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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107974
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】スイッチギヤ
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/32 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
H02B1/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012194
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 智広
【テーマコード(参考)】
5G016
【Fターム(参考)】
5G016AA04
5G016CD25
5G016CD32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】省スペース化が可能なスイッチギヤを得る。
【解決手段】実施形態に係るスイッチギヤ1は、例えば、筐体と、フィルム型太陽電池13と、を備える。筐体は、設置面Sと接触する底面111と、前記底面の反対側に位置する上面112と、を有する。フィルム型太陽電池は、少なくとも底面に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面と接触する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面と、を有する筐体と、
少なくとも前記第2面に設けられるフィルム型太陽電池と、
を備えるスイッチギヤ。
【請求項2】
前記筐体に収容される配線と、電子部品と、をさらに備え、
前記筐体には、外部と連通する開口部が設けられ、
前記配線は、前記開口部を通過するとともに前記フィルム型太陽電池と前記電子部品とを接続する、
請求項1に記載のスイッチギヤ。
【請求項3】
前記フィルム型太陽電池は、フィルム型のペロブスカイト太陽電池である、
請求項1又は2に記載のスイッチギヤ。
【請求項4】
前記筐体より露出する計器をさらに備え、
前記筐体は、日中において、前記フィルム型太陽電池が太陽光を受ける位置且つ前記計器が太陽光を受けない位置に設置される、
請求項1又は2に記載のスイッチギヤ。
【請求項5】
前記第2面は、当該第2面に沿う第1方向において、一方の端部から他方の端部に向かって傾斜しており、
前記筐体は、当該筐体の表面より外部に張り出した突出部を有し、
前記開口部は、前記突出部において前記設置面に向かって開口して設けられるとともに、前記第1方向において前記一方の端部側に位置する、
請求項2に記載のスイッチギヤ。
【請求項6】
前記筐体は、開閉可能に取り付けられた複数の扉を有し、
前記フィルム型太陽電池は、前記開口部を避けるとともに、前記扉毎に貼り付けられる、
請求項2に記載のスイッチギヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スイッチギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光パネルを備えたスイッチギヤが知られている。例えば、スイッチギヤは、屋外に設置され、太陽光パネルによって発電された電力を制御電源として用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-205730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のスイッチギヤでは、筐体の外部に太陽光パネルが設置される。スイッチギヤを設置する場合、太陽光パネルを設置するためのスペースが必要になる。そのため、スイッチギヤの省スペース化は困難であった。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、省スペース化が可能なスイッチギヤを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るスイッチギヤは、例えば、筐体と、フィルム型太陽電池と、を備える。筐体は、設置面と接触する底面と、前記底面の反対側に位置する上面と、を有する。フィルム型太陽電池は、少なくとも底面に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態のスイッチギヤの正面図である。
図2図2は、本実施形態のスイッチギヤの側面図である。
図3図3は、本実施形態のスイッチギヤの断面図である。
