(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107769
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】スクリューコンベア
(51)【国際特許分類】
B65G 33/26 20060101AFI20240802BHJP
B65G 33/14 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
B65G33/26
B65G33/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011865
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】今西 大輔
(72)【発明者】
【氏名】廣池 承一郎
(72)【発明者】
【氏名】辻 幸大
【テーマコード(参考)】
3F040
【Fターム(参考)】
3F040AA01
3F040BA01
3F040DA02
3F040EA01
(57)【要約】
【課題】搬送物の排出性を損なうことなく、排出口が閉塞した際における羽根の変形を抑制可能なスクリューコンベアを提供する。
【解決手段】ケーシング4内に、軸回転可能な軸1と上記軸1に沿って螺旋状に設けられた羽根2とが設けられたスクリューコンベアであって、上記羽根2の排出側の面における、上記軸方向で羽根2の面同士が対向しない最終段の搬送面2aに、当該最終段の搬送面2aと上記軸1とを連結する1又は2以上の補強リブ3を設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング内に、軸回転可能な軸と上記軸に沿って螺旋状に設けられた羽根とが設けられたスクリューコンベアであって、
軸方向で羽根の面同士が対向しない面である、上記羽根の最終段の搬送面に、当該最終段の搬送面と上記軸とを連結する1又は2以上の補強リブを設けた、
ことを特徴とするスクリューコンベア。
【請求項2】
上記補強リブは、上記羽根の延在方向に間隔を開けて2以上設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載したスクリューコンベア。
【請求項3】
上記補強リブは、上記軸の表面に対する軸直方向の高さが、当該補強リブが接続される上記最終段の搬送面の面部分から軸方向に向けて離れるほど低くなっている、
ことを特徴とする請求項1に記載したスクリューコンベア。
【請求項4】
上記補強リブは、三角形状の板部材からなり、隣り合う2つの辺が、上記最終段の搬送面と上記軸とにそれぞれ接続する、
ことを特徴とする請求項3に記載したスクリューコンベア。
【請求項5】
上記補強リブと当該補強リブが接続される上記羽根の最終段の搬送面との間に、上記羽根の最終段の搬送面に接続し当該最終段の搬送面の半径方向に延在する延在部材を介装した、
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載したスクリューコンベア。
【請求項6】
上記軸の表面に対する上記補強リブの高さは、上記羽根の最終段の搬送面の高さの2/3以下である、
ことを特徴とする請求項5に記載したスクリューコンベア。
【請求項7】
上記補強リブは、上記最終段の搬送面の半径方向途中位置と、上記軸とを連結する棒体からなる、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載したスクリューコンベア。
【請求項8】
上記補強リブと当該補強リブが接続される上記最終段の搬送面との間に、その最終段の搬送面に接続し当該最終段の搬送面の半径方向に延在する延在部材を介装した、
ことを特徴とする請求項7に記載したスクリューコンベア。
【請求項9】
上記軸の表面に対する上記補強リブの高さは、上記羽根の最終段の搬送面の高さの2/3以下である、
ことを特徴とする請求項8に記載したスクリューコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸に沿って螺旋状の羽根(ねじ羽根)が設けられたスクリューコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、製鉄プロセスにおいては、様々な原料を粉砕して使用している。粉砕は、比表面積の増大による反応性の向上や、製鉄原料の均質性の向上などを目的とする。そして、それらの原料を搬送するために、例えば、スクリューコンベアが用いられる。
