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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010818
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】キャップオープナー
(51)【国際特許分類】
   B67B 7/18 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B67B7/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112336
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】520227891
【氏名又は名称】株式会社オクト
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】浪越 康夫
【テーマコード(参考)】
3E081
【Fターム(参考)】
3E081AA14
3E081AB06
3E081AC07
3E081BB13
3E081BB15
3E081BB26
3E081BB30
3E081BC08
3E081EE21
(57)【要約】
【課題】開栓可能なねじ式キャップの直径サイズの種類が多く且つコンパクト化を図りうるキャップオープナーを提供する。
【解決手段】キャップオープナー1の本体板2の第1面2aに、大径乃至中径キャップCに開栓トルクを付与する左右一対の第1挟み面3L、3Rが立設されている。本体板2の第2面2bに、中径乃至小径キャップに開栓トルクを付与する互いに略対向状に離間した左右一対の第2挟み面6L、6Rが立設されている。両第2挟み面6L、6R間の幅方向の中間線において中間線の前部が第2面2bの前部2bxから後部2by側に向かう方向に略直線状に延びるとともに中間線の後部が第2面2bの前部2bxから後部2by側に向かう方向に対して左側又は右側に略円弧状に曲がって延びている。両第2挟み面6L、6R間の幅が中間線の前端から中間線に沿う方向において漸次減少している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ式キャップに開栓トルクを付与することにより前記キャップを開栓するキャップオープナーであって、
本体板の第1面に、大径乃至中径キャップに開栓トルクを付与する互いに略対向状に離間した左右一対の第1挟み面が前記第1面の前部から後部側に延びて立設されるとともに、
前記両第1挟み面間の幅方向の第1中間線が前記第1面の前部から後部側に向かう方向に略直線状に延びており、且つ、前記両第1挟み面間の幅が前記第1中間線の前端から前記第1中間線に沿う方向において漸次減少しており、
前記両第1挟み面のうち、前記キャップの開栓方向において前記キャップの外周部が前記両第1挟み面間を後方向に回転する側に配置された第1挟み面に、前記キャップとの第1滑り止め面部が形成されており、
前記本体板の第2面に、中径乃至小径キャップに開栓トルクを付与する互いに略対向状に離間した左右一対の第2挟み面が前記第2面の前部から後部側に延びて立設されるとともに、
前記両第2挟み面間の幅方向の第2中間線において、前記第2中間線の前部が前記第2面の前部から後部側に向かう方向に略直線状に延びるとともに前記第2中間線の後部が前記第2面の前部から後部側に向かう方向に対して左側又は右側に略円弧状に曲がって延びており、且つ、前記両第2挟み面間の幅が前記第2中間線の前端から前記第2中間線に沿う方向において漸次減少しており、
前記両第2挟み面のうち、前記キャップの開栓方向において前記キャップの外周部が前記両第2挟み面間を後方向に回転する側に配置された第2挟み面に、前記キャップとの第2滑り止め面部が形成されているキャップオープナー。
【請求項2】
前記第1中間線が前記本体板の幅方向の略中間に位置しており、
前記第2中間線の前部が、前記本体板の幅方向の中間位置に対して前記第2中間線の後部が曲がった側とは反対側に位置している請求項1記載のキャップオープナー。
【請求項3】
前記本体板は平面視において略逆台形状であり、且つ、前記本体板の後辺部が略凸円弧状に形成されており、
