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特開2024-108085作業割当方法および作業割当プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108085
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】作業割当方法および作業割当プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20240802BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012373
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】小林 久也
(72)【発明者】
【氏名】尾形 晋
(72)【発明者】
【氏名】烏谷 彰
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】各作業者間での過去の作業量の不平等を緩和することができる作業割り当てができること。
【解決手段】作業割当装置100は、複数の職員に複数の案件の作業を割り当てる作業割当を行う。作業割当装置100は、過去の各職員の作業時間から、基準の作業時間に対する過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足の差分(f)に基づき、今回割り当てを行う案件の割当結果において、職員毎の前記差分を解消するための調整量(y)を求め、職員毎の作業時間、差分(f)、調整量(y)を含む制約調整情報110を生成する。作業割当装置100は、各職員の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題の制約条件に、前記調整量(y)を加えて、各職員の作業時間を均一化する最適解を探索する。最適解は、各職員間での過去の作業量の不平等を緩和する作業割り当ての情報を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業者に複数の案件の作業を割り当てる作業割当方法において、
過去の各作業者の作業時間から、基準の作業時間に対する過去の各作業者の作業時間の差分を求め、
今回割り当てを行う案件の割当結果において、作業者毎の前記差分を解消するための調整量を求め、
各作業者の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題の制約条件に、前記調整量を加えて、各作業者の作業時間の最適解を探索する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする作業割当方法。
【請求項2】
前記差分が生じた場合に、
前記調整量を求める処理、および当該調整量を加えた前記最適解の探索の処理、を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業割当方法。
【請求項3】
今回割当を行う案件を各作業者に割り当てる暫定の最適解を求めた後、
前記差分の処理を実行し、
前記差分が生じた場合に、
前記調整量を求める処理、および当該調整量を加えた前記最適解の探索の処理、を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業割当方法。
【請求項4】
各作業者に割り当てる前記案件の割当情報と、
前記案件に関する各作業者の習熟度と、前記案件毎の作業の難易度とから生成した各作業者別の作業時間見積情報と、に基づき、
各作業者への作業割り当てによる各作業者間の作業時間の差分の最小化を前記制約条件に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業割当方法。
【請求項5】
前記最適解は、各作業者別に割り当てる案件の情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業割当方法。
【請求項6】
前記最適解に基づき、各作業者別に割り当てる前記案件および案件ごとの難易度と、今回の各作業者の作業時間と、を含み一覧化して出力する、
処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の作業割当方法。
【請求項7】
前記差分が生じなかった場合に、
今回割り当てを行う案件について、各作業者の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題により、各作業者の作業時間の最適解を探索し、
各作業者別に割り当てる前記案件および案件ごとの難易度と、今回の各作業者の作業時間と、を含み一覧化して出力する、
処理を含むことを特徴とする請求項2に記載の作業割当方法。
【請求項8】
前記差分が生じなかった場合に、
前記暫定の最適解に基づき、各作業者別に割り当てる前記案件および案件ごとの難易度と、今回の各作業者の作業時間と、を含み一覧化して出力する、
処理を含むことを特徴とする請求項3に記載の作業割当方法。
【請求項9】
複数の作業者に複数の案件の作業を割り当てる作業割当プログラムにおいて、
過去の各作業者の作業時間から、基準の作業時間に対する過去の各作業者の作業時間の差分を求め、
今回割り当てを行う案件の割当結果において、作業者毎の前記差分を解消するための調整量を求め、
各作業者の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題の制約条件に、前記調整量を加えて、各作業者の作業時間の最適解を探索する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする作業割当プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業割当方法および作業割当プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
数理最適化の技術分野において、例えば、ある職場における作業者(職員)への作業(タスク)割当について、複数の制約を満たし、作業期間を最小化する最適解を探索する技術がある。例えば、役所では、滞納者から税を効率良く回収する必要があり、税が滞納された滞納整理案件については、チームリーダが複数の職員へ滞納整理案件の割当を行っている。この割当に線形計画法の手法を用いることで、チームの作業時間の最小化およびチームの各職員の作業時間の総和の最小化を図ることができる。
【0003】
先行技術としては、例えば、各作業者の作業工程別のスキルレベルにより各作業者の作業時間を決定し、各作業者への作業配分のバランス率を基準に各作業者へ作業配分を行うものがある。また、各作業者の技能情報に基づき、各作業者の技能に適した作業工程に振り分け、各作業者の総作業時間を算出するものがある。また、作業負荷配分計画の時間間隔と、作業負荷配分の制約の違反点に基づいて時間間隔を2つの時間間隔に分割し、制約に適合するように分割と調整を繰り返して各作業者の作業負荷を均等配分するものがある。また、各従業員と従業員作業グループに関する第1および第2の重要業績評価指数を取得し、第1と第2の重要業績評価指数の差の相関関係に基づいて、複数の従業員を最適な従業員作業グループに割当するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-261122号公報
【特許文献2】特開平06-000268号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2016-0086119号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2018-0349829号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術で用いる線形計画法による最適解では、各作業者への作業時間を均一化することができなかった。具体的には、各作業者の案件の作業時間を遡及的に均一化する重み付けの計算が困難であるため、制約条件の調整ができなかった。従来技術では、過去の各作業者の作業実績を含めることができないため、各作業者の作業時間を均一化できず、特定の作業者に作業負担が生じる問題が生じた。
【0006】
一つの側面では、本発明は、各作業者間での過去の作業量の不平等を緩和することができる作業割り当てができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの実施態様によれば、複数の作業者に複数の案件の作業を割り当てる作業割当において、過去の各作業者の作業時間から、基準の作業時間に対する過去の各作業者の作業時間の差分を求め、今回割り当てを行う案件の割当結果において、作業者毎の前記差分を解消するための調整量を求め、各作業者の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題の制約条件に、前記調整量を加えて、各作業者の作業時間の最適解を探索する、作業割当方法および作業割当プログラムが提案される。
【発明の効果】
【0008】
一態様によれば、各作業者間での過去の作業量の不平等を緩和することができる作業割り当てができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態にかかる作業割当方法の概要を示す説明図である。
図2図2は、従来技術による作業割当の処理例の説明図である。(その1)
図3A図3Aは、従来技術による作業割当の処理例の説明図である。(その2)
図3B図3Bは、従来技術による作業割当の処理例の説明図である。(その3)
図3C図3Cは、従来技術による作業割当の処理例の説明図である。(その4)
図4図4は、実施の形態にかかる作業割当装置の機能ブロック図である。(処理例1)
図5図5は、作業割当装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図6図6は、作業割当装置への入力情報例を示す図表である。
図7図7は、割当要求受付部が保持する情報例を示す図表である。
図8図8は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。(その1)
図9図9は、作業割当処理の定式化を説明する図表である。
図10図10は、最適解探索部が保持する情報例を示す図表である。
図11図11は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。(その2)
