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特開2024-107803配送制御装置、配送制御システム、及び配送制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107803
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】配送制御装置、配送制御システム、及び配送制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20240802BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011918
(22)【出願日】2023-01-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】松本 麻希
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】物品の配送効率を重視した配送方法を選択するか、または物品の属性情報を重視した配送方法を選択するかを制御可能とし、ユーザにとってより望ましい配送を実現することが可能な配送制御装置、配送制御システム、及び配送制御方法を提供する。
【解決手段】
センターサーバ2は、配送対象となる物品を扱う第1配送元であってUAV1を配備する当該第1配送元の位置情報と、当該物品を扱う第2配送元であってUAV1を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理し、第1配送元及び第2配送元のそれぞれで扱われる物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得し、第1配送元で扱われる物品を同拠点のUAV1により配送先へ配送させる第1配送方法と、第2配送元で扱われる物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、ユーザにより指定された物品の属性情報に基づいて選択する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送対象となる物品を扱う第1配送元であって無人機を配備する当該第1配送元の位置情報と、前記物品を扱う第2配送元であって無人機を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理する管理手段と、
前記第1配送元及び前記第2配送元のそれぞれで扱われる前記物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得する取得手段と、
前記第1配送元で扱われる前記物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる第1配送方法と、前記第1配送元より前記配送先に近い位置にある前記第2配送元で扱われる前記物品を前記第2配送元とは異なる場所にある拠点に配備されている無人機により前記配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも前記物品の属性情報に基づいて選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする配送制御装置。
【請求項2】
前記物品の属性情報に、当該物品を前記無人機に保持させた状態における配送時間を制限するための制限時間が含まれていない場合、前記選択手段は、前記第1配送方法を選択することを特徴とする請求項1に記載の配送制御装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記物品の属性情報に基づいて、当該物品の種類が特定種類であると判定した場合、前記第2配送方法を選択することを特徴とする請求項1に記載の配送制御装置。
【請求項4】
前記物品の属性情報に、当該物品を前記無人機に保持させた状態における配送時間を制限するための制限時間が含まれている場合、前記選択手段は、前記第1配送元の位置情報と前記配送先の位置情報とに基づいて、前記第1配送元から前記配送先への前記物品の配送に要する第1配送予測時間を算出し、当該第1配送予測時間が前記制限時間以下である場合、前記第1配送方法を選択することを特徴とする請求項1に記載の配送制御装置。
【請求項5】
前記第1配送予測時間が前記制限時間以下でない場合、前記選択手段は、前記第2配送元の位置情報と前記配送先の位置情報とに基づいて、前記第2配送元から前記配送先への前記物品の配送に要する第2配送予測時間を算出し、当該第2配送予測時間が前記制限時間以下である場合、前記第2配送方法を選択することを特徴とする請求項4に記載の配送制御装置。
【請求項6】
前記選択手段は、異なる場所にある複数の前記第2配送元のそれぞれについて、前記第2配送予測時間を算出し、前記第2配送予測時間が前記制限時間以下である前記第2配送元が複数特定された場合、当該特定された複数の前記第2配送元のそれぞれについて、前記第2配送予測時間と前記拠点から前記第2配送元への前記無人機の移動予測時間との合計時間を算出し、当該合計時間が最も短い前記第2配送元を1つ特定し、当該特定された第2配送元で扱われる前記物品を前記配送先へ配送させる第2配送方法を選択することを特徴とする請求項5に記載の配送制御装置。
【請求項7】
前記第2配送予測時間が前記制限時間以下でない場合、前記ユーザに対して、前記指定された物品の配送が困難である旨、物品の再指定を促す旨、または前記指定された物品の配送により当該物品の品質が劣化する可能性がある旨を含むメッセージを通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の配送制御装置。
【請求項8】
前記選択手段は、異なる場所にある複数の前記第2配送元のそれぞれについて、前記第2配送予測時間を算出し、前記第2配送予測時間がいずれも前記制限時間以下でない場合、前記ユーザに対して、前記指定された物品の配送が困難である旨、物品の再指定を促す旨、または前記指定された物品の配送により当該物品の品質が劣化する可能性がある旨を含むメッセージを通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の配送制御装置。
【請求項9】
前記物品の属性情報には、当該物品の重量が含まれており、
前記選択手段は、前記第1配送元に配備されている無人機が保持可能な重量として予め設定されている機体上限値と、前記第1配送元の位置情報と、前記配送先の位置情報とに基づいて、前記第1配送元から前記配送先への配送において前記第1配送元に配備されている無人機が保持可能な重量の第1上限値を算出し、前記物品の重量が前記第1上限値以下である場合、前記第1配送方法を選択することを特徴とする請求項1に記載の配送制御装置。
【請求項10】
前記物品の重量が前記第1上限値以下でない場合、前記選択手段は、前記拠点に配備されている無人機が保持可能な重量として予め設定されている機体上限値と、前記第2配送元の位置情報と、前記配送先の位置情報とに基づいて、前記第2配送元から前記配送先への配送において前記拠点に配備されている無人機が保持可能な重量の第2上限値を算出し、前記物品の重量が前記第2上限値以下である場合、前記第2配送方法を選択することを特徴とする請求項9に記載の配送制御装置。
【請求項11】
前記選択手段は、異なる場所にある複数の前記第2配送元のそれぞれについて、前記第2上限値を算出し、前記物品の重量が前記第2上限値以下である前記第2配送元が複数特定された場合、当該特定された複数の前記第2配送元のうち、前記第2上限値が最も大きい前記第2配送元を1つ特定し、当該特定された第2配送元で扱われる前記物品を前記配送先へ配送させる第2配送方法を選択することを特徴とする請求項10に記載の配送制御装置。
【請求項12】
前記物品の重量が前記第2上限値以下でない場合、前記ユーザに対して、前記指定された物品の配送が困難である旨、または前記物品の再指定を促す旨を含むメッセージを通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の配送制御装置。
【請求項13】
前記選択手段は、前記第1配送方法と前記第2配送方法のうち何れかを、前記物品の属性情報と、前記第1配送元の位置情報と、前記第2配送元の位置情報と、前記配送先の位置情報とに基づいて選択することを特徴とする請求項1に記載の配送制御装置。
【請求項14】
前記ユーザが前記物品を指定するための画面において、当該物品を扱う第1配送元の表示情報を、当該物品を扱う第2配送元の表示情報よりも優先的に表示させることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の配送制御装置。
【請求項15】
前記選択手段により選択された前記第1配送方法または前記第2配送方法に基づいて、前記指定された物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の配送制御装置。
【請求項16】
前記拠点は、前記第1配送元内にあり、
前記無人機を前記拠点から前記第2配送元へ移動させ、前記第2配送元において前記物品を保持させた後、当該物品を保持した無人機により前記配送先へ配送させる制御手段を更に備えることを特徴とする請求項3、5、6、または11に記載の配送制御装置。
【請求項17】
配送対象となる物品を扱う第1配送元であって無人機を配備する当該第1配送元の位置情報と、前記物品を扱う第2配送元であって無人機を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理する配送制御システムであって、
前記第1配送元及び前記第2配送元のそれぞれで扱われる前記物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得する取得手段と、
前記第1配送元で扱われる前記物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる第1配送方法と、前記第1配送元より前記配送先に近い位置にある前記第2配送元で扱われる前記物品を前記第2配送元とは異なる場所にある拠点に配備されている無人機により前記配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも前記物品の属性情報に基づいて選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする配送制御システム。
【請求項18】
コンピュータにより実行される配送制御方法であって、
配送対象となる物品を扱う第1配送元であって無人機を配備する当該第1配送元の位置情報と、前記物品を扱う第2配送元であって無人機を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理するステップと、
前記第1配送元及び前記第2配送元のそれぞれで扱われる前記物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得するステップと、
