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特開2024-108024機器、情報処理装置及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108024
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】機器、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G08C 25/00 20060101AFI20240802BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20240802BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20240802BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20240802BHJP
【FI】
G08C25/00 A
G08C17/00 Z
H04W24/10
H04W28/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012275
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】落合 覚
【テーマコード(参考)】
2F073
5K067
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AA03
2F073AA04
2F073AA12
2F073AB01
2F073AB05
2F073BB01
2F073BB04
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC02
2F073CC03
2F073CC14
2F073CD01
2F073CD11
2F073DD07
2F073DE08
2F073EF08
2F073EF09
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073FG04
2F073GG01
2F073GG06
2F073GG09
5K067AA23
5K067BB27
5K067EE10
5K067EE12
5K067FF02
5K067HH22
5K067HH28
(57)【要約】
【課題】測定値を再送しない場合でも、欠損に係る測定値を補填できるようにする。
【解決手段】
機器は、測定値を取得する取得部と、取得部が取得した測定値に関する情報を管理する管理部と、取得部が取得した最新の測定値、及び、管理部が管理する最新の測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を無線送信する無線通信部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定値を取得する取得部と、
前記取得部が取得した測定値に関する情報を管理する管理部と、
前記取得部が取得した最新の測定値、及び、前記管理部が管理する前記最新の測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を無線送信する無線通信部と、
を備える、
機器。
【請求項2】
前記レンジ情報は、
前記所定回数分にわたる過去の測定値のうちの最大測定値を示す上限点と、
前記所定回数分にわたる過去の測定値のうちの最小測定値を示す下限点と、
を含む、
請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記上限点は、前記最新の測定値に対する前記最大測定値の変化量を示し、
前記下限点は、前記最新の測定値に対する前記最小測定値の変化量を示す、
請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記レンジ情報は、前記所定回数分にわたる過去の測定値に異常値が存在するか否かを示すステータス情報を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項5】
前記無線通信部は、前回の無線送信が失敗した場合には前記最新の測定値及び前記レンジ情報を無線送信し、前回の無線送信が成功した場合には前記最新の測定値及び前記レンジ情報のうちの前記最新の測定値だけを無線送信する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項6】
前記取得部は、前記測定値を周期的に取得し、
前記無線通信部の無線送信周期は、前記取得部の測定値取得周期よりも長く、
前記レンジ情報は、前記無線通信部の前回の無線送信以降に前記取得部が取得した過去の測定値の範囲を規定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項7】
前記無線通信部は、前記取得部が取得した測定値が正常状態である場合には、前記最新の測定値及び前記レンジ情報を無線送信せず、前記取得部が取得した測定値が異常状態である場合には、前記最新の測定値及び前記レンジ情報を無線送信する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項8】
機器が取得して無線送信した測定値、及び、当該測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した複数の測定値のトレンドグラフを表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記複数の測定値それぞれについて前記取得部が取得した前記レンジ情報が規定するレンジを、前記トレンドグラフと一緒に表示する、
情報処理装置。
【請求項9】
前記レンジ情報は、前記所定回数分にわたる過去の測定値に異常値が存在するか否かを示すステータス情報を含み、
前記表示部は、前記ステータス情報も表示する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記レンジ情報が規定する前記範囲内の値を過去の測定値として特定する分析部を備える、
請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記分析部は、複数の前記レンジ情報それぞれが規定する前記範囲の重複範囲内の値を過去の測定値として特定する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
機器が取得して無線送信した測定値、及び、当該測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を取得することと、
前記取得した複数の測定値のトレンドグラフを表示することと、
を含み、
前記表示することでは、前記複数の測定値それぞれについて前記取得した前記レンジ情報が規定するレンジを、前記トレンドグラフと一緒に表示する、
情報処理方法。
【請求項13】
前記レンジ情報は、前記所定回数分にわたる過去の測定値に異常値が存在するか否かを示すステータス情報を含み、
前記表示することでは、前記ステータス情報も表示する、
請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記レンジ情報が規定する前記範囲内の値を過去の測定値として特定することを含む、
請求項12又は13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記特定することでは、複数の前記レンジ情報それぞれが規定する前記範囲の重複範囲内の値を過去の測定値として特定する、
