(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107837
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】金属板アンテナおよびアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20240802BHJP
H01Q 9/42 20060101ALI20240802BHJP
H01Q 9/40 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q9/42
H01Q9/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011972
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】稲船 浩司
(72)【発明者】
【氏名】古賀 健一
(72)【発明者】
【氏名】古池 竜也
(72)【発明者】
【氏名】森 惠
【テーマコード(参考)】
5J045
【Fターム(参考)】
5J045AA02
5J045AB06
5J045DA08
5J045GA00
5J045LA01
(57)【要約】
【課題】インピーダンス整合と基板上での安定的な配置とを両立する金属板アンテナを提供する。
【解決手段】基板に配置される金属板アンテナであって、前記基板と略平行に配置される平行部と、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置される給電点と接触する給電点接触部と、前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置されるGNDと接触するGND接触部と、を有し、前記給電点接触部と前記給電点との接触面積が、前記GND接触部と前記GNDとの接触面積よりも狭い、金属板アンテナが提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に配置される金属板アンテナであって、
前記基板と略平行に配置される平行部と、
前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置される給電点と接触する給電点接触部と、
前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置されるGNDと接触するGND接触部と、
を有し、
前記給電点接触部と前記給電点との接触面積が、前記GND接触部と前記GNDとの接触面積よりも狭い、
金属板アンテナ。
【請求項2】
前記平行部および前記GND接触部の長さにより規定されるアンテナ長が、規定の通信規格に準拠した無線信号の波長に基づき決定される、
請求項1に記載の金属板アンテナ。
【請求項3】
逆Fアンテナである、
請求項1に記載の金属板アンテナ。
【請求項4】
分岐給電伝送線路アンテナである、
請求項1に記載の金属板アンテナ。
【請求項5】
1枚の金属板から形成される、
請求項1に記載の金属板アンテナ。
【請求項6】
前記平行部、前記給電点接触部、または前記GND接触部の少なくともいずれかにスリットまたは開口部を有する、
請求項1に記載の金属板アンテナ。
【請求項7】
前記平行部、前記給電点接触部、または前記GND接触部の少なくともいずれかにスタブを有する、
請求項1に記載の金属板アンテナ。
【請求項8】
前記給電点接触部の下端の幅は上端の幅よりも短く形成される、
請求項1に記載の金属板アンテナ。
【請求項9】
前記平行部、前記給電点接触部、および前記GND接触部の間のうち少なくともいずれかに絶縁性材料が充填される、
請求項1に記載の金属板アンテナ。
【請求項10】
互いに接触しない複数の金属板により形成される、
請求項1に記載の金属板アンテナ。
【請求項11】
前記規定の通信規格は、超広帯域無線通信を含む、
請求項2に記載の金属板アンテナ。
【請求項12】
基板、および前記基板に配置される金属板アンテナ、を備え、
前記金属板アンテナは、
前記基板と略平行に配置される平行部と、
前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置される給電点と接触する給電点接触部と、
前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置されるGNDと接触するGND接触部と、
を有し、
前記給電点接触部と前記給電点との接触面積が、前記GND接触部と前記GNDとの接触面積よりも狭い、
アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板アンテナおよびアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多種多様なアンテナが開発されている。上記アンテナには、例えば、特許文献1に開示されるような逆Fアンテナが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、逆Fアンテナのようなアンテナでは、インピーダンス整合が課題となる。