IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TBカワシマ株式会社の特許一覧

特開2024-108164非エンボス凹凸シート材、及び、そのシート材の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108164
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】非エンボス凹凸シート材、及び、そのシート材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/02 20060101AFI20240802BHJP
   B32B 3/30 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
B29C63/02
B32B3/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024012349
(22)【出願日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】P 2023012368
(32)【優先日】2023-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】510045438
【氏名又は名称】TBカワシマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【弁理士】
【氏名又は名称】堀家 和博
(74)【代理人】
【識別番号】100081891
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 玄
【テーマコード(参考)】
4F100
4F211
【Fターム(参考)】
4F100AT00C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100DD01A
4F100DD01B
4F100JB16A
4F100JK12D
4F211AD08
4F211AD16
4F211AD24
4F211AF01
4F211AG01
4F211AG03
4F211AG05
4F211AH26
4F211SA01
4F211SC05
4F211SD01
4F211SH17
4F211SP03
(57)【要約】
【課題】基材凸部で表皮材が押し上げられて凸部が形成され、基材凹部では表皮材が押し上げられずに凹部が形成される等で「表皮材の熱変形防止」などを実現する。
【解決手段】基材2の表面側に付着した表皮材3に凸部4と凹部5が形成されたシート材1は、基材凸部24で表皮材3が押し上げられて凸部4が形成され、基材凹部25では表皮材3が押し上げられず凹部5が形成される。基材本体2Aと表皮材3の間に存在する介在体2Bで基材2に基材凸部24と基材凹部25を設ける等でも良い。シート材1の製造方法は、基材凸部24と基材凹部25を設けた状態の基材2の表面側に表皮材3を付着する付着工程Pにて、基材凸部24で凸部4を形成し、基材凹部25で凹部5を形成する。付着工程Pで基材本体2Aと表皮材3の間に介在体2Bを存在させた状態の基材2の表面側に表皮材3を付着したり、エンボス工程を備えなくとも良い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(2)と、前記基材(2)の表面側に付着した表皮材(3)を有し、前記表皮材(3)に、凸部(4)と凹部(5)が形成されたシート材であって、
前記基材(2)の表面側に、基材凸部(24)と基材凹部(25)が設けられ、
前記基材凸部(24)が設けられた箇所では、当該基材凸部(24)に表皮材(3)が表面側へ押し上げられて前記凸部(4)が形成され、
前記基材凹部(25)が設けられた箇所では、当該基材凹部(25)に表皮材(3)が表面側へ押し上げられずに前記凹部(5)が形成されていることを特徴とするシート材。
【請求項2】
前記基材(2)は、基材本体(2A)と介在体(2B)を有し、
前記介在体(2B)は、前記基材本体(2A)と表皮材(3)の間に存在し、且つ、平面視面積が前記基材本体(2A)及び表皮材(3)より小さく、
前記介在体(2B)の存在する箇所が、前記基材凸部(24)が設けられた箇所となり、
前記介在体(2B)の存在しない箇所が、前記基材凹部(25)が設けられた箇所となることを特徴とする請求項1に記載のシート材。
【請求項3】
基材(2)と、前記基材(2)の表面側に付着した表皮材(3)を有し、前記表皮材(3)に、凸部(4)と凹部(5)が形成されたシート材であって、
前記基材(2)は、基材本体(2A)と介在体(2B)を有し、
前記介在体(2B)は、前記基材本体(2A)と表皮材(3)の間に存在し、且つ、平面視面積が前記基材本体(2A)及び表皮材(3)より小さく、
前記介在体(2B)が存在する箇所では、前記凸部(4)が形成され、
前記介在体(2B)が存在しない箇所では、前記凹部(5)が形成されていることを特徴とするシート材。
【請求項4】
前記表皮材(3)は、熱可塑性の素材で形成されている一方で、
前記表皮材(3)の凹部(5)に、当該表皮材(3)が変性していない非変性部分のみを有していることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のシート材。
【請求項5】
前記凸部(4)において最も高く表面側に突出した頂(4a)と、前記凹部(5)において最も低く裏面側に窪んだ底(5a)の間に、側断面視形状が下に凸の略円弧状である下凸側断面円弧部(6)が設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のシート材。
【請求項6】
前記基材(2)と表皮材(3)の間に、前記表皮材(3)より硬い硬質部(7)が設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のシート材。
【請求項7】
前記介在体(2B)は、前記凸部(4)と平面視形状及び大きさが略同一である凸介在体(2B1)と、前記凸介在体(2B1)と平面視形状及び大きさが略同一のくり抜き部(2B2A)が形成されて前記凹部(5)と平面視形状及び大きさが略同一である凹介在体(2B2)を含み、
前記凸介在体(2B1)は、前記凹介在体(2B2)より厚く、
前記介在体(2B)は、前記凸介在体(2B1)が前記凹介在体(2B2)のくり抜き部(2B2A)に嵌った状態で、前記基材本体(2A)と表皮材(3)の間に存在していることを特徴とする請求項2又は3に記載のシート材。
【請求項8】
基材(2)と、前記基材(2)の表面側に付着した表皮材(3)を有し、前記表皮材(3)に、凸部(4)と凹部(5)が形成されたシート材の製造方法であって、
前記基材凸部(24)と基材凹部(25)を設けた状態の基材(2)の表面側に、前記表皮材(3)を付着する付着工程(P)を備え、
前記付着工程(P)において、
前記基材凸部(24)を設けた箇所では、前記凸部(4)を形成し、
前記基材凹部(25)を設けた箇所では、前記凹部(5)を形成することを特徴とするシート材の製造方法。
【請求項9】
前記基材(2)は、基材本体(2A)と介在体(2B)を有し、
前記介在体(2B)は、前記基材本体(2A)と表皮材(3)の間に存在し、且つ、平面視面積が前記基材本体(2A)及び表皮材(3)より小さく、
前記付着工程(P)は、前記基材本体(2A)と表皮材(3)の間に介在体(2B)を存在させた状態の基材(2)の表面側に、前記表皮材(3)を付着する工程であり、
前記付着工程(P)において、
前記介在体(2B)が存在する箇所が、前記基材凸部(24)を設けた箇所となり、
前記介在体(2B)が存在しない箇所が、前記基材凹部(25)を設けた箇所となることを特徴とする請求項8に記載のシート材の製造方法。
【請求項10】
当該製造方法は、エンボス工程を備えていないことを特徴とする請求項8又は9に記載のシート材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の表面側に付着した表皮材に凸部と凹部が形成されたシート材、及び、そのシート材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂表皮材の製造方法が知られている(特許文献1)。
この製造方法は、基布と、前記基布の一方の面に、接着剤層と、軟化点が145℃以上の樹脂を含む表皮層とをこの順に有し、表皮材形成用積層体を形成する工程と、得られた表皮材形成用積層体に対して、前記表皮層側に凹凸を有するエンボスロールを、前記基布側にバックアップロールを、それぞれ接触させ、前記エンボスロールの加熱温度をA(℃)とし、前記バックアップロールの加熱温度をB(℃)とした場合、AとBとが下記条件(I)、条件(II)及び条件(III)を満たす温度条件下でエンボス加工し、前記表皮材形成用積層体に、凹部底面と凸部頂面との距離が250μm以上の凹部を形成する工程と、を有する。
条件(I):130℃≦A≦180℃
条件(II):180℃≦B≦250℃
条件(III):表皮層に含まれる樹脂の軟化点-15℃≦A<表皮層に含まれる樹脂の軟化点
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/155692号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された合成樹脂表皮材は、エンボス加工することによって、結局は、表皮層の凹部全体に、当該表皮層が変性(熱や圧力等により表皮層が溶融や軟化することで、表皮層の光沢、凹凸、色などの表面性状や、強度が変化)した部分が生じるため、表皮層が熱変形して縮んだり、凹凸柄のピッチが安定せず、風合いが低下する問題があった。
この問題は、フラットエンボスを用いたエンボス加工でも同様である。
又、特許文献1の合成樹脂表皮材の製造方法では、表皮層越しに接着層と基布を加熱するため、大きなエネルギーロスがあり、エンボス加工機が高温となってその操作は危険が伴うと共に、エンボス加工において、凹凸柄ごとに高額・高重量なエンボス型材を作成することから、製造コストの上昇を招き、型材の交換が重労働となる。
【0005】
本発明は、このような点に鑑み、基材に設けた凸部で表皮材が押し上げられて凸部が形成され、基材に設けた凹部では表皮材が押し上げられずに凹部が形成される等によって、「表皮材の熱変形防止」や「エネルギー効率の向上」などを実現するシート材、及び、シート材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るシート材1は、基材2と、前記基材2の表面側に付着した表皮材3を有し、前記表皮材3に、凸部4と凹部5が形成されたシート材であって、前記基材2の表面側に、基材凸部24と基材凹部25が設けられ、前記基材凸部24が設けられた箇所では、当該基材凸部24に表皮材3が表面側へ押し上げられて前記凸部4が形成され、前記基材凹部25が設けられた箇所では、当該基材凹部25に表皮材3が表面側へ押し上げられずに前記凹部5が形成されていることを第1の特徴とする。
【0007】
本発明に係るシート材1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記基材2は、基材本体2Aと介在体2Bを有し、前記介在体2Bは、前記基材本体2Aと表皮材3の間に存在し、且つ、平面視面積が前記基材本体2A及び表皮材3より小さく、前記介在体2Bの存在する箇所が、前記基材凸部24が設けられた箇所となり、前記介在体2Bの存在しない箇所が、前記基材凹部25が設けられた箇所となる点にある。
【0008】
本発明に係るシート材1の第3の特徴は、基材2と、前記基材2の表面側に付着した表皮材3を有し、前記表皮材3に、凸部4と凹部5が形成されたシート材であって、前記基材2は、基材本体2Aと介在体2Bを有し、前記介在体2Bは、前記基材本体2Aと表皮材3の間に存在し、且つ、平面視面積が前記基材本体2A及び表皮材3より小さく、前記介在体2Bが存在する箇所では、前記凸部4が形成され、前記介在体2Bが存在しない箇所では、前記凹部5が形成されている点にある。
【0009】
本発明に係るシート材1の第4の特徴は、上記第1~3の特徴に加えて、前記表皮材3は、熱可塑性の素材で形成されている一方で、前記表皮材3の凹部5に、当該表皮材3が変性していない非変性部分のみを有している点にある。
【0010】
本発明に係るシート材1の第5の特徴は、上記第1~3の特徴に加えて、前記凸部4において最も高く表面側に突出した頂4aと、前記凹部5において最も低く裏面側に窪んだ底5aの間に、側断面視形状が下に凸の略円弧状である下凸側断面円弧部6が設けられている点にある。
【0011】
本発明に係るシート材1の第6の特徴は、上記第1~3の特徴に加えて、前記基材2と表皮材3の間に、前記表皮材3より硬い硬質部7が設けられている点にある。
【0012】
本発明に係るシート材1の第7の特徴は、上記第2又は3の特徴に加えて、前記介在体2Bは、前記凸部4と平面視形状及び大きさが略同一である凸介在体2B1と、前記凸介在体2B1と平面視形状及び大きさが略同一のくり抜き部2B2Aが形成されて前記凹部5と平面視形状及び大きさが略同一である凹介在体2B2を含み、前記凸介在体2B1は、前記凹介在体2B2より厚く、前記介在体2Bは、前記凸介在体2B1が前記凹介在体2B2のくり抜き部2B2Aに嵌った状態で、前記基材本体2Aと表皮材3の間に存在している点にある。
【0013】
これらの特徴により、基材2に設けられた基材凸部24で表皮材3が押し上げられて凸部4が形成され、基材2に設けられた基材凹部25では表皮材3が押し上げられずに凹部5が形成されることによって、特許文献1とは異なり、ロールエンボスやフラットエンボス等によりエンボス加工をせずとも、表皮材3に凸部4と凹部5を形成することが可能となり、表皮材3に変性した部分が生じることがないため、表皮材3が熱変形して縮まず、凹凸柄のピッチが安定し、風合いも保つことが出来る(「表皮材の熱変形防止」など)。
これと同時に、エンボス加工をしないことで、表皮材3越しの基材2を加熱しないため、エネルギー効率も向上し、高温となるエンボス加工機の操作不要によって製造時の危険低減を図れると共に、凹凸柄ごとの高額・高重量なエンボス型材は不要となり、製造コストや、型材交換不要による労働負荷が低減できる(「エネルギー効率の向上」など)。
尚、シート材1は、エンボス加工なしに、表皮材3に凸部4と凹部5を形成することが出来ることから、「非エンボス凹凸シート材」であるとも言える。
【0014】
又、基材本体2Aと表皮材3の間に、これら基材本体2Aや表皮材3より面積の小さい介在体2Bを存在させるだけで、当該介在体2Bが存在する箇所に(凸部4となる)基材凸部24が設けられ、当該介在体2Bが存在しない箇所に(凹部5となる)基材凹部25が設けられることによって、非常に簡便に凸部4と凹部5が形成でき、製造効率の向上が図れる。
【0015】
更に、熱可塑性の素材で形成された表皮材3の凹部5には、非変性部分のみを有することによって、表皮材3の光沢、凹凸、色などの表面性状や、強度を変化させず、表皮材3の熱変形や縮みを防止でき、更なる凹凸柄のピッチ安定や風合い保持を図れる。
【0016】
そして、凸部4の頂4aと凹部5の底5aの間に下凸側断面円弧部6を設けることによって、凸部4と凹部5間の境界が視認し難く又は視認できなくなり(つまり、境界を消すとも言える)、エンボス加工では実現できなかった、メリハリを抑えた凹凸柄「凸部4から凹部5にかけてのグラデーション」が可能となる。
【0017】
そして、基材2と表皮材3の間に、表皮材3より硬い硬質部7を設けることによって、凸部4の頂4aと凹部5の底5aの間において、凸部の頂4a周辺に、上に凸で側断面が角となった部分(謂わば、上凸側断面角部7’)が形成されることとなり、凸部4の頂4aの輪郭は視認できる一方で、凹部5の底5a周辺では境界が視認し難い又は視認できない(つまり、境界を消す)ことが可能となり、凸部4の頂4aの形状は際立たせつつ、凹部5の底5aに近づくにつれてグラデーションを形成でき、意匠性が更に向上する。
【0018】
そして、凸部4と略同一形状・大きさで厚い凸介在体2B1を、凹部5と略同一形状・大きさで薄い凹介在体2B2におけるくり抜き部2B2Aに嵌めた状態で、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させることによって、凸部4を所望の位置に精度よく存在させることが出来る(「位置決め精度の向上」)。
これと共に、仮にもし凸部4が柄としての幅が狭い(謂わば、凸介在体2B1単独では倒れ易い)場合であっても、そのような凸介在体2B1を凹介在体2B2が支えるため、凸介在体2B1を基材本体2Aと表皮材3の間に存在させる際に、当該凸介在体2B1が倒れ難くなり、安定的に凸部4を形成できる。
【0019】
本発明に係るシート材1の製造方法は、基材2と、前記基材2の表面側に付着した表皮材3を有し、前記表皮材3に、凸部4と凹部5が形成されたシート材の製造方法であって、前記基材凸部24と基材凹部25を設けた状態の基材2の表面側に、前記表皮材3を付着する付着工程Pを備え、前記付着工程Pにおいて、前記基材凸部24を設けた箇所では、前記凸部4を形成し、前記基材凹部25を設けた箇所では、前記凹部5を形成することを第1の特徴とする。
【0020】
本発明に係るシート材1の製造方法の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記基材2は、基材本体2Aと介在体2Bを有し、前記介在体2Bは、前記基材本体2Aと表皮材3の間に存在し、且つ、平面視面積が前記基材本体2A及び表皮材3より小さく、前記付着工程Pは、前記基材本体2Aと表皮材3の間に介在体2Bを存在させた状態の基材2の表面側に、前記表皮材3を付着する工程であり、前記付着工程Pにおいて、前記介在体2Bが存在する箇所が、前記基材凸部24を設けた箇所となり、前記介在体2Bが存在しない箇所が、前記基材凹部25を設けた箇所となる点にある。
【0021】
本発明に係るシート材1の製造方法の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、当該製造方法は、エンボス工程を備えていない点にある。
【0022】
これらの特徴により、基材凸部24と基材凹部25を設けた状態の基材2の表面側に表皮材3を付着する付着工程Pにて、基材凸部24で凸部4を形成し、基材凹部25で凹部5を形成することによって、特許文献1とは異なり、製造方法において、ロールエンボスやフラットエンボス等によるエンボス工程を備えずとも、表皮材3に凸部4と凹部5を形成することが可能となり、表皮材3に変性した部分が生じることがないため、表皮材3が熱変形して縮まず、凹凸柄のピッチが安定し、風合いも保つことが出来る(「表皮材の熱変形防止」など)。
これと同時に、エンボス工程を備えないことで、エネルギー効率が向上し、製造時の危険低減を図れると共に、凹凸柄ごとの高額・高重量なエンボス型材は不要となり、製造コストや労働負荷が低減できる(「エネルギー効率の向上」など)。
尚、シート材1の製造方法は、エンボス工程を備えずとも、表皮材3に、凸部4と凹部5を形成することが出来ることから、「非エンボス凹凸シート材の製造方法」であるとも言える。
【0023】
又、基材本体2Aと表皮材3の間に、基材本体2Aや表皮材3より面積の小さい介在体2Bを存在させるだけで、当該介在体2Bが存在する箇所に基材凸部24を設け、当該介在体2Bが存在しない箇所に基材凹部25を設けることによって、非常に簡便に凸部4と凹部5を形成して、製造効率を向上できる。
【0024】
尚、従来も、エンボス工程前に、平坦な基材の表面側に表皮材を付着する工程は行っていたことから、エンボス工程を備えない分だけ、製造効率が向上すると言える。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るシート材及びその製造方法によると、基材に設けた凸部で表皮材が押し上げられて凸部が形成され、基材に設けた凹部では表皮材が押し上げられずに凹部が形成される等によって、「表皮材の熱変形防止」や「エネルギー効率の向上」などを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るシート材の第1実施形態を示す側断面概要図である。