前記本体板の前記第1面の左右両側辺部に当該両側辺部に沿って延びた左右一対の第1条壁部が立設されており、前記両第1挟み面が前記両第1条壁部における互いに対向する内壁面からなり、
前記本体板の前記第2面の左右両側辺部に当該両側辺部に沿って延びた左右一対の第2条壁部が立設されるとともに、前記両第2条壁部のうち前記第2中間線の後部が曲がった側とは反対側に配置された一方の第2条壁部が、前記第2面の側辺部から前記第2面の後辺部に沿って略凸円弧状に連続的に延長されており、前記両第2挟み面が前記両第2条壁部における互いに対向する内壁面からなる請求項2記載のキャップオープナー。
【請求項4】
前記両第2条壁部における他方の第2条壁部の幅が前記一方の第2条壁部の幅よりも大きく、
前記本体板の前記第1面における、前記本体板に対して前記他方の第2条壁部とは反対側の部分に、肉盗み凹部が設けられ、
前記本体板に補強リブが前記肉盗み凹部内にて前記肉盗み凹部を横断する状態に設けられている請求項3記載のキャップオープナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャー容器、ボトル容器、パウチ容器などの容器の開口部に螺着されたねじ式キャップを開栓する際に用いられるキャップオープナーに関する。
【0002】
ここで本明細書及び特許請求の範囲では、説明の便宜上、図1に示した矢印F、B、L及びRの方向をキャップオープナーの前方向F、後方向B、左方向L及び右方向Rと定義する。
【背景技術】
【0003】
容器の開口部に螺着されたねじ式キャップを容易に開栓しうるようにするため、キャップに開栓トルク(即ちキャップの開栓方向の回転トルク)を付与する互いに略対向状に離間した左右一対の挟み面を有するキャップオープナーが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【0004】
このキャップオープナーによれば、キャップを両挟み面間に挟み込み、この状態で両挟み面をキャップの開栓方向にキャップに対して相対的に回転させることによりキャップに開栓トルクを付与し、キャップを開栓する。
【0005】
両挟み面は、当該両挟み面間に様々な直径サイズのキャップを挟み込みうるようにするため両挟み面間の幅が前から後方向に漸次減少する状態になるように配置されており、具体的には両挟み面は略V字状に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭48-13451号公報
【特許文献2】特開2020-172330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、様々な種類や大きさの容器が市場に出回っており、それに伴いキャップの直径サイズの種類も増加している。そこで、キャップオープナーにおいては、なるべく多くの種類の直径サイズのキャップを開栓しうるようにするため両挟み面を長くすることが考えられるが、そうするとキャップオープナーが長くなりその保管や収納に場所をとるという問題が発生する。
【0008】
本発明は上述した技術背景に鑑みてなされたもので、本発明の目的は開栓可能なキャップの直径サイズの種類が多く且つコンパクト化を図りうるキャップオープナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の手段を提供する。
【0010】
1) ねじ式キャップに開栓トルクを付与することにより前記キャップを開栓するキャップオープナーであって、
本体板の第1面に、大径乃至中径キャップに開栓トルクを付与する互いに略対向状に離間した左右一対の第1挟み面が前記第1面の前部から後部側に延びて立設されるとともに、
前記両第1挟み面間の幅方向の第1中間線が前記第1面の前部から後部側に向かう方向に略直線状に延びており、且つ、前記両第1挟み面間の幅が前記第1中間線の前端から前記第1中間線に沿う方向において漸次減少しており、
前記両第1挟み面のうち、前記キャップの開栓方向において前記キャップの外周部が前記両第1挟み面間を後方向に回転する側に配置された第1挟み面に、前記キャップとの第1滑り止め面部が形成されており、
前記本体板の第2面に、中径乃至小径キャップに開栓トルクを付与する互いに略対向状に離間した左右一対の第2挟み面が前記第2面の前部から後部側に延びて立設されるとともに、
