(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108119
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】ネットワークにおける一次停止または再開のプロトコルのためのシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/06 20090101AFI20240802BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240802BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20240802BHJP
【FI】
H04W28/06 110
H04W84/12
H04W52/02 111
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205256
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】18/102,943
(32)【優先日】2023-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.FRAM
3.HDMI
4.リナックス
5.UNIX
(71)【出願人】
【識別番号】318015161
【氏名又は名称】アバゴ・テクノロジーズ・インターナショナル・セールス・プライベート・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Avago Technologies International Sales Pte.Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Yishun Avenue 7,Singapore 768923,Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ブハリ,ニザムディーン
(72)【発明者】
【氏名】サフー,ジムト・ランジャン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067AA43
5K067CC22
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】無線通信ネットワーク200において、プロトコルを有利に提供する装置(アクセス・ポイントAP212~216対ステーションSTA204~208)は、AP対STAのアソシエーション動作の後に使用される少なくとも1つのフレームを提供する処理回路を含む。当該フレームは、データ一時停止・再開要求を示すデータ又はデータオン表示を含む。当該フレームは、IEEE802.11プロトコルに従って提供されていよい。
【効果】従来のパワーセーブプロトコルよりも効率的かつセキュアである無線通信用のパワーセーブ・プロトコルを提供する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続が確立された後に少なくとも1つのフレームを提供するように構成された回路を含み、
前記フレームが、データ一時停止・再開要求を示すデータ又はデータオン表示を含む、装置。
【請求項2】
前記フレームは、802.11プロトコルに従って提供され、前記接続は、アソシエーション動作または認証動作を用いることにより確立される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記データ一時停止・再開要求は、周期的なスリープモードを示す、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フレームは、前記データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールド、及び前記データオン表示を示すデータ用のフィールドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールドは、スリープモードの時間期間を示すデータを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールドは、スリープモードの周期的時間期間を示すデータを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記データオン表示は、データが表示を完了するまで、データを提供する又は今のままの状態を続けるための時間の長さを示す、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記データ一時停止・再開要求を示すデータは、スリープモードの時間期間、又はスリープモードの周期的時間期間を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、ステーション又はアクセス・ポイントを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの暗号化されたフレームを提供するように構成された回路を含み、前記フレームは、データ通信を一時停止するための要求を示すデータ、又は時間期間の終了後に前記データ通信を再開するための要求を示すデータを含む、装置。
【請求項11】
前記データ通信を一時停止するための要求を示すデータは、スリープモードに入る前に、データ通信を提供するための時間期間の量を示す、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記回路は、データオン表示を受信するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、データ通信が完了したことを示すフレームを受信するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記フレームは、前記時間期間の量を示すための2バイト・フィールドを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記データ通信を一時停止するための要求を示すデータは、スリープモードの時間期間またはスリープモードの周期的時間期間の表示を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
第1の装置と第2の装置との間にセキュアな接続を確立し、
前記セキュアな接続におけるデータ一時停止・再開要求を示すデータ又はデータオン表示を含む少なくとも1つのフレームを提供すること、を含む、方法。
【請求項17】
前記フレームは、802.11プロトコルに従って提供される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記データオン表示は、周期的スリープモードを示す、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記フレームは、前記データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールド、及び前記データオン表示を示すデータ用のフィールドを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールドは、スリープモードの時間期間を示すデータを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
開示の分野
本開示は概して、アクセス・ポイント(AP)とクライアント装置(例えば、ステーション(STA))との間の通信、又は他の通信装置間の通信のためのシステム及び方法に関する。幾つかの実施形態において、本開示は概して、以下に限定されないが、省電力通信動作および/またはオフチャネル動作のためのセキュリティを有する動作を一時停止および再開することを含む、データ通信の一時停止および再開の動作のためのシステム及び方法に関する
【0002】
開示の背景
過去20~30年間において、無線通信装置の市場は、桁違いで成長しており、携帯機器の使用によって促進され、装置の全ての態様の間で接続性およびデータ転送が増大した。デジタル交換技術は、手頃な使いやすい無線通信ネットワークの大規模な配備を容易にした。更に、デジタル及び無線周波数(RF)回路製作の改善、並びに回路集積化および他の態様の進歩は、無線機器をより小さく、より安価に且つより信頼できるものにした。無線通信は、IEEE802.11x、ブルートゥース、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、符号分割多重アクセス方式(CDMA)のような、様々な規格に従って動作することができる。より高いデータスループット及び他の変更が発展するにつれて、IEEE802.11nからIEEE802.11acまでの進歩のように、より新しい規格が採用のために絶えず開発されている。
【0003】
本開示の様々な目的、態様、特徴および利点は、添付図面に関連してなされる詳細な説明を参照することによって、より明らかになり且つより理解されるであろう。添付図面において、同様の参照符号は、全体にわたって、対応する要素を識別する。当該図面において、同様の参照符号は概して、同一の要素、機能的に類似する要素、及び/又は構造的に類似する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】幾つかの実施形態による、1つ又は複数の装置またはステーションと通信する1つ又は複数のアクセス・ポイントを含むネットワーク環境を示すブロック図である。
【0005】
【
図1B】幾つかの実施形態による、本明細書で説明される方法およびシステムに関連して有用なコンピューティング装置を示すブロック図である。
【
図1C】幾つかの実施形態による、本明細書で説明される方法およびシステムに関連して有用なコンピューティング装置を示すブロック図である。
【0006】
【
図2A】幾つかの実施形態による、アクセス・ポイント(AP)(複数)及びステーション(STA)(複数)を含むネットワークを示すブロック図である。
【0007】
【
図2B】幾つかの実施形態による、セキュアな一時停止・再開動作のために構成されたAP又はSTAのより詳細なブロック図である。
【0008】
【
図3】幾つかの実施形態による、
図2Aに示されたネットワークのための3つの状況に従って、セキュアな一時停止・再開動作を用いる通信を示すタイミング図である。
【0009】
【
図4】幾つかの実施形態による、
図2Aに示されたネットワークのための3つの状況に従って、セキュアな一時停止・再開動作を用いる通信を示すタイミング図である。
【0010】
【
図5】幾つかの実施形態による、
図2Aに示されたネットワークのための3つの状況に従って、セキュアな一時停止・再開動作を用いる通信を示すタイミング図である。
【0011】
方法およびシステムの様々な実施形態の詳細が、添付図面および以下の説明に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
IEEE規格(単数または複数)の任意の草案を含む、以下のIEEE規格(単数または複数)、即ち、ワイファイ(WiFi)アライアンス規格、及び以下に限定されないが、IEEE802.11a(登録商標)規格、IEEE802.11b(登録商標)規格、IEEE802.11g(登録商標)規格、IEEEP802.11n(登録商標)規格、及びIEEE802.11ac(登録商標)規格を含むIEEE802.11規格は、参照により全体として本明細書に組み込まれ、全ての目的のために本開示の一部をなす。本開示は、これら規格(単数または複数)の態様を参照することができるが、本開示は、これら規格(単数または複数)により全く制限されない
【0013】
以下の様々な実施形態に関する説明を読むために、本明細書およびそれらの個々の内容に関する以下のセクションの説明は有用であることができる。即ち、
-セクションAは、本明細書で説明される実施形態を実施するために有用であることができるネットワーク環境およびコンピューティング環境を説明する、及び
-セクションBは、セキュアな一時停止・再開動作(pause resume operations)プロトコル(例えば、セキュアな省電力プロトコル)、並びに係るプロトコルを使用する方法および装置の実施形態を説明する。
【0014】
本明細書で開示される様々な実施形態は、ネットワークでの、又は二地点間(ポイント・ツー・ポイント)接続のための一時停止・再開動作のためのプロトコルに関係する。接続は、クライアント装置(例えば、STA)又はAPへの/からの無線接続であることができる、又は他のタイプの通信装置間であることができる。幾つかの実施形態において、無線ネットワークは、802.11 WiFiネットワークであることができる。クライアント装置またはAPは、ICパッケージ内に実装された1つ又は複数の集積回路(IC)を含むデバイス(装置)において具現化され得る。
【0015】
