(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108153
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】少なくとも2つの電界効果トランジスタを有する処理装置を使って入力量を処理するための方法、この方法を実行するための装置、計算機構、および使用
(51)【国際特許分類】
H03K 19/185 20060101AFI20240802BHJP
G06F 7/523 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H03K19/185
G06F7/523
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024010740
(22)【出願日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】10 2023 200 723.1
(32)【優先日】2023-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】タハ・ソリマン
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・キルヒナー
(57)【要約】
【課題】少なくとも2つの電界効果トランジスタを有する処理装置を使って入力量を処理するための方法、この方法を実行するための装置、計算機構、および使用を提供すること。
【解決手段】少なくとも2つの電界効果トランジスタ、例えば強誘電体電界効果トランジスタを有する処理装置を使って入力量を処理するための方法であって、この少なくとも2つの電界効果トランジスタの負荷区間がそれぞれ第1の回路節点と接続されており、この方法が、第1の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量の特徴をなしている第1の制御信号を、第1の電界効果トランジスタのゲート電極に印加するステップ、第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量の特徴をなしている第2の制御信号を、第2の電界効果トランジスタのゲート電極に印加するステップを有し、この第1の制御信号および/または第2の制御信号の少なくとも1つが、少なくとも一時的に、一定でない振幅を有する、方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの電界効果トランジスタ(110-1、110-2、...)、例えば強誘電体電界効果トランジスタを有する処理装置(100;100a)を使って入力量を処理するための方法であって、前記少なくとも2つの電界効果トランジスタ(110-1、110-2、...)の負荷区間(110-1-LS、110-2-LS)がそれぞれ第1の回路節点(N-1)と接続されており、前記方法が、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた第1の入力量(110-1-E1)の特徴をなしている第1の制御信号(AS-1)を、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)のゲート電極(110-1a)に印加(200)するステップ、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた第1の入力量(110-2-E1)の特徴をなしている第2の制御信号(AS-2)を、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)のゲート電極(110-2a)に印加(202)するステップを有し、前記第1の制御信号(AS-1)および/または前記第2の制御信号(AS-2)の少なくとも1つが、少なくとも一時的に、一定でない振幅を有する、方法。
【請求項2】
前記第1の回路節点(N-1)と関連付けられた合計電流(I-N1)の経時的推移の特徴をなしている第1の量(G1)に基づいて出力量(A-1)を確定(204)するステップを有し、前記出力量(A-1)が、例えば少なくとも、前記第1の制御信号(AS-1)および前記第2の制御信号(AS-2)に基づいて生成可能なおよび/または生成された合計の特徴をなしている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記確定(204)が、
a)例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器(10a)を使った、前記合計電流(I-N1)の例えば第1のデジタル量(DG1)への変換(204a)、
b)例えば前記合計電流(I-N1)でコンデンサ(12)を充電することによる、前記合計電流(I-N1)の、第1の電圧(U-1)への変換(204b)、および例えば電圧ベースのアナログ/デジタル変換器(10b)を使った、前記第1の電圧(U-1)の例えば第2のデジタル量(DG2)への変換(204c)、
の少なくとも1つを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
a)前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた第2の入力量(110-1-E2)の特徴をなしている第1の閾値電圧(Vth-1)をもつ前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の提供(210)、
b)前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた第2の入力量(110-2-E2)の特徴をなしている第2の閾値電圧(Vth-2)をもつ前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)の提供(212)、
c)例えば任意選択のプログラミング機構(14)を使った、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の前記第1の閾値電圧(Vth-1)のプログラミング、例えば再プログラミング(214;a3)、
d)例えば前記任意選択のプログラミング機構(14)を使った、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)の前記第2の閾値電圧(Vth-2)のプログラミング、例えば再プログラミング(216;a3)、
の少なくとも1つを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも2つの電界効果トランジスタ(110-1、110-2、...)の少なくとも1つが、その負荷区間(110-1-LS、110-2-LS)を通る電流を制限するためのそれぞれの電流制限機能(SBF-1、SBF-2)を有し、前記電流制限機能(SBF-1、SBF-2)が、
a)例えば前記負荷区間(110-1-LS、110-2-LS)を通る最大設定可能電流が上回られないような、ゲート電圧の調整、
b)前記負荷区間(110-1-LS、110-2-LS)に直列する電流制限要素、例えば抵抗(R-1、R-2、R-3;R-1’、R-2’、R-3’)または抵抗として構成されたトランジスタ(SBT-1、SBT-2)、例えば電界効果トランジスタ、
の少なくとも1つによって実装される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の制御信号(AS-1)および/または前記第2の制御信号(AS-2)の少なくとも1つが、少なくとも一時的に、以下の経時的推移、すなわちa)階段形、例えば上昇する階段形(TF)(前記階段形(TF)は例えば
a1)段幅(SB)、
a2)段高さ(SH)、
a3)例えば基準時点(t0)に対する時間的ずれ(ZV)、の少なくとも1つによって特徴づけ可能、b)上昇、例えば単調な上昇(MSV)、
の少なくとも1つを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の制御信号(AS-1)の前記階段形(TF)に対して第1の段幅(SB-1)を設定(220)、例えば使用するステップ、前記第2の制御信号(AS-2)の前記階段形(TF)に対して第2の段幅(SB-2)を設定(222)、例えば使用するステップを有し、その際、前記第1の段幅(SB-1)の前記設定(220)が、例えば、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた前記第1の入力量(110-1-E1)をベースとして前記第1の段幅(SB-1)を設定(220a)するステップを有し、前記第2の段幅(SB-2)の前記設定(222)が、例えば、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた前記第1の入力量(110-2-E1)をベースとして前記第2の段幅(SB-2)を設定(222a)するステップを有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
a)前記第1の制御信号(AS-1)による前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の前記ゲート電極(110-1a)の前記印加(200)に関する、例えば基準時点(t0)に対する第1の時間的ずれ(ZV-1)の設定(230)、例えば使用(これに関し、前記第1の時間的ずれ(ZV-1)の前記設定(230)は、例えば、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた前記第1の入力量(110-1-E1)をベースとして前記第1の時間的ずれ(ZV-1)を設定(230a)するステップを有する)、
b)前記第2の制御信号(AS-2)による前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)の前記ゲート電極(110-2a)の前記印加(202)に関する、例えば前記基準時点(t0)に対する第2の時間的ずれ(ZV-2)の設定(232)、例えば使用(これに関し、前記第2の時間的ずれ(ZV-2)の前記設定(232)は、例えば、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた前記第1の入力量(110-2-E1)をベースとして前記第2の時間的ずれ(ZV-2)を設定(232a)するステップを有する)、
の少なくとも1つを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
当該の前記第1および/または第2の電界効果トランジスタ(110-1、110-2)と関連付けられた前記第1の入力量(110-1-E1、110-2-E1)が、設定可能な最小値、例えばゼロの値より小さな値を有する場合に、前記第1の制御信号(AS-1)および/または前記第2の制御信号(AS-2)の少なくとも1つに対して第1の振幅値(AW-1)を設定(240)、例えば使用(242)するステップを有し、前記第1の振幅値(AW-1)が、当該の前記第1および/または第2の電界効果トランジスタ(110-1、110-2)の閾値電圧、例えば最小限の閾値電圧(Vth3)より、例えば設定可能な程度だけ小さい、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の制御信号(AS-1)の前記上昇する経時的推移に対して第1の勾配(STG-1)を設定(250)、例えば使用するステップ、前記第2の制御信号(AS-2)の前記上昇する経時的推移に対して第2の勾配(STG-2)を設定(252)、例えば使用するステップを有し、これに関し、前記第1の勾配(STG-1)の前記設定(250)が、例えば、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた前記第1の入力量(110-1-E1)をベースとして前記第1の勾配(STG-1)を設定(250a)するステップを有し、前記第2の勾配(STG-2)の前記設定(252)が、例えば、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた前記第1の入力量(110-2-E1)をベースとして前記第2の勾配(STG-2)を設定(252a)するステップを有する、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