前記第1配送元で扱われる前記物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる第1配送方法と、前記第1配送元より前記配送先に近い位置にある前記第2配送元で扱われる前記物品を前記第2配送元とは異なる場所にある拠点に配備されている無人機により前記配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも前記物品の属性情報に基づいて選択するステップと、
を含むことを特徴とする配送制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人機により配送元から配送先へ物品を配送するシステム等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無人航空機や無人地上機(無人走行機)等の無人機により配送元から配送先へ商品等の物品を配送するシステムの実用化が進められている。例えば、特許文献1に開示されたシステムでは、ある店舗(管理センタ)にて取り扱う商品の注文を受け付けると、その店舗に設置してある飛行配送機に配送物を保持させ、配送先に配送させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-58937号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、配送時間や消費エネルギーなどの配送効率の観点から、無人機を配備する店舗等で扱われる物品であれば、その店舗等から直接配送することが望ましい。しかし、物品を無人機に保持させた状態における配送時間が長くなることで当該物品の属性情報によっては適切な配送を行うことが困難なことがある。例えば、無人機を配備する店舗等で扱われる物品であり、当該店舗等から直接配送することが可能であっても、当該物品を長時間保持させた状態で配送している間に当該物品の品質が劣化するという課題がある。また、物品を長時間保持させた状態で配送することで、当該物品の重量が大きいほど無人機のバッテリ消費量が大きくなるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、物品の配送効率を重視した配送方法を選択するか、または物品の属性情報を重視した配送方法を選択するかを制御可能とし、ユーザにとってより望ましい配送を実現することが可能な配送制御装置、配送制御システム、及び配送制御方法を提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(適用例1)上記課題を解決するために、本適用例に係る配送制御装置は、配送対象となる物品を扱う第1配送元であって無人機を配備する当該第1配送元の位置情報と、前記物品を扱う第2配送元であって無人機を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理する管理手段と、前記第1配送元及び前記第2配送元のそれぞれで扱われる前記物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得する取得手段と、前記第1配送元で扱われる前記物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる第1配送方法と、前記第1配送元より前記配送先に近い位置にある前記第2配送元で扱われる前記物品を前記第2配送元とは異なる場所にある拠点に配備されている無人機により前記配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも前記物品の属性情報に基づいて選択する選択手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
(適用例2)本適用例に係る配送制御システムは、配送対象となる物品を扱う第1配送元であって無人機を配備する当該第1配送元の位置情報と、前記物品を扱う第2配送元であって無人機を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理する配送制御システムであって、前記第1配送元及び前記第2配送元のそれぞれで扱われる前記物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得する取得手段と、前記第1配送元で扱われる前記物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる第1配送方法と、前記第1配送元より前記配送先に近い位置にある前記第2配送元で扱われる前記物品を前記第2配送元とは異なる場所にある拠点に配備されている無人機により前記配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも前記物品の属性情報に基づいて選択する選択手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
(適用例3)本適用例に係る配送制御方法は、コンピュータにより実行される配送制御方法であって、配送対象となる物品を扱う第1配送元であって無人機を配備する当該第1配送元の位置情報と、前記物品を扱う第2配送元であって無人機を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理するステップと、前記第1配送元及び前記第2配送元のそれぞれで扱われる前記物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得するステップと、前記第1配送元で扱われる前記物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる第1配送方法と、前記第1配送元より前記配送先に近い位置にある前記第2配送元で扱われる前記物品を前記第2配送元とは異なる場所にある拠点に配備されている無人機により前記配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも前記物品の属性情報に基づいて選択するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、指定された物品に応じて、当該物品の配送効率を重視した配送、または当該物品の属性情報を重視した配送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】配送制御システムSの概要構成例を示す図である。
図2】UAV1を利用して配送先へ物品を配送する様子を示す概念図である。
図3】UAV1の概要構成例を示す図である。
図4】センターサーバ2の概要構成例を示す図である。
図5】制御部23における機能ブロック例を示す図である。
図6】UAV拠点から各配送元までのUAV1の所要時間T1、各配送元から配送先までのUAV1の所要時間T2、及びT1とT2の合計時間T3の一例を示す図である。
図7】各配送元から配送先までのUAV1の保持重量上限値の一例を示す図である。
図8】物品の注文が行われる場合における配送制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図9】ユーザ端末3に表示された物品&配送元一覧画面の一例を示す図である。
図10図8に示すステップS8における配送方法選択処理(例1)を示すフローチャートである。
図11図8に示すステップS8における配送方法選択処理(例2)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、無人機により配送元から配送先へ物品を配送するシステムに対して、本発明を適用した場合の実施形態である。なお、本実施形態においては、無人機の例として無人航空機(以下、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)と称する)を例にとって説明する。
【0012】
1.配送制御システムSの構成及び動作概要
先ず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る配送制御システムSの構成及び動作概要について説明する。図1は、配送制御システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、配送制御システムSは、UAV1及びセンターサーバ2(配送制御装置の一例)等を含んで構成される。UAV1及びセンターサーバ2は、それぞれ、通信ネットワークNWに接続される。通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。UAV1は、ドローン、またはマルチコプタとも呼ばれる。なお、図1の例では、1つのUAV1が示されているが、実際には複数のUAV1が存在する。UAV1は、物品の配送元から配送先に向けて、地上からオペレータによる遠隔操縦に従って飛行、または空中を自律的に飛行することが可能になっている。センターサーバ2は、配送を管理及び制御するサーバである。また、センターサーバ2は、通信ネットワークNWを介して、ユーザ(例えば配送依頼人)により使用されるユーザ端末3からの物品の配送要求(例えば、物品の注文を含んでもよい)を受け付け可能になっており、受け付けられた配送要求を処理する。
【0013】
配送元は、荷物(貨物)として配送対象となる物品を扱う施設(例えば、店舗や倉庫)を有する場所である。配送元には、1または複数のUAV1を配備する第1配送元と、UAV1を配備しない第2配送元とがある。第1配送元においては、物品を扱う施設にUAV拠点が併設される。UAV拠点には、UAV1を保管するための設備が備えられる。本実施形態においては、第2配送元は第1配送元より配送先に近い位置にあるものとする。配送先は、ユーザにより指定される場所であり、建物の出入口(例えば、一戸建て住宅の玄関、マンション等の集合住宅の1階エントランス)付近や建物の屋上等であるが、特に限定されるものではなく、例えば避難場所であってもよい。
【0014】
配送対象となる物品は、例えば、EC(Electronic commerce)サイトなどでユーザにより注文される商品であってもよいし、特設サイトでユーザにより指定される救援物資や支援物資であってもよい。それぞれの物品には属性情報が対応付けられる。かかる属性情報には、例えば、物品の種類と、物品の重量とのうち少なくとも何れか一方が含まれる。物品の種類としては、食品(飲料を含む)、ベビー用品、日用品、書籍などが挙げられる。ここで、食品の種類は、状態維持または品質維持のために保冷することが必要な食品、美味しく食するために保温することが好ましい食品、保冷及び保温することが必要でない食品(例えば、菓子、加工食品など)等に区分される。
【0015】
保冷することが必要な食品の種類は、さらに、冷蔵食品(例えば、野菜、果物、鮮魚、精肉などの生鮮食品)と、冷凍食品(例えば、アイスクリームなど)等に区分される。一方、保温することが好ましい食品とは、例えば、60°C~80°C程度の比較的高い温度で温めることが好ましい食品(例えば、揚げ物、弁当など)である。食品の種類が、保冷することが必要な食品または保温することが好ましい食品である場合、当該食品の属性情報には、当該食品をUAV1に保持(例えば、搭載、または吊り下げ)させた状態における配送時間(換言すると、UAV1による保持継続時間)を制限するための制限時間(以下、「リードタイム」という)が含まれてもよい。かかるリードタイムは、食品の種類に応じて、または、温度に関して設定される設定時間である。
【0016】