【0003】
スクリューコンベアは、回転数を制御することで容易に排出量を調整可能である。また、スクリューコンベア内の下方のガスを、スクリューコンベアのケーシング内にある搬送物(原料とも呼ぶ)でシールすることが可能である。
【0004】
ここで、スクリューコンベア下流の排出口に接続したシュートで閉塞が発生した場合、搬送する原料をスクリューコンベアから排出出来なくなる。このとき、軸を回転する駆動モータが過負荷状態となり、コンベアの駆動停止に移行する。しかし、排出口が閉塞してから過負荷停止に移行するまでにタイムラグがある。その間のスクリューコンベアの回転により、搬送する原料に過圧縮が発生する。この過圧縮によって、羽根の下流側部分(最後段)に対し過大な荷重が作用し、羽根の下流側部分が曲損する場合がある。羽根の曲損が発生すると、その曲損により、軸回転する羽根での排出量が低下し、新たな閉塞の要因となる。
【0005】
ここで、スクリューコンベアにおける羽根の補強方法としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載の技術がある。
特許文献1には、羽根の外周側に軸と平行な板状又は棒状の補強材を、羽根の全長に渡って設置する、ことが記載されている。
特許文献2には、螺旋状の羽根の搬送面に、その半径方向に沿って筋状の硬化肉盛を、周方向に所定間隔で設ける、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-24388号公報
【特許文献2】特開2013-189301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のように、軸方向に且つ羽根の全長に渡って補強材を羽根の外周部に取り付けた場合、次の課題がある。すなわち、特許文献1では、そのケーシング側に位置する補強材に原料が付着した場合、ケーシングとの間に原料が噛み込んだり、軸方向で対向する羽根間に位置する原料の排出が阻害されて閉塞が発生したりするおそれがある。
また、特許文献2に記載の方法では、羽根自体の半径方向の剛性を高めるだけである。すなわち、原料の過圧縮による過大な荷重で、軸に対し、羽根が面外方向(軸方向)に曲げ変形することを抑制することが出来ない。このため、特許文献2の方法では、羽根の搬送面に対し多大な荷重が負荷されると、羽根が、軸との接合面から折れ曲がるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記のような点に着目したもので、搬送物の排出性を損なうことなく、排出口が閉塞した際における羽根の変形を抑制可能なスクリューコンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題解決のために、本発明の一態様は、ケーシング内に、軸回転可能な軸と上記軸に沿って螺旋状に設けられた羽根とが設けられたスクリューコンベアであって、軸方向で羽根の面同士が対向しない面である、上記羽根の最終段の搬送面に、当該最終段の搬送面と上記軸とを連結する1又は2以上の補強リブを設けた。
【発明の効果】
【0010】
本発明の態様によれば、排出側の羽根の面と軸とを補強リブで連結することで、当該位置の羽根の面の面外方向(軸方向)への曲げモーメントに対する剛性が向上する。また、本発明の態様では、補強リブを、軸方向で羽根の面同士が対向しない面に設ける。このため、補強リブを設けても、軸方向で羽根の面同士が対向する空間(搬送物を搬送する空間)を部分的に狭くすることもない。
この結果、本発明の態様によれば、搬送物の排出性を損なうことなく、排出口が閉塞しても羽根の変形を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に基づく実施形態に係るスクリューコンベアを一部透視的に図示した模式図である。
【
図2】羽根の補強構造の他の例を示す模式図である。
【
図3】羽根の補強構造の他の例を示す模式図である。
【
図4】羽根の補強構造の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(構成)
スクリューコンベアは、