a)例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する例えば第1の電流制限要素(SBE-1)を使った、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の前記負荷区間(110-1-LS)を通る第1の電流(I-1)の少なくとも一時的な制限(260)(これに関し、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の前記負荷区間(110-1-LS)を通る前記第1の電流(I-1)の前記制限(260)は、例えば、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた前記第1の入力量(110-1-E1)をベースとして前記第1の電流(I-1)を制限(260a)するステップを有する)、
b)例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する例えば第2の電流制限要素(SBE-2)を使った、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)の前記負荷区間(110-2-LS)を通る第2の電流(I-2)の少なくとも一時的な制限(262)(これに関し、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)の前記負荷区間(110-2-LS)を通る前記第2の電流(I-2)の前記制限(262)は、例えば、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた前記第1の入力量(110-2-E1)をベースとして前記第2の電流(I-2)を制限(262a)するステップを有する)、
の少なくとも1つを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の制御信号(AS-1)の前記階段形(TF)に対し、経時的に対数的に変化する、例えば増大する第1の対数的な段幅(SB-LOG-1)を設定(270)、例えば使用するステップ、前記第2の制御信号(AS-2)の前記階段形(TF)に対し、経時的に対数的に変化する、例えば増大する第2の対数的な段幅(SB-LOG-2)を設定(272)、例えば使用するステップを有し、その際、前記第1の対数的な段幅(SB-LOG-1)の前記設定(270)が、例えば、前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた前記第1の入力量(110-1-E1)をベースとして前記第1の対数的な段幅(SB-LOG-1)を設定(270a)するステップを有し、前記第2の対数的な段幅(SB-LOG-2)の前記設定(272)が、例えば、前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた前記第1の入力量(110-2-E1)をベースとして前記第2の対数的な段幅(SB-LOG-2)を設定(272a)するステップを有する、請求項6~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記処理装置(100;100a)が、前記少なくとも2つの電界効果トランジスタ(110-1、110-2、...)より多くの電界効果トランジスタ(110-1、110-2、110-3、...)を有し、この場合、請求項1~12のいずれか一項の、少なくともかなりの態様が、前記2つより多くの電界効果トランジスタ(110-1、110-2、...)の少なくともかなりの電界効果トランジスタ(110-3、...)に適用(282)される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
基準時点(t0)に、前記第1の制御信号(AS-1)による前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の前記ゲート電極(110-1a)の前記印加(200)および前記第2の制御信号(AS-2)による前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)の前記ゲート電極(110-2a)の前記印加(202)を開始(290)するステップ、設定可能な期間(ZD)後に前記出力量(A-1)を確定(292)するステップを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の方法を実行するための装置(1000)。
【請求項16】
少なくとも2つの電界効果トランジスタ(110-1、110-2、...)、例えば強誘電体電界効果トランジスタを有する処理装置(100;100a)を有し、前記処理装置(100;100a)が、例えば、n個(n>1)の電界効果トランジスタ、例えば強誘電体電界効果トランジスタを有する、請求項15に記載の装置(1000)。
【請求項17】
少なくとも1つのアナログ/デジタル変換器(10a、10b)、例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器(10a)および/または電圧ベースのアナログ/デジタル変換器(10b)を有する、請求項15または16に記載の装置(1000)。
【請求項18】
前記合計電流(I-N1)を使って少なくとも一時的に充電可能な少なくとも1つのコンデンサ(12)を有する、請求項2~14のいずれか一項に関連する請求項15~17のいずれか一項に記載の装置(1000)。
【請求項19】
前記コンデンサ(12)を少なくとも一時的に放電させるための放電機構(13)を有する、請求項18に記載の装置(1000)。
【請求項20】
a)前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の第1の閾値電圧(Vth-1)、
b)前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)の第2の閾値電圧(Vth-2)、
の少なくとも1つをプログラミング、例えば再プログラミング(214;216;a3)するためのプログラミング機構(14)を有する、請求項2~14のいずれか一項に関連する請求項15~19のいずれか一項に記載の装置(1000)。
【請求項21】
a)前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の前記負荷区間(110-1-LS)を通る第1の電流(I-1)を少なくとも一時的に制限(260)するための、例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する第1の電流制限要素(SBE-1)、
b)前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)の前記負荷区間(110-2-LS)を通る第2の電流(I-2)を少なくとも一時的に制限(262)するための、例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する第2の電流制限要素(SBE-2)、
の少なくとも1つを有する、請求項15~20のいずれか一項に記載の装置(1000)。
【請求項22】
a)前記第1の電流制限要素(SBE-1)が、例えば前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた前記第1の入力量(110-1-E1)をベースとして、前記第1の電流(I-1)を、経時的に一定でなく、例えば可変に制限(260)するために形成されており、かつ/または
b)前記第2の電流制限要素(SBE-2)が、例えば前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた前記第1の入力量(110-2-E1)をベースとして、前記第2の電流(I-2)を、経時的に一定でなく、例えば可変に制限(262)するために形成されている、
請求項21に記載の装置(1000)。
【請求項23】
少なくとも一時的に以下の要素、
a)前記第1の制御信号(AS-1)、
b)前記第2の制御信号(AS-2)、
の少なくとも1つを提供するために形成された少なくとも1つの制御機構(16)を有し、
前記制御機構(16)が、例えば、少なくとも一時的に
c1)前記第1の制御信号(AS-1)を前記第1の電界効果トランジスタ(110-1)の前記ゲート電極(110-1a)に印加(200)するために、および/または
c2)前記第2の制御信号(AS-2)を前記第2の電界効果トランジスタ(110-2)の前記ゲート電極(110-2a)に印加(202)するために
形成されている、請求項15~20のいずれか一項に記載の装置(1000)。
【請求項24】
a)前記装置(1000)の少なくとも1つのコンポーネントのコントロール、
b)請求項1~14のいずれか一項に記載の方法の少なくとも1つの態様の実行、
の少なくとも1つを実行するために形成されたコントロール機構(300)を有する、請求項15~23のいずれか一項に記載の装置(1000)。
【請求項25】
請求項15~24のいずれか一項に記載の少なくとも1つの装置(1000)を有する計算機構、例えばベクトル行列乗算機構(VMM)。
【請求項26】
a)例えばそれぞれ複数ビットを有し得る例えば重みおよび/または入力量を用いたCompute-in-Memory法の実行(401)、
b)人工ニューラルネットワーク(402)、例えば人工ディープニューラルネットワーク、
c)画像処理(403)、
d)計算の効率的な実行(404)、
e)計算の実行に関する効率の向上(405)、
f)自動運転(406)、
g)機械学習(407)、例えば推論(408)、
の少なくとも1つのための、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法および/または請求項15~24のいずれか一項に記載の装置(1000)および/または請求項25に記載の計算機構(VMM)の使用(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少なくとも2つの電界効果トランジスタを有する処理装置を使って入力量を処理するための方法に関する。
本開示はさらに、少なくとも2つの電界効果トランジスタを有する処理装置を使って入力量を処理するための方法を実行するための装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
例示的な実施形態は、少なくとも2つの電界効果トランジスタ(FET)、例えば強誘電体電界効果トランジスタ(FeFET)を有する処理装置を使って入力量を処理するための方法に関し、この少なくとも2つの電界効果トランジスタの負荷区間(ドレイン・ソース区間)はそれぞれ第1の回路節点と接続されており、この方法は、第1の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量の特徴をなしている第1の制御信号を、第1の電界効果トランジスタのゲート電極に印加するステップ、第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量の特徴をなしている第2の制御信号を、第2の電界効果トランジスタのゲート電極に印加するステップを有し、この第1の制御信号および/または第2の制御信号の少なくとも1つは、少なくとも一時的に、一定でない振幅を有する。言い換えれば、さらなる例示的な実施形態では、第1の制御信号および/または第2の制御信号が、少なくとも一時的に、一定でない振幅を有する。さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の入力量をベースとする計算が、電界効果トランジスタを使用して、つまり例えばハードウェアベースで実行され得る。
