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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107923
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/12 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
D06F39/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012122
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】樋口 秀一
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA11
3B165AA15
3B165AE02
3B165BA88
3B165CA01
3B165CA02
3B165CA03
3B165CA11
3B165CA21
3B165CA22
3B165CA30
3B165CB01
3B165CB31
3B165CD01
3B165CD15
3B165GA02
3B165GA22
3B165GA25
3B165GH02
(57)【要約】
【課題】底部の外周に存在する隙間を簡便に塞ぐことが可能な洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機1は、内槽16と、下部が開放された筐体11と、筐体11の下部に取り付けられた脚部12と、脚部12に設けられた板状部材からなり、少なくとも1つの屈曲部40を含む遮閉壁30と、を備える。遮閉壁30は、屈曲部40における屈曲により、脚部12の下方に延在するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯槽と、
前記洗濯槽を内部に収容すると共に、下部が開放された筐体と、
前記筐体の下部に取り付けられると共に、前記洗濯槽の下方の所定範囲に形成された開口部を有する脚部と、
前記脚部に設けられた板状部材からなり、当該板状部材の延在方向を変化させるように屈曲可能な少なくとも1つの屈曲部を含む遮閉壁と、を備え、
前記遮閉壁は、前記屈曲部における屈曲により、前記脚部の下方に延在するように構成されている、洗濯機。
【請求項2】
前記遮閉壁は、前記脚部に設けられた第1板部を有し、
前記屈曲部は、前記第1板部の基端部と前記脚部の間の位置に形成されて、前記脚部に対して前記第1板部を前記脚部の下方に延在させるように屈曲可能な基端屈曲部を含む、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記遮閉壁は、前記第1板部の前記基端屈曲部とは反対側に連結された第2板部を有し、
前記屈曲部は、前記第1板部と前記第2板部との間の位置に形成されて、前記第1板部に対して前記第2板部が折りたたまれるように屈曲可能な中間屈曲部を含む、請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記脚部は、前記筐体の底面から見て四角形状をなしており、
前記遮閉壁は、少なくとも何れか1つの辺部に沿って取り付けられており、前記辺部の方向における両端側に配置された一対の端部壁と、前記一対の端部壁の間に配置された中央壁とを有し、
前記屈曲部は、前記中央壁と前記一対の端部壁との間の位置に形成されて、前記中央壁に対して前記一対の端部壁が折りたたまれるように屈曲可能な一対の幅調整用屈曲部を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記遮閉壁は、使用開始前には前記洗濯機の下端よりも上方の収納位置に収納されると共に、使用時には前記洗濯機の下端よりも下方に突出する展開位置に展開され、
前記脚部又は前記遮閉壁には、前記遮閉壁を前記展開位置において固定するための固定部が設けられている、請求項1~3の何れか一項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記屈曲部は、屈曲ラインに沿って延びるように前記板状部材に設けられた薄肉部により構成されている、請求項1~3の何れか一項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機の筐体内には、内槽(洗濯槽)が配置されている。内槽の底部に配置された回転翼を回転駆動するため、筐体内にはモータを含む駆動ユニットも配置されている。一般に、洗濯機の輸送時に駆動ユニットを固定する等の目的で、洗濯機の底部には開口部が形成されている。一方で洗濯機の真下に排水ホースを接続するための排水口がある場合等において、洗濯機を床面から嵩上げすることがある。