図2】第1実施形態の実施例(実施例0)を示す図面代用写真であり、(a)は拡大側断面斜視を示し、(b)は拡大斜視を示し、(c)は凸部を押し下げた際に、凸部と凹部の間の拡大斜視を示す。
図3】本発明に係るシート材の第2実施形態を示す側断面概要図である。
図4】実施例1を示す図面代用写真であり、(a)は側断面斜視を示し、(b)は斜視を示す。尚、(a)の側断面は(b)中の切断した側断面である。
図5】実施例2を示す図面代用写真であり、(a)は側断面斜視を示し、(b)は斜視を示す。尚、(a)の側断面は(b)中の切断した側断面である。
図6】実施例3を示す図面代用写真であり、(a)は側断面斜視を示し、(b)は斜視を示す。尚、(a)の側断面は(b)中の端面における側断面である。
図7】実施例4を示す図面代用写真であり、(a)は側断面斜視を示し、(b)は斜視を示す。尚、(a)の側断面は(b)中の切断した側断面である。
図8】実施例5を示す図面代用写真であり、(a)は側断面斜視を示し、(b)は斜視を示す。尚、(a)の側断面は(b)中の端面における側断面である。
図9】実施例6を示す図面代用写真であり、(a)は側断面斜視を示し、(b)は斜視を示す。尚、(a)の側断面は(b)中の端面における側断面である。
図10】実施例7を示す図面代用写真であり、(a)は側断面斜視を示し、(b)は斜視を示す。尚、(a)の側断面は(b)中の端面における側断面である。
図11】実施例8を示す図面代用写真であり、(a)は側断面斜視を示し、(b)は斜視を示す。尚、(a)の側断面は(b)中の端面における側断面である。
図12】実施例9を示す図面代用写真であり、(a)は拡大側断面斜視を示し、(b)は拡大斜視を示す。尚、(a)の側断面は(b)中の切断した側断面である。
図13】実施例10を示し、(a)は側断面概要図であり、(b)は拡大側断面斜視を示す図面代用写真であり、(c)は拡大斜視を示す図面代用写真である。
図14】実施例11を示し、(a)はシート材全体の側断面概要図であり、(b)はシート材における凸介在体を凹介在体のくり抜き部に嵌める前を示す図面代用写真であり、(c)はシート材における凸介在体を凹介在体のくり抜き部に嵌めた状態を示す図面代用写真である。
図15】本発明に係るシート材の第1実施形態の変形例を示す側断面概要図であり、(a)は変形例1を示し、(b)は変形例2を示し、(c)は変形例3を示し、(d)は変形例4を示す。
図16】比較例1のシート材を示す図面代用写真であり、(a)は拡大側断面斜視を示し、(b)は拡大斜視を示し、(c)は凸部を押し下げた際に、凸部と凹部の間の拡大斜視を示す。
図17】比較例2のシート材を示す図面代用写真であり、(a)は拡大側断面斜視を示し、(b)は拡大斜視を示し、(c)は凸部を押し下げた際に、凸部と凹部の間の拡大斜視を示す。
図18】比較例3のシート材を示す図面代用写真であり、(a)は拡大側断面斜視を示し、(b)は拡大斜視を示し、(c)は凸部を押し下げた際に、凸部と凹部の間の拡大斜視を示す。尚、図16(a)は側断面に焦点を合わせているため、表皮材の表面側は黒く見える。
図19】シート材の製造方法における付着工程の第1実施形態を示す側断面概要図であり、(a)は付着工程前を示し、(b)は付着工程後を示す。
図20】シート材の製造方法における付着工程の第2実施形態を示す側断面概要図であり、(a)は付着工程前を示し、(b)は付着工程後を示す。
図21】本発明に係るシート材の製造方法を示すフローチャートであって、(a)は第1-1実施形態を示し、(b)は第1-2実施形態を示し、(c)は第1-3実施形態を示し、(d)は第2-1実施形態を示し、(e)は第2-2実施形態を示す。
図22】シート材の製造方法における付着工程の第1実施形態の変形例を示す側断面概要図であり、(a)は変形例1の付着工程前を示し、(b)は変形例2の付着工程前を示し、(c)は変形例3の付着工程前を示し、(d)は変形例4の付着工程前を示す。
図23】比較例のシート材の製造方法を示す側断面概要図であり、(a)はエンボス工程前を示し、(b)はエンボス工程後を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<シート材1の全体構成>
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1~15には、本発明に係るシート材1が示されており、このシート材1は、後述する基材2と、表皮材3を有し(謂わば、基材2と表皮材3は積層され)、表皮材3には、後述する凸部4と凹部5が形成されている。
シート材1における基材2の表面2a側には、後述する基材凸部24と基材凹部25が設けられている。
シート材1は、基材2が、後述する基材本体2Aと介在体2Bを有していても良い。
又、シート材1は、凸部4の頂4aと、凹部5の底5aの間に、後述する下凸側断面円弧部6が設けられていても良い。
更に、シート材1は、基材2と表皮材3の間に、後述する硬質部7が設けられていても良い。
【0028】
このようなシート材1の「表面1a」とは、自動車等のオーナメント(ドアトリムなど)やアームレスト、インパネ(instrument panel)等の内装材、シート(椅子)を覆うシートカバーなどに使用する時に露出する側の面であるとも言える。
逆に、シート材1の「裏面1b」とは、オーナメントやアームレスト、インパネなどに使用する時に露出しない側の面であるとも言える。
又、シート材1の目付は、特に限定はないが、例えば、50g/m以上1000g/m以下、好ましくは70g/m以上800g/m以下、更に好ましくは100g/m以上500g/m以下であっても良い。
【0029】
シート材1の厚さ1wは、何れの値でも良いが、例えば、1mm以上100mm以下、好ましくは1mm以上50mm以下、更に好ましくは2mm以上40mm以下(5.5mmや、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、10.0mm、11.0mm、15.0mmなど)であっても良い。尚、シート材1の厚さ1wが2mmなどの場合(薄い場合)、オーナメント(ドアトリムなど)としてはスポーティ用となるとも言える。
シート材1の厚さ1wのうち、後述する凹部5の底5aからシート材1の裏面1bまでの厚さは、当然、シート材1の厚さ1wから、凹部5の深さ(シート材1の表面1aから凹部5の底5aまでの深さ)5dを引いた値となる。
尚、シート材1が分厚い(厚さ1wが所定値(例えば、30mmなど)以上である)場合には、シート材1は、略直方体状であるとも言える。
【0030】
<シート材1の第1、2実施形態>
シート材1の第1実施形態としては、後述する基材2が、基材本体2Aと介在体2Bを有し、基材本体2Aや表皮材3より面積の小さい介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させたものである(図1、2参照)。
シート材1の第2実施形態として、基材2は、基材本体2Aと介在体2Bに分かれておらず、後述するように、基材2の表面2a側に、直接、基材凸部24や基材凹部25を設けたものである(図3参照)。
【0031】
<基材2>
図1~15に示したように、基材2は、上述したシート材1の基本となる部材であり、その表面2a側には、後述する表皮材3が付着していて、この表皮材3を基材2が支えている(支持している)とも言える。尚、基材2は、クッション性(緩衝性や可撓性)を有していても良く、所定の厚さ2wを有した層状やマット状、シート状の部材であると言える。
基材2の表面2a側には、基材凸部24と基材凹部25が設けられている。
尚、基材2は、表皮材3と平面視面積が略同じであったり、表皮材3より平面視面積が小さかったり、大きくても良い。
基材2は、上述したように、シート材1の実施形態によって構成が異なる。
【0032】
<基材2と、シート材1の第1、2実施形態の関係>
基材2は、シート材1が第1実施形態である場合、基材2が基材本体2Aと介在体2Bの別体に分かれることとなる。
基材2は、シート材1が第2実施形態である場合、基材2は、基材本体2Aと介在体2Bに分かれず、当該基材2で一体となる。
【0033】
尚、基材2の「表面2a」とは、自動車等のオーナメント(ドアトリム)やアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する場合は、使用時に露出する側に近い側の面であると言える。
更に、基材2の「表面2a側」とは、基材2の上述した表面2aの側を意味する以外に、使用時に露出する表皮材3の表面3aに近い側、更には、表皮材3の表面3a自体の側も意味する。
逆に、基材2の「裏面2b」とは、オーナメントやアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する時に露出しない側の面、又は、露出しない側に近い側の面であるとも言える。
【0034】
基材2の厚さ2wも、何れの値でも良いが、例えば、1mm以上100mm以下、好ましくは1mm以上50mm以下、更に好ましくは2mm以上40mm以下(1.0mmや、2.0mm、3.0mm、4.0mm、5.0mm、10.0mmなど)であっても良い。
基材2の構成・素材についても、特に限定はないが、例えば、ポリウレタンフォーム(PUF)や、ポリスチレンフォーム(PSF)、ポリエチレンフォーム(PEF)、ポリプロピレンフォーム(PPF)等の発泡させた合成樹脂(合成樹脂フォーム)であっても良い。
【0035】
その他、基材2の構成・素材としては、例えば、表経編地と裏経編地を連結糸で連結し、表経編地と裏経編地の間にスペースを有したダブルラッセル編地(スペーサラッセル編地)などの編地(編物)や、二重織、二重以上の多重織などの織地(織物)等を含む布帛であっても良い。
これらの布帛を構成(編成、織成等)する繊維についても、その素材に特に限定はないが、例えば、熱可塑性の素材であるポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維などの合成繊維でも良く、その他、ガラス繊維、羊毛、絹などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
又、これらの布帛を構成(編成、織成等)する繊維の繊度も、何れの値でも良いが、例えば、総繊度で、20dtex以上3000dtex以下であっても良い。
【0036】
その他、基材2の構成・素材としては、例えば、合成樹脂の不織布であっても良く、この不織布を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維などの合成繊維であったり、その他、綿、絹、ガラス繊維、羊毛などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
これら以外に、基材2の構成・素材としては、例えば、合成皮革であっても良く、この合成皮革とは、織物(織地)や編物(編地)、不織布の布帛(布地)を基材とし、この基材に合成樹脂を塗布や含浸させたものであっても良い。尚、合成皮革のうち、基材が不織布で、合成樹脂は含浸によるものを人工皮革とも言う。
更に他には、基材2の構成・素材として、例えば、フィルムなどのシート状物であっても良く、それを構成する素材としては、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂などの合成樹脂などや、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
その他、基材2の構成・素材としては、本皮(天然皮革)そのものなどであっても良い。
このような基材2について、まずは、シート材1が第1実施形態であり、基材本体2Aと介在体2Bに分かれているとして、以下に述べる。
【0037】
<基材本体2A>
図1~15に示したように、基材本体2Aは、上述した基材2の一部であり、その基材2と同様に、上述したシート材1の基本となる(表皮材3を支える)部材であると言える。尚、基材本体2Aも、クッション性(緩衝性や可撓性)を有していても良く、所定の厚さ2Awを有した層状やマット状、シート状の部材であると言える。
基材本体2Aの表面(本体表面)2Aa側には、後述する介在体2Bや表皮材3が存在するとも言え、基材本体2Aも、シート材1の実施形態によって構成が異なる。
【0038】
<基材本体2Aと、シート材1の第1、2実施形態の関係>
基材本体2Aは、シート材1が第1実施形態である場合、介在体2Bより平面視面積が大きく、基材本体2Aの本体表面2Aa側が略平坦となる(図1、2参照)。尚、基材本体2Aは、表皮材3と平面視面積が略同じであったり、表皮材3より平面視面積が小さかったり、大きくても良い。
基材本体2Aは、シート材1が第2実施形態である場合、上述したように、基材2と一体となって、別体の基材本体2Aとしては存在しなくなる(図3参照)。
【0039】
尚、基材本体2Aにおいて、「本体表面2Aa」とは、自動車等のオーナメント(ドアトリム)やアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する場合は、使用時に露出する側の面であると言える。
更に、基材本体2Aの「本体表面2Aa側」とは、基材2の上述した表面2aの側を意味する以外に、使用時に露出する表皮材3の表面3aに近い側も意味する。
逆に、基材本体2Aの「本体裏面2Ab」とは、オーナメントやアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する時に露出しない側の面、又は、露出しない側に近い側の面であるとも言える。
尚、基材本体2Aの厚さ2Awや、その構成・素材についても、特に限定はなく、上述した基材2の厚さ2wのような数値範囲であったり、上述したポリウレタンフォームなど基材2と同様の構成・素材であっても良い。
【0040】
<介在体2B>
図1~15に示したように、介在体2Bも、上述した基材2の一部であり、その基材2と同様に、上述したシート材1の基本となる(表皮材3を支える)部材であると言える。尚、介在体2Bも、クッション性(緩衝性や可撓性)を有していても良く、所定の厚さ2Bwを有した層状やマット状、シート状の部材であったり、紐状や棒状の部材であると言える。
介在体2Bは、上述した基材本体2Aと、後述する表皮材3の間に存在しており、詳解すれば、介在体2Bの表面(介在表面)2Ba側には、後述する表皮材3が存在し、介在体2Bの裏面(介在裏面)2Bb側には、上述した基材本体2Aが存在するとも言える。
1つのシート材1に対する介在体2Bの個数は、1つ又は複数であっても良く、介在体2Bの個数が複数である場合、基材本体2Aと表皮材3の間で、本体表面2Aaや表皮裏面3bに略沿って、複数の介在体2Bが存在しても(側面断面視で複数が横に並んで存在しても)構わない。
その他、介在体2Bは、後述する凸介在体2B1と凹介在体2B2を含んでいても良い。
介在体2Bも、シート材1の実施形態によって構成が異なる。
【0041】
<介在体2Bと、シート材1の第1、2実施形態の関係>
介在体2Bは、シート材1が第1実施形態である場合、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積が小さく、介在体2Bの介在表面2Ba側が略平坦となる(図1、2参照)。
介在体2Bも、シート材1が第2実施形態である場合、上述したように、基材2と一体となって、別体の介在体2Bとしては存在しなくなる(図3参照)。
【0042】
尚、介在体2Bにおいて、「介在表面2Ba」とは、自動車等のオーナメント(ドアトリム)やアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する場合は、使用時に露出する側の面であると言える。
更に、介在体2Bの「介在表面2Ba側」とは、基材2の上述した表面2aの側を意味する以外に、使用時に露出する表皮材3の表面3aに近い側も意味する。
逆に、介在体2Bの「介在裏面2Bb」とは、オーナメントやアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する時に露出しない側の面、又は、露出しない側に近い側の面であるとも言える。
介在体2Bの平面視形状は、特に制限はないが、例えば、複数の細長い蒲鉾状や、紐状、先細りの棒状であったり、複数の細長い介在体2Bが重なっていても良い。
又、介在体2Bの平面視形状は、1つの広く大きい枠状の介在体2B(この枠状の介在体2Bは、平面視面積が基材本体2Aや表皮材3と略同じ、又は、1回り小さい)に対して、所定の孔部や切欠部が形成されたものでも良く、このうち、孔部の例としては、平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向等に繰り返し形成された略六角形状や略菱形状の孔部(繰り返される各孔部の形状は正確に同一でなく、一部が他と若干異なっていても良い、以下、凸部4や凹部5等においても同様)であったり、1つ又は複数の文字(欧文字や、ひらがな、カタカナ、漢字、何れかの言語の文字)や数字、記号などの孔部であったり、所定方向に向かって直線的に(真っ直ぐ)又は曲線的に(カーブしながら)所定間隔ごとに並んで形成された略平行四辺形状や略台形状の複数の孔部であったり、その他、複数の所定長さの筋形状の孔部や切欠部であっても構わない。
その他、介在体2B自体が文字などの平面視形状となるように、略楕円形や略円形、略矩形などの枠状の介在体2B内に、所定の文字などの平面視形状となる介在体2Bが残るように、所定形状の孔部を形成したり(くり抜いたり)、枠状の介在体2Bがなく所定の文字などの平面視形状のみとなる介在体2Bであっても良い。
尚、介在体2Bの厚さ2Bwや、その構成・素材についても、特に限定はなく、上述した基材2や基材本体2Aの厚さ2w、2Awのような数値範囲であったり、上述したポリウレタンフォームなど基材2と同様の構成・素材であっても良い。尚、介在体2Bの具体的な素材は、基材2や基材本体2Aと同じであったり、異なっていても(例えば、基材2や基材本体2Aはポリウレタンフォームであるが、介在体2Bは紐であったり、より高密度で棒状のポリウレタンフォーム等であっても)良い。
又、介在体2Bの個数が複数である場合、各介在体2Bの平面視形状や、厚さ2Bw、その構成・素材は、それぞれ略同じであったり、異なっていても良い。
更に、介在体2Bの厚さ2Bwは、略一定であったても良く、この場合、介在体2Bは、側断面視において、その上部の角が略90°である(謂わば、上角部分を有する)とも言える。その他、介在体2Bの厚さ2Bwは、逆に、略一定でなくとも良く、例えば、介在体2Bの端部に行くほど薄くなる等であっても構わない。
【0043】
<凸介在体2B1と凹介在体2B2>
図14に示したように、凸介在体2B1は、後述する凸部4と平面視形状及び大きさが略同一である介在体2Bであり、後述する凹介在体2B2より厚く(分厚く)、詳解すれば、凸介在体2B1の厚さ2B1wの値は、凹介在体2B2の厚さ2B2wの値より大きい。
尚、本発明における「凸介在体2B1は、凸部4と平面視形状及び大きさが略同一である」とは、凸介在体2B1と凸部4の平面視形状及び大きさが全く同一である場合だけでなく、凸介在体2B1と凸部4の平面視形状はほぼ相似であり且つ大きさが若干異なる(例えば、0.1mm以上3.0mm以下(表皮材3の厚さ)等だけ、凸介在体2B1は、凸部4より小さかったり、大きかったり等の)場合も含む。
図14に示したように、凹介在体2B2は、後述するくり抜き部(又は、開口部、孔部)2B2Aが形成され、後述する凹部5と平面視形状及び大きさが略同一である介在体2Bであり、上述した凸介在体2B1より薄く、詳解すれば、凹介在体2B2の厚さの値は、凸介在体2B1の厚さの値より小さい。
尚、本発明における「凹介在体2B2は、凹部5と平面視形状及び大きさが略同一である」とは、凹介在体2B2と凹部5の平面視形状及び大きさが全く同一である場合だけでなく、凹介在体2B2と凹部5の平面視形状はほぼ相似であり且つ大きさが若干異なる(例えば、0.1mm以上3.0mm以下(表皮材3の厚さ)等だけ、凹介在体2B2は、凹部5より大きかったり、小さかったり等の)場合も含む。
