IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メトラー−トレド・セーフライン・エックス−レイ・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-検査選別装置 図1
  • 特開-検査選別装置 図2
  • 特開-検査選別装置 図3
  • 特開-検査選別装置 図4
  • 特開-検査選別装置 図5A
  • 特開-検査選別装置 図5B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108147
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】検査選別装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/36 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
B07C5/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009461
(22)【出願日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】23153953
(32)【優先日】2023-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】511287824
【氏名又は名称】メトラー-トレド・セーフライン・エックス-レイ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】カミル・カミンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ガレス・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ドリントン
(72)【発明者】
【氏名】ダニーロ・デ・ロッシ
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079AC00
3F079AD08
3F079CA41
3F079CA44
3F079CB07
3F079CB11
3F079CB24
3F079CC02
3F079CC03
3F079DA12
3F079DA28
3F079EA00
3F079EA01
3F079EA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性、安全使用及び使用しないときの装置の取り扱いが容易にできる検査選別装置を提供する。
【解決手段】搬送経路に沿って搬送ベルト上で搬送される物品が検査機構によって検査され、拒絶された物品が排出される検査選別装置において、搬送経路に沿って入口ゾーン、検査ゾーン、選別ゾーンが配置され、各ゾーンの側方に並ぶ空間がハウジングカバー70及び/又はサイドカバーによって覆われるが、ハウジングカバー及び/又はサイドカバーが装置の動作状態におけるカバー位置と、選別側からの選別ゾーン及び/又は選別ゾーンの下方の領域への側方のアクセスを許可する解放位置との間で移動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端の搬送ベルト(20)を伴う搬送機構を支持する支持フレーム(10)を備え、無端の前記搬送ベルト(20)は、搬送経路に沿って前記搬送ベルト上で搬送される物品が検査機構(15)によって検査される検査ゾーン(40)に沿って延びるとともに、拒絶されるべき物品が、選別機構により、前記搬送経路を横断する方向で前記搬送経路から選別側へと移動されることによって選別される選別ゾーン(50)に沿って延び、
拒絶された物品が移動されて入る前記選別ゾーン(50)の側方に並ぶ空間は、ハウジングカバー(70)によって覆われるが、拒絶された物品が更に落下する又は重力によって滑り落ちることができるように前記選別ゾーン及び下側へと開放し、及び/又は
前記選別ゾーン(50)の下方の領域を前記選別側から側方に覆うサイドカバー(67)が設けられる、
検査選別装置(100)であって、
前記ハウジングカバー(70)及び/又は前記サイドカバー(67)は、前記装置の動作状態におけるカバー位置と、前記選別側からの前記選別ゾーン(50)及び/又は前記領域への側方のアクセスを許可する解放位置との間で移動可能であることを特徴とする検査選別装置(100)。
【請求項2】
