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特開2024-108131ケーブルアライメント装置およびケーブルハーネスの2本のケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108131
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】ケーブルアライメント装置およびケーブルハーネスの2本のケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするための方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/02 20060101AFI20240802BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20240802BHJP
   H01R 43/20 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H01B13/02 Z
H02G1/14
H01R43/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024004373
(22)【出願日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】23153941
(32)【優先日】2023-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィオレンティーノ,ピエトロ
【テーマコード(参考)】
5E063
5G325
5G355
【Fターム(参考)】
5E063HA01
5E063HB14
5E063XA01
5G325BB01
5G325BB18
5G325BD05
5G355BA08
5G355CA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】既知のものの欠点を回避し、特に、ツイストケーブルストランドの2つのケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするための改善されたまたは代替のケーブルアライメント装置を提供する。
【解決手段】ケーブルアライメント装置10において、組立済ケーブル端部間の距離を調整するために、ケーブル回転モジュール7は、ケーブル回転モジュール7を支持するための装置フレーム13上の駆動部14によって変位可能に配置され、それによって、各ケーブル端部3、4が正確かつ確実に所望の回転位置に配置されることが保証され、位置検出のためにケーブル端部3、4の2つの接点要素5、6の最適な影画像が検出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にツイストケーブルストランド(2)の2本のケーブル(3、4)の組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするためのケーブルアライメント装置(10)であって、ケーブルアライメント装置(10)は、それぞれの組立済ケーブル端部(3、4)をその長手方向軸線(L、L)の周りで回転させるための2つのケーブル回転モジュール(7、17)を有し、各ケーブル回転モジュール(7、17)は、回転ケーブルグリッパ(8、18)と、回転ケーブルグリッパ(8、18)を回転させるための回転装置(9、19)とを有し、ケーブル回転モジュール(7、17)の少なくとも1つは、ケーブル回転モジュール(7、17)を支持するための装置フレーム(13)上の駆動部(14)によって変位可能に配置される、ケーブルアライメント装置(10)。
【請求項2】
ケーブル回転モジュール(7、17)の少なくとも1つは、垂直方向に変位可能であることを特徴とする、請求項1に記載のケーブルアライメント装置(10)。
【請求項3】
ケーブル回転モジュール(7)は、装置フレーム(13)上に変位可能であるように配置され、他方のケーブル回転モジュール(17)は、装置フレーム(13)上に固定して配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のケーブルアライメント装置(10)。
【請求項4】
ケーブル回転モジュール(7、17)は、長手方向(x)に対して前後に配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のケーブルアライメント装置(10)。
【請求項5】
空気圧シリンダ(14)は、ケーブル回転モジュール(7)を変位させるための駆動部として装置フレーム(13)に組み込まれていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のケーブルアライメント装置(10)。
【請求項6】
回転ケーブルグリッパ(8、18)を回転させるための回転装置(9、19)は、ピニオン(16、26)および歯付リングセグメント(15、25)を介する伝達に関して回転ケーブルグリッパ(8、18)に接続された駆動部(20、21)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のケーブルアライメント装置(10)。
【請求項7】
対応する回転ケーブルグリッパ(8、18)は、最大で90°、好ましくは30°~45°の限定された回転範囲を画定する歯付リングセグメント(15、25)に取り付けられていることを特徴とする、請求項6に記載のケーブルアライメント装置(10)。
【請求項8】
特にツイストケーブルストランド(2)の2本のケーブル(3、4)の組立済ケーブル端部を、好ましくは請求項1~9のいずれか一項に記載のケーブルアライメント装置(10)を使用して、正しい回転位置に位置合わせするための方法であって、ケーブルの組立済ケーブル端部(3、4)の回転位置は、ケーブルアライメント装置(10)によって変更され、このようにしてそれぞれの組立済ケーブル端部(3、4)は位置合わせされ、ケーブル端部(3、4)は、オフセットを作成するために、ケーブルアライメント装置(10)によって最初に異なる高さにされることを特徴とする、方法。
【請求項9】