図4図4は、本実施形態のスイッチギヤの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
以下、実施形態に係るスイッチギヤ1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0009】
また、以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、スイッチギヤ1の前後方向に沿う方向である。Y方向は、スイッチギヤ1の幅方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、スイッチギヤ1の高さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。なお、X方向は、第1方向の一例である。
【0010】
図1は、本施形態のスイッチギヤ1の斜視図である。図1に示すように、スイッチギヤ1は、筐体11と、計器12と、フィルム型太陽電池13と、を備える。
【0011】
筐体11は、例えば、金属製であり、直方体状の箱型に構成されており、遮断器や断路器等を収容している。図2は、本実施形態のスイッチギヤ1の側面図である。図1、2に示すように、筐体11は、底面111と、上面112と、側面113と、複数の扉114と、屋根115と、により構成される。すなわち、筐体11は、底面111と、上面112と、側面113と、複数の扉114と、屋根115と、を有する。なお、底面111は、第1面の一例であり、上面112は、第2面の一例である。
【0012】
底面111及び上面112は、いずれも上下方向(Z方向)と略直交する方向(XY平面)に延びている。側面113及び扉114は、前後方向(X方向)又は左右方向(Y方向)と略直交する方向(XZ平面又はYZ平面)に延びている。すなわち、側面113及び扉114は、底面111又は上面112と交差する方向に延びている。
【0013】
底面111は、略下方向(-Z方向)を向いており、スイッチギヤ1の設置面Sと接触する面である。上面112は、スイッチギヤ1の屋根115の一部であり、上下方向(Z方向)において底面111の反対側に位置する面である。
【0014】
図2に示すように、上面112は、前後方向(X方向)において前方向の端部である前端部112aから後方向の端部である後端部112bに向かって傾斜している。言い換えると、上面112は、スイッチギヤ1の設置面Sに対して傾斜している。これにより、例えば、雨天時においてスイッチギヤ1の上部に水が貯まることを抑制できる。なお、前端部112aは、一方の端部の一例であり、後端部112bは、他方の端部の一例である。
【0015】
図1、2に示すように、側面113は、底面111から囲むように突出し、当該底面111と上面112とを接続している。複数の扉114は、筐体11における前方向(+X方向)を向く開口部を閉じる。各扉114は、例えば、ヒンジ等で側面113に対して開閉可能に取り付けられる。
【0016】
屋根115は、筐体11における上方向(+Z方向)を向く開口部を閉じる。言い換えると、屋根115は、側面113と、扉114と、に接続されている。さらに、図2に示すように、屋根115は、突出部115aを有する。突出部115aは、屋根115における筐体11より外部に向かって張り出している部分である。
【0017】
各扉114には、複数の取手116が取り付けられている。各取手116は、各扉114の表面から筐体11の外側に向かって突出している。なお、取手116は、例えば、扉114の表面から筐体11の内側に向かって凹んでいる形状でも良い。
【0018】
図3は、本実施形態のスイッチギヤ1の断面図である。図3に示すように、筐体11には、換気口117が設けられる。なお、換気口117は、開口部の一例である。換気口117は、屋根115の突出部115aに設けられている。
【0019】
換気口117は、前後方向(X方向)において上面112の前端部112a側に位置している。換気口117は、上下方向(Z方向)において上面112の前端部112aよりも下方に位置している。言い換えると、設置面Sに対して傾斜している上面112において、設置面Sからより離間している上面112の下方に設けられている。
【0020】
換気口117は、設置面Sに向かって開口して筐体11内部と外部とを連通させている。すなわち、換気口117は、上下方向(Z方向)に開口して筐体11内部の空気を換気している。これにより、例えば、雨天時において換気口117から水が侵入することを抑制できる。
【0021】
計器12は、例えば、スイッチギヤ1における温度や電流等の数値又は状態等を計測する機器である。図1、2に示すように、計器12は、筐体11の扉114の表面に取り付けられている。言い換えると、計器12は、筐体11の扉114の表面から外部に露出している。
