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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107946
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】フェンス用継手
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
E04H17/16 102Z
E04H17/16 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012156
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】矢野 凌佑
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142CC04
2E142CC12
2E142HH01
2E142HH12
2E142HH22
2E142HH25
2E142LL02
(57)【要約】
【課題】パネルの支柱への取り付け及び取り外し作業をパネルの片側から容易に行うことができ、かつ、胴縁の形状にかかわらずパネルを支柱に取り付けることのできるフェンス用継手を提供する。
【解決手段】縦線材と横線材とが格子状に溶接されることによって形成され、折り曲げた前記縦線材の端部の外側に前記横線材を溶接することによって形成された胴縁を備えるパネルを、支柱に固定するためのフェンス用継手において、前記支柱と当接する固定部と、前記固定部からフェンスの幅方向に延出する側片部とを備え、前記側片部は、前記胴縁の下側を支持し、前記縦線材を挿入するスリットを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦線材と横線材とが格子状に溶接されることによって形成され、折り曲げた前記縦線材の端部の外側に前記横線材を溶接することによって形成された胴縁を備えるパネルを、支柱に固定するためのフェンス用継手において、
前記支柱と当接する固定部と、前記固定部からフェンスの幅方向に延出する側片部とを備え、
前記側片部は、前記胴縁の下側を支持し、前記縦線材を挿入するスリットを備えることを特徴とするフェンス用継手。
【請求項2】
請求項1に記載するフェンス用継手において、
前記スリットは、開口部が開くように形成されるテーパ部を有することを特徴とするフェンス用継手。
【請求項3】
請求項1に記載するフェンス用継手において、
前記側片部は、前記スリットが開口する側の端部にストッパ部を有することを特徴とするフェンス用継手。
【請求項4】
請求項1に記載するフェンス用継手において、
前記側片部は、前記胴縁に沿って弧状に湾曲することを特徴とするフェンス用継手。
【請求項5】
請求項1に記載するフェンス用継手において、
前記固定部は、奥行方向に延びる長孔を備えることを特徴とするフェンス用継手。
【請求項6】
請求項1に記載するフェンス用継手において、
前記固定部は、前記支柱の側面に沿って弧状に湾曲することを特徴とするフェンス用継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷地境界部に沿って構築されるフェンスに用いられるフェンス用継手であって、特に、メッシュフェンス用パネルを支柱に固定するためのフェンス用継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、敷地境界部に沿って構築されるメッシュフェンスは、鉄線からなる縦線材と横線材とを格子状に溶接したものからなるパネルを、フェンス用継手を介して、間隔を空けて地面に立設される複数の支柱の間にかけ渡すことにより構成される。
【0003】
例えば、特許文献1には、パネルの上下端部に設けられた胴縁に、継手の挿入部を挿入してパネルを支柱に固定する構造について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-143511号公報
【0005】
ここで、従来のフェンス用継手の一例を、図面を参照しながら説明する。以下、この従来のフェンス用継手を従来継手という。
【0006】
図20は、従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す正面図、図21は、従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す平面図、図22は、従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す側面図である。
【0007】
図20から図22において、パネル11は、縦線材12と横線材13とを格子状に配設しそれぞれの交点が溶接されたものからなる。パネル11の胴縁14は、リング状に折り曲げられた縦線材12の上端の外側に横線材13を溶接することによって形成されている。なお、図示の胴縁は、上胴縁を示す。
