(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010814
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】熱交換器ユニット、位置決め方法、及び、熱交換器ユニットの組立方法
(51)【国際特許分類】
F24F 1/16 20110101AFI20240118BHJP
F24F 1/50 20110101ALI20240118BHJP
F24F 13/30 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
F24F1/16
F24F1/50
F24F13/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112328
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 航平
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA05
3L054BB02
(57)【要約】
【課題】組立性の向上を図ることが可能な熱交換器ユニットを提供する。
【解決手段】熱交換器ユニットは、熱交換器と、熱交換器が載置される台座と、熱交換器を側方から支持するフレームと、熱交換器に取り付けられた固定部と、を備え、フレームの第一端が、台座に固定され、フレームの第二端が、固定部に固定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器と、
前記熱交換器が載置される台座と、
前記熱交換器を側方から支持するフレームと、
前記熱交換器に取り付けられた固定部と、
を備え、
前記フレームの第一端が、前記台座に固定され、
前記フレームの第二端が、前記固定部に固定される熱交換器ユニット。
【請求項2】
前記熱交換器が、鉛直方向に対して傾斜した姿勢で前記台座に載置され、
前記固定部が、前記台座から斜め上方に延びると共に下方に向く前記熱交換器の通気面に配置されている請求項1に記載の熱交換器ユニット。
【請求項3】
前記熱交換器を一対備える請求項2に記載の熱交換器ユニット。
【請求項4】
前記固定部が前記通気面の中央に位置する請求項2又は請求項3に記載の熱交換器ユニット。
【請求項5】
前記フレームよりサイズが大きく、前記熱交換器を側方から支持する大型フレームを備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱交換器ユニット。
【請求項6】
前記熱交換器が、第一熱交換器要素と第二熱交換器要素とを有し、
前記固定部が、前記第一熱交換器要素と前記第二熱交換器要素とを連結する連結部を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱交換器ユニット。
【請求項7】
熱交換器を吊り下げ、
前記熱交換器を台座に載置し、
フレームの第一端を前記台座に固定すると共に、前記フレームの第二端を前記熱交換器に取り付けられた固定部に固定することで、前記フレームによって前記熱交換器を側方から支持して前記熱交換器を位置決めする位置決め方法。
【請求項8】
請求項7に記載の位置決め方法を実施した後に、
前記熱交換器の吊り下げ状態を解除し、
前記フレームよりもサイズが大きい大型フレームを前記台座及び前記熱交換器に固定することで、前記大型フレームによって前記熱交換器を支持する熱交換器ユニットの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換器ユニット、位置決め方法、及び、熱交換器ユニットの組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対の熱交換器をそれぞれ鉛直方向に対して傾斜した姿勢で配置することで、一対の熱交換器をV字状に配置した熱交換器ユニットが開示されている。特許文献1の熱交換器ユニットでは、一対の熱交換器を連結する連結部によって、一対の熱交換器のV字状の配置が維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、連結部で一対の熱交換器を連結した特許文献1の熱交換器ユニットは、組み立て難い場合がある。