【0003】
下記非特許文献1に示されるように、洗濯機が嵩上げ式の防水パンの上に設置される場合には、洗濯機の底部の外周に、大きな(人間が手を入れることのできる程度の)隙間が存在する。その場合、子供などが隙間を介して開口部に手を入れる虞があり、安全対策が求められている。
【0004】
洗濯機の稼働中において開口部の上方にある駆動ユニットに手が触れることを防止するため、例えば特許文献1に記載されるように、洗濯機の底部に形成された上記開口部を底板(底カバー)で塞ぐ技術が知られている。特許文献1に記載された洗濯機では、1枚の板状部材である底板が、取付板に形成された穴部に収容される。底板は引き出し可能に収容され、ねじによって係止・固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-14996号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“洗濯機をご使用になる際のご注意「洗濯機の下の隙間(すきま)から手や足を入れないで!!」”[on line]、2022年6月、一般社団法人日本電機工業会、[令和5年1月13日検索]、インターネット(URL:https://www.jema-net.or.jp/Japanese/ha/sentakuki/pdf/se_anzen02.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した開口部を底板で塞ぐ方式は、取付板を設ける等、洗濯機の底部構造を底板専用に改造(又は改変)する必要がある。また洗濯機の輸送後、据付け前に底板を取り付ける必要がある。底板を挿し込んでねじ止めするといった取付け作業は、手間を要し、作業性が悪い。
【0008】
本発明は、底部の外周に存在する隙間を簡便に塞ぐことが可能な洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]本発明の一態様に係る洗濯機は、洗濯槽と、洗濯槽を内部に収容すると共に、下部が開放された筐体と、筐体の下部に取り付けられると共に、洗濯槽の下方の所定範囲に形成された開口部を有する脚部と、脚部に設けられた板状部材からなり、当該板状部材の延在方向を変化させるように屈曲可能な少なくとも1つの屈曲部を含む遮閉壁と、を備え、遮閉壁は、屈曲部における屈曲により、脚部の下方に延在するように構成されている。
【0010】
上記[1]の洗濯機では、筐体の内部に洗濯槽が収容される。洗濯槽内の回転体(回転翼など)を回転させるための駆動ユニット等が筐体内に設けられる場合、脚部の開口部から、人の手などが侵入可能な状況が生まれる。脚部に設けられた遮閉壁は、少なくとも1つの屈曲部における屈曲により、脚部の下方に延在する。これにより、洗濯機底部の外周に存在する隙間、すなわち手などの侵入ルート(侵入可能領域)を遮閉できる。脚部に遮閉壁を予め取り付けておいた上で遮閉壁を屈曲させればよいため、取付け作業はほとんど不要である。よって、底部の外周に存在する隙間を簡便に塞ぐことが可能となる。
【0011】
[2]上記[1]に記載の洗濯機において、遮閉壁は、脚部に設けられた第1板部を有し、屈曲部は、第1板部の基端部と脚部の間の位置に形成されて、脚部に対して第1板部を脚部の下方に延在させるように屈曲可能な基端屈曲部を含んでもよい。この構成によれば、第1板部を基端屈曲部で屈曲させることにより、第1板部により上記侵入ルートを容易に遮閉できる。例えば、屈曲前には、第1板部を収納しておき、洗濯機の輸送時に邪魔にならないように配置しておくこともできる。
【0012】
[3]上記[2]に記載の洗濯機において、遮閉壁は、第1板部の基端屈曲部とは反対側に連結された第2板部を有し、屈曲部は、第1板部と第2板部との間の位置に形成されて、第1板部に対して第2板部が折りたたまれるように屈曲可能な中間屈曲部を含んでもよい。この構成によれば、第2板部を中間屈曲部で屈曲させることにより、高さ方向における遮閉壁のサイズ調整が可能となる。例えば、防水パン(又は洗濯パン)の嵩上げ高さには各種のタイプが存在し得る。よって隙間の高さ方向の大きさも変わり得るが、高さ方向のサイズ調整により、遮閉壁を隙間の大きさに適合させやすい。
【0013】
[4]上記[1]~[3]の何れか1つの洗濯機において、脚部は、筐体の底面から見て四角形状をなしており、遮閉壁は、少なくとも何れか1つの辺部に沿って取り付けられており、辺部の方向における両端側に配置された一対の端部壁と、一対の端部壁の間に配置された中央壁とを有し、屈曲部は、中央壁と一対の端部壁との間の位置に形成されて、中央壁に対して一対の端部壁が折りたたまれるように屈曲可能な一対の幅調整用屈曲部を含んでもよい。この構成によれば、一対の端部壁の両方又は何れか一方を幅調整用屈曲部で屈曲させることにより、幅方向(辺部に沿った方向)における遮閉壁のサイズ調整が可能となる。防水パンにおいて、隙間の幅方向の大きさも変わり得る。幅方向のサイズ調整により、遮閉壁を隙間の大きさに適合させやすい。