【0008】
パネル11は、丸パイプからなる支柱16に従来継手15を介して固定される。従来継手15は、胴縁14内に挿入される挿入部17と、支柱16に固定される固定部18とを備える。挿入部17には、挿入部17の一部をプレスにより打ち抜くことによって、後述するねじ23の螺合部19が形成され、固定部18には、ボルト孔21が形成されている。
【0009】
このように構成されている従来継手15によりパネル11を支柱16に固定するには、従来継手15の挿入部17をパネル11の胴縁14に挿入し、固定金具22を胴縁14に当てがい、ねじ23を固定金具22を通して挿入部17の螺合部19にねじ込む。
【0010】
このようにして、従来継手15を左右のパネル11の胴縁14に固定したら、ボルト24を一方の従来継手15の固定部18のボルト孔21から支柱16を通して他方の従来継手15の固定部18のボルト孔21に通し、ナット25を締める。これによって、パネル11は、従来継手15により支柱16に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、従来継手15によれば、パネル11を支柱16に固定することはできるが、左右のパネル11に固定された従来継手15をボルト24及びナット25によって支柱16に取り付ける工程は、パネル11の両側からの作業が必要となり、二人以上での作業が求められていた。
【0012】
また、左右に位置する2つのパネル11が一本のボルト24によって固定されているため、メンテナンス等において、一度取り付けたパネル11を取り外す場合には、左右のパネル11の従来継手15を同時に取り外さなければならない。また、このとき、取り外す必要のないパネル11が倒れることのないように支える必要がある。このように、フェンス全体の一部のパネル11のみを取り外す際に、作業工程が煩雑になるという課題があった。
【0013】
また、従来継手15は挿入部17をパネル11の胴縁14に挿入する構造であるため、使用されるパネル11によって胴縁14の形状が異なる場合、それぞれの胴縁14の形状に合わせた複数の種類の従来継手15が必要となり、製造コストの増加や、部品管理が煩雑になるという課題があった。
【0014】
そこで、本発明は上記の事項に鑑みてなされたものであり、パネルの支柱への取り付け及び取り外し作業をパネルの片側から容易に行うことができ、かつ、胴縁の形状にかかわらずパネルを支柱に取り付けることのできるフェンス用継手を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、上記課題を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0016】
本発明に係るフェンス用継手は、縦線材と横線材とが格子状に溶接されることによって形成され、折り曲げた前記縦線材の端部の外側に前記横線材を溶接することによって形成された胴縁を備えるパネルを、支柱に固定するためのフェンス用継手において、前記支柱と当接する固定部と、前記固定部からフェンスの幅方向に延出する側片部とを備え、前記側片部は、前記胴縁の下側を支持し、前記縦線材を挿入するスリットを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るフェンス用継手において、前記スリットは、開口部が開くように形成されるテーパ部を有すると好適である。
【0018】
本発明に係るフェンス用継手において、前記側片部は、前記スリットが開口する側の端部にストッパ部を有すると好適である。
【0019】
本発明に係るフェンス用継手において、前記側片部は、前記胴縁に沿って弧状に湾曲すると好適である。
【0020】
本発明に係るフェンス用継手において、前記固定部は、奥行方向に延びる長孔を備えると好適である。
【0021】
本発明に係るフェンス用継手において、前記固定部は、前記支柱の側面に沿って弧状に湾曲すると好適である。
【0022】
上記発明の概要は、本発明に必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、パネルの支柱への取り付け及び取り外し作業をパネルの片側から容易に行うことができ、かつ、胴縁の形状にかかわらずパネルを支柱に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図
図2図1のA-A断面図
図3】本発明の第1の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図
図4】本発明のフェンス用継手への胴縁の固定方法の一形態を示す斜視図
図5】本発明の第2の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図
図6】本発明の第2の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図