例えば、食品の種類が冷凍食品である場合、当該食品をUAV1に保持させた状態において、当該食品が溶けるまでの推定時間が考慮されたリードタイム(例えば、5~10分)が設定される。また、食品の種類が冷蔵食品である場合、当該食品に菌が繁殖するまでの推定時間が考慮されたリードタイム(例えば、30分~50分)が設定される。また、食品の種類が保温することが好ましい食品である場合、当該食品が冷めるまでの推定時間が考慮されたリードタイム(例えば、1~2分)が設定される。これらのリードタイムは、温度調整機構により温度調整がされない空間において、食品の状態または品質を維持することが可能な時間ということができる。リードタイムが設定された物品を「リードタイム有り物品」といい、リードタイムが設定されていない物品を「リードタイム無し物品」という。上記推定時間は、例えば、食品の閾値温度情報または劣化速度情報に基づいて算出されるとよい。なお、冷凍食品、冷蔵食品、及び保温することが好ましい食品は、温度帯に応じた時系列的な状態変化または品質変化の度合い(つまり、温度帯に応じて時間経過とともに状態または品質が変化し易いかどうか)に基づいて決定される特定種類(例えば、当該度合いが閾値以上である種類)の物品に分類される。
【0017】
配送対象となる物品の配送方法には、第1配送元で扱われる物品を当該第1配送元にあるUAV拠点に配備されているUAV1(以下、適宜、「同拠点のUAV1」という)により配送先へ配送させる第1配送方法と、第2配送元で扱われる物品を第2配送元とは異なる場所(別の場所)にあるUAV拠点に配備されているUAV1(以下、適宜、「別拠点のUAV1」という)により配送先へ配送させる第2配送方法とがある。ここで、第2配送元とは異なる場所にあるUAV拠点とは、第1配送元内にあるUAV拠点であってもよいし、第1配送元内にないUAV拠点(施設に併設されないUAV拠点)であってもよい。第1配送方法の場合、第1配送元において同拠点のUAV1に物品が保持された後、当該第1配送元から当該UAV1が離陸して配送先へ当該物品を配送する。一方、第2配送方法の場合、別拠点のUAV1が離陸して第2配送元に立ち寄り、当該第2配送元において当該UAV1に物品が保持された後、当該第2配送元から当該UAV1が離陸して配送先へ当該物品を配送する。
【0018】
図2は、UAV1を利用して配送先へ物品を配送する様子を示す概念図である。図2に示す配送元Aは第1配送元の一例であり、配送元B及び配送元Cは第2配送元の一例である。なお、この例では、第1配送元の一例である配送元Aは、上述した別拠点に相当する。図2に示す第1配送方法D1の場合、配送元Aでの離陸(出発)と、配送先での着陸(到着)とが実施される。一方、図2の示す第2配送方法D2の場合、配送元Aでの離陸と、配送元Bでの着陸と、配送元Bでの離陸と、配送先での着陸とが実施される。このように、第1配送方法D1ではUAV1の離陸と着陸の工程が1回ずつで済むのに対して、第2配送方法(第2配送方法D3も同様)では離陸と着陸の工程が複数回ずつ実施されることになる。特に、UAV1による配送では、離陸と着陸の工程が最もエネルギー消費が大きく、かつ、時間を費やす工程であるため、離陸と着陸の工程が1回で済む第1配送方法D1によって物品を配送することが望ましい。また、第1配送方法D1は、第2配送方法D2に比べて、例えば施設側の融通が利きやすく、また、シンプルなオペレーションで済むという利点もある。このような観点から、第1配送方法D1は、物品の配送効率を重視した配送方法ということができる。
【0019】
他方、配送元Aから配送先まで物品をUAV1に保持させた状態における配送時間は、配送元Bから配送先まで物品をUAV1に保持させた状態における配送時間より長くなる。そのため、物品の属性情報(例えば、物品の種類や重量)によっては物品の品質が劣化する可能性が高くなったり、UAV1のバッテリ切れが発生する可能性が高くなったりする。従って、第1配送方法D1よりも第2配送方法D2により物品を配送することが望ましい場合もある。このような観点から、第2配送方法D2(第2配送方法D3も同様)は、物品の属性情報を重視した配送方法ということができる。本実施形態では、以下に説明するように、配送対象として指定された物品に応じて、当該物品の配送効率を重視した配送、または当該物品の属性情報を重視した配送を実現することができる。
【0020】
1-1.UAV1の構成及び機能
次に、図3等を参照して、UAV1の構成及び機能について説明する。図3は、UAV1の概要構成例を示す図である。図3に示すように、UAV1は、駆動部11、測位部12、通信部13、センサ部14、記憶部15、及び制御部16等を備え、これらの各部へ電力を供給するバッテリ(図示せず)を備える。また、UAV1は、図1に示すように、水平回転翼であるロータ(プロペラ)1a、及び物品を保持する保持部材1b等を備える。保持部材1bは物品を搭載するための搭載ボックスを保持してもよい。保持部材1bは、物品またはその搭載ボックスを吊り下げる部材であってもよい。さらに、UAV1は、図示しないが、保持機構等を備える。保持機構は、モータ等により構成されるアクチュエータを含む。保持機構は、制御部16から出力される制御信号に応じてアクチュエータを駆動することで保持部材1bから物品を解放する(つまり、物品を切り離す)。なお、保持機構には、保持部材1bに接続されるワイヤ等の線状部材、及び線状部材の送り出しまたは巻き取りを行うリール(ウインチ)が備えられてもよい。
【0021】
駆動部11は、モータ及び回転軸等を備える。駆動部11は、制御部16から出力された制御信号に従って駆動するモータ及び回転軸等により複数のロータ1aを回転させる。測位部12は、電波受信機及び高度センサ等を備える。測位部12は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の衛星から発信された電波を電波受信機により受信し、当該電波に基づいてUAV1の水平方向の現在位置を検出する。測位部12により検出された現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)は、制御部16へ出力される。さらに、測位部12は、気圧センサ等の高度センサによりUAV1の垂直方向の現在位置(高度)を検出してもよい。この場合、位置情報には、UAV1の高度を示す高度情報が含まれる。通信部13は、無線通信機能を備え、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。
【0022】
センサ部14は、UAV1の飛行制御等に用いられる各種センサを備える。各種センサには、例えば、光学センサ、3軸角速度センサ、3軸加速度センサ、及び地磁気センサ等が含まれる。光学センサは、カメラ(例えば、RGBカメラ)を含んで構成され、カメラの画角に収まる範囲内の実空間を連続的に撮像する。センサ部14によりセンシングされたセンシング情報は、制御部16へ出力される。センシング情報は、UAV1の機体IDとともに通信部13により管理サーバ3へ逐次送信されてもよい。UAV1の機体IDは、UAV1を識別するための識別情報である。
【0023】
記憶部15は、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。また、記憶部15は、UAV1の機体IDを記憶する。制御部16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ROM(または、記憶部15)に記憶されたプログラムに従って各種制御を実行する。各種制御には、飛行制御(離陸制御及び着陸制御を含む)が含まれる。飛行制御では、制御部16は、測位部12から取得された位置情報、センサ部14から取得されたセンシング情報、及び配送先の位置情報(例えば、緯度及び経度)等を用いて、ロータ1aの回転数、UAV1の位置、姿勢及び進行方向を制御する。なお、上述した第2配送方法の場合、さらに、第2配送元の位置情報(例えば、緯度及び経度)が用いられる。配送先の位置情報及び第2配送元の位置情報は、例えばセンターサーバ2から取得される。UAV1の飛行中、UAV1の位置情報は、UAV1の機体IDとともに通信部13によりセンターサーバ2へ逐次送信される。
【0024】
1-2.センターサーバ2の構成及び機能
次に、図4を参照して、センターサーバ2の構成及び機能について説明する。図4は、センターサーバ2の概要構成例を示す図である。図4に示すように、センターサーバ2は、通信部21、記憶部22、及び制御部23等を備える。通信部21は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ等から構成され、オペレーティングシステム、及びアプリケーションを含む各種プログラム等を記憶する。ここで、アプリケーションには、配送制御方法を実行するためのプログラムが含まれる。さらに、記憶部22には、配送元管理データベース(DB)221、及び機体管理データベース222(DB)等が構築される。なお、配送元管理データベース221及び機体管理データベース222は、センターサーバ2とは異なるサーバ(例えば、データベースサーバ)内に設けられてもよい。
【0025】
配送元管理データベース221は、物品の配送元に関する情報を管理するためのデータベースである。配送元管理データベース221には、例えば、配送元の配送元ID、当該配送元の名称(例えば、施設名)、当該配送元の位置情報(つまり、配送元の設置位置を示す位置情報)、当該配送元で扱われる物品(例えば、販売される物品や、保管される物品)の物品情報、及びUAV有無情報等が配送元ごとに対応付けられて格納(登録)される。ここで、配送元の配送元IDは、配送元を識別するための識別情報である。UAV有無情報は、配送元にUAV1が配備されているか否かを示す。配送元にUAV1が配備されている場合、UAV有無情報には、当該UAV1の機体IDが含まれる。配送元で扱われる物品の物品情報には、物品の物品ID、物品名、物品画像、諸元、価格、在庫状況(つまり、在庫が有るか無いか)、及び属性情報が含まれる。物品IDは、物品を識別するための識別情報である。なお、物品が商品である場合、物品情報には当該物品の価格が含まれる。
【0026】
機体管理データベース222は、UAV1に関する情報を管理するためのデータベースである。機体管理データベース222には、例えば、UAV1の機体ID、当該UAV1が配備されているUAV拠点(例えば、第1配送元)の位置情報、及び当該UAV1が保持可能(例えば、搭載可能、または吊り下げ可能)な重量として予め設定されている機体上限値(以下、「UAV1の機体上限値」という)がUAV1ごとに対応付けられて格納(登録)される。なお、ユーザに関する情報を管理するためのユーザ管理データベースがセンターサーバ2により管理されてもよい。この場合、ユーザ管理データベースには、ユーザID、氏名、及びメールアドレス等がユーザごとに対応付けられて格納される。ユーザ管理データベースには、物品の配送先(つまり、前もって指定された配送先)を示す配送先情報が登録されてもよい。ユーザIDは、ユーザを識別するための識別情報であり、システムへのログインに用いられる。
【0027】
