IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローリー株式会社の特許一覧

特開2024-107890帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法
<>
  • 特開-帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法 図1
  • 特開-帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法 図2
  • 特開-帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法 図3
  • 特開-帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107890
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/00 20190101AFI20240802BHJP
   G07F 19/00 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G07D11/00
G07F19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012066
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】小林 成美
(72)【発明者】
【氏名】小川 正之
(72)【発明者】
【氏名】野崎 剛
(72)【発明者】
【氏名】荷山 晋一
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA06
3E141BA07
3E141FH05
3E141GA06
(57)【要約】
【課題】支払処理の方法に応じて送金元における帳票の管理が容易になる帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法を提供すること。
【解決手段】帳票を受け付けて帳票に関する支払処理を実行する帳票処理装置。支払処理の内容を示すとともに帳票に付されている文字列に含まれる第一情報と、支払処理の内容を示すとともに帳票に付されている図形に含まれる第二情報と、の少なくとも一方を取得する取得部と、第一情報または第二情報に基づいて支払処理を実行する処理実行部と、帳票を切断する切断部と、支払処理に対する領収の目印を帳票に付与する付与部と、第一情報と第二情報との何れに基づいて支払処理が実行されたかに応じて、付与部の処理態様と、切断部の処理態様と、の少なくとも一方を変更する制御部と、が備えられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票を受け付けて前記帳票に関する支払処理を実行する帳票処理装置であって、
前記支払処理の内容を示すとともに前記帳票に付されている文字列に含まれる第一情報と、前記支払処理の内容を示すとともに前記帳票に付されている図形に含まれる第二情報と、の少なくとも一方を取得する取得部と、
前記第一情報または前記第二情報に基づいて前記支払処理を実行する処理実行部と、
前記帳票を切断する切断部と、
前記支払処理に対する領収の目印を前記帳票に付与する付与部と、
前記第一情報と前記第二情報との何れに基づいて前記支払処理が実行されたかに応じて、前記付与部の処理態様と、前記切断部の処理態様と、の少なくとも一方を変更する制御部と、が備えられている帳票処理装置。
【請求項2】
前記帳票に、送金先への通知に用いることが可能な通知片と、利用者へ返却する領収片と、が含まれ、
前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記通知片に対して前記目印を付与するように、前記付与部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記通知片に対して前記目印を付与しないように、前記付与部の処理態様を変更する請求項1に記載の帳票処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第一情報と前記第二情報との何れに基づいて前記支払処理が実行されたかにかかわらず、前記付与部が前記領収片に対して前記目印を付与するように、前記付与部を制御する請求項2に記載の帳票処理装置。
【請求項4】
前記帳票に、送金元の事業者が保管する控片が含まれ、
前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記控片に対して前記目印を付与するように、前記付与部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記控片に対して前記目印を付与しないように、前記付与部の処理態様を変更する請求項2に記載の帳票処理装置。
【請求項5】
前記帳票に、送金先への通知に用いることが可能な通知片と、利用者へ返却する領収片と、が含まれ、
前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記通知片及び前記領収片に対して前記目印を付与するように、前記付与部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記通知片及び前記領収片に対して前記目印を付与しないように、前記付与部の処理態様を変更する請求項1に記載の帳票処理装置。
【請求項6】
前記帳票に、送金先への通知に用いることが可能な通知片と、利用者へ返却する領収片と、が含まれ、