図7】本発明の第2の実施形態に係るフェンス用継手を示す平面図
図8】本発明の第3の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図
図9図8のB-B断面図
図10】本発明の第3の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図
図11】本発明の第4の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図
図12図11のC-C断面図
図13】本発明の第4の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図
図14】本発明の第5の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図
図15図14のD-D断面図
図16】本発明の第5の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図
図17】本発明の第6の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図
図18】本発明の第6の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す平面図
図19】本発明の第6の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図
図20】従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す正面図
図21】従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す平面図
図22】従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0026】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図、図2は、図1のA-A断面図、図3は、本発明の第1の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図、図4は、本発明のフェンス用継手への胴縁の固定方法の一形態を示す斜視図である。なお、本明細書において、奥行方向における手前側及び奥側とは、図1に示す矢印の方向と向きと定義する。また、本明細書において、フェンスの幅方向とは、図1に示す矢印の方向と定義する。
【0027】
本実施形態に係るフェンス用継手1aは、図1に示すように、支柱16に取り付けられ、パネル11を支柱16に固定する。
【0028】
支柱16は、一例として、丸パイプ状の鋼管が用いられ、下端部をモルタル等の基礎に埋没して地面に立設される。また、支柱16は、敷地境界部に沿って離間して複数設置される。また、支柱16の上部には、フェンス用継手を固定するためのボルト24を通す貫通孔が設けられている。なお、支柱16は、丸パイプ状の鋼管に限らず、断面形状が多角形のパイプでもよく、ステンレス合金やアルミニウム合金等の金属を用いたものであっても構わない。また、支柱16の立設方法についても、モルタル等の基礎に埋没するものに限らず、支柱16を土面に直接打設する方法や、コンクリート面等の上にベースプレートを設置して立設する方法等、既知の方法によって立設しても構わない。
【0029】
パネル11は、従来の実施形態と同様に、複数の縦線材12と複数の横線材13とが格子状に配設される。縦線材12及び横線材13は、一例として、鉄線からなり、格子状に配設したそれぞれの交点が溶接により接続される。なお、縦線材12及び横線材13には、錆等による腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0030】
パネル11の胴縁14は、一例として、リング状に折り曲げられた縦線材12の端部の外側に横線材13を溶接することによって形成される。なお、胴縁14として折り曲げられる縦線材12の端部の形状は、リング状に限らず適宜設定されてもよく、例えば、矩形等の形状であっても構わない。なお、図1に示す胴縁14は、パネル11の上部の胴縁14を示すものである。
【0031】
フェンス用継手1aは、敷地境界部に沿って離間して設置される複数の支柱16にそれぞれ取り付けられ、パネル11の左右両端部を支柱16に固定することで、必要とする幅方向の長さの一続きのフェンスを構築することができる。
【0032】
フェンス用継手1aは、図1及び図3に示すように、略L字形の部材であって、支柱16の側面に当接する固定部2と、固定部2からフェンスの幅方向外側に延出する側片部3を備える。フェンス用継手1aは、一例として鋼板を屈曲して形成されたものからなり、錆などによる腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0033】