また、逆Fアンテナのようなアンテナは、基板上に安定して配置するための工夫が求められる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、インピーダンス整合と基板上での安定的な配置とを両立する金属板アンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基板に配置される金属板アンテナであって、前記基板と略平行に配置される平行部と、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置される給電点と接触する給電点接触部と、前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置されるGNDと接触するGND接触部と、を有し、前記給電点接触部と前記給電点との接触面積が、前記GND接触部と前記GNDとの接触面積よりも狭い、金属板アンテナが提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基板、および前記基板に配置される金属板アンテナ、を備え、前記金属板アンテナは、前記基板と略平行に配置される平行部と、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置される給電点と接触する給電点接触部と、前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出され、前記基板に配置されるGNDと接触するGND接触部と、を有し、前記給電点接触部と前記給電点との接触面積が、前記GND接触部と前記GNDとの接触面積よりも狭い、アンテナ装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明によれば、インピーダンス整合と基板上での安定的な配置とを両立する金属板アンテナを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る金属板アンテナの一例である逆Fアンテナ110の形状例を示す図である。
【
図2】同実施形態に係る金属板アンテナの一例である逆Fアンテナ110の形状例を示す図である。
【
図3】同実施形態に係る金属板アンテナの一例である逆Fアンテナ110の形状例を示す図である。
【
図4】同実施形態に係る金属板アンテナの一例である逆Fアンテナ110の形状例を示す図である。
【
図5】同実施形態に係る金属板アンテナの一例である分岐給電伝送線路アンテナ120の形状例を示す図である。
【
図6】同実施形態に係る金属板アンテナの一例である分岐給電伝送線路アンテナ120の形状例を示す図である。
【
図7】同実施形態に係る金属板アンテナの一例である分岐給電伝送線路アンテナ120の形状例を示す図である。
【
図8】同実施形態に係る金属板アンテナの一例である分岐給電伝送線路アンテナ120の形状例を示す図である。
【
図9】同実施形態に係る金属板アンテナの一例である分岐給電伝送線路アンテナ120の形状例を示す図である。
【
図10】同実施形態に係る、GND接触部136Iと基板150との接触箇所の直上近傍に形成される開口部210Iについて説明するための図である。
【
図11】同実施形態に係るスリット220Iについて説明するための図である。
【
図12】同実施形態に係るスリット220Iについて説明するための図である。
【
図13】同実施形態に係る電流を迂回させるための構造としての開口部210Iについて説明するための図である。
【
図14】同実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iの給電点接触部134Iの形状のバリエーション例を示す図である。
【
図15】同実施形態に係るスタブ240Iの形成例を示す図である。
【
図16】同実施形態に係るモールド構造の例を示す図である。
【
図17】同実施形態に係る支持部260Iの形状例について説明するための図である。
【
図18】同実施形態に係る複数の金属板から形成される分岐給電伝送線路アンテナ120Iについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
また、本明細書及び図面においては、複数存在する同種の構成を区別して説明する場合に、符号の末尾にアルファベットを付す場合がある。一方、複数存在する同種の構成を区別する必要がない場合、上記アルファベットを省略し、複数存在する同種の構成のすべてに共通する説明がなされる場合がある。
【0012】
<1.実施形態>
<<1.1.金属板アンテナの形状例>>
まず、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置10に備えられる金属板アンテナの形状例について説明する。
【0013】
本実施形態に係る金属板アンテナは、例えば、
図1~
図4に示すような逆Fアンテナ110であってもよい。
【0014】
一方、本実施形態に係る金属板アンテナは、例えば、
図5~
図9に示すような分岐給電伝送線路アンテナ120であってもよい。
【0015】
本実施形態に係る金属板アンテナは、インピーダンス整合と基板150上での安定的な配置とを両立することに着目して発想されたものであり、以下に述べるような特徴的な形状を有する。
【0016】
本実施形態に係る金属板アンテナは、平行部132、給電点接触部134、およびGND接触部136を有する。
【0017】
本実施形態に係る平行部132は、基板150と接触しない平板構成であってもよい。本実施形態に係る平行部132は、例えば、基板150と略平行に配置されてもよい。
【0018】
本実施形態に係る給電点接触部134は、平行部132と略直交するように平行部132から延出され、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0019】
本実施形態に係るGND接触部136は、給電点接触部134とは別途に形成され、平行部132と略直交するように平行部132から延出され、下端において基板150に配置されるGND160と接触する。
【0020】
また、本実施形態に係る金属板アンテナは、給電点接触部134と給電点170との接触面積が、GND接触部136とGND160との接触面積よりも狭いことを特徴の一つとする。
【0021】
