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特開2024-107762照明制御システム、制御装置、照明装置、設定装置およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107762
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】照明制御システム、制御装置、照明装置、設定装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20240802BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240802BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20240802BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/105
H05B47/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011856
(22)【出願日】2023-01-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.DALI
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】稲村 公孝
(72)【発明者】
【氏名】松本 豊明
(72)【発明者】
【氏名】小林 瑞樹
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273PA06
3K273QA07
3K273QA11
3K273QA29
3K273QA37
3K273RA02
3K273RA05
3K273RA12
3K273TA03
3K273TA11
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】 予め設定されたスケジュールにしたがって点灯する照明装置と強制的に照明制御された照明装置との調色値の乖離状態を抑制することが可能な照明制御システム、制御装置、照明装置、設定装置およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 照明制御システムA1は、複数の照明装置Lと、制御装置Ctと、操作装置Swと、通信ネットワークCn1と、を備え、操作装置Swは、ユーザ操作に応じて操作情報信号SCを生成し、かつ送信し、制御装置Ctは、予め設定されたスケジュール情報ISに応じて照明制御信号SLを生成し、且つ送信し、複数の照明装置Lの照明制御では、スケジュール情報ISの調光値よりも操作情報信号SCの調光値が優先され、操作情報信号SLの調色値よりもスケジュール情報ISの調色値が優先される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明装置と、
制御装置と、
操作装置と、
前記制御装置および前記複数の照明装置が属する通信ネットワークと、を備え、
前記操作装置は、ユーザ操作に応じて操作対象となる前記照明装置の識別情報、調光値および調色値を含む操作情報信号を生成し、かつ送信し、
前記制御装置は、予め設定されたスケジュール情報に応じて制御対象となる前記照明装置の識別情報、調光値および調色値を含む照明制御信号を生成し、且つ送信し、
前記複数の照明装置の照明制御では、
前記スケジュール情報の前記調光値よりも前記操作情報信号の前記調光値が優先され、
前記操作情報信号の前記調色値よりも前記スケジュール情報の前記調色値が優先される、
照明制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明制御システムに用いられる制御装置であって、
前記操作情報信号を受信した場合、前記操作情報信号の前記調光値と、前記スケジュール情報の調色値と、を含む前記照明制御信号を生成し、送信する、制御装置。
【請求項3】
前記操作情報信号を受信した場合、操作対象の前記照明装置について、前記操作情報信号の前記調色値と、前記スケジュール情報の前記調色値とが異なる場合に、前記照明制御信号を生成し、送信する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の照明制御システムに用いられる照明装置であって、
光源部、電源部、無線通信部および制御部を有し、
前記無線通信部が前記操作情報信号および前記照明制御信号を受信した場合に、前記制御部は、前記操作情報信号の前記調光値および前記照明制御信号の前記調色値を基づいて前記光源部および前記電源部の制御を行う、照明装置。
【請求項5】
請求項1に記載の照明制御システムに用いられる設定装置であって、
表示部、操作部、制御部、通信部および電源部を有し、
前記制御部は、前記操作部からの操作入力に応じて前記スケジュール情報を生成し、
前記通信部は、前記スケジュール情報を前記制御装置に送信し、
前記通信部は、前記複数の照明装置の照明状態を表すステータス信号を前記制御装置から受信し、
前記制御部は、前記スケジュール情報の前記調光値と前記ステータス信号の前記調光値とが異なる前記照明装置を、前記表示部において強調表示する、設定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の設定装置に実装されるプログラムであって、
前記制御部が、前記操作部からの操作入力に応じて、前記スケジュール情報を生成するステップと、
前記通信部が、前記スケジュール情報を前記制御装置に送信するステップと、
前記通信部が、前記複数の照明装置の照明状態を表すステータス信号を前記制御装置から受信するステップと、
前記制御部が、前記スケジュール情報の前記調光値と前記ステータス信号の前記調光値とが異なる前記照明装置を、前記表示部において強調表示するステップと、
を備える、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御システム、制御装置、照明装置、設定装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の照明装置を予め設定したスケジュールにしたがって照明制御するシステムが提案されている(たとえば、特許文献1)。同文献に開示された照明制御システムは、スケジュールに反して操作スイッチ等から強制的に点灯された照明装置の存在を、消費電力値から推定する。これにより、照明装置の意図しない点灯を抑制することが意図されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-079600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LED等を含む光源部を有する照明装置において、照明制御の制御項目が、調光値および調色値を含む場合がある。操作スイッチからの制御項目の入力によって照明装置の調色値がスケジュールにしたがった調色値と異なった場合、強制的に点灯された状態が解除されるまでの間、周囲の他の照明装置と異なる調色値で点灯し続け、ユーザに違和感を覚えさせることが懸念される。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、予め設定されたスケジュールにしたがって点灯する照明装置と強制的に照明制御された照明装置との調色値の乖離状態を抑制することが可能な照明制御システム、制御装置、照明装置、設定装置およびプログラムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される照明制御システムは、複数の照明装置と、制御装置と、操作装置と、前記制御装置および前記複数の照明装置が属する通信ネットワークと、を備え、前記操作装置は、ユーザ操作に応じて操作対象となる前記照明装置の識別情報、調光値および調色値を含む操作情報信号を生成し、かつ送信し、前記制御装置は、予め設定されたスケジュール情報に応じて制御対象となる前記照明装置の識別情報、調光値および調色値を含む照明制御信号を生成し、且つ送信し、前記複数の照明装置の照明制御では、前記スケジュール情報の前記調光値よりも前記操作情報信号の前記調光値が優先され、前記操作情報信号の前記調色値よりも前記スケジュール情報の前記調色値が優先される。