請求項14に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の技術分野においては、信頼性確保等のためにデータを再送することが知られている。例えば特許文献1は、フィールド機器等に適用することのできるデータ再送技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5029928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フィールド機器のような機器は、取得した測定値を例えば上位システムに無線送信する。無線送信にエラーが発生すると、測定値に欠損が生じる。欠損を補填するために再送すると、次の測定値の無線送信が遅れたり、再送の分だけ機器の消費電力が増大したりする。次の測定値の無線送信があるため再送を断念しなければならない場合もある。
【0005】
本開示の一側面は、測定値を再送しない場合でも、欠損に係る測定値を補填できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面に係る機器は、測定値を取得する取得部と、取得部が取得した測定値に関する情報を管理する管理部と、取得部が取得した最新の測定値、及び、管理部が管理する最新の測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を無線送信する無線通信部と、を備える。
【0007】
一側面に係る情報処理装置は、機器が取得して無線送信した測定値、及び、当該測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を取得する取得部と、取得部が取得した複数の測定値のトレンドグラフを表示する表示部と、を備え、表示部は、複数の測定値それぞれについて取得部が取得したレンジ情報が規定するレンジを、トレンドグラフと一緒に表示する。
【0008】
一側面に係る情報処理方法は、機器が取得して無線送信した測定値、及び、当該測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を取得することと、取得した複数の測定値のトレンドグラフを表示することと、を含み、表示することでは、複数の測定値それぞれについて取得したレンジ情報が規定するレンジを、トレンドグラフと一緒に表示する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、測定値を再送しない場合でも、欠損に係る測定値を補填できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るシステムの概略構成の例を示す図である。
図2】管理情報の例を示す図である。
図3】通信フレームの例を示す図である。
図4】レンジ情報が規定する測定値の範囲の例を模式的に示す図である。
図5】表示の例を示す図である。
図6】表示の例を示す図である。
図7】欠損に係る測定値の把握の例を示す図である。
図8】欠損に係る測定値の把握の例を示す図である。
図9】欠損に係る測定値の把握の例を示す図である。
図10】第1変形例を示す図である。
図11】第2変形例を示す図である。
図12】第3変形例を示す図である。
図13】ハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ実施形態について説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0012】
<序>
フィールド機器等の機器が測定値を上位システムに無線送信して取集する場合のいくつかの課題について述べる。例えば、無線通信の品質が悪いと、測定値に欠損が発生する。同じ通信エリア内に複数の機器が配置されている場合は、混信、干渉等によって同様の問題が生じ得る。Confirm通信(Ack送受信等)を用いて測定値を再送する場合は、再送に関する前述の問題がある。
【0013】
また、測定値の変動が大きいといった状況下では、短周期送信が求められるが、電波法の関係から1台の機器が利用できる無線帯域に限りがある。同じ通信エリア内に設置する機器の台数を確保するために、短周期送信が行えない場合もある。通常は起きないが何かの条件がかち合うと発生するような異常状態(稀に発生する瞬発的な異常状態)も監視できるように短周期送信を行うと、正常状態の測定値が過剰に無線送信され、無線帯域を無駄に消費する。
【0014】
上述のような課題の少なくとも一部が、この後で説明する実施形態によって対処される。
【0015】
<実施形態>
図1は、実施形態に係るシステムの概略構成の例を示す図である。システム1は、センサ2と、機器3と、情報処理装置4とを含む。機器3及び情報処理装置4は、互いに通信可能に構成される。この例では、機器3及び情報処理装置4は、ゲートウェイGWを介して通信する。
【0016】
機器3と情報処理装置4との通信は、無線通信を含む。無線通信に用いられるアンテナのうち、機器3側に位置するアンテナを、アンテナ3aと称し図示する。情報処理装置4側に位置するアンテナを、アンテナ4aと称し図示する。
【0017】
センサ2は、例えばプラント、工場等に設置され、センサ値を出力する。センサ2の例は、温度センサ、圧力センサ、振動センサ、流量センサ等であり、それらの場合のセンサ値の例は、温度値、圧力値、振動値、流量値等である。センサ値は、電圧値、電流値等であってよい。センサ値は、アナログ値であってもよいしデジタル値であってもよい。とくに説明がある場合を除き、センサ値は、アナログの電圧値であるものとする。
【0018】
センサ2は、スリープ状態(非起動状態)とアウェイク状態(起動状態)との間で状態遷移可能である。例えば、センサ2は、指定された周期でスリープ状態からアウェイク状態に復帰し、センサ値を機器3に送信する。例えば、センサ2は機器3と有線接続され、センサ値を機器3に有線送信する。センサ2が自らセンサ値を送信するのではなく、機器3がセンサ2にアクセスしてそのセンサ値を取得してもよい。
【0019】
なお、図1に示される例では、センサ2は、機器3とは別に、機器3の外部に設けられた外部センサである。ただし、機器3がセンサ2を含むように、センサ2が機器3に内蔵されてもよい。センサ2の状態遷移周期(センサ値が取得される周期等ともいえる)は、ユーザによって指定されてもよいし、固定されてもよい。
【0020】
機器3は、電源部31と、取得部32と、管理部33と、記憶部34と、無線通信部35とを含む。図1には表れないが、CPU等のプロセッサも、機器3に含まれてよい。CPUの他に、複雑な演算等が行える専用のPGA(Programmable Gate Array)、G/A(Gate Array)等も、機器3に含まれてよい。
【0021】
電源部31は、機器3の各部に電力を供給する。電源部31は、センサ2に電力を供給してもよい。電源部31の電力源として、種々の公知の電池が用いられてよい。電池の一例は、塩化チオニルリチウム電池である。電池は、二次電池であってもよい。電源部31は、電池の診断機能を有していてもよい。なお、電池に代えて或いは電池とともに、有線を用いた外部給電が用いられてもよい。センサ2が電源部31からの電力を使用して動作する場合は、センサ2がセンサ値を機器3に送信するタイミングで、電源部31がセンサ2に電力を供給する。
【0022】
取得部32は、センサ2からのセンサ値を受信し、対応する測定値を取得する。なお、図1に示される例では、取得部32は、1つのセンサ2からのセンサ値を取得する。ただし、取得部32は、複数のセンサ2それぞれからセンサ値を受信してもよい。取得部32は、測定部321と、演算部322とを含む。
【0023】
