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特開2024-107921ハースロールの軸受構造、ハースロールの交換装置及びハースロールの交換方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107921
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】ハースロールの軸受構造、ハースロールの交換装置及びハースロールの交換方法
(51)【国際特許分類】
   C21D 9/56 20060101AFI20240802BHJP
   C21D 1/00 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
C21D9/56 101G
C21D1/00 115A
C21D1/00 115Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012116
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真生
(74)【代理人】
【識別番号】100153969
【弁理士】
【氏名又は名称】松澤 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】上田 絵理
(72)【発明者】
【氏名】松尾 幸一
【テーマコード(参考)】
4K034
4K043
【Fターム(参考)】
4K034AA17
4K034BA04
4K034EA12
4K034EB01
4K034EB02
4K034EB03
4K043AA01
4K043DA05
4K043EA06
4K043GA07
4K043GA08
4K043HA04
(57)【要約】
【課題】本開示は、ハースロールの交換時間を短縮化することが可能なハースロールの軸受構造、ハースロールの交換装置及びハースロールの交換方法を説明する。
【解決手段】ハースロールの軸受構造は、第1及び第2のベアリングボックスと、第1のベアリングボックスを支持するように構成された第1の支持体を含む第1の架台と、第2のベアリングボックスを支持するように構成された第2の支持体を含む第2の架台と、第1のベアリングボックスが通過可能な内径を有し、且つ、第1の支持体と熱処理炉の一方の側壁との間で延びる第1の接続管と、第2のベアリングボックスが通過可能な内径を有し、且つ、着脱壁部との間で延びる第2の接続管とを備える。第1の支持体は、ハースロールの一端側を通じて第1のベアリングボックスに対し着脱可能とされている。第2の支持体は、ハースロールの他端側を通じて第2のベアリングボックスに対し着脱可能とされている。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理炉内において帯状の鋼板を搬送するためのハースロールを回転可能に支持するように構成されたハースロールの軸受構造であって、
前記ハースロールの一端部に取り付けられた第1のベアリングボックスと、
前記ハースロールの他端部に取り付けられた第2のベアリングボックスと、
前記第1のベアリングボックスを支持するように構成された第1の支持体を含む第1の架台と、
前記第2のベアリングボックスを支持するように構成された第2の支持体を含む第2の架台と、
前記第1のベアリングボックスが通過可能な内径を有し、且つ、前記第1の支持体と前記熱処理炉の一方の側壁との間で延びる第1の接続管と、
前記第2のベアリングボックスが通過可能な内径を有し、且つ、前記第2の支持体と前記熱処理炉の他方の側壁に対して着脱可能に構成された着脱壁部との間で延びる第2の接続管とを備え、
前記第1の支持体は、前記ハースロールの一端側を通じて前記第1のベアリングボックスに対し着脱可能とされており、
前記第2の支持体は、前記ハースロールの他端側を通じて前記第2のベアリングボックスに対し着脱可能とされている、ハースロールの軸受構造。
【請求項2】
前記第1の支持体は、第1のボルトを介して、前記第1のベアリングボックスに対して取り付けられており、
前記第2の支持体は、第2のボルトを介して、前記第2のベアリングボックスに対して取り付けられている、請求項1に記載の軸受構造。
【請求項3】
請求項1に記載の軸受構造が備える前記ハースロールを新たなハースロールに交換するための交換装置であって、
クレーンによって吊り下げ可能に構成された本体部と、
前記ハースロールの他端部のうち前記第2のベアリングボックスよりも前記ハースロールの一端部側の部分を把持可能に構成された把持部と、
前記第2の支持体及び前記第2の接続管が取り外された状態において、前記第2のベアリングボックスを跨ぐように前記本体部と前記把持部との間を延びてこれらを接続する接続部とを備え、
前記把持部は、前記ハースロールの他端部の周方向において複数に分割されている、ハースロールの交換装置。
【請求項4】
前記ハースロールの他端部の端面に対して着脱可能に構成された着脱部をさらに備え、
前記接続部は前記把持部と前記着脱部とを接続している、請求項3に記載の交換装置。