固定部2は、平面に形成され、略中央部にボルト孔4を備える。ボルト孔4は、ボルト24のボルト径よりも大きな円形の貫通孔であると好適である。
【0034】
側片部3は、図1及び図3に示すように、固定部2の上端部からフェンスの幅方向外側に延出する平面に形成され、固定部2と略直角となるように形成される。側片部3には、胴縁14を固定するために用いられる複数のボルト孔5と、縦線材12を挿入するスリット6が形成される。
【0035】
ボルト孔5は、固定部2から離れた側片部3の端部に位置し、フェンスの奥行方向に複数並んで配置される。
【0036】
スリット6は、幅寸法が縦線材12の線径よりも大きく形成され、パネル11の取付け状態において縦線材12が挿入される。スリット6は、固定部2とボルト孔5との間に配置され、フェンスの奥行方向手前側に開口する。また、スリット6の端部は側片部3の奥行方向略中央に位置するように形成される。
【0037】
次に、このようなフェンス用継手1aを用いて、パネル11を支柱16に取り付ける方法について説明を行う。
【0038】
先ず、図1に示すように、支柱16に対して左右いずれか一方のフェンス用継手1aの固定部2を支柱16に当接させ、ワッシャーを通したボルト24を固定部2のボルト孔4に通し、支柱16の貫通孔を貫通させる。その後、支柱16の貫通孔から突出したボルト24に他方のフェンス用継手1aのボルト孔4を通し、ワッシャーを通した後ナット25を締め付ける。このようにして、支柱16の左右にフェンス用継手1aが固定される。
【0039】
次に、パネル11の縦線材12をスリット6に挿入し、胴縁14を側片部3に載置する。このとき、スリット6がフェンスの奥行方向手前側から奥行方向略中央まで形成されているため、図2に示すように、パネル11の奥行方向の位置を支柱16の径方向中心と揃うように取付けることができる。また、あらかじめ形成されているスリット6に沿ってパネル11を配置することができるため、パネル11と支柱16との間隔を適切に保つことができ、施工後の外観が優れたフェンスを構築することができる。
【0040】
次に、胴縁14を側片部3に固定する。胴縁14の固定方法は、一例として、図4に示すように、フェンスの奥行方向に湾曲して弧状に形成される押さえ金具30と側片部3とで胴縁14を挟持することによって固定される。押さえ金具30は、胴縁14の外側に位置する横線材13に沿うように湾曲され、フェンスの奥行方向に沿った長孔31を備える。押さえ金具30は、ボルト32によって側片部3に組み付けられ、ボルト32は、胴縁14の外側に位置する横線材13と干渉しない角度で、押さえ金具30の長孔31及び側片部3のボルト孔5を貫通する。なお、押さえ金具30には、胴縁14からのずれ落ち防止のために、奥行方向の略中央部に横線材13を嵌め込むような溝や、横線材13をまたぐような屈曲を施しても構わない。
【0041】
このように、本実施形態のフェンス用継手1aによれば、パネル11の取り付け及び取り外しをパネル11の片側から行うことができる。また、縦線材12をスリット6へ挿入することで、容易にパネル11の奥行方向の位置を決定することができる。また、胴縁14を側片部3に固定する際に、胴縁14を側片部3に載置した状態で作業をすることができるため、作業者は一人でパネル11の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0042】
[第2の実施形態]
以上説明した第1の実施形態に係るフェンス用継手1aは、スリット6がフェンスの奥行方向手前側から略中央まで延び、パネル11の奥行方向の位置を容易に決定することができるフェンス用継手1aであることについて説明を行った。次に説明する第2の実施形態に係るフェンス用継手1bは、第1の実施形態と異なる形態を有するフェンス用継手について説明を行う。なお、上述した第1の実施形態と同一または類似する部材については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0043】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図、図6は、本発明の第2の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図、図7は、本発明の第2の実施形態に係るフェンス用継手を示す平面図である。
【0044】
フェンス用継手1bは、図5及び図6に示すように、略L字形の部材であって、支柱16の側面に当接する固定部2と、固定部2からフェンスの幅方向外側に延出する側片部3bを備える。フェンス用継手1bは、一例として鋼板を屈曲して形成されたものからなり、錆などによる腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0045】