【0014】
[5]上記[1]~[4]の何れか1つの洗濯機において、遮閉壁は、使用開始前には洗濯機の下端よりも上方の収納位置に収納されると共に、使用時には洗濯機の下端よりも下方に突出する展開位置に展開され、脚部又は遮閉壁には、遮閉壁を展開位置において固定するための固定部が設けられていてもよい。この構成によれば、遮閉壁の垂下状態を保持できる。子供の手などが遮閉壁に当たっても、遮閉状態が維持され、より安全性が高められる。
【0015】
[6]上記[1]~[5]の何れか1つの洗濯機において、屈曲部は、屈曲ラインに沿って延びるように板状部材に設けられた薄肉部により構成されていてもよい。この構成によれば、遮閉壁に1つ又は複数の屈曲部を容易に形成でき、部品の製造コストを低減できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、底部の外周に存在する隙間を簡便に塞ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る底部構造が適用された洗濯機の斜視図である。
図2図2は、図1に示した洗濯機の側面図である。
図3図3は、図1に示した洗濯機の底面図である。
図4図4は、図3の一部を拡大して示す底面図である。
図5図5は、図4のV-V線に沿った断面図である。
図6図6(a)は遮閉壁を下方に展開して垂下させた状態を示す断面図、図6(b)は遮閉壁の先端部を折りたたんで長さ調整された状態を示す断面図、図6(c)は第2壁部を折りたたんで更に長さ調整された状態を示す断面図である。
図7図7は、4枚の遮閉壁が展開された状態で洗濯機を下方から見た図である。
図8図8は、前部の遮閉壁が展開された状態で洗濯機の底部付近を前方から見た図である。
図9図9は、図8のIX-IX線に沿った断面図である。
図10図10は、中央壁に対して端部壁を折りたたんだ状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0019】
以下の説明では、図1に示した互いに直交するX方向(第1方向)、Y方向(第2方向)及びZ方向(第3方向)を洗濯機1の説明に使用する場合もある。X方向、Y方向及びZ方向は、図1に示した洗濯機1の設置状態における前後方向、左右方向及び高さ方向(又は上下方向若しくは鉛直方向)に対応する。以下の説明では、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す用語は、図1及び図2に示した洗濯機1の設置状態に基づいた用語である。
【0020】
図1及び図2に示されるように、洗濯機1は、例えば縦型洗濯機である。洗濯機は、洗濯機本体10を備える。洗濯機本体10は、例えば、排水口5等を有する防水パンP上に設置されている。洗濯機本体10は、筐体11を備える。筐体11は、洗濯機本体10の外郭を構成する。筐体11は、例えば金属製である。筐体11は、上面及び下面が開放された角筒状の胴体部111と、胴体部111の上面を覆う上面板112とを有する。Z方向からみた場合において、胴体部111の形状は方形(矩形又は正方形)である。なお、胴体部111のうちの筐体前面115のみが、Y方向の中央部に向けて膨らむ若干の丸みを帯びていてもよい。
【0021】
上面板112には、洗濯物の投入口が形成されている。投入口は、上蓋13によって覆われている。上蓋13は、上面板112に開閉自在に取り付けられている。上面板112の前部には、操作パネル部14が設けられている。操作パネル部14には、洗濯機1を操作するための複数のボタンなどが配置されている。
【0022】
図2に示されるように、筐体11内には、外槽15及び内槽(洗濯槽)16が収容されている。外槽15は、有底円筒状を呈する。外槽15は例えば樹脂製の槽である。外槽15は、防振装置を有する複数(例えば4本)の吊棒によって筐体11から弾性的に吊り下げられている。外槽15は、外槽15に洗濯液が供給されるとともに、外槽15から上記洗濯液を排出可能に構成されている。本明細書において、「洗濯液」は、洗濯物の洗い工程及びすすぎ工程等の各工程に応じた液体を意味する。したがって、洗い工程では、洗濯液は洗剤などを含む液体でよいし、すすぎ工程では、洗濯液は水でよい。
【0023】
内槽16は、有底円筒状を呈する。内槽16は、外槽15より小さく、外槽15の内側に外槽15と同軸で配置されている。内槽16は、Z方向に延びる回転軸を中心に回転可能に外槽15の内側に配置されている。内槽16は例えば金属製の槽である。内槽16は、内槽16内に投入された洗濯物を洗濯又は脱水するための槽である。内槽16の内周面には複数の貫通孔が形成されている。これによって、外槽15と内槽16との間で洗濯液が行き来できる。内槽16の底部には、回転翼(パルセータ)17が回転可能に配置されている。