制御部23は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。図5は、制御部23における機能ブロック例を示す図である。制御部23は、例えばROMまたは記憶部22に記憶されたプログラム(プログラムコード群)に従って、図5に示すように、配送元情報管理部231(管理手段の一例)、配送要求受付部232、情報取得部233(取得手段の一例)、配送方法選択部234(選択手段の一例)、メッセージ通知部235(通知手段の一例)、及び配送制御部236(制御手段の一例)等として機能する。
【0028】
配送元情報管理部231は、配送元管理データベース221を利用して、第1配送元の位置情報及び第2配送元の位置情報を管理する。これにより、配送元情報管理部231は、第1配送元と第2配送元との位置関係を特定することができる。なお、配送元管理データベース221がセンターサーバ2とは異なるサーバ内に設けられている場合であっても、配送元情報管理部231は、センターサーバ2にアクセスすることで、第1配送元の位置情報及び第2配送元の位置情報を管理することができる。
【0029】
配送要求受付部232は、ユーザにより指定された物品の配送要求を受け付ける。かかる配送要求には、例えば、当該物品の物品ID、及び当該指定された配送先を示す配送先情報(例えば、配送先の位置情報または住所)が含まれる。なお、ユーザにより第1配送元が指定されてもよく、この場合、配送要求には、ユーザにより指定された第1配送元の配送元IDが含まれる。
【0030】
情報取得部233は、第1配送元及び第2配送元のそれぞれで扱われる物品のうち、ユーザにより指定された物品の属性情報、及び当該物品の配送先の位置情報を取得する。ここで、当該物品の属性情報は、配送要求に含まれる物品IDに基づいて、配送元管理データベース221から取得されるとよい。また、当該物品の配送先の位置情報は、配送要求に含まれる配送先情報に基づいて取得される。また、情報取得部233は、当該物品を扱う第1配送元の位置情報と、当該物品を扱う第2配送元の位置情報を取得する場合もある。
【0031】
配送方法選択部234は、第1配送元で扱われる物品を同拠点のUAV1により配送先へ配送させる第1配送方法と、第2配送元で扱われる物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れか1つを、少なくとも物品の属性情報に基づいて選択する。これにより、ユーザにより指定された物品に応じて、当該物品の配送効率を重視した配送、または当該物品の属性情報を重視した配送を実現することができる。例えば、当該物品の属性情報にリードタイムが含まれていない場合(つまり、リードタイム無し物品の場合)、配送方法選択部234は、上記第1配送方法を選択する。これにより、上記指定された物品が上記配送時間を制限する必要がない場合に、当該物品の配送効率を重視した配送を効率良く実現することができる。一方、上記指定された物品の属性情報にリードタイムが含まれている場合(つまり、リードタイム有り物品の場合)、配送方法選択部234は、第1配送元の位置情報、第2配送元の位置情報、及び配送先の位置情報に基づいて、上記第1配送方法と上記第2配送方法のうち何れか1つを選択する。
【0032】
より具体的には、配送方法選択部234は、第1配送元の位置情報と、配送先の位置情報とに基づいて、当該第1配送元から当該配送先への物品の配送に要する第1配送予測時間(つまり、第1配送元から配送先までのUAV1の所要時間)を算出する。ここで、第1配送予測時間は、例えば、第1配送元から配送先までの第1配送ルートに沿った距離に対して、当該配送に利用されるUAV1の予定速度(例えば、予め規定された飛行速度)が乗算されることで算出される。第1配送ルート(この例では、飛行ルート)は、例えば、第1配送元の位置情報、配送先の位置情報、及びUAV1の飛行可能エリアに基づいて決定される。
【0033】
そして、配送方法選択部234は、上記算出された第1配送予測時間がリードタイム以下である場合、第1配送元で扱われる物品を同拠点のUAV1により配送先へ配送させる第1配送方法を選択する。これにより、上記指定された物品に応じて、品質劣化のリスクが低い場合は当該物品の配送効率を重視した配送を実現することができる。一方、配送方法選択部234は、上記算出された第1配送予測時間がリードタイム以下でない(つまり、リードタイムを超える)場合、配送先の位置情報と第2配送元の位置情報とに基づいて、当該第2配送元から当該配送先への物品の配送に要する第2配送予測時間(つまり、第2配送元から配送先までのUAV1の所要時間)を算出する。ここで、第2配送予測時間は、例えば、第2配送元から配送先までの第2配送ルートに沿った距離に対して、当該配送に利用されるUAV1の予定速度が乗算されることで算出される。第2配送ルートは、例えば、第2配送元の位置情報、配送先の位置情報、及びUAV1の飛行可能エリアに基づいて決定される。
【0034】
そして、配送方法選択部234は、上記算出された第2配送予測時間がリードタイム以下である場合、第2配送元で扱われる物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法を選択する。これにより、上記指定された物品に応じて、品質劣化のリスクが高い場合は当該物品の品質劣化を抑制する配送を実現することができる。なお、当該物品を扱う第2配送元が異なる場所に複数ある場合、配送方法選択部234は、異なる場所にある複数の第2配送元のそれぞれについて、上記第2配送予測時間を算出する。そして、配送方法選択部234は、上記第2配送予測時間がリードタイム以下である第2配送元が複数特定された場合、当該特定された複数の第2配送元のそれぞれについて、当該第2配送予測時間と、別拠点から第2配送元までのUAV1の移動予測時間(所要時間)との合計時間を算出する。
【0035】
ここで、移動予測時間は、例えば、別拠点から第2配送元までの移動ルートに沿った距離に対して、当該配送に利用されるUAV1の予定速度が乗算されることで算出される。移動ルート(この例では、飛行ルート)は、例えば、第1配送元の位置情報、第2配送元の位置情報、及びUAV1の飛行可能エリアに基づいて決定される。そして、配送方法選択部234は、上記算出された合計時間が最も短い第2配送元を1つ特定し、当該特定された第2配送元で扱われる物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法を選択する。これにより、上記指定された物品の品質劣化を抑制しつつも、当該物品の効率的な配送を実現することができる。
【0036】
図6は、UAV拠点から各配送元までのUAV1の所要時間T1、各配送元から配送先までのUAV1の所要時間T2、及びT1とT2の合計時間T3の一例を示す図である。図6の例では、配送元Aは第1配送元であるため、UAV拠点からの所要時間T1は示されていない。一方、配送元Bは第2配送元であるため、別拠点(つまり、配送元Bとは異なる場所にあるUAV拠点)からの所要時間T1(移動予測時間)として“10分”が示されている。同様に、配送元Cは第2配送元であるため、別拠点(つまり、配送元Cとは異なる場所にあるUAV拠点)からの所要時間T1(移動予測時間)として“12分”が示されている。なお、この例では、別拠点は、第1配送元の一例である配送元Aに相当する。また、配送元A~Cのそれぞれから配送先までの所要時間T2(配送予測時間)として、それぞれ、“20分”,“12分”,“8分”が示されている。ここで、例えば、物品のリードタイムが“18分”である場合、配送元Aに対応する所要時間T2(20分)は当該リードタイム(18分)を超えるため、上記第1配送方法は選択されない。一方、配送元B,Cに対応する所要時間T2(12分,8分)は何れも当該リードタイム(18分)以下であるため、上記第2配送方法が選択される。このとき、T1とT2の合計時間T3が小さい方の配送元Cが特定され、当該特定された配送元Cで扱われる物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法が選択される。
【0037】
また、上記指定された物品の属性情報に当該物品の重量が含まれている場合、配送方法選択部234は、同拠点(つまり、第1配送元内にあるUAV拠点)のUAV1の機体上限値と、配送先の位置情報と、第1配送元の位置情報とに基づいて、当該第1配送元から当該配送先への配送において同拠点のUAV1が保持可能な重量の第1上限値(以下、「第1保持重量上限値」という)を算出する。ここで、第1保持重量上限値は、例えば、同拠点のUAV1の機体上限値に対して、第1配送元から配送先までの第1配送ルートに沿った距離に応じた係数(例えば、当該距離が長くなるほど、値が小さくなる係数)が乗算されることで算出される。或いは、第1保持重量上限値は、同拠点のUAV1の機体上限値に対して、第1配送予測時間に応じた係数(例えば、当該時間が長くなるほど、値が小さくなる係数)が乗算されることで算出されてもよい。
【0038】
そして、配送方法選択部234は、上記指定された物品の重量が第1保持重量上限値以下である場合、第1配送元で扱われる物品を同拠点のUAV1により配送先へ配送させる第1配送方法を選択する。これにより、上記指定された物品に応じて、UAV1のバッテリ切れのリスクが低い場合は当該物品の配送効率を重視した配送を実現することができる。ただし、当該物品の重量が第1保持重量上限値以下であっても、当該物品の配送に要する第1配送予測時間がリードタイム以下でない場合、上記第1配送方法は選択されないように構成してもよい。
【0039】
一方、配送方法選択部234は、上記指定された物品の重量が第1保持重量上限値以下でない場合、別拠点(つまり、第2配送元とは異なる場所にあるUAV拠点)のUAV1の機体上限値と、配送先の位置情報と、第2配送元の位置情報とに基づいて、当該第2配送元から当該配送先への配送において別拠点のUAV1が保持可能な重量の第2上限値(以下、「第2保持重量上限値」という)を算出する。ここで、第2保持重量上限値は、例えば、別拠点のUAV1の機体上限値に対して、第2配送元から配送先までの第2配送ルートに沿った距離に応じた係数(例えば、当該距離が長くなるほど、値が小さくなる係数)が乗算されることで算出される。或いは、第2保持重量上限値は、別拠点のUAV1の機体上限値に対して、第2配送予測時間に応じた係数(例えば、当該時間が長くなるほど、値が小さくなる係数)が乗算されることで算出されてもよい。
【0040】
なお、上述した保持重量上限値(第1保持重量上限値、または第2保持重量上限値)の算出にあたり、距離(または時間)が段階的に区分された範囲(例えば、0m~500mの範囲(1),500m~1000mの範囲(2), 1000m~1300mの範囲(3),・・・)のそれぞれに対応付けられた重量(例えば、範囲(1)には7.0kg(=機体上限値), 範囲(2)には6.0kg, 範囲(3)には5.7kg, ・・・)を規定するテーブルが用いられてもよい。この場合、配送元から配送先までの配送ルートに沿った距離(または時間)に対応付けられた重量が当該保持重量上限値として当該テーブルから特定される。
【0041】