【0003】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、第1の回路節点と関連付けられた合計電流の経時的推移の特徴をなしている第1の量に基づいて出力量を確定するステップを有し、この出力量は、例えば少なくとも、第1の制御信号および第2の制御信号に基づいて生成可能なおよび/または生成された合計の特徴をなしている。
【0004】
さらなる例示的な実施形態では、確定は、以下の要素、すなわちa)例えば合計電流を入力量として取得して合計電流を第1のデジタル量に変換する例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器を使った、合計電流の例えば第1のデジタル(時間離散型および/または値離散型)量への変換、b)例えば合計電流でコンデンサを充電することによる、合計電流の、第1の電圧への変換、および例えば電圧ベースのアナログ/デジタル変換器を使った、第1の電圧の例えば第2のデジタル量への変換、の少なくとも1つを有する。
【0005】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、以下の要素、すなわちa)第1の電界効果トランジスタと関連付けられた第2の入力量の特徴をなしている第1の閾値電圧をもつ第1の電界効果トランジスタの提供、b)第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第2の入力量の特徴をなしている第2の閾値電圧をもつ第2の電界効果トランジスタの提供、c)例えば任意選択のプログラミング機構を使った、(例えば第1の電界効果トランジスタをFeFETとして形成する場合の)第1の電界効果トランジスタの第1の閾値電圧のプログラミング、例えば再プログラミング、d)例えば任意選択のプログラミング機構を使った、(例えば第2の電界効果トランジスタをFeFETとして形成する場合の)第2の電界効果トランジスタの第2の閾値電圧のプログラミング、例えば再プログラミング、の少なくとも1つを有する。
【0006】
さらなる例示的な実施形態では、少なくとも2つの電界効果トランジスタの少なくとも1つが、その負荷区間を通る電流を制限するためのそれぞれの電流制限機能を有し、この電流制限機能は、以下の要素、すなわちa)例えば負荷区間を通る最大設定可能電流が上回られないような、ゲート電圧の調整、b)負荷区間に直列する(例えばドレイン電極および/またはソース電極に接続された)電流制限要素、例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタ、の少なくとも1つによって実装されている。
【0007】
さらなる例示的な実施形態では、第1の制御信号および/または第2の制御信号の少なくとも1つが、少なくとも一時的に、以下の経時的推移、すなわちa)階段形、例えば上昇する階段形(この階段形は例えば以下の要素、すなわちa1)段幅、a2)段高さ、a3)例えば基準時点に対する時間的ずれ、の少なくとも1つによって特徴づけ可能、b)上昇、例えば単調な上昇、の少なくとも1つを有する。さらなる例示的な実施形態では、制御信号の少なくとも1つが、一定でない例えば経時的に変化する段幅および/または段高さを有してもよい。
【0008】
言い換えれば、さらなる例示的な実施形態では、第1の制御信号および/または第2の制御信号の少なくとも1つに対し、少なくとも一時的に、例えば階段形の代わりに、線形軌道を有する、例えば少なくとも時間平均では単調な上昇を有する経時的推移が使用され得る。
【0009】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、第1の制御信号の階段形に対して第1の段幅を設定、例えば使用するステップ、第2の制御信号の階段形に対して第2の段幅を設定、例えば使用するステップを有し、その際、第1の段幅の設定は、例えば、第1の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第1の段幅を設定するステップを有し、第2の段幅の設定は、例えば、第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第2の段幅を設定するステップを有する。さらなる例示的な実施形態では、第1の段幅は第2の段幅と相違する。さらなる例示的な実施形態では、第1の段幅は第2の段幅と同じである。
【0010】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、以下の要素、すなわちa)第1の制御信号による第1の電界効果トランジスタのゲート電極の印加に関する、例えば基準時点(例えば測定の開始時点)に対する第1の時間的ずれの設定、例えば使用(これに関し、第1の時間的ずれの設定は、例えば、第1の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第1の時間的ずれを設定するステップを有する)、b)第2の制御信号による第2の電界効果トランジスタのゲート電極の印加に関する、例えば基準時点に対する第2の時間的ずれの設定、例えば使用(これに関し、第2の時間的ずれの設定は、例えば、第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第2の時間的ずれを設定するステップを有する)、の少なくとも1つを有する。さらなる例示的な実施形態では、第1の時間的ずれは第2の時間的ずれと相違する。さらなる例示的な実施形態では、第1の時間的ずれは第2の時間的ずれと同じである。
【0011】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、当該の第1および/または第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量が、設定可能な最小値、例えばゼロの値より小さな値を有する場合に、第1の制御信号および/または第2の制御信号の少なくとも1つに対して第1の振幅値を設定、例えば使用するステップを有し、この第1の振幅値は、当該の第1および/または第2の電界効果トランジスタの閾値電圧、例えば最小限の閾値電圧より、例えば設定可能な程度だけ小さい。これにより、さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の入力量が値ゼロを有する場合のリーク電流が減少し得る。さらなる例示的な実施形態では、第1の振幅値は例えば負であってもよい。
【0012】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、第1の制御信号の上昇する経時的推移に対して第1の勾配を設定、例えば使用するステップ、第2の制御信号の上昇する経時的推移に対して第2の勾配を設定、例えば使用するステップを有し、これに関し、第1の勾配の設定は、例えば、第1の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第1の勾配を設定するステップを有し、第2の勾配の設定は、例えば、第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第2の勾配を設定するステップを有する。さらなる例示的な実施形態では、第1の勾配は第2の勾配と相違する。さらなる例示的な実施形態では、第1の勾配は第2の勾配と同じである。
【0013】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、以下の要素、すなわちa)例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する例えば第1の電流制限要素を使った、第1の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第1の電流の少なくとも一時的な制限(これに関し、第1の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第1の電流の制限は、例えば、第1の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第1の電流を制限するステップを有する)、b)例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する例えば第2の電流制限要素を使った、第2の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第2の電流の少なくとも一時的な制限(これに関し、第2の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第2の電流の制限は、例えば、第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第2の電流を制限するステップを有する)、の少なくとも1つを有する。
【0014】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、第1の制御信号の階段形に対し、経時的に対数的に変化する、例えば増大する第1の対数的な段幅を設定、例えば使用するステップ、第2の制御信号の階段形に対し、経時的に対数的に変化する、例えば増大する第2の対数的な段幅を設定、例えば使用するステップを有し、その際、第1の対数的な段幅の設定は、例えば、第1の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第1の対数的な段幅を設定するステップを有し、第2の対数的な段幅の設定は、例えば、第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして第2の対数的な段幅を設定するステップを有する。
【0015】
さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の制御信号および/または第2の(または場合によってはさらなる)制御信号の少なくとも1つに関し、例えば段高さを変えて、例えば段幅は維持することもできる。
【0016】
さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の制御信号および/または第2の(または場合によってはさらなる)制御信号の少なくとも1つに関し、例えば段高さを変えて、例えば段幅も変えることもできる。
【0017】
さらなる例示的な実施形態では、処理装置は、少なくとも2つの電界効果トランジスタより多くの電界効果トランジスタを有し、この場合、上記実施形態の少なくとも1つの、少なくともかなりの態様が、2つより多くの電界効果トランジスタの少なくともかなりの電界効果トランジスタに適用される。言い換えれば、これらの実施形態に基づく原理は、さらなる例示的な実施形態では、2つより多くの電界効果トランジスタにも適用可能である。さらなる例示的な実施形態では、複数の電界効果トランジスタの少なくともかなりの数が、FeFETとして形成されている。
【0018】
さらなる例示的な実施形態では、本方法は、基準時点に、第1の制御信号による第1の電界効果トランジスタのゲート電極の印加および第2の制御信号による第2の電界効果トランジスタのゲート電極の印加を開始するステップ、設定可能な期間後に出力量を確定するステップを有する。さらなる例示的な実施形態では、設定可能な期間中ずっと、例えば合計電流またはそれを基に(例えば上で既に説明した合計電流でコンデンサを充電することによって)導出可能な電圧を評価することができ、その際、個々の電界効果トランジスタはそれぞれ合計電流への経時的寄与を果たしており、この経時的寄与は、それぞれの第1および/または第2の入力量をベースとしている。
【0019】