前記両第2挟み面間の幅方向の第2中間線において、前記第2中間線の前部が前記第2面の前部から後部側に向かう方向に略直線状に延びるとともに前記第2中間線の後部が前記第2面の前部から後部側に向かう方向に対して左側又は右側に略円弧状に曲がって延びており、且つ、前記両第2挟み面間の幅が前記第2中間線の前端から前記第2中間線に沿う方向において漸次減少しており、
前記両第2挟み面のうち、前記キャップの開栓方向において前記キャップの外周部が前記両第2挟み面間を後方向に回転する側に配置された第2挟み面に、前記キャップとの第2滑り止め面部が形成されているキャップオープナー。
【0011】
2) 前記第1中間線が前記本体板の幅方向の略中間に位置しており、
前記第2中間線の前部が、前記本体板の幅方向の中間位置に対して前記第2中間線の後部が曲がった側とは反対側に位置している前項1記載のキャップオープナー。
【0012】
3) 前記本体板は平面視において略逆台形状であり、且つ、前記本体板の後辺部が略凸円弧状に形成されており、
前記本体板の前記第1面の左右両側辺部に当該両側辺部に沿って延びた左右一対の第1条壁部が立設されており、前記両第1挟み面が前記両第1条壁部における互いに対向する内壁面からなり、
前記本体板の前記第2面の左右両側辺部に当該両側辺部に沿って延びた左右一対の第2条壁部が立設されるとともに、前記両第2条壁部のうち前記第2中間線の後部が曲がった側とは反対側に配置された一方の第2条壁部が、前記第2面の側辺部から前記第2面の後辺部に沿って略凸円弧状に連続的に延長されており、前記両第2挟み面が前記両第2条壁部における互いに対向する内壁面からなる前項2記載のキャップオープナー。
【0013】
4) 前記両第2条壁部における他方の第2条壁部の幅が前記一方の第2条壁部の幅よりも大きく、
前記本体板の前記第1面における、前記本体板に対して前記他方の第2条壁部とは反対側の部分に、肉盗み凹部が設けられ、
前記本体板に補強リブが前記肉盗み凹部内にて前記肉盗み凹部を横断する状態に設けられている前項3記載のキャップオープナー。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以下の効果を奏する。
【0015】
前項1では、キャップオープナーの本体板の第1面に大径乃至中径キャップに開栓トルクを付与する両第1挟み面が立設されており、本体板の第2面に中径乃至小径キャップに開栓トルクを付与する両第2挟み面が立設されており、両第2挟み面間の幅方向の第2中間線において、第2中間線の前部が第2面の前部から後部側に向かう方向に略直線状に延びるとともに第2中間線の後部が第2面の前部から後部側に向かう方向に対して左側又は右側に略円弧状に曲がって延びており、且つ、両第2挟み面間の幅が第2中間線の前端から第2中間線に沿う方向において漸次減少しているので、キャップオープナーによって開栓可能なキャップの直径サイズの種類が多いし、キャップオープナーのコンパクト化を図ることができる。
【0016】
さらに、両第1挟み面のうち所定の側に配置された第1挟み面に第1滑り止め面部が形成されており、両第2挟み面のうち所定の側に配置された第2挟み面に第2滑り止め面部が形成されていることにより、キャップの開栓操作時にキャップの滑りが滑り止め面部によって抑制され、そのためキャップを確実に開栓することができる。
【0017】
前項2では、第2中間線の前部が、本体板の幅方向の中間位置に対して第2中間線の後部が曲がった側とは反対側にずれて位置しているので、キャップオープナーのコンパクト化を確実に図ることができる。
【0018】
前項3では、両第2条壁部のうち第2中間線の後部が曲がった側とは反対側に配置された一方の第2条壁部が、第2面の側辺部から後辺部に沿って略凸円弧状に連続的に延長されており、両第2挟み面が両第2条壁部における互いに対向する内壁面からなるので、キャップオープナーのコンパクト化を更に確実に図ることができる。
【0019】
前項4では、本体板の第1面における、本体板に対して他方の第2条壁部とは反対側の部分に、肉盗み凹部が設けられているので、肉盗み凹部によってキャップオープナーの軽量化を図ることができるし、ヒケの発生によるキャップオープナーの外観低下も抑制することができる。
【0020】
さらに、本体板に補強リブが肉盗み凹部内にて肉盗み凹部を横断する状態に設けられているので、補強リブによってキャップオープナーの強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は本発明の第1実施形態に係るキャップオ-プナーを本体板の第2面側から見た平面斜視図である。