測定部321は、センサ2からのセンサ値を受信し、受信したセンサ値をデジタル値に変換する。測定部321は、フロントエンド回路を含む。フロントエンド回路は、センサ2からのセンサ信号を受信するための入力口(入力ポート)、センサ信号を安定化させるフィルタ、過大入力に対する回路保護機能等を含む。複数のセンサ2それぞれからのセンサ信号を受信する場合、フロントエンド回路は、複数のセンサ2に対応する複数の入力口を含み、また、入力口を切り替えるためのスイッチを含んでよい。また、測定部321は、各種のIC等を含んでよい。ICの一例は、ADCであり、センサ値をデジタル値に変換する。ICの別の例は、周波数変換ICである。
【0024】
測定部321がセンサ2からのセンサ値の取得する際、フロントエンドの初期化等が行われてよい。測定前の準備期間及びセトリング期間(待ち時間)の経過後に、フロントエンド及びADCが動作して、センサ値の受信及びそのAD変換処理が開始される。複数のセンサ2それぞれからのセンサ値を受信する場合は、フロントエンドを制御しながら、センサ値が続けて受信される。なお、以降の説明では、とくに説明がある場合を除き、センサ値は、測定部321によってデジタル値に変換された後のセンサ値であるものとする。
【0025】
測定部321は、センサ値の異常の有無を示すステータス情報を生成する。異常の例は、センサ値が所定の範囲外の値である、センサ値が振り切れている、センサ値が変化しない等である。これらの異常は、例えば、センサ2と機器3との間の通信線の断線、センサ2の故障等に起因して生じ得る。センサ値に異常が無いこと、すなわちセンサ値が正常値であるステータスを、GOODと称する。センサ値に異常が有ること、すなわちセンサ値が異常値であるステータスを、BADと称する。ステータス情報は、例えば、GOOD及びBADのいずれかを示すビットデータである。例えば、ビットデータは、BADに対応するビットフラグを含み、異常がある場合にそのビットフラグが有効化されてよい。
【0026】
演算部322は、測定部321によって得られたセンサ値を、測定目的の物理量を示す物理値に変換する。例えば、センサ2が温度センサの場合の物理値は温度値であり、センサ2が圧力センサの場合の物理値は圧力値であり、センサ2が流量センサの場合の物理値は流量値である。センサ値を物理値に変換する際に生じ得る中間値等は、記憶部34に一時的に保持されてよい。
【0027】
例えば、ADCのリファレンス電圧をフルスケールとして、センサ値から電圧値が算出され、センサ2の仕様に基づいて物理値に変換(換算)される。複数回にわたって同じセンサ2から受信したセンサ値に平均化処理を行ったり、ローバスフィルタ、ハイパスフィルタ等を通過させたりしてもよい。物理値は、単位換算されたものであってもよいし、パーセント変換されたものであってもよい。ユーザが希望する数値に合わせた変換が行われてよい。複数の物理値を得る場合は、続けて演算が行われる。
【0028】
上述の測定部321がセンサ値の異常の有無を示すステータス情報を生成するのと同様に、演算部322は、物理値の異常の有無を示すステータス情報を生成する。異常の例は、物理値が所定の範囲外の値である、物理値が振り切れている、物理値が変化しない等である。物理値に異常が無いことを示すステータスを、GOODと称する。物理値に異常が有ることを示すステータスを、BADと称する。ステータス情報は、例えば、GOOD及びBADのいずれかを示すビットデータである。例えば、ビットデータは、BADに対応するビットフラグを含んでよく、異常がある場合にそのビットフラグが有効化されてよい。
【0029】
上述のように測定部321によって得られたセンサ値、又は、演算部322によって得られた物理値が、取得部32によって取得された測定値である。とくに説明がある場合を除き、取得部32が取得する測定値は、物理値であるものとする。また、ステータス情報は、物理値についてのステータス情報であるものとする。
【0030】
管理部33は、取得部32が取得した測定値に関する情報を管理する。この情報を、管理情報とも称する。図1に示される例では、管理部33は、管理情報を記憶部34に記憶して管理する。管理情報について、図2も参照して説明する。
【0031】
図2は、管理情報の例を示す図である。管理情報は、時刻と、番号と、測定値と、ステータスとを対応付ける情報である。時刻は、取得部32が測定値を取得した時刻であってもよいし、測定値が記憶部34に記憶された時刻であってもよい。時刻は、絶対時刻によって表されてもよいし、機器3の起動時からのカウント値によって表されてもよい。番号は、その測定値が取得部32による何回目の取得によって得られた測定値であるのかというその回数の番号を示す。図2に示される例では、時刻は、最新の測定値を取得した時刻を基準として記述される。6回目の測定値が最新の測定値であり、それよりも前の1回目~5回目の測定値の取得時刻が、10分前~2分前として記述される。ステータスについて述べると、図2に示される例では、ステータスがGOODの場合、ビットフラグにおける0番目のビットが1である(Bit0=1)。ステータスがBADの場合、ビットフラグにおける1番目のビットが1である(Bit1=1)。
【0032】
図1に戻り、記憶部34は、機器3で用いられる情報を記憶するメモリである。メモリの例は、ROM、RAM等である。記憶部34は、CPUが有するメモリであってもよいし、CPUの外部に配置された拡張メモリであってもよい。ROMの例は、PROM、EEPROM、FlashROM等である。RAMの例は、SRAM、SDカード等である。記憶部34に記憶される情報として、上述の管理情報が例示される。
【0033】
無線通信部35は、機器3の外部の装置等と無線通信する。先にも述べたように機器3はゲートウェイGWを介して情報処理装置4と通信し、この通信のうちの機器3からゲートウェイGWまでの通信が、無線通信部35による無線通信に相当する。具体的に、無線通信部35は、通信フレームを生成し、ゲートウェイGWに無線送信する。通信フレームは、無線通信部35が対応する通信プロトコルに合わせたデータフォーマットを有する。無線通信部35は、通信プロトコルに従って送信データをエンコードすることにより、通信フレームを生成する。通信プロトコルの一例はLoRaWAN(Long Range Wide Area Network)(登録商標)プロトコルであり、この場合の通信フレームの例について図3を参照して説明する。
【0034】
図3は、通信フレームの例を示す図である。通信フレームは、プリアンブルと、データリンク制御と、アプリケーションデータ(送信データ)と、CRC(誤り検出)とを含む。所望の送信データを、アプリケーションデータに含めることができる。
【0035】
この例では、アプリケーションデータすなわち送信データは、コマンドと、最新の測定値と、最新の測定値のステータスと、レンジ情報とを含む。コマンドは、通信フレームの種別を示す1byteのビットデータであり、送信データにおける他の項目のフォーマットを特定する。最新の測定値は、取得部32によって取得された最新の測定値であり、この例では4byteのビットデータである。
【0036】
レンジ情報は、最新の測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定する。具体的に、レンジ情報は、回数と、上限点と、下限点と、ステータス情報とを含む。この例では、回数、上限点及び下限点はいずれも1byteのビットデータであり、ステータス情報は2byteのビットデータである。まず、回数、上限点及び下限点について説明し、その後、ステータス情報について説明する。
【0037】
回数は、上述の所定回数を示し、1又は2以上の整数である。回数は、予めユーザによって指定さてもよく、電波強度、雑音等の状態(例えばRSSI、SN比等)に応じて動的に変更されてもよい。例えば、標準の回数を4回とし、電波強度が低い場合、一例としてRSSIが-115dBm以下の場合、回数は、標準回数の1.5倍の6回に変更されてよい。電波強度が高い場合、一例としてRSSIがー80dBm以上の場合、回数は、標準回数の0.5倍の2回に変更されてよい。