【請求項5】
前記把持部は、前記ハースロールの他端部の周面に対応する内周面を含む一対の半円筒状部材によって構成されている、請求項3に記載の交換装置。
【請求項6】
請求項1に記載の軸受構造が備える前記ハースロールを、請求項3に記載の交換装置を用いて新たなハースロールに交換する交換方法であって、
前記第1の支持体を前記第1のベアリングボックスから取り外すことと、
前記第2の支持体を前記第2のベアリングボックスから取り外すことと、
前記第2のベアリングボックスが前記ハースロールの他端部に取り付けられている状態で、前記第2の接続管の内部を前記第2のベアリングボックスが通過するように、前記第2の接続管を前記着脱壁部から取り外すことと、
前記ハースロールの他端部のうち前記第2のベアリングボックスよりも前記ハースロールの一端部側の部分を前記把持部に把持させることと、
前記第2のベアリングボックスを跨ぐように前記本体部と前記把持部との間を前記接続部で接続することと、
前記着脱壁部が前記熱処理炉の他方の側壁から取り外された状態で、前記本体部をクレーンによって吊り下げながら、前記ハースロールを前記熱処理炉から引き抜くこととを含む、ハースロールの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハースロールの軸受構造、ハースロールの交換装置及びハースロールの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、連続焼鈍設備等におけるロールハンドリング装置を開示している。当該装置は、ハンドリングフレームに対して進退可能に取り付けられたメンテビームを備える。当該装置によってロールを交換する際には、ロールのシャフト端部をメンテビームの先端部で把持し、メンテビームをハンドリングフレームに対して進退させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭63-033956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示される従来のロールハンドリング装置においては、ロールを交換するにあたり、ロールの端部に取り付けられている軸受の分解や、ロールの端部への軸受の取り付けに、相当程度の時間を要していた。そのため、生産ラインの停止時間が長くなり、生産性への影響が懸念されていた。
【0005】
そこで、本開示は、ハースロールの交換時間を短縮化することが可能なハースロールの軸受構造、ハースロールの交換装置及びハースロールの交換方法を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ハースロールの軸受構造の一例は、熱処理炉内において帯状の鋼板を搬送するためのハースロールを回転可能に支持するように構成されたハースロールの軸受構造である。当該軸受構造は、ハースロールの一端部に取り付けられた第1のベアリングボックスと、ハースロールの他端部に取り付けられた第2のベアリングボックスと、第1のベアリングボックスを支持するように構成された第1の支持体を含む第1の架台と、第2のベアリングボックスを支持するように構成された第2の支持体を含む第2の架台と、第1のベアリングボックスが通過可能な内径を有し、且つ、第1の支持体と熱処理炉の一方の側壁との間で延びる第1の接続管と、第2のベアリングボックスが通過可能な内径を有し、且つ、第2の支持体と熱処理炉の他方の側壁に対して着脱可能に構成された着脱壁部との間で延びる第2の接続管とを備える。第1の支持体は、ハースロールの一端側を通じて第1のベアリングボックスに対し着脱可能とされている。第2の支持体は、ハースロールの他端側を通じて第2のベアリングボックスに対し着脱可能とされている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るハースロールの軸受構造、ハースロールの交換装置及びハースロールの交換方法によれば、ハースロールの交換時間を短縮化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、熱処理炉の一例を概略的に示す図である。
図2図2は、炉壁に取り付けられている状態のハースロール及びその周辺構造を概略的に示す部分断面図である。
図3図3は、ハースロールを炉壁から取り外す手順を説明するための図であり、図2のうち一部の構造が取り外された様子を示す部分断面図である。
図4図4は、ハースロールを炉壁から取り外す手順を説明するための図であり、図3のハースロールの端部にメンテナンス装置が取り付けられた様子を示す部分断面図である。
図5図5は、ハースロールを炉壁から取り外す手順を説明するための図であり、図4のメンテナンス装置によりハースロールを炉壁から引き抜く様子を示す部分断面図である。
図6図6は、図4のメンテナンス装置の連結具の近傍を拡大して示す部分断面図である。
図7図7は、図4のメンテナンス装置の連結具の近傍を分解して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、図の上、下、右、左というときは、図中の符号の向きを基準とすることとする。
