(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107861
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】充電インレット組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
H01R13/52 B
H01R13/52 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012018
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】松坂 智貴
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE10
5E087EE11
5E087FF07
5E087FF12
5E087GG22
5E087GG32
5E087LL02
5E087LL17
5E087MM05
5E087MM09
5E087MM12
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR12
5E087RR13
5E087RR25
(57)【要約】
【課題】組付作業が簡易であり、カバー部材の内部への水や塵の侵入が抑制される充電インレット組立体を提供する。
【解決手段】充電インレット組立体10は、端子2を保持するとともに車両の内側に開口22aを有する端子保持部22と、端子保持部22の周囲を囲むとともに車両の内側方向に突出する壁部24と、を有するハウジング20と、端子2に接続され車両の内側方向に引き出される配線部材50と、開口22aおよび配線部材50の一部を覆う樹脂製のカバー部材(背面カバー部材60)と、を備える。背面カバー部材60は、開口22aおよび配線部材50の一部を車両の内側から覆う背面カバー部62と、背面カバー部62の周縁から車両の外側方向に突出する背面カバー周壁部64と、を有する。背面カバー周壁部64は、壁部24と壁部24の少なくとも一部で重なる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される充電インレット組立体であって、
端子を保持するとともに前記車両の内側に開口を有する端子保持部と、前記端子保持部の周囲を囲むとともに前記車両の内側方向に突出する壁部と、を有するハウジングと、
前記端子に接続され前記車両の内側方向に引き出される配線部材と、
前記開口および前記配線部材の一部を覆う樹脂製のカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記開口および前記配線部材の一部を前記車両の内側から覆う背面カバー部と、前記背面カバー部の周縁から前記車両の外側方向に突出する背面カバー周壁部と、を有し、
前記背面カバー周壁部は、前記壁部と前記壁部の少なくとも一部で重なる、
充電インレット組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の充電インレット組立体であって、
前記ハウジングに保持される前記端子の長手方向と、前記配線部材が前記カバー部材から引き出される引出方向とが交差し、
前記背面カバー部は、前記引出方向に延設される前記配線部材の一部を前記車両の内側から覆い、
前記背面カバー周壁部は、前記引出方向に沿って前記配線部材の上方に配置される上部周壁部と、前記引出方向に沿って前記配線部材の下方に配置される下部周壁部と、前記上部周壁部の一端と前記下部周壁部の一端とを連接する側部周壁部と、を備え、
前記背面カバー周壁部は、全周において前記壁部と重なる、
充電インレット組立体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の充電インレット組立体であって、
前記壁部は、前記背面カバー周壁部の外周側に位置し、
前記ハウジングは、前記背面カバー周壁部の内周側に位置する補助壁部をさらに備え、
前記背面カバー周壁部の少なくとも一部は、前記壁部と前記補助壁部との間に収納される、
充電インレット組立体。
【請求項4】
請求項3に記載の充電インレット組立体であって、
前記補助壁部において前記背面カバー周壁部と対向する外周面の端部に、先端に向かうに連れて前記壁部から離間するガイド面が形成される、
充電インレット組立体。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の充電インレット組立体であって、
前記壁部は、前記背面カバー周壁部の外周側に位置し、
前記背面カバー周壁部の外周面に、前記壁部の端縁に沿う突起部が備えられる、
充電インレット組立体。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の充電インレット組立体であって、
前記カバー部材に、前記配線部材の引出口としての開口が形成され、
前記配線部材のうち、前記引出口よりも前記カバー部材の内側に位置する部分に、環状弾性部材が装着され、
前記配線部材の引出方向に沿って視て、前記カバー部材は、前記環状弾性部材の少なくとも一部と重なる、