位置合わせプロセスの開始時にオフセットを作成するために、ケーブル端部(3、4)は、所定のまたは可変の変位経路によって互いに対して移動されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ケーブル端部(3、4)は、それらのケーブル軸線(L、L)が垂直方向(z)に上下になるまで、対角方向に互いに離れるように、または互いに向かって移動されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
位置合わせプロセスの開始時に、組立済ケーブル端部(3、4)の回転位置は光学検出装置(11)によって判定され、光学検出装置(11)は、位置検出のためにケーブル端部(3、4)の2つの接点要素(5、6)の影画像を使用することを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
組立済ケーブル端部(3、4)の回転位置を判定するために、光学検出装置(11)は、関連するラインセンサ(42、44)を有する2つの光カーテン(41、43)を含み、2つの光カーテンは、互いに直角に方向付けられることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
組立済ケーブル端部(3、4)を回転させるために、限定された回転範囲を画定する歯付リングセグメント(15、25)にそれぞれ取り付けられた回転ケーブルグリッパ(8、18)が使用され、組立済ケーブル端部(3、4)の一方または両方の現在の回転位置が角度範囲を超えると、1つまたは複数のそれぞれの回転ケーブルグリッパ(8、18)は、位置合わせプロセスの前または開始時に、歯付リングセグメント(15、25)によって予め決められた中立位置から離れた初期位置に移動されることを特徴とする、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
完成した位置合わせされた組立済ケーブル端部(3、4)は、ケーブル端部が依然としてケーブルアライメント装置(10)の回転ケーブルグリッパ(8、18)によって保持されている間に、またはケーブル端部が組立グリッパユニット(12)によって把持された後に、最終回転位置の検証を受けることを特徴とする、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルストランドの2本のケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするためのケーブルアライメント装置に関する。さらに、本発明は、組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車または航空機で使用されるようなケーブルハーネスは複数のケーブルからなり、それらの予め製造されたケーブル端部にはプラグハウジングを備える。この目的のために、予め製造されたケーブル端部、すなわち、所定の長さに切断され、剥離され、接点要素(例えば、圧着接点)が設けられたケーブル端部は、プラグハウジングのチャンバまたはレシーバに挿入される。原則として、組み立てられるケーブル端部を有するケーブルハーネスのケーブルは、個別に存在し、また対応する機械的装置によってプラグハウジングのチャンバに個別に導入される。より多くのケーブルハーネスは、複数のケーブル、主にツイストケーブルから作られた2本以上のケーブルストランドからなり、そのために、ケーブルハーネスの自由な、特に撚りが解かれた、場合により細長いケーブル端部を組み立てる必要もある。いわゆるUTP(シールドされていないツイストペア)ケーブルなどのツイストケーブルは、非ツイスト導体対と比較して電気的および磁気的干渉に対する、より大きな保護を提供し、特に良好な信号伝送品質を特徴とする。ツイストケーブルに加えて、ケーブルが並んで配置され、グループで組み合わされるのみである、ケーブルストランドまたは他のマルチケーブルシステムの非ツイストケーブルも同様に使用することができる。
【0003】
ケーブル組立ステーションとして当業者に知られている、対応する機械的装置は、2本のケーブルからなるケーブルストランドを有するプラグハウジングの自動組立に使用される。2つの接点要素は、プラグハウジングのセルに嵌合して挿入されるために正しい回転位置(長手方向ケーブル軸線の周りの角度位置)になければならず、ケーブルを有するプラグハウジングの自動組立を困難にする。UTPケーブルを利用するために、ケーブル端部の非ツイスト領域は、可能な限り短くなければならない。ツイストペアのそのような短いケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせすることは、特に困難である。
【0004】
ツイストケーブルストランドの2本のケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするためのケーブルアライメント装置が、欧州特許出願公開第3301768号明細書から知られている。このケーブルアライメント装置では、ケーブル端部は、ツイストケーブル領域でケーブルストランドに圧力を加える回転把持装置によって回転されることができる。ケーブルの回転位置を決定するための光学検出装置は、接点要素の位置合わせを検証する(この方法ステップは、以下では略して「試験」とも呼ばれる)。このような光学検出装置は、欧州特許出願公開第1304773号明細書に既に記載されている。欧州特許出願公開第3301768号明細書によるケーブルアライメント装置は、長手方向軸線の長手方向における非ツイストケーブル端部の一部分に前後に配置されたケーブルグリッパをさらに備える。ケーブルグリッパは、ケーブル端部で一度に1本のケーブルのみを固定し、他方のケーブルのケーブル端部を案内するように設定される。ツイストケーブル領域でケーブルストランドを回転させることによって一方のケーブル端部が正しい回転位置にある場合、それは関連するケーブルグリッパによって固定され、他方のケーブル端部はケーブルグリッパによってのみ案内される。両方の接点要素が正しく配向されると、実際の組立プロセスを開始することができる。