前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記切断部が前記通知片と前記領収片とを切離するように、前記切断部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記切断部が前記通知片と前記領収片とを切離しないように、前記切断部の処理態様を変更する請求項1から5の何れか一項に記載の帳票処理装置。
【請求項7】
前記帳票に、送金元の事業者が保管する控片が含まれ、
前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記切断部が前記控片と前記領収片とを切離するように、前記切断部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記切断部が前記控片と前記領収片とを切離しないように、前記切断部の処理態様を変更する請求項6に記載の帳票処理装置。
【請求項8】
前記支払処理が実行済みの前記帳票のうちの少なくとも一部を利用者へ返却する返却部が備えられ、
前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記返却部が切離済みの前記領収片を返却するように、前記返却部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記返却部が前記通知片と切離されていない前記領収片を返却するように、前記返却部の処理態様を変更する請求項6に記載の帳票処理装置。
【請求項9】
前記第二情報を外部へ出力する出力部が備えられている請求項1に記載の帳票処理装置。
【請求項10】
帳票を受け付けて前記帳票に関する支払処理を実行する帳票処理システムであって、
前記支払処理の内容を示すとともに前記帳票に付されている文字列に含まれる第一情報と、前記支払処理の内容を示すとともに前記帳票に付されている図形に含まれる第二情報と、の少なくとも一方を取得する取得部と、
前記第一情報または前記第二情報に基づいて前記支払処理を実行する処理実行部と、
前記帳票を切断する切断部と、
前記支払処理に対する領収の目印を前記帳票に付与する付与部と、
前記第一情報と前記第二情報との何れに基づいて前記支払処理が実行されたかに応じて、前記付与部の処理態様と、前記切断部の処理態様と、の少なくとも一方を変更する制御部と、が備えられている帳票処理システム。
【請求項11】
帳票を受け付けて前記帳票に関する支払処理を実行する帳票処理システムで行われる帳票処理方法であって、
前記支払処理の内容を示す前記帳票の文字列に含まれる第一情報と、前記支払処理の内容を示す図形に含まれる第二情報と、の少なくとも一方を取得する取得ステップと、
前記第一情報または前記第二情報に基づいて前記支払処理を実行する処理実行ステップと、
前記第一情報と前記第二情報との何れに基づいて前記支払処理が実行されたかに応じて、前記帳票を切断する態様と、前記支払処理に対する領収の目印を前記帳票に付与する態様と、の少なくとも一方を変更する変更ステップと、を備える帳票処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示された帳票処理装置(文献では「帳票取扱装置」)において、帳票の図形(文献では「バーコード」)から処理の内容を示す情報を取得する処理が行われる。また、帳票の図形からの情報の取得に失敗すると、帳票の文字列(文献では「OCR文字」)から処理の内容を示す情報を取得する処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4110258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来は、いわゆる「納入済通知書」(済通)と呼ばれる通知片が自治体等へ送付され、自治体等の担当者が通知片で、公共料金が支払われたことを確認していたが、近年、送金処理のデジタル化が推進され、公共料金が支払われたことの確認も、オンライン上で確認可能な仕組みが構築されている。従来の帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法では、通知片が自治体等へ送付されることを前提にしているため、領収片以外の部分が、送金元にとって不要であるにも拘わらず、送金元に残る。この点で、帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法に改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、支払処理の方法に応じて送金元における帳票の管理が容易になる帳票処理装置、帳票処理システム、及び、帳票処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の帳票処理装置は、帳票を受け付けて前記帳票に関する支払処理を実行する帳票処理装置であって、前記支払処理の内容を示すとともに前記帳票に付されている文字列に含まれる第一情報と、前記支払処理の内容を示すとともに前記帳票に付されている図形に含まれる第二情報と、の少なくとも一方を取得する取得部と、前記第一情報または前記第二情報に基づいて前記支払処理を実行する処理実行部と、前記帳票を切断する切断部と、前記支払処理に対する領収の目印を前記帳票に付与する付与部と、前記第一情報と前記第二情報との何れに基づいて前記支払処理が実行されたかに応じて、前記付与部の処理態様と、前記切断部の処理態様と、の少なくとも一方を変更する制御部と、が備えられていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、制御部が、文字列に基づいて支払処理を行った場合と、図形に基づいて支払処理を行った場合と、に応じて目印の付与態様と帳票の切断処理態様との少なくとも一方を変更する。このため、例えば、送金元で帳票自体を管理する必要がない場合には、処理済みの不必要な帳票を利用者へ返却可能となる。また、本発明であれば、必要に応じて目印の付与態様が変更されるため、不必要な目印を付与しなくても良くなり、例えば目印付与のためのインクの節約が可能となる。これにより、支払処理の方法に応じて送金元における帳票の管理が容易になる帳票処理装置が実現される。
