(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108083
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240802BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240802BHJP
B41J 29/377 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G03G21/00 530
H04N1/00 519
B41J29/377 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012369
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡部 祐介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悟
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB02
2C061BB35
2C061CN01
2C061CN08
2C061CN13
2H270SA02
2H270SA09
2H270SB03
2H270SB12
2H270SC16
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB22
5C062AC04
5C062AD06
(57)【要約】
【課題】ファンによる排気の流量損失を低減して筐体内の温度上昇を抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、空気を第1排気方向へ排気するための第1ファン71と、第1排気方向において、第1ファン71の下流側に配置される第1ルーバー24と、第1排気方向において、第1ファン71と第1ルーバー24との間に位置し、第1ファン71に対して隙間を有して配置される第1オゾンフィルタ73とを備え、第1オゾンフィルタ73に対して、第1ファン71を第1排気方向に投影した投影面の全ては、第1オゾンフィルタ73と重なる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を第1排気方向へ排気するための第1ファンと、
前記第1排気方向において、前記第1ファンの下流側に配置される第1ルーバーと、
前記第1排気方向において、前記第1ファンと前記第1ルーバーとの間に位置し、前記第1ファンに対して隙間を有して配置される第1オゾンフィルタとを備え、
前記第1オゾンフィルタに対して、前記第1ファンを前記第1排気方向に投影した投影面の全ては、前記第1オゾンフィルタと重なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1オゾンフィルタの外周を覆い、前記第1排気方向において前記第1オゾンフィルタから前記第1ファンに向かって延びる周壁を備える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1排気方向と直交し、前記第1ファンの回転中心から前記第1ファンの外周へ向かう方向における、前記第1ファンの外周と前記第1オゾンフィルタの外周との間の距離L1は、前記第1排気方向における前記第1ファンと前記第1オゾンフィルタとの間の距離L2以下である請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1排気方向において、前記第1オゾンフィルタと前記第1ルーバーとの間の距離L3は、前記第1ファンと前記第1オゾンフィルタとの間の距離L2よりも小さい請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1ファンは、回転軸と前記回転軸に固定される羽とを有し、前記回転軸の軸方向に沿って空気を送り出す軸流ファンである請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1ルーバーが設けられた側壁を有する筐体と、
前記側壁に設けられる第2ルーバーと、
前記筐体の内部の空気を前記筐体の外部へ排気する第2ファンであって、前記第2ファンによる空気の第2排気方向において前記第2ルーバーの上流側に配置される第2ファンと、
前記第2排気方向において、前記第2ファンと前記第2ルーバーとの間に位置する第2オゾンフィルタとを備え、
前記第2ファンは、回転する羽と前記羽を回転可能に支持するケースとを有し、
前記第2オゾンフィルタは、前記第2ファンの前記ケースと接触して配置され、
前記第1ルーバーおよび前記第2ルーバーは前記側壁から突出しており、前記第2ルーバーの前記側壁からの突出量H2は、前記第1ルーバーの前記側壁からの突出量H1よりも小さい請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2オゾンフィルタは、前記第2ルーバーと接触している請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1ルーバーは、前記第1排気方向と直交する方向に延びる第1桟であって、前記第1排気方向および前記第1桟が延びる方向と直交する方向に間隔を空けて複数配置される第1桟を有し、
前記第2ルーバーは、前記第2排気方向と直交する方向に延びる第2桟であって、前記第2排気方向および前記第2桟が延びる方向と直交する方向に間隔を空けて複数配置される第2桟を有し、
前記第2ルーバーにおける前記第2桟の配置間隔D2は、前記第1ルーバーにおける前記第1桟の配置間隔D1よりも大きい請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2ファンを収容し、前記第2排気方向に空気が流通可能なダクトを備え、