幾つかの実施形態において、システム及び方法は、802.11ネットワークにより使用される従来のパワーセーブ(省電力、節電)プロトコル(Power Save Protocol:PSP)よりも効率的かつセキュアである無線通信用のパワーセーブ・プロトコルを提供する。幾つかの実施形態において、システム及び方法は、クライアント装置により送信されているように見えるように、セキュアでないヌル(null)データ・フレームを操作する攻撃者により生じた、データリンク上の障害(disturbance:妨害、外乱)を防止し、それによりセキュリティを強化する。例えば、クライアント装置が節電モード又はスリープモードである場合、攻撃者は、ヌル・フレームをAPに送ることができ、この場合、電源管理(Power Management:PM)ビットがゼロ(クライアント装置が動作停止状態を解除する(起きている)ことを示す)にリセットされる。係るヌル・フレームに応じて、APは、実際にスリープモードであるクライアント装置に対する幾つかの再試行(リトライ)の後、データを送信し始める場合がある。最終的には、APは当該データを廃棄する場合がある。
【0016】
幾つかの実施形態において、システム及び方法は、クライアント装置が不要なヌル・フレームを送信することを防止し且つ次のビーコン・フレームを受け取るためにより多くの時間にわたって起きている状態のままであることを防止することにより、オフチャネル・アクティビティのためにPSPの再使用に起因した電力の無駄を防止する場合がある。例えば、従来の802.11において、クライアント装置がオフチャネルになる必要がある場合、クライアント装置は、ヌル・フレームを送り、まるでクライアント装置が節電モードに入っているかのようにAPに見えるように、PMビットが1に設定される。後続のビーコン・フレームにおいて、クライアント装置は、APがトラフィック情報マップ(Traffic Information Map:TIM)フィールドにおいてデータ利用可能性を通知した後でさえも、利用可能でない場合があり、その理由は、クライアント装置がビーコン・フレームを受け取るためにAPのチャネルにいない場合があるからである。クライアント装置がAPのチャネル(例えば、ホーム・チャネル)に接続する場合、クライアント装置は、パケット利用可能性を判断するためにビーコン・フレームを受け取るのを、より長い時間にわたって待つ必要がある場合がある。幾つかの従来のシステムにおいて、クライアント装置は、APにヌル・フレームを匿名で送る必要があり、この場合、PMビットは、クライアント装置においてアクティブに戻ることを示すゼロにリセットされるが、APは依然としてクライアント装置用の何らかのデータを持っていない場合がある。従って、クライアント装置は、不活性(イナクティブ状態)を検出した後に、1に設定されたPMビットと共に別のヌル・フレームをAPに送り返す必要がある。これらの追加の伝送は、従来のネットワークにおいて効率性を低減する。
【0017】
幾つかの実施形態において、システム及び方法は、周期的なオフチャネル・アクティビティのより効率的な処理(ハンドリング)を可能にする。幾つかの実施形態において、システム及び方法は、以下に限定されないが、クライアント装置が冗長なヌルデータ・フレームを送信し且つAPからのデータ又はビーコン・フレームのために遅れる際に、クライアント側の電力の無駄を含む、上述したオフチャネル状況に起因した繰り返し起こる問題を低減する。
【0018】
幾つかの実施形態において、AP支援型のセキュアなパワーセーブ・プロトコル(Secure Power Save Protocol:SPSP)は、冗長なヌルデータ・フレームの送信、及びAPからのデータ又はビーコン・メッセージ受信に関連した遅延時間を低減する。幾つかの実施形態において、SPSPは、全ての低出力WiFiクライアントにより使用されることができ、レガシー・パワーセーブ・プロトコル及びレガシー装置と共存することができる。幾つかの実施形態において、システム及び方法は、従来のPSPプロトコルに従った節電モードに関して、セキュアでないヌルデータ・フレームを使用しない。幾つかの実施形態において、フレーム制御フィールドにおける電力管理(Power Management:PM)ビット又はフラグは、情報の目的のためだけであり、APは、係るフラグに応じて、SPSPを用いるクライアント装置の節電状態を変更しない。幾つかの実施形態において、ビーコン・フレームにおけるTIMフィールドは、SPSPフレームの近づきつつある到着を示し、SPSPがサポートされているクライアント装置に対してAP側での保留中のデータを示さない。幾つかの実施形態において、制御フレームにおける追加のデータビットは、暗号化されたフレーム(暗号化フレームと称する)にだけ有効であり、ひとたび当該フレームが受信機により首尾よく暗号解読されたならば、暗号化されていない全てのフレームにおける当該追加のビットは、SPSPを用いて無視される。
【0019】
トラフィック表示マップ(Traffic Indication Map:TIM)は、ネットワークにおけるトラフィック状態を示すために、802.11無線ネットワーク管理フレームにおいて使用される構成を意味する場合がある。幾つかの実施形態において、TIMは、IEEE802.11-1999規格の7.3.2.6項に従う情報要素のような、ネットワークにおける装置のステータス(状態)を示すデータを意味する場合がある。IEEE802.11規格は、ビットマップを使用して、それを待っているデータをAPがバッファリングしたことが、任意のスリープ中のリスニング・ステーションに示される。クライアント装置は、リッスン間隔中に少なくとも1つのビーコンをリッスン(傍受)しなければならないので、APは、情報要素としてそのビーコン信号またはフレームにおいてこのビットマップを周期的に送信する。幾つかの実施形態において、TIMは、2008ビットを含むビットマスクであり、各ビットは、ステーションのアソシエーションID(Association Identification:AID)を表わす。しかしながら、多くの場合、APは、幾つかのクライアント装置用のデータを有するだけであり、そのため、これらステーションを表わすビットマップの一部だけが送信される必要がある。幾つかの実施形態において、部分的なビットマップは、仮想ビットマップと呼ばれることができ、実際に送信される当該部分は、部分的な仮想ビットマップと呼ばれる。
【0020】
幾つかの実施形態において、プロトコルは、保護管理フレーム(Protected Management Frame:PMF)がイネーブルにされたセキュアAPと接続されるクライアント装置に提供される。幾つかの実施形態において、クライアント装置は、節電目的のために、強化セキュリティ・アソシエーション-クエリ(Security Association-query:SA-Query)ベースのSPSPアクション・フレームを使用することができ、それによりPMベースのセキュアでない(安全対策が施されていない)データ・フレームと共にレガシー・ヌル・フレームを用いる必要性が排除される。幾つかの実施形態において、プロトコルは、セキュア且つ堅固(ロバスト)な態様で、そのデータ利用可能性についてクライアント装置(単数または複数)に通知するためにAP用の手段を提供する。幾つかの実施形態において、SAクエリ(SA-Query)アクション・フレームが、SPSPのパラメータに使用される。
【0021】
幾つかの実施形態は、装置に関係する。当該装置は、アクセス・ポイント対ステーションのアソシエーション動作または認証動作の後に、少なくとも1つのフレームを提供するように構成された回路を含む。当該フレームは、データ一時停止・再開要求(data pause resume request)を示すデータ、又はデータオン表示(data on indication)を含む。
【0022】
幾つかの実施形態において、当該フレームは、802.11プロトコルに従って提供される。幾つかの実施形態において、データ一時停止・再開要求は、周期的なスリープモードを示す。フレームは、データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールド、及びデータオン表示を示すデータ用のフィールドを含む。幾つかの実施形態において、データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールドは、スリープモードの時間期間を示すデータを含む。幾つかの実施形態において、データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールドは、スリープモードの周期的な時間期間を示すデータを含む。幾つかの実施形態において、データオン表示は、データが表示を完了するまで、データを提供する又は今のままの状態を続けるための時間の長さを示す。幾つかの実施形態において、データ一時停止・再開要求を示すデータは、スリープモードの時間期間、又はスリープモードの周期的な時間期間を示すデータを含む。幾つかの実施形態において、当該装置は、ステーション又はアクセス・ポイントを含む。
【0023】
幾つかの実施形態は、装置に関係する。当該装置は、少なくとも1つの暗号化されたフレームを提供するように構成された回路を含む。当該フレームは、データ通信を一時停止し、時間期間の終了後に当該データ通信を再開するための要求を示すデータを含む。
【0024】
幾つかの実施形態において、当該データは、時間期間の量を示す。幾つかの実施形態において、当該データは、データ通信が完了するまで当該時間期間が継続することを示す。幾つかの実施形態において、当該装置は、データ通信が完了したことを示すフレームを受信するように構成される。幾つかの実施形態において、データは、時間期間の量を示す2バイトのフィールドを含む。幾つかの実施形態において、データ一時停止・再開要求を示すデータは、スリープモードの時間期間またはスリープモードの周期的な時間期間の表示を含む。
【0025】
幾つかの実施形態は、方法に関係する。当該方法は、第1の装置と第2の装置との間でセキュアな接続を確立し、当該セキュアな接続におけるデータ一時停止・再開要求を示すデータ又はデータオン表示を含む少なくとも1つのフレームを提供することを含む。
【0026】
幾つかの実施形態において、当該フレームは、802.11プロトコルに従って提供される。幾つかの実施形態において、データオン表示は、周期的なスリープモードを示す。幾つかの実施形態において、フレームは、データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールド、及びデータオン表示を示すデータ用のフィールドを含む。幾つかの実施形態において、データ一時停止・再開要求を示すデータ用のフィールドは、スリープモードの時間期間の表示を含む。
【0027】
幾つかの実施形態において、アクセス・ポイント対ステーションのアソシエーション動作または認証動作は、アソシエーション動作、認証動作、又はSTA及びAPを含むそれらの組み合わせを意味する場合がある。幾つかの実施形態において、データ一時停止・再開要求は、チャネルにおけるデータ交換の一時停止を要求するクライアントにより送信されたフレーム、又はチャネルにおけるデータ交換の再開を要求するクライアントにより送信されたフレームを意味する場合がある。幾つかの実施形態において、データオン表示は、クライアントのデータ利用可能性のステータスを通知するために、APによりクライアントへ送信されたフレームを意味する場合がある。幾つかの実施形態において、フィールドは、特定の意味を有するデータ用のデータ構造(例えば、フレーム)の一部を意味する場合がある。幾つかの実施形態において、追加のデータ表示は、追加のデータがAPによりSTAに提供するために利用可能であることを示すデータを意味する場合がある。
【0028】
幾つかの実施形態において、周期的な時間期間は、繰り返される時間期間を意味する場合がある。幾つかの実施形態において、周期的なスリープモードは、時間期間にわたって繰り返されるスリープモードを意味する場合がある。幾つかの実施形態において、データが表示を完了するまで今のままの状態を続けることは、データ・トランザクションが完了するまで又は追加データが利用可能でないことを示すメッセージを装置が受信するまで、装置がオン状態のままであるべきであることを示すデータを意味する場合がある。
【0029】
幾つかの実施形態において、接続は、プロトコルに従って通信するためにデータを交換しているノード間の通信(ノード間の無線通信のような)を設けることを意味する場合がある。幾つかの実施形態において、接続は、3方向ハンドシェイク・メカニズムを用いて確立される。幾つかの実施形態において、セキュアな接続は、別のパーティーによって容易に取得されることができないフォーマットでデータを提供する接続を意味する場合がある。様々な方法は、以下に限定されないが、データ暗号化方法を含むセキュアな接続を確立することができる。幾つかの実施形態において、データ暗号化は、以下に限定されないが、802.11規格に従ったWPA及びWPA2動作を含む、情報を暗号化および暗号解読するアルゴリズムを利用する(例えば、一時キー整合性プロトコル(Temporal Key IntegrityProtocol:TKIP)及び先進的暗号化標準(Advanced Encryption Standard:AES))。
【0030】