又、凹介在体2B2におけるくり抜き部2B2Aは、上述した凸介在体2B1と平面視形状及び大きさが略同一であり、換言すれば、くり抜き部2B2Aは、後述する凸部4と平面視形状及び大きさが略同一であると言える。
尚、本発明における「くり抜き部2B2Aは、凸介在体2B1と平面視形状及び大きさが略同一である」とは、くり抜き部2B2Aは、凸介在体2B1の平面視形状及び大きさが全く同一である場合だけでなく、くり抜き部2B2Aは、凸介在体2B1の平面視形状はほぼ相似であり且つ若干大きい(例えば、くり抜き部2B2Aに、凸介在体2B1が嵌るように、くり抜き部2B2Aは、凸介在体2B1より所定隙間(例えば、0.1mm以上3.0mm以下等)だけ大きい)場合も含む。
これらの凸介在体2B1と凹介在体2B2を含む介在体2Bは、凸介在体2B1が、凹介在体2B2のくり抜き部2B2Aに嵌った(嵌め込まれた)状態で、上述した基材本体2Aと、後述する表皮材3の間に存在する。
【0044】
尚、凸介在体2B1において、「凸介在表面2B1a」とは、自動車等のオーナメント(ドアトリム)やアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する場合は、使用時に露出する側の面であると言える。
更に、凸介在体2B1の「凸介在表面2B1a側」とは、基材2の上述した表面2aの側を意味する以外に、使用時に露出する表皮材3の表面3aに近い側も意味する。
逆に、凸介在体2B1の「凸介在裏面2B1b」とは、オーナメントやアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する時に露出しない側の面、又は、露出しない側に近い側の面であるとも言える。
又、凹介在体2B2において、「凹介在表面2B2a」とは、自動車等のオーナメント(ドアトリム)やアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する場合は、使用時に露出する側の面であると言える。
更に、凹介在体2B2の「凹介在表面2B2a側」とは、基材2の上述した表面2aの側を意味する以外に、使用時に露出する表皮材3の表面3aに近い側も意味する。
逆に、凹介在体2B2の「凹介在裏面2B2b」とは、オーナメントやアームレスト、インパネなどにシート材1を使用する時に露出しない側の面、又は、露出しない側に近い側の面であるとも言える。
凸介在体2B1の厚さ2B1wや、凹介在体2B2の厚さ2B2wは、上述したように、凸介在体2B1の厚さ2B1wの値が、凹介在体2B2の厚さ2B2wの値より大きければ(2B1w>2B2wであれば)、特に制限はなく、上述した基材2や基材本体2Aの厚さ2w、2Awのような数値範囲であっても良いが、凸介在体2B1の厚さ2B1wが、凹介在体2B2の厚さ2B2wの何倍(n倍)か等についても、何れの値でも良く、例えば、凸介在体2B1の厚さ2B1wは、凹介在体2B2の厚さ2B2wの1.1倍以上10.0倍以下(1.1≦n≦10.0)、好ましくは1.2倍以上5.0倍以下(1.25≦n≦5.00)、更に好ましくは1.5倍以上3.0倍以下(1.5≦n≦3.0)(1.5倍や、2.0倍、3.0倍、4.0倍、5.0倍など)であっても構わない。
尚、逆に、凹介在体2B2の厚さ2B2wは、凸介在体2B1の厚さ2B1wの1/n(n分の1)であるとも言え、この場合におけるnの範囲も、上述と同様で、例えば、凹介在体2B2の厚さ2B2wは、凸介在体2B1の厚さ2B1wの1/2(2分の1)や、1/3(3分の1)、1/4(4分の1)、1/5(5分の1)、2/3(3分の2)などであっても良い。
その他、凸介在体2B1や凹介在体2B2等の構成、作用効果や使用態様は、上述した介在体2Bと同様である。
又、介在体2Bが凸介在体2B1と凹介在体2B2を含む場合、2つの介在体2B1、2B2は、上述した基材本体2Aと、後述する表皮材3の間に存在することとなるが、この場合における基材本体2Aの素材は、2つの介在体2B1、2B2と同じであっても良いが、異なっていても構わない。異なる場合における基材本体2Aの素材は、表皮材3のように、織物(織地)、編物(編地)、不織布などの布帛や、合成皮革、フィルム等であっても良い。
【0045】
<基材凸部24>
図1~15に示したように、基材凸部24は、上述した基材2の表面2a側に設けられた上方(表面2a側)に突出した凸状の部分である。
基材凸部24は、上述した介在体2Bが存在する箇所を、当該基材凸部24が設けられた箇所としても良く、基材2が基材本体2Aと介在体2Bに分かれておらず、基材2の表面2a側に、直接、基材凸部24が設けられても良い。
ここで、「基材2の表面2a側に、直接、基材凸部24が設けられる」とは、1つの所定厚さの合成樹脂フォーム(例えば、ポリウレタンフォーム)等の基材2を、上下から交互に圧縮する等して、真ん中に切断刃を入れてスライスするプロファイル加工によって、基材2の表面2aに直接凹凸を設けた際の凸部を、基材凸部24としても良く、その他、1つの所定厚さのポリウレタンフォーム等の基材2に対して、切断刃を水平又は垂直に駆動させて任意の形状に裁断する加工(2次元加工とも呼ばれる)や、ロボットやNC(Numerical Control、数値制御)加工機、汎用機等の加工機による切削加工、メス型とオス型で圧縮し、メス型より突出した部分を切断刃でカットするくり抜き加工、成形したい金型を押し当て高熱でプレスしながら形取る熱プレス加工などによって、基材2の表面2a側に、直接、基材凸部24を設けても構わない。
尚、1つのシート材1に対する基材凸部24(後述する各種類ごとの基材凸部24)の個数は、1つ又は複数であっても良い。
基材凸部24も、シート材1の実施形態によって構成が異なる。
【0046】
<基材凸部24と、シート材1の第1、2実施形態の関係>
基材凸部24は、シート材1が第1実施形態である場合、上述した介在体2B自体が存在する箇所が当然基材凸部24が設けられた箇所となる。尚、この場合の基材凸部24は、介在体2Bによる凸部が介在基材凸部24’であるとも言える(図1、2参照)。
介在基材凸部24’の平面視形状や側断面視形状は、上述した介在体2Bの平面視形状や側断面視形状であると言える。
一方、基材凸部24は、シート材1が第2実施形態である場合、基材2が基材本体2Aと介在体2Bに分かれていないため、基材2の表面2a側に直接設けた凸部が存在する。尚、この場合の基材凸部24は、基材2の表面2a側に直接設けた凸部が基材直設凸部24”であるとも言える(図3参照)。
基材直設凸部24”の平面視形状は、特に制限はないが、例えば、水玉状であったり、(略円形状や略楕円形状の基材凸部24が平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向等に繰り返し形成されたり)、市松模様状であっても(チェック柄状とも言い、略正方形状や略矩形状の基材凸部24が平面視で縦方向、横方向等に繰り返し形成されても)良い。
基材直設凸部24”の側断面視形状も、特に制限はないが、例えば、上に凸の放物線状(2次曲線状)であったり、上面が略平坦で左右の両角が丸い略台地状であっても良い。
その他、基材直設凸部24”は、波状(平面視で縦方向、横方向等に繰り返し形成された波状の凹凸のうち、波状に上方に突出した形状の基材凸部24)であっても構わない。
【0047】
ここまで述べたように、基材凸部24は、少なくとも介在基材凸部24’と、基材直設凸部24”の2種類存在するところ、それぞれの基材凸部24の高さ24hについては、介在基材凸部24’の高さ24h’は、介在体2Bの上述した厚さ2Bwと同じ値であり、基材直設凸部24”の高さ24h”は、基材2の表面2a(又は、基材直設凹部25”において最も低く下方に窪んだ底)から基材直設凸部24”において最も高く上方に突出した頂までの高さの値である。
これら各基材凸部24’、24”における各高さ24h’、24h”は、互いの大小関係について、特に制限はなく、例えば、介在基材凸部24’の高さ24h’は、基材直設凸部24”の高さ24h”より高かったり(高さの値が大きかったり)、高さの値が略同じであったり、逆に、高さの値が小さかったりしても良い。
【0048】
<基材凹部25>
図1~15に示したように、基材凹部25は、上述した基材2の表面2a側に設けられた下方(裏面2b側)に窪んだ(凹んだ)凹状の部分である。
基材凹部25は、上述した介在体2Bが存在していない箇所を、当該基材凹部25が設けられた箇所としても良く、基材2が基材本体2Aと介在体2Bに分かれておらず、基材2の表面2a側に、直接、基材凹部25が設けられても良い。
ここで、「基材2の表面2a側に、直接、基材凹部25が設けられる」とは、上述したように、1つの所定厚さの合成樹脂フォーム等の基材2を、プロファイル加工によって、基材2の表面2aに直接凹凸を設けた際の凹部を、基材凹部25としても良く、その他、2次元加工や、切削加工、くり抜き加工、熱プレス加工などによって、基材2の表面2a側に、直接、基材凹部25を設けても構わない。
尚、1つのシート材1に対する基材凹部25(後述する各種類ごとの基材凹部25)の個数も、1つ又は複数であっても良い。
基材凹部25も、シート材1の実施形態によって構成が異なる。
【0049】
<基材凹部25と、シート材1の第1、2実施形態の関係>
基材凹部25は、シート材1が第1実施形態である場合、上述した介在体2B自体が存在しない箇所が当然基材凹部25が設けられた箇所となる。尚、この場合の基材凹部25は、介在体2Bによる凹部が介在基材凹部25’であるとも言える(図1、2参照)。
介在基材凹部25’の平面視形状は、上述した介在体2Bを囲む平面視形状であると言え、介在基材凹部25’の側断面視形状は、介在体2Bが存在していないため、略矩形状に窪んだ形状であると言える。
一方、基材凹部25は、シート材1が第2実施形態である場合、基材2が基材本体2Aと介在体2Bに分かれていないため、基材2の表面2a側に直接設けた凹部が存在する。尚、この場合の基材凹部25は、基材2の表面2a側に直接設けた凹部が基材直設凹部25”であるとも言える(図3参照)。
基材直設凹部25”の平面視形状も、特に制限はないが、例えば、水玉状の基材直設凸部24”を囲む形状であったり、(平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向等に繰り返し形成された略円形状や略楕円形状の基材直設凸部24”を囲む部分の形状であったり)、市松模様状の基材直設凸部24”を囲む形状であっても(チェック柄状を囲む形状とも言え、平面視で縦方向、横方向等に繰り返し形成された略正方形状や略矩形状の基材直設凸部24”を囲む形状であっても)良い。
基材直設凹部25”の側断面視形状も、特に制限はないが、例えば、下に凸の放物線状(2次曲線状)であったり、下面が略平坦で左右の両角が丸い略逆台地状であっても良い。
その他、基材直設凹部25”は、波状(平面視で縦方向、横方向等に繰り返し形成された波状の凹凸のうち、波状に下方に窪んだ形状の基材直設凹部25”)であっても構わない。
【0050】
ここまで述べたように、基材凹部25は、少なくとも介在基材凹部25’と、基材直設凹部25”の2種類存在するところ、それぞれの基材凹部25の深さ25dについては、介在基材凹部25’の深さ25d’も、介在体2Bの上述した厚さ2Bwと同じ値であると言え、基材直設凹部25”の深さ25d”は、基材2の表面2a(又は、上述した基材直設凸部24” において最も高く上方に突出した頂)から基材直設凹部25において最も低く下方に窪んだ底までの深さの値である。
これら各基材凹部25’、25”における各深さ25d’、25d”も、互いの大小関係について、特に制限はなく、例えば、介在基材凹部25’の深さ25d’は、基材直設凹部25”の深さ25d”より深かったり(深さの値が大きかったり)、深さの値が略同じであったり、逆に、深さの値が小さかったりしても良い。
ここまで述べた各基材凹部25’、25”における各深さ25d’、25d”は、上述した各基材凸部24’、24”における各高さ24h’、24h”それぞれに対応していて(表裏一体であって)も良く、例えば、介在基材凹部25’の深さ25d’の値は、介在基材凸部24’の高さ24h’の値と略同じであったり、基材直設凹部25”との深さ25d”と基材直設凸部24”の高さ24h”も、同様であっても構わない。
【0051】
<表皮材3>
図1~15に示したように、表皮材3は、上述した基材2の表面2a側に付着したシート状の部材であり、後述する凸部4と凹部5が形成されている。
表皮材3の基材2の表面2a側への付着は、特に限定はないが、例えば、ガスバーナー等で基材2の表面2a側を溶解し、溶解した当該表面2a側に表皮材3を付着されるフレームラミネート加工にて行われても良く、その他、表皮材3の基材2の表面2aの間にシート状の接着剤(接着シート)を挟み、挟んだ接着シートを溶融させて表皮材3を基材2の表面2a側に付着させるホットメルトラミネート加工や、表皮材3の裏面3b又は基材2の表面2aにペースト状の接着剤を塗布して表皮材3を基材2の表面2a側に付着させるペーストラミネート加工などにて行われても良く、又、表皮材3は、基材2の表面2aに縫製にて付着されていても構わない。
尚、表皮材3の基材2の表面2a側への付着は、シート材1が第1実施形態である場合、介在体2Bが存在しない箇所では、介在体2Bが存在しない箇所における基材本体2Aの本体表面2Aa側に表皮材3が付着するか、又は、後述する隙間2S以外で且つ介在体2Bが存在しない箇所における基材本体2Aの本体表面2Aa側に表皮材3が付着すると同時に、介在体2Bが存在する箇所では、介在体2Bの介在裏面2Bb側と基材本体2Aの本体表面2Aa側が付着しても良い。この場合、介在体2Bが存在する箇所では、介在体2Bの介在表面2Baと表皮材3とは、付着していても良いし、付着していなくとも構わない(図1、2参照)。
表皮材3の基材2の表面2a側への付着は、シート材1が第2実施形態である場合、基材2に直接設けられた凹凸(基材凸部24と基材凹部25)の表面に略沿い且つ当該表面側に表皮材3が付着する(図3参照)。
【0052】
表皮材3は、後述する熱可塑性の素材で形成されていても良く、この場合、表皮材3の凹部5に、当該表皮材3が変性していない非変性部分3’のみを有していても構わない。又、非変性部分3’は凸部4に有して(つまり、表皮材3全体が非変性部分3’のみを有して)も良い。
尚、表皮材3が、熱可塑性の素材で形成されている場合、この表皮材3に、例えば、特許文献1のように、エンボスロール等のエンボス型材にて加熱押圧された際には、この加熱押圧された部分が変性(変質)する。
ここで、本発明における「表皮材3の変性」とは、上述したように、熱や薬品等により表皮材3が溶融や軟化することで、表皮材3の表面性状(光沢、凹凸、色など)や、強度が変化することを意味し、特に、エンボス型材の押圧により変性した表皮材3は、その表面が、他の部分より略平坦となる。
逆に、表皮材3が熱可塑性の素材で形成されていても、表皮材3(凹部5や凸部4)がエンボス型材の当接(押圧)によって加熱等をされなければ、凹部5や凸部4が、表皮材3の変性していない部分(非変性部分)3’となる。
【0053】
表皮材3の「表面3a」とは、自動車等のオーナメント(ドアトリム)やアームレスト、インパネ(instrument panel)などに使用する時に露出する側の面であると言える。
逆に、表皮材3の「裏面3b」とは、オーナメントやアームレスト、インパネなどに使用する時に露出しない側の面であるとも言える。
更に、表皮材3の「裏面3b側」とは、表皮材3の上述した裏面3bの側を意味する以外に、使用時に露出しない基材2の表面2aに近い側、更には、基材2の表面2a自体の側も意味する。
【0054】
表皮材3の厚さ3wも、何れの値でも良いが、例えば、0.1mm以上3.0mm以下、好ましくは0.2mm以上2.0mm以下、更に好ましくは0.3mm以上1.0mm以下(0.3mmや、1.0mmなど)であっても良い。
表皮材3は、基材2の表面2a側に付着されるのであれば、その素材は何れでも良いが、例えば、織物(織地)、編物(編地)、不織布などの布帛や、合成皮革、フィルム等の熱可塑性の素材であったり、その他、本皮(天然皮革)などで構成されていても良い。
【0055】
表皮材3が布帛のうちの織物である場合、何れの織組織でも構わないが、例えば、平織や綾織、朱子織、二重織、二重織以上の多重織などであっても良い。尚、ここまで述べた平織等はパイルを有さない。
表皮材3が織物の場合、上述以外に、モケット織やウィルトン織などのパイル織物であっても良く、その他、織地を起毛したもの等であっても構わない。
表皮材3が布帛のうちの編物である場合、デンビー編(トリコット編)や、ラッセル編、ダブルラッセル編、バンダイク編(アトラス編)、コード編などの経編や、平編(天竺編)、ゴム編(リブ編)、パール編などの緯編など、それぞれ何れの組織であっても構わない。尚、ここまで述べたトリコット編等は、通常はパイルを有さない。
表皮材3が編物の場合、上述以外に、1又は複数の筬で編成した経編地を起毛したもの等であっても良い。
表皮材3が布帛のうちの不織布である場合には、例えば、往復するニードルに繊維を引っ掛けて繊維相互間を交絡したニードルパンチ不織布であっても良く、その他、熱融着性繊維を含有し加熱により成形されたサーマルボンド不織布、アクリル樹脂やウレタン樹脂等のエマルション樹脂の吹き付け加工により成形されたケミカルボンド不織布、ノズルから紡糸された長繊維(フィラメント)を動くスクリーン上に積層して結合させたスパンボンド不織布、ステッチボンド不織布等をニードルパンチ法などによって結合させたものであっても構わない。
表皮材3が織物や編物、不織布などの布帛である場合、それらを構成(織成、編成)する繊維としては、熱可塑性の素材であるポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維などの合成繊維でも良く、その他、ガラス繊維、羊毛、絹などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
尚、表皮材3が織物や編物、不織布などの布帛である場合、それらを構成(織成、編成)する繊維の繊度も、何れの値でも良いが、例えば、総繊度で、20dtex以上3000dtex以下であっても構わない。
【0056】
表皮材3が合成皮革の場合、この合成皮革とは、織物(織地)や編物(編地)、不織布の布帛(布地)を基材とし、この基材に合成樹脂を塗布や含浸させたものであっても良い。尚、合成皮革のうち、基材が不織布で、合成樹脂は含浸によるものを人工皮革とも言う。
表皮材3がフィルムなどのシート状物であれば、それを構成する素材としては、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂などの合成樹脂などや、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。尚、表皮材3がフィルムなどのシート状物であれば、その外観(表面3a)は、本革状(本皮様、天然皮革様)であっても良い。
【0057】
<表皮材3の押上げ>
表皮材3は、上述した基材凸部24が設けられた箇所では、その基材凸部24に、当該表皮材3が、表面側(シート材1の表面1a側や、表皮材3そのものの表面3a側)へ押し上げられて、後述する凸部4が形成される。
ここで、本発明における「基材凸部24に表皮材3が表面側へ押し上げられる」とは、図2(c)等に示したように、基材凸部24によって、表皮材3が表面側へ押圧されて、当該表皮材3が表面側に持ち上がった状態を意味しており、逆に敢えて、切断面における(押し上げられていた)凸部4を押し下げた際に、凸部4を形成する部分の表皮材3と、凹部5を形成する部分の表皮材3とが、略面一状となって、その凸部4と凹部5の間で、境界が視認できない状態になるとも言える。
つまり、「基材凸部24に表面側へ押し上げられた表皮材3」とは、押し上げられていた凸部4を押し下げた際に、凸部4を形成する部分の表皮材3と、凹部5を形成する部分の表皮材3とが、略面一状になって、その凸部4と凹部5の間で、境界が視認できない状態の表皮材3を意味する。尚、本発明では、図2(c)等に示したように、表皮材3の凹部5等において、変性部分は一切存在しない(謂わば、非変性部分3’のみを有している)。