このケーブルアライメント装置の配向プロセスは、明らかに複数のステップで実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3301768号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1304773号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、既知のものの欠点を回避し、特に、ツイストケーブルストランドの2本のケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするための、改善されたまたは代替のケーブルアライメント装置を提供することであり、この装置は、特に効率的に動作されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によれば、請求項1の特徴を有する、ケーブルストランド、特にツイストケーブルストランドの2本のケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするためのケーブルアライメント装置によって解決される。このケーブルアライメント装置は、以下では簡略化のために二重ケーブルアライメント装置とも呼ばれる。二重ケーブルアライメント装置は、好ましくは装置ラック上に配置され、組立済ケーブル端部をその長手方向軸線の周りで回転させるための2つのケーブル回転モジュールを備え、各ケーブル回転モジュールは、回転ケーブルグリッパと、回転位置を変更するためにケーブル端部をその長手方向軸線の周りで所望の回転のために回転ケーブルグリッパを回転させるための回転装置とを有する。「回転ケーブルグリッパ」という用語は、上述の回転装置によってケーブルをその長手方向軸線の周りで回転させることができるケーブルグリッパを意味すると理解される。回転ケーブルグリッパは、対応するケーブル端部をクランプによってしっかりと保持するために互いに向かって移動されることができる2つのグリッパ顎部を有することができる。したがって、二重ケーブルアライメント装置は、ケーブル回転モジュールを支持するための装置フレームと、好ましくはケーブル端部の回転位置を確認するための光学検出装置とを備えることができる。二重ケーブルアライメント装置は、組立済ケーブル端部間の距離を調整するために、少なくとも1つのケーブル回転モジュールが装置フレーム上に配置され、それによって駆動部によって全体として移動することができることを特徴とする。さらに、組立済ケーブル端部間の距離を正確に調整するために、駆動部を作動させるための制御手段が設けられ得る。必要に応じて組立済ケーブル端部間の距離を調整することにより、有利なオフセットがもたらされ、それにより、ケーブル端部の回転位置が、好ましくは上述の光学検出装置によって容易に確認されることができる。上述の回転位置は、ケーブル長手方向軸線(略してケーブル軸線)を中心とする角度によって決定されることができる。角度は、ケーブルがその長手方向軸線またはケーブル軸線の周りで、その実際の位置からその目標位置に到達するまでにどれだけ回転されなければならないかを示す。上述のオフセットは、ケーブル軸線の位置に関漣する。ケーブル軸線の相対位置は、オフセットによって変更されることができる。回転ケーブルグリッパは、各ケーブルが所望の回転位置に正確かつ確実にもたらされることを保証することができる。二重ケーブルアライメント装置により、組立済ケーブル端部は効率的かつ迅速に位置合わせされることができる。これはまた、接点要素を有するケーブル端部がプラグハウジングのセルに容易に挿入されるための基礎を作り出す。回転ケーブルグリッパは、両方のケーブルまたはケーブル端部を同時に位置合わせすることを可能にし、正しい回転位置で位置合わせするための処理時間を大幅に短縮する。
【0008】
二重ケーブルアライメント装置は、組立済ケーブル端部の各々の回転位置を判定するための光学検出装置を備えることができる。好ましくは、ケーブル端部の回転位置は、少なくとも位置合わせ手順の開始前に判定される。実際の状態の知識に基づいて、ケーブルをどの程度回転させなければならないかを計算することが可能である。好ましくは、回転ケーブルグリッパの第1の調整後、回転位置が実際に目標位置になったかどうかが検証される。そうでなければ、再調整手順が再び繰り返されなければならない。例えば、光学検出装置はカメラを備えてもよい。あるいは、光学検出装置は、少なくとも1つのラインセンサを有する走査ユニットまたは画像取込モジュールであるか、あるいはそれを備えてもよい。組立済ケーブル端部は、位置合わせ手順が始まる前に画像取得モジュールに挿入されることが好ましい。画像取得モジュールは、異なる方向に配置された2つのラインセンサを備えることができ、組立済ケーブル端部は、位置合わせプロセスの前または開始時に画像取得モジュールに導入されることができる。
【0009】
ケーブル回転モジュールの少なくとも1つは、ケーブル端部間の垂直距離を調整するために垂直方向に変位可能であり得る。二重ケーブルアライメント装置は、動作準備状態において、位置合わせされるべきケーブルストランドおよび組立済ケーブル端部が水平方向に延びるように設計されることができる。もちろん、垂直方向の代替として、他の変位方向も考えられる。例えば、変位可能なケーブル回転モジュールは、ケーブルアライメント装置内に斜めに設置され、オフセットを生成するために対角方向の移動を可能にすることができる。対角方向は、斜めの、すなわち非垂直の変位方向を意味すると理解され、変位方向は、好ましくは水平に対して45°傾斜されることができる。
【0010】
ケーブルアライメント装置は、装置フレーム上に変位可能に配置された2つのケーブル回転モジュールを有することができる。しかしながら、コスト上の理由から、一方のケーブル回転モジュールのみが装置フレーム上で変位可能であるように配置され、他方のケーブル回転モジュールが装置フレーム上に静止して配置されることが有利であり得る。
【0011】
さらに、ケーブル回転モジュールが、ケーブル軸線とほぼ一致する長手方向に対して前後に配置されることが有利であり得る。この前後の配置は、特にケーブル回転モジュールのケーブルグリッパに関連することができる。ケーブルグリッパを回転させるための駆動部は、前後に配置される必要はないが、例えば、並んで配置されることができる。
【0012】
ケーブルアライメント装置は、ケーブル回転モジュールを変位させるためのリニア駆動部を有することができる。例えば、ケーブル回転モジュールを変位させるためのアクチュエータとして、空気圧で動作するリニア駆動部または他のリニア駆動部が使用されることができる。リニア駆動部は、電気機械式リニア駆動部またはねじ付スピンドルを含むことができる。
