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特開2024-108092酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108092
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/22 20060101AFI20240802BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20240802BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20240802BHJP
   A61K 8/24 20060101ALI20240802BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
A61K8/22
A61K8/02
A61Q5/04
A61K8/24
A61K8/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023022010
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】518035145
【氏名又は名称】株式会社イングラボ
(72)【発明者】
【氏名】中谷 靖章
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB082
4C083AB281
4C083AB282
4C083AB411
4C083AB412
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC231
4C083AC302
4C083AC692
4C083AC772
4C083BB44
4C083BB53
4C083CC34
4C083DD06
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD38
4C083EE25
(57)【要約】
【課題】縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の高い酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤を提供する。
【解決手段】
還元剤を含有し、pHが3.5以上6.0以下である酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤で毛髪を処理した後に使用するための第2剤が、過酸化水素を0.5質量%以上3.0質量%以下含有し、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、pH4.5以上7.5以下である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元剤を含有し、pH3.5以上6.0以下である酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤で毛髪を処理した後に使用するための、過酸化水素を0.5質量%以上3.0質量%以下含有し、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、pH4.5以上7.5以下であることを特徴とする第2剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の高い酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な縮毛矯正は、主成分の還元剤、酸化剤の作用及び高温での機械的処理によりクセを矯正することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤を毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後中間水洗し、ドライヤーなどで乾燥し、アイロンによる高温での機械的処理によりストレート状に伸ばした上で、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をストレート状に固定する。
【0003】
一般的なパーマネントウェーブは、主成分の還元剤、酸化剤の作用によりカールを形成することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤をロッドに巻いた毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後中間水洗し、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する。
【0004】
一般的な加熱式パーマネントウェーブは、主成分の還元剤、酸化剤の作用及び高温での処理によりカールを形成することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤を毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後中間水洗し、加熱ロッドに巻き付け高温での処理によりカール状にした上で、加熱ロッドをはずす前後どちらかで過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する。
【0005】
しかし、縮毛矯正、パーマネントウェーブ及び加熱式パーマネントウェーブのいずれも、アルカリ性の第1剤を作用させ毛髪が膨潤軟化し、毛髪の傷みと弾力が低下するため、第1剤を酸性にすることが試みられている。しかしながら、従来から汎用されている過酸化水素を酸化剤として用いた第2剤は、過酸化水素の含有量が1.5~2.5質量%で、pHが2.5~3であることが好ましいとされるが、酸性の第1剤に適用すると十分な酸化効果を発揮することができず、時間経過後に毛髪の傷みが発生する等、縮毛矯正効果及びカール効果の持続性が低く、酸性の第1剤に適した過酸化水素を含有する第2剤の開発が望まれている。
【0006】
特許文献1には、チオグリコール酸、又はその塩、もしくはシステインよりなる群から選ばれた少なくとも一種の還元剤を5~7重量%含有し、酸とアルカリとの特定の配合によりpHが酸性を示す第一剤と、臭素酸ナトリウム、過酸化水素からなる酸化剤を6~12重量%含有し、pHが4~6を示す第二剤からなる、通常の方法にてしっかりとしたウェーブ形成力を持つ酸性パーマネントウェーブ用剤組成物が開示されている。この方法では、通常法にて常温でのウェーブ形成力が優れかつ毛髪への損傷が抑えられことが可能である旨記述されている。しかしながら、過酸化水素の含有量が6~12重量%であり、過酸化水素の含有量が高い。
【0007】
