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  • 特開-電池製造装置および電池の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107937
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】電池製造装置および電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0585 20100101AFI20240802BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALI20240802BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M10/0566
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012141
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】519100310
【氏名又は名称】APB株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀江 英明
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑弥
(72)【発明者】
【氏名】下田 茉優
(72)【発明者】
【氏名】島田 昌典
【テーマコード(参考)】
5H029
【Fターム(参考)】
5H029AJ14
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029BJ12
5H029CJ04
5H029CJ22
5H029CJ28
5H029CJ30
(57)【要約】
【課題】積層型非水電解質二次電池の製造装置を提供する。
【解決手段】基材に電極活物質を含む電極組成物を供給して形成された電極体に電解液を塗布する塗布部と、前記電解液が塗布された電極体にセパレータを貼合する貼合部と、を備え、前記貼合部は位置合わせ機能を有し、前記位置合わせ機能は画像処理により行われる電池製造装置を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池製造装置であって、
基材に電極活物質を含む電極組成物を供給して形成された電極体に電解液を塗布する塗布部と、
前記電解液が塗布された電極体にセパレータを貼合する貼合部と、
を備え、
前記貼合部は位置合わせ機能を有し、前記位置合わせ機能は画像処理により行われる電池製造装置。
【請求項2】
前記塗布部は、前記電解液の温度調整を行う温度調整部と、前記電解液を塗布するノズルとを備え、前記電解液を塗布する前の電極体の重量から前記電解液を塗布する量を算出し、前記ノズルから塗布させるシステム部をさらに有する請求項1に記載の電池製造装置。
【請求項3】
前記貼合部は前記セパレータを保持し、前記セパレータを前記電解液が塗布された電極体に貼合させる支持体を備え、前記支持体の表面はガス配管と流体連通する孔を備えた多孔質体で形成され、前記支持体が前記セパレータを保持する際には前記ガス配管に負圧がかけられ、前記セパレータと接する前記支持体表面はバッファ層を有し、前記バッファ層は前記セパレータが前記電解液が塗布された電極体と接触貼合する際に、前記電解液が塗布された電極体から前記電解液が前記ガス配管に進入するのを防ぐ、請求項1に記載の電池製造装置。
【請求項4】
前記貼合部は前記セパレータを保持し、前記セパレータを前記電解液が塗布された電極体に貼合させる支持体を備え、前記支持体の表面はガス配管と流体連通する孔を備えた多孔質体で形成され、前記支持体が前記セパレータを保持する際には前記ガス配管に負圧がかけられ、前記セパレータが前記電解液が塗布された電極体と非接触貼合する際には、前記ガス配管から前記孔を通ってガスが放出される、請求項1に記載の電池製造装置。
【請求項5】
前記貼合部は、静電気除去部をさらに備える、請求項1に記載の電池製造装置。
【請求項6】
電池の製造方法であって、
基材に電極活物質を含む電極組成物を供給し、電極体を形成する工程と、
前記電極体に電解液を塗布する工程と、
前記電極体を覆う大きさにセパレータを裁断する工程と、
前記裁断されたセパレータを前記電解液が塗布された電極体上に搬送し、画像処理により位置合わせを行い、前記電解液が塗布された電極体表面に貼合させる工程と、を含む電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池製造装置に関し、詳細には積層型非水電解質二次電池の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大型化、高容量、及び高エネルギー密度のリチウムイオン電池として、シート状の電極を積層する積層型二次電池が着目されている(特許文献1等参照)。
【0003】
積層型二次電池は一般に、シート状電極間にセパレータを挟持して電極間の短絡を防止し、それをフィルム外装体で覆った後、開口部より電極体とセパレータに電解液を含浸させ、フィルム外装体をシーリングして形成される。
【0004】
しかし、電極体とセパレータとを積層したのちに電解液を含浸させる場合、電極体とセパレータの界面状態や電極体への電解液の含浸状態が外部からの目視では分からないという問題がある。
【0005】