【0007】
本発明の第2の側面によって提供される制御装置は、本発明の第1の側面によって提供される照明制御システムに用いられる制御装置であって、前記操作情報信号を受信した場合、前記操作情報信号の前記調光値と、前記スケジュール情報の調色値と、を含む前記照明制御信号を生成し、送信する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記操作情報信号を受信した場合、操作対象の前記照明装置について、前記操作情報信号の前記調色値と、前記スケジュール情報の前記調色値とが異なる場合に、前記照明制御信号を生成し、送信する。
【0009】
本発明の第3の側面によって提供される照明装置は、本発明の第1の側面によって提供される照明制御システムに用いられる照明装置であって、光源部、電源部、無線通信部および制御部を有し、前記無線通信部が前記操作情報信号および前記照明制御信号を受信した場合に、前記制御部は、前記操作情報信号の前記調光値および前記照明制御信号の前記調色値を基づいて前記光源部および前記電源部の制御を行う。
【0010】
本発明の第4の側面によって提供される設定装置は、本発明の第1の側面によって提供される照明制御システムに用いられる設定装置であって、表示部、操作部、制御部、通信部および電源部を有し、前記制御部は、前記操作部からの操作入力に応じて前記スケジュール情報を生成し、前記通信部は、前記スケジュール情報を前記制御装置に送信し、前記通信部は、前記複数の照明装置の照明状態を表すステータス信号を前記制御装置から受信し、前記制御部は、前記スケジュール情報の前記調光値と前記ステータス信号の前記調光値とが異なる前記照明装置を、前記表示部において強調表示する。
【0011】
本発明の第5の側面によって提供されるプログラムは、本発明の第4の側面によって提供される設定装置に実装されるプログラムであって、前記制御部が、前記操作部からの操作入力に応じて、前記スケジュール情報を生成するステップと、前記通信部が、前記スケジュール情報を前記制御装置に送信するステップと、前記通信部が、前記複数の照明装置の照明状態を表すステータス信号を前記制御装置から受信するステップと、前記制御部が、前記スケジュール情報の前記調光値と前記ステータス信号の前記調光値とが異なる前記照明装置を、前記表示部において強調表示するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、予め設定されたスケジュールにしたがって点灯する照明装置と強制的に照明制御された照明装置との調色値の乖離状態を抑制することができる。
【0013】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムを示すシステム構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムを示す配置図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムに用いられる照明装置の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムに用いられる制御装置の一例を示すブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムに用いられる操作装置の一例を示すブロック図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムに用いられる操作装置の一例を示す正面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムに用いられる設定装置の一例を示すブロック図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法の一例を示すシーケンスダイアグラムである。
図9】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの照明制御スケジュールの一例を示す図ある。
図10】(a),(b)は、本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法における設定例および制御例を示す表である。
図11】(a),(b)は、本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法における設定例および制御例を示す表である。
図12】(a),(b)は、本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法における設定例および制御例を示す表である。
図13】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法における制御装置の動作例を示すフローチャートである。
図14】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの設定装置の動作例を示すフローチャートである。
図15】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの設定装置の画面表示例を示す図である。
図16】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの設定装置の画面表示例を示す図である。
図17】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの設定装置の画面表示例を示す図である。
図18】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法における制御装置の他の動作例を示すフローチャートである。
図19】本発明の第2実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法を示すシーケンスダイアグラムである。
図20】(a),(b)は、本発明の第2実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法における他の設定例および制御例を示す表である。
図21】(a),(b)は、本発明の第2実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法における他の設定例および制御例を示す表である。
図22】(a),(b)は、本発明の第2実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法における設定例および制御例を示す表である。
図23】本発明の第2実施形態に係る照明制御システムの照明制御方法における照明装置の動作例を示すフローチャートである。
図24】本発明の第3実施形態に係る照明制御システムを示すシステム構成図である。