前記第2オゾンフィルタは、前記第2ファンの前記第2排気方向における下流側において、前記ダクトに圧入されている請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2ファンは、回転軸と前記回転軸に固定される羽とを有し、前記回転軸の軸方向に沿って空気を送り出す軸流ファンであり、
前記第2オゾンフィルタは、前記第2排気方向において、前記第2オゾンフィルタに対して前記回転軸を投影した投影面と重なる領域に開口を有する請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2オゾンフィルタは、
L字形状の第1フィルタと、前記第1フィルタと同じL字形状の第2フィルタと、を有し、
前記第1フィルタと前記第2フィルタとを、前記開口が形成される姿勢に組み合わせて形成されている請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第2オゾンフィルタの前記第2排気方向の厚みT2は、前記第1オゾンフィルタの前記第1排気方向の厚みT1よりも小さい請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項13】
シートにトナー像を形成するプロセスユニットと、
前記プロセスユニットを収容する筐体とを備え、
前記第1ファンは、前記プロセスユニット内の空気を前記筐体の外部に排気する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項14】
電源基板と、
前記電源基板を覆う基板カバーと、
前記基板カバーを収容する筐体とを備え、
前記第2ファンは、前記基板カバー内の空気を排気する請求項6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置においては、環境規制の強化等に伴ってオゾンや粉じんの筐体外への排出を抑制することが求められているため、筐体内の空気を排気するためのファンの排気方向上流側にオゾンフィルタを配置して、オゾンフィルタによって排気からオゾンを除去することが行われている(特許文献1参照)。
【0003】
オゾンフィルタをファンの上流側に配置した場合、筐体の排気口に設けられるルーバーとオゾンフィルタとの間の隙間が大きくなり、オゾンフィルタを通過した空気だけでなく、オゾンフィルタを通過していない空気までもがファンによって筐体外に排気されてしまうことがある。
【0004】
従って、オゾンフィルタをルーバーとファンとの間に配置すること等により、ルーバーとオゾンフィルタとの隙間を小さくすることが好ましい(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-131532号公報
【特許文献2】特開2006-154137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、オゾンフィルタをルーバーとファンとの間に配置した場合、オゾンフィルタとファンとが接触した状態で配置されると、排気の流量損失が増加して筐体内の温度が上昇するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明においては、オゾンフィルタをルーバーとファンとの間に配置した場合においても、ファンによる排気の流量損失を低減して筐体内の温度上昇を抑えることができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0009】
即ち、画像形成装置は、空気を第1排気方向へ排気するための第1ファンと、前記第1排気方向において、前記第1ファンの下流側に配置される第1ルーバーと、前記第1排気方向において、前記第1ファンと前記第1ルーバーとの間に位置し、前記第1ファンに対して隙間を有して配置される第1オゾンフィルタとを備え、前記第1オゾンフィルタに対して、前記第1ファンを前記第1排気方向に投影した投影面の全ては、前記第1オゾンフィルタと重なる。
【0010】
これにより、第1オゾンフィルタは、第1排気方向において第1ファンと隙間を有して配置されることとなり、第1ファンによって送り出された空気の流れが、第1オゾンフィルタに到達するまでの間に軸方向と平行な方向となる側に整流される。従って、第1オゾンフィルタを通過する空気の流量損失を低減して、筐体内の温度上昇を抑えることができる。また、第1ファンによる排気を漏れなく第1オゾンフィルタに通過させることができる。
【0011】
また、前記第1オゾンフィルタの外周を覆い、前記第1排気方向において前記第1オゾンフィルタから前記第1ファンに向かって延びる周壁を備える。
【0012】
これにより、第1ファンにより送り出された空気が、周壁に当たって軸方向と平行な方向に整流され易くなり、第1オゾンフィルタを通過する空気の流量損失を低減して、筐体内の温度上昇を抑えることができる。
【0013】
また、前記第1排気方向と直交し、前記第1ファンの回転中心から前記第1ファンの外周へ向かう方向における、前記第1ファンの外周と前記第1オゾンフィルタの外周との間の距離L1は、前記第1排気方向における前記第1ファンと前記第1オゾンフィルタとの間の距離L2以下である。
【0014】
これにより、左右方向における第1ファンと第1オゾンフィルタとの間の距離L2を大きく確保することができ、第1ファンから流れる空気の第1排気方向への整流度合いを高めることができ、第1ファンによる排気の流量損失をより低減することができる。
【0015】
また、前記第1排気方向において、前記第1オゾンフィルタと前記第1ルーバーとの間の距離L3は、前記第1ファンと前記第1オゾンフィルタとの間の距離L2よりも小さい。
【0016】
これにより、第1オゾンフィルタと第1ルーバーとの間の距離L3を小さくして、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0017】