側片部3bは、図5及び図6に示すように、固定部2の上端部からフェンスの幅方向外側に延出する平面に形成され、固定部2と略直角となるように形成される。側片部3bには、胴縁14を固定するために用いられる複数のボルト孔5と、縦線材12を挿入するスリット6bが形成される。
【0046】
スリット6bは、幅寸法が縦線材12の線径よりも大きく形成され、パネル11の取付け状態において縦線材12が挿入される。スリット6bは、固定部2とボルト孔5との間に配置され、フェンスの奥行方向手前側に開口し、開口部が開くように形成されるテーパ部7を有する。また、スリット6bの端部は側片部3bの奥行方向略中央に位置するように形成される。
【0047】
テーパ部7は、図7に示すように、スリット6bの奥行方向の長さL1と同等の奥行方向の長さL2を有し、スリット6bの開口が広くなるように形成される。また、テーパ部7は、固定部2から離れた側に傾斜角度θ1の傾斜面と、固定部2に近い側に傾斜角度θ2の傾斜面を有する。傾斜角度θ1は、傾斜角度θ2よりも大きくなるように形成されると好適である。このようなテーパ部7によれば、後述するように、パネル11の側片部3bへの取付けを容易にすることが出来る。また、傾斜角度θ2を小さくすることで、テーパ部7の位置を固定部2から離すことができるため、固定部2を形成する際に、適切に曲げ加工を行うことができる。なお、スリット6bが固定部2に対して十分に離れている場合には、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2を同角度に形成しても構わない。
【0048】
次に、このようなフェンス用継手1bを用いて、パネル11を支柱16に取り付ける方法について説明を行う。
【0049】
先ず、第1の実施形態にて説明した方法と同様に、支柱16の左右にフェンス用継手1bを固定する。
【0050】
次に、パネル11の縦線材12をテーパ部7を通過させてスリット6bに挿入し、胴縁14を側片部3bに載置する。このとき、スリット6bの端部がフェンスの奥行方向略中央に位置するように形成されているため、パネル11の奥行方向の位置を支柱16の径方向中心と揃うように取付けることができる。
【0051】
このように、本実施形態のフェンス用継手1bによれば、パネル11の取り付け及び取り外しをパネル11の片側から行うことができる。また、縦線材12をスリット6bに挿入する際、開口部が開くように形成されたテーパ部7を通過させることで、よりスムーズに縦線材12をスリット6bに挿入することができる。また、縦線材12をスリット6bへ挿入することで、容易にパネル11の奥行方向の位置を決定することができる。また、胴縁14を側片部3bへ固定する際に、胴縁14を側片部3bに載置した状態で作業をすることができるため、作業者は一人でパネル11の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0052】
[第3の実施形態]
以上説明した第2の実施形態に係るフェンス用継手1bは、スリット6bの開口部にテーパ部7を有し、縦線材12のスリット6bへの挿入を容易にすることができるフェンス用継手1bであることについて説明を行った。次に説明する第3の実施形態に係るフェンス用継手1cは、第1及び第2の実施形態と異なる形態を有するフェンス用継手について説明を行う。なお、上述した第1及び第2の実施形態と同一または類似する部材については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0053】
図8は、本発明の第3の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図、図9は、図8のB-B断面図、図10は、本発明の第3の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図である。
【0054】
フェンス用継手1cは、図8及び図10に示すように、略L字形の部材であって、支柱16の側面に当接する固定部2と、固定部2からフェンスの幅方向外側に延出する側片部3cを備える。フェンス用継手1cは、一例として鋼板を屈曲して形成されたものからなり、錆などによる腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0055】
側片部3cは、図10に示すように、固定部2の上端部からフェンスの幅方向外側に延出する平面に形成され、固定部2と略直角となるように形成される。側片部3cには、胴縁14を固定するために用いられる複数のボルト孔5と、縦線材12を挿入するスリット6cと、パネル11の仮置き時の落下を防止するストッパ部8が形成される。
【0056】
ストッパ部8は、側片部3cの奥行方向手前の端部から斜め上方に立ち上がるように形成される。ストッパ部8の高さは、図9に示すように、横線材13の径寸法よりも十分に高く設定されると好適である。ストッパ部8は、図10に示すように、側片部3cの一部を屈曲して形成してもよく、側片部3cとは別の部品であって、側片部3cに溶接等によって取り付けても構わない。
