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特開2024-108128安全カップリング、及び安全カップリングを含むハンドリングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108128
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】安全カップリング、及び安全カップリングを含むハンドリングシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 17/02 20060101AFI20240802BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
B25J17/02 G
B25J19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001174
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】10 2023 102 168.0
(32)【優先日】2023-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】517273548
【氏名又は名称】イョット.シュマルツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター シャーフ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス フレイ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707BT18
3C707BT19
3C707FS01
3C707FT11
3C707MS11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エンドエフェクタ(14)をマニピュレータ(12)に接続するための安全カップリング(24)を提供する。
【解決手段】マニピュレータに安全に接続するためのマニピュレータカップリング部(26)と、この安全カップリングをエンドエフェクタに接続するためのエンドエフェクタカップリング部(30)と、マニピュレータカップリング部及びエンドエフェクタカップリング部を、任意にエンドエフェクタカップリング部に接続されたエンドエフェクタとエンドエフェクタカップリング部がマニピュレータカップリング部に対して下降できるように、特に自動制動を伴う制御で接続するように接続する下降装置と、通常構成及び緊急構成をとることができる固定装置とを備え、固定装置が通常構成の場合には固定装置が下降装置をロックし、固定装置が緊急構成の場合には下降装置を解放する固定装置に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクタ(14)をマニピュレータ(12)に接続するための安全カップリング(24)であって、
前記安全カップリング(24)を前記マニピュレータ(12)に接続するためのマニピュレータカップリング部(26)と、
前記安全カップリング(24)を前記エンドエフェクタ(14)に接続するためのエンドエフェクタカップリング部(30)と、
前記マニピュレータカップリング部(26)と前記エンドエフェクタカップリング部(30)とを互いに接続する下降装置(32)であって、前記エンドエフェクタカップリング部(30)と、任意に前記エンドエフェクタカップリング部(30)に接続された、前記エンドエフェクタ(14)とを、制御により、特に自動制動により、重力の結果として、前記マニピュレータカップリング部(26)に対して下降させることができる、下降装置(32)と、
固定装置(46)であって、通常構成と緊急構成とをとることができ、前記固定装置(46)が前記通常構成にあるときに前記下降装置(32)をロックし、前記固定装置(46)が前記緊急構成にあるときに前記下降装置(32)を解放する、固定装置(46)と、
を備える安全カップリング(24)。
【請求項2】
前記固定装置(46)は、所定のトリガ条件が発生すると、前記固定装置(46)が前記通常構成から前記緊急構成に自動的に切り換わるように設計され、特に、前記固定装置(46)が前記通常構成から前記緊急構成に自動的に切り換わるようなトリガ機構を有する、請求項1に記載の安全カップリング(24)。
【請求項3】
前記トリガ条件は、
a.前記安全カップリングへの電力供給の遮断と、
b.前記安全カップリングへの圧縮空気供給の遮断と、
c.前記安全カップリングへの負圧供給の遮断と、
d.前記安全カップリングに接続されたエンドエフェクタのリーク閾値に対する超過と、
e.前記安全カップリングに適用された負圧の閾値に対するアンダーシュートまたは超過と、
f.前記安全カップリングの受信装置による緊急信号の受信と、
の条件のうちの1つ以上であることを特徴とする、請求項2に記載の安全カップリング(24)。
【請求項4】
前記下降装置(32)が、前記マニピュレータカップリング部(26)と前記エンドエフェクタカップリング部(30)を互いに接続する、長さ調節可能な接続装置(34)を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)。