【0010】
[熱処理炉の構成]
まず、図1を参照して、帯状鋼板Sを連続的に熱処理(例えば、焼鈍処理)するように構成された熱処理炉1の一例について説明する。熱処理炉1は、例えば、連続焼鈍設備、連続溶融めっき設備などの一部であってもよい。
【0011】
熱処理炉1は、例えば、加熱帯2と、均熱帯3と、冷却帯4とを含んでいてもよい。加熱帯2は、帯状鋼板Sを加熱するように構成されている。加熱帯2は、帯状鋼板Sの種類に応じて、例えば、650℃~950℃程度の範囲で予め設定された温度まで、帯状鋼板Sを加熱する。均熱帯3は、帯状鋼板Sを所定温度に保持するように構成されている。冷却帯4は、帯状鋼板Sを所定温度まで冷却するように構成されている。
【0012】
加熱帯2、均熱帯3及び冷却帯4には、上部及び下部のそれぞれに1つ以上のハースロール装置10が設けられている。帯状鋼板Sは、これらのハースロール装置10によって例えば180°方向転換しながら連続的に上流側(加熱帯2側)から下流側(冷却帯4側)に搬送される。すなわち、帯状鋼板Sは、加熱帯2、均熱帯3及び冷却帯4の内部において、上り下りしながら搬送される。なお、熱処理炉1は、加熱帯2の上流側に配置されて帯状鋼板Sを予熱するように構成された予熱帯を含んでいてもよい。
【0013】
[ハースロール装置の構成]
次に、図2を参照して、熱処理炉1(加熱帯2、均熱帯3、冷却帯4)に設けられたハースロール装置10の一例について説明する。
【0014】
ハースロール装置10は、ハースロール20と、駆動部30と、軸受構造40,50とを備える。ハースロール20は、本体部21と、本体部21の一方の側部から側方に突出する端部22(一端部)と、本体部21の側部から側方に突出する端部23(他端部)とを含む。
【0015】
本体部21は、円柱状を呈しており、熱処理炉1内に配置されている。本体部21は、外周面に帯状鋼板Sが掛け渡されるように構成されている。端部22,23は、本体部21よりも径の小さい円柱状を呈しており、本体部21の中心軸上を通るように延びている。
【0016】
端部22は、熱処理炉1の一方の側壁W1に設けられている開口部OP1を通じて、熱処理炉1の外方まで延びている。端部22は、軸受構造40によって回転可能に保持されている。
【0017】
端部23は、着脱壁部W2に設けられている開口部OP2を通じて、熱処理炉1の外方まで延びている。着脱壁部W2は、熱処理炉1の他方の側壁W3に設けられている開口部OP3を覆うように、側壁W3に対して着脱可能に取り付けられている。着脱壁部W2の内側には、熱処理炉1内の熱が外部に逃げることを抑制するための耐火材W4が設けられている。端部23は、軸受構造50によって回転可能に保持されている。すなわち、ハースロール20は、軸受構造40,50によって回転可能に支持されている。
【0018】
駆動部30は、カップリング31と、回転モータ32とを含む。カップリング31は、回転モータ32の回転軸と、ハースロール20の端部22とを接続可能に構成されている。カップリング31は、回転モータ32の回転軸と、ハースロール20の端部22とを接続した状態で、回転モータ32の回転力を、端部22を介してハースロール20に伝達する。回転モータ32は、図示しないコントローラ(制御部)からの駆動信号に基づいて回転駆動するように構成されている。すなわち、駆動部30は、コントローラ(制御部)からの駆動信号に基づいて、ハースロール20を回転駆動させるように構成されている。
【0019】
軸受構造40は、ベアリングボックス41(第1のベアリングボックス)と、架台42(第1の架台)と、接続管43(第1の接続管)とを含む。ベアリングボックス41は、ベアリングB1と、筐体44とを含む。ベアリングB1は、全体として円筒状を呈しており、端部22に対して回転可能に取り付けられている。筐体44は、ベアリングB1を外側から覆うように保持している。
【0020】
筐体44は、本体部44aと、底部44bと、フランジ部44cとを含む。本体部44aは、ベアリングB1の外径と略同等の内径を有する円筒状を呈している。底部44bは、本体部44aのうち側壁W1から遠い側の端部に一体的に設けられており、当該端部を閉塞している。底部44bの中央部には、端部22が挿通可能な貫通孔が設けられている。フランジ部44cは、本体部44aのうち側壁W1に近い側の端部に一体的に設けられており、本体部44aの径方向外方に向けて突出している。
【0021】
架台42は、基礎柱P1と、支持体45(第1の支持体)とを含む。基礎柱P1は、デッキD1上に固定されていてもよいし、基礎上に固定されていてもよい。デッキD1は、作業者による熱処理炉1のメンテナンスなどのために側壁W1の外側に配置されている。
【0022】
支持体45は、支持柱46と、支持リング47とを含む。支持柱46は、図示しないボルト等によって、基礎柱P1上に着脱可能に取り付けられている。支持リング47は、支持柱46の上端部に固定されている。
【0023】