【0013】
好ましくは、空気圧シリンダは、ケーブル回転モジュールを変位させるための駆動部として装置フレームに組み込まれることができる。空気圧駆動部は、費用対効果が高く、制御に関して取り扱いが容易である。
【0014】
ケーブル端部の回転位置を変更するために、回転ケーブルグリッパを回転させるための回転装置は、ピニオンおよび歯付リングセグメントを介する伝達に関して回転ケーブルグリッパに接続された駆動部を備えることができる。このような構成により、対応するケーブル端部の所望の回転位置が容易かつ正確に達成されることができる。歯付リングセグメントには内歯または外歯を設けることができ、これは、それと係合するピニオンと動作可能に接続し、モータによって駆動されることができる。
【0015】
対応する回転ケーブルグリッパは、最大90°、好ましくは30°~45°の限定された回転範囲を画定する歯付リングセグメントに取り付けられることができる。このようにして、さらなるコストが節約されることができ、回転装置がコンパクトな設計で得られることができる。回転ケーブルグリッパは、歯付リングセグメントにしっかりと接続されることができる。もちろん、他のタイプの締結も考えられる。
【0016】
本発明のさらなる態様は、ケーブルを取り扱うためのアレンジメントであって、ケーブルストランド、特にツイストケーブルストランドの2つのケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするためのケーブルアライメント装置、特に上述した二重ケーブルアライメント装置を有し、正しい回転位置に位置合わせされたケーブルの組立済ケーブル端部を把持し、組立済ケーブル端部をプラグハウジングに供給するための、2つの個別に制御可能な組立ケーブルグリッパを有する組立把持ユニットを有する、アレンジメントに関することができる。組み立ては、例示的に、2つのセルを有するプラグハウジング内で行われることができる。しかしながら、2つのプラグハウジングも考えられ、それぞれのケーブル端部は、そのそれぞれに挿入される。
【0017】
本発明はさらに、好ましくは前述のケーブルアライメント装置を使用して、特にツイストケーブルストランドの2本のケーブルの組立済ケーブル端部を回転方向に正確に位置合わせするための方法、および、適切な場合には、特にツイストケーブルストランドの2本のケーブルの組立済ケーブル端部をプラグハウジングに備え着けるための方法に関する。本方法は、ケーブル軸線に沿って延在するケーブルの組み立てられた、好ましくは水平なケーブル端部の回転位置が、ケーブルアライメント装置によって変更され、このようにして、対応する組立済ケーブル端部が位置合わせされ、位置合わせプロセスの開始時にオフセットを作成するための好ましくは水平なケーブル端部は、ケーブルアライメント装置によってそれらのケーブル軸線に対して異なる高さにされることを特徴とする。これは、ケーブル端部の有利な高さオフセットをもたらし、それにより、ケーブル端部の回転位置は、好ましくは光学検出装置によって容易に判定されることができる。好ましい実施形態によれば、ケーブルが水平な経路を有する場合、それぞれのケーブル端部の高さは、水平基準面、例えば機械テーブルまたは床によって画定される基準面からの垂直距離に対応する。ケーブル端部を異なる高さにするために、ケーブルの少なくとも1つが軸線に平行に移動されることができる。上述のオフセット、またはより正確には高さオフセットは、このようにして作成されたケーブル端部間の垂直距離として理解されることができる。しかしながら、ケーブルアライメント装置によるオフセットの作成が行われない場合もあり得る。例えば、位置合わせされるケーブルが、水平に位置合わせされる平坦な断面を有する接点要素を有する場合、試験は、開始からオフセットで実行される。
【0018】
位置合わせプロセスが始まる前に、ケーブル端部が異なる高さにされて、組立グリッパユニットを使用して初期オフセットを作成することができる。したがって、代替として、または場合によってはケーブルアライメント装置を使用してオフセットを作成することに加えて、ケーブル端部が異なる高さにされて、組立グリッパユニットを使用して初期オフセットを作成することが考えられ、このプロセスは、位置合わせプロセスの開始前に行われる。初期オフセットは、ケーブルがケーブルグリッパまたはケーブルアライメント装置の他の適用手段によって最初に把持されるか、または他の方法で作用される前に生成される。これは、特に水平に位置合わせされる平坦な断面を有する接点要素の場合に必要となり得る。
【0019】
位置合わせプロセスの開始時にオフセットを作成するために、ケーブル端部は、所定のまたは可変の変位経路によって互いに対して移動されることができる。オフセットは、ケーブル端部、または例えばより正確にはケーブル端部の接点要素が好ましくない位置にあり、検出装置を使用してケーブル端部の回転位置を検出することを困難にすることが認識されている場合に、必要となる場合がある。オフセットは、必要に応じて作成されればよい。例えば数ミリメートルとすることができる所定の固定変位経路は、特に容易に実施されることができる。接点要素が良好に位置付けられ、かつ配向される場合、前述の要件は存在せず、オフセットは作成されない。
【0020】
位置合わせプロセスの開始前に初期オフセットが必要な場合、ケーブル端部の対応する相対移動は、好ましくは、所定の固定変位経路によって行われる。
【0021】
ケーブルアライメント装置の回転ケーブルグリッパ(複数可)がオフセットを作成するために垂直方向に移動される場合、有利であり得る。代替で、回転ケーブルグリッパを移動するための他の移動方向も考えられる。例えば、回転ケーブルグリッパの少なくとも1つは、オフセットを作成するために対角方向に変位されることができる。対角方向は、斜めの、すなわち非垂直の変位方向を意味すると理解され、変位方向は、好ましくは水平に対して45°傾斜される。
【0022】
位置合わせプロセスの開始時にオフセットを作成するために、ケーブル端部の一方のみが移動されることができ、他方のケーブル端部は静止したままである。しかしながら、特定の用途では、両方のケーブル端部が移動されてオフセットを作成する場合、有利であり得る。