チャネルは、データを伝達するために使用される電磁スペクトルの任意の部分を意味する場合がある。当該部分は、様々な帯域幅を有することができ、より広い帯域幅またはチャネルを形成するために組み合わせられ得る。幾つかの実施形態において、チャネルは、中心周波数を中心として5MHzの間隔を有することができ、少なくとも20MHzのバンドを占有することができる。幾つかの実施形態において、プライマリ制御チャネルは、セカンダリ帯域幅チャネル又はセカンダリ・チャネルを含むより大きいチャネルの帯域幅(例えば、より広い帯域幅)内のチャネルを意味する場合がある。幾つかの実施形態において、プライマリ制御チャネルは、より広いチャネルの帯域幅の上側半分または下側半分を使用し、セカンダリ・チャネルは、より広いチャネルの帯域幅の残りの半分を使用する。幾つかの実施形態において、プライマリ帯域幅チャネル及びセカンダリ帯域幅チャネルの帯域幅は等しくなく、プライマリ制御チャネルは、より広い帯域幅において、サブバンドを占有し、1つ又は複数のセカンダリ・チャネルは残りのサブバンドを占有する。幾つかの実施形態において、セカンダリ・チャネルは、プライマリ制御チャネルより大きい又は小さい帯域幅を有する。幾つかの実施形態において、プライマリ制御チャネルは、より小さいチャネル帯域幅(例えば、20MHz)のみをサポートするクライアント装置に使用されるが、プライマリ制御チャネル及びセカンダリ・チャネル(単数または複数)は、より広いチャネルの能力をサポートするクライアント装置に使用され得る。幾つかの実施形態において、複数のセカンダリ帯域幅チャネル及び単一のプライマリ帯域幅チャネルが存在し、それぞれは同じ帯域幅を有する。幾つかの実施形態において、用語「プライマリ(一次)」及び「セカンダリ(二次)」は、特定の優先度を意味せず、第1及び第2と入れ換えられ得る及び逆もまた同じである。
【0031】
幾つかの実施形態において、プライマリ制御チャネルは、基本サービスセット(Basic Service Set:BSS)の要素である全てのステーション(STA)の動作の共通チャネルである。例えば、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz又は80+80MHz、320MHz帯域幅のBSSにおいて、プライマリ制御チャネルは20MHzのチャネルである。幾つかの実施形態において、プライマリ制御チャネルは、管理フレーム全てを伝送するために使用されるが、セカンダリ・チャネルは、プライマリ制御チャネルの隣接するチャネルである。セカンダリ・チャネルは、次により広い帯域幅の別のプライマリ・チャネルを形成するためにプライマリ・チャネルと組み合わせられ得る。プライマリ制御チャネルは、以下に限定されないが、ビーコン・フレーム、プローブ要求/応答フレーム、認証要求/応答フレーム、アソシエーション要求/応答フレーム、認証解除フレーム、アソシエーション解除フレームなどを含む管理フレームを送受信するために使用される任意のチャネルを意味する場合がある。
【0032】
802.11規格に従う認証およびアソシエーションは、ネットワークにおいて異なるレベルのアクセスをクライアント装置に与えるための方法を提供する。APとSTAとの間の接続は一般に、データパケットが当該接続を用いて交換され得る前に、認証されて、APとアソシエーションされなければならない。無線ネットワークは、パワーセーブ・プロトコル(Power Save Protocol:PSP)を利用することができ、この場合、クライアント・ステーションはスリープモードに入り、そのスリープモードの間、クライアント・ステーションは、エネルギーを節約するために又は他の動作(例えば、他のチャネルでの動作)を実行するために、ホーム・チャネルでデータを送信または受信することができない。PSP毎に、当該クライアントは、接続後(認証およびアソシエーション後)にスリープモードに入ることができる。
【0033】
幾つかの実施形態において、認証動作は、クライアント装置が如何にしてネットワークにアクセスするかに関する手順(手続き)を意味する場合がある。幾つかの実施形態において、認証は、クライアントがネットワークに対するアクセスを許可されていることを保証するためのアイデンティティー(身元)のプルーフ(証拠)を提供する。幾つかの実施形態において、アソシエーション動作は、APとアソシエーションされるために認証されたクライアント装置の手順を意味する場合がある。幾つかの実施形態において、アソシエーションにより、ネットワークが、クライアント装置に向けられているデータを何処に送信するかを決定することが可能になる(例えば、データは、クライアント装置がアソシエーションされたAPを介して送信される)。幾つかの実施形態において、一般に、クライアント装置は、単一のAPのみとアソシエーションされる。
【0034】
幾つかの実施形態において、スリープモードは、ネットワーク上で通信する装置がその通信を低減する(例えば、節電するために)動作のモードを意味する場合がある。幾つかの実施形態において、スリープモードは、装置が時間期間にわたって又は既存のチャネルにおける更なる通知まで、データを受信または送信しないモードになる装置に関係する場合がある。例えば、幾つかの実施形態において、STAは、たとえそれが別のチャネルで通信するために電力を使用している又は他のチャネルでチャネル・スキャン動作を実施していても、それが第1のチャネル(例えば、ホーム・チャネル)で通信していないという理由で、スリープモードにいると考えられ得る。
【0035】
幾つかの実施形態において、フレームは、デジタルデータの伝送単位を意味する場合がある。例えば、フレームは、単一のネットワーク・パケット用のコンテナを意味する場合がある。データ・フレームは、データを包含するフレームを意味する場合がある。幾つかの実施形態において、暗号化フレームは、暗号化されたフレームを意味する場合がある。
【0036】
A.コンピューティング及びネットワーク環境
本解決策の特定の実施形態を検討する前に、本明細書で説明される方法およびシステムに関連して、動作環境および関連したシステム構成要素(例えば、ハードウェア要素)の態様を説明することは、有益であることができる。
図1Aを参照すると、ネットワーク環境の一実施形態が示される。概要において、ネットワーク環境は、1つ又は複数のアクセス・ポイント(AP)又はネットワーク装置106、1つ又は複数のクライアント装置(例えば、STA)又は無線通信装置102、及びネットワーク・ハードウェア構成要素またはネットワーク・ハードウェア192を含む無線通信システムを含む。無線通信装置102は例えば、ノート型パソコン、タブレット、パソコン、及び/又は携帯電話装置を含むことができる。各ステーション又は無線通信装置102、及びAP又はネットワーク装置106の一実施形態の詳細は、
図1B及び
図1Cに関連して、より詳細に説明される。一実施形態において、ネットワーク環境は、アドホック・ネットワーク環境、インフラストラクチャ無線ネットワーク環境、サブネット環境などであることができる。ネットワーク装置106又はAPは、ローカル・エリア・ネットワーク接続を介して、ネットワーク・ハードウェア192に動作可能に結合され得る。幾つかの実施形態において、ネットワーク装置106は5G基地局である。ルータ、ゲートウェイ、スイッチ、ブリッジ、モデム、システム・コントローラ、電化製品などを含むことができるネットワーク・ハードウェア192は、通信システムにローカル・エリア・ネットワーク接続を提供することができる。ネットワーク装置106又はAPのそれぞれは、その領域において無線通信装置と通信するための関連したアンテナ又はアンテナ・アレイを有することができる。無線通信装置102は、(例えば、SU-MIMO又はMU-MIMO構成を介して)通信システムからサービスを受け取るために、特定のネットワーク装置106又はAPに登録することができる。直接接続(例えば、二地点間通信)の場合、幾つかの無線通信装置は、割り当てられたチャネル及び通信プロトコルを介して、直接的に通信することができる。無線通信装置102の幾つかは、ネットワーク装置106又はAPに対して動ける又は比較的静止していることができる。
【0037】
幾つかの実施形態において、ネットワーク装置106又はAPは、無線通信装置102がワイヤレス・フィディリティー(登録商標)(WiFi)又は他の規格を用いて、有線ネットワークに接続することを可能にする装置またはモジュール(ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを含む)を含む。ネットワーク装置106又はAPは、時として無線アクセス・ポイント(WAP)と呼ばれ得る。ネットワーク装置106又はAPは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)で動作するように実現され得る(例えば、構成される、設計される及び/又は構築される)。幾つかの実施形態において、ネットワーク装置106又はAPは、独立型装置としてルータ(例えば、有線ネットワークを介して)に接続することができる。他の実施形態において、ネットワーク装置106又はAPは、ルータの構成要素であることができる。ネットワーク装置106又はAPは、ネットワークへの複数の装置アクセスを提供することができる。ネットワーク装置106又はAPは例えば、有線イーサネット(登録商標)接続に接続することができ、その有線接続を利用するために、無線周波数リンクを用いる無線接続を他の装置102に提供することができる。ネットワーク装置106又はAPは、1つ又は複数の無線周波数を用いてデータを送受信するための規格をサポートするように実現され得る。それらが使用するこれら規格および周波数は、IEEE(例えば、IEEE802.11規格)により、定義され得る。ネットワーク装置106又はAPは、公衆インターネット・ホットスポットをサポートするように、及び/又はネットワーク上でネットワークのWi-Fi信号レンジを拡張するように構成および/または使用され得る。
【0038】
幾つかの実施形態において、アクセス・ポイント又はネットワーク装置106は、(例えば、家庭内、車内または建物内)無線ネットワーク(例えば、IEEE802.11、ブルートゥース、ジグビー(登録商標)、ネットワーク・プロトコル及び/又はその変化形に基づいた任意の他のタイプの無線周波数)に使用され得る。無線通信装置102のそれぞれは、組み込み式無線機を含むことができる及び/又は無線機に結合される。係る無線通信装置102、及び/又はアクセス・ポイント又はネットワーク装置106は、性能を強化するために、コスト及び/又はサイズを低減するために、及び/又はブロードバンドの応用形態を強化するために、本明細書で提示されるような本開示の様々な態様に従って動作することができる。各無線通信装置102は、1つ又は複数のアクセス・ポイント又はネットワーク装置106を介して、リソース(例えば、データ、及びサーバのようなネットワーク化されたノードへの接続)に対するアクセスを捜索するクライアント・ノードとして機能するための能力を有することができる。
【0039】
ネットワーク接続は、任意のタイプ及び/又は形態のネットワークを含むことができ、以下の何れか、即ち、ポイント・ツー・ポイント・ネットワーク、放送網、電気通信網、データ通信ネットワーク、コンピュータ・ネットワークを含むことができる。ネットワークのトポロジーは、バス型、スター型、又はリング型ネットワーク・トポロジーであることができる。ネットワークは、本明細書で説明される動作をサポートすることができる、当業者に知られているような任意の係るネットワーク・トポロジーからなることができる。幾つかの実施形態において、異なるタイプのデータは、異なるプロトコルを介して伝送され得る。他の実施形態において、同じタイプのデータは、異なるプロトコルを介して伝送され得る。
【0040】
通信装置(単数または複数)102、及びアクセス・ポイント(単数または複数)又はネットワーク装置106は、任意のタイプ及び形態のネットワークで通信する及び本明細書で説明される動作を実行することができるコンピュータ、ネットワーク装置または電化製品のような、任意のタイプ及び形態のコンピューティング装置として配置され得る及び/又は当該コンピューティング装置で実行され得る。
図1B及び
図1Cは、無線通信装置102又はネットワーク装置106の一実施形態を実施するのに有用なコンピューティング装置100のブロック図を示す。
図1B及び
図1Cに示されるように、各コンピューティング装置100は、プロセッサ121(例えば、中央処理装置)、及び主記憶装置122を含む。
図1Bに示されるように、コンピューティング装置100は、記憶装置128、インストール装置116、ネットワーク・インターフェース118、I/Oコントローラ123、ディスプレイ装置124a~124n、キーボード126、及びマウスのようなポインティング・デバイス127を含むことができる。記憶装置128は、オペレーティング・システム及び/又はソフトウェアを含むことができる。
図1Cに示されるように、各コンピューティング装置100は、メモリ・ポート103、ブリッジ170、1つ又は複数の入力/出力装置130a~130n、及び中央処理装置またはプロセッサ121と通信するキャッシュ・メモリ140のような、追加の随意的な要素も含むことができる。
【0041】