支持リング47は、本体部47aと、フランジ部47bとを含む。本体部47aは、筐体44の本体部44aの外径と略同等の内径を有する円筒状を呈している。フランジ部47bは、本体部47aのうち側壁W1に近い側の端部に一体的に設けられており、本体部47aの径方向外方に向けて突出している。フランジ部47bは、本体部47aの内径よりも大きい内径を有している。そのため、フランジ部44cと本体部47aとの干渉により、設置時における筐体44と支持リング47との位置決めが実現されている。一方、底部44b側から本体部47aが本体部44aに挿通されることで、支持リング47がベアリングボックス41に取り付けられる。これにより、支持リング47は、支持柱46及び基礎柱P1を介してベアリングボックス41をデッキD1上に支持する。換言すれば、支持体45は、端部22を通じてベアリングボックス41に対して着脱可能とされている。なお、本体部47aに設けられたネジ穴を通じてボルトBT1(第1のボルト)を本体部44aに締め付けることにより、支持リング47をベアリングボックス41に取り付けてもよい。
【0024】
接続管43は、全体として円筒状を呈しており、側壁W1と支持リング47との間で延びている。すなわち、接続管43の一端は、図示しないボルト等により側壁W1に接続されており、接続管43の他端は、図示しないボルト等によりフランジ部47bに接続されている。接続管43は、ベアリングボックス41(筐体44)が通過可能な内径を有している。換言すれば、接続管43は、ベアリングボックス41(筐体44)の外径よりも大きな内径を有している。なお、接続管43は、その軸方向において伸縮可能なベローズ管であってもよい。
【0025】
軸受構造50は、ベアリングボックス51(第2のベアリングボックス)と、架台52(第2の架台)と、接続管53(第2の接続管)とを含む。ベアリングボックス51は、ベアリングB2と、筐体54とを含む。ベアリングB2は、全体として円筒状を呈しており、端部23に対して回転可能に取り付けられている。筐体54は、ベアリングB2を外側から覆うように保持している。
【0026】
筐体54は、本体部54aと、蓋部54bと、フランジ部54cとを含む。本体部54aは、ベアリングB2の外径と略同等の内径を有する円筒状を呈している。蓋部54bは、本体部54aのうち着脱壁部W2(側壁W3)から遠い側の端部に、図示しないボルト等によって着脱可能に設けられており、当該端部を閉塞している。フランジ部54cは、本体部54aのうち着脱壁部W2(側壁W3)に近い側の端部に一体的に設けられており、本体部54aの径方向外方に向けて突出している。
【0027】
架台52は、基礎柱P2と、支持体55(第2の支持体)とを含む。基礎柱P2は、デッキD2上に固定されていてもよいし、基礎上に固定されていてもよい。デッキD2は、作業者による熱処理炉1のメンテナンスなどのために、着脱壁部W2及び側壁W3の外側に配置されている。
【0028】
支持体55は、支持柱56と、支持リング57とを含む。支持柱56は、図示しないボルト等によって、基礎柱P2上に着脱可能に取り付けられている。支持リング57は、支持柱56の上端部に固定されている。
【0029】
支持リング57は、本体部57aと、フランジ部57bとを含む。本体部57aは、筐体54の本体部54aの外径と略同等の内径を有する円筒状を呈している。フランジ部57bは、本体部57aのうち着脱壁部W2(側壁W3)に近い側の端部に一体的に設けられており、本体部57aの径方向外方に向けて突出している。フランジ部57bは、本体部57aの内径よりも大きく、且つ、フランジ部54cの外径と略同等の内径を有している。そのため、フランジ部54cと本体部57aとの干渉により、設置時における筐体54と支持リング57との位置決めが実現されている。一方、蓋部54b側から本体部57aが本体部54aに挿通されることで、支持リング57がベアリングボックス51に取り付けられる。これにより、支持リング57は、支持柱56及び基礎柱P2を介してベアリングボックス51をデッキD2上に支持する。換言すれば、支持体55は、端部23を通じてベアリングボックス51に対して着脱可能とされている。なお、本体部57aに設けられたネジ穴を通じてボルトBT2(第2のボルト)を本体部54aに締め付けることにより、支持リング57をベアリングボックス51に取り付けてもよい。
【0030】
接続管53は、全体として円筒状を呈しており、着脱壁部W2と支持リング57との間で延びている。すなわち、接続管53の一端は、図示しないボルト等により着脱壁部W2に接続されており、接続管53の他端は、図示しないボルト等によりフランジ部57bに接続されている。接続管53は、ベアリングボックス51(筐体54)が通過可能な内径を有している。換言すれば、接続管53は、ベアリングボックス51(筐体54)の外径よりも大きな内径を有している。なお、接続管53は、その軸方向において伸縮可能なベローズ管であってもよい。
【0031】
[ハースロールの交換方法]
次に、図3図5を参照して、熱処理炉1からハースロール20を交換する方法について説明する。
【0032】