図12図12は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。(その3)
図13図13は、作業割当装置が行う作業割当の処理例1を示すフローチャートである。
図14図14は、実施の形態にかかる作業割当装置の機能ブロック図である。(処理例2)
図15図15は、最適解探索部が保持する情報例を示す図表である。
図16図16は、暫定の案件割当状態を示す図である。
図17図17は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。(その1)
図18図18は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。(その2)
図19図19は、職員毎の作業時間の出力例である。
図20図20は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。(その3)
図21図21は、作業割当処理の定式化を説明する図表である。
図22図22は、最適解探索部が保持する情報例を示す図表である。
図23図23は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。(その4)
図24図24は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。(その5)
図25図25は、作業割当装置が行う作業割当の処理例2を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本発明にかかる作業割当方法および作業割当プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態にかかる作業割当方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる作業割当方法の概要を示す説明図である。実施の形態の作業割当方法は、例えば、作業者への作業割り当てについて、複数の制約を満たし、作業期間を最小化する処理を行う。実施の形態の作業割当方法では、作業者が役所の職員であり、各職員に新たに案件の作業を割り当てするにあたり、各職員の過去の作業時間を含めて各職員の作業時間を均一にする例について説明する。実施の形態の作業割当方法は、サーバ等の作業割当装置100がプログラム実行することで実現できる。
【0012】
実施の形態の作業割当方法は、概要として下記1.~6.の処理を含み実施する。
1.過去における各職員の作業実績(作業時間)を取得する。
2.過去の割当要求を取得する。
【0013】
過去の割当要求は、例えば、職員のチームリーダが指定する調査期間と、過去の1日の作業時間の情報を含む。調査期間は、作業割当処理を行うための過去の作業の期間であり、過去の1日の作業時間は、作業割当処理の作業に割く1日の作業時間であり、これら過去の割当要求は、各職員の基準となる作業時間に関する情報である。
【0014】
3.過去の職員の作業時間の超過あるいは不足(f)を算出する。(f)は、例えば、過去の作業時間-過去の作業業務に割く1日の作業時間×過去の調査期間、の算出式に基づき算出する。これにより、基準となる作業時間に対する過去の作業時間の過不足(差分)が得られる。
【0015】
4.各職員の超過あるいは不足を平準化(x)する。(x)は、例えば、(f)の合算値÷職員数、の算出式に基づき算出する。
【0016】
5.各職員の作業量を均一にするための調整量(y)を算出する。調整量(y)は、例えば、(x)-(y)の算出式に基づき算出する。
【0017】
作業割当装置100は、上記1.~5.の処理で都度取得あるいは算出した情報(値)を図1に示す制約調整情報110としてテーブル化したものを記憶部に記憶する。
【0018】
6.調整量(y)を制約条件に加えた線形計画法による計算処理により最適解を算出する。このように、各職員の過去の作業実績情報を含めて、作業時間を均一にする均一化のための調整量(y)を求め、この調整量を、職員の作業時間をなるべく、チームリーダが指定する作業時間に収める制約条件へ加えて線形計画法による最適解を求める。これにより、各職員に割り当てた業務の作業時間の差分を解消し、各職員の作業時間を過不足なく均一化する。
【0019】
図1に記載した各数値を用いた具体例について説明する。はじめに、1.過去における各職員の作業実績(作業時間)は、Aさんが37時間(Hour)、Bさんが38時間、Cさんが39時間であったとする。
【0020】
また、2.過去の割当要求の調査期間は12日、過去の1日の作業時間は3時間であったとする。
【0021】
この場合、3.過去の作職員の作業時間の超過あるいは不足(f)の算出について、例えば、Aさんの場合、(f)は37-3時間×12日=1時間(超)が算出される。また、Bさんの(f)は2時間(超)、Cさんの(f)は3時間(超)が算出される。
【0022】
次に、4.各職員の超過あるいは不足を平準化(x)の算出では、(f)の合算値(1+2+3時間)÷職員数(3)から(x)=2が算出される。
【0023】
次に、各職員の作業量を均一にするための調整量(y)の算出では、Aさんの場合、2-1から(y)=1が算出される。また、Bさんの(y)は2-2=0、Cさんの(y)は2-3=-1が算出される。
【0024】
そして、6.調整量(y)を制約条件に加えた線形計画法により、最適解を算出する。具体的な最適解の算出例は後述するが、各職員の作業時間均一化できるようになる。実施の形態の作業割当装置100では、各職員の過去の作業実績情報を含めて、作業時間を均一にする均一化のための調整量(y)を求める。そして、作業割当装置100は、職員の作業時間をなるべくチームリーダが指定する作業時間に収めるための制約条件に調整量(y)を加えて線形計画法による最適解を求める。
【0025】
これにより、各職員について過去の作業時間を含めた作業時間を均一化する。また、チームリーダが行う各職員への案件割当業務における各職員間での作業時間の調整作業を不要にし、チームリーダの作業負担を減らせるようにする。
【0026】
(作業割当にかかる既存技術での問題点)
ここで、作業割当にかかる既存技術の問題点について説明しておく。作業割当にかかる技術分野では、チームの各個人へ案件の割り振りを最適化して、工数を最小化するマッチングサービスのニーズがある。例えば、役所では滞納者から税を効率良く回収することで、行政サービス等の拡充に活用できる。役所では滞納整理案件を多く抱えており、チームリーダが複数の作業者(職員)へ滞納整理案件の割当を行っている。
【0027】
ここで、職員の習熟度と案件の難易度により、職員の作業時間にばらつきが生じている。チームリーダは、一定の期間内に全ての滞納整理案件の処理が完了し、各職員の過去から今回割り当てる案件処理の作業時間がなるべく均一となるように、案件を割り当てたい要望がある。この要望を満足するためには、各職員が過去にどの程度、滞納整理業務に時間をかけていたかを把握し、過去および今回の作業時間の総和で職員間に偏りが生じないように調整しつつ、期間内に全ての案件処理が完了するような割り当てを行う必要がある。
【0028】
しかし、既存技術では、割り当てを行うチームリーダへの負担が大きくなった。ここで、既存技術では、チームリーダの指定期間内に全ての滞納整理案件を処理しつつ、各職員の作業時間が均一となる調整を行うことができなかった。
【0029】
図2図3Cは、従来技術による作業割当の処理例の説明図である。図2には、チームリーダLによる各職員A~Cへの案件割当時の状態を示す。図2に示すように、職員構成201として、若手で習熟度が最も低い(Lv.1)のAさん、中堅で習熟度が中間(Lv.2)のBさん、ベテランで習熟度が最も高い(Lv.3)のCさんの3名からなるとする。
【0030】
また、滞納整理案件の構成202として、作業内容が易(Lv.1)の滞納整理案件が3件、作業内容が中(Lv.2)の滞納整理案件が2件、作業内容が難(Lv.3)の滞納整理案件が2件、合計7件あるとする。
【0031】
そして、作業時間が2日で7件の作業を終わらせる案件割り当てを行うとする。この場合、チームリーダLは、「2日以内に7件終わらせたい。なるべく作業時間を均一にしたい。どのように割り当てすれば?」との、目的および制約条件203を考慮しなければならない。同時にチームリーダLは、「前回はBさんに多めに作業してもらった?いや、Cさんだった?」と、前回割当状態204が不明になることもある。このような場合、チームリーダLは、従来技術による線形計画法を利用して作業割当てを行うことが考えられる。
【0032】
図3A図3Cには、従来技術による線形計画法を用いた作業割当の処理例を示す。線形計画法では、目的関数と、制約条件を設定して所定の算出式により、各職員の作業時間を算出する。
【0033】
上記の図2に示した職員構成201と、滞納整理案件の構成202に対する作業割当における目的関数は「チームの調査期間を最小にするため、各職員の作業時間の総和を最小化する」である。制約条件は「1.各職員に割り当てされた案件の作業時間の差をなるべく小さくする。」、「2.職員の習熟度と案件の難易度によって、職員の作業時間が変化する。」、「3.職員の作業時間をなるべく、チームリーダが指定する作業時間に収める。」である。
【0034】
図3Aに示すように、従来技術では、滞納整理案件の構成202、チームリーダLが指定する調査期間301、職員習熟度と案件難易度による作業時間の見積302、の各情報を、汎用の線形計画法の計算処理を実施する従来の作業割当装置300に入力する。
【0035】
図3Aの例では、調査期間301は、作業に費やす調査期間s(s=2日)と、滞納整理業務に割く1日の作業時間h(h=4時間)の情報を含む。また、職員習熟度と案件難易度による作業時間の見積302は、職員の習熟度(Lv.)と、案件の難易度(Lv.)との組み合わせ別の作業時間を変数ti,jとして予め作成しておく。例えば、Lv.1である職員のAさんは、Lv.1の案件の作業時間(t1,1)が3時間、Lv.2の案件の作業時間(t1,2)が6時間、Lv.3の案件の作業時間(t1,3)が9時間に設定されている。
【0036】
図3Bには、従来技術の作業割当処理の定式化を説明する図表を示す。縦軸は職員習熟度、横軸は案件難易度である。これら職員習熟度と案件難易度との組み合わせにおいて、作業割当装置300は、上述した目的関数、調査期間、3つの制約条件1.~3.を変数xi,jを用いて最小化の式(1)と条件の式(2)~(4)で定式化した線形計画問題を作成する。変数xi,jは、1:割当/0:割当しない、i,j=1,2,3である。下記式の各項には、該当する目的関数、調査期間、制約条件1.~3.の注釈を付してある。
