(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108016
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】ワイパー
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/08 20060101AFI20240802BHJP
B08B 1/00 20240101ALI20240802BHJP
【FI】
B23Q11/08 C
B08B1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012261
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000111085
【氏名又は名称】ニッタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 朋尚
(72)【発明者】
【氏名】岡村 東英
(72)【発明者】
【氏名】宮城 佳宏
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA47
3B116AB53
3B116BA03
3B116BA23
(57)【要約】
【課題】リップ部と取付部との接着強度が十分で高い耐久性を実現するとともに、リップ部の先端の被清掃面上の摺動中における締付ボルトのゆるみの発生、及び締付ボルトの過剰な締付によるワイパーの歪み及びたわみの発生が抑制されたワイパーを提供する。
【解決手段】工作機械に取り付けられて被清掃面を拭き取るワイパー1であって、剛性材料からなる補強板10aと補強板10aに積層して設けられた弾性材料からなる背部10bとを有する、帯状の取付部10と、弾性材料からなり、取付部10の短手方向の側面に取り付けられ、被清掃面に接して摺動する摺動部11aを有するリップ部11と、を備え、背部10bの厚さが0mmより大きく0.5mm以下であり、補強板10aは、ロックウェル硬さHRBが65未満及びビッカース硬さHVが115未満である構成とする。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械に取り付けられて被清掃面を拭き取るワイパーであって、
剛性材料からなる補強板と前記補強板に積層して設けられた弾性材料からなる背部とを有する、帯状の取付部と、
弾性材料からなり、前記取付部の短手方向の側面に取り付けられ、前記被清掃面に接して摺動する摺動部を有するリップ部と、を備え、
前記背部の厚さが0mmより大きく0.5mm以下であり、
前記補強板は、ロックウェル硬さHRBが65未満及びビッカース硬さHVが115未満である
ワイパー。
【請求項2】
前記背部及び前記リップ部は同一の弾性材料で形成されている
請求項1に記載のワイパー。
【請求項3】
前記背部及び前記リップ部は一体に形成されたものである
請求項2に記載のワイパー。
【請求項4】
前記背部はJIS-A硬さが55°以上95°以下である
請求項1に記載のワイパー。
【請求項5】
前記リップ部は前記摺動部に金属薄板、樹脂薄板、または繊維布が貼付されている
請求項1に記載のワイパー。
【請求項6】
前記リップ部は前記摺動部に繊維又は球状の樹脂粒子が含有されている
請求項1に記載のワイパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械において、金属屑あるいはクーラント等の付着物が付着した工作機械の表面である被清掃面から付着物を除去するために、工作機械用のワイパーが用いられる。
【0003】
ワイパーは、例えば、工作機械に取り付けられる取付部と、取付部に取り付けられ、先端が被清掃面に接して被清掃面に付着している付着物を除去するリップ部とを有する。取付部は、例えば金属等の剛性材料からなる補強板と、補強板の背面側に設けられたゴム等の弾性材料からなる背部とを有して構成されている。
【0004】
ワイパーは、取付部において締付ボルトを用いて工作機械に取り付けられて用いられる。取付部が剛性材料の補強板と弾性材料の背部とから構成されるワイパーの場合、リップ部の先端の被清掃面上の摺動中に締付ボルトのゆるみが発生する可能性がある。摺動中の締付ボルトのゆるみが発生しないように締付ボルトを過剰に締め付けると、ワイパーに歪み及びたわみが発生し、取付部の背部側の面と工作機械の取付面との間に隙間が発生することがある。特に、摺動性を向上させるために、摺動面と接するリップ部分の先端に金属鋼鈑を貼り付けた場合、上記の歪み及びたわみがより顕著に表れる。
【0005】
締付ボルトの過剰な締付によるワイパーの歪み及びたわみの発生を抑制するために、取付部には剛性が求められており、取付部が弾性材料からなる背部を有さない構成のワイパーが提案されている。
【0006】
特許文献1には、リップ部が取り付けられた取付部の側面が凹凸形状を有しており、リップ部と取付部との接着強度を向上させ、高い耐久性を実現するとともに、工作機械への取付時のボルト締めによる取付部の歪みやたわみがないワイパーが開示されている。
【0007】
特許文献2には、リップ部と取付部とが金型内で加硫接着されており、リップ部と取付部との接着強度を向上させ、高い耐久性を有するとともに、工作機械への取付時のボルト締めによる取付部の歪みやたわみがなく、摺動面に対するリップ部先端のシール性が高いワイパーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-89689号公報
