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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024108197
(43)【公開日】2024-08-13
(54)【発明の名称】配筋支持具及び配筋支持具セット
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/01 20060101AFI20240805BHJP
   E04C 5/20 20060101ALI20240805BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
E02D27/01 Z
E04C5/20
E04G21/12 105D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012425
(22)【出願日】2023-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】志水 洸介
(72)【発明者】
【氏名】松原 由幸
【テーマコード(参考)】
2D046
2E164
【Fターム(参考)】
2D046BA11
2E164BA45
2E164BA50
(57)【要約】
【課題】基礎の隅部となる部分において配筋同士を容易に直交させることが可能な配筋支持具を提供する。
【解決手段】配筋支持具10は、基板30と、基板30から上向きに突出する柱体50、60、70と、配筋支持体80と、を備える。柱体50は、一対の型枠の一方を支持する上面を有する。柱体60、70は、一対の型枠の他方を支持する上面を有する。柱体60と柱体70とは、第2横方向9において離間しており、スリット100を形成している。基板30は、基板31と、基板31から離間する基板32、33と、を有する。基板31と基板32との間に隙間34が形成されている。2つの配筋支持具10は、一方の配筋支持具10のスリット100に他方の配筋支持具10の柱体50が進入し、一方の配筋支持具10の隙間34に他方の配筋支持具10の基板31が進入することで組まれる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦筋及び横筋を有し且つ基礎に埋設される配筋を支持する配筋支持具あって、
水平面にそれぞれ沿う一対の主面を有する板状であって、当該主面に沿う第1横方向における長さが当該第1横方向と直交する第2横方向における長さよりも短い基板と、
上記基板から上方へ起立する支持体と、を備えており、
上記支持体は、
上記第1横方向へ延びており、上記横筋が載置される横筋支持面と、
上記第2横方向における上記横筋支持面の両側にそれぞれ位置しており、上記横筋支持面より上方へそれぞれ延びる第1部分および第2部分と、を備えており、
上記第1部分は、
当該配筋支持具と別の配筋支持具であって、所定姿勢にされた当該別の配筋支持具の上記第2部分が進入可能且つ上方を向いて開口する空間を有しており、
上記所定姿勢は、上記第1横方向と、上記別の配筋支持具の上記第1横方向とが直交する姿勢であり、
上記基板は、上記第2部分の下方に位置する箇所に、上記別の配筋支持具における上記第1部分の下方に位置する上記基板が進入可能な隙間を有する配筋支持具。
【請求項2】
上記第1部分は、上記空間を区画する第1壁面であって、上記第2横方向に直交する第1壁面を有しており、
上記第2部分は、上記第1横方向に直交する第2壁面を有しており、
上記別の配筋支持具が組み付けられた状態において、上記第1壁面と、上記別の配筋支持具の上記第2壁面とが当接する、請求項1に記載の配筋支持具。
【請求項3】
上記空間は、上記第1部分が有する一対の壁面であって、相互に対向し且つ上記第2横方向に直交する当該一対の壁面によって区画されたスリットである、請求項1に記載の配筋支持具。
【請求項4】
上記基板は、
上記第2横方向に直交し、且つ上記第1部分の下方に位置する第3壁面と、
上記第1横方向に直交し、且つ上記第2部分の下方に位置する第4壁面と、を有しており、
上記別の配筋支持具が組み付けられた状態において、上記第3壁面と、上記別の配筋支持具の上記第4壁面とが当接する、請求項1又は2に記載の配筋支持具。
【請求項5】
鉛直方向及び上記第2横方向に対して傾斜する傾斜方向にスライド可能に上記支持体に支持されており、且つ上記横筋支持面の上方に位置しており、上記縦筋を保持するグリップを更に備える、請求項1又は2に記載の配筋支持具。
【請求項6】
縦筋および横筋を有し且つ基礎に埋設される配筋をそれぞれ支持する同形状の一対の配筋支持具からなる配筋支持具セットあって、
上記配筋支持具は、
一対の主面を有する板状であって、当該主面に沿う第1横方向における長さが当該第1横方向と直交する第2横方向における長さよりも短い基板と、
上記基板から上方へ起立する支持体と、を備えており、
上記支持体は、
上記第1横方向へ延びており、上記横筋が載置される横筋支持面と、
上記第2横方向における上記横筋支持面の両側にそれぞれ位置しており、上記横筋支持面より上方へそれぞれ延びる第1部分および第2部分と、を備えており、
上記第1部分は、
他方の上記配筋支持具であって、所定姿勢にされた当該他方の配筋支持具の上記第2部分が嵌め込み可能且つ上方を向いて開口する空間を有しており、
上記所定姿勢は、上記第1横方向と、上記他方の配筋支持具の上記第1横方向とが直交する姿勢であり、
上記基板は、上記第2部分の下方に位置する箇所に、上記他方の配筋支持具における上記第1部分の下方に位置する上記基板が進入可能な隙間を有する配筋支持具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎に埋設される配筋を支持する配筋支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基礎の打設時に使用される配筋支持具を開示する。複数の配筋支持具が、基礎の打設位置に載置される。複数の配筋支持具は、配筋及び一対の型枠の下端を支持する。配筋は、一対の型枠の間に位置し、打設された基礎に埋設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-10744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基礎は、平面視において複数の矩形を組み合わせた形状を呈し、T字及びL字に交差する複数の交差部(隅部)を有する。T字及びL字に交差する部分においては、配筋同士を正確に直交させて配置する必要がある。しかしながら、交差角度を計測しながら配筋を配置する作業は、手間がかかる。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、配筋同士を直交させて配置する作業を容易にすることができる配筋支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 請求項1に係る配筋支持具は、縦筋及び横筋を有し且つ基礎に埋設される配筋を支持する。当該配筋支持具は、水平面にそれぞれ沿う一対の主面を有する板状であって、当該主面に沿う第1横方向における長さが当該第1横方向と直交する第2横方向における長さよりも短い基板と、上記基板から上方へ起立する支持体と、を備える。上記支持体は、上記第1横方向へ延びており、上記横筋が載置される横筋支持面と、上記第2横方向における上記横筋支持面の両側にそれぞれ位置しており、上記横筋支持面より上方へそれぞれ延びる第1部分および第2部分と、を備える。上記第1部分は、当該配筋支持具と別の配筋支持具であって、所定姿勢にされた当該別の配筋支持具の上記第2部分が進入可能且つ上方を向いて開口する空間を有する。上記所定姿勢は、上記第1横方向と、上記別の配筋支持具の上記第1横方向とが直交する姿勢である。上記基板は、上記第2部分の下方に位置する箇所に、上記別の配筋支持具における上記第1部分の下方に位置する上記基板が進入可能な隙間を有する。