【0038】
上限点は、所定回数分にわたる過去の測定値のうちの最大測定値を示す。上限点は、最大測定値を直接的に示すものであってもよいし、間接的に示すものであってもよい。前者の場合は、上限点は、最大測定値の値そのものである。後者の場合、上限点は、例えば、最新の測定値に対する最大測定値の変化量を示す。変化量は、絶対値で示されてもよいし、絶対値を最新の測定値で除算して得られる値、例えばパーセント値であってもよい。
【0039】
下限点は、所定回数分にわたる過去の測定値のうちの最小測定値を示す。下限点は、最小測定値を直接的に示すものであってもよいし、間接的に示すものであってもよい。前者の場合は、下限点は、最小測定値の値そのものである。後者の場合、下限点は、例えば、最新の測定値に対する最小測定値の変化量を示す。変化量は、絶対値で示されてもよいし、絶対値を最新の測定値で除算して得られる値、例えばパーセント値であってもよい。
【0040】
先に説明した図2を例に挙げると、6回目の測定値が最新の測定値である。レンジ情報における回数が5回の場合、5回分にわたる過去の測定、すなわち1回目~5回目の測定値から、上限点及び下限点が定められる。上限点及び下限点がパーセント値の場合、この例では、最新の測定値が100であり、最大測定値すなわち1回目の測定値は103であるので、上限点は+3%である。最小測定値すなわち2回目の測定値は93であるので、下限点は-7%である。
【0041】
図3に戻り、上限点及び下限点は、符号の有無が任意に定義されてよく、また、小数点以下の桁数を確保するために10倍にしてエンコードし、受信側(情報処理装置4)において1/10倍にすることで小数点以下を確保してもよい。より大きな変化量に対応できるように、1byteではなく2byteのビットデータが用いられてもよい。浮動小数点型で表されてもよい。
【0042】
上述のような回数、上限点及び下限点を含むことで、レンジ情報は、所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定する。図4も参照して説明する。
【0043】
図4は、レンジ情報が規定する測定値の範囲の例を模式的に示す図である。グラフの横軸は、番号を示す。グラフの縦軸は、測定値を示す。この例では、6回目の測定値が最新の測定値である。回数は4であり、2回目~5回目の測定値の範囲が規定され、レンジと称されハッチングで図示される。上限点は、最大測定値、この例では2回目の測定値を示す。下限点は、最小測定値、この例では4回目の測定値を示す。
【0044】
図3に戻り、ステータス情報は、所定回数分にわたる測定値に異常値が存在するか否かを示す。換言すると、ステータス情報は、所定回数分にわたる過去の測定値のステータスの少なくとも1つが異常値であるか否かを示す。ステータス情報は、過去の所定回数分の測定値のステータス(GOOD又はBAD)の論理和を示すビットデータであってよい。例えば、各ステータスを独立したビット情報で定義できるように、GOODをBit0(0x01)で表し、BADをBit1(0x02)で表してよい。なお、他のステータスが定義されてもよい。例えば、測定レンジを大きく外すような測定値(レンジ異常測定値)をBit2で表すといったことも可能である。
【0045】
先に説明した図2のように、1回目~5回目までの5回分にわたる過去の測定値のステータスがある場合には、Bit0が4回、Bit1が1回となる。回数を無視すると、Bit0とBit1が発生したとして、ステータス情報のビットデータを設定する。例えば、Bit0及びBit1に1が設定され、ステータス情報のビットデータは0x03になる。なお、ステータス情報は、上述のような論理和以外の手法で設定されてもよい。例えば、各エラー、ワーニング等に重要度を付与しておき、最も高い重要度のエラーを設定してもよい。
【0046】
図1に戻り、以上で説明したような送信データを含む通信フレームが、無線通信部35によって生成される。無線通信部35は、アンテナ3aを用いて、通信フレームを無線送信する。
【0047】
無線通信部35は、例えば、無線IC、変調及び復調用を担うフロントエンド回路等を含んで構成される。無線ICは、特定の通信プロトコルをサポートし得る。通信プロトコルの例は、先にも述べたLoRaWANプロトコル等である。これに限らず、例えばIoT(Internet of Things)向けに提案された他のさまざまな通信プロトコルがサポートされてよい。複数の通信プロトコルが選択可能であってもよい。各々が異なる通信プロトコルに対応する複数の無線ICが搭載されてもよい。なお、複数の通信フレームを無線送信する場合、無線通信部35は、各フレームを順番に無線送信する。無線送信は、例えば各国電波法に準拠したタイミングで行われる。
【0048】
機器3も、センサ2と同様に、スリープ状態とアウェイク状態の間で状態遷移可能である。例えば、機器3は、指定された周期で、スリープ状態からアウェイク状態に復帰して起動し、取得部32による取得から無線通信部35による無線送信までの一連の処理を実行する。一連の処理が完了すると、機器3は、アウェイク状態からスリープ状態に遷移する。機器3の状態遷移周期は、ユーザによって指定されてもよいし、固定されてもよい。機器3の状態遷移周期は、センサ2の状態遷移周期と同期していてもよいし、同期していなくても(非同期であっても)よい。
【0049】
ゲートウェイGWは、アンテナ4aを用いて機器3の無線通信部35と無線通信する。ゲートウェイGWは、予め機器3の暗号キーを有することで、通信プロトコル使用に従って機器3とのJoinを確立している。ゲートウェイGWは、無線通信の変調復調機能を有する。例えば、通信プロトコルの仕様に従って、エンコード及びデコードが行われる。また、ゲートウェイGWは、イーサーネット、公衆回線等を利用した通信機能をサポートしており、情報処理装置4と双方向通信する。ゲートウェイGWは、Join済みの機器3からの通信フレームを受信して解読し、整合性が取れていれば、通信フレームに含まれる送信データを情報処理装置4に転送する。
【0050】
情報処理装置4は、機器3の上位システムを構成する装置であり、例えば、サーバ装置、クラウドサーバ装置等と呼ぶこともできる。情報処理装置4は、1つ以上の機器3からの送信データを受信して集約し、また、機器3を管理したりする。後述するように、送信データに含まれるレンジ情報も活用される。
【0051】
情報処理装置4は、取得部41と、記憶部42と、表示部43と、分析部44とを含む。取得部41は、ゲートウェイGWを介して、機器3からの送信データ、すなわち機器3が取得して無線送信した測定値、測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報等を取得する。取得された送信データは、記憶部42に記憶され蓄積される。
【0052】
記憶部42は、情報処理装置4で用いられる情報を記憶する。記憶部42に記憶される情報として、上述の送信データが例示される。
【0053】
表示部43は、機器3からの送信データに基づいて、さまざまな情報を表示する。例えば、表示部43は、取得部41が取得した複数の測定値のトレンドグラフを表示する。図5を参照して説明する。
【0054】
図5は、表示の例を示す図である。測定値の推移を示すトレンドグラフがプロットで表示される。グラフの横軸の回数は、情報処理装置4の取得部41による測定値の取得回数であり、機器3の取得部32による測定値の取得回数に対応する。例えばこのようなトレンドグラフを生成して表示することにより、測定値の目視が可能になる。測定値に異常値が含まれているか否か等の判断に供することができる。
【0055】
図1に戻り、表示部43は、複数の測定値それぞれについて取得部41が取得したレンジ情報が規定するレンジを、トレンドグラフと一緒に表示してよい。図6を参照して説明する。
