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特開2024-107999飛行許可申請支援システム、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107999
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】飛行許可申請支援システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240802BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20240802BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012230
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 繁
(72)【発明者】
【氏名】久芳 義治
(72)【発明者】
【氏名】出仙 勇毅
(72)【発明者】
【氏名】梅田 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】森 俊平
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L049CC41
5L050CC35
5L050CC41
(57)【要約】
【課題】航空機の飛行許可の申請に関連する作業を低減する。
【解決手段】飛行許可申請支援システムは、処理回路を備える。前記処理回路は、対象航空機の飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む第1飛行計画を含む飛行許可申請依頼を受信することと、既に飛行許可された飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む他機の第2飛行計画を記憶した飛行計画公開データベースにネットワークを介してアクセスし、前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することと、前記比較した結果に基づいて、前記対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することと、を行うように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の飛行許可申請を支援する飛行許可申請支援システムであって、
処理回路を備え、
前記処理回路は、
対象航空機の飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む第1飛行計画を含む飛行許可申請依頼を受信することと、
既に飛行許可された飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む他機の第2飛行計画を記憶した飛行計画公開データベースにネットワークを介してアクセスし、前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することと、
前記比較した結果に基づいて、前記対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することと、を行うように構成されている、飛行許可申請支援システム。
【請求項2】
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することは、
前記第1飛行計画の前記飛行エリア情報の少なくとも一部が前記第2飛行計画の前記飛行エリア情報と重複し、かつ前記第1飛行計画の前記飛行日時情報の少なくとも一部が前記第2飛行計画の前記飛行日時情報と重複するとき、前記飛行許可申請書を作成することを許可しないと判定し、
前記第1飛行計画の前記飛行エリア情報及び前記飛行日時情報の少なくとも一部が、前記第2飛行計画の前記飛行エリア情報及び前記飛行日時情報と重複しないとき、前記飛行許可申請書を作成することを許可すると判定する、ことを含む、請求項1に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項3】
前記処理回路は、前記飛行許可申請書を作成することを許可しないと判定すると、前記対象航空機の第1飛行計画の変更を要求する変更要求を生成するように構成されている、請求項1に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項4】
前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することは、前記対象航空機の前記飛行エリア情報が前記他機の前記飛行エリア情報と部分的に重なる重複領域を特定することを含み、
前記変更要求情報は、前記特定された重複領域を含む、請求項3に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項5】
複数のユーザ詳細情報と、前記複数のユーザ詳細情報にそれぞれ対応する複数のユーザ固有情報と、を互いに関連付けて記憶する内部データベースを更に備え、
前記飛行許可申請依頼は、ユーザ固有情報を更に含み、
前記処理回路は、前記内部データベースを参照し、受信した前記ユーザ固有情報に対応するユーザ詳細情報を特定することを更に行うように構成されており、
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することは、前記特定されたユーザ詳細情報に基づいて前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することを含む、請求項1に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項6】
複数の機体詳細情報と、前記複数の機体詳細情報にそれぞれ対応する複数の機体固有情報と、を互いに関連付けて記憶する内部データベースを更に備え、
前記飛行許可申請依頼は、機体固有情報を更に含み、
前記処理回路は、前記内部データベースを参照し、受信した前記機体固有情報に対応する機体詳細情報を特定することを更に行うように構成されており、