そして、配送方法選択部234は、上記指定された物品の重量が第2保持重量上限値以下である場合、第2配送元で扱われる物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法を選択する。これにより、上記指定された物品に応じて、UAV1のバッテリ切れのリスクが高い場合はUAV1のバッテリ切れを抑制する配送を実現することができる。なお、当該物品を扱う第2配送元が異なる場所に複数ある場合、配送方法選択部234は、異なる場所にある複数の第2配送元のそれぞれについて、上記第2保持重量上限値を算出する。そして、配送方法選択部234は、当該物品の重量が第2保持重量上限値以下である第2配送元が複数特定された場合、当該特定された複数の第2配送元のうち、上記第2保持重量上限値が最も大きい第2配送元を1つ特定し、当該特定された第2配送元で扱われる物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法を選択する。これにより、UAV1のバッテリ切れを抑制しつつも、上記指定された物品を適切に配送することができる。
【0042】
図7は、各配送元から配送先までのUAV1の保持重量上限値の一例を示す図である。なお、図7に示す配送元A~Cは、図6に示す配送元A~Cに対応している。図7の例では、配送元A~Cのそれぞれから配送先までの保持重量上限値Wは、配送元A~Cのそれぞれに対応する所要時間T2に応じて(つまり、T2が大きくなるほど)大きくなっている。ここで、例えば、物品の重量が“5.5kg”である場合、当該物品の重量(5.5kg)は配送元Aに対応する保持重量上限値W(5.0kg)を超えるため、上記第1配送方法は選択されない。一方、当該物品の重量(5.5kg)は配送元B,Cのそれぞれに対応する保持重量上限値W(5.7kg,6.0kg)以下であるため、上記第2配送方法が選択される。このとき、保持重量上限値Wが大きい方(つまり、物品保持のための余裕がある方)の配送元Cが特定され、当該特定された配送元Cで扱われる物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法が選択される。
【0043】
メッセージ通知部235は、上記算出された第2配送予測時間がリードタイム以下でない場合、物品を指定したユーザに対して、当該物品の配送が困難である旨、当該物品の再指定を促す旨、または当該物品の配送により当該物品の品質が劣化する可能性がある旨を含むメッセージを通知する。これにより、当該物品を指定したユーザに対して次の行動を迅速に行わせることができる。例えば、メッセージ通知部235は、当該メッセージをユーザのユーザ端末3へ送信することで当該メッセージを通知する。また、メッセージ通知部235は、上記指定された物品の重量が第2保持重量上限値以下でない場合、当該物品を指定したユーザに対して、当該物品の配送が困難である旨、または当該物品の再指定を促す旨を含むメッセージを通知する。なお、異なる場所にある複数の第2配送元のそれぞれについて第2配送予測時間が算出された場合、メッセージ通知部235は、当該算出された第2配送予測時間がいずれもリードタイム以下でない場合に、物品を指定したユーザに対して、当該物品の配送が困難である旨、当該物品の再指定を促す旨、または当該物品の配送により当該物品の品質が劣化する可能性がある旨を含むメッセージを通知することになる。
【0044】
配送制御部236は、配送方法選択部234により選択された第1配送方法または第2配送方法に基づいて、上記指定された物品をUAV1により配送先へ配送させる。これにより、上記指定された物品に応じて、より適切な配送方法で当該物品を配送先へ配送する制御を行うことができる。例えば、配送方法選択部234により第1配送方法が選択された場合、配送制御部236は、配送先の位置情報を含む配送制御指令を、第1配送元内にあるUAV拠点のUAV1へ送信することで当該物品を配送先へ配送させる。一方、配送方法選択部234により第2配送方法が選択された場合、配送制御部236は、配送先の位置情報及び第2配送元の位置情報を含む配送制御指令を、第2配送元とは異なる場所にあるUAV拠点のUAV1へ送信することで当該物品を配送先へ配送させる。これにより、上記指定された物品の品質劣化のリスクが高い場合は配送効率が下がったとしても、当該物品の品質劣化が起こりにくい配送元まで集荷しにいくことで、品質劣化を抑制する配送を実現することができる。
【0045】
2.配送制御システムSの動作
次に、図8図11を参照して、物品の注文が行われる場合における配送制御システムSの動作について説明する。図8は、物品の注文が行われる場合における配送制御システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。図9は、ユーザ端末3に表示された物品&配送元一覧画面の一例を示す図である。図10は、図8に示すステップS8における配送方法選択処理(例1)を示すフローチャートであり、図11は、図8に示すステップS8における配送方法選択処理(例2)を示すフローチャートである。なお、物品の注文のあたり、ユーザ端末3がセンターサーバ2にアクセスした後、ユーザ端末3のユーザのログインが行われてもよい。
【0046】
図8において、センターサーバ2にアクセスしたユーザ端末3は、例えば検索画面(図示せず)上でユーザにより指定された検索条件を含む検索要求をセンターサーバ2へ送信する(ステップS1)。次いで、センターサーバ2がユーザ端末3から送信された検索要求を通信部21により受信すると、制御部23は、配送元管理データベース221を参照して、当該検索要求に含まれる検索条件を満たす物品(つまり、当該検索条件を満たし在庫が有る物品)を検索する(ステップS2)。ここで、検索条件を満たす物品で、かつ、第1配送元で扱われる物品を検索対象としてもよい(つまり、第2配送元で扱われる物品を除外してもよい)。かかる第1配送元は、物品の配送先を含む所定の配送エリア(例えば、県または市区町村)内から選定されるとよい。
【0047】
ここで、物品の配送先は、例えば、当該物品の検索が実行される前にユーザ端末3においてユーザにより指定される。この場合、例えば、ユーザ端末3に表示された配送先指定画面または検索画面において、ユーザが所望の配送先を指定(例えば、住所を入力、または地図上で選択)すると、当該指定された配送先(例えば、東京都目黒区中目黒・・・)を示す配送先情報がユーザ端末3からセンターサーバ2へ送信される。これにより、物品の配送先が特定される。或いは、ログインによりユーザが特定されている場合、物品の配送先は、当該ユーザのユーザIDに対応付けられた配送先情報(つまり、事前登録された配送先情報)により特定されてもよい。なお、上記配送先情報に対応して、後述する注文画面等において第1配送元の表示及び当該第1配送元で扱われる物品の表示が制御されることになる。或いは、ユーザ端末3に表示された配送先指定画面または検索画面において、ユーザが配送エリアを指定してもよい。この場合、当該指定された配送エリア(例えば、目黒区)を示す配送エリア情報がユーザ端末3からセンターサーバ2へ送信される。
【0048】
次いで、制御部23は、ステップS2の検索でヒットした物品の配送元を配送元管理データベース221から特定する(ステップS3)。次いで、制御部23は、ステップS3で特定された配送元に関する情報に基づいて、物品&配送元一覧データを生成する(ステップS4)。物品&配送元一覧データは、物品&配送元一覧画面(例えば、一覧ページ)をユーザ端末3に表示させるためのデータである。物品&配送元一覧データには、検索された物品の物品名、価格、物品画像、当該物品を扱う配送元の名称、及び当該配送元の配送元ID等の情報が含まれる。
【0049】
ここで、検索された物品を扱う配送元に第1配送元及び第2配送元が含まれる場合、第1配送元の表示優先度(表示優先順位)が第2配送元の表示優先度より高く設定された表示設定データが物品&配送元一覧データに含まれる。かかる表示設定データにより、物品&配送元一覧画面において、検索された物品を扱う第1配送元の表示情報(例えば、第1配送元の名称、物品名、及び物品画像等)を、当該検索された物品を扱う第2配送元の表示情報よりも優先的に表示(例えば、画面の上部に表示)させることができる。これにより、物品の配送効率を重視した配送をより優先させることができる。次いで、制御部23は、ステップS4で生成された物品&配送元一覧データを含む検索結果情報を通信部21によりユーザ端末3へ送信する(ステップS5)。
【0050】
次いで、ユーザ端末3は、センターサーバ2から送信された検索結果情報を受信すると、当該検索結果情報に含まれる物品&配送元一覧データに基づいて、物品&配送元一覧画面を表示する(ステップS6)。図9に示す物品&配送元一覧画面51には、複数の第1配送元のそれぞれに対応する表示ボックス511~513が選択可能に一覧表示されている。なお、物品&配送元一覧データに第2配送元の表示情報が含まれる場合、第2配送元に対応する表示ボックスは、例えば、ユーザによるまたはスクロール操作またはページ送り操作により第1配送元に対応する表示ボックスが全て表示された後に表示されるとよい。
【0051】
図9に示す表示ボックス511~513のそれぞれには、第1配送元の名称とともに、検索された物品の物品名、物品画像、及び価格等が表示されている。ユーザが物品&配送元一覧画面51において所望の物品&配送元を指定(例えば、表示ボックス512を選択)して選択確定ボタン514を指定すると、当該指定された物品(以下、「指定物品」という)を注文するための注文画面(図示せず)がユーザ端末3に表示される。このとき、物品&配送元一覧画面51において、ユーザは物品の指定とともに当該物品の数量を指定することもできる。ここで、物品&配送元一覧画面51においてユーザにより第1配送元が指定されたものとして、以下説明する。
【0052】
ユーザ端末3に表示された注文画面において、所定の決済手続きを行うことができる。なお、ユーザ端末3に表示された注文画面において、指定物品の配送先の指定が確定するとよい。例えば、上述したように、ユーザにより配送先が既に指定されている場合、注文画面を通じて配送先の指定が確定する。或いは、上述したように、ユーザにより配送エリアが指定されている場合、注文画面上に当該配送エリアの地図が表示され、当該地図上で配送先が指定されることで配送先の指定が確定する。そして、ユーザ端末3は、ユーザにより注文確定ボタン(図示せず)が指定されると、指定物品の物品ID、指定された第1配送元の配送元ID、及び指定された配送先の配送先情報を含む配送要求(指定物品の注文を含む)をセンターサーバ2へ送信する(ステップS7)。なお、異なる複数の指定物品及びそれぞれの指定物品を扱う配送元が指定されてもよく、これらの配送元は同一であってもよいし、異なってもよい。また、指定物品の数量が指定された場合、配送要求には数量が含まれる。
【0053】
次いで、センターサーバ2がユーザ端末3から送信された配送要求を通信部21により受信すると、制御部23は、指定物品の注文を受け付け、配送方法選択処理を実行する(ステップS8)。ここで、先ず、配送方法選択処理(例1)について、図10を参照して説明する。なお、複数の指定物品のそれぞれの物品IDが配送要求に含まれる場合、それぞれの指定物品ごとに図10に示す配送方法選択処理(例1)が実行されるとよい。図10に示す配送方法選択処理(例1)では、制御部23(情報取得部233)は、受信された配送要求に含まれる物品ID、配送元ID、及び配送先情報のそれぞれに基づいて、指定物品の属性情報、配送元(ここでは、第1配送元とする)の位置情報、及び配送先の位置情報を、上述したデータベース等から取得する(ステップS801)。
【0054】