【0023】
ケーブル端部が垂直方向に上下に位置付けられるまで、ケーブル端部が互いに離れるように、または互いに向かって対角方向に移動される場合、特に有利であり得る。
【0024】
組立済ケーブル端部の回転位置は、接点要素の影画像を使用して位置を検出する光学検出装置によって監視されることができる。影画像は、接点要素の影の幅または影の輪郭、および光学検出装置の走査ユニットの回転角度から生成されることが好ましい。
【0025】
特に有利な方法は、組立済ケーブル端部の回転位置が、位置検出のためにケーブル端部の2つの接点要素の影画像を使用する光学検出装置によって監視されるときに得られ、組立済ケーブル端部の回転位置を決定するとき、2つの接点要素の影の輪郭の重複が生じる影画像の領域は、上述のオフセットに起因して影画像を歪ませ、このようにして画像取得が最適化される。この歪みによって得られる改善された影画像のおかげで、組立済ケーブル端部の回転位置が容易および正確に決定されることができる。
【0026】
位置合わせプロセスの前または開始時に、組立済ケーブル端部の回転位置は光学検出装置によって判定されることができ、光学検出装置は、位置検出(実際の状態)のためにケーブル端部の2つの接点要素の影画像を使用し、実際の状態の知見に基づいて、ケーブル端部をどの程度回転させる必要があるかを計算することができる。
【0027】
光学検出装置による組立済ケーブル端部の回転位置の判定は、特に、初期オフセットが組立把持ユニットによって作成された後、および/またはオフセットがケーブルアライメント装置によって作成された後に実行されることもできる。
【0028】
組立済ケーブル端部の回転位置を決定するために、2つの光カーテンおよび関連するラインセンサを有する光学検出装置が使用されることができ、2つの光カーテンおよび対応するラインセンサは互いに直角に配向され、光カーテンの一方は好ましくは垂直に配向された光カーテンであり、他方の光カーテンは好ましくは水平に配向された光カーテンである。
【0029】
回転位置を変更するために組立済ケーブル端部を回転させるために、限定された回転範囲を画定する歯付リングセグメントにそれぞれ取り付けられた回転ケーブルグリッパが使用されてもよい。組立済ケーブル端部の一方または両方の現在の回転位置が特定の角度範囲を超える場合、位置合わせプロセスが開始する前に、関連する回転ケーブルグリッパ(複数可)が、歯付リングセグメントによって指定された中立位置から離れた初期位置に移動される場合に有利であり得る。
【0030】
最終的に位置合わせされた組立済ケーブル端部は、ケーブル端部が(ケーブルアライメント装置の)回転ケーブルグリッパによって依然として保持されている間に、または組立把持ユニットによって把持された後に、回転位置端部試験を受けることができる。
【0031】
さらに、組立済ケーブル端部が事前に位置合わせされ、その場合にのみ、組立済ケーブル端部の回転位置が光学検出装置によって初めて判定される場合、有利であり得る。したがって、位置合わせ手順を実行するためのプロセス時間がさらに短縮されることができる。例えば、オペレータは手動で事前位置合わせを実行することができる。
【0032】
本発明のさらなる個々の特徴および利点は、例示的な実施形態の以下の説明および図面から導き出されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】ツイストケーブルストランドの2本のケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするための、本発明による二重ケーブルアライメント装置の斜視図を示す。
図2図1による二重ケーブルアライメント装置、光学検出装置、および組立把持ユニットを備えたアレンジメントの斜視図である。
図3a図1の二重ケーブルアライメント装置の側面図を示す。
図3b】二重ケーブルアライメント装置の正面図を示す。
図4a】ケーブル回転モジュールが垂直方向に変位された後の二重ケーブルアライメント装置の側面図を示す。
図4b】ケーブル回転モジュールが垂直方向に変位された後の二重ケーブルアライメント装置の正面図を示す。
図5a】ケーブルアライメント装置の斜視図を示す。
図5b】位置合わせプロセス後の、または回転されたケーブル回転モジュールを有するケーブルアライメント装置を示す図である。
図6a図5aによるケーブルアライメント装置を示すが、垂直方向に変位されたケーブル回転モジュールを有し、接点要素が回転されたときの影画像を有する試験状況の簡略図を示す。
図6b図5bによる回転されたケーブル回転モジュールを有するが、垂直方向に変位されたケーブル回転モジュールを有するケーブルアライメント装置を示す。
図7】ケーブル端部が、垂直方向の狭い側に位置合わせされる接点要素を有する、影画像を有する組立済ケーブル端部の回転位置を決定するための試験状況の簡略図を示す。
図8a】ケーブル端部が、水平方向の狭い側に位置合わせされる接点要素を有する、影画像を有する組立済ケーブル端部の回転位置を決定するための試験状況の簡略図を示す。
図8b】接点要素の1つが上方に変位している、図8による影画像を有する試験状況を示す。
図9a】水平方向の狭い側に位置合わせされる接点部品の影曲線の図を示す。
図9b】一方のケーブル端部が上方に変位され、他方のケーブル端部が下方に変位される、接点部品の影曲線の図を示す。
図10a】水平方向の狭い側(図10a)に位置合わせされる接点部品の影曲線の図を示す。
図10b】ケーブル端部は、ケーブル軸線が垂直に上下に位置付けられるまで斜めに変位される接点部品の影曲線の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、長手方向軸線Lに沿って延在するツイストケーブルストランド2の2本のケーブルのケーブル端部3、4を正しい回転位置に位置合わせするためのケーブルアライメント装置10を示す。したがって、簡略化のために、「二重ケーブルアライメント装置」という用語は、以下では、2本のケーブルを扱うケーブルアライメント装置10にも使用される。それぞれのケーブルは、通常、例えば、銅またはアルミニウムまたは撚線からなる中実導体および、導体のためのシースとしての絶縁体を含む電気ケーブルである。
【0035】