また、前記第1ファンは、回転軸と前記回転軸に固定される羽とを有し、前記回転軸の軸方向に沿って空気を送り出す軸流ファンである。
【0018】
これにより、第1ファンによって送り出された空気の流れが、第1オゾンフィルタに到達するまでの間に軸方向と平行な方向となる側に整流され、第1オゾンフィルタを通過する空気の流量損失を低減して、筐体内の温度上昇を抑えることができる。
【0019】
また、前記第1ルーバーが設けられた側壁を有する筐体と、前記側壁に設けられる第2ルーバーと、前記筐体の内部の空気を前記筐体の外部へ排気する第2ファンであって、前記第2ファンによる空気の第2排気方向において前記第2ルーバーの上流側に配置される第2ファンと、前記第2排気方向において、前記第2ファンと前記第2ルーバーとの間に位置する第2オゾンフィルタとを備え、前記第2ファンは、回転する羽と前記羽を回転可能に支持するケースとを有し、前記第2オゾンフィルタは、前記第2ファンの前記ケースと接触して配置され、前記第1ルーバーおよび前記第2ルーバーは前記側壁から突出しており、前記第2ルーバーの前記側壁からの突出量H2は、前記第1ルーバーの前記側壁からの突出量H1よりも小さい。
【0020】
これにより、画像形成装置の側壁を壁面に隣接して配置した場合でも、第2ルーバーと壁面との間には、少なくとも第1ルーバーと第2ルーバーとの突出量差分の隙間が存在するため、第2ファンによる排気の流量が低減することを抑制できる。
【0021】
また、前記第2オゾンフィルタは、前記第2ルーバーと接触している。
【0022】
これにより、第2オゾンフィルタを通過していない空気が第2ルーバーを通じて筐体の外部へ排気されることを抑制できる。また、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0023】
また、前記第1ルーバーは、前記第1排気方向と直交する方向に延びる第1桟であって、前記第1排気方向および前記第1桟が延びる方向と直交する方向に間隔を空けて複数配置される第1桟を有し、前記第2ルーバーは、前記第2排気方向と直交する方向に延びる第2桟であって、前記第2排気方向および前記第2桟が延びる方向と直交する方向に間隔を空けて複数配置される第2桟を有し、前記第2ルーバーにおける前記第2桟の配置間隔D2は、前記第1ルーバーにおける前記第1桟の配置間隔D1よりも大きい。
【0024】
これにより、第2ルーバーを通じて筐体の外部に排気される空気の流量を、第1ルーバーを通じて筐体の外部に排気される空気の流量よりも大きくすることができる。
【0025】
また、前記第2ファンを収容し、前記第2排気方向に空気が流通可能なダクトを備え、前記第2オゾンフィルタは、前記第2ファンの前記第2排気方向における下流側において、前記ダクトに圧入されている。
【0026】
これにより、
第2ファンを第2ダクトに収容する際の、第2ファンの第2排気方向における位置決めを、第2オゾンフィルタによって行うことができる。また、画像形成装置に落下等による衝撃が加わったときに、第2オゾンフィルタが緩衝材となって第2ファンが損傷することを抑制できる。
【0027】
また、前記第2ファンは、回転軸と前記回転軸に固定される羽とを有し、前記回転軸の軸方向に沿って空気を送り出す軸流ファンであり、前記第2オゾンフィルタは、前記第2排気方向において、前記第2オゾンフィルタに対して前記回転軸を投影した投影面と重なる領域に開口を有する。
【0028】
これにより、オゾンの捕集能力の低下を抑制しつつ、第2オゾンフィルタのコストを低減することができる。また、第2オゾンフィルタの開口部分に相当するフィルタ素材を、別の箇所で使用することにより、さらにコストの低減を図ることができる。
【0029】
また、前記第2オゾンフィルタは、L字形状の第1フィルタと、前記第1フィルタと同じL字形状の第2フィルタと、を有し、前記第1フィルタと前記第2フィルタとを、前記開口が形成される姿勢に組み合わせて形成されている。
【0030】
これにより、第2オゾンフィルタを形成するための部品点数を増加させることなく、フィルタ素材の量を減少することができるため、第2オゾンフィルタの製造コストを低減することができる。
【0031】
また、前記第2オゾンフィルタの前記第2排気方向の厚みT2は、前記第1オゾンフィルタの前記第1排気方向の厚みT1よりも小さい。
【0032】
これにより、第2オゾンフィルタを通過する空気の流量を、第1オゾンフィルタを通過する流量よりも多くすることができ、第2ファンによる排気の流量を確保することができる。
【0033】
また、シートにトナー像を形成するプロセスユニットと、前記プロセスユニットを収容する筐体とを備え、前記第1ファンは、前記プロセスユニット内の空気を前記筐体の外部に排気する。
【0034】
これにより、排気に含まれるオゾン量を十分に減少させつつ、排気の流量損失を低減して、筐体内の温度上昇を抑えることができる。
【0035】
また、電源基板と、前記電源基板を覆う基板カバーと、前記基板カバーを収容する筐体とを備え、前記第2ファンは、前記基板カバー内の空気を排気する。
【0036】
これにより、基板カバー内の空気の温度を低下させることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、第1オゾンフィルタを通過する空気の流量損失を低減して、筐体内の温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図3】ファン、オゾンフィルタ、およびルーバーを示す分解斜視図である。
【
図4】ファン、オゾンフィルタ、およびルーバーを示す正面断面図である。
【
図5】第1ファン、第1オゾンフィルタ、および第1ルーバーを示す正面断面図である。
【
図7】第1ファンと第1オゾンフィルタとの重なりを示す右側面図である。
【
図8】第2ファン、第2オゾンフィルタ、および第2ルーバーを示す正面断面図である。