図1に示すように、トラスなどからなるケーシング4内に、軸回転可能な軸1と、軸1に沿って螺旋状に設けられた羽根2(以下、ねじ羽根2とも呼ぶ)とが設けられている。軸1は、駆動モータ6によって駆動される。ケーシング4には、上流側に原料の投入口5が設けられ、下流側に原料の排出口7が設けられる。
搬送される原料としては、飼料、粉状石炭などの摩擦性の少ない粉粒体が例示できる。ただし、スクリューコンベアは、ケーシング4やねじ羽根2に耐摩耗性の材料を使用すれば、セメント、砂、石灰石など摩擦性のある粉~塊状のものであっても搬送可能である。
【0013】
スクリューコンベアは、上流側に設けられた投入口5から、ケーシング4内に原料(搬送物)が投入される。投入された原料は、軸1及び羽根2が回転駆動されることで、軸方向への推進力を与えられて、下流側に搬送(運搬)される。そして、搬送された原料は、排出口7から外部に排出される構成となっている。なお、原料に推進力を与える羽根2の面(下流側を向く面)が搬送面となる。
ねじ羽根2の径は、例えば直径50mm~2000mmの範囲である。また、ねじ羽根2の全長さは、例えば500mm~7000mmの範囲である。
【0014】
そして、本実施形態のスクリューコンベアは、羽根2の下流側の面における、軸方向(搬送方向)で羽根2の面同士が対向していない最終段の搬送面に、1又は2以上の補強リブ3を設けた。各補強リブ3は、当該最終段の搬送面と軸1とを連結する。軸方向(搬送方向)で羽根2の面同士が対向しない最終段の搬送面とは、軸方向に延在する羽根2における、原料排出側に位置する羽根2の面部分であって、排出側を向く面(以下、最終面部2aとも呼ぶ)である。その最終面部2aは、羽根2の他の面と軸方向で対向しない最終段の搬送面であって、例えば、羽根2の下流端から延在方向(周方向)に沿って、1円周分の最終段の搬送面である。
【0015】
<補強リブ3>
本実施形態では、2以上の補強リブ3を、羽根2の延在方向(周方向)に間隔を開けて設けた。補強リブ3間の間隔は、例えば周方向に沿って45度以上180度以内の間隔で設ける。
ここで、2以上の補強リブ3の配置は、強度を確保するため及び回転時の動バランスを取るために、周方向に沿って均等な角度間隔で配置されることが望ましい。また、補強リブ3は、強度上は多く設けた方が望ましいが、配置の角度間隔は45度以上ある事が望ましい。配置の角度間隔が小さすぎると、補強リブ3間で原料の閉塞を招く恐れがある。
【0016】
図1に示す補強リブ3は、三角形状の金属製の板部材からなる。そして、補強リブ3は、隣り合う2つの辺が、それぞれ最終面部2aと軸1とにそれぞれ接続する構成となっている。ここで、補強リブ3は、最終面部2aから軸方向(排出側)に向けて突出するように配置されている。軸方向に対し傾いて突出した配置でもよい。
【0017】
なお、補強リブ3の形状は、例えば、中央部(軸1対称位置)に軸1を貫通可能な貫通孔が開口した円錐台形状のブロック体(中空体も含む)であってもよい。この場合、貫通穴に軸1を通して固定し、円錐台形状の底面を最終面に接続する。なおこの場合、底面は、最終面部2aの面に沿った形状が好ましい。
また、補強リブ3は、
図1に示すように、軸1表面に対する軸直方向の高さが、補強リブ3が接続される最終面部2aの面位置から軸方向(排出側)に向けて離れるほど高さが低くなっている。
【0018】
図1では、補強リブ3が構成する斜面の辺が、軸1表面に対する軸直方向の高さが最終面部2aから離れほど小さくなっている。したがって、斜面の辺が、下側に凸の円弧状の輪郭形状となっていてもよい。
補強リブ3の最終面部2a側の高さは、例えば、最終面部2aの半径よりも小さく且つ当該半径の1/2以上とする。好ましくは半径の2/3以上である。
補強リブ3は、例えば鋼材からなる。
【0019】
<補強リブ3の他の例>
(1)
図2に示すように、補強リブ3と当該補強リブ3が接続される最終面部2aの面部分との間に、延在部材8(第2の補強リブ)を設けた構成としてもよい。延在部材8は、その面部分に接続し且つ当該最終段の搬送面の半径方向(高さ方向)に延在するように設ける。延在部材8は、棒状や板状が例示できる。
この構成の場合、最終段の搬送面2aに沿って半径方向に延在部材8を固定する。延在部材8の端部(軸1側の端部)は、軸1に接続されていても良いし、接続されていなくても良い。
さらに、延在部材8と軸1とを補強リブ3で連結する。