【0007】
上記所定姿勢にされた別の配筋支持具が、上方から配筋支持具に組み付けられる。作業者は、例えば、組み付けられた2つの配筋支持具が互いに直交するように、一方の配筋支持具を基準に別の配筋支持具の角度を調整する。2つの配筋支持具は、第1横方向に沿う横筋をそれぞれ支持する。一方の配筋支持具に支持された配筋と、他方の配筋支持具に支持された配筋とは、互いに直交する。
【0008】
(2) 請求項2は、上記第1部分は、上記空間を区画する第1壁面であって、上記第2横方向に直交する第1壁面を有しており、上記第2部分は、上記第1横方向に直交する第2壁面を有しており、上記別の配筋支持具が組み付けられた状態において、上記第1壁面と、上記別の配筋支持具の上記第2壁面とが当接する、請求項1に記載の配筋支持具である。
【0009】
配筋支持具の第1壁面が別の配筋支持具の第2壁面に当接することにより、2つの配筋支持具は、相互に直交する角度で位置決めされる。
【0010】
(3) 請求項3は、上記空間は、上記第1部分が有する一対の壁面であって、相互に対向し且つ上記第2横方向に直交する当該一対の壁面によって区画されたスリットである、請求項1又は2に記載の配筋支持具である。
【0011】
別の配筋支持具の第2部分がスリットに嵌る。スリットを区画する一対の壁面により、第2横方向に沿った当該別の配筋支持具の移動を規制することができる。
【0012】
(4) 請求項4は、上記基板は、上記第2横方向に直交し、且つ上記第1部分の下方に位置する第3壁面と、上記第1横方向に直交し、且つ上記第2部分の下方に位置する第4壁面と、を有しており、上記別の配筋支持具が組み付けられた状態において、上記第3壁面と、上記別の配筋支持具の上記第4壁面とが当接する、請求項1から3のいずれかに記載の配筋支持具である。
【0013】
配筋支持具の基板の第3壁面が別の配筋支持具の基板の第4壁面に当接することにより、2つの配筋支持具は、相互に直交する角度で位置決めされる。
【0014】
(5) 請求項5は、鉛直方向及び上記第2横方向に対して傾斜する傾斜方向にスライド可能に上記支持体に支持されており、且つ上記横筋支持面の上方に位置しており、上記縦筋を保持するグリップを更に備える、請求項1から4のいずれかに記載の配筋支持具である。
【0015】
配筋の縦筋がグリップによって保持されることにより、横筋の中心軸周りの配筋の回動(傾き)が規制される。また、配筋における縦筋の位置が製造誤差によって本来の位置にない場合であっても、当該製造誤差に応じた距離だけ保持体がスライドされることによって、縦筋をグリップで保持することができる。すなわち、本発明に係る配筋保持具は、配筋における縦筋の製造誤差に拘らず、縦筋を保持して横筋の中心軸周りの回動を規制することができる。
【0016】
(6) 請求項6に係る配筋支持具セットは、縦筋および横筋を有し且つ基礎に埋設される配筋をそれぞれ支持する同形状の一対の配筋支持具からなる。上記配筋支持具は、一対の主面を有する板状であって、当該主面に沿う第1横方向における長さが当該第1横方向と直交する第2横方向における長さよりも短い基板と、上記基板から上方へ起立する支持体と、を備える。上記支持体は、上記第1横方向へ延びており、上記横筋が載置される横筋支持面と、上記第2横方向における上記横筋支持面の両側にそれぞれ位置しており、上記横筋支持面より上方へそれぞれ延びる第1部分および第2部分と、を備える。上記第1部分は、他方の上記配筋支持具であって、所定姿勢にされた当該他方の配筋支持具の上記第2部分が嵌め込み可能且つ上方を向いて開口する空間を有する。上記所定姿勢は、上記第1横方向と、上記他方の配筋支持具の上記第1横方向とが直交する姿勢である。上記基板は、上記第2部分の下方に位置する箇所に、上記他方の配筋支持具における上記第1部分の下方に位置する上記基板が進入可能な隙間を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る配筋支持具は、配筋同士を直交させて配置する作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、地盤13に載置された2つの配筋支持具10である配筋支持具11、12によって配筋20及び型枠25を支持した状態の斜視図である。
図2図2は、配筋支持具10及び配筋20が埋設された基礎14の断面図である。
図3図3(A)は、配筋支持具10の斜視図であり、図3(B)は別方向からの配筋支持具10の斜視図である。
図4図4(A)は、配筋支持具10の側面図であり、図4(B)は、配筋支持具10の平面図である。
図5図5は、2つの配筋支持具10である配筋支持具11、12を組んだ状態の斜視図であり、(A)は、配筋支持具11に対して配筋支持具12を一方に寄せた状態を示し、(B)は、配筋支持具11に対して配筋支持具12を他方に寄せた状態を示す。
図6図6は、2つの配筋支持具10である配筋支持具11、12を組んだ状態の平面図である。
図7図7は、地盤13に設置された複数の配筋支持具10、11、12及び配筋21、22の平面図である。
図8図8(A)は、変形例1に係る配筋支持具110の斜視図であり、図8(B)は、変形例1に係る配筋支持具110の別方向からの斜視図である。
図9図9は、変形例2に係る2つの配筋支持具10を組んだ状態における平面図であり、(A)は、他方の配筋支持具10が、一方の配筋支持具10の隙間34の中央に位置する状態を示し、(B)は、他方の配筋支持具10が、一方の配筋支持具10の隙間34の一方側に寄った状態を示し、(C)は、他方の配筋支持具10が、一方の配筋支持具10の隙間34の他方側に寄った状態を示す。
図10図10は、変形例3に係る2つの配筋支持具111を組んだ状態における平面図である。
図11図11(A)は、変形例4に係る配筋支持具112の斜視図であり、図11(B)は、変形例4に係る配筋支持具112の別方向からの斜視図である。
図12図12(A)は、変形例5に係る配筋支持具113の斜視図であり、図12(B)は、変形例5に係る配筋支持具113の一部の拡大側面図であり、図12(C)は、変形例5に係る2つの配筋支持具113を組んだ状態の一部の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0020】
本実施形態では、図1に示される配筋支持具10が説明される。配筋支持具10は、配筋20及び型枠25を支持する器具である。配筋支持具10が支持する型枠25間にコンクリートが流し込まれることにより、配筋20が埋設された基礎14(図2参照)が打設される。配筋支持具10は、支持する配筋20とともに基礎14に埋設される。なお、図1では、布基礎である基礎14(図2参照)の立上り部16を形成するための型枠である型枠25のみが示されており、基礎14のフーチン部15を形成するための型枠については図示が省略されている。配筋支持具10を用いて打設される基礎14は、布基礎に限定されず、ベタ基礎などの他の基礎であってもよい。
【0021】
以下では、図1に示されるように、配筋支持具10が地盤13に載置された状態における鉛直方向を上下方向7と記載し、一対の型枠25が対向する方向を第2横方向9と記載し、上下方向7及び第2横方向9に直交する方向を第1横方向8と記載して説明がされる。第1横方向8と第2横方向9とは、一対の型枠25の配置向き、すなわち型枠25を支持する配筋支持部材10の配置向きによって決まる。図1では、配筋支持具11に対する第1横方向8、第2横方向9、及び上下方向7が図の下部に示され、配筋支持具12に対する第1横方向8、第2横方向9、及び上下方向7が図の上部に示されている。
【0022】
配筋支持具10が支持する配筋20は、複数の横筋23及び複数の縦筋24を備える。横筋23及び縦筋24は、例えば規格品であって、所定の直径の丸棒状である。縦筋24は、横筋23と直交して配置され、溶接や結合部材などによって横筋23と固着されている。すなわち、横筋23と縦筋24とは、一体である。配筋20における横筋23の個数及び縦筋24の個数は、打設する基礎14の種類や形状によって決められる。配筋20は、横筋23が第1横方向8に沿い、且つ縦筋24が上下方向7に沿う姿勢で配筋支持具10に支持される。