【請求項5】
前記接続装置(34)が、
a.機械的または流体的に制動されたケーブルプーリおよび/または摩擦的に制動されたケーブルを含むケーブル接続と、
b.機械的または流体的に制動される伸縮式ロッド(36)であって、一端が前記マニピュレータカップリング部(26)に、他端が前記エンドエフェクタカップリング部(30)に接続される、伸縮式ロッド(36)と、
c.一端が前記マニピュレータカップリング部(26)に、他端が前記エンドエフェクタカップリング部(30)に接続される減衰ばね、特にコイルばねと、
d.負圧を加えることができ、一端が前記マニピュレータカップリング部(26)に、他端が前記エンドエフェクタカップリング部(30)に接続されるリフティングチューブと、
e.流体ブレーキ式の、特に空気ブレーキ式のピストンと、
のうちの1つ以上を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)。
【請求項6】
前記固定装置(46)が前記通常構成にある場合に、前記固定装置(46)は、前記マニピュレータカップリング部(26)および前記エンドエフェクタカップリング部(30)を、互いから一定の距離で、特に機械的に、さらに特に形態保持と摩擦保持および/または力保持を用いて、磁気的に、および/または負圧の手段により、固定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)。
【請求項7】
前記固定装置(46)が、特に、前記マニピュレータカップリング部(26)および前記エンドエフェクタカップリング部(30)が、互いに一定の距離で固定され得る手段により、作動可能な永久磁石または電磁石(48)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)。
【請求項8】
前記固定装置(46)が、第1の切換位置と第2の切換位置との間を移動可能な作動要素を備え、前記作動要素が、前記固定装置(46)の前記通常構成において、前記作動要素が前記第1の切換位置にあり、前記トリガ条件が発生したときに、前記作動要素が前記第2の切換位置に自動的に移行されるように設計されている、請求項2~7のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)。
【請求項9】
前記作動要素は、形状記憶材料からなる、ワイヤまたはバーを備える、請求項8に記載の安全カップリング(24)。
【請求項10】
前記作動要素は、作動可能な、特に空気圧により作動可能な、ばねで予荷重された作動ピストンである、請求項8に記載の安全カップリング(24)。
【請求項11】
前記作動ピストンが作動したときに、特に前記作動ピストンにばねの予荷重に抗して圧縮空気が加えられたときに作動ピストンが第1の切換位置にあり、作動が遮断された場合、特に前記圧縮空気の供給が遮断された場合、前記作動ピストンがばねの予荷重により第2の切換位置に自動的に移送されるように設計されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)。
【請求項12】
前記第1の切換位置において、前記マニピュレータカップリング部(26)と前記エンドエフェクタカップリング部(30)とが、前記作動ピストンにより互いに一定の距離で固定されるように、前記作動ピストンが、前記マニピュレータカップリング部(26)及び前記エンドエフェクタカップリング部(30)と相互作用する、請求項1~11のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)。
【請求項13】
前記固定装置(46)が、ロック構成と解放構成とをとることができる固定装置を備え、前記固定装置が、前記固定装置が前記ロック構成にあるときに、前記マニピュレータカップリング部(26)と前記エンドエフェクタカップリング部(30)とを互いに一定の距離で固定し、前記固定装置が前記解放構成にあるときに、固定が解放され、前記作動要素を前記第1の切換位置から前記第2の切換位置に移動させることにより前記固定装置を前記ロック構成から前記解放構成に移行させることができるように、前記固定装置が前記作動要素と相互作用する、請求項8~11のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)。
【請求項14】
前記固定装置が、2つの歯付きリングを備え、前記歯付きリングが、ロック構成および解放構成をとることができるように互いに対して回転可能であり、前記ロック構成において、前記歯付きリングは、前記マニピュレータカップリング部(26)と前記エンドエフェクタカップリング部(30)とを互いに接続し、前記解放構成において、前記歯付きリングは、前記マニピュレータカップリング部(26)と前記エンドエフェクタカップリング部(30)とを互いに対して移動できるように互いに対して変位可能とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)。
【請求項15】