次いで、制御部23は、ステップS801で取得された属性情報にリードタイムが含まれるか否かを判定する(ステップS802)。つまり、指定物品がリードタイム有り物品であるか否かが判定される。当該属性情報にリードタイムが含まれないと判定された場合(ステップS802:NO)、制御部23(配送方法選択部234)は、第1配送元で扱われる指定物品を同拠点のUAV1により配送先へ配送させる第1配送方法を選択し(ステップS805)、図8に示す処理に戻る(処理をステップS9へ進める)。こうして第1配送方法が選択されると、当該指定物品の配送に利用されるUAV1(つまり、第1配送元内にあるUAV拠点のUAV1)に割り当てられる。一方、当該属性情報にリードタイムが含まれると判定された場合(ステップS802:YES)、当該属性情報からリードタイムが取得され、処理はステップS803へ進む。
【0055】
ステップS803では、制御部23は、ステップS801で取得された配送先の位置情報及び第1配送元の位置情報に基づいて、上述したように、指定物品の配送に要する第1配送予測時間を算出する。次いで、制御部23は、ステップS803で算出された第1配送予測時間が、ステップS802で取得されたリードタイム以下であるか否かを判定する(ステップS804)。当該第1配送予測時間がリードタイム以下であると判定された場合(ステップS804:YES)、制御部23(配送方法選択部234)は、第1配送元で扱われる指定物品を同拠点のUAV1により配送先へ配送させる第1配送方法を選択し(ステップS805)、図8に示す処理に戻る。こうして第1配送方法が選択されると、当該指定物品の配送に利用されるUAV1に割り当てられる。一方、当該第1配送予測時間がリードタイム以下でないと判定された場合(ステップS804:NO)、処理はステップS806へ進む。
【0056】
ステップS806では、制御部23は、配送元管理データベース221を参照して、指定物品を扱う第2配送元を検索する。例えば、指定物品の配送先を含む所定の配送エリア(例えば、県または市区町村)内から検索されるとよい。次いで、制御部23(情報取得部233)は、ステップS806の検索でヒットした第2配送元の位置情報を取得する(ステップS807)。ここで、ステップS806の検索でヒットした第2配送元が複数ある場合、それぞれの第2配送元(つまり、設置位置が異なる第2配送元)の位置情報が取得される。なお、指定物品を扱う第2配送元がない場合(つまり、指定物品の在庫を有する第2配送元がない場合)、処理はステップS819へ進むとよい。
【0057】
次いで、制御部23は、配送先の位置情報(ステップS801で取得された位置情報)及び第2配送元の位置情報(ステップS807で取得された位置情報)に基づいて、上述したように、当該第2配送元から当該配送先への指定物品の配送に要する第2配送予測時間(つまり、当該第2配送元に対応する第2配送予測時間)を算出する(ステップS808)。
【0058】
次いで、制御部23は、ステップS808で算出された第2配送予測時間が、上記取得されたリードタイム以下であるか否かを判定する(ステップS809)。当該第2配送予測時間がリードタイム以下であると判定された場合(ステップS809:YES)、当該第2配送予測時間に対応する第2配送元が候補して特定され(ステップS810)、処理はステップS811へ進む。なお、当該特定された第2配送元の配送元IDは、例えば候補リストに登録される。一方、当該第2配送予測時間がリードタイム以下でないと判定された場合(ステップS809:NO)、処理はステップS811へ進む。
【0059】
ステップS811では、制御部23は、指定物品を扱う第2配送元がまだあるか否かを判定する。指定物品を扱う第2配送元がまだあると判定された場合(ステップS811:YES)、処理はステップS808に戻り、ステップS806の検索でヒットした第2配送元のうちまだ処理されていない(つまり、ステップS808以降の処理が行われていない)第2配送元についてステップS808以降の処理が行われる。一方、指定物品を扱う第2配送元がもうない(つまり、ステップS806の検索でヒットした第2配送元の全てが処理された)と判定された場合(ステップS811:NO)、処理はステップS812へ進む。
【0060】
ステップS812では、制御部23は、ステップS810で候補として特定された第2配送元が複数あるか否かを判定する。候補として特定された第2配送元が複数ある(例えば候補リストに配送元IDが複数登録されている)と判定された場合(ステップS812:YES)、処理はステップS813へ進む。一方、候補として特定された第2配送元が複数ないと判定された場合(ステップS812:NO)、処理はステップS816へ進む
【0061】
ステップS813では、制御部23は、ステップS810で候補として特定された第2配送元のそれぞれについて、上述したように、移動予測時間を算出する。例えば、第1配送元内にあるUAV拠点から第2配送元までの移動ルートに沿った距離に対して、当該配送に利用されるUAV1の予定速度が乗算されることで、移動予測時間が算出される。次いで、制御部23は、ステップS810で候補として特定された第2配送元のそれぞれについて、上述したように、第2配送予測時間と移動予測時間との合計時間を算出する(ステップS814)。次いで、制御部23(配送方法選択部234)は、ステップS814で算出された合計時間が最も短い第2配送元を1つ特定する(ステップS815)。つまり、ユーザにより指定された第1配送元から、制御部23により検索された第2配送元に切り替えられる。なお、合計時間が最も短い第2配送元が複数ある場合、配送時間に関する所定の条件に基づいて、当該複数の第2配送元のうち何れか1つの第2配送元が特定される。
【0062】
次いで、制御部23(配送方法選択部234)は、ステップS815で特定された第2配送元で扱われる指定物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法を選択し(ステップS818)、図8に示す処理に戻る。こうして第2配送方法が選択されると、指定物品の配送に利用されるUAV1(つまり、第2配送元とは異なる場所にあるUAV拠点のUAV1)に割り当てられる。
【0063】
一方、ステップS816では、制御部23は、ステップS810で候補として特定された第2配送元が1つあるか否かを判定する。候補として特定された第2配送元が1つあると判定された場合(ステップS816:YES)、制御部23(配送方法選択部234)は、当該第2配送元を特定する(ステップS817)。つまり、ユーザにより指定された第1配送元から、制御部23により検索された第2配送元に切り替えられる。
【0064】
次いで、制御部23(配送方法選択部234)は、ステップS817で特定された第2配送元で扱われる指定物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法を選択し(ステップS818)、図8に示す処理に戻る。一方、候補として特定された第2配送元が1つもないと判定された場合(ステップS816:NO)、制御部23は、例えば、指定物品の品質が劣化する可能性がある旨を含むメッセージをメッセージ通知部235によりユーザ端末3へ送信し(ステップS819)、指定商品の注文をキャンセルするための処理を実行し、処理を終了する。そして、ユーザ端末3は、センターサーバ2からのメッセージを受信すると、例えば、“商品が溶ける(または、冷める)可能性があります。商品を再度指定(選択)しなおしてください”というようなメッセージに表示(例えば画面上にポップアップ表示)する。
【0065】
なお、指定物品の品質が劣化する可能性がある旨を含むメッセージは、例えば、“商品が溶ける(または冷める)可能性があります。よろしいですか?>Yes/No”というように、ユーザに対して承諾可否の選択を促すメッセージであってもよい。この場合、当該メッセージが表示されたユーザ端末3において、ユーザが承諾“Yes”を指定すると、ユーザ端末3は、当該メッセージの内容に承諾することを示す承諾情報をセンターサーバ2へ送信する。一方、当該メッセージが表示されたユーザ端末3において、ユーザが“No”を指定すると、当該メッセージの内容に承諾しないことを示す非承諾情報をセンターサーバ2へ送信する。
【0066】
次いで、センターサーバ2がユーザ端末3から送信された承諾情報を通信部21により受信すると、制御部23は、第1配送元で扱われる指定物品を同拠点のUAV1により配送先へ配送させる第1配送方法を選択し、図8に示す処理に戻る。一方、センターサーバ2がユーザ端末3から送信された非承諾情報を通信部21により受信すると、制御部23は、指定商品の注文をキャンセルするための処理を実行し、処理を終了する。
【0067】
次に、配送方法選択処理(例2)について、図11を参照して説明する。なお、複数の指定物品のそれぞれの物品IDが配送要求に含まれる場合、それぞれの指定物品ごとに図11に示す配送方法選択処理(例2)が実行されるとよい。図11に示す配送方法選択処理(例2)では、制御部23(情報取得部233)は、受信された配送要求に含まれる物品ID、配送元ID、及び配送先情報のそれぞれに基づいて、指定物品の属性情報、配送元(ここでは、第1配送元とする)の位置情報、及び配送先の位置情報を取得する(ステップS821)。
【0068】
次いで、制御部23は、ステップS821で取得された属性情報から指定物品の重量を取得する(ステップS822)。ここで、配送要求に指定物品の数量が含まれる場合、取得される重量には数量が乗算される。次いで、制御部23は、同拠点(つまり、第1配送元内にあるUAV拠点)のUAV1の機体上限値、ステップS821で取得された第1配送元の位置情報及び配送先の位置情報に基づいて、上述したように、当該UAV1の第1保持重量上限値を算出する(ステップS823)。ここで、同拠点のUAV1の機体上限値は、機体管理データベース222から取得される。なお、当該UAV1に対して既に指定物品が割り当てられている場合、当該UAV1の機体上限値から当該指定物品の重量が差し引かれることで当該機体上限値が更新され、当該更新された機体上限値が第1保持重量上限値の算出に用いられる。
【0069】
次いで、制御部23は、上記取得された指定物品の重量(重量×数量)が、ステップS823で算出された第1保持重量上限値以下であるか否かを判定する(ステップS824)。当該指定物品の重量が第1保持重量上限値以下であると判定された場合(ステップS824:YES)、制御部23(配送方法選択部234)は、第1配送元で扱われる指定物品を同拠点のUAV1により配送先へ配送させる第1配送方法を選択し(ステップS825)、図8に示す処理に戻る。こうして第1配送方法が選択されると、当該指定物品の配送に利用されるUAV1に割り当てられる。一方、当該指定物品の重量が第1保持重量上限値以下でないと判定された場合(ステップS824:NO)、処理はステップS826へ進む。
【0070】
ステップS826では、制御部23は、配送元管理データベース221を参照して、指定物品を扱う第2配送元を検索する。次いで、制御部23(情報取得部233)は、ステップS826の検索でヒットした第2配送元の位置情報を取得する(ステップS827)。ステップS826の検索でヒットした第2配送元が複数ある場合、それぞれの第2配送元の位置情報が取得される。なお、指定物品を扱う第2配送元がない場合、処理はステップS837へ進むとよい。