【0008】
本発明の特徴は、帳票を受け付けて前記帳票に関する支払処理を実行する帳票処理システムにも適用可能である。その帳票処理システムには、前記支払処理の内容を示すとともに前記帳票に付されている文字列に含まれる第一情報と、前記支払処理の内容を示すとともに前記帳票に付されている図形に含まれる第二情報と、の少なくとも一方を取得する取得部と、前記第一情報または前記第二情報に基づいて前記支払処理を実行する処理実行部と、前記帳票を切断する切断部と、前記支払処理に対する領収の目印を前記帳票に付与する付与部と、前記第一情報と前記第二情報との何れに基づいて前記支払処理が実行されたかに応じて、前記付与部の処理態様と、前記切断部の処理態様と、の少なくとも一方を変更する制御部と、が備えられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の特徴は、帳票を受け付けて前記帳票に関する支払処理を実行する帳票処理システムで行われる帳票処理方法にも適用可能である。その帳票処理方法は、前記支払処理の内容を示す前記帳票の文字列に含まれる第一情報と、前記支払処理の内容を示す図形に含まれる第二情報と、の少なくとも一方を取得する取得ステップと、前記第一情報または前記第二情報に基づいて前記支払処理を実行する処理実行ステップと、前記第一情報と前記第二情報との何れに基づいて前記支払処理が実行されたかに応じて、前記帳票を切断する態様と、前記支払処理に対する領収の目印を前記帳票に付与する態様と、の少なくとも一方を変更する変更ステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記帳票に、送金先への通知に用いることが可能な通知片と、利用者へ返却する領収片と、が含まれ、前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記通知片に対して前記目印を付与するように、前記付与部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記通知片に対して前記目印を付与しないように、前記付与部の処理態様を変更すると好適である。
【0011】
本構成によって、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には通知片に目印が付与されなくなり、目印付与のためのインクの節約が可能となる。
【0012】
本発明において、前記制御部は、前記第一情報と前記第二情報との何れに基づいて前記支払処理が実行されたかにかかわらず、前記付与部が前記領収片に対して前記目印を付与するように、前記付与部を制御すると好適である。
【0013】
本構成によって、支払処理済みの領収片に目印が付与され、利用者は、帳票に基づく支払を完了したか否かを確認できる。
【0014】
本発明において、前記帳票に、送金元の事業者が保管する控片が含まれ、前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記控片に対して前記目印を付与するように、前記付与部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記控片に対して前記目印を付与しないように、前記付与部の処理態様を変更すると好適である。
【0015】
本構成によって、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には控片に目印が付与されなくなり、目印付与のためのインクの節約が可能となる。
【0016】
本発明において、前記帳票に、送金先への通知に用いることが可能な通知片と、利用者へ返却する領収片と、が含まれ、前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記通知片及び前記領収片に対して前記目印を付与するように、前記付与部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記付与部が前記通知片及び前記領収片に対して前記目印を付与しないように、前記付与部の処理態様を変更すると好適である。
【0017】
本構成によって、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には通知片及び領収片に目印が付与されなくなり、目印付与のためのインクの節約が可能となる。
【0018】
本発明において、前記帳票に、送金先への通知に用いることが可能な通知片と、前記帳票の所有者へ返却する領収片と、が含まれ、前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記切断部が前記通知片と前記領収片とを切離するように、前記切断部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記切断部が前記通知片と前記領収片とを切離しないように、前記切断部の処理態様を変更すると好適である。
【0019】
本構成であれば、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には領収片と一緒に通知片も利用者へ返却可能となる。これにより、送金元は処理済みの不必要な通知片を管理しなくて済む。