前記ハウジングカバー(70)と前記サイドカバー(67)とが接続され、前記カバー位置と前記解放位置との間のこれらのカバーの動きがリンクされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カバー位置と前記解放位置との間の動きが、前記搬送経路の方向に沿って見て均一である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記カバー位置と前記解放位置との間の動きが回動動作である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記回動動作の回動軸が前記搬送経路に沿う方向の主成分を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記サイドカバー(67)の前記解放位置において、前記搬送経路と前記選別ゾーンの下方の戻り経路とによって形成されるストラップにアクセス可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記検査ゾーン、前記検査ゾーンの下方の更なる領域、入口ゾーンであって、当該入口ゾーンに沿って前記搬送ベルトが前記検査ゾーンの前記搬送経路の上流側に延びる、入口ゾーン、及び/又は前記入口ゾーンの下方の更に他の領域は、動作状態におけるそのカバー位置にある更なるサイドカバー構成(84、83)によって側方で覆われるとともに、全体として、又は2つ以上の部分で、移動可能である、特に、前記ハウジングカバー(70)及び/又は前記サイドカバー(67)の前記回動軸と平行又は同一線上にある回動軸の周りで特に回動可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
作業位置において前記空間の下方に位置決め可能であり、前記空間に/前記空間を通じ落下する拒絶された物品を収容するための容器(76;78)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記容器が前記サイドカバー及び/又は前記ハウジングカバーに取り外し可能に取り付けられ、前記ハウジングの動きが特に前記容器(76)の取り付け位置で有効である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記搬送ベルトの搬送経路側と戻り経路側との間の空間を側方で覆う内側カバー(90)を有し、当該内側カバー(90)は、前記無端ベルトが前記内側カバー(90)に対して搬送方向を横断して相対的に移動されるときに前記無端ベルトの内部を通過するように寸法付けられる、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
特に搬送経路方向に延在するキャリアビーム(80)を備え、当該キャリアビームには、前記ハウジングカバー、前記サイドカバー、及び/又は前記更なるカバーの回動動作のためのヒンジ機構(67a、84a、83a)が取り付けられ、前記キャリアビームは、特に、前記内側カバーの下方及び前記搬送ベルトの前記戻り経路の下方の高さレベルに配置される、請求項4から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
ハウジングカバー(70)、サイドカバー(67)、及び/又は更なるサイドカバー(84、83)の前記回動動作のための前記ヒンジ機構(67a、83a、84a)の位置は、前記搬送ベルトの前記戻り経路の高さレベルからの垂直距離が1cmを超え、好ましくは2cmを超え、特に3cmを超え、及び/又は16cm未満、好ましくは12cm未満、特に8cm未満の位置である、請求項4から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記搬送ベルトの前記搬送経路の始端ローラ(21)及び/又は終端ローラを保持する保持機構(24)が、前記装置の動作状態のための保持位置から、ベルトをその側方へ取り外すために剥がすことができるようにする解放位置へと切り替え可能である、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
操作パネル(18)を備え、前記操作パネルが好ましくは前記選別側の側にある、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記検査機構(15)は、前記装置によって処理される物品のX線検査から成る又はX線検査を構成する、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査選別装置、特に、無端搬送ベルトを伴う搬送機構を支持する支持フレームを備える検査選別装置に関し、無端搬送ベルトは、搬送経路に沿って搬送ベルト上で搬送される物品が検査機構によって検査される検査ゾーンに沿って延びるとともに、拒絶されるべき物品が、選別機構により、搬送経路を横断する方向で搬送経路から選別側へと移動されることによって選別される選別ゾーンに沿って延び、装置の動作状態において、拒絶された物品が移動されて入る選別ゾーンの側方に並ぶ空間は、ハウジングカバーによって覆われるが、拒絶された物品が更に落下する又は重力によって滑り落ちることができるようにするべく選別ゾーン及び下側へと開放し、及び/又は、装置には、選別ゾーンの下方の領域を選別側から側方に覆うサイドカバーが設けられる。