図2図2は同キャップオープナーを本体板の第1面側から見た底面斜視図である。
図3図3は同キャップオープナーを本体板の第1面側から見た底面図である。
図4図4は同キャップオープナーを本体板の第2面側から見た平面図である。
図5図5図3中のA-A線断面図である。
図6図6は本発明の第2実施形態に係るキャップオープナーを本体板の第2面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0023】
図1~5は本発明の第1実施形態に係るキャップオープナー1を説明する図である。これらの図中の矢印F、B、L及びRの方向は本実施形態のキャップオープナー1の前方向F、後方向B、左方向L及び右方向Rを意味している。これらの図に記載された左方向L及び右方向Rとは、詳述するとキャップオープナー1を後述の本体板2の第2面2b側から見た左方向及び右方向である。
【0024】
図1に示すように、キャップオープナー1は、ジャー容器(ガラス製、プラスチック製など)、ボトル容器(例:PETボトル、金属ボトル)、パウチ容器などの容器(図示せず)の開口部に螺着されたねじ式キャップ(二点鎖線で示す)Cを開栓する際に用いられるものであり、キャップCに開栓トルクを付与することによりキャップCを開栓するものである。キャップCは有底円筒状であり、樹脂、金属などからなる。なお、開栓トルクとはキャップCの開栓方向Oの回転トルクを意味する。
【0025】
キャップオープナー1は人の片手でキャップオープナー1を掴み持つことができる大きさであり、そのような大きさの本体板2を備えている。
【0026】
本体板2はABS樹脂等の樹脂製であり、詳述すると硬質樹脂製である。さらに、本体板2は図4に示すように平面視において略逆台形状であり、互いに離間した左右一対の傾斜直線状の側辺部2L、2Rと、略凸円弧状の前辺部2Fと、略凸円弧状の後辺部2Bとを有している。左右両側辺部2L、2Rは、当該両側辺部2L、2R間の幅が前辺部2Fから後辺部2B側に向かう方向(即ちキャップオープナー1に対して前から後方向B)において漸次減少するように、本体板2の幅方向の中間位置Pに対して互いに反対側に傾斜して形成されている。なお、キャップオープナー1(本体板2)の左右方向と幅方向は同じである。
【0027】
ここで本明細書及び特許請求の範囲では、本体板2の厚さ方向の両面2a、2bのうち一方の面2aを本体板2の「第1面2a」及び他方の面2bを本体板2の「第2面2b」という。
【0028】
図1~3に示すように、本体板2の第1面2aには、大径乃至中径キャップに開栓トルクを付与する互いに略対向状に離間した左右一対の挟み面3L、3R(これらを左右一対の「第1挟み面3L、3R」という)が第1面2aの前部2axから後部2ay側に延びて立設されている。なお、図3中の符号「C1」は大径キャップ、及び「C2」は中径キャップである。
【0029】
図3に示すように、両第1挟み面3L、3Rにおいて、両第1挟み面3L、3R間の幅方向の中間線11(これを「第1中間線11」という。一点鎖線で示す)は第1面2aの前部2ax(詳述すると第1面2aの前辺部2F)から後部2ay側に向かう方向に略直線状に延びている。第1中間線11は本体板2の幅方向の略中間に位置している。なお、同図中の符号「P」は本体板2の幅方向の中間位置を示している。
【0030】
両第1挟み面3L、3R間の幅W1は、第1中間線11の前端11xから第1中間線11に沿う方向D1において漸次減少している。なお図3中の符号11yは、第1中間線11における前端11xとは反対側の端、即ち第1中間線11の後端である。したがって、幅W1は詳述すると第1中間線11の前端11xから後端11yまでの全長さ領域に亘って第1中間線11の前端11xから第1中間線11に沿う方向D1において漸次減少している。
【0031】
本体板2の第1面2aの左右両側辺部2L、2Rには、当該両側辺部2L、2Rに沿って延びた左右一対の条壁部4L、4R(これらを左右一対の「第1条壁部4L、4R」という)が一体に立設されている。
【0032】
上述の両第1挟み面3L、3Rは、両第1条壁部4L、4Rにおける互いに対向する内壁面からなる。
【0033】