【0023】
配筋支持具10は、配筋20及び型枠25を支持する機能を有するとともに、図5に示されるように、他の配筋支持具10と組むことが可能となっている。以下、配筋支持具10について、詳しく説明する。
【0024】
図3に示されるように、配筋支持具10は、基板30及び支持体40を備える。配筋支持具10、すなわち基板30及び支持体40は、合成樹脂成型品である。ただし、配筋支持具10は、金属製であってもよい。配筋支持具10が合成樹脂成型品である場合、配筋支持具10を安価に製造することができる。配筋支持具10が金属製である場合、打設する基礎14の強度を合成樹脂成型品の場合よりも高めることができる。図3に示される配筋支持具10は、合成樹脂成型品である。
【0025】
基板30は、第1基板31、第2基板32、及び第3基板33を備えている。第1基板31、第2基板32、及び第3基板33は、それぞれ厚みが一定の板状である。第1基板31の厚みと、第2基板32の厚みと、第3基板33の厚みとは、同じである。また、第1基板31の主面である下面と、第2基板32の主面である下面と、第3基板33の主面である下面とは、同一平面上に位置している。すなわち、基板30は、互いに平行な一対の主面である上面48及び下面49を有している。配筋支持具10は、基板30の下面49を地盤13に当接させて地盤13(図1参照)に載置される。上下方向7は、基板30の厚みに沿う方向の一例である。
【0026】
第1基板31と第2基板32とは、第2横方向9において並んでおり、且つ離間している。相互に離間する第1基板31と第2基板32とにより、隙間34が区画されている。図5に示されるように、2つの配筋支持具10を組んだ状態において、他の配筋支持具10の第3基板33が、一方の配筋支持具10の隙間34に位置する。すなわち、隙間34は、2つの配筋支持具10の基板30同士が干渉しないように設けられている。
【0027】
図3に示されるように、第3基板33は、第2横方向9において、第2基板32における第1基板31の反対側に位置している。すなわち、第1基板31及び第3基板33は、第2横方向9における第2基板32の両側に位置しており、第2基板32は、第2横方向9における第1基板31と第3基板33との間に位置している。
【0028】
図4に示されるように、第2横方向9に並ぶ第1基板31、第2基板32、及び第3基板33からなる基板30の第2横方向9における長さL1は、第1横方向8における基板30の長さL2よりも長い。なお、長さL1は、第2横方向9における第1基板31の端から第3基板33の端までの長さであり、長さL2は、第1横方向8における基板30の最大長であって、具体的には、第1横方向8における第1基板31及び第2基板32の長さである。
【0029】
図5に示されるように、第3基板33は、2つの配筋支持具10を組んだ状態において、他の配筋支持具10の隙間34に位置する。図4(B)に示されるように、第1横方向8における第3基板33の幅W1は、第2横方向9における隙間34の幅W2よりも狭い。すなわち、第3基板33は、2つの配筋支持具10を組む際、他の配筋支持具10の隙間34に進入することができる。更に、隙間34の幅W2は、2つの配筋支持具10を組んだ状態において、他方の配筋支持具10を一方の配筋支持具10に対して位置調整可能なように、第3基板33の幅W1よりも十分広くされている。図5に示されるように、他方の配筋支持具10は、一方の配筋支持具10に対して、図5(A)に示される位置と、図5(B)に示される位置との間で移動可能である。移動可能範囲、すなわち位置調整可能範囲は、隙間W2と第3基板33の幅W1との差によって決まる。
【0030】
図3に示されるように、第1基板31は、隙間34を区画する側面35を有する。側面35は、上下方向7及び第1横方向8に沿い、且つ第2横方向9に直交する面である。なお、図示例では、第1基板31の主面である上面及び下面は矩形状であるが、第1基板31の主面は、第1基板31が側面35を有していれば、矩形以外の形状であってもよい。すなわち、第1基板31は、矩形板状以外の板状であってもよい。
【0031】
第2基板32は、隙間34を区画する側面36を有する。側面36は、上下方向7及び第1横方向8に沿い、且つ第2横方向9に直交する面である。すなわち、第1基板31の側面35と第2基板32の側面36とは、第2横方向9において相互に対向している。なお、図示例では、第2基板32の主面である上面及び下面は矩形状であるが、第2基板32の主面は、第2基板32が側面36を有していれば、矩形以外の形状であってもよい。すなわち、第2基板32は、矩形板状以外の形状であってもよい。
【0032】
第3基板33は、互いに平行な側面37及び側面38を有している。側面37及び側面38は、上下方向7及び第2横方向9に沿い、且つ第1横方向8に直交する面である。図5に示されるように、側面37は、2つの配筋支持具10を組んだ状態において、他の配筋支持具10の側面35に当接或いは対向する。側面38は、2つの配筋支持具10を組んだ状態において、他の配筋支持具10の側面36に当接或いは対向する。
【0033】
なお、図示例では、第3基板33の主面である上面及び下面は矩形状であるが、第3基板33の主面は、第3基板33が側面37及び側面38を有していれば、矩形以外の形状であってもよい。すなわち、第3基板33は、矩形板状以外の形状であってもよい。
【0034】
また、図示例では、第2基板32と第3基板33とが繋がっており、第2基板32と第3基板33とが一体である例が示されているが、第2基板32と第3基板33とは、離間していてもよい。
【0035】
図3に示されるように、支持体40は、第1柱体50、第2柱体60、第3柱体70、配筋支持体80、及びグリップ90を備える。第1柱体50は、第2部分の一例であり、第2柱体60及び第3柱体70は、第1部分の一例である。
【0036】
第1柱体50は、第1基板31から上向きに突出する棒状部51と、第2基板32における第1基板31側の端部から上向きに突出する棒状部52と、棒状部51、52間に架設された3つの架設部53、54、55と、を備える。すなわち、第1柱体50は、概ね隙間34の上方に位置しており、第1基板31と第2基板32とを連結している。
【0037】
架設部53は、棒状部51の上端と棒状部52の上端との間に架設されている。架設部53は、直方体状であって、上面である型枠支持面56を有している。型枠支持面56は、第1横方向8及び第2横方向9に沿い、且つ上下方向7に直交する面である。第2横方向9における型枠支持面56の長さは、第2横方向9における型枠25(図1参照)の底面の長さより長い。例えば、第2横方向9における型枠支持面56の長さは、型枠25の底面の長さよりも所定長さだけ長い。当該所定長さの範囲内で、型枠25の位置を第2横方向9に沿って調整することができる。第2横方向9における型枠25の位置は、打設する基礎14の立上り部16(図2参照)の厚みに応じて調整される。
【0038】
架設部54及び架設部55は、棒状部51と棒状部52との間に架設されている。架設部53、架設部54、架設部55は、上下方向7において相互に離間しており、架設部53と架設部54との間、及び架設部54と架設部55との間に、貫通孔57がそれぞれ形成されている。また、架設部54は、上下方向7における棒状部51、52の下端よりも上に位置しており、架設部54の下に貫通孔57が形成されている。すなわち、第1柱体50は、3つの貫通孔57を有している。貫通孔57は、基礎14の打設時において、コンクリートが通過する孔である。一対の型枠25間に流し込まれたコンクリートは、貫通孔57を通過することにより、配筋支持具10に堰き止められることなく水平方向に流れる。すなわち、配筋支持具10は、コンクリートの流れを阻害しない。なお、図示例では、第1柱体50が3つの架設部53、54、55を有する例が示されているが、第1柱体50は、型枠25を支持するのに必要な強度を確保可能であれば、架設部53のみ、或いは2つの架設部53、54のみを有していてもよいし、必要な強度を確保するため、4つ以上の架設部を有していてもよい。