中央処理装置またはプロセッサ121は、主記憶装置122からフェッチされた命令に応答する及び当該命令を処理する任意の論理回路である。多くの実施形態において、中央処理装置またはプロセッサ121は、カリフォルニア州サンタ・クララのインテル・コーポレーションにより製造されている、ニューヨーク州ホワイト・プレーンズのInternational BusinessMachinesにより製造されている、又はカリフォルニア州サニーベールのAdvanced Micro Devicesにより製造されているような、マイクロプロセッサ装置により提供される。コンピューティング装置100は、これらプロセッサの何れか、又は本明細書で説明されるように動作することができる任意の他のプロセッサに基づくことができる。
【0042】
主記憶装置122は、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、強誘電体メモリ(FRAM)、NAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ及び半導体ドライブ(SSD)の任意のタイプ又は変種のような、データを格納することができ且つ任意の記憶場所がマイクロプロセッサ又はプロセッサ121により直接的にアクセスされることを可能にする1つ又は複数のメモリチップであることができる。主記憶装置122は、上述されたメモリチップの何れか、又は本明細書で説明されるように動作することができる任意の他の利用可能なメモリチップに基づくことができる。
図1Bに示された実施形態において、プロセッサ121は、システムバス150を介して主記憶装置122と通信する(より詳細に後述される)。
図1Cは、プロセッサが、メモリポート103を介して、主記憶装置122と直接的に通信するコンピューティング装置100の一実施形態を示す。例えば、
図1Cにおいて、主記憶装置122は、DRDRAMであることができる。
【0043】
図1Cは、メインプロセッサ121が、時としてバックサイドバスと呼ばれるセカンダリ側バスを介して、キャッシュメモリ140と直接的に通信する一実施形態を示す。他の実施形態において、メインプロセッサ121は、システムバス150を用いて、キャッシュメモリ140と通信する。キャッシュメモリ140は一般に、主記憶装置122より速い応答時間を有し、例えばSRAM、BSRAM、又はEDRAMにより提供される。
図1Cに示された実施形態において、プロセッサ121は、ローカル・システムバス(例えば、システムバス150)を介して様々なI/O装置130と通信する。様々なバスは、中央処理装置またはプロセッサ121をI/O装置130の何れかに接続するために使用されることができ、例えば、VESA VLバス、ISAバス、EISAバス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、PCIバス、PCI-Xバス、PCI-Expressバス、又はNuBusである。I/O装置がビデオディスプレイ124である実施形態に関して、プロセッサ121は、ディスプレイ124と通信するためにAGP(advanced graphics port)を使用することができる。
図1Cは、メインプロセッサ121が、例えばHyperTransport、RapidIO、又はInfiniBand通信技術を介して、I/O装置130bと直接的に通信することができるコンピュータ又はコンピュータシステム100の一実施形態を示す。また、
図1Cは、ローカルバスと直接通信が混合されている一実施形態を示し、即ち、プロセッサ121は、I/O装置130bと直接的に通信すると同時に、ローカル相互接続バスを用いてI/O装置130aと通信する。
【0044】
多種多様のI/O装置130a~130nが、コンピューティング装置100に存在することができる。入力装置は、キーボード、マウス、トラックパッド、トラックボール、マイクロホン、ダイヤル、タッチパッド、タッチスクリーン、及び作画タブレットを含む。出力装置は、ビデオディスプレイ、スピーカ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、プロジェクタ、及び昇華型プリンタを含む。I/O装置は、
図1Bに示されたように、I/Oコントローラ123により制御され得る。I/Oコントローラは、キーボード126及びポインティング・デバイス127(例えば、マウス又は光学ペン)のような1つ又は複数のI/O装置を制御することができる。更に、I/O装置は、記憶装置および/またはインストール媒体をコンピューティング装置100に提供することもできる。更に他の実施形態において、コンピューティング装置100は、カリフォルニア州ロスアラミトスのTwintech Industry, Incにより製造されているデバイスのUSBフラッシュドライブ製品群のような、携帯用USB記憶装置を受け入れるためのUSB接続(図示せず)を提供することができる。
【0045】
再び、
図1Bを参照すると、コンピューティング装置100は、ディスク・ドライブ、CD-ROMドライブ、CD-R/RWドライブ、DVD-ROMドライブ、フラッシュメモリ・ドライブ、様々なフォーマットのテープ・ドライブ、USB装置、ハード・ドライブ、ネットワーク・インターフェース、又はソフトウェア及びプログラムをインストールするのに適切な任意の他の装置のような、任意の適切なインストール装置116をサポートすることができる。コンピューティング装置100は更に、オペレーティングシステム及び他の関連したソフトウェアを格納するために、及び本明細書で説明されるシステム及び方法を実現するための(例えば、当該システム及び方法のために構成された及び/又は設計された)任意のプログラム又はソフトウェア120のような、アプリケーション・ソフトウェア・プログラムを格納するために、1つ又は複数のハードディスク・ドライブ又は独立ディスクの冗長なアレイのような、記憶装置を含むことができる。必要に応じて、インストール装置116の何れかは、記憶装置としても使用され得る。更に、オペレーティングシステム及びソフトウェアは、ブート可能媒体から実行され得る。
【0046】
更に、コンピューティング装置100は、様々な接続を通じてネットワークに結び付けるためのネットワーク・インターフェース118を含むことができ、当該様々な接続は、以下に限定されないが、標準電話線、LAN又はWANリンク(例えば、802.11、T1、T3、56kb、X.25、SNA、DECnet)、ブロードバンド接続(例えば、ISDN、フレームリレー、ATM、ギガビット・イーサネット、イーサネットオーバーソネット)、無線接続、又は上記の何れか又は全ての幾つかの組み合わせを含む。接続は、様々な通信プロトコル(例えば、TCP/IP、IPX、SPX、NetBIOS、イーサネット、アークネット、SONET、SDH、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、RS232、IEEE802.11、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n、IEEE802.11ac、IEEE802.11ad、CDMA、GSM、WiMax及び直接非同期接続)を用いて確立され得る。一実施形態において、コンピューティング装置100は、SSL(Secure Sockets Layer)又はTLS(Transport Layer Security)のような、任意のタイプ及び/又は形態のゲートウェイ又はトンネリングプロトコルを介して、他のコンピューティング装置100’と通信する。ネットワーク・インターフェース118は、通信する及び本明細書で説明される動作を実行することができるコンピューティング装置100を任意のタイプのネットワークに結び付けるのに適した、内蔵式ネットワーク・アダプター、ネットワーク・インターフェース・カード、PCMCIAネットワーク・カード、カード・バス・ネットワーク・アダプター、無線ネットワーク・アダプター、USBネットワーク・アダプター、モデム、又は任意の他の装置を含むことができる。
【0047】
幾つかの実施形態において、コンピューティング装置100は、1つ又は複数のディスプレイ装置124a~124nを含むことができる、又はそれらに接続され得る。それ故に、I/O装置130a~130nの何れか及び/又はI/Oコントローラ123は、コンピューティング装置100によるディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nの接続および使用をサポートする、可能にする又は行うための、任意のタイプ及び/又は形態の適切なハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含むことができる。例えば、コンピューティング装置100は、ディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nにインターフェース接続する(仲介して結び付ける)、通信する、接続する又は別な方法で使用するための、任意のタイプ及び/又は形態のビデオアダプター、ビデオカード、ドライバー及び/又はライブラリを含むことができる。一実施形態において、ビデオアダプターは、ディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nにインターフェース接続するための複数のコネクターを含むことができる。他の実施形態において、コンピューティング装置100は、複数のビデオアダプターを含むことができ、この場合、各ビデオアダプターがディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nに接続される。幾つかの実施形態において、コンピューティング装置100のオペレーティングシステムの何らかの部分は、複数のディスプレイ装置124a~124nを用いるように構成され得る。更なる実施形態において、I/O装置130は、システムバス150と外部通信バスとの間のブリッジになることができ、当該外部通信バスは例えば、USBバス、アップル・デスクトップ・バス、RS-232シリアル接続、SCSIバス、ファイアワイア・バス、ファイアワイア800バス、イーサネット・バス、アップルトーク・バス、ギガビット・イーサネット・バス、非同期転送モード・バス、ファイバチャネル・バス、光ファイバ・バス、SAS(Serial Attached SCSI)バス、USB接続、又はHDMIバスである。
【0048】
図1B及び
図1Cに示された部類のコンピューティング装置100は、タスクのスケジューリング及びシステム・リソースへのアクセスを制御するオペレーティングシステムの制御下で動作することができる。コンピューティング装置100は、任意のオペレーティングシステムを実行していることができ、当該オペレーティングシステムは例えば、任意のバージョンのマイクロソフト・ウィンドウズ(登録商標)オペレーティングシステム、様々な公開のユニックス(登録商標)及びリナックス・オペレーティングシステム、マッキントッシュ・コンピュータ用の任意のバージョンのMAC OS、任意の組み込み式オペレーティングシステム、任意のリアルタイム・オペレーティングシステム、任意のオープンソース・オペレーティングシステム、任意の独自仕様のオペレーティングシステム、モバイル・コンピューティング装置用の任意のオペレーティングシステム、又はコンピューティング装置上で実行され且つ本明細書で説明される動作を実行することができる任意の他のオペレーティングシステムである。代表的なオペレーティングシステムは以下に限定されないが、数ある中でも、Google Inc.より製作されているアンドロイド(登録商標);ワシントン州レドモンドのMicrosoft Corporationにより製作されているウィンドウズ(登録商標)7、8及び10;カリフォルニア州クパチーノのApple Computerにより製作されているMAC OS;ResearchIn Motion(RIM)により製作されているWebOS;ニューヨーク州アーモンクのInternationalBusiness Machinesにより製作されているOS/2;及びユタ州ソルトレイクシティのCaldera Corp.により配布されている無償で利用可能なオペレーティングシステムのLinux、又は任意のタイプ及び/又は形態のUnixオペレーティングシステムを含む。
【0049】
コンピュータ・システム又はコンピューティング装置100は、任意のワークステーション、電話機、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ型またはノート型コンピュータ、サーバ、携帯用コンピュータ、携帯電話機または他の携帯用通信機器、メディア再生装置、ゲーム機、モバイル・コンピューティング装置、又は通信することができる任意の他のタイプ及び/又は形態のコンピューティング装置、通信機器またはメディア装置であることができる。幾つかの実施形態において、コンピューティング装置100は、様々なプロセッサ、オペレーティングシステム、及び当該装置と適合する入力装置を有することができる。例えば、一実施形態において、コンピューティング装置100は、スマートフォン、モバイル機器、タブレット又は携帯情報端末である。更に、コンピューティング装置100は、任意のワークステーション、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ型またはノート型コンピュータ、サーバ、携帯用コンピュータ、携帯電話機、任意の他のコンピュータ、又は通信することができ且つ本明細書で説明される動作を実行するのに十分なプロセッサ能力およびメモリ容量を有する他の形態のコンピューティング装置または通信機器であることができる。