【0056】
図6は、表示の例を示す図である。先に説明した図5のトレンドグラフと一緒に、各測定値に対応するレンジ情報が規定するレンジも表示される。N回目、N+1回目、N+2回目等の測定値に対応するレンジが、レンジM、レンジM+1、レンジM+2等と称されハッチングで図示される。この例では回数は3であり、測定値のトレンドグラフと一緒に、3回分の過去にわたる測定値の範囲を規定するレンジが表示される。過去の測定値の範囲を視覚的に把握することができる。この技術的意義については後述する。
【0057】
なお、図6には表れないが、レンジ情報に含まれるステータス情報、すなわち所定回数分にわたる測定値に異常値が存在するか否かという情報も、トレンドグラフと一緒に、或いはトレンドグラフとは別に表示されてよい。過去の測定値がいずれも正常値であったのか、或いは、少なくとも1つの測定値が異常値であったのか等の判断に供することができる。
【0058】
図1に戻り、分析部44は、機器3からの送信データを分析(解析等)する。送信データを活用したさまざまな分析が行われてよい。例えば、機器3及びセンサ2の異常、より具体的にはそれらが設置されたプラント等の異常の有無が分析される。プラント等の総合的な管理が可能である。分析は、機械学習によって生成された学習済みモデルを用いた分析であってもよい。分析部44による分析結果も、表示部43によって表示されてよい。
【0059】
以上で説明したシステム1では、機器3は、最新の測定値だけでなく、所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報も一緒にゲートウェイGWに無線送信し、さらにそれらが情報処理装置4に送信される。ここで、機器3からの無線送信が失敗することがあり、その場合、情報処理装置4においては、機器3から受信する測定値に欠損が発生することになる。ただし、情報処理装置4においては、その後に受信したレンジ情報が規定するレンジに基づいて、過去の測定値すなわち欠損に係る測定値を補填することができる。具体的に、欠損に係る測定値がそのレンジの範囲内にあることが確定しているので、そのレンジの範囲内の値を、欠損に係る測定値として特定して補填することができる。なお、補填を行う主体はとくに限定されず、例えば、情報処理装置4のユーザによる補填、分析部44による補填等が可能である。分析部44が主体となる場合、例えば、分析部44は、レンジ情報が規定する範囲内の値を、欠損に係る測定値(すなわち過去の測定値)として特定する。特定される値は、その範囲内の任意の値であってよく、例えば平均値であってもよい。表示部43は、分析部44が特定した値を欠損に係る測定値として提示(例えばグラフ表示等)する。
【0060】
例えば従来は、欠損に係る測定値は無いものとして(歯抜けとして)扱い、その前後の測定値を結ぶような近似曲線に基づいて測定値を推定していた。ただしこれは単なる補完に過ぎず、不確かさ(曖昧さ)を排除できない。すなわち、欠損に係る測定値が近似曲線付近に位置するという確定的な根拠が無く、予期しない測定値の大きな変動には全く対応できない。本実施形態では、欠損に係る測定値が、レンジ情報が規定する範囲内の値であることが確実なので、類推や予想、近似曲線等に基づいて測定値を補填する場合よりも、補填精度を向上し、トレンドグラフの信頼性を向上させることができる。具体例について、図7図9を参照して説明する。
【0061】
図7図9は、欠損に係る測定値の把握の例を示す図である。この例では、レンジ情報における回数は3回であり、N+1回目の測定値に欠損が発生するものとする。欠損に係る測定値が、四角プロットで示される。
【0062】
図7に示されるように、N+2回目の測定値とともに、N-1回目、N回目及びN+1回目の測定値の範囲を規定するレンジM+2が表示される。欠損に係るN+1回目の測定値を、レンジM+2の範囲内の値、すなわち楕円P1の範囲内に限定して特定する(その範囲内の値で補填する)ことができる。
【0063】
図8に示されるように、N+3回目の測定値とともに、N回目、N+1回目及びN+2回目の測定値の範囲を規定するレンジM+3がさらに表示される。欠損に係るN+1回目の測定値を、レンジM+3の範囲内の値、すなわち楕円Q1の範囲内にさらに限定して特定することができる。換言すると、楕円P1及び楕円Q1の重複範囲内まで、N+1回目の測定値が絞り込まれる。
【0064】
図9に示されるように、N+4回目の測定値とともに、N+1回目、N+2回目及びN+3回目の測定値の範囲を規定するレンジM+4がさらに表示される。欠損に係るN+1回目の測定値を、レンジM+4の範囲内の値、すなわち楕円R1の範囲内にさらに限定して特定することができる。換言すると、楕円P1、楕円Q1及び楕円R1の重複範囲内まで、N+1回目の測定値が絞り込まれる。
【0065】
このように、本実施形態によれば、レンジ情報が規定するレンジに基づいて、欠損に係る測定値を補填することができる。また、同じ欠損に係る測定値の範囲を規定するレンジ情報の数が多くなるにつれて、その測定値を絞り込むことができる。例えば、情報処理装置4の分析部44は、複数のレンジ情報それぞれが規定する範囲の重複範囲内の値を、欠損に係る測定値(すなわち過去の測定値)として特定する。
【0066】
また、欠損に係る測定値をレンジ情報に基づいて補填できるので、欠損が発生した場合でも、欠損に係る測定値すなわち過去の測定値を機器3から情報処理装置4に再送する必要は無い。再送のために無線帯域を倍以上消費したり、機器3の消費電力が増加したりすることもない。複数の機器3が存在する場合には、再送によって他の機器3の送信データを抑制したり不安定な状態を生み出したりする可能性があるが、このような問題にも対処できる。
【0067】
レンジ情報は、回数、上限点及び下限点によって過去の測定値の範囲を規定するので、過去の測定値そのものを記述する場合と比較して、レンジ情報に要するデータ量を減らすことができる。その分、消費電力の抑制効果が高まる可能性もある。
【0068】
無線送信の失敗が連続する場合もあることを見越したうえで、送信周期を短くすることも考えられるが、無線帯域を無駄に消費したり、同じエリア内に設定された機器3の台数(接続台数)が制限されたりするという問題がある。本実施形態によれば、レンジ情報における回数を適切に設定することで対処できる。例えば、電波強度が低いほど無線送信が失敗する確率が高まるので、その場合は、レンジ情報における回数が多くなるように設定してよい。
【0069】
一実施形態において、レンジ情報における回数は1であってよい。この場合、上限点及び下限点は同じ値を示し、従って、前回の測定値が一意に特定される。換言すると、最新の測定値と一緒に前回の測定値がバックアップとして機器3から情報処理装置4に無線送信される。前回の測定値が欠損に係る測定値であれば、その値を最も正確な値で補填することができる。
【0070】
管理情報を記憶するための記憶部34には、例えばプログラム領域の空きメモリが活用されてよい。機器3のハードウェア構成を変更することなく、ファームウェアの更新だけで対応できる。新たにハードウェア設計された機器3を購入しなくてもよい。
【0071】
<変形例>
開示される技術は、上記の実施形態に限定されない。いくつかの変形例について説明する。
【0072】
<第1変形例>
第1変形例では、Ack受信の有無に応じてレンジ情報が無線送信されたりされなかったりする。具体的に、機器3からの無線送信が成功すると、情報処理装置4は、Ackを機器3に返信する。機器3からの無線送信が失敗すると、情報処理装置4は、Ackを機器3に返信しない。なお、ここでいう情報処理装置4は、ゲートウェイGWの意味であってもよく、矛盾の無い範囲において情報処理装置4及びゲートウェイGWは適宜読み替えられてよい。
【0073】