特許文献2には、過酸化水素、pH調整剤および緩衝剤を含有させ、そのpHを4~6にし、さらに緩衝剤の含有量を0.2mol/l以上にしたパーマネントウェーブ用第2剤が開示されている。このパーマネントウェーブ用第2剤は、過酸化水素を安定に保持しながら、毛髪がぱさぱさした感触になるのを抑制して、毛髪の損傷を少なくしつつ、臭素酸ナトリウムを酸化剤として用いたパーマネントウェーブ用第2剤に比べて、酸化処理に際して要する時間が短く、臭素酸ナトリウムを酸化剤として用いたパーマネントウェーブ用第2剤の約1/3~1/2程度で済み、また、酸化型染毛剤にて染毛処理された毛髪の褪色が少ないという過酸化水素の有する利点を生かして、しっかりとしたウェーブ形成力を発揮させることができる。当該特許のパーマネントウェーブ用第2剤は、従来から汎用されている過酸化水素を酸化剤として用いた第2剤として過酸化水素の含有量が1.5~2.5質量%で、pHが2.5~3であることが好ましいとされるパーマネントウェーブ用第2剤でパーマネントウェーブ処理した場合に、過酸化水素の強い酸化力の影響を受け、パーマネントウェーブ処理後の毛髪が損傷を受け、毛髪がぱさぱさした感触になるという問題の解決しつつ、過酸化水素の有する利点を生かして、しっかりとしたウェーブ形成力を発揮させることができるようにしたものである。即ち、過酸化水素の強い酸化力の影響を受ける第1剤に適した過酸化水素を含有する第2剤に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平6-78216
【特許文献2】特開2005-145870
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の高い酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、還元剤を含有し、pH3.5以上6.0以下である酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤で毛髪を処理した後に使用する第2剤が、過酸化水素を0.5質量%以上3.0質量%以下含有し、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、pH4.5以上7.5以下であることにより縮毛矯正効果及びカール効果の高い持続性を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。縮毛矯正剤の機能である縮毛矯正とは、クセ毛、波状毛、縮毛、加齢によるうねりやちらつき等、損傷によるパサつきや広がり等を、矯正する、ストレート状にする、キレイにする等を含む広義の意味である。パーマネントウェーブ剤及び加熱式パーマネントウェーブ剤の機能であるカール効果とは、カールやウェーブ等の毛髪を変形させることを含む広義の意味である。
【0011】
すなわち、本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤は、還元剤を含有し、pH3.5以上6.0以下である酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤で毛髪を処理した後に使用するための第2剤であって、過酸化水素を0.5質量%以上3.0質量%以下含有し、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、pH4.5以上7.5以下である。
【0012】
また、本発明の第2剤は、過酸化水素を含有する第2剤と、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を含有する毛髪処理剤を使用時に混合して、過酸化水素を0.5質量%以上3.0質量%以下含有し、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、pH4.5以上7.5以下になるように調製してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤により、縮毛矯正効果及びカール効果の高い持続性が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤は、過酸化水素を0.5質量%以上3.0質量%以下含有し、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、pH4.5以上7.5以下である。以下、本発明について詳述する。
なお、酸性縮毛矯正剤、酸性パーマネントウェーブ剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ剤は、化粧品分類の洗い流すヘアセット料である酸性ストレート料、酸性カーリング料、又は酸性加熱式カーリング料等を含む広義の意味である。
【0015】
過酸化水素の含有量は、本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤の全量に対して、0.5質量%以上3.0質量%以下、好ましくは1.5質量%以上2.5質量%以下である。含有量が0.5質量%未満では十分な縮毛矯正効果及びカール効果の持続性を得ることができず、一方、3.0質量%を超えて含有しても、含有量に見合った縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の向上は期待できない。
【0016】
臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩の含有量は、本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤の全量に対して、0.5質量%以上5.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以上3.0質量%以下である。含有量が0.5質量%未満では十分な縮毛矯正効果及びカール効果の持続性を得ることができず、一方、5.0質量%を超えて含有しても、含有量に見合った縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の向上は期待できない。
【0017】