【背景技術】
【0002】
当業者にはよく知られているように、検査及び選別は、とりわけ、食品又は医薬品のf.i.検査において、異物その他を回避するために食品又は医薬品が所定の条件に準拠しているかどうかをチェックするという観点から生じるタスクである。
【0003】
X線システムなどの放射線スキャナシステムが検査に使用される場合、カバーが迷放射線を含むX線放射線を遮蔽するように、装置を適切に覆う必要が更にある。このタスクは、拒絶された物品を物品の標準搬送経路から逸らし、拒絶されなかった物品に対して継続される選別メカニズムと競合する。すなわち、搬送経路及び搬送ベルトからそれぞれ出るためには、遮蔽カバーに開口が必要であり、そのような開口の背後の空間、すなわち、拒絶された物品がf.i.拒絶された物品を収集する拒絶容器へとたどる拒絶経路の少なくとも一部に沿った空間も保護される必要がある。
【0004】
このため、X線検査及び選別システムは、分離されたX線検査システムモジュールを伴うモジュール式ユニットとして実装されることが多く、X線検査システムモジュールは、それ自体が選別機構を有さず、選別ユニットが更に下流側に設けられる処理ラインに挿入され得る。しかしながら、検査と選別とが1つの装置内で行なわれ、その無端搬送ベルトが検査ゾーンと選別ゾーンの両方に沿って延在する非モジュール式システムもある。そのようなシステムは、WO2009/112852A1の文書に開示されるf.i.であり、このシステムでは、連続ベルトが検査ポイント及び拒絶ポイントを通過し、拒絶された物品物を収容するために容器が拒絶ポイントの位置に横に配置される。この文書は、更に、異物試験片及びIDゾーンを伴う積層カードの形態で、そのような装置の測定及び/又は監視機器に挑戦するように適合された試験サンプルに関する。
【0005】
EP3486640A1には、拒絶容器上端と拒絶容器下端との間に分離ギャップが設けられる放射線スキャナシステム及び選別システムが開示される。分離ギャップは、コンベヤベルトの搬送セクションがそこを通過できるようにし、コンベヤベルトループのたるみ戻りセクションが拒絶容器下端の周囲に通される。これにより、EP3486640A1は、装置の動作/作業位置において放射線スキャナシステムの筐体キャビネットの前面の残りの幅全体(拒絶容器が配置される選別ゾーンを除く)にわたって搬送方向に延びる1つの筐体ドアのみを取り外す又は開くことによって放射線スキャナシステムの筐体キャビネットからコンベヤベルトを取り出す問題を解決する。
【0006】
米国特許出願公開第2002/0060174(A1)号明細書は、ノズルから物品に吹き付けられるべき空気の流れを調整し、上記空気吹き込みによって物品を確実に選別できるようにするためのカバーを伴う特定のノズル構成を開示する。ここで、排出された物品のための選別カバーは斜めに配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2009/112852A1
【特許文献2】EP3486640A1
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0060174(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、最初に紹介した検査選別装置、すなわち、WO2009/112852A1に開示されているような、同一の無端搬送ベルトに沿って検査及び選別が行なわれる装置を改良しようとしており、信頼性、安全使用、及び使用しないときの装置の容易な取り扱いの組み合わせを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、最初に紹介した種類の検査選別装置の更なる発展を提供し、この装置は、ハウジングカバー及び/又はサイドカバーが、装置の動作/作業状態におけるカバー位置と、選別側からの選別ゾーン及び/又は上記領域への側方のアクセスを許可する解放位置との間で移動可能であることを本質的に特徴とする。
【0010】
上記解放位置では、移動されたハウジングカバー/サイドカバーが依然として装置に接続される場合、それにより、取り外し及び再取り付けが必要なく、より良好なアクセスが与えられ、装置内部のf.i.洗浄が可能になり、また、サイドカバーが移動されるとき、ベルトの取り外しのためのアクセス可能性もより良好となる一方で、未使用時の装置の取り扱いは、部品の追加の必要な移動に関してより多くの操作/取り扱いステップが必要になる場合でも、依然として快適である。一方、ハウジングカバー及び/又はサイドカバーは、装置の動作/作業状態ではカバー位置にあるので、選別ゾーンの領域にも十分な被覆/遮蔽が提供される。ここで、高さ方向に見られるように、選別ゾーンの位置での選別側の遮蔽は、好ましくは搬送ベルトの戻り経路の高さレベルまで、更にはそれを超えて下方に達している。