【0005】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、組立性の向上を図ることが可能な熱交換器ユニット、位置決め方法、及び、熱交換器ユニットの組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る熱交換器ユニットは、熱交換器と、前記熱交換器が載置される台座と、前記熱交換器を側方から支持するフレームと、前記熱交換器に取り付けられた固定部と、を備え、前記フレームの第一端が、前記台座に固定され、前記フレームの第二端が、前記固定部に固定される。
【0007】
本開示に係る位置決め方法は、熱交換器を吊り下げ、前記熱交換器を台座に載置し、フレームの第一端を前記台座に固定すると共に、前記フレームの第二端を前記熱交換器に取り付けられた固定部に固定することで、前記フレームによって前記熱交換器を側方から支持して前記熱交換器を位置決めする。
【0008】
本開示に係る熱交換器ユニットの組立方法は、前記位置決め方法を実施した後に、前記熱交換器の吊り下げ状態を解除し、前記フレームよりもサイズが大きい大型フレームを前記台座及び前記熱交換器に固定することで、前記大型フレームによって前記熱交換器を支持する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、熱交換器ユニットの組立性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る熱交換器ユニットの外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1の熱交換器ユニットを熱交換器の長手方向から見た正面図である。
【
図3】
図1の熱交換器ユニットを熱交換器の短手方向から見た側面図である。
【
図4】
図1の熱交換器ユニットを構成する熱交換器を示す斜視図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る位置決め方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図6に示す位置決め方法において、フレームを取り付ける過程を示す正面図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係る熱交換器ユニットの組立方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
(熱交換器ユニットの構成)
図1から
図3に示すように、本実施形態の熱交換器ユニット1は、一対の熱交換器2と、固定部3と、台座4と、フレーム5と、大型フレーム6と、天板7と、送風機8と、を備える。
図1から
図3において、Z軸は鉛直方向を示しており、熱交換器ユニット1の上下方向に対応している。Z軸の矢印が向いている方向が上方または上側を示し、Z軸の矢印と逆の方向が下方又は下側を示している。また、Z軸に直交するX軸は、第一の水平方向を示しており、熱交換器ユニット1の長手方向に対応している。Z軸及びX軸に直交するY軸は、第二の水平方向を示しており、熱交換器ユニット1の短手方向に対応している。
【0012】
(熱交換器)
図4に示すように、各熱交換器2は、パネル状に形成されている。具体的に、熱交換器2は、矩形板状に形成されている。熱交換器2は、冷媒が流れる冷媒配管を有している。
図4に示す熱交換器2において、冷媒配管は、熱交換器2の厚さ方向Tに直交する一方向(
図4において左右方向。以下、熱交換器2の第一直交方向CS1と呼ぶ。)に延びると共に、第一直交方向CS1における熱交換器2の両端において折り返すように形成されている。
熱交換器2に空気を通すことで、当該空気と冷媒配管に流れる冷媒との間で熱交換が行われる。熱交換器2は、その厚さ方向Tに空気が通過できるように構成されている。以下の説明では、熱交換器2の厚さ方向Tに向く面を通気面21と呼ぶ。
【0013】
熱交換器2は、2つの熱交換器要素22,23(第一熱交換器要素22、第二熱交換器要素23)を有する。2つの熱交換器要素22,23は、それぞれ矩形板状に形成されている。2つの熱交換器要素22,23は、熱交換器2の厚さ方向T及び第一直交方向CS1に直交する方向(