さらなる例示的な実施形態は、実施形態に基づく方法を実行するための装置に関する。
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、少なくとも2つの電界効果トランジスタ、例えば強誘電体電界効果トランジスタを有する処理装置を有し、この処理装置は、例えば、n個(n>1)の電界効果トランジスタ、例えば強誘電体電界効果トランジスタを有する。かなりの例示的な実施形態では、n>10またはn>100またはそれ以上が当てはまり得る。
【0020】
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、少なくとも1つのアナログ/デジタル変換器、例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器および/または電圧ベースのアナログ/デジタル変換器を有する。
【0021】
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、合計電流を使って少なくとも一時的に充電可能な少なくとも1つのコンデンサを有する。さらなる例示的な実施形態では、コンデンサが、個々の電界効果トランジスタの例えば経時的に変化する電流寄与を蓄え、例えば積分し、したがって出力量は、例えば(例えば測定時間の終わりに考察された)コンデンサの電圧に基づいて確定可能である。
【0022】
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、コンデンサを少なくとも一時的に放電させるための放電機構を有し、これにより、例えば処理装置を使ったその前の計算の「結果」がリセット可能であり、したがって例えばさらなる計算が実行可能である。例えば、放電機構は少なくとも1つの放電トランジスタまたはスイッチを有し得る。
【0023】
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、以下の要素、すなわちa)第1の電界効果トランジスタ(例えばFeFET)の第1の閾値電圧、b)第2の電界効果トランジスタ(例えばFeFET)の第2の閾値電圧、の少なくとも1つをプログラミング、例えば再プログラミングするためのプログラミング機構を有する。2つより多くの電界効果トランジスタの場合、プログラミング機構は、例えば2つより多くの電界効果トランジスタのプログラミングにも使用され得る。
【0024】
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、以下の要素、すなわちa)第1の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第1の電流を少なくとも一時的に制限するための、例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する第1の電流制限要素、b)第2の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第2の電流を少なくとも一時的に制限するための、例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する第2の電流制限要素、の少なくとも1つを有する。
【0025】
さらなる例示的な実施形態では、a)第1の電流制限要素は、例えば第1の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして、第1の電流を、経時的に一定でなく、例えば可変に制限するために形成されており、かつ/またはb)第2の電流制限要素は、例えば第2の電界効果トランジスタと関連付けられた第1の入力量をベースとして、第2の電流を、経時的に一定でなく、例えば可変に制限するために形成されている。
【0026】
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、少なくとも一時的に以下の要素、すなわちa)第1の制御信号、b)第2の制御信号、の少なくとも1つを提供するために形成された少なくとも1つの制御機構を有し、この制御機構は、例えば、少なくとも一時的にc1)第1の制御信号を第1の電界効果トランジスタのゲート電極に印加するために、および/またはc2)第2の制御信号を第2の電界効果トランジスタのゲート電極に印加するために形成されている。
【0027】
さらなる例示的な実施形態では、本装置は、以下の要素、すなわちa)本装置の少なくとも1つのコンポーネントのコントロール、b)実施形態に基づく方法の少なくとも1つの態様の実行、の少なくとも1つを実行するために形成されたコントロール機構を有する。
【0028】
さらなる例示的な実施形態は、実施形態に基づく少なくとも1つの装置を有する計算機構、例えばベクトル行列乗算機構に関する。
さらなる例示的な実施形態は、以下の要素、すなわちa)例えばそれぞれ複数ビットを有し得る例えば重みおよび/または入力量を用いたCompute-in-Memory法の実行、b)人工ニューラルネットワーク、例えば人工ディープニューラルネットワーク、c)画像処理、d)計算の効率的な実行、e)計算の実行に関する効率の向上、f)自動運転、g)機械学習、例えば推論、の少なくとも1つのための、実施形態に基づく方法および/または実施形態に基づく装置および/または実施形態に基づく計算機構の使用に関する。
【0029】
本発明のさらなる特徴、適用可能性、および利点は、図面の図に示した本発明の例示的実施形態の以下の説明から明らかである。これに関し、全ての説明されるおよび図示される特徴は、請求項またはその関連部分でのまとまりとは関係なく、および明細書または図面での表現または表示とは関係なく、単独でまたは任意の組合せで、本発明の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図2】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易ブロック図を概略的に示す図である。
【
図3】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図4】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易図を概略的に示す図である。
【
図5】さらなる例示的な実施形態に基づく振幅の経時的推移を概略的に示すグラフである。
【
図6】さらなる例示的な実施形態に基づく振幅の経時的推移を概略的に示すグラフである。
【
図7】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図8】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図9】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図10】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図11】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図12】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図13】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易フロー図を概略的に示す図である。
【
図14】さらなる例示的な実施形態に基づく経時的推移を概略的に示すグラフである。
【
図15】
図15はさらなる例示的な実施形態に基づく制御信号を概略的に示すグラフである。
【
図16A】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易回路図を概略的に示す図である。
【
図16B】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易回路図を概略的に示す図である。
【
図17A】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易回路図を概略的に示す図である。
【
図17B】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易回路図を概略的に示す図である。
【
図18】ゲート・ソース電圧に対するさらなる例示的な実施形態に基づく電流を概略的に示すグラフである。
【
図19A】
図19Aはさらなる例示的な実施形態に基づく電圧の経時的推移を概略的に示すグラフである。
【
図19B】
図19Bはさらなる例示的な実施形態に基づく電圧の経時的推移を概略的に示すグラフである。
【
図20】さらなる例示的な実施形態に基づく制御信号の経時的推移を概略的に示すグラフである。
【
図21】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易回路図を概略的に示す図である。
【
図22】
図22はさらなる例示的な実施形態に基づく、
図21に基づく回路図と関連付けられた量の経時的推移を概略的に示すグラフである。
【
図23】さらなる例示的な実施形態に基づく経時的推移を概略的に示すグラフである。
【
図24】さらなる例示的な実施形態に基づく簡易ブロック図を概略的に示す図である。
【
図25】さらなる例示的な実施形態に基づく使用の態様を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
例示的な実施形態(
図1、
図2を参照)は、少なくとも2つの電界効果トランジスタ(FET)、例えば強誘電体電界効果トランジスタ(FeFET)(さらなる例示的な実施形態では、その他のFETタイプも可能である)110-1、110-2、...(
図2)を有する処理装置100を使って入力量を処理するための方法に関し、この少なくとも2つの電界効果トランジスタ110-1、110-2、...の負荷区間(ドレイン・ソース区間)110-1-LS、110-2-LSはそれぞれ第1の回路節点N-1と接続されており(接続線a1、a2を参照)、この方法は、第1の電界効果トランジスタ110-1と関連付けられた第1の入力量110-1-E1の特徴をなしている第1の制御信号AS-1(例えば第1の制御電圧)を、第1の電界効果トランジスタ110-1のゲート電極110-1a(
図2)に印加200(
図1)するステップ、第2の電界効果トランジスタ110-2と関連付けられた第1の入力量110-2-E1の特徴をなしている第2の制御信号AS-2(例えば第2の制御電圧)を、第2の電界効果トランジスタ110-2のゲート電極110-2aに印加202するステップを有し、この第1の制御信号AS-1および/または第2の制御信号AS-2の少なくとも1つは、少なくとも一時的に、一定でない振幅を有する。言い換えれば、さらなる例示的な実施形態では、第1の制御信号AS-1および/または第2の制御信号AS-2が、少なくとも一時的に、一定でない振幅を有する。さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の入力量110-1-E1、110-2-E1をベースとする計算が、電界効果トランジスタ110-1、110-2を使用して、つまり例えばハードウェアベースで実行され得る。
【0032】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、2つの電界効果トランジスタ110-1、110-2より多く設けることもでき、これは、
図2では点々「...」および破線anによって示唆されている。任意選択で、さらなる例示的な実施形態では、例えば、場合によっては設けられるさらなる電界効果トランジスタにも、それぞれの制御信号が印加され得る(例示的に
図1に基づく任意選択のブロック203および例示的に示したさらなる制御信号AS-3を参照)。
【0033】
さらなる例示的な実施形態、