機器3の無線通信部35は、情報処理装置4からのAckを受信しなかった場合、すなわち無線送信が失敗した場合、最新の測定値及びレンジ情報を無線送信する。また、無線通信部35は、情報処理装置4からのAckを受信した場合、すなわち無線送信が成功した場合には、最新の測定値及びレンジ情報のうちの最新の測定値だけを無線送信する。
【0074】
一実施形態において、Ackを受信しなかった場合、機器3は、スリープ状態に遷移し、無線通信部35による次の無線送信のタイミングでアウェイク状態に戻って(起動して)よい。なお、無線送信周期が比較的長い等の理由で、再送を行う余裕がある場合には、測定値が再送されてもよい。
【0075】
レンジ情報における回数は、連続してAckが受信できなかった回数と同じ回数又はそれよりも多い回数に動的に設定されてよい。欠損に係る測定値の範囲を規定するレンジ情報を確実に提供することができる。図10を参照して説明する。
【0076】
図10は、第1変形例を示す図である。機器3が情報処理装置4からのAckを受信したかった場合、すなわち機器3からの無線送信が失敗したときの測定値が、四角プロットで示される。この例では、N+2回目、N+5回目及びN+6回目、並びにN+9回目~N+11回目の測定値が、欠損に係る測定値である。
【0077】
N+3回目の測定値が、N+2回目の測定値の範囲を規定するレンジ情報と一緒に、機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、欠損に係るN+2回目の測定値を、レンジM+2の範囲内の値に限定して特定することができる。
【0078】
N+7回目の測定値が、N+5回目及びN+6回目の測定値の範囲を規定するレンジ情報と一緒に、機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、欠損に係るN+5回目及びN+6回目の測定値を、レンジM+7の範囲内の値に限定して特定することができる。
【0079】
N+12回目の測定値が、N+9回目~N+11回目の測定値の範囲を規定するレンジ情報と一緒に、機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、欠損に係るN+9回目~N+11回目の測定値を、レンジM+12の範囲内の値に限定して特定することができる。
【0080】
例えば以上のように、無線送信が失敗した場合にだけその次の無線送信にレンジ情報を含めることで、無線送信に係るデータ量をできるだけ少なくすることができる。例えば、データ処理及び無線送信に要する消費電力をさらに抑制することができる。また、欠損が発生した場合でも、レンジ情報を活用して測定値を補填できるので、測定値の再送は必須ではない。測定値の再送を抑制することもできる。
【0081】
<第2変形例>
第2変形例では、機器3の取得部32は、測定値を周期的に取得する。機器3の無線通信部35による無線送信周期は、取得部32の測定値取得周期よりも長く設定される。1つの無線送信周期の間に、複数回の測定値が取得部32によって取得され得る。レンジ情報は、無線通信部35による前回の無線送信以降に取得部32が取得した過去の測定値の範囲を規定する。これらの過去の測定値に関する情報は、直接には機器3からは無線送信されず、レンジ情報としてのみ機器3から無線送信される。
【0082】
図11は、第2変形例を示す図である。グラフの横軸のN、N+1等は、測定値の取得回数を示す。T、T+1等は、無線送信回数を示す。Tは1以上の整数である。この例では、1回の無線送信周期が、5回の測定値取得周期を含む。レンジ情報における回数は4である。
【0083】
具体的に、T回目の無線送信を終えてからT+1回目の無線送信を行うまでの間に、N+1回目~N+5回目の測定値が取得される。T+1回目の無線送信において、N+5回目の測定値である最新の測定値と一緒に、N+1回目~N+4回目の測定値の範囲を規定するレンジ情報が、機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、N+1回目~N+4回目の測定値を、レンジM+5の範囲内の値に限定して特定することができる。
【0084】
T+2回目の無線送信において、N+10回目の測定値である最新の測定値と一緒に、N+6回目~N+9回目の測定値の範囲を規定するレンジ情報が、機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、N+6回目~N+9回目の測定値を、レンジM+10の範囲内の値に限定して特定することができる。
【0085】
T+3回目の無線送信において、N+15回目の測定値である最新の測定値と一緒に、N+11回目~N+14回目の測定値を規定するレンジ情報が、機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、N+11回目~N+14回目の測定値を、レンジM+15の範囲内の値に限定して特定することができる。
【0086】
例えば以上のようにして、測定値取得周期が短い分だけ多くの測定値を取得することができ、一方で、無線送信周期が長い分だけ無線帯域の消費を抑制することができる。測定値取得周期が短いので、例えば、瞬発的な異常状態を検出できる可能性が高まる。ここでいう瞬発的な異常状態とは、通常利用では発生せず、いくつかの条件が重なった場合に限り短時間で発生するような異常状態である。このような異常は、測定値を短い周期で連続的に取得することで発見に至ることが多い。瞬発的な異常状態の有無がレンジ情報におけるステータス情報に反映されるので、情報処理装置4においてそのような異常状態の有無を把握することができる。
【0087】
なお、この第2変形例のように複数回にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報の無線送信が前提となっている場合には、上限点及び下限点のような変化量とともに、或いはこれに代えて、標準偏差等のばらつき量が算出され、レンジ情報に付与されてもよい。測定値の変化量が小さい場合には、無線送信周期内の測定値のばらつきに着目し、情報処理装置4において2σ、3σ等のばらつき範囲が表示されてもよい。
【0088】
<第3変形例>
第3変形例では、機器3において取得された測定値が正常状態及び異常状態のいずれであるのかに応じて、機器3からの無線送信が制御される。具体的に、機器3の無線通信部35は、取得部32が取得した測定値が正常状態である場合には、最新の測定値及びレンジ情報を無線送信しない。無線通信部35は、取得部32が取得した測定値が異常状態である場合には、最新の測定値及びレンジ情報を無線送信する。例えば、測定値のステータスがGOODであったり、測定値の変化量が小さかったりする場合に、測定値は正常状態であると判断される。反対に、測定値のステータスがBADであったり、測定値の変化量が大きかったりする場合に、測定値は異常状態であると判断される。なお、測定値の変化量が大きいか小さいかの判断には、例えば変化量が一定量以上であるか否かといった閾値判断が用いられてよい。
【0089】
無線通信部35が無線送信を行わない連続回数の上限回数が設定されてよい。上限回数は、使用環境等に応じて設定されてよい。上限回数の範囲内で測定値の正常状態が続く場合は、無線通信部35による無線送信が行われなくてよい。反対に、測定値が異常状態の場合には、都度、無線通信部35による無線送信が行われてよい。
【0090】
図12は、第3変形例を示す図である。グラフの横軸のN、N+1等は、測定値の取得回数を示す。取得された測定値が正常状態及び異常状態のいずれであるのかが合わせて示される。
【0091】