【特許文献2】特開2022-89690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
取付部が弾性材料からなる背部を有さない構成のワイパーでは、取付部とリップ部とがそれぞれの側面のみで互いに接着されているため、取付部とリップ部との接着強度が十分ではなく、リップ部の先端の被清掃面上の摺動中にリップ部が脱落する可能性があり、また、リップ部先端の被清掃面に対するシール性が低下する可能性がある。
【0010】
工作機械用のワイパーにおいて、リップ部の先端の被清掃面上の摺動中における締付ボルトのゆるみの発生、及び締付ボルトの過剰な締付によるワイパーの歪み及びたわみの発生を抑制することが求められている。また、取付部とリップ部との十分な接着強度が求められている。
【0011】
そこで本発明は、リップ部と取付部との接着強度が十分で高い耐久性を実現するとともに、リップ部の先端の被清掃面上の摺動中における締付ボルトのゆるみの発生、及び締付ボルトの過剰な締付によるワイパーの歪み及びたわみの発生が抑制されたワイパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るワイパーは、工作機械に取り付けられて被清掃面を拭き取るワイパーであって、剛性材料からなる補強板と前記補強板に積層して設けられた弾性材料からなる背部とを有する、帯状の取付部と、弾性材料からなり、前記取付部の短手方向の側面に取り付けられ、前記被清掃面に接して摺動する摺動部を有するリップ部と、を備え、前記背部の厚さが0mmより大きく0.5mm以下であり、前記補強板は、ロックウェル硬さHRBが65未満及びビッカース硬さHVが115未満である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、リップ部と取付部との接着強度が十分で高い耐久性を実現するとともに、リップ部の先端の被清掃面上の摺動中における締付ボルトのゆるみの発生、及び締付ボルトの過剰な締付によるワイパーの歪み及びたわみの発生が抑制されたワイパーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】第2変形例のワイパーの一例に用いられる補強板の(A)正面図及び(B)断面図である。
【
図3】第2変形例のワイパーの他の一例に用いられる補強板の(A)正面図及び(B)断面図である。
【
図4】第2変形例のワイパーのさらに他の一例に用いられる補強板の(A)正面図及び(B)断面図である。
【
図5】第2変形例のワイパーのまたさらに他の一例に用いられる補強板の(A)正面図及び(B)断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、以下に説明する形態は、あくまで例示であって、当業者にとって自明な範囲で適宜修正することができる。
【0016】
<実施形態>
(ワイパー1の構成)
本実施形態のワイパー1は、工作機械に取り付けられて被清掃面を拭き取るワイパーである。
図1Aは本実施形態のワイパー1の正面図であり、
図1Bは
図1Aのワイパー1の長手方向に対して直交する面での断面図である。
【0017】
ワイパー1は、帯状の取付部10とリップ部11とを有する。取付部10は、剛性材料からなる補強板10aと、補強板10aに積層して設けられた弾性材料からなる背部10bとを有する。リップ部11は、弾性材料からなり、取付部10の短手方向の側面に取り付けられ、被清掃面に接して摺動する摺動部11aを有する。
【0018】
リップ部11は取付部10に取り付けられた部分に屈曲部11bが設けられており、屈曲部11bにおいて取付部10が延伸する方向から屈曲して延伸し、その先端に摺動部11aが設けられている。リップ部11は、屈曲部11bにおいて屈曲する部分の内側に切欠き部11cが設けられている。リップ部11の上面又は下面には金属薄板12が貼付されている。
図1Bは、金属薄板12が摺動部11aの先端から突出するようにしてリップ部11の上面に貼付された構成を示している。
【0019】
ワイパー1は、金属薄板12の先端が被清掃面に密着するように、取付部10に設けられた不図示の開口部において締付ボルトを用いて工作機械に取り付けられ、金属薄板12の先端が被清掃面に押し付けられて摺動して被清掃面を拭き取るようにして用いられる。切欠き部11cは、金属薄板12の先端が被清掃面に押し付けられたときに被清掃面に密着するように屈曲部11bが変形するのを容易にする。
【0020】
補強板10aは、ロックウェル硬さHRBが65未満及びビッカース硬さHVが115未満である。好ましくは、ロックウェル硬さHRBが40以上65未満及びビッカース硬さHVが90以上115未満である。
【0021】
補強板10aは剛性材料からなり、金属板または樹脂板から構成される。金属板としては、例えば、鋼板、アルミニウム板、真鍮板、タングステン板等が挙げられる。補強板10aが金属板で構成される場合、表面は防錆処置が施され、例えば補強板10aが鋼鈑で構成される場合には表面に四酸化三鉄膜が形成されている。樹脂板としては、切削加工による150℃以上の温度に耐えられるものが好ましく、例えば、フッ素樹脂や、ポリエーテルエーテルケトン等のスーパーエンジニアリングプラスチック、さらにガラス短繊維、無機フィラー等を充填し複合化したポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0022】