【0020】
本発明において、前記帳票に、送金元の事業者が保管する控片が含まれ、前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記切断部が前記控片と前記領収片とを切離するように、前記切断部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記切断部が前記控片と前記領収片とを切離しないように、前記切断部の処理態様を変更すると好適である。
【0021】
本構成であれば、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には領収片と一緒に控片も利用者へ返却可能となる。これにより、送金元は処理済みの不必要な控片を管理しなくて済む。
【0022】
本発明において、前記支払処理が実行済みの前記帳票のうちの少なくとも一部を利用者へ返却する返却部が備えられ、前記制御部は、前記第一情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記返却部が切離済みの前記領収片を返却するように、前記返却部の処理態様を変更し、前記第二情報に基づいて前記支払処理が実行された場合には、前記返却部が前記通知片と切離されていない前記領収片を返却するように、前記返却部の処理態様を変更すると好適である。
【0023】
本構成であれば、通知片と領収片とが一体となった状態で利用者へ返却されるため、通知片と領収片とが切離された状態で利用者へ返却される構成と比較して、利用者は煩わしさを感じ難くなる。
【0024】
本発明において、前記第二情報を外部へ出力する出力部が備えられていると好適である。
【0025】
本構成であれば、取得部が図形から取得した第二情報を、帳票処理装置の外部で活用することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】自動取引装置及び帳票の概要を示す図である。
図2】帳票受入部の構成を示す図である。
図3】自動取引装置を含む帳票処理システムの構成を示す機能ブロック図である。
図4】帳票の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下図面を参照しながら、本実施形態に係る自動取引装置100(帳票処理装置の一例)及び帳票処理プログラムについて説明する。図1に示される自動取引装置100は、金融機関等に設置され、帳票200(納付書や請求書等)の記載内容を自動認識して税金や公共料金等の払込取引を自動的に行う装置である。帳票200には、種別や収納先、徴収業務委託者、支払われるべき料金(支払金額の一例)等を示す文字列や枠線、図形201、領収印欄202等が示されている。図形201は、例えばQRコード(登録商標)やデータマトリックス等の二次元コードであったり、バーコードであったり、カラーコードであったりする。領収印欄202は領収印50が付される欄(領収印50の欄)である。
【0028】
帳票200に、通知片200uと控片200vと領収片200wとが備えられている。通知片200uは、いわゆる「納入済通知書」(済通)であって、送金先400へ郵送する必要がある場合に、送金先400へ郵送される。つまり、通知片200uは、送金先400への通知に用いることが可能である。通知片200uに図形201と第一領収印欄202aとが示されている。控片200vは、送金元300の事業者が、予め設定された期間に亘って保管する。控片200vに第二領収印欄202bが示されている。領収片200wは、利用者の支払いが完了した際に利用者へ返却される。領収片200wに第三領収印欄202cが示されている。
【0029】
以下、自動取引装置100の機能・構成・動作について詳しく説明する。自動取引装置100は、図1及び図3に示されるように、表示入力部1、帳票受入部2、カード処理部3、金銭収受部4、釣銭収容部5、テンキー6、通信部7、記憶部8、目印付与部26、及び、制御部10を有する。なお、図3は、自動取引装置100を含めた本発明の帳票処理システムの一例を示す。
【0030】
表示入力部1は、利用者に対する情報の表示と、利用者からの操作・入力を受け付けるデバイスであって、例えばタッチパネル式液晶モニタである。
【0031】
帳票受入部2は、利用者から帳票200を受け入れるデバイスである。帳票受入部2は、図2に示されるように、挿入台21、搬送ローラ22、搬送路23、カッタ24、撮影部25、目印付与部26、及び収容部27を備えている。挿入台21、搬送ローラ22、及び、搬送路23は、特許請求の範囲に記載の『返却部』に相当し、支払処理が実行済みの帳票200のうちの少なくとも一部を利用者へ返却する。
【0032】
挿入台21に帳票200が載置されると、帳票受入部2は、搬送ローラ22を駆動して帳票200を搬送路23へ取り込む。帳票200は搬送路23上を搬送され、撮影部25が帳票200を撮影する。帳票200に係る支払取引が確定した後、目印付与部26が帳票200の領収印欄202(第一領収印欄202a、第二領収印欄202b、及び、第三領収印欄202c)に領収印50を付す。そして、帳票200が上流側へ戻され、カッタ24は、必要に応じて、帳票200を通知片200uと控片200vと領収片200wとに切離する。カッタ24は、特許請求の範囲に記載の『切断部』に相当し、帳票200を切断する。
【0033】
撮影部25は、例えばカメラやドキュメントスキャナである。
【0034】