充電インレット組立体。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の充電インレット組立体であって、
前記カバー部材における下方に排水開口が形成され、
前記カバー部材は、前記排水開口の上方に、上方からの平面視において前記排水開口を覆う邪魔板をさらに有する、
充電インレット組立体。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の充電インレット組立体であって、
前記ハウジングは、
前記端子を挿入する端子挿入部を有するハウジング本体と、
前記車両の内側から前記ハウジング本体に固定されるリテーナと、を備え、
前記リテーナは、
前記端子挿入部に挿入される前記端子の一部を前記車両の内側から抜け止め支持する端子支持部と、
前記配線部材の一部を保持する配線部材保持部と、
前記壁部と、を有する、
充電インレット組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載される充電インレット組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載されるインレットを覆うグロメットの技術が開示されている。グロメットは、インレットと配線部材の一部とを覆う。特許文献1に記載のグロメットは、弾性を有する材料によっては一体成形で形成される。グロメットの材料としては、例えば、弾性が高いEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などのエラストマを用いられている。このような弾性が高い材料を使用した場合、インレットと配線部材とに密接した状態で組み付けることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなグロメットをインレットに組み付けるときに、グロメットを拡張させながらインレットに取り付けるという複雑な作業が必要となる。
【0005】
そこで、本開示は、組付作業が簡易であり、カバー部材の内部への水や塵の侵入が抑制される充電インレット組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の充電インレット組立体は、車両に搭載される充電インレット組立体であって、端子を保持するとともに前記車両の内側に開口を有する端子保持部と、前記端子保持部の周囲を囲むとともに前記車両の内側方向に突出する壁部と、を有するハウジングと、前記端子に接続され前記車両の内側方向に引き出される配線部材と、前記開口および前記配線部材の一部を覆う樹脂製のカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記開口および前記配線部材の一部を前記車両の内側から覆う背面カバー部と、前記背面カバー部の周縁から前記車両の外側方向に突出する背面カバー周壁部と、を有し、前記背面カバー周壁部は、前記壁部と前記壁部の少なくとも一部で重なる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の充電インレット組立体によると、組付作業が簡易であり、カバー部材の内部への水や塵の侵入が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、充電インレット組立体を示す側面図である。
【
図2】
図2は、ハウジングの一部を構成するリテーナおよびカバー部材を車両の内側から示す斜視図である。
【
図3】
図3は、ハウジングの一部を構成するリテーナおよびカバー部材を車両の外側から示す斜視図である。
【
図4】
図4は、リテーナを車両の内側から示す斜視図である。
【
図5】
図5は、ハウジング本体を除く充電インレット組立体を車両の外側から示す斜視図である。
【
図7】
図7は、リテーナに対してカバー部材が固定される様子を示す説明図である。
【
図8】
図8は、
図3におけるVIII-VIII断面を部分的に示す図である。
【
図9】
図9は、排水開口と邪魔板との配置関係を平面視において示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
【0010】
本開示の充電インレット組立体は、次の通りである。
【0011】
(1)車両に搭載される充電インレット組立体であって、端子を保持するとともに前記車両の内側に開口を有する端子保持部と、前記端子保持部の周囲を囲むとともに前記車両の内側方向に突出する壁部と、を有するハウジングと、前記端子に接続され前記車両の内側方向に引き出される配線部材と、前記開口および前記配線部材の一部を覆う樹脂製のカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記開口および前記配線部材の一部を前記車両の内側から覆う背面カバー部と、前記背面カバー部の周縁から前記車両の外側方向に突出する背面カバー周壁部と、を有し、前記背面カバー周壁部は、前記壁部と前記壁部の少なくとも一部で重なる。これにより、組付作業が簡易であり、カバー部材の内部への水や塵の侵入が抑制される。
【0012】