図25】本発明の第3実施形態に係る照明制御システムの学習モデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
<第1実施形態>
図1図13は、本発明の第1実施形態に係る照明制御システムを示している。図1に示すように、本実施形態の照明制御システムA1は、複数の照明装置L、制御装置Ctおよび操作装置Swを備える。また、図示された例においては、照明制御システムA1は、設定装置Mdをさらに備える。ただし、照明制御システムA1は、設定装置Mdを備えていなくてもよい。
【0017】
〔照明装置L〕
複数の照明装置Lは、たとえば室内の照明に用いられ、天井、壁面、床面、出入口等の種々の箇所に設置される。また、照明装置Lは、屋外の照明に用いられる構成であってもよい。照明装置Lの具体的な形態は何ら限定されず、直管形照明や高天井照明、シーリングライト、ダウンライト、ベースライト、スポットライト等の種々の形態を適宜採用可能である。図2は、複数の照明装置Lがたとえば天井にマトリクス状に設置された例を示している。以降の説明においては、照明装置Lの一般的な構成を述べる場合に照明装置Lと称するとともに、複数の照明装置Lを区別する場合に照明装置L1・・・Ln等の符号を適宜用いる場合がある。図1および図2における複数の照明装置Lは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成、異なる形態であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数の照明装置Lが同一の構成である場合を例に説明する。また、図2においては、複数の照明装置Lが、複数の領域AR1,AR2,AR3にグループ化されている。
【0018】
図3は、照明装置Lのブロック図である。照明装置Lは、光源部11、制御部12、記憶部13、無線通信部14および電源部15を備える。
【0019】
光源部11は、照明装置Lにおいて発光機能を果たす部位である。光源部11の具体的構成は何ら限定されず、たとえば、基板と当該基板に列をなして搭載された複数のLED、複数の有機EL素子等とからなる。また、照明装置Lは、光源部11からの光を透過させる透明または半透明のカバー(図示略)を適宜有する。
【0020】
光源部11は、たとえば発する波長が互いに異なる複数種類のLEDを有する。複数種類のLEDを発光させる割合を調整することにより、光源部11は、様々な色温度の光を発することが可能である。光源部11は、たとえば昼光色(6500K)、昼白色(5000K)、温白色(3500K)、電球色(3000K)等の光を発する。
【0021】
制御部12は、たとえば制御装置Ctからの照明制御信号SLまたは操作装置Swからの操作情報信号SCに基づいて、光源部11および電源部15を制御することにより、照明装置Lの調色制御および調光制御を行うためのものである。制御部12の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部13は、制御部12の制御に必要な情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリからなる。なお、記憶部13は、照明装置Lの筐体(図示略)に内蔵されるものに限定されず、照明装置Lの筐体の外部に着脱可能に設けられるものであってもよい。
【0022】
無線通信部14は、制御装置Ctおよび通信ネットワークCn1を構成する他の照明装置Lと無線通信を行うための通信部であり、無線信号を送信および受信するモジュールである。無線通信部14は、たとえば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信によって制御部12と接続されているが、これに限定されない。
【0023】
無線通信部14の機能を例示すると、制御装置Ctからの信号を受信し、受信した信号に含まれる情報を制御部12に送信する。また、信号を受信したことを示すアクノリッジ信号を制御装置Ctに送信する。また、照明装置Lの動作状況を示すステータス信号STを制御装置Ctに送信してもよい。
【0024】
本実施形態においては、複数の照明装置Lの各々が有する固有の照明装置ID等の自機器を識別する識別情報が、無線通信部14に記憶されている。識別情報の具体例は特に限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスや独自で付与した識別情報、位置情報等である。なお、識別情報は、無線通信部14以外の構成要素に記憶されていてもよいし、たとえば記憶部13に記憶されていてもよい。無線通信部14は、受信した信号のうち、自装置の識別情報に対する信号であると認識した場合に、当該信号を制御部12に伝達する。
【0025】
無線通信部14が行う無線電波を用いた無線通信は何ら限定されず、本実施形態においては、第1プロトコルを用いた無線通信として説明する。第1プロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz、13.56MHz帯等が例示される。また、第1プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、あるいは独自規格のプロトコルなどが例示される。
【0026】
本実施形態においては、複数の照明装置Lと制御装置Ctとが、たとえば2.4GHz帯の第1無線電波を用いた独自プロトコルにより、図1に示すメッシュネットワークである通信ネットワークCn1を構築している。通信ネットワークCn1では、第1無線通信が行われる。第1プロトコルは、後述のように複数の照明装置L間で各種データの転送に用いられるため、それらのデータ転送に必要となる転送速度や、信頼性を確保した上で、メッシュネットワークを構築できるプロトコルが選択される。
【0027】
なお、本実施形態においては、制御装置Ctは、通信ネットワークCn1のルートノード(root node)である。複数の照明装置Lのいずれかは、GM(ゲートウェイモジュール)として機能してもよい。ゲートウェイモジュールは、クラスタのルートノードであり、制御装置Ctに接続する。このとき、ゲートウェイモジュールは、他のゲートウェイモジュールとともにメッシュネットワークを構築し、制御装置Ctに通信接続する。ゲートウェイモジュールは、他のゲートウェイモジュールや制御装置Ctとの通信品質を常に評価しており、通信品質が最も良い相手に自動的に接続する。同様に、照明装置Lも他の照明装置Lまたはゲートウェイモジュールとの通信品質を常に評価しており、通信品質が最も良い相手に自動的に接続する。通常の照明装置Lもゲートウェイモジュールとして機能する照明装置Lも、ハードウェア構成は同じである。照明装置Lが搭載するソフトウエアを異なるようにするか、モード切替によって通常の照明装置Lとして動作するか、ゲートウェイモジュールとして動作するかを切り替えてもよい。
【0028】
また、無線通信部14は、第2無線電波の無線通信を行ってもよい。第2無線電波は、第1無線電波と異なる無線電波であり、周波数帯やプロトコルが互いに異なる。また、第1無線電波と第2無線電波の周波数帯や送信プロトコルを同じものを採用し、電力が異なるように設定するようにしてもよい。異なる電力の第1無線電波と第2無線電波を利用することでも、照明装置L等の中継ユニットは、第1無線電波を用いた通信ネットワークCn1を構成し、第1無線電波とは別に第2無線電波を出力することといえる。第2無線電波を用いた第2無線通信は何ら限定されず、本実施形態においては、第2プロトコルを用いた無線通信として説明する。第2プロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、第2プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、あるいは独自規格のプロトコルなどが例示される。第2プロトコルとしては、たとえば近距離に位置する操作装置Swと無線通信を行うことを意図した場合に、たとえば、Bluetooth(登録商標)が選択される。なお、照明装置Lは、無線通信部14に代えて、有線通信を行う通信モジュールに変更して通信ネットワークCn1を構築してもよい。この場合、DALI規格、電力線通信(PLC)といった通信方式を利用する。