これに対して、エンボス加工にて表皮材に凸部や凹部が形成されたシート材の比較例1~3は、図16(c)~18(c)等に示したように、エンボス型材(図23参照)によって、表皮材が裏面側へ加熱押圧されて熱変形し、当該表皮材が裏面側に下げられた状態が保存(キープ)されて凹部が形成されていることから、エンボス型材によって加熱押圧されていない箇所が凸部(謂わば、非凹部)となる。従って、敢えて、切断面における凸部を押し下げた際でも、凸部を形成する部分の表皮材と、凹部を形成する部分の表皮材とは、略面一状とならず、その凸部と凹部の間で、境界が視認できる(残ってしまう)状態になる。又、シート材の比較例1~3では、凸部の頂と凹部の底の間に、側断面視形状が下に凸の略円弧状である部分は設けられていない。
従って、「エンボス加工された表皮材」とは、エンボス型材を加熱押圧されていない凸部を押し下げても、凸部を形成する部分の表皮材と、凹部を形成する部分の表皮材とが、熱変形が残っているため、略面一状にはならず、その凸部と凹部の間で、境界が視認できる状態の表皮材を意味する。
ここで、図2の実施例と、図16、17の比較例1、2は、平面視における図柄自体は同じであり、表皮材の素材も同じである。尚、表皮材の素材が同じ等であるにも拘わらず、比較例1、2等では、図16、17等に示したように、表皮材の凹部5において、変性部分(変性(熱や圧力等により表皮層が溶融や軟化することで、表皮層の光沢、凹凸、色などの表面性状や、強度が変化)した部分)が非常に多く存在している。
又、エンボス加工されたシート材の場合には、比較例1のように、表皮材越しに基材まで熱が伝わって、当該基材が溶融して損傷(比較例1における基材の素材は、ポリウレタンフォームであるが、そのポリウレタンフォームの気泡が潰れる等)が起こり、基材として表皮材を支えられず、本来は略平坦とすべき凹部が波打つことがある(図16参照)。
【0058】
一方、表皮材3は、上述した基材凹部25が設けられた箇所では、その基材凹部25に、当該表皮材3が、表面側(シート材1の表面1a側や、表皮材3そのものの表面3a側)へ押し上げられずに、凹部5が形成される。
尚、本発明における「基材凸部24に表皮材3が表面側へ押し上げられない」とは、同様に図2(c)等に示したように、基材凹部25によって、表皮材3が表面側へ押圧されずに、当該表皮材3が表面側に持ち上がっていない状態を意味しており、敢えて、切断面における(押し上げられていた)凸部4を押し下げた際に、凸部4を形成する部分の表皮材3と、凹部5を形成する部分の表皮材3とが、略面一状となって、その凸部4と凹部5の間で、境界が視認できない状態になるとも言える。
つまり、「基材凹部25に表面側へ押し上げられていない表皮材3」とは、押し上げられていた凸部4を押し下げた際に、凸部4を形成する部分の表皮材3と、凹部5を形成する部分の表皮材3とが、略面一状になって、その凸部4と凹部5の間で、境界が視認できない状態の表皮材3を意味する。
【0059】
<凸部4>
図1~15に示したように、凸部4は、上述した表皮材3に形成され且つ表面側(シート材1の表面1a側や、表皮材3の表面3a側)に突出した凸状の部分である。
凸部4は、当該凸部4において最も高く表面側(シート材1の表面1a側や、表皮材3の表面3a側)に突出した頂4aを有し、この頂4aを囲む凸部周面4bを有していても良い。尚、凸部周面4bには、後述する上凸側断面円弧部6’が設けられていても良い。
1つのシート材1に対する凸部4の個数は、1つ又は複数であっても良い。
このような凸部4の個数が複数である場合には、これら複数の凸部4は、平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向等に繰り返し並んで形成されていたり、ランダムに並んで形成されていても良い。
【0060】
凸部4の高さ4hは、シート材1の表面1a(又は、表皮材3の表面3a)から凸部4の頂4aまでの高さであり、その値には特に限定はなく、例えば、0.1mm以上20.0mm以下、好ましくは0.3mm以上10.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以上7.0mm以下(0.5mmや、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、5.0mm、6.0mmなど)であっても良い。
又、凸部4の個数が複数である場合、各凸部4の平面視形状や側断面視形状、高さ4hは、それぞれ略同じであったり、異なっていても良い。
更に、凸部4の高さ4hは、略一定であったり、略一定でなくとも良く、例えば、凸部4の端部に行くほど低くなる等であっても構わない。
凸部4やその頂4aは、シート材1の実施形態によって構成が異なる。
【0061】
<凸部4・頂4aと、シート材1の第1実施形態の関係>
図1、2に示したように、凸部4は、シート材1が第1実施形態である場合、基材凸部24が、上述した介在体2B自体が存在する箇所の介在基材凸部24’の1種類のみ存在することとなるため、上述した介在体2Bの平面視形状と略同じ平面視形状の凸部4が存在することとなる。
この場合、凸部4の平面視形状は、特に制限はないが、例えば、上述した介在体2Bのように、複数の細長い蒲鉾状や、紐状、先細りの棒状であったり、複数の細長い凸部4が重なった形状であっても良く、又、後述する所定形状の凹部5や切欠状の凹部5を囲む1つの広く大きい枠状の凸部4であっても構わず、このうち、凹部5の例としては、平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向等に繰り返し形成された略六角形状や略菱形状の凹部5であったり、1つ又は複数の文字や数字、記号などの凹部5であったり、所定方向に向かって直線的に又は曲線的に所定間隔ごとに並んで形成された略平行四辺形状や略台形状の複数の凹部5であったり、その他、複数の所定長さの筋形状の孔状や切欠状の凹部5であっても良い。
その他、凸部4自体が文字などの平面視形状となるように、略楕円形や略円形、略矩形などの枠状の凸部4内に、所定の文字などの平面視形状の凸部4が存在したり、枠状の凸部4がなく所定の文字などの平面視形状のみとなる凸部4であっても良い。
又、この場合、凸部4の側断面視形状は、表皮材3が基材2の表面2a側に付着する際、介在表面2Baが略平坦な介在体2Bは、側断面視において、その上角部分が、ショートカットしようとする表皮材3によって潰される(介在体2Bにおいて上角潰部2Tが生じる)。この上角潰部2Tは、表皮材3が基材2の表面2a側に対して極力最小面積で付着しようとして、当該表皮材3において常に縮む方向にテンションがかかるために、生じると言える。
ここで、凸部4が側断面視において所定幅より幅狭い場合、当該側断面視において、介在体2Bにおける一方の上角部分から他方の上角部分に亘って、表皮材3がショートカットしようとして、凸部4は、その側断面視において、略蒲鉾状(又は、略蒲鉾状で且つその下部が側断面視で下に凸状の円弧状など)となるため、凸部4の頂4aは、側断面視において、点状(平面視では、線状)となると言える。
又、凸部4が側断面視において所定幅より幅広い場合、当該側断面視において、介在体2Bにおける一方と他方の上角部分を、表皮材3がそれぞれ別々にショートカットしようとして、凸部4は、その側断面視において、上面が略平坦で左右の両角が丸い略台地状となるため、凸部4の頂4aは、側断面視において、線状(平面視では、面状)となる。頂4aが面状である場合には、その頂4aは、略平坦な面(略平面)でも良いし、上に凸の湾曲した面(曲面)であっても構わない。
尚、シート材1が第1実施形態である場合、基材本体2Aと表皮材3の間に、これら基材本体2Aや表皮材3より面積の小さい介在体2Bが存在していれば、介在体2Bの存在する箇所で、基材凸部24によって表皮材3が押し上げられたかは問わず、凸部4が形成されるとも言える。
【0062】
<凸部4・頂4aと、シート材1の第2実施形態の関係>
図3に示したように、凸部4は、シート材1が第2実施形態である場合、基材凸部24が、基材本体2Aと介在体2Bに分かれていない基材2の表面2a側に直接設けた基材直設凸部24”の1種類存在することとなるため、基材直設凸部24”と略同じ平面視形状の凸部4が存在することとなる。
この場合も、凸部4の平面視形状は、特に制限はなく、例えば、水玉状であったり、(略円形状や略楕円形状の凸部4が平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向等に繰り返し形成されたり)、市松模様状であっても(チェック柄状とも言い、略正方形状や略矩形状の凸部4が平面視で縦方向、横方向等に繰り返し形成されても)良い。
又、この場合、凸部4の側断面視形状は、表皮材3が基材2の表面2a側に付着する際、基材2は、側断面視形状が上に凸の放物線状等である基材直設凸部24”の上部分が、ショートカットしようとする表皮材3によって若干ではあっても潰されると言える(上潰部2T’が生じる)。この上潰部2T’と表皮材3のテンションの関係等については、上角潰部2Tと同様である。
ここで、凸部4の平面視形状が水玉状である際には、凸部4は、その側断面視において、略蒲鉾状等となるため、凸部4の頂4aは、側断面視において、点状(平面視でも、点状)となると言える。
又、凸部4の平面視形状が市松模様状である際には、凸部4は、その側断面視において、上面が略平坦で左右の両角が丸い略台地状となるため、凸部4の頂4aは、側断面視において、線状(平面視では、面状)となる。頂4aが面状である場合には、その頂4aは、略平坦な面(略平面)でも良いし、上に凸の湾曲した面(曲面)であっても構わない。
その他、凸部4は、波状(平面視で縦方向、横方向等に繰り返し形成された波状の凹凸のうち、波状に上方に突出した形状の凸部4)であっても構わない。
【0063】
<凹部5>
図1~15に示したように、凹部5は、上述した表皮材3に形成され且つ裏面側(シート材1の裏面1b側や、表皮材3の裏面3b側)に窪んだ凹状の部分である。
凹部5は、当該凹部5において最も低く裏面側に窪んだ底5aを有し、この底5aを囲む凹部周面5bを有していても良い。尚、凹部周面5bには、後述する下凸側断面円弧部6が設けられていても良い。
1つのシート材1に対する凹部5の個数は、1つ又は複数であっても良い。
このような凹部5の個数が複数である場合には、これら複数の凹部5は、平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向等に繰り返し並んで形成されていたり、ランダムに並んで形成されていても良い。
【0064】
凹部5の深さ5dは、シート材1の表面1a(又は、表皮材3の表面3a)から凹部5の底5aまでの深さであり、その値には特に限定はなく、例えば、0.1mm以上20.0mm以下、好ましくは0.3mm以上10.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以上7.0mm以下(0.5mmや、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、5.0mm、6.0mmなど)であっても良い。
又、凹部5の個数が複数である場合、各凹部5の平面視形状や側断面視形状、深さ5dは、それぞれ略同じであったり、異なっていても良い。
更に、凹部5の深さ5dは、略一定であったり、略一定でなくとも良く、例えば、凹部5の端部に行くほど浅くなる等であっても構わない。
凹部5やその底5aは、シート材1の実施形態によって構成が異なる。
【0065】
<凹部5・底5aと、シート材1の第1実施形態の関係>
図1、2に示したように、凹部5は、シート材1が第1実施形態である場合、基材凹部25が、上述した介在体2Bが存在しない箇所の介在基材凹部25’の1種類のみ存在することとなるため、上述した介在体2Bを囲む平面視形状と略同じ平面視形状の凹部5が存在することとなる。
この場合、凹部5の平面視形状は、特に制限はないが、例えば、上述した介在体2Bを囲むように、複数の細長い蒲鉾状や、紐状、先細りの棒状の凸部4を囲む形状であったり、複数が重なり細長い形状の凸部4を囲む形状であっても良く、又、1つの広く大きい枠状の凸部4に囲まれた所定形状の凹部5や切欠状の凹部5であっても構わず、このうち、凹部5の例としては、平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向等に繰り返し形成された略六角形状や略菱形状の凹部5であったり、1つ又は複数の文字や数字、記号などの凹部5であったり、所定方向に向かって直線的に又は曲線的に所定間隔ごとに並んで形成された略平行四辺形状や略台形状の複数の凹部5であったり、その他、複数の所定長さの筋形状の孔状や切欠状の凹部5であっても良い。
その他、平面視形状が文字などである凸部4を浮かび上がらせる形状であっても良く、略楕円形や略円形、略矩形などの枠状の凸部4と、所定の文字などの平面視形状の凸部4の間をくり抜いた形状であったり、枠状の凸部4がない所定の文字などの平面視形状のみとなる凸部4を囲む形状であっても良い。
又、この場合、凹部5の側断面視形状は、表皮材3が基材2の表面2a側に付着しているため、側面視において、本体表面2Aaが略平坦な基材本体2Aにおける介在体2B近傍の一部分が、ショートカットしようとする表皮材3によって持ち上がる(基材本体2Aにおいて持上部2Mが生じる)ことがあったり、基材本体2Aにおける略平坦な本体表面2Aaと、表皮材3の裏面3bとの間には、隙間2Sが生じることがあり、平面視で同じ箇所に持上部2Mと隙間2Sの両方が生じても良い(図13参照)。これらの持上部2Mや隙間2Sも、上述した上角潰部2Tや上潰部2T’のように、表皮材3が基材2の表面2a側に対して極力最小面積で付着しようとして、当該表皮材3において常に縮む方向にテンションがかかるために、生じることがあると言える。尚、持上部2Mは、表皮材3の基材2の表面2a(基材本体2Aの本体表面2Aa)への付着力が所定値以上である際に生じる可能性が出ると言え、隙間2Sは、表皮材3の基材2の表面2a(基材本体2Aの本体表面2Aa)への付着力が所定値未満である際に生じる可能性が出ると言える。
ここで、凹部5が側断面視において所定幅より幅狭い場合、当該側断面視において、一方の介在体2Bにおける上角部分と他方の介在体2Bにおける上角部分の間で、基材本体2Aの本体表面2Aaに表皮材3が付着せず、当該表皮材3が基材本体2A側に垂れ下がって、凹部5は、その側断面視において、略逆蒲鉾状(又は、略逆蒲鉾状で且つその上部が側断面視で上に凸状の円弧状など)となるため、凹部5の底5aは、側断面視において、点状(平面視では、線状)となると言える。凹部5が側断面視において略逆蒲鉾状等となるのは、基材本体2Aの本体表面2Aaに表皮材3が付着したとしても、付着箇所が所定面積以下である際も同様で、一方の介在体2Bにおける上角部分から基材本体2Aの本体表面2Aaに表皮材3が付着した箇所までの間を当該表皮材3がショートカットした後、すぐに、基材本体2Aの本体表面2Aaに表皮材3が付着した箇所から他方の介在体2Bにおける上角部分までの間を当該表皮材3がショートカットしようとした際も、凹部5が側断面視において略逆蒲鉾状等となると言える。
又、凹部5が側断面視において所定幅より幅広い場合、当該側断面視において、一方の介在体2Bにおける上角部分から基材本体2Aの本体表面2Aaに表皮材3が付着した箇所までの間と、基材本体2Aの本体表面2Aaに表皮材3が付着した箇所から他方の介在体2Bにおける上角部分までの間を、表皮材3がそれぞれ別々にショートカットしようとして、凹部5は、その側断面視において、下面が略平坦で左右の両角が丸い略逆台地状となるため、凹部5の底5aは、側断面視において、線状(平面視では、面状)となる。底5aが面状である場合には、その底5aは、略平坦な面(略平面)でも良いし、上に凸の湾曲した面(曲面)であっても構わない。
尚、シート材1が第1実施形態である場合、基材本体2Aと表皮材3の間に、これら基材本体2Aや表皮材3より面積の小さい介在体2Bが存在していれば、介在体2Bの存在しない箇所で、基材凸部24によって表皮材3が押し上げられていないかは問わず、凹部5が形成されるとも言える。
【0066】
<凹部5・底5aと、シート材1の第2実施形態の関係>
図3に示したように、凹部5は、シート材1が第2実施形態である場合、基材凹部25が、基材本体2Aと介在体2Bに分かれていない基材2の表面2a側に直接設けた基材直設凹部25”の1種類のみ存在することとなるため、基材直設凹部25”と略同じ平面視形状の凹部5が存在することとなる。
この場合も、凹部5の平面視形状は、特に制限はなく、例えば、水玉状の凸部4を囲む形状であったり、(平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向等に繰り返し形成された略円形状や略楕円形状の凸部4を囲む部分の形状であったり)、市松模様状の凸部4を囲む形状であっても(チェック柄状を囲む形状とも言え、平面視で縦方向、横方向等に繰り返し形成された略正方形状や略矩形状の凸部4を囲む形状であっても)良い。
又、この場合、凹部5の側断面視形状は、表皮材3が基材2の表面2a側に付着する際、基材2は、側断面視形状が下に凸の放物線状等である基材直設凹部25”の下部分が、ショートカットしようとする表皮材3によって若干ではあっても持ち上げられる(持上部2Mが生じる)ことがあったり、基材直設凹部25”の下部分と、表皮材3の裏面3bとの間には、若干の隙間2Sが生じることがあると言える。これらの持上部2Mや隙間2Sと、表皮材3のテンションの関係等については、上述と同様である。
ここで、凹部5の平面視形状が水玉状である場合、凹部5は、その側断面視において、略逆蒲鉾状等となるため、凹部5の底5aは、側断面視において、点状(平面視でも、点状)となると言える。
又、凹部5の平面視形状が市松模様状である場合、凹部5は、その側断面視において、下面が略平坦で左右の両角が丸い略逆台地状となるため、凹部5の底5aは、側断面視において、線状(平面視では、面状)となる。底5aが面状である場合には、その底5aは、略平坦な面(略平面)でも良いし、上に凸の湾曲した面(曲面)であっても構わない。
その他、凹部5は、波状(平面視で縦方向、横方向等に繰り返し形成された波状の凹凸のうち、波状に下方に窪んだ形状の凹部5)であっても構わない。
【0067】
<側断面円弧部>
図1~15に示したように、側断面円弧部(6、6’)は、上述した凸部4の頂4aと、凹部5の底5aの間に設けられ且つ側断面視形状が略円弧状の部分である。
ここで、「側断面円弧部が、凸部4の頂4aと、凹部5の底5aの間に設けられる」とは、隣接する凸部4と凹部5において、凸部4の頂4aを囲む凸部周面4bに、及び/又は、凹部5の底5aを囲む凹部周面5bに、側断面円弧部が設けられるとの意味である。
側断面円弧部の円弧半径は、1mm以上20mm以下、好ましくは3mm以上15mm以下、更に好ましくは5mm以上10mm以下であっても良い。
側断面円弧部は、後述する下凸側断面円弧部6及び/又は上凸側断面円弧部6’を含んでも良く、含まれる下凸側断面円弧部6と上凸側断面円弧部6’の少なくとも一方の円弧半径は、1mm以上20mm以下等であっても良いが、逆に、下凸側断面円弧部6と上凸側断面円弧部6’の何れかの円弧半径が、1mm未満や、20mmより大きくても構わない。
【0068】
<下凸側断面円弧部6、上凸側断面円弧部6’>
図1~15に示したように、下凸側断面円弧部6は、側断面視における形状が略円弧状で、且つ、その略円弧状が下に凸(裏面側に凸)である側断面円弧部である。
側断面円弧部は、少なくとも下凸側断面円弧部6を含んでいるとしても良い。