【0024】
上記内槽16及び回転翼17を回転駆動するために、筐体11内には駆動ユニット18も収容されている。駆動ユニット18は外槽15の下部に配置されている(図9も参照)。駆動ユニット18は、駆動モータ181、動力分配機構182及び動力伝達機構183を有する。
【0025】
駆動モータ181は、内槽16及び回転翼17を駆動する動力(トルク)を発生させる。動力伝達機構183は、駆動モータ181で発生した動力を動力分配機構182に伝達する。動力伝達機構183は、例えば、駆動モータ181及び動力分配機構182それぞれの回転軸に取り付けられたプーリ及びそれらプーリに掛け渡された無端ベルトを含んでよい。動力分配機構182はクラッチ機構を有する。動力分配機構182は、上記クラッチ機構による切替操作により、洗い工程及びすすぎ工程では、駆動モータ181の動力を回転翼17のみに伝達して回転翼17のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ181のトルクを回転翼17及び内槽16に伝達して回転翼17及び内槽16を一体的に回転させる。
【0026】
胴体部111の下端111aには、脚部12が取り付けられている。図3は、洗濯機1の底面図であり、脚部12を底面側から見た図である。図3に示されるように、脚部12は、筐体11の底面から見て四角形状をなしている。言い換えれば、脚部12は、角筒状をなしている。脚部12は、X方向の両端面を構成する前面部21及び後面部22と、Y方向の両端面を構成する右側面部23及び左側面部24とを含む。Z方向から見た場合において、脚部12の形状及びサイズは、胴体部111と実質的に同じであってよい。脚部12は、胴体部111の下端111aに形成されたフランジ部(下端111aの内曲げ等により形成される)に例えばネジ止め等によって固定されている(図9も参照)。
【0027】
脚部12の四隅には、洗濯機本体10を支持するための2つの調節脚19,19と、2つの固定脚20,20が取り付けられている。調節脚19は、洗濯機1の高さ(又は水平に対する傾き状態)を調整する機構を有する脚である。固定脚20は、洗濯機1の高さを調整する機構を有しない脚である。調節脚19及び固定脚20は、例えば、防水パンPの4つの突出台部Pa上に載る。なお、調節脚19及び固定脚20の数及び配置形態は例示した態様に限定されない。
【0028】
脚部12は、例えば樹脂製の枠体である。脚部12には、筐体11内からの水抜き等のための複数の貫通孔12fが形成されている。複数の貫通孔12fにより、洗濯機1を稼働させた場合に生じる熱も放出できる。なお、脚部12には、排出ホースを保持する保持部(何れも図示せず)が設けられている。
【0029】
洗濯機1において、筐体11の下部は開放されている。また、脚部12も、四角形状の開口部12eを有する。開口部12eは、内槽16の下方の所定範囲に形成されている。本実施形態では、図7に示したように、開口部12eの形状は実質的に方形である。開口部12eの角部に斜辺が形成されることで開口部12eが八角形状をなしてもよいし、角部が丸められていてもよい。
【0030】
脚部12は、洗濯機本体10の底部10aに配置されていることから、洗濯機本体10の下部は開口している。この場合、図3に例示したように、駆動ユニット18は露出している。上記開口部12eの大きさ及び形状は特に限定されないが、開口部12eは、底面側から見て駆動ユニット18を露出させる。本実施形態では、洗濯機1の稼働中における安全性確保の観点で、脚部12に遮閉壁ユニット100が取り付けられている。
【0031】
図3図5を参照して、洗濯機1が備える遮閉壁ユニット100及び遮閉壁30について説明する。図4は、図3の一部を拡大して示す底面図である。図5は、図4のV-V線に沿った断面図である。図3及び図5に示されるように、遮閉壁ユニット100は、脚部12の下部に一体化された矩形枠状の下端壁部50に一体的に設けられて。すなわち、下端壁部50は脚部12の一部である。遮閉壁ユニット100は、全体として板状をなしており、開口部12eに対応する領域に設けられている。
【0032】
遮閉壁ユニット100は、洗濯機1の工場出荷時に、洗濯機本体10の底部10aに固定されており、その状態で洗濯機1は梱包される。洗濯機1が梱包されて輸送される際、内槽16等が振動しないよう内槽16及び駆動ユニット18等を保持・固定する台座が、底部10a(開口部12e)から筐体11内に挿入される。遮閉壁ユニット100は、台座の挿通を許容するよう、その中央部が矩形状に開放されている。よって、図3に示されるように、遮閉壁ユニット100の中央部から駆動ユニット18の全部又は一部が見えている(少なくとも、内槽16の中心軸線上に配置された動力分配機構182周辺は露出している)。