第1左条壁部4Lの幅X11と第1右条壁部4Rの幅X12は互いに略等しく且つ小さく、両第1条壁部4L、4Rはそれぞれ板状である。
【0034】
さらに、本体板2の第1面2aの後辺部2Bには、当該後辺部2Bに沿って略凸円弧状に延びた後条壁部5が一体に立設されている。後条壁部5の幅は第1右条壁部4Rの幅X12と略等しく、後条壁部5は板状である。そして、両第1条壁部4L、4Rは後条壁部5を介して一体に繋がっている。
【0035】
また、本体板2には小円柱状の磁石片20が固定状態に設けられており、本実施形態では磁石片20は後条壁部5(詳述すると後条壁部5の左端部)に磁石片20の表面を露出させた状態にして埋設されている。さらに、図2に示すように後条壁部5にはフック係止孔21が穿設されている。
【0036】
キャップオープナー1を使用しない時などには、キャップオープナー1は、キャップオープナー1の使用場所又はその近傍に存在する冷蔵庫等の磁石吸着面に磁石片20の磁力により吸着されて取り付けられたり、使用場所又はその近傍に存在するフックにフック係止孔21を係止したりすることにより保管される。
【0037】
図1、2及び4に示すように、本体板2の第2面2bには、中径乃至小径キャップに開栓トルクを付与する互いに略対向状に離間した左右一対の挟み面6L、6R(これらを左右一対の「第2挟み面6L、6R」という)が第2面2bの前部2bx(詳述すると第2面2bの前辺部2F)から後部2by側に延びて立設されている。なお、図4中の符号「C2」は中径キャップ、及び「C3」は小径キャップである。符号「C4」は小径キャップC3のうち直径が非常に小さいキャップであり、これを説明の便宜上「極小径キャップC4」という。
【0038】
図4に示すように、両第2挟み面6L、6Rにおいて、両第2挟み面6L、6R間の幅方向の中間線12(これを「第2中間線12」という。一点鎖線で示す)は第2面2bの前部2bxから後部2by側に向かう方向に対して略J字状に曲がって延びている。
【0039】
すなわち、第2中間線12の前部12aは第2面2bの前部2bxから後部2by側に向かう方向に略直線状に延びており、第2中間線12の後部12bは第2面2bの前部2bxから後部2by側に向かう方向に対して左側に略円弧状に曲がって延びている。さらに、第2中間線12の後部12bは前部12aと滑らかに繋がっている。
【0040】
両第2挟み面6L、6R間の幅W2は、第2中間線12の前端12xから第2中間線12に沿う方向D2において漸次減少している。なお図4中の符号12yは、第2中間線12における前端12xとは反対側の端であり、この端を第2中間線12の後端12yとする。したがって、幅W2は詳述すると第2中間線12の前端12xから後端12yまでの全長さ領域に亘って第2中間線12の前端12xから第2中間線12に沿う方向D2において漸次減少している。
【0041】
第2中間線12の前部12aは、本体板2の幅方向の中間位置Pに対して第2中間線12の後部12bが曲がった側(本第1実施形態では左側)とは反対側(本第1実施形態では右側)にずれて位置している。
【0042】
本体板2の第2面2bの左右両側辺部2L、2Rには、当該両側辺部2L、2Rに沿って延びた左右一対の条壁部7L、7R(これらを左右一対の「第2条壁部7L、7R」という)が一体に立設されている。
【0043】
さらに、両第2条壁部7L、7Rのうち第2中間線12の後部12bが曲がった側(左側)とは反対側(右側)に配置された一方の第2条壁部(本第1実施形態では第1右条壁部)7Rは、本体板2の第2面2bの側辺部(右側辺部)2Rから第2面2bの後辺部2Bに沿って略凸円弧状に連続的に延長されており、この状態で一方の第2条壁部7Rが後辺部2Bにも一体に立設されている。
【0044】
したがって、一方の第2条壁部7Rは、第2面2bの側辺部2Rに沿って延びた直線状部7Raと後辺部2Bに沿って略凸円弧状に延びた凸円弧状部7Rbとからなる。
【0045】
両第2条壁部7L、7Rのうち他方の第2条壁部(本第1実施形態では第2左条壁部)7Lの幅X21は一方の第2条壁部7Rの幅X22よりも大きい(即ちX21>X22)。また、一方の第2条壁部7Rの幅X22は両第1条壁部4L、4Rの幅X11、X12と略等しく、一方の第2条壁部7Rは板状である。
【0046】
上述の両第2挟み面6L、6Rは、両第2条壁部7L、7Rにおける互いに対向する内壁面からなる。
【0047】