目印付与部26に、押印部26aと、印字部26bと、が備えられている。押印部26aは、いわゆるハンコの押印によって帳票200の領収印欄202に領収印50を付す。印字部26bは、例えばインクやトナー等を用いた印字によって帳票200の領収印欄202に領収印50を付す。目印付与部26は、特許請求の範囲に記載の『付与部』に相当し、支払処理に対する領収の目印として領収印50を帳票200に付与する。
【0035】
カード処理部3は、利用者からのカード(キャッシュカード、クレジットカード等)の挿入を受け入れて、情報の読み取り・書き込みを行うデバイスである。
【0036】
金銭収受部4は、利用者からの紙幣・硬貨の投入を受け入れて、利用者に対する釣銭の払い出しを行うデバイスである。
【0037】
釣銭収容部5は、金銭収受部4から利用者に釣銭として出金するための貨幣を収容するデバイスである。釣銭収容部5は、収容された貨幣の残高を制御部10に送信する。
【0038】
テンキー6は、利用者からの暗証番号等の入力を受け付けるデバイスである。
【0039】
通信部7は、無線LAN等を介して上位システムやインターネットの接続先とデータ通信を行なうためのインタフェースである。通信部7は、特許請求の範囲に記載の『出力部』に相当し、後述の『第二情報』を外部へ出力する。
【0040】
記憶部8(メモリの一例)は、データを記憶するデバイスであり、HDDや不揮発性RAMといった記憶デバイスで構成される。
【0041】
記憶部8は、種別特定部12(後述)が受け付け可否を判定する基準となる特徴データを記憶する。記憶部8に記憶された特徴データは、複数の種別の帳票200に関する記載内容の特徴等を示すデータを含んでいる。特徴データは、例えば、帳票200に記載される文字列や、帳票200に示される罫線の位置などを示すデータである。
【0042】
制御部10は、自動取引装置100の全体を制御する電子制御装置であり、帳票読取部11、種別特定部12、及び、処理実行部13を有する。これら各部の機能に対応するプログラムが、ROM(不図示)や不揮発性メモリ(不図示)に記憶される。当該プログラムは、CPU(中央演算処理装置)にロードされ、実行される。これにより、これら各部の機能に対応するプロセス、スレッド、タスク等が実行される。
【0043】
帳票読取部11は、帳票受入部2の撮影部25が帳票200を撮影した画像から、公知の画像認識技術で記載内容を読み取り、帳票200の記載内容を示す記載情報を取得する。帳票読取部11は、特許請求の範囲に記載の『取得部』に相当する。
【0044】
本実施形態では、帳票読取部11に、第一取得部11aと第二取得部11bとが備えられている。
【0045】
第一取得部11aは、帳票受入部2の撮影部25が帳票200を撮影した画像から帳票200の文字列を抽出し、当該文字列から記載情報を取得する。文字列の抽出に、公知の光学的文字認識(OCR)の技術が用いられる。
【0046】
第二取得部11bは、帳票受入部2の撮影部25が帳票200を撮影した画像から図形201の検出を試みて、図形201を検出した場合に図形201から記載情報を取得する。
【0047】
なお、本実施形態では、文字列から取得された記載情報を『第一情報』と称し、図形201から取得された記載情報を『第二情報』と称する。つまり、帳票読取部11は、支払処理の内容を示すとともに帳票200に付されている文字列に含まれる第一情報と、支払処理の内容を示すとともに帳票200に付されている図形201に含まれる第二情報と、の少なくとも一方を取得する。
【0048】
第二情報は、帳票200に付されている文字列(種別や収納先、金額、案件番号など)と同一の内容であってもよいし、異なる内容であってもよい。例えば、第二情報が、支払処理の内容を特定可能な文字列(支払処理の内容と一対一で関連付けられた文字列)であってもよい。
【0049】
種別特定部12は、帳票読取部11が取得した第一情報または第二情報に基づいて、帳票200の種別を特定する。帳票200の種別とは、例えば、公共料金(電力料、ガス料、水道料、通信料、公共住宅賃料、放送受信料、公立学校授業料等)の払込票であったり、税金(法人税、固定資産税、自動車税等)の払込票であったりする。
【0050】
具体的には、種別特定部12は、帳票読取部11が生成した記載情報と、記憶部8が記憶する複数の特徴データと、を照合する。そして、複数の特徴データのうち、帳票読取部11が取得した記載情報に一致または類似する特徴データが存在する場合に、種別特定部12は帳票200の種別を特定する。一方、帳票読取部11が取得した記載情報と一致または類似する特徴データが存在しない場合、種別特定部12は帳票200を受け付けられないと判定する。このとき、制御部10は、帳票200を挿入台21へ搬送して利用者へ返却する。
【0051】
処理実行部13は、帳票読取部11が取得した第一情報または第二情報に基づいて、支払いの処理を実行する。本実施形態では、第一情報に基づいて前記処理が行われた帳票200を第一種別帳票200Aと称し、第二情報に基づいて前記処理が行われた帳票200を第二種別帳票200Bと称する。処理実行部13は、支払額特定部13a、支払受付部13b、及び出金部13cを有する。
【0052】
支払額特定部13aは、帳票200の記載情報に基づいて帳票200の支払金額を特定する。具体的には支払額特定部13aは、帳票読取部11が取得した第一情報と第二情報との少なくとも一方に基づいて、帳票200の支払金額を特定する。
【0053】
支払受付部13bは、利用者からの支払いを受け入れる。具体的には支払受付部13bは、支払額特定部13aが特定した帳票200の支払金額を表示入力部1に表示させ、利用者に支払いを促し、カード処理部3及び金銭収受部4を制御して利用者からの支払いを受け入れる。これにより、利用者は、カード決済による支払いと、紙幣・硬貨等の現金による支払いと、を可能である。
【0054】