【0039】
棒状部51、52及び架設部53、54、55は、いずれも直方体状である。第1横方向8における第1柱体50の長さである厚みT1(図4(B)参照)は、一定である。すなわち、第1柱体50は、互いに平行な一対の側面58、59を有している。側面58、59は、上下方向7及び第2横方向9に沿い、且つ第1横方向8に直交する面である。厚みT1は、第1柱体50が型枠25を支持可能な強度を確保可能な限りにおいて、基礎14の強度を低下させないように、小さく(薄く)される。
【0040】
図5に示されるように、2つの配筋支持具10を組み合わせる際、第1柱体50は、第2柱体60と第3柱体70との間のスリット100に挿入される。2つの配筋支持具10を組み合わされた状態において、一方の第1柱体50の一対の側面58、59は、他方の柱体60、70に当接或いは近接する。側面58、59は、第2壁面の一例である。
【0041】
図3に示されるように、第2柱体60は、第2横方向9において第1柱体50と並んでいる。第2柱体60は、第2横方向9において第1柱体50から離間している。
【0042】
第2柱体60は、2つの棒状部61、62と、3つの架設部63、64、65とを備える。
【0043】
棒状部61は、第2基板32の上面における第1基板31側の端部から上向きに突出している。棒状部61は、直方体状である。棒状部61の上端には、配筋20の縦筋24を保持するグリップ90が設けられている。したがって、配筋20を支えるだけの強度が棒状部61に必要である。図4(B)に示されるように、第1横方向8における棒状部61の長さ(厚みT2)は、第1柱体50の厚みT1よりも長い。棒状部61の厚みT2が第1柱体50の厚みT1よりも厚くされることにより、棒状部61の強度が高められている。
【0044】
棒状部62は、第2横方向9における第3基板33の上面の中央部から上向きに突出している。
【0045】
架設部63は、棒状部61の上端と棒状部62の上端との間に架設されている。架設部63は、直方体状であって、上面である型枠支持面66を有している。型枠支持面66は、第1横方向8及び第2横方向9に沿い、且つ上下方向7に直交する面である。型枠支持面66は、後述の第3柱体70の型枠支持面76とともに、型枠25を支持する。
【0046】
上下方向7における型枠支持面66の高さ位置は、上下方向7における第1柱体50の型枠支持面56の高さ位置と同じである。すなわち、一対の型枠25(図1参照)は、同じ高さ位置において配筋支持具10にそれぞれ支持される。
【0047】
架設部64及び架設部65は、棒状部61と棒状部62との間に架設されている。架設部63、架設部64、架設部65は、上下方向7において相互に離間しており、架設部63と架設部64との間、及び架設部64と架設部65との間に、貫通孔67がそれぞれ形成されている。また、架設部64は、上下方向7における棒状部61、62の下端よりも上に位置しており、架設部64の下に貫通孔67が形成されている。すなわち、第2柱体60は、3つの貫通孔67を有している。貫通孔67は、基礎14の打設時において、コンクリートが通過する孔である。なお、図示例では、第2柱体60が3つの架設部63、64、65を有する例が示されているが、第2柱体60は、型枠25を支持するのに必要な強度を確保可能であれば、架設部63のみ、或いは2つの架設部63、64のみを有していてもよいし、必要な強度を確保するため、4つ以上の架設部を有していてもよい。
【0048】
棒状部62、架設部63、64、65は、いずれも直方体状である。第2柱体60は、棒状部62及び架設部63、64、65の側面でもある一対の側面68、69を有している。側面68、69は、上下方向7及び第2横方向9に沿い、且つ第1横方向8に直交する面である。側面68と側面69とは、互いに平行である。すなわち、第2柱体60における棒状部62及び架設部63、64、65の部分の厚みは一定である。当該厚みは、第1柱体50の厚みT1と略同一である。
【0049】
第2柱体60は、棒状部62の側面でもある壁面101を有している。壁面101は、上下方向7及び第1横方向8に沿い、且つ第2横方向9に直交する面である。壁面101は、第2柱体60の下端から上端に亘っている。壁面101は、後述のスリット100を区画する面である。
【0050】
第3柱体70は、第2横方向9において第1柱体50及び第2柱体60と並んでいる。
【0051】
第3柱体70は、2つの棒状部71、72と、3つの架設部73、74、75とを備える。
【0052】
棒状部71は、第2横方向9における第3基板33の上面の中央部から上向きに突出している。棒状部71は、第2横方向9において第2柱体60から離間している。第3柱体70の棒状部71と第2柱体60の棒状部62との間に、スリット100が形成されている。
【0053】
棒状部71は、直方体状であって、壁面102を有している。壁面102は、上下方向7及び第1横方向8に沿い、且つ第2横方向9に直交する面である。壁面102は、第3柱体70の上端から下端に亘っている。壁面102は、第2横方向9において第2柱体60の壁面101と対向しており、スリット100を区画している。スリット100は、空間の一例である。壁面101、102は、第1壁面の一例である。壁面101、102は、一対の壁面の一例である。
【0054】
棒状部71の壁面102と、第2柱体60の棒状部62の壁面101との間の離間距離であるスリット幅W3(図4(B)参照)は、第1柱体50の厚みT1よりも僅かに広い。すなわち、2つの配筋支持具10を組み合わせる際、一方の配筋支持具10のスリット100に、他方の配筋支持具10の第1柱体50を挿入可能である。一方の配筋支持具10のスリット100に、他方の配筋支持具10の第1柱体50が挿入すると、一方の配筋支持具10のスリット100の壁面101、102と、他方の配筋支持具10の第1柱体50の側面58、59とは、当接或いは近接する。一方の配筋支持具10のスリット100の壁面101、102が他方の配筋支持具10の第1柱体50の側面58、59に当接或いは近接することにより、一方の配筋支持具10の第1横方向8と他方の配筋支持具10の第1横方向8とが直交する角度で一方の配筋支持具10と他方の配筋支持具10との相対位置が決まる。すなわち、スリット100の壁面101、102及び第1柱体50の側面58、59は、一方の配筋支持具10と他方の配筋支持具10との角度を決める角度決定機能を有する。一方の配筋支持具10に対して上記相対位置で組まれた他方の配筋支持具10の姿勢は、所定姿勢の一例である。
【0055】
棒状部72は、第2横方向9における第3基板33の端部の上面から上向きに突出している。
【0056】
架設部73は、棒状部71の上端と棒状部72の上端との間に架設されている。架設部73は、直方体状であって、上面である型枠支持面76を有している。型枠支持面76は、第1横方向8及び第2横方向9に沿い、且つ上下方向7に直交する面である。上下方向7における型枠支持面76の高さ位置は、上下方向7における第2柱体60の型枠支持面66の高さ位置と同じである。すなわち、型枠支持面76と型枠支持面66とは、同一平面上に位置している。
【0057】
第2横方向9における型枠支持面76の端から型枠支持面66の端までの距離は、第2横方向9における型枠支持面56の長さと概ね同じである。型枠支持面76及び型枠支持面66は、協働して型枠25を支持する。なお、第2横方向9における型枠25の底面の長さは、スリット100幅W3よりも広い。すなわち、型枠25がスリット100に嵌ることはない。
【0058】