【0071】
次いで、制御部23は、別拠点(つまり、第2配送元とは異なる場所にあるUAV拠点)のUAV1の機体上限値、配送先の位置情報(ステップS821で取得された位置情報)及び第2配送元の位置情報(ステップS827で取得された位置情報)に基づいて、上述したように、当該UAV1の第2保持重量上限値(つまり、当該第2配送元に対応する第2保持重量上限値)を算出する(ステップS828)。ここで、別拠点のUAV1の機体上限値は、機体管理データベース222から取得される。なお、当該UAV1に対して既に指定物品が割り当てられている場合、当該UAV1の機体上限値から当該指定物品の重量が差し引かれることで当該機体上限値が更新され、当該更新された機体上限値が第2保持重量上限値の算出に用いられる。
【0072】
次いで、制御部23は、上記取得された指定物品の重量(重量×数量)が、ステップS828で算出された第2保持重量上限値以下であるか否かを判定する(ステップS829)。当該指定物品の重量が第2保持重量上限値以下であると判定された場合(ステップS829:YES)、当該第2配送予測時間に対応する第2配送元が候補して特定され(ステップS830)、処理はステップS831へ進む。なお、当該特定された第2配送元の配送元IDが例えば候補リストに登録される。一方、当該指定物品の重量が第2保持重量上限値以下でないと判定された場合(ステップS829:NO)、処理はステップS831へ進む。
【0073】
ステップS831では、制御部23は、指定物品を扱う第2配送元がまだあるか否かを判定する。指定物品を扱う第2配送元がまだあると判定された場合(ステップS831:YES)、処理はステップS828に戻り、ステップS826の検索でヒットした第2配送元のうちまだ処理されていない第2配送元についてステップS828以降の処理が行われる。一方、指定物品を扱う第2配送元がもうないと判定された場合(ステップS831:NO)、処理はステップS832へ進む。
【0074】
ステップS832では、制御部23は、ステップS830で候補として特定された第2配送元が複数あるか否かを判定する。候補として特定された第2配送元が複数あると判定された場合(ステップS832:YES)、処理はステップS833へ進む。一方、候補として特定された第2配送元が複数ないと判定された場合(ステップS832:NO)、処理はステップS834へ進む
【0075】
ステップS833では、制御部23(配送方法選択部234)は、ステップS830で候補として特定された第2配送元のうち、第2保持重量上限値が最も大きい第2配送元を特定する。つまり、ユーザにより指定された第1配送元から、制御部23により検索された第2配送元に切り替えられる。なお、第2保持重量上限値が最も大きい第2配送元が複数ある場合、配送時間に関する所定の条件に基づいて、当該複数の第2配送元のうち何れか1つの第2配送元が特定される。次いで、制御部23(配送方法選択部234)は、ステップS833で特定された第2配送元で扱われる指定物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法を選択し(ステップS836)、図8に示す処理に戻る。
【0076】
一方、ステップS834では、制御部23は、ステップS830で候補として特定された第2配送元が1つあるか否かを判定する。候補として特定された第2配送元が1つあると判定された場合(ステップS834:YES)、制御部23(配送方法選択部234)は、当該第2配送元を特定する(ステップS835)。つまり、ユーザにより指定された第1配送元から、制御部23により検索された第2配送元に切り替えられる。
【0077】
次いで、制御部23(配送方法選択部234)は、ステップS835で特定された第2配送元で扱われる指定物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法を選択し(ステップS836)、図8に示す処理に戻る。こうして第2配送方法が選択されると、指定物品の配送に利用されるUAV1に割り当てられる。
【0078】
一方、候補として特定された第2配送元が1つもないと判定された場合(ステップS834:NO)、制御部23は、例えば、物品の再指定を促す旨を含むメッセージをメッセージ通知部235によりユーザ端末3へ送信し(ステップS837)、指定商品の注文をキャンセルするための処理を実行し、処理を終了する。そして、ユーザ端末3は、センターサーバ2からのメッセージを受信すると、例えば、“商品の配送可能重量の上限を超えています。商品を再度指定(選択)しなおしてください”というようなメッセージを表示(例えば画面上にポップアップ表示)する。
【0079】
以上のように配送方法選択処理(例1)または配送方法選択処理(例2)により配送方法が選択されると、制御部23は、当該選択された配送方法に応じた配送制御指令を、配送制御部236により指定物品の配送に利用されるUAV1へ送信する(ステップS9)。これにより、制御部23は、指定物品について選択された配送方法に基づいて、当該指定物品を配送先へ配送させる。ここで、上述したように第1配送方法が選択された場合、配送制御部236は、配送先の位置情報を含む配送制御指令を、第1配送元内にあるUAV拠点のUAV1へ送信する。これにより、UAV1は、第1配送元で指定物品を保持した後、当該第1配送元から離陸して配送先へ移動(飛行)する。一方、上述したように第2配送方法が選択された場合、配送制御部236は、配送先の位置情報及び第2配送元の位置情報を含む配送制御指令を、第2配送元とは異なる場所にあるUAV拠点のUAV1へ送信する。これにより、UAV1は、第1配送元で物品を保持せずに当該第1配送元から離陸して第2配送元に移動し(つまり、第2配送元に立ち寄り)、当該第2配送元で物品を保持した後、当該第2配送元から離陸して配送先へ移動する。
【0080】
なお、図8に示すステップS8において、配送方法選択処理(例1)と配送方法選択処理(例2)とを組み合わせた処理により配送方法が選択されてもよい。この場合、例えば、制御部23は、上記ステップS804において第1配送予測時間がリードタイム以下であると判定した場合、指定物品の重量が第1保持重量上限値以下であるか否かを判定する。そして、制御部23は、指定物品の重量が第1保持重量上限値以下であると判定した場合に、上述した第1配送方法を選択する。一方、制御部23は、指定物品の重量が第1保持重量上限値以下でないと判定した場合、上記ステップS806~S809の処理を実行する。そして、制御部23は、当該ステップS809において第2配送予測時間がリードタイム以下であると判定した場合、上記ステップS828及びS829の処理を実行する。そして、制御部23は、当該ステップS829において指定物品の重量が第2保持重量上限値以下であると判定した場合に、上記ステップS810以降の処理を行い、上述した第2配送方法を選択するとよい。
【0081】
また、複数の指定物品が注文された場合、それぞれの指定物品ごとに選択された配送方法に基づいて、配送スケジュールが適宜調整されるとよい。これにより、制御部23は、それぞれの指定物品ごとに選択された配送方法に基づいて、それぞれの指定物品を配送先へ配送させる。また、複数の指定物品としてリードタイム有り物品とリードタイム無し物品が注文された場合、物品の在庫状況に応じて配送方法を変えるとよい。例えば、UAV1は、第1配送元でリードタイム無し物品を保持した後、当該第1配送元から離陸して第2配送元に移動し、当該第2配送元でリードタイム無し物品を保持した後、当該第2配送元から離陸して配送先へ移動する。或いは、UAV1は、第1配送元でリードタイム無し物品を保持せずに第1配送元から離陸して第2配送元に移動し、当該第2配送元でリードタイム有り物品及びリードタイム無し物品を保持した後、当該第2配送元から離陸して配送先へ移動してもよい。
【0082】
以上説明したように、上記実施形態によれば、センターサーバ2は、第1配送元で扱われる指定物品を同拠点のUAV1により配送先へ配送させる第1配送方法と、第2配送元で扱われる指定物品を別拠点のUAV1により配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも指定物品の属性情報に基づいて選択するように構成したので、指定物品の配送効率を重視した配送方法を選択するか、または指定物品の属性情報を重視した配送方法を選択するかを制御可能とし、ユーザにとってより望ましい配送を実現することができる。
【0083】
なお、上記実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。上記実施形態において、特定種類の物品(例えば、冷凍食品、冷蔵食品、及び保温することが好ましい食品)であっても、リードタイムが設定されていない場合も考えられる。そのため、制御部23は、ユーザにより指定された物品の属性情報に基づいて、当該物品の種類が上記特定種類であると判定した場合、上述した第2配送方法を選択するように構成してもよい(この場合、第1配送予測時間がリードタイム以下であるか否かが判定されなくてよい)。これは、第2配送方法の選択により、物品をUAV1に保持させた状態における配送時間をできるだけ短縮し、当該物品の状態または品質を維持する趣旨である。これにより、当該物品にリードタイムが設定されていない場合であっても、当該物品の属性情報を重視した配送を効率良く実現することができる。また、上記実施形態においては、物品の配送先または配送エリアはユーザにより指定されるように構成したが、ユーザにより指定されるのではなく予めシステムにおいて予め定められてもよい。
【0084】
また、上記実施形態においては無人機としてUAVを例にとって説明したが、本発明は、無人で地上を走行するUGV(Unmanned Ground Vehicle)に対して適用可能である。この場合、上述した配送予測時間または保持重量上限値を算出するための配送ルートは、例えば、配送元の位置情報、配送先の位置情報、及びUGVの走行可能な道路に基づいて決定される。UGVの走行可能な道路は、配送元の位置情報及び配送先の位置情報が含まれる地図データから特定されるとよい。なお、配送予測時間または保持重量上限値の算出にあたり、UGVの走行可能な道路の渋滞等の交通状況に応じてUGVの予定速度を変化させてもよい。また、上述した移動予測時間を算出するための移動ルートは、例えば、第1配送元の位置情報、第2配送元の位置情報、及びUGVの走行可能な道路に基づいて決定される。UGVの走行可能な道路は、配送元の位置情報及び配送先の位置情報が含まれる地図データから特定されるとよい。なお、移動予測時間の算出にあたり、UGVの走行可能な道路の渋滞等の交通状況に応じてUGVの予定速度を変化させてもよい。
【0085】
<付記>