図1では、本方法は、第1の回路節点N-1と関連付けられた合計電流I-N1の経時的推移の特徴をなしている第1の量G1に基づいて出力量A-1を確定204するステップを有し、この出力量A-1は、例えば少なくとも、第1の制御信号AS-1および第2の制御信号AS-2に基づいて生成可能なおよび/または生成された合計の特徴をなしている。
【0034】
さらなる例示的な実施形態では、出力量A-1が、例えばなかでも、第1の制御信号AS-1および第2の制御信号AS-2に基づいて生成可能な重み付け合計の特徴をなしていてもよく、これは例えば、さらなる例示的な実施形態に基づき、FET110-1、110-2、...と関連付けられた任意選択の第2の入力量110-1-E2、110-2-E2、...を設けることで可能である(例えば下の
図4についてを参照)。
【0035】
さらなる例示的な実施形態、
図3では、確定204(
図1)は、以下の要素、すなわちa)例えば合計電流I-N1を入力量として取得して合計電流I-N1を第1のデジタル量DG1に変換する例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器10a(
図2)を使った、合計電流I-N1の例えば第1のデジタル(時間離散型および/または値離散型)量DG1への変換204a、b)例えば合計電流I-N1でコンデンサ12(
図2)を充電することによる、合計電流I-N1の、第1の電圧U-1への変換204b(
図3)、および例えば電圧ベースのアナログ/デジタル変換器10bを使った、第1の電圧U-1の例えば第2のデジタル量DG2への変換204c(
図3)、の少なくとも1つを有する。
【0036】
さらなる例示的な実施形態、
図4では、本方法は、以下の要素、すなわちa)第1の電界効果トランジスタ110-1と関連付けられた第2の入力量110-1-E2(
図2)の特徴をなしている第1の閾値電圧Vth-1をもつ第1の電界効果トランジスタ110-1の提供210、b)第2の電界効果トランジスタ110-2と関連付けられた第2の入力量110-2-E2の特徴をなしている第2の閾値電圧Vth-2をもつ第2の電界効果トランジスタ110-2の提供212、c)例えば任意選択のプログラミング機構14を使った(
図2に基づく矢印a3も参照)、(例えば第1の電界効果トランジスタをFeFETとして形成する場合の)第1の電界効果トランジスタ110-1の第1の閾値電圧Vth-1のプログラミング214、例えば再プログラミング、d)例えば任意選択のプログラミング機構14を使った、(例えば第2の電界効果トランジスタをFeFETとして形成する場合の)第2の電界効果トランジスタ110-2の第2の閾値電圧Vth-2のプログラミング216、例えば再プログラミング、の少なくとも1つを有する。
【0037】
さらなる例示的な実施形態では、異なる閾値電圧をプログラミングすることにより、例えば、(Fe)FET110-1、110-2のゲート・ソース電圧に対するドレイン電流を示す特性曲線の位置を変えることができ、例えばゲート・ソース電圧座標に沿ってずらすことができ、これにより、処理装置100(
図2)を使った計算に対し、さらなる自由度が付与されている。
【0038】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、少なくとも2つの電界効果トランジスタ110-1、110-2の少なくとも1つが、その負荷区間110-1-LS、110-2-LSを通る電流I-1、I-2を制限するためのそれぞれの電流制限機能SBF-1、SBF-2を有し、この電流制限機能SBF-1、SBF-2は、以下の要素、すなわちa)例えばそれぞれの負荷区間110-1-LS、110-2-LSを通る最大設定可能電流が上回られないような、ゲート電圧の調整、b)それぞれの負荷区間110-1-LS、110-2-LSに直列する(例えば当該FET110-1、110-2のドレイン電極および/またはソース電極に接続された)電流制限要素SBE-1、SBE-2、例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタ、の少なくとも1つによって実装されている。
【0039】
さらなる例示的な実施形態、
図5、
図6では、第1の制御信号AS-1および/または第2の制御信号AS-2の少なくとも1つが、少なくとも一時的に、以下の経時的推移、すなわちa)階段形、例えば上昇する階段形TF(
図5に基づく振幅AMPの例示的な経時的推移を参照)(この階段形TFは例えば以下の要素、すなわちa1)段幅SB、a2)段高さSH、a3)例えば基準時点t0に対する時間的ずれZV、の少なくとも1つによって特徴づけ可能、b)上昇、例えば単調な上昇(例えば
図6に基づく振幅AMPの単調に上昇する経時的推移MSVを参照)、の少なくとも1つを有する。
【0040】
さらなる例示的な実施形態、
図5では、制御信号AS-1、AS-2の少なくとも1つが、一定でない例えば経時的に変化する段幅SBおよび/または段高さSHを有してもよい。
【0041】
さらなる例示的な実施形態、
図7では、本方法は、第1の制御信号AS-1の階段形TF(
図5)に対して第1の段幅SB-1を設定220、例えば使用するステップ、第2の制御信号AS-2の階段形TFに対して第2の段幅SB-2を設定222、例えば使用するステップを有し、その際、第1の段幅SB-1の設定220は、例えば、第1の電界効果トランジスタ110-1と関連付けられた第1の入力量110-1-E1をベースとして第1の段幅SB-1を設定220aするステップを有し、第2の段幅SB-2の設定222は、例えば、第2の電界効果トランジスタ110-2と関連付けられた第1の入力量110-2-E1をベースとして第2の段幅SB-2を設定222aするステップを有する。さらなる例示的な実施形態では、第1の段幅SB-1は第2の段幅SB-2と相違する。さらなる例示的な実施形態では、第1の段幅SB-1は第2の段幅SB-2と同じである。
【0042】
さらなる例示的な実施形態、
図8では、本方法は、以下の要素、すなわちa)第1の制御信号AS-1による第1の電界効果トランジスタ110-1のゲート電極110-1aの印加200に関する、例えば基準時点t0(
図5)(例えば測定の開始時点)に対する第1の時間的ずれZV-1の設定230、例えば使用(これに関し、第1の時間的ずれZV-1の設定230は、例えば、第1の電界効果トランジスタ110-1と関連付けられた第1の入力量110-1-E1をベースとして第1の時間的ずれZV-1を設定230aするステップを有する)、b)第2の制御信号AS-2による第2の電界効果トランジスタ110-2のゲート電極110-2aの印加202に関する、例えば基準時点t0に対する第2の時間的ずれZV-2の設定232、例えば使用(これに関し、第2の時間的ずれZV-2の設定232は、例えば、第2の電界効果トランジスタ110-2と関連付けられた第1の入力量110-2-E1をベースとして第2の時間的ずれZV-2を設定232aするステップを有する)、の少なくとも1つを有する。さらなる例示的な実施形態では、第1の時間的ずれZV-1は第2の時間的ずれZV-2と相違する。さらなる例示的な実施形態では、第1の時間的ずれZV-1は第2の時間的ずれZV-2と同じである。
【0043】
さらなる例示的な実施形態、
図9では、本方法は、当該の第1および/または第2の電界効果トランジスタ110-1、110-2と関連付けられた第1の入力量110-1-E1、110-2-E1が、設定可能な最小値、例えばゼロの値より小さな値を有する場合に、第1の制御信号AS-1および/または第2の制御信号AS-2の少なくとも1つに対して第1の振幅値AW-1を設定240、例えば使用242するステップを有し、この第1の振幅値AW-1は、当該の第1および/または第2の電界効果トランジスタ110-1、110-2の閾値電圧、例えば最小限の閾値電圧Vth3より、例えば設定可能な程度だけ小さい。これにより、さらなる例示的な実施形態では、例えば第1の入力量110-1-E1、110-2-E1が値ゼロを有する場合のリーク電流が減少し得る。さらなる例示的な実施形態では、第1の振幅値AW-1が例えば負であってもよい。
【0044】
さらなる例示的な実施形態、
図10では、本方法は、第1の制御信号AS-1の上昇する経時的推移MSV(
図6)に対して第1の勾配STG-1を設定250、例えば使用するステップ、第2の制御信号AS-2の上昇する経時的推移に対して第2の勾配STG-2を設定252、例えば使用するステップを有し、これに関し、第1の勾配STG-1の設定250は、例えば、第1の電界効果トランジスタ110-1と関連付けられた第1の入力量110-1-E1をベースとして第1の勾配STG-1を設定250aするステップを有し、第2の勾配STG-2の設定252は、例えば、第2の電界効果トランジスタ110-2と関連付けられた第1の入力量110-2-E1をベースとして第2の勾配STG-2を設定252aするステップを有する。さらなる例示的な実施形態では、第1の勾配STG-1は第2の勾配STG-2と相違する。さらなる例示的な実施形態では、第1の勾配STG-1は第2の勾配STG-2と同じである。
【0045】
さらなる例示的な実施形態、
図11Aでは、本方法は、以下の要素、すなわちa)例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する例えば第1の電流制限要素SBE-1を使った、第1の電界効果トランジスタ110-1の負荷区間110-1-LS(
図2)を通る第1の電流I-1の少なくとも一時的な制限260(これに関し、第1の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第1の電流I-1の制限260は、例えば、第1の電界効果トランジスタ110-1と関連付けられた第1の入力量110-1-E1をベースとして第1の電流I-1を制限260aするステップを有する)、b)例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する例えば第2の電流制限要素SBE-2を使った、第2の電界効果トランジスタ110-2の負荷区間110-2-LSを通る第2の電流I-2の少なくとも一時的な制限262(これに関し、第2の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第2の電流I-2の制限262は、例えば、第2の電界効果トランジスタ110-2と関連付けられた第1の入力量110-2-E1をベースとして第2の電流I-2を制限262aするステップを有する)、の少なくとも1つを有する。
【0046】
さらなる例示的な実施形態、
図11Bでは、本方法は、第1の制御信号AS-1の階段形TFに対し、経時的に対数的に変化する、例えば増大する第1の対数的な段幅SB-LOG-1を設定270、例えば使用するステップ、第2の制御信号AS-2の階段形TFに対し、経時的に対数的に変化する、例えば増大する第2の対数的な段幅SB-LOG-2を設定272、例えば使用するステップを有し、その際、第1の対数的な段幅SB-LOG-1の設定270は、例えば、第1の電界効果トランジスタ110-1と関連付けられた第1の入力量110-1-E1をベースとして第1の対数的な段幅SB-LOG-1を設定270aするステップを有し、第2の対数的な段幅SB-LOG-2の設定272は、例えば、第2の電界効果トランジスタ110-2と関連付けられた第1の入力量110-2-E1をベースとして第2の対数的な段幅SB-LOG-2を設定272aするステップを有する。
【0047】
さらなる例示的な実施形態、
図12では、例えば、少なくとも1つのさらなる例えば第3の電界効果トランジスタ110-3、...の提供280により、処理装置100(
図2)が、少なくとも2つの電界効果トランジスタ110-1、110-2より多くの電界効果トランジスタを有し、この場合、実施形態に基づく少なくともかなりの態様が、2つより多くの電界効果トランジスタ110-1、110-2、110-3、...の少なくともかなりの電界効果トランジスタに適用される(