図4において上下方向。以下、熱交換器2の第二直交方向CS2と呼ぶ。)に隣り合わせて配置される。これら2つの熱交換器要素22,23は、後述する固定部3の連結部32によって連結される。
【0014】
(固定部)
固定部3は、熱交換器2に取り付けられている。具体的に、固定部3は、主に熱交換器2の一方の通気面21A(以下、第一通気面21Aと呼ぶ。)に配置されている。また、固定部3は、第一通気面21Aの中央に位置している。本実施形態において、第一通気面21Aの中央は、第二直交方向CS2における第一通気面21Aの中間領域である。第二直交方向CS2における第一通気面21Aの中間領域には、熱交換器2の重心が含まれている。固定部3は、第一通気面21Aの中間領域において、第一直交方向CS1における熱交換器2の一端から他端まで延びる延伸部31を有する。
【0015】
図4,5に示すように、固定部3は、2つの熱交換器要素22,23を連結する連結部32を有する。本実施形態において、連結部32は、延伸部31の長手方向の両端に取り付けられている。さらに、連結部32が2つの熱交換器要素22,23の両方に取り付けられることで、2つの熱交換器要素22,23が連結される。当該連結部32は、延伸部31を熱交換器2に取り付ける役割も兼用している。
【0016】
(台座)
図1及び
図2に示すように、台座4には一対の熱交換器2が載置される。台座4は、主に鉛直方向を厚さ方向とする板状に形成されている。台座4は、鉛直方向から見て、熱交換器ユニット1の長手方向を長辺とし、熱交換器ユニット1の短手方向を短辺とした長方形状に形成されている。
【0017】
一対の熱交換器2は、それぞれ鉛直方向に対して傾斜した姿勢で台座4に載置される。具体的に、一対の熱交換器2は、熱交換器ユニット1の短手方向における台座4の中間部分に載置される。一対の熱交換器2は、それぞれ当該台座4の中間部分から上方に向かうにしたがって短手方向において互いに離れる方向に延びるように配置される。すなわち、各熱交換器2は台座4から斜め上方に延びている。これにより、一対の熱交換器2は、熱交換器ユニット1の短手方向から見てV字状となるように配置される。
【0018】
図1から
図3に示すように、台座4に載置された熱交換器2は、当該熱交換器2に取り付けられた固定部3の延伸部31が熱交換器ユニット1の長手方向に延びるように配置されている。固定部3の延伸部31を配置した各熱交換器2の第一通気面21Aは下方に向いている。一方、各熱交換器2の他方の通気面21B(以下、第二通気面21Bと呼ぶ。)は上方に向いている。また、各熱交換器2は、熱交換器ユニット1の短手方向において台座4の外側に張り出さないように位置している。
【0019】
(フレーム)
フレーム5は、各熱交換器2を側方から支持する。本実施形態において、「側方」は熱交換器ユニット1の短手方向に対応している。具体的に、フレーム5は、直線状に延びる棒状に形成されている。フレーム5の長手方向の第一端51は、台座4に固定されている。フレーム5の長手方向の第二端52は、固定部3(鉛直方向における熱交換器2の中間部分)に固定されている。フレーム5の台座4及び固定部3への固定は、例えばボルトナットなどの締結部品を用いた固定であってよいが、これに限ることはない。
【0020】
フレーム5が台座4及び固定部3に固定された状態において、フレーム5は台座4から各熱交換器2に向けて上方に延びている。これにより、フレーム5は、鉛直方向に対して傾斜した熱交換器2を側方及び下方(すなわち斜め下方)から支持する。また、前述したように固定部3は熱交換器2の重心を含む熱交換器2の第一通気面21Aの中央に配置されているため、フレーム5は熱交換器2の重心付近を支持する。
本実施形態では、2つのフレーム5が同一の熱交換器2を支持する。2つのフレーム5は、熱交換器ユニット1の長手方向に間隔をあけて配置されている。
【0021】
(大型フレーム)
大型フレーム6は、前述したフレーム5と同様に、各熱交換器2を側方から支持する。大型フレーム6は、直線状に延びる棒状に形成されている。大型フレーム6のサイズは、前述したフレーム5のサイズよりも大きい。具体的には、大型フレーム6はフレーム5よりも長くかつ太い。このため、大型フレーム6の強度はフレーム5よりも高い。