[1]本開示に係る配送制御装置は、配送対象となる物品を扱う第1配送元であって無人機を配備する当該第1配送元の位置情報と、前記物品を扱う第2配送元であって無人機を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理する管理手段と、前記第1配送元及び前記第2配送元のそれぞれで扱われる前記物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得する取得手段と、前記第1配送元で扱われる前記物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる第1配送方法と、前記第1配送元より前記配送先に近い位置にある前記第2配送元で扱われる前記物品を前記第2配送元とは異なる場所にある拠点に配備されている無人機により前記配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも前記物品の属性情報に基づいて選択する選択手段と、を備えることを特徴とする。これにより、指定された物品に応じて、当該物品の配送効率を重視した配送、または当該物品の属性情報を重視した配送を実現することができる。
【0086】
[2]上記[1]に記載の配送制御装置において、前記物品の属性情報に、当該物品を前記無人機に保持させた状態における配送時間を制限するための制限時間が含まれていない場合、前記選択手段は、前記第1配送方法を選択することを特徴とする。これにより、指定された物品が上記配送時間を制限する必要がない場合に、当該物品の配送効率を重視した配送を効率良く実現することができる。
【0087】
[3]上記[1]に記載の配送制御装置において、前記選択手段は、前記物品の属性情報に基づいて、当該物品の種類が特定種類であると判定した場合、前記第2配送方法を選択する。これにより、指定された物品に上記配送時間を制限するための制限時間が設定されていない場合であっても、当該物品の属性情報を重視した配送を効率良く実現することができる。
【0088】
[4]上記[1]に記載の配送制御装置において、前記物品の属性情報に、当該物品を前記無人機に保持させた状態における配送時間を制限するための制限時間が含まれている場合、前記選択手段は、前記第1配送元の位置情報と前記配送先の位置情報とに基づいて、前記第1配送元から前記配送先への前記物品の配送に要する第1配送予測時間を算出し、当該第1配送予測時間が前記制限時間以下である場合、前記第1配送方法を選択することを特徴とする。これにより、指定された物品に応じて、品質劣化のリスクが低い場合は当該物品の配送効率を重視した配送を実現することができる。
【0089】
[5]上記[4]に記載の配送制御装置において、前記第1配送予測時間が前記制限時間以下でない場合、前記選択手段は、前記第2配送元の位置情報と前記配送先の位置情報とに基づいて、前記第2配送元から前記配送先への前記物品の配送に要する第2配送予測時間を算出し、当該第2配送予測時間が前記制限時間以下である場合、前記第2配送方法を選択することを特徴とする。これにより、指定された物品に応じて、品質劣化のリスクが高い場合は当該物品の品質劣化を抑制する配送を実現することができる。
【0090】
[6]上記[5]に記載の配送制御装置において、前記選択手段は、異なる場所にある複数の前記第2配送元のそれぞれについて、前記第2配送予測時間を算出し、前記第2配送予測時間が前記制限時間以下である前記第2配送元が複数特定された場合、当該特定された複数の前記第2配送元のそれぞれについて、前記第2配送予測時間と前記拠点から前記第2の配送元への前記無人機の移動予測時間との合計時間を算出し、当該合計時間が最も短い前記第2配送元を1つ特定し、当該特定された第2配送元で扱われる前記物品を前記配送先へ配送させる第2配送方法を選択することを特徴とする。これにより、指定された物品の品質劣化を抑制しつつも、当該物品の効率的な配送を実現することができる。
【0091】
[7]上記[5]に記載の配送制御装置において、前記第2配送予測時間が前記制限時間以下でない場合、前記ユーザに対して、前記指定された物品の配送が困難である旨、物品の再指定を促す旨、または前記指定された物品の配送により当該物品の品質が劣化する可能性がある旨を含むメッセージを通知する通知手段を更に備えることを特徴とする。これにより、物品を指定したユーザに対して次の行動を迅速に行わせることができる。
【0092】
[8]上記[5]に記載の配送制御装置において、前記選択手段は、異なる場所にある複数の前記第2配送元のそれぞれについて、前記第2配送予測時間を算出し、前記第2配送予測時間がいずれも前記制限時間以下でない場合、前記ユーザに対して、前記指定された物品の配送が困難である旨、物品の再指定を促す旨、または前記指定された物品の配送により当該物品の品質が劣化する可能性がある旨を含むメッセージを通知する通知手段を更に備えることを特徴とする。これにより、物品を指定したユーザに対して次の行動を迅速に行わせることができる。
【0093】
[9]上記[1]乃至[8]の何れか一つに記載の配送制御装置において、前記物品の属性情報には、当該物品の重量が含まれており、前記選択手段は、前記第1配送元に配備されている無人機が保持可能な重量として予め設定されている機体上限値と、前記第1配送元の位置情報と、前記配送先の位置情報とに基づいて、前記第1配送元から前記配送先への配送において前記第1配送元に配備されている無人機が保持可能な重量の第1上限値を算出し、前記物品の重量が前記第1上限値以下である場合、前記第1配送方法を選択することを特徴とする。これにより、指定された物品に応じて、無人機のバッテリ切れのリスクが低い場合は当該物品の配送効率を重視した配送を実現することができる。
【0094】
[10]上記[9]に記載の配送制御装置において、前記物品の重量が前記第1上限値以下でない場合、前記選択手段は、前記拠点に配備されている無人機が保持可能な重量として予め設定されている機体上限値と、前記第2配送元の位置情報と、前記配送先の位置情報とに基づいて、前記第2配送元から前記配送先への配送において前記拠点に配備されている無人機が保持可能な重量の第2上限値を算出し、前記物品の重量が前記第2上限値以下である場合、前記第2配送方法を選択することを特徴とする。これにより、指定された物品に応じて、無人機のバッテリ切れのリスクが高い場合は無人機のバッテリ切れを抑制する配送を実現することができる。
【0095】
[11]上記[10]に記載の配送制御装置において、前記選択手段は、異なる場所にある複数の前記第2配送元のそれぞれについて、前記第2上限値を算出し、前記物品の重量が前記第2上限値以下である前記第2配送元が複数特定された場合、当該特定された複数の前記第2配送元のうち、前記第2上限値が最も大きい前記第2配送元を1つ特定し、当該特定された第2配送元で扱われる前記物品を前記配送先へ配送させる第2配送方法を選択することを特徴とする請求項9に記載の配送制御装置。これにより、無人機のバッテリ切れを抑制しつつも、指定された物品を適切に配送することができる。
【0096】
[12]上記[10]に記載の配送制御装置において、前記物品の重量が前記第2上限値以下でない場合、前記ユーザに対して、前記指定された物品の配送が困難である旨、または前記物品の再指定を促す旨を含むメッセージを通知する通知手段を更に備えることを特徴とする。これにより、物品を指定したユーザに対して次の行動を迅速に行わせることができる。
【0097】
[13]上記[1]乃至[12]の何れか一つに記載の配送制御装置において、前記選択手段は、前記第1配送方法と前記第2配送方法のうち何れかを、前記物品の属性情報と、前記第1配送元の位置情報と、前記第2配送元の位置情報と、前記配送先の位置情報とに基づいて選択することを特徴とする。
【0098】
[14]上記[1]乃至[13]の何れか一つに記載の配送制御装置において、前記ユーザが前記物品を指定するための画面において、当該物品を扱う第1配送元の表示情報を、当該物品を扱う第2配送元の表示情報よりも優先的に表示させることを特徴とする。これにより、指定された物品の配送効率を重視した配送をより優先させることができる。
【0099】
[15]上記[1]乃至[14]の何れか一つに記載の配送制御装置において、前記選択手段により選択された前記第1配送方法または前記第2配送方法に基づいて、前記指定された物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる制御手段を更に備えることを特徴とする。これにより、指定された物品に応じて、より適切な配送方法で当該物品を配送先へ配送する制御を行うことができる。
【0100】
[16]上記[3]、[5]、[6]または[11]に記載の配送制御装置において、前記拠点は、前記第1配送元内にあり、前記無人機を前記拠点から前記第2配送元へ移動させ、前記第2配送元において前記物品を保持させた後、当該物品を保持した無人機により前記配送先へ配送させる制御手段を更に備えることを特徴とする。これにより、指定された物品の品質劣化のリスクが高い場合は配送効率が下がったとしても、当該物品の品質劣化が起こりにくい配送元まで集荷しにいくことで、品質劣化を抑制する配送を実現することができる。
【0101】
[17]本開示に係る配送制御システムは、配送対象となる物品を扱う第1配送元であって無人機を配備する当該第1配送元の位置情報と、前記物品を扱う第2配送元であって無人機を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理する配送制御システムであって、前記第1配送元及び前記第2配送元のそれぞれで扱われる前記物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得する取得手段と、前記第1配送元で扱われる前記物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる第1配送方法と、前記第1配送元より前記配送先に近い位置にある前記第2配送元で扱われる前記物品を前記第2配送元とは異なる場所にある拠点に配備されている無人機により前記配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも前記物品の属性情報に基づいて選択する選択手段と、を備えることを特徴とする。
【0102】
[18]本開示に係る配送制御方法は、コンピュータにより実行される配送制御方法であって、配送対象となる物品を扱う第1配送元であって無人機を配備する当該第1配送元の位置情報と、前記物品を扱う第2配送元であって無人機を配備しない当該第2配送元の位置情報とを管理するステップと、前記第1配送元及び前記第2配送元のそれぞれで扱われる前記物品のうち、ユーザにより配送対象として指定された物品の属性情報及び当該物品の配送先の位置情報を取得するステップと、前記第1配送元で扱われる前記物品を前記無人機により前記配送先へ配送させる第1配送方法と、前記第1配送元より前記配送先に近い位置にある前記第2配送元で扱われる前記物品を前記第2配送元とは異なる場所にある拠点に配備されている無人機により前記配送先へ配送させる第2配送方法のうち何れかを、少なくとも前記物品の属性情報に基づいて選択するステップと、を含むことを特徴とする。
【符号の説明】
【0103】
1 UAV
2 センターサーバ
3 ユーザ端末
11 駆動部
12 測位部
13 通信部
14 センサ部
15 記憶部
16 制御部
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 配送元情報管理部
232 配送要求受付部
233 情報取得部
234 配送方法選択部
235 メッセージ通知部
236 配送制御部
S 配送制御システム
NW 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11