【0022】
なお、本実施形態では、計器12は、扉114の表面に取り付けられているが、これに限らない。計器12の取り付け位置は、筐体11の日中において太陽光を受けない位置に取り付けられていれば良い。または、筐体11は、計器12が日中において太陽光を受けない位置(向き)に設置されていれば良い。
【0023】
フィルム型太陽電池13は、例えば、取手116や計器12のような筐体11表面から外部に突出している部分と、換気口117と、各扉114が可動するための隙間(複数の扉114の中心線等)と、を除いた筐体11の表面に貼り付けられている。言い換えると、フィルム型太陽電池13は、例えば、取手116や計器12のような筐体11表面から外部に突出している部分と、換気口117と、を避けるとともに、扉114毎に貼り付けられている。
【0024】
なお、本実施形態では、筐体11の底面111以外にはフィルム型太陽電池13が貼り付けられている。しかし、これに限らず、フィルム型太陽電池13は、少なくとも上面112に貼り付けられていれば良い。すなわち、フィルム型太陽電池13は、日中において太陽光を受ける位置に貼り付けられていれば良い。
【0025】
フィルム型太陽電池13を筐体11の表面に貼り付ける方法は、例えば、筐体11にフィルム型太陽電池13を保持可能な部材を複数設けて、フィルム型太陽電池13を貼り付ける。
【0026】
本実施形態に係るフィルム型太陽電池13は、ペロブスカイト結晶により形成されたフィルム型ペロブスカイト太陽電池である。そのため、フィルム型太陽電池13は、軽量であり、折り曲げや歪み等の変形に強い。なお、本実施形態では、フィルム型太陽電池13にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を用いたが、これに限らない。フィルム型太陽電池13は、例えば、フィルム型の色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池等の他の材料で形成されても良い。
【0027】
図3に示すように、スイッチギヤ1は、配線14と、端子台15と、をさらに備える。なお、端子台15は、電子部品の一例である。配線14および端子台15は、筐体11に収容されている。
【0028】
配線14は、換気口117を通過するとともに、筐体11の表面に貼り付けられているフィルム型太陽電池13と、端子台15と、を接続している。すなわち、配線14は、筐体11の内部から外部に渡って延びている。
【0029】
端子台15は、フィルム型太陽電池13と、筐体11に収容されている制御回路等と、の中継地点である。言い換えると、配線14は、端子台15を介してフィルム型太陽電池13と、筐体11に収容されている制御回路等と、を接続している。
【0030】
本実施形態では、端子台15は、筐体11の上方に設けられている。しかし、これに限らず、端子台15の設置位置は、当該端子台15が筐体11に収容可能な位置であれば適宜変更しても良い。
【0031】
図4は、本実施形態のスイッチギヤ1の機能ブロック図である。図4に示すように、筐体11には、例えば、蓄電池2と、切替部3と、制御電源4と、第1直流チョッパ5と、第2直流チョッパ6と、が収容されている。
【0032】
蓄電池2は、例えば、蓄電及び放電が可能な二次電池を利用した設備である。蓄電池2は、フィルム型太陽電池13によって発電された電力を蓄電する。そして、蓄電池2は、放電することで制御電源4に電力を供給する。
【0033】
切替部3は、所定の条件を満たした場合に別途設けられている直流電源装置7から供給される電力を制御電源4に供給されるように回路を切り替える。なお、直流電源装置7は、例えば、電力会社から供給される交流電流を直流電流に変換する設備である。
【0034】
切替部3は、第1電圧リレー31と、第2電圧リレー32と、切替回路33と、を有する。第1電圧リレー31及び第2電圧リレー32は、例えば、電圧継電器のような予め定められた電圧で動作する機器である。
【0035】
第1電圧リレー31は、フィルム型太陽電池13又は蓄電池2により供給される電力に関する電圧を検知する。第2電圧リレー32は、直流電源装置7により供給される電力に関する電圧を検知する。
【0036】
切替回路33は、制御電源4に電力を供給する主体を切り替える回路である。本実施形態では、切替回路33は、フィルム型太陽電池13又は蓄電池2により供給される電力と、直流電源装置7により供給される電力と、を切り替える。
【0037】
本実施形態のスイッチギヤ1は、例えば、屋外に設置される。スイッチギヤ1の筐体11は、フィルム型太陽電池13が貼り付けられている。すなわち、屋外に設置されたスイッチギヤ1において、フィルム型太陽電池13は太陽光に晒される。