【0037】
【数1】
【0038】
上記式に示すように、従来技術では、各職員の作業時間を遡及的に均一化する重み付けの計算ができず、制約条件の調整が行えない。各職員の作業時間を「遡及的」に均一化とは、各職員の作業時間を「過去の作業時間を含めた」均一化を示す。
【0039】
図3Cには、従来技術による作業割当結果を示す。従来技術では、各職員の作業時間を遡及的に均一化できないことにより、図3C(a)に示すように、チームの調査期間が3日、チームの作業時間が11時間となり調査期間および作業時間が超過してしまう。また、チームリーダL指定の作業時間(2日×4時間=8時間)に対し、職員の作業時間は、Aさんが7時間、Bさんが10時間、Cさんが11時間となる。この場合、Bさんが指定の作業時間に対し2時間超過し、Cさんが指定の作業時間に対し3時間超過してしまう。
【0040】
この場合、図3C(b)に示すように、作業割当結果に基づきチームリーダLは、作業全体に最低3日はかかることが分かる。このため、チームリーダLは、当初の2日で作業を完了させるために、例えば、「2日で終わらせるには、BさんとCさんに頑張ってもらおう。Bさんは1日1時間、Cさんは1日1.5時間を多めに作業してもらうしかないか。」と判断することになる。
【0041】
この場合、図3C(c)に示すように、チームリーダLは、BさんとCさんに対し「作業時間が増えてしまいますが、お願いします」と、超過する作業を依頼することになる。ここで、BさんとCさんは「前回も私たちの作業時間を増やしましたよ!」と、前回作業時間が増加したことの不満等を訴えることがある。これに対し、チームリーダLは、例えば、「そうでしたか?どう調整すれば良い?」等と、BさんとCさんの過去の作業時間の超過を考慮した作業時間を提案できない状態が生じることが考えられる。
【0042】
このように、従来技術では、作業割当装置300を用いても、職員間での過去の作業量の不平等を緩和することができる作業割当結果を得ることができず、チームリーダLに対し有効な作業割当支援を行うことができなかった。
【0043】
(実施の形態における問題設定例)
実施の形態の作業割当装置100では、以下に説明する問題設定に基づき、職員への滞納整理案件の作業割り当てを行う。
【0044】
(問題設定)
・役所で滞納整理案件の割り当てを行うチームリーダの目的
緊急で複数の滞納整理案件の処理を依頼され、2日以内に完了する必要がある。
2日以内に全ての滞納整理案件の処理を実現するための割当結果が欲しい。
1日に滞納整理業務にかける時間は4[Hour]とする。
・滞納整理案件を担当するチームの職員構成
習熟度Lv.1の若手、習熟度Lv.2の中堅、習熟度Lv.3のベテランの3人。
・割当対象となる滞納整理案件の構成
案件難易度Lv.1(易)が3件、案件難易度Lv.2(中)が2件、案件難易度Lv.3(難)が2件」の計7件。
上記問題設定(値)は、上述同様(図2、3A等参照)である。
【0045】
(役所で滞納整理案件の割り当てを行う職員の目的の実現のための処理)
チームの調査期間を最小にするため、各職員の作業時間の総和を最小化する。
ユーザが指定する調査期間に収まる割当結果を求める。
チームの調査期間は、全職員が割り当てされた全ての滞納整理案件を完了するタイミングとし、各職員の作業時間の最大値として考える。
【0046】
(実現方式において考慮すべき条件)
各職員に割り当てされた案件の作業時間の差をなるべく小さくする。
職員の習熟度と案件の難易度によって、職員の作業時間が変化する。
職員の作業時間をなるべく、チームリーダが指定する作業時間に収める。
【0047】
(作業割当の処理例1)
次に、作業割当装置100が行う作業割当処理の処理例1について説明する。
【0048】
(作業割当装置の機能)
図4は、実施の形態にかかる作業割当装置の機能ブロック図である。図4には、処理例1に対応した各機能部の接続構成を示す。作業割当装置100は、割当要求受付部401、調整量算出部402、線形計画問題作成部403、制約調整部404、最適解探索部405、過去の作業実績データベース(DB)406、を含む。詳細は後述するが、過去の作業実績DB406は、過去の職員作業実績テーブル416と、過去の割当要求情報417(図1参照)を含み格納している。以下、データ処理の流れに沿って各機能部の構成を説明する。
【0049】
割当要求受付部401は、作業割当要求時に入力される案件情報、職員情報、割当要求情報、職員習熟度-案件難易度による作業時間見積情報の入力を受け付ける。割当要求受付部401は、入力された情報に基づき、職員別に割り当てる案件の割当テーブル411と、職員の習熟度と案件難易度別の作業時間見積テーブル412を作成する。
【0050】
調整量算出部402は、過去の作業実績DB406を取得し、過去の職員作業実績テーブル416と過去の割当要求情報417に基づいて、制約調整情報423を生成する。
【0051】
調整量算出部402は、制約調整情報423の生成にあたって、過去における各職員の作業時間から、過去にチームリーダLが指定した期間内における作業時間を差し引く。これにより、調整量算出部402は、過去にチームリーダLが設定した期間内における作業時間に対する職員毎の過去における作業時間の超過あるいは不足時間(f)を求める。
【0052】
また、調整量算出部402は、上記算出した各職員の作業時間の超過あるいは不足時間を合算し、職員数で割ることで、全職員の超過あるいは不足時間を平準化(x)する。そして、調整量算出部402は、平準化の結果から、算出した職員毎の過去における作業時間の超過あるいは不足時間を引くことで、今回の案件割当結果で職員毎の作業時間を均一にするための調整量(y)を求める。
【0053】
調整量算出部402は、上記算出した、過去における作業時間の超過あるいは不足時間(f)、平準化(x)、調整量(y)を職員毎にテーブル化した制約調整情報423を生成する。
【0054】
線形計画問題作成部403は、割当要求受付部401が受け付けた職員別に割り当てる案件の割当テーブル411と、職員の習熟度と案件難易度別の作業時間見積テーブル412に基づく、線形計画問題の算出式を作成する。
【0055】
制約調整部404は、調整量算出部402が作成した制約調整情報423に基づき、チームリーダLが指定した期間になるべく収める制約条件を含む算出式に調整量(y)を加え、新たな線形計画問題を最適解探索部405に与える。
【0056】
最適解探索部405は、線形計画問題の最適解を探索し、暫定解(a)、最適解(i)を求める。最適解探索部405は、最適解(i)として職員毎に割り当てる作業の一覧の最適解テーブル451を作成する。
【0057】
調整量算出部402は、最適解探索部405が求めた最適解テーブル451の情報に基づき、各職員の作業時間の過不足を均一化した割当結果情報424と、作業時間を均一化した割当情報425を生成する。
【0058】
(作業割当装置のハードウェア構成例)
図5は、作業割当装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図5は、作業割当装置のハードウェア構成例を示す図である。作業割当装置100は、図5に示す汎用のハードウェアからなるサーバ等のコンピュータで構成することができる。このほか、作業割当装置100は、例えば、図5に示したハードウェアのサーバ群からなるクラウドにより構成することもできる。
【0059】
作業割当装置100は、CPU(Central Processing Unit)501と、メモリ502と、ネットワークI/F(Interface)503と、を有する。また、作業割当装置100は、記録媒体I/F504と、記録媒体505と、可搬型記録媒体I/F506と、可搬型記録媒体507と、を有する。また、各構成部は、バス500によってそれぞれ接続される。
【0060】
CPU501は、作業割当装置100の全体の制御を司る制御部として機能する。CPU501は、複数のコアを有していてもよい。メモリ502は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOSのプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU501のワークエリアとして使用される。メモリ502に記憶されるプログラムは、CPU501にロードされることで、コーディングされている処理をCPU501に実行させる。
【0061】
ネットワークI/F503は、通信回線を通じてネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介して外部のコンピュータに接続される。外部のコンピュータは、例えば、チームリーダLが操作する端末(クライアント装置)等であり、チームリーダLから作業割当要求を受信し、チームリーダLに対し作業割当結果を送信する。そして、ネットワークI/F503は、ネットワークNWと装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F503には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0062】
記録媒体I/F504は、CPU501の制御にしたがって記録媒体505に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体505は、記録媒体I/F504の制御で書き込まれたデータを記憶する。記録媒体505としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
【0063】
可搬型記録媒体I/F506は、CPU501の制御にしたがって可搬型記録媒体507に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体507は、可搬型記録媒体I/F506の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体507としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0064】
なお、作業割当装置100は、上述した構成部の他に、例えば、キーボード、マウス等の入力装置508やディスプレイ509などを有することにしてもよい。これにより、チームリーダLが作業割当装置100を直接操作して作業割当に関する情報を入出力できる。
【0065】