【0033】
遮閉壁ユニット100は、四隅の位置において下端壁部50に固定された4つの直角三角形状の支持コーナー部38を含む。支持コーナー部38の底辺の部分が、下端壁部50の隅部に固定されている。下端壁部50は、X方向の両端面を構成する前面部51及び後面部52と、Y方向の両端面を構成する右側面部53及び左側面部54とを含む。Z方向から見た下端壁部50の大きさは、脚部12より一回り小さくてもよい。下端壁部50は、脚部12の内面側に配置される。下端壁部50の下端の高さは、調節脚19及び固定脚20の下端よりも高い。
【0034】
図5に示されるように、遮閉壁ユニット100は、Z方向に延在する下端壁部50(図では前面部51を例に挙げて図示している)に直交する方向に延在する。すなわち、遮閉壁ユニット100は、XY平面に平行に(水平に)延在している。図3に示されるように、遮閉壁ユニット100は、4つの支持コーナー部38によって支持された4枚の遮閉壁30を有する。4枚の遮閉壁30は、何れもXY平面に平行に(水平に)延在しており、洗濯機1の使用開始前には洗濯機1の下端よりも上方の収納位置P1(図5参照)に収納されている。洗濯機1の下端とは、調節脚19及び固定脚20の下端を意味するが、本実施形態の場合、4枚の遮閉壁30は、脚部12の下端(すなわち後述する下端壁部50の下端)よりも上方に位置する。
【0035】
4枚の遮閉壁30は、基本的に同様の構成を有するので、以下の説明では、何れか1枚の遮閉壁30のみについて説明を行い、他の遮閉壁30に関する重複する説明は省略する。図4には、下端壁部50の前面部51に連接して設けられた遮閉壁30全体が示されており、また、右側面部53及び左側面部54にそれぞれ取り付けられた遮閉壁30の一部が示されている。遮閉壁30は、長方形状をなしており、その1つの長辺部が下端壁部50に連接して設けられた板状部材からなる。以下、前面部51に設けられた遮閉壁30について説明するが、当該遮閉壁30に関してX方向という場合、遮閉壁30の短辺方向すなわち前面部51に直交する方向を意味し、Y方向という場合、遮閉壁30の長辺方向すなわち前面部51に平行な方向を意味する。
【0036】
遮閉壁30は、例えばポリプロピレン等の樹脂製である。遮閉壁30は、1つの長辺部において、下端壁部50に一体成形された樹脂成型部品である。また、遮閉壁30は、洗濯機1の工場出荷時には、両端(図示された遮閉壁30ではY方向の両端)において、支持コーナー部38に対して直線状の破断ラインTを介して接続されている。破断ラインTは、例えば、複数のベルト状薄肉部によりにより形成されている。人間の手によって遮閉壁30が把持され、Z方向に引き下げられることで、破断ラインTは容易に破断する。
【0037】
遮閉壁30は、板状部材の延在方向を変化させるように屈曲可能な複数の屈曲部40を含む。図4に示されるように、遮閉壁30は、前面部51(下端壁部50)に沿って取り付けられた長方形板状の第1板部31と、第1板部31に連結された長方形板状の第2板部32とを有する。第1板部31と第2板部32はX方向に並んでいる。また別の観点では、遮閉壁30は、前面部51(辺部)の方向における両端側に配置された一対の長方形板状の端部壁36,36と、一対の端部壁36,36の間に配置されると共に一対の端部壁36,36に連結された長方形板状の中央壁35とを有する。中央壁35と一対の端部壁36,36とはY方向に並んでいる。
【0038】
これらの第1板部31と第2板部32、及び、端部壁36と中央壁35は、1枚の遮閉壁30を遮閉壁30の短辺方向に並んだ2枚の部分ととらえるか、又は、遮閉壁30の長辺方向に並んだ3枚の部分ととらえるか、に基づいて名称が異なるだけである。第1板部31と第2板部32によって構成される1枚の遮閉壁30と、中央壁35と一対の端部壁36,36によって構成される1枚の遮閉壁30とは同一物である。
【0039】
遮閉壁30は、板状部材の一部において線状に延びるように形成された複数の薄肉部(図5参照)を含む。これらの薄肉部が設けられた部分は、板状部材を屈曲可能とする屈曲ラインを構成する。これにより、遮閉壁30は複数の屈曲部40を含む。薄肉部は、例えば、遮閉壁ユニット100の製造過程において射出成型により成形される。射出成型においては、部品と同一形状の空間を金型に作製しておき、加熱した液状の樹脂を成型機により金型内に流し込み、その後圧力が加えられる。金型内に薄い空間を設けることにより、薄肉部が成形される。
【0040】