また、近年、二次電池の電池容量を向上させるため、セパレータが薄膜化されている(特許文献2等参照)。そのため、セパレータが変形しやすく、電解液の含浸時に折れやしわなどの変形を生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-174074号公報
【特許文献2】国際公開第2015/190265号
【特許文献3】特開2017-054703号公報
【特許文献4】特開平10-255805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらを鑑み、本発明は、電解液含浸後の電極の界面状態を目視により確認できる、電池製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る一実施態様の電池製造装置は、基材に電極活物質を含む電極組成物を供給して形成された電極体に電解液を塗布する塗布部と、前記電解液が塗布された電極体にセパレータを貼合する貼合部と、を備え、前記貼合部は位置合わせ機能を有し、前記位置合わせ機能は画像処理により行われる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は電解液含浸後の電極の界面状態を目視により確認でき、電池特性の優れた電池を製造できる電池製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る電池製造装置が用いられる電池の製造工程を表すフローである。
図2図1に記載の工程A~Eを表す模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電池製造装置におけるセパレータを載置する工程を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、本発明を具体的に実現した形態を例示するものである。よって、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって、以下に説明される実施形態の構成は適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
1.電池製造工程
図1は、本発明の一実施形態に係る電池製造装置が用いられる電池の製造工程を表すフローである。従来の製造工程とは異なり、本実施形態では、電極体が供給された後(工程A)、電極体表面に電解液が塗布され(工程B)、電解液が塗布された電極体にセパレータが貼合される(工程C)。次いで、セパレータが貼合された電極体をもう一方の電極体に貼合し(工程D)、得られた貼合体を封止して単セルを作成し(工程E)、さらに得られた単セルを積層し(工程F)、パッケージングして積層型非水電解質二次電池を製造する(工程G)。本発明の一実施形態に係る電池製造装置は、基材10に電極活物質を含む電極組成物を供給して形成された電極体20に電解液25を塗布し、工程Bを行う塗布部300と、電解液25が塗布された電極体20にセパレータ30を貼合する工程Cを行う貼合部400と、を備える。
【0013】
図2は、工程A~Eを表す模式図である。図2および図3では、本実施形態の各工程での電池製造装置の機構を説明するための方向軸として、X軸、Y軸、及びZ軸が適宜用いられる。X軸は搬送治具100および支持体410ならびに第2の支持体610の移動方向に沿った軸であり、後述する帯状セパレータの裁断時における長手方向に該当する。Y軸はX軸と水平面上で直行する軸であり、帯状セパレータの短手方向に該当し、図面を画定する平面から垂直方向に突出する方向である。Z軸はX軸及びY軸と直交する鉛直軸であって、被積層対象であるセパレータ30の積層方向に等しい。
【0014】
図2(a)は、電極供給部200から電極活物質を含む電極組成物を基材10に供給し、電極体20を形成する工程を示す。本発明の一実施形態において、電極体20は電極活物質層を有し、基材10は、集電体と、枠体と、を有する。電極活物質層と集電体とは、セパレータ30側からこの順に並ぶ。枠体は、電極活物質層の周囲を囲む。
【0015】
本発明の一実施形態において、電極体20は電極活物質層を有し、基材10は、集電体と、枠体と、を有する。電極活物質層と集電体とは、セパレータ30側からこの順に並ぶ。枠体は、電極活物質層の周囲を囲む。
【0016】
枠体は、集電体同士の接触や単セルの端部における短絡を防止する。枠体を構成する材料としては、絶縁性、シール性(液密性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよく、樹脂材料が好適に採用される。
【0017】
図2(a)のようにして基材10上に形成された電極体20は、搬送治具100とともにローラ150などの移送手段により、電解液塗布工程(工程B)へと移送される。電極供給部200と、後述する塗布部300は同一装置内に設けられていてもよく、また別々の装置であってもよい。
【0018】
図2(b)は、工程Aで得られた電極体20の表面に電解液25を塗布する工程を示す。本発明の一実施形態において、上述したように、電池製造装置は塗布部300を備える。電解液25を塗布する方法は、電極体20表面を破壊するものでなければ、任意の方法を用いることができる。例えば、ノズル310により、電解液25を電極体20表面に噴霧してもよい。
【0019】
電解液としては、公知の非水電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等の無機酸のリチウム塩、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22及びLiC(CF3SO23等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPF6である。