この例では、延在部材8を設けることで、補強リブ3の軸1の表面に対する高さを、相対的に低くすることができる。例えば、軸1の表面に対する上記補強リブ3の高さを、最終面部2aの半径の2/3以下1/3以上とする。これによって、補強リブ3に付着する原料を低減出来る。
【0020】
(2)上記の実施形態では、補強リブ3を板材から構成する場合を例示した。しかし、補強材の形状は、平板形状に限定されない。
例えば、補強リブ3が、
図3のように、棒体10からなる場合を例示している。この場合、棒体10で、最終面部2aの半径方向途中位置と、軸1とを連結する構成とする。
すなわち、棒体10からなる補強リブ3の一端部を、最終面部2aの半径方向途中位置に接続し、当該最終面部2aから離れる方向に延在(突出)する。そして、補強リブ3の他端部を軸1の表面に接続する。
補強リブ3の一端部(最終面部2aへの接続部)の高さは、例えば、最終面部2aの半径よりも小さく且つ当該半径の1/2以上とする。好ましくは半径の2/3以上である。
この変形例においても、補強リブ3は、軸1の表面に対する軸直方向の高さが、補強リブ3が接続される最終面部2aの面位置から軸方向(排出側)に向けて離れるほど低くなっている。
【0021】
また、変形例(1)と同様に、棒体からなる補強リブ3と最終面部2aとの間に延在部材8(第2の補強リブ)を介在させても良い(
図4参照)。この場合、変形例(1)と同様に、補強リブ3の1端部側(最終面部2a側)の高さを低くすることが可能である。例えば、補強リブ3の一端部側の軸1の表面に対する高さを、例えば、最終面部2aの半径の2/3以下とすることも可能となる。ただし、1/3以上、好ましくは1/2以上とすることが良い。
【0022】
(3)なお、補強リブ3は、四角形の板形状などでも良く、形状に限定はない。
ただし、補強リブ3は、軸1の表面に対する軸直方向の高さが、補強リブ3が接続される最終面部2aの面位置から軸方向(排出側)に離れるほど低くなっている方が良い。その方が、搬送される原料の搬送の阻害をより抑制できる。
【0023】
(動作その他)
本実施形態では、羽根2の最終段の搬送面(排出方向を向く面)に対し補強リブ3を設けて、最終段の搬送面の軸方向への曲げ剛性を高くした。これにより、排出口7に近い羽根2の部分の軸方向への曲げ剛性(特に排出側から掛かる荷重に対する剛性)が向上する。
また補強リブ3を設けても、羽根2の面(最終面部2a)から離れるほど補強リブ3の高さを低く設定することで、補強リブ3を設けることによる原料の排出性への影響を小さくした。
また、本実施形態では、補強リブ3を、軸方向で羽根の面同士が対向しない面に設ける。このため、補強リブ3を設けても、軸方向で羽根の面同士が対向する空間(搬送物を搬送する空間)を部分的に狭くすることもない。
この結果、本実施形態のスクリューコンベアは、排出性を損なうことなく排出口7が閉塞した場合の、ねじ羽根2の変形を防止する機能を有する。
【0024】
<出側排出口の閉塞時のねじ羽根の曲損抑止メカニズム>
本実施形態のスクリューコンベアにおける、出側排出口7の閉塞時のねじ羽根2の曲損抑止メカニズムについて説明する。なお、軸方向で羽根2の面が対向する部分の空間を「羽根間」と呼ぶ。
スクリューコンベアは、駆動モータ6によって、軸1とねじ羽根2が回転することでケーシング4内を原料が搬送される。この際、ねじ羽根2の非搬送面に補強材を設置すると、補強材への原料付着によりねじ羽根間の体積が減少し、搬送する原料に圧縮が発生し閉塞するおそれがある。
【0025】
これに対し、本実施形態では、羽根間に補強リブ3を設けることなく、補強リブ3を、ねじ羽根2の最後段に位置する搬送面に設置する。すなわち、羽根間に補強リブ3を設けることにいる羽根間での原料圧縮を回避する。この結果、本実施形態では、螺旋状のねじ羽根間の空間を通過して連続して搬送されてくる原料は、順次、排出口7から排出される。そして、羽根間に無い補強リブ3に仮に原料付着が発生しても、羽根間での原料圧縮およびスクリューコンベアの閉塞が抑制される。
また、ケーシング4に設けられた排出口7が閉塞し、ケーシング4の下流側(排出側)において、原料の過圧縮が発生する場合においても、補強リブ3によって、ねじ羽根2の変形が防止される。
【0026】