さらに、一方の第2条壁部7Rの延長された後端部と他方の第2条壁部7Lの後端部とが略円弧状の奥条壁部8を介して一体に繋がっている。
【0048】
また、他方の第2条壁部7Lの天面にはキャップの開栓操作時にその開栓操作者の指(例:親指)が掛けられる指掛け凹部22が他方の第2条壁部7Lの外壁面の一部から内側に延びた状態に設けられている。
【0049】
図2に示すように、本体板2の第1面2aにおける、本体板2に対して他方の第2条壁部7Lとは反対側の部分には、肉盗み凹部27が設けられている(図3及び5参照)。さらに、本体板2には一つ又は複数の補強リブ28が肉盗み凹部27内にて肉盗み凹部27を横断する状態に配設されている。本第1実施形態では補強リブ28の数は3つである。この肉盗み凹部27によってキャップオープナー1の軽量化が図られており、またヒケの発生によるキャップオープナー1の外観低下も抑制されている。さらに、補強リブ28によってキャップオープナー1の強度が高められている。
【0050】
またキャップオープナー1では、図2及び3に示すように、両第1挟み面3L、3Rのうち一方の第1挟み面3Lに薄板状の滑り止め部材25a(これを「第1滑り止め部材25a」という)がその片側の表面を両第1挟み面3L、3R間の内側に露出させた状態にして当該一方の第1挟み面3Lに沿って埋設されており、これにより当該一方の第1挟み面3LにキャップC1(C2)との滑り止め面部S1(これを「第1滑り止め面部S1」という)が形成されている。
【0051】
当該一方の第1挟み面3Lは、図3に示すように、両第1挟み面3L、3Rのうち、キャップC1(C2)の開栓方向OにおいてキャップC1(C2)の外周部C1a(C2a)が両第1挟み面3L、3R間を前方向Fではなく後方向Bに回転する側に配置されたものであ。すなわち同図に示すように、当該一方の第1挟み面3Lは両第1挟み面3L、3Rのうち本体板2の第1面2a側から見て右側に配置されたものである。
【0052】
また図1及び4に示すように、両第2挟み面6L、6Rのうち一方の第2挟み面6Rに薄板状の滑り止め部材25b(これを「第2滑り止め部材25b」という)がその片側の表面を両第2挟み面6L、6R間の内側に露出させた状態にして当該一方の第2挟み面6Rに沿って埋設されており、これにより当該一方の第2挟み面6RにキャップC2(C3、C4)との滑り止め面部S2(これを「第2滑り止め面部S2」という)が形成されている。
【0053】
当該一方の第2挟み面6Rは、図4に示すように、両第2挟み面6L、6Rのうち、キャップC2(C3、C4)の開栓方向OにおいてキャップC2(C3、C4)の外周部C2a(C3a、C4a)が両第2挟み面6L、6R間を前方向Fではなく後方向Bに回転する側に配置されたものであ。すなわち同図に示すように、当該一方の第2挟み面6Rは両第2挟み面6L、6Rのうち本体板2の第2面2b側から見て右側に配置されたものである。
【0054】
このように、第1挟み面3L及び第2挟み面6Rにそれぞれ第1滑り止め面部S1及び第2滑り止め面部S2が形成されることにより、キャップの開栓操作時にキャップの滑りが滑り止め面部S1、S2によって抑制され、そのためキャップを確実に開栓することができる。
【0055】
滑り止め部材25a、25bは、熱可塑性エラストマー(例:エチレンプロピレンジエンゴム(EPM、EPDM))、熱硬化性エラストマー(例:シリコーンゴム)などからなることが好ましい。滑り止め部材25a、25bのうち少なくとも第2滑り止め部材25bと本体板2とは二重成形により一体化されている。第1滑り止め部材25aは接着剤により第1挟み面3Lに接着固定されてもよい。
【0056】
なお、第1挟み面3R及び第2挟み面6Lには滑り止め面部が形成されていない。そのため、これらの挟み面3R、6Lは本体板2を構成する樹脂で略平滑に形成されている。
【0057】
また、第1条壁部4R及び第2条壁部7Rの外壁面にはキャップ開栓操作者の指との滑り止め突部群23aが形成されており、第1条壁部4Lの外壁面にも滑り止め突部群23bが形成されている。
【0058】
次に本実施形態のキャップオープナー1の使用方法を以下に説明する。
【0059】