架設部74及び架設部75は、棒状部71と棒状部72との間に架設されている。架設部73、架設部74、架設部75は、上下方向7において相互に離間している。架設部73と架設部74との間、及び架設部74と架設部75との間に、貫通孔77がそれぞれ形成されている。また、架設部74は、上下方向7における棒状部71、72の下端よりも上に位置しており、架設部74の下に貫通孔77が形成されている。すなわち、第3柱体70は、3つの貫通孔77を有している。貫通孔77は、基礎14の打設時において、コンクリートが通過する孔である。なお、図示例では、第3柱体70が3つの架設部73、74、75を有する例が示されているが、第3柱体70は、型枠25を支持するのに必要な強度を確保可能であれば、架設部73のみ、或いは2つの架設部73、74のみを有していてもよいし、必要な強度を確保するため、4つ以上の架設部を有していてもよい。
【0059】
棒状部71、72及び架設部73、74、75は、いずれも直方体状である。第1横方向8における第3柱体70の長さである厚みは、一定である。すなわち、第3柱体70は、互いに平行な一対の側面78、79を有している。側面78、79は、上下方向7及び第2横方向9に沿い、且つ第1横方向8に直交する面である。側面78と第2柱体60の側面68とは、同一平面上に位置している。側面79と第2柱体60の側面69とは、同一平面上に位置している。また、第3柱体70の厚みは、第1柱体50の厚みT1(図4(B)参照)と概ね同じである。すなわち、スリット100を区画する壁面101と壁面102とは、概ね同形状の矩形である。
【0060】
配筋支持体80は、第1柱体50と第2柱体60との間に架設されている。第2横方向9における配筋支持体80の一方の端は、上下方向7における第1柱体50の中央に繋がっており、配筋支持体80の他方の端は、上下方向7における第2柱体60の中央に繋がっている。配筋支持体80が架設されることにより、配筋支持体80の下に貫通孔83が形成されている。貫通孔83は、第1柱体50の棒状部52、第2柱体60の棒状部61、第2基板32、及び配筋支持体80によって区画されている。貫通孔83は、基礎14の打設時において、コンクリートが流通する。
【0061】
配筋支持体80は、直方体状であり、上面である横筋支持面81を有している。横筋支持面81は、第1横方向8及び第2横方向9に沿い、且つ上下方向7に直交する面である。横筋支持面81は、柱体50、60、70の型枠支持面56、66、76よりも下方に位置している。すなわち、柱体50、60、70は、横筋支持面81よりも上方へ延びている。
【0062】
図2に示されるように、配筋20の横筋23が、横筋支持面81に乗せられる。横筋23が、第1横方向8に沿って横筋支持面81上を滑ることにより、第1横方向8(図2における紙面に直交する方向)において配筋20の位置調整がされる。なお、図3に示す例では、配筋支持体80は直方体状であるが、配筋支持体80は、上面である横筋支持面81を有していれば、他の形状であってもよい。
【0063】
配筋支持体80は、横筋支持面81から凹む嵌合溝82を有する。嵌合溝82は、第2横方向9における配筋支持体80の第2柱体60側の端部に位置している。図2に示されるように、嵌合溝82は、配筋20の縦筋24の下端が嵌る溝であり、後述のグリップ90の下方に位置している。図3に示される例では、嵌合溝82は、第1横方向8における配筋支持体80の両端に亘っている。しかしながら、嵌合溝82は、縦筋24の直径よりも僅かに大きい直径の円を開口とする溝であってもよい。
【0064】
図3に示されるように、グリップ90は、上下方向7における第2柱体60の上端から第1柱体50に向かって突出している。グリップ90は、中心軸が上下方向7に沿い、且つ一部が切り欠かれた円筒或いはC字の柱状であって、縦筋24が押し込まれる挿入口91を有している。挿入口91の幅W4(図4(B)参照)は、縦筋24の直径よりも僅かに短い。グリップ90は、挿入口91から押し込まれる縦筋24によって弾性変形し、縦筋24を嵌め込まれる。すなわち、グリップ90は、いわゆるスナップフィットによって縦筋24と係合する。
【0065】
なお、図示例では、グリップ90の挿入口91は、第2横方向9に沿う向きで設けられているが、挿入口91は、第1横方向8に沿う向きなど、他の向きで設けられていてもよい。
【0066】
以下では、配筋支持具10を用いた基礎14の打設について説明される。なお、組み合されれる2つの配筋支持具10の一方が配筋支持具11と記載され、他方が配筋支持具12と記載されて説明がされる。また、配筋支持具11が支持する配筋20が配筋21と記載され、配筋支持具12が支持する配筋20が配筋22と記載されて説明がされる。
【0067】
作業者は、基礎14の打設予定地の地盤13に、配筋支持具10を載置するための敷モルタルを打設する。作業者は、図6に示されるように、配筋支持具11、12を組み合わせる。具体的には、作業者は、配筋支持具11の上方から配筋支持具12を下ろし、配筋支持具11のスリット100に配筋支持具12の第1柱体50を挿入し、配筋支持具11の隙間34に、配筋支持具12の第3基板33を入れ込む。配筋支持具11、12が組まれた状態において、配筋支持具11の第1横方向8と、配筋支持具12の第1横方向8とは、直交する。なお、図6において、配筋支持具11の第1方向8は図の上部に示されるように図における左右方向であり、配筋支持具12の第1方向8は図の下部に示されるように図における上下方向である。
【0068】
図7に示されるように、作業者は、組んだ配筋支持具11、12のセットを、基礎14の隅部となる位置に配置する。また、作業者は、配筋支持具10を単独で、一の配筋支持具11、12のセットと他の配筋支持具11、12のセットとの間に配置する。
【0069】
作業者は、配筋支持具11及び配筋支持具10に配筋21を乗せ、配筋支持具12及び他の配筋支持具(不図示)に配筋22を乗せる。図5に示されるように配筋支持具11の第1横方向8と、配筋支持具12の第1横方向8とは直交するから、図7に示されるように、配筋支持具11に支持された配筋21と、配筋支持具12に乗せられた配筋22とは、直交する。
【0070】
作業者は、配筋支持具12を、図5(A)と図5(B)とに示される範囲内で配筋支持具11に対してスライドさせ、配筋21に対する配筋22の位置を調整する。
【0071】
図1に示されるように、作業者は、配筋支持具11、12及び配筋支持具10に、型枠25を載置する。作業者は、アンカーボルトなどを型枠25に設置し、且つ不図示の他の型枠を地盤13に設置した後、コンクリートを型枠25内に流し込み、図2に示される基礎14を打設する。
【0072】
[実施形態の作用効果]
配筋支持具11のスリット100に配筋支持具12の第1柱体50を上方から挿入することにより、配筋支持具11と配筋支持具12とは、容易に分離不可に組み合わされる。そして、スリット100の壁面101、102が第1柱体50の側面68、69に当接或いは近接することにより、配筋支持具11に対して配筋支持具12がなす角度が直角になる。その結果、配筋支持具11に支持された配筋21と配筋支持具12に支持された配筋22とが直交する(図7参照)。すなわち、本実施形態では、第1柱体50を挿入可能なスリット100を配筋支持具10が有することにより、基礎14の隅部となる箇所において、配筋21と配筋22とを、容易な作業で直交して配置することができる。なお、配筋21と配筋22との直交とは、配筋21の横筋23の中心軸と配筋22の横筋23の中心軸とが直交することを意味する。
【0073】
また、本実施形態では、基板30に隙間34を設けることにより、配筋支持具11の基板30と配筋支持具12の基板30とが干渉することなく、配筋支持具11と配筋支持具12とを、基板30の下面同士が同一平面上となる高さ位置で組み合わせることができる。すなわち、本実施形態では、配筋支持具11が支持する配筋21と、配筋支持具12が支持する配筋22とを、上下方向7において位置ずれすることなく直交させることができる。
【0074】
