体検査機および可燃物検査機のうち少なくとも何れか1つ或いはこれらの組合せで構成することができる。
【0017】
<3>施解錠部(図1
施解錠部20は、検査部10、処理部30および強制部40のそれぞれから送信される施解錠信号を受信して、無人検査室の入口およびまたは出口の施解錠を行うための要素である。
本発明において、施解錠部20の種類等は特段限定しないが、例えば無人検察室に設けている扉、ドア、ゲート、シャッター等に予め組み込まれている電子錠に接続されている制御盤等を用いることができる。
【0018】
<4>通話部(図1
通話部50は、無人検査室に留まる検査対象者と、無人検査室外に存する監視担当者との間での通話を可能とするための要素である。
通話部50は、無人検査室の壁や机等に設置しておき、検査対象者の使用に供される。
通話部50は、マイク機能およびスピーカー機能を有するものであれば如何なる装置を用いてもよく、固定電話、携帯電話、スマートフォン、タブレット、PC、インターホン、監視カメラなど種々の装置を用いることができる。
【0019】
<5>撮影部(図1
撮影部60は、無人検査室の室内を撮影するための要素である。
撮影部60は、無人検査室の壁、天井、机等に設置しておき、無人検査室外に存する監視担当者の使用に供される。
撮影部60は、カメラ機能を有するものであれば如何なる装置を用いてもよく、ドームカメラ、PTZカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、PC、テレビドアホンなど種々の装置を用いることができる。
【0020】
また、本発明において、無人検査室内での撮影部60の数は特段限定せず、無人検査室の広さ、撮影ポイントの数、撮影部60の画角等に応じて、適宜設計すればよい。
【0021】
<6>強制部(図1
強制部40は、施解錠部20に対し、物理スイッチによって生成される施解錠信号を送信するための要素である。
この物理スイッチとは、ボタン式、レバー式などの人の操作による物理入力に利用される種々の操作用スイッチを用いることができる。
強制部40は、無人検査室の外に存する監視担当者の使用に供される。
【0022】
<7>処理部(図1
処理部30は、無人検査室の外に存する監視担当者の操作によって、各種の機能を発揮する要素である。
処理部30は、後述する各機能を発揮するためのソフトウェアを実行可能な情報処理装置(デスクトップPC、ノートPC、タブレット、スマートフォンなど)によって実現することができる。
後述する各機能を実現するハードウェアおよびソフトウェアは、それぞれの機能毎に別々に用意してもよいし、任意の組合せ毎に用意してもよい。
【0023】
<7.1>トップ画面(図2
図2は、処理部30によって画面表示されるトップ画面31のイメージ図である。
監視担当者は、このトップ画面31や、画面上に新たに表示される通知画面等から適宜操作を行うことで、監視作業を行うことができる。
以下、処理部30が発揮する各機能の詳細について説明する。
【0024】
<7.2>施解錠信号送信機能(図3
本機能は、施解錠部20に対し、無人検査室に設けた入口およびまたは出口の施解錠を行うための施解錠信号を生成・送信する機能である。
図3は、図2に係るトップ画面31に表示される「ドアとエレベータ」の文字が付されたボタンを選択した後に表示される施解錠設定画面32のイメージ図である。
図3に係る施解錠設定画面32では、二つの検査室(第1検査室、第2検査室)の入口および出口のアイコンが表示されている。このアイコンを右クリックして新たに表示されるメニューに表示される項目を選択することで、選択内容に沿った施解錠信号を、選択したアイコンに対応する施解錠装置に送信する。
各メニューに表示される項目に係る施解錠信号の内容の詳細を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
<7.3>アラーム通知画面表示機能(図4
本機能は、検査部10によって検査結果がNGとなった場合に、検査部10から送信されるアラーム信号を受信して、アラーム通知画面33を表示する機能である。
図4は、図2に係るトップ画面31とは別に、新たにポップアップ表示されるアラーム通知画面33のイメージ図である。