まず、図3に例示されるように、回転モータ32の回転軸と、ハースロール20の端部22とを接続するカップリング31を取り外す。次に、ボルトBT1を本体部47aから取り外し、フランジ部47bを接続管43から取り外すと共に、支持柱46を基礎柱P1から取り外すことにより、支持リング47を端部22の先端側に向けて移動させる。これにより、ベアリングボックス41が端部22に取り付けられている状態のまま、支持体45がベアリングボックス41から取り外される。
【0033】
次に、図3に例示されるように、蓋部54bを本体部54aから取り外す。次に、ボルトBT2を本体部57aから取り外し、フランジ部57bを接続管53から取り外すと共に、支持柱56を基礎柱P2から取り外すことにより、支持リング57を端部23の先端側に向けて移動させる。これにより、ベアリングボックス51が端部23に取り付けられている状態のまま、支持体55がベアリングボックス51から取り外される。次に、接続管53を、着脱壁部W2から取り外して、端部23の先端側に向けて移動させる。これにより、ベアリングボックス51が端部23に取り付けられている状態のまま、接続管53の内側をベアリングボックス51が通過して、接続管53が除去される。
【0034】
次に、図4に例示されるように、ベアリングボックス51が端部23に取り付けられている状態のまま、ハースロール20の交換装置100を端部23に取り付ける。交換装置100の構成、及び、交換装置100の端部23への取り付け方法の詳細については、後述する。次に、着脱壁部W2を側壁W3から取り外す。
【0035】
次に、図5に例示されるように、着脱壁部W2が側壁W3から取り外された状態で、交換装置100をクレーンCRによって吊り下げながら、着脱壁部W2と共に、ハースロール20を熱処理炉1から引き抜く。以上によって、ハースロール20の熱処理炉1からの取り外しが完了する。
【0036】
一方、新たなハースロール20を熱処理炉1に取り付ける際には、以上とは逆の手順が実行される。具体的には、ハースロール20の端部22,23にそれぞれベアリングボックス41,51が取り付けられた状態で、端部23側に着脱壁部W2を配置する。次に、交換装置100をクレーンCRによって吊り下げながら、着脱壁部W2と共に、新たなハースロール20を熱処理炉1内に挿入する。
【0037】
次に、着脱壁部W2を側壁W3に取り付けて、交換装置100を端部23から取り外す。次に、ベアリングボックス51が端部23に取り付けられている状態のまま、端部23の先端側から接続管53の内側にベアリングボックス51を通過させて、接続管53を着脱壁部W2に取り付ける。次に、支持リング57を端部23の先端側から着脱壁部W2側に移動させて、支持リング57を筐体54の外側に配置する。次に、フランジ部57bを接続管53に取り付け、支持柱56を基礎柱P2に取り付けると共に、ボルトBT2によって支持リング57をベアリングボックス51に取り付ける。次に、蓋部54bを本体部54aに取り付ける。
【0038】
また、ベアリングボックス41が端部22に取り付けられている状態のまま、端部22の先端側から接続管43の内側にベアリングボックス41を通過させて、接続管43を側壁W1に取り付ける。次に、支持リング47を端部22の先端側から側壁W1側に移動させて、支持リング47を筐体44の外側に配置する。次に、フランジ部47bを接続管43に取り付け、支持柱46を基礎柱P1に取り付けると共に、ボルトBT1によって支持リング47をベアリングボックス41に取り付ける。次に、カップリング31によって、回転モータ32の回転軸と、ハースロール20の端部22とを接続する。
【0039】
以上によって、新たなハースロール20の熱処理炉1への取り付けが完了する。
【0040】
[ハースロールの交換装置]
次に、図4図7を参照して、ハースロール20の交換装置100の詳細について説明する。
【0041】
交換装置100は、本体部110と、把持治具120とを含む。本体部110は、図4及び図5に例示されるように、クレーンCRによって吊り下げ可能に構成されている。本体部110は、ベース部111と、先端部112と、連結部113とを含む。
【0042】
ベース部111は、クレーンCRによる吊り下げが行われる部分である。ベース部111の上部には、クレーンCRのフックを引っかけて取り付けるための吊り具111aが設けられている。ベース部111の下部には、交換装置100にハースロール20が取り付けられたときに、全体としての重量バランスを保つためのバランスウエイトBWが設けられている。
【0043】
先端部112は、ベース部111の先端から突出するように、当該先端に設けられている。連結部113は、図6及び図7に例示されるように、先端部112の先端面に固定されている。連結部113は、例えば、矩形状を呈する板状体であってもよい。この場合、連結部113の各隅部に、後述する接続部140のボルトが挿通可能な貫通孔が設けられていてもよい。
【0044】
把持治具120は、ハースロール20の端部23を把持して、本体部110と端部23とを連結するように構成されている。把持治具120は、図4図7に例示されるように、把持部130と、接続部140と、着脱部150とを含む。
【0045】