図4に示した割当要求受付部401~最適解探索部405の各機能は、図5に示したCPU501がプログラム実行することで機能を実現できる。また、図4の割当テーブル411~最適解テーブル451、過去の割当要求情報417等の各種データは、例えば、図5に示したメモリ502、記録媒体505、可搬型記録媒体507の領域の一部に格納保持することができる。また、図4に示した過去の作業実績DB406が保持するデータは、作業割当装置100外部のデータベースに限らず、作業割当装置100内部のメモリ502等に格納することとしてもよい。
【0066】
(各情報、各テーブルのデータ例)
次に、図6図12を用いて、作業割当装置が扱う各情報およびテーブルのデータ例について説明する。これら各図には、上述した具体的な値を記入しており、以下の説明では、具体的な値を用いて作業割当装置100によるデータ処理を順に説明する。
【0067】
(作業割当装置への入力情報例)
図6は、作業割当装置への入力情報例を示す図表である。作業割当装置100には、図6(a)に示す案件情報601、図6(b)に示す職員情報602、図6(c)に示す割当要求情報603、図6(d)に示す作業時間見積情報604が入力される。
【0068】
図6(a)に示す案件情報601は、作業の各案件別の名称「task1」~「task7」と、難易度「Lv.1」~「Lv.3」の情報を含む。図6(b)に示す職員情報602は、職員別の名と、習熟度「Lv.1」~「Lv.3」の情報を含む。図6(c)に示す割当要求情報603は、調査期間「2日」と、滞納整理業務に割く1日の作業時間「4時間」の情報を含む。
【0069】
図6(d)に示す作業時間見積情報604は、職員習熟度と案件難易度の組み合わせ別の作業時間の見積(時間)の情報を含む。例えば、作業時間見積情報604において、習熟度が「Lv.1(若手)」の職員の場合、案件の難易度が「Lv.1(易)」の作業時間の見積は4時間に設定されている。また、案件の難易度が「Lv.2(中)」の作業時間の見積は6時間、案件の難易度が「Lv.3(難)」の作業時間の見積は7時間に設定されている。
【0070】
割当要求情報603における「調査期間」は、例えば、チームリーダLが指定する調査期間である。また、案件情報601、作業時間の見積情報604、割当要求情報603に含まれる「滞納整理業務に割く1日の作業時間」は、例えば、チームリーダLが設定する。
【0071】
作業割当装置100の割当要求受付部401は、図6(a)~(d)に示した入力情報に基づき、割当テーブル411と、作業時間見積テーブル412を生成する。
【0072】
(割当要求受付部が保持する情報例)
図7は、割当要求受付部が保持する情報例を示す図表である。図7(a)には、割当テーブル411のデータ例を示す。割当要求受付部401は、職員の習熟度および案件の難易度を別にソートした割当テーブル411を生成する。割当要求受付部401は、割当テーブル411の縦軸の3レコードには、それぞれLv.1~Lv.3の職員「Aさん」~「Cさん」を設定し、横軸にはLv.1~Lv.7のレベル順に7つの案件(task1~7)を設定する。
【0073】
例えば、割当要求受付部401は、割当テーブル411の1レコード目には、Lv.1のAさんに対するtask1~7のそれぞれに変数xi,j(1:割当/0:割当しない、i=1~3、j=1~7)として、x1,1、x1,2、…、x1,7を設定する。
【0074】
図7(b)には、作業時間見積テーブル412のデータ例を示す。また、割当要求受付部401は、入力された作業時間の見積情報604に基づき、作業時間見積テーブル412を生成する。割当要求受付部401は、作業時間見積テーブル412の縦軸の3レコードには、それぞれ職員の習熟度Lv.1~3を設定し、横軸には案件の難易度Lv.1~3を設定する。
【0075】
例えば、割当要求受付部401は、作業時間見積テーブル412の1レコード目には、習熟度Lv.1に対する案件の難易度Lv.1~3のそれぞれに変数ti,j(i,j=1~3)として、t1,1=4時間、t1,2=6時間、t1,3=7時間を設定する。
【0076】
割当要求受付部401は、生成した割当テーブル411と、作業時間見積テーブル412、さらに入力された入力情報(割当要求情報603等)の各情報を作業割当装置100の記憶部(メモリ502や記録媒体505等)に格納保持する。
【0077】
(調整量算出部が保持する情報例1)
図8は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。図8に示す情報例のうち、図8(a)に示す過去の職員作業実績テーブル416と、図8(b)に示す過去の割当要求情報417は、過去の作業実績DB406が保持する情報である。調整量算出部402は、過去の作業実績DB406を参照して、過去の職員作業実績テーブル416と、過去の割当要求情報417を取得し保持する。そして、調整量算出部402は、これら過去の職員作業実績テーブル416と、過去の割当要求情報417に基づき、図8(c)に示す制約調整情報423を生成する。
【0078】
図8(a)に示す過去の職員作業実績テーブル416は、各職員別の過去の作業時間情報からなる。例えば、職員のAさんは、過去の作業時間が37時間である。過去の作業時間は、過去にチームリーダLが指定した調査期間内で各職員が滞納整理業務を行った時間である。
【0079】
図8(b)に示す割当要求情報417は、過去の調査期間と、過去の滞納整理業務に割く1日の作業時間の情報を含む。図8(b)の例では、過去の調査期間が「12日」、過去の滞納整理業務に割く1日の作業時間が「3時間」である。
【0080】
調整量算出部402は、これら過去の職員作業実績テーブル416と、過去の割当要求情報417に基づき、過去にチームリーダLが設定した調査期間内における作業時間に対する職員毎の過去における作業時間の超過あるいは不足時間(f)を下記式により求める。
(f)=過去の作業時間-過去の滞納整理業務に割く1日の作業時間×過去の調査期間
【0081】
例えば、職員Aさんの場合、(f)=37時間-3時間×12日=1時間となる。
【0082】
次に、調整量算出部402は、職員毎に算出した(f)を合算し、職員数で割る下記式により、全職員の超過あるいは不足時間を平準化(x)した値を求める。
(x)=(f)の合算値÷職員数
【0083】
例えば(x)=(1+2+3)÷3=2となる。
【0084】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果で職員毎の作業時間を均一化のため調整量(y)として、下記式により(x)から(f)を引く。
(y)=(x)-(f)
【0085】
例えば、Aさんの場合:(y)=2-1=1、Bさんの場合:(y)=2-2=0、Cさんの場合:(y)=2-3=-1となる。
【0086】
調整量算出部402、これら算出した各情報(f)、(x)、(y)に基づいて、図8(c)に示す制約調整情報423を生成する。制約調整情報423は、過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足時間(f)、平準化(x)、調整量(y)を職員毎のレコードとしてテーブル化したものである。
【0087】
例えば、調整量算出部402は、制約調整情報423の1レコード目には、職員Aさんについて、過去の作業時間「37時間」、過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足時間(f)「1時間」を設定する。また、調整量算出部402は、(f)を平準化した値(x)「2」、均一化のための調整量(y)「1」を設定する。
【0088】
(線形計画問題作成部が保持する情報例)
線形計画問題作成部403は、割当要求受付部401が保持する割当テーブル411と、作業時間見積テーブル412(図7参照)を取得し保持する。また、線形計画問題作成部403は、従来技術同様に、作業割当処理を定式化した線形計画問題を作成する(図3Bおよび数式参照)。
【0089】
(制約調整部が保持する情報例)
制約調整部404は、線形計画問題作成部403が作成した線形計画問題に、調整量算出部402が生成した制約調整情報423を加える調整を行う。
【0090】
図9は、作業割当処理の定式化を説明する図表である。縦軸は各職員、横軸は各案件である。これら各職員と各案件との組み合わせにおいて、線形計画問題作成部403は、上述した目的関数、調査期間、3つの制約条件1.~3.を変数xi,jを用いて最小化の式(5)と条件の式(6)~(8)で定式化した線形計画問題を作成する。変数xi,jは、1:割当/0:割当しない、i,j=1,2,3である。
【0091】
【数2】
【0092】
制約調整部404は、上記線形計画問題のうち、チームリーダLが指定した調査期間になるべく収める制約式に調整量(y)を加えた新たな線形計画問題を作成する。上記式において追加した調整量(y)の項目には、注釈を付してある。
【0093】
(最適解探索部が保持する情報例)
図10は、最適解探索部が保持する情報例を示す図表である。最適解探索部405は、線形計画問題の最適解を探索し、暫定解(a)、最適解(i)を求める。最適解探索部405は、最適解(i)として職員毎に割り当てる作業の一覧として、図10に示す最適解テーブル451を作成する。
【0094】
最適解テーブル451は、縦軸が職員、横軸が各案件(task1~7)である。最適解探索部405が探索した最適解(i)に基づき、最適解テーブル451には、各職員と案件の組み合わせとして、「割当(1)」/あるいは「割当しない(0)」が設定される。例えば、Aさんについて割当(1)する案件は、task2,6の2件であり、割当しない(0)案件は、task1,3,4,5,7の5件であることが示されている。
【0095】
(調整量算出部が保持する情報例2)
図11は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。調整量算出部402は、上述した各テーブル(過去の職員作業実績テーブル416、過去の割当要求情報417、制約調整情報423を保持している。さらに、調整量算出部402は、制約調整情報423および最適解テーブル451の情報に基づき、割当結果情報424と、作業時間を均一化した割当情報425を生成し、保持する。
【0096】
調整量算出部402は、最適化(i)による各職員の作業時間(j)を算出する。調整量算出部402は、最適解(i)の値と、職員習熟度と案件難易度による作業時間の見積値を下記式(9)に代入することで各職員(Aさん~Cさん)の(j)を算出する。
【0097】
【数3】