【
図10】第2オゾンフィルタの第2実施形態を示す図である。
【
図11】第2オゾンフィルタの第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0040】
[画像形成装置]
図1、
図2に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0041】
以下の説明では、
図1における左側を画像形成装置1の前側、
図1における右側を画像形成装置1の後側と規定し、
図1おける紙面手前側を画像形成装置1の右側、
図1における紙面奥側を画像形成装置1の左側と規定する。また、
図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0042】
画像形成装置1は、筐体2と、シートSを支持する給紙トレイ10およびシートSを搬送するシート搬送部30を有する給紙部3と、給紙部3により搬送されてきたシートSに画像を形成する画像形成部5とを備えている。
【0043】
筐体2は略直方体形状に形成されており、給紙部3および画像形成部5を収容している。筐体2の前面には前面開口部2Aが開口しており、筐体2は前面開口部2Aを開閉可能なフロントカバー21を有している。
【0044】
フロントカバー21は、下端部の回動軸21aを中心として回動可能に構成されており、回動軸21aを中心として回動することにより、前面開口部2Aを閉鎖する閉位置と、前面開口部2Aを開放する開位置との間を移動可能である。筐体2の上面には前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ22が形成されている。
【0045】
給紙部3は、筐体2の下部に配置されており、給紙トレイ10に支持されるシートSをシート搬送部30によって画像形成部5に搬送するものである。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、筐体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0046】
シート搬送部30は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とを備えている。筐体2内には、給紙トレイ10から画像形成部5を経由して排紙トレイ22へ至るシートSの搬送経路Pが構成されている。
【0047】
給紙トレイ10に支持されるシートSは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ10から画像形成部5に向けてシートSを搬送するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ10に支持されるシートSを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0048】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とにより画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対35は、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0049】
画像形成部5は給紙部3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つのトナーカートリッジ50と、各トナーカートリッジ50に対応する感光ドラム51とを備えている。各トナーカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。トナーカートリッジ50は、ドロア59に着脱可能に支持されている。ドロア59は、フロントカバー21を開くことで、筐体2における前面開口部2Aを通じて、筐体2に対して着脱可能である。トナーカートリッジ50は、現像ローラ52を備えている。
【0050】
感光ドラム51は、左右方向を軸線方向とする略円筒形状に形成されており、ドロア59に回転可能に支持されている。現像ローラ52は、左右方向に延出しており、トナーカートリッジ50に回転可能に支持されている。トナーは、現像剤の一例である。現像ローラ52は、感光ドラム51にトナーを供給する。
【0051】
筐体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光装置56を有している。露光装置56は、図示しないレーザダイオード、偏光器、レンズ、およびミラーを備えている。露光装置56は、各感光ドラム51に対して光ビームを発して、各感光ドラム51の表面を露光するように構成されている。
【0052】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、感光ドラム51と接触している。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。画像形成部5においては、転写ベルト41、駆動ローラ42、従動ローラ43、および転写ローラ44等によりベルト装置40が構成されている。
【0053】
画像形成部5は、各感光ドラム51を帯電させるための帯電器54を備えている。帯電器54は、ドロア59に支持されている。帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51は、それぞれ露光装置56によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0054】