マニピュレータ(12)と、エンドエフェクタ(14)と、請求項1~14のいずれか1項に記載の安全カップリング(24)と、を含み、前記エンドエフェクタ(14)が、前記安全カップリング(24)により前記マニピュレータ(12)に固定される、ハンドリングシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドエフェクタをマニピュレータに接続するための安全カップリングに関する。また、本発明は、マニピュレータ、エンドエフェクタ、及びこのような安全カップリングを含むハンドリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
マニピュレータ及びエンドエフェクタを有するハンドリングシステムは、例えば、格納コンテナから輸送コンテナに物体を移送したり、加工中に工作物を保持したりするために、様々な応用分野で使用されている。マニピュレータは、例えば、ロボットまたはガントリークレーンであってもよい。エンドエフェクタは、例えば、機械的グリッパ又は物体を吸引するための吸引把持装置とすることができる。
【0003】
自動化が進むにつれて、人間と共通または重複する作業領域でハンドリングシステムを操作し、必要に応じて、人間とハンドリングシステムとの間の相互作用(いわゆる人間‐ロボット協調、略してHRC)を可能にすることが関心を高めている。このような人の存在下での協働運転に関しては、ハンドリングシステムが人に何らリスクを与えないことが決定的に重要である。特に、通常のプロセスシーケンスが中断される緊急事態(例えば、停電やハンドリングシステムの欠陥の場合)においては、そのリスクがないことが重要である。この目的のための公知のオプションは、例えば、マニピュレータに緊急停止機能を装備して、停電の場合、マニピュレータが停止するか、または安全構成に移行するようにすることである。
【0004】
さらに、緊急時(例えば停電時)には、エンドエフェクタの把持効果が損なわれたり、完全に故障してしまったりする危険性があり、最悪の場合には、把持された物体の脱落や前記物体の落下につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、簡単な設計を用いて、安全な作動のために、最初に言及されたタイプのハンドリングシステムを構成する目的に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する安全カップリングにより達成される。安全カップリングは、特に、エンドエフェクタをマニピュレータに取り外し可能に接続するように設計されている。エンドエフェクタは、例えば、真空把持装置、特に吸引グリッパとすることができる。マニピュレータは、例えば、ロボット、産業用ロボット、軽量ロボット、HRCロボット、ガントリークレーン等であり得る。
【0007】
安全カップリングは、安全カップリングをマニピュレータに接続するためのマニピュレータカップリング部を備える。この点において、マニピュレータカップリング部は、特に、安全カップリング部をマニピュレータに接続し、好ましくは反復可能に解放可能に接続するように設計される。例えば、マニピュレータカップリング部は、マニピュレータの接続フランジ、例えば、ロボットのロボットフランジに接続され、特に反復可能に解放可能に接続され得るフランジ部を有することができる。例えば、マニピュレータカップリング部が、ネジ接続又は差込み接続によりマニピュレータに接続可能であることが考えられる。
【0008】
また、安全カップリングは、エンドエフェクタに安全カップリングを接続するためのエンドエフェクタカップリング部を含む。この点において、エンドエフェクタカップリング部は、特に、エンドエフェクタを安全カップリング部にカップリング、好ましくは反復可能に解放可能に接続するように設計されている。例えば、エンドエフェクタカップリング部が、ねじ接続または差込み接続によりエンドエフェクタに接続可能であることが考えられる。また、エンドエフェクタカップリング部が、特に、エンドエフェクタとエンドエフェクタカップリング部とのツールフリー接続を可能にするクイックカップリングの形成であることも考えられる。マニピュレータカップリング部及びエンドエフェクタカップリング部は、安全カップリング部の互いに反対側に配置されることが好ましい。
【0009】
また、安全カップリングは、マニピュレータカップリング部及びエンドエフェクタカップリング部を互いに接続する下降装置を備える。下降装置は、特に、安全カップリングがマニピュレータに接続されたとき、特に垂直に、すなわち重力が作用する方向に向けられる下降軸に沿って伸びる。下降装置は、エンドエフェクタカップリング部およびエンドエフェクタに任意に接続され、特に、エンドエフェクタに任意に保持されている物体が、特に、エンドエフェクタまたは支持体に、例えば、フロアに、積まれるまで、特に重力の結果として好ましくは制動、すなわち減速されてマニピュレータカップリング部に対して下降するように設計される。この点において、下降装置は、特に、力の作用の下で、特にエンドエフェクタと、エンドエフェクタに保持される物体とにより、制御されて、延長され得るように設計され、その結果、エンドエフェクタカップリング部とマニピュレータカップリング部との間の距離が増大される。
【0010】
