IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

<>
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図1
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図2
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図3
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図4
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図5
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図6
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図7
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図8
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図9
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図10
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図11
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図12
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図13
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図14
  • 特開-逆Lアンテナおよびアンテナ装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107838
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】逆Lアンテナおよびアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/42 20060101AFI20240802BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20240802BHJP
   H01Q 9/40 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H01Q9/42
H01Q13/08
H01Q9/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011973
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】稲船 浩司
(72)【発明者】
【氏名】古賀 健一
(72)【発明者】
【氏名】古池 竜也
(72)【発明者】
【氏名】森 惠
【テーマコード(参考)】
5J045
【Fターム(参考)】
5J045AA02
5J045AB06
5J045DA08
5J045GA05
5J045LA01
(57)【要約】
【課題】基板上により安定して配置可能な逆Lアンテナを提供する。
【解決手段】基板に配置される逆Lアンテナであって、前記基板と略平行に配置される平行部と、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出される給電点接触部と、前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出された脚部と、を有し、前記脚部と前記基板との接触箇所は、電気的に絶縁される、逆Lアンテナが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に配置される逆Lアンテナであって、
前記基板と略平行に配置される平行部と、
前記平行部と略直交するように前記平行部から延出される給電点接触部と、
前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出された脚部と、
を有し、
前記脚部と前記基板との接触箇所は、電気的に絶縁される、
逆Lアンテナ。
【請求項2】
前記平行部、前記給電点接触部、および前記脚部の長さにより規定されるアンテナ長が、規定の通信規格に準拠した無線信号の波長の略1/4となるように形成される、
請求項1に記載の逆Lアンテナ。
【請求項3】
1枚の金属板により形成される、
請求項1に記載の逆Lアンテナ。
【請求項4】
前記平行部、前記給電点接触部、または前記脚部の少なくともいずれかにスリットまたは開口部を有する、
請求項1に記載の逆Lアンテナ。
【請求項5】
前記平行部、前記給電点接触部、または前記脚部の少なくともいずれかにスタブを有する、
請求項1に記載の逆Lアンテナ。
【請求項6】
前記給電点接触部の下端の幅は上端の幅よりも短く形成される、
請求項1に記載の逆Lアンテナ。
【請求項7】
前記平行部、前記給電点接触部、および前記脚部の間のうち少なくともいずれかに絶縁性材料が充填される、
請求項1に記載の逆Lアンテナ。
【請求項8】
互いに接触しない複数の金属板により形成される、
請求項1に記載の逆Lアンテナ。
【請求項9】
前記規定の通信規格は、超広帯域無線通信を含む、
請求項2に記載の逆Lアンテナ。
【請求項10】
基板、および前記基板に配置される逆Lアンテナ、を備え、
前記逆Lアンテナは、
前記基板と略平行に配置される平行部と、
前記平行部と略直交するように前記平行部から延出される給電点接触部と、
前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出された脚部と、