トナーカートリッジ50に収容されるトナーは正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0055】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面に担持されたトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0056】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写されるシートSを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらにシートSに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0057】
トナー像が転写されたシートSは定着器60に搬送される。定着器60は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えており、定着器60に搬送されたシートSは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。つまり、定着器60は、シートSにトナー像を定着させる。
【0058】
トナー像が熱定着されたシートSは、定着器60から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対63、および中間排紙ローラ対63の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対64により搬送されて、排紙トレイ22に排出される。
【0059】
画像形成装置1においては、ドロア59、ドロア59に支持されるトナーカートリッジ50、感光ドラム51、および帯電器54等によって、シートSにトナー像を形成するプロセスユニットPUが構成されている。なお、プロセスユニットPUは、少なくとも感光ドラム51および帯電器54を備えていればよく、転写ベルト41あるいは定着器60を含んでいてもよい。
【0060】
画像形成装置1は、電源回路が形成される電源基板11と、電源基板11を覆う基板カバー12とを備えている。基板カバー12は、筐体2内の後部における給紙トレイ10とベルト装置40との間に配置されている。筐体2は、プロセスユニットPUおよび基板カバー12を収容している。
【0061】
画像形成装置1は、筐体2の内部の空気を筐体2の外部へ排気する第1ファン71および第2ファン72を備えている。第1ファン71は、筐体2内におけるプロセスユニットPUの右方かつ後方に配置されており、筐体2の内部におけるプロセスユニットPU内の空気を筐体2の外部へ排気するように構成されている。
【0062】
第2ファン72は、筐体2内における基板カバー12の右方、かつ左右方向において第2ファン72を基板カバー12へ向けて投影した投影面が基板カバー12の後部と重なる位置に配置されており、筐体2の内部における基板カバー12内の空気を筐体2の外部へ排気するように構成されている。第2ファン72は、第1ファン71の下方に位置している。
【0063】
図2に示すように、筐体2内の右端部には右フレーム26が収容されており、筐体2は右フレーム26の右方を覆う右側壁23を有している。右側壁23は、右側壁23を左右方向に貫通する第1開口23aおよび第2開口23bを有している。第1開口23aおよび第2開口23bは右側壁23の後部に位置しており、第1開口23aは第2開口23bの上方に位置している。
【0064】
第1ファン71は右フレーム26に支持されており、左右方向において第1ファン71を右側壁23に向けて投影した投影面が第1開口23aと重なる位置に配置されている。第1ファン71が駆動することにより、左方から右方へ向かう方向の気流が生じ、第1ファン71が作る気流によって、プロセスユニットPU内の空気が第1開口23aを通じて筐体2の外部へ排気される。第1ファン71により排気される空気の排気方向は第1排気方向であり、本実施形態においては、第1排気方向は左右方向である。
【0065】
第2ファン72は右フレーム26に支持されており、左右方向において第2ファン72を右側壁23に向けて投影した投影面が第2開口23bと重なる位置に配置されている。第2ファン72が駆動することにより、左方から右方へ向かう方向の気流が生じ、第2ファン72が作る気流によって、基板カバー12内の空気が第2開口23bを通じて筐体2の外部へ排気される。第2ファン72により排気される空気の排気方向は第2排気方向であり、本実施形態においては、第2排気方向は左右方向である。
【0066】
[ファン、オゾンフィルタ、およびルーバーの配置構造]
(第1ファン、第1オゾンフィルタ、および第1ルーバー)
図3~
図5に示すように、右フレーム26は、左右方向に貫通する第1ダクト27を有している。第1ファン71は第1ダクト27に嵌装されている。第1ダクト27は左右方向に沿って延びており、第1排気方向に空気が流通可能に構成されている。第1ダクト27は第1ファン71を収容している。
【0067】
筐体2の右側壁23は第1開口23aを覆う第1ルーバー24を有している。右側壁23は、第1ルーバーが設けられた側壁の一例である。第1ルーバー24は、第1ファン71の右方に位置している。つまり、第1ルーバー24は、第1排気方向において、第1ファン71の下流側に配置されている。第1ルーバー24は、右側壁23から右方へ突出している。第1ルーバー24の右側壁23からの突出量はH1である。本実施形態においては、第1ルーバー24は、右側壁23と一体成型されることにより形成されているが、第1ルーバー24が右側壁23に対して着脱可能に取り付けられる構成であってもよい。
【0068】
画像形成装置1は、左右方向において第1ファン71と第1ルーバー24との間に位置する第1オゾンフィルタ73を備えている。第1オゾンフィルタ73は、例えばフィルタ素材をハニカム状に形成したハニカムフィルタにより構成されている。第1オゾンフィルタ73を構成するハニカムフィルタは、第1排気方向に沿って延びる隔壁で仕切られた多数のセルを有している。
【0069】