尚、下凸側断面円弧部6は、上述した持上部2Mや隙間2Sが存在した際には、当該持上部2Mや、隙間2Sが存在する分だけ、表皮材3がショートカットするようにテンションがかかって、側断面視における形状がかなり真っ直ぐに見えて、下凸側断面円弧部6の円弧半径が非常に大きくなる場合があったり、上述した持上部2Mや隙間2Sが存在しない際でも、表皮材3の基材2への付着力が所定値以上のため、側断面視において、介在体2Bの下部の角や、直接設けた基材凸部24の下部の角が略90°であれば、表皮材3が、介在体2Bの下角部分と本体表面2Aaに追従したり、基材凸部24の下部の角に追従して、下凸側断面円弧部6の円弧半径が小さくなる場合(又は、下凸側断面円弧部6が存在しなくなる場合)があるとも言える。
下凸側断面円弧部6は、凸部4の頂4aと凹部5の底5aの間の面における下側(底5a側)に設けられているとも言え、上述した凹部5の凹部周面5bに設けられる側断面円弧部であり、謂わば、下凸側断面円弧部6は、凹部5の一部を構成するとも言える。
下凸側断面円弧部6は、凸部4の凸部周面4b(又は、後述する上凸側断面円弧部6’)と、凹部5の底5aの間に設けられたり、後述する中間傾斜部6aと、凹部5の底5aの間に設けられることとなる。
このような下凸側断面円弧部6も、上述したように、その円弧半径が、1mm以上20mm以下であっても良く、好ましくは3mm以上15mm以下、更に好ましくは5mm以上10mm以下(3mm、5mm、10mmなど)であっても構わない。
【0069】
図1~15に示したように、上凸側断面円弧部6’は、側断面視における形状が略円弧状で、且つ、その略円弧状が上に凸(表面側に凸)である側断面円弧部である。
上凸側断面円弧部6’は、凸部4の頂4aと凹部5の底5aの間の面における上側(頂4a側)に設けられているとも言え、上述した凸部4の凸部周面4bに設けられる側断面円弧部であり、謂わば、上凸側断面円弧部6’は、凸部4の一部を構成するとも言える。
上凸側断面円弧部6’は、凸部4の頂4aと、凹部5の凹部周面5b(又は、上述した下凸側断面円弧部6)の間に設けられたり、凸部4の頂4aと、後述する中間傾斜部6aの間に設けられることとなる。
このような上凸側断面円弧部6’は、上述したように、その円弧半径が、1mm以上20mm以下であっても良く、好ましくは3mm以上15mm以下、更に好ましくは5mm以上10mm以下(3mm、5mm、10mmなど)であっても構わない。
尚、この上凸側断面円弧部6’の円弧半径は、上述した下凸側断面円弧部6の円弧半径と、略同じ値であったり、異なった値であっていても良く、例えば、下凸側断面円弧部6の円弧半径は、上凸側断面円弧部6’の円弧半径より大きかったり、逆に、小さくても構わない。
【0070】
<各側断面円弧部6、6’と、シート材1の第1実施形態の関係>
図1、2に示したように、各側断面円弧部6、6’は、シート材1が第1実施形態である場合、基材2が基材本体2Aと介在体2Bを有することから、凸部4の頂4aと、凹部5の底5aの間において、表皮材3が介在体2Bと基材本体2Aの本体表面2Aaに亘ってショートカットしたり、表皮材3が介在体2Bの下角部分と基材本体2Aの本体表面2Aaに追従して凹部周面5bに下凸側断面円弧部6が設けられ、この下凸側断面円弧部6の上側に隣接して、表皮材3が介在体2Bの上角部分を潰して、凸部周面4bに上凸側断面円弧部6’が設けられる。
ここまで述べた下凸側断面円弧部6と上凸側断面円弧部6’の間には、側断面視において、下に凸から上に凸への変曲点が存在する。
この変曲点が、凸部4と凹部5の間に存在するため、当該凸部4と凹部5の境界は、視認し難く又は視認できなくなり、そして、下凸側断面円弧部6や上凸側断面円弧部6’においても、それぞれは側断面視形状が略円弧状であるため、凸部4と凹部5の境界は存在しない。
尚、シート材1が第1実施形態である場合、後述する中間傾斜部6aは存在しないとも言える。
【0071】
<各側断面円弧部6、6’と、シート材1の第2実施形態の関係>
図3に示したように、各側断面円弧部6、6’は、シート材1が第2実施形態である場合、基材2は基材本体2Aと介在体2Bに分かれておらず、基材2の表面2a側に直接設けられた基材直設凸部24”と基材直設凹部25”が存在する。
基材直設凹部25”は側断面視形状が下に凸の放物線状などであり、基材直設凸部24”は側断面視形状が上に凸の放物線状などであることから、凸部4の頂4aと、凹部5の底5aの間において、表皮材3が基材2の略平坦に傾斜した部分と基材直設凹部25”の底に亘ってショートカットしたり、表皮材3が基材直設凹部25”の下部分に追従して凹部周面5bに下凸側断面円弧部6が設けられる。
ここで、シート材1が第2実施形態である場合、第1実施形態である場合とは異なり、側断面視形状が下に凸の放物線状などの基材直設凹部25”と、側断面視形状が上に凸の放物線状などの基材直設凸部24”の間に略平坦に傾斜した部分がある際は、その部分に表皮材3が付着した中間傾斜部6aが、下凸側断面円弧部6の上側に隣接して設けられることとなる。
この中間傾斜部6aの上側に隣接して、表皮材3が基材直設凸部24”の上部分を潰して、凸部周面4bに上凸側断面円弧部6’が設けられる。
ここまで述べた下凸側断面円弧部6と中間傾斜部6aの間には、側断面視において、下に凸から略平坦な傾斜となる変曲点が存在し、中間傾斜部6aと上凸側断面円弧部6’の間には、側断面視において、略平坦な傾斜から上に凸となる変曲点が存在する。
これらの変曲点が、凸部4と凹部5の間に存在するため、当該凸部4と凹部5の境界は、視認し難く又は視認できなくなり、そして、下凸側断面円弧部6や上凸側断面円弧部6’、中間傾斜部6aにおいても、それぞれは側断面視形状が略円弧状であったり、略平坦に傾斜しているため、凸部4と凹部5の境界は存在しない。
尚、シート材1が第2実施形態である場合でも、基材直設凸部24”と基材直設凹部25”の間に略平坦に傾斜した部分がない際には、中間傾斜部6aは存在しないとも言える。
【0072】
<硬質部7>
図13に示したように、硬質部7は、上述した基材2と表皮材3の間(厳密には、シート材1が第1実施形態の場合は、介在体2B(凸介在体2B1)と表皮材3の間であり、シート材1が第2実施形態の場合は、基材凸部24と表皮材3の間)に設けられた、表皮材3より硬い部分である。
尚、本発明における「硬質部7は、表皮材3より硬い」とは、例えば、JIS-L-1096:2010におけるA法(45°カンチレバー法)に準じる剛軟度(以下、「カンチレバー剛軟度」とも言う)に関して、硬質部7の値が、表皮材3の値より大きいことを意味しても良く、その他、「硬質部7は、表皮材3より硬い」とは、JIS-L-1096:2010におけるB法(スライド法)に準じる剛軟度に関して、硬質部7の値が、表皮材3の値より大きいことを意味したり、JIS-L-1096:2010におけるC法(クラーク法)、D法(ハートループ法)、E法(ハンドルオメータ法)、F法(ハンドリングテスタ法)、G法(ドレープ係数法)などに関して、硬質部7の値が、表皮材3の値より大きいことを意味しても構わない。
又、本発明における「JIS-L-1096:2010におけるA法(45°カンチレバー法)等に準じる剛軟度」とは、当該JIS-L-1096:2010におけるA法(45°カンチレバー法)等に記載された通りに測定された剛軟度を含む以外に、当該JISの記載を準用して測定された(例えば、JIS-L-1096:2010におけるA法(45°カンチレバー法)であれば、試験片の先端側(斜面A側)に2g(グラム)の重り(1円玉2枚)などをテープ等にて貼り付けて測定したり、5mm×約150mmの試験片を用いて測定した等の)剛軟度も含む。
以下、「硬質部7は、表皮材3より硬い」とは、主に、硬質部7のカンチレバー剛軟度の値が、表皮材3のカンチレバー剛軟度の値より大きいことを意味するとして述べる。
【0073】
硬質部7のカンチレバー剛軟度の具体的な値は、表皮材3のカンチレバー剛軟度の値より大きければ、特に限定はないが、例えば、試験片の先端側に2gの重りを貼り付けて(試験片は20mm×約150mmで、以降の測定値も同様)測定した場合、10mm以上300mm以下、好ましくは20mm以上250mm以下、更に好ましくは30mm以上200mm以下(115mmなど)であっても良い。
表皮材3のカンチレバー剛軟度の具体的な値は、硬質部7のカンチレバー剛軟度の値より小さければ、特に限定はないが、例えば、試験片の先端側に2gの重りを貼り付けて測定した場合、0mm以上150mm以下、好ましくは0mm以上100mm以下、更に好ましくは0mm以上50mm以下(30mmなど)であっても良い。
硬質部7のカンチレバー剛軟度の値と、表皮材3のカンチレバー剛軟度の値の差は、特に限定はないが、例えば、硬質部7と表皮材3の何れにも、試験片の先端側に2gの重りを貼り付けて測定した場合、1mm以上300mm以下、好ましくは3mm以上250mm以下、更に好ましくは5mm以上200mm以下(85mmなど)であっても良い。
【0074】
硬質部7の具体的な構成は、特に限定はないが、例えば、基材2と表皮材3の間に配置され(設けられ)、且つ、基材2及び表皮材3とは別体(別部材)のシート状物であっても良く、この場合、硬質体(硬質部材)であるとも言える。この場合の硬質部7は、基材2と表皮材3の間において、基材2と表皮材3の何れにも固着されていなくても良く、その他、硬質部7は、基材2と表皮材3の少なくとも一方に固着されていても構わない。尚、本発明における「固着」とは、接着剤などを用いた接着や、各部材(例えば、硬質部7と基材2や表皮材3のうち少なくとも一方など)を溶融して固定する融着などであっても良い。
その他、硬質部7は、基材2及び表皮材3の何れか一方と一体(硬質部7が基材2や表皮材3の一部)であっても良く、この場合、基材2や表皮材3の一部を溶融して、硬質部7を形成していても構わず、詳解すれば、基材2の一部に硬質部7を形成する際は、当該基材2の最も表皮材3側(謂わば、上側であって、厳密には、シート材1が第1実施形態の場合は、介在体2B(凸介在体2B1)の表皮材3側であり、シート材1が第2実施形態の場合は、基材凸部24の表皮材3側)を溶融して硬質部7を形成しても良く、表皮材3の一部に硬質部7を形成する際は、当該表皮材3の最も基材2側(謂わば、下側(裏面3b側))を溶融して硬質部7を形成しても構わない。尚、硬質部7が基材2や表皮材3の一部である場合、当該硬質部7のカンチレバー剛軟度の値を測定する際には、基材2や表皮材3から、硬質部7を所定厚さだけ切り離して(所定厚さにスライスして)測定しても良い。
以下、硬質部7は、基材2及び表皮材3とは別体のシート状物であるとして述べる。
【0075】
別体のシート状物である硬質部7は、上述した凸部4と平面視形状及び大きさが略同一である。
尚、本発明における「別体のシート状物である硬質部7は、凸部4と平面視形状及び大きさが略同一である」とは、当該硬質部7と凸部4の平面視形状及び大きさが全く同一である場合だけでなく、当該硬質部7と凸部4の平面視形状はほぼ相似であり且つ大きさが若干異なる(例えば、0.1mm以上3.0mm以下(表皮材3の厚さ)等だけ、当該硬質部7は、凸部4より小さかったり、大きかったり等の)場合も含む。
別体のシート状物である硬質部7の「表面7a」とは、自動車等のオーナメント(ドアトリム)やアームレスト、インパネ(instrument panel)などに使用する時に露出する側の面であると言える。逆に、硬質部7の「裏面7b」とは、オーナメントやアームレスト、インパネなどに使用する時に露出しない側の面であるとも言える。
又、当該硬質部7の「表面7a側」とは、硬質部7の上述した表面7aの側を意味する以外に、使用時に露出する表皮材3の表面3aに近い側、更には、表皮材3の表面3a自体の側も意味する。
更に、当該硬質部7の「裏面7b側」とは、硬質部7の上述した裏面7bの側を意味する以外に、使用時に露出しない基材2の表面2aに近い側、更には、基材2の表面2a自体の側も意味する。
別体のシート状物である硬質部7の厚さ7wも、何れの値でも良いが、例えば、0.1mm以上3.0mm以下、好ましく は0.2mm以上2.0mm以下、更に好ましくは0.3mm以上1.0mm以下(0.3mmや、1.0mmなど)であっても良い。
別体のシート状物である硬質部7の素材についても、表皮材3より硬ければ、特に限定はないが、例えば、紙(厚紙)であったり、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などのエンジニアリングプラスチックや、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等のポリエステル樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂などの合成樹脂であったり、その他、木(木材)や、竹、石、金属などであっても良い。
【0076】
<シート材1の製造方法>
図19~22に示したように、上述したシート材1の製造方法(以下、「当該製造方法」とも言う)は、後述する付着工程Pを少なくとも備えている。
当該製造方法は、付着工程P以外に、後述する基材凹凸設置工程P1を備えていても良く、更にその他、介在体形成工程P0を備えていても構わない。
当該製造方法が付着工程P以外に基材凹凸設置工程P1等を有する場合は、付着工程Pは、基材凹凸設置工程P1等の後に行われる工程であることから、付着工程の符号はP2であるとも言える
又、当該製造方法は、エンボス工程を備えていなくとも良い。
【0077】
<付着工程P>
図19~22に示したように、付着工程P(P2)は、上述した基材凸部24と基材凹部25を設けた状態の基材2の表面2a側に、上述した表皮材3を付着する工程である。
この付着工程Pにおいて、基材凸部24を設けた箇所では、上述した凸部4を形成し、基材凹部25を設けた箇所では、上述した凹部5を形成する。
尚、付着工程Pにおいては、上述したフレームラミネート加工やホットメルトラミネート加工などによって、基材凸部24と基材凹部25を設けた状態の基材2の表面2a側に、表皮材3を付着しても良い。
【0078】
<付着工程Pの第1、2実施形態>
付着工程Pの第1実施形態としては、上述した基材2が、上述した基材本体2Aと介在体2Bを有し、基材本体2Aや表皮材3より面積の小さい介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させた状態の基材2の表面2a側に、表皮材3を付着する工程である。付着工程Pの第1実施形態においては、介在体2Bが存在する箇所(つまり、基材凸部24を設けた箇所)では、凸部4を形成し、介在体2Bが存在しない箇所(つまり、基材凹部25を設けた箇所)では、凹部5を形成することとなる(図19参照)。
付着工程Pの第2実施形態として、基材2は、基材本体2Aと介在体2Bに分かれておらず、基材凸部24や基材凹部25を、直接設けた状態の基材2の表面2a側に、表皮材3を付着する工程である。付着工程Pの第2実施形態においては、基材凸部24を直接基材2の表面2a側に設けた箇所では、凸部4を形成し、基材凹部25を直接基材2の表面2a側に設けた箇所では、凹部5を形成することとなる(図20参照)。
【0079】
図19~22に示したように、付着工程Pの第1、2実施形態の何れにおいても、基材凸部24と基材凹部25が設けられた状態の基材2の表面2a側に表皮材3を付着させれば、基材凸部24を設けた箇所においては、当該基材凸部24によって表皮材3を表面側(シート材1の表面1a側や、表皮材3そのものの表面3a側)へ押し上げて、上述した凸部4が形成されると共に、基材凹部25を設けた箇所においては、当該基材凹部25が基材凸部24より表皮材3を表面側へ押し上げないため、上述した凹部5が形成されることとなる。
尚、「基材凸部24と基材凹部25を設けた状態の基材2」とは、当該製造方法の場合は、付着工程Pにおいて実際に付着させる前に、基材2の表面2a側に基材凸部24や基材凹部25が設けられていたことだけでなく、付着させる際(付着させる瞬間)に、初めて基材2の表面2a側に基材凸部24や基材凹部25が設けることも含む(実際に付着させる前やその際に、基材2の表面2a側に基材凸部24や基材凹部25が設けられていれば、基材凸部24によって表皮材3が押し上げられたかや、基材凹部25によって表皮材3が押し上げられていないかは問わず、凸部4や凹部5が形成される)とも言える。特に、シート材1が第1実施形態である場合における「付着させる際に、初めて基材2の表面2a側に基材凸部24や基材凹部25が設ける」とは、基材本体2Aや介在体2B、表皮材3それぞれが長尺状であって、フレームラミネート加工を行うのであれば、基材本体2Aの本体表面2Aa側をガスバーナー等で溶解し、溶解した当該本体表面2Aa側と表皮材3の間に介在体2Bが存在するように、所定のロール間に基材本体2Aと介在体2Bと表皮材3を挟み込む(介在体2Bが基材本体2Aと表皮材3の間に存在するのは、所定のロール間に基材本体2Aと介在体2Bと表皮材3が挟みこまれた際が初めてとなる)等である。
これに対して、図23に示したように、エンボス工程にて表皮材に凸部や凹部が形成されたシート材の製造法の比較例では、エンボス工程を行う前(又は、基材の表面側に表皮材を付着させる工程の際)において、基材の表面側には、凸部も凹部も設けられておらず、略平坦である。従って、シート材の製造法の比較例では、基材の表面側に表皮材を付着させただけでは、当然に、表皮材には凸部も凹部も形成されず、エンボス工程後に初めて、表皮材に(謂わば、基材にも)凸部や凹部が形成される。尚、エンボス型材は、図示しないエンボス加工機における下方へ押圧する上板に取付板(図示せず)を介して取り付けられていても良く、下敷シートは、シリコーン樹脂等の耐熱性を有したエラストマー素材のシート状物であっても良く、エンボス受材は、エンボス加工機における下板(図示せず)であっても良く、その他、エンボス型材の押圧深さを決めるシム(詰め板、図示せず)がエンボス加工機における上板と下板の間に設けられても構わない。
【0080】
<基材凹凸設置工程P1と、付着工程Pの第1、2実施形態の関係>
図19~22に示したように、基材凹凸設置工程P1は、上述した基材2の表面2a側に、上述した基材凸部24と基材凹部25を設ける工程である。
つまり、当該製造方法は、上述した付着工程P(P2)を行うその際に、基材2がその表面2a側に基材凸部24と基材凹部25を設けた状態であれば良いが、付着工程P2の前に、基材凹凸設置工程P1において、基材2の表面2a側に基材凸部24と基材凹部25を設けても構わないことを意味する。
【0081】
基材凹凸設置工程P1は、付着工程Pが第1実施形態である場合、当該付着工程Pの前に事前に、上述した介在体2Bを、上述した基材本体2Aと表皮材3の間に配置させたり、挟み込む等して、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させる工程となる(図19参照)。
基材凹凸設置工程P1は、付着工程Pが第2実施形態である場合、上述した基材2の表面2a側に、直接、基材凸部24や基材凹部25を設ける工程となる(図20参照)。尚、基材凹凸設置工程P1においては、上述したプロファイル加工などによって、基材2の表面2a側に、直接、基材凸部24や基材凹部25を設けても良い。
【0082】
<介在体形成工程P0と、付着工程Pの第1実施形態の関係>
図19~22に示したように、介在体形成工程P0は、上述したように、基材本体2Aや表皮材3より面積の小さい介在体2Bを、所定の平面視形状に形成する工程である。
介在体形成工程P0は、付着工程Pが第1実施形態である場合に、上述した基材凹凸設置工程P1の前に行われる。
この介在体形成工程P0において、「介在体2Bを、所定の平面視形状に形成する」とは、木製や樹脂製の板に、介在体2Bにおける所定の平面視形状と同じ形に折り曲げた金属製の刃(トムソン刃)を取り付けた木型(トムソン型)や、金型(プレス型)による打抜き加工によって、介在体2Bを所定の平面視形状に形成としても良く、その他、鋏やカッターナイフ等で介在体2Bを所定の平面視形状に切断・切削したり、介在体2Bの素材がポリウレタンフォーム等の発泡させた合成樹脂などであれば、所定の平面視形状である型枠の中で、その合成樹脂を発泡させるなどによって、介在体2Bを、所定の平面視形状に形成しても構わない。
【0083】
ここまで述べたシート材1の製造方法において、付着工程Pには、上述したように、第1実施形態と第2実施形態がある。