大型フレーム6の長手方向の第一端61は、台座4に固定されている。大型フレーム6の長手方向の第二端62は、後述する天板7を介して熱交換器2の上端部に固定されている。大型フレーム6の台座4及び天板7への固定は、例えばボルトナットなどの締結部品を利用した固定であってよいが、これに限ることはない。
【0022】
大型フレーム6を台座4及び熱交換器2の上端部に固定した状態において、大型フレーム6は台座4から各熱交換器2の上端部に向けて上方に延びている。これにより、大型フレーム6は、鉛直方向に対して傾斜した熱交換器2を側方及び下方(すなわち斜め下方)から支持する。
本実施形態では、2つの大型フレーム6が同一の熱交換器2を支持する。2つの大型フレーム6は、熱交換器ユニット1の長手方向に間隔をあけて配置されている。また、2つの大型フレーム6は、熱交換器ユニット1の長手方向において2つのフレーム5の外側に位置している。
【0023】
(天板)
天板7は、鉛直方向を厚さ方向とする板状に形成されている。天板7は、一対の熱交換器2の上側を覆うように一対の熱交換器2の上端部に固定される。
【0024】
(送風機)
送風機8は、天板7に取り付けられている。天板7に取り付けられた送風機8は、上方に向く一対の熱交換器2の第二通気面21Bの上方に間隔をあけて位置する。送風機8は、天板7の下側から上側に向けて空気を流す、あるいは、天板7の上側から下側に向けて空気を流す。これにより、各熱交換器2に空気を通すことができる。例えば、送風機8が天板7の下側から上側に向けて空気を流す場合、各熱交換器2の第一通気面21Aが空気を熱交換器2の内側に吸い込む吸気面となり、第二通気面21Bが空気を熱交換器2の外側に排出する排気面となる。
本実施形態において、送風機8は、熱交換器ユニット1の長手方向に2つ並んでいる。なお、送風機8の数は、例えば1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【0025】
(位置決め方法)
次に、主に
図6を参照して本実施形態に係る位置決め方法について説明する。当該位置決め方法は、熱交換器2を台座4に対して位置決めする方法である。
【0026】
図6に示すように、位置決め方法では、はじめに、クレーン等を用いて熱交換器2を吊り下げる(吊り下げステップS11)。この際、熱交換器2は、その姿勢を調整できるように吊り下げられているとよい。本実施形態では、一対の熱交換器2を吊り下げる。
熱交換器2の吊り下げ後には、熱交換器2を台座4に載置する(載置ステップS12)。載置ステップS12では、熱交換器2の姿勢を調整した上で熱交換器2を台座4に載置する。具体的には、熱交換器2の第一通気面21Aが下方に向くように熱交換器2を鉛直方向に対して傾斜した姿勢で熱交換器2を台座4に載置する。また、一対の熱交換器2が熱交換器ユニット1の短手方向から見てV字状となるように、一対の熱交換器2を台座4に載置する。なお、熱交換器2を台座4に載置した後においても、熱交換器2の吊り下げ状態は維持されている。
【0027】
熱交換器2を台座4に載置した後には、フレーム5を台座4及び固定部3に取り付ける(フレーム取付ステップS13)。フレーム取付ステップS13では、
図7に示すように、フレーム5の第一端51を台座4に固定する。また、フレーム5の第二端52を固定部3に固定する。これにより、フレーム5によって熱交換器2を側方から支持して熱交換器2を位置決めする。具体的には、フレーム5によって鉛直方向に対して傾斜した熱交換器2を側方及び下方(すなわち斜め下方)から支持して、熱交換器2を支持する。熱交換器2がフレーム5によって支持されることで、熱交換器2が台座4に対して位置決めされる。なお、フレーム取付ステップS13後の状態においても、熱交換器2の吊り下げ状態は維持されている。
以上により、本実施形態に係る位置決め方法が完了する。
【0028】
(熱交換器ユニット1の組立方法)
次に、主に
図8を参照して本実施形態に係る熱交換器ユニット1の組立方法について説明する。