図12に基づく任意選択のブロック282を参照)。言い換えれば、これらの実施形態に基づく原理は、さらなる例示的な実施形態では、2つより多くの、例えばn個(n>2)の電界効果トランジスタにも適用可能である。
【0048】
さらなる例示的な実施形態では、処理装置100の複数の電界効果トランジスタ110-1、110-2、110-3、...の少なくともかなりの数が、FeFETとして形成されている。
【0049】
さらなる例示的な実施形態では、処理装置100の複数の電界効果トランジスタ110-1、110-2、110-3、...の全てが、FeFETとして形成されている。
さらなる例示的な実施形態、
図13では、本方法は、基準時点t0に、第1の制御信号による第1の電界効果トランジスタのゲート電極の印加および第2の制御信号による第2の電界効果トランジスタのゲート電極の印加200、202を開始290するステップ、基準時点t0から計算された設定可能な期間ZD後に出力量A-1を確定292するステップを有する。
【0050】
さらなる例示的な実施形態では、設定可能な期間ZD中ずっと、例えば合計電流I-N1またはそれを基に(例えば上で既に説明した合計電流I-N1でコンデンサ12を充電することによって)導出可能な電圧U-1を評価することができ、その際、個々の電界効果トランジスタ110-1、110-2、...はそれぞれ合計電流I-N1への寄与I-1、I-2を果たしており、この寄与は、それぞれの第1および/または第2の入力量110-1-E1、110-2-E1、110-1-E2、110-2-E2をベースとしている。さらなる例示的な実施形態、
図2は、実施形態に基づく方法を実行するための装置1000に関する。
【0051】
さらなる例示的な実施形態では、本装置1000は、少なくとも2つの電界効果トランジスタ110-1、110-2、...、例えば強誘電体電界効果トランジスタを有する処理装置100を有し、この処理装置100は、例えば、n個(n>1)の電界効果トランジスタ、例えば強誘電体電界効果トランジスタを有する。かなりの例示的な実施形態では、n>10またはn>100またはそれ以上が当てはまり得る。
【0052】
さらなる例示的な実施形態では、本装置1000は、少なくとも1つのアナログ/デジタル変換器、例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器10aおよび/または電圧ベースのアナログ/デジタル変換器10bを有する。
【0053】
さらなる例示的な実施形態では、本装置1000は、合計電流I-N1を使って少なくとも一時的に充電可能な少なくとも1つのコンデンサ12を有する。さらなる例示的な実施形態では、コンデンサ12が、個々の電界効果トランジスタ110-1、110-2、...の例えば経時的に変化する電流寄与I-1、I-2、...を蓄え、例えば積分し、したがって出力量A-1は、例えば(例えば測定時間の終わりに考察された)コンデンサ12の電圧U-1に基づいて確定可能である。
【0054】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、本装置1000は、コンデンサ12を少なくとも一時的に放電させるための放電機構13を有し、これにより、例えば処理装置100を使ったその前の計算の「結果」がリセット可能であり、したがって例えばさらなる計算が実行可能である。例えば、放電機構13は少なくとも1つの放電トランジスタまたはスイッチ(不図示)を有し得る。
【0055】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、本装置1000は、以下の要素、すなわちa)第1の電界効果トランジスタ110-1(例えばFeFET)の第1の閾値電圧Vth-1、b)第2の電界効果トランジスタ110-2(例えばFeFET)の第2の閾値電圧Vth-2、の少なくとも1つをプログラミング、例えば再プログラミングするためのプログラミング機構14を有する。2つより多くの電界効果トランジスタの場合、プログラミング機構14は、例えば2つより多くの電界効果トランジスタのプログラミングにも使用され得る。
【0056】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、本装置1000は、以下の要素、すなわちa)第1の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第1の電流を少なくとも一時的に制限するための、例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する第1の電流制限要素SBE-1、b)第2の電界効果トランジスタの負荷区間を通る第2の電流を少なくとも一時的に制限するための、例えば抵抗または抵抗として構成されたトランジスタ、例えば電界効果トランジスタを有する第2の電流制限要素SBE-2、の少なくとも1つを有する。
【0057】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、a)第1の電流制限要素SBE-1は、例えば第1の電界効果トランジスタ110-1と関連付けられた第1の入力量110-1-E1をベースとして、第1の電流I-1を、経時的に一定でなく、例えば可変に制限するために形成されており、かつ/またはb)第2の電流制限要素SBE-2は、例えば第2の電界効果トランジスタ110-2と関連付けられた第1の入力量110-2-E1をベースとして、第2の電流I-2を、経時的に一定でなく、例えば可変に制限するために形成されている。
【0058】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、本装置1000は、少なくとも一時的に以下の要素、すなわちa)第1の制御信号AS-1、b)第2の制御信号AS-2、の少なくとも1つを提供するために形成された少なくとも1つの制御機構16を有し、この制御機構16は、例えば、少なくとも一時的にc1)第1の制御信号AS-1を第1の電界効果トランジスタ110-1のゲート電極に印加するために、および/またはc2)第2の制御信号AS-2を第2の電界効果トランジスタ110-2のゲート電極に印加するために形成されている。
【0059】
さらなる例示的な実施形態、
図2では、本装置1000は、以下の要素、すなわちa)本装置1000の少なくとも1つのコンポーネント10a、10b、12、13、14、16のコントロール、b)実施形態に基づく方法の少なくとも1つの態様の実行、の少なくとも1つを実行するために形成されたコントロール機構300を有する。さらなる例示的な実施形態に基づくコントロール機構300の構成についての詳細は、さらに下で
図24を参照しながら説明する。
【0060】
さらなる例示的な実施形態、
図2は、実施形態に基づく少なくとも1つの装置1000を有する計算機構、例えばベクトル行列乗算機構VMMに関する。
以下では、さらなる例示的な実施形態に基づき、上で例示的に説明した実施形態の1つまたは複数と組合せ可能な、さらなる例示的な態様および実施形態を説明する。
【0061】
図14は、さらなる例示的な実施形態に基づく電界効果トランジスタ110-1、110-2、...(
図2)の少なくとも1つに関し、例えばそれぞれ入力電圧Vinの形態での可能な制御信号の経時的推移を概略的に示している。要素E1は、電界効果トランジスタ110-1、110-2、...(
図2)の少なくとも1つのゲート電極に印加するために使用可能な電圧の、階段状に上昇する経時的推移を例示的に象徴している。時点t0では軌道E1が振幅の第1の上昇を有し、時点t1では軌道E1が振幅の第2の上昇を有し、時点t2では軌道E1が振幅の第3の上昇を有する。段幅SBは、例示的に一定であり、例示的な実施形態に基づき、例えば時間単位t2-t1に相当する。
【0062】
図14では、4つの可能な閾値電圧Vth0、Vth1、Vth2、Vth3も示されており、これらの閾値電圧に基づいて、例えばFeFET110-1、110-2、110-3、...の少なくとも1つがプログラミングされ得る。例えばFeFET110-1が、4つの可能な閾値電圧Vth0、Vth1、Vth2、Vth3のどれに基づいてプログラミングされているかに応じて、FeFET110-1のゲート電極110-1aを制御するための第1の制御信号AS-1として軌道E1が使用される場合に、しかも制御信号AS-1または軌道E1が、その時にプログラミングされている閾値電圧を上回る場合に、FeFET110-1の負荷区間110-1-LSが導通される。その際、負荷区間110-1-LSを通って第1の回路節点N-1内へ、一瞬ではない第1の電流I-1が生じ、この第1の電流I-1は、例えば電流ベースのアナログ/デジタル変換器10aによって直接的に確定可能であり、または任意選択のコンデンサ12の充電に利用可能である。さらなる例示的な実施形態では、第1の電流I-1の経時的推移またはそれと関連付けられた(例えばコンデンサ12での)電荷は、第1のFeFET110-1の(第1の制御信号AS-1と関連付けられた)第1の入力量110-1-E1および(プログラミングされた閾値電圧と関連付けられた)第2の入力量110-1-E2に依存する。例示的に、時点t0(例えば測定の開始「SOM」)と時点t3(例えば測定の終了「EOM」)との間の測定時間中に第1の電流I-1に基づいて確定可能な電荷または相応のコンデンサ電圧またはコンデンサ12の電圧変化は、第1の制御信号AS-1およびプログラミングされた閾値電圧に比例する。
【0063】
さらなるFeFET110-2、...が、測定時間(t0,t3)中に一瞬ではない電流寄与I-2、...をもたらす場合には、測定時間中に複数の電流寄与に基づいて確定可能な電荷または相応のコンデンサ電圧またはコンデンサ12の電圧変化は、当該FeFET110-1、110-2、...のそれぞれの制御信号AS-1、AS-2、...と、それぞれのプログラミングされた閾値電圧との積の合計に比例し、したがって例えば重み付け合計の特徴をなしており、これに関し、例えば当該FeFET110-1、110-2、...のそれぞれプログラミングされた閾値電圧が、重みを特徴づけている。
【0064】
図14から、例示的に第1の振幅値AW-1(
図9に基づくブロック240も参照)も明らかであり、第1の振幅値AW-1は、値ゼロでの第1の入力量の特徴をなすために、プログラミング可能な閾値電圧の最小限の値Vth3を下回るように小さく選択されており、それにより当該FeFETは、測定時間中に決して導通状態をとらず、よって電流寄与をもたらさない。
【0065】
さらなる例示的な実施形態では、軌道E1の振幅、例えば段高さSHは、1段分の段高さSHに相当(例えば時間(t0,t1)を参照)する1つの振幅を達成すると最小限の閾値電圧Vth3が十分に上回られるように、これにより、相応に閾値電圧Vth3に基づいてプログラミングされたFeFET(またはその負荷区間)が導通されるように、つまり低抵抗になるように選択され得る。
【0066】
したがって例示的に、例えばプログラミング可能な閾値電圧に関する可能な値Vth0、Vth1、...に基づいて、軌道E1の振幅、例えば段高さSHは、2段分の段高さ2*SHを達成すると例えば2番目に小さな可能な閾値電圧Vth2が上回られるように、例えば十分に上回られるように、これにより、軌道E1が2段分の段高さ2*SHに相当する振幅をとる場合には、相応に2番目に小さな閾値電圧Vth2に基づいてプログラミングされたFeFET(またはその負荷区間)が導通されるように、つまり低抵抗になるように選択され得る。
【0067】
例示的に、例えばプログラミング可能な閾値電圧に関する可能な値Vth0、Vth1、...に基づいて、軌道E1の振幅、例えば段高さSHは、3段分の段高さ3*SHを達成すると例えば3番目に小さな可能な閾値電圧Vth1が上回られるように、例えば十分に上回られるように、これにより、軌道E1が3段分の段高さ3*SHに相当する振幅をとる場合には、相応に3番目に小さな閾値電圧Vth1に基づいてプログラミングされたFeFET(またはその負荷区間)が導通されるように、つまり低抵抗になるように選択され得る、等々。
【0068】