安全カップリングは、通常構成および緊急構成をとることができる固定装置も備えている。通常構成では、固定装置が下降装置をロックする。緊急構成では、固定装置により下降装置が解放される。この点において、固定装置は、特に、そのような方法で設計され、下降装置と相互作用し、そのような方法で、下降装置は、固定装置が通常構成にあるときには固定装置によりロックされ、固定装置が緊急構成にあるときには固定装置により解放される。すなわち、固定装置は、通常構成では、マニピュレータカップリング部に対するエンドエフェクタカップリング部の降下が阻止される、すなわち不可能となり、緊急構成では、マニピュレータカップリング部に対するエンドエフェクタカップリング部の降下が可能となるように設計されている。通常構成では、マニピュレータでのエンドエフェクタの安定した保持がこのように可能にされ、そのため、エンドエフェクタは、例えば、画定された移動経路でマニピュレータにより自動移動することができる。緊急構成では、下降装置は、次に、エンドエフェクタカップリング部、特に、エンドエフェクタカップリング部にオプションとして配置されたエンドエフェクタと、エンドエフェクタにおそらく保持されている物体が、特に、低速で、特に、支持体で安定な構成に達するまで、制御を伴って下降することを可能にする。
【0011】
このような安全カップリングにより、通常作動時(通常構成の固定装置)には、エンドエフェクタおよびオプションとして保持されている物体をマニピュレータにしっかりと固定し、緊急時(緊急構成の固定装置)には、エンドエフェクタおよび物体を制御しながら安定した構成に移送することが可能となる。このように、特に外部からの安全対策(例えば、ハンドリングシステムや無停電電源装置の周りの保護柵)を必要としない安全機能が提供される。更に、マニピュレータとエンドエフェクタの間に安全カップリングをモジュール式に配置できるので、比較的小さな設置スペースしか必要とせず、これは特にオペレータとのハンドリングシステムの協調作動に有利である。
【0012】
固定装置が、所定のトリガ条件が発生したときに、通常構成から緊急構成へと独立に、すなわち自動的に切り換わるような、特にトリガ機構を有するように固定装置が設計されている場合に、特に好ましい。トリガ条件は、特に、通常のプロセスシーケンスが中断される緊急事態の発生である。このような実施形態は、降下装置を迅速な応答で、特に、オペレータの関与なしに解放することを可能にし、したがって、エンドエフェクタおよび任意にエンドエフェクタに配置された物体の制御されたゆっくりとした降下を可能にする。このようにして、把持された物体が制御不能に落下する危険性およびそれに伴う作業者の負傷の危険性を低減する固定機構が作られる。
【0013】
トリガ条件は、安全カップリングへの電力供給の遮断、特に故障であり得る。トリガ条件はまた、安全カップリングへのオプションの圧縮空気供給の遮断、特に故障であり得る。トリガ条件はまた、例えば、欠陥又は負圧供給装置での停電の結果としての、安全カップリングへの任意の負圧供給の遮断、特に故障であり得る。トリガ条件はまた、安全カップリングに接続されたエンドエフェクタにおけるリークのアンダーシュートまたは閾値を超えることであり得る。また、トリガ条件は、安全カップリングに、または安全カップリングに接続されたエンドエフェクタに適用された負圧の閾値に対するアンダーシュートまたは超過であり得る。
【0014】
また、固定装置は、オペレータによる緊急スイッチの作動により、通常構成から緊急構成に移すことができるように設計されることも考えられる。例えば、固定装置が、有線または無線のデータ接続により、緊急スイッチまたは制御装置に接続され、かつ、それらの手段により、通常構成から緊急構成へ手動で転送することができることが考えられる。
【0015】
また、安全カップリングは、緊急信号を受信するための受信装置を備えることも考えられる。次に、トリガ条件は、安全カップリングの受信装置による緊急信号の受信でもあり得る。受信デバイスは、安全カップリング自体に組み込むことができる。また、受信装置は、例えば安全カップリングを備えるハンドリングシステムの一部として、外部に設けることもできる。受信装置は、例えば、無線アンテナとすることができる。このような実施形態は、例えば、作業者が無線により荷物でグリッパの下降をトリガすることを可能にする。
【0016】
以下に詳しく説明するように、安全カップリングは、トリガ条件により異なる設計が可能である。
【0017】
有利な実施形態では、下降装置は、マニピュレータカップリング部およびエンドエフェクタカップリング部が接続されることにより、長さ調節可能な、特に伸縮可能な接続装置を備えることができる。接続装置は、特に、下降軸に沿ったマニピュレータカップリング部とエンドエフェクタカップリング部との間の距離を変えることができるように設計される。
【0018】
接続装置は、ケーブル接続を備えることができる。特に、ケーブル接続は、機械的又は流体的に制動されるケーブルプーリ及び/又は摩擦制動されるケーブルを含むことができる。例えば、ケーブルプーリがマニピュレータカップリング部に接続され、エンドエフェクタカップリング部がケーブルに、特にケーブル端に接続されることが考えられる。このような実施形態は、接続装置の特にコンパクトで費用効果の高い設計を可能にする。
【0019】