図8に示すように、熱交換器ユニット1の組立方法では、前述した位置決め方法を実施した後に、熱交換器2の吊り下げ状態を解除する(吊り下げ解除ステップS21)。次いで、フレーム5よりもサイズが大きい大型フレーム6を台座4及び熱交換器2に取り付ける(大型フレーム取付ステップS22)。大型フレーム取付ステップS22では、大型フレーム6を台座4及び熱交換器2に固定することで、大型フレーム6によって熱交換器2を支持する。具体的に、大型フレーム取付ステップS22では、大型フレーム6の第一端61を台座4に固定する。また、大型フレーム6の第二端62を熱交換器2の上端部に固定する。
【0029】
なお、本実施形態の熱交換器ユニット1の組立方法では、上記した吊り下げ解除ステップS21と大型フレーム取付ステップS22との間に、天板7を一対の熱交換器2の上端部に取り付けるステップ(天板取付ステップ)を実施する。これにより、一対の熱交換器2の上側が天板7によって覆われる。そして、大型フレーム取付ステップS22においては、大型フレーム6の第二端62を天板7に固定する。これにより、大型フレーム6の第二端62が天板7を介して熱交換器2の上端部に固定される。
【0030】
また、本実施形態の熱交換器ユニット1の組立方法では、天板7に送風機8を取り付けるステップ(送風機取付ステップ)も実施する。送風機取付ステップは、天板取付ステップの前に実施されてもよいし、天板取付ステップの後に実施されてもよい。
以上により、本実施形態に係る熱交換器ユニット1の組立方法が完了する。
【0031】
本実施形態の熱交換器ユニット1では、熱交換器2が台座4に載置されている状態で、フレーム5の第一端51が台座4に固定され、フレーム5の第二端52が熱交換器2に取り付けられた固定部3に固定される。このため、熱交換器2を台座4に載置した後に、フレーム5を台座4及び固定部3に固定することで、当該フレーム5により熱交換器2を支持することができる。また、熱交換器2を台座4に載置した後に、フレーム5が台座4及び熱交換器2に取り付けられることで、フレーム5が熱交換器2の台座4への載置を阻害することを防ぐことができる。これにより、熱交換器ユニット1の組立性の向上を図ることができる。
【0032】
また、本実施形態の熱交換器ユニット1では、熱交換器2が、鉛直方向に対して傾斜した姿勢で台座4に載置される。さらに、固定部3が、台座4から斜め上方に延びると共に下方に向く熱交換器2の第一通気面21Aに配置されている。これにより、鉛直方向に対して傾斜した姿勢で台座4に載置された熱交換器2を、台座4と固定部3とに固定されたフレーム5によって支持することができる。
そして、前述したように、熱交換器2を台座4に載置した後にフレーム5を台座4及び熱交換器2に取り付けることで、熱交換器2を傾斜した姿勢で台座4に載置する際に、フレーム5の第二端52が下方に向く熱交換器2の第一通気面21Aに当たることを防ぐことができる。以下、この点について説明する。
【0033】
例えばフレーム5が台座4に固定されている状態、すなわち、フレーム5が台座4から上方に延びている状態で、熱交換器2を傾斜した姿勢で台座4に載置しようとすると、フレーム5の第二端52が下方に向く熱交換器2の第一通気面21Aに当たる可能性がある。すなわち、フレーム5が熱交換器2の台座4への載置を阻害する可能性がある。これに対し、熱交換器2を台座4に載置した後にフレーム5を台座4及び熱交換器2に取り付ける場合には、熱交換器2を傾斜した姿勢で台座4に載置する際に、フレーム5の第二端52が下方に向く熱交換器2の第一通気面21Aに当たることを防ぐことができる。したがって、熱交換器ユニット1の組立性の向上を図ることができる。
【0034】
また、本実施形態の熱交換器ユニット1では、固定部3が、熱交換器2の第一通気面21Aの中央に位置する。これにより、フレーム5によって熱交換器2の重心付近を支えることができる。したがって、フレーム5に支持された熱交換器2の安定性をさらに向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態の熱交換器ユニット1では、熱交換器2がフレーム5よりもサイズが大きい大型フレーム6によって支持される。これにより、熱交換器ユニット1全体の強度を高めることができる。