【0020】
溶媒としては、公知の非水電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
【0021】
他の実施形態において、塗布部300は、電解液25の温度調整を行う温度調整部(不図示)と、電解液25を塗布するノズル310とを備え、電解液25を塗布する前の電極体20の重量から電解液25を塗布する量を算出し、ノズル310から塗布させるシステム部(不図示)をさらに有してもよい。電解液25を加温し、粘性を低下させることで、電極体20表面上に塗布した後の電解液25の電極体20への含浸速度を向上させることができ、エージングを促進することができる。本明細書において「エージング」とは、電極体20に塗布された電解液25の液だまり(液滴)が、電極体20に含浸し、電極体20表面上に目視できなくなることをいう。電解液25を電極体20上に塗布した後、十分にエージングすることで、電極体20表面の液だまりが抑制され、後述するセパレータ貼合の際にセパレータの不要なサイズ変化や、空気の混入を抑制し、安定した貼合を行うことができる。
【0022】
さらに他の実施形態において、塗布部300は、電解液25が塗布された電極体20を貼合部400まで搬送する搬送部(不図示)をさらに備えてもよい。搬送部により、電解液25が塗布された電極体20はノズル310から貼合部400まで任意の速度で搬送することができ、搬送中に電極体20のエージングを行うことができる。搬送部はさらに搬送速度可変機能を有してもよく、搬送部の速度を電解液25の温度や量により調整してもよい。搬送部の速度を調整することで、セパレータ貼合工程前に電解液25を塗布した電極体20のエージングを終了させ、無駄な待機時間を生じさせずに、電池製造装置を稼働させることができる。
【0023】
図2(c)は、工程Bにより電解液25を塗布された電極体20に、セパレータ30を貼合する工程を示す。上述したように、電池製造装置は塗布部300のほか、貼合部400を備え、好ましくは搬送部(不図示)により塗布部300から電解液25が塗布された電極体20が貼合部400まで搬送される。
【0024】
図3は、貼合部400におけるセパレータを載置する工程を表す模式図である。
【0025】
図3(a)は、セパレータ裁断部600において、帯状セパレータがガイドローラ620を経て第2の支持体610に載置され、カッター630で所定の寸法で裁断される工程を示す。セパレータ30は製造される電池の性能に関与するため、電解液含浸によりイオン透過性を有し、電気絶縁性、耐電解液性、耐酸化性に優れた材料で形成されていることが好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂、およびこれらの混合物を用いることができる、また本実施形態において、セパレータ30の厚さは電極間を適切に短絡防止できるのであれば任意の厚さであってもよい。例えば、20μm以下の厚さのフィルムをセパレータ30として用いることができる。好ましくは8~20μmのセパレータ30を用いることができる。
【0026】
次いで、裁断されたセパレータ30は、第2の支持体610から、支持体410に移送される(図3(b)参照)。支持体410は、複数の空気孔が設けられた多孔質体で形成される。空気孔の下端は支持体410の表面に露出され、上端はガス配管(図示せず)に接続される。ガス配管には負圧(Vac)及び静圧(Prs)のガスが供給される。
【0027】
第2の支持体610上の裁断されたセパレータ30と支持体410の表面とが相対する位置に移動した後、支持体410はZ軸方向に降下し、裁断されたセパレータ30と接触する(不図示)。次いで、支持体410のガス配管に負圧を掛けながら、第2の支持体610のセパレータ保持機構を解除し、裁断されたセパレータ30を支持体410表面に保持する。第2の支持体610は、支持体410と同様に負圧を利用したセパレータ保持機構を有してもよい。
【0028】
次いで、裁断されたセパレータ30を保持した支持体410をX軸方向に移動させ、搬送治具100上に載置された基材10に形成された電極体20に相対させる(図3(c)参照)。電極体20は正極であっても、負極であっても、どちらでもよい。このとき、オペレータは電極体20の界面の状態を観察することができる。観察は目視によるものでも、カメラ(不図示)によるものでもよい。
【0029】
次いで電極体20と裁断されたセパレータ30の位置合わせを行い、電極体20上に裁断されたセパレータ30を貼合する(図3(d)参照)。貼合部400は電極体20と裁断されたセパレータ30の位置合わせ機構をさらに有してもよく、位置合わせは画像処理により行われてもよい。貼合部400は、アライメントカメラ(図示せず)を備えてもよい。
【0030】
裁断されたセパレータ30の貼合は、電極体20に裁断されたセパレータ30を接触させた後、支持体410のガス配管の負圧を解除して行ってもよい。好ましくは、セパレータ30と接する前記支持体410表面はバッファ層(不図示)を有する。バッファ層により、セパレータ30が電解液25が塗布された電極体20と接触貼合する際に、電解液25が塗布された電極体20から電解液25が支持体410表面の孔を通って、ガス配管に進入するのを防ぐことができる。貼合させる際にさらにガス配管に静圧をかけて、支持体410からの離脱を促進し、貼合を行ってもよい。