【0029】
電源部15は、光源部11、制御部12および無線通信部14等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部15は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0030】
〔制御装置Ct〕
制御装置Ctは、複数の照明装置Lの照明制御を行うものである。制御装置Ctは、本実施形態の場合には、複数の照明装置Lが設置されている室内に設置されていてもよいし、別のフロア等に設置されていてもよいし、別の建物に設置されていてもよい。制御装置Ctと複数の照明装置Lとがある程度離れている場合、制御装置Ctと複数の照明装置Lとは、無線通信だけでなく、有線通信と無線通信とを利用して互いに通信する構成であってもよい。なお、照明制御システムA1は、少なくとも1つの制御装置Ctを備えていればよく、他の構成において複数の制御装置Ctを備えていてもよい。
【0031】
図4は、制御装置Ctのブロック図である。本実施形態においては、制御装置Ctは、表示部21、制御部22、記憶部23、無線通信部24および電源部25を備える。
【0032】
表示部21は、後述する照明制御システムA1の照明制御方法においては、必ずしも必要ではないが、制御装置Ctの初期設定やメンテナンス等に用いられる。表示部21は、たとえば液晶ディスプレイ等であり、さらにタッチパネル機能を有してもよい。また、表示部21がタッチパネルとして機能することに代えて、制御装置Ctは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0033】
制御部22は、複数の照明装置Lの照明制御を行う主要な構成要素であり、制御装置Ctの各部を制御するためのものである。たとえば、制御部22は、予め設定されたスケジュール情報ISに基づき、複数の照明装置Lを照明制御するための照明制御信号SLを生成する。また、制御部22は、対象とする照明装置Lへ照明制御信号SLを送信するように、無線通信部24に制御信号を伝達する。制御部22の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部23は、制御部22の制御に必要なプログラムやスケジュール情報IS等の設定条件情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0034】
無線通信部24は、複数の照明装置Lの無線通信部14と無線通信を行うためのものである。無線通信部24の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、上述の第1プロトコルを用いた無線通信である。図1に示す例においては、制御装置Ctは、複数の照明装置Lとともに通信ネットワークCn1を構成する。無線通信部24は、たとえば、制御部22から複数の照明装置Lへの照明制御信号SLを通信ネットワークCn1を介して送信する。また、設定装置Mdからスケジュール情報ISを受信する。また、通信ネットワークCn1を転送された操作装置Swからの制御装置Ctを受信する。なお、制御装置Ctは、無線通信部24に加えて、公衆通信ネットワークを介した無線通信または有線通信等を行う通信回路を有していてもよい。公衆通信ネットワークは、たとえばインターネット通信回線網やLTE(Long Term Evolution)規格、5G、6Gなどに準拠した携帯電話回線網のいずれか、あるいはこれらの組み合わせによって構成される。制御装置Ctは、公衆通信ネットワークを介して、たとえば設定装置Mdとの通信を行う。
【0035】
電源部25は、表示部21、制御部22および無線通信部24等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部25は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0036】
制御装置Ctは、複数の照明装置Lの照明装置ID等の識別情報を保有しており、これらがたとえば記憶部23に記憶されている。制御装置Ctが保有する識別情報は、たとえば照明装置Lが保有する照明装置IDとしてのMACアドレスや位置情報であってもよい。
【0037】
〔操作装置Sw〕
操作装置Swは、使用者が複数の照明装置Lの照明状態を所望の状態に変更するための操作を行うためのものである。照明制御システムA1においては、1つの操作装置Swを備えているが、操作装置Swの個数は特に限定されない。図5に示すように、本実施形態の操作装置Swは、複数の操作部31、制御部32、記憶部33、通信部34および電源部35を有する。操作装置Swは、たとえば建築物等の壁面に設置されて使用される。また、操作装置Swは、柱や家具、さらに種々の屋内設備等に設置されてもよい。
【0038】
操作部31は、使用者が複数の照明装置Lの照明を制御するための操作を電気信号等に変換し、たとえば検出信号として出力する部位である。操作部31の具体的構成は何ら限定されず、1以上のボタン部を有する構成、1以上のスライダ部を有する構成、1以上の回転式ボリューム部を有する構成等、種々の従来公知の構成を採用できる。図6に示す例においては、操作部31は、複数の操作ボタン311~316を有する。複数の操作ボタン311~316の各々は、左右部分を紙面奥行方向に押されると若干の揺動を示し、電気信号が出力される構成である。
【0039】
図示された例においては、操作ボタン311は、照明装置L1の調光値を操作入力するために用いられる。操作ボタン312は、照明装置L1の調色値を操作入力するために用いられる。操作ボタン313は、照明装置L2の調光値を操作入力するために用いられる。操作ボタン314は、照明装置L2の調色値を操作入力するために用いられる。操作ボタン315は、照明装置L3の調光値を操作入力するために用いられる。操作ボタン316は、照明装置L3の調色値を操作入力するために用いられる。なお、図示された例とは異なり、領域AR1~AR3毎の複数の照明装置Lを操作対象とする構成であってもよい。あるいは、操作対象である領域または照明装置を選択する専用のスイッチ等を別途備える構成、タッチパネル機能のある液晶ディスプレイ等であってもよい。
【0040】
制御部32は、操作部31における操作によって出力された電気信号に基づいて、操作情報信号SCを生成し、この操作情報信号SCを通信部34に送信させる制御を行う。制御部32は、たとえばIC等の集積処理回路によって構成されている。操作情報信号SCは、たとえば操作対象である照明装置Lを特定するための識別情報、電源のON/OFF、調光値および調色値等を含む。また、操作情報信号SCは、操作入力された時刻や操作情報信号SCが生成された時刻等の時刻情報を含んでもよい。
【0041】