【0057】
スリット6cは、幅寸法が縦線材12の線径よりも大きく形成され、パネル11の取付け状態において縦線材12が挿入される。スリット6cは、固定部2とボルト孔5との間に配置され、ストッパ部8の奥行方向手前側に開口する。また、スリット6の端部は側片部3cの奥行方向略中央に位置するように形成される。
【0058】
次に、このようなフェンス用継手1cを用いて、パネル11を支柱16に取り付ける方法について説明を行う。
【0059】
先ず、第1の実施形態にて説明した方法と同様に、支柱16の左右にフェンス用継手1cを固定する。
【0060】
次に、パネル11の縦線材12をスリット6cに挿入し、胴縁14を側片部3cに載置する。このとき、スリット6cの端部は、フェンスの奥行方向略中央に位置するように形成されているため、パネル11の奥行方向の位置を支柱16の径方向中心と揃うように取付けることができる。
【0061】
このように、本実施形態のフェンス用継手1cによれば、パネル11の取り付け及び取り外しをパネル11の片側から行うことができる。また、縦線材12をスリット6cへ挿入することで、容易にパネル11の奥行方向の位置を決定することができる。また、胴縁14を側片部3cへ固定する際に、胴縁14を側片部3cに載置した状態で作業をすることができるため、作業者は一人でパネル11の取り付け及び取り外しを行うことができる。また、スリット6cが開口する側片部3cの端部に設けられたストッパ部8により、胴縁14の横線材13を引掛けることができるため、仮置きしたパネル11が誤って落下するのを防止することができる。
【0062】
[第4の実施形態]
以上説明した第3の実施形態に係るフェンス用継手1cは、側片部3cの奥行方向手前側の端部にストッパ部8を備え、パネル11の仮置き時の落下を防止することができるフェンス用継手1cであることについて説明を行った。次に説明する第4の実施形態に係るフェンス用継手1dは、第1乃至第3の実施形態と異なる形態を有するフェンス用継手について説明を行う。なお、上述した第1乃至第3の実施形態と同一または類似する部材については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0063】
図11は、本発明の第4の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図、図12は、図11のC-C断面図、図13は、本発明の第4の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図である。
【0064】
フェンス用継手1dは、図11及び図13に示すように、略L字形の部材であって、支柱16の側面に当接する固定部2と、固定部2からフェンスの幅方向外側に延出する側片部3dを備える。フェンス用継手1dは、一例として鋼板を屈曲して形成されたものからなり、錆などによる腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0065】
側片部3dは、図11及び図13に示すように、固定部2の上端部からフェンスの幅方向外側に延出し、フェンスの奥行方向に湾曲する弧状に形成される。弧状に湾曲する側片部3dの曲率半径は、図12に示すように、胴縁14の外側に位置する横線材13に沿うように設定されると好適である。側片部3dには、胴縁14を固定するために用いられる複数のボルト孔5と、縦線材12を挿入するスリット6dが形成される。
【0066】
スリット6dは、幅寸法が縦線材12の線径よりも大きく形成され、パネル11の取付け状態において縦線材12が挿入される。スリット6dは、固定部2とボルト孔5との間に配置され、フェンスの奥行方向手前側に開口する。また、スリット6dの端部は、側片部3dの奥行方向略中央であって、弧状に湾曲する側片部3dの最下部に位置するように形成される。
【0067】
次に、このようなフェンス用継手1dを用いて、パネル11を支柱16に取り付ける方法について説明を行う。
【0068】
先ず、第1の実施形態にて説明した方法と同様に、支柱16の左右にフェンス用継手1dを固定する。
【0069】
次に、パネル11の縦線材12をスリット6dに挿入し、胴縁14を側片部3dに載置する。このとき、スリット6dの端部は、フェンスの奥行方向略中央まで形成されているため、パネル11の奥行方向の位置を支柱16の径方向中心と揃うように取付けることができる。
【0070】