そこで、付着工程の第1実施形態の符号はP又はP2であるところ、この第1実施形態に応じた基材凹凸設置工程の符号はP1のままとし、第1実施形態に応じた介在体形成工程の符号はP0のままとするが、付着工程の第2実施形態の符号はP’又はP2’とし、この第2実施形態に応じた基材凹凸設置工程の符号はP1’とし、第2実施形態に応じた介在体形成工程の符号はP0’とする。
このような符号とした際には、当該製造方法において、付着工程Pの第1実施形態のみを備えている場合は第1-1実施形態と、基材凹凸設置工程P1と付着工程の第1実施形態P2(P)を備えている場合は第1-2実施形態と、介在体形成工程P0と基材凹凸設置工程P1と付着工程の第1実施形態P2(P)を備えている場合は第1-3実施形態と表せ(図21(a)~(c)参照)、付着工程の第2実施形態P’のみを備えている場合は第2-1実施形態と、基材凹凸設置工程P1’と付着工程の第2実施形態P2’(P’)を備えている場合は第2-2実施形態と表せる(図21(d)、(e)参照)。
ここで、上述した「付着させる際に、初めて基材2の表面2a側に基材凸部24や基材凹部25が設ける」場合には、基材2の表面2a側への表皮材3の付着と、基材2の表面2a側への基材凸部24と基材凹部25の設置を、同時に行っていることとなり、この場合の工程は、謂わば、付着・基材凹凸設置工程であるとも言え、当該製造方法は、この付着・基材凹凸設置工程を備えていても良い(この場合は、当該製造方法の更に別の実施形態であるとも言える)。尚、この付着・基材凹凸設置工程にも、当該付着は含まれることから、当該製造方法が付着・基材凹凸設置工程を備えていれば、付着工程Pを備えていると言える。
その他、シート材1の製造方法において、当該シート材1が硬質部7を有する場合には、上述した製造方法における第1実施形態の基材凹凸設置工程P1と付着工程P2(P)の間に、硬質部7を設ける硬質設置工程を有したり、上述した製造方法における第2実施形態の基材凹凸設置工程P1’と付着工程P2’(P’)の間に、硬質設置工程を有しても良い。
又、シート材1の製造方法において、シート材1の第1実施形態介の介在体2Bが、凸介在体2B1と凹介在体2B2を含む場合には、第1実施形態の基材凹凸設置工程P1が、凸介在体2B1を凹介在体2B2のくり抜き部2B2Aに嵌め込む凸介在体嵌込工程を含んでいても良い。
以下、シート材1の各実施例ごとに詳解する。
【実施例0084】
ここからは、本発明に係るシート材1の実施例0~9と、比較例1~3について言及する。
【0085】
<実施例(実施例0)>
図2に示したように、実施例(実施例0)のシート材1は、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有し、その基材本体2Aと表皮材3の間に、当該基材本体2Aや表皮材3より面積の小さい介在体2Bを存在させた状態の基材2の表面2a側に表皮材3を付着させ、介在体2Bが存在する箇所に凸部4が形成され、介在体2Bが存在しない箇所に凹部5が形成されている。
この実施例0における介在体2Bの平面視形状は、図2ではその一部を拡大した図面代用写真にて示されているが、全体としては、略楕円形の枠状部分の内側に、略L字状の文字部分を有した形状である。
従って、実施例0では、凸部4の平面視形状が、介在体2Bの平面視形状と略同じとなり、凹部5の平面視形状が、この介在体2Bを囲む平面視形状となる。
尚、実施例0のシート材1は、基材2の表面2a側に表皮材3を付着した後において(以下の実施例等でも同様)、厚さ1w(凸部4の頂4aから当該頂4a直下のシート材1の裏面1bまでの厚さであり、以下の実施例等でも同様)が約8.0mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約4.0mm(介在体2Bが存在する箇所は約2.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約4.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約1.0mmで、凸部4の高さ4h(=凹部5の深さ5d)が約2.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
又、実施例0では、基材本体2Aと介在体2Bの素材がポリウレタンフォームであり、表皮材3の素材が熱可塑性繊維で織成された織地の表面3a側を起毛したものであり、基材本体2A及び介在体2Bと表皮材3との間の付着手段は、ホットメルトラミネート加工である。
ここで、実施例0において、上述したように、熱可塑性の素材で形成された表皮材3は、その凹部5に(且つ凸部4にも)非変性部分3’のみを有しており、実施例0に対してエンボス加工はなされておらず、凸部4を押し下げた際でも、凸部4と凹部5の間で、境界が視認できない(図2(c)参照)。
【0086】
<実施例1>
図4に示したように、実施例1のシート材1も、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有し、その介在体2Bの平面視形状が、複数の細長い蒲鉾状となっている。
尚、実施例1のシート材1は、厚さ1wが約7.5mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約4.0mm(介在体2Bが存在する箇所も約4.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約3.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約0.3mmで、凸部4の高さ4h(=凹部5の深さ5d)が約2.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
その他、実施例1のシート材1は、基材本体2Aや介在体2Bの素材、付着手段などは、実施例0と同様であるが、表皮材3の素材は、熱可塑性繊維で編成された経編地(表面3a側を起毛していないもの)であり、実施例1においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされていない点は同様である。
【0087】
<実施例2>
図5に示したように、実施例2のシート材1も、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有し、その介在体2Bの平面視形状が、複数の紐状で、これら複数の紐状で略井型となっている。
尚、実施例2のシート材1は、厚さ1wが約5.0mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約4.0mm(介在体2Bが存在する箇所は約3.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約2.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約0.3mmで、凸部4の高さ4h(=凹部5の深さ5d)が約1.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
その他、実施例2のシート材1は、基材本体2Aや、表皮材3の素材、付着手段などは、実施例1と同様であるが、介在体2Bの素材は、紐であり、実施例2においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされていない点は同様である。
【0088】
<実施例3>
図6に示したように、実施例3のシート材1も、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有し、その介在体2Bの平面視形状が、1つの広く大きい枠状の介在体2Bに対して、略菱形状の孔部が平面視で斜め方向に繰り返し形成された形状となっている。
尚、実施例3のシート材1は、厚さ1wが約15.0mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約11.0mm(介在体2Bが存在する箇所は約10.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約4.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約0.3mmで、凹部5の深さ5d(=凸部4の高さ4h)が約3.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
その他、実施例3のシート材1は、基材本体2Aや介在体2B、表皮材3の素材、付着手段などは、実施例1と同様であり、実施例3においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされていない点は同様である。
【0089】
<実施例4>
図7に示したように、実施例4のシート材1も、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有し、その介在体2Bの平面視形状が、複数の若干長い蒲鉾状で、一部の介在体2Bが重なりあった形状となっている。
尚、実施例4のシート材1は、厚さ1wは、介在体2Bが2つ重なりあった(2層の)箇所で約12.0mmで、介在体2Bが重なり合っていない(1層の)箇所で約8.0mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約4.0mm(介在体2Bが存在する箇所も約4.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwは重なりあった(2層の)箇所で約8.0mmで、重なり合っていない(1層の)箇所で約4.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約0.3mmで、凸部4の高さ4h(=凹部5の深さ5d)は、介在体2Bが2つ重なりあった(2層の)箇所で約7.0mmで、介在体2Bが重なり合っていない(1層の)箇所で約3.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
その他、実施例4のシート材1は、基材本体2Aや、表皮材3の素材、付着手段などは、実施例1と同様であるが、介在体2Bの素材は、基材本体2Aより高密度のポリウレタンフォームであり、実施例4においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされていない点は同様である。
【0090】
<実施例5>
図8に示したように、実施例5のシート材1も、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有し、その介在体2Bの平面視形状が、1つの広く大きい枠状の介在体2Bに対して、略六角形状の孔部が平面視で斜め方向に繰り返し形成された形状となっている。
尚、実施例5のシート材1は、厚さ1wが約5.5mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約4.0mm(介在体2Bが存在する箇所も約4.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約1.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約0.3mmで、凹部5の深さ5d(=凸部4の高さ4h)が約1.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
その他、実施例5のシート材1は、基材本体2Aや介在体2B、表皮材3の素材、付着手段などは、実施例1と同様であり、実施例5においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされていない点は同様である。
【0091】
<実施例6>
図9に示したように、実施例6のシート材1も、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有し、その介在体2Bの平面視形状が、複数の先細りの棒状となっている。
尚、実施例6のシート材1は、厚さ1wが約11.0mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約5.0mm(介在体2Bが存在する箇所も約5.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約5.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約1.0mmで、凸部4の高さ4h(=凹部5の深さ5d)は、介在体2Bの先細りではない側(最も太い側)の最も高く上方に突出した箇所で約4.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
その他、実施例6のシート材1は、基材本体2Aや介在体2B、表皮材3の素材、付着手段などは、実施例0と同様であり、実施例6においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされていない点は同様である。
【0092】
<実施例7>
図10に示したように、実施例7のシート材1も、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有し、その介在体2Bの平面視形状が、1つの広く大きい枠状の介在体2Bに対して、略六角形状の孔部が平面視で斜め方向に繰り返し形成された形状となっている。ここで、繰り返される各略六角形状の孔部は、それぞれの形状が正確に同一でなく、一部の枠状部分が切れたり、少し斜めになっていたり、少し縦長や横長の略六角形状になる等、他と若干異なっていても良い。
尚、実施例7のシート材1は、厚さ1wが約15.0mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約10.0mm(介在体2Bが存在する箇所も約10.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約4.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約0.3mmで、凹部5の深さ5d(=凸部4の高さ4h)が約3.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
その他、実施例7のシート材1は、基材本体2Aや介在体2B、表皮材3の素材、付着手段などは、実施例1と同様であり、実施例7においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされていない点は同様である。
【0093】
<実施例8>
図11に示したように、実施例8のシート材1も、基材2は基材本体2Aと介在体2B(基材本体2Aと表皮材3の間で、本体表面2Aaや表皮裏面3bに略沿ったものを1つ、又は、側面断面視で複数が横に並んだもの)を有し、その介在体2Bの平面視形状が、1つの広く大きい枠状の介在体2Bに対して、平面視で縦方向、横方向及び/又は斜め方向に繰り返し形成された複数の所定長さの筋形状の孔状や切欠状となっている。
尚、実施例8のシート材1は、厚さ1wが約7.0mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約1.0mm(介在体2Bが存在する箇所も約1.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約5.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約1.0mmで、凹部5の深さ5d(=凸部4の高さ4h)が約3.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)又は線状(平面視では面状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
その他、実施例8のシート材1は、介在体2Bや表皮材の素材、付着手段などは、実施例0と同様であるが、基材本体2Aの素材は、織地であり、実施例8においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされていない点は同様である。
【0094】
<実施例9>
図12に示したように、実施例9のシート材1も、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有し、その介在体2Bの平面視形状が、枠状の部分がなく且つ複数の欧文字の形状となっている。
尚、実施例9のシート材1は、厚さ1wが約7.0mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約5.0mm(介在体2Bが存在する箇所は約4.0mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約1.0mmで、表皮材3の厚さ3wが約2.0mmで、凹部5の深さ5d(=凸部4の高さ4h)が約1.0mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)である。
その他、実施例9のシート材1は、基材本体2Aや介在体2Bの素材、付着手段などは、実施例0と同様であるが、表皮材3の素材は、熱可塑性繊維で構成された不織布の表面3a側を起毛したものであり、実施例9においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされていない点は同様である。
【0095】
<実施例10>
図13に示したように、実施例10のシート材1は、上述した実施例0~9とは異なり、硬質部7を有し、その他、基材2は基材本体2Aと介在体2Bを有しており、その介在体2Bの平面視形状は、図13(b)、(c)ではその一部を拡大した図面代用写真にて示されているが、実施例0と同様に、全体としては、略楕円形の枠状部分の内側に、略L字状の文字部分を有した形状である。
尚、実施例10のシート材1は、厚さ1wが約3.5mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約1.5mm(介在体2Bが存在する箇所も約1.5mm)で、介在体2Bの厚さ2Bwが約0.5mmで、表皮材3の厚さ3wが約1.0mmで、凹部5の深さ5d(=凸部4の高さ4h)が約0.5mmで、凸部4の頂4aは側断面視においては点状(平面視では線状)であり、凹部5の底5aは側断面視においては線状(平面視では面状)であって、硬質部7の厚さ7wが約0.5mmである。
その他、実施例10のシート材1は、介在体2Bや表皮材3の素材、付着手段などは、実施例0と同様であるが、基材本体2Aは、熱可塑性繊維で織成された織地の表面3a側を起毛したものであり、実施例10のみが有する硬質部7の素材は、厚紙である。尚、試験片の先端側に2gの重りを貼り付けて測定した場合において、硬質部7のカンチレバー剛軟度は115mmであり、表皮材3のカンチレバー剛軟度は30mmであることから、その差は85mmである。
ここで、硬質部7を有した実施例10と、硬質部7を有さない実施例0と比較すると、熱可塑性の素材で形成された表皮材3が、その凹部5に(且つ凸部4にも)非変性部分3’のみを有しており、実施例0に対してエンボス加工はなされていない点や、凹部5の底5a周辺では境界が視認できない点は共通であるが、硬質部7を有した実施例10は、凸部4の頂4aと凹部5の底5aの間において、凸部の頂4a周辺に、上凸側断面角部7’が形成されて、凸部4の頂4aの輪郭が視認できる一方で、硬質部7を有さない実施例0は、凸部の頂4a周辺でも境界が視認できない。
【0096】
<実施例11>
図14に示したように、実施例11のシート材1は、上述した実施例0~10とは異なり、介在体2Bが、凸介在体2B1と凹介在体2B2を含んでおり、その凸介在体2B1や凹介在体2B2のくり抜き部2B2Aの平面視形状は、図14(b)、(c)ではその一部を拡大した図面代用写真にて示されているが、実施例0と同様に、全体としては、略楕円形の枠状部分の内側に、略L字状の文字部分を有した形状である。