記憶部33は、制御部32の制御に用いられるプログラムや設定データ等が記憶されるものである。記憶部33は、たとえば半導体メモリ等からなる。また、記憶部33には、照明装置L1,L2,L3のそれぞれの属する複数の照明装置Lの識別情報が記憶されていてもよい。制御部32は、たとえば照明装置L1に対する操作入力が行われた場合、その操作の対象として、照明装置L1に属する照明装置Lの識別情報を記憶部33から読み出し、この識別情報を含む操作情報信号SCを生成してもよい。
【0042】
通信部34は、操作装置Swに対する使用者の操作入力に基づいた操作情報信号SCを送信するためのものである。通信部34は、無線通信を行うものであってもよいし、有線通信を行うものであってもよい。本実施形態においては、通信部34は、無線通信を行う。通信部34が行う無線通信の方式等は特に限定されず、電波を用いた無線通信や赤外線を用いた通信等であってもよい。本実施形態においては、通信部34は、電波を用いた無線通信を行う。通信部34の無線通信の規格等は、特に限定されず、たとえば、IEEE802.11に準拠するWi-FiやIEEE802.15.1に準拠するBluetooth(登録商標)、ISO/IEC14543に準拠するEnOcean(登録商標)等が例示される。本例においては、通信部34は、第2無線電波を用いた第2無線通信を行うことにより、複数の照明装置Lと通信を行う。第2無線通信の第2プロトコルは、たとえばBluetooth(登録商標)が選択される。
【0043】
電源部35は、操作装置Swを動作させるための電力を供給する。電源部35は、商用の100V交流電源から受電するものであってもよいし、充電式の二次電池や乾電池等であってもよい。
〔設定装置Md〕
設定装置Mdは、照明制御システムA1における複数の照明装置Lを照明制御するためのスケジュール情報ISを生成するデバイスである。また、設定装置Mdは、複数の照明装置Lの照明状態を監視するために用いられてもよい。設定装置Mdの具体的構成は、何ら限定されず、たとえば、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等が挙げられる。
【0044】
図7に示すように、本実施形態の設定装置Mdは、表示部51、制御部52、記憶部53、通信部54、電源部55および操作部58を備える。
【0045】
表示部51は、設定装置Mdの操作等に必要な情報や画像を表示するためのものである。表示部51は、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。
【0046】
通信部54は、たとえばインターネット通信回線網やLTE(Long Term Evolution)規格、5G、6Gなどに準拠した携帯電話回線網のいずれか、あるいはこれらの組み合わせによって構成される公衆通信ネットワークを介した通信を行う。通信部54は、無線通信および有線通信のいずれかまたは双方を行ってもよい。これにより、設定装置Mdは、制御装置Ctと通信可能である。
【0047】
制御部52は、設定装置Mdの各部を制御するためのものである。制御部52の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部53は、制御部52の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ等からなる。
【0048】
電源部55は、表示部51、制御部52および通信部54等の動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部55は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有するもの、あるいは充電可能なバッテリーである。バッテリーの充電方式は、接触式の充電器を利用するものでも、非接触式の充電器を利用するものでもよい。
【0049】
操作部58は、設定装置Mdを操作するためのものである。操作部58は、たとえばキーボードおよびマウス等である。なお、表示部51がタッチパネルとして機能する場合、設定装置Mdは、操作部58を備えていなくてもよい。
【0050】
次に、照明制御システムA1の照明制御方法について、以下に説明する。
【0051】
図8は、照明制御システムA1の照明制御方法を示すシーケンスダイアグラムである。まず、ユーザが、設定装置Mdを用いてスケジュール情報ISを生成する(ステップS00)。ユーザは、たとえば図9に示す照明制御スケジュールを用意する。照明制御スケジュールは、複数の照明装置L毎(または領域毎)に、時刻毎の調光値および調色値を定めたものである。たとえば、図15に示すように、設定装置Mdの表示部51には、スケジュール情報ISを生成するための設定画面が表示されている。たとえば、ユーザは、表示部51に表示された複数の照明装置Lから、対象となる照明装置L(または領域)を選択する。次に、図16に示すように、照明制御スケジュールに定められた設定条件(時刻、ON/OFF、調光値、調色値)を入力領域として別ウィンドウ表示し、表示された入力領域に設定条件を入力する。このような操作を適宜繰り返すことにより、複数の照明装置Lの照明制御スケジュールが含まれたスケジュール情報ISが生成される。設定装置Mdは、通信部34から制御装置Ctにスケジュール情報ISを送信する。設定装置Mdから制御装置Ctにスケジュール情報ISを直接送信してもよく、クラウドなどのサーバを介して送信してもよい。
【0052】
次に、制御装置Ctにおいて照明制御信号SLを生成する。制御装置Ctにおいては、設定装置Mdからのスケジュール情報ISを無線通信部24が受信する。制御部22は、受信したスケジュール情報ISをたとえば記憶部23に記憶する。次いで、制御部22は、照明制御信号SLを生成する(図8:ステップS01)。図10は、スケジュール情報ISおよび照明制御信号SLの一例を示している。以降の説明においては、照明装置L3を対象とした制御を例として説明するが、他の照明装置Lや領域を対象とした制御も同様である。スケジュール情報ISには、照明装置L3を対象とした識別情報、時刻、ON/OFF情報、調光値、調色値が含まれている。制御部22は、スケジュール情報ISに含まれるこれらの情報に基づいて、照明制御信号SL1を生成する。図13は、制御部22が照明制御信号SLを生成する方法の一例を示している。生成をスタートすると(ステップSa1)、操作情報信号SCを受信したかを確認する(ステップSa2)。この確認は、たとえば、操作情報信号SCを受信したことの有無に対応するフラグを記憶部23に記憶させ、操作情報信号SCを受信すると、当該フラグをONにすること等によって行う。ステップS01の時点では、未だ操作情報信号SCを受信していない(ステップSa2:No)。このため、制御部22は、スケジュール情報ISの調光値、調色値を用いて、照明制御信号SL1生成する。このため、図10(a)における照明制御信号SL1の内容は、スケジュール情報ISと同じである。
【0053】
次に、制御部22は、生成した照明制御信号SLを無線通信部24から通信ネットワークCn1に送信する(図8:ステップS02)。照明制御信号SL1を生成および送信する頻度は何ら限定されず、一定間隔(たとえば0.1S~10S毎)に照明制御信号SL1を生成および送信してもよい。
【0054】