代替として又は付加的に、接続装置は、一端がマニピュレータカップリング部に、他端がエンドエフェクタカップリング部に接続される伸縮式ロッドを備えることができる。伸縮式ロッドは、特に、機械的に又は流体的に制動でき、したがって、マニピュレータカップリング部に対するエンドエフェクタカップリング部の制御された下降を可能にすることができる。伸縮式ロッドを備えた実施形態は、接続装置が拡張構成又は部分的に拡張構成にある場合であっても、エンドエフェクタカップリング部とマニピュレータカップリング部との間で横方向の力を伝達することを可能にする。このようにして、降下中のエンドエフェクタや物体の制御不能な揺れを防止できる。
【0020】
これに代えて又はこれに加えて、接続装置は、減衰ばね、特にコイルばねを備えることができる。特に、ばねは、一端においてマニピュレータカップリング部に、他端においてエンドエフェクタカップリング部に接続することができる。
【0021】
代替として又は付加的に、接続装置は、負圧を加えることができるリフティングチューブを有することができる。特に、リフティングチューブは、一端でマニピュレータカップリング部に、他端でエンドエフェクタカップリング部に接続することができる。リフティングチューブは、例えば、緊急構成では、リフティングチューブに絞り弁を介して空気を供給することができ、したがって制御により長くすることができるように設計することができる。この点において、固定装置は、スロットルバルブを制御するように設計することができる。
【0022】
これに代えて又はこれに加えて、接続装置は、流体ブレーキ、特に空気ブレーキ、ピストンを有することができる。例えば、ピストンは、シリンダからの流体、特に空気の変位を伴うシリンダで移動可能である。次いで、例えば、流体がスロットルを介してシリンダから逃げるという点で、制動効果を提供することができる。スロットルは、特に、流れ抵抗が調節可能であり、特に設定可能であるような方法で設計することができる。これにより、例えばエンドエフェクタおよび/またはエンドエフェクタに保持されている物体の重量に応じて、制動効果を可変的に設定することが可能となる。
【0023】
有利な実施形態では、固定装置は、通常構成では、マニピュレータカップリング部およびエンドエフェクタカップリング部を互いに一定の距離で固定するように設計することができる。そして、通常構成では、マニピュレータカップリング部とエンドエフェクタカップリング部とが固定装置により一緒に保持されることにより、下降装置をロックすることができる。このような設計は、エンドエフェクタカップリング部に保持されたエンドエフェクタ、及び任意にエンドエフェクタに保持された物体をマニピュレータにしっかりと固定することができ、規定の位置にあるので、エンドエフェクタをマニピュレータにより正確に反復可能に移動させることができるという追加の利点を有する。固定デバイスは、特に、通常構成では、マニピュレータカップリング部およびエンドエフェクタカップリング部を、特に、形態保持を伴うおよび/または力保持を伴う機械的に、磁気的におよび/または負圧により固定するように設計され得る。
【0024】
例えば、固定装置は、作動可能な永久磁石または電磁石を備えることができ、マニピュレータカップリング部およびエンドエフェクタカップリング部は、互いに一定の距離を置いて固定することができる。特に、固定装置は、永久磁石または電磁石が作動されると、固定装置がマニピュレータカップリング部およびエンドエフェクタカップリング部を互いに接続し(固定装置の通常構成)、作動が解除されると(例えば、電力供給の遮断の結果として)、この接続が解放されるように設計することができる。例えば、固定装置が、1つ又はそれ以上の接続アームを有することが考えられ、この接続アームは、マニピュレータカップリング部又はエンドエフェクタカップリング部に、及びその自由端に旋回可能に保持され、その接続アームには、作動可能な永久磁石又は電磁石が設けられている。作動可能な永久磁石または電磁石を備えた固定装置の実施形態は、特に、電源の故障の場合、磁気効果が自動的に減少するので、電力供給の遮断、特に故障に対処するために有利である。この点において、永久磁石または電磁石は、固定装置のトリガ機構および固定装置の両方を形成する。したがって、追加の制御機構、例えばセンサまたはスイッチを必要とせず、安全カップリングのコンパクトで費用効果の高い設計が可能になる。しかし、例えば、トリガ条件が圧縮空気供給または負圧供給の遮断であり、その結果、別のトリガ機構が永久磁石または電磁石への電流の供給を遮断することも考えられる。
【0025】
また、固定装置は、第1の切換位置と第2の切換位置との間で移動させることができ、特に移動させることができる1つ又は複数の作動要素を備えることができる。少なくとも1つの作動要素は、固定装置の通常構成では、前記作動要素が第1の切換位置(作動要素の通常構成)にあり、トリガ条件が発生すると、前記作動要素が自動的に第2の切換位置(作動要素の緊急構成)に移されるように設計することができる。
【0026】
以下に詳細に説明するように、少なくとも1つの作動要素は、下降装置を選択的に阻止又は解放する定着装置を作動させるためのトリガ機構を形成することができる。しかし、作動要素自体が下降装置をロックするための定着装置を形成することも考えられる。
【0027】