(2)(1)の充電インレット組立体であって、前記ハウジングに保持される前記端子の長手方向と、前記配線部材が前記カバー部材から引き出される引出方向とが交差し、前記背面カバー部は、前記引出方向に延設される前記配線部材の一部を前記車両の内側から覆い、前記背面カバー周壁部は、前記引出方向に沿って前記配線部材の上方に配置される上部周壁部と、前記引出方向に沿って前記配線部材の下方に配置される下部周壁部と、前記上部周壁部の一端と前記下部周壁部の一端とを連接する側部周壁部と、を備え、前記背面カバー周壁部は全周において前記壁部と重なってもよい。これにより、背面カバー周壁部の全周で壁部と重なるので、カバー部材の内側への水や塵の侵入が効果的に抑制される。
【0013】
(3)(1)または(2)の充電インレット組立体であって、前記壁部は、前記背面カバー周壁部の外周側に位置し、前記ハウジングは、前記背面カバー周壁部の内周側に位置する補助壁部をさらに備え、前記背面カバー周壁部の少なくとも一部は、前記壁部と前記補助壁部との間に収納されてもよい。これにより、背面カバー周壁部が壁部と補助壁部との間に収納される部分において、壁部と背面カバー周壁部と補助壁部との三壁が重なるので、カバー部材の内側への水や塵の侵入が効果的に抑制される。
【0014】
(4)(3)の充電インレット組立体であって、前記補助壁部において前記背面カバー周壁部と対向する外周面の端部に、先端に向かうに連れて前記壁部から離間するガイド面が形成される。これにより、背面カバー周壁部が壁部と補助壁部との間に収納される際に、壁部と補助壁部との間にカバー周壁部が挿入されやすい。
【0015】
(5)(1)ないし(4)のいずれか1つの充電インレット組立体であって、前記壁部は、前記背面カバー周壁部の外周側に位置し、前記背面カバー周壁部の外周面に、前記壁部の端縁に沿う突起部が備えられる。これにより、突起部が水や塵を堰き止め、背面カバー周壁部と壁部との間の隙間からカバー部材の内側への水や塵の侵入が抑制される。
【0016】
(6)(1)から(5)のいずれか1つの充電インレット組立体であって、前記カバー部材に、前記配線部材の引出口としての開口が形成され、前記配線部材のうち、前記引出口よりも前記カバー部材の内側に位置する部分に、環状弾性部材が装着され、前記配線部材の引出方向に沿って視て、前記カバー部材は、前記環状弾性部材の少なくとも一部と重なる。このため、カバー部材と環状弾性部材との重なる部分からカバー部材の内側への水や塵の侵入が抑制される。
【0017】
(7)(1)から(6)のいずれか1つの充電インレット組立体であって、前記カバー部材における下方に排水開口が形成され、前記カバー部材は、前記排水開口の上方に、上方からの平面視において前記排水開口を覆う邪魔板をさらに有する。これにより、排水開口からカバー部材の内側への水や塵の侵入が抑制される。
【0018】
(8)(1)から(7)のいずれか1つの充電インレット組立体であって、前記ハウジングは、前記端子を挿入する端子挿入部を有するハウジング本体と、前記車両の内側から前記ハウジング本体に固定されるリテーナと、を備え、前記リテーナは、前記端子挿入部に挿入される前記端子の一部を前記車両の内側から抜け止め支持する端子支持部と、前記配線部材の一部を保持する配線部材保持部と、前記壁部と、を有する。これにより、ハウジングがハウジング本体とリテーナとに分割可能な構成となる。このため、端子が挿入される端子挿入部を有するハウジング本体については同一形状のものが使用されつつ、配線部材保持部の位置や形状の変化に対応したリテーナが組み合わされることができる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の充電インレット組立体の具体例を、以下の図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
以下、本開示にかかる充電インレット組立体について説明する。
【0021】
<実施形態>
<充電インレット組立体10>
図1は、充電インレット組立体10を示す側面図である。
【0022】
充電インレット組立体10は、車両に搭載される。車両は、蓄電装置及びモータを備える電動車両である。車両は、蓄電装置の電力でモータを駆動することによって走行する。車両は、駆動源としてモータのみを備える電気自動車であってもよいし、モータとエンジンとを備えるハイブリッド車両であってもよい。車両における蓄電装置は、外部の充電スタンドから供給される電力によって充電される。充電インレット組立体10は、例えば、車両におけるボディの外面に設けられたインレット取付部80に取付けられる。
図1には、インレット取付部80の一例が示されている。インレット取付部80は、例えば、ボディをなすパネル82の一部が車両の内側に凹む凹状に形成される。インレット取付部80のうち底部のパネル82には貫通孔84が形成される。充電インレット組立体10の一部は、パネル82よりも車両の内側に配置され、他の一部は貫通孔84を貫通する。
【0023】
充電インレット組立体10は、ハウジング20と配線部材50とカバー部材(以下、「背面カバー部材60」とする)とを備える。ハウジング20は、外部充電コネクタが挿し込まれて電気的に接続されることが可能に構成される。外部充電コネクタは、例えば、充電スタンドから延びる充電ケーブルのコネクタである。ハウジング20は、外部充電コネクタとの接続部分(端子2)を保持する(
図3および