上記特徴によれば、金属板アンテナを基板150上に安定的に配置しつつ、インピーダンス整合を容易とする効果が奏される。
【0022】
また、本実施形態に係る金属板アンテナは、例えば、広帯域(Ultra-Wide Band:UWB)無線通信などの規定の通信規格に準拠した無線信号を送受信する。
【0023】
このために、本実施形態に係る金属板アンテナは、平行部132およびGND接触部136の長さにより規定されるアンテナ長が、規定の通信規格に準拠した無線信号の波長に基づき決定されてよい。
【0024】
以下、
図1~
図4の各図を順に参照しながら本実施形態に係る金属板アンテナの一例である逆Fアンテナ110の形状例について詳細に説明する。
【0025】
図1に示す逆Fアンテナ110Aでは、平行部132Aの一部領域がくり抜かれて給電点接触部134Aを形成する。
【0026】
平行部132Aから延出する給電点接触部134Aは、下端において基板150に配置される給電点170(斜線のパターンにより示す)と接触する。
【0027】
なお、
図1等に示す給電点170の形状は概略的に示されたものであり、本実施形態に係る給電点170の形状は限定されない。
【0028】
また、
図1に示す逆Fアンテナ110Aは、平行部132Aの一端からGND接触部136Aが延出される形状を有する。
【0029】
GND接触部136Aは、下端において基板150に配置されるGND160(ドットのパターンにより示す)と接触する。
【0030】
このように、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Aは、基板150上において、2つの支持点(給電点接触部134Aと給電点170との接触箇所、およびGND接触部136AとGND160との接触箇所)により支持される。
【0031】
上記2つの支持点には、例えば、はんだ等の導電性接着剤による固定処理が施されてもよい。
【0032】
これによれば、逆Fアンテナ110Aを基板150上に安定して配置することが可能となる。
【0033】
さらには、図示するように、逆Fアンテナ110Aは、給電点接触部134Aと給電点170との接触面積が、GND接触部136AとGND160との接触面積よりも狭くなるように形成されることを特徴の一つとする。
【0034】
上記特徴によれば、インピーダンス整合が容易となり、所望のアンテナ特性を効率的に実現することが可能となる。
【0035】
また、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Aは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0036】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Bの形状について述べる。
【0037】
図2に示す逆Fアンテナ110Bは、平行部132Bの一端から給電点接触部134Bが延出され、平行部132Bの一端および他端の間から2つのGND接触部136Bが延出される形状を有する。
【0038】
平行部132Bから延出する給電点接触部134Bは、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0039】
また、平行部132Bから延出する2つのGND接触部136Bは、下端において基板150に配置されるGND160と接触する。
【0040】
このように、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Bは、基板150上において、3つの支持点により支持される。
【0041】
これによれば、逆Fアンテナ110Bを基板150上に安定して配置することが可能となる。
【0042】
さらには、図示するように、逆Fアンテナ110Bは、給電点接触部134Bと給電点170との接触面積が、GND接触部136BとGND160との接触面積よりも狭くなるように形成されることを特徴の一つとする。
【0043】
上記特徴によれば、インピーダンス整合が容易となり、所望のアンテナ特性を効率的に実現することが可能となる。
【0044】
また、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Bは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0045】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Cの形状について述べる。
【0046】
図3に示す逆Fアンテナ110Cは、平行部132Cの一端から給電点接触部134Bが延出され、同一端からさらに2つのGND接触部136Cが延出される形状を有する。
【0047】
平行部132Cから延出する給電点接触部134Cは、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0048】
また、平行部132Cから延出する2つのGND接触部136Cは、下端において基板150に配置されるGND160と接触する。
【0049】
このように、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Cは、基板150上において、3つの支持点により支持される。
【0050】
これによれば、逆Fアンテナ110Cを基板150上に安定して配置することが可能となる。
【0051】
さらには、図示するように、逆Fアンテナ110Cは、給電点接触部134Cと給電点170との接触面積が、GND接触部136CとGND160との接触面積よりも狭くなるように形成されることを特徴の一つとする。
【0052】