屈曲部40は、直線状に形成されて遮閉壁30の長辺方向と短辺方向のそれぞれに沿って延びる複数の個別の屈曲部を含んでいる。何れの屈曲部も、薄肉部として同じ厚みを有し、同様の方法で成形される。以下、各屈曲部について説明する。図4及び図5に示されるように、第1板部31の基端部と前面部51(脚部12)の間の位置すなわち直線状の第1屈曲ラインL1上には、前面部51に対して第1板部31の延在方向が変化するように屈曲可能な基端屈曲部41が形成されている。図5に示されるように、板状部材の下面部分のみに薄肉部が存在しており、第1板部31は下方に(図示時計回りに)回動可能である。遮閉壁30の各屈曲部における「屈曲可能」又は「折りたたみ可能」な構成は、薄肉部が変形可能であることにより実現される。「屈曲」は、「折り曲げ」と言い換えられることもできる。
【0041】
第1板部31と第2板部32との間の位置すなわち直線状の中間屈曲ラインL2a上には、第1板部31に対して第2板部32が折りたたまれるように屈曲可能な中間屈曲部42aが形成されている。さらに、第2板部32は、第1板部31に連結された基部32aと、基部32aの第1板部31とは反対側に連結された先端部32bとを含む。基部32aと先端部32bとの間の位置すなわち直線状の先端側中間屈曲ラインL2b上には、基部32aに対して折りたたまれるように屈曲可能な先端側中間屈曲部42bが形成されている。
【0042】
図5に示されるように、中間屈曲部42aと先端側中間屈曲部42bは、何れも、基端屈曲部41と同様に板状部材の下面部分のみに形成されている。これにより、第1板部31に対する中間屈曲部42aの折りたたみ(屈曲)の方向、及び、中間屈曲部42aに対する先端側中間屈曲部42bの折りたたみ(屈曲)の方向は、何れも下方(図示時計回り)となっている。
【0043】
遮閉壁30には、折りたたまれた際(又は屈曲させられた際)に、板状部材同士が重なった状態でぴったりと重なり合うと共に嵌合するように、複数の突起と、それらに対応する複数の孔部とが設けられている。図5及び図6(a)~図6(c)を参照して、遮閉壁30における屈曲又は折りたたみのいくつかの例について説明する。図5に示されるように、遮閉壁30には、第1板部31の領域において基端屈曲部41から近い順に、基端孔61、第1孔62、及び第1突起68が形成されている。さらに、基部32aの領域において第2孔63が形成され、先端部32bの領域において先端側中間屈曲部42bから近い順に先端側孔64及び先端側突起66が形成されている。これらの孔及び突起は、遮閉壁30が収納位置P1すなわち水平な状態で、X方向(すなわち遮閉壁30の短辺方向)に延びる一直線上に並んでいる。そして何れの孔にも何れの突起が嵌入可能なよう、大きさ及び形状が適合するようになっている。
【0044】
一方、図3及び図4に示されるように、下端壁部50の下端には、基端孔61の位置に対応するように複数の係合爪(固定部)50aが形成されている。複数の係合爪50aは、遮閉壁30の長辺方向に互いに所定距離離間するように形成されており、第1板部31に形成された複数の基端孔61の位置に対応する。基端孔61は、第1孔62よりも大きい。第1孔62は、第1板部31が90度回動したときに前面部51の下端に形成された係合爪50aを受け入れる。
【0045】
図6(a)に示されるように、洗濯機1が防水パンP上に設置される際、作業者によって遮閉壁30が把持され、引き下げられることで基端屈曲部41が屈曲する。遮閉壁30の全体が90度回動することで、脚部12の下方に延在する。このとき、係合爪50aが第1孔62内に嵌入し、第1板部31の反対面側に引っかかることで遮閉壁30が固定される。遮閉壁30は、YZ平面に平行な向きに向いた展開位置P2で、係合爪50aと第1孔62の係合によって固定される。遮閉壁30は、中間屈曲部42aも先端側中間屈曲部42bも利用せず平板状の遮閉壁30を保った状態であり、高さ方向のサイズが最も大きい第1垂下遮閉壁30Aとなる。
【0046】
図6(b)に示されるように、更に、先端部32bを脚部12の外側(洗濯機1の手前側)に引き寄せて先端側中間屈曲部42bを屈曲させることにより、先端部32bを折りたたんでもよい。先端部32bは基部32aに重なり、先端側突起66が第2孔63に嵌入する。この折りたたみ操作により、遮閉壁30は、先端側中間屈曲部42bのみを利用した高さ方向に小さいサイズを有する第2垂下遮閉壁30Bとなる。
【0047】
図6(c)に示されるように、更に、基部32aを脚部12の外側(洗濯機1の手前側)に引き寄せて中間屈曲部42aを屈曲させることにより、先端部32bを折りたたんでもよい。先端部32bと基部32aが重なった状態で第1板部31に重なり、第1突起68が先端側孔64に嵌入する。この折りたたみ操作により、遮閉壁30は、先端側中間屈曲部42b及び中間屈曲部42aを利用した高さ方向に最も小さいサイズを有する第3垂下遮閉壁30Cとなる。なお、このとき、板厚に起因して、中間屈曲部42aの薄肉部が破断して破断部42sとなり、基部32aと第1板部31が切り離される。本明細書において、「屈曲」は、連結を維持したまま曲がるとの意味を含むが、それに限られず、曲がった後に破断するという意味をも含む。各屈曲部は、必要に応じて、各屈曲部を切り離す方向に力を加えることで容易に切断可能である。