出金部13cは、支払受付部13bが受け入れた支払いの金額が支払金額よりも大きい場合に釣銭収容部5から出金する。具体的には出金部13cは、支払受付部13bが金銭収受部4で受け入れた金銭の金額と、支払額特定部13aが特定した帳票200の支払金額と、を比較する。そして、受け入れた金銭の金額が大きい場合に、出金部13cは、差額を釣銭収容部5から出金して金銭収受部4で利用者に釣銭として払い出す。
【0055】
処理実行部13による支払処理が確定した後、処理実行部13は、記載情報(第一情報または第二情報)を、通信部7を介して送金元300の送金元データセンタ30へ送信する。また、目印付与部26は、少なくとも領収片200wにおける第三領収印欄202cに領収印50を押印する。また、目印付与部26は、必要に応じて、通知片200uにおける第一領収印欄202aと、控片200vにおける第二領収印欄202bと、領収片200wにおける第三領収印欄202cと、の夫々に領収印50を押印する。
【0056】
カッタ24は、必要に応じて、帳票200を通知片200uと控片200vと領収片200wとに切離する。
【0057】
帳票読取部11が取得した記載情報が送金元300の送金元データセンタ30に保存される。送金元300は、例えば自動取引装置100を所有する金融機関の事務所等である。送金元300において、記載情報のうち、第二取得部11bが取得した第二情報は、そのまま送金先400の送金先データセンタ40へ送信される。
【0058】
送金先400は、例えば自治体や公共料金の支払先の機関等である。
【0059】
送金元300において、記載情報のうち、第一取得部11aが取得した第一情報には、誤認識の可能性が考えられる。このため、作業員は、第一情報と、第一種別帳票200Aに記載される文字と、を照合し、第一情報に誤りがあれば第一情報を訂正する。そして第一情報は、例えば送金元300の金融機関において管理される。
【0060】
自動取引装置100で行われる処理について、図4のフローチャートに基づいて説明する。まず、図4に示すステップ#01において、帳票受入部2が受け入れた帳票200の読取処理が行われる。このとき、帳票読取部11は、帳票受入部2の撮影部25が帳票200を撮影した画像から、記載情報を取得する。また、ステップ#01において、第一取得部11aが、帳票200のうち、処理の内容を示す文字列から第一情報を取得する。ステップ#01は、特許請求の範囲に記載の『取得ステップ』に相当する。
【0061】
制御部10は、第二取得部11bが、図形201を検出して、図形201の読み取りに成功したか否かを判定する(ステップ#02)。このとき、第二取得部11bが図形201の読み取りに失敗した場合には、第二取得部11bが図形201の読み取りを予め設定された回数を上限にリトライするように構成されても良い。また、第二取得部11bは、最初に図形201の読み取りを試行したときとは異なるアルゴリズムで図形201の読み取りを試行しても良い。
【0062】
第二取得部11bが図形201の読み取りに成功すると(ステップ#02:Yes)、制御部10は、種別特定部12が帳票200を受け付けたか否かを判定する(ステップ#03)。このとき種別特定部12は、帳票読取部11が取得した第二情報に基づいて、帳票200の種別を特定する。種別特定部12が帳票200を受け付けなかった場合(ステップ#03:No)、制御部10は、帳票200を挿入台21へ搬送することによって、帳票200の返却処理を実行する(ステップ#21)。
【0063】
種別特定部12が帳票200を受け付けた場合(ステップ#03:Yes)、処理実行部13は、第二情報に基づく支払処理を実行する(ステップ#04、特許請求の範囲に記載の『処理実行ステップ』に相当する)。ステップ#04の支払処理に、第二情報を送金元300の送金元データセンタ30へ送信する処理も含まれる。つまり、通信部7は第二情報を外部の送金元データセンタ30へ出力する。
【0064】
送金元データセンタ30は、第二取得部11bが取得して処理に用いられた第二情報を外部送信用情報として保存する。上述したように、本実施形態では、第二情報に基づいて前記処理が行われた帳票200を、第二種別帳票200Bと称する。
【0065】
処理実行部13による支払処理が完了した後、目印付与部26の押印部26aは、第二種別帳票200Bの第三領収印欄202cのみに領収印50を押印する(ステップ#05)。すなわち、第二情報に基づく支払処理が実行された場合に、第一領収印欄202a及び第二領収印欄202bへの押印は行われない。なお、領収印50には日付が記載されており、日付の部分に関しては、印字部26bが印字する構成であっても良い。
【0066】
第三領収印欄202cに領収印50が押印された後、第二種別帳票200Bの全体が挿入台21へ搬送され、利用者へ返却される(ステップ#06)。すなわち、第二情報に基づく支払処理が実行された場合に、第二種別帳票200Bの切断は行われない。
【0067】
第二取得部11bが図形201を読み取れなければ(ステップ#02:No)、制御部10は、種別特定部12が帳票200を受け付けたか否かを判定する(ステップ#11)。このとき種別特定部12は、帳票読取部11が取得した第一情報に基づいて、帳票200の種別を特定する。種別特定部12が帳票200を受け付けなかった場合(ステップ#11:No)、ステップ#21の返却処理が行われる。ステップ#21の返却処理は、ステップ#03でNoの判定が行われた後の場合と同じである。
【0068】
種別特定部12が帳票200を受け付けた場合(ステップ#11:Yes)、処理実行部13は、第一情報に基づく支払処理を実行する(ステップ#12、特許請求の範囲に記載の『処理実行ステップ』に相当する)。上述したように、本実施形態では、第一情報に基づいて前記処理が行われた帳票200を、第一種別帳票200Aと称する。