第1オゾンフィルタ73を構成するフィルタ素材としては、例えば二酸化マンガン等のオゾン分解触媒もしくは活性炭を担持した紙、アルミニウム等の金属、またはセラミックスを用いることができる。第1オゾンフィルタ73は矩形のシート状に形成されており、第1オゾンフィルタ73の第1排気方向における厚みはT1である。
【0070】
筐体2内においては、プロセスユニットPUが備える帯電器54等の大気中に放電を発生させる部材によりオゾンが生成される。プロセスユニットPU内の空気は、第1ファン71によってプロセスユニットPUの後方へ吸引された後に右方へ向かって流通し、第1オゾンフィルタ73を通過してオゾンおよび粉塵等が除去された後に、第1ルーバー24を通じて筐体2の外部に排気される。
【0071】
図4~
図6に示すように、右側壁23に形成される第1ルーバー24は、第1開口23aの周縁部に沿って四角形状に形成され、右側壁23の外側面から右方へ向かって突出する枠体240と、枠体240に囲まれた範囲内において前後方向に延びる第1桟241とを有している。第1桟241は、上下方向に間隔を空けて複数配置されている。前後方向は第1排気方向と直交する方向の一例であり、上下方向は第1排気方向および第1桟が延びる方向と直交する方向の一例である。第1ルーバー24における第1桟241の上下方向における配置間隔はD1である。
【0072】
第1桟241は、左方から右方へいくに従って上方に傾斜しており、左方から右方へ向けて流通する空気は、第1ルーバー24を通過することで流通方向が斜め上方へ変換される。
【0073】
右側壁23は、第1開口23aの周縁部に沿って四角形状に形成され、右側壁23の内側面から左方へ向かって突出する周壁231を有している。第1オゾンフィルタ73は周壁231の内部に嵌装されており、周壁231の内周面と第1オゾンフィルタ73の外周面とが接触するように配置されている。
【0074】
周壁231は、左右方向において、第1オゾンフィルタ73から第1ファン71に向かって延びている。本実施形態においては、周壁231は、左右方向において第1オゾンフィルタ73から第1ファン71の右端まで延びている。周壁231は、第1オゾンフィルタ73の外周を覆っている。第1オゾンフィルタ73は、左右方向において第1ファン71に対して隙間を有して配置されている。
【0075】
第1ファン71は、左右方向に沿って延びる回転軸711と、回転軸711に固定される羽712と、回転軸711を回転可能に支持するケース713とを有し、回転軸711の軸方向に沿って空気を送り出す軸流ファンである。第1ファン71におけるケース713の外形は、矩形状に形成されている。
【0076】
軸流ファンである第1ファン71により回転軸711の軸方向に沿って送り出される空気は、外周側に広がりながら流れる。従って、第1ファン71によって送り出された空気が直後に第1オゾンフィルタ73に到達すると、第1オゾンフィルタ73を通過する空気が第1オゾンフィルタ73の隔壁に衝突し易くなって、通過する空気に抵抗が生じる。第1オゾンフィルタ73を通過する空気に抵抗が生じると、排気される空気に流量損失が発生して筐体2内の温度が上昇するおそれがある。
【0077】
しかし、画像形成装置1においては、第1オゾンフィルタ73は、左右方向において第1ファン71と隙間を有して配置されているため、第1ファン71によって送り出された空気の流れが、第1オゾンフィルタ73に到達するまでの間に軸方向と平行な方向となる側に整流される。これにより、第1オゾンフィルタ73を通過する空気の流量損失を低減して、筐体2内の温度上昇を抑えることが可能となっている。
【0078】
この場合、第1ファン71によって排気されるのはオゾンを多く含んだプロセスユニットPU内の空気であるが、プロセスユニットPU内の空気を、第1オゾンフィルタ73を通じて排気することで、排気に含まれるオゾン量を十分に減少させつつ、排気の流量損失を低減して、筐体2内の温度上昇を抑えることが可能である。
【0079】
また、
図7に示すように、第1オゾンフィルタ73の外形は第1ファン71の外形よりも大きく形成されており、第1オゾンフィルタ73に対して、第1ファン71を左右方向に投影した投影面の全ては、第1オゾンフィルタ73と重なっている。
【0080】
このように、第1ファン71を左右方向に投影した投影面の全てが第1オゾンフィルタ73と重なっていることで、第1オゾンフィルタ73と第1ファン71との間に隙間が存在し、第1ファン71により送り出された空気が外周側に広がりながら流れたとしても、第1ファン71による排気を漏れなく第1オゾンフィルタ73に通過させることが可能である。
【0081】
この場合、第1オゾンフィルタ73の外周が周壁231によって覆われており、周壁231は第1オゾンフィルタ73から第1ファン71に向かって延びているため、第1ファン71により外周側に広がりながら送り出された空気が、周壁231に当たって軸方向と平行な方向に整流され易くなる。これにより、第1オゾンフィルタ73を通過する空気の流量損失を低減して、筐体2内の温度上昇を抑えることが可能となっている。
【0082】
また、第1排気方向である左右方向と直交し、第1ファン71の回転中心から第1ファン71の外周へ向かう方向における、第1ファン71の外周と第1オゾンフィルタ73の外周との間の距離はL1である。この場合、第1ファン71の回転中心は、第1ファン71における回転軸711の軸心である。左右方向における第1ファン71と第1オゾンフィルタ73との間の距離はL2である。左右方向における第1オゾンフィルタ73と第1ルーバー24との間の距離はL3である。
【0083】
画像形成装置1においては、距離L1は距離L2以下となるように設定されている。これにより、左右方向における第1ファン71と第1オゾンフィルタ73との間の距離L2を大きく確保することができ、第1ファン71から外周側へ広がりながら流れる空気の左右方向への整流度合いを高めることができ、第1ファン71による排気の流量損失をより低減することが可能である。