【0048】
遮閉壁30は、洗濯機1の使用時には洗濯機1の下端よりも下方に突出する展開位置P2に展開される。展開位置P2において、遮閉壁30は係合爪50aによって固定される。基端屈曲部41の屈曲により遮閉壁30が展開位置P2に展開され、中間屈曲部42a及び先端側中間屈曲部42bの少なくとも一方の屈曲により高さ方向のサイズ調整がなされる。いずれの垂下遮閉壁においても、板状部材の手前側部分のみに薄肉部が存在しているため、遮閉壁30に外側より力を加えても、遮閉壁30は折れ曲がりにくい。
【0049】
さらに遮閉壁30には、幅方向のサイズ調整機能も備わっている。幅方向とは、遮閉壁30の長辺方向すなわち前面部51に平行な方向である。図10は、中央壁35に対して端部壁36を折りたたんだ状態を示す断面図である。例えば、図6(a)に示した第1垂下遮閉壁30Aにおいて、何れか一方又は両方の端部壁36を脚部12の外側(洗濯機1の手前側)に引き寄せて幅調整用屈曲部44を屈曲させることにより、端部壁36を折りたたんでもよい。端部壁36は中央壁35に重なり、第1突起68が第1孔69(図4参照)に嵌入すると共に先端側突起66が先端側孔65に嵌入する。そして基端孔70は前面部51の下端よりも低い位置まで切り欠かれているため、前面部51及び係合爪50aには干渉しない(これらを受け入れる)。この横方向の折りたたみ操作により、遮閉壁30は、幅調整用屈曲部44を利用した幅方向に小さいサイズを有する幅縮小垂下遮閉壁30Wとなる。
【0050】
以上説明した通り、本実施形態の遮閉壁ユニット100を備えた洗濯機1によれば、遮閉壁30が、何れか1つ又は複数の屈曲部における屈曲により、下端壁部50(脚部12)の下方に延在するように構成されている。例えば、遮閉壁30が展開されて第1垂下遮閉壁30A(図6(a)参照)となったとき、図7の底面図に示されるとおり、駆動ユニット18は開口部12eを通じて完全に露出している。他の形態の垂下遮閉壁においても、駆動ユニット18が下方から見て露出する点は同様である。しかし、図8及び図9に示されるように、何れかの形態の垂下遮閉壁が、防水パンPの低壁部Pbと脚部12の下端との間に形成された隙間G(図1参照)を塞ぐ。何れかの形態の垂下遮閉壁は、高さ方向及び幅方向のサイズが調整されており、防水パンPの隙間Gの範囲に延在する。これにより、洗濯機1の底部10aの外部から、底部10aの下方や開口部12eから手を入れることができない、又はできくにいようになっている。例えば、図9に示されるように、隙間Gの高さに合わせた第1垂下遮閉壁30Aにより、矢印で示される侵入ルートでの手などの侵入が防止される。
【0051】
本実施形態の洗濯機1では、筐体11の内部に内槽16が収容される。内槽16内の回転体(回転翼17など)を回転させるための駆動ユニット18等が筐体11内に設けられる場合、脚部12の開口部12eから、人の手などが侵入可能な状況が生まれる。脚部12に設けられた遮閉壁30は、少なくとも1つの屈曲部40における屈曲により、脚部12の下方に延在する。これにより、洗濯機1の底部10aの外周に存在する隙間G、すなわち手などの侵入ルート(侵入可能領域)を遮閉できる。脚部12に予め設けた遮閉壁30を展開(屈曲)させるだけで遮蔽が可能なため、据付け時(設置時)の作業に要する手間は少ない。よって、底部10aの外周に存在する隙間Gを簡便に塞ぐことが可能となる。特に、従来の底板方式では、洗濯機の据付け時に、本体の向きを調整したり、作業者が手を潜り込ませたりする必要があった。しかしながら本実施形態の洗濯機1における遮閉壁ユニット100のように、屈曲作業だけであれば、洗濯機1を据え付けた後にでも(縦向きのままで)、隙間Gから(当然ながら洗濯機1の停止中に)手を入れて遮閉壁30を掴んで屈曲させることができる。遮閉壁ユニット100は、脚部12に一体で成形されるため、成形の際の材料増加分のみの僅かなコストアップで製造可能である。また、開口部12eを塞ぐことがないので(開口部12eは下方に向けて開放されている)熱がこもりにくい。筐体11内部の各種部品への温度影響が少なく、品質面及び性能面の双方において優位である。また現行の洗濯機の脚部12のみを一部変更するだけで遮閉壁ユニット100を備えることができ、外観性への影響が少ない。
【0052】
洗濯機1は、脚部12に対して第1板部31を脚部12の下方に延在させるように屈曲可能な基端屈曲部41を含む。第1板部31を基端屈曲部41で屈曲させることにより、第1板部31により上記侵入ルートを容易に遮閉できる。例えば、屈曲前には、第1板部31を収納しておき(収納位置P1等)、洗濯機1の輸送時に邪魔にならないように配置しておくこともできる。