【0069】
処理実行部13による支払処理が完了した後、目印付与部26の押印部26aは、第一種別帳票200Aにおける第一領収印欄202aと第二領収印欄202bと第三領収印欄202cとの夫々に領収印50を押印する(ステップ#13)。なお、領収印50には日付が記載されており、日付の部分に関しては、印字部26bが印字する構成であっても良い。
【0070】
ステップ#05とステップ#13とを対比すると、第一領収印欄202aと第二領収印欄202bとに領収印50が押印されるか否かの点で、目印付与部26の処理態様が異なる。つまり、制御部10は、第一情報に基づいて支払処理が実行された場合には、目印付与部26が通知片200uに対して領収印50を付与するように、目印付与部26の処理態様を変更し、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には、目印付与部26が通知片200uに対して領収印50を付与しないように、目印付与部26の処理態様を変更する。また、制御部10は、第一情報に基づいて支払処理が実行された場合には、目印付与部26が控片200vに対して領収印50を付与するように、目印付与部26の処理態様を変更し、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には、目印付与部26が控片200vに対して領収印50を付与しないように、目印付与部26の処理態様を変更する。更に、制御部10は、第一情報と第二情報との何れに基づいて支払処理が実行されたかにかかわらず、目印付与部26が領収片200wに対して領収印50を付与するように、目印付与部26を制御する。
【0071】
領収印欄202に領収印50が押印された後、第一種別帳票200Aは、カッタ24によって、通知片200uと控片200vと領収片200wとの夫々に切離される(ステップ#14)。
【0072】
ステップ#04以降の処理と、ステップ#12以降の処理と、を対比すると、帳票200が切断されるか否かの点で、カッタ24の処理態様が異なる。つまり、制御部10は、第一情報に基づいて支払処理が実行された場合には、カッタ24が通知片200uと領収片200wとを切離するように、カッタ24の処理態様を変更し、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には、カッタ24が通知片200uと領収片200wとを切離しないように、カッタ24の処理態様を変更する。また、制御部10は、第一情報に基づいて支払処理が実行された場合には、カッタ24が控片200vと領収片200wとを切離するように、カッタ24の処理態様を変更し、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には、カッタ24が控片200vと領収片200wとを切離しないように、カッタ24の処理態様を変更する。
【0073】
第一種別帳票200Aが通知片200uと控片200vと領収片200wとの夫々に切離された後、通知片200uと控片200vとの夫々は、収容部27へ搬送され、収容部27に収容される(ステップ#15)。また、領収片200wが、挿入台21へ搬送され、利用者へ返却される(ステップ#16)。
【0074】
ステップ#04以降の処理と、ステップ#12以降の処理と、を対比すると、帳票200の全体が返却されるか、領収片200wのみが返却されるかの点で、挿入台21、搬送ローラ22、及び、搬送路23の処理態様が異なる。制御部10は、第一情報に基づいて支払処理が実行された場合には、挿入台21が切離済みの領収片200wを返却するように、挿入台21、搬送ローラ22、及び、搬送路23の処理態様を変更し、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には、挿入台21が通知片200uと切離されていない領収片200wを返却するように、挿入台21、搬送ローラ22、及び、搬送路23の処理態様を変更する。
【0075】
このように、制御部10は、第一情報と第二情報との何れに基づいて支払処理が実行されたかに応じて、目印付与部26の処理態様と、カッタ24の処理態様と、の少なくとも一方を変更する。ステップ#02の分岐は、特許請求の範囲に記載の『変更ステップ』に相当する。
【0076】
収容部27に収容された通知片200uは、収容部27から取り出された後、通知片200uに図形201が存在するか存在しないかの確認が行われる。通知片200uに図形201が存在する場合、通知片200uは送金元300の図形読取装置31へ運ばれ、改めて図形201の読み取りが試みられる。
【0077】
図形読取装置31は、例えばカメラやドキュメントスキャナである。なお、図形読取装置31は、自動取引装置100における撮影部25よりも高精度に図形201を読み取り可能に構成されても良い。
【0078】
図形読取装置31による図形201の読み取りが成功すると、作業員は、通知片200uと控片200vとの少なくとも一方に記載された文字と、図形読取装置31による読み取り情報と、照合を行ったうえで、操作端末32を操作して送金元データセンタ30へ当該読み取り情報を追加する。図形読取装置31による図形201の読み取りが失敗すると、作業員は、通知片200uと控片200vとの少なくとも一方に記載された文字を操作端末32に入力し、図形201が示す情報と同等の情報を取得する。そして作業員は、図形201が示す情報と同等の情報を、送金元データセンタ30へ追加する。なお、図形読取装置31による図形201の読み取りが成功すると、当該読み取り情報が、作業員の確認作業を経ずに、そのまま送金元データセンタ30へ追加される構成であっても良い。