把持部130は、図6及び図7に例示されるように、一対の半円筒状部材160,170を含む。半円筒状部材160は、本体部161と、一対のフランジ部162と、フランジ部163とを含む。本体部161は、半円筒状を呈しており、端部23の外周面に対応した形状の内周面を有している。一対のフランジ部162はそれぞれ、本体部161の各側端に一体的に設けられており、本体部161の各側端から側方に突出している。
【0046】
フランジ部163は、本体部161のうち左端部(本体部110側の端部)に一体的に設けられている。フランジ部163は、全体として矩形状を呈する板状体であってもよい。この場合、フランジ部163の上部の各隅部に、後述する接続部140のボルトが挿通可能な貫通孔が設けられていてもよい(図7参照)。フランジ部163のうち下部(本体部161側の端部)は、図7に例示されるように、本体部161の内径と同等の径を有する円弧状に切り欠かれている。そのため、フランジ部163の下部の内周縁も、端部23の外周面に対応した形状とされている。
【0047】
半円筒状部材170は、本体部171と、一対のフランジ部172と、フランジ部173とを含む。本体部171は、半円筒状を呈しており、端部23の外周面に対応した形状の内周面を有している。一対のフランジ部172はそれぞれ、本体部171の各側端に一体的に設けられており、本体部171の各側端から側方に突出している。
【0048】
フランジ部173は、本体部171のうち左端部(本体部110側の端部)に一体的に設けられている。フランジ部173は、全体として矩形状を呈する板状体であってもよい。この場合、フランジ部173の下部の各隅部に、後述する接続部140のボルトが挿通可能な貫通孔が設けられていてもよい(図7参照)。フランジ部173のうち上部(本体部171側の端部)は、図7に例示されるように、本体部171の内径と同等の径を有する円弧状に切り欠かれている。そのため、フランジ部173の上部の内周縁も、端部23の外周面に対応した形状とされている。
【0049】
接続部140は、図6及び図7に例示されるように、蓋部54b、支持体55及び接続管53が取り外された状態において、ベアリングボックス51を跨ぐように連結部113とフランジ部163,173との間を延びている。接続部140は、連結部113とフランジ部163,173とを接続するように構成されている。接続部140は、連結部113とフランジ部163,173との間において、後述するフランジ部183も接続している。接続部140は、例えば、連結部113からフランジ部163,173まで延びる長尺のボルトと、複数のナットとを含んでいてもよい。
【0050】
着脱部150は、端部23の先端面ESに着脱可能となるように構成されている。着脱部150は、端部23の先端面ESに取り付けられている状態で、ベアリングボックス51の端部23からの抜けを防止する。着脱部150は、抜け止め具180と、固定板190とを含む。
【0051】
抜け止め具180は、本体部181と、底部182と、フランジ部183とを含む。本体部181は、筐体54の本体部54aの内径と略同等の外径を有する円筒状を呈している。底部182は、本体部181のうち把持部130に近い側の端部に一体的に設けられている。底部182の中央部には、ボルトBT4が挿通可能な貫通孔が設けられている。
【0052】
フランジ部183は、本体部181のうち把持部130から遠い側の端部に一体的に設けられており、本体部181の径方向外方に向けて突出している。フランジ部183は、全体として矩形状を呈する板状体であってもよい。この場合、フランジ部183の各隅部に、接続部140のボルトが挿通可能な貫通孔が設けられていてもよい(図7参照)。
【0053】
固定板190は、円形状を呈する板状体である。固定板190は、本体部181の内径と略同等の外径を有している。固定板190の中央部には、ボルトBT4が挿通可能な貫通孔が設けられている。
【0054】
以上の構成を有する交換装置100を端部23に取り付ける方法を、以下に説明する。まず、本体部181を本体部54aの内側に挿入し、、固定板190を本体部181の内側に配置する。この状態で、ボルトBT4を、固定板190を介して、端部23の先端面ESに設けられているネジ穴に締結する。これにより、抜け止め具180及びフランジ部183が端部23に固定される。
【0055】
次に、接続部140のボルトを、連結部113及びフランジ部183の貫通孔に連結部113側から挿入し、フランジ部183側から接続部140のナットで連結部113及びフランジ部183を締め付ける。次に、本体部161,171の内周面を互いに向かい合わせた状態とし、端部23のうちベアリングボックス51よりも端部22側の部分23aの外周面に、当該内周面を当接させつつ、フランジ部163,173の貫通孔に接続部140のボルトを挿入する。これにより、本体部161,171の各側端において、フランジ部162,172同士も互いに当接する。この状態で、フランジ部162,172同士を、少なくとも一つの締結具BT3(例えば、ボルト及びナット)によって締め付ける。また、接続部140のナットを、フランジ部163,173を挟み込むように締め付ける。こうして、接続部140のボルトは、ベアリングボックス51を跨ぐように、連結部113(本体部110)とフランジ部163,173(把持部130)との間を延びることとなる。