図1及び3に示すように、キャップCとして大径キャップC1や中径キャップC2を開栓する場合は、キャップオープナー1を片手で掴み持ってその本体板2の第1面2aをキャップC1(C2)側に向け、両第1挟み面3L、3R間にその前開口3aからキャップC1(C2)を入れて挟み込む。このとき、図3に示すようにキャップCが大径キャップC1である場合は、大径キャップC1は両第1挟み面3L、3R間の前部側に挟み込まれ、キャップCが中径キャップC2である場合は、中径キャップC2は両第1挟み面3L、3R間の後部側に挟み込まれる。このように、キャップCの直径が小さくなるにつれて両第1挟み面3L、3R間におけるキャップ挟み位置が後方向Bにずれる。
【0060】
このようにキャップC1(C2)を両第1挟み面3L、3R間に挟み込んだ状態でキャップオープナー1をキャップC1(C2)の開栓方向OにキャップC1(C2)に対して相対的に回転させることによりキャップC1(C2)に開栓トルクを付与し、キャップC1(C2)を開栓する。
【0061】
両第1挟み面3L、3Rでは例えば直径約9cm~約6cmといった大径キャップC1乃至中径キャップC2を開栓することができる。
【0062】
キャップCとして中径キャップC2や小径キャップC3を開栓する場合は、キャップオープナー1をひっくり返してその本体板2の第2面2bをキャップC2(C3)側に向け、両第2挟み面6L、6R間にその前開口6aからキャップC2(C3)を入れて挟み込む。このとき、図4に示すようにキャップCが中径キャップC2である場合は、中径キャップC2は両第2挟み面6L、6R間の前部側に挟み込まれ、キャップCが小径キャップC3である場合は、小径キャップC3は両第2挟み面6L、6R間の後部側に挟み込まれる。このように、キャップの直径が小さくなるにつれて両第2挟み面6L、6R間におけるキャップ挟み位置が後方向Bにずれる。特に小径キャップC3のうち直径が非常に小さいキャップである極小径キャップC4は、両第2挟み面6L、6R間における第2中間線12の後部12bの曲り部分に挟み込まれる。
【0063】
このようにキャップC2(C3、C4)を両第2挟み面6L、6R間に挟み込んだ状態でキャップオープナー1をキャップC2(C3、C4)の開栓方向OにキャップC2(C3、C4)に対して相対的に回転させることによりキャップC2(C3、C4)に開栓トルクを付与し、キャップC2(C3、C4)を開栓する。
【0064】
本第1実施形態のキャップオープナー1によれば、両第2挟み面6L、6R間の幅W2が第2中間線12の前端12xから第2中間線12に沿う方向D2において漸次減少しており、且つ、第2中間線12の後部12bが上述したように左側に略円弧状に曲がっていることから、両第2挟み面6L、6Rでは例えば直径約6cm~約2cmといった中径キャップC2乃至小径キャップC3だけでなく更に例えば直径約2cm未満から約1cmといった極小径キャップC4も開栓することができる。なお、このような極小径キャップC4は例えば内容物として流動性物(飲料、洗剤など)が充填されるパウチ容器の開口部に螺着されている。
【0065】
したがって、キャップオープナー1によれば、開栓可能なキャップの直径サイズの種類が多いし、キャップオープナー1のコンパクト化を図ることができる。
【0066】
さらに、第2中間線12の前部12aが、本体板2の幅方向の中間位置Pに対して第2中間線12の後部12bが曲がった側とは反対側にずれて位置しているので、第2中間線12の前部12aが本体板2の幅方向の略中間に位置している場合に比べてキャップオープナー1のコンパクト化を確実に図ることができる。
【0067】
さらに、両第2条壁部7L、7Rのうち第2中間線12の後部12bが曲がった側とは反対側に配置された一方の第2条壁部7Rが、第2面2bの側辺部2Rから後辺部2Bに沿って略凸円弧状に連続的に延長されており、両第2挟み面6L、6Rが両第2条壁部7L、7Rにおける互いに対向する内壁面からなるので、キャップオープナー1のコンパクト化を更に確実に図ることができる。
【0068】
図6は、本発明の第2実施形態に係るキャップオープナー101を説明する、図4に対応する平面図である。同図において、上記第1実施形態のキャップオープナー1の要素と同じ作用を奏する要素には上記第1実施形態のキャップオープナー1の要素に付された符号に100を加算した符号が付されている。以下では本キャップオープナー101の構成を上記第1実施形態のキャップオープナー1との相異点を中心に説明する。
【0069】