【0079】
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
【0080】
(1)図3に示す送金元データセンタ30と、図形読取装置31と、操作端末32と、保管庫33と、の少なくとも一つは、自動取引装置100に組み込まれる構成であっても良い。
【0081】
(2)図3に示す制御部10は、自動取引装置100に組み込まれている。この実施形態に限定されず、例えば制御部10は、スマートフォンやモバイルコンピュータに組み込まれる構成であっても良いし、専用サーバに構築される構成であっても良い。
【0082】
(3)上述の実施形態では、目印付与部26は押印部26aと印字部26bとを有する。目印付与部26は、押印部26aと印字部26bとの少なくとも一方を有する構成であっても良い。
【0083】
(4)上述の実施形態において、帳票200として公共料金や税金の払込票を例示した。この実施形態に限定されず、例えば帳票200は、請求書、問診票、健康診断表等であっても良い。また、帳票200として公共料金や税金の払込票に、通知片200uと領収片200wとの二つだけが存在しても良いし、控片200vと領収片200wとの二つだけが存在しても良い。
【0084】
(5)上述の実施形態において、制御部10は、第一情報に基づいて支払処理が実行された場合には切離済みの領収片200wが利用者へ返却され、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には帳票200の全体が利用者へ返却される。この実施形態に限定されず、制御部10は、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には、カッタ24が通知片200uと領収片200wとを切離し、切離済みの領収片200wが利用者へ返却されても良い。この場合、自動取引装置100の内部にシュレッダーが備えられ、通知片200uと控片200vとの少なくとも一方が当該シュレッダーで細断されても良い。あるいは、カッタ24が通知片200uと領収片200wとを切離し、切離済みの通知片200uと領収片200wとが利用者へ返却されても良い。あるいは、カッタ24が控片200vと領収片200wとを切離し、切離済みの控片200vと領収片200wとが利用者へ返却されても良い。
【0085】
(6)カッタ24は、特許請求の範囲に記載の『切断部』に相当する。例えば切断部は、帳票200の切れ目部分を境に、帳票200を左右に引っ張るものであっても良いし、レーザー焼切機であっても良い。
【0086】
(7)制御部10は、第一情報と第二情報との何れに基づいて支払処理が実行されたかにかかわらず、目印付与部26が領収片200wに対して領収印50を付与するように、目印付与部26を制御する。この実施形態に限定されず、制御部10は、第一情報に基づいて支払処理が実行された場合には、目印付与部26が通知片200u及び領収片200wに対して領収印50を付与するように、目印付与部26の処理態様を変更し、第二情報に基づいて支払処理が実行された場合には、目印付与部26が通知片200u及び領収片200wに対して領収印50を付与しないように、目印付与部26の処理態様を変更しても良い。
【0087】
(8)上述の実施形態では、制御部10が、目印付与部26の処理態様と切断部の処理態様の両方を変更する。制御部10が、目印付与部26の処理態様を変更し、切断部の処理態様を変更しないよう構成されてもよい。逆に、制御部10が、切断部の処理態様を変更し、目印付与部26の処理態様を変更しないよう構成されてもよい。
【0088】
(9)帳票200には、文字列や図形201が印字されているが、文字列や図形201は帳票200にシール等で貼られていても良い。つまり、文字列や図形201が帳票200に付される際の形態は、印字に限られない。
【0089】
(10)上述の実施形態では、図4に示すステップ#03でNoの判定となった場合、帳票200の返却処理(ステップ#21)が実行される。この実施形態に限定されず、例えば、ステップ#03でNoの判定となった場合、ステップ#11の判定処理に遷移しても良い。このとき、第二取得部11bが図形201の読み取りを予め設定された回数を上限にリトライする構成であっても良い。
【0090】
(11)上述の実施形態では、図4に示すステップ#14の処理において、第一種別帳票200Aは、カッタ24によって、通知片200uと控片200vと領収片200wとの夫々に切離される。この実施形態に限定されず、例えば、第一種別帳票200Aが、通知片200uと控片200vとに切離されず、領収片200wだけが第一種別帳票200Aから切離される構成であっても良い。
【0091】
なお、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、帳票を受け付けて帳票に関する支払処理を実行する帳票処理装置に適用可能である。また、本発明の帳票処理装置の技術的特徴は、帳票処理システムにも適用可能である。更に、本発明の帳票処理装置の技術的特徴は、帳票処理方法にも適用可能である。このため、上述の実施形態は、帳票を受け付けて帳票に関する支払処理を実行する帳票処理システムで行われる帳票処理方法として構成できる。
【符号の説明】
【0093】
7 :通信部(出力部)
10 :制御部
11 :帳票読取部(取得部)
13 :処理実行部
21 :挿入台(返却部)
22 :搬送ローラ(返却部)
23 :搬送路(返却部)
24 :カッタ(切断部)
26 :目印付与部(付与部)
200 :帳票
200u :通知片
200v :控片
200w :領収片
201 :図形
300 :送金元
400 :送金先
図1
図2
図3
図4