有利な開発では、少なくとも1つの作動要素は、形状記憶材料からなるワイヤまたはバーを備えることができる。形状記憶材料で作られたそのようなワイヤは、熱の影響下で、事前に延伸された状態から元の出発形状に非常に急速に収縮する特性を有する。これに必要な熱は、特に、形状記憶ワイヤに電流が供給されるときの加熱効果により提供することができる。本文脈において、形状記憶ワイヤは、この点において、特に、トリガ条件が発生したときに自動的に収縮するように設計され得る。具体的には、例えば、形状記憶ワイヤが、通常構成では、延伸構成(作動要素の通常構成)を有し、トリガ条件が発生したときに、それが、非延伸構成(作動要素の緊急構成)に自動的に移行されるように電流を供給されることが考えられる。この場合に生じる形状記憶ワイヤの長さの変化は、次に、例えば、下降装置を選択的に阻止または解放する定着装置を作動させるためのトリガ機構として働くことができる。ワイヤまたはバーは、この点において、機械的なトリガ機構とすることができる。緊急時に特に迅速に形状記憶ワイヤに電流を供給できるようにするために、好ましくはキャパシタを含むエネルギ蓄積器が設けられていれば有利である。
【0028】
作動要素が、作動可能、特に空気圧作動可能で、第1の切換位置と第2の切換位置との間で移動できる作動ピストンであることも考えられる。特に、作動ピストンは、第2の切換位置に向かって、好ましくはばねで予荷重された、負荷がかけられている。例えば、作動要素は空気圧シリンダとすることができる。このような空気圧シリンダは、単純な設計で実現することができ、機能的にロバストであり、これは意図された安全用途にとって有利である。
【0029】
特に、作動ピストンは、それが作動されるとき、特に圧縮空気がそれに加えられるとき、負荷又はばねの予荷重に抗して、第1の切換位置(通常構成)にあるように、また、遮断の場合、特に、故障の場合、作動の解除、特に、遮断の場合、圧縮空気供給の解除(トリガ条件)の場合、作動ピストンは、ばねの予荷重により第2の切換位置(緊急構成)に自動的に移送されるように設計することができる。空気圧で作動可能な作動ピストンを備えたこのような実施形態は、特に、安全カップリングへの圧縮空気供給の遮断および/または安全カップリングへの負圧供給の遮断に対処するために有利である。圧縮空気供給の故障の場合、シリンダは緊急構成(第2の切換位置)に自動的に移され、したがって下降機構は自動的に解放されるからである。したがって、追加の制御機構、例えばセンサまたはスイッチを必要とせず、安全カップリングのコンパクトで費用効果の高い設計が可能になる。また、安全カップリングは、電源が故障した場合に作動ピンを圧縮空気供給から切り離す、すなわち作動ピストンの作動を遮断する、弁装置を備えることも考えられる。
【0030】
上述のように、作動要素が固定装置のトリガ機構を形成し、同時にマニピュレータカップリング部とエンドエフェクタカップリング部とを接続するための固定装置を形成することが考えられる。例えば、第1の切換位置(通常構成)において、マニピュレータカップリング部とエンドエフェクタカップリング部とが互いに一定の距離を置いて固定されるように、作動ピストンがマニピュレータカップリング部及びエンドエフェクタカップリング部と相互作用することが考えられる。例えば、第1の切換位置において、作動ピストン又は作動ピストンのシリンダピンが、マニピュレータカップリング部及びエンドエフェクタカップリング部の対応する接続穴に係合し、したがって、カップリング部を接続することが考えられる。第2の切換位置では、作動ピストンは、次に、接続穴の外側に出ることができ、作動ピストンは、前記接続穴から引き出されている。
【0031】
また、作動要素が付加的な固定装置を作動させるためのトリガ機構のみを形成することも可能である。例えば、固定装置は、固定装置がロック構成(固定装置の通常構成)にある場合にはマニピュレータカップリング部及びエンドエフェクタカップリング部を固定し、固定装置が解放構成(固定装置の緊急構成)にある場合にはその固定が解放構成(固定装置の緊急構成)にある場合にはその固定が解放構成(固定装置の緊急構成)をとることができる固定装置を備えることができる。次いで、固定装置は、そのような方法で作動要素と相互作用することができ、特に、作動要素、例えば、上述の作動ピストンまたは形状記憶ワイヤにより作動可能とすることができ、そのような方法で、第1の切換位置から第2の切換位置へ作動要素を移動することにより、固定装置は、ロック構成から解放構成へと移される。この点に関し、固定装置と作動要素とは、作動要素が第1の切換位置にあるときには固定装置がロック構成にされ、作動要素が第2の切換位置にあるときには固定装置が解放構成にされるように相互作用することができる。
【0032】
例えば、固定装置が、ロック構成ではマニピュレータカップリング部及びエンドエフェクタカップリング部の対応する接続孔に係合し、解放構成では、接続孔の外にあり、接続孔の外に引き出されているピンを備えることも考えられる。
【0033】
また、固定装置が、2つの歯付きリングを備えることも考えられる。これらのリングは、ロック構成(通常構成)および解放構成(緊急構成)をとることができるように、互いに対して回転することができる。特に、歯付きリングは、ロック構成において、歯付きリングが、マニピュレータカップリング部及びエンドエフェクタカップリング部を互いに接続し(したがって、下降装置をロックする)、また、解放構成において、歯付きリングが、マニピュレータカップリング部及びエンドエフェクタカップリング部を互いに相対的に移動することができる(したがって、下降装置が解放される、すなわち、マニピュレータカップリング部に対するエンドエフェクタカップリング部の下降が可能である)ように、互いに相対的に変位可能であるように設計することができる。