このように、本実施形態のフェンス用継手1dによれば、パネル11の取り付け及び取り外しをパネル11の片側から行うことができる。また、縦線材12をスリット6dへ挿入することで、容易にパネル11の奥行方向の位置を決定することができる。また、側片部3dが胴縁14の外側に位置する横線材13に沿って湾曲しているため、パネル11の自重によって、胴縁14を確実に側片部3dの奥行方向中央に配置することができる。また、胴縁14を側片部3dへ固定する際に、胴縁14を側片部3dに載置した状態で作業をすることができるため、作業者は一人でパネル11の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0071】
[第5の実施形態]
以上説明した第4の実施形態に係るフェンス用継手1dは、胴縁14の外側に位置する横線材13に沿って湾曲する側片部3dを有し、パネル11の自重により胴縁14を確実に所定の位置に配置することができるフェンス用継手1dであることについて説明を行った。次に説明する第5の実施形態に係るフェンス用継手1eは、第1乃至第4の実施形態と異なる形態を有するフェンス用継手について説明を行う。なお、上述した第1乃至第4の実施形態と同一または類似する部材については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0072】
図14は、本発明の第5の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図、図15は、図14のD-D断面図、図15は、本発明の第5の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図である。
【0073】
フェンス用継手1eは、図14及び図16に示すように、略L字形の部材であって、支柱16の側面に当接する固定部2eと、固定部2eからフェンスの幅方向外側に延出する側片部3を備える。フェンス用継手1eは、一例として鋼板を屈曲して形成されたものからなり、錆などによる腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0074】
固定部2eは、平面に形成され、略中央部にフェンスの奥行方向に延びる長孔4eを備える。
【0075】
長孔4eは、短手方向の大きさがボルト24のねじ径よりも大きく、図15に示すように、フェンス用継手1eの支柱16への取付け状態において、ボルト24を通し、フェンス用継手1eが奥行方向に移動自在になるように形成される。
【0076】
次に、このようなフェンス用継手1eを用いて、パネル11を支柱16に取り付ける方法について説明を行う。
【0077】
先ず、図14に示すように、支柱16に対して左右いずれか一方のフェンス用継手1eの固定部2eを支柱16に当接させ、ワッシャーを通したボルト24を固定部2eの長孔4eに通し、支柱16の貫通孔を貫通させる。その後、支柱16の貫通孔から突出したボルト24に他方のフェンス用継手1eの長孔4eを通し、ワッシャーを通した後ナット25を締め付ける。このようにして、支柱16の左右にフェンス用継手1eが固定される。
【0078】
次に、パネル11の縦線材12をスリット6に挿入し、胴縁14を側片部3に載置する。このとき、支柱16は、計画された位置に対して誤差を生じて地面に設置される場合がある。このような場合、フェンス用継手1eを固定したナット25を一度緩め、図15に示すように、胴縁14が側片部3の奥行方向中央に載置されるように、フェンス用継手1eの取り付け位置を調整する。
【0079】
このように、本実施形態のフェンス用継手1eによれば、パネル11の取り付け及び取り外しをパネル11の片側から行うことができる。また、縦線材12をスリット6へ挿入することで、容易にパネル11の奥行方向の位置を決定することができる。また、支柱16の設置位置に誤差が生じている場合であっても、支柱16に対するフェンス用継手1eの奥行方向の位置を調整することができるため、胴縁14を側片部3に対して適切に配置することができる。また、胴縁14を側片部3へ固定する際に、胴縁14を側片部3に載置した状態で作業をすることができるため、作業者は一人でパネル11の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0080】
[第6の実施形態]
以上説明した第5の実施形態に係るフェンス用継手1eは、固定部2eに長孔4eを備え、支柱16の設置位置に誤差が生じている場合であっても、胴縁14を側片部3に対して適切に配置することができるフェンス用継手1eであることについて説明を行った。次に説明する第6の実施形態に係るフェンス用継手1fは、第1乃至第5の実施形態と異なる形態を有するフェンス用継手について説明を行う。なお、上述した第1乃至第5の実施形態と同一または類似する部材については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0081】
図17は、本発明の第6の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図、図18は、本発明の第6の実施形態に係るフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す平面図、図19は、本発明の第6の実施形態に係るフェンス用継手を示す斜視図である。