【0098】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果により、チームリーダLが設定した調整期間内における作業時間に対する職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間(k)を求める。例えば、調整量算出部402は、職員毎の作業時間から(d)の値を引くことで算出する。(d)は、チームリーダLが設定した調査期間における作業時間の上限(8時間)である。例えば、Aさんの場合、(k)は、11時間-8時間=3時間となる。
【0099】
次に、調整量算出部402は、チームリーダLが指定した調査期間に案件処理する場合の1日当たりの超過あるいは不足時間(l)を求める。例えば、調整量算出部402は、(l)=(k)÷割当要求情報における調査期間により算出する。
【0100】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果による各職員の作業時間の超過あるいは不足と過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足を足し合わせた総和(n)を算出する。例えば、調整量算出部402は、(n)=(f)+(k)により算出する。例えば、Aさんの場合:(n)=1時間+3時間=4時間となる。
【0101】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果による調査期間の最小値を算出する。例えば、調整量算出部402は、調査期間の最小値=(j)の最大値÷滞納整理業務に割く1日の作業時間による算出する。例えば、調査期間の最小値=11[Hour]÷4時間=2.75≒3となる。
【0102】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果で、チームリーダが指定する期間内における作業時間を超過する職員を抽出する。例えば、調整量算出部402は、抽出方法として、(k)>0となる職員名を抽出する。
【0103】
調整量算出部402による上記処理により、図11(a)に示す割当結果情報424と、図11(b)に示す作業時間を均一化した割当情報425とを生成する。
【0104】
図11(a)に示す割当結果情報424は、各職員間の作業時間の過不足を均一化した割当結果を示す。縦軸は各職員、横軸は過去の作業時間、過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足(f)、指定期間に案件処理する場合の1日当たりの作業時間の超過あるいは不足(l)、今回の割当結果による作業時間の総和(m)を含む。横軸にはさらに、今回の割当結果による作業時間の超過あるいは不足(n)の各項目を含む。過去の作業時間と、過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足(f)は、制約調整情報423から取得した項目である。
【0105】
例えば、調整量算出部402は、Aさんについて、過去の作業時間「37時間」、(f)「1時間」、(l)「1.5時間」、(m)「48時間」、(n)「4時間」の情報を割当結果情報424に設定する。
【0106】
図11(b)に示す作業時間を均一化した割当情報425は、調査期間、チームリーダLが与える調査期間における作業時間の上限(d)、調査期間の最小値、今回の割当結果で作業時間が超過する職員の各情報からなる。調整量算出部402は、上記処理により、調査期間「2日」、チームリーダLが与える調査期間における作業時間の上限(d)「8時間」、調査期間の最小値「3日」、今回の割当結果で作業時間が超過する職員「Aさん、Bさん、Cさん」の情報を設定する。
【0107】
(調整量算出部が保持する情報例3)
図12は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。調整量算出部402は、図12(a)に示す職員毎の作業時間のグラフ1201と、図12(b)に示す割当結果情報424(図11(a)と同様)と、図12(c)に示す作業時間を均一化した割当情報425を外部出力可能に保持する。
【0108】
図12(a)に示す職員毎の作業時間のグラフ1201は、最適解(i)の情報を可視可能に一覧化したものに相当し、制約条件を満たして各職員に割り当てるレベル別の案件および作業時間を含む。調整量算出部402は、チームリーダL等が各職員の作業時間を容易に把握可能な態様で出力する。図12(a)の例では、Aさんには、2件の滞納整理案件Lv.1とLv.3に作業時間11時間で割り当てる。Bさんには、2件の滞納整理案件Lv.2に作業時間10時間で割り当てる。Cさんには、2件の滞納整理案件Lv.1と、1件の滞納整理案件Lv.3に作業時間9時間で割り当てる。この場合、各職員の作業時間は、図12(c)に示した作業時間を均一化した割当情報425で設定した、作業時間の上限(8時間)を超えるが、各職員の作業時間における最大値(11時間)以内および調査期間の最小値(3日)以内に収められている。
【0109】
そして、図12(b)に示した割当結果情報424に示すように、今回の割当結果による作業時間の総和(m)は、各職員がいずれも同じ48時間となり、各職員の作業時間を均一化できる。今回の割当結果による作業時間の総和(m)は、過去の各職員の作業時間を含めたものであり、今回の割当結果により、各職員それぞれの過去の作業時間を含めて各職員の全体の作業時間を均一にでき、各職員間での作業量の不平等を緩和できる。
【0110】
(作業割当装置の処理手順例)
図13は、作業割当装置が行う作業割当の処理例1を示すフローチャートである。図13に示す処理は、作業割当装置100の制御部に相当するCPU501(図4の各機能部)が実行処理する。
【0111】
はじめに、作業割当装置100は、割当要求を取得する(ステップS1301)。作業割当装置100は、例えば、図6に示した入力情報を割当要求として取得する。
【0112】
次に、作業割当装置100は、取得した割当要求のうち、過去にチームリーダが設定した作業時間に対する過去における職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間を算出する(ステップS1302)。
【0113】
次に、作業割当装置100は、過去に職員の作業時間に超過あるいは不足があるか否かを判断する(ステップS1303)。過去に職員の作業時間に超過あるいは不足がある場合(ステップS1303:Yes)、作業割当装置100は、ステップS1304の処理に移行する。一方、過去に職員の作業時間に超過あるいは不足がない場合には(ステップS1303:No)、ステップS1307の処理に移行する。
【0114】
ステップS1304では、作業割当装置100は、作業時間の均一化のための各職員の調整量を算出する(ステップS1304)。次に、作業割当装置100は、制約条件の調整を行う(ステップS1305)。この際、例えば、作業割当装置100は、図8(c)に示す制約調整情報423を生成する。
【0115】
次に、作業割当装置100は、調整後の制約条件を加えた線形計画問題の作成と最適解の探索を行う(ステップS1306)。作業割当装置100は、探索後の最適解(i)として、例えば、図12に示す各情報をチームリーダL等に出力し、各職員に作業割当を指示する。
【0116】
また、ステップS1307~ステップS1309の処理は、過去に職員の作業時間に超過あるいは不足がない場合の処理であり、職員の作業時間の最適解を算出する既存技術に相当する。作業割当装置100は、まず、線形計画問題の作成と最適化の探索を行い(ステップS1307)、その後、最適解から各職員の作業時間の算出を行う(ステップS1308)。そして、作業割当装置100は、チームリーダLが指定した作業時間に対する職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間を算出する(ステップS1309)。この場合、チームリーダLは、作業割当装置100が算出した職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間に基づき、各職員に対する作業割り当てを指示することになる。
【0117】
作業割当装置100は、ステップS1306、あるいはステップS1309の処理により作業割当にかかる一連の処理を終了する。
【0118】
(作業割当の処理例2)
次に、作業割当装置100が行う作業割当処理の処理例2について説明する。上記の処理例1では、過去の職員の作業時間に超過あるいは不足に基づく調整量(y)を算出し、この調整量を線形計画問題の制約式に加えて最適解(i)を求めた。これに対し、以下に説明する作業例2では、作業割当装置100は、はじめに、既存技術の線形計画問題により最適解(i)を求める。この後、作業割当装置100は、過去の職員の作業時間に超過あるいは不足がある場合に、調整量(h)を算出し、この調整量を再度、線形計画問題の制約式に加えて調整後の最適解(i)を求める。
【0119】
(作業割当装置の機能)
図14は、実施の形態にかかる作業割当装置の機能ブロック図である。図14には、処理例2における作業割当装置100の各機能を示し、処理例1(図4参照)と同じ構成には同じ符号を付してある。
【0120】
処理例2の作業割当装置100では、はじめに既存技術の線形計画問題により最適解(i)を求めるため、割当要求受付部401は、生成した割当テーブル411、作業時間見積テーブル412の情報を線形計画問題作成部403に出力する点が異なる。また、調整量算出部402は、最適解探索部405による最適解(i)の探索結果に基づき、新規割当情報1402、新規割当結果1403、暫定解による割当結果情報1404を生成する点が異なる。
【0121】
(各情報、各テーブルのデータ例)
次に、図15図24を用い、処理例2において作業割当装置が扱う各情報およびテーブルのデータ例について説明する。これら各図には、具体的な値を記入しており、以下の説明では、具体的な値を用いて作業割当装置100によるデータ処理を順に説明する。
【0122】
(作業割当装置への入力情報例)
処理例2における問題設定、役所で滞納整理案件の割り当てを行う職員の目的の実現のための処理、実現方式において考慮すべき条件は、上述した処理例1と同様である。すなわち、処理例2の作業割当装置100への入力情報は、処理例1(図6参照)と同様である。作業割当装置100の割当要求受付部401は、図6(a)~(d)に示した入力情報に基づき、割当テーブル411と、作業時間見積テーブル412(図7参照)を生成する。
【0123】
(線形計画問題作成部が保持する情報例)