【0011】
具体的には、ハウジングカバー/サイドカバーを解放位置に置くことによってアクセスが提供された後、搬送ベルト全体は、解放位置にあるハウジングカバーの上方の高さレベルの取り外し経路に沿って取り外し可能である。
【0012】
好ましい実施形態では、ハウジングカバーとサイドカバーとが接続され、カバー位置と解放位置との間のそれらのカバーの動きがリンクされることが提供される。これにより、オペレータの1回の動作/操作のみで、選別ゾーン関連部分のベルト取り外しアクセスのために選別ゾーン以下へのアクセスが可能になる。
【0013】
更に好ましい実施形態では、搬送経路の方向に沿って見て、カバー位置と解放位置との間の動きが均一であることが提供される。更に、カバー位置と解放位置との間の動きは回動動作であることが好ましい。
【0014】
この目的のために、カバー位置から解放位置への回動動作を阻止/許容するための閉鎖/解放手段が設けられることも提供される。上記開放/解放手段は、装置の作動時にそれぞれのカバーをそのカバー位置にしっかりと固定する。
【0015】
更に好ましい実施形態では、回動動作の回動軸が搬送経路に沿った方向の主成分を有することが提供される。
【0016】
更により好ましい実施形態では、回動軸が、水平面内にあり、好ましくは搬送方向に配置される。これにより、選別ゾーンの下方の自由空間を利用することができ、特に、ハウジングカバー/サイドカバーが、回動動作中、搬送方向で見て、カバー位置にあるその最遠端部を超えて延在しないことが提供される。これにより、搬送経路の出口ゾーンの長さを追加することなく、装置を処理ラインに完全に組み込むことが可能になる。既に述べたように、サイドカバーの解放位置では、選別ゾーンの下方の搬送経路と戻り経路とによって形成されるストラップにアクセスできるようにすることが好ましい。つまり、搬送ベルトの上方の選別ゾーンへのアクセスが許可されるだけでなく、搬送ベルトの取り外し/交換を容易にするためのアクセスも許可される。
【0017】
更に好ましい実施形態では、検査ゾーン、検査ゾーンの下方の更なる領域、入口ゾーンであって、入口ゾーンに沿って搬送ベルトが検査ゾーンの搬送経路の上流側に延びる、入口ゾーン、及び/又は検査ゾーンの下方の更に他の領域が、作業状態におけるそのカバー位置にある更なるサイドカバー構成によって側方で覆われるとともに、全体として、又は2つ以上の部分で、移動可能である、特に、ハウジングカバー及び/又はサイドカバーの回動軸と平行又は同一線上にある回動軸の周りで特に回動可能である、
【0018】
一般に、上記更なるサイドカバーがハウジングに接続され、サイドカバーの動きがリンクされ得るようにすることもできるが、独立して移動可能なより多くのサイドカバー部分に分離することが好ましい。このようにして、回動式カバーf.i.間で異なる開放開度を持たせることも可能であり、検査ゾーンのカバーは、好ましくは最終的に水平面になるように、第1の開放開度を有することができる。上記水平面は、解放位置にあるときオペレータが机として使用することもできる。更に、入口ゾーン及び選別ゾーンの側のカバーパネルは、90°を超える、特に120°を超える、更に好ましくは145°を超える開放開度を提供することができる。これにより、作業員は入口ゾーン及び選別ゾーンの搬送ベルトに更に近づくことができる。この点に関して、搬送方向で見て、一方側の搬送ベルト戻り経路の高さレベルの支持フレームの下部とハウジングカバー/更なるサイドカバーとの間にそれらの開放位置で重なりがないことも好ましい。
【0019】
好ましくは、搬送経路の始点と終点、及び/又は入口ゾーンと検査ゾーンとの間、並びに検査ゾーンと選別ゾーンとの間において、遮蔽カーテンが設けられ、そのような遮蔽カーテンは、f.i.ゴム、又は酸化鉛やタングステンなどの放射線/遮断成分を含むゴム状の材料の垂直切り替えシートとして、例えばサンドイッチ状の積層体又は分散した形として構成され得る。遮蔽カーテン全体は1枚のシートから成り得るが、カーテンを通る放射線漏れを最小限に抑えるために、1枚のシートのスリットをもう1枚のシートのスリットに対してオフセットして、カーペットのペアシートなど、より多くのシートを使用することもできる。
【0020】
更に好ましい実施形態では、容器が設けられ、容器は、上記空間から落下する/上記空間を通る拒絶された物品を収容するために、作業位置において上記空間の下方に位置決め可能である。
【0021】