本実施形態では、スリット幅W3は、第1柱体50の厚みT1よりも僅かに広く、2つの配筋支持具11、12を組み合わせた状態において、配筋支持具11のスリット100の壁面101、102が、配筋支持具12の第1柱体50の側面58、59に当接或いは近接する。配筋支持具11のスリット100の壁面101、102が配筋支持具12の第1柱体50の側面58、59に当接することにより、配筋支持具11の第1横方向8と配筋支持具12の第1横方向8とが直交する角度で配筋支持具11と配筋支持具12との相対位置が決まる。したがって、本実施形態では、作業者に角度調整をさせることなく、配筋21と配筋22とを直交させることができる。
【0075】
[変形例1]
本変形例では、図8に示される配筋支持具110が説明される。配筋支持具110は、第3柱体70(図3参照)を備えない。配筋支持具110は、第3柱体70を備えないこと以外は、実施形態で説明された配筋支持具10と同構成である。
【0076】
配筋支持具110は、空間103を備える。空間103は、第2柱体60の壁面101によって区画される。
【0077】
作業者は、一方の配筋支持具110の上方から他方の配筋支持具110を下ろし、一方の配筋支持具110の隙間34に、他方の配筋支持具110の第3基板33を入れ込む。次いで、作業者は、他方の配筋支持具110の第1柱体50の側面59を、一方の配筋支持具110の空間103を区画する壁面101に当接させる。他方の配筋支持具110の第1柱体50の側面59が一方の配筋支持具110の空間103を区画する壁面101に当接することにより、一方の配筋支持具110の第1横方向8と、他方の配筋支持具110の第1横方向8とが直交する。その結果、一方の配筋支持具110が支持する配筋20と、他方の配筋支持具110が支持する配筋20とが直交する。
【0078】
[変形例1の作用効果]
本変形例においても、基礎14の隅部となる箇所において、2つの配筋20を、容易な作業で直交して配置することができる。
【0079】
[変形例2]
上述の実施形態では、スリット幅W3(図4(B)参照)が第1柱体50の厚みT1よりも僅かに広く、スリット100の壁面101、102を第1柱体50の側面58、59に当接させることにより、一方の配筋支持具10と他方の配筋支持具10との角度を決定する例が説明された。本実施形態では、図9(A)に示されるように、スリット幅W3が第1柱体50の厚みT1よりも十分に広い例が説明される。
【0080】
図9(A)に示されるように、第2基板32は、互いに平行な一対の側面121、122を有している。側面121、122は、上下方向7及び第2横方向9に沿い、且つ第1横方向8に直交する面である。また、第2基板32は、第1横方向8において並ぶ一対の側面123、124を有している。側面123、側面124は、上下方向7及び第1横方向8に沿い、且つ第2横方向9に直交する面である。また、側面123は、第3基板33の側面37に繋がっており、側面124は、第3基板33の側面38に繋がっている。
【0081】
第1基板31は、互いに平行な一対の側面125、126を有している。側面125、126は、上下方向7及び第2横方向9に沿い、且つ第1横方向8に直交する面である。側面125は、第2横方向9において第2基板32の側面121と並んでいる。側面126は、第2横方向9において第2基板32の側面122と並んでいる。
【0082】
図9(B)、(C)に示すように、2つの配筋支持具10を組む際、作業者によって、一方の配筋支持具10の側面122が他方の配筋支持具10の側面124に当接され、一方の配筋支持具10の側面126が他方の配筋支持具10の側面123に当接されることにより、一方の配筋支持具10の第1横方向8と他方の配筋支持具10の第1横方向8とが直交する角度で2つの配筋支持具10の角度が決まる。すなわち、側面122、124、126、123は、2つの配筋支持具10の角度を決定する機能を有する。側面123、124は、第3壁面の一例である。側面122、126は、第4壁面の一例である。
【0083】
図9(A)、(B)、(C)に示されるように、第2横方向9における基板30の隙間34の幅W5と、第1横方向8における第2基板32の幅W6と、第1横方向8における第3基板33の幅W1とは、一方の配筋支持具10の側面122が他方の配筋支持具10の側面124から外れず、且つ一方の配筋支持具10の側面126が他方の配筋支持具10の側面123から外れないように決定されている。図9(B)は、他方の配筋支持具10が一方の配筋支持具10に対して一方の端に位置する状態を示し、図9(C)は、他方の配筋支持具10が一方の配筋支持具10に対して他方の端に位置する状態をそれぞれ示す。いずれの状態においても、一方の配筋支持具10の側面122が他方の配筋支持具10の側面124から外れず、且つ一方の配筋支持具10の側面126が他方の配筋支持具10の側面123から外れない。
【0084】
[変形例2の作用効果]
本変形例では、一方の配筋支持具10の基板30の側面122、126と他方の配筋支持具10の基板30の側面123、124とを当接させることにより、一方の配筋支持具10が支持する配筋20と、他方の配筋支持具10が支持する配筋20とを、容易な作業で直交させて配置することができる。
【0085】
本変形例では、スリット100のスリット幅W3は、第1柱体50の厚みT1よりも十分に広いから、他方の配筋支持具10の第1柱体50を一方の配筋支持具10のスリット100に容易に挿入可能である。その結果、2つの配筋支持具10を組む作業者の作業が容易になる。
【0086】
[変形例3]
上述の変形例2では、一方の配筋支持具10の側面122、126と、他方の配筋支持具10の側面123、124とが当接することにより、一方の配筋支持具10に対して他方の配筋支持具10の位置決めを行う例が説明された。本変形例では、図10に示されるように、側面122、126と側面123、124との当接に加え、側面132、131と側面121、125とが当接する例が説明される。なお、本変形例で説明される構成以外の構成は、実施形態及び変形例2で説明された構成と同じである。実施形態及び変形例2で説明された構成と同一の構成については、同一の符号が付されて説明が省略される。
【0087】
本変形例に係る配筋支持具111は、第3基板33の側面37、38から第1横方向8に沿ってそれぞれ突出する一対の張出部130を備える。一方の張出部130は側面131を有し、他方の張出部130は側面132を有する。側面131は、上下方向7及び第1横方向8に沿い、且つ第2横方向9に直交する平面であり、第2横方向9において第2基板32の側面123と対向している。側面132は、上下方向7及び第1横方向8に沿い、且つ第2横方向9に直交する平面であり、第2横方向9において第2基板32の側面124と対向している。
【0088】
2つの配筋支持具111を組んだ状態において、一方の配筋支持具10の側面122、126と、他方の配筋支持具10の側面123、124とが当接し、且つ一方の配筋支持具10の側面132、131と、他方の配筋支持具10の側面121、125とが当接する。これにより、一方の配筋支持具111における第1横方向8と、他方の配筋支持具10における第1横方向8とが直交するように一方の配筋支持具10に対して他方の配筋支持具10が位置決めされる。
【0089】
[変形例3の作用効果]
本変形例では、一方の配筋支持具111の基板30の側面122、126、132、131と他方の配筋支持具111の基板30の側面123、124、121、125とを当接させることにより、一方の配筋支持具111が支持する配筋20と、他方の配筋支持具1111が支持する配筋20とを、容易な作業で直交させて配置することができる。
【0090】
[変形例4]
上述の実施形態では、スリット100を区画する壁面101、102が、柱体50、60の上端から下端に亘って設けられた例が説明された。本変形例では、図11に示されるように、スリット100を区画する壁面101、102が、上下方向7における柱体50、60の中央部から上端に亘る例が説明される。なお、以下で説明される構成以外の構成は、実施形態で説明された構成と同一であり、実施形態で説明された構成と同一の構成には実施形態と同一の符号を付して説明が省略される。