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することは、前記特定された機体詳細情報に基づいて前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することを含む、請求項1に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項7】
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することは、気象情報を記憶した気象情報公開データベースに前記ネットワークを介してアクセスし、前記第1飛行計画の前記飛行エリア情報及び前記飛行日時情報に対応する気象情報に基づいて、前記対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することを含む、請求項1に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項8】
前記処理回路は、
前記飛行許可申請書を作成することを許可すると判定すると、前記飛行許可申請依頼に含まれる情報に基づいて、少なくともユーザ詳細情報及び機体詳細情報を記憶するデータベースから前記飛行許可申請書の作成に必要な情報を取得することと、
前記取得された必要な情報を使って前記飛行許可申請書を作成することと、を更に行うように構成されている、請求項1に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項9】
前記処理回路は、
前記作成された飛行許可申請書を許可機関に送信することと、
前記許可機関から申請受領通知を受信することと、
前記受信した申請受領通知をユーザ端末に送信することと、を更に行うように構成されている、請求項8に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項10】
前記処理回路は、前記作成された飛行許可申請書を、前記第1飛行計画の前記飛行日時情報が示す日時から所定期間前のときに許可機関に自動送信するように構成されている、請求項8に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項11】
前記処理回路は、ユーザに操作されるユーザ端末の第1処理回路と、前記ユーザ端末と通信可能なサーバの第2処理回路と、を含み、
前記第1処理回路は、前記ユーザの指令に応じて前記サーバに前記飛行許可申請依頼を送信するように構成され、
前記第2処理回路は、
前記ユーザ端末から前記飛行許可申請依頼を受信することと、
前記飛行許可申請依頼を受信すると、前記第1飛行計画の内容を含む確認依頼情報を前記ユーザ端末に送信することと、を行うように構成され、
前記第1処理回路は、
前記サーバから前記確認依頼情報を受信することと、
前記ユーザから前記確認依頼情報を確認したことを示す確認入力を受けることと、
前記確認入力を示す確認情報を前記サーバに送信することと、を行うように構成され、
前記第2処理回路は、前記確認情報を受信すると、前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較するように構成されている、請求項1に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項12】
前記処理回路は、ユーザに操作されるユーザ端末の第1処理回路と、前記ユーザ端末と通信可能なサーバの第2処理回路と、を含み、
前記第1処理回路は、前記ユーザの指令に応じて前記サーバに前記飛行許可申請依頼を送信するように構成され、
前記第2処理回路は、
前記ユーザ端末から前記飛行許可申請依頼を受信することと、
前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することと、
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することと、
前記飛行許可申請書を作成することを許可すると判定すると、前記飛行許可申請書を作成し、前記飛行許可申請書を前記ユーザ端末に送信することと、を行うように構成され、
前記第1処理回路は、
前記サーバから前記飛行許可申請書を受信することと、
前記ユーザから前記飛行許可申請書の承認を受けることと、
前記承認を示す承認情報を前記サーバに送信することと、を行うように構成され、
前記第2処理回路は、前記承認情報を受信すると、前記飛行許可申請書を前記許可機関に送信するように構成されている、請求項1に記載の飛行許可申請支援システム。
【請求項13】
航空機の飛行許可申請を支援する飛行許可申請支援方法であって、
対象航空機の飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む第1飛行計画を含む飛行許可申請依頼を受信することと、
既に飛行許可された飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む他機の第2飛行計画を記憶した飛行計画公開データベースにネットワークを介してアクセスし、前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することと、
前記比較した結果に基づいて、前記対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することと、を備える、飛行許可申請支援方法。
【請求項14】
請求項13に記載の前記飛行許可申請支援方法を少なくとも1つのプロセッサに実行させる、飛行許可申請支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飛行許可申請支援システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、航空機等の運航許可を行う許可機関に対して運航許可を申請する作業を代行するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-76884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運航計画を記載した運航許可申請を許可機関に提出した後に、許可機関での審査において当該運行計画が他の航空機の運航計画と重複することが判明した場合には、運航許可が下りず、申請者は運行計画を変更して申請し直すことになる。再提出された運航許可申請は、許可機関において再び審査されて運航計画の許否が判定されることになる。そのため、許可機関に提出される運行計画の内容によっては、運航許可が下りるまでに時間がかかり効率が悪い。