図5参照)。接続部分(端子2)は、外部充電コネクタが挿し込まれて電気的に接続される部分である。
【0024】
配線部材50は、ハウジング20から延びる。配線部材50は、ハウジング20に保持される端子2と電気的に接続される。配線部材50は、充電スタンドからの電力を車両の蓄電装置に向けて送る。配線部材50は、端子2に電気的に接続される。また、配線部材50は、車両の内側方向に引き出される。配線部材50において背面カバー部材60から引き出される引出方向は、ハウジング20に保持される端子2の長手方向(車両の内外方向)と交差する。本実施形態においては、引出方向は端子2の長手方向に直交する。このような配線部材50の引出方向とすることにより、配線部材50が車両の内外方向の延出領域を狭めることができる。
【0025】
背面カバー部材60は、ハウジング20及び配線部材50を覆う。背面カバー部材60には、ハウジングとの係合部65及び引出口としての開口68が形成されている。配線部材50において、ハウジング20に配置される端子2との接続部分から開口68までの部分が、背面カバー部材60の内部に収納されている。また、配線部材50は、開口68を通じて、背面カバー部材60の外に延び出ている。配線部材50が、ハウジング20から背面カバー部材60の内側に延び、背面カバー部材60の開口68を通じて背面カバー部材60の外に延び出ている。背面カバー部材60は、パネル82よりも車両の内側において、ハウジング20及び配線部材50の保護、具体的には、背面カバー部材60の内部への水や塵の侵入の抑制を行う。
【0026】
本開示において、車両の内外方向(車両の幅方向)が、ハウジング20がパネル82の貫通孔84を貫通する方向に平行な方向とされる。ハウジング20と外部充電コネクタとは、車両の内外方向に平行な方向に接続される。
図1において、例えば、上下方向が鉛直方向である。また、
図1において、例えば紙面垂直方向が車両の前後方向である。なお、本実施形態においては、紙面手前側が車両の前方向とされる。ただし、紙面手前側が車両の後ろ方向にされてもよい。
【0027】
<ハウジング20(ハウジング本体30およびリテーナ40)>
図2は、ハウジング20の一部を構成するリテーナ40および背面カバー部材60を車両の外側から示す斜視図である。
図3は、ハウジング20の一部を構成するリテーナ40および背面カバー部材60を車両の内側から示す斜視図である。
図4は、リテーナ40を車両の内側から示す斜視図である。
図5は、ハウジング本体30を除く充電インレット組立体10を車両の外側から示す斜視図である。
【0028】
ハウジング20は、端子保持部22と、壁部24とを有する。端子保持部22は、端子2を保持する(
図3参照)。また、端子保持部22は、車両の内側に開口22a(
図1参照)を有する。壁部24は、端子保持部22の周囲を囲む(
図4および
図6参照)。また、壁部24は、車両の内側方向に突出する。本実施形態においては、ハウジング20は、2つの端子保持部22を備える。2つの端子保持部22は、車両の前後方向において並列する。なお、端子保持部22の数は2つに限定されない。例えば、2本の電力線と接続する端子2を保持するための端子保持部22と、複数本の信号線と接続する端子を保持するための端子保持部が備えられてもよい。
【0029】
本実施形態においては、ハウジング20は、ハウジング本体30と、リテーナ40とを備える。ハウジング本体30およびリテーナ40は、例えば、樹脂製である。また、ハウジング本体30およびリテーナ40は、例えば、射出成形により形成される。ハウジング本体30は、パネル82に取り付けられるパネル取付部31と、端子2が挿入される端子挿入部32と、端子挿入部32の周囲を囲む周壁部33とを有する。なお、本実施形態のように、ハウジング20がハウジング本体30とリテーナ40とを備える構成に限定されない。ハウジング本体30とリテーナ40との各構成を含む一体物のハウジング20が備えられてもよい。
【0030】
パネル取付部31は、貫通孔84よりも大きい板状体で形成される。パネル取付部31の四隅にはネジ挿通穴31aが形成される。ネジ挿通穴31aに挿通されたネジがパネル82に羅合されることにより、ハウジング本体30とパネル82とが固定される。
【0031】
端子挿入部32は、パネル取付部31から車両の内側および外側の両方に突出する。端子挿入部32は、円筒状に形成される。端子挿入部32は、端子2の長手方向において車両外側部分を保持する。端子挿入部32は、車両の内外両方向に開口する。これにより、外部コネクタが充電インレット組立体10に挿入されるときに、端子挿入部32に保持される端子2と外部コネクタとが接続される。また、端子挿入部32に挿入される端子2を介して、外部コネクタと配線部材50とが電気的に接続される。
【0032】
周壁部33は、端子挿入部32の周囲を円筒状に取り囲む。周壁部33の外周面上には、複数の突起部34が形成される。突起部34は、後に説明するリテーナ40の係合部と係合する。これにより、ハウジング本体30とリテーナ40とが固定される。
【0033】
図2および
図4に示すように、リテーナ40は、車両の内側からハウジング本体30に固定される。リテーナ40は、ハウジング本体係合部41と、端子支持部42と、配線部材保持部44と、壁部24とを備える。