ハウジングカバーの(開口)下端の下方に置かれた単純な容器を発端として、拒絶された物品を収容するための幾つかの容器形態が考えられる。容器は、搬送のために転がされるべきローラを有してもよい。容器容器は、ハウジングカバー内に吊り下げ配置で位置されてもよい。そのような一実施形態では、容器がサイドカバー及び/又はハウジングカバーに取り外し可能に取り付けられ、ハウジングの動きが特に容器の取り付け位置で効果的であると考えられる。
【0022】
その後、選別ゾーン又は搬送ベルトが走行している場所の下方の領域にすばやくアクセスするには、容器を取り付けた場所に置いたままカバーハウジングを回動させるだけである。この点に関して、ハウジングカバーのフロントカバーの少なくとも一部は、例えば容器を解放して移動させるために開けることができ、f.i.ハウジングカバーの内外の位置からスライドして移動する。容器の可動性は、その閉位置では、フロントカバーの上記少なくとも開閉可能な部分によってブロックされる。
【0023】
更に好ましい実施形態では、搬送ベルトの搬送経路側と戻り経路側との間の空間を側方から覆う内側カバーを有することが提供され、内側カバーは、無端ベルトが内側カバーに対して搬送方向を横断して相対的に移動されるときに無端ベルトの内部を通過するように寸法付けられる。上記内側カバーによって、全ての可動カバーハウジング/カバーパネルがそれらの解放位置にある場合でも、搬送ベルトのループの内側の領域における装置の内部に対する保護が依然として提供される一方、上記内側カバーは、搬送ベルトの側方の取り外し/交換のための取り外し経路を阻止しない。
【0024】
更に好ましい実施形態では、装置は、特に搬送経路方向に延びるサポート/キャリアビームを備え、このビームには、ハウジングカバー、サイドカバー、及び/又は更なるカバーの回動動作のためのヒンジ機構が取り付けられ、上記キャリアは、特に、内側カバーの下方かつ搬送ベルトの戻り経路の下方の高さレベルに配置される。
【0025】
上記支持ビームは、特に一体品で作製することができ、これが好ましい。高さの位置決めに関して、ハウジングカバー、サイドカバー、及び/又は更なるサイドカバーの上記回動動作のためのヒンジ機構の位置は、搬送ベルトの戻り経路の高さレベルから垂直距離が1cmを超え、好ましくは2cmを超え、特に3cmを超え、及び/又は16cm未満、好ましくは12cm未満、特に8cm未満の位置である。これにより、解放位置におけるカバーパネル/カバーハウジングの位置決め、搬送ベルトを横方向に取り外すためのスペース、及びサイドカバーパネル/ハウジングカバーの全体寸法に関して、好ましい寸法相互関係が得られる。
【0026】
搬送ベルトは、駆動モータを含む駆動機構によって既知の態様で駆動される。例えば、そのような駆動モータは、搬送経路の選別側端部の駆動端ローラに隣接してその下方に配置することができる。更に、搬送ベルトの搬送経路の始端ローラ及び/又は終端ローラを保持する保持機構が、装置の作業状態のための保持位置から、ベルトをその側方へ取り外すために剥がすことができるようにする解放位置へと切り替え可能である
【0027】
例えば、上記ローラの1つは、ベルトの張力を減少させた状態で、或いはベルトの張力を全くかけずに搬送ベルトを取り外すことができるように、装置の作業/動作状態の位置から張力解放位置に移動させることができる。特に、2つの保持アームが搬送方向及び重力に対して直交する軸の周りに回動可能に配置され、上記アームは自由端でローラを保持する。
【0028】
装置は、幾つかの安全手段f.i.、検査機構のX線発生器とそれらの可動カバー要素(パネル、ハウジング)との間の電気的インターロックを有してもよく、これにより、これらの可動カバー要素の1つが装置の作業/動作状態のカバー位置にない場合、X線発生器への電力が自動的に遮断される。
【0029】
好ましい実施形態では、装置は操作パネルを備え、上記操作パネルは選別側の側にあることが好ましい。そのようなオペレータパネルには、タッチスクリーン、更にはマルチタッチスクリーン、及び/又は緊急停止ボタンの形態の入力手段f.i.も含めた幾つかの操作機能を設けることができる。オペレータ側は選別側と一致し、つまり、操作パネルが配置されている側方の側が選別であることが好ましい。これにより、装置を処理ラインに挿入する際の汎用性が高まる。
【0030】
ハウジングカバー/容器の配置によってもたらされる利点は、放射線スキャナシステム、特にX線スキャナなどの最高レベルの遮蔽を必要とする検査機構にとって好ましい。しかしながら、光学検査や、検査ゾーンとして計量ゾーンに計量ユニットを有することで重量検査など、他の種類の検査にも有益である。しかしながら、好ましい検査機構は、放射線走査技術、特にX線検査技術から成る、又はそれを備える。遮蔽を必要としない検査技術の場合、遮蔽ハウジングカバーやサイドカバーの代わりにフレーム部品を使用できる。
【0031】