【0005】
そこで本開示の一態様は、航空機の飛行許可の申請に関連する作業の効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る飛行許可申請支援システムは、航空機の飛行許可申請を支援する飛行許可申請支援システムであって、処理回路を備える。前記処理回路は、対象航空機の飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む第1飛行計画を含む飛行許可申請依頼を受信することと、既に飛行許可された飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む他機の第2飛行計画を記憶した飛行計画公開データベースにネットワークを介してアクセスし、前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することと、前記比較した結果に基づいて、前記対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することと、を行うように構成されている。
【0007】
本開示の一態様に係る飛行許可申請支援方法は、航空機の飛行許可申請を支援する飛行許可申請支援方法であって、対象航空機の飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む第1飛行計画を含む飛行許可申請依頼を受信することと、既に飛行許可された飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む他機の第2飛行計画を記憶した飛行計画公開データベースにネットワークを介してアクセスし、前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することと、前記比較した結果に基づいて、前記対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することと、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る飛行許可申請支援プログラムは、前記飛行許可申請方法を少なくとも1つのプロセッサに実行させる。前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され得る。前記記憶媒体は、非一時的(non-transitory)で有形(tangible)な媒体である。前記記憶媒体は、コンピュータ(例えば、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、サーバ等)に内蔵又は外付けされ得る。前記記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、ストレージ等を含み、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク等とし得る。前記記憶媒体に記憶されたプログラムは、前記記憶媒体が直接接続されるコンピュータにおいて実行されてもよいし、前記記憶媒体とネットワーク(例えば、インターネット)を介して接続されたコンピュータにおいて実行されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、対象航空機の第1飛行計画を他機の第2飛行計画と比較した結果に基づいて対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定する。例えば、対象航空機の第1飛行計画が他機の第2飛行計画と重複する場合に飛行許可申請書を作成しないようにすることができる。そのため、許可が下り得ない飛行計画について飛行許可申請書が許可機関に提出される可能性を低下させることができる。よって、航空機の飛行許可の申請に関連する効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る飛行許可申請支援システムの概略図である。
図2図2は、図1のユーザ端末のブロック図である。
図3図3は、図1のサーバのブロック図である。
図4図4は、図1の飛行許可申請支援システムの処理を説明するシーケンス図である。
図5図5は、図4の続きのシーケンス図である。
図6図6は、飛行エリアの重複を説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0012】
図1は、実施形態に係る飛行許可申請支援システム1の概略図である。図1に示すように、飛行許可申請支援システム1は、ユーザ10が対象航空機2の飛行許可を許可機関7に申請する作業を支援するサーバ4を備える。対象航空機2は、無人航空機または無操縦者航空機である。許可機関7は、例えば、国土交通省のような公的な監督機関であるが、公的な監督機関から委託を受けた民間企業であってもよい。サーバ4は、インターネット等のようなネットワークNに接続されている。サーバ4には、内部データベース5が接続されている。
【0013】
ユーザ10は、対象航空機2の操縦に使われるユーザ端末3を操作する。ユーザ端末3は、無線通信によって対象航空機2と通信する。ユーザ端末3は、ネットワークNを介してサーバ4に接続されている。サーバ4は、ネットワークNを介して複数の公開データベース6に接続されている。サーバ4は、ネットワークNを介して許可機関7のコンピュータに接続されている。
【0014】
内部データベース5は、複数のユーザ詳細情報と、前記複数のユーザ詳細情報にそれぞれ対応する複数のユーザ固有情報と、を互いに関連付けて記憶している。前記ユーザ詳細情報は、例えば、ユーザ10の氏名、経歴、知識、能力等を含む。前記ユーザ詳細情報は、ユーザの技能レベルを示す情報を含む。前記ユーザ詳細情報は、ユーザ10の事業許可承認番号、ユーザの安全体制等の情報を含み得る。ユーザ詳細情報は、ユーザ10の技能証明番号、加入保険情報等を含み得る。前記ユーザ固有情報は、例えば、ユーザIDであるが、ユーザ名であってもよい。サーバ4は、内部データベース5を参照することで、ユーザIDに対応するユーザ詳細情報を取得できる。