【0091】
図11に示されるように、本変形例に係る配筋支持具112は、第2柱体60と第3柱体70とを架設する架設体140を備える。架設体140は、直方体状であり、上面である当接面141を有している。当接面141は、第1横方向8及び第2横方向9に沿い、且つ上下方向7に直交する面である。他方、第1柱体50が有する一番下の架設部55は、下面である当接面142を有している。当接面142は、第1横方向8及び第2横方向9に沿い、且つ上下方向7に直交する面である。当接面141と当接面142とは、上下方向7において、基板30の上面から同一の距離(高さ)にある。すなわち、当接面141と当接面142とは、同一平面上に位置している。
【0092】
架設体140と第3基板33との間には、貫通孔143が形成されている。貫通孔143は、基礎14の打設時において、コンクリートが流通する。
【0093】
2つの配筋支持具112を組んだ状態において、一方の配筋支持具112の当接面142は、他方の配筋支持具112の当接面141と当接する。他方の配筋支持具112が、一方の配筋支持具112の当接面142上を滑ることによって、他方の配筋支持具112が支持する配筋20の位置が調整される。
【0094】
[変形例4の作用効果]
架設体140によって、上下方向7における第2柱体60の中央部と第3柱体70の中央部とが繋がれることにより、第2柱体60及び第3柱体70の強度が高められる。
【0095】
他方の配筋支持具112は、一方の配筋支持具112の当接面142上を滑らされるから、他方の配筋支持具112を敷モルタル上の上で滑らすよりも、摺動抵抗が小さくなる。その結果、作業者における他方の配筋支持具112の位置調整が容易になる。
【0096】
[変形例5]
上述の実施形態では、図5(A)、(B)に示されるように、一方の配筋支持具11に対して他方の配筋支持具12が第2横方向9に沿ってスライドされることによって他方の配筋支持具12に支持された配筋20の位置調整がされる例が説明された。本変形例では、グリップ90に代えて設けられたグリップ150(図12(A)参照)が、第2柱体60に対してスライドされることによって配筋20の位置調整がされる例が説明される。なお、以下で説明される構成以外の構成は、実施形態で説明された構成と同一であり、実施形態で説明された構成と同一の構成には実施形態と同一の符号を付して説明が省略される。
【0097】
本変形例では、図12(A)に示される配筋支持具113が説明される。図12(C)に示されるように、配筋支持具113において、図の上部に示された第1横方向9(図の左右方向)における第3基板33の幅は、隙間34の幅W2と同一或いは幅W2よりも僅かに狭い。したがって、2つの配筋支持具113を組んだ状態において、一方の配筋支持具113の第3基板33の側面37は、他方の配筋支持具113の第1基板31の側面35と当接或いは近接し、一方の配筋支持具10の第2基板32の側面38は、他方の配筋支持具10の第1基板31の側面36と当接或いは近接する。すなわち、他方の配筋支持具10は、一方の配筋支持具10に対して、第1横方向8及び第2横方向9の双方において位置決めされる。
【0098】
図12(A)に示されるように、配筋支持具113は、グリップ90(図3参照)に代えて、グリップ150を備える。グリップ150は、第1支持板151及び第2支持板152と、グリップ体153と、連結体154と、を備える。
【0099】
第1支持板151は、直方体状である。第1支持板151は、第1傾斜面155を有している。第1傾斜面155は、上下方向7及び第1横方向8を含む鉛直面に対して傾斜し、且つ第1横方向8及び第2横方向9を含む水平面に対して傾斜する面である。
【0100】
グリップ体153は、第1支持板151の側面156から第2横方向9に沿って突出している。側面156は、第1傾斜面155とは反対側の面である。グリップ体153は、グリップ90(図3参照)と同様の形状であり、縦筋24が挿入される挿入口91を有している。グリップ体153は、グリップ150が支持体40に取り付けられた状態において、横筋支持面81の上方に位置する。グリップ体153は、グリップの一例である。
【0101】
第2支持板152は、第2横方向9において第1支持板151から離間してしている。第2支持板152は、直方体状である。第2支持板152は、主面である一対の第2傾斜面157、158を有している。第2傾斜面157は、第1支持板151の第1傾斜面155と対向している。第2傾斜面157、158は、第1傾斜面155とそれぞれ互いに平行である。第2支持板152の下端は、第1支持板151の下端よりも下に位置している。
【0102】
連結体154は、第1支持板151と第2支持板152とを連結している。連結体154は、直方体状である。第2横方向9における連結体154の一端部は、第1横方向8における第1支持板151の中央部と繋がっており、連結体154の他端部は、第1横方向8における第2支持板152の中央部と繋がっている。
【0103】
第1支持板151の第1傾斜面155と第2支持板152の第2傾斜面157と連結体154とにより、一対の隙間159が区画されている。一対の隙間159は、第1横方向8において並んでいる。
【0104】
第2柱体60の棒状部61は、グリップ150の第2支持板152及び連結体154が嵌る嵌合溝160を上端に有している。嵌合溝160は、第2支持板152が嵌まる第1溝161と、連結体154が嵌る第2溝162とを有している。第1溝161は、第2横方向9における第3柱体70側に位置しており、第2溝162は、第2横方向9における第1柱体50側に位置している。第1溝161と第2溝162とは連通している。
【0105】
第1横方向8における第2溝162の長さは、第1横方向8における第1溝161の長さよりも短い。第2溝162の幅を第1溝161の幅よりも狭める一対の突出片163が棒状部61に設けられている。
【0106】
第1溝161は、上方に開口している。また、第1横方向8における第1溝161の長さは、第1横方向8における第2支持板152の長さと略同一或いは僅かに長い。また、第2横方向9における第1溝161の長さは、第2横方向9における第2支持板152の長さと略同一或いは僅かに長い。すなわち、第2支持板152は、第1溝161に上方から挿入可能である。
【0107】
図12(B)に示されるように、棒状部61は、第1溝161を区画する一対の傾斜面166、167を有している。傾斜面166、167は、第2支持板152の第2傾斜面157、158とそれぞれ互いに平行な面である。傾斜面166と傾斜面167との離間距離は、第2支持板152の厚みよりも僅かに長い。すなわち、第2支持板152は、第1溝161内を傾斜方向165に沿ってスライド可能である。第2支持板152が傾斜方向165に沿ってスライドする際、第2支持板152の一対の傾斜面157、158と、第1溝161の一対の傾斜面166、167とが当接(摺接)する。なお、傾斜方向165は、上下方向7及び第2横方向9に対して傾斜し、且つ第1横方向8に直交する方向である。
【0108】
第2溝162は、上方に開口している。また、第1横方向8における第2溝162の長さは、第1横方向8における連結体154の長さと略同一或いは僅かに長い。また、第2横方向9における第2溝162の長さは、第2横方向9における連結体154の長さと略同一或いは僅かに長い。すなわち、連結体154は、第2溝162に上方から挿入可能である。また、連結体154は、第2溝162内を傾斜方向165に沿ってスライド可能である。
【0109】
棒状部61は、第3傾斜面164を側面の一部として有している。第3傾斜面164は、第2横方向9における第1柱体50側に位置する側面である。第3傾斜面164は、第1傾斜面155及び第2傾斜面157と平行な面である。第2支持板152が第1溝161内をスライドする際、第1支持板151の第1傾斜面155は、棒状部61の第3傾斜面164に当接(摺接)する。
【0110】