上記から、より良好なアクセスを可能にするためのハウジングカバー/容器の配置も選別機構の特定の技術とは無関係であり、機械的な押し込みやエアブラスト、拒絶された物品の向きを変えるために搬送経路内に回動/移動する分岐要素などを含めて、当技術分野で使用される任意の種類の選別機構をここで使用することができることも認識できる。更に、当技術分野で使用されているように、リアルタイムで検査の即時結果を与える評価ソフトウェアを備えた装置を制御して、物品が拒絶されるどうかを示す信号を生成することが提供され、上記信号は、当技術分野で一般に知られているように、拒絶された物品が選別ゾーン内の適切な拒絶ポイントを通過するときに、拒絶動作を与えるために、選別機構のアクチュエータによってタイムリーに受信される。
【0032】
本発明の更なる特徴、詳細及び利点は、添付図面に関連する後続の明細書で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】検査選別装置の作業状態を正面側から見た斜視図である。
図2】非作業状態の図1の装置を示す図である。
図3】搬送ベルトの取り外しを示す斜視図である。
図4】搬送ベルトの搬送方向と反対の方向から見た搬送ベルトの取り外しを示す図である。
図5A】ベルトの張力を緩和するためのローラの2つの位置の一方を示す図である。
図5B】ベルトの張力を緩和するためのローラの2つの位置の他方を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1に示される検査選別装置100は、高さ調節可能な脚12の上に立つ支持フレーム10を備える。支持フレーム10によって支持されるのは、無端コンベヤベルト20を備える搬送機構である。コンベヤベルト20の上側は搬送面及び搬送経路を画定し、搬送面及び搬送経路に沿って、図1において、左から右に、検査選別されるべき物品(図示せず)が搬送される。搬送ベルト20の延在部に関してほぼ中央に検査ユニット15がある。この実施形態では、検査ユニット15はX線検査ユニットであり、それ自体は当業者には公知であるため、ここでは、検査態様に関してこれ以上説明しない。
【0035】
検査及び選別されるべき物品は、第1の(遮蔽)カーテン31(図2)を通過して、第1のカバーパネル83によって前側が覆われた搬送経路の開始部分としての入口ゾーン30に入ることで装置100に入る。搬送方向の更に下流側で、物品は第2のカーテン34を通過して、第2のカバーパネル84で覆われた検査ゾーン40(図2)に入り、そこで物品は検査ユニット15によってX線検査される。検査後、物品は、第3のカーテン45を通過して選別ゾーン50に到達する(図2)。X線検査に合格した物品は、第4のカーテン51を通過して装置100から出て、後続の処理f.i.、別の搬送ベルトに引き渡される。
【0036】
X線検査に合格しなかった物品(以下、拒絶された物品)は、図示しない選別機構により選別され、この選別は、図示の実施形態ではエアブラストにより実施される。当技術分野で一般に知られているように、選別機構の機能は、拒絶された物品が搬送方向で選別ゾーン50から出ないが、選別側へ、図1、2においては手前側(それぞれ搬送方向に見て右側)に偏向されるように、搬送経路の外に拒絶された物品を逸らせることである。したがって、拒絶された物品は、(開口65を除いて)選別ゾーン50を側方から覆う第3のパネル60の開口65を通って移動される。これにより、拒絶された物品は、ハウジングカバー70によって覆われる選別ゾーン50の横のスペースに入る。図1から分かるように、ハウジングカバー70は、トップカバー75、側方カバー72及び73を有し、選別側に向かって、第1の上側部分74及び第2の下側部分71を伴うフロントカバーを有し、フロントカバーは、この実施形態ではハウジングカバー70内に吊り下げられるように構成される容器76を取り外して空にし、再び挿入できるように回動可能にヒンジで固定される。
【0037】
図1から分かるように、検査ユニット15の操作パネル18は選別側にも向いており、つまり、装置100は、操作側である正面側と、操作側と対比するものである(選別側である)拒絶された物品の選別側とを有する。
【0038】
更に、図1から分かるように、作業状態/形態では、当業者が慣れている方法で、装置から出る迷走X線を避けるために、装置はほぼ完全に覆われる。前方では、上記被覆は、ハウジングカバー70が固定的に取り付けられる第1のカバーパネル83、第2のカバーパネル84、及び第3のカバーパネル60によって達成される。
【0039】
その内部(拒絶された物品が移動して重力によって容器76に落下する空間である)を収容するハウジングカバー70が、選別ゾーン50を側方から覆う装置100に取り付けられているにもかかわらず、ハウジングカバー70を取り外すことなく選別ゾーン50へのアクセスは可能である。これは、ハウジングカバー70を図1に示す作業状態の作業位置から図2に示す回動解放位置まで回動させることができ、上記側方のアクセスを可能にするためである。
【0040】