【0015】
内部データベース5は、複数の機体詳細情報と、前記複数の機体詳細情報にそれぞれ対応する複数の機体固有情報と、を互いに関連付けて記憶している。前記機体詳細情報は、機体の名称、製造者、機体諸元、機体に応じた安全確保のための体制情報、機体の飛行マニュアル等を含む。前記機体詳細情報は、機体が飛行可能な飛行条件を示す情報を含んでもよい。機体詳細情報は、機体の型式、機能、性能、重量等を含み得る。前記機体固有情報は、例えば、機体IDであるが、機体名称であってもよい。
【0016】
内部データベース5は、申請書入力に利用可能な情報を記憶したデータベースを含む。内部データベース5は、他の詳細情報も記憶している。例えば、内部データベース5は、緯度、経度、高度及び周辺施設等のようなエリア詳細情報を飛行エリア番号に紐づけて記憶し得る。内部データベース5は、飛行目的、運搬物の種類等のような飛行目的詳細情報を飛行目的番号に紐づけて記憶し得る。
【0017】
公開データベース6は、許可機関7によって既に飛行許可された他機の飛行計画を記憶した飛行計画公開データベースを含む。対象航空機2の飛行計画を第1飛行計画と称し、前記他機の飛行計画を第2飛行計画と称する。前記飛行計画は、飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む。公開データベース6は、気象情報を記憶した気象情報公開データベースを含む。前記気象情報は、気象庁のような公的機関又は民間機関から提供される気象予報を含む。
【0018】
図2は、図1のユーザ端末3のブロック図である。ユーザ端末3は、第1処理回路11、入力インターフェース12、出力インターフェース13及び通信インターフェース14を備える。第1処理回路11は、プロセッサ16、システムメモリ17及びストレージメモリ18を備える。プロセッサ16は、例えばCPUである。システムメモリ17は、例えば、RAMである。ストレージメモリ18は、コンピュータ可読媒体の例であり、非一時的で有形な媒体である。ストレージメモリ18は、ROMを含み得る。ストレージメモリ18は、ハードディスク、フラッシュメモリ又はそれらの組合せを含み得る。ストレージメモリ18は、プログラムP1を記憶している。システムメモリ17に読み出されたプログラムP1をプロセッサ16が実行する構成は、第1処理回路11の一例である。
【0019】
入力インターフェース12は、ユーザ10により操作されるユーザインターフェースである。入力インターフェース12には、対象航空機2に向けた情報、サーバ4に向けた情報などが入力される。入力インターフェース12には、対象航空機2に向けた情報として、飛行計画、飛行速度、飛行高度及び飛行方角に関する指令が入力される。例えば、入力インターフェース12は、飛行計画に基づく操作、上昇又は下降指令、右移動又は左移動指令、前進又は後進指令、及び、右旋回又は左旋回指令が入力される。入力インターフェース12には、サーバ4に向けた情報として、飛行計画、飛行許可申請依頼などが入力される。入力インターフェース12は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、レバー、ハンドル等から選ばれる少なくとも1つを含む。
【0020】
出力インターフェース13は、ユーザ10に情報を出力するユーザインターフェースである。出力インターフェース13は、例えば、ディスプレイを含む。出力インターフェース13は、スピーカを更に含んでもよい。出力インターフェース13は、対象航空機2から受けた情報に基づく情報、サーバ4から受けた情報に基づく情報などを出力する。出力インターフェース13は、対象航空機2の位置情報を表示し得る。ユーザ10は、対象航空機2を直接視認し難い場合には、出力インターフェース13上で対象航空機2の位置を視認しながら入力インターフェース12に対象航空機2への指令を入力してもよい。通信インターフェース14は、対象航空機2と無線通信する通信機と、ネットワークNを介してサーバ4と通信する通信機とを含む。入力インターフェース12、出力インターフェース13及び通信インターフェース14は、プロセッサ16に接続されている。
【0021】
図3は、図1のサーバ4のブロック図である。サーバ4は、第2処理回路21及び通信インターフェース22を備える。第2処理回路21は、プロセッサ26、システムメモリ27及びストレージメモリ28を備える。プロセッサ26は、例えばCPUである。システムメモリ27は、例えば、RAMである。ストレージメモリ28は、コンピュータ可読媒体の例であり、非一時的で有形な媒体である。ストレージメモリ28は、ROMを含み得る。ストレージメモリ28は、ハードディスク、フラッシュメモリ又はそれらの組合せを含み得る。ストレージメモリ28は、プログラムP2を記憶している。システムメモリ27に読み出されたプログラムP2をプロセッサ26が実行する構成は、第2処理回路21の一例である。通信インターフェース22は、ネットワークNを介して、ユーザ端末3、公開データベース6及び許可機関7と通信する通信機を含む。通信インターフェース22は、プロセッサ26と接続されている。
【0022】
図4は、図1の飛行許可申請支援システム1の処理を説明するシーケンス図である。図5は、図4の続きのシーケンス図である。以下、図1乃至3の構成を適宜参照しながら図4及び5の流れに沿って飛行管理システム1の処理を説明する。なお、以下の説明において、ユーザ端末3の処理は第1処理回路11により実行され、サーバ4の処理は第2処理回路21により実行される。
【0023】
ユーザ10は、対象航空機2の第1飛行計画をユーザ端末3に入力する(ステップS1)。前記第1飛行計画は、ユーザ10のユーザID、対象航空機2の機体ID、飛行エリア情報、飛行日時情報等を含む。ユーザ端末3は、ユーザ10からの指令に応じて、前記入力された第1飛行計画を含む飛行許可申請依頼をサーバ4に送信する(ステップS2)。サーバ4は、ネットワークNを介してユーザ端末3から飛行許可申請依頼を受信する(ステップS3)。
【0024】