【0056】
以上により、一対の半円筒状部材160,170が端部23に取り付けられる。換言すれば、端部23が一対の半円筒状部材160,170によって把持される。その結果、交換装置100の端部23への取り付けが完了する。なお、交換装置100を端部23から取り外す場合には、上記と逆の手順が実行される。
【0057】
[作用]
以上の例によれば、支持体45,55をベアリングボックス41,51から取り外すことにより、ベアリングボックス41,51を分解することなくハースロール20に取り付けたままの状態で、接続管43,53を熱処理炉1から取り外しできるようになる。同様に、新たなハースロール20に予め新たなベアリングボックス41,51が取り付けられた状態で、新たなハースロール20を熱処理炉1に取り付けできるようになる。そのため、相当程度の時間を要するベアリングボックス41,51の分解及び取り付け作業が、熱処理炉の近傍において必要なくなる(熱処理炉から離れた場所にていわゆるオフラインで可能となる)。したがって、ハースロール20の交換時間を短縮化することが可能となる。しかも、軸受構造40,50を既設の熱処理炉1に採用する際に、熱処理炉1の建屋、熱処理炉1の側壁W1,W3、ハースロール20の着脱作業のためのデッキD1,D2などの改造等を要さない。そのため、軸受構造40,50を既設の熱処理炉1に低コストで導入することが可能となる。
【0058】
以上の例によれば、把持部130が、一対の半円筒状部材160,170を含んでおり、ベアリングボックス51を跨ぐように延びる接続部140によって連結部113と接続される。そのため、ベアリングボックス51を分解することなくハースロール20に取り付けたままの状態で、把持部130をハースロール20の端部23に着脱できると共に、ベアリングボックス51を跨ぐ接続部140によって本体部110と把持部130とを接続できる。したがって、相当程度の時間を要するベアリングボックス51の分解及び取り付けをすることなしに、交換装置100の本体部110をハースロール20に連結することができるようになる。同様に、新たなハースロール20に予め新たなベアリングボックス51が取り付けられた状態で、交換装置100の本体部110を新たなハースロール20に連結できるようになる。以上より、ハースロール20の交換時間を短縮化することが可能となる。
【0059】
以上の例によれば、支持体45は、ボルトBT1を介して、ベアリングボックス41に対して取り付けられており、支持体55は、ボルトBT2を介して、ベアリングボックス51に対して取り付けられている。そのため、ボルトBT1,BT2という汎用品を用いて、支持体45,55をベアリングボックス41,51に対して極めて簡易に着脱することが可能となる。
【0060】
以上の例によれば、着脱部150がハースロール20の先端面ESに対して着脱可能とされており、接続部140が、本体部110、把持部130及び着脱部150を接続している。そのため、着脱部150がハースロール20の端部23の先端面ESに取り付けられることで、ハースロール20の端部23が、一対の半円筒状部材160,170のみならず着脱部150によっても保持される。したがって、クレーンCRによるハースロール20の搬入出をより安全に実施することが可能となる。
【0061】
[変形例]
本明細書における開示はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲及びその要旨を逸脱しない範囲において、以上の例に対して種々の省略、置換、変更などが行われてもよい。
【0062】
(1)以上の例において、把持部130は、一対の半円筒状部材160,170を含んでいたが、3つ以上に分割された部材を含んでいてもよい。この場合、3つ以上に分割された部材を端部23の周囲に配置し、周方向において隣り合う部材を互いに連結することにより、把持部130が端部23に取り付けられる。
【0063】
[他の例]
例1.ハースロールの軸受構造の一例は、熱処理炉内において帯状の鋼板を搬送するためのハースロールを回転可能に支持するように構成されたハースロールの軸受構造である。当該軸受構造は、ハースロールの一端部に取り付けられた第1のベアリングボックスと、ハースロールの他端部に取り付けられた第2のベアリングボックスと、第1のベアリングボックスを支持するように構成された第1の支持体を含む第1の架台と、第2のベアリングボックスを支持するように構成された第2の支持体を含む第2の架台と、第1のベアリングボックスが通過可能な内径を有し、且つ、第1の支持体と熱処理炉の一方の側壁との間で延びる第1の接続管と、第2のベアリングボックスが通過可能な内径を有し、且つ、第2の支持体と熱処理炉の他方の側壁に対して着脱可能に構成された着脱壁部との間で延びる第2の接続管とを備える。第1の支持体は、ハースロールの一端側を通じて第1のベアリングボックスに対し着脱可能とされている。第2の支持体は、ハースロールの他端側を通じて第2のベアリングボックスに対し着脱可能とされている。