図4に係るアラーム通知画面33では、第1検査室で検査結果のNGが発生した場合を想定しており、画面左側に、検査結果がNGとなった検査部10を設置する検査室の名称や、検査時刻、その他の各種情報を表示する詳細情報欄331を設け、画面右側に、検査結果がNGとなった検査室に設置した撮影部60による撮影映像を表示する、第1の表示欄332と、通話ボタン333および映像ボタン334を配置している。
本発明において、第1の表示欄332で表示する撮影映像の態様は特段限定せず、例えば、検査結果のNG時点での静止映像であってもよいし、検査結果のNG時点の前後の動画映像であってもよいし、現在のリアルタイムな動画映像であってもよい。
通話ボタン333は、検査結果がNGとなった検査対象者との通話を開始するための通話画面34を別途表示させるボタンであり、映像ボタン334は、検査室に設けた撮影部60から異なる撮影映像を確認するための映像確認画面35を別途表示させるボタンである。
【0027】
<7.4>通話機能(図5
本機能は、無人検査室に配置した通話部50を介して、検査対象者との通話を可能とする機能である。
図5は、図4に係るアラーム通知画面33に設けた通話ボタン333を選択した後に表示される通話画面34のイメージ図である。
図5に係る通話画面34では、検査結果のNGが発生した第1検査室に、通話部50が二種類配置されており、何れの通話部50(「マイクNO.1」「マイクNO.2」)を使用するかを選択可能に構成しつつ、「マイクNO.2」を選択した状態で、検査対象者との通話を行っている状態を示している。
このとき、処理部30側でもカメラ機能を設けている場合には、検査対象者と、監視担当者との通話を、いわゆるテレビ電話形式で行ってもよい。
検査対象者との間での事情説明や再検査前の準備の案内などの支援を行ったあとは、停止ボタンを選択して通話を終了させる。
【0028】
<7.5>撮影映像表示機能・遠隔操作機能(図6
本機能は、無人検査室に配置した撮影部60による、無人検査室内の映像を確認する機能である。
図6は、図4に係るアラーム通知画面33に設けた映像ボタン334を選択した後に表示される映像確認画面35のイメージ図である。
図6に係る映像確認画面35では、画面右側に、検査結果のNGが発生した第1検査室に配置されてある撮影部60によるリアルタイムの撮影映像を表示する第2の表示欄353が二種類設けてある。この二つの第2の表示欄353は、異なる撮影部60によるものであっても良いし、一つの撮影映像から、特定の箇所をズームした部分をトリミングして個別表示するものであってもよい。
【0029】
映像確認画面35の画面左側には、画面右側に表示される、二つの第2の表示欄353の中から、監視対象が選択した何れか一方の第2の表示欄353の撮影映像の提供元となる撮影部60の向きや画角を遠隔操作するための操作欄351と、予め所定の向きや画角を設定しておいた複数のプリセットから任意のプリセットを選択するための選択欄352を設けている。
図6では、監視担当者が下方の第2の表示欄353を選択し、選択した第2の表示欄353に表示される撮影映像の向きや画角を、予め設定されている「プリセットNO.2」に指定した状態を示している。
【0030】
<8>使用例1(図7
次に、本発明に係る無人監視システムの使用例について説明する。
【0031】
<8.1>システム構成(図7
図7は、本発明に係る無人監視システムの使用状態での具体的なシステム構成を示す概略図である。
無人検査室Aは、検査対象者Xの入退に使用される入口A1および出口A2を備えた個室状を呈し、内部に金属探知機A3、ドームカメラA4、PTZカメラA5、タブレットA6、トレイA7などを設置している。
監視室Bには、監視担当者Yが使用する情報処理端末B1および操作スイッチB2を設けている。
また、図7では図示を省略しているが、無人検査室Aの入口A1や出口A2に設けた電子錠を制御可能な制御盤や、各装置と情報の送受信を可能とするためのサーバなどを適宜設ける。なお、制御盤やサーバなどの設置箇所は、検査対象者Xによるいたずらなどを防ぐ観点から、無人検査室A以外の場所としておくことが好ましい。
その他、検査対象者Xの無人検査室Aへの入室の可否を示すランプを設けるなどしてもよい。