線形計画問題作成部403は、割当要求受付部401が保持する割当テーブル411と、作業時間見積テーブル412(図7参照)を取得し、保持する。線形計画問題作成部403は、従来技術同様に(図3B参照)、作業割当処理を下記式に示す最小化の数式(10)と条件の数式(11)で定式化した線形計画問題を作成する。
【0124】
【数4】
【0125】
(最適解探索部が保持する情報例)
図15は、最適解探索部が保持する情報例を示す図表である。最適解探索部405は、線形計画問題作成部403が作成した線形計画問題の制約式を満たし、目的関数を最小化する最適解を求め、図10に示す最適解テーブル451を作成する。
【0126】
最適解テーブル451は、縦軸が職員、横軸が各案件(task1~7)である。最適解探索部405が探索した最適解(a)に基づき、最適解テーブル451には、各職員と案件の組み合わせとして、「割当(1)」/あるいは「割当しない(0)」が設定される。例えば、Aさんについて割当(1)する案件は、task7の1件であり、割当しない(0)案件は、task1~6の6件であることが示されている。
【0127】
調整量算出部402は、最適解探索部405が算出した最適解(a)に基づき、各職員の作業時間(b)を算出する。各職員の作業時間は、最適解(a)の値と、職員習熟度と案件難易度による作業時間の見積値(図6(d)参照)を下記の数式(12)に代入することで算出する。
【0128】
【数5】
【0129】
図16は、暫定の案件割当状態を示す図である。上記式により各職員に割り当てた暫定的な案件割当状態を示す。図16には、Aさんが1件の滞納処理案件で作業時間が7時間であるのに対し、Cさんは4件の滞納処理案件が作業時間11時間であり、Cさんの作業時間が多く偏って割り当てられた状態が示されている。
【0130】
(調整量算出部が保持する情報例1)
図17図18は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。調整量算出部402は、図17(a)に示す新規割当情報1402と、図17(b)に示す新規割当結果1403を生成し保持する。
【0131】
調整量算出部402は、算出した各職員の作業時間(b)における最大値(c)を求める。例えば、図16に示す各職員の作業時間が7,10,11時間のとき、調整量算出部402は、最大値(c)max(7,10,11)=11時間とする。
【0132】
また、調整量算出部402は、入力された割当要求情報からチームリーダLが設定した期間内における作業時間(d)を下記式により算出する。
(d)=「割当要求情報」の調査期間×「割当要求情報」の滞納整理業務に割く1日の作業時間
上記式により、例えば、(d)は、2日×4時間=8時間となる。
【0133】
そして、調整量算出部402は、各職員の作業時間(b)と、チームリーダLが設定した期間内における作業時間(d)により、チームリーダLが設定した期間内における作業時間に対する職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間(e)を下記式により求める。
(e)=(b)-(d)
上記式により、例えば、Cさんの(e)は、11時間-8時間=3時間となる。
【0134】
また、調整量算出部402は、調査期間の最小値を下記式により算出する。
各職員の作業時間の総和の最大値÷滞納整理業務に割く1日の作業時間
例えば、調査期間の最小値は、11時間÷4時間=2.75≒3時間となる。
【0135】
そして、調整量算出部402は、算出した最大値(c)、チームリーダLが設定した期間内における作業時間(d)、職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間(e)、調査期間の最小値の情報をもとに、新規割当情報1402と、新規割当結果1403を生成する。
【0136】
図17(a)に示す新規割当情報1402は、調査期間「2日」と、チームリーダLが設定した調査期間における作業時間の上限(d)「8時間」と、各職員の作業時間における最大値(c)「11時間」と、調査期間の最小値「3日」、の各情報を含む。
【0137】
図17(b)に示す新規割当結果1403は、縦軸は各職員、横軸に各職員の作業時間(b)と、各職員の作業時間の超過あるいは不足(e)である。例えば、Aさんの作業時間(b)は7時間、作業時間の超過あるいは不足(e)は-1時間である。
【0138】
次に、調整量算出部402は、図17(a)に示した新規割当情報1402を図18(b)に示すように更新する。また、調整量算出部402は、図17(b)に示した新規割当結果1403を更新し、図18(b)に示す暫定解による割当結果情報1404を生成する。
【0139】
調整量算出部402は、新規割当結果1403より、暫定解(a)で作業時間が超過する職員を抽出する。例えば、調整量算出部402は、(e)>0となる職員「Bさん、Cさん」を抽出し、抽出した職員「Bさん、Cさん」の情報1402aを新規割当情報1402に追記する。また、調整量算出部402は、新規割当結果1403よりチームリーダLが指定した「指定期間に案件処理をする場合の1日当たりの作業時間の超過あるいは不足時間」を求め、この1行を追加した暫定解による割当結果情報1404を作成する。例えば、調整量算出部402は、「指定期間に案件処理をする場合の1日当たりの作業時間の超過あるいは不足時間」=(e)÷割当要求情報における調査期間により求める。
【0140】
また、調整量算出部402は、作業時間を均一化した割当情報425の1列目「職員」と2列目「各職員の作業時間」を抽出したテーブルと、入力データの割当要求情報603を過去の作業実績DB406に格納する。
【0141】
次に、調整量算出部402は、過去の作業実績テーブル416から、過去における各職員の作業時間の超過あるいは不足がないかを確認する。調整量算出部402は、過去に、各職員の作業時間に超過あるいは不足がない場合には、暫定解を職員への案件割当結果として出力し、処理を終了する(ここで、暫定解は、各職員の作業時間が均一となる制約が考慮されているため)。調整量算出部402は、暫定の最適解(a)と、暫定解による割当結果情報1404と、新規割当情報1402を出力する。
【0142】
図19は、職員毎の作業時間の出力例である。職員毎の作業時間のグラフ1901は、暫定の最適解(a)に相当し、制約条件を満たし各職員に割り当てる作業時間を示す。調整量算出部402は、チームリーダL等が各職員の作業時間を容易に把握可能な可視化の態様で出力する。図19の例では、Aさんには、1件の滞納整理案件Lv.1を作業時間7時間で割り当てる。Bさんには、2件の滞納整理案件Lv.2に作業時間10時間で割り当てる。Cさんには、3件の滞納整理案件Lv.1と、1件の滞納整理案件Lv.3に作業時間11時間で割り当てる。
【0143】
一方で、調整量算出部402は、過去に各職員の作業時間に超過あるいは不足がある場合には、今回の職員への滞納整理案件の割当結果により、各職員の作業時間が均一となるような制約の調整を行う。以下、過去に各職員の作業時間に超過があるときの処理例について説明する。
【0144】
(調整量算出部が保持する情報例2)
図20は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。図20に示す情報例のうち、図20(a)に示す過去の職員作業実績テーブル416と、図20(b)に示す過去の割当要求情報417は、過去の作業実績DB406が保持する情報である。調整量算出部402は、過去の作業実績DB406を参照して、過去の職員作業実績テーブル416と、過去の割当要求情報417を取得し保持する。そして、調整量算出部402は、これら過去の職員作業実績テーブル416と、過去の割当要求情報417に基づき、図20(c)に示す制約調整情報423を生成する。
【0145】
図20(a)に示す過去の職員作業実績テーブル416は、各職員別の過去の作業時間情報からなる。例えば、職員のAさんは、過去の作業時間が37時間である。
【0146】
図20(b)に示す割当要求情報417は、過去の調査期間と、過去の滞納整理業務に割く1日の作業時間の情報を含む。図20(b)の例では、過去の調査期間が「12日」、過去の滞納整理業務に割く1日の作業時間が「3時間」である。
【0147】
調整量算出部402は、これら過去の職員作業実績テーブル416と、過去の割当要求情報417に基づき、過去にチームリーダLが設定した調査期間内における作業時間に対する職員毎の過去における作業時間の超過あるいは不足時間(f)を下記式により求める。
(f)=過去の作業時間-過去の滞納整理業務に割く1日の作業時間×過去の調査期間
【0148】
例えば、職員Aさんの場合、(f)=37時間-3時間×12日=1時間となる。
【0149】
また、調整量算出部402は、暫定解による割当結果情報1404(図18参照)からチームリーダLが設定した期間内における作業時間に対する職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間(e)を取得する。例えば、Aさんの(e)は、-1時間である。
【0150】
また、調整量算出部402は、職員毎に算出した(e)と、(f)とを合算し、職員数で割る下記式により、全職員の超過あるいは不足時間を平準化(g)した値を求める。
(g)={(e)+(f)}÷職員数
【0151】
例えば(g)={(1+2+3)+(-1+2+3)}÷3=3.3となる。
【0152】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果で職員毎の作業時間を均一化のため調整量(h)として、下記式により(g)から(f)を引く。
(h)=(g)-(f)
【0153】
例えば、Aさんの場合:(h)=3.3-1=2,3、Bさんの場合:(h)=3.3-2=1.3、Cさんの場合:(h)=3.3-3=0.3となる。
【0154】
調整量算出部402、これら算出した各情報(f)、(e)、(g)、(h)に基づいて、図20(c)に示す制約調整情報423を生成する。制約調整情報423は、過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足時間(f)、各職員の作業時間の超過あるいは不足時間(e)、平準化(g)、調整量(h)を職員毎のレコードとしてテーブル化したものである。
【0155】
例えば、調整量算出部402は、制約調整情報423の1レコード目には、職員Aさんについて、過去の作業時間「37時間」、過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足時間(f)「1時間」を設定する。さらに、調整量算出部402は、各職員の作業時間の超過あるいは不足時間(e)「-1時間」、(f)と(e)を平準化した値(g)「3.3」、均一化のための調整量(h)「2.3」を設定する。