サーバ4は、その飛行許可申請依頼を受信すると、第1飛行計画の内容を含む確認依頼情報をユーザ端末3に送信する(ステップS4)。ユーザ端末3は、サーバ4から確認依頼情報を受信する(ステップS5)。ユーザ端末3は、サーバ4から確認依頼情報を受信すると、出力インターフェース13に確認依頼情報を表示してユーザ10に確認入力を促し、確認依頼情報を確認したユーザ10から入力インターフェース12を介して確認入力を受ける(ステップS6)。
【0025】
ユーザ端末3は、ユーザ10から確認入力を受けると、ユーザ10が確認済みであることを示す確認情報をサーバ4に送信する(ステップS7)。サーバ4は、その確認情報を受信する(ステップS8)。これにより、ユーザ10による第1飛行計画の入力ミスがあった場合に、間違った飛行計画を他機の飛行計画と比較することが防止される。
【0026】
サーバ4は、確認情報を受信すると、公開データベース6の飛行計画公開データベースにネットワークNを介してアクセスし、飛行計画公開データベースに記憶された複数の他機の第2飛行計画に対して対象航空機2の第1飛行計画を比較する(ステップS9)。具体的には、サーバ4は、対象航空機2の第1飛行計画の飛行エリア情報の少なくとも一部が他機の第2飛行計画の飛行エリア情報と重複するか否か、及び、対象航空機2の第1飛行計画の飛行日時情報の少なくとも一部が他機の第2飛行計画の飛行日時情報と重複するか否かをチェックする。例えば、図6に示すように、サーバ4は、対象航空機2の第1飛行計画の飛行エリア情報が他機の第2飛行計画の飛行エリア情報と部分的に重なる重複領域Xを特定する。
【0027】
図6に示すように、対象航空機2の第1飛行計画の飛行エリア50は、対象航空機2の飛行開始地点と飛行終了地点とを結んだ予定飛行経路51を含むように所定の規則に従って設定されている。なお、図6では予定飛行経路51は、比較的直線状に図示されているが、直線状の経路である必要はなく、曲線を含む経路であってもよい。図6の例では、第1飛行計画の飛行エリア50は、他機の第2飛行計画の飛行エリア60と重複領域Xにおいて部分的に重複している。また、前記飛行日時情報は、特定の日付における飛行開始時刻と飛行終了時刻とを含む時間帯として定義され得る。
【0028】
サーバ4は、内部データベース5にアクセスし、第1飛行計画に含まれるユーザIDに対応するユーザ詳細情報を特定し、飛行許可申請書の作成の許否を判定する際の判断材料として前記特定されたユーザ詳細情報を考慮してもよい(ステップS10)。例えば、サーバ4は、前記特定されたユーザ詳細情報が示すユーザ10の技能レベルが高い場合には、第1飛行計画の飛行エリアを狭く補正してもよい。他方、サーバ4は、前記特定されたユーザ詳細情報が示すユーザの技能レベルが低い場合には、第1飛行計画の飛行エリアを広く補正してもよい。そうすれば、ユーザ10の技能レベルが高いと飛行許可が下りやすく、ユーザ10の技能レベルが低いと飛行許可が下りにくくなる。
【0029】
サーバ4は、内部データベース5にアクセスし、第1飛行計画に含まれる機体IDに対応する機体詳細情報を特定し、飛行許可申請書の作成の許否を判定する際の判断材料として前記特定された機体詳細情報を考慮してもよい(ステップS10)。例えば、サーバ4は、前記特定された機体詳細情報が示す対象航空機2の性能レベルが高い場合には、第1飛行計画の飛行エリアを狭く補正してもよい。他方、サーバ4は、前記特定された機体詳細情報が示す対象航空機2の性能レベルが低い場合には、第1飛行計画の飛行エリアを広く補正してもよい。そうすれば、対象航空機2の性能レベルが高いと飛行許可が下りやすく、対象航空機2の性能レベルが低いと飛行許可が下りにくくなる。
【0030】
サーバ4は、公開データベース6の気象情報公開データベースにアクセスし、第1飛行計画の飛行エリア情報及び飛行日時情報が示すエリア及び時間帯に対応する気象情報を特定し、飛行許可申請書の作成の許否を判定する際の判断材料として前記特定された気象情報を考慮してもよい(ステップS10)。気象情報は、予想風速、予想降水確率、予想降水量等を含み得る。予想風速が大きい場合には荒天レベルが高いとされ、予想降水確率及び予想降水量が大きい場合には荒天レベルが高いとされる。
【0031】
例えば、サーバ4は、前記特定された気象情報が示す荒天レベルが低い場合には、第1飛行計画の飛行エリアを狭く補正してもよい。他方、サーバ4は、前記特定された気象情報が示す荒天レベルが高い場合には、第1飛行計画の飛行エリアを広く補正してもよい。そうすれば、気象情報の荒天レベルが低いと飛行許可が下りやすく、気象情報の荒天レベルが高いと飛行許可が下りにくくなる。
【0032】
サーバ4は、前記特定された気象情報が示す荒天レベルが閾値を超えると、飛行許可申請書の作成を許可しないようにしてもよい。なお、前記閾値は、ユーザ10の技能レベル又は対象航空機2の性能レベルが高いほど大きくなるように設定されてもよい。このようにして、望ましくない気象条件下での飛行計画にて飛行許可申請書が作成されることが未然に防止される。
【0033】
サーバ4は、ステップS9及びステップS10の結果に基づいて、対象航空機2の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、サーバ4は、対象航空機2の第1飛行計画の飛行エリア情報の少なくとも一部が他機の第2飛行計画の飛行エリア情報と重複し、かつ、その第1飛行計画の飛行日時情報の少なくとも一部が他機の第2飛行計画の飛行日時情報と重複するとき、飛行許可申請書を作成することを許可しないと判定する(ステップS11:NO)。
【0034】
サーバ4は、飛行許可申請書を作成することを許可しないと判定すると、対象航空機2の第1飛行計画の変更を要求する変更要求を生成し、ユーザ端末3に変更要求情報を送信する。ユーザ端末3は、変更要求情報を受信する(ステップS12)。変更要求情報は、前記特定された重複領域Xを示す情報を含む。
【0035】
ユーザ端末3は、前記変更要求情報を受信すると、ユーザ10に第1飛行計画の変更を促す通知を出力インターフェース13に出力させ、ユーザ10から第1飛行計画の修正を受ける(ステップS13)。ユーザ10は、ユーザ端末3から第1飛行計画の変更を促されることで、飛行許可申請の再依頼を迅速に行うことができる。ユーザ端末3は、出力インターフェース13に重複領域Xを表示させるため、ユーザ10は重複領域Xを避けるように第1飛行計画の飛行エリアを修正できる。ユーザ端末3は、第1飛行計画の修正を受けると、ステップS2に戻って飛行許可申請依頼の送信をやり直す。その際、ユーザ端末3には飛行許可申請依頼の前回入力情報が残っており、飛行許可申請依頼のうち必要な部分のみ修正させるようにしてもよい。それにより、入力作業の負担を減らすことができる。