この例では、N-3回目~N回目の測定値は、正常状態であり、機器3からは無線送信されない。N+1回目の測定値は、異常状態であり、この測定値(最新の測定値)と一緒に、及び過去のN-3回目~N回目の測定値の範囲を規定するレンジ情報が、機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、N+1回目の測定値が異常状態であることをすぐに把握でき、また、N-3回目~N回目の測定値を、レンジM+1の範囲内の値に限定して特定することができる。
【0092】
N+2回目~N+6回目の測定値はいずれも異常状態であり、都度、その測定値(最新の測定値)が機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、測定値が異常状態であることをすぐに把握できる。
【0093】
N+7回目~N+10回目の測定値はいずれも正常状態であり、機器3からは無線送信されない。N+11回目の測定値は異常状態であり、この測定値(最新の測定値)と一緒に、過去のN+7回目~N+10回目の測定値の範囲を規定するレンジ情報が、機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、N+11回目の測定値が異常状態であることをすぐに把握でき、また、N+7回目~N+10回目の測定値を、レンジM+11の範囲内の値に限定して特定することができる。
【0094】
N+12回目の測定値は、異常状態であり、機器3から無線送信される。情報処理装置4においては、測定値が異常状態であることをすぐに把握できる。N+13回目~N+16回目の測定値は、いずれも正常状態であり、機器3からは無線送信されない。
【0095】
例えば上記のように測定値が正常状態のときの無線送信を割愛(間引く等)することで、無線帯域を確保し、同じエリア内に接続される機器3の台数を増やすことができる。機器3の消費電力を抑制することもできる。
【0096】
<ハードウェア構成の例>
図13は、ハードウェア構成の例を示す図である。例示されるようなコンピュータ9を含んで構成された装置等が、これまで説明した機器3又は情報処理装置4として機能する。コンピュータ9のハードウェア構成として、バス等で相互に接続される通信装置91、表示装置92、記憶装置93、メモリ94及びプロセッサ95が例示される。
【0097】
通信装置91は、ネットワークインタフェースカード等であり、他の装置との通信を可能にする。通信装置91は、例えばコンピュータ9が機器3を構成する場合の無線通信部35に相当し得る。表示装置92は、例えばコンピュータ9が情報処理装置4を構成する場合の表示部43に相当し得る。
【0098】
記憶装置93及びメモリ94には、各種の情報(データ等)が記憶される。記憶装置93の具体例は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等である。メモリ94は、記憶装置93の一部であってもよい。記憶装置93及びメモリ94は、例えばコンピュータ9が機器3を構成する場合の記憶部34として機能したり、コンピュータ9が情報処理装置4を構成する場合の記憶部42として機能したりする。図13には、記憶装置93に記憶される情報として、プログラム931が例示される。プログラム931は、コンピュータ9を、機器3又は情報処理装置4として機能させるためのプログラム(ソフトウェア)である。より具体的に、例えば、プログラム931は、コンピュータ9に、これまで説明した機器3の各部の処理の少なくとも一部をコンピュータ9に実行させたり、情報処理装置4の各部の処理の少なくとも一部をコンピュータ9に実行させたりする。
【0099】
プロセッサ95は、各種の処理を実行する。例えば、プロセッサ95は、記憶装置93からプログラム931を読み込んで(読み出して)メモリ94に展開することで、機器3又は情報処理装置4において実行される各種の処理をコンピュータ9に実行させる。
【0100】
プログラム931は、インターネット等のネットワークを介してまとめて又は別々に配布することができる。また、プログラム931は、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体にまとめて又は別々に記録され、コンピュータ9によって記録媒体から読み込まれることによって実行することができる。
【0101】
以上で説明した技術は、例えば次のように特定される。開示される技術の1つは、機器3である。図1図4等を参照して説明したように、機器3は、測定値を取得する取得部32と、取得部32が取得した測定値に関する情報を管理する管理部33と、取得部32が取得した最新の測定値、及び、管理部33が管理する最新の測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を無線送信する無線通信部35と、を備える。
【0102】
上記の機器3によれば、機器3は、最新の測定値だけでなく、所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報も一緒に無線送信する。仮に無線送信が失敗し、送信先において測定値に欠損が発生した場合でも、その後のレンジ情報に基づいて、欠損に係る測定値を、レンジ情報が規定する範囲内の値に限定して特定することができる。従って、欠損に係る測定値を再送しない場合でも、欠損に係る測定値を補填することができる。
【0103】
図2図4等を参照して説明したように、レンジ情報は、所定回数分にわたる過去の測定値のうちの最大測定値を示す上限点と、所定回数分にわたる過去の測定値のうちの最小測定値を示す下限点と、を含んでよい。上限点は、最新の測定値に対する上記最大測定値の変化量を示し、下限点は、最新の測定値に対する上記最小測定値の変化量を示してよい。例えばこのようなレンジ情報によって、過去の測定値の範囲を規定することができる。また、過去の測定値そのものを記述する場合と比較して、レンジ情報に要するデータ量を減らすことができる。消費電力の抑制も期待できる。
【0104】
図2及び図3等を参照して説明したように、レンジ情報は、所定回数分にわたる過去の測定値に異常値が存在するか否かを示すステータス情報を含んでよい。過去の測定値の異常の有無の判断に供することができる。
【0105】
図10等を参照して説明したように、無線通信部35は、前回の無線送信が失敗した場合には最新の測定値及びレンジ情報を無線送信し、前回の無線送信が成功した場合には最新の測定値及びレンジ情報のうちの最新の測定値だけを無線送信してよい。無線送信に係るデータ量をできるだけ少なくすることで、例えば、データ処理及び無線送信に要する消費電力をさらに抑制することができる。
【0106】
図11等を参照して説明したように、取得部32は、測定値を周期的に取得し、無線通信部35の無線送信周期は、取得部32の測定値取得周期よりも長く、レンジ情報は、無線通信部35の前回の無線送信以降に取得部32が取得した過去の測定値の範囲を規定してよい。測定値取得周期が短い分だけ多くの測定値を取得することができ、一方で、無線送信周期が長い分だけ無線帯域の消費を抑制することができる。測定値取得周期が短いので、例えば、瞬発的な異常状態を検出できる可能性が高まる。
【0107】
図12等を参照して説明したように、無線通信部35は、取得部32が取得した測定値が正常状態である場合には、最新の測定値及びレンジ情報を無線送信せず、取得部32が取得した測定値が異常状態である場合には、最新の測定値及びレンジ情報を無線送信してよい。測定値が正常状態のときの無線送信を割愛することで、無線帯域を確保し、同じエリア内に接続される機器3の台数を増やすことができる。機器3の消費電力を抑制することもできる。
【0108】