【0156】
(線形計画問題作成部が保持する情報例)
図21は、作業割当処理の定式化を説明する図表である。縦軸は各職員、横軸は各案件である。これら各職員と各案件との組み合わせにおいて、線形計画問題作成部403は、上述した目的関数、調査期間、3つの制約条件1.~3.を変数xi,jを用いて最小化の式(13)と条件の式(14)~(16)で定式化した線形計画問題を作成する。変数xi,jは、1:割当/0:割当しない、i,j=1,2,3である。
【0157】
【数6】
【0158】
制約調整部404は、上記線形計画問題のうち、チームリーダLが指定した調査期間になるべく収める制約式に調整量(h)を加えた新たな線形計画問題を作成する。上記式において追加した調整量(h)の項目には、注釈を付してある。
【0159】
(最適解探索部が保持する情報例)
図22は、最適解探索部が保持する情報例を示す図表である。最適解探索部405は、線形計画問題の最適解を探索し、暫定解(a)、最適解(i)を求める。最適解探索部405は、最適解(i)として職員毎に割り当てる作業の一覧として、図10に示す最適解テーブル451を作成する。
【0160】
最適解テーブル451は、縦軸が職員、横軸が各案件(task1~7)である。最適解探索部405が探索した最適解(i)に基づき、最適解テーブル451には、各職員と案件の組み合わせとして、「割当(1)」/あるいは「割当しない(0)」が設定される。例えば、Aさんについて割当(1)する案件は、task2,6の2案件であり、割当しない(0)案件は、task1,3,4,5,7の5件であることが示されている。
【0161】
(調整量算出部が保持する情報例3)
図23は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。調整量算出部402は、上述した各テーブル(過去の職員作業実績テーブル416、過去の割当要求情報417、制約調整情報423を保持している。さらに、調整量算出部402は、制約調整情報423および最適解テーブル451の情報に基づき、割当結果情報424と、作業時間を均一化した割当情報425を生成し、保持する。
【0162】
調整量算出部402は、最適化(i)による各職員の作業時間(j)を算出する。調整量算出部402は、最適解(i)の値と、職員習熟度と案件難易度による作業時間の見積値を下記式(17)に代入することで各職員(Aさん~Cさん)の(j)を算出する。
【0163】
【数7】
【0164】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果により、チームリーダLが設定した調整期間内における作業時間に対する職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間(k)を求める。例えば、調整量算出部402は、職員毎の作業時間から(d)の値を引くことで算出する。(d)は、チームリーダLが設定した調査期間における作業時間の上限(8時間)である。例えば、Aさんの場合、(k)は、11時間-8時間=3時間となる。
【0165】
次に、調整量算出部402は、チームリーダLが指定した調査期間に案件処理する場合の1日当たりの超過あるいは不足時間(l)を求める。例えば、調整量算出部402は、(l)=(k)÷割当要求情報における調査期間により算出する。
【0166】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果による各職員の作業時間の超過あるいは不足と過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足を足し合わせた総和(n)を算出する。例えば、調整量算出部402は、(n)=(f)+(k)により算出する。例えば、Aさんの場合:(n)=1時間+3時間=4時間となる。
【0167】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果による調査期間の最小値を算出する。例えば、調整量算出部402は、調査期間の最小値=(j)の最大値÷滞納整理業務に割く1日の作業時間による算出する。例えば、調査期間の最小値=11[Hour]÷4時間=2.75≒3となる。
【0168】
次に、調整量算出部402は、今回の案件割当結果で、チームリーダが指定する期間内における作業時間を超過する職員を抽出する。例えば、調整量算出部402は、抽出方法として、(k)>0となる職員名を抽出する。
【0169】
調整量算出部402による上記処理により、図23(a)に示す割当結果情報424と、図23(b)に示す作業時間を均一化した割当情報425とを生成する。
【0170】
図23(a)に示す割当結果情報424は、各職員間の作業時間の過不足を均一化した割当結果を示す。縦軸は各職員、横軸は過去の作業時間、過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足(f)、指定期間に案件処理する場合の1日当たりの作業時間の超過あるいは不足(l)、今回の割当結果による作業時間の総和(m)を含む。さらに横軸には、今回の割当結果による作業時間の超過あるいは不足(n)の各項目を含む。過去の作業時間と、過去の各職員の作業時間の超過あるいは不足(f)は、制約調整情報423から取得した項目である。
【0171】
例えば、調整量算出部402は、Aさんについて、過去の作業時間「37時間」、(f)「1時間」、(l)「1.5時間」、(m)「48時間」、(n)「4時間」の情報を割当結果情報424に設定する。
【0172】
図11(b)に示す作業時間を均一化した割当情報425は、調査期間、チームリーダLが与える調査期間における作業時間の上限(d)、調査期間の最小値、今回の割当結果で作業時間が超過する職員の各情報からなる。調整量算出部402は、上記処理により、調査期間「2日」、チームリーダLが与える調査期間における作業時間の上限(d)「8時間」、調査期間の最小値「3日」、今回の割当結果で作業時間が超過する職員「Aさん、Bさん、Cさん」の情報を設定する。
【0173】
(調整量算出部が保持する情報例4)
図24は、調整量算出部が保持する情報例を示す図表である。調整量算出部402は、図24(a)に示す職員毎の作業時間のグラフ1201と、図24(b)に示す割当結果情報424(図23(a)と同様)と、図24(c)に示す作業時間を均一化した割当情報425を外部出力可能に保持する。
【0174】
図24(a)に示す職員毎の作業時間のグラフ1201は、最適解(i)に相当し、制約条件を満たし各職員に割り当てる作業時間を示す。例えば、Aさんには、2件の滞納整理案件Lv.1とLv.3に作業時間11時間で割り当てる。Bさんには、2件の滞納整理案件Lv.2に作業時間10時間で割り当てる。Cさんには、2件の滞納整理案件Lv.1と、1件の滞納整理案件Lv.3に作業時間9時間で割り当てる。この場合、各職員の作業時間は、図24(c)に示した作業時間を均一化した割当情報425で設定した、作業時間の上限(8時間)を超えるが、各職員の作業時間における最大値(11時間)以内および調査期間の最小値(3日)以内に収められている。
【0175】
そして、図24(b)に示した割当結果情報424に示すように、今回の割り当て結果による作業時間の総和(m)は、各職員がいずれも同じ48時間となり、各職員の作業時間を均一化できる。今回の割り当て結果による作業時間の総和(m)は、過去の各職員の作業時間を含めたものであり、今回の割り当て結果により、各職員それぞれの過去の作業時間を含めて各職員の全体の作業時間を均一にでき、各職員間での作業量の不平等を緩和できる。
【0176】
なお、上記処理例2による出力(図24に示した各情報)は、上述した処理例1と同様の各値となっている。
【0177】
(作業割当装置の処理手順例)
図25は、作業割当装置が行う作業割当の処理例2を示すフローチャートである。図25に示す処理は、作業割当装置100の制御部に相当するCPU501(図4の各機能部)が実行処理する。
【0178】
はじめに、作業割当装置100は、割当要求を取得する(ステップS2501)。作業割当装置100は、例えば、図6に示した入力情報を割当要求として取得する。
【0179】
次に、作業割当装置100は、線形計画問題の作成と最適解の探索を行う(ステップS2502)。そして、作業割当装置100は、探索により得た最適解(i)から各職員の作業時間を算出する(ステップS2503)。ここでの最適解(i)は暫定解である。
【0180】
次に、作業割当装置100は、チームリーダが設定した(今回の)作業時間に対する職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間を算出する(ステップS2504)。ステップS2501~ステップS2504の処理は、既存技術を用いた作業時間に関する最適解の算出処理と同様である。実施の形態の処理例2では、既存技術に対し以下の処理が異なる。
【0181】
次に、作業割当装置100は、過去にチームリーダが設定した作業時間に対する過去の職員毎の作業時間の超過あるいは不足時間を算出する(ステップS2505)。
【0182】
次に、作業割当装置100は、過去に職員の作業時間に超過あるいは不足があるか否かを判断する(ステップS2506)。過去に職員の作業時間に超過あるいは不足がある場合(ステップS2506:Yes)、作業割当装置100は、ステップS2507の処理に移行する。一方、過去に職員の作業時間に超過あるいは不足がない場合には(ステップS2506:No)、ステップS2510の処理に移行する。
【0183】
ステップS2507では、作業割当装置100は、作業時間の均一化のための各職員の調整量を算出する(ステップS2507)。次に、作業割当装置100は、制約条件の調整を行う(ステップS2508)。この際、例えば、作業割当装置100は、図20(c)に示す制約調整情報423を生成する。
【0184】
次に、作業割当装置100は、調整後の制約条件を加えた線形計画問題の作成と最適解の探索を行う(ステップS2509)。作業割当装置100は、再度の探索後の最適解(i)として、例えば、図24に示す各情報をチームリーダL等に出力し、各職員に作業割当を指示する。
【0185】