【0036】
他方、ステップS11において、サーバ4は、対象航空機2の第1飛行計画の飛行エリア情報及び飛行日時情報の少なくとも一部が、他機の第2飛行計画の飛行エリア情報及び飛行日時情報と重複しないとき、飛行許可申請書を作成することを許可すると判定する(ステップS11:YES)。サーバ4は、飛行許可申請書を作成することを許可すると判定すると、内部データベース5及び公開データベース6を参照し、前記飛行許可申請依頼に含まれる情報に基づいて内部データベース5及び公開データベース6から飛行許可申請書の作成に必要な情報を取得する(ステップS14)。
【0037】
サーバ4は、内部データベース5及び公開データベース6から取得された必要な情報を使って飛行許可申請書を作成する。具体的には、サーバ4は、第1飛行計画に含まれるユーザIDに対応するユーザ詳細情報を内部データベース5から取得するとともに、第1飛行計画に含まれる機体IDに対応する機体詳細情報を内部データベース5から取得し、それら取得した情報を飛行許可申請書の所定欄に入力する。内部データベース5から取得される機体詳細情報は、例えば、対象航空機2の型式、機能、性能、重量等を含み得る。内部データベース5から取得されるユーザ詳細情報は、ユーザ10の技能証明番号、加入保険情報等を含み得る。
【0038】
第1飛行計画の飛行エリア情報が飛行エリア番号である場合には、サーバ4は、内部データベース5又は公開データベース6から飛行エリア番号に対応するエリア詳細情報を取得し、そのエリア詳細情報を飛行許可申請書の所定欄に入力してもよい。エリア詳細情報は、例えば、緯度、経度、高度、周辺施設等の情報を含み得る。第1飛行計画に飛行目的番号が含まれる場合には、サーバ4は、内部データベース5から飛行目的番号に対応する飛行目的を取得し、その飛行目的を飛行許可申請書の所定欄に入力してもよい。飛行目的は、例えば、輸送、撮影、農薬散布、監視等の情報を含み得る。サーバ4は、公開データベース6から、飛行経路(エリア)の告示空域(飛行禁止領域)の有無を取得し、その取得した情報を飛行許可申請書の所定欄に入力してもよい。
【0039】
サーバ4は、前述のように取得された情報を飛行許可申請書に入力することで飛行許可申請書を作成する(ステップS15)。サーバ4がデータベース5,6から必要情報を取得することで、飛行許可申請書の作成のためにユーザ10がユーザ端末3に入力する負担が軽減される。また、飛行許可申請書を作成できると判定された後に、飛行許可申請書に必要な情報を取得するため、無駄な情報取得が低減される。
【0040】
サーバ4は、その作成された飛行許可申請書をユーザ端末3に送信する(ステップS16)。ユーザ端末3は、サーバ4から飛行許可申請書を受信する(ステップS17)。ユーザ端末3は、その受信した飛行許可申請書を出力インターフェース13に表示してユーザ10に承認入力を促し、ユーザ10から入力インターフェース12を介して承認入力を受ける(ステップS18)。ユーザ端末3は、ユーザ10から承認入力を受けると、ユーザ10が承認済みであることを示す承認情報をサーバ4に送信する(ステップS19)。サーバ4は、その承認情報を受信する(ステップS20)。
【0041】
サーバ4は、承認情報を受信すると、第1飛行計画の飛行日時情報が示す時間帯の開始時刻から所定期間前のときに、当該承認された飛行許可申請書を許可機関7に自動送信する(ステップS21)。これにより、ユーザ10による飛行許可申請依頼の時期の自由度を高めながらも、適切な時期に許可機関7への申請が行われることになる。なお、サーバ4が飛行許可申請書を許可機関7に送信する代わりに、ユーザ端末3が、ステップS17で受信した飛行許可申請書を許可機関7に送信してもよい。
【0042】
許可機関7は、飛行許可申請書を正常に受信すると、申請受領通知をサーバ4に送信し、サーバ4が申請受領通知を受信する(ステップS22)。サーバ4は、その受信した申請受領通知をユーザ端末3に送信する(ステップS23)。ユーザ端末3は、その申請受領通知を受信し(ステップS24)、出力インターフェース13に申請受領通知を表示させる。これにより、ユーザ10は、飛行許可申請支援システム1による申請完了の事実を把握する。
【0043】
許可機関7での飛行許可申請書の審査が完了すると、サーバ4は、許可機関7から飛行許可申請書の審査結果を受信する(ステップS25)。サーバ4は、その受信した審査結果をユーザ端末3に送信する(ステップS26)。ユーザ端末3は、サーバ4から飛行許可申請書の審査結果を受信し(ステップS27)、出力インターフェース13に審査結果を表示させる。
【0044】
以上に説明した構成によれば、対象航空機2の第1飛行計画を他機の第2飛行計画と比較した結果に基づいて対象航空機2の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定するため、例えば、対象航空機2の第1飛行計画が他機の第2飛行計画と重複する場合に飛行許可申請書を作成しないようにすることができる。そのため、許可が下り得ない飛行計画について飛行許可申請書が許可機関7に提出される可能性を低下させることができる。よって、航空機の飛行許可の申請に関連する作業の効率を向上することができる。
【0045】
なお、前述した実施形態におけるプログラムP1の一部又は全部は、ユーザ端末3の代わりにサーバ4によって実行されてもよい。前述した実施形態におけるプログラムP2の一部は、サーバ4の代わりにユーザ端末3によって実行されてもよい。
【0046】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれる。