この目的のために、支持フレーム10は、この実施形態では挿入ゾーン30、検査ゾーン40及び選別ゾーン50に沿って搬送方向に延びる長手方向のキャリアビーム80を支持する。選別ゾーン50の位置にはヒンジ機構67aが設けられ、このヒンジ機構67aは、キャリアビーム80を第3のカバーパネル60の下側部分67にヒンジ結合する。キャリアビーム80は高さ方向にあり、搬送ベルト20の下側の位置より下方に配置されているので(搬送ベルト20の戻り経路を画定する)、搬送面付近まで延びる上記下側部分67aは、選別ゾーンの下方の領域を選別側から側方に覆うサイドカバーである。
【0041】
上記長手キャリアビーム80上には、検査ゾーン40の位置(搬送方向)にヒンジ機構84aが更に設けられ、このヒンジ機構84aは第2のカバーパネル84をヒンジ結合し、更に入口ゾーン30の位置にヒンジ機構83aが設けられ、このヒンジ機構83aは第1のカバーパネル83をヒンジ結合する。図2から分かるように、カバーパネル83及び84が開かれ、ヒンジ構成67aによって規定される回動軸X周りの回動によってハウジングカバー70全体も開かれると、入口ゾーン30、検査ゾーン40及び選別ゾーン50の側方のアクセス全体が存在する。更に、搬送ベルト20の高さレベルを基準としたヒンジ機構67aの前述した配置に起因して、搬送ベルト20をその保持ローラ(搬送経路の挿入部の上側保持ローラ21、搬送経路の終端側の上側保持ローラ22)から剥がすのに十分なアクセスができる。すなわち、覆われる態様で拒絶容器76を装置100に結合するためのカバーハウジング70は、ベルトの取り外し/交換のために取り外される必要すらない。これは、図3及び図4から最もよく分かる。ベルト20は、幅方向(両搬送方向に直交する幅方向及び高さ方向)に直交する無端ベルト20の内部の実質的に変化しない領域で均一に取り外すことができる。
【0042】
作業状態よりも低い張力でベルト20を外すために、ローラ21は回動可能な保持アーム24を介して図2において反時計方向に回動可能である。この目的のために、解放レバー26が作動されて、図5Aに示されるアーム24の作業位置から図5Bに示される位置に回転してベルト20の張力を減少させることができる。上記レバー26は、工具不要で手だけで作動できる。
【0043】
図1及び図2の実施形態から分かるように、ハウジングカバー70をその作業状態から解放状態にするための回動動作は、容器76をハウジングカバー70から取り外さなくても実行することができる。その後(図2)、ハウジングカバー70の解放位置は、第3のカバーパネル60の平面が実質的に水平になるようなものである。ハウジングカバー70を回動させる前に容器76が取り外される場合、必要に応じて、選別ゾーン50の位置により多くの側方空間を提供するなど、回動動作は90°を大幅に超えて継続することができる。図3から更に分かるように、吊り下げ配置のための容器76の結合は、ローラ脚78aを有する図3に示す容器78のように、床に立つ容器用に変更することもできる。容器78は、そのフロントドアを開放することによって空にすることができf.i.、ハウジングカバー70の下方の作業位置にある第1の部分を有する。容器78は、重力の方向に見て、選別ゾーン50又はその一部の下方に配置される第2の部分78bを更に有する。
【0044】
更に図2で最もよく分かるように、第1のカバーパネル83及び支持フレーム10は搬送方向に重なり合わない。また、搬送方向において支持フレーム10とハウジングカバー70との間に重なりはなく、一方、支持フレームは検査ゾーン40を越えて幅方向で側方に延びる。
【0045】
搬送ベルト20の上側(搬送)と下側(戻り経路)との間の空間は、カバーパネル83、84及びハウジングカバー70の解放位置においても保護パネル90によって保護される。ゾーン30、40、50に対応する保護パネル90のそれぞれのセクション93、94、95は、この実施形態では連続的であるが、幾つかの独立した部分の形態であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 支持フレーム
12 脚
15 検査ユニット
18 操作パネル
20 搬送ベルト
21、22 ローラ
24 アーム
26 レバー
30 入口ゾーン
31、34、45、51 カーテン
40 検査ゾーン
50 選別ゾーン
60、63、84 パネル
67 サイドカバー
67a、83a、84a ヒンジ機構
70 ハウジングカバー
71 下側トップサイドカバー
72、73 サイドカバー
74 上側サイドカバー
75 トップサイドカバー
76、78 容器
78a ローラ
78b 容器部分
80 キャリアビーム
90 内側カバー
93、94、95 内側カバー部分
100 検査選別装置
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
【外国語明細書】