【0034】
ハウジング本体係合部41は、円筒状に形成される。ハウジング本体係合部41は、ハウジング本体30の周壁部33の外周に嵌合する。このような構成により、周壁部33とハウジング本体係合部41とで、端子挿入部32および端子支持部42(後に説明する)の周囲が取り囲まれる。ハウジング本体係合部41は、外周面上に、周壁部33に形成される突起部34に係合する係合部43を備える。係合部43は、外周面の周方向に間隔をおいて車両の内外方向に延びる一対の脚部43aと、脚部43aの端部同士を繋ぐ連結部43bとを備える。脚部43aと連結部43bとに囲まれる空間に突起部34が係合することにより、ハウジング本体30とリテーナ40とが固定される。なお、樹脂により形成される脚部43aが弾性変形することにより、連結部43bが突起部34を乗り越えて、突起部34と係合部43とが係合される。
【0035】
端子支持部42は、端子挿入部32に挿入される端子2の一部を車両の内側から支持する。端子支持部42は、端子2が車両の内側方向へ抜けることを防止する抜け止めの機能も有する。本実施形態においては、端子支持部42は、端子挿入部32から車両の内側に露出する部分を保持する。端子支持部42は、端子挿入部32と同様に円筒状に形成される。ハウジング本体30の端子挿入部32とリテーナ40の端子支持部42とにより端子保持部22が構成される。なお、本実施形態においては、端子支持部42が端子2の一部を保持する構成が採用されるが、これに限定されない。端子支持部42は端子挿入部32に挿入される端子2を車両の内側から押圧し、端子2の車両の内側方向への抜けを防止してもよい。
【0036】
配線部材保持部44は、配線部材50の一部を保持する。配線部材保持部44は、端子支持部42から車両の前方向に向けて延びる腕部46に形成される。本実施形態においては、配線部材50は、端子2の長手方向に垂直な方向に向けて、接続金具52を介して接続される。配線部材保持部44は、腕部46において配線部材50の延設方向(車両の前方向)の端部に位置する。配線部材保持部44は、配線部材50の周方向の形状に適応した形状(半円形状)に形成される。本実施形態においては、配線部材保持部44が、配線部材50に装着される環状弾性部材51と接するように形成される。環状弾性部材51は、例えば、ゴム、柔軟な樹脂材料により形成される。環状弾性部材51は、配線部材50の振動を吸収する。また、配線部材保持部44は、環状弾性部材51における端子支持部42側に突出部45を備える。突出部45は、環状弾性部材51の外周よりも小さい内周を有するように形成される。これにより、
図1に示すように、配線部材50の引出方向(本実施形態においては、車両の前後方向)に沿って視て、環状弾性部材51と突出部45とが重なる。このため、この重なり部分により、配線部材保持部44からリテーナ40の内側への水や塵の侵入が抑制される。
【0037】
壁部24は、後に説明する背面カバー周壁部64の外周側に位置する(
図2、
図3、
図4、
図5および
図8参照)。壁部24の外周面上には、複数の突起部48が形成される。突起部48は、後に説明する背面カバー部材60の係合部65と係合する。これにより、リテーナ40と背面カバー部材60とが固定される。
【0038】
本実施形態においては、リテーナ40は、背面カバー周壁部64の内周側に位置する補助壁部47をさらに備える(
図4および
図8参照)。補助壁部47は、壁部24と間隔を持って壁部24の内周に対向して形成される、壁部24と補助壁部47との突出長さは同程度である。補助壁部47は、背面カバー周壁部64と対向する外周面47aを有する。補助壁部47の外周面47aの端部に、先端に向かうに連れて壁部24から離間するガイド面47bが形成される(
図8参照)。ガイド面47bは、
図8に示すように、断面傾斜形状である。ガイド面47bにより背面カバー周壁部64が誘導されることにより、背面カバー周壁部64が壁部24と補助壁部47との間に収納されやすくなる。
【0039】
<背面カバー部材60>
図6は、背面カバー部材60を示す斜視図である。
図7は、リテーナ40に対して背面カバー部材60が固定される様子を示す説明図である。
図8は、
図3のVIII-VIII断面を部分的に示す説明図である。
図9は、排水開口62aと邪魔板62bとの配置関係を平面視において示す説明図である。
【0040】
図8に示すように、リテーナ40の壁部24と補助壁部47との間に背面カバー周壁部64が収納される。背面カバー部材60は、樹脂製である。背面カバー部材60は、例えば、射出成形により形成される。背面カバー部材60は、端子保持部22の開口22aおよび配線部材50の一部を覆う。背面カバー部材60は、背面カバー部62と、背面カバー周壁部64とを備える。また、背面カバー部材60に、配線部材50の引出口としての開口68が形成される。このような背面カバー部材60は、背面カバー部材60の内側に配置される端子2が直接被水することを抑制する。
【0041】
背面カバー部62は、端子保持部22の開口22aおよび配線部材50の一部を車両の内側から覆う。背面カバー部62は、リテーナ40のハウジング本体係合部41と腕部46とに対応した形状である。つまり、リテーナ40の外形は、背面カバー部62の外形に沿った形状である。これにより、リテーナ40の壁部24が背面カバー部62から突出する背面カバー周壁部64に適合する。