【0053】
屈曲部40は、第1板部31と第2板部32との間の位置に形成されて、第1板部31に対して第2板部32が折りたたまれるように屈曲可能な中間屈曲部42aを含む。第2板部32を中間屈曲部42aで屈曲させることにより、高さ方向における遮閉壁30のサイズ調整が可能となる。例えば、防水パンP(又は洗濯パン)の嵩上げ高さには各種のタイプが存在し得るため、隙間Gの高さ方向の大きさも変わり得るが、遮閉壁30の高さ方向のサイズ調整により、遮閉壁30を隙間Gの大きさに適合させやすい。なお、上記した第1垂下遮閉壁30A、第2垂下遮閉壁30B、及び第3垂下遮閉壁30C以外にも、設計によっては他の各種屈曲形態を実現できる。
【0054】
屈曲部40は、中央壁35と一対の端部壁36,36との間の位置(幅調整用屈曲ラインL4)に形成されて、中央壁35に対して一対の端部壁36,36が折りたたまれるように屈曲可能な一対の幅調整用屈曲部44を含む。一対の端部壁36,36の両方又は何れか一方を幅調整用屈曲部44で屈曲させることにより、幅方向(辺部に沿った方向)における遮閉壁30のサイズ調整が可能となる。防水パンPにおいて、隙間Gの幅方向の大きさも変わり得る。遮閉壁30の幅方向のサイズ調整により、遮閉壁30を隙間Gの大きさに適合させやすい。なお、上記した幅縮小垂下遮閉壁30W以外にも、設計によっては他の各種屈曲形態を実現できる。
【0055】
脚部12には、遮閉壁30を展開位置P2において固定するための係合爪50aが設けられている。これにより、遮閉壁30の垂下状態を保持できる。子供の手などが遮閉壁30に当たっても、遮閉状態が維持され、より安全性が高められる。
【0056】
各屈曲部40は、屈曲ラインに沿って延びるように板状部材に設けられた薄肉部により構成されている。これにより、遮閉壁30に1つ又は複数の屈曲部40を容易に形成でき、部品の製造コストを低減できる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、遮閉壁30は、脚部12のうち何れか1つ、2つ又は3つの辺部のみに沿って、1枚、2枚又は3枚のみ設けられてもよい。要は、洗濯機1の設置状況(防水パンPの形状等)に応じて、隙間Gが生じる可能性のある部分にのみ、遮閉壁30が設けられてもよい。例えば、最初から前面部21に対応する遮閉壁30のみが展開位置P2に展開可能な構成とされてもよいし、遮閉壁ユニット100が、展開可能(屈曲可能)な4枚の遮閉壁30を備えるが、設置時に、前面部21に対応する(前面部21に沿って設けられた)遮閉壁30のみを展開(屈曲)させて下方に突出させてもよい。このように、遮閉壁ユニット100の使用方法として、複数の遮閉壁30のうち必要な遮閉壁30のみを選択的に展開して展開位置P2に位置させることもできる。
【0058】
中間屈曲部42aが省略されてもよい。屈曲部40として、基端屈曲部41のみを含んだ遮閉壁30であってもよい。その場合は、遮閉壁30の高さ方向の大きさが予め所望のサイズに定められていてもよい。
【0059】
遮閉壁30を展開位置P2で固定するための固定部は係合爪50aに限られず、他の嵌合構造等によって固定部が実現されてもよい。固定部が、遮閉壁30に設けられてもよい。
【0060】
遮閉壁30(遮閉壁ユニット100)が、下端壁部50に一体的に設けられる構成に限られず、元々別体に作製された遮閉壁30(遮閉壁ユニット100)が、下端壁部50に取り付けられてもよい。
【0061】
本発明は、縦型洗濯機に限られず、底部10aに開口部12eを有するあらゆる種類の洗濯機に適用されてもよい。本発明が、ドラム式洗濯機に適用されてもよい。また本発明が、防水パンP上に設置された洗濯機に限られず、パン類とは別のブロック等の物体上に設置された洗濯機に適用されてもよい。洗濯機が嵩上げされ、洗濯機の底部(下部)の外周に隙間が存在するあらゆる状況において、本発明が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…洗濯機、10a…底部、11…筐体、12…脚部、12e…開口部、15…外槽、16…内槽(洗濯槽)、17…回転翼、18…駆動ユニット、21…前面部、22…後面部、23…右側面部、24…左側面部、30…遮閉壁、31…第1板部、32…第2板部、32a…基部、32b…先端部、35…中央壁、36…端部壁、40…屈曲部、41…基端屈曲部、42a…中間屈曲部、42b…先端側中間屈曲部、50…下端壁部、50a…係合爪(固定部)、100…遮閉壁ユニット、G…隙間、L1…第1屈曲ライン、L2a…中間屈曲ライン、L2b…先端側中間屈曲ライン、P…防水パン、P1…収納位置、P2…展開位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10