上記特徴によれば、インピーダンス整合が容易となり、所望のアンテナ特性を効率的に実現することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Cは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0054】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Dの形状について述べる。
【0055】
図4に示す逆Fアンテナ110Dは、平行部132Dの一端からGND接触部136Dが延出され、平行部132Dの一端および他端の間から給電点接触部134Bが延出される形状を有する。
【0056】
平行部132Dから延出する給電点接触部134Dは、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0057】
また、平行部132Dから延出するGND接触部136Dは、下端において基板150に配置されるGND160と接触する。
【0058】
このように、本実施形態に係る逆Fアンテナ110Dは、基板150上において、2つの支持点により支持される。
【0059】
これによれば、逆Fアンテナ110Dを基板150上に安定して配置することが可能となる。
【0060】
さらには、図示するように、逆Fアンテナ110Dは、給電点接触部134Dと給電点170との接触面積が、GND接触部136DとGND160との接触面積よりも狭くなるように形成されることを特徴の一つとする。
【0061】
上記特徴によれば、インピーダンス整合が容易となり、所望のアンテナ特性を効率的に実現することが可能となる。
【0062】
以上、
図1~
図4を参照して本実施形態に係る逆Fアンテナ110の形状例について説明した。ただし、
図1~
図4を参照して説明した逆Fアンテナ110の形状はあくまで例であり、本実施形態に係る逆Fアンテナ110の形状はかかる例に限定されない。本実施形態に係る逆Fアンテナ110の形状は、柔軟に変形可能である。
【0063】
次に、
図5~
図9の各図を順に参照しながら本実施形態に係る金属板アンテナの一例である分岐給電伝送線路アンテナ120の形状例について詳細に説明する。
【0064】
図5に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Eでは、平行部132Eの一部領域がくり抜かれて給電点接触部134Eを形成する。
【0065】
平行部132Eから延出する給電点接触部134Eは、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0066】
また、
図5に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Eは、平行部132Eの一端および他端の各々から延出する2つのGND接触部136Eを有する。
【0067】
2つのGND接触部136Eは、下端において基板150に配置されるGND160と接触する。
【0068】
このように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Eは、基板150上において、3つの支持点により支持される。
【0069】
これによれば、分岐給電伝送線路アンテナ120Eを基板150上に安定して配置することが可能となる。
【0070】
さらには、図示するように、分岐給電伝送線路アンテナ120Eは、給電点接触部134Eと給電点170との接触面積が、GND接触部136EとGND160との接触面積よりも狭くなるように形成されることを特徴の一つとする。
【0071】
上記特徴によれば、インピーダンス整合が容易となり、所望のアンテナ特性を効率的に実現することが可能となる。
【0072】
また、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Eは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0073】
次に、
図6を参照して、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Fの形状について述べる。
【0074】
図6に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Fは、平行部132Fの一端から延出される給電点接触部134Fを有する。
【0075】
平行部132Fから延出する給電点接触部134Fは、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0076】
また、
図6に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Fは、平行部132Fの上記一端から延出される2つのGND接触部136F、平行部132Fの他端から延出される1つのGND接触部136Fを有する。
【0077】
上記3つのGND接触部136Fは、下端において基板150に配置されるGND160と接触する。
【0078】
このように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Fは、基板150上において、4つの支持点により支持される。
【0079】
これによれば、分岐給電伝送線路アンテナ120Fを基板150上に安定して配置することが可能となる。
【0080】
さらには、図示するように、分岐給電伝送線路アンテナ120Fは、給電点接触部134Fと給電点170との接触面積が、GND接触部136FとGND160との接触面積よりも狭くなるように形成されることを特徴の一つとする。
【0081】
上記特徴によれば、インピーダンス整合が容易となり、所望のアンテナ特性を効率的に実現することが可能となる。