通信ネットワークCn1に属する照明装置Lは、無線通信部14が照明制御信号SL1を受信すると、照明制御信号SL1を他の照明装置Lに転送する(ステップS03)。また、複数の照明装置Lは、照明制御信号SL1に含まれる識別情報が自装置の識別情報である場合、照明制御信号SL1に含まれる情報にしたがって、照明制御を行う(ステップS04)。図10に示す例では、同図(b)に示すように、時刻18:59において、照明装置L3が、調光値=50%、調色値=3500K(温白色)で点灯していたものが、同図(b)に示すように、照明制御信号SLを受信したことにより、19:00に調光値=20%、調色値=3000K(電球色)での点灯に制御されている。また、照明装置Lは、たとえば定期的に、または照明制御信号SLに基づいた照明制御を行うたびに、ステータス信号STを送信する。ステータス信号STは、自装置の照明状態(ON/OFF、調光値、調色値)が含まれている。ステータス信号STは、たとえば通信ネットワークCn1を転送されて制御装置Ctに送信される。また、ステータス信号STは、制御装置Ctから設定装置Mdに送信されてもよい。
【0055】
また、複数の照明装置Lが設置された室内等では、複数の照明装置Lの照明状態をユーザが変更したい場合に、ユーザが操作装置Swを操作する(ステップS05)。たとえば、ステップS04により、照明装置L3は、19:00以降では調光値=20%、調色値=3000K(電球色)で点灯している。この照明状態は、定時を過ぎた時間帯であって、すべてのユーザが帰宅したと想定される時間帯に適した、明るすぎない調光値、落ち着いた調色値が選択されたものである。特に、この調光値は、ユーザによっては業務を行うには不足していると推定される。本例では、図11(a)に示すように、19:35にユーザによって操作装置Swに操作入力がなされている。これは、当該ユーザが定時後に残業を行う場合が想定される。ユーザは、操作装置Swの操作ボタン315および操作ボタン316を操作することにより、調光値=70%、調色値=5000K(昼白色)となるように操作入力を行っている。
【0056】
ユーザの操作入力に基づき、操作装置Swの制御部32は、操作情報信号SCを生成し、通信部34から送信する(図8:ステップS06)。本実施形態においては、図2に示すように、複数の照明装置Lのうち照明装置L4が操作装置Swに最も近い位置に配置されている。このため、通信部34から送信された操作情報信号SCが、照明装置L4の無線通信部14によって受信される。照明装置L4は、操作情報信号SCに含まれる識別情報が自機器の識別情報と異なるため、操作情報信号SCに基づく照明制御は行わない。照明装置L4の制御部12は、操作情報信号SCにたとえば時刻情報であるタイムスタンプを付加し、通信ネットワークCn1に転送する(ステップS07)。
【0057】
通信ネットワークCn1に属する複数の照明装置Lは、操作情報信号SCを順次転送する。本例においては、照明装置L3は、転送されてきた操作情報信号SCに自機器の識別情報が含まれていることにより、操作情報信号SCに基づく照明制御を行う(ステップS08)。これにより、図11(a)に示すように、照明制御信号SLに基づく照明制御によって、19:00以降に照明装置L3が調光値=20%、調色値=3000K(電球色)で点灯していたところ、同図(b)に示すように、19:35に操作情報信号SCに基づく照明制御がなされた結果、照明装置L3は、調光値=70%、調色値=5000K(昼白色)で点灯している。すなわち、操作情報信号SCによる照明状態は、照明制御信号SL(スケジュール情報IS)に基づく照明状態と比べて、調光値および調色値の双方が変更されている。また、この照明状態を示すステータス信号STが、照明装置L3から順次送信される。
【0058】
制御装置Ctの無線通信部24は、転送されてきた操作情報信号SCを受信する(ステップS09)。次いで、制御部22は、照明制御信号SL2を生成する(ステップS10)。ステップS10では、図13に示す照明制御信号SLの生成方向が実行されると、操作情報信号SCを受信しているため、ステップSa2がYesである。この場合、制御部22は、操作情報信号SCの調光値を照明制御信号SL2の調光値に採用し、スケジュール情報ISの調色値を照明制御信号SL2の調色値に採用する(図12(a))。制御部22は、生成した照明制御信号SL2を、通信ネットワークCn1に送信する(図8:ステップS11)。複数の照明装置Lは、照明制御信号SL2を順次転送する(ステップS12)。照明装置L3は、照明制御信号SL2に自機器の識別情報が含まれているため、照明制御信号SL2に基づく照明制御を行う(ステップS13)。この結果、図12(b)に示すように、照明装置L3は、調光値=70%、調色値=3000K(電球色)で点灯する。この点灯状態は、調光値として操作情報信号SCの調光値が採用され、調色値としてスケジュール情報ISの調色値が採用されている。
【0059】
ステップS00~S13の照明制御方法では、ステップS13が実行された以降は、操作装置Swに操作入力された調光値(操作情報信号SCの調光値)で照明装置L3が点灯している。この制御は、スケジュール情報ISの調光値よりも操作情報信号SCの調光値が優先されている一例である。また、ステップS08が実行された以降、ステップS13が実行されるまでは、照明装置L3は、操作情報信号SCの調色率で点灯しているものの、ステップS13が実行された以降は、照明制御信号SL(スケジュール情報IS)の調色値で点灯する。この制御は、操作情報信号SCの調色値よりもスケジュール情報ISの調色値が優先されている一例である。たとえば、ステップS09で制御装置Ctが操作情報信号SCを受信すると、これに対応して即座にステップS10,S11が実行される構成であれば、照明装置L3がスケジュール情報ISの調色値と異なる操作情報信号SCの調色値で点灯している時間は、非常に短時間であるか、実質的に無視できる時間となりうる。
【0060】
ここで、設定装置Mdの動作例について、説明する。図14は、設定装置Mdの動作例を示すフローチャートである。ステップSb1のスケジュール情報ISの設定およびステップSb1のスケジュール情報ISの送信は、上述のステップS00に対応する。たとえば、上述のステップS04,S08,S13の後にステータス信号STが照明装置Lから送信されると、制御装置Ctから設定装置Mdにステータス信号STが送信される(ステップSb3)。設定装置Mdの制御部52は、スケジュール情報ISの情報と、ステータス信号STの情報とが異なるかを判定する(ステップSb4)。たとえば、ステップS04の直後にステータス信号STを受信した場合、スケジュール情報ISとステータス信号STとは、含まれる情報が同じである(ステップSb4:Yes)。この場合、ステップSb3に戻る。
【0061】
一方、ステップS08の直後にステータス信号STを受信した場合、スケジュール情報ISとステータス信号STとは、含まれる情報が異なる。すなわち、図11(b)に示すように、スケジュール情報ISの調光値および調色値と、ステータス信号ST(照明装置L3)の調光値および調色値とは、それぞれ異なっている。この場合、制御部52は、スケジュール情報ISとステータス信号STとか異なる照明装置L3を、表示部51において強調表示する。図17に示す例では、照明装置L3に相当するアイコン画像に濃色が付されることにより強調表示されている。また、ステップS13の直後にステータス信号STを受信した場合、スケジュール情報ISの調色値とステータス信号STの調色値とは同じであるものの、スケジュール情報ISの調光値とステータス信号STの調光値とは、異なる。この場合にも、制御部52は、照明装置L3を強調表示する。なお、調光値および調色値がいずれも異なる場合、調光値および調色値のいずれかのみが異なる場合について、制御部52は、それぞれの強調表示の態様を異ならせてもよい。あるいは、アイコン画像を濃色にしてもよく、点滅表示してもいい。
【0062】
以上に述べた照明制御をすべての時間帯において、すべての照明装置Lを対象として行うことにより、複数の照明装置Lの照明制御が所望の状態で常時行われる。
【0063】
次に、照明制御システムA1の作用について説明する。