グリップ150は、配筋20の縦筋24をグリップ体153に嵌められた後、嵌合溝160に上方から挿入される。或いは、グリップ150は、嵌合溝160に上方から挿入された後、縦筋24を嵌め込まれる。図12(B)に示されるように、グリップ150が傾斜方向165に沿ってスライドされることにより、第2横方向9における縦筋24の位置調整がされる。なお、グリップ150が傾斜方向165に沿ってスライドされる際、グリップ150は、縦筋24の周面上を滑り、縦筋24に対して上下する。
【0111】
[変形例5の作用効果]
本変形例では、グリップ150のみをスライドさせて配筋20の位置調整を行うから、一方の配筋支持具10に対して他方の配筋支持具10全体をスライドさせて配筋20の位置調整を行う場合よりも、作業者における位置調整の作業が容易になる。
【0112】
また、本変形例では、2つの配筋支持具113を組んだ場合、一方の配筋支持具113の隙間34を区画する側面35、36と、他方の配筋支持具113の第3基板33の一対の側面37、38とが当接する。したがって、2つの配筋支持具113を、実施形態の場合よりも強固に組むことができる。
【0113】
なお、本変形例では、グリップ150が傾斜方向165に沿ってスライド可能とされた例が説明されたが、グリップ150は、第2横方向9に沿ってスライド可能とされてもよい。
【0114】
また、本変形例では、棒状部61に嵌合溝160を設け、嵌合溝160に嵌る第2支持板152をグリップ150に設ける例が説明された。しかしながら、グリップ150に嵌合溝160を設け、嵌合溝160に嵌る第2支持板152が棒状部61に設けられてもよい。また、棒状部61がグリップ150を傾斜方向165に沿ってスライド自在に支持可能であれば、嵌合溝160及び第2支持板152以外の構成が採用されてもよい。
【0115】
また、本変形例では、他方の配筋支持具113が一方の配筋支持具113に対してスライド不可とされているが、他方の配筋支持具113は、一方の配筋支持具113に対してスライド可能であってもよい。その場合、配筋20の位置調整は、他方の配筋支持具113を一方の配筋支持具113に対してスライドして行われてもよいし、グリップ150を傾斜方向165に沿ってスライドさせることで行われてもよい。
【0116】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、スリット100の幅W3(図4(B)参照)を第1柱体50の厚みT1よりも僅かに広くしてスリット100の壁面101、102を第1柱体50の側面58、59に当接或いは近接させて一方の配筋支持具11に対して他方の配筋支持具12を位置決めする例が説明された。しかしながら、スリット100の幅W3は、第1柱体50の厚みT1よりも十分広くされてもよい。その場合、作業者は、スリット100の壁面101、102が第1柱体50の側面58、59に平行になるように、或いは一方の配筋支持具11の基板30の側面35、36が他方の配筋支持具12の基板30の側面37、38に平行になるように他方の配筋支持具12の角度を目視で調整する。
【0117】
上述の実施形態では、他方の配筋支持具12(10)が一方の配筋支持具11(10)に対してスライド可能である例が説明された。しかしながら、変形例5(図12)で説明されたように、基板30の隙間34の幅W2を、第1横方向8における第3基板33の長さ(幅)と略同一或いは僅かに広くして、他方の配筋支持具12(10)を一方の配筋支持具11(10)に対してスライド不可としてもよい。
【0118】
[付記1]
縦筋及び横筋を有し且つ基礎に埋設される配筋を支持する配筋支持具あって、
水平面にそれぞれ沿う一対の主面を有する板状であって、当該主面に沿う第1横方向における長さが当該第1横方向と直交する第2横方向における長さよりも短い基板と、
上記基板から上方へ起立する支持体と、を備えており、
上記支持体は、
上記第1横方向へ延びており、上記横筋が載置される横筋支持面と、
上記第2横方向における上記横筋支持面の両側にそれぞれ位置しており、上記横筋支持面より上方へそれぞれ延びる第1部分および第2部分と、を備えており、
上記第1部分は、
当該配筋支持具と別の配筋支持具であって、所定姿勢にされた当該別の配筋支持具の上記第2部分が進入可能且つ上方を向いて開口する空間を有しており、
上記所定姿勢は、上記第1横方向と、上記別の配筋支持具の上記第1横方向とが直交する姿勢であり、
上記基板は、上記第2部分の下方に位置する箇所に、上記別の配筋支持具における上記第1部分の下方に位置する上記基板が進入可能な隙間を有する配筋支持具。
【0119】
[付記2]
上記第1部分は、上記空間を区画する第1壁面であって、上記第2横方向に直交する第1壁面を有しており、
上記第2部分は、上記第1横方向に直交する第2壁面を有しており、
上記別の配筋支持具が組み付けられた状態において、上記第1壁面と、上記別の配筋支持具の上記第2壁面とが当接する、付記1に記載の配筋支持具。
【0120】
[付記3]
上記空間は、上記第1部分が有する一対の壁面であって、相互に対向し且つ上記第2横方向に直交する当該一対の壁面によって区画されたスリットである、付記1に記載の配筋支持具。
【0121】
[付記4]
上記基板は、
上記第2横方向に直交し、且つ上記第1部分の下方に位置する第3壁面と、
上記第1横方向に直交し、且つ上記第2部分の下方に位置する第4壁面と、を有しており、
上記別の配筋支持具が組み付けられた状態において、上記第3壁面と、上記別の配筋支持具の上記第4壁面とが当接する、付記1または2に記載の配筋支持具。
【0122】
[付記5]
鉛直方向及び上記第2横方向に対して傾斜する傾斜方向にスライド可能に上記支持体に支持されており、且つ上記横筋支持面の上方に位置しており、上記縦筋を保持するグリップを更に備える、付記1又は2に記載の配筋支持具。
【0123】
[付記6]
縦筋および横筋を有し且つ基礎に埋設される配筋をそれぞれ支持する同形状の一対の配筋支持具からなる配筋支持具セットあって、
上記配筋支持具は、
一対の主面を有する板状であって、当該主面に沿う第1横方向における長さが当該第1横方向と直交する第2横方向における長さよりも短い基板と、
上記基板から上方へ起立する支持体と、を備えており、
上記支持体は、
上記第1横方向へ延びており、上記横筋が載置される横筋支持面と、
上記第2横方向における上記横筋支持面の両側にそれぞれ位置しており、上記横筋支持面より上方へそれぞれ延びる第1部分および第2部分と、を備えており、
上記第1部分は、
他方の上記配筋支持具であって、所定姿勢にされた当該他方の配筋支持具の上記第2部分が嵌め込み可能且つ上方を向いて開口する空間を有しており、
上記所定姿勢は、上記第1横方向と、上記他方の配筋支持具の上記第1横方向とが直交する姿勢であり、
上記基板は、上記第2部分の下方に位置する箇所に、上記他方の配筋支持具における上記第1部分の下方に位置する上記基板が進入可能な隙間を有する配筋支持具セット。
【符号の説明】
【0124】
7・・・上下方向
8・・・第1横方向
9・・・第2横方向
10、11、12、110、111、112、113・・・配筋支持具
14・・・基礎
20、21、22・・・配筋
23・・・横筋
24・・・縦筋
25・・・型枠
30・・・基板
31・・・第1基板
32・・・第2基板
33・・・第3基板
34・・・隙間
35~38・・・側面
40・・・支持体
50・・・第1柱体
56・・・型枠支持面
58、59・・・側面
60・・・第2柱体
66・・・型枠支持面
68、69・・・側面
70・・・第3柱体
76・・・型枠支持面
78、79・・・側面
80・・・配筋支持体
81・・・横筋支持面
82・・・嵌合溝
90・・・グリップ
100・・・スリット
101、102・・・壁面
103・・・空間
121~126・・・側面
130・・・張出部
131、132・・・側面
150・・・グリップ
165・・・傾斜方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12