本キャップオープナー101では、同図と図4との対比から分かるように両第2挟み面106L、106Rの幅方向の第2中間線112の後部112bは上記第1実施形態のキャップオープナー1の第2中間線12の後部12bが曲がっている側(左側)とは反対側(右側)に曲がっている。
【0070】
すなわち、両第2挟み面106L、106Rの幅方向の第2中間線112において、第2中間線112の前部112aは第2面102bの前部102bxから後部102by側に向かう方向に略直線状に延びており、第2中間線112の後部112bは第2面102bの前部102bxから後部102by側に向かう方向に対して右側に略円弧状に曲がって延びている。さらに、第2中間線112の後部112bは前部112aと滑らかに繋がっている。
【0071】
両第2挟み面106L、106R間の幅W102は、第2中間線112の前端112xから第2中間線112に沿う方向D102において漸次減少している。詳述すると、幅W102は第2中間線112の前端112xから後端112yまでの全長さ領域に亘って第2中間線112の前端112xから第2中間線112に沿う方向D102において漸次減少している。
【0072】
第2中間線112の前部112aは、本体板102の幅方向の中間位置100Pに対して第2中間線112の後部112bが曲がった側(本第2実施形態では右側)とは反対側(本第2実施形態では左側)にずれて位置している。
【0073】
両第2条壁部107L、107Rのうち第2中間線112の後部112bが曲がった側(右側)とは反対側(左側)に配置された一方の第2条壁部(本第2実施形態では第1左条壁部)107Lは、本体板102の第2面102bの側辺部(左側辺部)102Lから第2面102bの後辺部102Bに沿って略凸円弧状に連続的に延長されており、この状態で一方の第2条壁部107Lが後辺部102Bにも一体に立設されている。
【0074】
したがって、一方の第2条壁部107Lは、第2面102bの側辺部102Lに沿って延びた直線状部107Laと後辺部102Bに沿って略凸円弧状に延びた凸円弧状部107Lbとからなる。
【0075】
両第2条壁部107L、107Rのうち他方の第2条壁部(本第2実施形態では第2右条壁部)107Rの幅X122は一方の第2条壁部107Lの幅X121よりも大きい(即ちX122>X121)。また、一方の第2条壁部107Lの幅X121は両第1条壁部の幅と略等しく、一方の第2条壁部107Lは板状である。
【0076】
また、両第2挟み面106L、106Rのうち一方の第2挟み面106Rに薄板状の第2滑り止め部材125bがその片側の表面を両第2挟み面106L、106R間の内側に露出させた状態にして当該一方の第2挟み面106Rに沿って埋設されており、これにより当該一方の第2挟み面106RにキャップC2(C3)との第2滑り止め面部S102が形成されている。
【0077】
当該一方の第2挟み面106Rは、両第2挟み面106L、106Rのうち、キャップC2(C3、C4)の開栓方向OにおいてキャップC2(C3、C4)の外周部C2a(C3a、C4a)が両第2挟み面106L、106R間を前方向Fではなく後方向Bに回転する側に配置されたものであ。すなわち同図に示すように、当該一方の第2挟み面106Rは両第2挟み面106L、106Rのうち本体板102の第2面102b側から見て右側に配置されたものである。
【0078】
本第2実施形態のキャップオープナー101のその他の構成(例えば本体板102の第1面側の構成)及びその使用方法は、上記第1実施形態のキャップオープナー1と同じである。
【0079】
以上で本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、ジャー容器、ボトル容器、パウチ容器などの容器の開口部に螺着されたねじ式キャップを開栓する際に用いられるキャップオープナーに利用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1:キャップオープナー 2:本体板
2a:第1面 2b:第2面
3L、3R:第1挟み面 4L、4R:第1条壁部
6L、6R:第2挟み面 7L、7R;第2条壁部
11:第1中間線 12:第2中間線
27:肉盗み凹部 28:補強リブ
S1:第1滑り止め面部 S2:第2滑り止め面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6