【0050】
上述された動作環境および構成要素の態様は、本明細書で開示されたシステム及び方法との関連で明らかになるであろう。
【0051】
B.クライアント装置およびAP通信
以下に限定されないが、Wi-Fiネットワークを含む、任意の通信システムで使用され得るシステム及び方法が、本明細書に開示される。当該システム及び方法は、通信ネットワークにおいて、AP又はSTAと共に使用され得る。IEEE802.11規格に従うSPSPの実施形態が本明細書で説明されるが、当該システム及び方法は、他のネットワーク(セルラーネットワーク)と共に使用され得る、及び二地点間(ポイント・ツー・ポイント)通信において使用され得る。
【0052】
図2Aを参照すると、無線通信ネットワーク又はシステム200は、クライアント装置またはSTA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216を含む。STA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216は、
図1A~
図1Cに関連して説明されたシステムで使用され得る。任意の数のSTA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216が、ネットワーク又はシステム200で使用され得る。幾つかの実施形態において、STA又はクライアント装置は、通信システムで通信するための任意の装置を意味する場合があり、以下に限定されないが、固定、携帯型または可動性のラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型パソコン、携帯情報端末、ワークステーション、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、又はWiFiフォンを含む。幾つかの実施形態において、アクセス・ポイント又はAPは、1つ又は複数の「非AP」装置(例えば、クライアント装置またはSTA)をネットワークに通信可能に結合するための装置(デバイス)を意味する場合がある。幾つかの実施形態において、APにより、非AP装置がネットワークと接続および通信することを可能にする場合がある。幾つかの実施形態において、APは、非AP装置間で無線通信を可能にするように構成された無線アクセス・ポイント(WAP)である。APは、以下に限定されないが、可動性、携帯型または固定のホットスポット、ルータ、ブリッジ、又は他の通信装置を含む。APは、別のネットワークに対する接続ポイントとしてサービスするように、サービスをSTAに提供することができる。
【0053】
STA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216はそれぞれ、無線トランシーバ、及び接続を介して通信するための様々なモジュールを含むことができる。モジュールは、ソフトウェア(例えば、ファームウェア)、ハードウェア構成要素、及びそれらの組み合わせであることができる。幾つかの実施形態において、STA202、204、及び206、及びAP212、214及び216のそれぞれは、無線媒体に対するIEEE802.11準拠の媒体アクセス制御(MAC)層回路および物理層(PHY)インターフェースを含み、より大きな装置またはシステムの一部であることができる。幾つかの実施形態において、STA202、204、206及び208、及びAP212、214及び216のそれぞれは、IEEE802.11規格以外の規格に従って、動作する。
【0054】
無線通信のための接続は、認証およびアソシエーションの後に、STA202、204、206及び208の少なくとも1つとAP212、214及び216との間で確立され得る。例えば、STA208は、AP212に対する接続218を有する。STA202、204、206及び208はそれぞれ、回路要素(例えば、プロセッサ又は処理回路230)を含み、AP212、214及び216はそれぞれ、接続218を確立およびキャンセルする及び当該接続にわたってデータを伝達し、且つSPSPに従って動作するための回路要素(例えば、処理回路231)を含む。幾つかの実施形態において、接続218は、アソシエーション及び/又は認証の動作を用いて形成され、且つアソシエーション解除および/または認証解除の動作を用いてキャンセルされる無線接続である。幾つかの実施形態において、接続218は、AP212と関連したホーム・チャネル上にあることができ、セキュアな接続(例えば、暗号化を用いて)であることができる。
【0055】
図2Bを参照すると、装置220は、AP212又はSTA208(
図2A)であり、幾つかの実施形態に従ってSPSP動作のために構成される。幾つかの実施形態において、装置220は、幾つかの実施形態に従って動的サブバンド動作のために構成される。幾つかの実施形態において、装置220は、処理回路232、チャネル切り替えモジュール238、及びSPSPモジュール242を含む。幾つかの実施形態において、処理回路232は、ロジック及び通信処理動作を実施することができる任意の回路要素または構成要素であり、プロセッサ234及びメモリ236を含むことができる。
【0056】
幾つかの実施形態において、処理回路232は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、特定用途向け集積回路、ハードウェア、ソフトウェア実行プロセッサ、又はステート・マシンとして実現される。幾つかの実施形態において、処理回路232は、IEEE802.11規格の装置の層(例えば、MAC層、ネットワーク層、PHY層)の一部である。幾つかの実施形態において、処理回路232は、通信動作、フレーム構築および処理、アソシエーション動作、認証動作、接続セットアップ、アソシエーション解除動作、SPSP動作、及び認証解除動作を実行すうように構成され得る。幾つかの実施形態において、処理回路232用の命令は、メモリ236のような持続性媒体に格納される。幾つかの実施形態において、SAT208の処理回路230、及びAP212の処理回路231は、処理回路232に類似する。
【0057】
メモリ236は、本明細書で説明される様々なプロセスを実施する及び/又は容易にするためのデータ及び/又はコンピュータ・コードを格納するための1つ又は複数のデバイス(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク記憶装置)である場合がある。メモリ236は、非一時的な不揮発性メモリ、不揮発性メモリ、及び持続性コンピュータ記憶媒体である又はそのようなものを含む場合がある。メモリ236は、本明細書で説明される様々なアクティビティ及び情報構造をサポートするための、データベース構成要素、オブジェクト・コード構成要素、スクリプト構成要素、又は任意の他のタイプの情報構造を含む場合がある。メモリ236は、プロセッサ234に通信可能に結合され、本明細書で説明される1つ又は複数のプロセスを実行するためのコンピュータ・コード又は命令を含む場合がある。プロセッサ234は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、処理構成要素のグループ、ソフトウェア実行プロセッサ、ステート・マシン又は他の適切な電子処理構成要素として実現され得る。そのため、AP又はネットワーク装置106(
図1A)は、いろいろなモジュール及び/又はプログラムを実行し且つ関連したデータをメモリ236のデータベースに格納するように構成される。モジュール(例えば、モジュール238及び242)は、APソフトウェア(例えば、MAC層ソフトウェア又はPHY層ソフトウェア)又はSTAソフトウェア(例えば、MAC層ソフトウェア又はPHY層ソフトウェア)で実現され得る。幾つかの実施形態において、AP212又はSTA208(
図2A)は、ネットワーク(例えば、WAN接続、LAN接続、WLAN接続など)を介して、他のコンピューティング・システム及び装置(例えば、無線通信装置(単数または複数)102、ネットワーク・ハードウェア192、他のアクセス・ポイント又はネットワーク装置106)(
図1A~
図1C)との接続を確立するように構成されて使用される。
【0058】
幾つかの実施形態において、処理回路232は、チャネル切り替えモジュール238を含む。チャネル切り替えモジュール238は、1つ又は複数のクライアント装置(例えば、非AP装置102又はSTA202、204、206及び208(
図2A))と通信可能に結合するように構成されることができ、1つ又は複数の装置102をプライマリ帯域幅チャネル又はセカンダリ帯域幅チャネルの一方に割り当てるように構成され得る。特に、チャネル切り替えモジュール238は、動的サブバンド動作および/またはスキャン動作を実行するように構成され得る。例えば、チャネル切り替えモジュール238は、装置102のネットワーク・トラフィックを決定するように構成され得る。従って、チャネル切り替えモジュール238は、AP212から装置(単数または複数)102へのネットワーク・トラフィック(例えば、アップリンク・トラフィック及びダウンリンク・トラフィック)を改善するためにチャネル切り替えプロトコルを利用する場合がある。即ち、装置(単数または複数)102は、異なるチャネル上で、320MHzスペクトルの異なる部分間に分けられ得る。チャネル切り替えプロトコルは、プライマリ・チャネルとセカンダリ・チャネルとの間で移行することを含む。特に、チャネル切り替えモジュール238により、AP212が、例えば実際のネットワーク・トラフィック及び/又は予想されるネットワーク・トラフィックに基づいて、チャネル間で装置102を動的に切り替えることが可能になる。例えば、チャネル切り替えモジュール238は、装置102(
図1)(又はAP212又はSTA208)を、セカンダリ帯域幅チャネルで動作するようにプライマリ帯域幅チャネル又はホーム・チャネルから切り替えるように構成され得る。特に、チャネル切り替えモジュール238は、装置102又はAP212が(i)帯域幅の利用可能性、及び(ii)サービス要件の品質に基づいて、チャネルを切り替えるべきか否かを判断することができる。モジュール238は、チャネル又はチャネルの一部(以下に限定されないが、プライマリ制御チャネルを含む)で通信するために1つ又は複数の装置を指定するように構成された任意の回路または回路要素(ソフトウェアを備える又は備えない)であることができる。幾つかの実施形態において、モジュール238は、スキャン動作を実行して、ホーム・チャネルに戻るために使用され得る。
【0059】
幾つかの実施形態において、SPSPモジュール242は、クライアント側で直接的な受益側として定義され、AP側でクライアント装置に対する援助として定義されるプロトコルを提供する。幾つかの実施形態において、モジュール242は、保護管理フレーム(PMF)を受け取る又は提供し、その結果、クライアント装置は、PMFを用いてAPに接続される。幾つかの実施形態において、PMF対応APは、省電力動作のためにモジュール242により提供されるアクション・フレーム(例えば、SPSPフレーム)に基づいた強化SAクエリ(SA-Query)を使用する。幾つかの実施形態において、SPSアクション・フレーム(例えば、SPSPフレーム)は、セキュアな接続が達成された後、STA208からAP212に(又は逆もまた同じ)提供される。幾つかの実施形態において、SPSアクション・フレームは、7個のアクション・コード又はフィールドを有する。SPSアクション・フレームの例示的なアクション・コードが以下に提供される。コード2~3は、他の機能のために予約(確保)されている。
【表1】
【0060】
幾つかの実施形態において、SPSPモジュール242は、SPSPデータ一時停止・再開要求(例えば、アクション・コード4)を使用する。幾つかの実施形態において、SPSPデータ一時停止・再開要求は、通信の一時停止または再開を要求するために、クライアント装置によりAPに対して送信された(又は逆もまたおなじ)コード、メッセージ又はフレーム(例えば、SPSアクション・フレームにおけるアクション・コード3)を意味する場合がある。幾つかの実施形態において、SPSPデータ一時停止・再開要求は、ユニキャスト・データ送信を即座に一時停止することを要求するために及び/又は要求された中断(タイムアウト)の後にトラフィックの再開を要求するために、クライアント装置によりAPに対して送信されたフレームである。幾つかの実施形態において、一時停止タイムアウト値は、SPSアクション・フレームにおいて提供される。一時停止タイムアウト値が0である場合、データ送信は、即座に再開され得る。幾つかの実施形態において、動作が時間限界であり且つ20msを越えるAPによる何らかの遅延または不活性が、自動的にスリープに戻る又はオフ・チャネル・アクティビティに戻るクライアント装置につながる可能性があるので、APはほぼ即座にデータ送信を再開する。幾つかの実施形態において、SPSPデータ一時停止・再開要求に対する応答(例えば、APからの応答フレーム)は、期待されない(例えば、アクションのみが期待される)。幾つかの実施形態において、SAクエリ要求/応答におけるトランザクション識別子は冗長であり、SAクエリ要求/応答のトランザクション識別子における2バイトのフィールドが、SPSPパラメータを提供するために使用される。幾つかの実施形態において、当該2バイトのフィールドは、以下のように構成される。即ち、SPSPパラメータ記述:ビット(0)0 - 自動再開、1 - PMモード;ビット[15:1] 16マイクロ秒のタイムアウト値(最小値:32マイクロ秒、及び最大値:1048544マイクロ秒)。