図1に示すデカルト座標系は、二重ケーブルアライメント装置10の構成要素の方向および主要な動きの理解を助けるために使用される。二重ケーブルアライメント装置10は、装置フレーム13上に配置された2つのケーブル回転モジュール7、17を備える。ケーブル回転モジュール7、17の各々は、ここでは、ケーブルストランド2のケーブルのうちの1つに割り当てられている。ケーブル回転モジュール7、17はそれぞれ、組立済ケーブル端部3、4をその長手方向軸線L1、L2を中心に回転させるために使用される。各ケーブル回転モジュール7、17は、回転ケーブルグリッパ8、18と、回転位置を変更するためにその長手方向軸線を中心としたケーブル端部の所望の回転のために回転ケーブルグリッパ8、18を回転させるための回転装置9、19とを有する。上述の長手方向軸線L1、L2は、以下では簡略化のために「ケーブル軸線」とも呼ばれる。
【0036】
この例では水平に延びる組立済ケーブル端部間の距離を調整するために、符号7で示されるケーブル回転モジュールは、駆動部14によって変位され得るように装置フレーム13上に配置される。さらに、組立済ケーブル端部間の距離を正確に調整するために駆動部を作動するための制御手段(図示せず)が設けられ得る。距離を調整すると、以下で詳細に説明される有利なオフセットが生じ、組立済ケーブル端部の接点要素の位置を互いに対して変更することが可能になり、困難な試験状況を単純化することができる。
【0037】
回転ケーブルグリッパ8、18は各々2つのグリッパ顎部22を有し、グリッパ顎部22は、それぞれのケーブル端部3、4をクランプするために互いに向かって移動されることができる。グリッパ顎部は、リニアガイド23に取り付けられ、供給駆動部によって開閉されることができる。
【0038】
本例示的実施形態では、ケーブル回転モジュール7は、水平ケーブル端部間の垂直距離を調整するために垂直方向zに変位可能である。他方のケーブル回転モジュール17は、装置フレーム13上に静止して配置される。空気圧シリンダ14は、ケーブル回転モジュール7を変位させるための駆動部として装置フレーム13内に組み込まれている。
【0039】
回転ケーブルグリッパ8、18を回転させてケーブル端部の回転位置を変更するための回転装置9、19は、ピニオン16、26および歯付リングセグメント15、25によって回転ケーブルグリッパ8、18への伝達に関して接続された駆動部20、21を備える。対応する回転ケーブルグリッパ8、18は、限定された回転範囲を画定する外歯を有する歯付リングセグメント15、25に取り付けられる。ここに例として示される第1の実施形態では、ケーブルアライメント装置10は、それぞれのケーブル軸線を中心に±17.5°ずつ回転されることができる2つの独立した回転ケーブルグリッパ8、18を有する。2つのケーブル軸線L1、L2は、10mmの距離で平行に延び、テストヘッド40の回転軸線に対して負のz方向に6mmだけオフセットして位置付けられる。
【0040】
ここに示すケーブルアライメント装置10は、特に、組立済ケーブル端部を有するプラグハウジングの、その後の組み立てに関して使用される。この例では、圧着接点は、接点要素5、6として、ツイストケーブルストランド2のそれぞれの剥離されたケーブル端部に取り付けられる。
【0041】
図1から分かるように、ケーブルの組立済ケーブル端部3、4は位置合わせされておらず、垂直および水平に対して傾斜している。以下で詳細に説明する二重ケーブルアライメント装置10は、ケーブル端部3、4を正しい回転位置に位置合わせするために使用されることができる。
【0042】
ツイストケーブルストランド2は、いわゆるUTPケーブルとすることができる。断面が矩形または菱形の外側輪郭を有する接点要素5、6が、ケーブルの自由端3、4に取り付けられている。しかしながら、接点要素5、6は、断面が非円形である他の形状を有することもできる。円形接点要素は、通常、それらの回転位置の位置合わせを必要としない。さらに、グロメットがケーブル端部3、4に取り付けられることができる。もちろん、グロメットは、必要に応じて省略することもできる。組立済ケーブル端部3、4を有する短い非ツイスト領域は、前方のこのツイスト領域に隣接する。しかしながら、二重ケーブルアライメント装置10はまた、2本のケーブルまたは単一ケーブルの両端で構成される非ツイストケーブルストランドを処理するために使用されることもできる。
【0043】
ケーブル3、4の組立済ケーブル端部、より正確にはケーブル端部3、4の接点要素5、6が位置合わせ手順後に正しい回転位置にあるかどうかを検証するために、図2に示す光学検出装置11が使用されることができる。しかしながら、この光学検出装置11は、ケーブル端部の実際の状態、すなわち位置合わせ手順の前または開始時の角度によって実質的に特徴付けられる位置ずれを判定するために使用されることもできる。光学検出装置11は、ラインセンサを有する走査ユニットを有する画像取得モジュールを備える。光学検出装置11は、本明細書に例示される円筒形テストヘッド40をさらに備え、円筒形テストヘッド40は、ラインセンサを含み、それ自体既知の方法でその軸線の周りを回転されることができる。この目的のために、例えば、欧州特許出願公開第1304773号明細書から既に知られているように、画像取込モジュールが使用されることができる。構造および基本動作モードの詳細については、この文献を参照されたい。本光学検出装置11は、主に、2本のケーブルの組立済ケーブル端部を検出するのに特によく適しているという点で、既知の検出装置とは異なる。この態様は、特に図7図10bを参照して以下で詳細に説明される。
【0044】
回転ケーブルグリッパ8、18を回転させて角度位置が設定された後、組立済ケーブル端部3、4の回転位置は、目標位置が実際に採用されたかどうかを判定するために、光学検出装置11を使用してケーブルごとに検証される。そうでなければ、再調整手順が再び繰り返されなければならない。
【0045】
上述した二重ケーブルアライメント装置10によって2本のケーブル3、4の組立済ケーブル端部が正しい回転位置に位置合わせされ、光学検出装置11によって正しい回転位置に組立済ケーブル端部の位置合わせが判定または検証される位置合わせ手順の完了後、実際の組み立てが次の作業ステップとして実行されることができる。組み立てのために、ケーブル3、4の組立済ケーブル端部は、組立把持ユニット12によって把持され、図2に示されるプラグハウジング(図示せず)に案内される。例えば、接点要素5、6は、プラグハウジングのセルに挿入される。