【0042】
本実施形態においては、
図6および
図9に示すように、背面カバー部62における下方の位置に排水開口62aが形成される。排水開口62aは、下部周壁部67と連続した位置に形成される。排水開口62aは、背面カバー部材60の底面(下部周壁部67)を開口させる位置に形成される。また、背面カバー部62は、排水開口62aのリテーナ40側の面の上方に、邪魔板62bを有する。邪魔板62bは、排水開口62aの上方に位置する。邪魔板62bは、排水開口62aから離間して配置される。これにより、背面カバー部材60の内側に流入した水が、邪魔板62bに阻止されることなく、排水開口62aから排出される。邪魔板62bは、排水開口62aの上方からの平面視において(鉛直方向に沿って視て)排水開口62aを覆う(
図9参照)。これにより、排水開口62aから背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が邪魔板62bにより抑制される。なお、本実施形態においては、排水開口62aが背面カバー部62に形成されるが、これに限定されない。排水開口62aが、背面カバー周壁部64(下部周壁部67または側部周壁部69の下方)に形成されてもよい。この場合においても、平面視において(鉛直方向に沿って視て)、排水開口62aを上方から覆う邪魔板62bが備えられることが好ましい。
【0043】
背面カバー周壁部64は、背面カバー部62の周縁から車両の外側方向に突出する。背面カバー周壁部64は、壁部24(および補助壁部47)と対応する形状に形成される。背面カバー周壁部64は、上部周壁部66と、下部周壁部67と、側部周壁部69とを備える。上部周壁部66は、配線部材50の引出方向(本実施形態においては、車両の前後方向)に沿って配線部材50の上方に配置される。下部周壁部67は、配線部材50引出方向(本実施形態においては、車両の前後方向)に沿って配線部材50の下方に配置される。側部周壁部69は、上部周壁部66の一端と下部周壁部67の一端とを連接する。側部周壁部69は、開口68(配線部材50の引出口)の反対側に配置される。本実施形態においては、側部周壁部69は、車両の内外方向に沿って視て円弧形状に形成される。本実施形態においては、背面カバー周壁部64は、全周において壁部24と重なる。背面カバー周壁部64は、壁部24と補助壁部47との間に収納される。背面カバー周壁部64が壁部24と補助壁部47との間に収納されるとき、背面カバー周壁部64と壁部24との間隔はいずれの箇所においても同程度である。背面カバー周壁部64と壁部24とは、車両の内外方向に沿って視て、例えば、相似形状となる。また、背面カバー周壁部64と補助壁部47との間隔もまた、いずれの箇所においても同程度である。背面カバー周壁部64と補助壁部47とは、車両の内外方向に沿って視て、例えば、相似形状となる。なお、本実施形態においては、
図8に示すように、背面カバー周壁部64と壁部24とは接触しており、背面カバー周壁部64と補助壁部47とも接触している。このように背面カバー周壁部64と壁部24とが接触し、背面カバー周壁部64と補助壁部47とが接触することにより、これらの隙間から背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が効果的に抑制される。なお、このように壁部24と背面カバー周壁部64と補助壁部47との間の隙間を小さくするために、壁部24と補助壁部47との間隔は背面カバー周壁部64の厚みと同一または厚みよりも小さく形成される。壁部24と補助壁部47との間隔が背面カバー周壁部64の厚みよりも小さい場合、壁部24または補助壁部47の弾性変形により背面カバー周壁部64が壁部24と補助壁部47との間に収納される。
【0044】
なお、背面カバー周壁部64は、全周において壁部24と重なる構成であるが、これに限定されない。背面カバー周壁部64は、壁部24と少なくとも一部で重なる構成でもよい。このような構成であっても、背面カバー周壁部64と壁部24と重なる部分においては、その部分から背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が抑制されるためである。
【0045】
開口68は、配線部材50の周方向に沿った形状(半円形状)に形成される。本実施形態においては、開口68は、背面カバー部材60の端縁と繋がる。つまり、開口68は、背面カバー部材60の端縁から溝のような窪みに形成される。また、本実施形態においては、開口68と配線部材保持部44とにより、
図1に示すような配線部材50の略円形状(配線部材50の周囲を周回する形)の引出開口53が形成される。これにより、背面カバー部材60がリテーナ40に固定される際に、主としてリテーナ40の保持される配線部材50に対して上から嵌め込むことにより、配線部材50が開口68(および配線部材保持部44)から引き出される。また、配線部材50の周囲が、開口68と配線部材保持部44とにより囲まれるので、配線部材50の周囲から背面カバー部材60の内側およびリテーナ40の内側への水や塵の侵入が抑制される。
【0046】