を有し、
前記脚部と前記基板との接触箇所は、電気的に絶縁される、
アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆Lアンテナおよびアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多種多様なアンテナが開発されている。上記アンテナには、例えば、特許文献1に開示されるような逆Lアンテナが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-17034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般的な逆Lアンテナは、単一の支持点により基板上に自立する構造であるため、安定性に欠ける。逆Lアンテナがこのような構造を有する場合、製造過程または製品出荷後に衝撃等により逆Lアンテナが倒れるなどし、機能しなくなる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、基板上により安定して配置可能な逆Lアンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基板に配置される逆Lアンテナであって、前記基板と略平行に配置される平行部と、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出される給電点接触部と、前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出された脚部と、を有し、前記脚部と前記基板との接触箇所は、電気的に絶縁される、逆Lアンテナが提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基板、および前記基板に配置される逆Lアンテナ、を備え、前記逆Lアンテナは、前記基板と略平行に配置される平行部と、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出される給電点接触部と、前記給電点接触部とは別途に形成され、前記平行部と略直交するように前記平行部から延出された脚部と、を有し、前記脚部と前記基板との接触箇所は、電気的に絶縁される、アンテナ装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明によれば、基板上により安定して配置可能な逆Lアンテナを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るアンテナ装置10に備えられる逆Lアンテナ110の形状例を示す図である。
図2】同実施形態に係るアンテナ装置10に備えられる逆Lアンテナ110の形状例を示す図である。
図3】同実施形態に係るアンテナ装置10に備えられる逆Lアンテナ110の形状例を示す図である。
図4】同実施形態に係るアンテナ装置10に備えられる逆Lアンテナ110の形状例を示す図である。
図5】同実施形態に係るアンテナ装置10に備えられる逆Lアンテナ110の形状例を示す図である。
図6】同実施形態に係る折り曲げ構造の変形例について説明するための模式図である。
図7】同実施形態に係る、脚部116Aと基板150との接触箇所の直上近傍に形成される開口部210Aについて説明するための図である。
図8】同実施形態に係るスリット220Aについて説明するための図である。
図9】同実施形態に係るスリット220Aについて説明するための図である。
図10】同実施形態に係る電流を迂回させるための構造としての開口部210Aについて説明するための図である。
図11】同実施形態に係る逆Lアンテナ110Aの給電点接触部114Aの形状のバリエーション例を示す図である。
図12】同実施形態に係るスタブ240Aの形成例を示す図である。
図13】同実施形態に係るモールド構造の例を示す図である。
図14】同実施形態に係る支持部260Aの形状例について説明するための図である。
図15】同実施形態に係る複数の金属板から形成される逆Lアンテナ110Aについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
また、本明細書及び図面においては、複数存在する同種の構成を区別して説明する場合に、符号の末尾にアルファベットを付す場合がある。一方、複数存在する同種の構成を区別する必要がない場合、上記アルファベットを省略し、複数存在する同種の構成のすべてに共通する説明がなされる場合がある。
【0012】
<1.実施形態>
<<1.1.逆Lアンテナの形状例>>
まず、図1図5を参照して、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置10に備えられる逆Lアンテナ110の形状例について説明する。
【0013】
本実施形態に係る逆Lアンテナ110は、規定の通信規格に準拠した無線信号を送受信する。
【0014】
本実施形態に係る逆Lアンテナは、1枚または複数枚の金属板から形成されてもよい。
【0015】
本実施形態に係る規定の通信規格としては、例えば、超広帯域(Ultra-Wide Band:UWB)無線通信が挙げられる。
【0016】
一方、本実施形態に係る規定の通信規格は、上記の例に限定されない。本実施形態に係る規定の通信規格には任意の通信規格が採用され得る。
【0017】
また、本実施形態に係る逆Lアンテナ110は、基板150上により安定して配置することに着目して発想されたものであり、以下に述べるような特徴的な形状を有する。
【0018】
本実施形態に係る逆Lアンテナ110は、平行部112、給電点接触部114、および脚部116を有する。
【0019】
本実施形態に係る平行部112は、基板150と接触しない平板構成であってもよい。本実施形態に係る平行部112は、例えば、基板150と略平行に配置されてもよい。
【0020】