【0034】
一般的な態様の範囲において、安全カップリングはハウジングを備えることができる。特に、ハウジングは、マニピュレータカップリング部に接続される第1のハウジング部と、エンドエフェクタカップリング部に接続される第2のハウジング部とを備える、2部品または複数部品の設計とすることができる。ハウジング部は、好ましくは、下降装置、特に接続装置を包むように設計することができ、その後退形態(通常の形態)にあり、下降装置、特に接続装置が伸びるときに互いに分離される(緊急形態)場合に、接続装置を包むように設計することができる。
【0035】
最初に述べた目的は、請求項15に記載のハンドリングシステムによりも達成される。ハンドリングシステムは、特に物体を把持してハンドリングするために設計されている。ハンドリングシステムは、マニピュレータ、特にロボット、およびエンドエフェクタ、特に真空把持装置、好ましくは吸引把持装置を備える。また、ハンドリングシステムは、上述の安全カップリングを備えている。エンドエフェクタは、安全カップリングによりマニピュレータに固定される。特に、安全カップリングは、マニピュレータカップリング部によりマニピュレータに固定され、エンドエフェクタは、エンドエフェクタカップリング部により安全カップリングに固定される。マニピュレータおよびエンドエフェクタの安全カップリングの利点および任意の特徴は、上述のような安全カップリングに関して説明したように、請求項15に記載のハンドリングシステムを設計するためにも使用することができ、その結果、繰り返しを回避するために、上述の開示が参照される。
【0036】
本発明を、図を参照して以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、ハンドリングシステムの簡略図である。
図2図2は、通常構成における安全カップリングの簡略図である。
図3図3は、緊急構成における安全カップリングの簡略図である。
図4a図4aは、安全カップリングの機能を説明するために、異なる作動状態における、接続されたエンドエフェクタとの安全カップリングの簡略化された概略図である。
図4b図4bは、安全カップリングの機能を説明するために、異なる作動状態における、接続されたエンドエフェクタとの安全カップリングの簡略化された概略図である。
図4c図4cは、安全カップリングの機能を説明するために、異なる作動状態における、接続されたエンドエフェクタとの安全カップリングの簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明および図において、同一の参照符号は、それぞれの場合において、同一または対応する特徴に使用される。
【0039】
図1は、ハンドリングシステムを示し、これは全体として参照符号10で示される。ハンドリングシステム10は、物体16を把持するためのマニピュレータ12およびエンドエフェクタ14を備える。マニピュレータ12は、例えば、ロボット、特に産業用ロボットまたは軽量ロボットとすることができる。
【0040】
図示の例では、エンドエフェクタ14は吸引把持装置18の形態である。図1に模式的に示すように、吸引把持装置18は、一例として、1つ以上が載置された支持フレーム20と、図示した例では2つの、物体16を吸引する吸引体22とが配置されている。
【0041】
図示しない実施形態では、エンドエフェクタ14は、例えば、機械的グリッパ又は磁気グリッパの形態とすることもできる。
【0042】
ハンドリングシステム10はまた、エンドエフェクタ14がマニピュレータ12に固定され、特に取り外し可能に固定される、安全カップリング24を備える。図1に示すように、安全カップリング24は、マニピュレータ12とエンドエフェクタ14との間に配置されている。
【0043】
安全カップリング24は、安全カップリング24をマニピュレータ12に接続するためのマニピュレータカップリング部26を備えている。例えば、マニピュレータカップリング部26は、マニピュレータ12の接続フランジ28にねじ止めされるか、または差し込み接続により接続され得る。
【0044】
また、安全カップリング24は、マニピュレータカップリング部26とは反対のエンドエフェクタカップリング部30を備えており、エンドエフェクタ14を安全カップリング24に、したがって、マニピュレータ12に接続する。エンドエフェクタカップリング部30は、例えば、エンドエフェクタ14を解放可能に接続するためのクイックチェンジカップリング部を備えることができる。
【0045】
また、安全カップリング24は、エンドエフェクタカップリング部30、エンドエフェクタカップリング部に接続されたエンドエフェクタ14、及び任意選択的にエンドエフェクタ14に保持された物体16を、重力の結果として特に減少した速度で制御と共にマニピュレータカップリング部26に対して下降させるように設計された下降装置32(図3参照)を含む。重力が作用する方向は図中矢印33で示されている。
【0046】