【0084】
また、画像形成装置1においては、距離L3は距離L2よりも小さくなるように設定されている。これにより、第1オゾンフィルタ73と第1ルーバー24との間の距離L3を小さくして、画像形成装置1の小型化を図ることができる。なお、第1オゾンフィルタ73は、左右方向において第1ルーバー24と接触するように配置することもできる。つまり、第1オゾンフィルタ73は、距離L3が0となるように配置することもできる。
【0085】
(第2ファン、第2オゾンフィルタ、および第2ルーバー)
図3、
図4、
図8に示すように、右フレーム26は、左右方向に貫通する第2ダクト28を有している。第2ダクト28は、第1ダクト27の下方に位置している。第2ファン72は第2ダクト28に嵌装されている。第2ダクト28は左右方向に沿って延びており、第2排気方向に空気が流通可能に構成されている。第2ダクト28は第2ファン72を収容している。第2ダクト28は、第2ファンを収容し、第2排気方向に空気が流通可能なダクトの一例である。
【0086】
筐体2の右側壁23は第2開口23bを覆う第2ルーバー25を有している。第2ルーバー25は、第2ファン72の右方に位置している。つまり、第2ルーバー25は、第2排気方向において、第2ファン72の下流側に配置されている。第2ルーバー25は、右側壁23から右方へ突出している。第2ルーバー25の右側壁23からの突出量はH2である。
【0087】
第2ルーバー25の突出量H2は、第1ルーバー24の突出量H1よりも小さく形成されており、第1ルーバー24は第2ルーバー25よりも突出量差ΔHだけ右方に突出している。従って、画像形成装置1の右側壁23を壁面に隣接して配置した場合でも、第2ルーバー25と壁面との間には、少なくとも突出量差ΔH分の隙間が存在するため、第2ファン72による排気の流量が低減することを抑制可能となっている。
【0088】
画像形成装置1は、左右方向において第2ファン72と第2ルーバー25との間に位置する第2オゾンフィルタ74を備えている。第2オゾンフィルタ74は、例えばフィルタ素材をハニカム状に形成したハニカムフィルタにより構成されている。第2オゾンフィルタ74を構成するハニカムフィルタは、第2排気方向に沿って延びる隔壁で仕切られた多数のセルを有している。
【0089】
第2オゾンフィルタ74を構成するフィルタ素材としては、例えば二酸化マンガン等のオゾン分解触媒もしくは活性炭を担持した紙、アルミニウム等の金属、またはセラミックスを用いることができる。第2オゾンフィルタ74は矩形のシート状に形成されており、第2オゾンフィルタ74の第2排気方向における厚みはT2である。
【0090】
第2オゾンフィルタ74の厚みT2は、第1オゾンフィルタ73の厚みT1よりも小さく形成されている。従って、第2オゾンフィルタ74を通過する空気の流量を、第1オゾンフィルタ73を通過する流量よりも多くすることができ、第2ファン72による排気の流量を確保することが可能となっている。
【0091】
筐体2に収容される基板カバー12内の空気は、電源基板11に実装される電子部品により加熱されて昇温され易くなっている。基板カバー12内の空気は第2ファン72によって左方から右方へ向かって流通し、第2オゾンフィルタ74を通過してオゾンおよび粉塵等が除去された後に、第2ルーバー25を通じて筐体2の外部に排気される。基板カバー12内の空気を第2ファン72によって筐体2の外部に排気することで、基板カバー12内の空気の温度を低下させることが可能である。
【0092】
また、基板カバー12内の空気に含まれるオゾンの量は、プロセスユニットPU内の空気に含まれるオゾンの量よりも少なくなっている。従って、第2オゾンフィルタ74の厚みT2を第1オゾンフィルタ73の厚みT1よりも小さく形成しても、第2オゾンフィルタ74を通過した排気に含まれるオゾンの量を少なく抑えることが可能である。
【0093】
図4、
図8、
図9に示すように、右側壁23に形成される第2ルーバー25は、第2開口23bの周縁部に沿って四角形状に形成され、右側壁23の外側面から右方へ向かって突出する枠体250と、枠体250に囲まれた範囲内において前後方向に延びる第2桟251とを有している。第2桟251は、上下方向に間隔を空けて複数配置されている。前後方向は第2排気方向と直交する方向の一例であり、上下方向は第2排気方向および第2桟が延びる方向と直交する方向の一例である。第2ルーバー25における第2桟251の上下方向における配置間隔はD2である。
【0094】
第2ルーバー25における第2桟251の配置間隔D2は、第1ルーバー24における第1桟241の配置間隔D1よりも大きく形成されている。従って、第2ルーバー25を通じて筐体2の外部に排気される空気の流量を、第1ルーバー24を通じて筐体2の外部に排気される空気の流量よりも大きくすることが可能となっている。
【0095】
第2桟251は、左方から右方へいくに従って上方に傾斜しており、左方から右方へ向けて流通する空気は、第2ルーバー25を通過することで流通方向が斜め上方へ変換される。
【0096】
右側壁23は、第2開口23bの周縁部に沿って四角形状に形成され、右側壁23の内側面から左方へ向かって突出する周壁232を有している。第2ダクト28は第2ファン72よりも右方に延出しており、第2ダクト28の右端部と周壁232とは、第2排気方向と直交する方向から見たときに重なる位置に配置されている。
【0097】
第2ファン72は、左右方向に沿って延びる回転軸721と、回転軸721に固定される羽722と、回転軸721を回転可能に支持するケース723とを有し、回転軸721の軸方向に沿って空気を送り出す軸流ファンである。第2ファン72におけるケース723の外形は、矩形状に形成されている。第2ファン72は、第2排気方向において第2ルーバー25の上流側に配置されている。
【0098】