なお、大型フレーム6は、例えば、熱交換器2だけではなく、天板7や送風機8を支持できる程度の強度を有していることが好ましい。また、大型フレーム6は、例えば製造後の熱交換器ユニット1に外力が作用しても耐えられる程度の強度を有していることが好ましい。一方、フレーム5は、少なくとも熱交換器2の製造過程において熱交換器2を支持できる程度の強度を有していればよい。
【0036】
また、本実施形態の熱交換器ユニット1では、熱交換器2が第一熱交換器要素22と第二熱交換器要素23とを有する。また、第一熱交換器要素22と第二熱交換器要素23とが固定部3の連結部32によって連結されている。このため、熱交換器2が一つの要素によって構成される場合と比較して、熱交換器2が大型化しても熱交換器2の強度向上を図ることができる。また、熱交換器2が一つの要素によって構成される場合と比較して、熱交換器2の設計自由度の向上を図ることもできる。
【0037】
本実施形態の位置決め方法では、熱交換器2を台座4に載置した後に、フレーム5が台座4及び熱交換器2に取り付けられた固定部3に固定される。このため、フレーム5が熱交換器2の台座4への載置を阻害することを防ぐことができる。これにより、熱交換器ユニット1の組立性の向上を図ることができる。
【0038】
本実施形態の熱交換器ユニット1の組立方法では、サイズが小さいフレーム5によって熱交換器2を支持した後に、サイズが大きい大型フレーム6によって熱交換器2を支持する。これにより、組み立て後の熱交換器ユニット1では、熱交換器2がフレーム5のみによって支持される場合と比較して、熱交換器ユニット1全体の強度を高めることができる。
また、大型フレーム6により熱交換器ユニット1の強度を確保できるため、位置決め方法において用いるフレーム5の強度を低く(例えば熱交換器2を支持できる程度に強度を高く、かつ、熱交換器ユニット1に作用する外力に耐えられない程度に強度を低く)抑えることができる。これにより、位置決め方法において扱うフレーム5の小型化、軽量化を図ることができるため、フレーム5による熱交換器2の位置決めを容易に行うことができる。
【0039】
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこれらの実施形態によって限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0040】
本発明において、大型フレーム6の第二端62は、例えば熱交換器2の上端部に直接固定されてもよい。
【0041】
本発明において、熱交換器ユニット1が備える熱交換器2の数は2つに限らず、1つでも3つ以上であってもよい。
【0042】
<付記>
上述の実施形態に記載の熱交換器ユニット1、位置決め方法、熱交換器ユニット1の組立方法は、例えば以下のように把握される。
【0043】
(1)第1の態様に係る熱交換器ユニット1は、熱交換器2と、前記熱交換器2が載置される台座4と、前記熱交換器2を側方から支持するフレーム5と、前記熱交換器2に取り付けられた固定部3と、を備え、前記フレーム5の第一端51が、前記台座4に固定され、前記フレーム5の第二端52が、前記固定部3に固定される熱交換器ユニット1である。
【0044】
上記の構成では、熱交換器2を台座4に載置した後に、フレーム5の第一端51を台座4に固定し、フレーム5の第二端52を熱交換器2に取り付けられた固定部3に固定することで、当該フレーム5により熱交換器2を支持することができる。熱交換器2を台座4に載置した後に、フレーム5が台座4及び熱交換器2に取り付けられることで、フレーム5が熱交換器2の台座4への載置を阻害することを防ぐことができる。これにより、熱交換器ユニット1の組立性の向上を図ることができる。
【0045】
(2)第2の態様に係る熱交換器ユニット1は、前記熱交換器2が、鉛直方向に対して傾斜した姿勢で前記台座4に載置され、前記固定部3が、前記台座4から斜め上方に延びると共に下方に向く前記熱交換器2の通気面21Aに配置されている(1)に記載の熱交換器ユニット1である。
【0046】