より詳細には、開口68は、環状弾性部材51の車両内側(充電インレット組立体10においては外側)に位置する。言い換えると、環状弾性部材51は、配線部材50のうち、開口68よりも背面カバー部材60の内側に位置する部分に装着される。開口68は、環状弾性部材51の外周よりも小さい内周を有するように形成される。これにより、
図1に示すように、配線部材50の引出方向(本実施形態においては、車両の前後方向)に沿って視て、環状弾性部材51と開口68(背面カバー部材60)とが重なる。このため、この重なり部分により、開口68から背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が抑制される。なお、本実施形態においては、開口68は、背面カバー部材60の端縁と繋がっており、配線部材保持部44と組み合わさることにより配線部材50の周囲を覆っているが、開口68は、このような構成に限定されない。開口68が配線部材50の周囲を周回して覆う開口孔形状に形成されてもよい。
【0047】
また、本実施形態においては、背面カバー部材60と環状弾性部材51とが密接する。このように背面カバー部材60と環状弾性部材51とが密接すると、背面カバー部材60と環状弾性部材51との間の隙間が埋められる。したがって、背面カバー部材60と環状弾性部材51との間から背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が抑制される。
【0048】
また、
図8に示すように、背面カバー周壁部64の外周面に、突起部70が備えられる(
図2、
図4、
図5および
図6も参照)。突起部70は、壁部24の端縁に沿って形成される。突起部70は、背面カバー周壁部64のほぼ全周に亘って形成される。
図2、
図4、
図5および
図6に示されるように、突起部70は係合部65を避けた部分に形成される。突起部70は、壁部24と背面カバー周壁部64との間の隙間よりも高く形成される。突起部70は、背面カバー周壁部64の車内内側から外側に向けてつたう水や塵を堰き止める壁の役割を果たす。これにより、背面カバー周壁部64の外周面と壁部24との間の隙間から背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が抑制される。
【0049】
上述のとおり、背面カバー部材60は、背面カバー周壁部64の外周面に、リテーナ40の突起部48と係合する係合部65をさらに有する。係合部65は、背面カバー周壁部64の外周面の周方向に間隔をおいて車両の内外方向に延びる一対の脚部65aと、脚部65aの端部同士を繋ぐ連結部65bとを備える。脚部65aと連結部65bとに囲まれる空間に突起部48が係合することにより、リテーナ40と背面カバー部材60とが固定される。なお、背面カバー部材60がリテーナ40に固定されるときには、
図7に示すように、リテーナ40に対して背面カバー部材60が矢印A方向に嵌め込まれる。このとき、樹脂により形成される脚部65aが弾性変形することにより、連結部65bが突起部48を乗り越えて、突起部48と係合部65とが係合される。
【0050】
<効果等>
以上のように構成された充電インレット組立体10によると、車両に搭載される充電インレット組立体10であって、端子2を保持するとともに車両の内側に開口22aを有する端子保持部22と、端子保持部22の周囲を囲むとともに車両の内側方向に突出する壁部24と、を有するハウジング20と、端子2に接続され車両の内側方向に引き出される配線部材50と、開口22aおよび配線部材50の一部を覆う樹脂製のカバー部材60と、を備え、背面カバー部材60は、開口22aおよび配線部材50の一部を車両の内側から覆う背面カバー部62と、背面カバー部62の周縁から車両の外側方向に突出する背面カバー周壁部64と、を有し、背面カバー周壁部64は、壁部24と壁部24の少なくとも一部で重なる。このように、背面カバー周壁部64が壁部24の少なくとも一部で重なるので、重なる部分から背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が抑制される。また、カバー部材の内側への水や塵の侵入が抑制されるためのカバー部材として、弾性が高い、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などのエラストマの材料により形成されることがある。この場合には、ハウジングに密接させるようにカバー部材が設計される。これにより、カバー部材自体が拡張されながらハウジングへの組付作業が行われる。このような作業は複雑である。これに対し、樹脂製の背面カバー部材60であれば、弾性変形が少なく、背面カバー部材60とハウジング20とが容易に嵌め込み可能である。したがって、背面カバー部材60がハウジング20に固定される際に、背面カバー部材60が引き延ばされるなどの作業を要せず、背面カバー部材60とハウジング20との組付が容易である。
【0051】