尚、実施例11のシート材1は、基材本体2Aと表皮材3の間に存在する前(基材2の表面2a側に表皮材3を付着させる前)において、凸介在体2B1の厚さ2B1wが約10.0mmで、凹介在体2B2の厚さ2B2wが約5.0mmで、基材本体2Aの厚さ2Awが約1.5mmである。
その他、実施例10のシート材1は、介在体2B(凸介在体2B1、凹介在体2B2)や表皮材3の素材、付着手段などは、実施例0と同様であるが、基材本体2Aは、熱可塑性繊維で織成された織地の表面3a側を起毛したものであり、実施例11においても、凹部5等に非変性部分3’のみを有し、エンボス加工はなされない点は同様である。
【0097】
<比較例1>
図16に示したように、比較例1のシート材は、上述した実施例0~9とは異なり、エンボス加工(エンボス工程)によって、基材の表面側に付着した表皮材に、凸部と凹部を形成しており、当該凹部には、熱可塑性の素材で形成された表皮材が変性した変性部分を有している。
ここで、比較例1のシート材においては、後述する比較例2より、エンボス型材を深くシート材に押圧したため、シート材(特に凹部と、その周辺の凸部)が激しく損傷しており、凸部を押し下げた際でも、凸部と凹部の間で、境界が視認できる(図16(c)参照)。
又、比較例1のシート材は、基材の表面が略平坦であり、且つ、基材は基材本体と介在体等に分かれておらず、基材の平面視面積は、表皮材の平面視面積と略同じである。
尚、比較例1のシート材は、その厚さが約4.0mmで、基材の厚さが約3.5mmで、表皮材の厚さが約0.5mmで、凸部の高さ(=凹部の深さ)が約2.0mmである。
その他、比較例1のシート材は、基材や表皮材の素材などは、実施例0と同様であるが、付着手段は、フレームラミネート加工である。
【0098】
<比較例2>
図17に示したように、比較例2のシート材も、上述した実施例0~9とは異なり、エンボス加工(エンボス工程)によって、基材の表面側に付着した表皮材に、凸部と凹部を形成しており、当該凹部には、変性部分を有している。
ここで、比較例2のシート材においては、上述した比較例1より、エンボス型材を深くシート材に押圧していないため、シート材の損傷は酷くないものの、凸部を押し下げた際でも、凸部と凹部の間で、境界が視認できる(図17(c)参照)。
又、比較例2のシート材も、基材の表面が略平坦であり、且つ、基材は基材本体と介在体等に分かれておらず、基材の平面視面積は、表皮材の平面視面積と略同じである。
尚、比較例2のシート材は、その厚さや、基材の厚さ、表皮材の厚さは、比較例1と同様であるが、凸部の高さ(=凹部の深さ)が約0.5mmである。
その他、比較例2のシート材は、基材や表皮材の素材、付着手段などは、比較例1と同様である。
【0099】
<比較例3>
図18に示したように、比較例3のシート材も、上述した実施例0~9とは異なり、エンボス加工(エンボス工程)によって、基材の表面側に付着した表皮材に、凸部と凹部を形成しており、当該凹部には、変性部分を有している。
ここで、比較例3のシート材においては、上述した比較例1より、エンボス型材を深くシート材に押圧していないため、シート材の損傷は酷くないものの、凸部を押し下げた際でも、凸部と凹部の間で、境界が視認できる(図18(c)参照)。
又、比較例3のシート材も、基材の表面が略平坦であり、且つ、基材は基材本体と介在体等に分かれておらず、基材の平面視面積は、表皮材の平面視面積と略同じである。
尚、比較例3のシート材は、その厚さが約3.0mmで、基材の厚さが約3.0mmで、表皮材の厚さが約0.2mmで、凸部の高さ(=凹部の深さ)が約0.8mmである。
その他、比較例3のシート材は、付着手段は、比較例1と同様であるが、基材の素材は、熱可塑性繊維で編成されたダブルラッシェル編地であり、表皮材の素材は、熱可塑性の素材で形成された合成皮革である。ここで、基材の素材がダブルラッシェル編地であるため、凹部の下方にあるダブルラッシェル編地において、熱可塑性繊維である連結糸が変形(屈曲)した状態がキープされている(図18(a)、(c)参照)ことからも、エンボス加工されたことがわかる。
【0100】
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。シート材1や、シート材1の製造方法等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
1つのシート材1に対して、基材2の個数は、1つ(1枚)であったり、複数の基材2が積層されたもの(複数枚)を表皮材3に付着しても良く、この場合、積層された各基材2同士は、互いに付着されていたり、逆に、付着されていなくとも構わない。
1つのシート材1に対して、基材本体2Aの個数も、1つ(1枚)であったり、複数の基材本体2Aが積層されたもの(複数枚)であっても良く、この場合、積層された各基材本体2A同士は、互いに付着されていたり、逆に、付着されていなくとも構わない。
1つのシート材1に対して、介在体2Bは、複数の介在体2Bが積層されたもの(複数枚、又は、複数個)であっても良く、この場合、積層された各介在体2B同士は、互いに付着されていたり、逆に、付着されていなくとも構わない。尚、積層された複数の介在体2Bは、各介在体2Bの平面視形状が略同じであったり、異なったりしても良い。
1つのシート材1において、1つの凹介在体2B2に対して、凸介在体2Bやくり抜き部2B2Aは、複数(複数個)であったり、複数の凹介在体2B2に対して、凸介在体2Bやくり抜き部2B2Aは、1つ(1個)又は複数(複数個)であっても良く、凸介在体2Bとくり抜き部2B2Aが複数である場合、凸介在体2Bの個数と、くり抜き部2B2Aの個数は、同じであったり、異なったりしても良い。
1つのシート材1に対して、表皮材3の個数も、1つ(1枚)であったり、複数の表皮材3が積層されたもの(複数枚)を基材2に付着しても良く、この場合、積層された各表皮材3同士は、互いに付着されていたり、逆に、付着されていなくとも構わない。
本発明において、シート材1や基材2、基材本体2A、介在体2B、表皮材3の厚さ1w、2w、2Aw、2Bw、3wとは、最も分厚い箇所における厚さを意味し、例えば、シート材1の厚さ1wとは、凸部4の頂4aから裏面1bまでの厚さである。特に、介在体2Bの素材が、紐や棒状の素材などである場合には、側断面視における上下(垂直)方向の長さが、介在体2Bの厚さ2Bwとなる。
シート材1は、上述した持上部2M及び/又は隙間2Sを有していなくとも良い。
シート材1は、上述した上角潰部2T及び/又は上潰部2T’を有していなくとも良く(図1中の介在体2Bにおける右上角参照)、この場合、凸部4の頂4aと、凹部5の底5aの間に中間立設部6bが設けられていても構わない。尚、この中間立設部6bは、凸部周面4bに設けられているとも言える。
シート材1の裏面1b側においては、基材凸部24が設けられた箇所(介在体2Bが存在する箇所等)では、当該基材凸部24に、基材2や基材本体2Aが裏面側(シート材1の裏面1b側や、基材2や基材本体2Aそのものの裏面2bや本体裏面2Ab側)へ押し下げられて、凸部(裏凸部)が形成されたり、基材凹部25が設けられた箇所(介在体2Bが存在しない箇所等)では、当該基材凹部25に、基材2や基材本体2Aが裏面側(シート材1の裏面1b側や、基材2や基材本体2Aそのものの裏面2bや本体裏面2Ab側)へ押し下げられずに、凹部(裏凹部)が形成されても良く、その他、シート材1の裏面1b側は、略平坦であっても構わない。
シート材1の裏面1b側にバッキング樹脂を塗布して、バッキング層(図示せず)が形成されていても良い。
シート材1や基材2、表皮材3は、所望により、酸化チタン、炭酸カルシウム等の体質顔料やフィラー(充填材)を任意に添加したり、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、撥水剤、防汚剤、着色剤、香料、発泡剤等を添加した素材を用いても良い。
シート材1や基材2、表皮材3は、その色彩についても、黒色系、茶色系、青色系、白色系、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、紫色系など何れの色調でも良く、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
シート材1や基材2、表皮材3の模様についても、無地や、花や草木などの植物の柄、動物の柄、幾何学模様、表面凹凸等による模様など何れでも良い。
【0101】
<シート材1の第1実施形態の変形例1~4>
シート材1の第1実施形態の変形例としては、基材本体2Aと介在体2Bは有すると共に、これらの基材本体2A及び/又は介在体2Bの表面側に、直接、凹凸を設けたものである(図15参照)。
変形例1としては、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積の「小さい」介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させ、且つ、介在体2Bの表面側に、直接、凹凸を設けたものである(図15(a)参照)。
変形例2としては、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積の「小さい」介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させ、且つ、介在体2Bの表面側だけでなく、介在体2Bが存在しない箇所における基材本体2Aの表面側にも、直接、凹凸を設けたものである(図15(b)参照)。
変形例3としては、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積の「小さい」介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させ、且つ、介在体2Bが存在しない箇所における基材本体2Aの表面側に、直接、凹凸を設けたものである(図15(c)参照)。
変形例4としては、基材本体2Aや表皮材3と平面視面積が「略同じ」介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させ、且つ、介在体2Bの表面側に、直接、凹凸を設けたものである(図15(d)参照)。
尚、シート材1の変形例1~4においても、上述した側断面円弧部6、6’の少なくとも何れか一方が存在しても良い。
又、当初は基材本体2Aと介在体2Bに分かれていない基材2の表面2a側に、プロファイル加工などによって、直接、基材凸部24や基材凹部25を設けた後に、当該基材凸部24や基材凹部25の厚さ方向中途部で基材2を切断した(謂わば、基材本体2Aと、1つ又は複数の介在体2Bに分けた)後に、切断した基材2の表面2a側に表皮材3を付着した場合も、やはりシート材1の第1実施形態(又は、その変形例1~4の何れか)となる。
【0102】
<基材本体2Aと、シート材1の第1実施形態の変形例1~4の関係>
基材本体2Aは、シート材1が第1実施形態の変形例1、4である場合、介在体2Bより平面視面積が大きく、基材本体2Aの本体表面2Aa側が略平坦となる(図15(a)、(d)参照)。
基材本体2Aは、シート材1が第1実施形態の変形例2、3である場合、介在体2Bより平面視面積が大きいが、基材本体2Aの本体表面2Aa側に、直接、凹凸を設けることとなる(図15(b)、(c)参照)。
尚、何れの場合も、基材本体2Aは、表皮材3と平面視面積が略同じであっても良い。
【0103】
<介在体2Bと、シート材1の第1実施形態の変形例1~4の関係>
介在体2Bは、シート材1が第1実施形態の変形例1、2である場合、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積が小さく、介在体2Bの介在表面2Ba側に、直接、凹凸を設けることとなる(図15(a)、(b)参照)。
介在体2Bは、シート材1が第1実施形態の変形例3である場合、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積が小さく、介在体2Bの介在表面2Ba側が略平坦となる(図15(c)参照)。
介在体2Bは、シート材1が第1実施形態の変形例4である場合、基材本体2Aや表皮材3と平面視面積が略同じで、介在体2Bの介在表面2Ba側に、直接、凹凸を設けることとなる(図15(d)参照)。
【0104】
<基材凸部24と、シート材1の第1実施形態の変形例1~4の関係>
基材凸部24は、シート材1が第1実施形態の変形例1である場合、上述した介在体2B自体が存在する箇所が当然基材凸部24が設けられた箇所となると共に、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた凸部が存在して、謂わば、基材凸部24は2種類存在することとなる。尚、この場合の基材凸部24は、介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた最も高く上方に突出した凸部が介在体2Bによる凸部であり且つ直接設けた凸部である介在表面基材凸部24αであると同時に、介在体2Bによる凸部全体が上述した介在基材凸部24’であるとも言える(図15(a)参照)。
基材凸部24は、シート材1が第1実施形態の変形例2である場合、上述した介在体2B自体が存在する箇所が当然基材凸部24が設けられた箇所となり、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた凸部が存在すると共に、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた凸部が存在して、謂わば、基材凸部24は3種類存在することとなる。尚、この場合の基材凸部24は、介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた最も高く上方に突出した凸部が上述した介在表面基材凸部24αであり、介在体2Bによる凸部全体が上述した介在基材凸部24’であると同時に、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた凸部が本体表面基材凸部24βであるとも言える(図15(b)参照)。
基材凸部24は、シート材1が第1実施形態の変形例3である場合、上述した介在体2B自体が存在する箇所が当然基材凸部24が設けられた箇所となると共に、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた凸部が存在して、謂わば、基材凸部24は2種類存在することとなる。尚、この場合の基材凸部24は、介在体2Bによる凸部全体が上述した介在基材凸部24’であると同時に、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた凸部が上述した本体表面基材凸部24βであるとも言える(図15(c)参照)。
基材凸部24は、シート材1が第1実施形態の変形例4である場合、上述した介在体2Bの平面視面積が基材本体2Aや表皮材3と略同じであるため、介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた凸部が存在して、謂わば、基材凸部24は1種類のみ存在することとなる。尚、この場合の基材凸部24は、介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた最も高く上方に突出した凸部が上述した介在表面基材凸部24αであるとも言える(図15(d)参照)。
ここで、「介在体2Bの介在表面2Baや、基材本体2Aの本体表面2Aa側に、直接、各基材凸部24が設けられる」とは、上述したように、1つの所定厚さの合成樹脂フォーム(例えば、ポリウレタンフォーム)等の介在体2Bや基材本体2Aを、プロファイル加工等によって、介在体2Bの介在表面2Baや、基材本体2Aの本体表面2Aa側に、直接、各基材凸部24が設けても良い。
【0105】
ここまで述べたように、基材凸部24は、上述した第1、2実施形態における介在基材凸部24’と基材直設凸部24”の2種類に加えて、第1実施形態の変形例1~4における介在表面基材凸部24αと、本体表面基材凸部24βも合わせた合計4種類存在するところ、それぞれの基材凸部24の高さ24hのうち、介在基材凸部24’の高さ24h’と基材直設凸部24”の高さ24h”は、上述した通りであるが、介在表面基材凸部24αの高さ24hαは、介在体2Bの厚さ2Bwと、介在体2Bの介在表面2Ba(又は、介在表面基材凹部25αにおいて最も低く下方に窪んだ底)から介在表面基材凸部24αにおいて最も高く上方に突出した頂(いただき)までの高さを足した値であり、本体表面基材凸部24βの高さ24hβは、基材本体2Aの本体表面2Aa(又は、本体表面基材凹部25βにおいて最も低く下方に窪んだ底)から本体表面基材凸部24βにおいて最も高く上方に突出した頂までの高さの値である。
これら各基材凸部24’、24”、24α、24βにおける各高さ24h’、24h”、24hα、24hβは、互いの大小関係について、特に制限はなく、例えば、介在基材凸部24’の高さ24h’は、基材直設凸部24”の高さ24h”や、介在表面基材凸部24αの高さ24hα、本体表面基材凸部24βの高さ24hβより高かったり(高さの値が大きかったり)、高さの値が略同じであったり、逆に、高さの値が小さかったりしても良く、基材直設凸部24”の高さ24h”や、介在表面基材凸部24αの高さ24hα、本体表面基材凸部24βの高さ24hβは、互いに高さの値が、略同じであったり、異なっていても構わない。
【0106】
<基材凹部25と、シート材1の第1実施形態の変形例1~4の関係>
基材凹部25は、シート材1が第1実施形態の変形例1である場合、上述した介在体2B自体が存在しない箇所が当然基材凹部25が設けられた箇所となると共に、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた凹部が存在して、謂わば、基材凹部25は2種類存在することとなる。尚、この場合の基材凹部25は、介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた最も低く下方に窪んだ凹部が介在体2Bによる凹部であり且つ直接設けた凹部である介在表面基材凹部25αであると同時に、介在体2Bによる凹部全体が上述した介在基材凹部25’であるとも言える(図15(a)参照)。
基材凹部25は、シート材1が第1実施形態の変形例2である場合、上述した介在体2B自体が存在しない箇所が当然基材凹部25が設けられた箇所となり、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた凹部が存在すると共に、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた凹部が存在して、謂わば、基材凹部25は3種類存在することとなる。尚、この場合の基材凹部25は、介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた最も低く下方に窪んだ凹部が介在表面基材凹部25αであり、介在体2Bによる凹部全体が上述した介在基材凹部25’であると同時に、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた凹部が本体表面基材凹部25βであるとも言える(図15(b)参照)。
基材凹部25は、シート材1が第1実施形態の変形例3である場合、上述した介在体2B自体が存在しない箇所が当然基材凹部25が設けられた箇所となると共に、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた凹部が存在して、謂わば、基材凹部25は2種類存在することとなる。尚、この場合の基材凹部25は、介在体2Bによる凹部全体が上述した介在基材凹部25’であると同時に、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた凹部が上述した本体表面基材凹部25βであるとも言える(図15(c)参照)。