【0038】
筐体11に貼り付けられているフィルム型太陽電池13は、筐体11内部から換気口117を通過して延びる配線14によって端子台15と接続されている。さらに、配線14は、端子台15と筐体11に収容されている制御回路等とを接続している。
【0039】
晴天時において筐体11に貼り付けられているフィルム型太陽電池13は、太陽光によって電力を発電する。フィルム型太陽電池13によって発電された電力は、蓄電池2に蓄電されてスイッチギヤ1の制御電源として使用される。
【0040】
従来の太陽光パネルを備えたスイッチギヤでは、太陽光パネルとスイッチギヤは、別々に設置されていた。そのため、従来のスイッチギヤを設置するためには広いスペースが必要であった。
【0041】
一方、本実施形態のスイッチギヤ1では、太陽光パネルと同様の役割であるフィルム型太陽電池13は、スイッチギヤ1の筐体11に貼り付けられている。これにより、本実施形態のスイッチギヤ1は、従来と比較して狭いスペースにおいても設置可能である。従って、本実施形態のスイッチギヤ1は、省スペース化が可能である。
【0042】
以上のような構成によれば、本実施形態のスイッチギヤ1は、筐体11と、フィルム型太陽電池13と、を備える。筐体11は、設置面Sと接触する底面111と、底面111の反対側に位置する上面112と、を有する。フィルム型太陽電池13は、少なくとも底面111に設けられている。
【0043】
スイッチギヤ1では、筐体11にフィルム型太陽電池13が貼り付けられている。そのため、スイッチギヤ1とフィルム型太陽電池13とを別々に設置する必要がなくなる。これにより、本実施形態では、スイッチギヤ1を設置するためのスペースを削減することが可能である。従って、本実施形態のスイッチギヤ1は、省スペース化が可能である。
【0044】
また、本実施形態では、スイッチギヤ1は、筐体11に収容される配線14と、端子台15と、をさらに備える。筐体11には、外部と連通する換気口117が設けられている。配線14は、換気口117を通過するとともにフィルム型太陽電池13と端子台15とを接続する。これにより、配線14は、効率的にフィルム型太陽電池13と端子台15とを接続可能である。従って、本実施形態のスイッチギヤ1では、配線14の長さは、最適な長さを設定可能である。
【0045】
また、本実施形態では、フィルム型太陽電池13は、フィルム型のペロブスカイト太陽電池である。一般的にペロブスカイト太陽電池は、軽量であり、折り曲げや歪み等の変形に強い。これにより、フィルム型太陽電池13は、筐体11に容易に貼り付けることができる。さらに、フィルム型太陽電池13を支える筐体11のサイズが大型化することを抑制できる。
【0046】
また、本実施形態では、スイッチギヤ1は、筐体11より露出する計器12をさらに備える。筐体11は、日中において、フィルム型太陽電池13が太陽光を受ける位置且つ計器12が太陽光を受けない位置に設置される。これにより、屋外に設置したスイッチギヤ1において計器12は、太陽光に晒される難くなる。従って、本実施形態のスイッチギヤ1では、太陽光によって計器12が劣化することを抑制できる。
【0047】
また、本実施形態では、上面112は、前後方向(X方向)において、前端部112aから後端部112bに向かって傾斜している。筐体11は、当該筐体11の表面より外部に張り出した突出部115aを有する。換気口117は、突出部115aにおいて設置面Sに向かって開口して設けられるとともに、前後方向において前端部112a側に位置する。
【0048】
例えば、雨天時において雨が降った場合、雨は上面112において前端部112aから後端部112bに向かって流れ落ちる。さらに、換気口117は、設置面Sに向かって開口するとともに、前後方向において前端部112a側に位置する。これにより、スイッチギヤ1では、換気口117から雨が侵入することを防ぐことができる。
【0049】
また、本実施形態では、筐体11は、開閉可能に取り付けられた複数の扉114を有する。フィルム型太陽電池13は、換気口117を避けるとともに、扉114毎に貼り付けられる。これにより、スイッチギヤ1は、フィルム型太陽電池13によって換気口117と、扉114と、が塞がれることを防ぐことができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0051】
1 スイッチギヤ
11 筐体
111 底面(第1面)
112 上面(第2面)
112a 前端部(一方の端部)
112b 後端部(他方の端部)
114 扉
115a 突出部
117 換気口(開口部)
12 計器
13 フィルム型太陽電池
14 配線
15 端子台(電子部品)
S 設置面
図1
図2
図3
図4