【0064】
本実施形態によれば、照明装置Lの照明制御において、スケジュール情報ISの調光値よりも操作情報信号SCの調光値が優先されている。これにより、操作対象となった照明装置Lの調光値を、操作装置Swを用いて操作入力された調光値に設定することが可能である。したがって、たとえば、スケジュール情報ISの調光によっては、暗い調光値となる時刻に業務を継続する場合に、業務に適した調光値に設定することができる。また、操作装置Swからの操作入力があった場合であっても、照明装置Lの調色値としては、スケジュール情報ISの調色値が優先される。これにより、操作入力された照明装置Lの調色値が、周辺の照明装置Lの調色値と大きく異なることを回避可能である。たとえば、定時を過ぎた時刻において複数の照明装置Lが調色値=3000K(電球色)で点灯している場合に、操作対象となった照明装置Lのみが調色値=5000K(昼白色)で点灯することを回避することができる。したがって、予め設定されたスケジュール情報ISにしたがって点灯する照明装置Lと強制的に照明制御された照明装置Lとの調色値の乖離状態を抑制することができる。
【0065】
図17に示すように、スケジュール情報ISの設定とは異なる状態で点灯している照明装置Lが、設定装置Mdにおいて強調表示される。これにより、照明制御システムA1の管理者等は、複数の照明装置Lのうち、スケジュール情報ISの設定とは異なる状態で点灯している照明装置Lの有無や、いずれの照明装置Lがスケジュール情報ISの設定とは異なる状態で点灯いるかを、即座に認識することができる。
【0066】
図18図25は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。また、各変形例および各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0067】
図18は、照明制御システムA1における制御装置Ctの照明制御信号SLに関する他の動作例を示している。ステップSc1で本動作がスタートすると、制御部22は、操作情報信号SCを受信したかを判断する(ステップSc2)。操作情報信号SCを受信した場合(ステップSc2:Yes)、制御部22は、操作情報信号SCの調色値が、スケジュール情報ISの調色値と異なるかを判断する(ステップSc3)。操作情報信号SCの調色値が、スケジュール情報ISの調色値と同じである場合(ステップSc3:No)、制御部22は、操作情報信号SCの受信に対応した照明制御信号SLの生成および送信を行わない。
【0068】
一方、操作情報信号SCの調色値が、スケジュール情報ISの調色値と異なる場合(ステップSa3:Yes)、制御部22は、操作情報信号SCの調光値を照明制御信号SLの調光値に採用し、スケジュール情報ISの調色値を照明制御信号SLの調色値に採用して、照明制御信号SLを生成する。そして、この照明制御信号SLを通信ネットワークCn1に送信する(ステップSa5)。
【0069】
この動作例によっても、予め設定されたスケジュール情報ISにしたがって点灯する照明装置Lと強制的に照明制御された照明装置Lとの調色値の乖離状態を抑制することができる。また、ステップSa3で、操作情報信号SCの調色値が、スケジュール情報ISの調色値と異なる場合のみ照明制御信号SLを生成および送信することにより、操作情報信号SCの調色値が、スケジュール情報ISの調色値と同じである場合(ステップSc3:No)には、照明制御信号SLの生成および送信が行われない。これにより、通信ネットワークCn1において転送される信号量を削減することができる。
【0070】
<第2実施形態>
図19図23は、本発明の第2実施形態にかかる照明制御システムの照明制御方法を示している。
【0071】
図19のステップS20~S23は、図8を参照して説明したステップS00~S03と同様である。ステップS20~S23が実行されることにより、図20(a)に示すように、スケジュール情報ISに基づいて照明制御信号SL1が生成される。
【0072】
図19のステップS24では、照明装置L(照明装置L3)の照明制御が実行される。図23は、本実施形態における照明装置Lの動作例(照明制御例)を示すフローチャートである。ステップSd1で照明装置L3の照明制御が開始される。制御部12は、照明制御信号SLを受信したか否かを判断する(ステップSd2)。図19のステップS23で照明制御信号SL1を受信しているため(ステップSd2:Yes)、制御部12は、操作信号フラグFCがONであるかを判断する(ステップSd3)。操作信号フラグFCは、当該照明制御を行う前のタイミングに操作情報信号SCを受信していたか否かの履歴を示すものである。初期状態においては、操作信号フラグFCは、OFFに設定されている。図19のステップS24では、操作情報信号SCをいまだ受信していない。このため、操作信号フラグFCは、OFFである(ステップSd3:No)。制御部12は、照明制御信号SL1の調光値および調色値にしたがい、光源部11を制御する(ステップSd5、図19のステップS24、図20(b))。そして、ステータス信号STを送信する(図23のステップSd9)。
【0073】
また、図19のステップS25で操作装置Swに対して操作入力が行われると、操作装置Swから操作情報信号SCが送信される(ステップS26、図21(a))。複数の照明装置Lは、操作情報信号SCを転送し(ステップS27)、操作情報信号SCに含まれる識別情報が自機器に該当する場合(照明装置L3)、ステップS28を行う。この際、照明装置L3の制御部12は、照明制御信号SLを受信しておらず(図23のステップSd2:No)、操作情報信号SCを受信している(ステップSd4:Yes)。制御部12は、現状の調色値を維持し、かつ操作情報信号SCの調光値にしたがい光源部11を制御する(ステップSd7、図19のステップS28、図21(d))。すなわち、ステップS28以前に照明制御信号SL1を受信しているため、制御部12は、この照明制御信号SL1の調色値にしたがって、光源部11を制御している。このため、ステップSd7(ステップS28)が実行された以降も、照明装置L3の調色値は、照明制御信号SL1の調色値のまま維持されている。
【0074】
次いで、制御部12は、操作信号フラグFCをONにする(ステップSd8)。操作信号フラグFCは、たとえば記憶部13に記憶される。そして、ステータス信号STが送信される(ステップSd9)。
【0075】
図19のフローチャートでは、照明制御信号SL1が生成(ステップS21)および送信(ステップS22)されてから所定時間が経過すると、制御装置Ctにおいて、制御部22が照明制御信号SL2を生成する(ステップS29)。制御部22は、スケジュール情報ISに基づき、照明制御信号SL2の調光値および調色値を設定する。そして、制御部22は、無線通信部24から照明制御信号SL2を送信する(ステップS30)。通信ネットワークCn1においては、複数の照明装置Lが照明制御信号SL2を転送する(ステップS31)。照明装置L3は、照明制御信号SL2に含まれる識別情報が自装置に該当する場合、ステップS32を実行する。
【0076】
ステップS32を実行する際、照明装置L3では、図23のフローチャートにおいて照明制御信号SL2を受信している(ステップSd2:Yes)。次に、照明装置L3は、図19のステップS27で操作情報信号SCを受信した履歴があるため、操作信号フラグFCがONとなっている(図23のステップSd3:Yes)。この場合、制御部12は、現状の調光値を維持し、かつ照明制御信号SL2の調色値にしたがい、光源部11を制御する(ステップSd6)。そして、ステータス信号STが送信される(ステップSd9)。