【0032】
図7に示すシステム構成について、本発明に係る各部との対応関係は、以下の表2の通りとなる。
【0033】
【表2】
【0034】
<8.2>監視手順(図7
次に、本システムを用いた監視作業の流れの一例について説明する。
【0035】
(1)前提
本例では、従業員である検査対象者Xが社内の保安領域に入室する際に、携帯電話などの持ち込みを防止すべく、無人検査室Aに設置した金属探知機を用いて監視を行う場合を想定する。
監視室Bでは、監視担当者Yが常駐しており、複数の無人検査室Aを受け持つ形で、適宜、ドームカメラA4や、PTZカメラA5の撮影映像等を情報処理端末B1で確認するなどして、無人検査室Aで不正な検査が行われていないかどうかの監視を行いつつ、金属探知機A3からのアラーム通知に備えて待機している。
【0036】
(2)入室・検査
検査対象者Xは、入口A1から、一人ずつ無人検査室Aに入室する。
このとき、少なくとも出口A2は施錠状態を維持している。入口A1は検査対象者Xの入室後に施錠してもよいし、解錠したままであってもよい。
【0037】
(3)検査OKの場合
検査対象者Xによる金属探知機A3の通過時に金属探知の反応が無い場合には、金属探知機A3からの施解錠信号により出口A2を解錠して、保安領域への検査対象者Xの入室を許可する。
出口A2では、解錠から所定時間経過後に自動で施錠する設定を行ったり、一度、出口A2の開閉が行われたあとに、自動で施錠する設定を行ったりすることができる。
また、入口A1を検査対象者Xの入室時に施錠状態としている場合には、検査対象者Xが無人検査室Aの出口から退室したことを検知して、入口A1を解錠した状態として、次の検査対象X者の入室を受け入れるように構成してもよい。
このように、監視担当者Yは、無人検査室Aの検査作業や、入口A1や出口A2の施解錠に特段の意識を向けることなく、着実に無人検査室Aでの監視作業が行われていくことになる。
【0038】
(4)検査NGの場合
金属探知の反応があった場合には、金属探知機A3からのアラーム信号により、監視担当者Yが使用する情報処理端末B1へと通知が行われる。
このとき、出口A2は施錠したままとする。入口A1は施錠・解錠を問わない。
監視担当者Yは、情報処理端末B1を用いて無人検査室Aの状況を映像で確認し、必要に応じて、PTZカメラA5やタブレットA6を介して検査対象者と通話を実施したり、ドームカメラA4やPTZカメラA5を遠隔操作して無人検査室Aに用意してあるトレイA7の撮影映像を確認しながら、検査対象者Xの持ち込み物の確認を実施したり、金属探知機A3による再検査を促したりなどの支援を行う。
監視担当者Yによる支援の結果、保安領域への検査対象者Xの入室を許可できる状況に至った際には、金属探知機A3、情報処理端末B1のソフトウェアからの指示、または操作スイッチB2からの押下指示の何れかの作業によって、出口A2の解錠操作を実施する。
【0039】
<9>使用例2(図示せず)
本発明に係る無人監視システムを、高い防犯効果が求められる用途で使用する場合には、無人検査室Aを、入口A1および出口A2を除いて完全に閉塞した空間とし、検査対象者Xが無人検査室Aに入室した後、直ちに入口A1も施錠状態としておくこともできる。
この場合、仮に検査対象者Xの検査結果がNGとなった際に、検査対象者Xを無人検査室A内に閉じ込めた状態を作ることができるため、検査対象者Xの逃走を防止することができる。
【符号の説明】
【0040】
10:検査部
20:施解錠部
30:処理部
31:トップ画面
32:施解錠設定画面
33:アラーム通知画面
331:詳細情報欄
332:第1の表示欄
333:通話ボタン
334:映像ボタン
34:通話画面
35:映像確認画面
351:操作欄
352:選択欄
353:第2の表示欄
40:強制部
50:通話部
60:撮影部
A:無人検査室
A1:入口
A2:出口
A3:金属探知機
A4:ドームカメラ
A5:PTZカメラ
A6:タブレット
A7:トレイ
B:監視室
B1:情報処理端末
B2:操作スイッチ
X:検査対象者
Y:監視担当者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7