【0046】
したがって、二重ケーブルアライメント装置10は、この場合、簡略化のために以下で「組立アレンジメント」と呼ばれる、符号1で示されるケーブルを取り扱うためのアレンジメントの構成要素である。組立アレンジメント1は、二重ケーブルアライメント装置10と、光学検出装置11と、組立把持ユニット12とを備える。
【0047】
組立把持ユニット12は、ケーブルの組立済ケーブル端部3、4を把持するための、および正しい回転位置に位置合わせされた組立済ケーブル端部をプラグハウジングに供給するための2つのケーブルグリッパ30、31を有する。ケーブルグリッパ30、31の各々は、個別に制御されることができ、それぞれx、y、およびz方向に移動されることができる。ケーブルグリッパ30、31が対応するアクチュエータによって互いに独立して移動され得るという事実は、位置合わせ手順後に、通常は異なる高さにあるケーブルが把持され得ることを確実にする。組み立て中のケーブルストランド2の張力緩和のために、第3のグリッパ32も設けられている。図2では、組立ケーブルグリッパ30、31を移動するために使用されることができるアクチュエータの運動方向が二重矢印で示されている。符号50として示されたアクチュエータによって、組立ケーブルグリッパ30、31は、異なる高さに配置されたケーブルを把持することができるように、z方向に上下に移動されることができる。アクチュエータ49は、組立ケーブルグリッパ30、31をx方向に移動するために使用され、アクチュエータ51は、組立ケーブルグリッパ30、31をy方向に移動するために使用される。
【0048】
組立ケーブルグリッパ30、31は、ケーブル端部3、4の領域で、それぞれの場合にケーブルに作用する回転ケーブルグリッパ8、18の前でケーブルを把持する。特に、符号18で示す回転ケーブルグリッパは、強くクランク状の形状を有する。
【0049】
組立済ケーブル端部の回転位置は、ケーブル端部3、4の2つの接点要素5、6の影画像を使用して位置を検出する光学検出装置11によって監視される。図7は、影画像を用いた試験状況の一例を示す。
【0050】
光学検出装置11は、反対側に位置するセンサを有する少なくとも1つの光カーテン41を含む。光学検出装置11が試験位置に移動された後、光学検出装置11は、接点要素5、6の周りでテストヘッド40を回転し、接点要素の回転位置を検証する。テストヘッド40は、光カーテン41と、接点要素5、6の影画像を生成するための関連するラインセンサとを有する。テストヘッド40が接点要素5、6の周りを回転すると、取り込まれた影画像が記録される。
【0051】
しかしながら、本実施形態では、光学検出装置11は、関連するラインセンサを有する2つの光カーテンを有し、2つの光カーテン、したがってラインセンサは互いに直角に方向付けられている。この場合、光カーテンの一方は垂直に方向付けられた光カーテンであり、他方の光カーテンは水平に方向付けられた光カーテンである(図7を参照されたい)。テストヘッドが接点要素5、6の周りを回転すると、取り込まれた影画像が記録される。符号45は、このように照明された接点要素の影縁部を示す。
【0052】
UTPケーブルの2本のケーブルの組立済ケーブル端部を正しい回転位置に位置合わせするための方法は、例えば以下のように実行されることができる。すなわち、最終的に処理されたUTPケーブルは、ケーブルアライメント装置10内に挿入され、ケーブルは、ケーブル回転モジュール7、17によって非ツイストケーブル端部で把持される。張力緩和のために、ケーブルのツイスト領域は、ケーブルアライメント装置10から特定の距離に保持されることができる。次いで、光学検出装置11は試験位置に移動される。そこで、光学検出装置11は、接点要素5、6の周りでテストヘッド40を回転し、接点要素の回転位置を検証する。テストヘッド40は、接点要素5、6の影画像を生成するために、少なくとも1つの光カーテン41および関連するラインセンサ42を有する。テストヘッド40が接点要素5、6の周りを回転すると、取り込まれた影画像が記録される。
【0053】
図7に見られるように、光学検出装置11は、第1の光カーテン41と、それの反対側に位置するラインセンサ42とを備える。それらの間には、2本のケーブルの組立済ケーブル端部があり、接点要素5および6は、ほぼ矩形の断面領域として簡略化されて示されている。本例示的実施形態では、接点要素5および6は、矩形の外側輪郭を有する。図から分かるように、長方形は光カーテンに対して垂直ではなく、これはケーブル端部がわずかに傾斜され得る実際の状況に近い。光学検出装置11は、x軸方向に延在する回転軸線周りに回転可能である。ラインセンサ42は、光学検出装置11の小さな角度距離だけ各回転後に画像を取り込み、結果として図7に示される合成影画像が得られる。
【0054】
記号ωで示される影画像の軸線は、光学検出装置11の回転角度に対応する。光学検出装置11は、第2の光カーテン43と、それの反対側に位置するラインセンサ44とを備える。第2の光カーテン43および関連するラインセンサ44を有する配置からのデータは、組立済ケーブル端部の回転位置を決定するために使用されることもできる。
【0055】
それ自体既知の方法で、接点要素5、6の回転位置を決定するために、影の輪郭が極小値46について検査される。しかしながら、2つの接点要素5、6があるため、テストヘッド40が接点要素5、6の周りを回転すると、2つの影の輪郭45が重なり合う。符号47で指定された重なり領域では、角度範囲テストは困難であり、すなわち、接点要素5、6が(ラインセンサ42の観点から)上下にあると予想されるテストヘッド40の角回転領域である。領域55および56は、テストヘッドが角度位置-40°~+40°の間でただ1回転するときのセンサの対応する試験領域を示す。図7では、ラインセンサ44は、その測定範囲56内の接点部品5、6の最小値を見つける。一方、ラインセンサ42は、その測定範囲55内の接点が正確に重なるため、最小値を見つけられない。
【0056】
接点要素5、6がテストヘッド40の回転軸線にほぼ平行に延在し、光カーテン41の断層面において矩形断面を有する場合、接点部品5、6の最小値46は互いに90°オフセットされる。この理想的な状況では、極小値は180°後に繰り返される。したがって、最小値を求めて360°の全領域を探索する必要はない。矩形断面を有する接点要素5、6がテストヘッド40の回転軸線に対して小さい角度量(例えば5°)で延在する場合、傾斜軸線が斜めである場合、取得された断面は平行四辺形に少し歪められる可能性がある。