一方、ステップS2510は、過去に職員の作業時間に超過あるいは不足がない場合の処理であり、ステップS2502で算出した最適解(i)、すなわち暫定解による職員の作業時間等の情報(例えば、図19参照)を出力する。この場合、例えば、チームリーダLは、作業割当装置100の出力に基づき、各職員に対する作業割り当てを指示することになる。
【0186】
作業割当装置100は、ステップS2509、あるいはステップS2510の処理により作業割当にかかる一連の処理を終了する。
【0187】
上述した処理例1,2では、各職員に割り当てる滞納整理案件の作業時間を過去の作業時間を含め均一化する例を説明した。これに限らず、本発明の作業割当装置は、習熟度合いが異なる複数の作業者が共同し、分担して行う各種作業における各作業者に割り当てる作業時間の均一化に適用することができる。また、各作業者が行う作業は、リモートワーク等、ネットワークを介した作業であってもよい。例えば、タスク管理や業務管理等の技術分野に適用できる。さらには、人手の作業者に限らず、各種性能別の機械やコンピュータ等の装置が共同して各種の制御やデータ処理等を処理分担する際の各装置の稼働時間の割り当てを均一化する作業管理に適用することもできる。
【0188】
以上説明したように、作業割当装置は、複数の作業者に複数の案件の作業を割り当てる作業割当において、過去の各作業者の作業時間から、基準の作業時間に対する過去の各作業者の作業時間の差分を求める。また、今回割り当てを行う案件の割当結果において、作業者毎の差分を解消するための調整量を求める。そして、各作業者の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題の制約条件に、調整量を加えて、各作業者の作業時間の最適解を探索する処理を行う。このように、作業割当装置は、過去の作業者の作業時間を含み今回の割り当てで各作業者の作業時間を均一化する計算処理を行い、均一化のための調整量を制約条件に含めている。これにより、各作業者間での過去の作業量の不平等を緩和することができる作業割り当てができるようになる。
【0189】
また、作業割当装置は、差分が生じた場合に、調整量を求める処理、および当該調整量を加えた最適解の探索の処理、を実行することとしてもよい。これにより、過去の各作業者の作業時間に差分がある場合、調整量を求めてからこの調整量を含み最適解を探索することができ、迅速に処理できるようになる。
【0190】
一方で、作業割当装置は、差分が生じなかった場合に、今回割り当てを行う案件について、各作業者の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題により、各作業者の作業時間の最適解を探索する。そして、各作業者別に割り当てる案件および案件ごとの難易度と、今回の各作業者の作業時間と、を含み一覧化して出力することとしてもよい。これにより、差分が生じなかった場合に線形計画問題による最適解の探索を行う。例えば、差分が生じる状態が多ければ、差分が生じなかった場合の処理を実行せずに済み処理を効率化できるようになる。
【0191】
また、作業割当装置は、今回割当を行う案件を各作業者に割り当てる暫定の最適解を求めた後、差分の処理を実行し、差分が生じた場合に、調整量を求める処理、および当該調整量を加えた最適解の探索の処理、を実行することとしてもよい。このように、まず暫定の最適解を求めることとしてもよい。この場合、過去の各作業者の作業時間に差分がある場合、調整量を求めてからこの調整量を含み最適解を再度探索すればよい。
【0192】
一方で、作業割当装置は、差分が生じなかった場合に、暫定の最適解に基づき、各作業者別に割り当てる案件および案件ごとの難易度と、今回の各作業者の作業時間と、を含み一覧化して出力することとしてもよい。これにより、差分が生じなかった場合には、線形計画問題で既に算出済みの暫定の最適解に基づく出力が行え、差分が生じなかった場合の処理を迅速化できるようになる。
【0193】
また、作業割当装置は、各作業者に割り当てる案件の割当情報と、案件に関する各作業者の習熟度と、案件毎の作業の難易度とから生成した各作業者別の作業時間見積情報と、に基づき、各作業者への作業割り当てによる各作業者間の作業時間の差分の最小化を制約条件に含む、こととしてもよい。これにより、作業者毎の習熟度および案件の難易度を含み最適解を求めることができるようになる。
【0194】
また、作業割当装置は、割当情報は、今回割当を行う案件の作業時間に関する情報を含むこととしてもよい。これにより、今回割当を行う案件の作業時間を含み最適解を求めることができるようになる。
【0195】
また、作業割当装置は、最適解は、各作業者別に割り当てる案件の情報を含むこととしてもよい。これにより、得られた最適解により、各作業者に割り当てる最適な案件の情報を得ることができるようになる。
【0196】
また、作業割当装置は、最適解に基づき、各作業者別に割り当てる案件および案件ごとの難易度と、今回の各作業者の作業時間と、を含み一覧化して出力することとしてもよい。これにより、今回各作業者に割り当てた案件の詳細情報と、各作業者間での作業時間を容易に把握できるようになる。
【0197】
なお、本実施の形態で説明した作業割当方法は、予め用意されたプログラムをPCやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。本実施の形態で説明した作業割当プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。記録媒体は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、MO(Magneto Optical disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などである。また、本実施の形態で説明した作業割当プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布してもよい。
【0198】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0199】
(付記1)複数の作業者に複数の案件の作業を割り当てる作業割当方法において、
過去の各作業者の作業時間から、基準の作業時間に対する過去の各作業者の作業時間の差分を求め、
今回割り当てを行う案件の割当結果において、作業者毎の前記差分を解消するための調整量を求め、
各作業者の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題の制約条件に、前記調整量を加えて、各作業者の作業時間の最適解を探索する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする作業割当方法。
【0200】
(付記2)前記差分が生じた場合に、
前記調整量を求める処理、および当該調整量を加えた前記最適解の探索の処理、を実行する、
ことを特徴とする付記1に記載の作業割当方法。
【0201】
(付記3)今回割当を行う案件を各作業者に割り当てる暫定の最適解を求めた後、
前記差分の処理を実行し、
前記差分が生じた場合に、
前記調整量を求める処理、および当該調整量を加えた前記最適解の探索の処理、を実行する、
ことを特徴とする付記1に記載の作業割当方法。
【0202】
(付記4)各作業者に割り当てる前記案件の割当情報と、
前記案件に関する各作業者の習熟度と、前記案件毎の作業の難易度とから生成した各作業者別の作業時間見積情報と、に基づき、
各作業者への作業割り当てによる各作業者間の作業時間の差分の最小化を前記制約条件に含む、
ことを特徴とする付記1に記載の作業割当方法。
【0203】
(付記5)前記割当情報は、
今回割当を行う案件の作業時間に関する情報を含む、
ことを特徴とする付記4に記載の作業割当方法。
【0204】
(付記6)前記最適解は、各作業者別に割り当てる案件の情報を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の作業割当方法。
【0205】
(付記7)前記最適解に基づき、各作業者別に割り当てる前記案件および案件ごとの難易度と、今回の各作業者の作業時間と、を含み一覧化して出力する、
処理を含むことを特徴とする付記1に記載の作業割当方法。
【0206】
(付記8)前記差分が生じなかった場合に、
今回割り当てを行う案件について、各作業者の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題により、各作業者の作業時間の最適解を探索し、
各作業者別に割り当てる前記案件および案件ごとの難易度と、今回の各作業者の作業時間と、を含み一覧化して出力する、
処理を含むことを特徴とする付記2に記載の作業割当方法。
【0207】
(付記9)前記差分が生じなかった場合に、
前記暫定の最適解に基づき、各作業者別に割り当てる前記案件および案件ごとの難易度と、今回の各作業者の作業時間と、を含み一覧化して出力する、
処理を含むことを特徴とする付記3に記載の作業割当方法。
【0208】
(付記10)複数の作業者に複数の案件の作業を割り当てる作業割当プログラムにおいて、
過去の各作業者の作業時間から、基準の作業時間に対する過去の各作業者の作業時間の差分を求め、
今回割り当てを行う案件の割当結果において、作業者毎の前記差分を解消するための調整量を求め、
各作業者の作業時間の総和の最小化を目的関数とする線形計画問題の制約条件に、前記調整量を加えて、各作業者の作業時間の最適解を探索する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする作業割当プログラム。
【符号の説明】
【0209】
100 作業割当装置
110,423 制約調整情報
401 割当要求受付部
402 調整量算出部
403 線形計画問題作成部
404 制約調整部
405 最適解探索部
406 過去の作業実績データベース
411 割当テーブル
412 作業時間見積テーブル
416 過去の職員作業実績テーブル
417 過去の割当要求情報
424 割当結果情報
425 作業時間を均一化した割当情報
451 最適解テーブル
501 CPU
502 メモリ
503 ネットワークI/F
505 記録媒体
508 入力装置
509 ディスプレイ
601 案件情報
602 職員情報
603 割当要求情報
604 作業時間見積情報
612 割当要求情報
1201,1901 職員毎の作業時間のグラフ
1402 新規割当情報
1403 新規割当結果
1404 暫定解による割当結果情報
L チームリーダ
NW ネットワーク
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25