第2オゾンフィルタ74は、第2ファン72の右方において第2ダクト28に圧入されている。第2ダクト28に圧入された第2オゾンフィルタ74は、第2ダクト28の内周面と第2オゾンフィルタ74の外周面とが接触するように配置されている。
【0099】
このように、第2オゾンフィルタ74を第2ダクト28に圧入することで、第2ファン72を第2ダクト28に収容する際の、第2ファン72の左右方向における位置決めを、第2オゾンフィルタ74によって行うことが可能である。また、画像形成装置1に落下等による衝撃が加わったときに、第2オゾンフィルタ74が緩衝材となって第2ファン72が損傷することを抑制可能である。
【0100】
第2ダクト28に圧入された第2オゾンフィルタ74の左側面は、第2ファン72のケース723と接触している。また、第2ダクト28に圧入された第2オゾンフィルタ74の右側面は、第2ルーバー25と接触している。
【0101】
このように、第2オゾンフィルタ74が第2ファン72のケース723と接触していることで、第2ファン72により送り出された空気の全てを第2オゾンフィルタ74に通過させることが可能となっている。さらに、画像形成装置1の小型化を図ることが可能である。
【0102】
また、第2オゾンフィルタ74が第2ルーバー25と接触していることで、第2オゾンフィルタ74を通過していない空気が第2ルーバー25を通じて筐体2の外部へ排気されることを抑制できる。さらに、画像形成装置1の小型化を図ることが可能である。
【0103】
[第2オゾンフィルタの第2実施形態]
第2オゾンフィルタ74は、
図10に示す第2オゾンフィルタ174のように構成することもできる。第2オゾンフィルタ174は、開口174aを有している点で、開口を有していない第2オゾンフィルタ74と異なっている。
【0104】
開口174aは、第2排気方向である左右方向において、第2オゾンフィルタ74に対して第2ファン72の回転軸721を投影した投影面と重なる領域に形成されている。つまり、第2オゾンフィルタ174における回転軸721の投影面と重なる部分には、開口174aが形成されていて、第2オゾンフィルタ174を構成するフィルタ素材が存在しない部分がある。第2オゾンフィルタ174を構成するフィルタ素材は、開口174aよりも外周側に位置しており、左右方向に投影した羽722およびケース723の投影面と重なる部分に存在している。開口174aは、回転軸721の外形形状に対応した円形状に形成されている。
【0105】
第2オゾンフィルタ174における、回転軸721を左右方向へ投影した投影面と重なる領域は排気の流通量が少ないため、第2オゾンフィルタ174における回転軸721の左右方向への投影面と重なる領域に開口174aを形成することで、オゾンの捕集能力の低下を抑制しつつ、第2オゾンフィルタ174のコストを低減することができる。また、第2オゾンフィルタ174の開口174a部分に相当するフィルタ素材を、別の箇所で使用することにより、さらにコストの低減を図ることができる。
【0106】
[第2オゾンフィルタの第3実施形態]
第2オゾンフィルタ74は、
図11に示す第2オゾンフィルタ274のように構成することもできる。第2オゾンフィルタ274は、L字形状の第1フィルタ274Aと、第1フィルタ274Aと同じL字形状の第2フィルタ274Bとを有している点で、一枚の矩形のシート状に形成される第2オゾンフィルタ74と異なっている。
【0107】
第2オゾンフィルタ274は、第1フィルタ274Aと第2フィルタ274Bとを、開口274aが形成される姿勢に組み合わせることにより形成されている。開口274aは矩形状に形成されており、左右方向において、第2オゾンフィルタ74に対して第2ファン72の回転軸721を投影した投影面と重なる領域に位置している。
【0108】
つまり、第2オゾンフィルタ274における回転軸721の投影面と重なる部分には、開口274aが形成されていて、第2オゾンフィルタ274を構成するフィルタ素材が存在しない部分がある。第2オゾンフィルタ274を構成するフィルタ素材は、開口274aよりも外周側に位置しており、左右方向に投影した羽722およびケース723の投影面と重なる部分に存在している。
【0109】
第2オゾンフィルタ274における、回転軸721を左右方向へ投影した投影面と重なる領域には排気の流通量が少ないため、第2オゾンフィルタ274における回転軸721の左右方向への投影面と重なる領域に開口274aが位置することで、オゾンの捕集能力の低下を抑制しつつ、第2オゾンフィルタ274のコストを低減することができる。
【0110】
特に、第1フィルタ274Aと第2フィルタ274Bとは同じ形状に形成されているため、第2オゾンフィルタ274を形成するための部品点数を増加させることなく、フィルタ素材の量を減少することができるため、第2オゾンフィルタ274の製造コストを低減することが可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 画像形成装置
2 筐体
11 電源基板
12 基板カバー
23 右側壁
24 第1ルーバー
25 第2ルーバー
28 第2ダクト
71 第1ファン
72 第2ファン
73 第1オゾンフィルタ
74、174、274 第2オゾンフィルタ
174a、274a 開口
231 周壁
241 第1桟
251 第2桟
274A 第1フィルタ
274B 第2フィルタ
711 回転軸
712 羽
721 回転軸
722 羽
723 ケース
D1 (第1桟の)配置間隔
D2 (第2桟の)配置間隔
H1 (第1ルーバーの右側壁からの)突出量
H2 (第2ルーバーの右側壁からの)突出量
L1 (第1ファンの外周と第1オゾンフィルタの外周との間の)距離
L2 (第1ファンと第1オゾンフィルタとの間の)距離
L3 (第1オゾンフィルタと第1ルーバーとの間の)距離
T1 (第1オゾンフィルタの)厚み
T2 (第2オゾンフィルタの)厚み
PU プロセスユニット