【0031】
また、電極体20の近距離に裁断されたセパレータ30を配置し、支持体410のガス配管を負圧から静圧にし、ガス配管から支持体410表面の孔を通ってガスを放出して、裁断されたセパレータ30を電極体20に貼合してもよい。このような非接触貼合の場合には支持体410が電極体20表面に接触せず、支持体410に電解液25を含浸させずに貼合を行うことができる。
【0032】
貼合部400は、静電気除去部をさらに備えてもよい。静電除去部にはイオナイザーなどを用いることができる。静電除去部により、貼合時のセパレータ30のめくれ上がりが抑制されうる。
【0033】
このようにして得られた第1の貼合体(図3(e))では、セパレータ30の状態を観察することができる。観察は目視によるものでも、カメラ(不図示)によるものでもよい。
【0034】
さらに、電解液25を塗布した電極体20に貼合された薄膜状のセパレータ30は、電極体20表面に液接着されるため、貼合後のセパレータ30のずれやはがれを抑制することができる。そのため、第1の貼合体は、セパレータ30が最下面となるように搬送治具100を反転させた場合でも、セパレータ30のはがれを抑制できる。
【0035】
図2(d)は、反転させた第1の貼合体を、別の電極体21と貼合させる工程を示す。電極体21は電極体20とは反対の符号の電極体となる。上述のようにセパレータ30の状態を第2貼合工程前に観察できるため、あらかじめ不適切な第1貼合体を除去したり、また、電池特性の予想をしてもよい。また、適切な位置合わせを行うことで、単セル内での短絡を適切に防止できる。
【0036】
図2(e)は、得られた第2貼合体を封止部500により封止して単セルを作成する工程を示す。これらのようにして得られた単セルを、積層し、パッケージングして、積層型非水電解質二次電池を形成することができる。
【0037】
このように、電極体20および21ならびにセパレータ30の状態を貼合工程前に観察できるため、あらかじめ不適切な電極体や第1の貼合体を除去したり、また、電池特性の予想をすることができる。また、適切な位置合わせを行うことで、単セル内での短絡を適切に防止できる。したがって、本発明は電解液含浸後の電極の界面状態を目視により確認でき、電池特性の優れた電池を製造できる電池製造装置を提供することができる。
【0038】
<実施形態のまとめ>
次に、以上説明した実施形態における符号などを援用して、本件発明を構成する発明特
定事項を連記する。なお、下記の各符号などは、特許請求の範囲における構成要素を実施
形態の記載を援用して説明するに過ぎず、その構成要素を具体的な部材等に限定するもの
ではないことは言うまでもない。
【0039】
「1」 電池製造装置であって、
基材に電極活物質を含む電極組成物を供給して形成された電極体に電解液を塗布する塗布部と、
前記電解液が塗布された電極体にセパレータを貼合する貼合部と、
を備え、
前記貼合部は位置合わせ機能を有し、前記位置合わせ機能は画像処理により行われる電池製造装置。
【0040】
「2」 前記塗布部は、前記電解液の温度調整を行う温度調整部と、前記電解液を塗布するノズルとを備え、前記電解液を塗布する前の電極体の重量から前記電解液を塗布する量を算出し、前記ノズルから塗布させるシステム部をさらに有する「1」に記載の電池製造装置。
【0041】
「3」 前記貼合部は前記セパレータを保持し、前記セパレータを前記電解液が塗布された電極体に貼合させる支持体を備え、前記支持体の表面はガス配管と流体連通する孔を備えた多孔質体で形成され、前記支持体が前記セパレータを保持する際には前記ガス配管に負圧がかけられ、前記セパレータと接する前記支持体表面はバッファ層を有し、前記バッファ層は前記セパレータが前記電解液が塗布された電極体と接触貼合する際に、前記電解液が塗布された電極体から前記電解液が前記ガス配管に進入するのを防ぐ、「1」または「2」に記載の電池製造装置。
【0042】
「4」 前記貼合部は前記セパレータを保持し、前記セパレータを前記電解液が塗布された電極体に貼合させる支持体を備え、前記支持体の表面はガス配管と流体連通する孔を備えた多孔質体で形成され、前記支持体が前記セパレータを保持する際には前記ガス配管に負圧がかけられ、前記セパレータが前記電解液が塗布された電極体と非接触貼合する際には、前記ガス配管から前記孔を通ってガスが放出される、「1」~「3」のいずれか一つに記載の電池製造装置。
【0043】
「5」 前記貼合部は、静電気除去部をさらに備える、「1」~「4」のいずれか一つに記載の電池製造装置。
【0044】
「6」 電池の製造方法であって、
基材に電極活物質を含む電極組成物を供給し、電極体を形成する工程と、
前記電極体に電解液を塗布する工程と、
前記電極体を覆う大きさにセパレータを裁断する工程と、
前記裁断されたセパレータを前記電解液が塗布された電極体上に搬送し、画像処理により位置合わせを行い、前記電解液が塗布された電極体表面に貼合させる工程と、を含む電池の製造方法。
【0045】
以上に、本発明の実施形態およびその変形例を説明したが、実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0046】
10 基材
11 基材
20 電極体
21 電極体
25 電解液
30 セパレータ
100 搬送治具
110 搬送治具
150 ローラ
200 電極供給部
300 塗布部
310 ノズル
400 貼合部
410 支持体
500 封止部
600 セパレータ裁断部
610 第2の支持体
620 ガイドローラ
630 カッター
図1
図2
図3