【0047】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、従来の回路、及び/又は、それらの組み合わせ、を含む回路又は処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路又は回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット若しくは手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、又は、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、又は、列挙された機能を実行するようにプログラム若しくは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段若しくはユニットは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサの構成に使用される。
【0048】
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
【0049】
[項目1]
航空機の飛行許可申請を支援する飛行許可申請支援システムであって、
処理回路を備え、
前記処理回路は、
対象航空機の飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む第1飛行計画を含む飛行許可申請依頼を受信することと、
既に飛行許可された飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む他機の第2飛行計画を記憶した飛行計画公開データベースにネットワークを介してアクセスし、前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することと、
前記比較した結果に基づいて、前記対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することと、を行うように構成されている、飛行許可申請支援システム。
【0050】
この構成によれば、対象航空機の第1飛行計画を他機の第2飛行計画と比較した結果に基づいて対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定するため、例えば、対象航空機の第1飛行計画が他機の第2飛行計画と重複する場合に飛行許可申請書を作成しないようにすることができる。そのため、許可が下り得ない飛行計画について飛行許可申請書が許可機関に提出される可能性を低下させることができる。よって、航空機の飛行許可の申請に関連する作業の効率を向上することができる。
【0051】
[項目2]
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することは、
前記第1飛行計画の前記飛行エリア情報の少なくとも一部が前記第2飛行計画の前記飛行エリア情報と重複し、かつ前記第1飛行計画の前記飛行日時情報の少なくとも一部が、前記第2飛行計画の前記飛行日時情報と重複するとき、前記飛行許可申請書を作成することを許可しないと判定し、
前記第1飛行計画の前記飛行エリア情報及び前記飛行日時情報の少なくとも一部が、前記第2飛行計画の前記飛行エリア情報及び前記飛行日時情報と重複しないとき、前記飛行許可申請書を作成することを許可すると判定する、ことを含む、項目1に記載の飛行許可申請支援システム。
【0052】
この構成によれば、飛行許可申請書の作成が無駄になることを的確に防止できる。
【0053】
[項目3]
前記処理回路は、前記飛行許可申請書を作成することを許可しないと判定すると、前記対象航空機の第1飛行計画の変更を要求する変更要求を生成するように構成されている、項目1又は2に記載の飛行許可申請支援システム。
【0054】
この構成によれば、対象航空機の飛行計画が採用不可である場合において、飛行許可申請書を作成する前に対象航空機のユーザに第1飛行計画の変更を促すことができ、ユーザによる飛行許可申請の迅速な再依頼に貢献できる。
【0055】
[項目4]
前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することは、前記対象航空機の前記飛行エリア情報が前記他機の前記飛行エリア情報と部分的に重なる重複領域を特定することを含み、
前記変更要求情報は、前記特定された重複領域を含む、項目3に記載の飛行許可申請支援システム。
【0056】
この構成によれば、対象航空機の飛行経路の計画をどのように変更すればよいかをユーザに把握させることができる。
【0057】
[項目5]
複数のユーザ詳細情報と、前記複数のユーザ詳細情報にそれぞれ対応する複数のユーザ固有情報と、を互いに関連付けて記憶する内部データベースを更に備え、
前記飛行許可申請依頼は、ユーザ固有情報を更に含み、
前記処理回路は、前記内部データベースを参照し、受信した前記ユーザ固有情報に対応するユーザ詳細情報を特定することを更に行うように構成されており、
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することは、前記特定されたユーザ詳細情報に基づいて前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することを含む、項目1乃至4のいずれかに記載の飛行許可申請支援システム。
【0058】
この構成によれば、ユーザ詳細情報の入力を容易にしながらも、ユーザの操縦技能等のユーザ詳細情報を勘案して飛行許可申請の可否判定を詳細に行うことができる。
【0059】
[項目6]
複数の機体詳細情報と、前記複数の機体詳細情報にそれぞれ対応する複数の機体固有情報と、を互いに関連付けて記憶する内部データベースを更に備え、
前記飛行許可申請依頼は、機体固有情報を更に含み、
前記処理回路は、前記内部データベースを参照し、受信した前記機体固有情報に対応する機体詳細情報を特定することを更に行うように構成されており、
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することは、前記特定された機体詳細情報に基づいて前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することを含む、項目1乃至5のいずれかに記載の飛行許可申請支援システム。
【0060】
この構成によれば、機体詳細情報の入力を容易にしながらも、機体の設計情報、機体に応じた安全確保のための体制情報、機体の飛行マニュアル等の情報等のような機体詳細情報を勘案して飛行許可申請の可否判定を詳細に行うことができる。