図1図9等を参照して説明した情報処理装置4も、開示される技術の1つである。情報処理装置4は、機器3が取得して無線送信した測定値、及び、当該測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を取得する取得部41と、取得部41が取得した複数の測定値のトレンドグラフを表示する表示部43と、を備え、表示部43は、複数の測定値それぞれについて取得部41が取得したレンジ情報が規定するレンジを、トレンドグラフと一緒に表示してよい。これにより、仮に機器3からの無線送信が失敗し、情報処理装置4において測定値に欠損が発生した場合でも、情報処理装置4においては、その後のレンジ情報に基づいて、欠損に係る測定値を、レンジ情報が規定する範囲内の値に限定して特定することができる。従って、測定値を再送しない場合でも、欠損に係る測定値を補填することができる。また、レンジ情報は、所定回数分にわたる過去の測定値に異常値が存在するか否かを示すステータス情報を含み、表示部43は、ステータス情報も表示してよい。これにより、ステータス情報も合わせて確認することができる。
【0109】
図1及び図5図9等を参照して説明したように、情報処理装置4は、レンジ情報が規定する範囲内の値を過去の測定値(欠損に係る測定値)として特定する分析部44を備えてもよい。分析部44は、複数のレンジ情報それぞれが規定する範囲の重複範囲内の値を過去の測定値として特定してよい。これにより、情報処理装置4自身で欠損に係る測定値を特定し、補填することができる。
【0110】
システム1において実行される各種の処理を実行する方法も、開示される技術の1つである。方法の一例は、機器3を用いて行われる測定値の取得、送信方法であり、これまで説明した機器3の取得部32による取得、管理部33による管理、無線通信部35による無線送信等を含む。方法の別の例は、情報処理装置4を用いて行われる測定値の取得、表示方法であり、情報処理装置4の取得部41による取得、表示部43による表示等を含む。また、図13等を参照して説明したプログラム931も、開示される技術の1つである。プログラム931が記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、開示される技術の1つである。
【0111】
これまで説明した情報処理装置4を用いた方法と同じ情報処理方法が、特別な装置を用いるのではなく、いわゆるクラウドサービスの形態で提供されてもよい。このような情報処理方法も、開示される技術の1つである。例えば、情報処理方法は、機器3が取得して無線送信した測定値、及び、当該測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を取得することと、取得した複数の測定値のトレンドグラフを表示することと、を含む。表示することでは、複数の測定値それぞれについて取得したレンジ情報が規定するレンジを、トレンドグラフと一緒に表示する。レンジ情報は、所定回数分にわたる過去の測定値に異常値が存在するか否かを示すステータス情報を含み、表示することでは、ステータス情報も表示してよい。情報処理方法は、レンジ情報が規定する前記範囲内の値を過去の測定値(欠損に係る測定値)として特定することを含んでよい。特定することでは、複数のレンジ情報それぞれが規定する範囲の重複範囲内の値を過去の測定値として特定してよい。
【0112】
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
(1)
測定値を取得する取得部と、
前記取得部が取得した測定値に関する情報を管理する管理部と、
前記取得部が取得した最新の測定値、及び、前記管理部が管理する前記最新の測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を無線送信する無線通信部と、
を備える、
機器。
(2)
前記レンジ情報は、
前記所定回数分にわたる過去の測定値のうちの最大測定値を示す上限点と、
前記所定回数分にわたる過去の測定値のうちの最小測定値を示す下限点と、
を含む、
(1)に記載の機器。
(3)
前記上限点は、前記最新の測定値に対する前記最大測定値の変化量を示し、
前記下限点は、前記最新の測定値に対する前記最小測定値の変化量を示す、
(2)に記載の機器。
(4)
前記レンジ情報は、前記所定回数分にわたる過去の測定値に異常値が存在するか否かを示すステータス情報を含む、
(1)~(3)のいずれかに記載の機器。
(5)
前記無線通信部は、前回の無線送信が失敗した場合には前記最新の測定値及び前記レンジ情報を無線送信し、前回の無線送信が成功した場合には前記最新の測定値及び前記レンジ情報のうちの前記最新の測定値だけを無線送信する、
(1)~(4)のいずれかに記載の機器。
(6)
前記取得部は、前記測定値を周期的に取得し、
前記無線通信部の無線送信周期は、前記取得部の測定値取得周期よりも長く、
前記レンジ情報は、前記無線通信部の前回の無線送信以降に前記取得部が取得した過去の測定値の範囲を規定する、
(1)~(5)のいずれかに記載の機器。
(7)
前記無線通信部は、前記取得部が取得した測定値が正常状態である場合には、前記最新の測定値及び前記レンジ情報を無線送信せず、前記取得部が取得した測定値が異常状態である場合には、前記最新の測定値及び前記レンジ情報を無線送信する、
(1)~(6)のいずれかに記載の機器。
(8)
機器が取得して無線送信した測定値、及び、当該測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した複数の測定値のトレンドグラフを表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記複数の測定値それぞれについて前記取得部が取得した前記レンジ情報が規定するレンジを、前記トレンドグラフと一緒に表示する、
情報処理装置。
(9)
前記レンジ情報は、前記所定回数分にわたる過去の測定値に異常値が存在するか否かを示すステータス情報を含み、
前記表示部は、前記ステータス情報も表示する、
(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記レンジ情報が規定する前記範囲内の値を過去の測定値として特定する分析部を備える、
(8)又は(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記分析部は、複数の前記レンジ情報それぞれが規定する前記範囲の重複範囲内の値を過去の測定値として特定する、
(10)に記載の情報処理装置。
(12)
機器が取得して無線送信した測定値、及び、当該測定値よりも所定回数分にわたる過去の測定値の範囲を規定するレンジ情報を取得することと、
前記取得した複数の測定値のトレンドグラフを表示することと、
を含み、
前記表示することでは、前記複数の測定値それぞれについて前記取得した前記レンジ情報が規定するレンジを、前記トレンドグラフと一緒に表示する、
情報処理方法。
(13)
前記レンジ情報は、前記所定回数分にわたる過去の測定値に異常値が存在するか否かを示すステータス情報を含み、
前記表示することでは、前記ステータス情報も表示する、
(12)に記載の情報処理方法。
(14)
前記レンジ情報が規定する前記範囲内の値を過去の測定値として特定することを含む、
(12)又は(13)に記載の情報処理方法。
(15)
前記特定することでは、複数の前記レンジ情報それぞれが規定する前記範囲の重複範囲内の値を過去の測定値として特定する、
(14)に記載の情報処理方法。
【符号の説明】
【0113】
1 システム
2 センサ
3 機器
3a アンテナ
31 電源部
32 取得部
321 測定部
322 演算部
33 管理部
34 記憶部
35 無線通信部
4 情報処理装置
4a アンテナ
41 取得部
42 記憶部
43 表示部
44 分析部
GW ゲートウェイ
9 コンピュータ
91 通信装置
92 表示装置
93 記憶装置
931 プログラム
94 メモリ
95 プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図13