【0082】
また、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Fは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0083】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Gの形状について述べる。
【0084】
図7に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Gは、平行部132Gの一端から延出される給電点接触部134Gを有する。
【0085】
平行部132Gから延出する給電点接触部134Gは、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0086】
また、
図7に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Gは、平行部132Gの上記一端から延出されるGND接触部136G、および平行部132Gの他端から延出されるGND接触部136Gを有する。
【0087】
上記2つのGND接触部136Gは、下端において基板150に配置されるGND160と接触する。
【0088】
このように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Gは、基板150上において、3つの支持点により支持される。
【0089】
これによれば、分岐給電伝送線路アンテナ120Gを基板150上に安定して配置することが可能となる。
【0090】
また、図示するように、GND接触部136Gの下端におけるGND160との接触箇所は折り曲げ構造を有してもよい。これにより、GND接触部136Gと基板150との接触面積が広がり、はんだ等の導電性接着剤による固定においてフィレットを形成しやすく、さらには形成されたフィレットの確認がしやすいという効果が得られる。
【0091】
なお、上記のような折り曲げ構造は、
図1~
図9に示すGND接触部136の各々、給電点接触部134の各々にも適用可能である。
【0092】
また、図示するように、分岐給電伝送線路アンテナ120Gは、給電点接触部134Gと給電点170との接触面積が、GND接触部136GとGND160との接触面積よりも狭くなるように形成されることを特徴の一つとする。
【0093】
上記特徴によれば、インピーダンス整合が容易となり、所望のアンテナ特性を効率的に実現することが可能となる。
【0094】
また、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Gは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0095】
次に、
図8を参照して、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Hの形状について述べる。
【0096】
図8に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Hは、平行部132Hの一端から延出される給電点接触部134Hを有する。
【0097】
平行部132Hから延出する給電点接触部134Hは、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0098】
また、
図8に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Hは、平行部132Hの他端から延出される1つのGND接触部136H、平行部132Fの一端および他端の間から延出される2つのGND接触部136Hを有する。
【0099】
上記3つのGND接触部136Hは、下端において基板150に配置されるGND160と接触する。
【0100】
このように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Hは、基板150上において、4つの支持点により支持される。
【0101】
これによれば、分岐給電伝送線路アンテナ120Hを基板150上に安定して配置することが可能となる。
【0102】
さらには、図示するように、分岐給電伝送線路アンテナ120Hは、給電点接触部134Hと給電点170との接触面積が、GND接触部136HとGND160との接触面積よりも狭くなるように形成されることを特徴の一つとする。
【0103】
上記特徴によれば、インピーダンス整合が容易となり、所望のアンテナ特性を効率的に実現することが可能となる。
【0104】
また、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Hは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0105】
次に、
図9を参照して、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iの形状について述べる。
【0106】
図9に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、平行部132Iの一端および他端の間から延出される給電点接触部134Iを有する。
【0107】
平行部132Iから延出する給電点接触部134Iは、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0108】
また、
図9に示す分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、平行部132Iの一端および他端から延出される2つのGND接触部136Iを有する。