背部10bは、JIS-A硬さが55°以上95°以下である。好ましくは、JIS-A硬さが65°以上85°以下である。さらに好ましくは、JIS-A硬さが65°以上75°以下である。
【0023】
背部10bは弾性材料からなり、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ハイパロン、ポリブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(EPDM)、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム(H-NBR)、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、ミラブルウレタン、熱硬化性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタンまたは熱可塑性ポリエステル等のエラストマーが挙げられ、これらのうち一種以上が使用される。弾性材料には、加硫剤、加硫促進助剤および補強剤を配合してもよい。加硫剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、有機硫黄化合物、金属酸化物等が挙げられる。加硫促進助剤としては、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、金属酸化物等が挙げられる。補強剤としては、例えば、カーボンブラック、ホワイトカーボン等が挙げられる。さらに、例えば、老化防止剤、充填剤、可塑剤、粘着剤等もまた配合され得る。
【0024】
背部10bの厚さは、0mmより大きく0.5mm以下である。好ましくは、背部10bの厚さは、0.2mm以上0.5mm以下である。
【0025】
補強板10a及び背部10bを合わせた取付部10の厚さは任意であるが、1.0mm以上、好ましくは1.2mm以上、より好ましくは1.6mm以上である。取付部10の厚みの上限は限定されないが、通常7.0mm以下である。また、取付部10の短手方向の長さは、通常5mm以上、例えば5~50mm程度である。
【0026】
補強板10aの厚さは、取付部10の厚さを満足するように任意に設定することが可能であるが、リップ部11との接合強度を高めるために1.0mm以上が好ましく、さらに好ましくは1.2mm以上であり、またさらに好ましくは1.6mm以上である。
【0027】
リップ部11は、背部10bと同様の弾性材料からなる。本実施形態のワイパー1では、好ましくは背部10b及びリップ部11は同一の弾性材料で形成されており、この場合には背部10b及びリップ部11は一体に形成されたものとすることができる。リップ部11を構成する弾性材料は、摺動抵抗を小さくするために、グラファイト、シリコンオイル、フッ素パウダー、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤が含まれていてもよい。
【0028】
リップ部11の厚さは、取付部10の厚さとほぼ同じであるのがよいが、それよりも小さくてもよい。さらに、ワイパー1の性能に影響しない限りにおいて、リップ部11の厚さが取付部10の厚さよりも大きくてもよい。
【0029】
金属薄板12は、鋼板、燐青銅板、およびステンレス鋼板のようなバネ板材で構成される。金属薄板12の表面は防錆処置が施され、例えば四酸化三鉄膜が形成されている。金属薄板12は、リップ部11の上面または下面に加硫接着等で一体的に貼付されている。
【0030】
金属薄板12は、摺動部11aの先端より通常0.5mm以上5.0mm以下程度突出するように設けられている。金属薄板12の厚みは、例えば0.07mm以上0.25mm以下であり、好ましくは0.1mm以上0.2mm以下である。この金属薄板12の厚みが0.07mm未満である場合、取付部10の取付位置を調節して金属薄板12の先端が被清掃面上で摺動する際に金属薄板12の強度が不足して曲がりすぎ、シールするのに必要な接触を確保することが困難となる。0.25mmを越えると、金属薄板12が十分に屈曲せずに、金属薄板12の先端が被清掃面を損傷させる可能性がある。金属薄板12の上面に不図示の保護部材が設けられていてもよい。
【0031】
(ワイパー1の作用・効果)
本実施形態のワイパー1は、補強板10aと背部10bが積層して構成された取付部10にリップ部11が取り付けられ、背部10bの厚さが0mmより大きく0.5mm以下であり、補強板10aのロックウェル硬さHRBが65未満及びビッカース硬さHVが115未満であることにより、リップ部11と取付部10との接着強度が十分で高い耐久性を実現するとともに、リップ部11の先端の被清掃面上の摺動中における締付ボルトのゆるみの発生、及び締付ボルトの過剰な締付によるワイパー1の歪み及びたわみの発生が抑制されている。
【0032】
特に、金属薄板12がリップ部11の上面に貼付された構成では、ワイパー1に歪み及びたわみが発生すると金属薄板12の被清掃面に対するシール性が大きく損なわれるが、本実施形態のワイパー1ではワイパー1の歪み及びたわみの発生が抑制されているので、シール性を確保できる。
【0033】
(ワイパー1の製造方法)