図15Aは、さらなる例示的な実施形態に基づき、例えば第1のFeFET110-1(
図2)のための可能な第1の制御信号AS-1A、AS-1B、例えば制御電圧Vを概略的に示している。階段状の第1の制御信号AS-1Aは、第1の段幅SB-Aを有し、および単調に上昇する第1の制御信号AS-1Bは、第1の勾配を有する。
図15Aに基づく両方の第1の制御信号AS-1A、AS-1Bの時間的ずれZV-Aはゼロである。可能な閾値電圧は、それに基づいて処理装置100(
図2)のFeFETをプログラミングでき、
図15Aでは、水平な破線の直線および垂直軸Vに沿った数字「0」、「1」、「2」、「3」によって象徴されている。さらなる例示的な実施形態では、制御信号は、振幅ゼロの基準時点t0から、設定可能な最大値(不図示)まで上昇し、つまり階段状の第1の制御信号AS-1Aは、例示的にそれぞれ時点t0、t3、t6(
図15Cに基づく共通の時間軸を参照)での3段で上昇し、かつ単調に上昇する第1の制御信号AS-1Bは、1/x1に相当する第1の勾配で上昇し、この値「x1」は、例えば第1のFeFET110-1と関連付けられた第1の入力量110-1-E1に関する数値的な入力値に相当する。
【0069】
図15Bは、さらなる例示的な実施形態に基づき、例えば第2のFeFET110-2(
図2)のための可能な第2の制御信号AS-2A、AS-2B、例えば制御電圧Vを概略的に示している。階段状の第2の制御信号AS-2Aは、
図15Aに基づく第1の段幅SB-Aより小さな第2の段幅SB-Bを有し、かつ単調に上昇する第2の制御信号AS-2Bは、
図15Aに基づく制御信号AS-1Bの第1の勾配より大きな第2の勾配を有する。
図15Bに基づく両方の第2の制御信号AS-2A、AS-2Bの時間的ずれZV-Bはゼロより大きい。よって制御信号AS-2A、AS-2Bは、振幅ゼロの時点t3から、設定可能な最大値(不図示)まで上昇し、つまり第2の制御信号AS-2Aは、例示的にそれぞれ時点t3、t5、t7での3段で上昇し、かつ第2の制御信号AS-2Bは、1/x2に相当する第2の勾配で上昇し、この値「x2」は、例えば第2のFeFET110-2と関連付けられた第1の入力量110-2-E1に関する数値的な入力値に相当する。
【0070】
図15Cは、さらなる例示的な実施形態に基づき、例えば第3のFeFETのための可能な第3の制御信号AS-3A、AS-3B、例えば制御電圧Vを概略的に示している。階段状の第3の制御信号AS-3Aは、
図15Bに基づく第2の段幅SB-Bより小さな第3の段幅SB-Cを有し、かつ単調に上昇する第3の制御信号AS-3Bは、
図15Bに基づく制御信号AS-2Bの第2の勾配より大きな第3の勾配を有する。
図15Cに基づく両方の第3の制御信号AS-3A、AS-3Bの時間的ずれZV-Cは、
図15Bからの時間的ずれZV-Bより大きい。よって制御信号AS-3A、AS-3Bは、振幅ゼロの時点t6から、設定可能な最大値(不図示)まで上昇し、つまり第3の制御信号AS-3Aは、例示的にそれぞれ時点t6、t7、t8での3段で上昇し、かつ第3の制御信号AS-3Bは、1/x3に相当する第3の勾配で上昇し、この値「x3」は、例えば第3のFeFETと関連付けられた第1の入力量に関する数値的な入力値に相当する。
【0071】
さらなる例示的な実施形態では、階段状の制御信号AS-1A、AS-2A、AS-3Aは、単調に上昇する制御信号AS-1B、AS-2B、AS-3Bと同等に、数値的な入力値x1、x2、x3の特徴をなしている。さらなる例示的な実施形態では、階段状の制御信号AS-1A、AS-2A、AS-3Aは、単調に上昇する制御信号AS-1B、AS-2B、AS-3Bに比べて、FeFETでのリーク電流を最小限に抑える。
【0072】
図16Aは、さらなる例示的な実施形態に基づき、3つのFeFET110-1、110-2、110-3を有する処理装置100aの簡易回路図を概略的に示している。負荷区間110-1-LS、110-2-LS、110-3-LSはそれぞれ、第1の回路節点N-1と接続されており、それも、それぞれ例えば
図2に基づく要素SBE-1、SBE-2、...に相当する電流制限のための抵抗R-1、R-2、R-3を介して接続されている。さらなる例示的な実施形態(不図示)では、抵抗R-1、R-2、R-3の代わりに、電流制限の意味において、FeFET110-1、110-2、110-3の少なくともかなりの数に対し、ゲート電圧の適合が行われ得る。
【0073】
要素16aは、例えば電圧源V1を使って少なくとも一時的に第1のFeFET110-1のゲート電極に印加するための第1の制御信号AS-1を提供するために、例えば電圧源V2を使って少なくとも一時的に第2のFeFET110-2のゲート電極に印加するための第2の制御信号AS-2を提供するために、例えば電圧源V3を使って少なくとも一時的に第3のFeFET110-3のゲート電極に印加するための第3の制御信号AS-3を提供するために形成された(例えば
図2に基づく要素16に倣った)制御機構を象徴している。要素V0は、処理装置100aのための動作電圧供給部を象徴している。要素BP1は、第1の基準電位、例えば接地電位を象徴している。
【0074】
図16Bは、さらなる例示的な実施形態に基づき、
図16Aに倣って3つのFeFET110-1、110-2、110-3を有する処理装置100bの簡易回路図を概略的に示している。
図16Aとは異なり、
図16Bに基づく処理装置100bでは、電流制限抵抗R-1’、R-2’、R-3’が、基準電位BP1とFeFETのそれぞれのソース電極との間に配置されており、これに対して
図16Aの電流制限抵抗R-1、R-2、R-3はそれぞれ、第1の回路節点N-1とFeFETのそれぞれのドレイン電極との間に配置されている。
【0075】
図16A、
図16Bに基づく両方の実施形態100a、100bでは、電流ベースのアナログ/デジタル変換器10aが、合計電流I-N1を捕捉してデジタル表現に変換することができ、このデジタル表現は、例えば、処理装置100a、100bを使ってハードウェアベースで、3つのFeFETによって実行可能な(例えば制御信号AS-1、...および/またはプログラミングされた閾値電圧に基づく)計算の計算結果の特徴をなしている。
【0076】
図17Aは、さらなる例示的な実施形態に基づき、
図16Aに倣って3つのFeFET110-1、110-2、110-3を有する処理装置100cの簡易回路図を概略的に示している。
図16Aとは異なり、
図17Aからの処理装置100cでは、合計電流I-N1を使って充電可能なコンデンサ12および電圧ベースのアナログ/デジタル変換器10bが設けられている。
【0077】
図17Bは、さらなる例示的な実施形態に基づき、
図16Bに倣って3つのFeFET110-1、110-2、110-3を有する処理装置100dの簡易回路図を概略的に示している。
図16Bとは異なり、
図17Bからの処理装置100dでは、合計電流I-N1を使って充電可能なコンデンサ12および電圧ベースのアナログ/デジタル変換器10bが設けられている。
【0078】
【0079】
図18は、さらなる例示的な実施形態に基づき、異なる閾値電圧Vth0、Vth1、Vth2、Vth3でプログラミングされたFeFETによる、ゲート・ソース電圧Vgに対するドレイン電流のシミュレーション結果を概略的に示している。したがって例示的に、FeFETは全部で4つの異なる状態へプログラミング可能であり、これに関し、さらなる例示的な実施形態では、4つの例示的に考察された状態より多くてもまたは少なくてもよい。4つの異なる状態またはそれぞれの閾値電圧は、例えば第2の入力量110-1-E2、110-2-E2、...のそれぞれ異なる値の特徴をなしている。
図18に基づく領域B0では、(例えば状態「0」または第2の入力量の値ゼロに相当する)第1の閾値電圧Vth0でプログラミングされたFeFETの、シミュレーションされたドレイン電流が示されており、領域B1では、(例えば状態「1」または第2の入力量の値「1」に相当する)第2の閾値電圧Vth1でプログラミングされたFeFETの、シミュレーションされたドレイン電流が示されており、領域B2では、(例えば状態「2」または第2の入力量の値「2」に相当する)第3の閾値電圧Vth2でプログラミングされたFeFETの、シミュレーションされたドレイン電流が示されており、領域B3では、(例えば状態「3」または第2の入力量の値「3」に相当する)第4の閾値電圧Vth3でプログラミングされたFeFETの、シミュレーションされたドレイン電流が示されている。
【0080】
図18から明らかなのは、例えば印加200(
図1)に使用される制御信号に応じて、および第1のFeFET110-1のプログラミングされた状態に基づいて、第1のFeFET110-1が、ある程度の時間、例えば測定時間(t0,t3)(
図14を参照)中はアクティブであり、つまりその負荷区間が低抵抗に接続され、それにより第1のFeFET110-1が、このある程度の時間、例えば制御信号AS-1によって特徴が示されている第1の入力量110-1-E1に比例して、相応の電流寄与を第1の電流I-1(
図2)の形態で第1の回路節点N-1に導入するということである。同等のことが、処理装置のさらなるFeFETに当てはまる。
【0081】
図19Aは、さらなる例示的な実施形態に基づき、制御信号、例えば第1の制御信号AS-1として使用可能な(つまり例えば第1のFeFET110-1のゲート電極110-1a(
図2)に印加するための)電圧Vinの経時的推移ZVL-1を概略的に示している。
図19Aに示した制御信号は、(ここでは例えば1つの「時間ステップ」t4-t3(
図19Bを参照)の)第1の段幅SB-1およびここでは例えば3つの時間ステップt3-t0の一瞬ではない第1の時間的ずれZV-1を有し、かつ例えば第1の入力量110-1-E1に関する値「1」の特徴をなしている。
【0082】
図19Bは、さらなる例示的な実施形態に基づき、制御信号、例えば第1の制御信号AS-1として使用可能な(つまり例えば第1のFeFET110-1のゲート電極110-1a(
図2)に印加するための)電圧Vinの経時的推移ZVL-2を概略的に示している。
図19Bに示した制御信号は、(ここでは例えば2つの「時間ステップ」t4-t2の)第2の段幅SB-2および一瞬の第2の時間的ずれZV-2を有し、かつ例えば第1の入力量110-1-E1に関する値「2」の特徴をなしている。言い換えれば、
図19Bに基づく経時的推移ZVL-2は、
図19Aからの経時的推移ZVL-1に対し、時間的に2倍に「延びて」おり、これにより例えば、
図19Bに基づく経時的推移ZVL-2の使用時には、
図19Aからの経時的推移ZVL-1と比較して、第1の入力量に関する2倍の値「2」と対応している2倍の電荷がコンデンサ12に導入される。
【0083】
図20は、さらなる例示的な実施形態に基づく制御信号の経時的推移を概略的に示している。第1の時間軸t-1では、例えば
図16Aまたは
図17Aに基づく第1のFeFET110-1のための第1の制御信号AS-1に関する第1の経時的推移ZVL-1および第1のFeFET110-1のプログラミングされた第1の閾値電圧Vth1が示されている。第1の経時的推移ZVL-1は、例示的に第1の入力量110-1-E1の値「3」に相当し、かつ第1の閾値電圧Vth1は、例示的に第2の入力量110-1-E2の値「1」に相当する。これにより、第1のFeFET110-1の結果寄与は3*1=3となり、これが、例えば第1の電流I-1またはそれと関連付けられた、測定時間(t0,t9)中の、つまりSOMからEOMまでの、例えばコンデンサ12(
図17A)に施される電荷の特徴となる。
【0084】
図20に基づく第2の時間軸t-2では、例えば
図16Aまたは
図17Aに基づく第2のFeFET110-2のための第2の制御信号AS-2に関する第2の経時的推移ZVL-2および第2のFeFET110-2のプログラミングされた第2の閾値電圧Vth3が示されている。第2の経時的推移ZVL-2は、例示的に第1の入力量110-2-E1の値「2」に相当し、かつ第2の閾値電圧Vth3は、例示的に第2の入力量110-2-E2の値「3」に相当する。これにより、第2のFeFET110-2の結果寄与は2*3=6となり、これが、例えば第2の電流I-2またはそれと関連付けられた、測定時間(t0,t9)中の、例えばコンデンサ12(