また、ハウジング20に保持される端子2の長手方向と、配線部材50が背面カバー部材60から引き出される引出方向とが交差し、背面カバー部62は、引出方向に延設される配線部材50の一部を車両の内側から覆い、背面カバー周壁部64は、引出方向に沿って配線部材50の上方に配置される上部周壁部66と、引出方向に沿って配線部材50の下方に配置される下部周壁部67と、上部周壁部66の一端と下部周壁部67の一端とを連接する側部周壁部69と、を備え、背面カバー周壁部64は全周において壁部24と重なる。したがって、背面カバー周壁部64の全周で壁部24と重なるので、背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が効果的に抑制される。
【0052】
また、壁部24は、背面カバー周壁部64の外周側に位置し、ハウジング20は、背面カバー周壁部64の内周側に位置する補助壁部47をさらに備え、背面カバー周壁部64の少なくとも一部は、壁部24と補助壁部47との間に収納される。したがって、背面カバー周壁部64が壁部24と補助壁部47との間に収納される部分では、壁部24と、背面カバー周壁部と64と補助壁部47との3壁が重なる。これにより、背面カバー部材60の内側への塵や水の侵入が効果的に抑制される。
【0053】
また、補助壁部47において背面カバー周壁部64と対向する外周面47aの端部に、先端に向かうに連れて壁部から離間するガイド面47bが形成される。したがって、背面カバー周壁部64が壁部24と補助壁部47との間に収納される際に、壁部24と補助壁部47との間に背面カバー周壁部64が挿入されやすい。
【0054】
また、背面カバー周壁部64の外周面に、壁部24の端縁に沿う突起部70が備えられる。したがって、突起部70は、背面カバー周壁部64の車内内側から外側に向けてつたう水や塵を堰き止める壁の役割を果たす。これにより、背面カバー周壁部64の外周面と壁部24との間の隙間から背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が抑制される。これにより、背面カバー周壁部64と壁部24との間の隙間を通じた背面カバー部材60の内側への塵や水の侵入が効果的に抑制される。
【0055】
また、背面カバー部材60に、配線部材50の引出口としての開口68が形成され、配線部材50のうち、引出口(開口68)よりも背面カバー部材60の内側に位置する部分に、環状弾性部材51が装着され、配線部材50の引出方向に沿って視て、背面カバー部材60は、環状弾性部材51の少なくとも一部と重なる。背面カバー部材60が環状弾性部材51の少なくとも一部と重なるので、この重なる部分から背面カバー部材60の内側への水や塵の侵入が抑制される。
【0056】
また、背面カバー部材60における下方に排水開口62aが形成され、背面カバー部材60は、排水開口62aの上方に、上方からの平面視において排水開口62aを覆う邪魔板62bをさらに有する。したがって、邪魔板62bにより排水開口62aから吹き上がる塵や水の侵入が抑制される。
【0057】
また、ハウジング20は、端子2を挿入する端子挿入部32を有するハウジング本体30と、車両の内側からハウジング本体30に固定されるリテーナ40と、を備え、リテーナ40は、端子挿入部32に挿入される端子2の一部を車両の内側から抜け止め支持する端子支持部42と、配線部材50の一部を保持する配線部材保持部44と、壁部24と、を有する。したがって、ハウジング20は、ハウジング本体30とリテーナ40とに分離可能である。このため、端子2が挿入される端子挿入部32を有するハウジング本体30については同一形状のものが使用されつつ、配線部材保持部44の位置や形状の変化に対応したリテーナ40が組み合わされることができる。例えば、ハウジング本体30は、車両のパネルに取り付けられる部分として汎用性の高い構成とすることができる。つまり、配線部材50の配線方向、支持位置、形状、本数などの設計変更が行われた場合に、主としてリテーナ40の設計変更が行われることで、配線部材50に関する設計変更に対応することができる。
【0058】
<変形例>
上述の配線部材50の引出方向は、端子2の長手方向に直交する方向とする構成であるが、このような構成に限定されない。配線部材50の引出方向は、端子2の長手方向と同一方向であってもよい。また、配線部材50の引出方向は、端子2の長手方向に角度を持って交差してもよい。
【0059】
なお、上記実施形態および変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜変更されることができる。
【符号の説明】
【0060】
2 端子
10 充電インレット組立体
20 ハウジング
22 端子保持部
22a 開口
24 壁部
30 ハウジング本体
31 パネル取付部
31a ネジ挿通穴
32 端子挿入部
33 周壁部
34 突起部
40 リテーナ
41 ハウジング本体係合部
42 端子支持部
43 係合部
43a 脚部
43b 連結部
44 配線部材保持部
45 突出部
46 腕部
47 補助壁部
47a 外周面
47b ガイド面
48 突起部
50 配線部材
51 環状弾性部材
52 接続金具
53 引出開口
60 背面カバー部材
62 背面カバー部
62a 排水開口
62b 邪魔板
64 背面カバー周壁部
65 係合部
65a 脚部
65b 連結部
66 上部周壁部
67 下部周壁部
68 開口
69 側部周壁部
70 突起部
80 インレット取付部
82 パネル
84 貫通孔
A 矢印