本実施形態のワイパー1の製造方法は、例えば、上型と下型を備える金型の下型内に補強板10aを戴置し、次に下型内に弾性材料を充填し、ついで上型と下型とで加熱加圧して背部10b及びリップ部11を加硫成形し、補強板10aに加硫接着された背部10b及びリップ部11を同時に一体形成する。次に、リップ部11の上面に金属薄板12を加硫接着等でリップ部11に埋め込むようにして貼付する。このようにして、ワイパー1を製造することができる。
【0034】
金型内で背部10b及びリップ部11を加硫成形すると仕上り精度が良好であり、被清掃面に対するシール性が向上し、金属屑あるいはクーラント等の付着物の除去性能が向上する。
【0035】
補強板10aの背部10bと接する面及びリップ部11と接する面には、あらかじめブラスト処理および/または脱脂処理を行うのが、接合強度をより高めるうえで好ましい。補強板10aの側面に接着剤を塗布してから下型の所定位置に載置するのがよい。接着剤としては、例えば、プライマー液と上塗り液とからなる2液型の接着剤が挙げられる。プライマー液および上塗り液は、例えば塩素化ポリエチレン、クロロプレンゴム、塩素化ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、臭素化塩素化ポリブタジエン等のハロゲン化ポリマー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂を主成分とするものである。
【0036】
以上、本発明の実施形態を種々説明したが、これらの説明は一つの例示のために提示したものであり、実施形態に提示された形態に本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて多くの修正および変形が可能である。
【0037】
<実施例>
上記の製造方法に示した手順で、実施例1及び比較例1に係るワイパーを作成し、評価を行った。
【0038】
(実施例1)
長さ:380mm、高さ:32mm、幅:16.4mm、取付部の厚さ:3.0mm、の実施例1のワイパーを作成した。ここで、補強板として厚さが2.6mm、ロックウェル硬さHRBが55~56、ビッカース硬さHVが103~110のSPCC鋼鈑を用い、背部及びリップ部との弾性材料としてJIS-A硬さが65~75°の材料を用い、背部の厚さを0.4mmとした。長さ方向において左端から15mm、190mm、395mmの位置に8×12mmの長穴を設けた。
【0039】
(比較例1)
補強板の厚さを1.6mmとし、背部の厚さを1.4mmとしたことを除いては実施例1と同様にして、比較例1のワイパーを作成した。
【0040】
(リップ部反り試験)
実施例1及び比較例1のワイパーに対して、長穴にM6タイプの六角穴付きボルトを差し込んで試験機へ取り付け、トルクレンチを用いて、0.5N・m刻みで締付トルクを増やしながら、リップ部の反りを目視で確認した。結果を表1に示す。表1中、「〇」は反りが発生していないことを示し、「×」は反りが発生したことを示し、「‐」は試験を行っていないことを示す。
【0041】
【0042】
表1に示すとおり、比較例1においては、2.5N・mの締付でリップ部の反りが発生するが、実施例1においては、ボルトが締まり切る4.4N・mの締付トルクにおいてもリップ部の反りは発生しなかった。
【0043】
<第1変形例>
上記の実施形態のワイパー1は、金属薄板12が摺動部11aの先端から突出するようにしてリップ部11の上面に貼付された構成であるが、金属薄板12に代えて、樹脂薄板または繊維布(帆布)が貼付された構成としてもよい。
【0044】
また、金属薄板12を有さない構成としてもよい。この場合、リップ部11の先端の摺動部11aが被清掃面に密着するように工作機械に取り付けられ、摺動部11aの先端が被清掃面に押し付けられて摺動して被清掃面を拭き取るようにして用いられる。摺動部11aの一部または全部にナイロン等の繊維材料や球状の樹脂材料等を含有させたりして、ワイパー1の摺動性を向上させるようにしてもよい。
【0045】
<第2変形例>
上記の実施形態のワイパー1は、補強板10aとして表面が平坦な平板を用いた構成であるが、補強板に線状の切り込みあるいは凹凸形状部を設けた構成としてもよい。
【0046】
図2は本変形例のワイパーの一例に用いられる補強板の(A)正面図及び(B)断面図である。
図2に示した補強板20aは、補強板20aの長手方向に延伸する線状の切り込み20bが設けられている。
【0047】
図3は本変形例のワイパーの他の一例に用いられる補強板の(A)正面図及び(B)断面図である。
図3に示した補強板21aは、補強板21aの長手方向に延伸する凹凸形状部21bが設けられている。
【0048】
図4は本変形例のワイパーのさらに他の一例に用いられる補強板の(A)正面図及び(B)断面図である。
図4に示した補強板22aは、補強板22aの短手方向に延伸する線状の切り込み22bが設けられている。
【0049】
図5は本変形例のワイパーのまたさらに他の一例に用いられる補強板の(A)正面図及び(B)断面図である。
図5に示した補強板23aは、補強板23aの短手方向に延伸する凹凸形状部23bが設けられている。
【0050】
本変形例の線状の切り込みあるいは凹凸形状部が設けられた補強板は、背部10bとの接着強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 ワイパー
10 取付部
10a 補強板
10b 背部
11 リップ部
11a 摺動部
11b 屈曲部
11c 切欠き部
12 金属薄板
20a、21a、22a、23a 補強板
20b、22b 切り込み
21b、23b 凹凸形状部