この場合、支持体をベアリングボックスから取り外すことにより、ベアリングボックスを分解することなくハースロールに取り付けたままの状態で、接続管を熱処理炉から取り外しできるようになる。同様に、新たなハースロールに予め新たなベアリングボックスが取り付けられた状態で、新たなハースロールを熱処理炉に取り付けできるようになる。そのため、相当程度の時間を要するベアリングボックスの分解及び取り付けの実施を要しなくなる。したがって、ハースロールの交換時間を短縮化することが可能となる。しかも、上記の軸受構造を既設の熱処理炉に採用する際に、熱処理炉の建屋、熱処理炉の側壁、ハースロールの着脱作業のためのデッキなどの改造等を要さない。そのため、上記の軸受構造を既設の熱処理炉に低コストで導入することが可能となる。
【0064】
例2.例1の軸受構造において、第1の支持体は、第1のボルトを介して、第1のベアリングボックスに対して取り付けられており、第2の支持体は、第2のボルトを介して、第2のベアリングボックスに対して取り付けられていてもよい。この場合、ボルトという汎用品を用いて、支持体をベアリングボックスに対して極めて簡易に着脱することが可能となる。
【0065】
例3.ハースロールの交換装置の一例は、例1又は例2の軸受構造が備えるハースロールを新たなハースロールに交換するための交換装置である。当該交換装置は、クレーンによって吊り下げ可能に構成された本体部と、ハースロールの他端部のうち第2のベアリングボックスよりもハースロールの一端部側の部分を把持可能に構成された把持部と、第2の支持体及び第2の接続管が取り外された状態において、第2のベアリングボックスを跨ぐように本体部と把持部との間を延びてこれらを接続する接続部とを備える。把持部は、ハースロールの他端部の周方向において複数に分割されている。この場合、第2のベアリングボックスを分解することなくハースロールに取り付けたままの状態で、把持部をハースロールの他端部に着脱できると共に、第2のベアリングボックスを跨ぐ接続部によって本体部と把持部とを接続できる。そのため、相当程度の時間を要するベアリングボックスの分解及び取り付け作業を新たなハースロールに対して事前に実施したうえで、交換装置の本体部をハースロールに連結することができるようになる。同様に、新たなハースロールに予め新たなベアリングボックスが取り付けられた状態で、交換装置の本体部を新たなハースロールに連結できるようになる。したがって、ハースロールの交換時間を短縮化することが可能となる。
【0066】
例4.例3の交換装置は、ハースロールの他端部の端面に対して着脱可能に構成された着脱部をさらに備え、接続部は把持部と着脱部とを接続していてもよい。この場合、着脱部がハースロールの他端部の端面に取り付けられることで、ハースロールの他端部が、把持部のみならず着脱部によっても保持される。そのため、クレーンによるハースロールの搬入出をより安全に実施することが可能となる。
【0067】
例5.例3又は例4に記載の交換装置において、把持部は、ハースロールの他端部の周面に対応する内周面を含む一対の半円筒状部材によって構成されていてもよい。
【0068】
例6.ハースロールの交換方法の一例は、例1又は例2の軸受構造が備えるハースロールを、例3~例5のいずれかの交換装置を用いて新たなハースロールに交換する交換方法である。当該交換方法は、第1の支持体を第1のベアリングボックスから取り外すことと、第2の支持体を第2のベアリングボックスから取り外すことと、第2のベアリングボックスがハースロールの他端部に取り付けられている状態で、第2の接続管の内部を第2のベアリングボックスが通過するように、第2の接続管を着脱壁部から取り外すことと、ハースロールの他端部のうち第2のベアリングボックスよりもハースロールの一端部側の部分を把持部に把持させることと、第2のベアリングボックスを跨ぐように本体部と把持部との間を接続部で接続することと、着脱壁部が熱処理炉の他方の側壁から取り外された状態で、本体部をクレーンによって吊り下げながら、ハースロールを熱処理炉から引き抜くこととを含む。この場合、例3と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0069】
1…熱処理炉、10…ハースロール装置、20…ハースロール、22…端部(一端部)、23…端部(他端部)、30…駆動部、40,50…軸受構造、41…ベアリングボックス(第1のベアリングボックス)、42…架台(第1の架台)、43…接続管(第1の接続管)、45…支持体(第1の支持体)、51…ベアリングボックス(第2のベアリングボックス)、52…架台(第2の架台)、53…接続管(第2の接続管)、55…支持体(第2の支持体)、100…交換装置、110…本体部、120…把持治具、130…把持部、140…接続部、150…着脱部、160,170…半円筒状部材、BT1…ボルト(第1のボルト)、BT2…ボルト(第2のボルト)、CR…クレーン、ES…先端面、S…帯状鋼板、W1…側壁、W2…着脱壁部、W3…側壁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7