【0109】
上記2つのGND接触部136Iは、下端において基板150に配置されるGND160と接触する。
【0110】
このように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、基板150上において、3つの支持点により支持される。
【0111】
これによれば、分岐給電伝送線路アンテナ120Iを基板150上に安定して配置することが可能となる。
【0112】
さらには、図示するように、分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、給電点接触部134Iと給電点170との接触面積が、GND接触部136IとGND160との接触面積よりも狭くなるように形成されることを特徴の一つとする。
【0113】
上記特徴によれば、インピーダンス整合が容易となり、所望のアンテナ特性を効率的に実現することが可能となる。
【0114】
以上、
図5~
図9を参照して本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120の形状例について説明した。ただし、
図5~
図9を参照して説明した分岐給電伝送線路アンテナ120の形状はあくまで例であり、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120の形状はかかる例に限定されない。本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120の形状は、柔軟に変形可能である。
【0115】
<<1.2.金属板アンテナの変形例>>
以上、本実施形態に係る金属板アンテナについて基本説明を行った。続いて、本実施形態に係る金属板アンテナの変形例について述べる。
【0116】
なお、以下の変形例に関する説明においては、分岐給電伝送線路アンテナ120Iを主な例として採用するが、逆Fアンテナ110A~110Dおよび分岐給電伝送線路アンテナ120E~120Hについても同様の変形が可能である。
【0117】
まず、金属板アンテナが有するGND接触部の変形例について述べる。
【0118】
本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、
図10に示すように、GND接触部136Iと基板150との接触箇所の直上近傍に開口部210Iを有してもよい。
【0119】
分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、金属材料を用いて形成されるため、熱伝導率が高い。このため、はんだ等の導電性接着剤による固定を実施する際、熱が上方に逃げやすい傾向がある。
【0120】
しかし、
図10に示すように、GND接触部136Iと基板150との接触箇所の直上近傍に開口部210Iが形成される場合、熱が上方に逃げることを効果的に防止し、はんだ等の導電性接着剤による固定を効率的に実施することが可能となる。
【0121】
次に、アンテナ長の確保に関する変形例について述べる。
【0122】
目的とするアンテナ長を確保するために、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、スリット220I等の電流を迂回させるための構造を有してもよい。
【0123】
図11および
図12は、本実施形態に係るスリット220について説明するための図である。
【0124】
図11に示すように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、平行部132I、給電点接触部134IまたはGND接触部136Iに1つまたは複数のスリット220Iを有してもよい。
【0125】
図11に示すように、分岐給電伝送線路アンテナ120Iがスリット220Iを有する場合、電流がスリット220Iを迂回して流れることとなり、平行部132I、給電点接触部134IおよびGND接触部136Iの長さにより規定されるアンテナ長をより長く確保することが可能となる。
【0126】
なお、
図11においては、複数のスリット220Iが同一方向に形成される場合を例示したが、本実施形態に係るスリット220Iの形成パターンはかかる例に限定されない。
【0127】
本実施形態に係るスリット220Iは、例えば、
図12の上段および下段に示すように、対向する2方向に形成されてもよい。
【0128】
また、分岐給電伝送線路アンテナ120Iに形成される、電流を迂回させるための構造は、スリット220Iに限定されない。当該構造は、開口部210Iであってもよい。
【0129】
図13は、電流を迂回させるための構造としての開口部210Iについて説明するための図である。
【0130】
図13に示すように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、平行部132I、給電点接触部134IまたはGND接触部136Iに1つまたは複数の開口部210Iを有してもよい。
【0131】
図13に示すように、GND接触部136Iが開口部210Iを有する場合、電流が開口部210Iを迂回して流れることとなり、平行部132I、給電点接触部134IおよびGND接触部136Iの長さにより規定されるアンテナ長をより長く確保することが可能となる。
【0132】
以上、電流を迂回させるための構造としてのスリット220Iおよび開口部210Iについて説明した。スリット220Iおよび開口部210Iの形成パターンは、目的とするアンテナ長、分岐給電伝送線路アンテナ120Iのサイズ等に応じて適宜設計されてよい。
【0133】
以上、アンテナ長の確保に関する変形例について説明した。次に、給電点接触部134Iの形状に関する変形例について述べる。
【0134】