本実施形態に係る給電点接触部114は、平行部112と略直交するように平行部112から延出され、下端において基板150に配置される給電点170と接触する。
【0021】
本実施形態に係る脚部116は、給電点接触部114とは別途に形成され、平行部112と略直交するように平行部112から延出される。
【0022】
また、本実施形態に係る脚部116と基板150との接触箇所は、電気的に絶縁されることを特徴の一つとする。
【0023】
上記特徴によれば、逆Lアンテナ110を基板150上により安定に配置しつつ、規定の通信規格に準拠した無線信号の送受信が可能となる。
【0024】
また、本実施形態に係る逆Lアンテナ110は、平行部112、給電点接触部114、および脚部116の長さにより規定されるアンテナ長が、規定の通信規格に準拠した無線信号の波長の略1/4となるように形成される。
【0025】
以下、図1図5の各図を順に参照しながら、本実施形態に係る逆Lアンテナ110の形状例についてより詳細に説明する。
【0026】
図1に示す逆Lアンテナ110Aは、平行部112Aの一端から給電点接触部114Aが延出され、平行部112Aの他端から脚部116Aが延出する形状を有する。
【0027】
給電点接触部114Aは、下端において基板150に配置される給電点170(斜線のパターンにより示す)と接触する。
【0028】
なお、図1図5における給電点接触部114の形状は概略的に示されたものであり、後述するように、本実施形態に係る給電点接触部114は多様な形状を取ることが可能である。
【0029】
また、図1に示す給電点170の形状もまた概略的に示されたものであり、本実施形態に係る給電点170の形状は限定されない。なお、図2図5においては、給電点170の図示を省略する。
【0030】
脚部116Aは、下端において、基板150と接触する。本実施形態に係るアンテナ装置10は、脚部116Aと基板150との接触箇所に、図示するように、GND160(ドットのパターンにより示す)が配置されないことを特徴の一つとする。
【0031】
すなわち、本実施形態に係る脚部116Aと基板150との接触箇所は、電気的に絶縁される。
【0032】
上記のような構成によれば、逆Lアンテナ110Aを基板150上により安定に配置しつつ、規定の通信規格に準拠した無線信号の送受信が可能となる。
【0033】
なお、脚部116Aの下端における基板150との接触箇所は、図示するように、折り曲げられてもよい。これにより、脚部116Aと基板150との接触面積が広がり、はんだ等の導電性接着剤による固定においてフィレットを形成しやすく、さらには形成されたフィレットの確認がしやすいという効果が得られる。
【0034】
なお、上記のような折り曲げ構造は、給電点接触部114Aの下端にも形成されてもよい。
【0035】
本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0036】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Bの形状について述べる。
【0037】
図2に示す逆Lアンテナ110Bは、平行部112Bの一端から給電点接触部114Bが延出され、平行部112Bの一端および他端の間から2つの脚部116Bが延出する形状を有する。
【0038】
2つの脚部116Bは、下端において、基板150と接触する。本実施形態に係る脚部116Bと基板150との接触箇所は、電気的に絶縁される。
【0039】
上記のような構成によれば、逆Lアンテナ110Bを基板150上により安定に配置しつつ、規定の通信規格に準拠した無線信号の送受信が可能となる。
【0040】
また、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Bは、3つの支持点(給電点接触部114B、2つの脚部116B)により基板150上に支持されるため安定性が増す効果が期待される。なお、脚部116Bの下端には上述したような折り曲げ構造が形成されてもよい。
【0041】
なお、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Bは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0042】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Cの形状について述べる。
【0043】
図3に示す逆Lアンテナ110Cは、平行部112Cの一端から給電点接触部114Cが延出され、同一端からさらに2つの脚部116Cが延出する形状を有する。
【0044】
2つの脚部116Cは、下端において、基板150と接触する。本実施形態に係る脚部116Cと基板150との接触箇所は、電気的に絶縁される。
【0045】
上記のような構成によれば、逆Lアンテナ110Cを基板150上により安定に配置しつつ、規定の通信規格に準拠した無線信号の送受信が可能となる。
【0046】
また、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Cは、3つの支持点(給電点接触部114C、2つの脚部116C)により基板150上に支持されるため安定性が増す効果が期待される。なお、脚部116Cの下端には上述したような折り曲げ構造が形成されてもよい。
【0047】
本実施形態に係る逆Lアンテナ110Cは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0048】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Dの形状について述べる。
【0049】
図4に示す逆Lアンテナ110Dでは、平行部112Dの一部領域がくり抜かれて給電点接触部114Dを形成し、また、平行部112Dの一端から脚部116Dが延出する。
【0050】