【0082】
フェンス用継手1fは、図17及び図19に示すように、略L字形の部材であって、支柱16の側面に当接する固定部2fと、固定部2fからフェンスの幅方向外側に延出する側片部3を備える。フェンス用継手1fは、一例として鋼板を屈曲して形成されたものからなり、錆などによる腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0083】
固定部2fは、支柱16の円柱側面に対応する弧状に湾曲され、略中央部にフェンスの奥行方向に延びる長孔4fを備える。
【0084】
長孔4fは、短手方向の大きさがボルト24のねじ径よりも大きく、図18に示すように、フェンス用継手1fの支柱16への取付け状態において、ボルト24を通し、フェンス用継手1fが支柱16の軸周りに回転自在になるように形成される。
【0085】
次に、このようなフェンス用継手1fを用いて、パネル11を支柱16に取り付ける方法について説明を行う。
【0086】
先ず、支柱16に対して左右いずれか一方のフェンス用継手1fの固定部2fを支柱16に当接させ、ワッシャーを通したボルト24を固定部2fの長孔4fに通し、支柱16の貫通孔を貫通させる。その後、支柱16の貫通孔から突出したボルト24に他方のフェンス用継手1fの長孔4fを通し、ワッシャーを通した後ナット25を締め付ける。このようにして、支柱16の左右にフェンス用継手1fが固定される。
【0087】
次に、パネル11の縦線材12をスリット6に挿入し、胴縁14を側片部3に載置する。このとき、支柱16は、フェンス全体のコーナーとなる位置に設置される場合がある。このような場合、フェンス用継手1fを固定したナット25を一度緩め、図18に示すように、隣り合う支柱16に対応させて、胴縁14が側片部3の奥行方向中央に載置されるように、フェンス用継手1fの奥行方向の取り付け角度を調整する。
【0088】
このように、本実施形態のフェンス用継手1fによれば、パネル11の取り付け及び取り外しをパネル11の片側から行うことができる。また、縦線材12をスリット6へ挿入することで、容易にパネル11の奥行方向の位置を決定することができる。また、支柱16がフェンス全体のコーナーとなる位置に設置される場合であっても、フェンス用継手1fの奥行方向の取り付け角度を調整することができるため、パネル11を隣り合う支柱16間に適切に配置することができる。また、胴縁14を側片部3へ固定する際に、胴縁14を側片部3に載置した状態で作業をすることができるため、作業者は一人でパネル11の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0089】
また、本実施形態のフェンス用継手1a、1b、1c、1d、1e、1fによれば、側片部3、3b、3c、3dによって胴縁14の下側を支えることによりパネル11を保持するため、胴縁14の形状にかかわらずパネル11の固定を行うことが出来る。また、左右のパネル11は独立して取り外すことが可能であるため、フェンス全体の一部のパネル11の交換等、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0090】
なお、本実施形態において、フェンス用継手1a、1b、1c、1d、1e、1fは、支柱16の左右に取り付けられる場合について説明を行ったが、フェンス用継手1a、1b、1c、1d、1e、1fの取り付け方法はこれに限らず、支柱16に対して片側のみに取り付けられ、支柱16の左右いずれか一方にパネル11を固定するように取り付けても構わない。また、スリット6、6b、6c、6dには、フェンスの奥行方向略中央に位置する端部に、フェンスの幅方向に延びる長孔を設けても構わない。このような長孔を設けることによって、縦線材12を長孔に沿って移動させることができるため、縦線材12をスリット6、6b、6c、6dに挿入した後であっても、支柱16に対するパネル11の幅方向の位置を容易に調整することができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0091】
1a、1b、1c、1d、1e、1f フェンス用継手
2 固定部
3、3b、3c、3d 側片部
4 ボルト孔
4e、4f 長孔
5 ボルト孔
6、6b、6c、6d スリット
7 テーパ部
8 ストッパ部
11 パネル
12 縦線材
13 横線材
14 胴縁
15 従来継手
16 支柱
17 挿入部
18 固定部
19 螺合部
21 ボルト孔
22 固定金具
23 ねじ
24 ボルト
25 ナット
30 押さえ金具
31 長孔
31 ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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