図14は、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iの給電点接触部134Iの形状のバリエーション例を示す図である。
【0135】
本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iの給電点接触部134Iは、給電点170に接触する下端の幅W2が上端の幅W1と比較して短くなるよう形成されてもよい。
【0136】
上記のような形状によればインピーダンス整合を取りやすいという効果が得られる。
【0137】
ただし、インピーダンスを他の手段により整合可能な場合、
図14の下段右端に例示するように、下端の幅W2は上端の幅W1同程度であってもよい。
【0138】
次に、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iがスタブ240Iを有する場合の変形例について述べる。
【0139】
図15は、本実施形態に係るスタブ240Iの形成例を示す図である。
【0140】
図15に示すように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、平行部132I、給電点接触部134IまたはGND接触部136Iのうちのいずれか、または複数に1つまたは複数のスタブ240Iを有してもよい。
【0141】
スタブ240Iは、
図15の上段に示すように、給電点接触部134IとGND接触部136Iとを結ぶ方向に対し略直交する方向に延長するよう形成されてもよい。
【0142】
上記のように形成されるスタブ240Iによれば、給電点接触部134IとGND接触部136Iとを結ぶ方向と直交する方向にさらに電流を流すことができ、分岐給電伝送線路アンテナ120Iを円偏波アンテナとして機能させることが可能となる。
【0143】
または、スタブ240Iは、
図15の下段に示すように、給電点接触部134IとGND接触部136Iとを結ぶ方向に対し略直交する方向に延長した後、さらに基板150に向かって延長するよう形成されてもよい。
【0144】
また、スタブ240Iは、例えば、
図15において二点鎖線で示す箇所において折り曲げられてもよい。
【0145】
本実施形態に係るスタブ240Iによれば、偏波およびアンテナ長を効率的に調整することが可能となる。
【0146】
次に、本実施形態に係るモールド構造について述べる。
【0147】
図16は、本実施形態に係るモールド構造の例を示す図である。
【0148】
図16の上段に示すように、本実施形態に係る平行部132I、給電点接触部134I、およびGND接触部136Iのうち少なくともいずれか2つに囲まれる空間には、絶縁性材料250が充填されていてもよい。
【0149】
または、
図16の下段に示すように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、上記空間に加え、平行部132I、給電点接触部134IまたはGND接触部136Iの少なくともいずれかの外側が絶縁性材料250により覆われていてもよい。
【0150】
このような、絶縁性材料250を用いたモールド構造によれば、分岐給電伝送線路アンテナ120Iの形状の変化を効果的に防止することができる。
【0151】
次に、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iが支持部260Iを有する場合の変形例について述べる。
【0152】
本実施形態に係る支持部260Iは、基板150上における分岐給電伝送線路アンテナ120Iの自立を支持する構成である。
【0153】
図17は、本実施形態に係る支持部260Iの形状例について説明するための図である。
【0154】
図17に示すように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iの給電点接触部134Iは、1つまたは複数の支持部260Iを有してもよい。
【0155】
本実施形態に係る支持部260Iによれば、分岐給電伝送線路アンテナ120Iが基板150上において、より安定して自立することが可能となる。
【0156】
次に、本実施形態に係る金属板の変形例について述べる。
【0157】
上記では、本実施形態に係る金属板アンテナが1枚の金属板から形成される場合を主に説明した。
【0158】
一方、本実施形態に係る金属板アンテナは、複数の金属板から構成されてもよい。
【0159】
図18は、本実施形態に係る複数の金属板から形成される分岐給電伝送線路アンテナ120Iについて説明するための図である。
【0160】
図18に示すように、本実施形態に係る分岐給電伝送線路アンテナ120Iは、金属板120I1および金属板120I2から構成されてもよい。
【0161】
金属板120I1および金属板120I2の間の領域は、直流的には導通していないものの、当該領域はコンデンサとして動作することから、高周波の導通は実現され、分岐給電伝送線路アンテナ120Iのアンテナとしての機能もまた実現される。
【0162】
なお、金属板120I1および金属板120I2の間の領域には、
図18に示すように、例えば、絶縁性材料250が充填されてもよい。
【0163】
この場合、分岐給電伝送線路アンテナ120Iの形状(構造)をより安定して保持することが可能となる。
【0164】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0165】
10:アンテナ装置、110:逆Fアンテナ、120:分岐給電伝送線路アンテナ、132:平行部、134:給電点接触部、136:GND接触部、150:基板、160:GND、170:給電点、210:開口部、220:スリット、240:スタブ、250:絶縁性材料、支持部:260