【0057】
最小値46が90°から離れすぎない限り、この場合はケーブルアライメント装置10の許容範囲によって補償されることができる。
【0058】
矩形接点要素の断面が平行四辺形に大きく歪められる場合、現在の回転位置も計算されることができる。後続の組立プロセスは、屈曲したケーブル先端によって妨げられる可能性があり、したがって、先行する機械加工プロセスは欠陥を有する。したがって、エラーメッセージがしばしば好ましい。
【0059】
試験時間を短縮するために、テストヘッド40は、関連するラインセンサ44を有する(図示せず)第2の光カーテン43を含むことも考えられ、この第2の光カーテンは、第1の光カーテン41に対して90°オフセットされて位置付けられる。
【0060】
図8aは、左側において、接点要素5、6がそれらのより狭い側と水平方向に位置合わせされるべき状況を示す。この状況では、符号42で示される垂直センサの測定値が評価される。これにより、図8aの右側に示される影画像が得られる。予想される重なりの重なり領域47は、試験が困難である。この問題を克服するために、接点要素5は、対応するケーブル回転モジュールを移動することによって図8bに示される位置に移動される。この場合のように、接点要素が水平方向に位置合わせされるべき平坦な矩形の輪郭を有する場合、回転位置試験における接点部品5および6の好ましくない相互シャドーイングを回避するために、接点部品5の位置は、例えば12mmだけ上方にシフトされる。この目的のために、可動回転モジュールの上述の回転グリッパの一方は、圧縮空気シリンダによって12mm上方に変位されることができる。変位は、光学試験ユニットの試験範囲内にありながら、シャドーイングのない最大の可能な角度測定範囲を可能にするように選択される。この場合、試験領域は、一例として、約25mmの直径を有する。このオフセットのおかげで、新しい影画像が現れ、これは、以前の困難な領域55での試験に適している。シフトは、検出装置11の試験ユニットによって走査される影曲線を歪ませる。重複領域に以前に位置した最小値は、歪みのためにこの領域から出て、検出されることができる。
【0061】
変位経路の上述の12mmの所定の固定値は、自動車または航空機用のケーブルハーネスに頻繁に使用されるなどの、ツイストケーブルを有する一般的に使用されるケーブルストランドに起こり得る例を対象としている。一実施形態では、変位の寸法は特定の状況に合わせて調整または適合されることができ、その結果、歪んだ影曲線は、予想される最小値の領域に重ならない。
【0062】
図9a、図9b、および図10a、図10bは、オフセットの作成が有利である試験状況のさらなる変形例を示す。図9bおよび図10bは、ケーブル回転モジュールの変位によるオフセット接点要素5、6の状況を示す。
【0063】
図9aおよび図9bは、ここでは、回転モジュールまたはそれらの回転グリッパの両方が垂直方向に高さが変位されることができ、一方の回転グリッパが上方に変位され、他方の回転グリッパが下方に変位される変形実施形態に関する。これにより、不利な重なりの可能性をさらに最小限に抑えるために、両方の影曲線が歪められてもよい。この実施形態では、2つのケーブル軸線は、テストヘッドの回転軸線と同じZ位置(図8a)にある。それに応じてオフセットが調整される(図9b)。
【0064】
図10aおよび図10bは、ケーブル軸線がz方向に上下になるように、回転グリッパが斜めに変位される変形実施形態に関する。対角方向は、本実施例のように、水平に対して45°傾斜された変位の斜め方向であると理解される。このようにして、接点部品5、6が同じ水平縦座標軸上にある初期位置(図10a)から、接点部品5、6が同じ垂直縦座標軸上にある図10bに示される位置まで、接点部品5、6は容易に移動されることができる。したがって、水平方向に平坦な断面を有する接点部品5、6の場合、より小さい極小値が重複領域内にほとんど移動することができないため、回転位置試験は実質的に改善される。
【0065】
正しい回転位置での位置合わせが完了した後、2つの個別に制御可能な組立ケーブルグリッパ30、31を備える組立把持ユニット12は、ケーブル端部をそれぞれのz位置で把持し、光学検出装置11は試験位置から離れるように移動される。離れる前または移動中に、接点要素5、6の走査が実行されて、既知の方法で接点要素の先端の位置を決定する。次いで、組立ケーブルグリッパ30、31は、接点要素5、6をプラグハウジング上の設けられたスロットまたはセルに挿入し、組立手順を先端の位置に適合させる。
【0066】
位置合わせプロセスの別の好ましい実施形態では、接点要素は、予め位置合わせされた方法でケーブルアライメント装置10に供給されることができる。この手段のおかげで、ケーブルアライメント装置10が接点要素5、6を回転させることができなければならない角度範囲は、±20°に縮小されることができる。予め位置合わせされた接点要素5、6を用いて、接点部分ごとに1つの極小値46が回転位置を決定するのに十分であるため、テストヘッド40の検査領域が縮小されることもできる。このようにして、非対称断面を有する接点要素5、6も容易に処理されることができる。
【符号の説明】
【0067】
2 ツイストケーブルストランド
3、4 ケーブル端部
5、6 接点要素、接点部品
7、17 ケーブル回転モジュール
8、18 回転ケーブルグリッパ
9、19 回転装置
10 ケーブルアライメント装置
11 光学検出装置
12 組立把持ユニット
13 装置フレーム
14 駆動部、空気圧シリンダ
15、25 歯付リングセグメント
16、26 ピニオン
20、21 駆動部
22 グリッパ顎部
23 リニアガイド
30、31 組立ケーブルグリッパ
32 第3のグリッパ
40 テストヘッド
41 光カーテン
42、44 ラインセンサ
43 第2の光カーテン
45 輪郭
46 最小値、極小値
47 重なり領域
49、51 アクチュエータ
55、56 領域、測定範囲
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
【外国語明細書】