前記臭素酸塩を除く有機酸塩としては、特に限定されるものではないが、レブリン酸やグリコール酸や乳酸等のモノカルボン酸及び/又はモノカルボン酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等、コハク酸やリンゴ酸等のジカルボン酸及び/又はジカルボン酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等、クエン酸等のトリカルボン酸及び/又はトリカルボン酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等、グルタミン酸やアスパラギン酸である酸性アミノ酸及び/又は酸性アミノ酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等、エチドロン酸、エデト酸、フィチン酸等のキレート効果を特に有する酸及び/又はキレート効果を特に有する酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤は、pHを4.5~7.5の範囲、好ましくは5.5~6.5範囲に保持することが必要である。pHが4.5未満では、十分な縮毛矯正効果及びカール効果の持続性を得ることができず、pHが7.5を超えても、pHを高くするに見合った縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の向上は期待できない。
【0019】
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤は、上述した成分以外にも、通常用いられる他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。このような成分として、例えばカチオン高分子、アニオン高分子、非イオン高分子、両性高分子、多価アルコール、糖類、アミノ酸、ペプチド、プロテイン、ビタミン類、油分、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素化合物、シリコーン類、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、増粘剤、ゲル化剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、植物抽出エキス、溶剤、防腐剤、香料、粉末成分、色素、水等を含有することができる。
【0020】
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤の剤型は、所望の効果が充分に発揮されるのであれば特に限定されないが、例えば、液状、乳液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状などの剤型を採りうる。
【実施例0021】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り質量%を示す。
【0022】
(実施例1~7及び比較例1~3)
下記の表1に掲げた組成を有する酸性縮毛矯正用第2剤を精製水に各成分が均一になるまで撹拌混合し調製した。得られた酸性縮毛矯正用第2剤の縮毛矯正効果の持続性の評価を、下記の方法により評価した。
【0023】
また、還元剤を含有しpH3.5以上6.0以下の範囲にある酸性縮毛矯正用第1剤を調製した。
セテアリルアルコール 3.0
塩化セチルトリメチルアンモニウム 1.0
セテス―40 0.5
グリセリン 2.0
チオ乳酸アンモニウム 2.0
チオグリセリン 2.0
チオグリコール酸グリセリル 8.0
アンモニア水(25%水溶液) pH4.0に調整
精製水 残量
【0024】
<酸性縮毛矯正用試験毛束の作成>
天然クセ毛(インド人黒毛)を伸長時の長さが30cm、重さ3gの毛束を市販の粉末タイプの脱色剤(ブリーチ剤)にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄、市販のヘアトリートメントで処理し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、各毛束を市販の粉末タイプの脱色剤(ブリーチ剤)にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄、市販のヘアトリートメントで処理し、十分にタオルドライし酸性縮毛矯正用試験毛束とした。
【0025】
<縮毛矯正処理>
酸性縮毛矯正用試験毛束2本に前記酸性縮毛矯正用第1剤を各6g塗布し、室温で30分間放置する。その後、お湯で十分に酸性縮毛矯正用第1剤を洗い流す。十分にタオルドライしてからドライヤーで乾燥させ、180℃に熱した毛髪矯正アイロンにて10秒間かけて毛髪をストレート状にした。次に、調製した酸性縮毛矯正用第2剤を各9g塗布し、室温にて8分間放置し、お湯で十分に酸性縮毛矯正用第2剤を洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。
【0026】
<縮毛矯正効果の持続性の評価>
1本を60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に30分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束aとする。残りの1本を毛束aと同じタイミングで吊せる様に、お湯で十分に濡らし、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束bとする。2本の毛束を24時間室温放置して十分に乾燥した時に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
<評価基準>
縮毛矯正効果の持続性は、毛束bとの比較にて毛束aを評価する。
1.クセ戻りがあり、パサつきがあり毛髪が傷んでいて広がる。
2.クセ戻りがややあり、ややパサつきがあり毛髪が傷んでいて少し広がる。
3.クセ戻りがほんの少しあるが、まとまっていてなめらかな手触り。
4.クセ戻りがほとんどなく、よくまとまっていてなめらかな手触り。
5.クセ戻りがなく、よくまとまっていてなめらかな手触り。
【0027】
【表1】
【0028】
実施例1~7に示されるように、過酸化水素を0.5質量%以上3.0質量%以下含有し、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、pH4.5以上7.5以下の場合に、十分な縮毛矯正効果の持続性が得られた。これに対し、比較例1~3に示されるように、上記範囲外である場合には、縮毛矯正効果の持続性が不十分であった。
【0029】
(実施例8~14及び比較例4~6)
下記の表2に掲げた組成を有する酸性パーマネントウェーブ用第2剤を精製水に各成分が均一になるまで撹拌混合し、調製した。得られた酸性パーマネントウェーブ用第2剤のカール効果の持続性の評価を、下記の方法により評価した。
【0030】
また、還元剤を含有しpH3.5以上6.0以下の範囲にある酸性パーマネントウェーブ用第1剤を調製した。
チオグリコール酸アンモニウム 2.0
システアミン塩酸塩 2.0
チオグリコール酸グリセリル 4.0
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.5
アンモニア水(25%水溶液) pH6.0に調整
精製水 残量
【0031】
<酸性パーマネントウェーブ用試験毛束の作成>