【0061】
上述されたようなSPSPパラメータを用いて、以下の例示的な動作が可能である。即ち
1.クライアント装置は、APからのユニキャスト・データ・トラフィックを一時停止し、期間満了後に自動的に当該トラフィックを再開するために所望の時間(110ms)を要求することができる。サンプル値:0x6E0。幾つかの実施形態において、自動再開の不活性タイムアウトは、最大20msであるべきである。
2.クライアント装置は、APからのユニキャスト・データ・トラフィックを一時停止するために所望の時間(256ms)を要求し、次いで更なるデータ送信のためにSPSPプロトコルに従うようにAPに求める。サンプル値:0x3E81。
3.クライアント装置は、まるでAPがアクティブであるかのようにトラフィックを即座に再開するようにAPに要求することができ、従来の802.11ネットワークにおいて0にリセットされたPMを備えるヌルデータに類似するが、暗号化されている。サンプル値:0x0。
4.クライアント装置は、クライアント装置がスリープモードに入っている際に既存のSPSP経路に即座に従うようにAPに要求することができ、従来の802.11ネットワークにおいてPM1を備えるヌルデータに類似するが、暗号化されている。サンプル値:0x1。
5.クライアント装置は、APからのユニキャスト・データ・トラフィックを一時停止するために所望の時間(900ms)を要求することができ、別のフレームを送信することにより更に600msにわたってそれを延長することができる。サンプル値:0xDBBA及び0x.927D。
【0062】
幾つかの実施形態において、SPSPモジュール242は、SPSPデータオン表示を使用する(例えば、SPSアクション・フレームにおけるアクション・コード4)。幾つかの実施形態において、SPSPデータオン表示は、AP側におけるデータ利用可能性ステータスを通知するために、APによりクライアント装置へ送信されたコード、メッセージ又はフレームを意味する。幾つかの実施形態において、データ利用可能性ステータスがデータ表示のない場合、クライアント装置は、スリープモードに即座に戻ることができる(例えば、その無線機をターンオフ、又はオフ・チャネル動作を実行)。幾つかの実施形態において、データ利用可能性ステータスは、延長された時間期間にわたって起きているようにクライアントに通知するために使用される。幾つかの実施形態において、データ利用可能性ステータスは、データの最新の利用可能性についてクライアントに通知するために使用される。幾つかの実施形態において、クライアント装置が起きているが、クライアント装置が起きているように又はオン・チャネルであるように要求されていないことをAPが検知する時はいつでも、APは、ゼロ又は別の所定の値として値を満たすことにより、クライアント装置に利用できないことを通知するために、SPSPデータオン表示を送信する場合がある。幾つかの実施形態において、APは、延長された時間期間にわたってデータの利用可能性についてクライアント装置に通知するためにSPSPデータオン表示を送信する場合があり、そのため、クライアント装置は、通常より早くスリープ又はオフ・チャネルにならない。
【0063】
幾つかの実施形態において、APは、TIMの情報要素(Information Element:IE)ビットマップ制御および短縮された部分仮想ビットマップ(Partial Virtual Bitmap:PVB)フィールドに類似したペイロード・コンテンツを有するブロードキャスト送信先(宛先)アドレスと共に、DTIM-0(Delivery Traffic Indication Message(配信トラフィック表示メッセージ)-0)のおおよその時間でSPSPデータオン表示を送信する場合がある。また、APは、クライアント装置がその時間に起きている状態(例えば、スリープモードから抜け出して)にあることができることをAPが検出する時はいつでも、任意の個々のクライアント装置にSPSPデータオン表示を送信する場合がある。幾つかの実施形態において、DTIMは、デリバリー(配信)トラフィック表示メッセージ(Delivery Traffic Indication Message)を意味する場合がある。DTIMは、ネットワークを通じてブロードキャスト(同報通信)される情報のビーコン又はパケットに関係することができる。幾つかの実施形態において、DTIMは、APからブロードキャストされるビーコンの後に送信されるビーコン・パケットの一部である。DTIMは、装置がいつ起きるか又はスリープモードになるかを決定する。ブロードキャスト・データ及びマルチキャスト・データが送信される際、DTIMは、当該データが受信され得るように、クライアント装置を起こす。
【0064】
幾つかの実施形態において、SPSPデータオン表示に対するクライアント装置からの応答フレームが期待されず且つアクションのみが期待されるので、SAクエリ要求/応答(SA-query Request/Response)におけるトランザクション識別子は冗長である。従って、幾つかの実施形態において、この2バイトのフィールドは、以下のようにSPSPパラメータのために再利用される。即ち、
【表2】
【0065】
幾つかの実施形態において、上述されたようなSPSPパラメータ値を用いて、以下の例示的な動作が可能である。即ち
1.APは、或る時間にわたって(例えば、40ms)ユニキャスト・データの利用可能性についてクライアント装置に示す(表示する、指示する)ことができ、そのためクライアント装置は、APからデータ・パケットを受け取るために延長時間にわたって起きていることができる。サンプル値:0x9C40。
2.APは、データの利用できないことについてクライアントに示すことができ、そのためクライアント装置は、できるだけ早くスリープに戻ることができる。サンプル値:0x0。
3.APは、暗号化された態様でクライアントの特定の組にデータ利用可能性を伝達することができ、DTIM-0ビーコン・フレームの後に係るフレームを伝える場合がある。
4.APは、後続のデータ送信(配信)の完了まで、単にクライアント装置を起きた状態に保つために、定量化できないデータ利用可能性についてクライアントに示す場合がある。サンプル値:0xFFFF。クライアント装置は、その最大不活性時間にわたって起きた状態にあるであろう。幾つかの実施形態において、ビットマップ制御およびPVBは、TIMフィールドに定義されるように同じフォーマットを保持する。
【0066】
幾つかの実施形態において、SPSPモジュール242は、SPSPデータ一時停止・再開周期的表示を使用する。幾つかの実施形態において、SPSPデータ一時停止・再開周期的表示は、周期的一時停止を示すデータ一時停止・再開要求周期的フレーム又はメッセージ内にある場合がある。幾つかの実施形態において、SPSPデータ一時停止・再開周期的フレームは、SPSPデータ一時停止・再開要求フレームにほぼ等しい。APは、1秒毎または他の期間毎の、クライアントのデータ一時停止時間の同じ周期性を守る。幾つかの実施形態において、データ一時停止期間が1秒毎にほぼ同じ時間で繰り返されるので、一時停止時間は、1秒より少ない。デフォルトにおいて、一時停止時間は、1秒に一度適用可能であるが、必要に応じて、一時停止時間は、1秒に4回までの複数の回数まで拡張され得る。幾つかの実施形態において、SPSPデータ一時停止・再開周期的フレームは、オンに設定される自動再開フィールドを有する。
2バイトのフィールドは、以下のようにSPSPパラメータのために再利用される。
【表3】
【0067】
幾つかの実施形態において、上述されたようなSPSPパラメータ値を用いて、以下の例示的な動作が可能である。即ち
1.クライアント装置は、APからのユニキャスト・データ・トラフィックを一時停止するために所望の時間(256ms)を要求し、期間満了後に自動的に当該トラフィックを再開し、同じパターンを1秒毎に1回繰り返すことができる。サンプル値:0x3E80。幾つかの実施形態において、自動再開の不活性タイムアウトは、最大20msであるべきである。APは、一時停止していない時間期間だけのリセットにおいてパケット利用可能性を通知するであろう(744ms)。
2.クライアント装置は、APからのユニキャスト・データ・トラフィックを一時停止するために所望の時間(256ms)を要求し、期間満了後に自動的に当該トラフィックを再開し、同じパターンを1秒毎に2回繰り返すことができる。サンプル値:0x3E81。自動再開の不活性タイムアウトは、最大20msであるべきである。APは、一時停止していない時間期間だけのリセットにおいてパケット利用可能性を通知する(256ms+256ms)。
3.クライアント装置は、APからのユニキャスト・データ・トラフィックを一時停止するために所望の時間(64ms)を要求し、期間満了後に自動的に当該トラフィックを再開し、同じパターンを1秒毎に8回繰り返すことができる。サンプル値:0xFA3。幾つかの実施形態において、自動再開の不活性タイムアウトは、最大20msであるべきである。幾つかの実施形態において、APは、一時停止していない時間期間だけのリセットにおいてパケット利用可能性を通知するであろう(8*64ms)。
4.クライアント装置は、周期的動作をキャンセルするために0としての値を有するこのフレームを送ることができる。
5.このSPSPデータ一時停止・再開要求周期的フレームは、任意の範囲外の境界周期的動作(bound periodic operations)を達成するためにSPSPデータ一時停止・再開要求フレームと共に使用され得る(例えば、256ms+640msからの別の128ms)。
6.SPSPデータ一時停止・再開要求周期的フレームは、任意の範囲外の境界周期的動作を達成するために2回(基本+追加の周期性)使用され得る(1秒のうちの0msからの256ms(1秒期間内の0ms時間(始まりの瞬間)から始まって256msの期間)、及び1秒のうちの640msからの128ms(当該1秒の期間の開始後の640msから始まって128msの期間))。
【0068】
幾つかの実施形態において、AP、又はSPSPモジュール242を含むクライアント装置のようなSPSP対応装置は、拡張された堅固なセキュリティ・ネットワーク(Robust Security Network:RSN)能力IEにおいてBit(6)又は(以下で示されるような)任意の他の予約ビットを設定し、装置がSPSPの能力があり且つIEが、ビーコン・フレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション要求フレーム、アソシエーション応答フレーム、及び拡張可能自動化プロトコル(Extensible Automation Protocol:EAPOL)フレームの一部として送信/交換されるべきであることを示す。幾つかの実施形態において、拡張RSN IEは、802.11で使用されるフィールドを意味する。代案として、APからのビーコン/プローブ応答フレームにおけるPMビットが重要でなく且つレガシー・クライアントにより普通は無視されるので、AP側でのSPSP能力の告知は、SPSP対応APの迅速な識別のためにPMビットを使用することができる。幾つかの実施形態において、拡張RSN能力IE又はフィールドは、以下のように構成される。
【表4】
【0069】
幾つかの実施形態において、セキュアでない(暗号化されていない)管理フレーム又はIEを介した能力交換に加えて、セキュアな(暗号化された)活性化メカニズムも使用され得る。幾つかの実施形態において、APに対するアソシエーション時に及び4ウェイハンドシェイクの後に、SPSP対応クライアント装置は、0に設定されたSPSPパラメータを有するSPSPデータ一時停止・再開要求フレームを送信し、クライアントがSPSPの能力があり、APからデータ・フレームを受け取る準備が整っていることを示す。幾つかの実施形態において、SPSP対応APは、クライアント装置をレガシーとして扱い、SPSP対応クライアント装置からSPSPデータ一時停止・再開要求フレームを受け取るまで、レガシーPSプロトコルに従う。幾つかの実施形態において、SPSP対応APは、ひとたびクライアントから第1のSPSPデータ一時停止・再開要求フレームを受け取ったならば、SPSPクライアント装置のためにSPSP能力を活性化(起動)する。幾つかの実施形態において、APは、SPSPパラメータを有するユニキャストSPSPデータオン表示フレームを0xFFFFとして送信することにより、SPSPクライアントに受信確認する必要がある。幾つかの実施形態において、クライアント装置は、ひとたびAPからSPSPデータオン・フレームを受け取ったならば、SPSPを活性化する。幾つかの実施形態において、クライアント装置がその第1のSPSPデータ一時停止・再開要求フレームに対してAPからSPSPデータオン表示フレームを受け取らない場合、クライアント装置は、SPSPを活性化せず、レガシー・パワーセーブ・プロトコルに逆戻りする。