【0061】
[項目7]
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することは、気象情報を記憶した気象情報公開データベースに前記ネットワークを介してアクセスし、前記第1飛行計画の前記飛行エリア情報及び前記飛行日時情報に対応する気象情報に基づいて、前記対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することを含む、項目1乃至6のいずれかに記載の飛行許可申請支援システム。
【0062】
この構成によれば、望ましくない気象条件下での飛行計画を含む飛行許可申請書が作成されることを未然に防止できる。
【0063】
[項目8]
前記処理回路は、
前記飛行許可申請書を作成することを許可すると判定すると、前記飛行許可申請依頼に含まれる情報に基づいて、少なくともユーザ詳細情報及び機体詳細情報を記憶するデータベースから前記飛行許可申請書の作成に必要な情報を取得することと、
前記取得された必要な情報を使って前記飛行許可申請書を作成することと、を更に行うように構成されている、項目1乃至7のいずれかに記載の飛行許可申請支援システム。
【0064】
この構成によれば、データベースから必要情報を取得することでユーザの入力負担を軽減できる。また、飛行許可申請書を作成できると判定された後に、飛行許可申請書に必要な情報を取得するため、無駄な情報取得を低減できる。
【0065】
[項目9]
前記処理回路は、
前記作成された飛行許可申請書を許可機関に送信することと、
前記許可機関から申請受領通知を受信することと、
前記受信した申請受領通知をユーザ端末に送信することと、を更に行うように構成されている、項目8に記載の飛行許可申請支援システム。
【0066】
この構成によれば、システムによる申請完了の事実をユーザに把握させることができる。
【0067】
[項目10]
前記処理回路は、前記作成された飛行許可申請書を、前記第1飛行計画の前記飛行日時情報が示す日時から所定期間前のときに許可機関に自動送信するように構成されている、項目8又は9に記載の飛行許可申請支援システム。
【0068】
この構成によれば、ユーザによる飛行許可申請依頼の時期の自由度を高めながらも、適切な時期に許可機関への申請を行うことができる。
【0069】
[項目11]
前記処理回路は、ユーザに操作されるユーザ端末の第1処理回路と、前記ユーザ端末と通信可能なサーバの第2処理回路と、を含み、
前記第1処理回路は、前記ユーザの指令に応じて前記サーバに前記飛行許可申請依頼を送信するように構成され、
前記第2処理回路は、
前記ユーザ端末から前記飛行許可申請依頼を受信することと、
前記飛行許可申請依頼を受信すると、前記第1飛行計画の内容を含む確認依頼情報を前記ユーザ端末に送信することと、を行うように構成され、
前記第1処理回路は、
前記サーバから前記確認依頼情報を受信することと、
前記ユーザから前記確認依頼情報を確認したことを示す確認入力を受けることと、
前記確認入力を示す確認情報を前記サーバに送信することと、を行うように構成され、
前記第2処理回路は、前記確認情報を受信すると、前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較するように構成されている、項目1乃至10のいずれかに記載の飛行許可申請支援システム。
【0070】
この構成によれば、ユーザによる第1飛行計画の入力ミスがあった場合に、間違った飛行計画を他機の飛行計画と比較することを防止できる。
【0071】
[項目12]
前記処理回路は、ユーザに操作されるユーザ端末の第1処理回路と、前記ユーザ端末と通信可能なサーバの第2処理回路と、を含み、
前記第1処理回路は、前記ユーザの指令に応じて前記サーバに前記飛行許可申請依頼を送信するように構成され、
前記第2処理回路は、
前記ユーザ端末から前記飛行許可申請依頼を受信することと、
前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することと、
前記飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することと、
前記飛行許可申請書を作成することを許可すると判定すると、前記飛行許可申請書を作成し、前記飛行許可申請書を前記ユーザ端末に送信することと、を行うように構成され、
前記第1処理回路は、
前記サーバから前記飛行許可申請書を受信することと、
前記ユーザから前記飛行許可申請書の承認を受けることと、
前記承認を示す承認情報を前記サーバに送信することと、を行うように構成され、
前記第2処理回路は、前記承認情報を受信すると、前記飛行許可申請書を前記許可機関に送信するように構成されている、項目1乃至11のいずれかに記載の飛行許可申請支援システム。
【0072】
この構成によれば、サーバとユーザ端末とが互いに連携することで、作業の確実性を上げながら航空機の飛行許可の申請に関連する作業の効率を向上することができる。
【0073】
[項目13]
航空機の飛行許可申請を支援する飛行許可申請支援方法であって、
対象航空機の飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む第1飛行計画を含む飛行許可申請依頼を受信することと、
既に飛行許可された飛行エリア情報及び飛行日時情報を含む他機の第2飛行計画を記憶した飛行計画公開データベースにネットワークを介してアクセスし、前記第1飛行計画を前記第2飛行計画と比較することと、
前記比較した結果に基づいて、前記対象航空機の飛行許可申請書を作成することを許可するか否かを判定することと、を備える、飛行許可申請支援方法。
【0074】
[項目14]
項目13に記載の前記飛行許可申請方法を少なくとも1つのプロセッサに実行させる、飛行許可申請プログラム。
【符号の説明】
【0075】
1 飛行許可申請支援システム
2 対象航空機
3 ユーザ端末
4 サーバ
5 内部データベース
6 公開データベース
7 許可機関
10 ユーザ
11 第1処理回路
21 第2処理回路
16,26 プロセッサ
50,60 飛行エリア
P1,P2 プログラム
X 重複領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6