下降装置32は、マニピュレータカップリング部26とエンドエフェクタカップリング部30が互いに接続されることにより、長さ調節可能な接続装置34を備える(図3参照)。
【0047】
図示の例では、接続装置34は、一端がマニピュレータカップリング部26に、他端がエンドエフェクタカップリング部30に接続される伸縮式ロッド36を備えている。
【0048】
伸縮式ロッド36は、好ましくは、機械的に又は流体的に制動され、それにより、エンドエフェクタカップリング部30(エンドエフェクタカップリング部に配置されたエンドエフェクタ14及びエンドエフェクタで順番に保持されている物体16と共に)は、重力方向に制御されて下降することができる(矢印33参照)。
【0049】
図2は、下降装置32が引き込まれた状態の安全カップリング24を示す。図3は、下降装置32を伸ばした状態の安全カップリング24を示す。
【0050】
図2および図3に例として示されるように、安全カップリング24は、マニピュレータカップリング部26に接続される第1のハウジング部40と、エンドエフェクタカップリング部30に接続される第2のハウジング部42とを備える、2部品または複数部品のハウジング38を備えることができる。ハウジング部40、42は、好ましくは、下降装置が引き戻し構成(図2参照)にあるとき、下降装置32を囲むように設計される。次に、下降装置32は、ハウジング38による環境の影響から保護される。下降装置32が伸びると、ハウジング部40、42は、次いで互いに分離されるようになる(図3参照)。
【0051】
上述したように、下降装置32は、ハンドリングシステム10のプロセスシーケンスが中断される緊急状況(例えば、電力供給の不良の結果として)において、エンドエフェクタ14及びエンドエフェクタに保持された物体16が、制御と共に下降して、例えば、建物のフロア44に安定した構成になるようにするために設けられる(図4c参照)。しかし、ハンドリングシステム10の通常の作動においては、下降装置32はロックされるべきであり、そのため、エンドエフェクタカップリング部30とマニピュレータカップリング部26とは互いに固定される。
【0052】
この目的のために、安全カップリング24は、図2および図4aに示される通常構成および図3、4bおよび4cに示される緊急構成をとることができる固定装置46(図に概略的にのみ示す)を備える。
【0053】
通常構成では、固定装置46は、下降装置32が阻止されるように、すなわち伸縮式ロッド36の伸長が不可能になるように、エンドエフェクタカップリング部30及びマニピュレータカップリング部26を互いに一定の距離で固定するように構成される(図2参照)。緊急構成では、固定装置46がエンドエフェクタカップリング部30及びマニピュレータカップリング部26の固定を固定装置46により解放して下降装置32を解放するように構成されている(図3参照)。
【0054】
固定装置46は、所定のトリガ条件が発生すると、固定装置が通常構成(図2参照)から緊急構成(図3参照)に独立して切り換わるように設計されることが好ましい。トリガ条件は、例えば、安全カップリング24への電力供給の遮断、安全カップリング24への圧縮空気供給の遮断、安全カップリング24への負圧供給の遮断、エンドエフェクタ14のリークの閾値に対する超過、安全カップリング24に印加された負圧の閾値に対するアンダーシュート又は超過、又は安全カップリング24のオプションの受信装置(図示せず)による緊急信号の受信であり得る。
【0055】
上述したように、固定装置46の異なる実施形態が可能である。図では、一例として、電磁石48を備えた固定装置46の実施形態が示されている。以下に詳細に説明するように、電磁石48は、電磁石が作動されるときには、磁気力によりマニピュレータカップリング部26及びエンドエフェクタカップリング部30を互いに接続し(固定装置46の通常構成)、作動が解除されるときには(例えば、電磁石48への電力供給の遮断の結果として)、マニピュレータカップリング部26に対するエンドエフェクタカップリング部30の移動を可能にするように設計される。
【0056】
具体的な例では、固定装置46は、エンドエフェクタカップリング部30に接続された第2のハウジング部42と、電磁石48がそれぞれ設けられた自由端とにそれぞれ回動可能に保持された2つの接続アーム50を備える。電磁石48が作動状態(図2、4a参照)になると、第1のハウジング部40と第2のハウジング部42とは、電磁石48の磁気保持力により接続される。電磁石48への電力供給が遮断され(例えば、停電の結果として)、それに伴う磁気保持力がなくなった場合、エンドエフェクタカップリング部30及びマニピュレータカップリング部26の固定が解放される(図4b参照)。特に、接続アーム50は、第1のハウジング部40のそれらの接触から離れて折り畳むことができる(図4b参照)。その結果、下降装置32は解放され、エンドエフェクタ14は、重力の結果として、特に物体16がフロア44の安全な位置に達するまで、物体16と共に下降することができる。このようにして、自動固定機構が作られ、これにより、電力供給の故障の場合に、エンドエフェクタ14に保持されている物体16を安定した構成に移すことが可能となる。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c