【0070】
幾つかの実施形態に従って、SPSPの使用事例は、クライアント装置またはAP212に関して後述される。
図2Aに関連して、STA208がスリープモードに入ろうとする場合、STA208は、1として設定されたSPSPパラメータを有するSPSPデータ一時停止・再開要求を送信する。STA208が低電力モードから出ようとする場合、STA208は、0にリセットされたSPSPパラメータを有するSPSPデータ一時停止・再開要求を送信する。STA208がAP212のデータ利用可能性を検査しようとする場合、STA208はSPSPデータオン表示フレームを暗号解読(復号)する。SPSPデータオン表示フレームがユニキャスト・フレームである場合、AP212は、利用可能なデータの持続時間にわたって、又は特定のSTA208に対するオンチャネルにおいて起きている時間の持続時間にわたって、通信する場合がある。STA208が利用可能データの終わり又はAP212の最後のバッファリングされたパケットを確認する場合、STA208は、暗号化されたデータ/管理フレームを暗号解読し、次いで追加データの利用可能性を終了する。
【0071】
STA208がスリープ/不活性モードに入る、又は特定の持続時間にわたってホーム・チャネルのチャネルに変わる場合、STA208は、自動再開オプション又はパラメータと共にタイムアウトの特定の持続時間を示すSPSPパラメータを有するSPSPデータ一時停止・再開要求を送信する。STA208は、この持続時間中、ビーコン・フレームに設定されたTIMフィールドを受信しない。STA208が周期的にスリープ/不活性に入ろうとする又は特定の持続時間にわたってホーム・チャネルから出ようとする場合、STA208は、周期性オプションと共にタイムアウトとして持続時間を示すSPSPパラメータを有するSPSPデータ一時停止・再開要求を周期的に送信する。STA208は、不活性期間中に、ビーコンフレームに設定されたTIMフィールドを受信しない。AP212は、0にリセットされたSPSPパラメータを有するSPSPデータオン表示を送信することにより、STA208が再びスリープモードに入ることを支援する場合がある。
【0072】
図3を参照すると、STA208とAP212(
図2A)との間の、3つの状況下の通信300が、時間を表わすX軸301上に示される。STA208及びAP212の接続後(例えば、フレーム302及び304を用いたアソシエーション及び認証後)、STA208は、基本情報を交換し、或る量のアイドル時間後に節電モードに入ろうとする。STA208は、1に設定されたデータ一時停止・再開要求を有するSPSPフレーム326を送信する。ひとたびSTA208が1に設定されたデータ一時停止・再開要求を有するSPSPフレーム326を送信したならば、STA208は、特定の時間制限(例えば、20ミリ秒(ms))の範囲内でAP212からのデータを期待する。そうでなければ、AP212が、延長時間にわたってスリープせずに起きているようにSTA208に要求しない限り、AP212はSTA208にデータを送信することができない。これは、節電モード又はスリープモードに関連したSTA208からのプロトコル交換の数を有利に低減する。幾つかの実施形態において、AP212がタイムアウト値の後まで、送信するための何らかのデータを有さない場合、AP212は、STA208がスリープモードに戻ることを可能にするために0値を有するデータオン表示と共にSPSPを送信する。
【0073】
幾つかの実施形態において、STA208はパケット利用可能性メッセージをリッスンするために時間的間隔328において起きており、次いでスリープモードに戻る。時間的間隔330(例えば、D-TIM期間により定義される)において、STA208は、スリープモードから抜け出して、AP212は、ブロードキャスト・メッセージのために、1に設定されたデータオン表示をSPSPフレーム332に提供する。データオン表示に応答して、STA208は、1に設定されたデータ一時停止・再開要求をSPSPフレーム334に提供し、AP212はSTA208に対するトラフィック(データ通信336)を即座に再開する。幾つかの実施形態において、ひとたびSTAが1に設定されたSPSPパラメータを有するSPSPデータ一時停止・再開要求フレーム334を送信すれば、STA208は特定の時間制限(例えば、20ms)の範囲内でAP212からのデータを期待する。そうでなければ、AP212が延長時間にわたって起きたままであるようにSTAに要求しない限り(例えば、1に設定されたSPSPパラメータ及び延長時間表示を有するSPSPデータ一時停止・再開要求フレーム334を介して)、AP212はSTA208にデータ通信336を送ることができない。APが時間的間隔330と関連したタイムアウト値の後で送信するための何らかのデータを有さない場合、AP212は、STA208がスリープモードに戻ることを可能にするために、0にリセットされたデータオン表示を有するSPSPフレーム326を送信する場合がある。 幾つかの実施形態において、STA208は、パケット利用可能性メッセージをリッスンするために時間的間隔338において起きており、次いでスリープモードに戻る。
【0074】
幾つかの実施形態において、時間的間隔350の間に、STA208はスリープモードから抜け出して、AP212は、ユニキャスト・メッセージのために、1に設定されたデータオン表示をSPSPフレーム352に提供する。SPSPデータオン表示に応答して、STA208は、時間的間隔356の間にトラフィック(データ通信354)を受信する。幾つかの実施形態において、STA208は、時間的間隔356(例えば、20ms)の範囲内でAP212からのデータを期待する。APが時間的間隔356と関連したタイムアウト値の後で、送信するための何らかのデータを有さない場合、AP212は、STA208がスリープモードに戻ることを可能にするために、0にリセットされたデータオン表示を有するSPSPフレームを送信する場合がある。幾つかの実施形態において、STA208は、パケット利用可能性メッセージをリッスンするために時間的間隔338において起きており、次いでスリープモードに戻る。
【0075】
幾つかの実施形態において、時間的間隔370の間に、STA208はスリープモードから抜け出して、AP212は、ユニキャスト・メッセージのために、FFFFに設定されたデータオン表示をSPSPフレーム372に提供する。データオン表示(例えば、ビットFFFF)を含むフレーム372に応答して、STA208は、データがもはや利用できなくなるまでスリープモードに入らず、STA208はトラフィック(データ通信374)を受信する。幾つかの実施形態において、データがもはや利用可能でない(データ0)表示を含むデータオン表示を有するSPSPフレーム372を、AP208が送信するやいなや、STA208はスリープモードに再び入ることができる。
【0076】
幾つかの実施形態において、データが規則的に到着する限り、STA208は起きている状態であり、20ms(ブロードキャスト通信の場合)を越える任意のデータ不活性時間またはAP指定の時間制限(ユニキャストの場合)は、何らかのフレーム交換無しにSTA208が自動的にスリープ状態に入ることをもたらす。
【0077】
図4を参照すると、STA208とAP212(
図2A)との間の、3つの状況下の通信400が、時間を表わすX軸301上に示される。STA208及びAP212の接続後(例えば、フレーム302及び304を用いたアソシエーション及び認証後)、STA208は、基本情報を交換し、或る量のアイドル時間後に節電モードに入ろうとする。STA208は、1に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータを有するSPSPフレーム326を送信する。例えば、STA208がスリープ状態に入っている(例えば、或る期間(例えば、120ms)にわたるスキャン又は低電力モードのような、オフチャネル・アクティビティ(活動)を実行している)ので、STA208は、SPSPフレーム326を送信する。フレーム326に応答して、AP212は、STA208が起きるまで、何からのユニキャスト・データをSTA208に送信しない。
【0078】
幾つかの実施形態において、AP212に接続されている間のSTA208は、オフチャネル・アクティビティ(例えば、120msにわたるスキャン)を実行することができる。STA208が既に節電状態にある場合、STA208は、0に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータ及び1D4C(0x1D4C)のタイムアウト値をSPSPフレーム468に提供し、時間的間隔470、472及び474にわたってチャネル外モード(out of channel mode)に入り、時間的間隔476にわたってオンチャネル・モードのチャネルに戻り、その後、スリープモードに入る。幾つかの実施形態において、AP212とのアクティブなデータ・トラフィック交換は、時間的間隔476の間に生じる。時間的間隔476の後、STA208は、0に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータ及び1D4Dのようなタイムアウト値を有するSPSPフレーム468を送信し、時間的間隔480、482、及び484においてチャネルから出て、時間的間隔488においてオンチャネルに戻り、データを受け取る。
【0079】
幾つかの実施形態において、STA208がデータ・トラフィックを一時的に止める場合、AP212は、ユニキャストSPSPデータオン表示を送信しないように構成される。SAT208はホーム・チャネル上にいない際にブロードキャストSPSPデータオン表示を受け取らないので、APは、他のクライアントのためにそのチャネルを使用する場合がある。通信は、時間的間隔470、472、474及び476、及び480、482、484及び488に関連して説明されたように、繰り返すことができる。
【0080】
幾つかの実施形態において、AP212に接続されている間のSTA208は、時間的間隔520、522及び524の間に、オフチャネル・アクティビティ(例えば、120ms間のスキャン)を実行することができる。STA208は、0に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータ及び1D4C(0x1D4C)のタイムアウト値を有するSPSPフレーム518を提供し、時間的間隔520、522及び524の間にチャネル外モードに入り、オンチャネル・モードに戻り、ユニキャスト・メッセージ用のデータオン表示538を有するSPSPフレーム526を受信し、時間的間隔528の間にデータを受信する。
【0081】
時間的間隔528の後、STA208は、0に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータ及び1D4Cのタイムアウト値を有するSPSPフレーム530を送信し、時間的間隔532、534及び536においてチャネルから外れる。時間的間隔536の後、STA208はオンチャネル・モードに戻り、ユニキャスト・メッセージのためのデータオン表示を有するSPSPフレーム538を受信し、時間的間隔540の間にデータを受信する。
【0082】
時間的間隔540の後、STA208は、0に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータ及び1D4Cのタイムアウト値を有するSPSPフレームを送信し、時間的間隔544、546及び548においてチャネルから外れる。時間的間隔548の後、STA208はオンチャネル・モードに戻り、ユニキャスト・メッセージのためのデータオン表示を有するSPSPフレーム550を受信し、時間的間隔552の間にデータを受信する。フレーム550は、時間的間隔552の長さを定義することができる。幾つかの実施形態において、フレーム550は、全ての利用可能なデータが伝送されるまで、時間的間隔552においてデータを受信し続けるべきであることをSTA212に示すことができる。
【0083】
時間的間隔552の後、STA208は、0に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータ及び1D4Cのタイムアウト値を有するSPSPフレーム554を送信し、時間的間隔556、558及び560においてチャネルから外れる。時間的間隔560の後、STA208はオンチャネル・モードに戻り、ゼロに設定された、ユニキャスト・メッセージのためのデータオン表示を有するSPSPフレーム562を受け取り、時間的間隔564の間にデータを受信する。
【0084】
幾つかの実施形態において、時間的間隔556、558及び560の長さ及び数は、変化することができ、フレーム554における表示により定義され得る。幾つかの実施形態において、時間的間隔564、552、540及び528は、データ転送のサイズに対応する長さを有することができる。当該サイズはそれぞれ、フレーム562、550、538及び526において設定され得る。通信は、上述されたように繰り返され得る。