図17A)に施される電荷の特徴となる。
【0085】
図20に基づく第3の時間軸t-3では、例えば
図16Aまたは
図17Aに基づく第3のFeFET110-3のための第3の制御信号AS-3に関する第3の経時的推移ZVL-3および第3のFeFET110-3のプログラミングされた第3の閾値電圧Vth2が示されている。第3の経時的推移ZVL-3は、例示的に第1の入力量110-3-E1の値「1」に相当し、かつ第3の閾値電圧Vth2は、例示的に第2の入力量110-3-E2の値「2」に相当する。これにより、第3のFeFET110-3の結果寄与は1*2=2となり、これが、例えば第3のFeFET110-3の負荷区間を通る第3の電流またはそれと関連付けられた、測定時間(t0,t9)中の、例えばコンデンサ12(
図17A)に施される電荷の特徴となる。
【0086】
したがって、例えば時点t9でのコンデンサ12のコンデンサ電圧によって特徴づけ可能であるような総合結果は、例えば3+6+2=11であり、これは、
図20で例示的に示した量に基づいて、FeFET110-1、110-2、110-3によって寄与される例えばそれぞれ100nAの(制限された)電流での、例えばコンデンサ12の11回の充電サイクルに相当する。
【0087】
図20に基づく例示的な機能原理では、例えば第1の入力量の分解能に関する各々のさらなるビットのために、測定時間の持続期間の例えば指数関数的な上昇が生じ得る(閾値電圧に関する最大4つの値は、例えば2ビット分解能に相当する)。
【0088】
したがって、さらなる例示的な実施形態では、少なくとも1つの電界効果トランジスタ、例えばFeFETの負荷区間を通る電流の電流制限を、動的に設計すること、つまり例えば、
図16Aに基づく抵抗R-1、R-2、R-3の場合に例えばそうであるように一定には設計しないことが提案される。
【0089】
図21は、さらなる例示的な実施形態に基づき、例示的に第1のFeFET110-1および第2のFeFET110-2を有する処理装置100eの簡易回路図を概略的に示している。FeFET110-1、110-2の負荷区間を通る電流I-1、I-2(
図2)を制限するため、ここでは2つの電流制限トランジスタSBT-1、SBT-2が設けられており、その負荷区間はそれぞれ、FeFET110-1、110-2のそれぞれの負荷区間に直列に、例えばFeFET110-1、110-2のそれぞれのソース電極と、第1の基準電位BP1との間で接続されている。
【0090】
第1の電流制限トランジスタSBT-1は、第1の電流制限機構SBE-1’により、第1の制御信号AS-1に基づいて制御され、例えば比較的大きな入力信号または第1の入力量110-1-E1の値の場合は、例えば第1の電流制限トランジスタSBT-1の負荷区間の抵抗の減少により、比較的大きな値への電流制限が引き起こされるように、その一方で例えば比較的小さな入力信号または第1の入力量110-1-E1の値の場合は、例えば第1の電流制限トランジスタSBT-1の負荷区間の抵抗の上昇により、比較的小さな値への電流制限が引き起こされるように制御される。例示的に、第1の電流制限機構SBE-1’はさらに、第1のFeFET110-1のゲート電極を、第1の制御信号AS-1で(または第1の制御信号AS-1に基づいて生成された信号(不図示)で)印加するために形成されている。ここでは、第1の電流制限機構SBE-1’の上述の機能が、例えば2つの詳しくは示していない電圧源によって象徴されており、さらなる例示的な実施形態では、当業者に既知のその他の回路バリエーションも考慮される。
【0091】
第2の電流制限トランジスタSBT-2は、第1の電流制限機構SBE-1’と同等の形態で、第2の電流制限機構SBE-2’によって制御される。第2の電流制限機構SBE-2’は、例示的に、(例えば第2の制御信号AS-2による印加に関しても)第1の電流制限機構SBE-1’と同等の機能を有し得る。
【0092】
上で例示的に示した構成100eにより、さらなる例示的な実施形態では、例えば、測定時間が、m個の時間ステップを有することを達成でき、これに関しmは、FeFETの可能な状態、つまりプログラミングされた閾値電圧の数に相当する。
【0093】
図22A、
図22B、
図22C、
図22Dはそれぞれ、さらなる例示的な実施形態に基づき、
図21に基づく構成100eと関連付けられた量の経時的推移を概略的に示している。要素ZV-1’、ZV-2’は、
図21に基づく制御信号AS-1、AS-2の経時的推移を象徴しており、要素Vth2’、Vth1’は、
図21に基づくFeFET110-1、110-2のプログラミングされた閾値電圧を象徴している。
図22Bからの要素SB_1は、第1の制御信号AS-1に基づく、第1のFeFET110-1に対する電流制限を象徴しており、
図22Dからの要素SB_2は、第2の制御信号AS-2に基づく、第2のFeFET110-2に対する電流制限を象徴している。
図22B内の面積C1は、第1のFeFET110-1によってコンデンサ12に供給される電荷を象徴しており、
図22D内の面積C2は、第2のFeFET110-2によってコンデンサ12に供給される電荷を象徴している。
【0094】
図23は、さらなる例示的な実施形態に基づく経時的推移を概略的に示しており、これらの経時的推移では、制御信号の階段形に関し、例示的に、経時的に対数的に変化する様々な段幅が使用されている。これに関し、制御信号AS-1’は、例えば第1の入力量110-1-E1に関する第1の値に相当し、制御信号AS-2’は、例えば第1の入力量110-1-E1に関する第2の値に相当し、制御信号AS-3’は、例えば第1の入力量110-1-E1に関する第3の値に相当する。
【0095】
図24は、さらなる例示的な実施形態に基づき、コントロール機構300の構成を例示的に示している。
例示的に、コントロール機構300は、少なくとも1つの計算コア(不図示)を備えた計算機構(「コンピュータ」)302を有し、計算機構302に割り当てられたメモリ機構304を、以下の要素、すなわちa)データDAT(例えば装置1000または処理装置100の少なくとも1つのコンポーネントと関連付けられたデータ、例えば第1の入力量110-1-E1、...に関する可能な値および/または第2の入力量110-1-E2、...に関する可能な値および/またはその時々の構成についてのデータ(例えば、FeFET110-1、110-2、...がその時々にどのようにプログラミング(閾値電圧)されているか、および/または制御信号AS-1、AS-2、...にどの値が提供されるか、を特徴づけている))、b)例えば実施形態に基づく方法を実行するためのコンピュータプログラムPRG、の少なくとも1つを少なくとも一時的に記憶するために有する。
【0096】
さらなる例示的な実施形態では、メモリ機構304は、揮発性メモリ(例えばメインメモリ(RAM))304a、および/もしくは不揮発性(NVM)メモリ(例えばフラッシュEEPROM)304b、またはこれらの組合せもしくはその他の明確には挙げていないメモリタイプとの組合せを有する。
【0097】
その代わりにコントロール機構300は、例えばASIC(特定用途向け集積回路)として、および/もしくはプログラミング可能な論理回路、例えばFPGAとして、および/もしくはマイクロコントローラとして、および/もしくはデジタルシグナルプロセッサとして、および/もしくは例えば行列算術演算のためのアクセラレータ回路として、および/もしくは例えば純粋なハードウェア回路、例えばデジタル回路として形成されていてもよく、かつ/またはこれらの要素の少なくとも1つを有し得る。
【0098】
さらなる例示的な実施形態、
図24は、コンピュータ302によって実行される際にコンピュータ302に実施形態に基づく方法を実行させる命令PRG’を含むコンピュータ可読のメモリ媒体SMに関する。
【0099】
さらなる例示的な実施形態は、コンピュータ302によるプログラムPRGの実行時にコンピュータ302に実施形態に基づく方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラムPRGに関する。
【0100】
さらなる例示的な実施形態はデータキャリア信号DCSに関し、データキャリア信号DCSは、実施形態に基づくコンピュータプログラムPRGの特徴をなしており、かつ/または実施形態に基づくコンピュータプログラムPRGを伝送する。データキャリア信号DCSは、例えば、コントロール機構300の任意選択のデータインターフェイス306を介して受信可能である。
【0101】
さらなる例示的な実施形態、
図2は、実施形態に基づく少なくとも1つの装置1000を有する計算機構、例えばベクトル行列乗算機構VMMに関する。
さらなる例示的な実施形態、
図25は、以下の要素、すなわちa)例えばそれぞれ複数ビットを有し得る例えば重みおよび/または入力量110-1-E1、110-2-E1を用いたCompute-in-Memory法の実行401、b)人工ニューラルネットワーク402、例えば人工ディープニューラルネットワーク403、c)画像処理404、d)計算の効率的な実行405、e)計算の実行に関する効率の向上406、f)自動運転407、g)機械学習408、例えば推論、の少なくとも1つのための、実施形態に基づく方法および/または実施形態に基づく装置1000および/または実施形態に基づく計算機構VMMの使用400に関する。
【0102】
「助成および支援についての情報
本出願に至ったプロジェクトは、合同事業ECSEL(JU)の助成金協定No.826655の枠組みの中で助成された。このJUは、欧州連合およびベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、スイスの、研究およびイノベーションプログラム ホライズン2020による支援を得ている」
【符号の説明】
【0103】
10a 電流ベースのアナログ/デジタル変換器
10b 電圧ベースのアナログ/デジタル変換器
12 コンデンサ
13 放電機構
14 プログラミング機構
16 制御機構
100 処理装置
110-1、110-2、... 電界効果トランジスタ
110-1a 第1の電界効果トランジスタ(110-1)のゲート電極
110-2a 第2の電界効果トランジスタ(110-2)のゲート電極
110-1-E1 第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた第1の入力量
110-2-E1 第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた第1の入力量
110-1-E2 第1の電界効果トランジスタ(110-1)と関連付けられた第2の入力量
110-2-E2 第2の電界効果トランジスタ(110-2)と関連付けられた第2の入力量
110-1-LS、110-2-LS 負荷区間
300 コントロール機構
1000 装置
A-1 出力量
AS-1 第1の制御信号
AS-2 第2の制御信号
AW-1 第1の振幅値
DG1 第1のデジタル量
DG2 第2のデジタル量
G1 第1の量
I-1 第1の電流
I-2 第2の電流
I-N1 合計電流
MSV 単調な上昇
N-1 第1の回路節点
R-1、R-2、R-3;R-1’、R-2’、R-3’ 抵抗
SB 段幅
SB-LOG-1 第1の対数的な段幅
SB-LOG-2 第2の対数的な段幅
SBE-1 第1の電流制限要素
SBE-2 第2の電流制限要素
SBF-1、SBF-2 電流制限機能
SBT-1、SBT-2 抵抗として構成されたトランジスタ
SH 段高さ
STG-1 第1の勾配
STG-2 第2の勾配
TF 階段形
t0 基準時点
U-1 第1の電圧
VMM ベクトル行列乗算機構
Vth-0、Vth-1、... 閾値電圧
ZD 設定可能な期間
ZV 時間的ずれ
【外国語明細書】