脚部116Dは、下端において、基板150と接触する。本実施形態に係る脚部116Dと基板150との接触箇所は、電気的に絶縁される。なお、脚部116Dの下端には上述したような折り曲げ構造が形成されてもよい。
【0051】
上記のような構成によれば、逆Lアンテナ110Dを基板150上により安定に配置しつつ、規定の通信規格に準拠した無線信号の送受信が可能となる。
【0052】
なお、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Dは、1枚の金属板をプレス加工することにより安価に製造可能である。
【0053】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Eの形状について述べる。
【0054】
図5に示す逆Lアンテナ110Eでは、平行部112Dの一端と他端との間から給電点接触部114Eが延出し、当該一端付近から2つの脚部116Eが延出する。
【0055】
2つの脚部116Eは、下端において、基板150と接触する。本実施形態に係る脚部116Eと基板150との接触箇所は、電気的に絶縁される。なお、脚部116Eの下端には上述したような折り曲げ構造が形成されてもよい。
【0056】
上記のような構成によれば、逆Lアンテナ110Eを基板150上により安定に配置しつつ、規定の通信規格に準拠した無線信号の送受信が可能となる。
【0057】
<<1.2.逆Lアンテナ110の変形例>>
以上、本実施形態に係る逆Lアンテナ110について基本説明を行った。続いて、本実施形態に係る逆Lアンテナ110の変形例について述べる。
【0058】
なお、以下の変形例に関する説明においては、逆Lアンテナ110Aを主な例として採用するが、逆Lアンテナ110B~110Eについても同様の変形が可能である。
【0059】
図6は、本実施形態に係る折り曲げ構造の変形例について説明するための模式図である。
【0060】
図6の上段に示すように、本実施形態に係る給電点接触部114Aおよび脚部116Aは、逆Lアンテナ110Aの外側に向けて折り曲げられてもよい。このように、本実施形態に係る折り曲げ構造の折り曲げ方向は所定方向に限定されない。
【0061】
また、図6の中段に示すように、本実施形態に係る折り曲げ構造は、略垂直方向にさらに折り曲げられてもよい。
【0062】
この場合、はんだ等の導電性接着剤による固定においてフィレットを形成しやすく、さらには形成されたフィレットの確認がしやすいというメリットがある。
【0063】
一方、本実施形態に係る給電点接触部114Aおよび脚部116Aは、図6の下段に示すように、折り曲げ構造を有せずともよい。
【0064】
この場合であっても、はんだ等の導電性接着剤により固定することで、逆Lアンテナ110Aは基板150上に自立可能である。
【0065】
また、逆Lアンテナ110Aは、脚部116Aと基板150との接触箇所の直上近傍に開口部210Aを有してもよい。
【0066】
逆Lアンテナ110Aは、金属材料を用いて形成されるため、熱伝導率が高い。このため、はんだ等の導電性接着剤による固定を実施する際、熱が上方に逃げやすい傾向がある。
【0067】
しかし、図7に示すように、脚部116Aと基板150との接触箇所の直上近傍に開口部210が形成される場合、熱が上方に逃げることを効果的に防止し、はんだ等の導電性接着剤による固定を効率的に実施することが可能となる。
【0068】
次に、アンテナ長の確保に関する変形例について述べる。
【0069】
目的とするアンテナ長を確保するために、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aは、スリット220A等の電流を迂回させるための構造を有してもよい。
【0070】
図8および図9は、本実施形態に係るスリット220Aについて説明するための図である。
【0071】
図8に示すように、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aは、平行部112A、給電点接触部114Aまたは脚部116Aに1つまたは複数のスリット220Aを有してもよい。
【0072】
図8に示すように、逆Lアンテナ110Aがスリット220Aを有する場合、電流がスリット220Aを迂回して流れることとなり、平行部112A、給電点接触部114Aおよび脚部116Aの長さにより規定されるアンテナ長をより長く確保することが可能となる。
【0073】
なお、図8においては、複数のスリット220Aが同一方向に形成される場合を例示したが、本実施形態に係るスリット220Aの形成パターンはかかる例に限定されない。
【0074】
本実施形態に係るスリット220Aは、例えば、図9の上段および下段に示すように、対向する2方向に形成されてもよい。
【0075】
また、逆Lアンテナ110Aに形成される、電流を迂回させるための構造は、スリット220Aに限定されない。当該構造は、開口部210Aであってもよい。
【0076】
図10は、電流を迂回させるための構造としての開口部210Aについて説明するための図である。
【0077】
図10に示すように、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aは、平行部112A、給電点接触部114Aまたは脚部116Aに1つまたは複数の開口部210Aを有してもよい。
【0078】
図10に示すように、逆Lアンテナ110Aが開口部210Aを有する場合、電流が開口部210Aを迂回して流れることとなり、平行部112A、給電点接触部114Aおよび脚部116Aの長さにより規定されるアンテナ長をより長く確保することが可能となる。
【0079】
以上、電流を迂回させるための構造としてのスリット220Aおよび開口部210Aについて説明した。スリット220Aおよび開口部210Aの形成パターンは、目的とするアンテナ長、逆Lアンテナ110Aのサイズ等に応じて適宜設計されてよい。
【0080】