以上のように、本実施形態のスクリューコンベアにあっては、羽根間に補強部が存在しない。このため、補強部に原料付着によるねじ羽根間に原料排出が阻害され、閉塞が発生するリスクが抑えられる。また、補強リブ3によって、排出側の羽根2部分の曲げに対する剛性が高いため、ねじ羽根2が、軸1の接合部で曲がるような羽根2の曲損を防止することが出来る。
【0027】
(その他)
本開示は、次の構成も取り得る。
(1)ケーシング内に、軸回転可能な軸と上記軸に沿って螺旋状に設けられた羽根とが設けられたスクリューコンベアであって、
軸方向で羽根の面同士が対向しない面である、上記羽根の最終段の搬送面に、当該最終段の搬送面と上記軸とを連結する1又は2以上の補強リブを設けた、
ことを特徴とするスクリューコンベア。
(2)上記補強リブは、上記羽根の延在方向に間隔を開けて2以上設けられている。
(3)上記補強リブは、上記軸の表面に対する軸直方向の高さが、当該補強リブが接続される上記最終段の搬送面の面部分から軸方向に向けて離れるほど低くなっている。
(4)上記補強リブは、三角形状の板部材からなり、隣り合う2つの辺が、上記最終段の搬送面と上記軸とにそれぞれ接続する。
(5)上記補強リブと当該補強リブが接続される上記羽根の最終段の搬送面との間に、上記羽根の最終段の搬送面に接続し当該最終段の搬送面の半径方向に延在する延在部材を介装した。
(6)上記軸の表面に対する上記補強リブの高さは、上記羽根の最終段の搬送面の高さの2/3以下である。
(7)上記補強リブは、上記最終段の搬送面の半径方向途中位置と、上記軸とを連結する棒体からなる。
(8)上記補強リブと当該補強リブが接続される上記最終段の搬送面との間に、その最終段の搬送面に接続し当該最終段の搬送面の半径方向に延在する延在部材を介装した。
(9)上記軸の表面に対する上記補強リブの高さは、上記羽根の最終段の搬送面の高さの2/3以下である。
【実施例0028】
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、
図1に示すスクリューコンベアで、粉上石炭の搬送を行った。
本実施例1のスクリューコンベアは、長さ3800mm、直径160mmの軸1に対し、直径530mm、板厚6mmのねじ羽根2が設けられている。また、ねじ羽根2の最後段搬送面に、
図1に示すような補強リブ3が取付けられている。
補強リブ3は、羽根2の延在方向(羽根2の回転方向)に90度毎に3個設置されている。
そして、本実施例では、粉上石炭を投入口5から連続的に投入した。また、軸1を回転駆動するモータ6を毎分5~20回転させることにより、ねじ羽根2で原料を搬送方向に押し出し、順次、原料を排出口7から排出されるようにした。
【0029】
(比較例)
比較例のスクリューコンベアは、補強リブ3を設けない条件以外は、実施例1と同様な構成とした。
【0030】
(評価)
排出口7で閉塞が発生した場合、モータ6が過負荷停止するまでのしばらくの間、軸1は回転し、それに伴い、過負荷停止までねじ羽根2も回転する。そして、排出口7が原料で閉塞すると、ねじ羽根2の最後段と排出口7との間で原料の過圧縮が発生する。過圧縮発生すると、その反力によって、ねじ羽根2の最終段部分で曲損が発生するおそれがある。一旦羽根2に曲損が発生すると、羽根間ピッチが狭い部分が発生するため、排出口7の閉塞解消後もスクリューコンベアの搬送抵抗は大きくなり、場合によっては閉塞が発生する。
そのため、排出口7の閉塞時の再立ち上げには、ねじ羽根2の補修作業が必要となり非常に時間が掛かっていた。
【0031】
実施例1と比較例のスクリューコンベアにおいて、擬似的に、排出口7を閉塞してみた。
このとき、実施例1のスクリューコンベアにおいては、ねじ羽根2の最終段部分で曲損が発生しなかった。一方、比較例のスクリューコンベアでは、ねじ羽根2の最終段部分で曲損が発生していた。
更に、擬似的な閉塞を解除して運転を再開したところ、比較例では、短時間で閉塞が発生した。一方、実施例1では、閉塞が発生せず正常に稼働を続けた。
【0032】
このように、本発明に基づくスクリューコンベアでは、排出口7閉塞時のねじ羽根2の曲損を防ぐことが出来ることが分かった。そのため、本発明に基づくスクリューコンベアにあっては、一旦閉塞が発生しても、清掃後には素早くスクリューコンベアを再稼働することが出来ることが分かった。更に、補強リブ3を最後段搬送面に設置しても。スクリューの原料搬送を阻害しないことも分かった。