【0077】
以上に述べた照明制御をすべての時間帯において、すべての照明装置Lを対象として行うことにより、複数の照明装置Lの照明制御が所望の状態で常時行われる。
【0078】
本実施形態によっても、予め設定されたスケジュール情報ISにしたがって点灯する照明装置Lと強制的に照明制御された照明装置Lとの調色値の乖離状態を抑制することができる。また、本実施形態においては、図19に示すステップS24、ステップS28、ステップS32のいずれにおいても、照明装置L3の調色値は、図20(b)~図22(b)に示すように、スケジュール情報ISの調色値に設定され、操作情報信号SCの調色値には設定されない。このため、ユーザが操作装置Swを用いて強制的に照明制御された照明装置L(照明装置L3)の調色値は、操作入力によっては変更されず、周囲に配置された他の照明装置Lと常に同じ設定とされる。したがって、調色値の乖離をより確実に抑制することができる。また、本実施形態の照明制御方法は、照明装置Lにおいて、スケジュール情報ISの調光値よりも操作情報信号SCの調光値が優先され、操作情報信号SCの調色値よりもスケジュール情報ISの調色値が優先される一例である。
【0079】
<第3実施形態>
図24および図25は、本発明の第3実施形態にかかる照明制御システムを示している。本実施形態の照明制御システムA3は、通信ネットワークCn11を構成する複数の照明装置L11~L1nおよび制御装置Ctと、通信ネットワークCn12を構成する複数の照明装置L21~L2nおよび制御装置Ctと、通信ネットワークCn13を構成する複数の照明装置L31~L3nおよび制御装置Ctと、クラウドCLと、を備える。
【0080】
通信ネットワークCn11,Cn12,Cn13の構成は何ら限定されず、たとえば照明制御システムA1の通信ネットワークCn1と同様の構成である。照明装置L11~L1n、複数の照明装置L21~L2nおよび複数の照明装置L31~L3nは、たとえば照明制御システムA1の照明装置Lと同様の構成である。照明制御システムA2の複数の制御装置Ctは、たとえば照明制御システムA1の制御装置Ctと同様の構成である。
【0081】
照明制御システムA3は、たとえばフランチャイズチェーン等の多店舗経営する企業、複数のビジネスオフィスを抱える企業、複数のフロアを管理するビル管理企業等の利用が想定される。通信ネットワークCn11、Cn12、Cn13これらを構成する複数の照明装置L、制御装置Ctは、たとえば互いにことなる居室、フロア、あるいは店舗にそれぞれ設置される。
【0082】
クラウドCLは、通信ネットワークCn2を介して複数の制御装置Ctと通信可能である。通信ネットワークCn2は、たとえばインターネット通信回線網やLTE(Long Term Evolution)規格、5G、6Gなどに準拠した携帯電話回線網のいずれか、あるいはこれらの組み合わせによって構成される公衆通信ネットワークである。クラウドCLは、解析部61、記憶部62および通信部63を備える。
【0083】
解析部61は、クラウドCLにおいて複数の照明装置Lの照明制御に関する解析を行うものであり、たとえばCPU等である。記憶部62は、解析部61の解析に必要なデータやプログラム等を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ、ハードディスク等である。通信部63は、複数の制御装置Ctと通信ネットワークCn2を介して通信する機能を果たし、無線通信および有線通信のいずれかまたは双方を行ってもよい。
【0084】
図25は、解析部61の解析例である機械学習を示している。本実施形態で利用する学習モデルは、所定の訓練データをすでに学習した学習済みの機械学習モデルである。学習モデルは、人工知能ソフトウェアの一部を構成するプログラムモジュールとして利用可能である。
【0085】
学習モデルは、照明制御システムA3の所定期間における時系列のスケジュール情報ISと操作情報信号SCとを入力した場合に、一例として、調光値、調色値の変更の有無に関する情報を出力するモデルである。学習モデルは、例えばニューラルネットワークを用いた深層学習の手法により構築されたモデルであり、RNN(Recurrent Neural Network)である。
【0086】
学習モデルは、たとえば時系列の照明制御(調光値、調色値)のデータを入力する入力層と、調光値、調色値の変更有無を示す情報を出力する出力層と、特徴量を抽出する中間層と、を備える。中間層は、入力データの特徴量を抽出する複数のノードを有し、各種パラメータを用いて抽出された特徴量を出力層に受け渡す。入力層に時系列の調光値、調色値が入力された場合、学習済みのパラメータによって中間層で演算が行われ、出力層から調光値、調色値の変更の有無に関わる出力情報が出力される。
【0087】
図25に示す学習モデルを用いた解析を解析部61が行うことにより、クラウドCLは、照明制御システムA3のユーザの操作傾向により適したスケジュール情報ISを出力する。たとえば、残業の多い居室については、調光値を下げる時間を遅くし、早く帰宅する居室については、調光値を下げる時間を早める。設定装置Mdでスケジュール情報ISを設定した後に、クラウドCLの機械学習を利用して、スケジュール情報ISを最適化することが可能である。たとえば、照明制御システムA3の構築に携わる照明メーカ側の工事担当等が設定装置Mdを主に操作することによって初期状態のスケジュール情報ISを生成し、この後にたとえばビルのテナントに入居したユーザが一定期間の運用(例えば、半年くらい)を行うことにより、より最適なスケジュール情報ISを構築することができる。クラウドCLから設定装置Mdの表示部51に、最適化されたスケジュール情報ISを表示してもよく、あるいは設定装置Mdから制御装置Ctが受信したスケジュール情報ISを、クラウドCLによって最適化されたスケジュール情報ISに自動で変更してもよい。
【0088】
本発明に係る照明制御システム、制御装置、照明装置、設定装置およびプログラムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る照明制御システム、制御装置、照明装置、設定装置およびプログラムの具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0089】
A1,A2,A3:照明制御システム
11 :光源部
12 :制御部
13 :記憶部
14 :無線通信部
15 :電源部
21 :表示部
22 :制御部
23 :記憶部
24 :無線通信部
25 :電源部
31 :操作部
32 :制御部
33 :記憶部
34 :通信部
35 :電源部
51 :表示部
52 :制御部
53 :記憶部
54 :通信部
55 :電源部
58 :操作部
61 :解析部
62 :記憶部
63 :通信部
311,312,313,314,315,316:操作ボタン
A1,A2,A3:照明制御システム
AR1,AR2,AR3:領域
CL :クラウド
Cn1,Cn11,Cn12,Cn13,Cn2:通信ネットワーク
Ct :制御装置
FC :操作信号フラグ
IS :スケジュール情報
L,L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8,L9,L10,L11,L12,L1n,L21,L22,L2n,L31,L32,L3n:照明装置
Md :設定装置
SC :操作情報信号
SL,SL1,SL2:照明制御信号
ST :ステータス信号
Sw :操作装置
図1
図2
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