上記の構成では、鉛直方向に対して傾斜した姿勢で台座4に載置された熱交換器2を、台座4と固定部3とに固定されたフレーム5によって支持することができる。そして、熱交換器2を台座4に載置した後にフレーム5を台座4及び熱交換器2に取り付けることで、熱交換器2を傾斜した姿勢で台座4に載置する際に、フレーム5の第二端52が下方に向く熱交換器2の通気面21Aに当たることを防ぐことができる。したがって、熱交換器ユニット1の組立性の向上を図ることができる。
【0047】
(3)第3の態様に係る熱交換器ユニット1は、前記熱交換器2を一対備える(2)に記載の熱交換器ユニット1である。
【0048】
上記の構成では、一対の熱交換器2をそれぞれ鉛直方向に対して傾斜した姿勢で台座4に載置することで、一対の熱交換器2をV字状に配置することができる。
【0049】
(4)第4の態様に係る熱交換器ユニット1は、前記固定部3が前記通気面21Aの中央に位置する(2)又は(3)に記載の熱交換器ユニット1である。
【0050】
上記の構成では、フレーム5によって熱交換器2の重心付近を支えることができる。これにより、フレーム5に支持された熱交換器2の安定性をさらに向上させることができる。
【0051】
(5)第5の態様に係る熱交換器ユニット1は、前記フレーム5よりサイズが大きく、前記熱交換器2を側方から支持する大型フレーム6を備える(1)から(4)のいずれか一項に記載の熱交換器ユニット1である。
【0052】
上記の構成では、熱交換器2がフレーム5よりも大きい大型フレーム6によって支持されるため、熱交換器ユニット1全体の強度を高めることができる。
【0053】
(6)第6の態様に係る熱交換器ユニット1は、前記熱交換器2が、第一熱交換器要素22と第二熱交換器要素23とを有し、前記固定部3が、前記第一熱交換器要素22と前記第二熱交換器要素23とを連結する連結部32を有する(1)から(5)のいずれか一項に記載の熱交換器ユニット1である。
【0054】
上記の構成では、熱交換器2が一つの要素によって構成される場合と比較して、熱交換器2が大型化しても熱交換器2の強度向上を図ることができる。また、熱交換器2が一つの要素によって構成される場合と比較して、熱交換器2の設計自由度の向上を図ることもできる。
【0055】
(7)第7の態様に係る位置決め方法は、熱交換器2を吊り下げ、前記熱交換器2を台座4に載置し、フレーム5の第一端51を前記台座4に固定すると共に、前記フレーム5の第二端52を前記熱交換器2に取り付けられた固定部3に固定することで、前記フレーム5によって前記熱交換器2を側方から支持して前記熱交換器2を位置決めする位置決め方法である。
【0056】
上記の位置決め方法では、熱交換器2を台座4に載置した後に、フレーム5が台座4及び熱交換器2に取り付けられた固定部3に固定される。このため、フレーム5が熱交換器2の台座4への載置を阻害することを防ぐことができる。これにより、熱交換器ユニット1の組立性の向上を図ることができる。
【0057】
(8)第8の態様に係る熱交換器ユニット1の組立方法は、(7)に記載の位置決め方法を実施した後に、前記熱交換器2の吊り下げ状態を解除し、前記フレーム5よりもサイズが大きい大型フレーム6を前記台座4及び前記熱交換器2に固定することで、前記大型フレーム6によって前記熱交換器2を支持する熱交換器ユニット1の組立方法である。
【0058】
上記の組立方法では、熱交換器2が大型フレーム6によって支持されるため、熱交換器2がフレーム5のみによって支持される場合と比較して、熱交換器ユニット1全体の強度を高めることができる。
また、大型フレーム6により熱交換器ユニット1の強度を確保できるため、位置決め方法において用いるフレーム5の強度を低く(例えば熱交換器2を支持できる程度に強度を高く、かつ、熱交換器ユニット1に作用する外力に耐えられない程度に強度を低く)抑えることができる。これにより、位置決め方法において扱うフレーム5の小型化、軽量化を図ることができるため、フレーム5による熱交換器2の位置決めを容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0059】
1 熱交換器ユニット
2 熱交換器
3 固定部
4 台座
5 フレーム
6 大型フレーム
21A 第一通気面(通気面)
22 第一熱交換器要素
23 第二熱交換器要素
32 連結部
51 フレーム5の第一端
52 フレーム5の第二端