以上、アンテナ長の確保に関する変形例について説明した。次に、給電点接触部114Aの形状に関する変形例について述べる。
【0081】
図11は、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aの給電点接触部114Aの形状のバリエーション例を示す図である。
【0082】
本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aの給電点接触部114Aは、給電点170に接触する下端の幅W2が上端の幅W1と比較して短くなるよう形成されてもよい。
【0083】
上記のような形状によればインピーダンス整合を取りやすいという効果が得られる。
【0084】
ただし、インピーダンスを他の手段により整合可能な場合、図11の下段右端に例示するように、下端の幅W2は上端の幅W1同程度であってもよい。
【0085】
次に、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aがスタブ240Aを有する場合の変形例について述べる。
【0086】
図12は、本実施形態に係るスタブ240Aの形成例を示す図である。
【0087】
図12に示すように、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aは、平行部112A、給電点接触部114Aまたは脚部116Aのうちのいずれか、または複数に1つまたは複数のスタブ240Aを有してもよい。
【0088】
スタブ240Aは、図12の上段に示すように、給電点接触部114Aと脚部116Aとを結ぶ方向に対し略直交する方向に延長するよう形成されてもよい。
【0089】
上記のように形成されるスタブ240Iによれば、給電点接触部114Aと脚部116Aとを結ぶ方向と直交する方向にさらに電流を流すことができ、逆Lアンテナ110Aを円偏波アンテナとして機能させることが可能となる。
【0090】
または、スタブ240Aは、図12の下段に示すように、給電点接触部114Aと脚部116Aとを結ぶ方向に対し略直交する方向に延長した後、さらに基板150に向かって延長するよう形成されてもよい。
【0091】
また、スタブ240Aは、例えば、図12において二点鎖線で示す箇所において折り曲げられてもよい。
【0092】
本実施形態に係るスタブ240Aによれば、偏波およびアンテナ長を効率的に調整することが可能となる。
【0093】
次に、本実施形態に係るモールド構造について述べる。
【0094】
図13は、本実施形態に係るモールド構造の例を示す図である。
【0095】
図13の上段に示すように、本実施形態に係る平行部112A、給電点接触部114A、および脚部116Aのうち少なくともいずれか2つに囲まれる空間には、絶縁性材料250が充填されていてもよい。
【0096】
または、図13の下段に示すように、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aは、上記空間に加え、平行部112A、給電点接触部114Aまたは脚部116Aの少なくともいずれかの外側が絶縁性材料250により覆われていてもよい。
【0097】
このような、絶縁性材料250を用いたモールド構造によれば、逆Lアンテナ110Aの形状の変化を効果的に防止することができる。
【0098】
次に、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aが支持部260Aを有する場合の変形例について述べる。
【0099】
本実施形態に係る支持部260Aは、基板150上における逆Lアンテナ110Aの自立を支持する構成である。
【0100】
図14は、本実施形態に係る支持部260Aの形状例について説明するための図である。
【0101】
図14に示すように、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aの給電点接触部114Aは、1つまたは複数の支持部260Aを有してもよい。
【0102】
本実施形態に係る支持部260Aによれば、逆Lアンテナ110Aが基板150上において、より安定して自立することが可能となる。
【0103】
次に、本実施形態に係る金属板の変形例について述べる。
【0104】
上記では、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aが1枚の金属板から形成される場合を主に説明した。
【0105】
一方、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aは、複数の金属板から構成されてもよい。
【0106】
図15は、本実施形態に係る複数の金属板から形成される逆Lアンテナ110Aについて説明するための図である。
【0107】
図15に示すように、本実施形態に係る逆Lアンテナ110Aは、金属板110A1および金属板110B2から構成されてもよい。
【0108】
金属板110A1および金属板110A2の間の領域は、直流的には導通していないものの、当該領域はコンデンサとして動作することから、高周波の導通は実現され、逆Lアンテナ110Aのアンテナとしての機能もまた実現される。
【0109】
なお、金属板110A1および金属板110A2の間の領域には、図15に示すように、例えば、絶縁性材料250が充填されてもよい。
【0110】
この場合、逆Lアンテナ110Aの形状(構造)をより安定して保持することが可能となる。
【0111】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0112】
10:アンテナ装置、110:逆Lアンテナ、112:平行部、114:給電点接触部、116:脚部、150:基板、160:GND、170:給電点、210:開口部、220:スリット、240:スタブ、250:絶縁性材料、支持部:260
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15