【0085】
幾つかの実施形態において、STA208は、AP212に接続されると同時に、時間的間隔580、582及び584の間にオフチャネル・アクティビティ(例えば、120msの間のスキャン)を実行することができる。STA208は、0に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータ及び1D4Cのタイムアウト値をSPSPフレーム578に提供し、時間的間隔580、582及び584の間にオフチャネル・モードに入り、オンチャネル・モードに戻り、STA208に利用可能なデータが無いことを示すゼロに設定されたパラメータを有する、ユニキャスト・メッセージのためのSPSPフレーム586を受信する。データは転送されない。STA208は、0に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータ及び1D4Cのタイムアウト値を有するSPSPフレーム588を送信し、時間的間隔590、592及び594においてチャネルから外れる。自動再開タイムアウト後、又はフレーム596において利用可能なデータが無い表示を含むフレームの受信後、STA208は、次のスキャン時間(例えば、時間的間隔608)の間に、0に設定されたデータ一時停止・再開要求パラメータ及び1D4Cのタイムアウト値を有するSPSPフレーム598を送信することにより、そのスキャン動作を再開することができる。タイムアウト値は、選択可能であり、当該値1D4Cは一例である。
【0086】
図5を参照すると、STA208とAP212(
図2A)との間の、周期的オフチャネル・アクティビティを含む3つの状況下の通信700が、時間を表わすX軸301上に示される。STA208及びAP212の接続後(例えば、フレーム302及び304を用いたアソシエーション及び認証後)、STA208は、インフラ・オフチャネル・アクティビティ・モード(例えば、近接認識ネットワーキング(Neighbor Awareness Networking:NAN)動作に類似した)にあることができる。幾つかの実施形態において、STA208は、ゼロに設定されたSPSPパラメータ及びデータ・トラフィックが時間的間隔714の間に一時停止されることになることを通知する周期的表示を有する、SPSPフレーム712を送信する。当該時間的間隔(例えば、時間的間隔726及び746)は、サイクル(1秒サイクル)毎に繰り返す。幾つかの実施形態において、データ・トラフィックは、時間的間隔726及び746の間に一時停止される。当該時間的間隔の時間期間およびその数は、SPSPフレーム712において設定され得る。
【0087】
AP212は、時間的間隔714、726及び746の間に、何らかのユニキャスト・データをSTA208に送信しない。幾つかの実施形態において、SPSPフレーム712は、単一の周期性(ゼロの値)でもって、時間的間隔714、726及び746のために256msのタイムアウト値を定義する。幾つかの実施形態において、サイクル毎に複数の時間的間隔がフレーム712において定義され得る。AP212は、時間的間隔714、726及び746の間にそのデータ利用可能性についてSTA208に通知せず、その代わりに、その動作を他のクライアント装置に集中させる。256ms(例えば、時間的間隔714)の後で、STA208は、ホーム・チャネルでの動作を再開し、AP212は、時間的間隔716において、もしあればデータを自動的に送信する。データが提供されない場合、STA208は、時間的間隔718の後でスリープモードに再び入ることができる。
【0088】
幾つかの実施形態において、STA208は、DTIM又は他のスケジューリングに基づいたブロードキャスト通信のために時間的間隔722において、データオン表示を有するSPSPフレーム720をチェックするために起きる又は起きている。STA208が、データの利用可能でない表示(ゼロにリセットされたビット)を有するフレーム722を受信する場合、STA208は、データ・トラフィックが一時停止されることになることを通知するゼロにリセットされたSPSP再開/一時停止パラメータを有するSPSフレーム722を送信する。幾つかの実施形態において、SPSPデータオン表示が提供されない場合、STA208は、特定の期間後に(例えば、時間的間隔724の後に)、スリープモードに戻る。
【0089】
時間的間隔726の後、データはAP212により提供されない。AP212が1に設定されたデータオン表示をSPSPフレーム728に提供する場合、STA208は、データ・トラフィックが一時停止されることになることを通知するゼロにリセットされたSPSP再開/一時停止パラメータを有するSPSフレーム722を送信する。STA208は、時間的間隔734の間にデータを受信し、時間的間隔736の後にスリープモードに入る。
【0090】
AP212が1に設定されたデータオン表示をSPSPフレーム738に提供する場合、STA208は、データ・トラフィックが一時停止されることになることを通知するゼロに設定されたSPSP一時停止/再開パラメータを有するSPSPフレーム740を送信する。STA208は、時間的間隔742の間にデータを受信し、時間的間隔746の始まりにおいて、スリープモードに入る。データ転送は、時間的間隔748において再開することができる。
【0091】
AP212が1に設定されたデータオン表示及びユニキャスト通信のための時間表示をSPSPフレーム766に提供する場合、STA208は、時間的間隔768の間にデータを受信する。幾つかの実施形態において、時間的間隔768は、時間表示に対応する長さを有することができる。AP212が1に設定されたデータオン表示及び時間的間隔746に達する時間表示をSPSPフレーム770に提供する場合、STA208は時間的間隔742の間にデータを受信し、時間的間隔746の始まりにおいてスリープモードに入る。データ転送は、時間的間隔746の後の時間的間隔748において自動的に継続される。
【0092】
AP212が1に設定されたSPSPパラメータ及び一定時間に関する追加データ表示をSPSPデータオン表示766に提供する場合、STA208は時間的間隔768の間にデータを受信する。AP212が1に設定されたSPSPパラメータ及び一定時間に関する追加データ表示をSPSPデータオン表示770に提供する場合、STA208は時間的間隔774の間にデータを受信する。AP212が1に設定されたSPSPパラメータ及び一定時間(この場合、一定時間は時間的間隔746に入るであろう)に関する追加データ表示をSPSPデータオン表示778に提供する場合、STA208は時間的間隔780及び時間的間隔782の間にデータを受信する。
【0093】
AP212がFFFF(例えば、データ転送のための未知の時間を表わす)のデータオン表示をユニキャスト通信用のSPSPフレーム806に提供する場合、STA208は、もはやデータの無いことを示すゼロに設定されたデータオン表示を有するユニキャスト通信用のSPSPフレーム810の受信までの時間的間隔808の間にデータを受信する。幾つかの実施形態において、表示FFFは、フレーム810が提供されるまでSTA208がデータを受信するべきであることを示す。STA208は、SPSPデータ・フレーム810の後にスリープ・モードに入ることができる。AP212がFFFFのデータオン表示をユニキャスト通信用のSPSPフレーム812に提供する場合、STA208は、もはやデータの無いことを示すゼロに設定されたデータオン表示を有するユニキャスト通信用のSPSPフレーム816の受信までの時間的間隔814の間にデータを受信する。フレーム816の後、STA208は、時間的間隔726においてスリープ・モードに入り、周期的スリープ間隔はフレーム812で定義される。
【0094】
AP212がFFFF(例えば、データ転送のための未知の時間を表わす)のデータオン表示をユニキャスト通信用のSPSPフレーム820に提供する場合、STA208は、時間的間隔822の間にデータを受信する。STA208は時間的間隔746の間にスリープ・モードに入り、STA208は、もはやデータの無いことを示すゼロに設定されたデータオン表示を有するユニキャスト通信用のSPSPフレーム826の受信までの時間的間隔824の間にデータを受信する。
【0095】
幾つかの実施形態において、通信300、500及び700は、SPSPプロトコルが暗号化された(セキュリティ保護された)リンクを使用するので、よりセキュアであり、それ故に、任意の攻撃者装置からのデータ操作(サービスの拒否につながる可能性がある)から保護される。幾つかの実施形態において、通信300、500及び700用のSPSPは、節電目的のためにクライアント装置から送信されるフレームの数を低減し、それ故に電力消費量を低減する。幾つかの実施形態において、APの支援を有する、通信300、500及び700用のSPSPにより、クライアント装置は、早くスリープ(例えば、オフチャネル又は低下した電力)に戻ることが可能になり、それ故にクライアント装置は、より多くの電力を節約することができる。更に、幾つかの実施形態において、通信300、500及び700用のSPSPは、レガシー・クライアント用のレガシー・プロトコルと共存することができ、媒体に効率性をもたらす周期的なオフチャネルの柔軟性を有し、洗練されたマルチインターフェース動作(STA、SoftAP、NANなど)と共により効率的に使用され得る。
【0096】
幾つかの実施形態において、AP212は、任意のタイプのチャネルを用いてSTA208と通信することができる。当該チャネルは、ホーム・チャネル又はプライマリ制御サブバンド(例えば、20MHz)、又はセカンダリ・サブバンド(例えば、20MHz)であることができる。また、チャネルは、単一のより広い帯域幅(例えば、160MHz)、2つ以上のより広い帯域幅(例えば、それぞれ80MHz)、又は1つの広い帯域幅(例えば、80MHz)として割り当てられ得る。サブバンド及びより広い帯域幅は、チャネル、サブバンド、帯域幅、又は帯域幅チャネルと呼ばれ得る。
【0097】
幾つかの実施形態において、チャネルは、BSS動作用に構成されたインフラストラクチャー用のIEEE802.11広帯域幅チャネルである。幾つかの実施形態において、プライマリ制御チャネルは、以下に限定されないが、ビーコン・フレーム、プローブ要求/応答フレーム、アソシエーション要求/応答フレーム、認証解除フレーム、アソシエーション解除フレーム、SPSPフレームなどを含む全ての管理フレームを送信するために使用される。幾つかの実施形態において、当該プライマリ・チャネルは、BSS又はAP用のコア周波数セグメントであることができる。セカンダリ・チャネル/サブバンド・チャネル(SC)は、プライマリ・チャネルの隣接チャネルを含む。
【0098】
留意されるべきは、本開示の特定の一節は、あるものを他のもの(単数または複数)と識別する又は区別するために、フレーム、応答、及び装置のサブセットに関連して、「第1」及び「第2」のような用語を引き合いに出すことができる。これら用語は、一時的に又はシーケンスに従って、エンティティを単に関係付ける(例えば、第1の装置および第2の装置)ことは意図されてないが、場合によっては、これらエンティティは係る関係を含むことができる。又は、これら用語は、システム又は環境内で動作することができる考えられるエンティティ(例えば、STA、AP、ビームフォーマ及び/又はビームフォーミー)の数を制限しない。理解されるべきは、上述されたシステムは、これら構成要素の何れか又はそれぞれの複数のものを提供することができ、これら構成要素は、独立型マシンで、又は幾つかの実施形態において、分散型システムにおける複数のマシンで提供され得る。更に、ビットフィールド位置は変更されることができ、マルチビット・ワードが使用され得る。更に、上述されたシステム及び方法は、1つ又は複数の製品(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD-ROM、フラッシュメモリ・カード、PROM、RAM、ROM又は磁気テープ)で具体化された1つ又は複数のコンピュータ可読プログラム又は実行可能命令として提供され得る。プログラムは、LISP、PERL、C、C++、C#のような任意のプログラミング言語で、又はJAVA(登録商標)のような任意のバイトコード言語で実現され得る。ソフトウェア・プログラム又は実行可能命令は、オブジェクトコードとして1つ又は複数の製品に格納され得る。回路要素は、任意の電子回路(複数)または回路(複数)を意味する場合がある。
【0099】
方法およびシステムの上記の説明により、当業者が、その実施形態を作成および使用することが可能になるが、当業者は、本明細書の特定の実施形態、方法および例の変形物、組み合わせ、及び等価物の存在を理解および認識するであろう。例えば、上述した帯域幅、チャネル及びサブバンドの特定の値は例示である。従って、本方法およびシステムは、上述された実施形態、方法および例により制限されない筈であるが、本開示の範囲内および思想の範囲内の全ての実施形態および方法により制限される。
【外国語明細書】