基材凹部25は、シート材1が第1実施形態の変形例4である場合、上述した介在体2Bの平面視面積が基材本体2Aや表皮材3と略同じであるため、介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた凹部が存在して、謂わば、基材凹部25は1種類のみ存在することとなる。尚、この場合の基材凹部25は、介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた最も低く下方に窪んだ凹部が上述した介在表面基材凹部25αであるとも言える(図15(d)参照)。
ここで、「介在体2Bの介在表面2Baや、基材本体2Aの本体表面2Aa側に、直接、各基材凹部25が設けられる」とは、上述したように、1つの所定厚さの合成樹脂フォーム(例えば、ポリウレタンフォーム)等の介在体2Bや基材本体2Aを、プロファイル加工等によって、介在体2Bの介在表面2Baや、基材本体2Aの本体表面2Aa側に、直接、各基材凹部25が設けても良い。
【0107】
ここまで述べたように、基材凹部25は、上述した第1、2実施形態における介在基材凹部25’と基材直設凹部25”の2種類に加えて、第1実施形態の変形例1~4における介在表面基材凹部25αと、本体表面基材凹部25βも合わせた合計4種類存在するところ、それぞれの基材凹部25の深さ25dのうち、介在基材凹部25’の高さ25d’と基材直設凹部25”の高さ25d”は、上述した通りであるが、介在表面基材凹部25αの深さ25dαは、介在体2Bの介在表面2Ba(又は、上述した介在表面基材凸部24αにおいて最も高く上方に突出した頂)から介在表面基材凹部25αにおいて最も低く下方に窪んだ底までの深さの値であり、本体表面基材凹部25βの深さ25dβは、基材本体2Aの本体表面2Aa(又は、上述した本体表面基材凸部24βにおいて最も高く上方に突出した頂)から本体表面基材凹部25βにおいて最も低く下方に窪んだ底までの深さの値である。
これら各基材凹部25’、25”、25α、25βにおける各深さ25d’、25d”、25dα、25dβは、互いの大小関係について、特に制限はなく、例えば、介在基材凹部25’の深さ25d’は、基材直設凹部25”の深さ25d”や、介在表面基材凹部25αの深さ25dα、本体表面基材凹部25βの深さ25dβより低かったり(低さの値が大きかったり)、低さの値が略同じであったり、逆に、低さの値が小さかったりしても良く、基材直設凹部25”の深さ25d”や、介在表面基材凹部25αの深さ25dα、本体表面基材凹部25βの深さ25dβは、互いに高さの値が、略同じであったり、異なっていても構わない。
【0108】
<凸部4・頂4aと、シート材1の第1実施形態の変形例1~4の関係>
図15(a)に示したように、凸部4は、シート材1が変形例1である場合、基材凸部24が、上述した介在体2B自体が存在する箇所の介在基材凸部24’と、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凸部24αの2種類存在することとなるため、上述した介在体2Bと略同じ平面視形状の凸部4が(謂わば、1段目の凸部4として)存在し、その1段目の凸部4の頂から上方に突出した介在表面基材凸部24αと略同じ平面視形状の凸部4が(謂わば、2段目の凸部4として)存在することとなる。
この場合、凸部4の平面視形状は、特に制限はないが、1段目の凸部4の平面視形状は、例えば、上述した介在体2Bのように、複数の細長い蒲鉾状等であっても良く、2段目の凸部4の平面視形状は、上述したように、水玉状等であっても良い。
又、この場合、1段目の凸部4の側断面視形状は、上述したように、上角潰部2Tが生じて略蒲鉾状等であったり、1段目の凸部4の頂4aは、側断面視において点状等であっても良く、2段目の凸部4の側断面視形状は、上述したように、上潰部2T’が生じて略蒲鉾状等であったり、2段目の凸部4の頂4aは、側断面視において点状等であっても構わない。
図15(b)に示したように、凸部4は、シート材1が変形例2である場合、基材凸部24が、上述した介在体2B自体が存在する箇所の介在基材凸部24’と、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凸部24αと、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた本体表面基材凸部24βの3種類存在することとなるため、上述した介在体2Bと略同じ平面視形状の凸部4が(謂わば、1段目の凸部4として)存在し、その1段目の凸部4の頂から上方に突出した介在表面基材凸部24αと略同じ平面視形状の凸部4が(謂わば、2段目の凸部4として)存在し、加えて、後述する凹部5の底5aから上方に突出した本体表面基材凸部24βと略同じ平面視形状の凸部4が(謂わば、一番下の段の凸部4として)存在することとなる。
この場合、凸部4の平面視形状は、特に制限はないが、1段目の凸部4の平面視形状は、例えば、上述した介在体2Bのように、複数の細長い蒲鉾状等であっても良く、2段目及び一番下の段の凸部4の平面視形状は、上述したように、水玉状等であっても構わない。
又、この場合、1段目の凸部4の側断面視形状は、上述したように、上角潰部2Tが生じて略蒲鉾状等であったり、1段目の凸部4の頂4aは、側断面視において点状等であっても良く、2段目及び一番下の段の凸部4の側断面視形状は、上述したように、上潰部2T’が生じて略蒲鉾状等であったり、2段目及び一番下の段の凸部4の頂4aは、側断面視において点状等であっても構わない。
図15(c)に示したように、凸部4は、シート材1が変形例3である場合、基材凸部24が、上述した介在体2B自体が存在する箇所の介在基材凸部24’と、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた本体表面基材凸部24βの2種類存在することとなるため、上述した介在体2Bと略同じ平面視形状の凸部4が(謂わば、1段目の凸部4として)存在し、加えて、後述する凹部5の底5aから上方に突出した本体表面基材凸部24βと略同じ平面視形状の凸部4が(謂わば、一番下の段の凸部4として)存在することとなる。
この場合、凸部4の平面視形状は、特に制限はないが、1段目の凸部4の平面視形状は、例えば、上述した介在体2Bのように、複数の細長い蒲鉾状等であっても良く、一番下の段の凸部4の平面視形状は、上述したように、水玉状等であっても構わない。
又、この場合、1段目の凸部4の側断面視形状は、上述したように、上角潰部2Tが生じて略蒲鉾状等であったり、1段目の凸部4の頂4aは、側断面視において点状等であっても良く、一番下の段の凸部4の側断面視形状は、上述したように、上潰部2T’が生じて略蒲鉾状等であったり、一番下の段の凸部4の頂4aは、側断面視において点状等であっても構わない。
図15(d)に示したように、凸部4は、シート材1が変形例4である場合、基材凸部24が、平面視面積が基材本体2Aや表皮材3と略同じ介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凸部24αの1種類のみ存在することとなるため、介在表面基材凸部24αと略同じ平面視形状の凸部4が存在することとなる。
この場合、凸部4の平面視形状は、特に制限はないが、例えば、上述したように、水玉状等であっても良い。
又、この場合、凸部4の側断面視形状は、上述したように、上潰部2T’が生じて略蒲鉾状等であったり、凸部4の頂4aは、側断面視において点状等であっても構わない。
【0109】
<凹部5・底5aと、シート材1の第1実施形態の変形例1~4の関係>
図15(a)に示したように、凹部5は、シート材1が変形例1である場合、基材凹部25が、上述した介在体2Bが存在していない箇所の介在基材凹部25’と、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凹部25αの2種類存在することとなるため、上述した介在体2Bを囲む平面視形状と略同じ平面視形状の凹部5が(謂わば、下側の凹部5として)存在し、その下側の凹部5とは別に存在し且つ上述した1段目の凸部4の頂から下方に窪んだ介在表面基材凹部25αと略同じ平面視形状の凹部5が(謂わば、上側の凹部5として)存在することとなる。
この場合、凹部5の平面視形状は、特に制限はないが、下側の凹部5の平面視形状は、例えば、上述した介在体2Bを囲むように、複数の細長い蒲鉾状等を囲む形状であっても良く、上側の凹部5の平面視形状は、上述したように、水玉状等を囲む形状であっても良い。
又、この場合、下側の凹部5の側断面視形状は、上述したように、持上部2Mや隙間2Sが生じて略逆蒲鉾状等であったり、下側の凹部5の底5aは、側断面視において面状等であっても良く、上側の凹部5の側断面視形状は、上述したように、持上部2Mや隙間2Sが生じて略逆蒲鉾状等であったり、上側の凹部5の底5aは、側断面視において点状等であっても構わない。
図15(b)に示したように、凹部5は、シート材1が変形例2である場合、基材凹部25が、上述した介在体2Bが存在していない箇所の介在基材凹部25’と、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凹部25αと、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた本体表面基材凹部25βの3種類存在することとなるため、上述した介在体2Bを囲む平面視形状と略同じ平面視形状の凹部5が(謂わば、下側の凹部5として)存在し、その下側の凹部5とは別に存在し且つ上述した1段目の凸部4の頂から下方に窪んだ介在表面基材凹部25αと略同じ平面視形状の凹部5が(謂わば、上側の凹部5として)存在し、加えて、凹部5の底5aから下方に窪んだ本体表面基材凹部25βと略同じ平面視形状の凹部5が(謂わば、一番下側の凹部5として)存在することとなる。
この場合、凹部5の平面視形状は、特に制限はないが、下側の凹部5の平面視形状は、例えば、上述した介在体2Bを囲むように、複数の細長い蒲鉾状等を囲む形状であっても良く、上側及び一番下側の凹部5の平面視形状は、上述したように、水玉状等を囲む形状であっても構わない。
又、この場合、下側の凹部5の側断面視形状は、上述したように、持上部2Mや隙間2Sが生じて略逆蒲鉾状等であったり、下側の凹部5の底5aは、側断面視において面状等であっても良く、上側及び一番下側の凹部5の側断面視形状は、上述したように、持上部2Mや隙間2Sが生じて略逆蒲鉾状等であったり、上側及び一番下側の凹部5の底5aは、側断面視において点状等であっても構わない。
図15(c)に示したように、凹部5は、シート材1が変形例3である場合、基材凹部25が、上述した介在体2Bが存在していない箇所の介在基材凹部25’と、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた本体表面基材凹部25βの2種類存在することとなるため、上述した介在体2Bを囲む平面視形状と略同じ平面視形状の凹部5が(謂わば、下側の凹部5として)存在し、加えて、凹部5の底5aから下方に窪んだ本体表面基材凹部25βと略同じ平面視形状の凹部5が(謂わば、一番下側の凹部5として)存在することとなる。
この場合、凹部5の平面視形状は、特に制限はないが、下側の凹部5の平面視形状は、例えば、上述した介在体2Bを囲むように、複数の細長い蒲鉾状等を囲む形状であっても良く、一番下側の凹部5の平面視形状は、上述したように、水玉状等を囲む形状であっても構わない。
又、この場合、下側の凹部5の側断面視形状は、上述したように、持上部2Mや隙間2Sが生じて略逆蒲鉾状等であったり、下側の凹部5の底5aは、側断面視において面状等であっても良く、一番下側の凹部5の側断面視形状は、上述したように、持上部2Mや隙間2Sが生じて略逆蒲鉾状等であったり、一番下側の凹部5の底5aは、側断面視において点状等であっても構わない。
図15(d)に示したように、凹部5は、シート材1が変形例4である場合、基材凹部25が、平面視面積が基材本体2Aや表皮材3と略同じ介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凹部25αの1種類のみ存在することとなるため、介在表面基材凹部25αと略同じ平面視形状の凹部5が存在することとなる。
この場合、凹部5の平面視形状は、特に制限はないが、例えば、上述したように、水玉状等を囲む形状であっても良い。
又、この場合、凹部5の側断面視形状は、上述したように、持上部2Mや隙間2Sが生じて略逆蒲鉾状等であったり、凹部5の底5aは、側断面視において点状等であっても構わない。
【0110】
<シート材1の製造方法における付着工程Pの第1実施形態の変形例1~4>
シート材1の製造方法における付着工程Pの第1実施形態の変形例としては、基材本体2Aと介在体2Bは有すると共に、これらの基材本体2A及び/又は介在体2Bの表面側に、直接、凹凸を設けたものである(図22参照)。
図22(a)に示したように、変形例1としては、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積の「小さい」、且つ、介在体2Bの表面側に直接凹凸を設けた介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させた状態の基材2の表面2a側に、表皮材3を付着する工程である。付着工程Pの変形例1においては、基材凸部24は介在体2B自体が存在する箇所の介在基材凸部24’と、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凸部24αの2種類存在するため、介在体2Bが存在する箇所(つまり、介在基材凸部24’を設けた箇所)では、1段目の凸部4を形成し、介在表面基材凸部24αが存在する箇所では、2段目の凸部4を形成することとなり、これと共に、基材凹部25は介在体2Bが存在していない箇所の介在基材凹部25’と、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凹部25αの2種類存在するため、介在体2Bが存在しない箇所(つまり、介在基材凹部25’を設けた箇所)では、下側の凹部5を形成し、介在基材凹部25’が存在する箇所では、上側の凹部5を形成することとなる。尚、図22(a)は、付着工程Pの変形例1における付着前を示し、図15(a)が、付着工程Pの変形例1における付着後を示しているとも言える。
図22(b)に示したように、変形例2としては、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積の「小さい」、且つ、介在体2Bの表面側と、介在体2Bが存在しない箇所における基材本体2Aの表面側に直接凹凸を設けた介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させた状態の基材2の表面2a側に、表皮材3を付着する工程である。付着工程Pの変形例2においては、基材凸部24は介在体2B自体が存在する箇所の介在基材凸部24’と、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凸部24αと、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた本体表面基材凸部24βの3種類存在するため、介在体2Bが存在する箇所(つまり、介在基材凸部24’を設けた箇所)では、1段目の凸部4を形成し、介在表面基材凸部24αが存在する箇所では、2段目の凸部4を形成し、本体表面基材凸部24βが存在する箇所では、一番下の段の凸部4を形成することとなり、これと共に、基材凹部25は介在体2Bが存在していない箇所の介在基材凹部25’と、当該介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凹部25αと、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた本体表面基材凹部25βの3種類存在するため、介在体2Bが存在しない箇所(つまり、介在基材凹部25’を設けた箇所)では、下側の凹部5を形成し、介在基材凹部25’が存在する箇所では、上側の凹部5を形成し、本体表面基材凹部25βが存在する箇所では、一番下側の凹部5を形成することとなる。尚、図22(b)は、付着工程Pの変形例2における付着前を示し、図15(b)が、付着工程Pの変形例2における付着後を示しているとも言える。
図22(c)に示したように、変形例3としては、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積の「小さい」、且つ、介在体2Bが存在しない箇所における基材本体2Aの表面側に直接凹凸を設けた介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させた状態の基材2の表面2a側に、表皮材3を付着する工程である。付着工程Pの変形例3においては、基材凸部24は介在体2B自体が存在する箇所の介在基材凸部24’と、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた本体表面基材凸部24βの2種類存在するため、介在体2Bが存在する箇所(つまり、介在基材凸部24’を設けた箇所)では、1段目の凸部4を形成し、本体表面基材凸部24βが存在する箇所では、一番下の段の凸部4を形成することとなり、これと共に、基材凹部25は介在体2Bが存在していない箇所の介在基材凹部25’と、基材本体2Aの本体表面2Aa側に直接設けた本体表面基材凹部25βの2種類存在するため、介在体2Bが存在しない箇所(つまり、介在基材凹部25’を設けた箇所)では、下側の凹部5を形成し、本体表面基材凹部25βが存在する箇所では、一番下側の凹部5を形成することとなる。尚、図22(c)は、付着工程Pの変形例3における付着前を示し、図15(c)が、付着工程Pの変形例3における付着後を示しているとも言える。
図22(d)に示したように、変形例4としては、基材本体2Aや表皮材3より平面視面積が「略同じ」、且つ、介在体2Bの表面側に直接凹凸を設けた介在体2Bを、基材本体2Aと表皮材3の間に存在させた状態の基材2の表面2a側に、表皮材3を付着する工程である。付着工程Pの変形例4においては、基材凸部24は介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凸部24αの1種類のみ存在するため、介在表面基材凸部24αが存在する箇所では、凸部4を形成することとなり、これと共に、基材凹部25は介在体2Bの介在表面2Ba側に直接設けた介在表面基材凹部25αの1種類のみ存在するため、介在表面基材凹部25αが存在する箇所では、凹部5を形成することとなる。尚、図22(d)は、付着工程Pの変形例4における付着前を示し、図15(d)が、付着工程Pの変形例4における付着後を示しているとも言える。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明に係るシート材、及び、本発明に係るシート材の製造方法により製造されたシート材は、自動車(乗用車)や鉄道車両、航空機、船舶等の乗り物の内部(室内)における内装材(内壁材、天井材、床材など)や椅子を覆うことが出来、特に、自動車であれば、インストルメントパネル、コンソールボックス、オーナメント(ドアトリム)、ダッシュボード、グローブボックスなどの内装材(内壁材、天井材、床材)であったり、カーシート(椅子)やハンドルカバー等を覆うものとして利用可能である。
この他、本発明に係るシート材、及び、本発明に係るシート材の製造方法により製造されたシート材は、上述した自動車等の乗り物の内部だけでなく、家屋やビル等の建物の内部における壁材や天井材、床材等の内装材、椅子やベッド等の家具類、照明器具などを覆う際に利用可能である他、更には、産業資材用途、靴や衣料などの生活資材用途などに利用しても良い。
【符号の説明】
【0112】
1 シート材
2 基材
24 基材凸部
25 基材凹部
2A 基材本体
2B 介在体
2B1 凸介在体
2B2 凹介在体
2B2A くり抜き部
3 表皮材
4 凸部
4a 凸部の頂
5 凹部
5a 凹部の底
6 下凸側断面円弧部
7 硬質部
P 付着工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23