長さが30cm、重さ10gの人毛黒髪毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、各毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし酸性パーマネントウェーブ用試験毛束とした。
【0032】
<パーマネントウェーブ処理>
酸性パーマネントウェーブ用試験毛束2本を直径20mmのロッドに巻き付け前記酸性パーマネントウェーブ用第1剤を各10g塗布し、40℃で15分間放置する。その後、お湯で十分に酸性パーマネントウェーブ用第1剤を洗い流す。次に、調製した酸性パーマネントウェーブ用第2剤を各15g塗布し、室温にて8分間放置し、毛髪をロッドからはずし、お湯で十分に酸性パーマネントウェーブ用第2剤を洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。
【0033】
<カール効果の持続性の評価>
1本を60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に10分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束cとする。残りの1本を毛束cと同じタイミングで吊せる様に、お湯で十分に濡らし、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束dとする。2本の毛束を24時間室温放置して十分に乾燥した時に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
<評価基準>
カール効果の持続性は、毛束dとの比較にて毛束cを評価する。
1.カールがほとんどなくなり、パサつきがあり毛髪が傷んでいる。
2.カールがややなくなり、ややパサつきがあり毛髪が傷んでいて広がる。
3.カールがほんの少しなくなっているが、まとまっていてなめらかな手触り。
4.カールがほとんど残っていて、よくまとまっていてなめらかな手触り。
5.カールが残っていて、よくまとまっていてなめらかな手触り。
【0034】
【表2】
【0035】
実施例8~14に示されるように、過酸化水素を0.5質量%以上3.0質量%以下含有し、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、pH4.5以上7.5以下の場合に、十分なカール効果の持続性が得られた。これに対し、比較例4~6に示されるように、上記範囲外である場合には、カール効果の持続性が不十分であった。
【0036】
(実施例15~21及び比較例7~9)
下記の表3に掲げた組成を有する酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤を精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合し、調製した。得られた酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤のカール効果の持続性の評価を、下記の方法により評価した。
【0037】
また、還元剤を含有しpHが3.5~6.0の範囲にある酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
セテアリルアルコール 3.0
塩化セチルトリメチルアンモニウム 1.0
セテス―40 0.5
グリセリン 2.0
チオグリコール酸システアミン 2.0
チオグリコール酸グリセリル 8.0
アンモニア水(25%水溶液) pH5.0に調整
精製水 残量
【0038】
<酸性加熱式パーマネントウェーブ用試験毛束の作成>
長さが30cm、重さ10gの毛束を市販の脱色剤(ブリーチ)にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、市販のヘアトリートメントで処理し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、各毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし酸性加熱式パーマネントウェーブ用試験毛束とした。
【0039】
<加熱式パーマネントウェーブ処理>
酸性加熱式パーマネントウェーブ用試験毛束2本に前記酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を各15g塗布し、40℃で20分間放置する。その後、お湯で十分に酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を洗い流す。タオルドライしてから直径20mmの加熱ロッドに巻き付け、90℃にて10分放置し毛髪をカール状にした。次に、調製した酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤を各20g塗布し、室温にて8分間放置し、加熱ロッドから毛髪をはずし、お湯で十分に酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤を洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。
【0040】
<カール効果の持続性の評価>
1本を60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に30分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束eとする。残りの1本を毛束eと同じタイミングで吊せる様に、お湯で十分に濡らし、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束fとする。2本の毛束を24時間室温放置して十分に乾燥した時に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
<評価基準>
カール効果の持続性は、毛束fとの比較にて毛束eを評価する。
1.カールがほとんどなくなり、パサつきがあり毛髪が傷んでいる。
2.カールがややなくなり、ややパサつきがあり毛髪が傷んでいて広がる。
3.カールがほんの少しなくなっているが、まとまっていてなめらかな手触り。
4.カールがほとんど残っていて、よくまとまっていてなめらかな手触り。
5.カールが残っていて、よくまとまっていてなめらかな手触り。
【0041】
【表3】
【0042】
実施例15~21に示されるように、過酸化水素を0.5質量%以上3.0質量%以下含有し、臭素酸塩を除く有機酸及び/又は有機酸塩、リン酸及び/又はリン酸塩を0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、pH4.5以上7.5以下の場合に、十分なカール効果の持続性が得られた。これに対し、比較例7~9に示されるように、上記範囲外である場合には、カール効果の持続性が不十分であった。